JP5399866B2 - アンテナ装置用基板およびアンテナ装置 - Google Patents
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Description
パターンアンテナによる逆Fアンテナにおいて小型化を考えた場合、特性改善が厳しいため、特許文献1に記載の技術のように誘電体を用いたチップアンテナ等が考えられる。しかしながら、基板上のグランド面およびアンテナ周辺に実装される部品等の影響を受け易くなってしまい、周辺の影響の変更に伴い、アンテナ周辺の設計も変更する必要がある。また、この場合に、所望の指向性を要することは困難であった。
また、パターンアンテナの小型化、配線パターンや周辺部品の影響防止として、特許文献3に記載の技術も考えられる。しかしながら、パターンアンテナが周縁を沿っているにも関わらず、基板の表裏にビアを用いていないため、アンテナ性能が不安定になると共に、回路部との結合により、回路側にも影響してしまい、所望のアンテナ性能及び回路性能を得ることが困難となる。また、基板内の配線パターンの影響は多少低減できたとしても、設置条件および使用条件等の周辺の影響に大きく影響を受けてしまう。
さらに、周辺の影響を考慮し、設置後にアンテナの指向性を調整する手段として、特許文献4に記載の技術も考えられる。しかしながら、アンテナ素子に近接配置した寄生素子に対して、可変静電容量素子を用いるため、生産面および性能面におけるバラツキも多くなる。また、バラクタダイオードを使用し、電圧印加手段および出力電圧の設定値の記録手段等を要するため、回路規模および消費電流が増大し、フレキシブルな特性改善および小型化等は困難である。
したがって、このアンテナ装置用基板を用い、受動部品の実装の有無でアンテナを切り替えてアンテナ装置を構成することで、使用環境の影響に対してフレキシブルにアンテナ特性を改善することが可能であり、環境に応じた複数の基板を用意する必要が無く、部品コストを大幅に削減することができる。
このアンテナ装置用基板では、アンテナエレメントが、メインエレメントと受動部品を介した接続時に環状部を形成するL字状のループ用エレメントを備えているので、受動部品の接続の有無を任意に選択することで、自由空間において高利得が得られるアンテナ特性と人体装着時における劣化を抑制可能なアンテナ特性とを任意に切り替えて設定することが可能である。すなわち、自由空間において高利得が必要な場合は、受動部品を接続せず、給電部に接続されるアンテナエレメントをメインエレメントのみとすることで、高利得が得られる。また、人体装着時に対応したアンテナ特性が必要な場合は、受動部品を接続して、メインエレメントとループ用エレメントとによる環状のエレメントをアンテナエレメントの先端側に構成することで、アンテナエレメント及びGND面、周辺パターン間における高周波電流、インピーダンスの変化を抑制し、人体装着状態でも劣化を抑制することができる。
このアンテナ装置用基板では、ループ用エレメント及びメインエレメントに接続時に環状部より小さい小型環状部を形成する出力抑制用エレメントを備えているので、受動部品の接続の有無を任意に選択することで、大きな環状部と小さな環状部とを選択でき、無指向性のまま高い出力と低い出力とを任意に切り替えて設定することが可能である。
例えば、微弱規格等の出力を調整したい場合や基板サイズを小さくしたい場合など、回路実装部およびグランド面サイズが小さくなり、不安定要素が増えると共に、各アンテナエレメントと回路との間で結合が多くなり、出力レベルの調整が困難となる。このため、上記本発明のアンテナ装置用基板では、基板本体の裏面に、環状部の内側に配されグランドに接続された出力調整エレメントを有しているので、グランド(GND)の安定度が増し、アンテナエレメントと回路との間の結合が少なくなって出力レベルの調整が可能になる。
すなわち、このアンテナ装置用基板では、指向性調整エレメントが、基板本体の表面及び裏面にそれぞれ形成され、互いにスルーホールを介して電気的に接続されているので、両面に形成された指向性調整エレメントにより、高い安定性と信頼性とを得ることができる。
すなわち、このアンテナ装置用基板では、回路実装部と指向性エレメントとの距離が、指向性調整エレメントと指向性エレメントとの距離より長く設定されているので、指向性エレメントからグランド面が遠くなり、高い利得を得ることができる。
すなわち、このアンテナ装置では、上記本発明のアンテナ装置用基板と、回路実装部に形成された回路と、を備えているので、L字状のアンテナパターンによる自由空間等で高い利得を得ることができる無指向性のアンテナ特性が得られる。
このアンテナ装置では、メインエレメントと指向性エレメントとが受動部品で接続されているので、U字状又はC字状のアンテナパターン及び指向性調整アンテナによって指向性のアンテナ特性を得ることができる。
すなわち、このアンテナ装置では、メインエレメントとループ用エレメントとが受動部品で接続されているので、環状のアンテナパターンによって人体装着時などに劣化を抑制した無指向性のアンテナ特性が得られる。
すなわち、このアンテナ装置では、ループ用エレメント及びメインエレメントに受動部品で出力抑制用エレメントが接続されているので、小型環状のアンテナパターンによって出力が抑制された無指向性のアンテナ特性が得られる。
本発明のアンテナ装置用基板及びこれを備えたアンテナ装置によれば、アンテナエレメントが、給電部に一端が接続されたL字状のメインエレメントと、該メインエレメントの他端に受動部品を介して接続可能に一端が近接配置されていると共にメインエレメントと接続時に全体としてU字状又はC字状となるL字状又はC字状の指向性エレメントと、を有しているので、受動部品の実装の有無で使用環境の影響に対してフレキシブルにアンテナ特性を改善することが可能であり、環境に応じた複数の基板を用意する必要が無く、部品コストを大幅に削減することができる。
したがって、本発明のアンテナ装置用基板及びこれを備えたアンテナ装置は、多様な設置場所に容易に対応できることから、車種等によって設置場所が異なる車載等の無線通信システム、特にキーレスオペレーションシステムにおけるアンテナ装置に好適である。
上記整合回路部5は、図3に示すように、アンテナエレメント4と給電部2に接続された回路6とのリアクタンスを整合する回路であって、給電部2とグランド面である回路実装部7とに接続された第1受動部品8a、該第1受動部品8aと給電部2とに接続された第2受動部品8bで構成されている。
さらに、上記ループ用エレメント11の途中には、第5受動部品8eが接続される。
また、上記回路実装部7には、指向性エレメント10とメインエレメント9との間に延在する指向性調整エレメント13が接続されている。
なお、回路実装部7に形成される回路6は、無線通信回路等である。
上記第1受動部品8a〜第9受動部品8iは、例えばインダクタ、コンデンサまたは抵抗が採用される。
すなわち、回路実装部7と指向性エレメント10との間のスペースができるだけ広く設定されている。
また、距離D2及び距離D3は、使用する周波数により異なり、波長の整数分の1に対して設定され、波長の4分の1程度が好ましい。
なお、上記各エレメントの長さや幅については、長く、また太くすることで、アンテナ特性の安定度が増加するが、上記回路実装部7と指向性エレメント10との間のスペースを考慮して適宜設定される。
すなわち、このアンテナ装置ANT#01では、メインエレメント9とループ用エレメント11とが第3受動部品8c及び第8受動部品8hで接続されているので、環状のアンテナパターンによって無指向性のアンテナ特性が得られる。なお、図4および図5において、アンテナエレメント4となる部分にハッチングを施している。
すなわち、このアンテナ装置ANT#02では、アンテナ装置用基板1と、回路実装部7に形成された回路6と、を備えて、メインエレメント9と他のエレメントとが受動部品で接続されていないので、L字状のアンテナパターンによる自由空間等で高い利得を得ることができる無指向性のアンテナ特性が得られる。
すなわち、このアンテナ装置ANT#03では、メインエレメント9と指向性エレメント10とが第9受動部品8iで接続されているので、U字状のアンテナパターン及び指向性調整エレメント13によって指向性のアンテナ特性を得ることができる。
すなわち、このアンテナ装置ANT#04では、ループ用エレメント11及びメインエレメント9に第6受動部品8f及び第7受動部品8gで出力抑制用エレメント12が接続されているので、小型環状のアンテナパターンによって出力が抑制された無指向性のアンテナ特性が得られる。
また、回路実装部7と指向性エレメント10との距離D1が、指向性調整エレメント13と指向性エレメント10との距離D2より長く設定されているので、指向性エレメント10からグランド面が遠くなり、高い利得を得ることができる。
すなわち、第2実施形態のアンテナ装置用基板21では、指向性調整エレメント23が、基板本体3の表面及び裏面にそれぞれ形成され、互いにスルーホールHを介して電気的に接続されているので、両面に形成された指向性調整エレメント23により、高い安定性と信頼性とを得ることができる。なお、これらスルーホールHの数は、多い方が望ましい。
また、図4の(b)に示すアンテナ装置ANT#02における放射パターンを測定した結果を、図8に示す。この結果からわかるように、無指向性であってアンテナ装置ANT#01よりも高利得なアンテナ特性が得られている。
さらに、図5の(b)に示すアンテナ装置ANT#04における放射パターンを測定した結果を、図10に示す。この結果からわかるように、無指向性であってアンテナ装置ANT#01よりも出力が抑制されたアンテナ特性が得られている。
なお、上記「L字状」とされる形状は、直線で構成される形状に限定されず、曲線によってL字状とされるものも含む。また、「L字状」を構成する各辺は、互いに同じ長さの辺で構成されたものであっても、互いに異なる長さの辺で構成されたものであっても構わない。さらに、「L字状」の角部は、角度を有する形状であっても、R(曲率)を有する形状であっても良い。
一方、上記「U字状」「C字状」とされる形状は、上下又は左右の辺の長さが異なっている形状でも良く、対称形状でなくても構わない。
Claims (10)
- 給電部が設けられる基板本体と、
該基板本体の表面に金属箔でパターン形成され前記給電部に接続されたアンテナエレメントと、
前記基板本体上に形成され前記給電部と前記アンテナエレメントとに接続された整合回路部と、
前記基板本体上に形成され前記給電部に接続された回路が形成されると共にグランド面となる回路実装部と、を備え、
前記アンテナエレメントが、前記給電部に一端が接続されL字状のメインエレメントと、
該メインエレメントの他端に受動部品を介して接続可能に一端が近接配置されていると共に前記メインエレメントと接続時に全体としてU字状又はC字状となるL字状の指向性エレメントと、を有し、
前記回路実装部に、前記指向性エレメントと前記メインエレメントとの間に延在する指向性調整エレメントが接続されていることを特徴とするアンテナ装置用基板。 - 請求項1に記載のアンテナ装置用基板において、
前記アンテナエレメントが、前記メインエレメントの他端に受動部品を介して接続可能に一端が近接配置されていると共に前記メインエレメントの一端近傍に受動部品を介して接続可能に他端が近接配置され、前記メインエレメントと接続時に環状部を形成するL字状のループ用エレメントを備えていることを特徴とするアンテナ装置用基板。 - 請求項2に記載のアンテナ装置用基板において、
前記アンテナエレメントが、前記ループ用エレメントに受動部品を介して接続可能に一端が近接配置されていると共に前記メインエレメントに受動部品を介して接続可能に他端が近接配置され、前記ループ用エレメント及び前記メインエレメントに接続時に前記環状部より小さい小型環状部を形成する出力抑制用エレメントを備えていることを特徴とするアンテナ装置用基板。 - 請求項2または3に記載のアンテナ装置用基板において、
前記基板本体の裏面に、前記環状部の内側に配されグランドに接続された出力調整エレメントを有していることを特徴とするアンテナ装置用基板。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載のアンテナ装置用基板において、
前記指向性調整エレメントが、前記基板本体の表面及び裏面にそれぞれ形成され、互いにスルーホールを介して電気的に接続されていることを特徴とするアンテナ装置用基板。 - 請求項1から5のいずれか一項に記載のアンテナ装置用基板において、
前記回路実装部と前記指向性エレメントとの距離が、前記指向性調整エレメントと前記指向性エレメントとの距離より長く設定されていることを特徴とするアンテナ装置用基板。 - 請求項1から6のいずれか一項に記載のアンテナ装置用基板と、
前記回路実装部に形成された回路と、を備えていることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1から6のいずれか一項に記載のアンテナ装置用基板と、
前記回路実装部に形成された回路と、
前記メインエレメントと前記指向性エレメントとを接続する受動部品と、を備えていることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項2に記載のアンテナ装置用基板と、
前記回路実装部に形成された回路と、
前記メインエレメントと前記ループ用エレメントとを接続する受動部品と、を備えていることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項3に記載のアンテナ装置用基板と、
前記回路実装部に形成された回路と、
前記メインエレメントの他端側と前記ループ用エレメントとを接続する受動部品と、
前記ループ用エレメント及び前記メインエレメントに前記出力抑制用エレメントを接続する受動部品と、を備えていることを特徴とするアンテナ装置。
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