JPWO2006070817A1 - 有機ホウ素π電子系化合物及びその合成中間体 - Google Patents
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Abstract
式(1)で表される有機ホウ素π電子系化合物(例えばAr1はチオフェンであり、Ar2はチアゾール)は、Ar2の環状骨格に含まれる窒素がホウ素へ分子内配位するため、従来の電子輸送材料と比べて、(a)LUMOのエネルギーレベルが低下し電子受容性が高くなり、電子の注入効率が向上し、(b)Ar1とAr2とが高い共平面性をとることで、固体状態での分子間の配向を制御することができ、注入された電子の移動度が高くなる。したがって、これらの有機ホウ素π電子系化合物は、電子輸送材料(有機EL素子の電子輸送層やFETの電子輸送層など)として適している。
Description
本発明は、新規な有機ホウ素π電子系化合物及びその合成中間体に関する。
近年、有機電界発光素子(以下、有機ELという)や電界効果型トランジスタ(以下、FETという)といった有機エレクトロニクス分野が脚光を浴びており、優れた電子輸送能を有する有機電子輸送材料を開発しようとする試みが行われている。この有機電子輸送材料の特性としては、電極からの電子の注入効率が高いこと及び注入された電子の移動度が高いことが求められ、例えば、有機EL素子に使用される電子輸送材料として、チエニルチアゾールのポリマーやトリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム(以下、Alq3という)といった含窒素π共役電子系化合物が知られている(例えば非特許文献1、特許文献1参照)。そして、この含窒素π共役電子系化合物の中でも特に、Alq3が、電子輸送材料として広く用いられている。このAlq3では、キノリン部分の窒素がアルミニウムに分子内配位してキノリン部分に広がる最低空軌道(以下、LUMOという)のエネルギーレベルが低下するため、電子受容性が高くなり、電子を効率的に受け取ることができる。
Macromolecules 2003,36,7986-7993 特許第2828821号公報
Macromolecules 2003,36,7986-7993
しかしながら、上述したAlq3は、電子移動度が十分高いとはいえず、電子受容性の向上と併せてより優れた電子輸送材料の開発が重要な課題となっていた。また、上述したAlq3以外に電子輸送材料としていくつか報告されているものの有機分子のアニオン種は大気中では不安定なために有機分子を用いた電子輸送材料の研究開発例は少なく、真に優れた電子輸送材料、つまり電子の注入効率が高く且つ注入された電子の移動度が高い電子輸送材料の開発が望まれていた。
本発明は、上述した課題に鑑みなされたものであり、電子輸送材料に適する新規な有機ホウ素π電子系化合物を提供することを目的の一つとする。また、そのような有機ホウ素π電子系化合物の合成中間体を提供することを目的の一つとする。
本発明者らは、有機EL素子の電子輸送材料として広く用いられているAlq3の電子構造に着目し、そのDFT計算(B3LYP/6−31G(d))を行った結果、ルイス酸であるアルミニウムへの分子内配位により、キノリン部分に広がるLUMOのエネルギーレベルが著しく低下することがこのAlq3の電子構造の本質であることがわかった。そこで、この事実を新たな分子設計のコンセプトとし、アルミニウムの代わりにより安定なホウ素を用い、これを含窒素π共役系骨格に組み込むことにより、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の有機ホウ素π電子系化合物は、下記式(1)で表される構成単位を1〜400個鎖状に結合した構造を有する化合物である。ここで、下記式(1)の構成単位同士は、Ar1とAr2とが結合していてもよいし、Ar1とAr1とが結合していてもよいし、Ar2とAr2とが結合していてもよい。また、各構成単位のAr1とAr2とが規則正しく配列されるよう構成単位同士が結合していてもよいし、あるいは、Ar1とAr2との結合、Ar1とAr1との結合及びAr2とAr2との結合が不規則に配列されるよう構成単位同士が結合していてもよい。この有機ホウ素π電子系化合物は、Ar2の環状骨格に含まれる窒素がホウ素へ分子内配位するため、従来の電子輸送材料と比べて、(a)LUMOのエネルギーレベルが低下し電子受容性が高くなり、電子の注入効率が向上し、(b)Ar1とAr2とが高い共平面性をとることで、固体状態での分子間の配向を制御することができ、注入された電子の移動度が高くなる。したがって、これらの有機ホウ素π電子系化合物は、電子輸送材料(有機EL素子の電子輸送層やFETの電子輸送層など)として適している。また、下記式(1)でX1及びX2が互いに結合してなる2,2’−ビフェニル基又は置換2,2’−ビフェニル基の場合には、強固でかさ高いスピロ構造を持つことになるため、アモルファス膜形成能が高くなる。
(但し、Ar1は、ベンゼン、置換ベンゼン、チオフェン、置換チオフェン、1,1−ジオキシドチオフェン、置換1,1−ジオキシドチオフェン、チアゾール、置換チアゾール、オキサゾール、置換オキサゾール、ナフタレン、置換ナフタレン、アントラセン、置換アントラセン、テトラセン、置換テトラセン、ペンタセン、置換ペンタセン、イミダゾール、置換イミダゾール、ピラゾール、置換ピラゾール、ピリジン、置換ピリジン、ピリダジン、置換ピリダジン、ピラジン、置換ピラジン、ピリミジン、置換ピリミジン、キノリン、置換キノリン、イソキノリン及び置換イソキノリンからなる群より選ばれた1種であり、
Ar2は,チアゾール、置換チアゾール、オキサゾール、置換オキサゾール、イミダゾール、置換イミダゾール、ピラゾール、置換ピラゾール、ピリジン、置換ピリジン、ピリダジン、置換ピリダジン、ピラジン、置換ピラジン、ピリミジン、置換ピリミジン、キノリン、置換キノリン、イソキノリン及び置換イソキノリンからなる群より選ばれた1種であって窒素のホウ素への配位結合を介して縮環する基であり、
X1及びX2は、それぞれ独立にアリール基、置換アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールアルコキシ基、シリル基、水酸基、ボリルオキシ基、ハロゲン原子及び水素原子からなる群より選ばれた1種であるか、X1及びX2が結合してなる2,2’−ビフェニル基又は置換2,2’−ビフェニル基である)
Ar2は,チアゾール、置換チアゾール、オキサゾール、置換オキサゾール、イミダゾール、置換イミダゾール、ピラゾール、置換ピラゾール、ピリジン、置換ピリジン、ピリダジン、置換ピリダジン、ピラジン、置換ピラジン、ピリミジン、置換ピリミジン、キノリン、置換キノリン、イソキノリン及び置換イソキノリンからなる群より選ばれた1種であって窒素のホウ素への配位結合を介して縮環する基であり、
X1及びX2は、それぞれ独立にアリール基、置換アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールアルコキシ基、シリル基、水酸基、ボリルオキシ基、ハロゲン原子及び水素原子からなる群より選ばれた1種であるか、X1及びX2が結合してなる2,2’−ビフェニル基又は置換2,2’−ビフェニル基である)
また、本発明の有機ホウ素π電子系化合物は、下記式(2)〜(4)のいずれかで表される化合物であってもよい。なお、本明細書では、式(1)の構成単位のAr1をヘッド、Ar2をテールと称し、式(2)をヘッド・ツウ・テール型、式(3)をテール・ツウ・テール型、式(4)をヘッド・ツウ・ヘッド型と称するものとする。
(但し、Ar1は、ベンゼン、置換ベンゼン、チオフェン、置換チオフェン、1,1−ジオキシドチオフェン、置換1,1−ジオキシドチオフェン、チアゾール、置換チアゾール、オキサゾール、置換オキサゾール、ナフタレン、置換ナフタレン、アントラセン、置換アントラセン、テトラセン、置換テトラセン、ペンタセン、置換ペンタセン、イミダゾール、置換イミダゾール、ピラゾール、置換ピラゾール、ピリジン、置換ピリジン、ピリダジン、置換ピリダジン、ピラジン、置換ピラジン、ピリミジン、置換ピリミジン、キノリン、置換キノリン、イソキノリン及び置換イソキノリンからなる群より選ばれた1種であり、
Ar2は,チアゾール、置換チアゾール、オキサゾール、置換オキサゾール、イミダゾール、置換イミダゾール、ピラゾール、置換ピラゾール、ピリジン、置換ピリジン、ピリダジン、置換ピリダジン、ピラジン、置換ピラジン、ピリミジン、置換ピリミジン、キノリン、置換キノリン、イソキノリン及び置換イソキノリンからなる群より選ばれた1種であって窒素のホウ素への配位結合を介して縮環する基であり、
X1及びX2は、それぞれ独立にアリール基、置換アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールアルコキシ基、シリル基、水酸基、ボリルオキシ基、ハロゲン原子及び水素原子からなる群より選ばれた1種であるか、X1及びX2が結合してなる2,2’−ビフェニル基又は置換2,2’−ビフェニル基であり、
nは1〜200の値(但し式(2)ではnは1〜400の値)である。)
Ar2は,チアゾール、置換チアゾール、オキサゾール、置換オキサゾール、イミダゾール、置換イミダゾール、ピラゾール、置換ピラゾール、ピリジン、置換ピリジン、ピリダジン、置換ピリダジン、ピラジン、置換ピラジン、ピリミジン、置換ピリミジン、キノリン、置換キノリン、イソキノリン及び置換イソキノリンからなる群より選ばれた1種であって窒素のホウ素への配位結合を介して縮環する基であり、
X1及びX2は、それぞれ独立にアリール基、置換アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールアルコキシ基、シリル基、水酸基、ボリルオキシ基、ハロゲン原子及び水素原子からなる群より選ばれた1種であるか、X1及びX2が結合してなる2,2’−ビフェニル基又は置換2,2’−ビフェニル基であり、
nは1〜200の値(但し式(2)ではnは1〜400の値)である。)
本発明の有機ホウ素π電子系化合物は、上記式(2)〜(4)において、nを1又は2としてもよい。上記式(1)〜(4)において、ホウ素と直接結合するAr1内の原子は炭素であることが、化合物の安定性(例えば熱安定性、水や空気に対する安定性)が良好になるため好ましい。また、上記式(1)〜(4)において、Ar1をチオフェン又は置換チオフェンとし、Ar2をチアゾール又は置換チアゾールとしてもよい。例えば、2−(2−チエニル)チアゾールと、この化合物のチアゾールに含まれる窒素がホウ素へ分子内配位した2−(3−ジフェニルボリル−2−チエニル)チアゾール(式(2)でAr1をチオフェン、Ar2をチアゾール、X1及びX2を共にフェニル、nを1とした化合物)のLUMOのエネルギーレベル(B3LYP/6−31G(d))を比較すると、前者が−1.57eVであるのに対して後者が−2.01eVであり、後者は前者に比べて電子受容性が向上することがわかる。
本発明の有機ホウ素π電子系化合物は、両末端に結合している基が、それぞれ独立に水素原子、アリール基、置換アリール基、オリゴアリール基、置換オリゴアリール基、1価の複素環基、1価の置換複素環基、1価のオリゴ複素環基、1価の置換オリゴ複素環基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリル基、アミノ基、置換アミノ基、アゾ基、カルボキシル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ホルミル基、ニトロ基、シアノ基、シリル基、置換シリル基、スタンニル基、置換スタンニル基、ボリル基、置換ボリル基、ホスフィノ基、置換ホスフィノ基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基及びハロゲン原子からなる群より選ばれた1種としてもよい。
次に、本発明の有機ホウ素π電子系化合物の合成ルートについて説明する。上記式(1)を構成単位としている化合物は、例えば下記式(5)の合成中間体を利用して製造することができる。この式(5)の合成中間体を合成するルートの一例としては、まず、Ar1とAr2とをクロスカップリング反応により結合させて含窒素π共役系化合物を合成し、続いて含窒素ヘテロ環(Ar2)のオルトメタル化を経由したホウ素置換基の導入を行う、というルートが挙げられる。また、式(5)の合成中間体を利用して本発明の有機ホウ素π電子系化合物を合成するルートとしては、式(5)でX3がハロゲン原子(例えばヨウ素原子)でX4が水素原子である化合物と式(5)でX3が水素原子でX4がトリアルキルスタンニル基である化合物とをパラジウム錯体を用いてクロスカップリングさせるルートや、式(5)でX3が水素原子でX4がリチウムイオンである化合物同士を銅錯体を用いて酸化的にホモカップリングさせるルート、式(5)でX3がハロゲン原子(例えばヨウ素原子)でX4が水素原子である化合物同士をニッケル錯体を用いてホモカップリングさせるルートなどが挙げられる。ここで、X3、X4は、X3又はX4と結合している炭素に求核性を持たせるよう機能するLiやMgX,ZnX,SnR1R2R3,B(OH)2,B(OR)2,SiR1R2R3としてもよいし、脱離基としての機能を有するX,SR,OTf及び置換トリアゼニル基としてもよい(Xはハロゲン原子、Rはアルキル基、R1,R2,R3はそれぞれ同じであっても異なっていてもよいアルキル基)。なお、下記式(5)の合成中間体は、本発明の有機ホウ素π電子系化合物のうち、上記式(1)で表される構成単位を2以上含有しているものを合成する際に用いられる化合物とする。
(但し、Ar1は、ベンゼン、置換ベンゼン、チオフェン、置換チオフェン、1,1−ジオキシドチオフェン、置換1,1−ジオキシドチオフェン、チアゾール、置換チアゾール、オキサゾール、置換オキサゾール、ナフタレン、置換ナフタレン、アントラセン、置換アントラセン、テトラセン、置換テトラセン、ペンタセン、置換ペンタセン、イミダゾール、置換イミダゾール、ピラゾール、置換ピラゾール、ピリジン、置換ピリジン、ピリダジン、置換ピリダジン、ピラジン、置換ピラジン、ピリミジン、置換ピリミジン、キノリン、置換キノリン、イソキノリン及び置換イソキノリンからなる群より選ばれた1種であり、
Ar2は,チアゾール、置換チアゾール、オキサゾール、置換オキサゾール、イミダゾール、置換イミダゾール、ピラゾール、置換ピラゾール、ピリジン、置換ピリジン、ピリダジン、置換ピリダジン、ピラジン、置換ピラジン、ピリミジン、置換ピリミジン、キノリン、置換キノリン、イソキノリン及び置換イソキノリンからなる群より選ばれた1種であって窒素のホウ素への配位結合を介して縮環する基であり、
X1及びX2は、それぞれ独立にアリール基、置換アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールアルコキシ基、シリル基、水酸基、ボリルオキシ基、ハロゲン原子及び水素原子からなる群より選ばれた1種であるか、X1及びX2が結合してなる2,2’−ビフェニル基又は置換2,2’−ビフェニル基であり、
X3及びX4は、それぞれ独立にH,Li,MgX,ZnX,SnR1R2R3,B(OH)2,B(OR)2,SiR1R2R3,X,SR,OTf及び置換トリアゼニル基(Xはハロゲン原子、Rはアルキル基、R1,R2,R3はそれぞれ同じであっても異なっていてもよいアルキル基)からなる群より選ばれた1種である)
Ar2は,チアゾール、置換チアゾール、オキサゾール、置換オキサゾール、イミダゾール、置換イミダゾール、ピラゾール、置換ピラゾール、ピリジン、置換ピリジン、ピリダジン、置換ピリダジン、ピラジン、置換ピラジン、ピリミジン、置換ピリミジン、キノリン、置換キノリン、イソキノリン及び置換イソキノリンからなる群より選ばれた1種であって窒素のホウ素への配位結合を介して縮環する基であり、
X1及びX2は、それぞれ独立にアリール基、置換アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールアルコキシ基、シリル基、水酸基、ボリルオキシ基、ハロゲン原子及び水素原子からなる群より選ばれた1種であるか、X1及びX2が結合してなる2,2’−ビフェニル基又は置換2,2’−ビフェニル基であり、
X3及びX4は、それぞれ独立にH,Li,MgX,ZnX,SnR1R2R3,B(OH)2,B(OR)2,SiR1R2R3,X,SR,OTf及び置換トリアゼニル基(Xはハロゲン原子、Rはアルキル基、R1,R2,R3はそれぞれ同じであっても異なっていてもよいアルキル基)からなる群より選ばれた1種である)
本発明の有機ホウ素π電子系化合物において、Ar1又はAr2として列記した物質のうち、接頭語に「置換」の付いているものの具体的な置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などの分岐があってもよいアルキル基;シクロペンチル基やシクロヘキシル基などの環状アルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、スチリル基などのアルケニル基;エチニル基、プロパギル基、フェニルアセチニル基などのアルキニル基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基などのアルコキシ基;ビニルオキシ基やアリルオキシ基などのアルケニルオキシ基;エチニルオキシ基やフェニルアセチルオキシ基などのアルキニルオキシ基;フェノキシ基、ナフトキシ基、ビフェニルオキシ基、ピレニルオキシ基などのアリールオキシ基;トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基などのパーフルオロ基およびさらに長鎖のパーフルオロ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、カルバゾリル基などのアミノ基;ジフェニルボリル基、ジメシチルボリル基、ビス(パーフルオロフェニル)ボリル基などのボリル基;アセチル基やベンゾイル基などのカルボニル基;アセトキシ基やベンゾイルオキシ基などのカルボニルオキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基;メチルスルフィニル基やフェニルスルフィニル基などのスルフィニル基;トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチル−tert−ブチルシリル基、トリメトキシシリル基、トリフェニルシリル基などのシリル基;フェニル基、2,6−キシリル基、メシチル基、デュリル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基、トルイル基、アニシル基、フルオロフェニル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、フェナンスレニル基などのアリール基;チエニル基、フリル基、シラシクロペンタジエニル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、アクリジニル基、キノリル基、キノキサロイル基、フェナンスロリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾチアゾリル基、インドリル基、カルバゾリル基、ピリジル基、ピロリル基、ベンゾオキサゾリル基、ピリミジル基、イミダゾリル基などのヘテロ環基などが挙げられる。そのほかに、ニトロ基、ホルミル基、ニトロソ基、ホルミルオキシ基、イソシアノ基、シアネート基、イソシアネート基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアノ基などもあげられる。さらに、これらの置換基がお互いに任意の場所で結合して環を形成していてもよい。
本発明の有機ホウ素π電子系化合物の性能評価は、例えば有機ホウ素π電子系化合物の薄膜に電圧を印加した状態で窒素パルスレーザを照射することにより得られる光電流波形に基づいて算出される電荷移動度(電子移動度やホール移動度)によって行うことができる。具体的には、前出のAlq3は電荷移動度が1×10−5cm2/V・sec程度であるため、この値と比較することによりAlq3に比べて電子輸送材料としての適正が高いか否かを判定することができる。
本発明の有機ホウ素π電子系化合物は、例えば有機EL素子やFETの電子輸送材料として用いることができる。ここでは、一例として、有機EL素子の電子輸送材料として用いる場合について説明する。有機EL素子は、正孔輸送層、発光層、電子輸送層の3つの薄膜を2つの電極で挟んだ構造であり、陽極から注入された正孔が正孔輸送層を介して発光層に入り、陰極から注入された電子が電子輸送層(電子輸送材料を主体とする層)を介して発光層に入ることにより、正孔と電子とが発光層中で再結合して発光する。有機EL素子を構成する各層は、各層を構成すべき材料を公知の蒸着法やスピンコート法で薄膜とすることにより形成する。蒸着法を用いて薄膜化する場合、その蒸着条件は、各層を構成すべき材料の種類や分子累積膜の目的とする結晶構造及び会合構造などにより異なるが、例えば、ボート加熱温度50〜400℃、真空度10〜10Pa、蒸着速度0.01〜50nm/s、基板温度−50〜+300℃、膜厚5〜5000nmの範囲で適宜選択してもよい。
次に、本発明の有機ホウ素π電子系化合物を用いて有機EL素子を作製する方法を説明する。適当な基板上に陽極物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは10〜200nmの範囲の膜厚になるように蒸着法により形成させて陽極を作製した後、この陽極上に正孔輸送材料からなる薄膜を蒸着法により形成させて正孔輸送層とする。続いて、形成した正孔輸送層の上に発光物質からなる薄膜を蒸着法により形成させて発光層とし、更にその上に本発明の有機ホウ素π電子系化合物からなる薄膜を蒸着法により形成させて電子輸送層とする。そして、形成した電子輸送層の上に陰極物質からなる薄膜を1μm以下の膜厚になるように蒸着法により形成させて陰極を作製することにより、有機EL素子が得られる。なお、上述した有機EL素子の作製においては、作製順序を逆にして、陰極、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、陽極の順に作製してもよい。
有機EL素子の陽極は、例えば、仕事関数の大きな電極材料から構成されていてもよく、具体的には、金などの金属、ヨウ化銅などの合金、インジウムチンオキシド、酸化亜鉛などの誘電性透明材料から構成されていてもよい。有機EL素子の陰極は、例えば、仕事関数の小さな電極材料から構成されていてもよく、具体的には、カルシウム、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、マグネシウム合金、アルミニウム/リチウム混合物、マグネシウム/銀混合物、インジウムから構成されていてもよい。有機EL素子の正孔輸送層は、例えば、N−フェニルカルバゾール、ポリビニルカルバゾールなどのカルバゾール誘導体、TPD、芳香族第3級アミンを主鎖又は側鎖に持つポリマー、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサンやN,N’−ジフェニル−N,N’−ジナフチル−4,4’−ジアミノビフェニルなどのトリアリールアミン誘導体、銅フタロシアニンなどのフタロシアニン誘導体、ポリシランなどであってもよい。有機EL素子の発光層は、例えば、昼光蛍光材料、蛍光増白剤、レーザ色素、有機シンチレータ、各種の蛍光分析試薬を用いてもよく、具体的には、アントラセン、フェナントレン、ピレン、クリセン、ペリレンなどの多環縮合化合物、クオーターフェニルなどのオリゴフェニレン系化合物、1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(4−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(4−メチル−5−フェニル−2−オキザゾリル)ベンゼンなどの液体シンチレーション用シンチレータ、クマリン染料、ジシアノメチレンピラン染料、ジシアノメチレンチオピラン染料、オキソベンズアントラセン染料、キサンテン染料、カルボスチリル染料、ペリレン染料、オキサジン化合物、スチルベン誘導体、オキサジアゾール系化合物、シラシクロペンタジエン誘導体などであってもよい。
本発明を実施するための最良の形態を、実施例を用いて以下に説明する。
[実施例1]
2−(トリブチルスタンニル)チアゾール(20.0g,53.5mmmol,アルドリッチ社製)と3−ブロモ−2−ヨードチオフェン(15.4g,53.5mmol)のテトラヒドロフラン(以下、THFという)溶液(250mL)に、Pd2(dba)3・CHCl3(0.557g,0.538mmol)とトリフリルホスフィン(0.501g,2.15mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下で72時間還流した。10wt%フッ化カリウム水溶液(200mL)を加えた後、トルエン(100mL)で3回抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、減圧下で溶媒を留去した。これにトルエン(20mL)を加え、不要物をろ過により取り除いた。ろ液をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒トルエン、Rf=0.52)で分離精製することにより、2−(3−ブロモ−2−チエニル)チアゾール(下記式の化合物(11)参照)を収率89%(11.7g,47.5mmol)で得た。この生成物について1H−NMR測定(270
MHz,CDCl3)を行ったところ、δ7.09(d,J=5.3Hz,1H),7.35(d,J=5.3Hz,1H),7.40(d,J=3.3Hz,1H),7.87(d,J=3.3Hz,1H)であった。
2−(トリブチルスタンニル)チアゾール(20.0g,53.5mmmol,アルドリッチ社製)と3−ブロモ−2−ヨードチオフェン(15.4g,53.5mmol)のテトラヒドロフラン(以下、THFという)溶液(250mL)に、Pd2(dba)3・CHCl3(0.557g,0.538mmol)とトリフリルホスフィン(0.501g,2.15mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下で72時間還流した。10wt%フッ化カリウム水溶液(200mL)を加えた後、トルエン(100mL)で3回抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、減圧下で溶媒を留去した。これにトルエン(20mL)を加え、不要物をろ過により取り除いた。ろ液をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒トルエン、Rf=0.52)で分離精製することにより、2−(3−ブロモ−2−チエニル)チアゾール(下記式の化合物(11)参照)を収率89%(11.7g,47.5mmol)で得た。この生成物について1H−NMR測定(270
MHz,CDCl3)を行ったところ、δ7.09(d,J=5.3Hz,1H),7.35(d,J=5.3Hz,1H),7.40(d,J=3.3Hz,1H),7.87(d,J=3.3Hz,1H)であった。
2−(3−ブロモ−2−チエニル)チアゾール(化合物(11)、6.61g,26.9mmol)のエーテル溶液(150mL)にn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.60M,16.8mL,26.9mmol)を−78℃で滴下した。温度を−78℃に保ったまま1.5時間攪拌した後、フルオロジメシチルボラン(7.27g,26.9mmol)のエーテル溶液(50mL)をキャニュラで加え、ゆっくりと室温まで昇温しながら4時間攪拌した。減圧下で溶媒を留去した。ジクロロメタン(10mL)を加え、溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒ジクロロメタン、Rf=0.53)で分離精製し、更に、ジクロロメタン/ヘキサンの混合溶液からの再結晶を行い、2−(3−ジメシチルボリル−2−チエニル)チアゾール(下記式の化合物(12)参照)を収率75%(8.36g,20.1mmol)で得た。この化合物(12)について1H−NMR測定(270MHz,CDCl3)を行ったところ、δ1.85(s,12H),2.18(s,6H),6.64(s,4H),7.04(d,J=3.6Hz,1H),7.23(d,J=4.8Hz,1H),7.46(d,J=4.8Hz,1H),7.69(d,J=3.6Hz,1H)であった。
この化合物(12)についてX線結晶構造解析を行ったところ、図1に示すように、チアゾール環の窒素がホウ素へ分子内配位することによりチアゾール環とチオフェン環とが平面に固定化されていることが確認された。また、この化合物(12)についてサイクリックボルタンメトリー測定を行ったところ、図2に示すように、−2.29V(vs Fc/Fc+)に可逆な還元波を示した。この値について、電子輸送材料として知られているシラシクロペンタジエン誘導体(特開平9−194487号公報参照)の還元電位と比較すると、シラシクロペンタジエン誘導体では−2.09〜−2.30V(vs Ag/Ag+)の還元電位を示すのに対し(Chem.Eur.J.,vol6,p1683(2000))、化合物(12)の還元電位は、vs Ag/Ag+に換算すると−2.05V(vs Ag/Ag+)となることから、化合物(12)はより高い還元電位を有すること即ちLUMOのエネルギーレベルが低いことから、良好な電子受容性を有することが確認された。
[実施例2]
2−(3−ブロモ−2−チエニル)チアゾール(化合物(11)、252mg,1.02mmol)のヘキサン溶液(10mL)にn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.60M,0.700mL,1.12mmol)を室温で滴下した。室温で1.5時間攪拌した後、9−ブロモジベンゾボロール(248mg,1.02mmol)のトルエン溶液(5mL)をキャニュラで加え、更に室温で12時間攪拌した。減圧下で溶媒を留去した後、ジクロロメタン(30mL)を加え、溶液をセライトに通してろ過した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒ジクロロメタン)で分離精製し、2−[(3−ジベンゾボロリル)−2−チエニル]チアゾール(上記式の化合物(13)参照)を収率45%(152mg,0.462mmol)で得た。この化合物(13)について1H−NMR測定(270MHz,CDCl3)を行ったところ、δ6.91(d,J=6.9Hz,2H),6.98(d,J=4.6Hz,1H),7.03(t,J=8.2Hz,2H),7.07(d,J=4.0Hz,1H),7.14(d,J=3.6Hz,1H),7.27(d,J=6.8Hz,2H),7.58(d,J=4.6Hz,1H),7.73(d,J=7.3Hz,2H)であった。
2−(3−ブロモ−2−チエニル)チアゾール(化合物(11)、252mg,1.02mmol)のヘキサン溶液(10mL)にn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.60M,0.700mL,1.12mmol)を室温で滴下した。室温で1.5時間攪拌した後、9−ブロモジベンゾボロール(248mg,1.02mmol)のトルエン溶液(5mL)をキャニュラで加え、更に室温で12時間攪拌した。減圧下で溶媒を留去した後、ジクロロメタン(30mL)を加え、溶液をセライトに通してろ過した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒ジクロロメタン)で分離精製し、2−[(3−ジベンゾボロリル)−2−チエニル]チアゾール(上記式の化合物(13)参照)を収率45%(152mg,0.462mmol)で得た。この化合物(13)について1H−NMR測定(270MHz,CDCl3)を行ったところ、δ6.91(d,J=6.9Hz,2H),6.98(d,J=4.6Hz,1H),7.03(t,J=8.2Hz,2H),7.07(d,J=4.0Hz,1H),7.14(d,J=3.6Hz,1H),7.27(d,J=6.8Hz,2H),7.58(d,J=4.6Hz,1H),7.73(d,J=7.3Hz,2H)であった。
この化合物(13)についてX線結晶構造解析を行ったところ、図3に示すように、チアゾール環の窒素がホウ素へ分子内配位することによりチアゾール環とチオフェン環とが平面に固定化されていることが確認された。
[実施例3]
2−(3−ジメシチルボリル−2−チエニル)チアゾール(化合物(12)、1.48g,3.56mmol)のTHF溶液(35mL)にn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.47M,2.42mL,3.56mmol)を−78℃で滴下した。温度を−78℃に保ったまま1時間攪拌した後、トリブチルスタンニルクロライド(0.966mL,3.56mmol)を加え、ゆっくりと室温まで昇温しながら2時間攪拌した。減圧下で溶媒を留去した後、トルエン(50mL)を加え、溶液をフロリジルを用いてろ過した。更に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒ヘキサン/トルエン=1/1,Rf=0.53)で分離精製し、2−(3−ジメシチルボリル−2−チエニル)−5−トリブチルスタンニルチアゾール(下記式の化合物(14)参照)を収率82%(2.06g,2.92mmol)で得た。この化合物(14)について1H−NMR測定(270MHz,CDCl3)を行ったところ、δ0.88(t,J=7.3Hz,9H),1.12(t,J=7.5Hz,6H),1.15(m,6H),1.52(m,6H),1.84(s,12H),2.17(s,6H),6.63(s,4H),7.22(d,J=4.6Hz,1H),7.41(d,J=4.6Hz,1H)7.53(s,1H)であった。
2−(3−ジメシチルボリル−2−チエニル)チアゾール(化合物(12)、1.48g,3.56mmol)のTHF溶液(35mL)にn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.47M,2.42mL,3.56mmol)を−78℃で滴下した。温度を−78℃に保ったまま1時間攪拌した後、トリブチルスタンニルクロライド(0.966mL,3.56mmol)を加え、ゆっくりと室温まで昇温しながら2時間攪拌した。減圧下で溶媒を留去した後、トルエン(50mL)を加え、溶液をフロリジルを用いてろ過した。更に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒ヘキサン/トルエン=1/1,Rf=0.53)で分離精製し、2−(3−ジメシチルボリル−2−チエニル)−5−トリブチルスタンニルチアゾール(下記式の化合物(14)参照)を収率82%(2.06g,2.92mmol)で得た。この化合物(14)について1H−NMR測定(270MHz,CDCl3)を行ったところ、δ0.88(t,J=7.3Hz,9H),1.12(t,J=7.5Hz,6H),1.15(m,6H),1.52(m,6H),1.84(s,12H),2.17(s,6H),6.63(s,4H),7.22(d,J=4.6Hz,1H),7.41(d,J=4.6Hz,1H)7.53(s,1H)であった。
[実施例4]
2−(3−ジメシチルボリル−2−チエニル)チアゾール(化合物(12)、8.35g,20.1mmol)のTHF溶液(250mL)にn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.60M,25.2mL,40.2mmol)を−78℃で滴下した。温度を−78℃に保ったまま1.5時間攪拌した後、ヨウ素(20.4mg,80.4mmol)のTHF溶液(50mL)を加え、ゆっくりと室温まで昇温しながら2時間攪拌した。10wt%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、トルエン(200mL)で3回抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後、減圧下で溶媒を留去した。ジクロロメタンとヘキサンの混合溶液から再結晶し、2−(3−ジメシチルボリル−5−ヨード−2−チエニル)−5−ヨードチアゾール(下記式の化合物(15)参照)を収率87%(11.7g,17.5mmol)で得た。この化合物(15)について1H−NMR測定(270MHz,CDCl3)を行ったところ、δ1.83(s,12H),2.19(s,6H),6.66(s,4H),7.36(s,1H),7.64(s,1H)であった。
2−(3−ジメシチルボリル−2−チエニル)チアゾール(化合物(12)、8.35g,20.1mmol)のTHF溶液(250mL)にn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.60M,25.2mL,40.2mmol)を−78℃で滴下した。温度を−78℃に保ったまま1.5時間攪拌した後、ヨウ素(20.4mg,80.4mmol)のTHF溶液(50mL)を加え、ゆっくりと室温まで昇温しながら2時間攪拌した。10wt%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、トルエン(200mL)で3回抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後、減圧下で溶媒を留去した。ジクロロメタンとヘキサンの混合溶液から再結晶し、2−(3−ジメシチルボリル−5−ヨード−2−チエニル)−5−ヨードチアゾール(下記式の化合物(15)参照)を収率87%(11.7g,17.5mmol)で得た。この化合物(15)について1H−NMR測定(270MHz,CDCl3)を行ったところ、δ1.83(s,12H),2.19(s,6H),6.66(s,4H),7.36(s,1H),7.64(s,1H)であった。
[実施例5]
2−(3−ジメシチルボリル−5−ヨード−2−チエニル)−5−ヨードチアゾール(化合物(15)、80mg,0.12mmol)のTHF溶液(2.0mL)にn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.60M,0.075mL,0.12mmol)を−78℃で滴下した。温度を−78℃に保ったまま1時間攪拌した後、ゆっくりと室温まで昇温しながら1時間攪拌した。水(1.0mL)を加え、トルエン(50mL)で3回抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後、減圧下で溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒ヘキサン/トルエン=2/1,Rf=0.31)で分離精製し、2−(3−ジメシチルボリル−5−ヨード−2−チエニル)チアゾール(下記式の化合物(16)参照)を収率72%(47mg,0.086mmol)で得た。この化合物(16)について1H−NMR測定(270MHz,CDCl3)を行ったところ、δ1.83(s,12H),2.18(s,6H),6.65(s,4H),7.06(d,J=3.6Hz,1H),7.39(s,1H),7.67(d,J=3.6Hz,1H)であった。
2−(3−ジメシチルボリル−5−ヨード−2−チエニル)−5−ヨードチアゾール(化合物(15)、80mg,0.12mmol)のTHF溶液(2.0mL)にn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.60M,0.075mL,0.12mmol)を−78℃で滴下した。温度を−78℃に保ったまま1時間攪拌した後、ゆっくりと室温まで昇温しながら1時間攪拌した。水(1.0mL)を加え、トルエン(50mL)で3回抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後、減圧下で溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒ヘキサン/トルエン=2/1,Rf=0.31)で分離精製し、2−(3−ジメシチルボリル−5−ヨード−2−チエニル)チアゾール(下記式の化合物(16)参照)を収率72%(47mg,0.086mmol)で得た。この化合物(16)について1H−NMR測定(270MHz,CDCl3)を行ったところ、δ1.83(s,12H),2.18(s,6H),6.65(s,4H),7.06(d,J=3.6Hz,1H),7.39(s,1H),7.67(d,J=3.6Hz,1H)であった。
[実施例6]
2−(3−ジメシチルボリル−2−チエニル)−5−トリブチルスタンニルチアゾール(化合物(14)、1.06g,1.50mmol)、2−(3−ジメシチルボリル−5−ヨード−2−チエニル)チアゾール(化合物(16)、0.813g,1.50mmol)、Pd2(dba)3・CHCl3(0.0311g,0.03mmol)、トリフリルホスフィン(0.0281g,0.12mmol)をアルゴンガス雰囲気下でトルエン(15mL)に溶かし、100℃で15時間攪拌し、水(10mL)を加えた後、ジクロロメタン(150mL)で3回抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、減圧下で溶媒を留去した。ジクロロメタン(100mL)を加え、溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒ジクロロメタン)で分離精製し、更にジクロロメタン溶液からの再結晶により下記式の化合物(17)で表されるヘッド・ツウ・テール型化合物を収率68%(0.845g,1.02mmol)で得た。この化合物(17)について1H−NMR測定(270MHz,CDCl3)を行ったところ、δ1.84(s,12H),1.88(s,24H),2.18(s,12H),7.66(s,8H),7.10(d,J=3.6Hz,1H),7.21(s,1H),7.21(d,J=4.4Hz,1H),7.48(d,J=4.4Hz,1H),7.70(s,1H),7.71(d,J=3.6Hz,1H)であった。
2−(3−ジメシチルボリル−2−チエニル)−5−トリブチルスタンニルチアゾール(化合物(14)、1.06g,1.50mmol)、2−(3−ジメシチルボリル−5−ヨード−2−チエニル)チアゾール(化合物(16)、0.813g,1.50mmol)、Pd2(dba)3・CHCl3(0.0311g,0.03mmol)、トリフリルホスフィン(0.0281g,0.12mmol)をアルゴンガス雰囲気下でトルエン(15mL)に溶かし、100℃で15時間攪拌し、水(10mL)を加えた後、ジクロロメタン(150mL)で3回抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、減圧下で溶媒を留去した。ジクロロメタン(100mL)を加え、溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒ジクロロメタン)で分離精製し、更にジクロロメタン溶液からの再結晶により下記式の化合物(17)で表されるヘッド・ツウ・テール型化合物を収率68%(0.845g,1.02mmol)で得た。この化合物(17)について1H−NMR測定(270MHz,CDCl3)を行ったところ、δ1.84(s,12H),1.88(s,24H),2.18(s,12H),7.66(s,8H),7.10(d,J=3.6Hz,1H),7.21(s,1H),7.21(d,J=4.4Hz,1H),7.48(d,J=4.4Hz,1H),7.70(s,1H),7.71(d,J=3.6Hz,1H)であった。
また、この化合物(17)についてX線結晶構造解析を行ったところ、図4に示すように、チアゾール環の窒素がホウ素へ分子内配位することによりチアゾール環とチオフェン環とが平面に固定化されていることが確認された。この化合物(17)についてサイクリックボルタンメトリー測定を行ったところ、図5に示すように、−2.08V(vs Fc/Fc+)に可逆な還元波を示した。この値について、前出のシラシクロペンタジエン誘導体の還元電位と比較すると、シラシクロペンタジエン誘導体では−2.09〜−2.30V(vs Ag/Ag+)の還元電位を示すのに対し、化合物(17)の還元電位は、vs Ag/Ag+に換算すると−1.84V(vs Ag/Ag+)となり、化合物(17)はより高い還元電位を有すること即ちLUMOのエネルギーレベルが低いことから、良好な電子受容性を有することが確認された。
[実施例7]
2−(3−ジメシチルボリル−2−チエニル)チアゾール(133mg,0.32mmol)のTHF溶液(3mL)にn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.60M,0.2mL,0.32mmol)を−78℃で滴下した。温度を−78℃に保ったまま1.5時間攪拌した後、塩化第一銅(91mg,0.67mmol)を加え、ゆっくりと室温まで昇温しながら12時間攪拌した。減圧下で溶媒を留去し、得られた混合物にジクロロメタン(10mL)を加え、溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒ジクロロメタン)で分離精製し、更にトルエン溶液からの再結晶を行うことにより下記式の化合物(18)で表されるテール・ツウ・テール型化合物を収率31%(82mg,0.099mmol)で得た。この化合物(18)について1H−NMR測定(270MHz,CDCl3)を行ったところ、δ1.89(s,24H),2.18(s,12H),6.66(s,8H),7.19(d,J=4.8Hz,2H),7.50(d,J=4.8Hz,2H),7.59(s,2H)であった。
2−(3−ジメシチルボリル−2−チエニル)チアゾール(133mg,0.32mmol)のTHF溶液(3mL)にn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.60M,0.2mL,0.32mmol)を−78℃で滴下した。温度を−78℃に保ったまま1.5時間攪拌した後、塩化第一銅(91mg,0.67mmol)を加え、ゆっくりと室温まで昇温しながら12時間攪拌した。減圧下で溶媒を留去し、得られた混合物にジクロロメタン(10mL)を加え、溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒ジクロロメタン)で分離精製し、更にトルエン溶液からの再結晶を行うことにより下記式の化合物(18)で表されるテール・ツウ・テール型化合物を収率31%(82mg,0.099mmol)で得た。この化合物(18)について1H−NMR測定(270MHz,CDCl3)を行ったところ、δ1.89(s,24H),2.18(s,12H),6.66(s,8H),7.19(d,J=4.8Hz,2H),7.50(d,J=4.8Hz,2H),7.59(s,2H)であった。
[実施例8]
2−(3−ジメシチルボリル−5−ヨード−2−チエニル)チアゾール(200mg,0.37mmol)、Ni2Br2(PPh3)2(82.4mg,0.11mmol)、亜鉛(36.7mg,0.55mmol)、Et4NI(95.5mg,0.37mmol)をアルゴンガス雰囲気下でTHF(2mL)に溶かし、50℃で24時間攪拌し、ジクロロメタン(100mL)を加え、セライトを用いてろ過した。得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒ヘキサン/トルエン=1/1,Rf=0.54)で分離精製し、下記式の化合物(19)で表されるヘッド・ツウ・ヘッド型化合物を収率25%(37.6mg,0.045mmol)で得た。この化合物(19)について1H−NMR測定(270MHz,CDCl3)を行ったところ、δ1.85(s,24H),2.18(s,12H),6.65(s,8H),7.05(d,J=4.0Hz,2H),7.31(s,2H),7.67(d,J=4.0Hz,2H)であった。
2−(3−ジメシチルボリル−5−ヨード−2−チエニル)チアゾール(200mg,0.37mmol)、Ni2Br2(PPh3)2(82.4mg,0.11mmol)、亜鉛(36.7mg,0.55mmol)、Et4NI(95.5mg,0.37mmol)をアルゴンガス雰囲気下でTHF(2mL)に溶かし、50℃で24時間攪拌し、ジクロロメタン(100mL)を加え、セライトを用いてろ過した。得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒ヘキサン/トルエン=1/1,Rf=0.54)で分離精製し、下記式の化合物(19)で表されるヘッド・ツウ・ヘッド型化合物を収率25%(37.6mg,0.045mmol)で得た。この化合物(19)について1H−NMR測定(270MHz,CDCl3)を行ったところ、δ1.85(s,24H),2.18(s,12H),6.65(s,8H),7.05(d,J=4.0Hz,2H),7.31(s,2H),7.67(d,J=4.0Hz,2H)であった。
この化合物(19)の電子輸送性材料としての性能を評価するために、まず電荷移動度を測定するための移動度素子を作製し、次いでその移動度素子の電荷移動度を測定した。
移動度素子の作製は以下のようにして行った。即ち、基板として、2mm幅のITO(酸化インジウムスズ)膜がストライプ状にパターニングされたITO透明電極付きガラス基板(シート抵抗:20Ω/Sq)を用意し、この基板をイソプロピルアルコールで洗浄した後、オゾン紫外線洗浄にて表面処理を行った。洗浄後の基板に、真空蒸着法で化合物(19)の真空蒸着を行った。具体的には、洗浄後の基板を真空蒸着装置(東京真空社製、EG−240)にセットして1.3×10−6Torrまで減圧した後、抵抗加熱方式により加熱した化合物(19)を0.3〜0.5nm/secの蒸着レートで前記基板上に真空蒸着した。触針式表面形状測定器(アルバック社製、DEKTAK3030)で測定した成膜後の膜厚は、2.96μmであった。次に、フタロシアニンを電荷発生層として10nm蒸着した。この基板上にITOストライプと直交するように、2mm幅のAl膜を10nmの膜厚で真空蒸着した。これによって、移動度測定用の2mm角の動作エリアが得られた。この基板を酸素・水分濃度1ppm以下の窒素雰囲気グローブボックス内で封止した。封止は、紫外線硬化型エポキシ樹脂XNR5516(ナガセケムテックス社製)を用いた。
このようにして作製した移動度素子の電荷移動度の測定を以下のようにして行った。即ち、作製した移動度素子をタイムオブフライト装置(オプテル社製、TOF−401)にセットし、波長337nmの窒素パルスレーザをAl電極側から照射したときに発生した電荷のITO電極への移動速度から電荷移動度を求めたところ、電界強度約600(V/cm)1/2での電荷移動度は0.8〜1.5×10−4cm2/V・secであった。なお、測定時、分散型の電子輸送が見られた。一方、化合物(19)の代わりにAlq3を使用して移動度素子を作製し、その電荷移動度を測定したところ、1×10−5cm2/V・secであった。
[実施例9]
2−[(3−ジベンゾボロリル)−2−チエニル]チアゾール(98.9mg,0.30mmol)のTHF溶液(3mL)にn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.60M,0.188mL,0.30mmol)を−78℃で滴下した。温度を−78℃に保ったまま1.5時間攪拌した後、塩化第一銅(90.4mg,0.67mmol)を加え、ゆっくりと室温まで昇温しながら12時間攪拌した。減圧下で溶媒を留去し、混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒トルエン)で分離精製した。更に、トルエン溶液からの再結晶を行うことにより下記式の化合物(20)で表されるテール・ツウ・テール型化合物を収率77%(76.0mg,0.12mmol)で得た。この化合物(20)について1H−NMR測定(400MHz,CDCl3)を行ったところ、δ6.88(d,J=7.2Hz,4H),6.99(d,J=4.8Hz,2H),7.02(t,J=4.0Hz,4H),7.13(s,2H),7.27(t,J=7.6Hz,4H),7.65(d,J=4.4Hz,2H),7.72(d,J=7.6Hz,4H)であった。
2−[(3−ジベンゾボロリル)−2−チエニル]チアゾール(98.9mg,0.30mmol)のTHF溶液(3mL)にn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.60M,0.188mL,0.30mmol)を−78℃で滴下した。温度を−78℃に保ったまま1.5時間攪拌した後、塩化第一銅(90.4mg,0.67mmol)を加え、ゆっくりと室温まで昇温しながら12時間攪拌した。減圧下で溶媒を留去し、混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒トルエン)で分離精製した。更に、トルエン溶液からの再結晶を行うことにより下記式の化合物(20)で表されるテール・ツウ・テール型化合物を収率77%(76.0mg,0.12mmol)で得た。この化合物(20)について1H−NMR測定(400MHz,CDCl3)を行ったところ、δ6.88(d,J=7.2Hz,4H),6.99(d,J=4.8Hz,2H),7.02(t,J=4.0Hz,4H),7.13(s,2H),7.27(t,J=7.6Hz,4H),7.65(d,J=4.4Hz,2H),7.72(d,J=7.6Hz,4H)であった。
本発明は、有機エレクトロニクスに関連する産業に利用可能であり、具体的には有機ELやFETに関連する電気分野や化学分野の産業に利用可能である。
Claims (9)
- 下記式(1)で表される構成単位を1〜400個鎖状に結合した構造を有する有機ホウ素π電子系化合物。
(但し、Ar1は、ベンゼン、置換ベンゼン、チオフェン、置換チオフェン、1,1−ジオキシドチオフェン、置換1,1−ジオキシドチオフェン、チアゾール、置換チアゾール、オキサゾール、置換オキサゾール、ナフタレン、置換ナフタレン、アントラセン、置換アントラセン、テトラセン、置換テトラセン、ペンタセン、置換ペンタセン、イミダゾール、置換イミダゾール、ピラゾール、置換ピラゾール、ピリジン、置換ピリジン、ピリダジン、置換ピリダジン、ピラジン、置換ピラジン、ピリミジン、置換ピリミジン、キノリン、置換キノリン、イソキノリン及び置換イソキノリンからなる群より選ばれた1種であり、
Ar2は,チアゾール、置換チアゾール、オキサゾール、置換オキサゾール、イミダゾール、置換イミダゾール、ピラゾール、置換ピラゾール、ピリジン、置換ピリジン、ピリダジン、置換ピリダジン、ピラジン、置換ピラジン、ピリミジン、置換ピリミジン、キノリン、置換キノリン、イソキノリン及び置換イソキノリンからなる群より選ばれた1種であって窒素のホウ素への配位結合を介して縮環する基であり、
X1及びX2は、それぞれ独立にアリール基、置換アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールアルコキシ基、シリル基、水酸基、ボリルオキシ基、ハロゲン原子及び水素原子からなる群より選ばれた1種であるか、X1及びX2が結合してなる2,2’−ビフェニル基又は置換2,2’−ビフェニル基である) - nが1又は2である、請求項2〜4のいずれかに記載の有機ホウ素π電子系化合物。
- Ar1がチオフェン又は置換チオフェンであり、Ar2がチアゾール又は置換チアゾールである、請求項1〜5のいずれかに記載の有機ホウ素π電子系化合物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の有機ホウ素π電子系化合物であって、
両末端に結合している基が、それぞれ独立に水素原子、アリール基、置換アリール基、オリゴアリール基、置換オリゴアリール基、1価の複素環基、1価の置換複素環基、1価のオリゴ複素環基、1価の置換オリゴ複素環基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリル基、アミノ基、置換アミノ基、アゾ基、カルボキシル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ホルミル基、ニトロ基、シアノ基、シリル基、スタンニル基、ボリル基、ホスフィノ基、シリルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基及びハロゲン原子からなる群より選ばれた1種である、有機ホウ素π電子系化合物。 - 電子輸送材料として用いられる、請求項1〜7のいずれかに記載の有機ホウ素π電子系化合物。
- 下記式(5)で表される、請求項1〜8のいずれかに記載の有機ホウ素π電子系化合物の合成中間体。
(但し、Ar1は、ベンゼン、置換ベンゼン、チオフェン、置換チオフェン、1,1−ジオキシドチオフェン、置換1,1−ジオキシドチオフェン、チアゾール、置換チアゾール、オキサゾール、置換オキサゾール、ナフタレン、置換ナフタレン、アントラセン、置換アントラセン、テトラセン、置換テトラセン、ペンタセン、置換ペンタセン、イミダゾール、置換イミダゾール、ピラゾール、置換ピラゾール、ピリジン、置換ピリジン、ピリダジン、置換ピリダジン、ピラジン、置換ピラジン、ピリミジン、置換ピリミジン、キノリン、置換キノリン、イソキノリン及び置換イソキノリンからなる群より選ばれた1種であり、
Ar2は,チアゾール、置換チアゾール、オキサゾール、置換オキサゾール、イミダゾール、置換イミダゾール、ピラゾール、置換ピラゾール、ピリジン、置換ピリジン、ピリダジン、置換ピリダジン、ピラジン、置換ピラジン、ピリミジン、置換ピリミジン、キノリン、置換キノリン、イソキノリン及び置換イソキノリンからなる群より選ばれた1種であって窒素のホウ素への配位結合を介して縮環する基であり、
X1及びX2は、それぞれ独立にアリール基、置換アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールアルコキシ基、シリル基、水酸基、ボリルオキシ基、ハロゲン原子及び水素原子からなる群より選ばれた1種であるか、X1及びX2が結合してなる2,2’−ビフェニル基又は置換2,2’−ビフェニル基であり、
X3及びX4は、それぞれ独立にH,Li,MgX,ZnX,SnR1R2R3,B(OH)2,B(OR)2,SiR1R2R3,X,SR,OTf及び置換トリアゼニル基(Xはハロゲン原子、Rはアルキル基、R1,R2,R3はそれぞれ同じであっても異なっていてもよいアルキル基)からなる群より選ばれた1種である)
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