JPWO2005103670A1 - ラボオンチップ用基板 - Google Patents

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Abstract

本発明は、樹脂を基材としその表面に高エネルギー線で親水性高分子を共有結合したラボオンチップ用基板、特にタンパク質処理チップである。本発明により、基材表面へのタンパク質の吸着がなく、耐洗浄効果があって長時間使用可能なラボオンチップ用基板を提供できる。検出ノイズが低減されることから、微量かつ精度の高いタンパク質の分析が可能となり、マイクロ流路を有するポリマー製のタンパク質電気泳動用チップを提供できる。

Description

本発明はタンパク質の構造・機能解析及びタンパク質を使用した反応に用いられる装置・機器の内、タンパク溶液の流動または反応または分析を行うラボオンチップ用基板に関する。
現在、種々の化学反応を行うためのマイクロ流路を含むチップは反応効率、速度、各試薬の観点から注目されつつある技術であり、既に“ラボオンチップ”と呼ばれる数センチ角のガラス製チップ上に形成されたマイクロ流路の中で化学反応・分析を行う新しい分析方法に関する概念が一般的に定着している。今後、バイオテクノロジーの進展に伴い生化学分野においてもマイクロ流路の利用は不可欠な技術であり、特にタンパク質の構造・機能解析及びタンパク質を使用した反応へのマイクロ流路の応用が期待される。
タンパク質溶液をマイクロ流路に流す際に大きな問題となるのはマイクロ流路表面へのタンパク質の吸着であり、微小タンパク質は吸着による減少及び構造変化の影響を大きく受けるだけでなく、回路を繰り返し使用する場合には吸着したタンパク質が微小な流路を防ぐ恐れがある。一般に、タンパク質の吸着を防ぐために、例えばポリアルキレングリコールなどの親水性高分子を基板表面にコーティングする方法が知られている。
例えば、流路がポリエチレングリコールおよび/または2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンポリマーでコーティングされたチップ、また樹脂基板上にマイクロ流路を作製し、タンパク質の合成・検出を行う技術が開示されている(特許文献1)。しかし、これらは表面に親水性高分子がコーティングされただけであり、例えば洗浄の際に親水性高分子が剥離しやすい欠点がある。また、樹脂基板に親水性モノマー分子を樹脂基板に浸漬後、開始剤を塗布、重合することによりタンパク質の吸着を抑える技術は公知である(特許文献2)が、この場合も基板と高分子は共有結合しておらず、基板壁面の親水性高分子がはがれてしまう。
親水性高分子を表面に共有結合させている例としては、ポリジメチルシロキサンの表面に紫外光を照射することによりポリアルキレングリコールを共有結合させる方法がある(非特許文献1)。しかし、ケイ素の含有量の低い高分子表面にポリアルキレングリコールを共有結合させるには、更に高いエネルギー線を照射する必要があり、この場合、基板が変色するため分析用として適さない。更にポリジメチルシロキサンは射出成形が難しくマイクロ流路を有するチップに加工して量産するのが難しい。また、これまでチップの加工に用いられてきたポリマーの大半はケイ素の含有率の低いものであり、これらのポリマーの場合、従来の紫外光を照射する方法で表面をグラフト化することは技術的に難しい。
また、高分子基板表面にポリアルキレングリコールを静電的にコーティングすることによりタンパク質の吸着を抑制させる方法は公知である(非特許文献2)。しかし、この方法ではポリアルキレングリコールと基板との結合力が弱く、溶剤で洗浄したときにより多くのポリアルキレングリコールがはがれ落ちる。そのため、高分子基板からなるマイクロ流路を有するチップの流路壁面にポリアルキレングリコールを静電的にコーティングさせただけではタンパク質の分離・泳動を行うことはできない。
特開2003−334056号公報 特表2001−500971号公報 ヒュー(Hu Shuwen)他5名「紫外線ポリマーグラフト化によるポリジメチルシロキサンマイクロ流路基板の表面修飾(Surface Modification of Poly(dimethylsiloxane) Microfluidic Devices by Ultraviolet Polymer Grafting)」 アナリティカル・ケミストリー(Analytical Chemistry) 2002年、74巻、16号、p4117−4123 シ−(Si Lei)「ムチン型タンパク質を用いて生体を模倣した生体材料表面(Biomimetic Surfaces of Biomaterials Using Mucin−Type Glycoproteins)」 トレンド・イン・グリコサイエンス・アンド・グリコテクノロジー(Trends in Glycoscience and Glycotechnology) 2000年、12巻、66号、p229−239
本発明は、ケイ素の含有率が重量比で10%以下である樹脂を基材とし、その表面に親水性高分子が共有結合したラボオンチップ用基板である。
マイクロ流路を持つタンパク泳動用チップの模式図である。 ポリエチレングリコールを共有結合させていないタンパク泳動用チップを用いて蛍光標識を泳動させたときの電気泳動図である。 ポリエチレングリコールを共有結合させたタンパク泳動用チップを用いて蛍光標識タンパク質を泳動させたときの電気泳動図である。 ポリエチレングリコールを共有結合させたタンパク泳動用チップ流路を10規定塩酸で洗浄後、蛍光標識タンパク質を泳動させたときの電気泳動図である。 ポリエチレングリコールを共有結合させたタンパク泳動用チップ流路を10規定水酸化ナトリウムで洗浄後、蛍光標識タンパク質を泳動させたときの電気泳動図である。 ポリエチレングリコールを5.0kGyのガンマ線を照射して共有結合させたタンパク泳動用チップを用いて、蛍光標識タンパク質を泳動させたときの電気泳動図である。 ポリエチレングリコールを10.0kGyのガンマ線を照射して共有結合させたタンパク泳動用チップを用いて、蛍光標識タンパク質を泳動させたときの電気泳動図である。
発明の実施するための最良の形態
本発明は、ケイ素の含有率が重量比で10%以下である樹脂を基材とし、その表面に親水性高分子が共有結合したラボオンチップ用基板である。
本発明における樹脂とは、高分子の単独材料、混合材料もしくはこれらの改質物、またはこれらの高分子材料とガラス、金属、炭素材料等との混合または複合により得られた材料に含まれる高分子材料を意味する。合成高分子としては、熱可塑性高分子および熱硬化性高分子のいずれも用いることができる。合成法としては各種方法が例示されるが、本発明の高分子材料には、これらのいずれの方法により得られる合成高分子も含まれる。例えば、(1)付加重合体:オレフィン、オレフィン以外のビニル化合物、ビニリデン化合物およびその他の炭素−炭素二重結合を有する化合物からなる群から選ばれる単量体の単独重合体または共重合体、またはこれらの単独重合体もしくは共重合体の混合物あるいは改質物、(2)重縮合体:ポリエステル、ポリアミドなど、またはこれらの重合体の混合物あるいは改質物、(3)付加縮合体:フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂など、またはこれらの重合体の混合物あるいは改質物、(4)重付加生成物:ポリウレタン、ポリ尿素など、またはこれらの重合体の混合物あるいは改質物、(5)開環重合体:シクロプロパン、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ラクトン、ラクタムなどの単独重合体または共重合体、またはこれらの単独重合体もしくは共重合体の混合物あるいは改質物、(6)環化重合体:ジビニル化合物(例えば:1,4−ペンタジエン)やジイン化合物(例えば:1,6−ヘプタジイン)などの単独重合体または共重合体、またはこれらの単独重合体もしくは共重合体の混合物あるいは改質物、(7)異性化重合体:例えばエチレンとイソブテンの交互共重合体など、(8)電解重合体:ピロール、アニリン、アセチレンなどの単独重合体または共重合体、またはこれらの単独重合体もしくは共重合体の混合物あるいは改質物、(9)アルデヒドやケトンのポリマー、(10)ポリエーテルスルホン、(11)ポリペプチド、などが挙げられる。天然高分子としては、セルロース、タンパク質、多糖類等の単独物または混合物やこれらの改質物等が挙げられる。
本発明において基材として用いる樹脂としては、特に前記の付加重合体が好ましく用いられる。付加重合体を構成する単量体は特に限定されないが、オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等の任意のα−オレフィンの単独重合体もしくはこれらの2種以上の共重合体、またはこれらの単独重合体および/または共重合体の混合物を適宜使用することができる。本発明においてオレフィン以外のビニル化合物とは、ビニル基を有する化合物であり、例えば、塩化ビニル、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸またはメタクリル酸のエステル、酢酸ビニル、ビニルエーテル類、ビニルカルバゾール、アクリロニトリル等が挙げられる。オレフィン以外のビニリデン化合物とはビニリデン基を含む化合物であり、塩化ビニリデン、ふっ化ビニリデン、イソブチレン等が挙げられる。オレフィン、ビニル化合物、ビニリデン化合物以外の炭素−炭素二重結合を有する化合物としては、無水マレイン酸、無水ピロメリット酸、2−ブテン酸、四ふっ化エチレン、三ふっ化塩化エチレン等および二重結合を2個以上含む化合物、例えばブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
本発明において基材として用いる樹脂として好ましい付加重合体は、これらの単量体の単独重合体もしくは2種以上の単量体の共重合体またはこれらの重合体の混合物を適宜使用することができる。特に好ましくは、ポリエチレン、エチレンと他のα−オレフィンの共重合体、ポリプロピレン、プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体である。共重合体としてはランダム共重合体、ブロック共重合体を含む。ポリオレフィン以外の高分子材料としては、オレフィン以外のビニル化合物、ビニリデン化合物およびその他の炭素−炭素二重結合を有する化合物から成る群から選ばれる少なくとも1種の単量体の単独重合体または共重合体、例えば、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロニトリル共重合体(アクリル系繊維およびそれらの成形物、ABS樹脂等)、ブタジエンを含む共重合体(合成ゴム)等、およびポリアミド(ナイロンを始めとする脂肪族ポリアミドおよび芳香族ポリアミドを含む)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレートや脂肪族および全芳香族ポリエステルを含む)、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリベンゾエート、ポリエーテルスルホン、ポロアセタール、各種合成ゴムなどが好ましく用いられる。
これらの中でも、本発明の基材としては特にポリオレフィン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸メチルなどのポリメタクリル酸系樹脂、ポリアミド、ポリスルホン系樹脂、セルロース系樹脂などの高分子化合物を主成分とするものが好ましく、それを基材とするチップにおいて効果が発揮される。その中でも特に、ポリスルホン系樹脂、ポリメタクリル酸系樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、セルロース系樹脂を持つチップにおいて特に顕著に発揮される。
本発明において基材として用いる樹脂は、ケイ素の含有率が高くなると、樹脂が柔らかくなってチップの剛性が低くなるため、樹脂をマイクロ流路などに加工した場合、圧力等の外的な力によって変形することがあることから、ケイ素の含有率が10%以下のものを用いる。ここでいうケイ素の含有率は、分母に樹脂中の総分子量、分子に樹脂中のケイ素の総原子量としたときの割合を意味する。
本発明における共有結合とは2個の原子が電子を共有してつくる結合のことを言い、シグマ結合、パイ結合、他の非局在共有結合および/または他の共有結合タイプを持つものをいう。
本発明の、親水性高分子を共有結合させたラボオンチップ用基板は次のような効果を有する。
第一に耐洗浄効果である。チップの成形方法として射出、反応射出、真空、真空熱プレス、スタンピング、圧縮、押出、発泡、ブロー、粉末、注型などがある。これらの成形法を用いると、マイクロ流路に剥離剤、モノマー、開始剤などの不純物が付着する可能性があり、ラボオンチップを使用する際には予め洗浄することにより、これらの不純物を取り除く必要がある。コーティングでは、洗浄により表面にコーティングした親水性高分子などが剥離する。しかし、共有結合だと、複数回洗浄を行っても表面の親水性高分子などが剥離することはない。
第二に検出ノイズの低減である。本発明のラボオンチップ中の被験試料を移動させる方法として、圧力、濃度、電場、磁場の差、あるいは勾配を利用する方法、表面力を利用する方法、慣性力を利用する方法およびこれらの組み合わせがある。これらの方法で被験試料を移動させた場合、表面に親水性高分子をコーティングしているだけの場合にはこれが剥離する。そのため、タンパク質を検出する場合に被験試料以外の物質もノイズとして検出してしまい、正しい分析を行うことができない。しかし、親水性高分子が共有結合されている場合には、親水性高分子が剥離することがないため、ノイズを低減させることができる。
第三に長時間使用効果である。本発明におけるタンパク質分析時間は通常好ましくは5分以内、更に好ましくは3分以内であるが、特に限定されないため、場合によって長時間、例えば30分以上分析することがある。親水性高分子がコーティングされたものの場合、長時間の使用により表面の親水性高分子が剥離してしまう。しかし、本発明のように共有結合されている場合には長時間使用しても表面の親水性高分子は剥離しない。
本発明における親水性高分子とは、水溶性高分子または易水溶性ではないが親水性を有する高分子を意味する。具体例としては、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリα−ヒドロキシビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリα−ヒドロキシアクリル酸、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール、ばれいしょデンプン、とうもろこしデンプン、小麦デンプン等のデンプン、グルコマンナン、絹フィブロイン、絹セリシン、寒天、ゼラチン、卵白たんぱく質およびアルギン酸ナトリウム等が挙げられる。またこれらのスルホン化物も使用できる。
本発明の親水性高分子としては、ポリアルキレングリコールが好ましい。ポリアルキレングリコールとしては、例えばポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールに代表される主鎖中に酸素原子を含む鎖状高分子であるが、ポリアルキレングリコールがグラフトしたポリマーであっても良い。ポリアルキレングリコールの分子量は、特に限定されるものではなく、数平均分子量で600〜4000000、チップへのタンパク質の吸着阻害能を考慮すると10000〜1000000程度のものが好ましく用いられる。
本発明のラボオンチップ用基板は、好ましくは基材の表面に親水性高分子を高エネルギー線で共有結合させたものである。
本発明において基材の表面に親水性高分子を高エネルギー線で共有結合させるには、例えば、まずチップを親水性高分子、好ましくはポリアルキレングリコールの溶液に浸漬または接触させた後、ガンマ線や電子線などの高エネルギー線を照射する。親水性高分子としてポリアルキレングリコール溶液を用いる場合、ポリアルキレングリコール溶液の温度は特に限定しないが、好ましくは0℃以上30℃以下、さらに好ましくは10℃以上25℃以下が好まれる。また、ポリアルキレングリコール溶液とするための溶媒も特に限定されるものではなく、良溶媒として水、メタノール、エタノール、アセトン等が用いられるが、コスト面、安全面から水が好ましく用いられる。
本発明における高エネルギー線とはある一定のエネルギー量を持つエネルギー線のことで、マイクロ波、赤外線、可視光線、紫外線、エックス線、ガンマ線、電子線、陽子線、中性子線も高エネルギー線に含まれる。そのうちガンマ線とはその波長が10−12〜10−15mのものをいう。本発明において基材として用いる樹脂のケイ素の含有率が10%以下であるため、これら高エネルギー線のうち、親水性高分子を樹脂基板に直接グラフト化することができるガンマ線が好ましい。
高エネルギー線の照射量は特に限定されるものではなく、タンパク質吸着抑制能を付与したいチップあるいはマイクロ流路表面にポリアルキレングリコール鎖が固定化するだけの照射量があれば良く、ガンマ線を用いる場合は吸収エネルギーとして通常100kGy以下、好ましくは40kGy以下、さらに好ましくは樹脂基板の黄変による被験試料検出への影響が少ない10kGy以下が用いられる。
本発明におけるラボオンチップとは、溶液試料に対して、反応、分離、精製、検出などの様々な科学操作を基板上で行えるように集積化し、チップ化したものいう。これらの技術により超高感度分析、超微量分析、超多種目同時分析などを実現させることができる。一例としては、タンパク質合成部、タンパク質精製部、タンパク質検出部をマイクロ流路でつながれたチップが挙げられる。また、本発明におけるラボオンチップ用基板とは、ラボオンチップ自体、これらの部分が一つでも含まれるもの、マイクロ流路のみのもの、またはマイクロ流路がなく基板のみのものを含む。
本発明のラボオンチップ用基板において、基板上で親水性高分子を結合させる部位は特に限定されないが、タンパク質合成部、タンパク質精製部、タンパク質検出部、マイクロ流路壁面のうち一つ以上が親水化されることが好ましい。タンパク質処理チップの流路のみに親水性高分子を結合させてもよい。
本発明のラボオンチップ用基板において、タンパク質合成部の深さは、タンパク質合成槽内の反応液が十分あってタンパク質合成が可能な深さ以上であり、基板上に合成槽を設けることが可能な深さ以下の範囲であり、好ましい範囲は、1μm以上、1000μm以下である。また下限としては20μm以上がさらに好ましい。縦・横のディメンジョンの好ましい範囲は、10μm以上、5000μm以下である。下限としては50μm以上がさらに好ましい。特に好ましい範囲は、200μm以上、2000μm以下である。
タンパク質合成槽に入れる反応液としては、公知の大腸菌抽出物やコムギ胚芽抽出物、ウサギ網赤血球抽出物(抽出液中には、タンパク質合成に必要なリボソームやアミノアシルtRNA合成酵素、各種可溶性翻訳因子群がふくまれる)に、緩衝液、タンパク合成の原料であるアミノ酸、エネルギー源であるATP、GTPなどを加えたものを用いることができる。
タンパク質精製部の幅、深さの好ましい範囲は特に限定しないが、タンパク質を精製するための担体が入る大きさであれば良い。
タンパク質を精製するための担体の種類は特に限定しないが、ガラス(修飾や機能化したものを含む)、プラスチック(アクリル、ポリスチレン及びスチレンと他の材料の共重合物、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリウレタン、フッ素樹脂などを含む)、多糖類、ナイロン又はニトロセルロース、樹脂、シリカ又は修飾シリコーンを含むシリカ母体材料、炭素、金属などが含まれる。
タンパク質検出部では、タンパク質の電気泳動などを用いることができる。具体的な方法としては、アガロースゲル電気泳動、検出部分のマイクロ流路をキャピラリーとして用いたキャピラリー電気泳動法、等電点電気泳動、SDS−PAGE、Native−PAGE、μ−CE、マイクロチップ電気泳動などを使用することができる。本発明で特に好ましく用いられるのは、SDS−PAGEである。具体的な方法は、タンパク質合成部、タンパク質精製部からマイクロ流路を通り搬送されてきたタンパク質溶液に、尿素、SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)、2−メチルカプトエタノールなどを加えて、タンパク質の立体構造を破壊して変性させ、されにマイクロ流路でPAGE(ポリアクリルアミドゲル電気泳動)を行うことで達成される。
この検出用電気泳動は、タンパク質合成部、タンパク質精製部を有するチップと同一チップ上でのオンチップ電気泳動法によって行われることが好ましい。こうすることにより、一つのチップで合成、精製、検出の全てを行うことができる。また、オンチップ電気泳動を用いることにより、電気泳動の時間を短くでき、合成・検出の一連の作業をハイスループット化できる。
マイクロ流路は凹部を形成した板状の基材を別基材と接合して作製される。あるいは貫通したスリット形状を有する薄膜とこれを挟み込む少なくとも2つの基材によっても作製可能である。基材はシート状、板状、フィルム状、棒状、管状、塗膜状、円筒状、その他複雑な形状の成形物をとりうるが、これに限定されるものではない。加工性および取り扱いの容易さから、好ましくはシート状、板状、フィルム状である。
本発明におけるタンパク質処理チップとはタンパク質の泳動により分子量、アフィニティー、電気的特性などタンパク質の性質を解析する機能を有するチップのことをいう。また、このチップはタンパク質の合成、精製、染色にも用いることができ、吸着抑制効果を見出すことができる。また、チップ内にマイクロ流路を含むものもタンパク質処理チップに含まれる。
従来の硝子製又はプラスチック製タンパク質処理チップへのタンパク質吸着は短時間の接触で発生し、低濃度領域(約1ng〜100μg/ml)においてその吸着率(接触させたタンパク質溶液中のタンパク質の内吸着するタンパク質の割合)は、最大約50%にも達し、一度吸着したタンパク質は不可逆な構造変化(変性)を起こし、変性したタンパク質は二次的なタンパク質の吸着を誘引し、結果としてタンパク質の多層吸着層が形成される。これを防ぐために、タンパク質溶液が接触する表面を親水性高分子、特にポリアルキレングリコールでコーティングし、タンパク質の吸着を引き起こす最も大きな要因である疎水性相互作用を低減することにより、タンパク質の吸着を抑制することができる。
本明細書において、タンパク質とは、複数のアミノ酸がペプチド結合により連結された構造を有する化合物をいい、天然由来物、合成物、および短鎖のペプチドをも含むことを意味する。構成成分としてアミノ酸以外に糖、核酸、脂質を含んでいてもよい。
本発明において解析されうるタンパク質としては、特に限定されることなく、天然由来物、合成物およびアミノ酸以外の構成成分を含む核タンパク質、糖タンパク質、リポタンパク質等を解析することができるが水溶性タンパク質に特に好適に使用される。測定可能な分子サイズは、マーカーを適宜設定することによりあらゆるサイズのタンパク質が解析可能となる。本発明のチップを用いて分離できるタンパク質の分子量範囲は特に限定されないが、好ましくは、10kDa〜200kDa、更に好ましくは、14kDa〜140kDaの範囲である。なお、膜結合したタンパク質等は可溶化後に本発明の電気泳動法に適用されるのが好ましい。そのための可溶化処理は塩溶液やEDTAなどのキレート剤で超音波等の機械的処理、または界面活性剤での処理等により達成される。
本発明の電気泳動法に使用する分離用担体としては、特に限定されるものではなく、通常のキャピラリーゲル電気泳動またはマイクロチップ型ゲル電気泳動等においてタンパク質の分子サイズ分離分析用として使用される、ポリアクリルアミド、ポリアクリルアミドゲル、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、β−シクロデキストリン、α−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン等の分離用担体が挙げられ、また、PCT/JP01/04510記載のβ−1,3グルカン構造を含むカードラン、ラミナランや海藻抽出物等にも適用可能である。分離用担体の添加剤としては、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、Triton X−100、ε−アミノカプロン酸、3−〔(3−コラミドプロピル)−ジメチルアミノ〕−1−プロパン、CHAPS、6〜8M尿素、テトラメチルエチレンジアミン(TEMED)、ヘキシルトリメチルアンモニウムブロマイド(HTAB)、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド(DTAB)等が挙げられる。
泳動用緩衝液としては、例えば、トリス−グリシンバッファー、トリス−ホウ酸バッファー、トリス−塩酸バッファー、トリス−トリシンバッファー、トリス−リン酸二水素ナトリウムバッファー等が挙げられるが、一般にタンパク質の電気泳動用緩衝液として使用される緩衝液や、市販のタンパク質電気泳動用キット中に提供されている緩衝液等も使用することができる。前記泳動用緩衝液は、一般にタンパク質の電気泳動用緩衝液として使用される濃度で使用することができる。
泳動用緩衝液は、前記分離用担体を含有していてもよい。分離用担体を泳動用緩衝液に添加して用いることにより、操作を簡便にすることができ、解析をより高速で行うことができる。
泳動用緩衝液のpHは、適切な電気浸透流およびタンパク質の好適な電気泳動の観点から、2.0〜9.0が好ましく、6.8〜8.6がより好ましい。
試料調製用溶液としては、水、SDS溶液、またはSDS−トリスホウ酸溶液等に2−メルカプトエタノールまたはジチオスレイトールを添加したもの等を使用することができる。ピーク強度の向上、ピーク分離度の向上、検出限界の向上、測定精度の向上の観点から、水が特に好ましい。水としては、超純水、脱イオン水、MilliQ水等、タンパク質の電気泳動に通常使用される水が使用されうるが、MilliQ水が特に好ましい。
また、水を試料調製用溶液として使用する場合、ピーク強度の増強、検出限界の向上の観点から、タンパク質を水溶解させることが好ましい。
試料溶液中のタンパク質の濃度としては特に限定しないが、測定精度の観点から、0.05〜2000ng/μlが好ましく、0.1〜2000ng/μlがより好ましく、0.5〜200ng/μlが特に好ましい。
本発明のチップを用いた電気泳動法が使用されうる好ましい形態としては、キャピラリー電気泳動、マイクロチップ型電気泳動、およびナノチャネル型電気泳動が挙げられる。
キャピラリー電気泳動は、通常、内径が1000μm以下のキャピラリー内に泳動用緩衝液を充填し、一端側に試料を導入した後、両端間に高電圧を印加して被検タンパク質をキャピラリー内で展開させるものである。
キャピラリー電気泳動に使用されるキャピラリーにおいて、内径、外径、全長、有効長は、特に限定されるものではなく、通常使用されるサイズのものが使用されうる。有効長に関して、高速での解析を可能にする観点から、短い有効長のキャピラリーを用いることができる。ここで、キャピラリーの有効長とは、試料注入口から検出部までの距離をいう。
マイクロチップ型電気泳動においては、導入用流路と、該導入用流路に交差する分離用流路とを備え、かつ該導入用流路の一端に試料リザーバーが配置され、該導入用流路の他端にアウトレットが配置されたマイクロチップが用いられる。
マイクロチップ型電気泳動の形態では、本発明の電気泳動法は、具体的には、タンパク質を含む試料を熱変性させることなく、試料リザーバーに試料を供する工程、該試料リザーバー中の試料を分離用流路に導入する工程、および分離用流路において試料を泳動させる工程を含むプロセスにより行なわれる。
試料リザーバーに試料を供する工程は、より具体的には、導入用流路の一端の試料リザーバーと他端のアウトレットに電圧をかけることにより達成される。電圧の強さは装置により異なるが、SV1100(日立電子社製)の場合、50〜800V、通常300Vの電圧がかけられる。これにより試料が導入用流路と分離用流路の交差部に供される。
試料リザーバー中の試料を分離用流路に導入する工程は、より具体的には、導入用流路の一端の試料リザーバーとその他端のアウトレットにスクイージング電圧をかけ、余分な試料を試料リザーバーとその他端のアウトレット側に排出する工程および分離用流路のアウトレット側と、その反対側に分離電圧をかける工程が同時に達成される。電圧の強さは装置により適宜選択されるが、例えば、SV1100(日立電子社製)の場合、前者は130V前後、後者は700〜900Vで達成される。一方、PCT/JP01/04510記載の方法も適用可能である。
マイクロチップ型電気泳動においては、マイクロチップの大きさは、例えば、縦10〜120mm、横10〜120mm、厚さ500〜5000μmである。
マイクロチップにおける導入用流路および分離用流路のそれぞれの形状は特に限定されるものではない。なお、前記流路が一枚のチップ上に3〜96本設置された、同時に多流路を解析することができるチップを使用することもできる。多流路の並べ方は、並行、放射線状、円形状等があるが、その形状は特に限定されるものではない。
前記マイクロチップの分離流路の幅、深さは、マイクロチップの大きさ、使用目的などにより適宜設定されうる。具体的には、マイクロ流路の幅は、十分な解析感度を得る観点から、0.1μm以上、好ましくは10μm以上であり、十分な解析精度を得る観点から、1000μm以下、好ましくは500μm以下であることが望ましい。また、前記マイクロ流路の深さは、マイクロチップの大きさ、使用目的などにより適宜設定されうる。具体的には、十分な解析感度を得る観点から、0.1μm以上、好ましくは10μm以上であり、十分な解析精度を得る観点から、1000μm以下、好ましくは500μm以下であることが望ましい。さらに、前記分離用流路の長さは、マイクロチップの大きさ、解析対象の化合物に応じて適宜選択することができるが、有効長を、より長くすることが望ましい。有効長は、流路交差部から、高分子化合物の検出点(分離用流路上に配置)までの距離をいう。十分な分離能を得る観点から、0.1mm以上、好ましくは10mm以上であり、高速分離の観点から、100mm以下、好ましくは50mm以下であることが望ましい。
また、前記リザーバーの大きさは、試料の容量に応じて適宜設定することができる。具体的には、試料導入のハンドリングおよび電極の太さの観点から、直径0.05mm以上、好ましくは4mm以下であることが望ましい。
マイクロチップ型電気泳動における泳動電場は、良好な分離能を得、移動時間を短縮する観点から、20V/cm〜50kV/cmであり、好ましくは、50V/cm〜20kV/cmであり、より好ましくは100V/cm〜10kV/cmであることが望ましい。
ナノチャネル型電気泳動とは、ナノメーターサイズ、1nm〜1μm、好ましくは10〜500nm、より好ましくは50〜100nmの流路幅からなる流路が形成されたチップを用いて行なわれる電気泳動をいう。これには上記記載のナノサイズの構造体がマイクロメーターサイズの流路に形成されているものを含む。ナノサイズの構造体の形状は、特に限定されることなく、例えば、四角、丸、三角等のものが使用され得、構造体の設置間隔も特に限定されない。これらが形成されたナノチャネルチップが用いられる。キャピラリー電気泳動の場合と同様に同時に多流路解析可能なチップも含まれる。
ナノチャネル型電気泳動における流路は、サイズがナノメーターという特徴をもつ流路の形状が曲率を曲げたもの、蛇行状、ジグザグ状またはそれらの組み合わせ等、様々な設計が可能である。このことにより、微小スケール内に多くの流路を形成できる。また、このことにより一度に多数のサンプルを処理することができ、ハイスループット化が可能である。またナノサイズの構造体がマイクロメーターサイズの流路に形成される場合、その形状を自在に変えることができ、その設置間隔も自在に変えられるという利点をもつ。同時に多流路の測定が可能である。
ナノチャネル型電気泳動においてもマイクロチップ型電気泳動と同様に導入用流路、該導入用流路に交差する分離用流路、該導入用流路の一端に試料リザーバー、該導入用流路の他端にアウトレットが配置されたものを含むが、形状は特に限定されるものではない。
ナノチャネル型電気泳動におけるナノチャネルチップの大きさはマイクロチップと同様のものが適用される。例えば縦10〜120mm、横10〜120mm、厚さ500〜5000μmである。ナノチャネルチップの流路の深さ、流路の長さ、リザーバーの大きさ等はマイクロチップに準ずる。
電気泳動に供したタンパク質の検出法としては、例えば、UV波長光による吸収、蛍光、レーザー、ランプ、LEDなどによる検出、電気化学的検出、化学発光検出などが挙げられる。具体的には、タンパク質またはペプチドの場合、200nmにおける吸収を測定すること、SYPRO Orangeとタンパク質またはペプチドとを反応させ、460〜550nmで励起させ、550〜650nmで蛍光を測定すること、タンパク質と蛍光マーカー(AgilentTechnologies No.5065−4430)と反応させ、630〜650nmで励起させ、670〜700nmで蛍光を測定すること、またはタンパク質と蛍光マーカー(Molecular Probes Alexa633)と反応させ、550〜650nmで励起させ、640〜700nmで蛍光を測定することにより、あるいは電気化学的測定、化学発光測定などにより、タンパク質またはペプチドを検出することができる。
キャピラリー電気泳動においては、例えば、キャピラリーのアウトレットに、UV波長光を発しうる装置と該UV波長光の検出器とを設置してもよく、あるいは蛍光波長を発しうる装置と該蛍光波長を検出可能な検出器とを設置してもよい。
マイクロチップ型電気泳動においては、例えば、分離用流路上に配置された検出点にUV波長光の検出器を設置してもよく、あるいは、蛍光波長を発しうる装置と該蛍光波長を検出可能な検出器とを設置してもよい。また同時に多流路を検出可能である。
ナノチャネル型電気泳動においては、マイクロチップ型電気泳動の場合と同じ検出器、検出方法が適用される。さらにナノチャネル型電気泳動においては、同時多流路検出の際、マイクロチップ型電気泳動の場合よりも多数のサンプルを同時に検出可能である。
検出の際、タンパク質、ペプチド、アミノ酸などの同定を行う場合には、UV吸収、分子量マーカー、標品との移動時間の比較、マススペクトルの解析などにより行うことができる。
本発明のタンパク質処理チップは泳動部分だけでなく無細胞系でのタンパク質産生、精製、染色される部分があってもよい。
本発明のタンパク質処理チップは、基材となる樹脂に黒色物質が含有されまたはコーティングされていても良い。ここでいう黒色とは、可視光(波長が400nmから800nm)範囲において、黒色部分の分光反射率が特定のスペクトルパターン(特定のピークなど)を持たず、一様に低い値であり、かつ、黒色部分の分光透過率も、特定のスペクトルパターンを持たず、一様に低い値であることをいう。
この分光反射率、分光透過率の値としては、可視光(波長が400nmから800nm)の範囲の分光反射率が7%以下であり、同波長範囲での分光透過率が2%以下であることが好ましい。なお、ここでいう分光反射率は、JIS Z 8722 条件Cに適合した、照明・受光光学系で、基材からの正反射光を取り込んだ場合の分光反射率をいう。
黒色にする手段としては、基材、絶縁材料に黒色物質を含有させることにより達成しうる。この黒色物質は、光を反射したり透過し難いものであれば特に制限はないが、好ましいものを挙げると、カーボンブラック、グラファイト、チタンブラック、アニリンブラック、またはRu、Mn、Ni、Cr、Fe、Coおよび/もしくはCuの酸化物、またはSi、Ti、Ta、Zrおよび/もしくはCrの炭化物などの黒色物質が使用できる。
これらの黒色物質は単独で含有させる他、2種類以上を混合して含有させることもできる。例えば、基材、絶縁材料がポリエチレンテレフタレート、酢酸セルロース、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、シリコーン樹脂などのポリマーの場合は、この中の黒色物質の中でも、カーボンブラック、グラファイト、チタンブラック、アニリンブラックを好ましく含有させることができ、特にカーボンブラックを好ましく用いることができる。ガラス、セラミックの無機材料の場合は、Ru、Mn、Ni、Cr、Fe、Coおよび/またはCuの酸化物、Si、Ti、Ta、Zrおよび/またはCrの炭化物を好ましく含有させることができる。
本発明における泳動とは被験物質がマイクロ流路中を圧力、濃度、電場、磁場の差、あるいは勾配を利用する方法、表面力を利用する方法、慣性力を利用する方法およびこれらの組み合わせにより移動させる方法のことをいう。この方法により、被験物質を分子量、アフィニティー、電気的特性などタンパク質の性質を解析することができる。
本発明における電気浸透流とは、マイクロ流路壁が電荷のある物質、例えばドデシル硫酸ナトリウムなどにより帯電したとき、壁面近くで電気的中性を保とうとするため、溶液中の反対符号のイオン、例えばナトリウムイオンなどが壁面近くに集まり電気二重層を形成するが、このとき、マイクロ流路に電荷を加えると、流路中のイオンが電気二重層のイオンと反発して生じる流れのことをいう。本発明の親水性高分子をマイクロ流路壁面に共有結合させることにより、マイクロ流路内の電気浸透流を抑制し、マイクロ流路内で電気泳動を行うことができる。
本発明のタンパク質処理チップには、人の疾患の診断に用いる臨床検体である喀痰、唾液、尿、便、精液、血液、組織、臓器もしくは、その他の体液、またはこれらの体液の分画、微生物汚染の検査に用いる食品、飲料水、土壌、排水、河川水、海水、ふき取り液、ふき取り綿を被験材料として用いることができる。また、菌体の培養液や、固形培地上に培養された菌体(コロニー)を使用することができる。
実施例
本発明を以下の実施例により更に具体的に説明するが本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
大きさ20×60mm、厚さ0.2mmのポリメチルメタクリレートの基板を分子量500000、2000ppmのポリエチレングリコール水溶液に浸漬した。浸漬したポリメチルメタクリレート板を密封し、2.5kGyのガンマ線を照射し、グラフト化した。ガンマ線を照射した基板を乾燥し、透光部に穴を開けた蛍光プレートに貼付した。貼付した蛍光プレートに10μg/mlに希釈したFITC標識BSAタンパクおよびIgGタンパクの水溶液を室温で10分間固層化し、溶液を除去後リン酸緩衝液(PBS)で洗浄し蛍光強度を測った。
比較例1
大きさ20×60mm、厚さ0.2mmのポリメチルメタクリレートの基板にガンマ線を照射せず透光部に穴を開けた蛍光プレートに貼付し、10μg/mlに希釈したFITC標識BSAタンパクおよびIgGタンパクの水溶液を室温で10分間固層化し、溶液を除去後リン酸緩衝液で洗浄したものを比較例1とした。
参考例
大きさ20×60mm、厚さ0.2mmのポリメチルメタクリレートの基板にガンマ線を照射せず透光部に穴を開けた蛍光プレートに貼付し、1mg/mlのウシ血清アルブミン(BSA)リン酸緩衝溶液を室温で1時間固層化しリン酸緩衝溶液で洗浄後10μg/mlに希釈したFITC標識BSAタンパクおよびIgGタンパクの水溶液を室温で10分間固層化し、溶液を除去後リン酸緩衝液で洗浄したものを参考例とした。この参考例は、親水性高分子をコーティングする方法であり、親水性高分子が剥離するためにラボオンチップとしては実用的でないが、タンパク質の吸着を抑制できる既存の方法として本発明と比較した。
実施例1、比較例1、参考例においてチップ中に残留したタンパク質を測定した結果を表1に示す。表の数値は蛍光強度であり、数値が小さいほどタンパク質の吸着が少ないことを示す。
樹脂基板にポリエチレングリコールをガンマ線で共有結合させた実施例1では、ガンマ線で共有結合処理をしていない比較例1に比べてタンパク質の吸着が1/4〜1/6に抑えられた。この結果から、本発明は、参考例とした既存の方法と同程度のタンパク質の吸着抑制効果があることが確認できた。
Figure 2005103670
これらの材料を流路径0.04×0.1mm、長さ10cmのマイクロ流路に加工し、タンパク質を通過させたときのタンパク質の回収率を表2に示す。表の数値が大きいほどタンパク質の吸着が抑制され、回収量が向上したことを示す。
樹脂基板にポリエチレングリコールをガンマ線で共有結合させた実施例1では、ガンマ線で共有結合処理をしていない比較例1に比べてタンパク質のマイクロ流路内での蛍光標識BSAタンパク質の回収率が約20%、蛍光標識IgGタンパク質の回収率が約30%向上した。
Figure 2005103670
実施例2
幅100μm×深さ60μm×長さ50cmのマイクロ流路を持つポリメタクリレート基板のマイクロ流路中に分子量500000、2000ppmのポリエチレングリコール水溶液を充填し、2.5kGyのガンマ線を照射し、グラフト化した。照射後、マイクロ流路中のポリエチレングリコール水溶液を取り出し、精製水で洗浄した。大腸菌由来の無細胞タンパク質合成反応駅をマイクロ流路に注入後、30℃で1時間放置し、クロラムフェニコールの3’−水酸基にアセチルCoAからアセチル基を転移する分子量26000の酵素であるChloramphenicol Acetyltransferase(CAT)を合成した。マイクロ流路中で合成されたCATタンパク質を回収し、ELISA法で定量したものを実施例2とした。
比較例2
幅100μm×深さ60μm×長さ50cmのマイクロ流路を持つポリメタクリレート基板のマイクロ流路を精製水で洗浄した。大腸菌由来の無細胞タンパク質合成反応液をマイクロ流路に注入後、30℃で1時間放置し、CATタンパク質を合成した。マイクロ流路中で合成されたCATタンパク質を回収し、ELISA法で定量したものを比較例2とした。
実施例2、比較例2で合成されたタンパク質の量を比較した結果を表3に示す。
樹脂基板にポリエチレングリコールをガンマ線で共有結合させた実施例2では、ガンマ線で共有結合処理をしていない比較例2に比べて、タンパク質の合成量は約2倍になった。
Figure 2005103670
以下の実施例3、参考例3、実施例4〜7で用いた、ポリメチルメタクリレートを原料とし直径100μmのマイクロ流路を有するタンパク質電気泳動用チップの模式図を図1に示す。
実施例3
ポリメチルメタクリレートを原料とし直径100μmの流路を有する電気泳動用チップを分子量500000、2000ppmのポリエチレングリコール水溶液に浸漬した。浸漬した電気泳動用チップを密封し、2.5kGyのガンマ線を照射し、グラフト化した。流路内のポリエチレングリコールを除去し、5%ポリアクリルアミド(分子量60万〜100万)0.1MTris−Aspartic Acid(pH8)溶液を充填し図3のA、B、Cの部分に5%ポリアクリルアミド(分子量60万〜100万)0.1MTris−Aspartic Acid(pH8)溶液を入れ、Dの部分に蛍光標識トリプシンインヒビターおよび蛍光標識BSAの1%SDSを含む0.05MTris−HCl(pH8)溶液を入れた。ポリアクリルアミド、タンパク質溶液を充填した電気泳動用チップのA、B、C、Dの部分に電極を差し、Bに350Vの電圧を1分間加えた。その後Cに500V、B、Dに150Vの電圧を加え泳動を行ったものを実施例3とした。
比較例3
ポリメチルメタクリレートを原料とし直径100μmの流路を有する電気泳動用チップに5%ポリアクリルアミド(分子量60万〜100万)0.1MTris−Aspartic Acid(pH8)溶液を充填し図3のA、B、Cの部分に5%ポリアクリルアミド(分子量60万〜100万)0.1MTris−Aspartic Acid(pH8)溶液を入れ、Dの部分に蛍光標識トリプシンインヒビターおよび蛍光標識BSAの1%SDSを含む0.05MTris−HCl(pH8)溶液を入れた。ポリアクリルアミド、タンパク質溶液を充填した電気泳動用チップのA、B、C、Dの部分に電極を差し、Bに350Vの電圧を1分間加えた。その後Cに500V、B、Dに150Vの電圧を加え泳動を行ったものを比較例3とした。
実施例3、比較例3で泳動されたタンパク質を観察した結果を図2、3に示す。樹脂基板にポリエチレングリコールをガンマ線で処理していない比較例3ではタンパク質が泳動されなかったのに対し(図2)、ガンマ線で共有結合させた実施例2ではタンパク質がバンドとなって検出され、分離・泳動されているのが確認できた(図3)。
実施例4
ポリメチルメタクリレートを原料とし直径100μmの流路を有する電気泳動用チップを分子量500000、2000ppmのポリエチレングリコール水溶液に浸漬した。浸漬した電気泳動用チップを密封し、2.5kGyガンマ線を照射し、グラフト化した。流路内のポリエチレングリコールを除去し、10規定の塩酸で流路を洗浄した。洗浄後、5%ポリアクリルアミド(分子量60万〜100万)0.1MTris−Aspartic Acid(pH8)溶液を充填し図3のA、B、Cの部分に5%ポリアクリルアミド(分子量60万〜100万)0.1MTris−Aspartic Acid(pH8)溶液を入れ、Dの部分に蛍光標識トリプシンインヒビターおよび蛍光標識BSAの1%SDSを含む0.05MTris−HCl(pH8)溶液を入れた。ポリアクリルアミド、タンパク質溶液を充填した電気泳動用チップのA、B、C、Dの部分に電極を差し、Bに350Vの電圧を1分間加えた。その後Cに500V、B、Dに150Vの電圧を加え泳動を行ったものを実施例4とした。
実施例5
ポリメチルメタクリレートを原料とし直径100μmの流路を有する電気泳動用チップを分子量500000、2000ppmのポリエチレングリコール水溶液に浸漬した。浸漬した電気泳動用チップを密封し、2.5kGyのガンマ線を照射し、グラフト化した。流路内のポリエチレングリコールを除去し、10規定の水酸化ナトリウム水溶液で流路を洗浄した。洗浄後、5%ポリアクリルアミド(分子量60万〜100万)0.1MTris−Aspartic Acid(pH8)溶液を充填し図3のA、B、Cの部分に5%ポリアクリルアミド(分子量60万〜100万)0.1MTris−Aspartic Acid(pH8)溶液を入れ、Dの部分に蛍光標識トリプシンインヒビターおよび蛍光標識BSAの1%SDSを含む0.05MTris−HCl(pH8)溶液を入れた。ポリアクリルアミド、タンパク質溶液を充填した電気泳動用チップのA、B、C、Dの部分に電極を差し、Bに350Vの電圧を1分間加えた。その後Cに500V、B、Dに150Vの電圧を加え泳動を行ったものを実施例5とした。
実施例4、実施例5で泳動されたタンパク質を観察した。結果を図4、5に示す。流路を強酸、強塩基で洗浄しても、樹脂基板にポリエチレングリコールをガンマ線で共有結合させたチップにおいてはタンパク質が分離・泳動されているのが確認できた。
実施例6
ポリメチルメタクリレートを原料とし直径100μmの流路を有する電気泳動用チップを分子量500000、2000ppmのポリエチレングリコール水溶液に浸漬した。浸漬した電気泳動用チップを密封し、5.0kGyのガンマ線を照射し、グラフト化した。流路内のポリエチレングリコールを除去し、10規定の水酸化ナトリウム水溶液で流路を洗浄した。洗浄後、5%ポリアクリルアミド(分子量60万〜100万)0.1MTris−Aspartic Acid(pH8)溶液を充填し図3のA、B、Cの部分に5%ポリアクリルアミド(分子量60万〜100万)0.1MTris−Aspartic Acid(pH8)溶液を入れ、Dの部分に蛍光標識トリプシンインヒビターおよび蛍光標識BSAの1%SDSを含む0.05MTris−HCl(pH8)溶液を入れた。ポリアクリルアミド、タンパク質溶液を充填した電気泳動用チップのA、B、C、Dの部分に電極を差し、Bに350Vの電圧を1分間加えた。その後Cに500V、B、Dに150Vの電圧を加え泳動を行ったものを実施例6とした。
実施例7
ポリメチルメタクリレートを原料とし直径100μmの流路を有する電気泳動用チップを分子量500000、2000ppmのポリエチレングリコール水溶液に浸漬した。浸漬した電気泳動用チップを密封し、10.0kGyのガンマ線を照射し、グラフト化した。流路内のポリエチレングリコールを除去し、10規定の水酸化ナトリウム水溶液で流路を洗浄した。洗浄後、5%ポリアクリルアミド(分子量60万〜100万)0.1MTris−Aspartic Acid(pH8)溶液を充填し図3のA、B、Cの部分に5%ポリアクリルアミド(分子量60万〜100万)0.1MTris−Aspartic Acid(pH8)溶液を入れ、Dの部分に蛍光標識トリプシンインヒビターおよび蛍光標識BSAの1%SDSを含む0.05MTris−HCl(pH8)溶液を入れた。ポリアクリルアミド、タンパク質溶液を充填した電気泳動用チップのA、B、C、Dの部分に電極を差し、Bに350Vの電圧を1分間加えた。その後Cに500V、B、Dに150Vの電圧を加え泳動を行ったものを実施例7とした。
実施例6、実施例7で泳動されたタンパク質を観察した。結果を図6、7に示す。ガンマ線の照射量が5kGy、10kGyにおいて樹脂基板の黄変による被験試料検出への影響がなくタンパク質を検出することができた。
本発明により、基材表面へのタンパク質の吸着がなく、耐洗浄効果があって長時間使用可能なラボオンチップ用基板を提供できる。検出ノイズが低減されることから、微量かつ精度の高いタンパク質の分析が可能となり、マイクロ流路を有するポリマー製のタンパク質電気泳動用チップを提供できる。

Claims (11)

  1. ケイ素の含有率が重量比で10%以下である樹脂を基材とし、その表面に親水性高分子が共有結合したラボオンチップ用基板。
  2. 基材の表面に親水性高分子を高エネルギー線で共有結合させた請求項1記載のラボオンチップ用基板。
  3. 高エネルギー線がガンマ線である請求項1記載のラボオンチップ用基板。
  4. ガンマ線の吸収エネルギーが10kGy以下であることを特徴とする請求項3に記載のラボオンチップ用基板。
  5. 親水性高分子がポリアルキレングリコールである請求項1に記載のラボオンチップ用基板。
  6. ポリスルホン系樹脂、ポリメタクリル酸系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアクリロニトリルから選ばれる少なくとも一種の樹脂を基材とする請求項1に記載のラボオンチップ用基板。
  7. タンパク質処理チップである請求項1記載のラボオンチップ用基板。
  8. タンパク質処理チップの流路のみにポリアルキレングリコールを高エネルギー線で共有結合させた請求項7記載のタンパク質処理チップ。
  9. タンパク質泳動用である請求項7に記載のタンパク質処理チップ。
  10. タンパク質電気泳動用である請求項7記載のタンパク質処理チップ。
  11. 上記電気泳動において電気浸透流を抑えることを特徴とする請求項7記載のタンパク質処理チップ。
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