JPWO2006013650A1 - 金属コロイド粒子を含有する脳神経細胞内移行用キャリア - Google Patents

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Abstract

ペプチドを金属コロイド粒子と結合させた分子を、実験動物へ静脈投与した結果、当該分子が脳へ移行し、さらに脳神経細胞(ニューロン)内に特異的に移行することを見出した。脳神経細胞内への移行活性は、金属コロイドを結合しない場合にはみられないことから金属コロイド粒子が有する特性であることが示唆された。金属コロイド粒子へ所望の化合物を結合させることにより、該化合物を脳神経細胞内へ移行させることが可能である。また、脳移行活性を有するペプチドを、本発明の金属コロイド粒子と結合させたコンジュゲート分子をキャリアとして利用することにより、所望の化合物を静脈投与することにより、脳神経細胞内へデリバリーすることが可能である。

Description

本発明は、脳神経細胞内へ特定物質を移行させるのためのキャリア分子に関する。
高次機能中枢をつかさどる脳は、血液脳関門と呼ばれるバリヤー構造によって物質や細胞の輸送を制限されている。そのため外科的手術を除いては効果的に治療を行い難い部位であった。血流中を循環する単球などの白血球を採取し成体動物に移植を行っても、血液脳関門が外的因子によって破綻した場合を除いて脳実質内へ移行しないことが知られている(非特許文献1参照)。
また、薬物などを経口摂取しても注射などにより投与しても、血液脳関門が存在するため、ほかの臓器に比べて有効濃度が得られにくい特徴がある。一方、大量投与することにより有効な濃度を脳内で確保することが可能にはなるが、末梢血液中には大過剰の薬物を注入することになり、腎障害や肝障害などの副作用の問題が生じる。そこで、脳への選択的薬物輸送のシステムを開発することが必要となり、実際に多くの研究がなされてきている。このような研究開発の多くは、脂溶性が高い物質ほど血液脳関門を通過しやすいという脳の血管内皮細胞の性質を利用した、薬物そのものの化学修飾による脳移行性の増大をはかるものであった。しかし、このような方法論では薬物の脳移行性が最大数倍程度改善するものの、全体としてはほとんど誤差範囲に留まるにすぎないという結果である。これは、末梢臓器への物質の浸透が血管内皮細胞の細胞間隙を通過するのに対して、脳の血管内皮細胞は細胞間隙が密着帯という特殊な構造を形成し細胞間隙からの血液成分の浸透がほとんどみられないため、脳への物質輸送は脂溶性の化学修飾を行い直接細胞膜にとけ込ませて浸透させるということを行わなければならない。つまり、脳への物質輸送は末梢臓器と違って迂回路がないため、正面突破により細胞の中を浸透させるということを行う方法論である。しかしそのメカニズムが異なるため、効率が数千から数万倍低く、したがって、脳特異的な薬物輸送とはいえない。
薬物を脳特異的に輸送するには、脳組織に選択的に移行する特性を持ったキャリア分子を開発し、それと結合させた状態で投与する方法が考えられる。キャリア分子の標的として生理活性ペプチド受容体、また標的蛋白質を認識するキャリア分子として、蛋白質に対するモノクローナル抗体や蛋白質と選択的に結合する物質(リガンド)を用いる手法が知られている。
しかし、これまでのところ脳神経細胞特異的に移行するキャリア分子の存在は知られていなかった。
Imai, F., Sawada, M., Suzuki, H. et al. Neurosci Lett 237 1 pp.49-52 (1997)
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、脳神経細胞内へ移行し得るキャリア分子の提供を課題とする。
本発明者は、血液脳関門通過能を有する分子の同定を行い、脳移行活性を有するペプチドを同定することに成功した。本発明者は、当該ペプチドが、所望の分子(化合物)について脳へ送達し得るキャリアとして利用することが可能か否かを検討した。本発明者は、当該ペプチドを金属コロイド粒子と結合させた分子を、実験動物へ静脈投与した結果、当該分子が脳へ移行し、さらに脳神経細胞(ニューロン)内に特異的に移行することを見出した。神経細胞内への移行活性は金属コロイドを結合しない場合にはみられないことから、金属コロイド粒子が有する特性であることが示唆された。即ち、本発明者は、金属コロイド粒子およびその複合体が、脳実質から脳神経細胞内への移行活性を有することを初めて見出した。金属コロイド粒子へ所望の化合物を結合させることにより、該化合物を脳実質へ移行させることが可能である。
さらに本発明者は、本発明の金属コロイド粒子が、神経細胞に取り込まれるが、ミクログリア細胞には取り込まれないことを見出した。従って、本発明の金属コロイド粒子は、神経細胞に特異的に取り込まれることが分かった。本発明の金属コロイド粒子は、神経細胞をターゲットとする選択的なデリバリー分子であると言える。
また、本発明者によって見出した脳移行活性を有するペプチドを、本発明の金属コロイド粒子と結合させたコンジュゲート分子をキャリアとして利用することにより、所望の化合物を、例えば、静脈投与することにより、脳神経細胞内へデリバリーすることが可能である。
上述の如く本発明者は、金属コロイド粒子自体が、脳神経細胞内への移行のためのキャリアとして利用し得る新たな用途を見出し、本発明を完成させた。
本発明は、脳神経細胞内移行用キャリア分子に関し、より具体的には、
[1] 脳神経細胞内へ移行する活性を有する、金属コロイド粒子、
[2] 金属コロイド粒子を含有する、脳神経細胞内移行用キャリア分子、
[3] 脳実質から脳神経細胞内への移行活性を有する、[2]に記載のキャリア分子、
[4] 金属コロイド粒子表面にアビジン分子が結合している、[2]または[3]に記載のキャリア分子、
[5] 金属が金である、[2]〜[4]のいずれかに記載のキャリア分子、
[6] [2]〜[5]のいずれかに記載のキャリア分子が液中で分散した状態で存在する、脳神経細胞内移行用コロイド溶液、
[7] 脳疾患治療用化合物を担持した[2]〜[5]のいずれかに記載のキャリア分子を有効成分として含む、脳疾患治療薬、
[8] 脳疾患治療用化合物を担持したキャリア分子が存在する[6]に記載のコロイド溶液を有効成分として含む、脳疾患治療薬、
[9] [2]〜[5]のいずれかに記載のキャリア分子と、脳疾患治療用化合物とを接触させる工程を含む、脳神経細胞内移行性薬剤の製造方法、
を提供するものである。
また、より好ましくは、上記キャリア分子は、神経細胞特異的に移行することを特徴とするものであり、また、ミクログリア細胞には移行しないことを特徴とするものである。
本発明の脳移行性ペプチドコンジュゲートの構造を模式的に示す図である。 マウス脳における本発明のペプチド-金コロイドコンジュゲートの存在を示す電顕写真である。左(上下):コントロール群(アビジン-金コロイド粒子):神経細胞内に金コロイド粒子の標識は観察されない。(上):海馬錐体細胞(CA1〜CA2領域) (下):小脳プルキンエ細胞領域 中央(上下):ビオチンコンジュゲートT2J002 + アビジン(Av)-金コロイド粒子(gold)を投与。脳神経細胞内に金コロイド粒子が存在することが示された。 右(上下):ビオチンコンジュゲートT2J004 + アビジン(Av)-金粒子(gold)を投与。ペプチドコンジュゲートにより金コロイドを脳実質に運び込むことができた。脳神経細胞内に金コロイド粒子が存在することが示された。 錐体細胞層(pyramidal cell layer)CA1-CA2における、本発明のペプチド-金コロイドコンジュゲートの存在を示す電顕写真である。左:対照(control)群、(アビジン金コロイド粒子のみ投与)血管内皮に反応が見られない。中央:Biotin + peptide (1)群: biotin-conjugated T2J002+Av-gold投与したもの。右:Biotin + peptide (2)群: pre-embedding method (biotin-conjugated T2J002を投与し、超薄切片作成後Av-goldで検出して観察)による免疫反応のEM像。脳神経細胞内に金コロイド粒子が存在することが示された。Control群(左)では血管内皮に反応が見られないのに対し、実験群では内皮細胞に免疫反応を示すDABの沈着が認められる(矢印)。内皮細胞から、さらに血管外(脳実質)にもその反応が見られる。(2)群(金属コロイドを吹かしていない場合)は脳標的化ペプチドの作用により脳血管内皮細胞を通過するビオチン分子および脳実質に存在するビオチン分子が観察できるが、神経細胞には検出できない。 金コロイド粒子の神経細胞特異的取り込みの実験の作業スケジュールを示した図である。 神経細胞における金コロイド粒子(x25)の取り込みを示す写真である。下段のFITCの画像では、金コロイド粒子の取り込みが観察される場所に矢印を付けて示した。なお図中のスケールバーは20μmである。 神経細胞における金コロイド粒子(x100)の取り込みを示す写真である。下段FITCの画像では、金コロイド粒子の取り込みが観察される場所に矢印を付けて示した。なお図中のスケールバーは20μmである。 ミクログリア細胞における金コロイド粒子(x25、x100)の取り込みを示す写真である。金コロイド粒子が取り込まれていないことが分かる。なお図中のスケールバーは20μmである。
本発明者は、金属コロイド粒子が、脳実質、特に脳神経細胞内へ移行する活性を有することを見出した。よって、本発明は、金属コロイド粒子を含有する、脳神経細胞内移行用キャリア分子を提供する。本発明のキャリアは、例えば、担体、運搬体、ベクター、デリバリー分子等と表現することも可能である。
本発明のキャリア分子は、例えば、脳室へ投与された場合、脳実質、特に脳神経細胞内へ移行する機能を有する。
また、好ましい態様においては、本発明のキャリア分子は、グリア細胞へは移行しない。即ち、本発明のキャリア分子の好ましい態様においては、脳神経細胞内へ特異的に移行し得る活性を有する。
本発明において「金属コロイド粒子」とは、溶液中においてコロイド状態で存在し得る金属微粒子を指す。
溶液中においてコロイド状態で存在し得る金属としては、例えば、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、コバルト(Co)、オスミウム(Os)等が知られている。
本発明における金属微粒子とは、例えば、上述のような金属原子の集合からなる微粒子を挙げることができる。
また本発明の金属コロイド粒子とは、必ずしも上述のような単一の原子からなる微粒子に限定されず、例えば、金属塩、金属水酸化物、金属酸化物(以下、「金属塩等」という)等を例示することができる。例えばMg、Sr等のアルカリ土類金属、Ag、Au、 Fe、Zn、Ti、Cr、Mn、Cu、Ni、Co、Bi等の遷移金属などの金属の塩化物、硫酸化物、硝酸化物等の塩、水酸化物及び酸化物が挙げられる。これらのうち、特にFe、Zn、Ti、Al、Sn、Cu、Ni、Si、Mg、Ba、Sr、V、Mn、Mo、Ag、Nb、Zr、Sb、In、またはランタノイドの塩、水酸化物または酸化物が好ましい。これらの金属塩等は、単独で、または二種以上を組み合わせて本発明の金属コロイド微粒子とすることができる。
本発明における金属コロイド粒子としては、例えば、金、カドミウムセレン、鉄またはマグネタイトから構成されるコロイド粒子が好ましいが、特に金コロイド粒子が好ましい。
また、本発明における金属コロイド粒子のサイズは、特に制限されないが、通常は、粒子径(直径)が0.5〜100nmの範囲の大きさである。
例えば、本発明におけるコロイド粒子として金を用いる場合、必ずしも制限されないが、金粒子のサイズは、10 nm程度であることが好ましい。
また、本発明の金属コロイド粒子は、合成高分子等で保護された状態(高分子保護金属コロイド粒子)であってもよい。
本発明の金属コロイド粒子は、所望の分子を脳神経細胞内へ移行するためのキャリアとして利用することが可能である。通常、所望の化合物を、本発明のキャリア分子に担持(固定化)させることにより、脳神経細胞内へ移行させることができる。
本発明において「担持させる」とは、所望の化合物を本発明の金属コロイド粒子の表面に結合もしくは吸着させることを指す。
金属コロイド粒子へ所望の化合物を担持(固定化)させることは、当業者においては、一般的に知られる公知技術を利用して実施することができる。
例えば、ゼラチン、アルブミン、アラビアゴム、プロタルビン酸やリサルビン酸などの天然高分子や合成高分子を保護コロイドとして、金属コロイドを他の種々の物質(化合物)に化学的に結合させて固定化させることが可能である。該高分子保護金属コロイドに対して、脳神経細胞内へ移行させたい所望の化合物を結合(吸着)させることができる。
高分子保護金属コロイドのアミノ基含有化合物への固定化は、例えば、本発明の高分子保護金属コロイドをアミノ基含有化合物と接触させてアミノ基含有化合物中のアミノ基とコロイド粒子に吸着している高分子とを反応させ、アミノ基含有化合物と高分子との間に化学結合を形成させることにより行なうことができる。
高分子保護金属コロイドとアミノ基含有化合物との接触は、例えば、溶媒中で攪拌等の手段を用いて行うことができる。接触時間は一般に10分〜30時間、好ましくは30分〜10時間である。
アミノ基含有化合物はアミノ基を有するものであれば何でもよく高分子保護金属コロイドの固定化物の用途に応じて選択すればよい。例えば、1級および/または2級アミノ基を有するビニル化合物の単独重合体または共重合体、核酸あるいはタンパク質を挙げることができる。その単独重合体または共重合体の代表例としては、ポリ(4−アミ ノスチレン)および4−アミノスチレンとスチレンとの共重合体等のアミノスチレン系重合体およびその架橋物、例えば1級および/または2級アミノ基を有するイオン交換樹脂、ポリアリルアミンおよびその架橋物、およびアミノアルキル(C1〜C6)化ポリアクリルアミド等を挙げることができる。アミノ基含有化合物の例としては更に、DNAおよびRNA等のアミノ基を含有する核酸;アミノ基を導入したチミジル酸等の核酸;アイソメラーゼ、ペルオキシダーゼ、ウレアーゼ、ATPアーゼ、インシュリン等のホルモン、抗原および抗体;アミノ基を導入したヘパリン、ムコ多糖類、ケラタン硫酸等の糖質;およびアミノ基を導入した脂質等を挙げることができる。アミノ基を持っていない化合物の場合には、この化合物に化学的にアミノ基を導入し、アミノ基含有化合物として用いることができる。用いられるアミノ基含有化合物の量は、通常、高分子保護金属コロイドに対して保護コロイドである高分子中のヒドラジド基、エステル基、チオエステル基およびアミド基の1モルに対して、通常、0.1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。
また、本発明のキャリア分子においては、所望の化合物を担持させるためには、必ずしも該化合物を本発明の金属コロイド粒子の表面へ直接結合(吸着)させることを要しない。例えば、本発明の金属コロイド粒子とアビジン(またはビオチン)とを結合させておき、さらに、所望の化合物をビオチン(またはアビジン)と結合させ、該アビジンと該ビオチンとの相互作用を利用することにより、該化合物を本発明の金属コロイド粒子と結合(吸着)させることも可能である。
また、本発明の好ましい態様においては、本発明の上記キャリア分子にさらに、以下の〔1〕〜〔11〕ような脳移行活性を有するポリペプチドを結合させたものを、好適に利用することができる。下記のポリペプチドが結合した本発明のキャリア分子は、血液脳関門を通過する活性を有するため、例えば、脳以外の部位へ体内投与(例えば、静脈投与等)された場合、血液脳関門を経由して脳へ移行し、さらに、脳神経細胞内へ移行し得る。従って、以下のポリペプチドが結合した本発明のキャリア分子は、所望の化合物を脳神経細胞内へ移行させるデリバリー分子として、非常に有用である。該分子の好ましい態様としては、例えば、下記のポリペプチドとビオチンとを結合させた分子を、上記アビジンと結合させた金属コロイド粒子とを、該ビオチンと該アビジンとの相互作用を利用して結合させたコンジュゲート分子を挙げることができる。
〔1〕 塩基性アミノ酸残基(KまたはR)を10%以上含有する、脳移行活性を有するポリペプチド(脳移行性ポリペプチド)、
〔2〕 環状ペプチド領域を有するポリペプチドであって、該環状ペプチド領域において塩基性アミノ酸残基(KまたはR)が10%以上含まれる、脳移行活性を有するポリペプチド、
〔3〕 環状ペプチド領域を有するポリペプチドであって、該環状ペプチド領域に少なくとも1以上の塩基性アミノ酸残基(KまたはR)を有する、脳移行活性を有するポリペプチド、
〔4〕 環状ペプチド領域を有するポリペプチドであって、該環状ペプチド領域に少なくとも1以上の塩基性アミノ酸残基(KまたはR)を有し、かつ、該環状領域の残りのアミノ酸残基のうち80%以上が以下のアミノ酸残基から選択されることを特徴とする、脳移行活性を有するポリペプチド、
G、A、V、L、S、T、P、Q、H、N
〔5〕 以下のアミノ酸モチーフ配列を含むポリペプチドであって、脳移行活性を有するポリペプチド、
−(RまたはK)−X−X、または
4−X−(RまたはK)−X1
式中、XはS、T、N、P、VまたはL、Xは任意のアミノ酸、XはG,S,T,C,N,L,Q,またはYを表す、
〔6〕 環状領域に〔5〕に記載のアミノ酸モチーフ配列が含まれる、〔2〕〜〔4〕のいずれかに記載のポリペプチド、
〔7〕 アミノ酸モチーフ配列が以下の配列である、〔5〕または〔6〕に記載のポリペプチド、
−(RまたはK)−X−X、または
4−X−(RまたはK)−X1
式中、XはS、T、N、PまたはV、Xは任意のアミノ酸、Xは非電荷極性アミノ酸(G,S,T,C,N,Q,Y)を表す、
〔8〕 アミノ酸モチーフ配列が以下の配列である、〔5〕または〔6〕に記載のポリペプチド、
−(RまたはK)−X−X、または
4−X−(RまたはK)−X1
式中、XはS、T、PまたはL、Xは任意のアミノ酸、XはS,T,C,L,またはQを表す、
〔9〕 トランスマイグレーション誘導活性を有する、〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載のポリペプチド、
〔10〕 脳の血管内皮細胞と結合する活性を有する、〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載のポリペプチド、
〔11〕 以下の(a)〜(c)のいずれかに記載のポリペプチド、
(a)配列番号:1〜12のいずれかに記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド、
(b)前記(a)のポリペプチドの両端のシステイン同士のジスルフィド結合によって環状化されたペプチド領域を含む、ポリペプチド、
(c)配列番号:1〜12のいずれかに記載のアミノ酸配列において、1または数個のアミノ酸が付加、欠失、もしくは置換されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであって、脳移行活性を有するポリペプチド
また、本発明の金属コロイド粒子は、通常、液中において分散した状態(コロイド状)で存在する。このコロイド状で存在する本発明の金属コロイド粒子(コロイド溶液)もまた、本発明に含まれる。即ち、本発明は、本発明の上記キャリア分子が液中で分散した状態で存在する、脳神経細胞内移行用コロイド溶液を提供する。
本発明のコロイド溶液は、例えば、水性溶媒、あるいは有機溶媒(例えばアルコール、エタノール等)に本発明の金属コロイド粒子を混合させた溶液を挙げることができる。金属微粒子がコロイドとして存在するための、溶媒の組成、および条件等は、当業者においては、金属粒子の種類等を勘案して、適宜知ることが可能である。
さらに、本発明のキャリア分子を利用することにより、所望の薬剤を脳神経細胞内へ移行させることが可能である。例えば、脳疾患に対して治療効果を有する化合物(医薬組成物)を、上記キャリアに担持させることにより、該化合物を効率的に脳神経細胞内へ送達させ、有効な治療効果を発揮させることが可能である。該化合物(医薬組成物)を担持させたキャリア自体は、脳疾患治療薬として期待される。
従って本発明は、薬物(例えば脳疾患治療用化合物)を担持した脳神経細胞内移行用キャリア分子を有効成分として含む、脳疾患治療薬を提供する。なお、上記「担持された」とは、薬物をキャリア分子と直接結合(吸着)させた状態でもよいし、薬物(医薬組成物)をキャリア分子に内包させた状態、あるいは、キャリア分子と混合させた状態でもよい。具体的には、所望の化合物をリポソームまたはマイクロカプセル等に内包させ、該リポソームまたはマイクロカプセルを、本発明のキャリア分子と結合させてもよい。
また本発明は、本発明の脳神経細胞内移行用キャリア分子、または本発明のコロイド溶液と脳疾患治療用化合物とを接触させる工程を含む、脳神経細胞内移行性薬剤の製造方法を提供する。「接触」は、通常、本発明のキャリア分子の状態に応じて適宜、実施される。例えば、本発明のキャリア分子が精製された状態であれば、精製標品に脳疾患治療用化合物を添加することにより行うことができる。また、本発明のコロイド溶液に脳疾患治療用化合物を添加することにより実施することも可能である。また、上述の方法により、治療用化合物を本発明のキャリア分子に結合(吸着)させることが可能である。上述の方法における各種工程を含む脳神経細胞内移行性薬剤の製造方法もまた、本発明の上記製造方法の好ましい態様の一つである。
本発明の上記薬剤は、本発明のキャリア分子、もしくは該キャリア分子が存在するコロイド溶液を有効成分とするものであってもよいし、また、公知の製剤学的製造法によって本発明の金属微粒子を製剤化することもできる。例えば、薬剤として一般的に用いられる適当な担体、または媒体、例えば滅菌水や生理食塩水、植物油(例、ゴマ油、オリーブ油等)、着色剤、乳化剤(例、コレステロール)、懸濁剤(例、アラビアゴム)、界面活性剤(例、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油系界面活性剤)、溶解補助剤(例、リン酸ナトリウム)、安定剤(例、糖、糖アルコール、アルブミン)、または保存剤(例、パラベン)、等と適宜組み合わせて、生体に効果的に投与するのに適した注射剤、経鼻吸収剤、経皮吸収剤、経口剤等の医薬用製剤、好ましくは注射剤に調製することができる。例えば、注射剤の製剤としては、凍結乾燥品や、注射用水剤等で提供できる。
また体内への投与は、例えば、動脈内注射、静脈内注射、皮下注射などのほか、鼻腔内的、経気管支的、筋内的、または経口的に当業者に公知の方法により行うことができる。また、疾患部位、例えば、脳実質へ直接投与することも可能である。
本発明の薬剤または医薬組成物の投与量は、剤型の種類、投与方法、患者の年齢や体重、患者の症状等を考慮して、最終的には医師の判断により適宜決定することができる。
また本発明は、脳疾患治療用化合物を担持した上記の脳神経細胞内移行用キャリア分子を、患者へ投与する工程を含む、脳疾患の治療方法に関する。あるいは本発明は、脳疾患治療用化合物を担持したキャリア分子が存在する上記コロイド溶液を、患者へ投与する工程を含む、脳疾患の治療方法に関する。
また体内への投与は、例えば、動脈内注射、静脈内注射、皮下注射などのほか、鼻腔内的、経気管支的、筋内的、または経口的に当業者に公知の方法により行うことができるが、好ましくは、局所投与(例えば、脳室への投与)である。本発明の脳移行活性を有するポリペプチドを結合させたキャリア分子を用いる場合には、例えば、動脈内、静脈内投与であっても有効である。投与量は、患者の年齢、体重、症状、投与方法などにより変動するが、当業者であれば適宜適当な投与量を選択することができる。
本発明のキャリア分子を用いた脳神経疾患の治療に対する治療戦略としては、例えば以下の場合に、本発明を適用することが可能である。
1) 欠損または変異などによって量や活性が低下した酵素や生理活性タンパク質を補う補充療法:
遺伝子欠損や遺伝子変異により特定の酵素またはタンパク質が脳内(特に神経細胞内)で欠乏することによって生じる様々な脳疾患に対し、欠乏するタンパク質や酵素を担持したキャリア分子を注入することにより行われる。また、特定の神経細胞が変性脱落するパーキンソン病やアルツハイマー病に対し、神経の変性脱落により欠乏する神経伝達物質の合成を促進するような遺伝子、たとえばパーキンソン病におけるチロシン水酸化酵素やビオプテリン合成酵素などのドーパミン生合成系の酵素遺伝子が考えられる。
2) 変性などで脱落する神経細胞を保護し機能を強化する保護療法:
変性疾患や脳虚血など色々な原因で生じる神経細胞死を抑制し、神経突起の再生を促す神経栄養因子(NGF, BDNF, GDNF, NT3など。特にパーキンソン病ではBDNFやGNNFが有効であることが近年示されている。)遺伝子を発現する細胞を注入することにより行われる。また多発性硬化症のように免疫細胞が関与する疾患では免疫抑制作用があるTGFβやIL-10遺伝子を担持したキャリア分子を導入することにより行われる。
3) 腫瘍や血栓などを除去するような方法:
抗腫瘍作用を持つ因子を発現させたり、抗がん剤を導入した細胞を脳に移入したりすることにより行なわれる。血栓除去については、線溶系の酵素を担持したキャリア分子を導入することが考えられる。
4) 有効な薬物を脳にだけ導入するような方法:
神経系に作用する薬物は末梢毒性が高かったり、末梢神経系に作用を持つ物、血液脳関門を通過しにくい物など色々あり、脳への特異的なドラッグデリバリーシステムが必要とされていた。本発明のキャリア分子を用いることにより、末梢臓器にあまり影響を与えず脳に特異的に薬物投与ができると考えられる。
さらに本発明は、脳疾患治療用化合物を担持した、上記の脳神経細胞内移行用キャリア分子の脳疾患治療薬の製造における使用に関する。あるいは本発明は、脳疾患治療用化合物を担持したキャリア分子が存在する上記コロイド溶液の脳疾患治療薬の製造における使用に関する。
なお本明細書において引用された全ての先行技術文献は、参照として本明細書に組み入れられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
〔実施例1〕 脳移行性ペプチドコンジュゲート
本発明者は、脳移行性ペプチドコンジュゲートの作製を行った。該コンジュゲートは、上述の脳移行活性を有するポリペプチド分子中のシステイン残基同士のジスルフィド結合によって、環状構造をとり得るものであり、さらにビオチンが付加された分子である。より具体的には、図1に示す構造を例示することができる。該コンジュゲートは、アビジン化合物と結合能を有する。
上記コンジュゲートは、金コロイド粒子と結合させてマウスへ投与し、本発明のペプチドの脳移行活性を評価する実験(透過電子顕微鏡による脳組織切片の観察)に供した。透過電子顕微鏡試料作成プロトコールを表1に示す。
(表1)
[ブロック作成]
・前固定 2.5%グルタルアルデヒド溶液 in 0.1M PB 4℃ →
・洗い 0.1M PBS 1〜2回 氷冷 →
・後固定 1%四酸化オスミウム溶液 in 0.1M PB 氷冷 約1時間 →
・脱水 エタノールシリーズ 70→80→90→95→100→100→100 (%) 各10分 →
・樹脂包埋 Epok812 樹脂重合 35℃ 12時間 → 45℃ 12時間 → 60℃ 20時間 →
・ブロックの完成
[切片作成]
・トリミング →
・ガラスナイフで厚切り切片(2〜3μm厚)作成 →
・ダイヤモンドナイフで(超薄切片50〜100nm厚)作成 →
・電子染色 2%酢酸ウラン → 1%クエン酸鉛 各3分 →
・透過電子顕微鏡観察 加速電圧80kV
本実験においては、脳移行活性を有するペプチドとして、T2J002(CSLNTRSQC/配列番号:2)およびT2J004(CVVRHLQQC/配列番号:4)を用いた。マウス脳組織(細胞)の電子顕微鏡写真を図2および3に示す。矢印が金粒子と結合した本発明のペプチド分子の存在位置を表す。その結果、本発明のペプチドコンジュゲートにより、金コロイド粒子を脳実質に運び込むことに成功した。金コロイド粒子は、脳神経細胞内へ移行することが明らかとなった。
〔実施例2〕 金コロイド粒子の神経細胞特異的取り込み
各種細胞(ミクログリア-Ra2細胞、ニューロン-N18、および1x105/CS細胞)へ、アビジン標識した金コロイド粒子(x25、x100、CS/100μl)を添加し培養を行い、さらに、FITC標識ビオチンを添加し培養を行った。詳しくは、実験は図4に示すスケジュールに従って実施した。
図4の手順に従って、蛍光顕微鏡にて本発明の金コロイド粒子の神経細胞内への取り込みを観察した。
その結果、神経細胞特異的に金コロイド粒子が取り込まれたことが確認された(図5および図6)。一方、ミクログリア細胞には金コロイド粒子の取り込みが確認されなかった(図7)。
上記実施例における動物実験において、頚動脈より金コロイド粒子を注入した場合に脳内の神経細胞に取り込まれたことが確認されていることから、本実施例と所見が一致した。
本発明の脳神経細胞内移行用キャリア分子を用いることにより、脳神経細胞内へ効果的に薬物等を運ぶことが可能になれば、これまでに代謝分解により使いにくかった薬物が使用できるようになったり、血液脳関門の存在により通過しにくかった薬物が使用できるようになったり、高濃度で使用しなければならなかった薬物の投与量が削減できるようになったりすると考えられる。
また本発明は、脳神経細胞内で薬効を奏することが必要な疾患の治療に非常に有用である。
本発明は薬効を最大限に引き出すことのできる医薬品の開発、使用法の確立につながるものである。本発明によって、脳腫瘍などの脳疾患に対して、新規な治療薬の開発も可能と考えられる。

Claims (9)

  1. 脳神経細胞内へ移行する活性を有する、金属コロイド粒子。
  2. 金属コロイド粒子を含有する、脳神経細胞内移行用キャリア分子。
  3. 脳実質から脳神経細胞内への移行活性を有する、請求項2に記載のキャリア分子。
  4. 金属コロイド粒子表面にアビジン分子が結合している、請求項2または3に記載のキャリア分子。
  5. 金属が金である、請求項2〜4のいずれかに記載のキャリア分子。
  6. 請求項2〜5のいずれかに記載のキャリア分子が液中で分散した状態で存在する、脳神経細胞内移行用コロイド溶液。
  7. 脳疾患治療用化合物を担持した請求項2〜5のいずれかに記載のキャリア分子を有効成分として含む、脳疾患治療薬。
  8. 脳疾患治療用化合物を担持したキャリア分子が存在する請求項6に記載のコロイド溶液を有効成分として含む、脳疾患治療薬。
  9. 請求項2〜5のいずれかに記載のキャリア分子と、脳疾患治療用化合物とを接触させる工程を含む、脳神経細胞内移行性薬剤の製造方法。
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