JP2003334056A - タンパク質合成チップおよび膜が設けられたマイクロチップ - Google Patents

タンパク質合成チップおよび膜が設けられたマイクロチップ

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JP2003334056A
JP2003334056A JP2002312271A JP2002312271A JP2003334056A JP 2003334056 A JP2003334056 A JP 2003334056A JP 2002312271 A JP2002312271 A JP 2002312271A JP 2002312271 A JP2002312271 A JP 2002312271A JP 2003334056 A JP2003334056 A JP 2003334056A
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protein synthesis
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tank
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Kunihisa Nagino
邦久 薙野
Hitoshi Nobumasa
均 信正
Masafumi Hikasa
雅史 日笠
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Abstract

(57)【要約】 【課題】一枚のチップ上で、無細胞系タンパク質合成か
ら検出までを微量の検体・試薬で高速に行えるタンパク
質合成チップを提供すること。また、分子サイズでの分
離分画能を有することを特徴とするマイクロチップを提
供すること。 【解決手段】無細胞系タンパク質合成を行う合成チップ
であって、基板上にタンパク質合成槽、タンパク質検出
部が形成されており、該合成槽と、該検出部が試料搬送
用の流路で結ばれていることを特徴とするタンパク質合
成チップ、および、基板上に流体が流れる流路および/
または反応槽が設けられているマイクロチップであっ
て、かつ、マイクロチップ上に膜が形成されていること
を特徴とするマイクロチップ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一つのマイクロチ
ップ上に分子サイズでの分離分画能を有するマイクロチ
ップ、および、無細胞系タンパク質合成により、タンパ
ク質を合成し、合成されたタンパク質の検出までを行
う、タンパク質合成、検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】遺伝子解析研究は、塩基配列解析にとど
まらず、本来、遺伝子の機能を解明することがその目的
であり、その遺伝子の機能は、遺伝子が転写・翻訳さ
れ、タンパク質になって初めて発揮されることから、タ
ンパク質に焦点を当てた知的基盤の早期準備が重要であ
る。
【0003】タンパク質はゲノムと異なり、増幅不可能
である。また、構造の差異による多様な性質を持つ。従
って、非常に多くのタンパク質発現系をコントロールし
て生成し、構造解析、機能解析に結びつけることが必要
になる。
【0004】特に、遺伝子によりコードされたタンパク
質の構造・機能を解析し、その情報を得ることは、薬物
と標的分子の立体構造に基づく医薬品の開発において、
非常に重要である。例えば、多くの疾患に関連する転写
調節因子のタンパク質群を研究することは、生活習慣病
のメカニズムを解明する上で、さらに、このタンパク質
自身が、バイオ医薬品になり得るものとして非常に重要
である。
【0005】このようなタンパク質の構造および機能を
他国に先駆け解析するためには、遺伝子でコードされた
高純度のタンパク質の合成条件をいち早く見出すことが
ポイントとなる。
【0006】一般に、タンパク質合成にはDNAを生き
た細胞内に導入し、タンパク質を発現する方法が広く用
いられている。この方法では、発現産物に細胞毒性があ
る場合に収量が低下したり、細胞内で発現産物が分解す
るなどの問題がある。また、このようなトランスジェニ
ック動物を用いる場合、動物由来の病原因子の混入が問
題となり、このロジックに大きな転換を迫られることが
懸念される。今、我が国でも狂牛病問題により、牛由来
原材料を医薬品、化粧品等の素材に使用しない方向へ、
国の指導が行われている。
【0007】一方、無細胞系の人工タンパク質合成は、
これらの問題を回避できる手法である上に、生細胞中で
は生産できないタンパク質を合成できる可能性も有して
いる。さらに、多くの種類の遺伝子をスクリーニングす
るとき、生細胞系では、遺伝子に合わせて培養条件を変
える等の工夫が必要となるが、無細胞系では標準的な条
件の周辺でタンパク質合成の成功率が高いため、種々の
タンパク質を合成してその構造・機能を解析する目的に
対し、非常に有力な手段である。
【0008】無細胞系でタンパク質を合成するために
は、アレクサンダー・スピリンが開発した連続式無細胞
合成系がベースとなる(例えば非特許文献1、非特許文
献2参照)。この系では、膜技術を用いることにより、
連続的に翻訳反応が持続でき、膜技術を用いない場合に
比べ、収量が大幅に向上されている。さらに、愛媛大遠
藤や理研横山等による研究で、無細胞系で再現性よく、
高収量のタンパク質合成が可能となっている(例えば特
許文献1、特許文献2参照)。しかし、これらは、いず
れも比較的大きな系で1条件ずつタンパク質合成を試み
るものである。反応には24時間を要し、さらに、準備
する検体・試薬量が多く、生成したタンパク質精製、分
析にも多くの時間を要する。また、無細胞系タンパク質
合成では、標準的な条件の周辺でタンパク質合成の成功
率が高いとはいえ、ある一つの条件ですべてのタンパク
質を効率良く合成することは難しい。すなわち、タンパ
ク質の種類により、反応液組成など各種条件を変更しな
がら、もっともタンパク質収量の多くなる条件を探索し
なければならない。多くの条件の中から、どれがタンパ
ク合成に最適であるかの確認を、一つ一つの条件につい
てサンプル調整、測定をして確認しなければならない。
一種類のタンパク質を合成するために、多くの条件での
検討を行い、さらに各条件での検定では高価な試薬を多
量に用いる。このため、コストが高くなることが問題で
ある。さらには、多大な労力と時間が必要であり、これ
らが無細胞系タンパク質合成の大きなボトルネックとな
っている。
【0009】また、一方で核酸(DNA、mRNA、c
DNA)などの電気泳動を高速化するために、例えば、
ガラス基板上に微細溝(以下マイクロ流路)をつくり、
それをもう一枚の基板と貼り合わせることにより、キャ
ピラリ電気泳動を行う試みがされている。このマイクロ
流路が刻まれた部材は、マイクロチップと呼ばれ、この
ような方法は、マイクロチップ電気泳動法、もしくはマ
イクロキャピラリ電気泳動法と呼ばれ、利便性やコンタ
ミの影響を排除し(マイクロチップを使い捨てにする場
合)、マイクロ流路の利用で、微量な試料で高感度を得
ようというものである。しかし、これらは、上述した核
酸の電気泳動のためのマイクロ流路がチップ上に形成さ
れているというだけものであり、結局は単機能のもので
ある(例えば特許文献3参照)。
【0010】また、マイクチップ上で、例えばタンパク
質合成反応を行った場合、反応の際の複生成物の悪影響
や、反応の原料が枯渇してしまうため、マイクロチップ
上での反応を長時間持続させことが困難であった。ま
た、マイクロチップ上で分子量の大きさにより、試料中
や反応物の分子の分画を行うことも重要であるが、これ
が可能なマイクロチップは提案されていない。
【0011】
【非特許文献1】Science,Vol.242, 1162-1164,1988
【0012】
【非特許文献2】Methods in enzymology, Vol.217,123
-142,1993
【0013】
【特許文献1】特開2000−333673号公報(特
許請求の範囲)
【0014】
【特許文献2】特開2000−175695号公報(特
許請求の範囲)
【0015】
【特許文献3】特開2000−314719号公報(特
許請求の範囲)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点を鑑みて、一枚のチップ上で、無細胞系タンパ
ク質合成から検出までを微量の検体・試薬で高速に行え
るタンパク質合成チップを提供することである。また、
分子サイズでの分離分画能を有するマイクロチップを提
供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、無細胞系タン
パク質合成を行う合成チップであって、基板上にタンパ
ク質合成槽、タンパク質検出部が形成されており、該合
成槽と、該検出部が試料搬送用の流路で結ばれているこ
とを特徴とするタンパク質合成チップである。
【0018】また、基板上に流体が流れる流路および/
または反応槽が設けられているマイクロチップであっ
て、かつ、マイクロチップ上に膜が形成されていること
を特徴とするマイクロチップである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、順を追って説明する。 1.チップ全体の概要 本発明のタンパク質合成チップの概略図を図1に示す。
本発明では、1のタンパク質合成槽と2のタンパク質検
出部分が3のマイクロ流路により結ばれていることが必
要である。タンパク質合成槽で合成されたタンパク質
は、マイクロ流路を通り、タンパク質検出部分に搬送さ
れる。この検出部分で、合成されたタンパク質の量を測
定する。このように、合成から検出までを一つのチップ
上で行うことができるので、時間の短縮、労力の低減、
また、微量の試料・試薬で実験が行えるメリットがあ
る。また、図1のようにタンパク質検出部分とマイクロ
流路でつながれたタンパク質合成槽のセットを2個以上
設けることにより、一つのチップ上で、一度に複数の条
件について、無細胞タンパク質合成系での条件を検討す
ることができる。該セットの数の好ましい範囲は、5個
以上、10000個以下である。一度に、一枚のチップ
上で5個以上の条件が検討できれば、ハイスループット
化という点から好ましい。しかし、10000個以上の
条件を一度に一枚のチップ上で検討しようとすると、チ
ップが大きくなり過ぎるか、タンパク質合成槽の大きさ
が小さくなりすぎ、基板上での形成が困難となることが
ある。より好ましい範囲としては、10個以上500個
以下である。
【0020】2.基板 マイクロ流路、タンパク質合成、検出部を形成する基板
の材料としては、特に限定されないが、ガラス、樹脂や
シリコンが好ましく用いられる。たとえば、ガラスでは
パイレックス(登録商標)(例えばコーニング社製#7
740)ガラスや石英ガラス、樹脂ではポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポ
リメチルメタクリレート、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリジメチルシロキサン(PDMS)などがある。
【0021】ガラスの場合、マイクロ流路やタンパク質
合成槽を形成する方法としては、ガラス基板上にSi膜
をスパッタにより形成し、その上にフォトレジストをス
ピンコートし、パターニングした後、フォトレジストを
マスクとしてSiF6ガスを用いたRIE(React
ive Ion Etching)でSiをエッチング
し、さらに、パターン化されたレジスト/Si膜を保護
膜としてフッ酸溶液中で基板ガラスのエッチングを行う
という手段を用いることができる。こうすることによ
り、例えば、ガラス基板上深さ50μm程度のマイクロ
流路や合成槽を得ることができる。樹脂の場合は、いわ
ゆる射出成型法を用いることができる。射出成型法に用
いる原盤の作成方法としては、例えば、先に述べた合成
槽やマイクロ流路が形成されたガラス基板上に、電鋳に
よりNiなどの金属板を作製する方法を用いることがで
きる。シリコンの場合は、半導体分野で公知であるRI
Eプロセスなどを用いて、シリコン上にマイクロ流路
や、合成槽、検出部を形成することが可能である。ま
た、いわゆる感光性ペースト法(月刊ディスプレイ,
2,44−47,2000)によりマイクロ流路を設け
ることも有望である。チップの形状は四角、円盤形状な
ど特に限定されるものではない。
【0022】このようにして得られたマイクロ流路、タ
ンパク質合成槽、タンパク質検出部が設けられたガラ
ス、プラスチック平板と、複数個の貫通穴(試料の導入
と排出のため)が設けられている平板とを接着剤や超音
波接合法などにより密着することにより本発明の蛋白質
合成チップ(マイクロチップ)が得られる。なお、タン
パク質を蛍光などの光学的手段で検出する場合があるの
で、基板の材料は透明かつ無蛍光なものであることがよ
り好ましい。
【0023】3.タンパク質合成槽 次にタンパク質合成槽について説明する。タンパク質合
成槽の深さの好ましい範囲は、1μm以上、1000μ
m以下である。また20μm以上がさらに好ましい。1
μmより浅いとタンパク質合成槽内の反応液が少なくな
り、十分なタンパク質が合成できないことがある。10
00μmより深い場合は、基板上にこのように深い合成
槽を設けること自体が困難な場合がある。一方、縦・横
のディメンジョンの好ましい範囲は、10μm以上、5
000μm以下である。また50μm以上がさらに好ま
しい。10μmより小さいと、先に述べたように、合成
槽内の反応液が少なくなり、十分なタンパク質が合成で
きないことがある。また、5000μmより大きいと多
数の合成槽を一枚のチップ上に設けた場合、チップが大
きくなる過ぎるという問題点が生じたりする。このより
好ましい範囲は、200μm以上、2000μm以下で
ある。
【0024】タンパク質合成槽に入れる反応液として
は、公知の大腸菌抽出物やコムギ胚芽抽出物、ウサギ網
赤血球抽出物(抽出液中には、タンパク質合成に必要な
リボソームやアミノアシルtRNA合成酵素、各種可溶性翻
訳因子群がふくまれる)に、緩衝液、タンパク合成の原
料であるアミノ酸、エネルギー源であるATP、GTP
などを加えたものを用いることができる。
【0025】4.膜 マイクロチップ上で積極的に分子量の大きさにより、試
料中の分子(検体や試薬)の分画を行う場合には、マイ
クロチップ上に膜を設けることが必須である。また、マ
イクロチップ上での反応を長時間持続させる場合にも膜
を設けることが特に好ましい。このような膜の材料(性
質)としては、分子サイズでの分離分画能を持ったいわ
ゆる半透膜であることが好ましい。半透膜とは、分子単
位の穴が膜に多くあり、分子量の小さい分子(例えば
水、アミノ酸)は透過するが、分子量の大きい分子(例
えばタンパク質)は透過しないものをいう。このような
半透膜の材料としては、分子量限界1000〜1400
0のものを好ましく用いることができる。その材料とし
ては、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、ポリス
ルフォン、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリ
アクリルニトリルなどが挙げられる。
【0026】例えば、マイクロチップ上で、流した試料
中の分子量の小さい分子のみを回収する場合、マイクロ
流路、もしくは試料のリザーバーに接するように膜を設
ける。そして、マイクロ流路、もしくは試料のリザーバ
ーとは反対側に、膜を介して、低分子回収用のリザーバ
ーを設けることにより達成される。また、反応を長時間
持続させて反応目的物をより多く得るために、このよう
な膜を反応槽に設けることも好ましい。反応が長時間持
続する理由は、膜を介して反応の際の複生成物を反応槽
から取り除いたり、反応の原料を少しずつ供給できるた
めである。
【0027】このような具体例として、図1のように、
タンパク質合成槽(反応槽)内に膜を設けると、合成槽
でのタンパク質の収量が多くなることから好ましい。こ
の場合の、具体的な膜の材料としては、上記に挙げたも
のを好ましく用いることができる。なお、タンパク質合
成槽に膜を設けた場合、図1で説明すると、タンパク質
合成槽の膜より下側(タンパク質検出部分につながる
側)に主として細胞抽出液を入れることになる。その反
対側には、タンパク質の原料であるアミノ酸、ATP、
GTPなどのエネルギー源が入る。これらは、膜を通し
て、実際にタンパク質が合成されている膜の反対側(タ
ンパク質検出部分につながる側)に供給される。この場
合、タンパク質合成槽の膜より下側(図1)でタンパク
質が合成されることになる。また、膜を設ける代わり
に、上記の膜材料からなる中空糸を合成槽内に配置し
て、この中にタンパク質の原料であるアミノ酸、AT
P、GTPなどのエネルギー源を入れるという形態も好
ましく用いることができる。この場合は中空糸の外側で
タンパク質が合成されることになる。また、この逆の設
計も可能である。
【0028】5.マイクロ流路 合成されたタンパク質をタンパク質検出部分に送るため
に、少なくともマイクロ流路はタンパク質合成槽とタン
パク質検出部分をつなぐように配置される。マイクロ流
路の幅、深さは、効率的な搬送を実現できる大きさで、
いずれも1000μm以下が好ましい。検体や試薬の使
用量を減らし、より効率的なチップを設計することか
ら、いずれも数100μm以下が特に好ましい。
【0029】マイクロ流路に合成されたタンパク質を流
したときに、マイクロ流路の表面に合成されたタンパク
質が吸着してしまい、結果的に検出部分に到達するタン
パク質の量が少なくなってしまうという問題が起きるこ
とがある。本発明では、合成されるタンパク質の量が微
量であるので、この問題が非常に大きくなるときがしば
しばある。そのため、マイクロ流路の表面は、タンパク
質の吸着を防ぐような処理がしてあることが好ましい。
その具体的な方法は、高分子や無機材料をマイクロ流路
の表面にコーティングして、マイクロ流路内壁および膜
表面を、基板材料よりも水との親和性が高い物質でコー
ティングしたする。このようにして、タンパク質の吸着
を少なくすればよい。例えば、マイクロ流路表面にポリ
エチレングリコール(PEG)や、2−メタクリロイル
オキシエチルホスホリルコリン(MPC)ポリマーを塗
布したり吸着させたりすることが特に好ましい。ここ
で、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン
(MPC)ポリマーとは、MPCのホモポリマーでも良
いし、MPCと、例えば、(メタ)アクリル酸n−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸
ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アク
リル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メ
タ)アクリル酸トリデシル、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート、(メタ)アクリレート、スチレン、α−メ
チルスチレン、メチル核置換スチレン、クロロ核置換ス
チレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、プロ
ピレン、イソブチレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテ
ル、ジエチルイタコネート、ジ−n−ブチルイタコネー
ト等との共重合体でも良い。その他の方法としては、シ
リコーン樹脂を壁面に塗布することも効果的であり好ま
しい。
【0030】また、このような表面修飾をタンパク質合
成槽や膜表面にも施すことにより、合成されたタンパク
質や、合成に必要な酵素の壁面や膜表面への吸着を防
げ、結果的にタンパク質の収量が上がることもあるので
特に好ましい。
【0031】なお、図1では合成槽と流路部分の幅が違
う場合を示したが、図2に示すように、流路とタンパク
質合成槽の幅、深さが同じでも構わない。本発明では、
形状ではなく、機能の面から、流路、タンパク質合成
槽、検出部分と分けて表現している。
【0032】6.タンパク質検出部分 検出部分では、タンパク質の電気泳動などを用いること
ができる。具体的な方法としては、アガロースゲル電気
泳動、検出部分のマイクロ流路をキャピラリーとして用
いたキャピラリ電気泳動法、等電点電気泳動、SDS−
PAGE、Native−PAGEを使用することがで
きる。本発明で特に好ましく用いられるのは、SDS−
PAGEである。具体的な方法は、タンパク質合成槽か
らマイクロ流路を通り搬送されてきたタンパク質溶液
に、尿素、SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)、2−メ
チルカプトエタノールなどを加えて、タンパク質を立体
構造を破壊して変性させ、されにマイクロ流路でPAG
E(ポリアクリルアミドゲル電気泳動)を行うことで達
成される。
【0033】この検出用電気泳動は、タンパク質合成槽
を有するチップと同一チップ上でのオンチップ電気泳動
法によって行われることが好ましい。こうすることによ
り、一つのチップで合成、検出の両方が行える。また、
オンチップ電気泳動を用いることにより、電気泳動の時
間を短くでき、合成・検出の一連の作業をハイスループ
ット化できる。
【0034】なお、タンパク検出部分7に充填するゲル
の組成であるが、一般的なSDS−PAGEや、二次元
電気泳動の二次元側に用いられるゲル組成であれば問題
ない。ただし、合成ターゲットとするタンパク質の分子
量にあわせアクリルアミド濃度を変えるほうが好まし
い。具体的には、タンパク質の分子量が5万〜10万の
ときはアクリルアミド濃度は7.5%程度、3万〜7万
の時は10%程度、1万〜4万の時は15%程度にすれ
ばより好ましい。また、ゲルに加える緩衝液に、0.0
001から0.001%の範囲のCurdranとLa
minaranを加えることも好ましい。さらに、この
ゲルに低濃度のメチルセルロースを加えることも好まし
い。
【0035】タンパク質にあらかじめ蛍光体などでラベ
リングしておくことにより、タンパク質が移動する時間
と蛍光の強度により、目的のタンパク質の分子量と合成
量を同時に見当を付けることができるので好ましい。蛍
光で検出する場合、検出光源は特に限定されないが、レ
ーザー、発光ダイオード、水銀ランプ、ハロゲンラン
プ、キセノンランプ、メタルハライドランプなどが上げ
られる。とくにレーザー、発光ダイオードは消費電力が
小さく検出装置全体を小さくできることから好ましい。
水銀ランプを用いると、紫外領域から赤外までの波長の
うち、測定に用いたい波長の光をダイクロイックミラー
やバンドパスフィルターなどの組み合わせで容易に変え
ることができるので好ましい。
【0036】なお、上記では、タンパク質にあらかじめ
蛍光体でラベリングした場合について述べたが、無標識
のタンパク質を検出する場合は、熱レンズ顕微鏡または
表面プラズモン共鳴法または圧電素子による微量天秤法
を好ましく用いることができる。
【0037】7.タンパク質合成から検出までの流れ タンパク質の合成から検出までの流れについて図1を用
いて説明する。1の試料導入部には細胞抽出液、タンパ
ク質の鋳型となるcDNA、もしくは、mRNA、また
は、その両方を導入する。さらに、試料導入部2にはA
TP、GTP、アミノ酸などのタンパク合成に必要な原
料を導入する。この二つの溶液をタンパク質合成槽3に
導き、ここで、タンパクの合成を行う。その代表的な条
件は、温度26℃、20時間程度インキュベートすると
いうものである。また、溶液を輸送する方法としては、
外部から気体やメカニカルに圧力を印加する方法(例え
ば、ガラス基板のマイクロ流路が形成された側の上部に
エラストマーの層を設け、エラストマーの層を上部から
物理的に押す方法)、出口側から吸引する方法、圧電素
子などのアクチュエーターを用いた方法、電気浸透流を
用いる方法、落差を利用する方法、毛細管現象を利用す
る方法などが挙げられる。
【0038】次に、このタンパク質合成槽3で合成され
たタンパク質をマイクロ流路4を通して、タンパク質検
出部分のリザーバ5に搬送する。その際、試薬リザーバ
6に入れてある尿素、SDS、2−メチルカプトエタノ
ールなどもタンパク質検出部分のリザーバ5に搬送す
る。このようにして、リザーバ5でタンパク質を変性さ
せ、SDS−PAGEに用いることができるようにす
る。次に、電界印加部分8が陰極、電界印加部分9が陽
極となるように電極棒などを挿入して、直流電圧を印加
すればよい。なお、タンパク質検出部分の7には、ポリ
アクリルアミドゲルがあらかじめ充填されており、この
中をタンパク質が電気泳動する。この時かける直流電圧
の好ましい範囲は、1V以上、2000V以下である。
また100V以上がより好ましい。2000Vより大き
い電圧をかけると、ゲルが発熱し、最悪の場合、ゲルが
焦げてしまうことがあるし、1Vより小さい電圧である
と電気泳動の速度が遅く、検出に時間がかかりすぎるこ
とになる。
【0039】また、蛋白質合成槽と蛋白質検出部の間
に、検出の感度を上げる目的で、合成された蛋白質を精
製する機能を有する部分が形成されていることが好まし
い。精製の方法としては試料導入部1に導入する各種転
写酵素(タンパク質)に、Hisタグを修飾し、精製機
能を有する部分にNiカラムを形成することにより、得
られた合成タンパク質を精製することが好ましい。
【0040】
【実施例】以下に、実施例に基づき具体的に説明をす
る。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0041】実施例1 1.チップの作製 厚さ1.2mm、直径5インチの合成石英ガラス上に、
スパッタリングによりエッチングマスクとして厚さ15
0nmのSi膜を作製した。この上にフォトレジスト
(東京応化(株)製OFPR5000)をスピナーで3
μmの厚みに塗布した。その後、マスクを介してUV光
をフォトレジストに照射した。そして現像し、露光した
部分のフォトレジストを除去した。次に、現像まで行っ
たガラス基板を真空容器内にいれ、SF6ガスを導入し
リアクティブイオンエッチングを行った。こうして、露
光した部分のSi膜(エッチングマスク)を除去した。
続いてパターニングされたフォトレジストとエッチング
マスクの両方をマスクとして、45%フッ酸水溶液にて
室温にてガラスをエッチングした。次に酸素雰囲気下で
プラズマエッチングを行い、フォトレジストを灰化して
フォトレジストを除去した。さらにSF6雰囲気下でリ
アクティブイオンエッチングを行い、エッチング保護膜
であるSi膜を除去した。このようにして、合成石英製
の母基板をえた。この母基板に刻まれたマイクロ流路の
ディメンジョンは、断面が半円状であり、もっとも幅の
広い部分、すなわち溝の一番上の部分は、幅50μmで
あった。深さは50μmであった。また、タンパク質合
成槽、各種試料導入部、リザーバ部の深さもおおむね5
0μmであった。タンパク質合成槽の縦方向、横方向と
も大きさは2mmであった。
【0042】このようにマイクロ流路などが刻まれた石
英ガラスをタンパク質合成チップとして用いることもで
きるが、本実施例では、この石英ガラスを母基板とし、
タンパク質合成チップの射出成形法のための型を作製し
た。こうすることにより、低コストで大量生産可能であ
る。
【0043】この母基板上にスパッタリングにて厚さ1
00nmのNiを作製し導通処理した。このNi導電膜
を電極としてNiを120分間電鋳めっきし、0.4m
m厚のNi板を作製した。次に、Ni板を母基板から剥
離し金属板に裏打ちした。これを直径80mm、厚み1
mmのキャビティーをもつ金型にセットし、成形材料と
してPMMA樹脂(ポリメチルメタクリレート)を用
い、成形装置として75トン射出成形機を使用して、シ
リンダ温度360℃、金型温度130℃にて厚さ1mm
の平板を成形した。
【0044】得られた平板(チップ)には、表面に母基
板と同じ形状のマイクロ流路やタンパク質合成槽が形成
されていた。
【0045】この、射出成形されたチップを、PEG6
000水溶液(1000ppmの濃度で純水にとかした
もの)に室温で30分つけ込み、PMMAの表面にPE
Gを吸着させ、乾燥し、タンパク質がマイクロ流路など
の壁面に吸着しがたいように処理した。
【0046】次に、タンパク質合成槽に相当する部分の
中央に、Dispo/Dialyzer CE(分子量
限界10000、Spectrum社製)から、切り取
った膜を顕微鏡下で注意深く接着剤で固定した。
【0047】さらに、試料導入部、電界印加部部分、試
薬リザーバに試料・試薬導入、電極挿入ができる穴をあ
けたPMMA製の平板と超音波接合法で貼り合わせた。
なお、この平板もあらかじめPEGの水溶液に浸してタ
ンパク質吸着防止処理をしている。
【0048】次に、電界印加部分9(陽極側)から、ア
クリルアミド溶液(アクリルアミド29.2g、N,
N’−メチレンビスアクリルアミド0.8gを蒸留水に
溶かして全量100mlにしたもの)2670μl、純
水:3180μl、1.5Mトリス−塩酸緩衝液(pH
8.8):2000μl、10%SDS:80μl、
N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン:
6μl、10%過硫酸アンモニウム:60μlを混合し
たものを入れて、タンパク質検出がゲルで浸されるよう
にした。また、電界印加部分8からアクリルアミド溶液
を導入し、リザーバ5手前までゲルで浸されるようにし
た。さらに、ゲルを固化した。このようにして、電気泳
動部材を得た。
【0049】2.タンパク質合成試料の調整 PROTEIOS Plasmid set(東洋紡
(株)製)の内、pEU−3N II プラスミドに公知の
方法で、モデルタンパク質であるGFP(Green
Flurescent Protein)の遺伝子を組
み込み、これをベクターとして用いた。このプラスミド
を大腸菌に組み込み、大腸菌のコロニーを作った後、こ
のコロニーをピックアップし、公知のフェノール抽出、
エタノール沈殿を組み合わせ、プラスミドを取り出し、
精製した。このプラスミドから、PROTEIOS(東
洋紡(株)製)添付の取扱説明書の操作によりGFRの
mRNAを合成、精製した。
【0050】次に、PROTEIOS添付の取扱説明書
通りの操作を行い、主として細胞抽出液などとGFPの
mRNAが入った溶液1を得た。さらに、PROTEI
OS添付のバッファー#1を1.07ml、バッファー
#2を1.25ml混合し、超純水で10mlにメスア
ップした溶液2を得た。溶液2の中には、主としてタン
パク質の材料となるアミノ酸、合成のエネルギー源であ
るATP、GTPなどが含まれている。
【0051】3.タンパク質の合成および検出 ここからは、図1に従って説明する。上記で得られた溶
液1を試料導入部1へ0.7μl入れ、溶液2を試料導
入部2へ1.5μl入れた。これらを空気圧により、タ
ンパク質合成槽3へ搬送した。これを温度26℃で20
時間インキュベートしGFPを合成した。GFPタンパ
ク質が合成されているかどうかを蛍光顕微鏡下で事前に
確認したところ、GFP特有の蛍光が観察され、GFP
タンパク質が合成できていることを確認した。次に、試
薬リザーバ6に、尿素14.3g、Nonidet P
−40 0.5g、2−メチルカプトエタノール:1.
3gを純水にとかし、全量を25mlとしたもののう
ち、500μlと蛍光体Cy5(アマシャムファルマシ
ア社製)1mg混合した(この試薬は、あらかじめ用意
しておいた)。さらに、この内2μlを試薬リザーバ6
に入れた。そして、試料導入部1と、試薬リザーバ6に
同時に空気圧をかけて、タンパク質合成槽3内の溶液
と、試薬リザーバにある試薬をリザーバ5へ導入しタン
パク質を変性させると同時に、タンパク質にCy5をラ
ベリングした。
【0052】そして、電界印加部8へ陽極、電界印加部
9に陰極となる白金線をそれぞれ突き刺して、この間に
500Vの電界をかけタンパク質のSDS−PAGEを
行った。
【0053】このSDS−PAGEにおける検出は以下
のように行った。すなわち、波長635nmの半導体レ
ーザーを蛋白検出部分7の一カ所に集光するようにし、
さらに、Cy5用のフィルターセット(ダイクロイック
ミラー、バンドパスフィルター)を用い、検出器として
はフォトマルチプライヤーを用いた。そして、電圧を印
加してからの時間と蛍光の強度の関数としてタンパク質
の分子量でのふるい分けをおこなった。
【0054】その結果、電界を印加してから40秒(2
7KDaに相当する)後に強い蛍光が観察された。GF
Pの分子量は、27KDaであるので、本チップで合成
されたタンパク質が検出可能であると確認できた。ま
た、タンパク合成後から、チップの調整検出まではおよ
そ20分で完了した。
【0055】以上により、微量のサンプル・試薬で無細
胞系タンパク質合成が可能であり、さらに高速で合成さ
れたタンパク質の確認ができることが分かった。このチ
ップを用いることにより、タンパク質の最適合成条件
(反応槽のpH、cDNAやmRNAの濃度など)を高
速に求めることが可能である。
【0056】実施例2 1.チップの作製 厚さ1.2mm、直径5インチの合成石英ガラス上に、
スパッタリングによりエッチングマスクとして厚さ15
0nmのSi膜を作製した。この上にフォトレジスト
(東京応化(株)製OFPR5000)をスピナーで3
μmの厚みに塗布した。その後、マスクを介してUV光
をフォトレジストに照射した。そして現像し、露光した
部分のフォトレジストを除去した。次に、現像まで行っ
たガラス基板を真空容器内にいれ、SF6ガスを導入し
リアクティブイオンエッチングを行った。こうして、露
光した部分のSi膜(エッチングマスク)を除去した。
続いてパターニングされたフォトレジストとエッチング
マスクの両方をマスクとして、45%フッ酸水溶液にて
室温にてガラスをエッチングした。次に酸素雰囲気下で
プラズマエッチングを行い、フォトレジストを灰化して
フォトレジストを除去した。さらにSF6雰囲気下でリ
アクティブイオンエッチングを行い、エッチング保護膜
であるSi膜を除去した。このようにして、合成石英製
の母基板をえた。この母基板に刻まれたマイクロ流路の
ディメンジョンは、溝形状であって断面が左側に9時か
ら6時方向の4分円、右側に6時から3時方向の4分円
を伴った平滑な底面であり、もっとも幅の広い部分、す
なわち溝の一番上の部分は、幅100μmであった。底
面の平滑な部分の幅はフォトマスクの線幅とほぼ等しく
深さは25μmであった。また、タンパク質合成槽、各
種試料導入部、リザーバ部の深さもおおむね25μmで
あった。タンパク質合成槽の縦方向、横方向とも大きさ
は2mmであった。
【0057】実施例1と同様に、このガラス基板を母基
板として、射出成型法のための型を作製し、実施例1と
同様にPMMA性のチップを作製した。
【0058】得られた平板(チップ)には、表面に母基
板と同じ形状のマイクロ流路やタンパク質合成槽が形成
されていた。
【0059】次いで、このチップを2−メタクリロイル
オキシエチルホスホリルコリン(MPC)とメタクリル
酸n−ブチル(BMA)の共重合体(MPCとBMAの
モル組成比が0.4:0.6、分子量30000)をP
BS(NaClを8g、Na 2HPO4・12H2Oを
2.9g、KClを0.2g、KH2PO4を0.2g純
水に溶かし1lにメスアップしたもの)に0.005重
量%加えた溶液に漬け込み乾燥した。このようにして、
PMMAの表面にMPCとBMPの共重合体を吸着さ
せ、タンパク質がマイクロ流路などの壁面に吸着しがた
いように処理した。
【0060】次に、タンパク質合成槽に相当する部分の
中央に、Dispo/Dialyzer CE(分子量
限界10000、Spectrum社製)から、切り取
った膜を顕微鏡下で注意深く接着剤で固定した。
【0061】さらに、試料導入部、電界印加部部分、試
薬リザーバに試料・試薬導入、電極挿入ができる穴をあ
けたPMMA製の平板と超音波接合法で貼り合わせた。
なお、この平板もあらかじめMPCとBMAの共重合体
のPBS溶液に浸してタンパク質吸着防止処理をしてい
る。その他の処理(ゲル、試薬の調整など)は、実施例
1と同様に行った。
【0062】2.タンパク質合成試料の調整 実施例1と同様に行った。
【0063】3.タンパク質の合成および検出 実施例1と同様に、合成、検出を行ったところ、電界を
印加してから40秒(27KDaに相当する)後に強い
蛍光が観察された。GFPの分子量は、27KDaであ
るので、本チップで合成されたタンパク質が検出可能で
あると確認できた。また、タンパク合成後から、チップ
の調整検出まではおよそ20分で完了した。
【0064】本実施例では、マイクロ流路などをMPC
とBMAの共重合体でコーティングしたが、これをMP
Cのホモポリマーとしても同様の結果が得られた。
【0065】
【発明の効果】本発明によると、一枚のチップ上で、無
細胞系でのタンパク質の合成、高速でのタンパク質の合
成確認を行うことが可能である。また、一度に多数の合
成条件を検討することが可能であり、タンパク質合成の
最適条件を短い時間で求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のタンパク質合成チップの模式図1
【図2】 本発明のタンパク質合成チップの模式図2
(流路、タンパク質合成槽部分の拡大図)
【符号の説明】
1 試料導入部 2 試料導入部 3 タンパク質合成槽 4 マイクロ流路 5 リザーバ 6 試薬リザーバ 7 タンパク質検出部分 8 電界印加部(陰極) 9 電界印加部(陽極) 10 半透膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 37/00 101 G01N 27/26 315K 331E Fターム(参考) 2G045 BA14 DA36 FA16 FB05 JA07 4B029 AA07 AA08 AA09 AA23 BB15 CC01 CC08 FA15 GA03 GB04 GB10 HA06 4B064 AG01 CA21 CA35 CB30 CC21 CC24 CE14 DA13

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無細胞系タンパク質合成を行う合成チップ
    であって、基板上にタンパク質合成槽、タンパク質検出
    部が形成されており、該合成槽と、該検出部が試料搬送
    用の流路で結ばれていることを特徴とするタンパク質合
    成チップ。
  2. 【請求項2】合成されたタンパク質の検出が電気泳動法
    により行われることを特徴とする請求項1記載のタンパ
    ク質合成チップ。
  3. 【請求項3】検出用電気泳動が、タンパク質合成槽を有
    するチップと同一チップ上でのオンチップ電気泳動法に
    よって行われる請求項2記載のタンパク質合成チップ。
  4. 【請求項4】タンパク質合成槽に膜が設けられているこ
    とを特徴とする請求項1記載のタンパク質合成チップ。
  5. 【請求項5】請求項1記載のタンパク質合成機能を有す
    る構造が、一枚の基板上に5個以上10000個以下形
    成されていることを特徴とするタンパク質合成チップ。
  6. 【請求項6】請求項1記載のタンパク質合成槽の深さが
    1μm以上、1000μm以下、縦・横のディメンジョ
    ンが10μm以上5000μm以下であることを特徴と
    するタンパク質合成チップ。
  7. 【請求項7】タンパク質合成槽、タンパク質検出部、流
    路のいずれか一つの表面がポリエチレングリコールおよ
    び/または2−メタクリロイルオキシエチルホスホリル
    コリンポリマーでコーティングされていることを特徴と
    する請求項1記載のタンパク質合成チップ。
  8. 【請求項8】基板上に流体が流れる流路および/または
    反応槽が設けられているマイクロチップであって、か
    つ、マイクロチップ上に膜が形成されていることを特徴
    とするマイクロチップ。
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