JPWO2006011417A1 - 弾性表面波装置 - Google Patents

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Abstract

IDT電極を覆うように、絶縁物層が形成されており、絶縁物層の表面が平坦化されている弾性表面波装置であって、電極の反射係数が十分な大きさとされ得る弾性表面波装置を提供する。圧電基板1の上面に複数本の溝1bが形成されており、これらの溝1bに電極材料が充填されてIDT電極を構成する電極膜3が形成されており、SiO2膜のような絶縁物層4が圧電基板1及び溝1bに形成された電極膜3を覆うように形成されており、絶縁物層4の表面が平坦とされている、弾性表面波装置。

Description

本発明は、例えば共振子や帯域フィルタなどに用いられる弾性表面波装置及びその製造方法に関し、より詳細には、IDT電極を被覆するように絶縁物層が形成されている構造を備えた弾性表面波装置及びその製造方法に関する。
移動体通信システムに用いられるデュプクレサ(DPX)やRFフィルタでは、広帯域かつ良好な温度特性の双方が満たされることが求められている。従来、DPXやRFフィルタに使用されてきた弾性表面波装置では、36°〜50°回転Y板X伝搬LiTaO3からなる圧電基板が用いられている。この圧電基板は、周波数温度係数が−45〜−35ppm/℃程度であった。温度特性を改善するために、圧電基板上においてIDT電極を被覆するように、正の周波数温度係数を有するSiO2膜を成膜する方法が知られている。
しかしながら、SiO2膜がIDT電極を被覆するように形成された構造では、IDT電極の電極指が存在する部分と存在しないところにおいて段差が生じていた。すなわち、IDT電極が存在する部分と、存在しない部分とで、SiO2膜の表面の高さが異ならざるを得なかった。そのため、上記SiO2膜表面の凹凸により、挿入損失が劣化するという問題があった。
また、IDT電極の膜厚が大きくなるにつれて、上記凹凸が大きくならざるを得なかった。従って、IDT電極の膜厚を厚くすることができなかった。
このような問題を解決するものとして、下記の特許文献1には、IDT電極の電極指間に電極と膜厚が等しい第1絶縁物層を形成した後に、IDT電極及び第1絶縁物層を覆うようにSiO2膜を形成する方法が開示されている。ここでは、SiO2膜の下地が平坦となるため、SiO2膜の表面が平坦化されている。特許文献1に記載の弾性表面波装置では、上記IDT電極は、Alよりも密度の大きい金属もしくは該金属を主成分とする合金、またはAlよりも密度の大きい金属もしくは該金属を主成分とする合金と他の金属とからなる積層膜により構成されており、電極の密度は、第1絶縁物層の1.5倍以上とされている。
他方、下記の特許文献2には、LiTaO基板またはLiNbO基板の片面に溝を形成し、該溝にAlを埋め込むことによりIDT電極が形成されている弾性表面波装置が開示されている。
特開2004−112748号公報 特開平9−83030号公報
しかしながら、特許文献1に記載の弾性表面波装置では、Alより重い電極を用いているため、電極厚みのばらつきに対する音速や周波数ばらつきが大きく、一方実際にAlからなる電極を形成した場合、電極の反射係数がかなり低く、弾性表面波共振子や弾性表面波フィルタとして十分な特性を得ることができないことが示されている。
特許文献2に記載の弾性表面波装置では、LiTaO基板またはLiNbO基板に形成された溝にAlを埋め込むことにより電極が形成されている。従って、該電極を覆うように材料層を積層した該材料層表面を平坦化することができる。しかしながら、弾性表面波共振子が弾性表面波フィルタを構成した場合、なお十分な特性を得ることはできなかった。
本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、SiO2などからなる絶縁物層がIDT電極を覆うように形成されており、かつSiO2膜の表面が平坦化されており、それによって挿入損失が十分に小さくされているだけでなく、Alなどにより電極を形成した場合であっても、反射係数が十分に大きく、従って良好な共振特性やフィルタ特性などを得ることを可能とする弾性表面波装置を提供することにある。
第1の発明のある広い局面によれば、複数本の溝が上面に形成されたLiTaO基板と、前記溝にAlが充填されて形成されているIDT電極と、前記LiTaO基板及びIDT電極を覆うように形成されたSiO層とを備え、該SiO層の上面が平坦とされており、弾性表面波の波長をλとして、前記LiTaO基板のオイラー角は下記の表1に示すいずれかの範囲にあり、前記IDT電極の膜厚は前記LiTaO基板のオイラー角と表1に記載のオイラー角とが対応する位置に示されている範囲にあり、前記SiO層の厚みは前記IDT電極の膜厚と表1に記載のAl厚とが対応する位置に示されている範囲にあることを特徴とする、弾性表面波装置が提供される。
なお、以降の表記においてHとは膜厚を表す。また、規格化膜厚とは膜厚Hを表面波波長λで除した値をいう。
Figure 2006011417
第1の発明に係る弾性表面波装置のある特定の局面では、前記LiTaO基板のオイラー角が下記の表2に示すいずれかの範囲にあり、前記IDT電極の膜厚は前記LiTaO基板のオイラー角と表2に記載のオイラー角とが対応する位置に示されている範囲にあり、前記SiO層の厚みは前記IDT電極の膜厚と表2に記載のAl厚とが対応する位置に示されている範囲にある。
Figure 2006011417
第2の発明に係る弾性表面波装置の他の広い局面によれば、複数本の溝が上面に形成されたLiTaO基板と、前記溝にAlが充填されて形成されているIDT電極と、前記LiTaO基板及びIDT電極を覆うように形成されたSiO層とを備え、該SiO層の上面が平坦とされており、弾性表面波の波長をλとして、前記LiTaO基板のオイラー角は下記の表3に示すいずれかの範囲にあり、前記IDT電極の膜厚は前記LiTaO基板のオイラー角と前記表3に記載のオイラー角とが対応する位置に示されている範囲にあり、前記SiO層の厚みは前記IDT電極の膜厚と表3に記載のAl厚とが対応する位置に示されている範囲にあることを特徴とする、弾性表面波装置が提供される。
Figure 2006011417
第2の発明のある特定の局面では、前記LiTaO基板のオイラー角が下記の表4に示すいずれかの範囲にあり、前記IDT電極の膜厚は前記LiTaO基板のオイラー角と前記表4に記載のオイラー角とが対応する位置に示されている範囲にあり、前記SiO層の厚みは前記IDT電極の膜厚と前記表4に記載のAl厚とが対応する位置に示されている範囲にある。
Figure 2006011417
第1の発明に係る弾性表面波装置の他の特定の局面では、LiTaO基板のオイラー角は、上述した表1と、表3とに示されているオイラー角を共通して満たす。
また、より好ましくは、該オイラー角は、上述した表1と表4に示すオイラー角を共通して満たしている。
また、第1の発明の他の特定の局面では、LiTaO基板のオイラー角は、上記表2と表3に示すオイラー角を共通して満たし、より好ましくは、表2と表4に示すオイラー角を共通して満たす。
本発明に係る弾性表面波装置のさらに他の特定の局面では、上記IDT電極の上面と、LiTaO基板の上面とが面一とされている。
本発明に係る弾性表面波装置のさらに別の特定の局面では、前記溝は、内底面と、内底面と前記LiTaO基板の前記上面とを結ぶ一対の内側面とで囲まれており、前記内側面と前記圧電基板の上面とのなす前記溝の内角が45°〜90°の範囲にある。
第3の発明に係る弾性表面波装置の他の広い局面によれば、複数本の溝が上面に形成されたLiNbO基板と、前記溝にAlが充填されて形成されているIDT電極と、前記LiNbO基板及びIDT電極を覆うように形成されたSiO層とを備え、該SiO層の上面が平坦とされており、弾性表面波の波長をλとして、前記IDT電極の規格化膜厚が0.04〜0.16であり、前記SiO層の規格化膜厚が0.2〜0.4であり、前記LiNbO基板のオイラー角は下記の表5に示すいずれかの範囲にあることを特徴とする、弾性表面波装置が提供される。
Figure 2006011417
第3の発明のある特定の局面では、前記LiNbO基板のオイラー角は下記の表6に示すいずれかの範囲にある。
Figure 2006011417
第3の発明の他の特定の局面では、前記IDT電極の規格化膜厚は0.06〜0.12である。
第3の発明のさらに他の特定の局面では、前記SiO層の規格化膜厚は0.25〜0.3である。
第3の発明のさらに他の特定の局面では、前記IDT電極の上面と、前記LiNbO基板の上面とが面一とされている。
第3の発明の別の特定の局面では、前記溝は、内底面と、内底面と前記LiNbO基板の前記上面とを結ぶ一対の内側面とで囲まれており、前記内側面と前記圧電基板の上面とのなす前記溝の内角が45°〜90°の範囲にある。
上記溝の内角は、好ましくは、50°〜80°の範囲とされる。
本発明に係る弾性表面波装置のさらに他の特定の局面では、上記IDT電極は、Alからなる電極層に加え、Alよりも密度の高い金属もしくは合金からなり、上記Alからなる電極層に積層された密着層をさらに備える。
本発明に係る弾性表面波装置のさらに別の特定の局面では、上記IDT電極は、Alよりも密度の高い金属からなり、Alからなる電極層に積層された密着層をさらに備える。
第1の発明に係る弾性表面波装置では、LiTaO基板の上面に複数本の溝が形成されており、該溝にAlが充填されてIDT電極が形成されている。従って、LiTaO基板及びIDT電極を覆うように形成されたSiO層は、IDT電極が上記溝にAl充填により形成されているため、該SiO層の上面が平坦化される。よって、挿入損失の劣化が生じ難い。加えて、後述の具体的な実験例から明らかなように、溝にAlが充填されて電極が形成されているため、IDT電極の反射係数が十分な大きさとなる。よって、良好な共振特性やフィルタ特性を得ることができる。
また、LiTaO3基板の周波数温度係数が負であるのに対し、SiO2層の周波数温度係数は正の値である。従って、全体として周波数温度係数が0に近い、良好な周波数温度特性を有する弾性表面波装置を提供することができる。
さらに、LiTaO基板のオイラー角が上記の表1に示すいずれかの範囲にあり、IDT電極を構成しているAlの厚み及びSiO層の厚みが、表1に示されているオイラー角範囲に記載されている特定の範囲とされているため、共振特性やフィルタ特性をより一層高めることが可能とされている。
特に、LiTaO基板のオイラー角が表2に示す範囲にあり、IDT電極のAl厚と、SiO層の厚みが、表2に示すようにオイラー角範囲と対応した特定の範囲とされている場合には、より一層共振特性やフィルタ特性を改善することができる。
本願の第2の発明においても、LiTaO基板の上面に複数本の溝が形成されており、該溝にAlが充填されてIDT電極が形成されているので、SiO層の上面を平坦化することが可能とされている。よって、挿入損失の劣化が生じ難い。
加えて、後述の実験例から明らかなように、溝にAlが充填されて電極が形成されているため、IDT電極の反射係数が十分な大きさとなる。加えて、LiTaO基板のオイラー角が表3に示されているいずれの範囲であり、IDT電極を構成しているAlの厚みと、SiO層の厚みが、表3に示す特定の範囲とされているため、共振特性やフィルタ特性をより一層改善することが可能とされている。特に、オイラー角が表4に示すいずれかの範囲であり、Alの厚み及びSiOの厚みが、表4に示す特定の範囲とされている場合には、より一層共振特性やフィルタ特性を改善することができる。
また、第1の発明において、LiTaO基板のオイラー角が、表1に示すいずれの範囲にあるだけでなく、表3に示すいずれかのオイラー角範囲をも満たしている場合には、共振特性やフィルタ特性より一層改善することができる。
より好ましくは、表1に示すいずれかのオイラー角範囲を満たしているだけでなく、表4に示されているいずれかのオイラー角範囲をも満たしている場合には、さらに共振特性やフィルタ特性を改善することができる。
また、第1の発明において、オイラー角範囲が表2に示すいずれかの範囲を満たし、さらに表3に示すいずれかのオイラー角範囲を共通して満たす場合には、共振特性やフィルタ特性をより一層改善することができ、特に、表2と、表4に示すオイラー角範囲を共通して満たす場合には、より一層フィルタ特性や共振特性を改善することができる。
IDT電極が、Alからなる電極層に加えて、Alよりも密度の高い金属もしくは合金からなる密着層を有する場合には、IDT電極とLiTaO基板またはLiNbO基板との接合強度が高められ、かつストレスマイグレ−ションなどに対する耐電力性を高めることができる。従って、弾性表面波装置の耐電力性を高めることが可能となる。
なお、Alよりも密度の高い金属としては、Ti、Cu、W、Cr、Niなどが挙げられ、Alよりも密度の高い合金としては、AlCuなどのAlとAlよりも密度の高い金属との合金、あるいはNiCrのように、Alよりも密度の高い複数の金属などを主体とする合金などが挙げられる。
特に、LiTaO基板が表1に示すいずれかの範囲のオイラー角のLiTaO3基板であるので、温度特性が良好であるだけでなく、減衰定数αが0.05(dB/λ)以下と小さくなる。従って、より一層良好な共振特性もしくはフィルタ特性を得ることができる。さらに好ましくは、オイラー角が表2のいずれかの範囲にある場合には、減衰定数αが0.025(dB/λ)以下となり、より好ましい。
また、上記LiTaO基板が表3に示すいずれかの範囲のオイラー角のLiTaO3基板である場合には、減衰定数αが0.05(dB/λ)以下となり、より好ましくは表4のいずれかの範囲にある場合には、減衰定数αが0.025(dB/λ)以下となる。従って、良好な温度特性及び十分な反射係数を得るだけでなく、さらに減衰定数が十分に小さくなるため、より一層良好な共振特性またはフィルタ特性を得ることができる。
また、上記IDT電極を構成しているAlまたはAl合金の厚みが、上記表1〜表4に記載のオイラー角に対応する膜厚とされている場合には、それによって温度特性をより一層良好な共振特性もしくはフィルタ特性を得ることができる。
第3の発明に係る弾性表面波装置では、LiNbO基板が用いられており、該LiNbO基板の上面に複数本の溝が形成されている。そして、これらの溝にAlが充填されてIDT電極が形成されている。また、SiO層が、LiNbO基板及びIDT電極を覆うように、かつ該SiO層の上面が平坦となるように形成されている。従って、挿入損失の劣化が生じ難い。
加えて、Alが充填されて電極が形成されているため、IDT電極の反射係数が十分な大きさとされる。よって、良好な共振特性やフィルタ特性を得ることができる。
また、LiNbO基板の周波数温度係数が負であるのに対し、SiO層の周波数温度係数は正の値である。従って、良好な周波数温度特性を有する弾性表面波装置を提供することができる。
さらに、LiNbO基板のオイラー角が上述した表5に示したいずれかの範囲にあるため、共振特性やフィルタ特性をより一層高めることができる。
特に、LiNbO基板のオイラー角が表6に示す範囲にあり、IDT電極のAl厚と、SiO層の厚みが表6に示すようにオイラー角範囲と対応した特定の範囲とされている場合には、共振特性やフィルタ特性をより一層改善することができる。
また、第3の発明において、IDT電極の規格化膜厚が0.06〜0.12の範囲とされている場合には、周波数温度特性をより一層改善することができる。
第3の発明において、SiO層の規格化膜厚が0.25〜0.3の範囲とされている場合には、同様に、周波数温度特性をより一層改善することができる。
本発明において、電極の上面と圧電基板の上面とが面一とされている場合には、絶縁物層の表面が、絶縁物層を通常の成膜方法により成膜したとしても、確実に平坦化することができる。なお、本発明においては、電極の上面と、圧電基板の上面とは、必ずしも面一とされる必要はない。電極の上面が圧電基板の上面から上方に多少突出していてもよく、あるいは圧電基板の上面から多少後退されていてもよい。
本発明において、溝の内角を45°〜90°の範囲、より好ましくは、50°〜80°の範囲とした場合には、IDT電極の膜厚の如何に係わらず、溝の内角のばらつきによる電気機械結合係数の変化が小さいため、弾性表面装置の特性のばらつきを低減することができる。すなわち、製造に際して溝の内角が若干ばらついたとしても、特性の安定な弾性表面波装置を提供することができる。
図1は、(a)〜(f)は、本発明の第1の実施例における弾性表面波装置の製造方法を説明するための各正面断面図である。 図2は、図1に示した実施例で得られる弾性表面波装置としての弾性表面波共振子の電極構造を示す模式的平面図である。 図3は、実施例及び比較例1の弾性表面波共振子において、電極膜厚を変化させた場合の電気機械結合係数の変化を示す図である。 図4は、実施例の弾性表面波共振子、比較例1,2の弾性表面波共振子において、電極膜厚を変化させた場合の反射係数の変化を示す図である。 図5は、(a)〜(d)は、本発明の弾性表面波装置の製造方法の第2の例を説明するための各模式的正面断面図である。 図6は、実施例及び比較例1の弾性表面波共振子において、(0°,126°,0°)のLiTaO3基板を用い、Alからなる電極の規格化膜厚及びSiO2層の規格化膜厚を変化させた場合の反射係数の変化を示す図である。 図7は、実施例及び比較例1の弾性表面波共振子において、(0°,126°,0°)のLiTaO3基板を用い、Alからなる電極の規格化膜厚及びSiO2層の規格化膜厚を変化させた場合の電気機械結合係数の変化を示す図である。 図8は、実施例の弾性表面波装置において、LiTaO3基板のオイラー角を種々異ならせ、Alからなる電極の規格化膜厚を0.06とし、SiO2層の規格化膜厚を種々変更した場合の周波数温度係数TCFの変化を示す図である。 図9は、実施例の弾性表面波装置において、LiTaO3基板のオイラー角を種々異ならせ、Alからなる電極の規格化膜厚を0.08とし、SiO2層の規格化膜厚を種々変更した場合の周波数温度係数TCFの変化を示す図である。 図10は、実施例の弾性表面波装置において、LiTaO3基板のオイラー角を種々異ならせ、Alからなる電極の規格化膜厚を0.1とし、SiO2層の規格化膜厚を種々変更した場合の周波数温度係数TCFの変化を示す図である。 図11は、実施例の弾性表面波装置において、SiO2膜の規格化膜厚を0.15とし、LiTaO3基板のオイラー角のθと、Alからなる電極の規格化膜厚を種々変化させた場合の共振周波数側における減衰定数の変化を示す図である。 図12は、実施例の弾性表面波装置において、SiO2膜の規格化膜厚を0.25とし、LiTaO3基板のオイラー角のθと、Alからなる電極の規格化膜厚を種々変化させた場合の共振周波数側における減衰定数の変化を示す図である。 実施例の弾性表面波装置において、SiO2膜の規格化膜厚を0.35とし、LiTaO3基板のオイラー角のθと、Alからなる電極の規格化膜厚を種々変化させた場合の共振周波数側における減衰定数の変化を示す図である。 図14は、実施例の弾性表面波装置において、SiO2膜の規格化膜厚を0.15とし、LiTaO3基板のオイラー角のθと、Alからなる電極の規格化膜厚を種々変化させた場合の反共振周波数側における減衰定数の変化を示す図である。 図15は、実施例の弾性表面波装置において、SiO2膜の規格化膜厚を0.25とし、LiTaO3基板のオイラー角のθと、Alからなる電極の規格化膜厚を種々変化させた場合の反共振周波数側における減衰定数の変化を示す図である。 図16は、実施例の弾性表面波装置において、SiO2膜の規格化膜厚を0.35とし、LiTaO3基板のオイラー角のθと、Alからなる電極の規格化膜厚を種々変化させた場合の反共振周波数側における減衰定数の変化を示す図である。 図17は、(a),(b)は、Alを主成分とする電極層とAlより耐電力性の高い電極層との多層構造で形成されたIDT電極の構造を示す各部分切欠断面図である。 図18は、本発明の他の実施例としての2ポート型弾性表面波共振子の電極構造を示す模式的平面図である。 図19は、本発明が適用される弾性表面波装置の電極構造の他の例として、ラダー型フィルタの電極構造を示す模式的平面図である。 図20は、本発明が適用される弾性表面波装置の電極構造のさらに他の例としてのラチス型弾性表面波フィルタの電極構造を示す模式的平面図である。 図21は、本発明の弾性表面波装置における溝の内角を説明するための模式的正面断面図である。 図22は、弾性表面波装置の溝の内角及びIDT電極を構成しているAlからなる電極の規格化膜厚を変化させた場合の溝の内角Xが90°のときの電気機械結合係数で規格化された電気機械結合係数の変化を示す図である。 図23は、SiOの厚みを0.20λとし、かつ弾性表面波装置の溝の内角及びIDT電極を構成しているAlからなる電極の規格化膜厚を変化させた場合の溝の内角Xが90°のときの電気機械結合係数で規格化された電気機械結合係数の変化を示す図である。 図24は、θ=120°とし、かつ弾性表面波装置の溝の内角及びIDT電極を構成しているAlからなる電極の規格化膜厚を変化させた場合の溝の内角Xが90°のときの電気機械結合係数で規格化された電気機械結合係数の変化を示す図である。 図25は、Alからなる電極の規格化膜厚を0.08とし、弾性表面波装置の溝の内角及びLiTaOのオイラー角を変化させた場合の溝の内角Xが90°のときの電気機械結合係数で規格化された電気機械結合係数の変化を示す図である。 図26は、実施例の弾性表面波装置においてLiNbO基板のオイラー角を(0°,170°,0°)とし、Alからなる電極規格化膜厚が0.02、0.06、0.1、0.16の場合に対してSiOの規格化膜厚を変化させたときのTCFの変化を示す図である。 図27は、実施例の弾性表面波装置においてLiNbO基板のオイラー角を(0°,105°,0°)とし、SiOの規格化膜厚を0.2、0.3、0.4の場合に対して、Alからなる電極規格化膜厚を変化させたときの電気機械結合係数Kの変化と、従来の弾性表面波装置の同条件における電気機械結合係数Kの変化とを併記した図である。 図28は、実施例の弾性表面波装置においてLiNbO基板のオイラー角を(0°,105°,0°)とし、SiOの規格化膜厚を0.2、0.3、0.4の場合に対して、Alからなる電極規格化膜厚を変化させたときの反射係数の変化と、従来の弾性表面波装置の同条件における反射係数の変化とを併記した図である。 図29は、実施例の弾性表面波装置においてLiNbO基板のオイラー角を(0°,131°,0°)とし、SiOの規格化膜厚を0.2、0.3、0.4の場合に対して、Alからなる電極規格化膜厚を変化させたときの電気機械結合係数Kの変化と、従来の弾性表面波装置の同条件における電気機械結合係数Kの変化とを併記した図である。 図30は、実施例の弾性表面波装置においてLiNbO基板のオイラー角を(0°,131°,0°)とし、SiOの規格化膜厚を0.2、0.3、0.4の場合に対して、Alからなる電極規格化膜厚を変化させたときの反射係数の変化と、従来の弾性表面波装置の同条件における反射係数の変化とを併記した図である。 図31は、実施例の弾性表面波装置においてLiNbO基板のオイラー角を(0°,154°,0°)とし、SiOの規格化膜厚を0.2、0.3、0.4の場合に対して、Alからなる電極規格化膜厚を変化させたときの電気機械結合係数Kの変化と、従来の弾性表面波装置の同条件における電気機械結合係数Kの変化とを併記した図である。 図32は、実施例の弾性表面波装置においてLiNbO基板のオイラー角を(0°,154°,0°)とし、SiOの規格化膜厚を0.2、0.3、0.4の場合に対して、Alからなる電極規格化膜厚を変化させたときの反射係数の変化と、従来の弾性表面波装置の同条件における反射係数の変化とを併記した図である。 図33は、実施例の弾性表面波装置においてLiNbO基板のオイラー角を(0°,170°,0°)とし、SiOの規格化膜厚を0.2、0.3、0.4の場合に対して、Alからなる電極規格化膜厚を変化させたときの電気機械結合係数kの変化と、従来の弾性表面波装置の同条件における電気機械結合係数kの変化とを併記した図である。 図34は、実施例の弾性表面波装置においてLiNbO基板のオイラー角を(0°,170°,0°)とし、SiOの規格化膜厚を0.2、0.3、0.4の場合に対して、Alからなる電極規格化膜厚を変化させたときの反射係数の変化と、従来の弾性表面波装置の同条件における反射係数の変化とを併記した図である。 図35は、実施例の弾性表面波装置において、IDT電極をAuで形成し、SiOの規格化膜厚が0.3で、LiNbO基板のオイラー角を変化させたときと、Au電極規格化膜厚を変化させたときの電気機械結合係数Kの変化を示す図である。 図36は、実施例の弾性表面波装置において、IDT電極をAuで形成し、SiOの規格化膜厚が0.3で、LiNbO基板のオイラー角を変化させたときと、Au電極規格化膜厚を変化させたときの反射係数の変化を示す図である。
符号の説明
1…LiTaO3基板
1a…上面
1b…溝
2…フォトレジスト層
2A…フォトレジストパターン
3…電極膜
4…SiO2
11…弾性表面波共振子
12,13…反射器
21…無機材料薄膜
21A…無機材料薄膜パターン
22…フォトレジスト層
22A…フォトレジストパターン
31…弾性表面波共振子フィルタ
32…圧電基板
33a,33b…IDT電極
34a,34b…反射器
48…2ポート型弾性表面波共振子
48a,48b…IDT電極
48c,48d…反射器
49a…ラダー型フィルタ
49b…ラチス型フィルタ
51…Ti電極層
52…第1の電極層
53…基板
54…SiO2
55…第2の電極層
61…圧電基板
61a…上方
61b…溝
61c…内底面
61d,61e…内側面
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施例及び実験例を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1及び図2を参照して、本発明の一実施例に係る弾性表面波装置の製造方法を説明する。
図1(a)及び(b)に示すように、先ず、LiTaO3基板を用意する。
本実施例では、より具体的には、LiTaO3基板1として、36°回転Y板X伝搬、オイラー角で(0°,126°,0°)のLiTaO3基板が用いられている。もっとも、オイラー角については、後述するように種々変更することができる。なお、オイラー角(φ,θ,ψ)のθ=回転カット角+90°の関係や、(φ,θ,ψ)=(60°+φ,−θ,ψ)=(60°−φ,−θ,180°−ψ)=(φ,180°+θ,180°−ψ)=(φ,θ,180°+ψ)の関係がある。
次に、LiTaO3基板1の上面1a上に、全面にフォトレジスト層2を形成する。フォトレジスト層2としては、後で行われる反応性イオンエッチング(RIE)に耐えられる適宜のフォトレジスト材料を用いることができる。本実施例では、クリアラントジャパン社製、ポジレジスト、品番:AZ−1500を用いた。また、本実施例では、上記フォトレジスト層2の厚みを2μmとした。
次に、フォトレジスト層を感光し、洗浄することにより、図1(b)に示すように、フォトレジスト層2をパターニングし、フォトレジストパターン2Aを形成した。このフォトレジストパターン2Aでは、後でIDT電極が形成される部分においてフォトレジスト層が除去されている。
しかる後、反応性イオンエッチングを行い、図1(c)に示すように、LiTaO3基板1の上面1aに所望の深さの複数本の溝1bを形成した。この所望の深さは、後で形成されるIDT電極の膜厚と同一の寸法である。もっとも、このエッチングの深さは、IDT電極の膜厚の寸法よりも若干大きくともよく、小さくともよい。
次に、蒸着またはスパッタリングにより、Al膜を成膜した。その結果、図1(d)に示すように、溝1b内に、Al膜すなわち、電極膜3が充填された。なお、Al膜は、残存しているフォトレジストパターン2Aの上面にも成膜されている。
しかる後、LiTaO3基板をアセトン等の剥離溶液に浸漬し、上記フォトレジストパターン2A及びフォトレジストパターン2A上のAl膜を除去した。このようにして、図1(e)に示すように、電極膜3が溝1bに充填されており、上面がほぼ面一であるLiTaO3基板1を得た。
しかる後、図1(f)に示すように、上面にSiO2膜4を成膜した。SiO2膜の表面は、平坦化されている。これは、下地となるLiTaO3基板1の上面1aと電極膜3の上面とがほぼ面一であり、ほぼ平坦化されているため、通常の成膜方法でSiO2膜を成膜すると、SiO2膜の表面が確実に平坦化され得るからである。
なお、SiO2膜の成膜方法は、特に限定されず、印刷法、蒸着またはスパッタリングなどの適宜の方法により行われ得る。
なお、図1(a)〜(f)では、電極部分のみを代表して説明することにより、本実施例の弾性表面波装置の製造方法を説明したが、より具体的には、このようにして、図2に平面図で示す1ポート型の弾性表面波共振子11を得た。
なお、1ポート型弾性表面波共振子11は、IDT電極を構成している電極膜3の弾性表面波伝搬方向両側に反射器12,13を備えている。反射器12,13も、IDT電極である電極膜3と同じ工程により形成される。
上述した図1(a)〜(f)を用いて説明した本実施例の弾性表面波装置の製造方法、及び図2に平面図で示す1ポート型の弾性表面波共振子11では、LiTaO基板を用いたが、LiNbO基板を用いた場合でも同様に構成され得る。
(実験例1)
比較のために、特許文献1に記載の製造方法に従って得られたことを除いては、上記実施例と同様にして形成された複数種の弾性表面波共振子を以下の要領で作製した。なお、実験例1ではLiTaO基板を用いた。
すなわち、上記実施例及び比較例の弾性表面波共振子として、電極膜厚を種々異ならせ、それぞれ複数種の弾性表面波共振子を得た。なお、SiO2膜の規格化膜厚H/λは0.25とした。なお、本明細書において電極またはSiO2膜の規格化膜厚は、膜厚をH、IDTの波長をλとしたときに、H/λで表わされる値である。上記のようにして作製された弾性表面波共振子の電気機械結合係数を測定した。結果を図3に示す。
図3の実線は実施例の結果を、破線は比較例の結果を示す。
図3から明らかなように、上記実施例によれば、比較例の弾性表面波共振子に比べて、同等以上の電気機械結合係数の得られることがわかる。特に、電極の規格化膜厚H/λが0.06〜0.12の範囲においては、比較例の弾性表面波共振子よりも電気機械結合係数が0.03程度高められることがわかる。
(実験例2)
次に、上記実施例の弾性表面波共振子、比較例1の弾性表面波共振子に加えて、SiO2膜の表面が平坦ではない従来の弾性表面波共振子を比較例2の弾性表面波共振子として作製した。各弾性表面波共振子において、LiTaO3基板のオイラー角及びSiO2膜の規格化膜厚は図3に示した結果を得た場合と同様とした。
実験例2においても、電極の規格化膜厚H/λを種々異ならせ、それぞれ複数種の弾性表面波共振子を作製し、反射係数を求めた。結果を図4に示す。
図4から明らかなように、比較例1の弾性表面波共振子では、電極規格化膜厚を増加させた場合であっても、反射係数が高くならないことがわかる。これに対して、実施例の弾性表面波共振子では、電極規格化膜厚が増大するにつれて、反射係数が十分に大きくなっていくことがわかる。特に、SiO2膜表面が凹凸を有する、挿入損失が大きいという問題点を比較例2の弾性表面波共振子に比べても、電極膜厚の増大による反射係数の増大効果が大きいことがわかる。
従って、図3及び図4の結果から、上記実施例によれば、電気機械結合係数が十分大きく、かつ電極膜厚を増大させることにより、十分な大きさの反射係数を得られることがわかる。
(他の製造方法の例)
なお、上記実施例では、図1(a)〜(f)に示す製造方法に従って弾性表面波共振子11が作製されていたが、本発明の弾性表面波装置を得るための製造方法は、図1に示した製造方法に限定されるものではない。
図5(a)〜(d)は、本発明の弾性表面波装置を製造するための第2の例を説明するための各略図的正面断面図である。
この製造方法では、図5(a)に示すように、先ず、LiTaO3基板1上に、例えばSiNやZnOなどの無機材料からなる無機材料薄膜21を形成する。次に、無機材料薄膜21上全面に、フォトレジスト層22を形成する。
しかる後、フォトレジスト層22を露光・現像処理することにより、フォトレジスト層22及びフォトレジスト層22の下の無機材料薄膜21をパターニングする。このようにして、図5(b)に示すように、無機材料薄膜パターン21A及びフォトレジストパターン22Aが得られる。
しかる後、溶剤を用い、フォトレジストパターン22Aを除去する。このようにして、図5(c)に示すように、圧電基板としてのLiTaO3基板1の上面に、無機材料薄膜パターン21Aが形成された構造を得ることができる。
しかる後、反応性イオンエッチングにより、図5(d)に示すように、無機材料薄膜パターン21Aが形成されていない領域をエッチングする。このようにして、複数本の溝1bが形成される。
しかる後、蒸着またはスパッタリングにより、Al膜を成膜する。これによって、図1(d)に示した構造と同様に、複数本の溝内にAlが充填され、電極膜が形成されるとともに、無機材料薄膜パターン22A上に電極膜が付着することとなる。しかる後、LiTaO3基板を剥離溶液に浸漬し、上記無機材料薄膜パターン21A及びその上に残存している電極膜を剥離する。このようにして、図1(e)に示した構造と、同様の構造を得ることができる。従って、次にSiO2膜を成膜すれば、図1(f)に示した構造と同様に、表面が平坦なSiO2膜を形成することができる。
(実験例3)
次に、図2に示した弾性表面波共振子において、LiTaO3基板のオイラー角を(0°,126°,0°)とし、Alからなる電極の規格化膜厚H/λを種々異ならせ、さらにSiO2膜の規格化膜厚を種々異ならせ、複数種の実施例の弾性表面波共振子を作製した。また、比較のために、前述した比較例1の弾性表面波共振子においても、同様に、電極規格化膜厚及びSiO2の規格化膜厚を変化させ、複数種の弾性表面波共振子を作製した。このようにして得られた弾性表面波共振子の反射係数及び電気機械結合係数を求めた。結果を図6及び図7にそれぞれ示す。
図6及び図7において、実線は実施例の結果を、破線は比較例1の弾性表面波共振子の結果を示す。
図6から明らかなように、実施例の弾性表面波共振子では、比較例1の弾性表面波共振子に比べて、Alからなる電極膜厚及びSiO2膜の膜厚の如何に関わらず、より大きな反射係数の得られることがわかる。
また、図7から明らかなように、実施例の弾性表面波共振子では、SiO2膜の膜厚及びAlからなる電極の膜厚の如何に関わらず、比較例1の弾性表面波共振子と同等以上の電気機械結合係数の得られることもわかる。特に、SiO2膜の規格化膜厚H/λが0.3以上の領域においても、実施例によれば、十分な電気機械結合係数が得られることがわかる。
次に、様々なオイラー角のLiTaO3基板を用い、Alからなる電極の規格化膜厚H/λを、0.06、0.08または0.1と異ならせ、様々な大きさの規格化膜厚を有するSiO2膜を作製し、複数種の実施例の弾性表面波共振子を作製し、周波数温度係数TCFを測定した。結果を図8〜図10に示す。
なお、TCFは次式で定義される。
TCF=((80℃における周波数)−(−20℃における周波数))/(100×(25℃における周波数))
図8〜図10の結果から、Alからなる電極規格化膜厚の如何に関わらず、SiO2膜の膜厚を大きくすることにより、周波数温度係数TCFを負の値から正の値側へシフトさせ、さらに正の領域において大きくし得ることがわかる。これは、SiO2膜が正の周波数温度係数を有することによる。
また、図8〜図10から、様々なオイラー角のLiTaO3基板を用いた場合、いずれの場合においても、SiO2膜の膜厚を増大させることにより、周波数温度係数を大きくすることができ、オイラー角の差による差がほとんどないことがわかる。そして、好ましくは、SiO2膜の規格化膜厚H/λを、0.15〜0.4、より好ましくは0.2〜0.35の範囲とすれば、周波数温度係数TCFの絶対値をそれぞれ15ppm/℃以下、及び10ppm/℃以下と小さくすることができ、良好な周波数温度特性の得られることがわかる。
次に、実施例の弾性表面波共振子において、使用するLiTaO3基板のオイラー角を種々変更し、さらに電極規格化膜厚及びSiO2膜の規格化膜厚を種々変更し、複数種の弾性表面波共振子を作製した。得られた弾性表面波共振子の減衰定数αを測定した。結果を図11〜図16に示す。
なお、図11〜図13は、弾性表面波共振子の共振周波数における減衰定数αの変化を示し、図14〜図16は、反共振周波数における減衰定数αの変化を示す。従って、フィルタを構成した場合には、図11〜図13に示す減衰定数αを小さくすれば、フィルタ特性の通過帯域低域側における急峻性を高めることができる。また、図14〜図16に示されている減衰定数αを小さくすることができれば、フィルタの通過帯域高域側における急峻性を高め得ることがわかる。
図11〜図13から明らかなように、Alからなる電極膜厚やSiO2膜の膜厚にあまり影響されることなく、むしろLiTaO3基板のオイラー角のθを適切な範囲とすることにより、減衰定数αを著しく小さくし得ることがわかる。すなわち、図11〜図13から、フィルタの通過帯域低域側における急峻性を高めたい場合には、下記の表7に示すいずれかの範囲のオイラー角、より好ましくは表8に示すいずれかの範囲とすればよいことがわかった。
Figure 2006011417
Figure 2006011417
また、図14〜図16から明らかなように、フィルタ波形の高域側の急峻性を高める場合には、下記の表9に示すいずれかの範囲のオイラー角、より好ましくは表10に示すいずれかの範囲を選択すればよいことがわかる。
Figure 2006011417
Figure 2006011417
なお、本発明においては、好ましくは、IDT電極は、Alを主成分とする電極層と、Alよりも耐電力性の高い電極層との多層構造により形成される。図17(a)及び(b)は、このような多層構造のIDT電極を説明するための部分切欠断面図である。
図17(a)では、Alより耐電力性の高い電極層として膜厚50nmのTi電極層51上に、Alを主成分とする電極層52が形成されている。ここでは、電極層52の厚みがTi電極層51の厚みよりも厚くされており、該電極層52の上面は、基板53の上面と面一とされている。なお、SiO2層54が、基板53及びIDT電極を覆うように形成されている。
また、図17(b)には、Alより密度の高い第2の電極層としての膜厚50nmのTi電極層51上にAlを主成分とする電極層52が形成されている。さらに、第1の電極層52上に膜厚50nmのTiからなるもう一方の第2の電極層55が形成されている。第2の電極層55の上面が基板53の上面と面一とされている。このように、IDT電極は、2層あるいは3層以上の電極層を積層した積層膜からなるものであってもよい。また、本実施形態からも明らかなように、積層膜において、AlまたはAlを主成分とする合金からなる第1の電極層に積層される、Alよりも密度の高い第2の電極層は単層である必要は必ずしもなく、複数層であってもよい。さらに、複数層の第2の電極層を用いる場合、本実施形態のように、複数の第2の電極層間に第1の電極層を狭持してもよく、第1の電極層の片側にのみ第2の電極層を積層してもよい。
図17(a),(b)に示すように、IDT電極を、AlまたはAlを主成分とする第1の電極層とAlより密度の高い第2の電極層とを有する積層膜で形成することにより、IDT電極と圧電基板との接合強度を高め、かつストレスマイグレーション等によるIDT電極の劣化を防ぎ、IDT電極の耐電力性を向上することができる。
なお、図17(b)では、AlまたはAlを主成分とする第1の電極層52の上下にTiからなる第2の電極層51,55が積層されていたが、Tiからなる第2の電極層をAlまたはAlを主成分とする一対の第1の電極層で挟み込む構造としてもよい。その場合にも、耐電力性を向上することができる。また、AlまたはAlを主成分とする第1の電極層と、第2の電極層とを交互に積層し、4層以上の多層構造のIDT電極を形成してもよい。
なお、図17(a),(b)では、Alより密度の高い第2の電極層としてTiからなる第2の電極層を示したが、Ti以外のAlより密度の高い金属である、Cu、W、Crなどの金属を用いてもよい。また、AlCuのように、Alと、Alよりも密度の高い金属との合金を用いてもよく、さらに、NiCrなどのようにAlよりも密度の高い複数の金属を主体とする合金を用いてもよい。これらの場合においても、上記実施形態の場合と同様の効果を得ることができる。
本発明は、様々な弾性表面波装置に適用することができる。このような弾性表面波装置の例を、図18に示す。図18は、2ポート型弾性表面波共振子48を示す模式的平面図である。ここでは、IDT48a,48b、反射器48c,48dが圧電基板上に形成されている。また、図18に示す2ポート型弾性表面波共振子48と同じ電極構造を用いて縦結合型弾性表面波共振子フィルタを構成してもよい。
さらに、図19及び図20は、それぞれ、ラダー型フィルタ及びラチス型フィルタの電極構造を示す模式的平面図である。図19及び図20に示すラダー型フィルタ49a及びラチス型フィルタ49bのような電極構造を圧電基板上に形成することにより、本発明に従ってラダー型フィルタ及びラチス型フィルタを構成することができる。
もっとも、本発明は、図18〜図20に示した電極構造を有する弾性表面波装置に限らず、様々な弾性表面波装置に適用することができる。
また、本発明に係る弾性表面波装置では、好ましくは、漏洩弾性波を用いた弾性表面波装置が構成される。特開平6−164306号公報には、Auなどの重い金属からなる電極を有する弾性表面波装置であって、伝搬減衰がないラブ波を用いた弾性表面波装置が開示されている。ここでは、重い金属を電極として用いることにより、伝搬する弾性表面波の音速が基板の遅い横波バルク波よりも遅くされ、それによって漏洩成分がなくなり、非漏洩の弾性表面波としてのラブ波が利用されている。
本発明に係る弾性表面波装置が、圧電基板に設けられた複数本の溝に電極材料が充填されてIDT電極が形成されている。ここで、好ましくは、上記溝の内角は90°以下、より好ましくは50°〜80°の範囲とされる。これを図21及び図22を参照して説明する。
図21は、圧電基板に設けられた溝の内角を説明するための模式的正面断面図である。すなわち、圧電基板61の上面61aに、複数本の溝61bが形成されている。溝61bは、内底面61cと、内底面61cと上面61aとを結ぶ一対の内側面61d,61eとに囲まれている。この溝61b内に金属が充填されて、例えば図1(e)に示したIDT電極3が形成される。ここで、溝61bの内角Xとは圧電基板61の上面61aと、内側面61dまたは61eとの成す角度であって、溝61b内に位置する角度である。なお、図1(e)に示されている圧電基板1においては、溝の内角は90°とされている。図21では、内角Xは、図示のように、90°よりも小さい角度とされている。
図22は、第1の実施形態と同様にして、但し、LiTaO3基板に様々な内角の溝を形成し、該溝内にAlからなるIDT電極を様々な厚みで形成した場合の電気機械結合係数の変化を示す図である。
また、図22の縦軸は、溝の内角が90°である場合の電気機械結合係数の値を基準として規格化した電気機械結合係数K2の値を示す。電気機械結合係数は必要上0.04以上あることが求められている。他方、上記実施形態の弾性表面波装置、溝の内角が90°の場合、電気機械結合係数は0.05である。従って、図22の電気機械結合係数が0.8以上であれば、電気機械結合係数は0.04以上となることかわかる。図22から明らかなように、溝の内角Xが45°〜90°の範囲であれば、すなわち90°以下であれば、Alの規格化膜厚が0.04〜0.12の範囲において、膜厚の如何に係わらず、電気機械結合係数が0.87以上となり、充分な大きさの電気機械結合係数の得られることがわかる。
他方、弾性表面波装置の製造に際しては、製造上の理由により上記溝の内角Xにばらつきが生じることがある。しかしながら、図22から明らかなように、溝の内角が90°以下の範囲では、IDT電極の膜厚の如何に係わらず、電気機械結合係数を充分な大きさとし得ることがわかる。そして、特に、溝の内角Xが60°〜70°付近において電気機械結合係数の極小値が存在しているため、溝の内角Xをこの極小値付近、すなわち50°〜80°付近に設定した場合には、溝の内角がばらついたとしても、電気機械結合係数のばらつきを非常に小さくし得ることがわかる。よって、製品としての弾性表面波装置の特性のばらつきを小さくし得ることがわかる。
なお、Alだけでなく、Alを主成分とする合金を用いてIDT電極を形成した場合や、前述したような積層膜からなるIDT電極を形成した場合においても、溝の内角Xが60°〜70°付近において、規格化電気機械結合係数の極小値が存在するため、同様に、溝の内角Xを90°以下、より好ましくは50°〜80°の範囲とすることが望ましい。
また、図23は、SiO膜の膜厚を0.2λに変更したことを除いては、図22と同様にして求められた溝の内角Xを変化させた場合の電気機械結合係数Kの変化を示す図である。図23から明らかなように、SiO膜の規格化膜厚が0.2に変化された場合であっても、図22の場合とほぼ同様の傾向があり、溝の内角50〜80°の範囲において、電気機械結合係数Kのばらつきを小さくし得ることがわかる。
図24は、オイラー角のθを126°から120°に変化させたことを除いては、図22同様にして求められた、その内角Xと電気機械結合係数Kとの関係を示す図である。図24から明らかなように、オイラー角のθが変化された場合であっても、図22の場合と同様の傾向を示す、溝の内角Xが50〜80°の範囲では、電気機械結合係数Kのばらつきが小さくなる点が存在することがわかる。
図25は、IDTの膜厚を固定し、オイラー角のθを120°、126°及び132°とした場合の溝の内角に対する電気機械結合係数の変化を示す図である。図25においても、図22の場合と同様の傾向が示されており、溝の内角が50〜80°の範囲にある場合には、溝の内角がばらついたとしても、電気機械結合係数のばらつきを非常に小さくし得る点が存在することがわかる。
次に、圧電基板としてLiNbO基板を用いた弾性表面波装置の実施形態を説明する。図2に示した弾性表面波共振子においてLINbO基板のオイラー角を種々異ならせ、Alからなる電極の規格化膜厚を種々異ならせ、さらにSiO膜の規格化膜厚を種々異ならせ複数の実施例の弾性表面波共振子を作成した。また比較のために図3において比較例として論じたものと同様の構造の比較例をLINbO基板を用いて作成した。
図26はLINbO基板のオイラー角を(0°,170°,0°)とし、Alの規格化膜厚を0.02、0.06、0.1、0.16としたときの、SiO膜の規格化膜厚の変化に対するTCFの変化を示したものである。図26から明らかなようにSiO膜の規格化膜厚が0.2〜0.4の範囲にあるときは、TCFを±30ppm/℃の範囲にすることができるAl電極の規格化膜厚が存在することがわかる。即ち、SiO膜の規格化膜厚が小さいときはAlの規格化膜厚を小さくすれば良く、SiO膜の規格化膜厚が大きいときはAlの規格化膜厚を大きくすれば良い。またSiO膜の規格化膜厚を0.25〜0.3の範囲とすれば、Alの規格化膜厚が0.02〜0.16の全ての範囲でTCFを±30ppm/℃の範囲にすることができる。他のオイラー角においても、SiO膜の規格化膜厚を上記の範囲とすることにより良好なTCFを示す。
図27はLiNbO基板のオイラー角を(0°,105°,0°)としたときのSiO膜の種々の規格化膜厚において、Alの規格化膜厚を変化させたときの電気機械結合係数Kの変化を、上記比較例と本実施例を併記して示した図である。
同様に図28は、図27と同じ条件での反射係数の変化を示す図である。
以降同様に、図29及び図30はオイラー角を(0°,131°,0°)、図31及び図32はオイラー角を(0°,154°,0°)、図33及び図34はオイラー角を(0°,170°,0°)としたことを除いては、図27及び図2(の場合と同じ条件で、それぞれ、電気機械結合係数Kの変化及び反射係数の変化を示す図である。
図27、図29、図31、図33によれば、Alの規格化膜厚が0.04以上の領域では本実施例の電気機械結合係数Kはいずれも比較例に比較して大きくなっていることがわかる。また図28、図30、図32、図34によれば、反射係数は比較例に比較してほぼ同等の値を示していることがわかる。特にAlの規格化膜厚が大きい領域では、比較例に比較して電気機械結合係数Kは十分大きく、また反射係数も大きくなるため好ましい。
オイラー角が(0°,85°〜120°,0°)の範囲にあるときも図27及び図28に示した結果とほぼ同様の結果となり、(0°,90°〜110°,0°)の範囲にあるときはより好ましい結果が得られた。また、オイラー角が(0°,125°〜141°,0°)の範囲にあるときも図29及び図30に示した結果とほぼ同様の結果となり、(0°,125°〜136°,0°)の範囲にあるときはより好ましい結果が得られた。オイラー角が(0°,145°〜164°,0°)の範囲にあるときも図31及び図32に示した結果とほぼ同様の結果となり、(0°,149°〜159°,0°)の範囲にあるときはより好ましい結果が得られた。オイラー角が(0°,160°〜180°,0°)の範囲にあるときも図33及び図34に示した結果とほぼ同様の結果となり、(0°,165°〜175°,0°)の範囲にあるときはより好ましい結果が得られた。
なお、本願発明者らは、LiNbO基板を用いた実施形態の上記弾性表面波装置において、LiTaO基板を用いた前述した実施形態の弾性表面波装置の場合と同様に、図1(e)に示されている溝61bの内角Xを種々変化させた結果、内角が45°〜90°の範囲にある場合、電気機械結合係数が十分な大きさとなり、特に、50°〜80°の範囲に設定した場合には、さらに、電気機械結合係数のばらつきを非常に小さくし得ることを確かめた。すなわち、LiTaO基板を用いた場合と同様に、LiNbO基板を用いた場合においても、上記溝の内角を上記特定の範囲とすることにより、同様に電気機械結合係数の改善、さらに電気機械結合係数のばらつきを小さくし得ることを確かめた。
また、本願発明者らはLiNbOに対してAl電極以外の金属においても検討を行った、その結果を図35及び図36に示す。図35は、上記実施形態の弾性表面波装置において、IDT電極をAuで形成し、その上のSiOの規格化膜厚が0.3で、LiNbO基板のオイラー角を変化させたときと、Au電極規格化膜厚を変化させたときの電気機械結合係数Kの変化を示す図である。また、図36は、上記実施形態の弾性表面波装置において、IDT電極をAuで形成し、その上のSiOの規格化膜厚が0.3で、LiNbO基板のオイラー角を変化させたときと、Au電極規格化膜厚を変化させたときの反射係数の変化を示す図である。いずれのオイラー角においてもAlと同等もしくはそれ以上の電気機械結合係数Kが得られているのに加え、反射係数はAlの場合よりも大きな反射係数を得ることが出来る。図は省略するが、Cu,Ni,Mo,Ag,Ta,W等の金属においてもAuに近い電気機械結合係数Kと反射係数が得られ、温度特性に優れ、電気機械結合係数Kが大きく、反射係数が大きい弾性表面波素子を得ることが出来る。

Claims (19)

  1. 複数本の溝が上面に形成されたLiTaO基板と、
    前記溝にAlが充填されて形成されているIDT電極と、
    前記LiTaO基板及びIDT電極を覆うように形成されたSiO層とを備え、該SiO層の上面が平坦とされており、
    弾性表面波の波長をλとして、
    前記LiTaO基板のオイラー角は下記の表11に示すいずれかの範囲にあり、
    前記IDT電極の膜厚は前記LiTaO基板のオイラー角と前記表11に記載のオイラー角とが対応する位置に示されている範囲にあり、
    前記SiO層の厚みは前記IDT電極の膜厚と前記表11に記載のAl厚とが対応する位置に示されている範囲にあることを特徴とする、弾性表面波装置。
    Figure 2006011417
  2. 前記LiTaO基板のオイラー角が下記の表12に示すいずれかの範囲にあり、
    前記IDT電極の膜厚は前記LiTaO基板のオイラー角と前記表12に記載のオイラー角とが対応する位置に示されている範囲にあり、
    前記SiO層の厚みは前記IDT電極の膜厚と前記表12に記載のAl厚とが対応する位置に示されている範囲にあることを特徴とする、請求項1に記載の弾性表面波装置。
    Figure 2006011417
  3. 複数本の溝が上面に形成されたLiTaO基板と、
    前記溝にAlが充填されて形成されているIDT電極と、
    前記LiTaO基板及びIDT電極を覆うように形成されたSiO層とを備え、該SiO層の上面が平坦とされており、
    弾性表面波の波長をλとして、
    前記LiTaO基板のオイラー角は下記の表13に示すいずれかの範囲にあり、
    前記IDT電極の膜厚は前記LiTaO基板のオイラー角と前記表13に記載のオイラー角とが対応する位置に示されている範囲にあり、
    前記SiO層の厚みは前記IDT電極の膜厚と前記表13に記載のAl厚とが対応する位置に示されている範囲にあることを特徴とする、弾性表面波装置。
    Figure 2006011417
  4. 前記LiTaO基板のオイラー角が下記の表14に示すいずれかの範囲にあり、
    前記IDT電極の膜厚は前記LiTaO基板のオイラー角と前記表14に記載のオイラー角とが対応する位置に示されている範囲にあり、
    前記SiO層の厚みは前記IDT電極の膜厚と前記表14に記載のAl厚とが対応する位置に示されている範囲にあることを特徴とする、請求項3に記載の弾性表面波装置。
    Figure 2006011417
  5. 前記LiTaO基板のオイラー角は前記表11と下記の表15に示すオイラー角を共通して満たすいずれかの範囲である、請求項1に記載の弾性表面波装置。
    Figure 2006011417
  6. 前記LiTaO基板のオイラー角は前記表11と下記の表16に示すオイラー角を共通して満たすいずれかの範囲である、請求項1に記載の弾性表面波装置。
    Figure 2006011417
  7. 前記LiTaO基板のオイラー角は前記表12と下記の表17に示すオイラー角を共通して満たすいずれかの範囲である、請求項2に記載の弾性表面波装置。
    Figure 2006011417
  8. 前記LiTaO基板のオイラー角は前記表12と下記の表18に示すオイラー角を共通して満たすいずれかの範囲である、請求項2に記載の弾性表面波装置。
    Figure 2006011417
  9. 前記IDT電極の上面と、前記LiTaO基板の上面とが面一とされている請求項1〜8のいずれか1項に記載の弾性表面波装置。
  10. 前記溝は、内底面と、内底面と前記LiTaO基板の前記上面とを結ぶ一対の内側面とで囲まれており、前記内側面と前記圧電基板の上面とのなす前記溝の内角が45°〜90°の範囲にある、請求項1〜9のいずれか1項に記載の弾性表面波装置。
  11. 複数本の溝が上面に形成されたLiNbO基板と、
    前記溝にAlが充填されて形成されているIDT電極と、
    前記LiNbO基板及びIDT電極を覆うように形成されたSiO層とを備え、該SiO層の上面が平坦とされており、
    弾性表面波の波長をλとして、
    前記IDT電極の規格化膜厚が0.04〜0.16であり、
    前記SiO層の規格化膜厚が0.2〜0.4であり、
    前記LiNbO基板のオイラー角は下記の表19に示すいずれかの範囲にあることを特徴とする、弾性表面波装置。
    Figure 2006011417
  12. 前記LiNbO基板のオイラー角は下記の表20に示すいずれかの範囲にあることを特徴とする、請求項11に記載の弾性表面波装置。
    Figure 2006011417
  13. 前記IDT電極の規格化膜厚が0.06〜0.12であることを特徴とする、請求項11または12に記載の弾性表面波装置。
  14. 前記SiO層の規格化膜厚が0.25〜0.3であることを特徴とする、請求項11〜13のいずれか1項に記載の弾性表面波装置。
  15. 前記IDT電極の上面と、前記LiNbO基板の上面とが面一とされている、請求項11〜14のいずれか1項に記載の弾性表面波装置。
  16. 前記溝は、内底面と、内底面と前記LiNbO基板の前記上面とを結ぶ一対の内側面とで囲まれており、前記内側面と前記圧電基板の上面とのなす前記溝の内角が45°〜90°の範囲にある、請求項11〜15のいずれか1項に記載の弾性表面波装置。
  17. 前記溝の内角が50°〜80°の範囲にある、請求項10または16に記載の弾性表面波装置。
  18. 前記IDT電極は、AlとAlより密度の高い金属もしくは合金からなる密着層を設けた請求項1〜17のいずれか1項に記載の弾性表面波装置。
  19. 前記IDT電極は、Alより密度の高い金属からなる密着層を設けた請求項1〜7のいずれか1項に記載の弾性表面波装置。
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