JPWO2006016544A1 - デュプレクサ及び通信装置 - Google Patents

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Abstract

耐電力性に優れているだけでなく、帯域外減衰量及びアイソレーション特性が十分な大きさとされ得るデュプレクサを提供する。複数の弾性表面波共振子をラダー型回路を構成するように接続してなる送信側及び受信側帯域フィルタ1A,1Bを備え、各弾性表面波共振子が、47°〜58°の回転YカットのX伝搬のLiNbO3基板と、LiNbO3基板上に形成されたIDT電極12とを有し、LiNbO3基板上にエピタキシャル成長されたTi下地電極層を12aと、Ti下地電極層12a上にエピタキシャル成長されたAl電極層12bとを有し、Al電極層の(111)面と、Ti下地電極層の(001)面もしくは(100)面と、LiNbO3基板の(001)面とが平行とされているデュプレクサ1。

Description

本発明は、通信機器に用いられるデュプレクサ及び通信装置に関し、より詳細には、複数の弾性表面波共振子をラダー型回路を構成するように接続してなる帯域フィルタを備えたデュプレクサ及び通信装置に関する。
弾性表面波素子では、圧電基板上に複数の電極指を有するインターデジタル電極(IDT電極)が形成されている。IDT電極の電極指は細く、電極指ピッチは非常に小さい。従って、大きな電力を投入した場合、電極指同士が短絡したり、電極指が断線したりすることがある。よって、弾性表面波素子では、耐電力性の向上が強く求められている。
下記の特許文献1には、耐電力性が高められた弾性表面波素子が開示されている。ここでは、64°Y−XカットのLiNbO基板上に、エピタキシャル成長により形成されたTi下地電極層とTi下地電極層上にさらにエピタキシャル成長により形成されたAl電極層とを積層してなるIDT電極が形成されている。Al電極層の結晶の(111)面と、Ti下地電極層の結晶の(001)面もしくは(100)面と、LiTaO基板の(001)面が平行とされており、それによって耐電力性が高められるとされている。
他方、W−CDMA方式の携帯電話などに用いられているデュプレクサにおいては、複数の弾性表面波素子を接続することにより、受信側帯域フィルタ及び送信側帯域フィルタが構成されている。このような従来のデュプレクサの回路の一例を図20に示す。図20において破線で囲まれた部分がデュプレクサ201を構成している。デュプレクサ201はアンテナ端子201aを有する。アンテナ端子201aがアンテナ202に接続されている。また、アンテナ端子201aと、アンテナ202との間には外付けのインダクタンス203及びコンデンサ204が接続されている。具体的には、インダクタンス203は、アンテナ端子201aとアンテナ202との間に挿入されており、コンデンサ204は、アンテナ202とインダクタンス203との間の接続点とグランド電位との間に接続されている。
他方、デュプレクサ201は、送信側帯域フィルタ201Aと受信側帯域フィルタ201Bとを有する。送信側帯域フィルタ201Aでは、複数の直列腕共振子Sa〜Scと、並列腕共振子Pa,Pbとがラダー型回路を構成するように接続されている。ここでは、最終段の直列腕共振子Scに並列にインダクタンス素子205が接続されている。また、受信側帯域フィルタ201Bにおいても、複数の直列腕共振子Sd〜Sfと、複数の並列腕共振子Pc、Pdとがラダー型回路を実現するように接続されている。ここでは、中央の直列腕共振子Seと並列にインダクタンス206が接続されている。
また、送信側帯域フィルタの並列腕共振子Pa,Pbとグランド電位との間には、インダクタンス素子207,208がそれぞれ外付けされている。
特開2002−353768号公報
特許文献1に記載の電極構造を有する弾性表面波素子では、前述したように耐電力性を高めることができる。しかしながら、図20に示したデュプレクサ201の直列腕共振子Sa〜Sc、並列腕共振子Pa,Pb、直列腕共振子Sd〜Sf及び並列腕共振子Pc,Pdとして、特許文献1に記載されている弾性表面波素子を用いた場合、耐電力性は高められるものの、帯域外減衰量が十分ではなく、かつアイソレーション特性も良好でないことがわかった。これを、図21〜図23を参照して説明する。
上記直列腕共振子Sa〜Sc,Sd〜Sf及び並列腕共振子Pa〜Pdとして、特許文献1に記載の電極構造を有する弾性表面波素子を用い、64°回転YカットのLiNbO基板を用い、デュプレクサ201を製作した。図21は、送信側帯域フィルタ201Aの周波数特性を、図22は、受信側帯域フィルタ201Bの周波数特性を示す。なお、図21及び図22において下方に示す曲線は、通過帯域における周波数特性を拡大して示す周波数特性である。また、図23は、デュプレクサ201のアイソレーション特性を示す。
W−CDMA方式の携帯電話のデュプレクサでは、送信側帯域フィルタにおける通過帯域である1920MHz〜1980MHzの高域側の通過帯域外側近傍すなわち受信側帯域フィルタの通過帯域における減衰量は、少なくとも40dB以上であることが求められている。そこで、図20に示した送信側帯域フィルタ201Aでは、インダクタンス205を直列腕共振子Scに接続することにより、挿入損失を犠牲にして通過帯域の高域外側に減衰極を設けて減衰量の拡大が図られている。しかしながら、図21から明らかなように、上記減衰極を形成したとしても、通過帯域の高域外側における減衰量はかろうじて40dBを満たす程度でしかなかった。
また、図23に示すように、アイソレーション特性においても受信側通過帯域である2110MHz〜2170MHzにおいて、減衰量は40dB程度にすぎなかった。他方、デュプレクサ201の特性は温度によって変動する。従って、デュプレクサ201が使用される温度範囲にわたり確実に受信側通過帯域における減衰量を40dB以上とすることができないことがわかる。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、複数の弾性表面波素子を用いて構成されたデュプレクサにおいて、耐電力性を高めるだけでなく、帯域外減衰量及びアイソレーション特性を十分な大きさとすることを可能とするデュプレクサ及び該デュプレクサを用いた通信装置を提供することにある。
本発明は、複数の弾性表面波共振子をラダー型回路を構成するように接続してなる送信側帯域フィルタ及び受信側帯域フィルタを備えるデュプレクサであって、前記弾性表面波共振子が、47°〜58°回転YカットのX伝搬LiNbO基板と、前記LiNbO基板上に形成されたIDT電極とを有し、前記IDT電極が、LiNbO基板上に形成されたTi下地電極層と、Ti下地電極層上に形成されたAl電極層とを有し、Al電極層の(111)面と、Ti下地電極層の(001)面もしくは(100)面と、LiNbO基板の(001)面とが平行とされていることを特徴とする。
本発明に係るデュプレクサのある特定の局面では、前記Ti下地電極層が前記LiNbO基板上にエピタキシャル成長されたものであり、かつ前記Al電極層が前記Ti下地電極層上にエピタキシャル成長されたものである。
本発明に係るデュプレクサの他の特定の局面では、受信側帯域フィルタにおいて、複数の弾性表面波共振子のうち、ラダー型回路の直列腕に接続されている少なくとも1つの直列腕共振子に並列に第1のインダクタンスが挿入されており、前記送信側帯域フィルタにおいて、複数の弾性表面波共振子のうち、ラダー型回路の並列腕に接続されている並列腕共振子とグランド電位との間に第2のインダクタンスが挿入されている。
本発明に係るデュプレクサの他の特定の局面では、前記第1のインダクタンス及び前記第2のインダクタンスが、前記デュプレクサにおいて電気的接続に用いられているワイヤーボンディング、前記デュプレクサに内蔵された線路及び外付けのコイル部品の内の少なくとも1つによりそれぞれ構成されていることを特徴とする。
本発明に係る通信装置は、本発明に従って構成されたデュプレクサを有し、該デュプレクサがアンテナ端子を有し、該アンテナ端子とアンテナとの間に第3のインダクタンス素子が挿入されており、該第3のインダクタンスとアンテナとの間の接続点とグランド電位との間にコンデンサが接続されている。
本発明に係るデュプレクサでは、複数の弾性表面波共振子がラダー型回路を構成するように接続されてなる、送信側及び受信側帯域フィルタを備える。そして、各弾性表面波共振子が、LiNbO基板上に形成されたTi下地電極層と、Ti下地電極層上に形成されたAl電極層とを有し、Al電極層の(111)面と、Ti下地電極層の(001)面もしくは(100)面と、LiNbO基板の(001)面とが平行とされているため、各弾性表面波共振子が十分な耐電力性を有する。従って、デュプレクサの耐電力性を高めることができる。
しかも、47°〜58°回転YカットのX伝搬LiNbO基板を用いているため、後述の実験例から明らかなように、耐電力性を高め得るだけでなく、通過帯域高域側における減衰量を十分な大きさとすることができ、かつアイソレーション特性も効果的に改善することが可能とされている。
よって、本発明によれば、例えばW−CDMA方式の携帯電話機のデュプレクサとして好適に用いられ、耐電力性に優れ、大きな減衰量及びアイソレーション特性を有するデュプレクサを提供することが可能となる。
好ましくは、上記Ti下地電極層及びAl電極層はエピタキシャル成長により形成されたものであり、その場合には、Al電極層の(111)面と、Ti下地電極層の(001)面もしくは(100)面をLiNbOの(001)面と平行にすることが容易である。
受信側帯域フィルタにおいて、ラダー型に接続されている複数の弾性表面波共振子のうち、直列腕に接続されている少なくとも1つの直列腕共振子に並列に第1のインダクタンスが挿入されており、送信側帯域フィルタにおいて、ラダー型回路の並列腕に接続されている並列腕共振子とグランド電位との間に第2のインダクタンスが挿入されている場合には、帯域外減衰量をより一層大きくすることができる。
受信側帯域フィルタの直列腕共振子に並列に接続された上記第1のインダクタンスと、送信側帯域フィルタの並列腕共振子とグランド端子との間に接続された上記第2のインダクタンスとが、デュプレクサにおいて電気的接続に用いられているワイヤーボンディング、デュプレクサに内蔵されたインダクタンス線路及び外付けコイル部品の内の少なくとも1つによりそれぞれ構成されている場合には、外付けの部品や他の部品を要することなく、第1,第2のインダクタンスを構成することができる。従って、デュプレクサの部品点数の増大を招くことなく、本発明のデュプレクサを提供することができる。
本発明に係る通信装置は、本発明に従って構成されたデュプレクサを有し、アンテナ端子とアンテナとの間に第3のインダクタンスが挿入されており、該第3のインダクタンスとアンテナとの間の接続点とグランド電位との間にコンデンサが接続されている。従って、通過帯域外減衰量及びアイソレーション特性をより一層効果的に改善することが可能となる。
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係るデュプレクサの回路構成を説明するための回路図、(b)はIDT電極の構造を示す部分切欠正面断面図である。 図2は、第1の実施形態のデュプレクサの具体的構造を示す模式的平面図である。 図3は、図2に示したデュプレクサのパッケージの中間高さ位置の構造を示す模式的平面断面図である。 図4は、第1の実施形態のデュプレクサの模式的平面断面図である。 図5(a)は、第1の実施形態で用いられる弾性表面波素子チップの平面図、(b)及び(c)は、直列腕共振子及び並列腕共振子の電極構造を示す各模式的平面図である。 図6は、第1の実施形態のデュプレクサの送信側帯域フィルタの周波数特性を示す図である。 図7は、第1の実施形態のデュプレクサの受信側帯域フィルタの周波数特性を示す図である。 図8は、第1の実施形態に係るデュプレクサのアイソレーション特性を示す図である。 図9は、比較のために用意されたカット角が45°のLiNbO基板を用いたデュプレクサの送信側帯域フィルタの周波数特性を示す図である。 図10は、比較のために用意されたカット角が45°のLiNbO基板を用いたデュプレクサの受信側帯域フィルタの周波数特性を示す図である。 図11は、カット角が45°のLiNbO基板を用いた比較のためのデュプレクサのアイソレーション特性を示す図である。 図12は、LiNbO基板のカット角と電気機械結合係数との関係を示す図である。 図13は、第2の実施形態に係るデュプレクサの回路構成を説明するための回路図である。 図14は、第2の実施形態のデュプレクサの送信側帯域フィルタの周波数特性を示す図である。 図15は、第2の実施形態のデュプレクサの受信側帯域フィルタの周波数特性を示す図である。 図16は、第2の実施形態のデュプレクサのアイソレーション特性を示す図である。 図17は、第2の実施形態のデュプレクサの具体的構造を説明するための模式的平面図である。 図18は、第2の実施形態のデュプレクサの変形例を説明するための回路図である。 図19は、第1の実施形態の変形例に係るデュプレクサを説明するための略図的正面断面図である。 図20は、従来のデュプレクサの一例を説明するための回路図である。 図21は、従来のデュプレクサの送信側帯域フィルタの周波数特性を示す図である。 図22は、従来のデュプレクサの受信側帯域フィルタの周波数特性を示す図である。 図23は、従来のデュプレクサのアイソレーション特性を示す図である。
符号の説明
1…デュプレクサ
1a…アンテナ端子
1A…送信側帯域フィルタ
1B…受信側帯域フィルタ
2…アンテナ
3…送信端子
4…受信端子
5,6…第2のインダクタンス
7…第1のインダクタンス
8…第3のインダクタンス
9…コンデンサ
11…LiNbO基板
12…IDT電極
12a…Ti下地電極層
12b…Al電極層
21…デュプレクサ
21a…アンテナ端子
21A…送信側帯域フィルタ
21B…受信側帯域フィルタ
25…第2のインダクタンス
27…第1のインダクタンス
31…パッケージ
32a…凹部
33…蓋材
34…弾性表面波素子チップ
41…デュプレクサ
42…多層基板
43,44…電極ランド
45,46…内部電極
47a,47b…ビアホール電極
48a,48b…ビアホール電極
49,50…内部電極
51a,51b…ビアホール電極
52,53…端子電極
54…LiNbO基板
55…枠材
56…蓋材
S1〜S6…直列腕共振子
P1〜P4…並列腕共振子
以下図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るデュプレクサの回路構成を説明するための回路図である。なお、図1において破線で囲まれた部分が本実施形態のデュプレクサ部分である。
デュプレクサ1は、アンテナ端子1aを有する。アンテナ端子1aに、送信側帯域フィルタ1A及び受信側帯域フィルタ1Bが接続されている。送信側帯域フィルタ1Aは送信端子3に接続されており、受信側帯域フィルタ1Bは受信端子4に接続されている。
送信側帯域フィルタ1Aでは、複数の弾性表面波共振子がラダー型回路を実現するように接続されている。すなわち、送信側帯域フィルタ1Aは、それぞれが表面波共振子からなる複数の直列腕共振子S1〜S3及び並列腕共振子P1,P2を有する。並列腕共振子P1,P2とグランド電位との間には、インダクタンス5,6が接続されている。インダクタンス5,6は、本発明における第2のインダクタンスを構成している。なお、本実施形態では、インダクタンス5,6は、デュプレクサ1内に配置されているワイヤーボンディングや線路により構成されていている。
他方、受信側帯域フィルタ1Bは、複数の弾性表面波共振子をラダー型回路を構成するように接続した構造を有する。ここでは、複数の直列腕共振子S4〜S6と、複数の並列腕共振子P3,P4とが備えられている。そして、最終段の直列腕共振子S6と並列に第1のインダクタンス7が接続されている。第1のインダクタンス7を接続することにより、受信側帯域フィルタにおいて、通過帯域低域側に減衰極が形成され、それによって受信側帯域フィルタ1Bの通過帯域低域側の減衰量の拡大が図られている。
第1,第2のインダクタンス5〜7は、外付けのコイル部品により構成されてもよい。
もっとも、第1,第2のインダクタンス5,6,7は、好ましくは、デュプレクサ内のワイヤーボンディング及び線路の少なくとも一方により構成される。その場合には、コイル部品などの外付けの部品を別途必要としない。従って、部品点数の増加を招くことなく、第1,第2のインダクタンス5〜7を構成することができる。
他方、アンテナ端子1aとアンテナ2との間には、第3のインダクタンス8が接続されている。また、第3のインダクタンス8とアンテナ2との間の接続点とグランド電位との間にコンデンサ9が接続されている。第3のインダクタンス8及びコンデンサ9は、デュプレクサ1に外付けの部品で構成される。このような外付けの部品としては、チップ型コイルやチップ型コンデンサなどを挙げることができる。
本実施形態では、上記のように、第1,第2のインダクタンス5〜7が、デュプレクサ内のワイヤーボンディング及び/または線路により構成されているため、相当の従来品に対して、パッケージ面積を90.25%、実装面積を80%と小さくすることができた。
図1(b)は、上記デュプレクサ1における電極構造を示す模式的正面断面図であり、電極構造の代表例として直列腕共振子S1の電極の一部を模式的に示す。直列腕共振子S1は、47°〜58°回転YカットのX伝搬のLiNbO基板11と、LiNbO基板11上に形成されたIDT電極12とを有する。そして、IDT電極12は、LiNbO基板上においてエピタキシャル成長されたTi下地電極層12aと、Ti下地電極層12a上にエピタキシャル成長されたAl電極層12bとを有する。また、Al電極層12bの(111)面と、Ti下地電極層(001)面もしくは(100)面と、LiNbO基板の(001)面とが平行とされている。従って、IDT電極12は、前述した特許文献1に記載の弾性表面波素子のIDT電極と同様の構造を有するため、耐電力性に優れている。なお、図1(b)では、直列腕共振子S1の電極構造を模式的に示したが、他の直列腕共振子S2,S3,S4〜S6及び並列腕共振子P1〜P4についても同様の結晶構造のIDT電極を用いて構成されている。従って、デュプレクサ1は、耐電力性に優れている。
次に、本実施形態のデュプレクサ1の具体的な構造を説明する。
図2は、第1の実施形態に係るデュプレクサの具体的な平面図であり、図3は、その中間高さ位置の平面断面図である。
デュプレクサ1は、パッケージ31を有する。パッケージ31は、アルミナなどの絶縁性セラミックスを用いて構成された多層パッケージ基板により構成されている。すなわち、図4に模式的断面図で示すように、パッケージ31は、複数の絶縁性セラミック層を積層した多層パッケージ基板である。
パッケージ31は、上方に開いた開口31aを有する。図4に示すように、凹部31aは、蓋材32により閉成されている。図2では、上記蓋材32の図示は省略されている。図2に示すように、凹部31a内には、弾性表面波素子チップ33が収納されている。
弾性表面波素子チップ33を、図5(a)に平面図で示す。弾性表面波素子チップ33は、矩形のLiNbO基板11を用いて構成されている。前述したように、第1の実施形態では、LiNbO基板11として、55°回転YカットのLiNbO基板が用いられている。
そして、LiNbO基板11上に、図1(b)に示した断面構造のIDT電極を形成することにより、直列腕共振子S1〜S6及び並列腕共振子P1〜P4が形成されている。図5(a)では、直列腕共振子及び並列腕共振子の電極構造は簡略されて示されているが、図5(b)に、直列腕共振子S6の電極構造を模式的平面図で示す。すなわち、直列腕共振子S6は、図5(b)に示すように、IDT電極35と、IDT電極35の表面波伝搬方向両側に反射器36,37とを有する1端子対弾性表面波共振子である。
なお、他の直列腕共振子S3、S5及び並列腕共振子P1〜P4も、同様にIDT電極の表面波伝搬方向両側に反射器が配置された1端子対弾性表面波共振子により構成されている。他方、図5(c)に示すように、直列腕共振子S2については、一対のIDT電極が接続されたIDT電極38と、該IDT電極38の表面波伝搬方向両側に配置された反射器39,40とを備える。すなわち、直列腕共振子S2は、2個の直列腕共振子S2a,S2bが接続された構造を有する。同様に、直列腕共振子S1及び直列腕共振子S4についても、直列腕共振子S1a,S1b及びS4a,S4bが接続された構造とされている。
もっとも、本発明において、ラダー型回路を構成する直列腕共振子または並列腕共振子は、一段構成または任意の段数の複数段構成の弾性表面波共振子で構成され得る。
図5(a)に示すように、LiNbO基板11上に、上記直列腕共振子S1〜S6及び並列腕共振子P1〜P4が形成されており、それぞれ、送信側帯域フィルタ1A及び受信側帯域フィルタ1Bを構成するように電気的に接続されている。すなわち、図1に示したように、送信側帯域フィルタ1Aにおいて、直列腕共振子S1〜S3及び並列腕共振子P1,P2が梯子型回路を形成するように電気的に接続されている。同様に、受信側帯域フィルタ1Bにおいては、直列腕共振子S4〜S6及び並列腕共振子P1,P2がラダー型回路を構成するように電気的に接続されている。
さらに、第1の実施形態では、第2のインダクタンス5,6が、パッケージ内に形成されたコイルパターンとボンディングワイヤーにより構成されていたが、より具体的には、図3に示すように、パッケージ31の中間高さ位置に形成されたコイルパターン5a,6aと、図4に示すボンディングワイヤー41,42などによりインダクタンス5,6が構成されている。また、第1のインダクタンス7は、図2に示すコイルパターン7aと、パッケージ内のボンディングワイヤーとにより構成されている。このように、パッケージ内に設けられコイルパターン5a,6a,7aとボンディングワイヤー41,42などを用いることにより、部品点数を増加させることなく第1,第2のインダクタンス5,6,7を構成することができる。
本実施形態のデュプレクサ1は、耐電力性に優れているだけでなく、47°〜58°回転YカットのX伝搬のLiNbO基板11を用いて構成されているため、帯域外減衰量が十分に大きく、アイソレーション特性も良好である。これを具体的な実験例に基づき説明する。
上記直列腕共振子S1〜S6及び並列腕共振子P1〜P4を、55°回転YカットのX伝搬LiNbO基板11上に上記構造のIDT電極を形成してなる弾性表面波共振子により構成した。なお、Ti下地電極層の厚みは10nm、Al電極層の厚みは92nmとした。
直列腕共振子S1〜S6及び並列腕共振子P1〜P4の仕様は下記の表1及び表2に示す。下記の表1,表2には、反射器の電極指の本数、IDT電極のデューィー比、IDTと反射器とのギャップの大きさ、IDT電極の交差幅及び電極指の対数、並びに波長λを示す。
Figure 2006016544
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そして、送信側帯域フィルタ1Aの中心周波数は1945MHz、受信側帯域フィルタ1Bの中心周波数は2140MHzとなるように、送信側帯域フィルタ1A及び受信側帯域フィルタ1Bを作製した。コイルパターンとして2.7nHのインダクタンスのコイルパターンを形成し、該コイルパターンと0.6nHのインダクタンスのボンディングワイヤーにより3.3nHのインダクタンスとなるように第2のインダクタンス5,6を構成した。また、第1のインダクタンス7についても、コイルパターンのインダクタンス値を0.8nHとし、ボンディングワイヤーによるインダクタンス値を1.2nHとすることにより、第1のインダクタンス7のインダクタンス値は、1.9nHとした。
第3のインダクタンス8の値は3.3nHとし、コンデンサ9の容量は1.3pFとした。このようにして作製された本実施形態のデュプレクサ1の周波数特性を測定した。結果を図6〜図8に示す。また、送信側帯域フィルタ1Aの通過帯域は1920〜1980MHzであり、受信側帯域フィルタ1Bの通過帯域は2110〜2170MHzである。
図6は、送信側帯域フィルタ1Aの周波数特性を、図7は、受信側帯域フィルタ1Bの周波数特性を、図8は、デュプレクサ1のアイソレーション特性を示す。なお、図6及び図7の下方の特性は、通過帯域の周波数特性を図6及び図7の右側のスケールに従って拡大した特性である。
図6から明らかなように、送信側帯域フィルタ1Aにおいて、通過帯域高域側(受信側帯域)の減衰量が47dBとなり、要求特性である40dBを大きく上回っていることがわかる。同様に図7及び図8から明らかなように、受信側帯域フィルタ1B通過帯域において、アイソレーション特性の減衰量も48dB以上得られていることがわかる。
すなわち、図6〜図8から明らかなように、デュプレクサ1では、耐電力性が高められているだけでなく、帯域外減衰量、特に送信側帯域フィルタ1Aの通過帯域高域側における減衰量を大幅に改善することができ、かつアイソレーション特性についても大幅に改善され得ることがわかる。
上記のように、デュプレクサ1において、帯域外減衰量及びアイソレーション特性が大幅に改善されるのは、上記LiNbO基板11として、47°〜58°の範囲内のカット角のLiNbO基板を用いていることによる。これを具体的な実験例に基づき説明する。前述した図21〜図23に示した従来品の特性は、LiNbO基板のカット角が64°であること、及び直列腕共振子S1〜S3,S4〜S6及び並列腕共振子P1,P2,P3,P4が下記の表3及び表4に示すように構成されていることを除いては、上記第1の実施形態と同様にして構成されたデュプレクサの特性である。ここで、基板のカット角が異なっていると、最適特性(低損失でかつ高減衰の特性)を得ることができるデューティ比や交叉幅等の値は、当然のことながら異ならせる必要がある。従って、カット角での特性比較を行うためには、55°回転YカットのX伝搬のLiNbO基板での最適特性と64°回転YカットのX伝搬のLiNbO基板での最適特性とで比較しなければならない。このため、55°回転YカットのX伝搬のLiNbO基板で最適特性が得られる表1,2に示したデューティ比や交叉幅等と、64°回転YカットのX伝搬のLiNbO基板で最適特性が得られる表3,4に示したデューティ比や交叉幅等とは異なっている。そして、図21〜図23を参照して説明したように、このデュプレクサ201では、送信側帯域フィルタの通過帯域減衰量及びアイソレーション特性が十分でなかった。
Figure 2006016544
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他方、さらに比較のために、LiNbO基板のカット角が45°であることを除いては、上記実施形態と同様にして構成されたデュプレクサを作製し、その周波数特性を測定した。結果を図9〜図11に示す。
図9は、比較例のデュプレクサの送信側帯域フィルタの周波数特性を、図10は受信側帯域フィルタの周波数特性を、図11はアイソレーション特性をそれぞれ示す。なお、図9及び図10における下方の周波数特性は、通過帯域における周波数特性を右側のスケールに従って拡大した特性である。
図9から明らかなように、カット角が45°のLiNbO基板を用いた場合、受信側帯域フィルタの通過帯域高域側における減衰量が40dBを僅かに超える程度であり、上記実施形態のデュプレクサ1に比べれば減衰量が小さいことがわかる。また、図10及び図11から受信側帯域フィルタにおけるアイソレーション特性も40dBを少し上回った程度であり、十分でないことがわかる。
図9〜図11に示したカット角が45°のLiNbO基板を用いた比較例の結果、及び前述した図20〜図23を参照して説明したカット角が64°のLiNbO基板を用いた従来例の結果を、上記実施形態の結果と比較すれば明らかなように、LiNbO基板の回転角を55°することにより、デュプレクサ1においては、帯域外減衰量及びアイソレーション特性が効果的に改善され得ることがわかる。そして、本願発明者の実験によれば、上記デュプレクサ1において、LiNbO基板のカット角を47°〜58°の範囲とすれば、上記実施形態と同様に良好な特性の得られることが確かめられている。
図9〜図11に示したように、カット角が小さくなると、帯域外減衰量を十分大きくすることができなかった。これは、カット角が小さくてなると、減衰定数αが多くなり、挿入損失が増大したり、電気機械結合係数が大きすぎるために、急峻性が得られず、減衰量が劣化したりする(帯域選択度が悪化する)ことによると考えられる。従って、温度により特性が変化することを考慮すると、十分な帯域外減衰量及びアイソレーション特性を得ることはできない。
加えて、カット角が小さくなると、Y軸と基板の法線との間の角度が小さくなり、電極膜のエピタキシャル成長が困難となる。従って、耐電力性の高い電極を形成することも困難となる。エピタキシャル成長により電極膜を形成し得るカット角の下限は、本願発明者による実験では47°付近であった。すなわち、47°未満のカット角のLiNbO基板を用いた場合、エピタキシャル成長により電極膜を形成することができなかった。従って、上記のように、LiNbO基板のカット角の下限は47°である。
他方、デュプレクサの使用温度範囲を考慮すると、減衰量及びアイソレーション特性を満足し得るカット角の上限は58°である。カット角が58°を超えるLiNbO基板を用いた場合には、帯域外減衰量を十分な大きさとすることができない。従って、例えば送信側帯域フィルタにおいて、直列腕共振子に並列に接続されたインダクタンス素子を省略することができなくなる。
上記のように、本実施形態では、耐電力性を高める電極が47°〜58°のカット角を有する回転YカットのX伝搬のLiNbO基板を用いることにより、帯域外減衰量及びアイソレーション特性が効果的に改善されている。従来、弾性表面波共振子の圧電基板として、LiNbO基板を用いる場合、そのカット角は大きい方が望ましいと考えられていた。図12は、回転YカットのLiNbO基板のカット角と、表面波の電気機械結合係数との関係を示す図である。ここでは、電極のデューティ比は0.4、電極の規格化膜厚(H/λ)は5.15とされている。なお、Hは、電極の膜厚を、λは弾性表面波の波長を示す。
図12から明らかなように、カット角が40°〜60°を超え、さらに大きくなるにつれ、電気機械結合係数Kが小さくなることがわかる。従って、帯域近傍の帯域外減衰量を拡大するには、カット角を大きくし、帯域幅を小さくすることが望ましいと考えられていた。すなわち、従来、帯域外減衰量を拡大する場合には、回転YカットのLiNbO基板のカット角は、大きければ大きいほど望ましいと考えられていた。
また、従来、回転YカットのLiNbO基板を用いる場合、そのカット角が大きくなるにつれて、伝搬損失αが小さくなるため、挿入損失を小さくすることができ、かつ帯域外減衰量を拡大し得ると考えられていた。
すなわち、従来、回転YカットのLiNbO基板を用いてデュプレクサを構成する場合、帯域外減衰量を拡大するには、カット角はできるだけ大きく、すなわち60°よりも大きい方が望ましいという技術的常識に敢えて逆らって、本発明はカット角を58°以下としたことに特徴を有する。そして、カット角を47°〜58°の特定の範囲とすることにより、耐電力性に優れた電極を形成することができ、しかも帯域外減衰量及びアイソレーション特性を十分な大きさとすることが可能とされている。
よって、上記実施形態によれば、十分な帯域外減衰量を得ることができるため、減衰量を確保するためのインダクタンス素子の使用数を低減することができる。すなわち、図20に示した従来のデュプレクサにおいて、送信側帯域フィルタ201Aにおいて、直列腕共振子Scに並列にインダクタンス205が接続されていたが、このようなインダクタンス205を省略することが可能となる。従って、デュプレクサの小型化を図ることができる。
もっとも、上記実施形態のように、直列腕共振子S6に並列に第1のインダクタンス7を接続し、それによって帯域外減衰量をより一層拡大してもよい。なお、従来、60°以上のカット角のLiNbO基板を用いた場合であっても、実際には、十分な帯域外減衰量を得ることができないため、実際には、上記インダクタンス205を省略することはできなかった。
図13は、本発明の第2の実施形態に係るデュプレクサを説明するための回路図である。なお、図13において破線で囲まれた部分が本実施形態のデュプレクサ構成部分である。
デュプレクサ21は、アンテナ端子21aを有する。アンテナ端子21aに送信側帯域フィルタ21A及び受信側帯域フィルタ21Bが接続されている。送信側帯域フィルタ21Aは、送信端子3に接続されており、受信側帯域フィルタ21Bは、受信端子4に接続されている。送信側帯域フィルタ21A及び受信側帯域フィルタ21Bは、いずれも、第1の実施形態における送信側帯域フィルタ1A及び受信側帯域フィルタ1Bと同様に、5個の弾性表面波共振子をラダー型回路を実現するように接続した構造を有する。従って、同一部分については、同一参照番号を付することにより、第1の実施形態の説明を援用することとする。
第2の実施形態では、送信側帯域フィルタ21Aにおいては、並列腕共振子P1,P2とグランド電位との間に、第2のインダクタンス25が接続されている。ここでは、第2のインダクタンス25は、デュプレクサ21内に構成されている。
第2のインダクタンス25は、デュプレクサ21内において用いられているワイヤーボンディングや線路により構成され得る。もっとも、第2のインダクタンス25は、デュプレクサ21に外付けの部品としてのコイル部品などにより構成されてもよい。
また、受信側帯域フィルタ21Bでは、最終段の直列腕共振子S6と並列に第1のインダクタンス27が接続されている。第1のインダクタンス27の接続により、受信側帯域フィルタ21Bにおいて、通過帯域低域側に減衰極が形成される。それによって受信側帯域フィルタ21Bの通過帯域低域側の減衰量の拡大が図られている。
第1のインダクタンス27は、コイル部品により構成されてもよく、あるいは、デュプレクサ内のワイヤーボンディングや線路により構成されてもよい。
デュプレクサ21においても、アンテナ端子21aとアンテナ2との間に、第3のインダクタンス8及びコンデンサ9が第1の実施形態の場合と同様に接続されている。
本実施形態においても、第1,第2のインダクタンス25,27は、デュプレクサ内のワイヤーボンディング及び線路の少なくとも一方により構成されている場合には、他のコイル部品を別途必要としない。従って部品点数の増加を招くことなく、第1,第2のインダクタンス25,27を構成することができる。
本実施形態においては、デュプレクサ21は、50°回転YカットのX伝搬LiNbO基板を用いて構成されており、直列腕共振子S1〜S6及び並列腕共振子P1〜P4は、第1の実施形態の場合と同様に構成されている。各直列腕共振子S1〜S6及び並列腕共振子P1〜P4は、Ti下地電極層とAl電極層とを積層した電極構造を有するIDT電極により構成されている。従ってIDT電極の構造については、図1(b)を参照して行った第1の実施形態における電極構造の説明を援用することにより省略する。
上記第2の実施形態のデュプレクサ21を以下の要領で作製し、周波数特性を測定した。
直列腕共振子S1〜S6及び並列腕共振子P1〜P4については、下記の表5及び表6に示すように構成した。
下記の実施形態においても、直列腕共振子S1,S2,S4については、直列腕共振子S1a,S1b、S2a,S2b及びS4a,S4bの二段構成の構造とした。
Figure 2006016544
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また、第2のインダクタンス25はデュプレクサ21内のボンディングワイヤーにより構成し、そのインダクタンス値は0.6nHとした。第1のインダクタンス27については、デュプレクサ21内に形成したコイルパターンとボンディングワイヤーにより構成した。コイルパターンのインダクタンス値を0.8nHとし、ボンディングワイヤーによるインダクタンス値を1.2nHとした。すなわち、インダクタンス27については、2.0nHのインダクタンス値を有するように構成した。
外部に付加されるインダクタンス8のインダクタンス値は3.3nHとし、コンデンサ9の静電容量は1.3pFとした。上記のようにして構成されたデュプレクサ21の周波数特性を図14〜図16に示す。図14は、上記デュプレクサ21の送信側帯域フィルタの周波数特性を、図15は、受信側帯域フィルタの周波数特性を、図16はアイソレーション特性をそれぞれ示す。なお、図14及び図15における下方の周波数特性は、通過帯域における周波数特性を右側のスケールに従って拡大した特性である。
図14から明らかなように、カット角が50°のLiNbO基板を用いた場合にも、第1の実施形態の場合と同様に送信側帯域フィルタの通過帯域高域側(受信側帯域)における減衰量を40dBを超える大きさとすることができることがわかる。また、図15及び図16から受信側帯域におけるアイソレーション特性も40dBを大きく上回っていることがわかる。
図17は、第2の実施形態のデュプレクサの模式的平面図である。デュプレクサ21においても、第1の実施形態の場合と同様にパッケージ31内にコイルパターン27aを形成することにより第2のインダクタンス27を形成することができる。また、ボンディングワイヤー25aを用いて、第1のインダクタンス25を構成することができる。このように、デュプレクサ21を構成するパッケージ内のコイルパターンやボンディングワイヤーにより第2,第1のインダクタンス25,27を構成することにより、部品点数の増加を招くことなくデュプレクサ21の小型化を図ることができる。
なお、第2の実施形態では、第1のインダクタンス27は、受信側帯域フィルタの最終段の直列腕共振子S6に並列に接続されていたが、図18に示すように、中央の直列腕共振子S5に並列に第1のインダクタンス27Aが接続されていてもよい。
また、上記実施形態においては、アンテナと送信側帯域フィルタ及び受信側帯域フィルタとをインピーダンスマッチングさせるために、アンテナ端子とアンテナとの間にインダクタンスを接続し、かつアンテナとグランドの間にコンデンサを接続したマッチング回路を用いている。しかしながら、アンテナと送信側帯域フィルタ及び受信側帯域フィルタとをインピーダンスマッチングさせることができるのであれば、これ以外のマッチング回路構成でもよく、例えば、アンテナ端子とアンテナとの間にコンデンサを接続し、かつアンテナとグランドの間にインダクタンスを接続したマッチング回路や、単にアンテナとグランドの間にインダクタンスを接続したマッチング回路でもよい。
また、図19に示す変形例のデュプレクサ41では、デュプレクサ1と同様のパッケージ構造が採用されている。もっとも、ここでは、パッケージ材として多層基板42が用いられている。多層基板42の上面には、電極ランド43,44が形成されており、該電極ランド43,44は、多層基板42内に配置されたインダクタンス構成用の内部電極45,46にビアホール電極47a,47bにより電気的に接続されている。更に、内部電極45,46が、ビアホール電極48a,48bによりインダクタンス構成用の内部電極49,50に接続されている。内部電極49,50が、ビアホール電極51a,51bにより端子電極52,53に接続されている。このように、多層基板42内にインダクタンスを構成し、多層基板42上に、フリップチップボンディング工法によりLiNbO基板54を用いて構成されているSAWチップが搭載されていてもよい。
なお、多層基板42の上面には同じ材料からなる枠材55が一体的に設けられている。また、枠材55の上面には枠材55の上方開口を封止するように蓋材56が接合されている。

Claims (5)

  1. 複数の弾性表面波共振子をラダー型回路を構成するように接続してなる送信側帯域フィルタ及び受信側帯域フィルタを備えるデュプレクサであって、
    前記弾性表面波共振子が、47°〜58°回転YカットのX伝搬LiNbO基板と、
    前記LiNbO基板上に形成されたIDT電極とを有し、
    前記IDT電極が、LiNbO基板上に形成されたTi下地電極層と、Ti下地電極層上に形成されたAl電極層とを有し、Al電極層の(111)面と、Ti下地電極層の(001)面もしくは(100)面と、LiNbO基板の(001)面とが平行とされていることを特徴とする、デュプレクサ。
  2. 前記Ti下地電極層が前記LiNbO基板上にエピタキシャル成長されたものであり、かつ前記Al電極層が前記Ti下地電極層上にエピタキシャル成長されたものであることを特徴とする、請求項1に記載のデュプレクサ。
  3. 受信側帯域フィルタにおいて、複数の弾性表面波共振子のうち、ラダー型回路の直列腕に接続されている少なくとも1つの直列腕共振子に並列に第1のインダクタンスが挿入されており、前記送信側帯域フィルタにおいて、複数の弾性表面波共振子のうち、ラダー型回路の並列腕に接続されている並列腕共振子とグランド電位との間に第2のインダクタンスが挿入されている、請求項1または2に記載のデュプレクサ。
  4. 前記第1のインダクタンス及び前記第2のインダクタンスが、前記デュプレクサにおいて電気的接続に用いられているワイヤーボンディング、前記デュプレクサに内蔵された線路及び外付けのコイル部の内の少なくとも1つによりそれぞれ構成されていることを特徴とする、請求項3に記載のデュプレクサ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のデュプレクサを有する通信装置であって、
    前記デュプレクサがアンテナ端子を有し、該アンテナ端子とアンテナとの間に第3のインダクタンスが挿入されており、該第3のインダクタンスとアンテナとの間の接続点とグランド電位との間に接続されたコンデンサをさらに備えることを特徴とする、通信装置。
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