JP2011035519A - アンテナ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】異なる周波数を有する電波の受信に共用でき小型化が可能なアンテナ装置を提供する。
【解決手段】略直線状の第1および第2のアンテナエレメントを有し、該第1のアンテナエレメントの中間部に該第2のアンテナエレメントの一端が接続され、該第2のアンテナエレメントの他端を給電点とし、該給電点から該第1のアンテナエレメントの一端までの電気長が所定の信号の略1/4波長である略T字型のアンテナ装置において、第1のアンテナエレメントの一端と中間部との間に第3のアンテナエレメントの一端が接続され、給電点から該第3のアンテナエレメントの他端までの電気長が所定の信号の略3/4波長であることを特徴とするアンテナ装置を提供する。
【選択図】図4
【解決手段】略直線状の第1および第2のアンテナエレメントを有し、該第1のアンテナエレメントの中間部に該第2のアンテナエレメントの一端が接続され、該第2のアンテナエレメントの他端を給電点とし、該給電点から該第1のアンテナエレメントの一端までの電気長が所定の信号の略1/4波長である略T字型のアンテナ装置において、第1のアンテナエレメントの一端と中間部との間に第3のアンテナエレメントの一端が接続され、給電点から該第3のアンテナエレメントの他端までの電気長が所定の信号の略3/4波長であることを特徴とするアンテナ装置を提供する。
【選択図】図4
Description
本発明は、車両アンテナに関し、特に車両用スポイラに内蔵されるラジオ受信アンテナ装置に関する。
車両ルーフの後方端に設置されるスポイラ(以下ルーフスポイラと呼ぶ)は、通常樹脂材からなり、図1に示すように車両と一体的に設置されるものである。
近年は、車両のデザインも重視されてきており、車両に搭載されるアンテナは極力車両本体の外形の美感を損ねないような設計が求められている。これを実現するべく、特許文献1に示すように、従来は車両のリアガラス内やサイドガラス内に設置または貼付するガラスアンテナが利用されている。また、ガラスアンテナを用いることができない車両や、ガラスアンテナではアンテナとしての性能が十分に得られない車両に対しては、アンテナを搭載したルーフスポイラを車両に設置することで車両アンテナを実現している。
図2に、従来技術におけるアンテナ構成の一例を示す。図2(a)は、図1に示す車両1のルーフのリア側端部に設置されたルーフスポイラ2を上方から見たときの透過図を示す。ルーフスポイラ2内部には、FMアンテナエレメント3とAMアンテナエレメント4が設けられており、各エレメントが空間的に離間して、またはエレメント間に絶縁部材が挟まれて上下に配置されており、各エレメントは互いに電気的に絶縁されている。ここではFMアンテナとしてL型アンテナを示す。L型アンテナは、1/4波長モノポールアンテナを低背化のためエレメントの一部を横方向に曲げたものである。また、車両1の金属ボディがグランドの役割を果たしている。FMアンテナエレメント3は、FMアンテナ用給電点5を介して、受信した信号を増幅するアンテナアンプ(図示せず)に接続されている。このFMアンテナエレメント3は、一般的には金属ワイヤや打ち抜き加工した板金によって形成される。
また、AMアンテナエレメント4については、AMアンテナとして動作させるために、相応の面積を有する金属板が、グランドの役割を果たす車両1の金属ボディとの間で容量成分が得られるように設けられている。そして、AMアンテナエレメント4は、AMアンテナ用給電点6を介してアンテナアンプに接続されている。なお、このAMアンテナエレメント4は板金等の金属薄板によって形成される。
ところが、上記のL型アンテナでは、アンテナエレメントがグランドと平行に設置されるため、グランドとの間に容量成分が生じるため、所望の出力インピーダンスが得られない。この結果、この出力インピーダンスとアンテナアンプの入力インピーダンスとの関係から受信信号の反射が大きくなり(すなわち、反射係数が大きくなる)、インピーダンス不整合の状態となって不整合損失が生じ、所望のアンテナ利得が得られないという問題が生じる。
この問題に対する解決策として、従来では図2(b)に示すアンテナ構成が挙げられる。図2(a)とは、FMアンテナエレメント3の構造が異なっている。図2(b)には、逆F型アンテナと呼ばれるアンテナを示す。このアンテナは、上記L型アンテナを応用したものであり、1/4波長モノポールアンテナがベースとなっている。これは、図2(a)のL型アンテナのエレメントにショートスタブ7を付加することで、グランドとアンテナエレメント間に生じる容量成分を打ち消す誘導成分を発生させるものである。ショートスタブ7は、一端がFMアンテナエレメント3の一部に接続され、他端がグランドに接続されている。このショートスタブ7の電気長(信号伝送経路長)は1/4波長より小さいためインダクタとして機能し、この電気長を調整することにより、所望の周波数帯において容量成分を誘導成分によって打ち消すことができ、アンテナの出力インピーダンスとアンテナアンプの入力インピーダンスとの間で良好な整合を達成することができる。
このインピーダンス整合に関して、アンテナの出力インピーダンスとアンテナアンプの入力インピーダンスとの間で発生する受信信号の反射の反射係数を図3に示す。波線8はL型アンテナの反射係数を、実線9は逆F型アンテナの反射係数をそれぞれ示す。反射係数は、大きいほど不整合損失が大きく、小さいほど良好な整合が得られることを表す。図3に示すように、L型アンテナでは、波線8に示すように、反射係数が大きくなるため不整合損失も大きくなるが、対応可能な帯域が広いため広帯域動作を期待することができる。一方、逆F型アンテナでは、実線9に示すように、非常に小さい反射係数が得られるため不整合損失を懸念する必要がなくなる反面、対応可能な帯域が非常に狭いため狭帯域動作しか実現することができない。
よって、上記の従来技術においては、次のような問題点が挙げられる。L型アンテナをFMアンテナエレメントとして用いた場合、グランドとエレメントとの間に容量成分が発生するため、アンテナとアンテナアンプのインピーダンス不整合によるアンテナ利得の低下が生じる。また、逆F型アンテナを用いた場合、短絡部が設けられているために良好なインピーダンス整合が得やすくなるが、グランドとエレメントとの間に発生する容量成分と誘導成分等のリアクタンス成分が原因で共振現象が発生するため、狭帯域動作しか達成できない。
また、L型アンテナをFMアンテナとして用いた場合、AMアンテナとしても機能させるには金属面積が十分ではないため、別途AM放送用のアンテナエレメントを設ける必要がある。このため、給電点を2箇所設け、アンテナアンプも2入力対応としなければならなくなる。したがって、製造の工程が複雑になりコストも高くなる。一方、逆F型アンテナをFMアンテナとして用いた場合、FMアンテナエレメントがショートスタブを介してグランドに導通しているため、FM放送に比べて低い周波数帯を利用するAM放送においては、完全に接地された状態になるため、この場合も別途AM放送用のアンテナエレメントを設ける必要がある。よって、L型アンテナと同様の上記問題が生じる。
さらに、FM,AMの各アンテナエレメントが互いに導通しないように、空間的に離間させたりエレメント間に絶縁部材を挿入したりする必要があるため、構造が複雑になりコストアップを招きかねない。
そこで本発明においては、上記の問題点を解決し、FMアンテナにおいてインピーダンス整合を実現しながら広帯域動作が可能であり、かつAMアンテナとしても動作可能なアンテナを提供することを目的とする。また、アンテナ構造の簡素化や製造コストの削減を達成することができるアンテナ装置を提供することも目的とする。
本発明の一実施形態によれば、略直線状の第1および第2のアンテナエレメントを有し、該第1のアンテナエレメントの中間部に該第2のアンテナエレメントの一端が接続され、該第2のアンテナエレメントの他端を給電点とし、該給電点から該第1のアンテナエレメントの一端までの電気長が所定の信号の略1/4波長である略T字型のアンテナ装置において、第1のアンテナエレメントの一端と中間部との間に第3のアンテナエレメントの一端が接続され、給電点から該第3のアンテナエレメントの他端までの電気長が所定の信号の略3/4波長である。このため、広帯域動作を実現しながらアンテナ利得の高いアンテナを実現することができる。
好ましくは、第3のアンテナエレメントはミアンダ形状である。また、第1のアンテナエレメントの他端と中間部との間に、第4のアンテナエレメントの一端が接続され、給電点から該第4のアンテナエレメントの他端までの電気長が所定の信号の略3/4波長である。また、第4のアンテナエレメントはミアンダ形状である。さらに、第1から第4のアンテナエレメントは車両の外装部材に内蔵され、外装部材は車両のルーフに配置されるスポイラであってもよい。また、第1から第4のアンテナエレメントはプリント基板上に形成されたパターンである。そして、所定の信号はFMラジオ放送信号である。
本発明のアンテナによれば、異なった周波数を有する電波の共用アンテナとしての構造を単純化して製造コストを低減することができる。また、広帯域動作を実現しながら所望の出力インピーダンスを容易に調整することができるアンテナを提供することができる。さらに、本発明のアンテナは、高価な金型等を用いることなく一般的な安価な回路基板や回路パターン作成工程を用いて作成することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態におけるアンテナ装置について説明する。なお、複数の図にまたがって同じ部材を示す場合は同じ番号を付すこととする。
図4に概略を示すように、車両1のルーフ後端に設置されたルーフスポイラ2の内部にアンテナエレメント10が設けられている。アンテナエレメント10は、ルーフスポイラ2内に設けられた回路基板11上に形成されており、FM/AM共用の給電点12を介してアンテナアンプ(図示せず)と接続されている。回路基板11は、通常のアンテナ用回路基板であり、一般的な回路パターン作成工程によって作成される。基板はエポキシ樹脂等の合成樹脂からなる誘電部材を用いて作成される。なお基板には、合成樹脂の他、テフロン(登録商標)、セラミック、フィルム等を用いてもよい。回路パターンは、蒸着、エッチング、メッキ等の手法により基板上に金属層が形成されてなるが、導電性物質からなる線状部材や箔状部材を基板表面に接着剤等にて設けてもよい。
以下に、図5を参照しながら、アンテナエレメント10の動作をFM、AM別に説明する。図5(a)では、アンテナエレメント10のうちFMアンテナとして機能する構成部分を斜線で示している。この斜線部は、給電点12がFM/AM共用の給電点として動作するT型アンテナである。T型アンテナでは、一般に用いられるL型アンテナのアンテナエレメントとは異なり、作製時に縦方向に延伸するエレメント部と横方向に延伸するエレメント部との接続点を変える、すなわち横方向に延伸するエレメント部の左右のエレメント長さを変えることにより、所望の出力インピーダンスに合わせたアンテナを実現することができる。
ここで、T型アンテナのエレメント長について説明する。給電点12から接続点13を経由してアンテナエレメントの左端または右端に至るまでの電気長は、受信する電波の略1/4波長に設定される。例えば、ガラスエポキシ樹脂を基材として用いる回路基板により構成したT型アンテナをFMラジオ放送の受信に用いる場合を考える。誘電率をεr、受信する電波の波長をλ、伝搬速度をc、周波数をfとすると、下記の式(1)が成り立つ。
λ=(c/f)/(εr)1/2・・・(1)
そして、周波数帯域を76.0MHz〜90.0MHzとすると、中心となる周波数は83.0MHzであるから、波長は約1.74mとなり、1/4波長は約0.44mとなる。よって、給電点12からアンテナエレメントの一端までの電気長は、約0.44mに設定される。
λ=(c/f)/(εr)1/2・・・(1)
そして、周波数帯域を76.0MHz〜90.0MHzとすると、中心となる周波数は83.0MHzであるから、波長は約1.74mとなり、1/4波長は約0.44mとなる。よって、給電点12からアンテナエレメントの一端までの電気長は、約0.44mに設定される。
図5(b)では、アンテナエレメント10のうちAMアンテナとして機能する部分を斜線で示している。この斜線部で示されるアンテナエレメントは、給電点12から接続点13を経由してアンテナエレメント端部までの電気長が3/4波長であり、3/4波長モノポールアンテナとして機能する。図(a)に示すT型アンテナにおいて横方向に延伸するアンテナエレメント部分の中間部にミアンダ形状のアンテナエレメントが接続されており、小さな面積でアンテナを形成することができる。なお、図ではミアンダ形状のアンテナエレメントにより3/4波長モノポールアンテナを形成しているが、アンテナエレメントの電気長を維持する限りにおいてはアンテナエレメントを、渦巻き形状等、ミアンダ以外の形状にしてもよいし、折り返しも任意の方向に任意の方法で可能である。3/4波長モノポールアンテナは、L型アンテナと同様にアンテナエレメントとグランドとの間で容量成分が発生しても、アンテナアンプの入力インピーダンスと比較的良好な整合状態が得られ、1/4波長モノポールアンテナと同様に広帯域動作が可能なアンテナである。
したがって、図4に示す本発明のアンテナは、図5(a)のT型アンテナにおいて左右のエレメント長を調整し、図5(b)の3/4波長モノポールアンテナにおいて給電点12から接続点13を経由してミアンダ形状のアンテナエレメントの端部に至るまでの電気長を調整することにより、所望の周波数帯域において比較的良好なアンテナの出力インピーダンスを達成することができる。このように、T型アンテナのアンテナエレメントの端部ではなく中間部に左右のミアンダ形状のアンテナエレメントを接続することにより、さまざまな電気長のアンテナを実現することができる。
図4に示すアンテナにおいて、アンテナの出力インピーダンスを調整することによって反射係数が変化する様子を図6に示す。反射係数は、アンテナの出力インピーダンスと給電線の特性インピーダンスを用いて表現できるため、アンテナの出力インピーダンスを変えることは、反射係数を変化させることになる。ひいてはアンテナアンプの入力インピーダンスとの整合状態も変化するため、結果としてアンテナ利得を調整することができる。図6のグラフからわかるように、アンテナの出力インピーダンスを変える際に動作帯域を広帯域に維持したまま反射係数を変化させることができる。したがって、アンテナの出力インピーダンスを変化させてアンテナアンプの入力インピーダンスとのインピーダンス整合を行うと、インピーダンス整合が良好になるにつれて、反射係数は、波線14に示すグラフから一点鎖線15に示すグラフを経て実線16に示すように、所望の周波数帯域において小さくなる。
以上が、本発明のアンテナに関する説明である。上記の説明では、本発明のアンテナはFM放送(例えば、76.0MHz〜90.0MHz)およびAM放送(例えば、500MHz〜1700MHz)の帯域の電波の受信を意図して構成されているが、アンテナエレメントの電気長を変えることで他の周波数帯の電波を受信するアンテナとして機能させることもできる。また、ミアンダ形状のアンテナエレメントは、T型アンテナの左右のアンテナエレメントにそれぞれ1つずつ接続されているが、左右いずれか一方のみにミアンダ形状のアンテナエレメントを接続するだけでも、本発明のアンテナを実現することができる。
さらに、本発明のアンテナをルーフスポイラに内蔵することは、本発明を実施する一態様にすぎない。上記説明の通り本発明によってアンテナ装置の小型化を達成できるため、本発明のアンテナをルーフスポイラに組み込むことは好適ではあるが、ルーフスポイラに限らず車両の適当な外装部材に内蔵することもでき、さらに車両以外の種々の態様においても本発明のアンテナを適用できることはいうまでもない。
2 ルーフスポイラ
10 アンテナエレメント
5,6,12 給電点
11 回路基板
13 接続点
10 アンテナエレメント
5,6,12 給電点
11 回路基板
13 接続点
Claims (8)
- 略直線状の第1および第2のアンテナエレメントを有し、該第1のアンテナエレメントの中間部に該第2のアンテナエレメントの一端が接続され、該第2のアンテナエレメントの他端を給電点とし、該給電点から該第1のアンテナエレメントの一端までの電気長が所定の信号の略1/4波長である略T字型のアンテナ装置において、
前記第1のアンテナエレメントの一端と前記中間部との間に第3のアンテナエレメントの一端が接続され、前記給電点から該第3のアンテナエレメントの他端までの電気長が前記所定の信号の略3/4波長である、
ことを特徴とするアンテナ装置。 - 前記第3のアンテナエレメントはミアンダ形状であることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
- 前記第1のアンテナエレメントの他端と前記中間部との間に、第4のアンテナエレメントの一端が接続され、前記給電点から該第4のアンテナエレメントの他端までの電気長が前記所定の信号の略3/4波長であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアンテナ装置。
- 前記第4のアンテナエレメントはミアンダ形状であることを特徴とする請求項3に記載のアンテナ装置。
- 前記第1から第4のアンテナエレメントは車両の外装部材に内蔵されることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のアンテナ装置。
- 前記外装部材は車両のルーフに配置されるスポイラであることを特徴とする請求項5に記載のアンテナ装置。
- 前記第1から第4のアンテナエレメントはプリント基板上に形成されたパターンであることを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
- 前記所定の信号はFMラジオ放送信号であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
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JP2009177681A JP2011035519A (ja) | 2009-07-30 | 2009-07-30 | アンテナ装置 |
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2009
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