JPWO2006080141A1 - アンテナ及び無線通信機 - Google Patents
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Abstract
Description
従来、このようなアンテナとしては、例えば特許文献1〜特許文献3に開示されたものがある。
特許文献1に開示のアンテナでは、逆F型アンテナ装置であるので、携帯電話等のような小型で薄型の無線通信機に実装する場合には、接地導体からアンテナ素子迄の高さを小さくしなければならないため、結合素子の取付位置が低い位置に限定されてしまう。このため、複共振の共振周波数の制御には限界があり、その帯域幅は、逆Fアンテナ素子の帯域幅の1.5倍程度しか広がらない。そして、比帯域幅は数%程度が限界であった。
かかる構成により、第1アンテナ部が、給電電極と周波数可変回路と放射電極とで構成され、第2アンテナ部が給電電極と周波数可変回路の第1リアクタンス回路と追加放射電極とで構成される。これにより、第1アンテナ部による共振周波数と第2アンテナ部による共振周波数との複共振状態を得ることができる。そして、周波数可変回路の第1リアクタンス回路のリアクタンス値を変化させることにより、第1アンテナ部の共振周波数と第2アンテナ部の共振周波数とが同時に変化する。すなわち、周波数可変回路によって、複数の共振周波数を同時に所望範囲だけ変化させることができる。ところで、単共振のアンテナで広帯域化を図る場合には、大きな制御電圧を周波数可変回路に加えて、共振周波数を広い範囲で変化させる必要がある。しかし、この発明のアンテナであれば、低い制御電圧で、周波数の異なる複数の共振周波数を同時に変化させることができるので、低電圧の制御電圧を用いて、広帯域化を図ることができる。
かかる構成により、第2リアクタンス回路のリアクタンス値を制御電圧によって所望範囲で変化させることができ、この結果、第1アンテナ部の共振周波数を多彩に変化させることができる。
かかる構成により、周波数可変回路のリアクタンス値は、第1リアクタンス回路の可変リアクタンス値と第2リアクタンス回路の固定リアクタンス値との和になり、第1リアクタンス回路のリアクタンス値を変えることで、第1及び第2アンテナ部の共振周波数が同時に変化する。
かかる構成により、当該インダクタを使用することで、第1アンテナ部や第2アンテナ部でカバーする周波数よりも低い周波数帯で共振する第3のアンテナ部を構成することができる。
かかる構成により、さらなる多共振化が可能となる。
かかる構成により、各追加放射電極についてのアンテナ部の共振周波数を、各アンテナ部毎に自由に変化させることができる。
かかる構成により、給電電極と放射電極の開放先端との間隔を変化させることにより、第1アンテナ部のリアクタンス値を変えることができる。
かかる構成により、誘電体基体の誘電率を変化させることにより、第1及び第2アンテナ部のリアクタンス値を変えることができる。
かかる構成により、インダクタ単体又はリアクタンス回路に基づく新たな共振を得ることができる。
特に、請求項2の発明に係るアンテナによれば、周波数可変回路の第2リアクタンス回路も可変であるので、第1アンテナ部の共振周波数をより多彩に変化させることができる。
また、請求項3の発明に係るアンテナによれば、周波数可変回路の第2リアクタンス回路が固定であるので、低コストで、第1及び第2アンテナ部の共振周波数に異なる変化量を与えることができる。
また、請求項6の発明に係るアンテナによれば、インダクタンスを追加して使用することで、給電電極とこのインダクタと放射電極とでなる第3のアンテナ部を構成することができ、新たに低い共振周波数の帯域を確保することができる。
また、請求項8の発明に係るアンテナによれば、さらなる多共振化が可能となり、マルチメディアに対応したマルチバンドのアンテナを提供することができる。
特に、請求項9の発明に係るアンテナによれば、各共振周波数を多彩に変化させることができる。
また、請求項14ないし請求項16の発明に係るアンテナによれば、アンテナ体積を小さく保ちながら、新たな共振を付加させることができる。
特に、請求項15の発明に係るアンテナにおいて、リアクタンス回路を直列共振回路とすることで、この直列共振回路が接続された電極の共振周波数に対する影響を小さくすることができ、また、リアクタンス回路を並列共振回路とすることで、装荷インダクタの定数を小さくすることが可能となり、チップ部品が持つ自己共振周波数の問題を解決することができる。さらに、リアクタンス回路を直列共振回路と並列共振回路との複合回路にすることで、直列共振回路の持つ利点と並列共振回路の持つ利点との双方の利点を得ることができる。
そして、請求項17の発明によれば、低電圧で、広帯域の送受信が可能な無線通信機を提供することができる。
この実施例のアンテナ1は、携帯電話等の無線通信機に設けられている。
図1に示すように、アンテナ1は、無線通信機の回路基板100の非グランド領域101に形成されており、グランド領域102上に搭載されている送受信部110との間で高周波信号のやり取りを行う。また、直流の制御電圧Vcが、送受信部110内に設けられている受信周波数制御部120からアンテナ1に入力されるようになっている。
周波数可変回路4は、給電電極5に接続され且つそのリアクタンス値を制御電圧Vcで変化可能な第1リアクタンス回路4a(図1で「jX1」と記す)に、放射電極6に接続された第2リアクタンス回路4b(図1で「jX2」と記す)を接続した回路構造になっている。
第1リアクタンス回路4aとしては、可変容量素子を含む直列回路又は可変容量素子を含む並列回路がある。
一方、第2リアクタンス回路4bとしては、制御電圧Vcによってそのリアクタンス値が制御可能な回路、即ち可変容量素子を含む直列回路又は可変容量素子を含む並列回路や、そのリアクタンス値が固定な回路、即ち固定容量素子を含む直列回路又は固定容量素子を含む並列回路である。
これら第1リアクタンス回路4aと第2リアクタンス回路4bとの接続点Pが、高周波カット用抵抗121及びDCパスコンデンサ122を介して受信周波数制御部120に接続されている。
これにより、受信周波数制御部120からの制御電圧Vcが接続点Pに印加されると、第1及び第2リアクタンス回路4a,4bのリアクタンス値が制御電圧Vcの大きさに対応して変化する。
具体的には、導体パターンの追加放射電極7が、第1及び第2リアクタンス回路4a,4bの接続点Pに、第2アンテナ部3の共振周波数を制御するための共振周波数調整用インダクタ70を介して接続されている。これにより、第2アンテナ部3は、給電電極5と周波数可変回路4の第1リアクタンス回路4aと追加放射電極7とで構成される。そして、制御電圧Vcが接続点Pに印加されて、周波数可変回路4の第1リアクタンス回路4aのリアクタンス値が変化すると、第2アンテナ部3の電気長が変わり、第2アンテナ部3の共振周波数が可変となる。
図2は、複共振の可変状態を説明するための線図であり、図3は、低電圧で広帯域化が可能であることを説明するための線図である。
上記したように、第1アンテナ部2が、給電電極5と周波数可変回路4と放射電極6とで構成され、第2アンテナ部3が給電電極5と周波数可変回路4の第1リアクタンス回路4aと追加放射電極7とで構成されているので、第1アンテナ部2による共振周波数f1と第2アンテナ部3による共振周波数f2との2共振状態を得ることができる。そして、放射電極6の長さを追加放射電極7よりも長く設定しておくと、第1アンテナ部2による共振周波数f1が第2アンテナ部3による共振周波数f2よりも低くなり、図2の実線で示すリターンロス曲線S1を得る。そこで、第2リアクタンス回路4bが、上記したように、制御電圧Vcで制御可能な可変回路である場合には、制御電圧Vcを受信周波数制御部120から周波数可変回路4の接続点Pに印加することにより、第1及び第2リアクタンス回路4a,4bのリアクタンス値が変化して、第1アンテナ部2の電気長が変化する。この結果、図2の破線で示すリターンロス曲線S2で示すように、第1アンテナ部2の共振周波数f1が制御電圧Vcの大きさに対応した変化量M1だけ移動して、周波数f1′に至る。そして、同時に、第2アンテナ部3の共振周波数f2が、可変容量ダイオード42のリアクタンス値の変化に対応した変化量M2だけ移動して、周波数f2′に至る。したがって、第1及び第2リアクタンス回路4a,4bの部品設定によって、共振周波数f1の変化量M1と共振周波数f2の変化量M2を等しくしたり、異ならしめたりして、これら共振周波数f1,f2を所望範囲で変化させることができる。また、第2リアクタンス回路4bもリアクタンス値が可変であるので、第1アンテナ部2の共振周波数f1を多彩に変化させることができる。
これに対して、この実施例のアンテナ1では、2共振状態の共振周波数f1,f2を制御電圧Vcによって同時に変化させることができる。このため、図3の(b)に示すように、共振周波数f2を所望周波数f2′(=f3)まで変化させると共に、共振周波数f1を共振周波数f2の最低周波数f2以上の周波数f1′まで変化させるようにすることで、周波数f1〜f3迄の広帯域の送受信が可能となる。このとき、共振周波数f1,f2の変化量はそれぞれM1,M2であり、いずれの変化量も単共振の場合の変化量Mに比べて極めて小さい。すなわち、このアンテナ1では、僅かな変化量M1や変化量M2だけ変化させる低電圧の制御電圧Vcによって、共振周波数f1,f2を周波数f1〜f3の範囲で変化させることができるので、周波数がf1〜f3という広帯域での送受信が可能になる。したがって、この実施例のアンテナ1を用いることで、携帯電話等のように、低電源電圧化が要求される無線通信機等でも広帯域の送受信が可能となる。
また、このアンテナ1において、単共振の場合と同じ大きさの制御電圧Vcを周波数可変回路4に印加した場合には、周波数f1〜f3を遙かに越えた広い範囲での送受信が可能となる。周波数可変回路4の部品の設定いかんによって、単共振の場合の帯域の倍以上の帯域を確保することもできる。
この実施例のアンテナ1は、第1実施例の第1リアクタンス回路4a及び第2リアクタンス回路4bに対して具体的な可変の直列回路を適用したものである。
第1リアクタンス回路4aとしては、可変容量素子を含む直列回路又は可変容量素子を含む並列回路があるが、この実施例では、可変容量素子を含む直列回路を適用した。ところで、可変容量素子を含む直列回路としては、図5の(a)及び(b)に示す直列回路が挙げられる。この例では、図5の(a)の直列回路を適用した。
一方、第2リアクタンス回路4bとしては、可変容量素子を含む直列回路又は可変容量素子を含む並列回路や、固定容量素子を含む直列回路又は固定容量素子を含む並列回路があるが、この実施例では、可変容量素子を含む直列回路又は可変容量素子を含む並列回路を適用した。ところで、可変容量素子を含む直列回路又は可変容量素子を含む並列回路としては、図6の(a)〜(d)に示す回路が挙げられる。この例では、可変回路である図6の(a)の直列回路を適用した。
これにより、制御電圧Vcが受信周波数制御部120から周波数可変回路4の接続点Pに印加されると、可変容量ダイオード42,44の容量値が変化して、第1アンテナ部2の電気長が変化し、第1アンテナ部2の共振周波数が制御電圧Vcの大きさに対応した共振周波数に変位する。これと同時に、第2アンテナ部3の共振周波数も、可変容量ダイオード42のリアクタンス値の変化に対応して変位する。
図7は、この発明の第3実施例に係るアンテナを示す概略平面図であり、図8は、固定の第2リアクタンス回路4bの具体例を示す回路図である。
上記第2実施例では、第1リアクタンス回路4aとして、可変容量素子を含む直列回路を適用し、第2リアクタンス回路4bとして、可変容量素子を含む直列回路又は可変容量素子を含む並列回路を適用したが、この実施例では、第2リアクタンス回路4bとして、固定容量素子を含む直列回路又は固定容量素子を含む並列回路を適用した。
ところで、固定容量素子を含む直列回路又は固定容量素子を含む並列回路としては、図8の(a)〜(e)に示す回路が挙げられる。この例では、固定回路である図8の(a)の直列回路を適用した。
その他の構成、作用及び効果は、上記第2実施例と同様であるので、その記載は省略する。
図10は、この発明の第4実施例に係るアンテナを示す概略平面図であり、図11は、並列回路の第1リアクタンス回路4aの具体例を示す回路図である。
上記第2及び第3実施例では、第1リアクタンス回路4aとして、可変容量素子を含む直列回路を適用したが、この実施例では、第1リアクタンス回路4aとして、可変容量素子を含む並列回路を適用した。
ところで、可変容量素子を含む並列回路としては、図11の(a)及び(b)に示す回路が挙げられる。この例では、図11の(a)の並列回路を適用した。
すなわち、図10に示すように、インダクタ47及び共用のコンデンサ48でなる直列回路を、インダクタ41及び可変容量ダイオード42でなる直列回路に並列に接続して、並列回路の第1リアクタンス回路4aを構成した。また、第2リアクタンス回路4bにおいても同様に、インダクタ46及び共用のコンデンサ48でなる直列回路を、インダクタ43及び可変容量ダイオード44でなる直列回路に並列に接続して、並列回路の第2リアクタンス回路4bを構成した。
そして、可変容量ダイオード42,44の同極同士を接続して、その接続点Pに可変容量ダイオード42,44の容量を制御するための制御電圧Vcを印加するようにした。
また、インダクタ46,47のいずれかをチョークコイルとして用いることにより、第1及び第2リアクタンス回路4a,4bの一方を直列回路構成のリアクタンス回路とし、他方を並列回路構成のリアクタンス回路とすることができる。したがって、例えばインダクタ46をチョークコイルとして用いることで、第2アンテナ部3を、給電電極5とインダクタ41及び可変容量ダイオード42の直列回路と追加放射電極7とで構成することとなり、かかる条件下で、共振周波数f2の設定と可変範囲が決まることとなる。なお、コンデンサ48は、直流カット用のコンデンサとして機能する。
その他の構成、作用及び効果は、上記第2及び第3実施例と同様であるので、その記載は省略する。
図13は、この発明の第5実施例に係るアンテナを示す概略平面図であり、図14は付加したインダクタの特性によって生じるリターンロス曲線図であり、図14の(a)は、インダクタをチョークコイルとして設定した場合を示し、図14の(b)は、インダクタを共振周波数調整用として設定した場合を示す。
この実施例は、図13に示すように、インダクタ40を周波数可変回路4の第1及び第2リアクタンス回路4a,4bを跨ぐように並列に付加した点が、上記第1ないし第4実施例と異なる。
ここでは、第1リアクタンス回路4aとして図5の(a)に示した可変直列回路を採用すると共に、第2リアクタンス回路4bとして、図6の(b)に示した可変回路を採用して構成した周波数可変回路4に、インダクタ40を並列に接続した例について説明する。
すなわち、インダクタ40を給電電極5と放射電極6との間に配し、その両端を、可変容量ダイオード42,44のカソード側にそれぞれ接続した。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1ないし第4実施例と同様であるので、その記載は省略する。
すなわち、図15の(a)に示すように、上記第2実施例で適用した構造の周波数可変回路4に、インダクタ40を並列に接続しても、この実施例と同様の作用効果を得ることができる。また、図15の(b)に示すように、第2リアクタンス回路4bに、インダクタ43とコンデンサ45との直列回路を採用しても、この実施例と同様の作用効果を得ることができる。
図16は、この発明の第6実施例に係るアンテナを示す概略平面図である。
この実施例は、上記第4実施例において、第2アンテナ部3の追加放射電極7とは別体の追加放射電極7′を共振周波数調整用インダクタ71を介して接続点Pに接続すると共に、追加放射電極6′を共振周波数調整用インダクタ61を介して放射電極6に接続した構成とした。そして、制御電圧Vcを接続点Pに印加するようにした。
これにより、給電電極5と第1リアクタンス回路4aと共振周波数調整用インダクタ71と追加放射電極7′とで第3のアンテナ部が形成されると共に、給電電極5と周波数可変回路4と追加放射電極6′とによって第4のアンテナ部が形成され、4共振のアンテナを実現することができる。すなわち、さらなる多共振化が可能となり、マルチメディアに対応したマルチバンドのアンテナを提供することができる。
その他の構成、作用及び効果は、上記実施例と同様であるので、その記載は省略する。
図17は、この発明の第7実施例に係るアンテナを示す斜視図である。
この実施例は、給電電極5と周波数可変回路4と放射電極6と追加放射電極7等のアンテナ要素を所定の誘電体基体上に形成した構成とする。
この実施例では、図17に示すように、図15の(a)に示したアンテナを誘電体基体8表面に形成した例について説明する。
そして、給電電極5が、この誘電体基体8の左側において、正面80から上面83に亘ってパターン形成されている。非グランド領域101上には、パターン113が形成され、インダクタ112を通じて送受信部110に接続されている。そして、給電電極5の一方の端部5aがこのパターン113に接続され、他方の端部5bが周波数可変回路4に接続されている。この周波数可変回路4において、第1リアクタンス回路4aのインダクタ41及び可変容量ダイオード42と第2リアクタンス回路4bのインダクタ43及び可変容量ダイオード44は、それぞれチップ部品であり、上面83上に形成されたパターン48を介して接続されている。
そして、インダクタ40が、この第1リアクタンス回路4a及び第2リアクタンス回路4bを跨ぐようにして、上面83上に形成されている。すなわち、パターン48と平行なパターン49が形成され、このパターン49の途中にインダクタ40が介設されている。
放射電極6は、パターン48,49の接続部から上面83の上隅を右方に延び、側面81を下降した電極部6aを有する。そして、電極部6bが、電極部6aと連続した状態で、下面84の左方に延び、側面82を上昇している。そして、この電極部6bの上端が、上面83上に隅に形成された電極部6cに連結している。すなわち、放射電極6は、電極部6a〜6cで成り、全体としてループ形状をなす。
また、周波数可変回路4の可変容量ダイオード42,44との接続部からは、パターン72が引き出され、上面83及び正面80を伝わって、非グランド領域101上の形成され受信周波数制御部120に至るパターン123と接続している。そして、パターン72の途中に、高周波カット用抵抗121が介設されている。
追加放射電極7は、上記のようなパターン72に対して垂直方向を向くように、パターン形成され、共振周波数調整用インダクタ70を介してパターン72に接続されている。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1ないし第6実施例と同様であるので、その記載は省略する。
なお、この実施例では、給電電極5等のアンテナ要素のほぼ全てを誘電体基体8に形成したが、アンテナ要素の一部を誘電体基体8に形成しても良い。また、この実施例では、図15の(a)に示したアンテナを誘電体基体8表面に形成したが、これに限るものではなく、上記した全ての実施例のアンテナを誘電体基体8表面に形成することができることは勿論である。
図18は、この発明の第8実施例に係るアンテナを示す概略平面図であり、図19は付加したインダクタの特性によって生じるリターンロス曲線図である。
この実施例は、図18に示すように、第2アンテナ部3の追加放射電極7の途中に単体のインダクタ90を接続した点が、上記実施例とは異なる。
具体的には、インダクタ90の一方端90aを追加放射電極7の先端部側に接続すると共に、他方端90bをグランド領域102(図1参照)に接続した。
インダクタ90としては、追加放射電極7とグランド領域102に接続した状態で、高インピーダンスとなるインダクタが選択されており、これにより、アンテナ利得の劣化を防止している。そして、このように高インピーダンスのインダクタ90を採用することで、インダクタ111と給電電極5と周波数可変回路4と共振周波数調整用インダクタ70と追加放射電極7とによる共振周波数f2に大きな影響を与えることなく、分岐元の追加放射電極7が持つ周波数より低い周波数である新たな共振周波数faを生成することができる。かかる低周波の共振周波数を電極のみで形成する場合には、相当長い電極を用いなければならず、アンテナ体積が大きくなってしまう。しかし、この実施例のように、電極を用いずにインダクタ90で新たな共振周波数faを生成することで、アンテナ体積の小型化を図ることができる。
また、可変容量ダイオード42,44を含む周波数可変回路4が給電電極5と放射電極6との間及び給電電極5と追加放射電極7との間に介在しているので、制御電圧Vcを周波数可変回路4に印加することで、図19の破線で示すリターンロス曲線S2のように、共振周波数f0,fa,f1,f2を全体的に変化させることができる。
そして、共振周波数f0,fa,f1,f2を適宜設定することで、FMの電波,VHF帯の電波,及びUHF帯の電波が受信可能となる。
その他の構成、作用及び効果は、上記実施例と同様であるので、その記載は省略する。
また、この実施例では、インダクタ90を第2アンテナ部の追加放射電極7にのみ接続した構成としたが、インダクタ90を追加放射電極7に接続せず、第1アンテナ部2の放射電極6の途中にのみ接続しても良い。
さらに、この実施例では、インダクタ90に1つのインダクタ90を接続したが、これに限らず、複数のインダクタ90を並列に接続することもできる。
図20は、この発明の第9実施例に係るアンテナを示す概略平面図であり、図21は、付加した2つのインダクタの特性によって生じるリターンロス曲線図である。
この実施例は、図20に示すように、第1アンテナ部2の放射電極6の途中にも単体のインダクタ91を接続した点が、上記第8実施例とは異なる。
具体的には、インダクタ91の一方端91aを放射電極6の折曲部6dに接続すると共に、他方端91bをグランド領域102に接続した。
これにより、図21のリターンロス曲線S1で示すように、インダクタ111と給電電極5と周波数可変回路部分4′とによる共振周波数f0、インダクタ111と給電電極5と周波数可変回路4と共振周波数調整用インダクタ70と追加放射電極7とインダクタ90とによる共振周波数fa、インダクタ111と給電電極5と周波数可変回路4と放射電極6とによる共振周波数f1、インダクタ111と給電電極5と周波数可変回路4と共振周波数調整用インダクタ70と追加放射電極7とによる共振周波数f2の他に、インダクタ111と給電電極5と周波数可変回路4と放射電極6とインダクタ91とによって、分岐元の放射電極6が持つ周波数より低い周波数である新たな共振周波数fbが新たに生成される。
このインダクタ91もインダクタ90と同様に高インピーダンスなインダクタであり、
共振周波数fbは、共振周波数faとf1との間に位置する低い共振周波数である。
そして、制御電圧Vcを周波数可変回路4に印加することで、図21の破線で示すリターンロス曲線S2のように、共振周波数f0,fa,fb,f1,f2を全体的に変化させることができる。
その他の構成、作用及び効果は、上記第8実施例と同様であるので、その記載は省略する。
図22は、この発明の第10実施例に係るアンテナを示す概略平面図であり、図23は、付加した3つのインダクタの特性によって生じるリターンロス曲線図である。
この実施例は、図22に示すように、第2アンテナ部3の追加放射電極7とは別体の追加放射電極6′,7′が設けられたアンテナにおいて、追加放射電極6′,7′にも、単体のインダクタ92,93をそれぞれ接続した点が、上記第8及び第9実施例とは異なる。
具体的には、インダクタ92の一方端92aを放射電極6の折曲部6eに接続すると共に、他方端92bをグランド領域102に接続した。そして、インダクタ93の一方端93aを追加放射電極7′の開放先端に接続すると共に、他方端93bをグランド領域102に接続した。
これにより、図23のリターンロス曲線S1で示すように、共振周波数f0,fa,f1,f2の他に、インダクタ111と給電電極5と周波数可変回路4と放射電極6と共振周波数調整用インダクタ61と追加放射電極6′とインダクタ92とによって、分岐元の追加放射電極6′が持つ周波数より低い周波数である新たな共振周波数fbが新たに生成され、インダクタ111と給電電極5と周波数可変回路4と共振周波数調整用インダクタ71と追加放射電極7′とインダクタ93とによって、分岐元の追加放射電極7′が持つ周波数より低い周波数である新たな共振周波数fcが新たに生成される。
これらのインダクタ92,93もインダクタ90,91と同様に高インピーダンスなインダクタであり、共振周波数fbは、共振周波数faとf1との間に位置する低い周波数であり、共振周波数fcは、共振周波数f0とfaとの間に位置する低い周波数である。
そして、制御電圧Vcを周波数可変回路4に印加することで、図23の破線で示すリターンロス曲線S2のように、共振周波数f0,fc,fa,fb,f1,f2を全体的に変化させることができる。
その他の構成、作用及び効果は、上記第8及び第9実施例と同様であるので、その記載は省略する。
図24は、この発明の第11実施例に係るアンテナを示す概略平面図であり、図25は、付加した直列共振回路の特性によって生じるリターンロス曲線図であり、図26は、インダクタ単体のリアクタンスと直列共振回路のリアクタンスとを比較して示す線図である。
この実施例は、図24に示すように、第2アンテナ部3の追加放射電極7に、リアクタンス回路としての直列共振回路9を接続した点が、上記第8ないし第10実施例と異なる。
具体的には、直列共振回路9を直列接続されたインダクタ94とコンデンサ95とで構成し、インダクタ94の一方端94aを追加放射電極7の先端部側に接続すると共に、コンデンサ95の一方端95aをグランド領域102に接続した。
これにより、図25のリターンロス曲線S1で示すように、共振周波数f0,f1,f2の他に、インダクタ111と給電電極5と周波数可変回路4と共振周波数調整用インダクタ70と追加放射電極7と直列共振回路9による共振周波数faが新たに生成される。
そして、制御電圧Vcを周波数可変回路4に印加することで、図25の破線で示すリターンロス曲線S2のように、共振周波数f0,fa,f1,f2を全体的に変化させることができる。
その他の構成、作用及び効果は、上記第8ないし第10実施例と同様であるので、その記載は省略する。
図27は、この発明の第12実施例に係るアンテナを示す概略平面図であり、図28は、付加した直列共振回路の特性によって生じるリターンロス曲線図である。
この実施例は、図27に示すように、第2アンテナ部3の追加放射電極7に、リアクタンス回路としての並列共振回路9′を接続した点が、上記第11実施例と異なる。
具体的には、並列共振回路9′を並列接続されたインダクタ94′とコンデンサ95′とで構成し、並列共振回路9′の一方端9a′を追加放射電極7の先端部側に接続すると共に、他方端の一方端9b′をグランド領域102に接続した。
これにより、図28のリターンロス曲線S1で示すように、共振周波数f0,f1,f2の他に、インダクタ111と給電電極5と周波数可変回路4と共振周波数調整用インダクタ70と追加放射電極7と並列共振回路9′による共振周波数faが新たに生成される。
そして、制御電圧Vcを周波数可変回路4に印加することで、図28の破線で示すリターンロス曲線S2のように、共振周波数f0,fa,f1,f2を全体的に変化させることができる。
その他の構成、作用及び効果は、上記第11実施例と同様であるので、その記載は省略する。
図29は、この発明の第13実施例に係るアンテナを示す概略平面図であり、図30は、付加した直列共振回路の特性によって生じるリターンロス曲線図である。
この実施例は、図29に示すように、第2アンテナ部3の追加放射電極7に、リアクタンス回路として、直列共振回路9と並列共振回路9′との複合回路10を接続した点が、上記第11及び第12実施例と異なる。
具体的には、直列共振回路9と並列共振回路9′とを直列に接続して、複合回路10を構成し、直列共振回路9のインダクタ94の一方端94aを追加放射電極7の先端部側に接続すると共に、並列共振回路9′の一方端9b′をグランド領域102に接続した。
これにより、図30のリターンロス曲線S1で示すように、共振周波数f0,f1,f2の他に、インダクタ111と給電電極5と周波数可変回路4と共振周波数調整用インダクタ70と追加放射電極7と複合回路10による共振周波数faが新たに生成される。
そして、制御電圧Vcを周波数可変回路4に印加することで、図30の破線で示すリターンロス曲線S2のように、共振周波数f0,fa,f1,f2を全体的に変化させることができる。
その他の構成、作用及び効果は、上記第11及び第12実施例と同様であるので、その記載は省略する。
例えば、上記実施例では、追加放射電極を共振周波数調整用インダクタを介して周波数可変回路4の接続点Pや放射電極6の途中に接続した例を挙げて説明したが、図31に示すように、第2アンテナ部3を構成する追加放射電極7とは別体の追加放射電極6′を放射電極6の途中に直接形成することもできる。
Claims (17)
- 先端開放の放射電極を周波数可変回路を介して給電電極に接続してなる第1アンテナ部と、上記周波数可変回路の途中に接続された先端開放の追加放射電極と上記給電電極とでなる第2アンテナ部とを具備するアンテナであって、
上記周波数可変回路は、上記給電電極に接続され且つそのリアクタンス値を直流の制御電圧で変化可能な第1リアクタンス回路に、上記第1アンテナ部の放射電極に接続された第2リアクタンス回路を接続してなり、
上記第2アンテナ部の追加放射電極は、上記第1及び第2リアクタンス回路の接続点から分岐されている、
ことを特徴とするアンテナ。 - 上記第2リアクタンス回路は、そのリアクタンス値を上記制御電圧で変化可能である、
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。 - 上記第2リアクタンス回路は、そのリアクタンス値が固定値である、
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。 - 上記第1リアクタンス回路は、可変容量素子を含む直列回路又は可変容量素子を含む並列回路であり、
上記第2リアクタンス回路は、可変容量素子を含む直列回路又は可変容量素子を含む並列回路であり、
上記第1及び第2リアクタンス回路の可変容量素子の同極同士を接続して上記第1及び第2リアクタンス回路の接続点とし、上記可変容量素子の容量を制御するための上記制御電圧をこの接続点に印加する、
ことを特徴とする請求項2に記載のアンテナ。 - 上記第1リアクタンス回路は、可変容量素子を含む直列回路又は可変容量素子を含む並列回路であり、
上記第2リアクタンス回路は、固定容量素子を含む直列回路又は固定容量素子を含む並列回路であり、
上記第1リアクタンス回路の可変容量素子を上記第2リアクタンス回路に接続して上記第1及び第2リアクタンス回路の接続点とし、上記可変容量素子の容量を制御するための上記制御電圧をこの接続点に印加する、
ことを特徴とする請求項3に記載のアンテナ。 - インダクタを、上記第1リアクタンス回路と第2リアクタンス回路とを跨ぐように、当該第1及び第2リアクタンス回路に並列に接続した、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のアンテナ。 - 上記追加放射電極は、共振周波数を制御するためのインダクタを介して、上記接続点から分岐している、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のアンテナ。 - 上記追加放射電極とは別体の1つ以上の追加放射電極を上記接続点から分岐させた、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のアンテナ。 - 上記別体の1つ以上の追加放射電極のそれぞれを、上記第1リアクタンス回路と同構造の別のリアクタンス回路を介して上記接続点から分岐させ、この別のリアクタンス回路の可変容量素子の容量を制御するための別の制御電圧をこのリアクタンス回路に印加する、
ことを特徴とする請求項8に記載のアンテナ。 - 上記追加放射電極とは別体の追加放射電極を上記放射電極の途中に接続した、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のアンテナ。 - 上記別体の追加放射電極をインダクタを介して上記放射電極に接続した、
ことを特徴とする請求項10に記載のアンテナ。 - 上記第1アンテナ部は、上記給電電極と放射電極の開放先端とが間隔を介して対向配置されたループ形状をなす、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれかに記載のアンテナ。 - 上記給電電極と周波数可変回路と放射電極と追加放射電極等のアンテナ要素の全て又は一部を誘電体基体上に形成した、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれかに記載のアンテナ。 - 上記第1アンテナ部の放射電極,上記第2アンテナ部の追加放射電極,及び上記1つ以上の別体の追加放射電極のうちのいずれかの電極又は全ての電極において、その電極の途中又は開放先端を、インダクタ単体又はリアクタンス回路を介してグランドに接続した、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項13のいずれかに記載のアンテナ。 - 上記リアクタンス回路は、直列共振回路又は並列共振回路のいずれかの回路、又はこれら直列共振回路と並列共振回路との複合回路である、
ことを特徴とする請求項14に記載のアンテナ。 - FMの電波,VHF帯の電波,及びUHF帯の電波を受信可能に設定した、
ことを特徴とする請求項14又は請求項15に記載のアンテナ。 - 請求項1ないし請求項16のいずれかに記載のアンテナを具備する、
ことを特徴とする無線通信機。
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