JPWO2006025315A1 - 自動車用ボンネット - Google Patents

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Abstract

FRP製のアウターと、その裏面側に接合されるFRP製のインナーとを有する自動車用ボンネットであって、インナーが、車体の前後方向に2部品に分かれていることを特徴とする自動車用ボンネット。このFRP製自動車用ボンネットにより、衝突事故時等における衝撃吸収性能、所定変形要求性能を満たすことができるとともに、製造の容易性を向上できる。

Description

本発明は、FRP(繊維強化プラスチック)製の自動車用ボンネットに関し、とくに、衝撃荷重を効果的に吸収できるようにするとともに優れた生産性を有する自動車用ボンネットに関する。
近年、自動車には、衝突時等における安全性を高めることが要求されており、とくに、衝撃的な外力が加わった際の乗員側の安全性とともに、事故時の歩行者保護性能を高めることが要求されている。自動車が歩行者に衝突した際には、歩行者は、自動車の前部やボンネット等に対し、脚や頭部に衝撃荷重を受けることになるが、とくに死亡事故の低減には、頭部へのダメージを低減することが不可欠であると言われている。したがって、とくに頭部にダメージを与えやすいボンネットに対しては、衝突事故時にも極力衝撃力を吸収でき、頭部へのダメージを小さく抑えることが求められている。
この頭部へのダメージの低減に関しては、ボンネットの衝撃緩和性能として規制値が規格化されつつあり、とくに、頭部が受ける加速度とその持続時間で計算される頭部傷害値(HIC)を所定のレベル以下に抑えることが望まれる。また、このような衝撃緩和性能とともに、衝突事故時等にボンネットが内部側(つまり、エンジンルーム側)に変形する際、内部の剛体搭載物や剛体の車体等に当接し突っかい棒のようになって頭部等に過大な衝撃を与えることを防止するために、車種によって異なるものの、ボンネットの変形量をあるレベル以下に抑えることが望まれる。つまり、歩行者保護の観点からは、ボンネットが望ましい形態で変形し高い衝撃緩和性能を発揮できる特性が求められる一方で、ボンネットの変形量をあるレベル以下に抑えることが望まれる。さらに、歩行者と乗員の両方を保護する観点から、衝突事故時等にボンネットが変形する際には、ボンネットが「く」の字状に折れ曲がることが望ましい。
ところで、近年、軽量化を第1目的として、FRP製の自動車用ボンネットが開発されつつあり、主として必要な部分の強度や剛性を向上することを目的とした各種の構造が提案されているが(例えば、特許文献1)、FRP製自動車用ボンネットとして、上記のような衝突事故時等に対する要求性能を満たす観点から適切な構造とする提案はほとんど見当たらない。
従来から、表面側を形成するFRP製のアウターとその裏面側に接合されるFRP製のインナーからなるFRP製ボンネットは各種提案されているが、従来のFRP製ボンネットのインナーは、金属製ボンネットのインナーと同じレイアウトとするか、アウターの外縁に沿ってアウターの全周にわたって延びる額縁状の形状に形成されている。このような額縁状の形状のインナーをアウターに接合した場合、FRP製ボンネット全体の剛性は高く保たれ変形量は小さく抑えられるものの、前記のような望ましい衝撃緩和性能を発揮することは難しくなる。とくに、衝突事故時等におけるボンネットの「く」の字状の折れ曲がり変形を達成しようとすると、額縁形状のインナーに、「く」の字状の折れ曲がりの起点となるくびれ等を設ける必要が生じ、インナー全体の形状が複雑化するとともに、成形上の困難性も増加する。また、上記のような額縁形状のインナーでは、該インナー成形の際に、アウターと実質的に同じ寸法の大型の金型が必要になり、それだけ設備規模が大きくなるとともに、製造費用、製造上の困難性が増加する。
特開2003−146252号公報
そこで本発明の課題は、衝突事故時等に対する前記自動車用ボンネットへの種々の要求性能と、上記のような従来のFRP製ボンネットにおける問題点に着目し、これら衝突事故時等に対する要求性能を満たすことができるとともに、製造の容易性を向上できるFRP製の自動車用ボンネットを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る自動車用ボンネットは、FRP製のアウターと、その裏面側に接合されるFRP製のインナーとを有する自動車用ボンネットであって、前記インナーが、車体の前後方向に2部品に分かれていることを特徴とするものからなる。
このようなFRP製の自動車用ボンネットにおいては、全体として軽量性を保ちながら、FRP製のアウターに、必要な剛性が求められる構造部材としての機能を持たせることができるので、FRP製のインナーを分割構造としても、自動車用ボンネット全体としての剛性、機能を満たすことが可能となる。つまり、このインナー分割構造は、FRP製ボンネット特有の採用可能な構造と言うことができ、金属製のボンネットでは、仮にインナー分割構造を採用するとインナー成形工程(例えば、プレス成形工程)が増え、一工程で一体物に成形する場合に比べ効率が低下するので、通常は採用されない。しかし、FRPの場合には、分割された各インナー用の成形型さえ作っておけば、特段効率を低下させることなくインナー分割構造を採用することが可能になる。
上記のような本発明に係る自動車用ボンネットにおいては、上記インナーの少なくとも一部がハット形の横断面を有していることが好ましく、分割された各インナーが、それぞれ、実質的に全体にわたってハット形の横断面を有する構造とすることもできる。このようにすれば、分割され、アウターに対しては部分的にしか配置されないインナーであっても、配置された部位に対してスチフナとして効果的に機能し、所望の各部位に必要な強度や剛性を容易に付与することができる。
また、2つのインナーが、それぞれ、車体の幅方向に実質的にアウターの全幅にわたって延びている構造を採用することができる。この場合、少なくとも一方のインナーが、望ましくは両インナーが、さらに、アウターの外縁に沿って延びる部分を有していることが好ましい。すなわち、車体の幅方向に延びた後、アウターの外縁に沿って延びる形状を採用することが好ましい。
上記アウターとしては、要求される剛性が確保できさえすれば、FRPの単板からなる構造、少なくとも一部が、FRPのスキン板間にコア材を介在させたサンドイッチ構造、のいずれの構造も採り得る。本発明においては、要求される剛性が確保するために、少なくともアウターのFRPの強化繊維として炭素繊維が使用されることが好ましい。ただし、本発明に係るFRP製自動車用ボンネットにおける強化繊維は特に限定されず、他の強化繊維の使用や、それらと炭素繊維の併用も可能である。
分割された2つのインナーは、車体の前後方向に間隔をもって分割、配置されてもよく、車体の前後方向に実質的に突き合わせて配置されてもよい。いずれの場合にも、前後のインナーの間の部分では、アウターはインナーによっては補強されないから、この部分がアウターが「く」の字状の折れ曲がる際の起点となり得、衝突事故時等に、該アウターは、望ましい方向に望ましい形態で「く」の字状に折れ曲がることが可能となる。
また、衝突事故時等における歩行者頭部保護性能の向上をより効果的に達成するためには、2つのインナー間に剛性差が付与されている構造が好ましい。とくに、車体の後側のインナーの剛性を、前側のインナーの剛性に比べ、差を持たせて適切に設定することが好ましい。ここで、両インナー間に剛性差を付与するとは、車体前後方向に延びる立面での断面における剛性に差を持たせること、車体幅方向に延びる立面での断面における剛性に差を持たせること、の両方を含む。
より具体的には、車体の後側のインナーの剛性が、前側のインナーの剛性よりも小さく設定されている構成を採用できる(ケースA)。この場合、例えば衝突事故時等における加速度・時間線図の中盤で頭部に生じる加速度を低下させることが可能である。その結果、頭部傷害値(HIC)が低減し、衝撃緩和性能が向上する。この現象は、アウターの裏面側に接合された両インナーのうち後側のインナーの剛性が低く設定されているので、アウターで頭部打撃を受けた後のボンネット全体で衝撃を支える中盤時期に、打撃による変形が剛性の低い後側に広がるモードが発生され、頭部加速度を低下させることになって、衝撃緩和性能が向上することによる。換言すれば、頭部打撃時の変形の分布の広がり方向を、インナーの前後分割構成による車体幅方向への広がりに加えて、低剛性の後側のインナー側、つまり、車体前後方向の後側部分への方向に広げることにより、衝撃緩和性能が向上される。
あるいは、車体の後側のインナーの剛性が、前側のインナーの剛性よりも大きく設定されている構成を採用することもできる(ケースB)。この場合は、ボンネットの基本特性であるボンネット全体のねじり剛性を向上させることが可能である。すなわち、後側のインナーは、後述の如く、両端でヒンジ部品を介して車体側と連結されることが多く、この後側のインナーが、荷重伝達の際に一種のトーションバーとして機能する。したがって、後側のインナーの剛性を高めて、この荷重伝達部分の剛性を高めることで、ボンネット全体のねじり剛性を効果的に向上させることが可能になる。
但し、上記ケースAとケースBとは、歩行者頭部保護性能とボンネット全体のねじり剛性の発現に関してトレードオフの関係にあるから、実際の設計に際しては、両性能の最適点を見出すことになる。
上記のような両インナー間の剛性差の付与は、以下のような両インナーの構成差あるいはそれらの組み合わせにより達成できる。例えば、上記剛性差が、両インナーの横断面形状の違い(例えば、幅、高さ、厚さの違い)により付与されている構成、両インナーを構成するFRPの積層構成の違い(例えば、各層の向き、各層の強化繊維体積含有率)により付与されている構成、両インナーを構成するFRPの強化繊維の種類の違い(例えば、炭素繊維やガラス繊維など、あるいはそれらの配合比率)により付与されている構成、等により達成できる。
車体の前側のインナーには、ストライカを装着することができ、車体の後側のインナーには、ヒンジ取付金具を装着することができる。これにより、FRP製ボンネンット全体として必要とされる取付け、操作機能を容易に満足させることができる。
さらに、前後のインナー間あるいは各インナーが接合されているボンネット部分間に剛性差を持たせる方法として、次のような方法を採用することも可能である。例えば、車体の後側のインナーの車体の幅方向両側にヒンジ取付金具が装着されている場合、両ヒンジ取付金具間のインナーの道のり距離が、両ヒンジ取付金具間の直線距離よりも長い構成を採用できる。好ましくは、インナーの道のり距離が、両ヒンジ取付金具間の直線距離よりも1.2倍以上長い構成である。具体的には、車体の後側のインナーの剛性が同じである場合においても、例えば、そのインナーの車体前側への広がり深さを深くすることで、車体への取付け点(ヒンジ)からの距離が長くなり、それだけ撓みやすくなる(つまり、見掛けの剛性が低下する)ため、衝撃緩和性能がより向上される。
あるいは、2つのインナーの車体幅方向の長さに差が付与されている構成も採用可能である。この場合、とくに、車体の後側のインナーの車体幅方向の長さが、車体の前側のインナーの車体幅方向の長さよりも大きい構成が好ましい。既存のボンネットは主としてデザインの点から、その多くはフロント側の幅が小さく、リア側の幅が大きい。したがって、上記のような2つのインナーの車体幅方向の長さに差を付与する構成は、比較的容易に採用できる。2つのインナーの長さに差を持たせることにより、とくに、車体の後側のインナーの車体幅方向の長さを、車体の前側のインナーの車体幅方向の長さよりも大きく設定することにより、ボンネットの車体後側部分をより撓みやすくし、頭部打撃時の変形の分布の広がりをその方向へ広げて、衝撃緩和性能をより向上することが可能となる。
上述した前後のインナー間あるいは各インナーが接合されているボンネット部分間に剛性差を持たせる方法として、両ヒンジ取付金具間のインナーの道のり距離が、両ヒンジ取付金具間の直線距離よりも長い構成を採用する場合、あるいは2つのインナーの車体幅方向の長さに差が付与されている構成を採用する場合において、必ずしもインナーがアウターの外縁に完璧に沿って配置されていなくてもよい。アウターの外縁の位置は車体の意匠デザインの面から決められることが多いが、インナーはアウターの外縁の位置より内側にあればよいのであって、インナーの配置および寸法は、必要な剛性ないし剛性差を設けることから決定すればよい。
また、FRP製の軽量、高剛性アウターを有するボンネットの場合、アウターに接合されるインナー(本発明における車体の前後方向に2部品に分かれたインナーを含む)はアウターの外縁に沿って配置され、中央部分には配されない場合が多く、この場合には、ボンネット中央部においてインナー形状の工夫は適用できないことになる。とくに、前述の如く炭素繊維強化樹脂(CFRP)からなるアウターの場合には、その高剛性のため、ボンネット全体がある形状を保持したまま上下に移動するため、アウター外縁に沿って配置したインナーが車体や内部搭載物に接触した時にエネルギー吸収性能が急激に阻害され、歩行者へのダメージが大きくなるおそれがある。そこで本発明に係る自動車用ボンネットにおいては、以下のように、高剛性のFRP製アウターを備えた自動車用ボンネットにおいて、インナーの構造を工夫することにより、ボンネット本体のエネルギー吸収性能が、インナーが車体や剛体搭載物と接触した際にも急激に損なわれないようにし、ボンネット全体として衝突事故時等において望ましいエネルギー吸収性能を発揮できるようにした構造を併せて備えていることが好ましい。
すなわち、上記インナーが、ハット形のスチフナ構造の横断面を有しており、かつ、該インナーの少なくとも一部が、ハット形の立ち上がり面部が上下方向の荷重に対して大変形可能な構造に構成された大変形可能断面部を有している構造(大変形可能断面インナー構造)、あるいは、上記インナーの少なくとも一部が、略ハット形のスチフナ構造の横断面を有しており、該インナーの底面が、対向する車体側の面に対して傾斜しており、かつ、該インナーが、前記インナーの底面の一部が対向する車体側の面に当接した後に、ボンネットの平面方向中央部側に向けて回転変形が可能な回転変形可能形状に形成されている構造(回転変形可能インナー構造)とされることが好ましい。
上記大変形可能断面インナー構造における大変形可能断面部においては、ハット形の両側の立ち上がり面部を上下方向の荷重に対して大変形可能な構造に構成することもできるし、ハット形の片側の立ち上がり面部だけを上下方向の荷重に対して大変形可能な構造に構成することもできる。
また、上記大変形可能断面部は、車体の幅方向に延びるインナー部分に対して該インナー部分の延設方向に部分的に設けられている構成とすることもできるし、延設方向の全長にわたって設けられている構成とすることもできる。
また、上記大変形可能断面部は、アウターの外縁に沿って延びるインナー部分に対して該インナー部分の延設方向に部分的に設けられている構成とすることもできるし、延設方向の全長にわたって設けられている構成とすることもできる。
また、上記インナーが、前記大変形可能断面部と、ハット形の立ち上がり面部が上下方向の荷重に対して大変形可能な構造に構成されていない通常断面部との両方を有しており、大変形可能断面部と通常断面部との間で断面構造が徐々に変化している構成とすることもできる。
上記大変形可能断面部は、各種の構造により構成可能である。例えば、大変形可能断面部を、ハット形の立ち上がり面部を折れ線状に形成することにより構成することができる。あるいは、大変形可能断面部を、ハット形の立ち上がり面部を段付き形状に形成することにより構成することもできる。あるいは、大変形可能断面部を、ハット形の立ち上がり面部を湾曲折れ曲がり形状に形成することにより構成することもできる。あるいは、大変形可能断面部を、ハット形の立ち上がり面部を部分的に厚みを薄くすることにより構成することもできる。あるいは、大変形可能断面部を、ハット形の立ち上がり面部のFRP積層構成を部分的に変化させることにより構成することもできる。
また、上記ハット形のスチフナ構造の横断面を有するインナーとしては、FRP板構造(FRP単板からなる構造)に構成することができる。アウターとしては、FRP単板構造に構成することもできるが、アウター全体に高い剛性を持たせるためには、アウターの少なくとも一部が、FRPのスキン板間にコア材を介在させたサンドイッチ構造を有することが好ましい。
このような大変形可能断面インナー構造を有するFRP製自動車用ボンネットにおいては、全体として軽量性を保ちながら、基本的に、FRP製のアウターによって必要な剛性を有する構造部材としての機能が担われ、そのアウターにおける剛性不足部分に対してFRP製のインナーが接合され、全体として必要な剛性を有するボンネットが構成されるようになる。
そして、高剛性のアウターを備えたボンネットが、衝突事故時等に頭部等からの衝撃を、上下方向に変形して衝突エネルギーとして吸収しようとするときに、インナーが車体側に接触した際、インナーに設けた大変形可能断面部が突っ張ることなく変形を開始することで上下方向の移動を円滑にし、急激なエネルギー吸収性能の低下が防止される。また、インナー自身が変形することにより、より望ましいエネルギー吸収性能を発揮することが可能である。
また、上記回転変形可能インナー構造を有する場合には、上記インナーが、上記略ハット形の立ち上がり面部の少なくとも一方が上下方向の荷重に対して大変形可能な大変形可能断面部に構成されている構造とすることができる。
また、上記回転変形可能形状を有する断面部が、車体の幅方向に延びるインナー部分に対して該インナー部分の延設方向に部分的に設けられている構成とすることもできるし、回転変形可能形状を有する断面部が、アウターの外縁に沿って延びるインナー部分に対して該インナー部分の延設方向に部分的に設けられている構成とすることもできる。
また、上記インナーが、前記回転変形可能形状を有する断面部と、回転変形可能形状に形成されていない通常断面部との両方を有しており、回転変形可能形状断面部と通常断面部との間で断面形状が徐々に変化している構成とすることもできる。
また、上記大変形可能断面部は、各種の構造により構成可能である。例えば、大変形可能断面部を、略ハット形の立ち上がり面部を折れ線状に形成することにより構成することができる。あるいは、大変形可能断面部を、略ハット形の立ち上がり面部を段付き形状に形成することにより構成することもできる。あるいは、大変形可能断面部を、略ハット形の立ち上がり面部を湾曲折れ曲がり形状に形成することにより構成することもできる。あるいは、大変形可能断面部を、略ハット形の立ち上がり面部を部分的に厚みを薄くすることにより構成することもできる。あるいは、大変形可能断面部を、略ハット形の立ち上がり面部のFRP積層構成を部分的に変化させることにより構成することもできる。
また、上記ハット形のスチフナ構造の横断面を有するインナーとしては、FRP板構造(FRP単板からなる構造)に構成することができる。アウターとしては、FRP単板構造に構成することもできるが、アウター全体に高い剛性を持たせるためには、アウターの少なくとも一部が、FRPのスキン板間にコア材を介在させたサンドイッチ構造を有することが好ましい。
このような回転変形可能インナー構造を有するFRP製自動車用ボンネットにおいては、全体として軽量性を保ちながら、基本的に、FRP製のアウターによって必要な剛性を有する構造部材としての機能が担われ、そのアウターにおける剛性不足部分に対してFRP製のインナーが接合され、全体として必要な剛性を有するボンネットが構成される。
そして、高剛性のアウターを備えたボンネットが、衝突事故時等に頭部等からの衝撃を、上下方向に変形して衝突エネルギーとして吸収しようとするときに、インナーが車体側に接触する際、対向する車体側の面に対して傾斜されたインナーの底面が、車体側の面に当接し、インナーの底面の一部が対向する車体側の面に当接した後に、回転変形可能形状に形成されたインナーが、ボンネットの平面方向中央部側に向けて回転変形し始める。この回転変形は、車体からはみ出す方向ではなく、車体内側に向けて回り込む方向であるから、障害物のより少ない状態にて、インナーが変形できるとともに、インナーが接合されているアウターも同じ方向に変形できる。また、この回転変形により、回転モーメントが発生する。これらインナーの回転変形およびそれに伴う回転モーメントの発生により、衝突事故時等における衝突エネルギーがより円滑に吸収されることになり、衝突エネルギー吸収性能が向上される。つまり、インナーが対向する車体側の面に当接した後にも突っ張ることなく、車体側に阻害されることなく回転変形を開始することでボンネットの上下方向の移動を円滑にし、急激なエネルギー吸収性能の低下が防止される。また、インナー自身が変形することにより、エネルギー吸収性能を発揮することも可能である。
本発明に係る自動車用ボンネットによれば、車体の前後方向における前後のインナーの境界部分が、ボンネット全体としての低剛性部分となり、衝突事故時等に、とくに正面衝突時に、アウターを望ましい方向に望ましい形態で「く」の字状に折れ曲がることが可能となり、優れた衝撃緩和性能を発揮することができる。したがって、衝突事故時等における歩行者保護の要求に対処することが可能になるとともに、「く」の字状の折れ曲がり方向を特定できることから、併せて乗員の保護も同時にはかることが可能になる。
また、インナーを車体の前後方向に2部品に分けることにより、分割された各インナーの寸法が小さくなるので、型等も小型のもので済み、製造設備規模を小さくすることができるとともに設備コストも安くなり、しかも、製作しやすくなる。また、各インナーが小型になるので、アウターに対しての位置決めが容易になり、接合時の位置決め精度が向上する。
また、2つのインナー間に適切に剛性差を付与することにより、頭部打撃時の変形の分布の広がりを望ましい方向に広げることが可能になり、一層優れた衝撃緩和性能を発揮することが可能になる。
また、インナーには、通常、前部側にストライカを装着し、後部両側にヒンジ取付金具を装着することが要求されるが、2部品に分割されたインナーとすることにより、それぞれの装着部品を簡単に各インナーに取り付けることができるようになり、容易に必要な機能を持たせることができる。
また、大変形可能断面インナー構造を併せて採用すれば、インナーに大変形可能断面部を設けたことにより、アウターの上下方向変形時にインナーが車体側と接触しても、ボンネット全体のエネルギー吸収性能の急激な低下を防止でき、衝突事故時等における歩行者に与える衝撃を小さく抑えて、より適切な歩行者保護もはかることが可能になる。
また、大変形可能断面部を有するインナー自身が変形することにより、エネルギー吸収性能を発揮することが可能であることから、ボンネット全体のエネルギー吸収性能の向上をはかることもできる。
また、回転変形可能インナー構造を併せて採用する場合には、略ハット形断面のインナーの底面を、対向する車体側の面に対して傾斜させ、かつ、該インナーが、インナーの底面の一部が対向する車体側の面に当接した後に、ボンネットの平面方向中央部側に向けて車体側に阻害されずに回転変形でき、望ましい回転モーメントを発生することができるようにしたので、アウターの上下方向変形時にインナーが車体側と接触しても、ボンネット全体のエネルギー吸収性能の急激な低下を防止でき、インナー、ひいてはボンネット全体の変形が円滑に起こるようにして、衝突事故時等における歩行者に与える衝撃を小さく抑え、より適切な歩行者保護をはかることが可能になる。
また、回転変形可能形状断面部を有するインナー自身が変形することにより、エネルギー吸収性能を発揮することが可能であることから、ボンネット全体のエネルギー吸収性能の一層の向上をはかることもできる。
本発明の一実施態様に係る自動車用ボンネットの分解斜視図である。 図1のインナーの拡大横断面図である。 本発明の別の実施態様に係る自動車用ボンネットの概略背面図である。 従来のFRP製自動車用ボンネットの概略部分断面図である。 図4のボンネットにおける、反力発生時の様子を示す概略断面図である。 図4のボンネットのハット形断面を有するインナー(本発明における通常断面部)の拡大横断面図である。 本発明のさらに別の実施態様に係る自動車用ボンネットにおけるインナーの大変形可能断面部の例を示す概略横断面図である。 本発明におけるインナーの大変形可能断面部の別の例を示す概略横断面図である。 本発明のさらに別の実施態様に係る自動車用ボンネットにおけるインナーの回転変形可能形状断面部の例を示す概略横断面図である。 本発明における回転変形可能インナー構造に大変形可能断面構造を付加した場合の例を示す概略横断面図である。 本発明における回転変形可能インナー構造に大変形可能断面構造を付加した場合の別の例を示す概略横断面図である。
符号の説明
1、11 自動車用ボンネット
2、12 FRP製のアウター
3、13 FRP製のフロントインナー
4、14 FRP製のリアインナー
5 インナーのハット形横断面
6 ストライカ
7 ヒンジ取付金具
21 従来のFRP製自動車用ボンネット
22 FRP製のアウター
23、24 FRPスキン板
25 コア材
26 FRP製のインナー
27 車体側
28 衝突事故時等に歩行者の頭部
29、30 ハット形のストレートな立ち上がり面部
31、32、34、35、37、38、40、41、43、44、46、47、49、50、52、53 ハット形の立ち上がり面部
33、36、39、42、45、48、51、54 ハット形のインナー断面構造
61 回転変形可能形状断面部を有するインナー
62 インナーの底面
63 対向する車体側の面
64 ボンネット
65、66 略ハット形の立ち上がり面
67 アウター
68 回転モーメント
71、72、74、75、77、78、80、81 略ハット形の立ち上がり面部
73、76、79、82、91、92、93、94 略ハット形の断面構造
以下に、本発明の望ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係る自動車用ボンネットを示している。図1において、1は自動車用ボンネット全体を示しており、該ボンネット1は、表面側に位置するFRP製のアウター2と、その裏面側に接合され、車体の前後方向に2部品に分けられたFRP製のフロントインナー3およびリアインナー4とからなる。FRP製のアウター2は、面方向にボンネット全面にわたって広がっており、車種に応じて、必要な曲面形状に形成されている。このアウター2は、FRPの単板構造に構成されてもよく、FRPスキン板間にコア材(例えば、発泡体からなるコア材)が介在されたサンドイッチ構造に構成されてもよい。フロントインナー3およびリアインナー4は、サンドイッチ構造に構成することも可能であるが、単板構造で望ましいスチフナ形状としてアウター2に接合することにより、容易に所望の剛性を確保できることから、単板構造に構成することが好ましい。
各インナー3、4に望ましいスチフナ機能を持たせるためには、例えば図2に示すように、インナーの横断面をハット形に形成することが好ましい。ハット形の横断面5は、各インナーに対して部分的に形成することも可能であるが、本発明では前後に2分割されたインナー3、4として、不要な部位にはインナーは配置されないことから、各インナーを実質的に全体にわたってハット形の横断面形状とすることが好ましい。
本実施態様では、フロントインナー3は、車体の幅方向に実質的にアウター2の全幅にわたって延びており、さらに両側部位に、アウター2の外縁に沿って短く延びる部分を有している。リアインナー4も、車体の幅方向に実質的にアウター2の全幅にわたって延びており、さらに両側部位に、アウター2の外縁に沿って短く延びる部分を有している。これらフロントインナー3とリアインナー4とは、車体の前後方向に、間隔を開けて配置されている。ただし、両インナーをアウター2の外縁に沿って短く延びる部分間で突き合わせて配置することも可能である。いずれにしても、フロントインナー3とリアインナー4の境界部分においては、アウター2への接合によるアウター2の補強は行われないので、この境界部分は、ボンネット全体からみて車体の幅方向に延びる低剛性部分となり、正面衝突時等におけるアウター2の「く」の字折れ曲がり変形の起点となる。
フロントインナー3には、ボンネット開閉用係合部材としてのストライカ6が、接着剤あるいはボルト等を介して装着されている。リアインナー4の両側には、ボンネット開閉操作(回動操作)用のヒンジ(図示略)を取り付けるための金具7が装着されており、これらヒンジ取付金具7も、接着剤あるいはボルト等を介して装着されればよい。
本発明に係る自動車用ボンネットにおけるFRPとは、強化繊維により強化された樹脂を指し、強化繊維としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維等の無機繊維や、ケブラー繊維、ポリエチレン繊維、ポリアミド繊維などの有機繊維からなる強化繊維が挙げられる。面剛性の制御の容易性の面からは、とくに炭素繊維が好ましい。FRPのマトリックス樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられ、さらには、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、ポリウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂も使用可能である。これら強化繊維とマトリックス樹脂とからなるFRPは、単層構成とすることも可能であるが、望ましい特性(とくに、特定の方向に対する望ましい曲げ剛性やねじり剛性)を発現させるために、積層構成とすることが好ましい。また、FRPの機械特性は、上記のような強化繊維、マトリックス樹脂の選択や組み合わせ、強化繊維の配向や体積含有率、積層構成等により適宜設定できる。インナーの剛性や剛性差は、これらに加え、インナーの断面形状(幅、高さ、厚さなど)や、インアー自体の長さ、インナーの延設形状等により適宜設定できる。また、サンドイッチ構造を採用する場合のコア材としては、弾性体や発泡材、ハニカム材の使用が可能であり、軽量化のためにはとくに発泡材が好ましい。発泡材の材質としては特に限定されず、例えば、ポリウレタンやアクリル、ポリスチレン、ポリイミド、塩化ビニル、フェノールなどの高分子材料のフォーム材などを使用できる。ハニカム材としては特に限定されず、例えばアルミニウム合金、紙、アラミドペーパー等を使用することができる。
図1および図2に示した上記実施態様に係る自動車用ボンネット1においては、アウター2が主構造部材としてボンネット1として要求される必要な面剛性を担い、前後部における不足剛性が、2部品に分割されたフロントインナー3とリアインナー4を接合することにより確保される。インナーが車体前後方向に2部品に分けられ、とくに本実施態様ではこれらの間のアウター部分がインナーによって補強されない、車体幅方向に延びる低剛性部分に構成されているので、衝突事故時等(とくに、正面衝突時)に、「く」の字状の折れ曲がり変形の起点となり、ボンネット1全体が、歩行者に与える衝撃緩和および乗員保護の観点から、望ましい方向、望ましい形態にて、「く」の字状に折れ曲がることが可能となる。
また、フロントインナー3とリアインナー4の寸法は、従来の額縁状インナーに比べ大幅に小さくなるので、RTM成形やSMC成形による製作が容易になり、型も小型でよく、設備規模を小さくすることができるとともに、設備費も安価になる。また、小型のフロントインナー3とリアインナー4をアウター2に接合するので、容易に位置決め精度の向上をはかることができる。さらに、フロントインナー3、リアインナー4へのストライカ6、ヒンジ取付金具7の装着も簡単に行うことができ、操作上の要求機能も容易に満たすことができる。
さらに、前述の如く、衝突事故時等における歩行者頭部保護性能の向上をより効果的に達成するためには、2つのインナー間に剛性差が付与されている構造が好ましい。剛性差を持たせるためには、例えば、両インナーの横断面形状に差を持たせる構成、両インナーを構成するFRPの積層構成に差を持たせる構成、両インナーを構成するFRPの強化繊維の種類に差を持たせる構成を採用でき、さらには、2つのインナーの車体幅方向の長さに差を持たせる構成や、とくに後側のインナーの延設形状に工夫を加えた構成を採用できる。
一例を図3に示す。図3に示す自動車用ボンネット11においては、FRP製のアウター12に接合されるFRP製のフロントインナー13とリアインナー14と間に、車体幅方向の長さの差が設けられ、リアインナー14の長さL1の方がフロントインナー13の長さL2よりも長く設定されている。また、リアインナー14のヒンジ間における道のり長さL3が、ヒンジ間における直線距離L4に比べ1.2倍以上長く設定されている。このような構成においては、衝突事故時等におけるボンネット変形の広がりの分布が車体後部側へ適切に広げられ、衝撃緩和性能が一層向上される。なお、図3では、アウターの外縁に完璧に沿ったインナーを示しているが、インナーはアウターの外縁の位置より内側にあればよいのであって、アウターの外縁がインナー寸法よりも外側に大きくても構わない。
前述の如く、本発明においては、FRP製のインナーに対して、大変形可能断面部を有している構造(大変形可能断面インナー構造)、あるいは、ボンネットの平面方向中央部側に向けて回転変形が可能な回転変形可能形状に形成されている構造(回転変形可能インナー構造)を適用することができる。
まず、図4および図5を参照して、本発明におけるインナーへの大変形可能断面部設置の意義について説明する。図4は、従来のFRP製の自動車用ボンネットの車体前部側の通常設置状態を示している。図示例のFRP製自動車用ボンネット21では、FRP製のアウター22が、FRPスキン板23、24間にコア材25が介在するサンドイッチ構造に構成されており、周縁部がFRPスキン板23の延長部としてのFRP板の単板構造に構成されている。ただし、FRP製のアウターとしては、実質的に全体にわたってFRP板の単板構造に構成することも可能である。このFRP製のアウター22の裏面側の必要な部位に、FRP製のインナー26が接合されている。インナー26は、アウター22の剛性不足部分を補強するスチフナとして機能しており、例えば図示の如く、ハット形のスチフナ構造の横断面形状を有している。このFRP製自動車用ボンネット21は、通常設置時には、図4に示すように、インナー26と(とくに、インナー26の底面と)、内部搭載物を含む車体側27(以下、図示例の27a、27b等の構造も含めて車体側と呼ぶ。)との間に、所定寸法の隙間が開けられている。
この状態で、例えば衝突事故時等に歩行者の頭部28が上方から衝突すると、図5に示すように、ボンネット21の全体が沈み込み、その挙動によって、頭部28に加わる衝撃はある程度吸収される。やがて、インナー26が剛体の車体側27に接触すると、車体側27からの反力Fが発生し、頭部28に加わる加速度が急激に増加し、エネルギー吸収性能は急激に低下する。FRP製のインナー26は、実質的に全長にわたって、図6に示すような、ハット形の両側にストレートな立ち上がり面部29、30を有する断面形状となっているので、上記接触時に、これら立ち上がり面部29、30が突っ張って、大きな反力を生じさせることになる。
そこで本発明において大変形可能断面インナー構造を適用する場合には、上記のような急激に増加する反力を軽減すべく、FRP製のインナー26の少なくとも一部を、上下方向の荷重に対して大変形可能な大変形可能断面部に構成する。とくに、FRPの強化繊維として炭素繊維を使用している場合には、アウターの剛性が極めて高いので、FRP製のインナー26に大変形可能断面部を設定することにより、上記反力の軽減効果は大きい。このハット形のスチフナ構造の横断面形状を大変形可能な構造とするために、例えば、以下のような種々の構成を採ることができる。
まず、横断面形状的に大変形可能断面部を構成するには、例えば図7の(A)、(B)、(C)、(D)に示すように構成できる。図7(A)に示すインナー横断面構造では、ハット形の両側の立ち上がり面部31、32が外側に凸状となる折れ線状に形成された断面構造33とされており、図7(B)に示す構造では、ハット形の両側の立ち上がり面部34、35が内側に凸状となる折れ線状に形成された断面構造36とされている。このような断面形状とすることにより、前述の如くFRP製のインナーが車体側27に接触した後、図7(A)、(B)の破線で示すように容易に大きな変形を生じることができ、それによって、ボンネットに衝突した歩行者の頭部等に加わる加速度の急激な増加が抑えられ、接触がソフトになって、衝撃力が緩和される。また、このとき大変形するインナー自身もエネルギーを吸収できることから、ボンネット全体としてのエネルギー吸収性能も向上される。
また、図7(C)に示すインナー横断面構造では、ハット形の両側の立ち上がり面部37、38が段付き形状に形成された断面構造39とされており、図7(D)に示す構造では、ハット形の両側の立ち上がり面部40、41が湾曲折れ曲がり形状に形成された断面構造42とされている。このような断面形状によっても、上記の図7の(A)、(B)に示したのと同様に、優れたエネルギー吸収性能が得られる。
また、図8(A)、(B)、(C)、(D)に示すように、ハット形の両側の立ち上がり面部に、上記のような大変形可能な横断面形状を任意に組み合わせることも可能であり、また、ハット形の片側の立ち上がり面部のみに、大変形可能な横断面形状を形成することも可能である。図8(A)に示すインナー横断面構造では、ハット形の一方の立ち上がり面部43が外側に凸状となる折れ線状に形成され、他方の立ち上がり面部44が内側に凸状となる折れ線状に形成された断面構造45とされており、図8(B)に示す構造では、ハット形の一方の立ち上がり面部46がストレート状のままとされ、他方の立ち上がり面部47のみが内側に凸状となる折れ線状に形成された断面構造48とされている。図8(C)に示す構造では、ハット形の一方の立ち上がり面部49がストレート状のままとされ、他方の立ち上がり面部50のみが段付き形状に形成された断面構造51とされており、図8(D)に示す構造では、ハット形の一方の立ち上がり面部52が内側に向けて湾曲された形状とされ、他方の立ち上がり面部53が湾曲折れ曲がり形状に形成された断面構造54とされている。このような断面構造では、前記同様の優れたエネルギー吸収性能を持たせるとともに、図8(A)、(B)、(C)、(D)の図の右側へ向けて回転するような変形がより行われやすくなり、インナーの変形に指向性を持たせたり、大変形する際に変形したインナーが内部搭載重要機器を破損させたりしないようにすることも可能になる。
図7、図8には断面形状的に大変形可能断面部を構成したが、他の方法によっても同様の機能を持たせた大変形可能断面部を構成することが可能である。例えば、FRP製インナーのハット形の立ち上がり面部を部分的に厚みを薄くすることにより構成することもでき、ハット形の立ち上がり面部のFRP積層構成を部分的に変化させることにより構成することもできる。部分的に厚みを薄くする方法としては、例えば、立ち上がり面部の強化繊維層の積層枚数を部分的に減らす方法を採用でき、FRP積層構成を部分的に変化させる方法としては、例えば、立ち上がり面部に積層される強化繊維層の強化繊維の配向の角度を部分的に変形しやすい角度の変更する方法や、強化繊維の種類を部分的に変える方法等を採用できる。
上記のような大変形可能断面部は、アウターに対して複数部位にインナーが接合される場合には、必要とされる部位に部分的に設定することができる。例えば、ボンネットのフロント(車体前部側)部分には、ストライカ等が設けられ、また、リア(車体後部側)部分には、ヒンジ取付金具等が設けられ、ともに、インナー接合により高い剛性を付与せざるを得ない場合が多いが、サイド部分では、このような高剛性は要求されないので、フェンダーとの接触がソフトになることが好ましく、上記のような大変形可能断面部を適用することが好ましい。これによって、ボンネット全体としてみた場合、高性能な頭部等の保護性能を備えた面積を拡大することが可能になる。また、リア部分においても、ヒンジ取付金具設置部分以外については、上記のような大変形可能断面部を適用することにより車体側との接触をソフトにすることができる。
さらに、例えばインナー部分がアウターの外縁等に沿って所定長延びている場合、そのインナー部分の延設方向において、必要とされる部位に部分的に上記のような大変形可能断面部を設定することも可能である。インナー部分が、大変形可能断面部と、ハット形の立ち上がり面部が上下方向の荷重に対して大変形可能な構造に構成されていない通常断面部(例えば、図6に示したような通常のハット形断面部)との両方を有している場合、大変形可能断面部と通常断面部との間で断面構造が徐々に変化している構成とすることもできる。これにより、両者の境界部に望ましくない応力集中等を発生させることなく、各インナー部位に、必要な剛性付与性能、必要な変形性能を与えることができる。
次に、本発明におけるインナーへ回転変形可能インナー構造を適用する場合について説明する。
図4および図5に示したように、大きな反力が生じるおそれがある場合、そのような急激に増加する反力を軽減すべく、例えば図9に示すようなインナー構造を採用することができる。図9に示す構造においては、インナー61の少なくとも一部が、略ハット形のスチフナ構造の横断面を有しており、該インナー61の底面62が、対向する車体側の面63に対して傾斜している。また、インナー61が、インナー61の底面62の一部が対向する車体側の面63に当接した後に、ボンネット64の平面方向中央部側に向けて(図示例では矢印Yの方向に)回転変形が可能な回転変形可能形状に形成されている。図9に示した例では、この回転変形可能形状は、底面62の傾斜に伴って、略ハット形の立ち上がり面65、66の長さ、立ち上がり角度を互いに異なるように設定することによって形成されている。
このような構成を有するボンネット64においては、アウター67に上方から衝撃荷重が加わった際、アウター67が下方に変位され、インナー61の底面62の一部(コーナー部)が、対向する車体側の面63に当接し、図の破線で示すように、つまり、ボンネット64の平面方向中央部側に向けて(図示例では矢印Yの方向に)回り込むように変形される。車体の内側に向けての変形であるから、外側に向けての変形に比べ、障害物が無いか、あっても大きな障害にならない状態にて変形することが可能になり、変形が円滑にソフトに進む。また、この回転変形に伴って、回転モーメント68が発生し、この回転モーメント68は、外部から加えられた衝突エネルギーを吸収するように作用する。さらに、このとき回転変形するインナー61自身もエネルギーを吸収できることから、ボンネット全体としてのエネルギー吸収性能も一層向上される。とくに、FRPの強化繊維として炭素繊維を使用している場合には、アウター67の剛性が極めて高いので、FRP製のインナー61をこのような構造に設定することにより、前述した車体側からの反力に対し、極めて優れた軽減効果が得られる。したがって、衝突エネルギーが円滑に吸収され、望ましいエネルギー吸収性能が得られ、衝突事故時等の歩行者、とくに歩行者の頭部が適切に保護されることになる。
このような回転変形可能インナー構造を適用した自動車用ボンネットにおいては、上記のような構造を有するインナーを、さらに上記略ハット形の立ち上がり面部の少なくとも一方が上下方向の荷重に対して大変形可能な大変形可能断面部に構成されている構造とすることが好ましい。これによって、ボンネットに衝突した歩行者の頭部等に加わる加速度の急激な増加が抑えられ、接触がソフトになって、衝撃力がより緩和される。この略ハット形のスチフナ構造の横断面形状を大変形可能な構造とするために、例えば以下のような種々の構成を採ることができる。
まず、横断面形状的に大変形可能断面部を構成するには、例えば図10の(A)、(B)、(C)、(D)に示すように構成できる。図10(A)に示すインナー横断面構造では、略ハット形の片側の立ち上がり面部71が外側に凸状となる折れ線状に、他方の立ち上がり面部72がストレート状に形成された断面構造73とされており、図10(B)に示す構造では、略ハット形の両側の立ち上がり面部74、75が段付き形状に形成された断面構造76とされており、図10(C)に示すインナー横断面構造では、略ハット形の片側の立ち上がり面部77が内側に凸状となる折れ線状に、他方の立ち上がり面部78がストレート状に形成された断面構造79とされており、図10(D)に示す構造では、略ハット形の片側の立ち上がり面部80が湾曲折れ曲がり形状に形成され、他方の立ち上がり面部81が内側に湾曲した形状に形成された断面構造82とされている。このように大変形可能断面部を有する断面形状とすることにより、一層優れた衝突エネルギー吸収効果が得られる。
このように大変形可能断面部を有する断面形状は、さらに種々の形状を採ることができる。例えば、図11(A)、(B)、(C)、(D)に示すような略ハット形のインナー断面形状91、92、93、94を採ることができ、さらに、図示例以外の形状を採ることも可能である。
図10、図11には断面形状的に大変形可能断面部を構成したが、他の方法によっても同様の機能を持たせた大変形可能断面部を構成することが可能である。例えば、FRP製インナーの略ハット形の立ち上がり面部を部分的に厚みを薄くすることにより構成することもでき、略ハット形の立ち上がり面部のFRP積層構成を部分的に変化させることにより構成することもできる。部分的に厚みを薄くする方法としては、例えば、立ち上がり面部の強化繊維層の積層枚数を部分的に減らす方法を採用でき、FRP積層構成を部分的に変化させる方法としては、例えば、立ち上がり面部に積層される強化繊維層の強化繊維の配向の角度を部分的に変形しやすい角度の変更する方法や、強化繊維の種類を部分的に変える方法等を採用できる。
上記のような回転変形可能形状部、さらには大変形可能形状部を有する断面部は、アウターに対して複数部位にインナーが接合される場合には、必要とされる部位に部分的に設定することができる。例えば、ボンネットのフロント(車体前部側)部分には、ストライカ等が設けられ、また、リア(車体後部側)部分には、ヒンジ取付金具等が設けられ、ともに、インナー接合により高い剛性を付与せざるを得ない場合が多いが、これら部材取付け部以外では、上記のような回転変形、大変形が可能なインナー断面形状を採用することができる。また、ボンネットサイド部分では、このような高剛性は要求されないので、フェンダーとの接触がソフトになることが好ましく、上記のような回転変形可能形状部、さらには大変形可能断面部を適用することが好ましい。これによって、ボンネット全体としてみた場合、高性能な頭部等の保護性能を備えた面積を拡大することが可能になる。
また、例えばインナー部分がアウターの外縁等に沿って所定長延びている場合、そのインナー部分の延設方向において、必要とされる部位に部分的に上記のような回転変形可能形状部、さらには大変形可能断面部を設定することも可能である。インナー部分が、回転変形可能形状部、さらには大変形可能断面部と、そのような構造に構成されていない通常断面部(例えば、図6に示したような通常のハット形断面部)との両方を有している場合、回転変形可能形状部、大変形可能断面部と通常断面部との間で断面構造が徐々に変化している構成とすることもできる。これにより、両者の境界部に望ましくない応力集中等を発生させることなく、各インナー部位に、必要な剛性付与性能、必要な変形性能を与えることができる。
さらに、略ハット形断面のインナーの回転方向の設定としては、前述の如く、ボンネットの平面方向中央部側に向かう方向とされる、例えば、車体右側(右ハンドル車の運転席側)については車体正面から見て反時計回り方向、車体左側(右ハンドル車の助手席側)については車体正面から見て時計回り方向、前縁は車体左側から見て反時計回り方向、後縁は車体左側から見て時計回り方向に設定される。
本発明に係るFRP製自動車用ボンネットは、全体として軽量性が求められるとともに、所定の変形による効果的な衝撃吸収性能、および優れた生産性が求められるあらゆる自動車用ボンネットに適用することができる。

Claims (43)

  1. FRP製のアウターと、その裏面側に接合されるFRP製のインナーとを有する自動車用ボンネットであって、前記インナーが、車体の前後方向に2部品に分かれていることを特徴とする自動車用ボンネット。
  2. 前記インナーの少なくとも一部がハット形の横断面を有している、請求項1に記載の自動車用ボンネット。
  3. 2つのインナーが、それぞれ、車体の幅方向に実質的にアウターの幅にわたって延びている、請求項1または2に記載の自動車用ボンネット。
  4. 少なくとも一方のインナーが、さらに、アウターの外縁に沿って延びる部分を有している、請求項3に記載の自動車用ボンネット。
  5. 前記アウターがFRPの単板からなる、請求項1〜4のいずれかに記載の自動車用ボンネット。
  6. 前記アウターの少なくとも一部が、FRPのスキン板間にコア材を介在させたサンドイッチ構造を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の自動車用ボンネット。
  7. 少なくともアウターのFRPの強化繊維として炭素繊維が使用されている、請求項1〜6のいずれかに記載の自動車用ボンネット。
  8. 2つのインナーが、車体の前後方向に間隔をもって配置されている、請求項1〜7のいずれかに記載の自動車用ボンネット。
  9. 2つのインナーが、車体の前後方向に実質的に突き合わせて配置されている、請求項1〜7のいずれかに記載の自動車用ボンネット。
  10. 2つのインナー間に剛性差が付与されている、請求項1〜9のいずれかに記載の自動車用ボンネット。
  11. 車体の後側のインナーの剛性が、前側のインナーの剛性よりも小さく設定されている、請求項10に記載の自動車用ボンネット。
  12. 車体の後側のインナーの剛性が、前側のインナーの剛性よりも大きく設定されている、請求項10に記載の自動車用ボンネット。
  13. 剛性差が、両インナーの横断面形状の違いにより付与されている、請求項10〜12のいずれかに記載の自動車用ボンネット。
  14. 剛性差が、両インナーを構成するFRPの積層構成の違いにより付与されている、請求項10〜12のいずれかに記載の自動車用ボンネット。
  15. 剛性差が、両インナーを構成するFRPの強化繊維の種類の違いにより付与されている、請求項10〜12のいずれかに記載の自動車用ボンネット。
  16. 車体の前側のインナーにストライカが装着されている、請求項1〜15のいずれかに記載の自動車用ボンネット。
  17. 車体の後側のインナーにヒンジ取付金具が装着されている、請求項1〜16のいずれかに記載の自動車用ボンネット。
  18. 車体の後側のインナーの車体の幅方向両側にヒンジ取付金具が装着されており、両ヒンジ取付金具間のインナーの道のり距離が、両ヒンジ取付金具間の直線距離よりも長い、請求項1〜17のいずれかに記載の自動車用ボンネット。
  19. 2つのインナーの車体幅方向の長さに差が付与されている、請求項1〜18のいずれかに記載の自動車用ボンネット。
  20. 車体の後側のインナーの車体幅方向の長さが、車体の前側のインナーの車体幅方向の長さよりも大きい、請求項19に記載の自動車用ボンネット。
  21. 前記インナーが、ハット形のスチフナ構造の横断面を有しており、かつ、該インナーの少なくとも一部が、ハット形の立ち上がり面部が上下方向の荷重に対して大変形可能な構造に構成された大変形可能断面部を有している、請求項1〜20のいずれかに記載の自動車用ボンネット。
  22. 前記大変形可能断面部において、ハット形の両側の立ち上がり面部が上下方向の荷重に対して大変形可能な構造に構成されている、請求項21に記載の自動車用ボンネット。
  23. 前記大変形可能断面部において、ハット形の片側の立ち上がり面部が上下方向の荷重に対して大変形可能な構造に構成されている、請求項21に記載の自動車用ボンネット。
  24. 前記大変形可能断面部が、車体の幅方向に延びるインナー部分に対して該インナー部分の延設方向に部分的に設けられている、請求項21〜23のいずれかに記載の自動車用ボンネット。
  25. 前記大変形可能断面部が、アウターの外縁に沿って延びるインナー部分に対して該インナー部分の延設方向に部分的に設けられている、請求項21〜23のいずれかに記載の自動車用ボンネット。
  26. 前記インナーが、前記大変形可能断面部と、ハット形の立ち上がり面部が上下方向の荷重に対して大変形可能な構造に構成されていない通常断面部との両方を有しており、大変形可能断面部と通常断面部との間で断面構造が徐々に変化している、請求項21〜25のいずれかに記載の自動車用ボンネット。
  27. 前記大変形可能断面部が、ハット形の立ち上がり面部を折れ線状に形成することにより構成されている、請求項21〜26のいずれかに記載の自動車用ボンネット。
  28. 前記大変形可能断面部が、ハット形の立ち上がり面部を段付き形状に形成することにより構成されている、請求項21〜26のいずれかに記載の自動車用ボンネット。
  29. 前記大変形可能断面部が、ハット形の立ち上がり面部を湾曲折れ曲がり形状に形成することにより構成されている、請求項21〜26のいずれかに記載の自動車用ボンネット。
  30. 前記大変形可能断面部が、ハット形の立ち上がり面部を部分的に厚みを薄くすることにより構成されている、請求項21〜26のいずれかに記載の自動車用ボンネット。
  31. 前記大変形可能断面部が、ハット形の立ち上がり面部のFRP積層構成を部分的に変化させることにより構成されている、請求項21〜26のいずれかに記載の自動車用ボンネット。
  32. 前記ハット形のスチフナ構造の横断面を有するインナーがFRP板構造に構成されている、請求項21〜31のいずれかに記載の自動車用ボンネット。
  33. 前記インナーの少なくとも一部が、略ハット形のスチフナ構造の横断面を有しており、該インナーの底面が、対向する車体側の面に対して傾斜しており、かつ、該インナーが、前記インナーの底面の一部が対向する車体側の面に当接した後に、ボンネットの平面方向中央部側に向けて回転変形が可能な回転変形可能形状に形成されている、請求項1〜20のいずれかに記載の自動車用ボンネット。
  34. 前記インナーが、前記略ハット形の立ち上がり面部の少なくとも一方が上下方向の荷重に対して大変形可能な大変形可能断面部に構成されている、請求項33の自動車用ボンネット。
  35. 前記回転変形可能形状を有する断面部が、車体の幅方向に延びるインナー部分に対して該インナー部分の延設方向に部分的に設けられている、請求項33または34に記載の自動車用ボンネット。
  36. 前記回転変形可能形状を有する断面部が、アウターの外縁に沿って延びるインナー部分に対して該インナー部分の延設方向に部分的に設けられている、請求項33または34に記載の自動車用ボンネット。
  37. 前記インナーが、前記回転変形可能形状を有する断面部と、回転変形可能形状に形成されていない通常断面部との両方を有しており、回転変形可能形状断面部と通常断面部との間で断面形状が徐々に変化している、請求項33〜36のいずれかに記載の自動車用ボンネット。
  38. 前記大変形可能断面部が、略ハット形の立ち上がり面部を折れ線状に形成することにより構成されている、請求項33〜37のいずれかに記載の自動車用ボンネット。
  39. 前記大変形可能断面部が、略ハット形の立ち上がり面部を段付き形状に形成することにより構成されている、請求項33〜37のいずれかに記載の自動車用ボンネット。
  40. 前記大変形可能断面部が、略ハット形の立ち上がり面部を湾曲折れ曲がり形状に形成することにより構成されている、請求項33〜37のいずれかに記載の自動車用ボンネット。
  41. 前記大変形可能断面部が、略ハット形の立ち上がり面部を部分的に厚みを薄くすることにより構成されている、請求項33〜37のいずれかに記載の自動車用ボンネット。
  42. 前記大変形可能断面部が、略ハット形の立ち上がり面部のFRP積層構成を部分的に変化させることにより構成されている、請求項33〜37のいずれかに記載の自動車用ボンネット。
  43. 前記略ハット形のスチフナ構造の横断面を有するインナーがFRP板構造に構成されている、請求項33〜42のいずれかに記載の自動車用ボンネット。
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