JPWO2006038291A1 - 孔明け装置 - Google Patents

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JPWO2006038291A1
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Abstract

本発明の孔明け装置は、パンチ2の刃先部2aを、パンチ軸中心線O−Oから所定量cオフセットした位置を頂部bとしたシャー角aによりV字状の切欠きを形成する。左右の刃先先端部P3,P4の高さ(長さ)が相違し、シート材にこれら先端部P3,P4がタイミングをずらして当接し、ピーク値を低下する。これにより、パンチによる穿孔力のピーク値を下げて、孔明け駆動力を低下する。

Description

本発明は、パンチとダイとによりシート状の被穿孔材に孔を明ける孔明け装置に係り、詳しくは複写機,プリンタ,ファクシミリ及びこれらの複合機等の画像形成装置本体に付設され、又は印刷機に装備されて好適な孔明け装置に関する。
従来、所定形状の溝カムが形成されたカム板と、上記溝カムに係合すると共に上下方向に案内されるパンチとを有し、カム板を往復駆動してパンチを上下することにより、該パンチとダイとの間の紙等のシート材に孔を明ける装置が知られている(例えば特開2001−198889号公報参照)。上記孔明け装置は、パンチにピンが直交するように固定されており、該ピンがフレームの長孔に案内されて上下方向に移動自在に支持されると共に前記溝カムに係合して、該溝カムを有するカム板が左右方向に往復移動(スライド)することにより、パンチは上下方向に移動する。そして図12に示すように、従来のパンチ2先端の刃先部2aは、図12に示すように、側面視逆V字状の切欠かれてなり、同じ高さ(長さ)hからなる逆V字状の刃先両側部P1,P2が略々同時にシート材に当接して、ダイとの間でシート材を剪断・穿孔する。
近時、複写機等の高性能化(高速及び高耐久性)に伴い、その付設機器であるフィニッシャーに内蔵されている孔明け装置に関しても、同様な高速及び高耐久性が求められている。
一方、装置の小型化及び省電力化も求められており、モータを大型にして駆動トルクを大とすると、孔明け速度の高速化及び一度に多くのシート材に孔明けをすることは可能となるが、装置を大型化することになり、かつ消費電力も増大してしまう。
そこで、本発明は、パンチの刃先形状を変更することにより、上述した課題を解決した孔明け装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は(例えば図5参照)、軸方向に往復動するパンチ(2)と固定されたダイ(4)(11)とにより、シート状の被穿孔材に孔明けする孔明け装置(1)において、
前記パンチの刃先部(2a)が、所定シャー角(a)によりV字状に切欠かれ、かつ前記シャー角の頂部(b)が、前記パンチの軸中心線(O−O)に対して所定量(c)オフセットされた位置にある、
ことを特徴とする孔明け装置にある。
第1の態様による本発明によると、パンチの刃先部が、パンチの軸中心線から所定量オフセットされた位置に頂部を有するシャー角によりV字状に切欠かれているので、左右の刃先先端部の高さ(長さ)が異なり、左右の刃先先端部がタイミングをずらして被穿孔材に当接するので、穿孔力を平準化してピーク値を下げることができ、これにより駆動ピークトルクを下げて、小型のモータの使用を可能とする。
本発明の第2の態様は(例えば図6参照)、軸方向に往復動するパンチ(2)と固定されたダイ(4)(11)とにより、シート状の被穿孔材に孔明けする孔明け装置(1)において、
前記パンチ(2)の刃先部(2a)が、内側のシャー角(e)と、該内側のシャー角より小さい角度の外側のシャー角(f)により2段のV字状に切欠かれてなる、
ことを特徴とする孔明け装置にある。
第2の態様による本発明によると、パンチの刃先部が2段のシャー角からなるので、外側の小さいシャー角により被穿孔材を鋭利に剪断して、穿孔力のピーク値を低下することができ、これにより駆動ピークトルクを下げて、小型のモータの使用を可能とする。
第2の態様においては(例えば図6(e)参照)、前記内側のシャー角(e)が鋭角からなり、前記外側のシャー角(f)が鋭角からなる、と好ましい。
これにより、パンチ刃先部の外側のシャー角が鋭角からなり、低い穿孔力により鋭く被穿孔材を孔明けすることができると共に、内側のシャー角が鈍角からなるので、耐久性を維持することができる。
第1及び第2の態様においては(例えば図1参照)、前記パンチ(2)の移動方向と直交する方向に往復駆動され、かつ溝カム(9…)を有するカム板(5)を備え、
複数の前記パンチ(2…)が前記溝カム(9…)の複数のV字状部(V…)に係合して、各パンチ(2〜2)がそれぞれ対応する前記V字状部(V1〜V4)により軸方向に往復動してなり、
前記各パンチとそれに対応する前記V字状部との距離(S…)を、それぞれ異ならせる、と好ましい。
これにより、多数のパンチがそれぞれタイミングをずらして被穿孔材に当接して、穿孔するので、複数のパンチにより複数の孔明けをする際、駆動ピークを分散して、小型のモータの使用を可能とする。
第1及び第2の態様においては(例えば図2,図3参照)、本体フレーム(3)に前記パンチ(2)及びカム板(5)を収納し、前記カム板(5)は、前記パンチの移動方向と直交する方向に往復駆動されると共に、溝カム(9…)を有し、
前記パンチ(2)にピン(7)を植設し、該ピンの両側面に面取り部(7a,7a)を形成して、前記ピン(7)を前記本体フレーム(3)に形成した長孔(10)に、前記面取り部(7a,7a)が接触するように嵌挿して、前記パンチ(2)を軸方向に移動自在に案内すると共に、前記ピン(7)を前記溝カム(9)に係合して、前記パンチ(2)を軸方向に往復動する、と好ましい。
これにより、パンチを案内するピンに面取り部を形成して、該面取り部にて長孔に接触するので、鉄と鉄の接触であるピンと長孔を、面接触からなる大きな面積にて摺接して、摩擦力を減じて動力損を少なくすると共に、摩耗を減少して耐久性を向上することができる。
第1及び第2の態様においては(例えば図2,図4参照)、本体フレーム(3)に前記パンチ(2)及びカム板(5)を収納し、前記カム板(5)は、前記パンチ(2)の移動方向と直交する方向に往復駆動されると共に、溝カム(9)を有し、
前記本体フレーム(3)に前記パンチ(2)のガイド孔(6a,6b)を形成して、前記パンチを軸方向に移動自在に案内すると共に、前記パンチ(2)を前記溝カム(9)に係合して軸方向に往復動し、
前記本体フレーム(3)のパンチ刃先側となる前記ガイド孔(6b)の周囲に、バーリング加工による鍔部(13)を形成する、と好ましい。
これにより、パンチの刃先側を案内する本体フレームのガイド孔を、バーリング加工によりその周囲に鍔部を形成したので、刃先部を完全に案内することができ、特にオフセットされて一方の刃先先端部が長くなっている請求項1記載の刃先部、又は2段のシャー角により刃先先端部が鋭利になっている請求項2記載の刃先部が、ガイド孔に噛込むことを防止して、穿孔力が大きくなる動力損をなくすと共に、ピン孔が削り取られて耐久性が低下することを防止することができる。
なお、上記カッコ内の符号は図面と対照するためのものであるが、これにより請求項の記載に何等影響を及ぼすものではない。
本発明を適用し得る孔明け装置の要部を示す正面図。 そのパンチ部分で軸線に沿って断面した断面図。 パンチを案内する部分を拡大して示す正面図。 パンチの下ガイド孔部を拡大して示す正面断面図。 本発明の第1の実施の形態によるパンチ刃先部を示す図で、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は正面図、(d)は右側面図、(e)は底面図、(f)は斜視図である。 本発明の第2の実施の形態によるパンチ刃先部を示す図で、(a)は正面図、(b)は正面図、(c)は側面図、(d)は底面図、(e)は拡大正面図である。 本発明に係る実施例1と実施例2と従来技術のものを比較実験した表を示す。 そのグラフを示す図。 実施例1のグラフを示す。 実施例2のグラフを示す。 従来技術のグラフを示す。 従来のパンチ刃先部を示す正面図。
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、孔明け装置の要部を示す正面図、図2は、そのパンチ部分を断面した断面図であり、図1及び図2は、モータ,ピニオン及びラック等の駆動装置は省略されている。本孔明け装置1は、図2に示すように、パンチ2を支持する本体フレーム3と、ダイフレーム4とを有しており、本体フレームの底板3aとダイフレーム4の上板4aとが、スペーサ(図示せず)により所定間隙Cを有するようにして、両フレーム3,4は一体に固定されている。
本体フレーム3には、その側板3bに平行して長尺の(スライド)カム板5が収納・支持されており、該カム板5は、図示せぬ駆動装置、即ちモータ、該モータの出力軸に連動するピニオン,カム板に固定されかつ前記ピニオンに噛合するラックにより、図1において左右方向に往復動される。また、本体フレーム3の上板3c、底板3aにはパンチ支持用の孔6a,6bが形成されており、これら孔によりパンチ2が上下方向移動自在に案内されている。更に、パンチ2には直交するようにピン7が植設されている。
前記カム板5には、図1に示すように、(4個の)溝カム9…(9,9,9,9)が形成されており、また、前記パンチ2(2,2,2,2)も、溝カムに対応して4個配置されている。また、図2に示すように、前記本体フレームの側板3bには上下方向に延びる所定長さの長孔10が(4個)形成されている。そして、前記各パンチ2に植設されたピン7は、それぞれ上記溝カム9及び長孔10に係合している。また、ダイフレーム4には、各パンチ2に対応してダイ孔11が形成されている。
従って、駆動装置によりカム板5を左右方向に往復動すると、長孔10により上下方向の移動のみ許容されているピン7が溝カム9に係合することにより、パンチ2は上下方向に駆動され、上下フレーム3,4の空隙Cに挿入された紙等のシート材が、上記パンチ2とダイ孔11により穿孔される。この際、カム溝9…は、上下移動用のV字部V…が1個のもの9,9と2個のもの9,9がある。図1に示すホームポジションからカム板5を左方向(矢印A方向)に移動すると、各溝カム9,9,9,9のV字部V1,V2,V3,V4により4個のパンチ2,2,2,2が上下動して、シート材に4個の孔があけられる。また、カム板を左方向に移動したホームポジションPからの矢印A方向の移動により、溝カム9のV字部V5及び溝カム9のV字部V6により、2個のパンチ2,2が上下動して、シート材に2個の孔があけられる。なおこの際、他のパンチ2,2は、溝カムの水平部Hを移動して上方位置に保持される。
そして、各パンチ2…からの各溝カム9…のV字部V…の位置までの距離がそれぞれずらされている(相違する)。即ち、第1のパンチ2と第1の溝カム9のV字部V1までの距離をSとすると、第2のパンチ2と第2の溝カム9のV字部V2までの距離が(S+3[mm])、第3のパンチ2と第3の溝カム9のV字部V3までの距離が(S+6[mm])、第4のパンチ2と第4の溝カム9のV字状V4までの距離を(S+9[mm])に設定してある。
これにより、図1に示すホームポジションからカム板5を矢印A方向に移動すると、まず第1のパンチ2がV字部V1に到達して下降し、シート材の孔明けを開始し、ついで第2のパンチ2がV字部V2に到達して下降し、シート材の孔明けを開始し、更に第3のパンチ2がV字部V3に到達して下降し、シート材への孔明けを開始し、最後に第4のパンチ2がV字部V4に到達して下降し、シート材の孔明けを開始する。
このように、各パンチ2…が順次シート材に当接して孔明けを開始するので、従来のように一時に各パンチがシート材に当接して同時に孔明けを開始するものに比し、各パンチ2の孔明けトルクが分散されて、動作タイミングをずらすことによりピークトルクを下げることができる。なお、上記説明は、4パンチによる4孔の孔明けについて説明したが、2孔の場合も同様であり、また3孔等の他の数の孔明けにも同様に適用し得ることは勿論である。また、各パンチのタイミングずれ量は、上述した3,6,9[mm]に限らず、他の数値でもよいことは勿論である。
一方、上記各パンチ2…に植設されるピン7は、図2及び図3に詳示するように、パンチ2に貫通してボルト等により固着されており、かつパンチからの突出部分は両側面が面取り7a,7aされて小判形断面からなる。そして、平面からなる両面取り部7a,7aが本体フレーム3の長孔10に嵌挿しており、かつ上下の円孔部7b,7bがカム板5の溝カム9に係合している。
これにより、パンチ2を上下に案内するピン7と長孔10とは、ピン7の面取り部7a,7aにて面接触するので、従来の断面円形からなるピンによる点(線)接触に比して、大きな接触面積にて摺接するので、両方とも鉄製であるピンとフレーム長孔とのスライド(摺接)部の摩耗の進行を抑えることができる。なお、ピン7の面取り部7aの形成によっても、ピン7の上下面は円弧面のままであるので、カム板5の溝カム9には、該円弧面7b,7bが係合するので、溝カム9の曲面に沿ってピン7が滑らかに案内される。
また、図4に詳示するように、本体フレームのパンチ下ガイド孔6bが、底板3aをバーリング加工することにより、孔周囲に上方に突出する鍔部13が形成されている。
従って、上下方向に所定長さのバーリング鍔部13により、パンチ2の刃先部2aは完全にガイドされるので、刃先部2aがパンチ下ガイド孔6bに噛込んで、大きな動力損を生じると共にガイド孔6bを削り取る虞れをなくすことができる。特に、後述するように、パンチ刃先が所定量オフセットすると、V字状刃先の先端部P3,P4に上下方向のずれが生じて、この場合、上記刃先の下ガイド孔6への噛込み及び削り取りの可能性が高くなるが、この場合でも上記バーリング鍔部13によりパンチ刃先部2aを案内することにより、これら不具合の発生を確実に防止できる。
ついで、図5に沿って、本発明の要部であるパンチ2の刃先(第1の実施の形態)について説明する。パンチ2は、断面円形であり、かつその刃先部2aは,V字状に切欠かれている。該V字状の切欠き角(シャー角度)aは、60〜140度程度であり、好ましくは約120度である。そして、V字状の頂角部bがパンチ2の中心線O−Oから所定量cオフセットされている。該オフセット量cは、0.1〜1.2[mm]程度であり、好ましくは約0.2[mm]である。従って、刃先部2aの一方の先端部P3が他方の先端部P4より所定量d長く形成される。なお、該所定量dは、パンチ2の軸径及び上記オフセット量cにより定まるが、被穿孔材の1枚の厚さ(紙厚)に相当することが好ましい。刃先部2aは、正面から見た場合[(a)(c)参照]、V字状になるが、底面では円形であるため[(e)参照]、左右側面では、円弧状曲面からなる[(b)(d)参照]。具体的には、直径8φのパンチ2において、頂角aが120度であり、該頂角のオフセット量cを0.2[mm]に設定し、両先端部P3,P4の長さの差dが0.23[mm]となる。該d=0.23[mm]は、一般に使用される普通紙(秤量200g)の約1枚の厚さに設定されている。なお、(b)〜(e)における線の1目盛は、0.23[mm]である。
ついで、図6に沿って、本発明の他の(第2の)実施の形態によるパンチの刃先部2aは、頂角bはパンチ中心線O−O上に位置するが、V字状の切欠きが2段になっている。即ち、(e)に詳示するように、内側のシャー角が鈍角eからなり、外側のシャー角が鋭角fからなる。具体的には、内側のシャー角eが約120度であり、外側の刃先先端部分のシャー角fが約60度であると好ましい。
これにより、パンチ径8φのものにおいて、刃先外周部分の鋭角部分gが0.2[mm]となり、かつ切欠き高さhが2.46[mm]となり、そして先端部P5,P6は左右同じ高さとなる。なお、(b)〜(d)において、図6にあっても同様に一目盛0.23[mm]である。
なお、図6に示すように2段のシャー角の刃先を、図5に示すように頂部bを所定量cオフセットした刃先を有するパンチも考えられる。
ついで、上述した図5に示すパンチ(実施例1)と、図6に示すパンチ(実施例2)と、図12に示すパンチ(従来技術)との比較について説明する。各パンチ2はすべて直径8[mm]であり、実施例1は、シャー角aが120度、オフセット量cが0.2[mm]、切欠きによる刃先長さhの長い方P3が2.37[mm]、短い方P4がそれよりもd=0.23[mm]短い2.14[mm]からなる。
実施例2は、内側シャー角fが120度、外側シャー角が60度で、外側の60度の幅は0.2[mm]であり、刃先長さhが2.46である。従来技術のパンチ刃先は、パンチ中心線O−Oに頂角部を有するシャー角120度、刃先長さhは左右P1,P2とも同じで、2.23[mm]である。
図7は、上記実施例2、従来の技術及び実施例1の刃先からなるパンチを用いて、1枚が略々0.23[mm]からなる紙を穿孔した際の各パンチの刃先に作用する荷重(穿孔力)[×10Kgf]を示す。なお、刃先2aは、シャー角により左右2個の先端部を有しており、実施例2にあっては、左右先端部が同じ高さなので、合計で表示しており、従来の技術にあっても左右先端部の高さが同じであるが、実施例3との比較のため、左右先端部P1,P2に作用する荷重を別々に表示して合計しており、実施例3にあっては、頂部bが所定量(C=0.2[mm])オフセットとして先端部P3が他方の先端部より0.23[mm]高くなっているので、高い方の先端部P3を大、低い方の先端部P4を小として両荷重を表記し、合計している。
図7から、2段刃先からなる実施例2のパンチは、紙の1枚目に対する荷重が少なく、該1枚目に対する荷重が際立って大きい(1.54)従来の技術に対して、平準化した荷重となり、大きなピーク値を生じないことが解る。これは、鋭角の外側シャー角fにより鋭利に1枚目の紙が剪断される結果と考えられる。
同じく図7から、芯ずれしたシャー角からなる実施例1のパンチは、高さの異なる左右の刃先先端部がずれて紙に当接するため、左右(大小)先端部において荷重が異なり、特に従来技術が左右先端部が同時に当接する1枚目の紙に対して、一方のみの先端部が当接する本実施例のものは小さく、全体に平準化されてピーク値が小さい。
図8は、上記図7の合計を示すグラフであり、従来技術に対して、実施例1及び2が平準化されて、特に1枚目の紙(2)に対する穿孔力が小さいことが解かる。なお、該グラフにおいて、縦軸は、パンチの穿孔力(×10Kgf)であり、横軸は、刃先が紙を穿孔していく位置[(n−1)×0.23mm]である。なお、図9,図10,図11においても縦軸及び横軸は、同じである。
図9は、実施例1によるパンチの高い方の先端部(大)、低い方の先端部(小)及びその合計値を示すグラフであり、図10は、実施例2によるパンチの合計値を示すグラフであり、図11は、従来技術によるパンチの一方の先端部及び両先端部の合計値を示すグラフである。従来技術に比し、実施例1及び2のものは、平準化されてピーク値が小さいことが解る。
パンチの刃先形状によって、ピーク値が減少して、駆動モータのピークトルクを減少して小型のモータを用いて処理速度を向上し、かつパンチの穿孔トルクを軽減して、消費電力を少なくし得ることが解るが、更に図1に示すように、各パンチの作動タイミングをずらすことにより、更に穿孔ピークトルクを下げることができる。
また、図2,図3に示すように、ピン7に面取りをして、長孔10との接触面積を大きくし、鉄と鉄との接触による摩耗の減少及び摩耗抵抗の減少を図り、また図4に示すように、下パンチガイド孔6bにバーリング鍔部13を形成することにより、パンチ刃先部2a、特に図5に示す両先端部P3,P4の高さが異なるもの、また図6に示す外側シャー角fが鋭角からなる刃先に適用して、刃先がガイド孔6bに噛込んで大きな摺動抵抗を生じたりまたガイド孔6bを削り取ることを防止し得る。これにより、摺動抵抗を減じて、小型のモータを使用可能とし、かつ耐久性を向上し得る。そして、これらが相俟って、孔明け装置の小型化、高速化、省エネ化及び長寿命化が可能となる。
なお、上記実施の形態は、カム板を往復駆動してパンチを上下動する孔明け装置に適用したものについて説明したが、パンチ刃先部の形状にあっては、回転カムによりパンチを上下動するもの等の他の駆動装置によるものにも、同様に適用可能である。
図7から、2段刃先からなる実施例2のパンチは、穿孔開始時の荷重が少なく、穿孔開始時の荷重が際立って大きい(1.54)従来の技術に対して、平準化した荷重となり、大きなピーク値を生じないことが解る。これは、鋭角の外側シャー角fにより鋭利に紙が剪断される結果と考えられる。
同じく図7から、芯ずれしたシャー角からなる実施例1のパンチは、高さの異なる左右の刃先先端部がずれて紙に当接するため、左右(大小)先端部において荷重が異なり、特に従来技術が左右先端部が同時に当接する穿孔開始時の紙に対して、一方のみの先端部が当接する本実施例のものは小さく、全体に平準化されてピーク値が小さい。
図8は、上記図7の合計を示すグラフであり、従来技術に対して、実施例1及び2が平準化されて、特に穿孔開始時の紙(2)に対する穿孔力が小さいことが解かる。なお、該グラフにおいて、縦軸は、パンチの穿孔力(×10Kgf)であり、横軸は、刃先が紙を穿孔していく位置[(n−1)×0.23mm]である。なお、図9,図10,図11においても縦軸及び横軸は、同じである。

Claims (6)

  1. 軸方向に往復動するパンチと固定されたダイとにより、シート状の被穿孔材に孔明けする孔明け装置において、
    前記パンチの刃先部が、所定シャー角によりV字状に切欠かれ、かつ前記シャー角の頂部が、前記パンチの軸中心線に対して所定量オフセットされた位置にある、
    ことを特徴とする孔明け装置。
  2. 軸方向に往復動するパンチと固定されたダイとにより、シート状の被穿孔材に孔明けする孔明け装置において、
    前記パンチの刃先部が、内側のシャー角と、該内側のシャー角より小さい角度の外側のシャー角により2段のV字状に切欠かれてなる、
    ことを特徴とする孔明け装置。
  3. 前記内側のシャー角が鋭角からなり、前記外側のシャー角が鋭角からなる、
    請求項2記載の孔明け装置。
  4. 前記パンチの移動方向と直交する方向に往復駆動され、かつ溝カムを有するカム板を備え、
    複数の前記パンチが前記溝カムの複数のV字状部に係合して、各パンチがそれぞれ対応する前記V字状部により軸方向に往復動してなり、
    前記各パンチとそれに対応する前記V字状部との距離を、それぞれ異ならせてなる、
    請求項1又は2記載の孔明け装置。
  5. 本体フレームに前記パンチ及びカム板を収納し、前記カム板は、前記パンチの移動方向と直交する方向に往復駆動されると共に、溝カムを有し、
    前記パンチにピンを植設し、該ピンの両側面に面取り部を形成して、前記ピンを前記本体フレームに形成した長孔に、前記面取り部が接触するように嵌挿して、前記パンチを軸方向に移動自在に案内すると共に、前記ピンを前記溝カムに係合して、前記パンチを軸方向に往復動してなる、
    請求項1又は2記載の孔明け装置。
  6. 本体フレームに前記パンチ及びカム板を収納し、前記カム板は、前記パンチの移動方向と直交する方向に往復駆動されると共に、溝カムを有し、
    前記本体フレームに前記パンチのガイド孔を形成して、前記パンチを軸方向に移動自在に案内すると共に、前記パンチを前記溝カムに係合して軸方向に往復動し、
    前記本体フレームのパンチ刃先側となる前記ガイド孔の周囲に、バーリング加工による鍔部を形成してなる、
    請求項1又は2記載の孔明け装置。
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