JPWO2005100044A1 - 書類等の綴じ具 - Google Patents

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Abstract

ベース部と、ベース部に設けられ、書類等を綴じ込む閉リング姿勢と書類等を綴じ入れるために閉リングの一部を開放する開リング姿勢に変化し得るリングと、ベース部に設けられ、閉リング姿勢と開リング姿勢とを切り替えるための切替機構とを備える。切替機構は、ベース部に揺動可能に取り付けられた切替レバーを含み、リングが開リング姿勢にあるとき、リングの開放部分を切替レバーが通過可能に設定されている。これにより、従来のリング式綴じ具とレバーアーチ式リング綴じ具の利点のみを活かせるように工夫し、使い勝手がよく、作業性に優れた書類等の綴じ具が得られる。

Description

本発明は、書類等を綴じ込むために、リング部材で開閉可能に構成したリングを切替レバーによって開閉操作する綴じ具の技術に関する。
バインダー等の表紙体の内面には、複数のリング部材を備えた綴じ具が固定されている。この綴じ具は、手でこじ開ける、いわゆるてこ無しのリング式綴じ具や、レバー操作によってリングを開く、レバーアーチ式綴じ具などが従来から広く知られている。
リング式綴じ具としては、例えば、金属板からなる帯板状のベース部と、このベース部に設けられた複数のリング部材で構成される二つのリングとを備えている。二つのリングを構成する各リング部材のうち、片側のリング部材は、ベース部に対して回動可能に構成されている。これにより、各リングを、書類等を綴じ込む閉リング姿勢と、閉リングの一部を開放する開リング姿勢に変化させることができる。
レバーアーチ式綴じ具としては、例えば特許文献1に記載されている。同文献に記載の綴じ具は、金属板からなる帯板状のベース部と、このベース部に設けられた複数のリング部材で構成される二つのリングと、各リングを閉リング姿勢と開リング姿勢に変化させる操作レバー付きの開閉機構とを備えている。二つのリングを構成する各リング部材のうち、片側のリング部材はベース部に対して回動可能に構成されていて、操作レバーを押し下げる操作によってリングを開閉させることができる。
実開昭57−24077号公報
このような従来の綴じ具において、リング式綴じ具は、構成がシンプルで、安価に製作できる点で優れている。レバーアーチ式綴じ具は、レバーの操作によってリングを開閉できるため、使い勝手が良い点で優れている。
しかしながら、こうした従来の綴じ具は、次のような点で解決すべき課題がある。
(1)リング式綴じ具は、リングを開放する際にリング部材自体を手でこじ開けるようにして行う必要があるため、操作性(使い勝手)が悪い。さらに、リングを綴じるときにリング部材の先端間に手指を挟まないように気をつける必要があり、この点からも使い勝手が悪い。
(2)レバーアーチ式綴じ具は、開閉機構が大型で、二つのリング間の中央部分に位置し、そこから延びるレバーが開状態においてリング近傍に突出するため、書類等を綴じたり取り出したりする際に邪魔になるだけでなく、一度にたくさんの書類を出し入れできない。
(3)特許文献1に記載のように、片側のリング部材をベース部に対して回動可能に構成したものでは、リングの開度が小さく、しかもその開放部分が片側に偏るため書類等を綴じたり取り出したりする際の作業性が悪い。
よって、本発明の課題は、従来のリング式綴じ具とレバーアーチ式リング綴じ具の利点のみを活かせるように工夫することで、使い勝手がよく、作業性に優れた書類等の綴じ具を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明では以下の手段を採用した。
本発明に係る書類等の綴じ具は、ベース部と、ベース部に設けられ、書類等を綴じ込む閉リング姿勢と書類等を綴じ入れるために閉リングの一部を開放する開リング姿勢に変化し得るリングと、
ベース部に設けられ、閉リング姿勢と開リング姿勢とを切り替えるための切替機構とを備え、
切替機構は、ベース部に揺動可能に取り付けられた切替レバーを含み、リングが開リング姿勢にあるとき、リングの開放部分を切替レバーが通過可能に設定されている。
本発明によれば、リングが開リング姿勢にあるとき、リングの開放部分を切替レバーが通過可能に設定されている。これにより、リングが開リング姿勢にあるときでも、切替レバーの自由端を、リングの外側へ通過させて待避状態にしておくことが可能になる。したがって、書類等を抜き差しする作業時においても切替レバーが邪魔になる位置にこないようにすることで、左右どちらのリングにおいても書類等が差し替え可能となり、作業性を格段に向上させることができる。
前記リングは、ベース部の長手方向に間隔をおいて複数配置され、切替機構は、各リングが開リング姿勢にあるとき、各リングの開放部分を切替レバーが通過可能に設定されていることが望ましい。このように、リングがベース部の長手方向に間隔をおいて複数配置されている場合でも、各リングの開放部分を切替レバーが通過可能に設定することで、切替レバーの自由端をリングの外側へ待避させ、切替レバーが作業の邪魔にならないようにすることができる。
前記リングは、先端どうしの接触により閉リング姿勢となり、先端どうしの離間により開リング姿勢となる第1リング部材及び第2リング部材を有し、切替機構は、各リング部材の先端どうしが互いに接近及び離間する方向に作動可能に構成されていることが望ましい。このように構成した場合、先端どうしの最大離間距離であるリングの開度を大きくすることができ、この点からも作業性を向上させることができる。
前記各リング部材の先端どうしが離間したときに形成されるリングの開放部分は、ベース部上であってベース部の短手方向中央部分に位置していることが望ましい。このように構成した場合、切替レバーの一側から他側への回動位置に対するリングの開閉タイミングを設定し易い構成とすることができる。
前記切替レバーは、ベース部にヒンジ結合された基端部と、操作用の自由端とを有し、基端部には、自由端の回動位置によって各リングの開閉度を調整するカム部が設けられていることが望ましい。このように構成した場合、切替レバーの操作のみで、各リングの開閉操作を行えるので、使い勝手や操作性に優れた構成とすることができる。
前記ベース部は、金属板で形成されたベース本体と、ベース本体の中央部を覆う形態でベース本体から立ち上がったカバー部分と、そのカバー部分に設けられた軸受け部とを有し、軸受け部は隣り合うリング間の中央部に配置され、切替レバーのヒンジの一部を構成していることが望ましい。このように構成すれば、ベース本体とカバー部分及び軸受け部を一枚の金属板を加工することで形成できるので、その分、部品点数を少なくし、全体構成を簡素化することができる。さらに、カバー部分で覆う構成とすることができるので、外観向上、安全性の向上等も併せて図ることができる。
前記切替機構は、ベース部上に並べて配置され、それぞれがベース部の長手方向と直交する側方へ傾斜可能な二つの支持部材を有し、一方の支持部材に第1リング部材が支持され、他方の支持部材に第2リング部材が支持され、両支持部材の少なくとも一方とベース部との間には、リング部材の先端どうしが離間する方向へ支持部材を附勢する弾性体が設けられている構成とすることもできる。このように構成した場合、切替レバーを操作するだけで、二つの支持部材を同時に作動させてリングを閉リング姿勢及び開リング姿勢に変化させることができる。これにより、リング式綴じ具と同等の効果が得られる。
前記各支持部材は、金属板により帯板状に形成されて一方の側辺部と他方の側辺部をそれぞれ有し、各支持部材の一方の側辺部が前記ベース部にそれぞれヒンジ結合され、他方の側辺部の一部どうしがベース部上で上下に重ねられ、前記弾性体は何れか一方の支持部材とベース部との間に配置されていることが望ましい。このように構成すれば、弾性体を何れか一方の支持部材に対してのみ設ければよいので、その分、構成の簡素化に寄与することができる。
前記リングはベース部の長手方向に間隔をおいて二つ設けられ、両リングをそれぞれ形成する第1リング部材及び第2リング部材のうち、二つの第1リング部材と二つの第2リング部材はそれぞれ一本の金属線の曲げ加工により形成され、第1リング部材どうしの連続部及び第2リング部材どうしの連続部には、ベース本体の中央部で近接して並行する押圧部と、第1リング部材及び第2リング部材の回転中心となる支点部分がそれぞれ形成され、各支点部分が前記ベース本体に対して回転可能に保持され、前記押圧部が前記切替レバーのカム部によって押圧操作される構成とすることもできる。このように構成すれば、部品点数を少なくして低単価で製作できる上にリング部材の剛性も高めることができる。
前記ベース部は、金属板で形成されたベース本体と、ベース本体の中央部に設けられた軸受け部材とを備え、軸受け部材は、底板と、底板から立ち上がった対向する二つの起立片とを有し、両起立片に前記切替レバーの基端部がヒンジ結合され、前記両起立片間に前記押圧部が配置されている構成とすることもできる。このように構成すれば、切替機構を含むベース部全体をコンパクトに構成することができる。
前記押圧部と前記カム部との間には、押圧部に添って移動可能な当て板が設けられ、その当て板の表面と前記カム部の周面には互いに噛み合う歯が設けられていることが望ましい。このように構成すれば、当て板の移動が確実になり、カム部の力を押圧部に対して確実に伝達させることができる。
本発明の書類等の綴じ具によれば、リング式綴じ具とレバーアーチ式リング綴じ具の利点のみを活かせるように工夫したので、使い勝手がよく、作業性に優れた綴じ具が得られる。
FIG.1は本発明の第1実施形態に係る綴じ具の全体斜視図である。
FIG.2は本発明の第1実施形態に係る綴じ具の作用を説明する図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
FIG.3は本発明の第1実施形態に係る綴じ具の作用を説明する図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
FIG.4は本発明の第1実施形態に係る綴じ具の作用を説明する図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
FIG.5は本発明の第1実施形態に係る綴じ具の作用を説明する図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
FIG.6は本発明の第1実施形態に係る綴じ具のベース部を示す図で、(a)は平面図、(b)は側面図である。
FIG.7(a)、(b)(c)はFIG.6(a)のa−a線断面図、b−b線断面図、c−c線断面図である。
FIG.8は本発明の第1実施形態に係る綴じ具の切替レバーを示す図で、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。
FIG.9は本発明の第1実施形態に係る綴じ具の支持部材を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図である。
FIG.10は本発明の第1実施形態に係る綴じ具のベース部を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図である。
FIG.11は本発明の第1実施形態に係る綴じ具の板バネを示す図で、(a)は平面図、(b)は断面図である。
FIG.12は本発明の第1実施形態に係る綴じ具の組み立て手順を示す図で、(a)は平面図、(b)は部分断面図である。
FIG.13は本発明の第1実施形態に係る綴じ具の組み立て手順を示す図で、(a)は平面図、(b)は部分断面図である。
FIG.14は本発明の第1実施形態に係る綴じ具の組み立て手順を示す図で、(a)は平面図、(b)は部分断面図である。
FIG.15は本発明の第1実施形態に係る綴じ具の組み立て手順を示す図で、(a)は平面図、(b)は部分断面図である。
FIG.16は本発明の第1実施形態に係る綴じ具の組み立て手順を示す図で、(a)は平面図、(b)は部分断面図である。
FIG.17は本発明の第1実施形態に係る綴じ具の組み立て手順を示す図で、(a)は平面図、(b)は部分断面図である。
FIG.18は本発明の第2実施形態に係る綴じ具の全体斜視図である。
FIG.19は本発明の第2実施形態に係る綴じ具を示す図で、(a)は分解斜視図、(b)はカム部と当て板の歯のかみ合いを示す部分側面図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
この実施形態の綴じ具1は、ベース部(ベースプレート)2と、ベース部2にその長手方向(長さ方向)に間隔をおいて設けられた二つのリング3、3と、切替レバー4を含む切替機構5とを備えている。二つのリング3は、FIG.1及びFIG.2に示すように書類等を綴じ込む閉リング姿勢と、FIG.5に示すように書類等を綴じ入れるために閉リングの一部を開放する開リング姿勢に変化することができる。
切替機構5は、ベース部2に設けられ、リング3、3をその閉リング姿勢と開リング姿勢とに切り替えるためのものである。この切替機構5は、ベース部2に揺動可能(回動可能)に取り付けられた切替レバー4を含む。そして、リング3、3が開リング姿勢にあるとき、FIG.3に示すようにリング3、3の開放部分を切替レバー4が通過可能に設計されている。
次に、各図を参照しこれらの詳細について説明する。
ベース部2は、FIG.1及びFIG.6に示すように、金属板で形成されたベース本体21と、ベース本体21の中央部を上から覆う形態でベース本体21から立ち上がったカバー部分22と、そのカバー部分22に設けられた軸受け部23とを有している。ベース本体21は、帯板状に長く形成され、その両端近くには、例えばバインダーの表紙体の内面にビスやリベット等で固定するための固定孔24がそれぞれ設けられている。
カバー部分22は、FIG.1及びFIG.6に示すように、ベース本体21の短手方向(幅方向)の両側から立ち上がり、途中で屈曲した後、ベース本体21の幅方向中央部で向き合うように形成されている。軸受け部23は二つのリング3、3間の中央部に配置され、切替レバー4のヒンジの一部を構成している。即ち、カバー部分22には、互いに間隔をおいて向き合う起立片25、25が設けられ、その中央部にヒンジピン26を差し渡すピン孔25a、25a(FIG.6参照)がそれぞれ設けられている。起立片25、25は切替機構5の高さを抑えるために低く形成されている。
ベース本体21の幅方向両側には、後述する支持部材51、52を揺動(傾斜)可能に支持する支持片27、27が立ち上げられている。各支持片27はベース部21の長さ方向に間隔をおいて2箇所、合計4箇所設けられている。これらの支持片27には、ベース本体21の幅方向に貫通するスリット27aがそれぞれ設けられている。各スリット27aはベース本体1の長さ方向に延びている。
ベース本体21とカバー部分22及び軸受け部23を、一枚の金属板の加工により形成している理由は、部品点数を少なくし、全体構成を簡素化することができるからである。さらに、ベース本体21上の作動部をカバー部分22で覆う構成とすることで、外観の向上や安全性の向上等も併せて図れるようにするためである。
各リング3は、先端30どうしの接触により閉リング姿勢となり、先端30どうしの離間により開リング姿勢となる第1リング部材31及び第2リング部材32をそれぞれ有している。そして、切替機構5は、各リング部材31、32の先端30どうしが互いに接近及び離間する方向に作動可能に構成されている。これにより、先端30どうしの最大離間距離であるリング3の開度(開放部分Kの間隔)を大きくして、書類等の抜き差し時の作業性を向上させることができるように配慮している。
各リング部材31、32は、正面から見てほぼ左右対称に形成されている。したがって、各リング部材31、32の先端30どうしが離間したときに形成されるリングの開放部分K(FIG.5参照)は、ベース部2上であってベース部(ベース本体)2の幅方向中央部分に位置している。これにより、切替レバー4の回動位置に対するリング3、3の開閉タイミングを設定し易い構成としている。即ち、切替レバー4の回動角度とリング3、3の開閉角度との関係を設計し易い構成としている。その理由は次の通りである。
両リング部材31、32を左右対称に形成することで、リングの開放部分Kをベース部2の幅方向中央部分に正確に位置させることができる。一方、切り替えレバー4もベース部2の幅方向中央部分に位置してベース部2の長さ方向に沿って回動する。したがって、切替レバー4の回動軌跡上にリングの開放部分Kの中心を正確に位置させることができる。これにより、リング部材31、32の先端どうしが離間しはじめた初期の段階(開放部分Kの間隔が小さい段階)からでも切替レバー4はその開放部分Kを通過することができる。原理的には、開放部分Kの間隔が切替レバー4の直径よりも僅かに大きければ、切替レバー4は通過可能となる。
切替レバー4は、ベース部2にヒンジ結合された基端部41と、操作用の自由端42とを有し、基端部41には、自由端42の回動位置によって各リング3の開閉度を調整するカム部43が設けられている。このように、切替レバー4の操作のみで、各リング3の開閉度を調整可能にすることで、切替レバー4の操作角度とリング3の開閉角度との関係を調整自由に設定することができる。したがって、左右対称のリング部材31、32に限らずさまざまな形状のリングにも対応可能にすることができる。
切替レバー4自体は曲げ加工した金属棒により形成されているが、その基端部41にはカム部材44が固定され、そのカム部材44にカム部43が形成されている。カム部材44はポリアセタール樹脂で形成されている。カム部材44にはヒンジピン26を通す軸孔45が設けられている。したがって、切替レバー4の基端部に固定されたカム部材44が軸ピン26を介して軸受け部23にヒンジ結合されている。
切替機構5は、ベース本体21上に並べて配置され、それぞれがベース本体21の長さ方向と直交する側方へ傾斜可能な二つの支持部材(ブーストプレート)51、52を有している。そして、一方の支持部材51に第1リング部材31の基端が固定されて支持され、他方の支持部材52に第2リング部材32の基端が固定されて支持されている。支持部材51、52はそれぞれベース本体21の長さ方向に延びるように形成されている。したがって、支持部材51及び52の長さ方向両端近くに第1リング部材31、31及び第2リング部材32、32がそれぞれ固定されている。
各支持部材51、52は、金属板により帯板状に形成されて一方の側辺部と他方の側辺部をそれぞれ有する。各支持部材51、52の一方の側辺部がベース部2にそれぞれヒンジ結合され、他方の側辺部どうしが部分的にベース部2のベース本体21上で上下に重ねられている。
各支持部材51、52も、それぞれ一枚の金属板の加工により形成されたもので、FIG.9及びFIG.10に示すように、平面視において、ほぼ左右対称に形成されている。但し、後述するラップ部分がある点で両者の形状は若干相違する。
即ち、綴じ具1を正面から見て、支持部材51の左側辺部と、支持部材52の右側辺部には、ベース本体21から立ち上がった各支持片27、27のスリット27a、27aにそれぞれ挿入されるフック片51a、52aが設けられている。フック片51aは支持部材51の幅方向外側(左側)へ突出した後、支持部材51の長さ方向(手前側)へ延びている。フック片52aは、支持部材51の幅方向外側(右側)へ突出した後、支持部材51の長さ方向(手前側)へ延びている。これにより、両支持部材51、52は、対応する支持片27、27にそれぞれ揺動可能にかつ仮係合状態で支持されている。
さらに、左側の支持部材51と右側の支持部材52は互いに上下に重なるラップ部分を有している。実施の形態では、右側の支持部材52の他方の側辺部に突出片52b、52cが間隔をおいて4つ形成されている。左側の支持部材51の一方の側辺部には、支持部材52の突出片52b、52cとそれぞれ対向する位置に、2つの突出片51bと、2つの突出片受け部51cが間隔をおいて形成されている。そして、支持部材51の2つの突出片51bの上に、それらに対向する支持部材52の突出片52bがそれぞれ重ねられている。さらに、支持部材51の2つの突出片受け部51cの下に、それらに対向する支持部材52の突出片52cがそれぞれ重ねられている。
両支持部材51、52のうち、右側の支持部材52とベース本体21との間には、リング部材31、32の先端30どうしが離間する方向へ支持部材52を附勢する板バネ(弾性体)55が設けられている。これは、板バネ55を一方の支持部材52に対してのみ設ければ良いため、その分、構成の簡素化を図ることができるからである。さらに、切替レバー4を操作するだけで、二つの支持部材51、52を同時に作動させてリング3を閉リング姿勢及び開リング姿勢に変化させることができるように配慮している。
板バネ55は、FIG.11に示すように、ベース本体21上に位置決めされる平板部56を有する。板バネ55は平板部56から立ち上がり内側へ曲げ形成されている。平板部56の四隅には係合片57がそれぞれ設けられている。これらの係合片57は、ベース部2に設けられた凸形状のスリット部28に引っ掛けられて位置決めされる。
FIG.12〜FIG.17は、切替機構5部分の組み立て工程図を示したものである。
まず、FIG.12の仮想線でに示すように、ベース部2のカバー部分22を半曲げ状態にしておく。この状態で、板バネ55をベース本体21上にセットする。
次に、FIG.13に示すように、右側の支持部材52をベース部2にセットする。この作業では、支持部材52のフック片52a、52aをカバー部分22の立ち上がり部に設けてあるスリット27a、27aに差し込み、次いで、FIG.14に示すように、手前にスライドさせる。これにより、フック片52aがスリット27aから抜け出ない形態になり、仮ヒンジのような機能を持つ構成となる。その際、支持部材52は板バネ55によって下から附勢される。したがって、フック片52aを設けてある側辺部と反対側の側辺部が、フック片52を中心として上方へ回動(傾斜)する。
次に、FIG.15及びFIG.16に示すように、右側の支持部材52のセットと同様の要領で、左側の支持部材51をベース部2にセットする。その際、支持部材51のフック片51aが設けられている側辺部と反対側の側辺部の2つの突出片受け部51c、51cが、先にセットした支持部材52の対向する突出片52c、52cの上に重なるようにセットする。さらに、支持部材51の2つの突出片51b、51bが、支持部材52の対向する突出片52b、52bの下に重なるようにセットする。このセット作業を終えた状態では、FIG.16に示すように、2つの支持部材51、52の側辺部が1つの板バネ55によって上方へ持ち上げられるように附勢される。この力によって、リング3、3は、開リング姿勢を維持することができる。
次に、FIG.17に実線で示すように、両側のカバー部分22、22をその定位置まで曲げ加工する。その後、切替レバー4のカム部材44を、起立片25、25間に位置させ、ヒンジピン26を差し込み、かしめ等により抜け止め加工する。これにより、切り替えレバー4はベース部2にヒンジ結合される。
支持部材52には隆起部52dが設けられている。この隆起部52dは切替レバー4のカム部43の直下に位置している。そして、切替レバー4がFIG.1に示すように一側に回動した綴じ位置にあるとき、そのカム部43が上側に位置する隆起部52dに接触して押し下げ、リング3、3を閉リング姿勢に保持するように設定されている。
また、FIG.1に示す切替レバー4の綴じ位置から、切替レバー4を矢印方向に回動させたとき、切替レバー4がリング3に突き当たる前に、リング3が開リング姿勢へ徐々に移行して切替レバー4の通過を許容するように設定されている。
この実施の形態によれば、切替レバー4を操作するだけで、二つの支持部材51、52を同時に作動させてリング3、3を閉リング姿勢及び開リング姿勢に変化させることができる。そして、リング3、3が開リング姿勢にあるとき、リング3、3の開放部分Kを切替レバー4が通過可能に構成されている。これにより、リング3が開リング姿勢にあるときでも、切替レバー4の自由端42を、FIG.5に示すようにリング3の外側へ通過させて待避状態にしておくことが可能になる。したがって、書類等を抜き差しする作業時においても切替レバー4が邪魔になる位置にこないようにすることができる。
また、リング3、3のそれぞれを、略円弧状の第1リング部材と第2リング部材とで構成しているので、リングの曲げ加工を容易にすることができる。
(第2実施形態)
FIG.18及びFIG.19に本発明の第2の実施形態を示している。なお、この第2の実施形態において、第1の実施形態と機能的に共通する部分には同一符号を付して説明を簡略化する。
この実施形態の綴じ具も、ベース部(ベースプレート)2と、ベース部2にその長手方向(長さ方向)に間隔をおいて設けられた二つのリング3、3と、切替レバー4を含む切替機構5とを備えている。二つのリング3は、書類等を綴じ込む閉リング姿勢と、書類等を綴じ入れるために閉リングの一部を開放する開リング姿勢に変化することができる。
切替機構5は、ベース部2に設けられ、リング3、3をその閉リング姿勢と開リング姿勢とを切り替えるためのもので、ベース部2に揺動可能(回動可能)に取り付けられた切替レバー4を含む。そして、リング3、3が開リング姿勢にあるとき、リング3、3の開放部分を切替レバー4が通過可能に構成されている。
この第2実施形態では、ベース部2は、帯板状のベース本体21と、ベース本体21の中央部に設けられた軸受け部材210とで構成されている。軸受け部材210は、FIG.19(a)に示すように、ベース本体21から切り起こされた係止片211を、軸受け部材210の底板212上へ折り曲げることで、ベース本体21に固定されている。この係止片211は、後述する押圧部312、322を下から上方へ持ち上げるように附勢する弾性部材を兼ねている。勿論、別の弾性部材をセットしても良い。軸受け部材210は、底板212から立ち上がった二つの起立片214、214を有し、その起立片214にピン孔25aが設けられている。
また、リング3、3を形成する各リング部材のうち、二つの第1リング部材31、31と、二つの第2リング部材32、32は、それぞれ一本の金属線を曲げ加工することで形成されている。即ち、二つの第1リング部材31、31の連続部311と、二つの第2リング部材32、32の連続部321が第1実施形態における支持部材を兼ねた構成としている。連続部311、321にはベース本体21上の中央部で近接しかつ平行に延びる押圧部312、322が形成されている。
押圧部312、322上には当て板220が配置されている。当て板220はその上面に噛み合い用の歯221を有するいわゆるラック状に形成されている。この当て板220は押圧部312、322に沿って移動可能に構成されている。切替レバー4の基端側に固定されたカム部材44は、当て板220の歯221と噛み合う歯441を周面の一部に有するいわゆるピニオン状に形成されている。そして、FIG.19(b)に示すように、当て板220の歯221に対してカム部材44の歯441が噛み合う形態で、切替レバー4がヒンジピン26を介して軸受け部材210にヒンジ結合されている。なお、当て板220の歯221とカム部材44の歯441は、前記係止片211の附勢力により、押圧部312、322を介して常に噛み合うようになっている。
カム部材44のカム面(歯441がある部分)の輪郭は、切替レバー4の自由端42が図示のように閉じ位置にあるとき当て板220を最大限に押し下げ、切替レバー4がリング3に突き当たる前に当て板220の押し下げ量を徐々に少なくしてリング3の開放動作を開始させ、切替レバー4がリング3の開放部分を通過した時点で当て板220の押し下げを開放することができる輪郭に形成されている。これにより、切替レバー4を回動させると、当て板220を介して押圧部312、322を押し下げたり、押し下げを開放したりすることができる。
第1リング部材31、31どうしの連続部311には、第1リング部材の回転中心となる支点部分313が間隔をおいて二つ形成されている。これらの支点部分313は、ベース本体21の幅方向一側に形成された屈曲部215によって回転可能に保持されている。また、第2リング部材32、32どうしの連続部321には、第2リング部材32の回転中心となる支点部分323が間隔をおいて二つ形成されている。これらの支点部分323は、ベース本体21の幅方向他側に形成された屈曲部216によって回転可能に保持されている。
この第2実施形態においても、基本的には先の第1実施形態と同様の効果を奏する。ただ、この第2実施形態では、第1実施形態の綴じ具よりも、ベースプレートの面積を小さく、かつ部品点数を少なくすることができる点、低単価で製作できる点、リング部材の剛性が高い点、などで優れている。
カム部材44が当て板220を介して押圧部312、322を押す構造としているが、カム部で直接押圧部312、322を押圧して駆動させてもよい。このようにすると部品点数をより少なくすることができる。
各実施形態において、リング3を全体として矩形状としたのは、開状態で第1及び第2のリング部材31、32がそれぞれ略コ字状となり、書類等を綴じ込む際にコ字状の略垂直な中間辺部まで書類等を綴じ込むと、それ以上の書類等の綴じ込みが難しくなり、これによって過剰な書類等の綴じ込みを防止するためである。
なお、以上の実施形態では、リング3を構成する二つのリング部材31、32を左右対称に形成したが、リングの開放部分Kを切替レバー4が通過可能であれば、リング部材31、32を必ずしも左右対称に形成する必要はない。例えば、リングを正面から見てD形状としたものにも適用することができる。ただし、その場合でも、D形状リングの中央部から両側に開く構成とすることが望ましい。
また、本発明の技術思想を考慮した場合、リングの開放部分Kを切替レバー4が通過可能であれば良い。したがって、開放部分Kはリングの中央部から両側に開く構成に限らず、多少偏心した位置(左右何れかに偏った位置)から両側に開く構成とすることもできる。その際、偏った開放部分Kの位置に合わせて、切替レバー自体を屈曲させても良い。また、片側のリング部材のみを動かして片側に開く構成とすることもできる。その際、切替レバー4の取付位置を偏らせても良い。このような考え方は、左右対称でないリングを採用する際に有効である。
なお、この実施例では切替レバー4をピン26の両端の二箇所(二つの起立片214、214)で支持したが、(ピン26の)一箇所で支持しても良い。
本発明は、書類等を綴じるバインダーなどに利用できる。
本発明は、書類等を綴じ込むために、リング部材で開閉可能に構成したリングを切替レバーによって開閉操作する綴じ具の技術に関する。
バインダー等の表紙体の内面には、複数のリング部材を備えた綴じ具が固定されている。この綴じ具は、手でこじ開ける、いわゆるてこ無しのリング式綴じ具や、レバー操作によってリングを開く、レバーアーチ式綴じ具などが従来から広く知られている。
リング式綴じ具としては、例えば、金属板からなる帯板状のベース部と、このベース部に設けられた複数のリング部材で構成される二つのリングとを備えている。二つのリングを構成する各リング部材のうち、片側のリング部材は、ベース部に対して回動可能に構成されている。これにより、各リングを、書類等を綴じ込む閉リング姿勢と、閉リングの一部を開放する開リング姿勢に変化させることができる。
レバーアーチ式綴じ具としては、例えば特許文献1に記載されている。同文献に記載の綴じ具は、金属板からなる帯板状のベース部と、このベース部に設けられた複数のリング部材で構成される二つのリングと、各リングを閉リング姿勢と開リング姿勢に変化させる操作レバー付きの開閉機構とを備えている。二つのリングを構成する各リング部材のうち、片側のリング部材はベース部に対して回動可能に構成されていて、操作レバーを押し下げる操作によってリングを開閉させることができる。
実開昭57−24077号公報
このような従来の綴じ具において、リング式綴じ具は、構成がシンプルで、安価に製作できる点で優れている。レバーアーチ式綴じ具は、レバーの操作によってリングを開閉できるため、使い勝手が良い点で優れている。
しかしながら、こうした従来の綴じ具は、次のような点で解決すべき課題がある。
(1)リング式綴じ具は、リングを開放する際にリング部材自体を手でこじ開けるようにして行う必要があるため、操作性(使い勝手)が悪い。さらに、リングを綴じるときにリング部材の先端間に手指を挟まないように気をつける必要があり、この点からも使い勝手が悪い。
(2)レバーアーチ式綴じ具は、開閉機構が大型で、二つのリング間の中央部分に位置し、そこから延びるレバーが開状態においてリング近傍に突出するため、書類等を綴じたり取り出したりする際に邪魔になるだけでなく、一度にたくさんの書類を出し入れできない。
(3)特許文献1に記載のように、片側のリング部材をベース部に対して回動可能に構成したものでは、リングの開度が小さく、しかもその開放部分が片側に偏るため書類等を綴じたり取り出したりする際の作業性が悪い。
よって、本発明の課題は、従来のリング式綴じ具とレバーアーチ式リング綴じ具の利点のみを活かせるように工夫することで、使い勝手がよく、作業性に優れた書類等の綴じ具を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明では以下の手段を採用した。
本発明に係る書類等の綴じ具は、ベース部と、ベース部に設けられ、書類等を綴じ込む閉リング姿勢と書類等を綴じ入れるために閉リングの一部を開放する開リング姿勢に変化し得るリングと、
ベース部に設けられ、閉リング姿勢と開リング姿勢とを切り替えるための切替機構とを備え、
切替機構は、ベース部に揺動可能に取り付けられた切替レバーを含み、リングが開リング姿勢にあるとき、リングの開放部分を切替レバーが通過可能に設定されている。
本発明によれば、リングが開リング姿勢にあるとき、リングの開放部分を切替レバーが通過可能に設定されている。これにより、リングが開リング姿勢にあるときでも、切替レバーの自由端を、リングの外側へ通過させて待避状態にしておくことが可能になる。したがって、書類等を抜き差しする作業時においても切替レバーが邪魔になる位置にこないよ
うにすることで、左右どちらのリングにおいても書類等が差し替え可能となり、作業性を格段に向上させることができる。
前記リングは、ベース部の長手方向に間隔をおいて複数配置され、切替機構は、各リングが開リング姿勢にあるとき、各リングの開放部分を切替レバーが通過可能に設定されていることが望ましい。このように、リングがベース部の長手方向に間隔をおいて複数配置されている場合でも、各リングの開放部分を切替レバーが通過可能に設定することで、切替レバーの自由端をリングの外側へ待避させ、切替レバーが作業の邪魔にならないようにすることができる。
前記リングは、先端どうしの接触により閉リング姿勢となり、先端どうしの離間により開リング姿勢となる第1リング部材及び第2リング部材を有し、切替機構は、各リング部材の先端どうしが互いに接近及び離間する方向に作動可能に構成されていることが望ましい。このように構成した場合、先端どうしの最大離間距離であるリングの開度を大きくすることができ、この点からも作業性を向上させることができる。
前記各リング部材の先端どうしが離間したときに形成されるリングの開放部分は、ベース部上であってベース部の短手方向中央部分に位置していることが望ましい。このように構成した場合、切替レバーの一側から他側への回動位置に対するリングの開閉タイミングを設定し易い構成とすることができる。
前記切替レバーは、ベース部にヒンジ結合された基端部と、操作用の自由端とを有し、基端部には、自由端の回動位置によって各リングの開閉度を調整するカム部が設けられていることが望ましい。このように構成した場合、切替レバーの操作のみで、各リングの開閉操作を行えるので、使い勝手や操作性に優れた構成とすることができる。
前記ベース部は、金属板で形成されたベース本体と、ベース本体の中央部を覆う形態でベース本体から立ち上がったカバー部分と、そのカバー部分に設けられた軸受け部とを有し、軸受け部は隣り合うリング間の中央部に配置され、切替レバーのヒンジの一部を構成していることが望ましい。このように構成すれば、ベース本体とカバー部分及び軸受け部を一枚の金属板を加工することで形成できるので、その分、部品点数を少なくし、全体構成を簡素化することができる。さらに、カバー部分で覆う構成とすることができるので、外観向上、安全性の向上等も併せて図ることができる。
前記切替機構は、ベース部上に並べて配置され、それぞれがベース部の長手方向と直交する側方へ傾斜可能な二つの支持部材を有し、一方の支持部材に第1リング部材が支持され、他方の支持部材に第2リング部材が支持され、両支持部材の少なくとも一方とベース部との間には、リング部材の先端どうしが離間する方向へ支持部材を附勢する弾性体が設けられている構成とすることもできる。このように構成した場合、切替レバーを操作するだけで、二つの支持部材を同時に作動させてリングを閉リング姿勢及び開リング姿勢に変化させることができる。これにより、リング式綴じ具と同等の効果が得られる。
前記各支持部材は、金属板により帯板状に形成されて一方の側辺部と他方の側辺部をそれぞれ有し、各支持部材の一方の側辺部が前記ベース部にそれぞれヒンジ結合され、他方の側辺部の一部どうしがベース部上で上下に重ねられ、前記弾性体は何れか一方の支持部材とベース部との間に配置されていることが望ましい。このように構成すれば、弾性体を何れか一方の支持部材に対してのみ設ければよいので、その分、構成の簡素化に寄与することができる。
前記リングはベース部の長手方向に間隔をおいて二つ設けられ、両リングをそれぞれ形
成する第1リング部材及び第2リング部材のうち、二つの第1リング部材と二つの第2リング部材はそれぞれ一本の金属線の曲げ加工により形成され、第1リング部材どうしの連続部及び第2リング部材どうしの連続部には、ベース本体の中央部で近接して並行する押圧部と、第1リング部材及び第2リング部材の回転中心となる支点部分がそれぞれ形成され、各支点部分が前記ベース本体に対して回転可能に保持され、前記押圧部が前記切替レバーのカム部によって押圧操作される構成とすることもできる。このように構成すれば、部品点数を少なくして低単価で製作できる上にリング部材の剛性も高めることができる。
前記ベース部は、金属板で形成されたベース本体と、ベース本体の中央部に設けられた軸受け部材とを備え、軸受け部材は、底板と、底板から立ち上がった対向する二つの起立片とを有し、両起立片に前記切替レバーの基端部がヒンジ結合され、前記両起立片間に前記押圧部が配置されている構成とすることもできる。このように構成すれば、切替機構を含むベース部全体をコンパクトに構成することができる。
前記押圧部と前記カム部との間には、押圧部に添って移動可能な当て板が設けられ、その当て板の表面と前記カム部の周面には互いに噛み合う歯が設けられていることが望ましい。このように構成すれば、当て板の移動が確実になり、カム部の力を押圧部に対して確実に伝達させることができる。
本発明の書類等の綴じ具によれば、リング式綴じ具とレバーアーチ式リング綴じ具の利点のみを活かせるように工夫したので、使い勝手がよく、作業性に優れた綴じ具が得られる。
図面の簡単な説明
FIG.1は本発明の第1実施形態に係る綴じ具の全体斜視図である。
FIG.2は本発明の第1実施形態に係る綴じ具の作用を説明する図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
FIG.3は本発明の第1実施形態に係る綴じ具の作用を説明する図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
FIG.4は本発明の第1実施形態に係る綴じ具の作用を説明する図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
FIG.5は本発明の第1実施形態に係る綴じ具の作用を説明する図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
FIG.6は本発明の第1実施形態に係る綴じ具のベース部を示す図で、(a)は平面図、(b)は側面図である。
FIG.7は(a)、(b)(c)は図6(a)のa−a線断面図、b−b線断面図、c−c線断面図である。
FIG.8は本発明の第1実施形態に係る綴じ具の切替レバーを示す図で、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。
FIG.9は本発明の第1実施形態に係る綴じ具の支持部材を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図である。
FIG.10は本発明の第1実施形態に係る綴じ具のベース部を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図である。
FIG.11は本発明の第1実施形態に係る綴じ具の板バネを示す図で、(a)は平面図、(b)は断面図である。
FIG.12は本発明の第1実施形態に係る綴じ具の組み立て手順を示す図で、(a)は平面図、(b)は部分断面図である。
FIG.13は本発明の第1実施形態に係る綴じ具の組み立て手順を示す図で、(a)は平面図、(b)は部分断面図である。
FIG.14は本発明の第1実施形態に係る綴じ具の組み立て手順を示す図で、(a)
は平面図、(b)は部分断面図である。
FIG.15は本発明の第1実施形態に係る綴じ具の組み立て手順を示す図で、(a)は平面図、(b)は部分断面図である。
FIG.16は本発明の第1実施形態に係る綴じ具の組み立て手順を示す図で、(a)は平面図、(b)は部分断面図である。
FIG.17は本発明の第1実施形態に係る綴じ具の組み立て手順を示す図で、(a)は平面図、(b)は部分断面図である。
FIG.18は本発明の第2実施形態に係る綴じ具の全体斜視図である。
FIG.19は本発明の第2実施形態に係る綴じ具を示す図で、(a)は分解斜視図、(b)はカム部と当て板の歯のかみ合いを示す部分側面図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
この実施形態の綴じ具1は、ベース部(ベースプレート)2と、ベース部2にその長手方向(長さ方向)に間隔をおいて設けられた二つのリング3、3と、切替レバー4を含む切替機構5とを備えている。二つのリング3は、図1及び図2に示すように書類等を綴じ込む閉リング姿勢と、図5に示すように書類等を綴じ入れるために閉リングの一部を開放する開リング姿勢に変化することができる。
切替機構5は、ベース部2に設けられ、リング3、3をその閉リング姿勢と開リング姿勢とに切り替えるためのものである。この切替機構5は、ベース部2に揺動可能(回動可能)に取り付けられた切替レバー4を含む。そして、リング3、3が開リング姿勢にあるとき、図3に示すようにリング3、3の開放部分を切替レバー4が通過可能に設計されている。
次に、各図を参照しこれらの詳細について説明する。
ベース部2は、図1及び図6に示すように、金属板で形成されたベース本体21と、ベース本体21の中央部を上から覆う形態でベース本体21から立ち上がったカバー部分22と、そのカバー部分22に設けられた軸受け部23とを有している。ベース本体21は、帯板状に長く形成され、その両端近くには、例えばバインダーの表紙体の内面にビスやリベット等で固定するための固定孔24がそれぞれ設けられている。
カバー部分22は、図1及び図6に示すように、ベース本体21の短手方向(幅方向)の両側から立ち上がり、途中で屈曲した後、ベース本体21の幅方向中央部で向き合うように形成されている。軸受け部23は二つのリング3、3間の中央部に配置され、切替レバー4のヒンジの一部を構成している。即ち、カバー部分22には、互いに間隔をおいて向き合う起立片25、25が設けられ、その中央部にヒンジピン26を差し渡すピン孔25a、25a(図6参照)がそれぞれ設けられている。起立片25、25は切替機構5の高さを抑えるために低く形成されている。
ベース本体21の幅方向両側には、後述する支持部材51、52を揺動(傾斜)可能に支持する支持片27、27が立ち上げられている。各支持片27はベース部21の長さ方向に間隔をおいて2箇所、合計4箇所設けられている。これらの支持片27には、ベース本体21の幅方向に貫通するスリット27aがそれぞれ設けられている。各スリット27aはベース本体1の長さ方向に延びている。
ベース本体21とカバー部分22及び軸受け部23を、一枚の金属板の加工により形成している理由は、部品点数を少なくし、全体構成を簡素化することができるからである。
さらに、ベース本体21上の作動部をカバー部分22で覆う構成とすることで、外観の向上や安全性の向上等も併せて図れるようにするためである。
各リング3は、先端30どうしの接触により閉リング姿勢となり、先端30どうしの離間により開リング姿勢となる第1リング部材31及び第2リング部材32をそれぞれ有している。そして、切替機構5は、各リング部材31、32の先端30どうしが互いに接近及び離間する方向に作動可能に構成されている。これにより、先端30どうしの最大離間距離であるリング3の開度(開放部分Kの間隔)を大きくして、書類等の抜き差し時の作業性を向上させることができるように配慮している。
各リング部材31、32は、正面から見てほぼ左右対称に形成されている。したがって、各リング部材31、32の先端30どうしが離間したときに形成されるリングの開放部分K(図5参照)は、ベース部2上であってベース部(ベース本体)2の幅方向中央部分に位置している。これにより、切替レバー4の回動位置に対するリング3、3の開閉タイミングを設定し易い構成としている。即ち、切替レバー4の回動角度とリング3、3の開閉角度との関係を設計し易い構成としている。その理由は次の通りである。
両リング部材31、32を左右対称に形成することで、リングの開放部分Kをベース部2の幅方向中央部分に正確に位置させることができる。一方、切り替えレバー4もベース部2の幅方向中央部分に位置してベース部2の長さ方向に沿って回動する。したがって、切替レバー4の回動軌跡上にリングの開放部分Kの中心を正確に位置させることができる。これにより、リング部材31、32の先端どうしが離間しはじめた初期の段階(開放部分Kの間隔が小さい段階)からでも切替レバー4はその開放部分Kを通過することができる。原理的には、開放部分Kの間隔が切替レバー4の直径よりも僅かに大きければ、切替レバー4は通過可能となる。
切替レバー4は、ベース部2にヒンジ結合された基端部41と、操作用の自由端42とを有し、基端部41には、自由端42の回動位置によって各リング3の開閉度を調整するカム部43が設けられている。このように、切替レバー4の操作のみで、各リング3の開閉度を調整可能にすることで、切替レバー4の操作角度とリング3の開閉角度との関係を調整自由に設定することができる。したがって、左右対称のリング部材31、32に限らずさまざまな形状のリングにも対応可能にすることができる。
切替レバー4自体は曲げ加工した金属棒により形成されているが、その基端部41にはカム部材44が固定され、そのカム部材44にカム部43が形成されている。カム部材44はポリアセタール樹脂で形成されている。カム部材44にはヒンジピン26を通す軸孔45が設けられている。したがって、切替レバー4の基端部に固定されたカム部材44が軸ピン26を介して軸受け部23にヒンジ結合されている。
切替機構5は、ベース本体21上に並べて配置され、それぞれがベース本体21の長さ方向と直交する側方へ傾斜可能な二つの支持部材(ブーストプレート)51、52を有している。そして、一方の支持部材51に第1リング部材31の基端が固定されて支持され、他方の支持部材52に第2リング部材32の基端が固定されて支持されている。支持部材51、52はそれぞれベース本体21の長さ方向に延びるように形成されている。したがって、支持部材51及び52の長さ方向両端近くに第1リング部材31、31及び第2リング部材32、32がそれぞれ固定されている。
各支持部材51、52は、金属板により帯板状に形成されて一方の側辺部と他方の側辺部をそれぞれ有する。各支持部材51、52の一方の側辺部がベース部2にそれぞれヒンジ結合され、他方の側辺部どうしが部分的にベース部2のベース本体21上で上下に重ね
られている。
各支持部材51、52も、それぞれ一枚の金属板の加工により形成されたもので、図9及び図10に示すように、平面視において、ほぼ左右対称に形成されている。但し、後述するラップ部分がある点で両者の形状は若干相違する。
即ち、綴じ具1を正面から見て、支持部材51の左側辺部と、支持部材52の右側辺部には、ベース本体21から立ち上がった各支持片27、27のスリット27a、27aにそれぞれ挿入されるフック片51a、52aが設けられている。フック片51aは支持部材51の幅方向外側(左側)へ突出した後、支持部材51の長さ方向(手前側)へ延びている。フック片52aは、支持部材51の幅方向外側(右側)へ突出した後、支持部材51の長さ方向(手前側)へ延びている。これにより、両支持部材51、52は、対応する支持片27、27にそれぞれ揺動可能にかつ仮係合状態で支持されている。
さらに、左側の支持部材51と右側の支持部材52は互いに上下に重なるラップ部分を有している。実施の形態では、右側の支持部材52の他方の側辺部に突出片52b、52cが間隔をおいて4つ形成されている。左側の支持部材51の一方の側辺部には、支持部材52の突出片52b、52cとそれぞれ対向する位置に、2つの突出片51bと、2つの突出片受け部51cが間隔をおいて形成されている。そして、支持部材51の2つの突出片51bの上に、それらに対向する支持部材52の突出片52bがそれぞれ重ねられている。さらに、支持部材51の2つの突出片受け部51cの下に、それらに対向する支持部材52の突出片52cがそれぞれ重ねられている。
両支持部材51、52のうち、右側の支持部材52とベース本体21との間には、リング部材31、32の先端30どうしが離間する方向へ支持部材52を附勢する板バネ(弾性体)55が設けられている。これは、板バネ55を一方の支持部材52に対してのみ設ければ良いため、その分、構成の簡素化を図ることができるからである。さらに、切替レバー4を操作するだけで、二つの支持部材51、52を同時に作動させてリング3を閉リング姿勢及び開リング姿勢に変化させることができるように配慮している。
板バネ55は、図11に示すように、ベース本体21上に位置決めされる平板部56を有する。板バネ55は平板部56から立ち上がり内側へ曲げ形成されている。平板部56の四隅には係合片57がそれぞれ設けられている。これらの係合片57は、ベース部2に設けられた凸形状のスリット部28に引っ掛けられて位置決めされる。
図12〜図17は、切替機構5部分の組み立て工程図を示したものである。
まず、図12の仮想線でに示すように、ベース部2のカバー部分22を半曲げ状態にしておく。この状態で、板バネ55をベース本体21上にセットする。
次に、図13に示すように、右側の支持部材52をベース部2にセットする。この作業では、支持部材52のフック片52a、52aをカバー部分22の立ち上がり部に設けてあるスリット27a、27aに差し込み、次いで、図14に示すように、手前にスライドさせる。これにより、フック片52aがスリット27aから抜け出ない形態になり、仮ヒンジのような機能を持つ構成となる。その際、支持部材52は板バネ55によって下から附勢される。したがって、フック片52aを設けてある側辺部と反対側の側辺部が、フック片52を中心として上方へ回動(傾斜)する。
次に、図15及び図16に示すように、右側の支持部材52のセットと同様の要領で、左側の支持部材51をベース部2にセットする。その際、支持部材51のフック片51aが設けられている側辺部と反対側の側辺部の2つの突出片受け部51c、51cが、先に
セットした支持部材52の対向する突出片52c、52cの上に重なるようにセットする。さらに、支持部材51の2つの突出片51b、51bが、支持部材52の対向する突出片52b、52bの下に重なるようにセットする。このセット作業を終えた状態では、図16に示すように、2つの支持部材51、52の側辺部が1つの板バネ55によって上方へ持ち上げられるように附勢される。この力によって、リング3、3は、開リング姿勢を維持することができる。
次に、図17に実線で示すように、両側のカバー部分22、22をその定位置まで曲げ加工する。その後、切替レバー4のカム部材44を、起立片25、25間に位置させ、ヒンジピン26を差し込み、かしめ等により抜け止め加工する。これにより、切り替えレバー4はベース部2にヒンジ結合される。
支持部材52には隆起部52dが設けられている。この隆起部52dは切替レバー4のカム部43の直下に位置している。そして、切替レバー4が図1に示すように一側に回動した綴じ位置にあるとき、そのカム部43が上側に位置する隆起部52dに接触して押し下げ、リング3、3を閉リング姿勢に保持するように設定されている。
また、図1に示す切替レバー4の綴じ位置から、切替レバー4を矢印方向に回動させたとき、切替レバー4がリング3に突き当たる前に、リング3が開リング姿勢へ徐々に移行して切替レバー4の通過を許容するように設定されている。
この実施の形態によれば、切替レバー4を操作するだけで、二つの支持部材51、52を同時に作動させてリング3、3を閉リング姿勢及び開リング姿勢に変化させることができる。そして、リング3、3が開リング姿勢にあるとき、リング3、3の開放部分Kを切替レバー4が通過可能に構成されている。これにより、リング3が開リング姿勢にあるときでも、切替レバー4の自由端42を、図5に示すようにリング3の外側へ通過させて待避状態にしておくことが可能になる。したがって、書類等を抜き差しする作業時においても切替レバー4が邪魔になる位置にこないようにすることができる。
また、リング3、3のそれぞれを、略円弧状の第1リング部材と第2リング部材とで構成しているので、リングの曲げ加工を容易にすることができる。
(第2実施形態)
図18及び図19に本発明の第2の実施形態を示している。なお、この第2の実施形態において、第1の実施形態と機能的に共通する部分には同一符号を付して説明を簡略化する。
この実施形態の綴じ具も、ベース部(ベースプレート)2と、ベース部2にその長手方向(長さ方向)に間隔をおいて設けられた二つのリング3、3と、切替レバー4を含む切替機構5とを備えている。二つのリング3は、書類等を綴じ込む閉リング姿勢と、書類等を綴じ入れるために閉リングの一部を開放する開リング姿勢に変化することができる。
切替機構5は、ベース部2に設けられ、リング3、3をその閉リング姿勢と開リング姿勢とを切り替えるためのもので、ベース部2に揺動可能(回動可能)に取り付けられた切替レバー4を含む。そして、リング3、3が開リング姿勢にあるとき、リング3、3の開放部分を切替レバー4が通過可能に構成されている。
この第2実施形態では、ベース部2は、帯板状のベース本体21と、ベース本体21の中央部に設けられた軸受け部材210とで構成されている。軸受け部材210は、図19(a)に示すように、ベース本体21から切り起こされた係止片211を、軸受け部材2
10の底板212上へ折り曲げることで、ベース本体21に固定されている。この係止片211は、後述する押圧部312、322を下から上方へ持ち上げるように附勢する弾性部材を兼ねている。勿論、別の弾性部材をセットしても良い。軸受け部材210は、底板212から立ち上がった二つの起立片214、214を有し、その起立片214にピン孔25aが設けられている。
また、リング3、3を形成する各リング部材のうち、二つの第1リング部材31、31と、二つの第2リング部材32、32は、それぞれ一本の金属線を曲げ加工することで形成されている。即ち、二つの第1リング部材31、31の連続部311と、二つの第2リング部材32、32の連続部321が第1実施形態における支持部材を兼ねた構成としている。連続部311、321にはベース本体21上の中央部で近接しかつ平行に延びる押圧部312、322が形成されている。
押圧部312、322上には当て板220が配置されている。当て板220はその上面に噛み合い用の歯221を有するいわゆるラック状に形成されている。この当て板220は押圧部312、322に沿って移動可能に構成されている。切替レバー4の基端側に固定されたカム部材44は、当て板220の歯221と噛み合う歯441を周面の一部に有するいわゆるピニオン状に形成されている。そして、図19(b)に示すように、当て板220の歯221に対してカム部材44の歯441が噛み合う形態で、切替レバー4がヒンジピン26を介して軸受け部材210にヒンジ結合されている。なお、当て板220の歯221とカム部材44の歯441は、前記係止片211の附勢力により、押圧部312、322を介して常に噛み合うようになっている。
カム部材44のカム面(歯441がある部分)の輪郭は、切替レバー4の自由端42が図示のように閉じ位置にあるとき当て板220を最大限に押し下げ、切替レバー4がリング3に突き当たる前に当て板220の押し下げ量を徐々に少なくしてリング3の開放動作を開始させ、切替レバー4がリング3の開放部分を通過した時点で当て板220の押し下げを開放することができる輪郭に形成されている。これにより、切替レバー4を回動させると、当て板220を介して押圧部312、322を押し下げたり、押し下げを開放したりすることができる。
第1リング部材31、31どうしの連続部311には、第1リング部材の回転中心となる支点部分313が間隔をおいて二つ形成されている。これらの支点部分313は、ベース本体21の幅方向一側に形成された屈曲部215によって回転可能に保持されている。また、第2リング部材32、32どうしの連続部321には、第2リング部材32の回転中心となる支点部分323が間隔をおいて二つ形成されている。これらの支点部分323は、ベース本体21の幅方向他側に形成された屈曲部216によって回転可能に保持されている。
この第2実施形態においても、基本的には先の第1実施形態と同様の効果を奏する。ただ、この第2実施形態では、第1実施形態の綴じ具よりも、ベースプレートの面積を小さく、かつ部品点数を少なくすることができる点、低単価で製作できる点、リング部材の剛性が高い点、などで優れている。
カム部材44が当て板220を介して押圧部312、322を押す構造としているが、カム部で直接押圧部312、322を押圧して駆動させてもよい。このようにすると部品点数をより少なくすることができる。
各実施形態において、リング3を全体として矩形状としたのは、開状態で第1及び第2のリング部材31、32がそれぞれ略コ字状となり、書類等を綴じ込む際にコ字状の略垂
直な中間辺部まで書類等を綴じ込むと、それ以上の書類等の綴じ込みが難しくなり、これによって過剰な書類等の綴じ込みを防止するためである。
なお、以上の実施形態では、リング3を構成する二つのリング部材31、32を左右対称に形成したが、リングの開放部分Kを切替レバー4が通過可能であれば、リング部材31、32を必ずしも左右対称に形成する必要はない。例えば、リングを正面から見てD形状としたものにも適用することができる。ただし、その場合でも、D形状リングの中央部から両側に開く構成とすることが望ましい。
また、本発明の技術思想を考慮した場合、リングの開放部分Kを切替レバー4が通過可能であれば良い。したがって、開放部分Kはリングの中央部から両側に開く構成に限らず、多少偏心した位置(左右何れかに偏った位置)から両側に開く構成とすることもできる。その際、偏った開放部分Kの位置に合わせて、切替レバー自体を屈曲させても良い。また、片側のリング部材のみを動かして片側に開く構成とすることもできる。その際、切替レバー4の取付位置を偏らせても良い。このような考え方は、左右対称でないリングを採用する際に有効である。
なお、この実施例では切替レバー4をピン26の両端の二箇所(二つの起立片214、214)で支持したが、(ピン26の)一箇所で支持しても良い。
産業上の利用可能性
本発明は、書類等を綴じるバインダーなどに利用できる。

Claims (11)

  1. ベース部と、
    前記ベース部に設けられ、書類等を綴じ込む閉リング姿勢と書類等を綴じ入れるために閉リングの一部を開放する開リング姿勢に変化し得るリングと、
    前記ベース部に設けられ、前記閉リング姿勢と開リング姿勢とを切り替えるための切替機構と、を備え、
    前記切替機構は、前記ベース部に揺動可能に取り付けられた切替レバーを含み、前記リングが開リング姿勢にあるとき、リングの開放部分を前記切替レバーが通過可能に設定されている、書類等の綴じ具。
  2. 前記リングは、前記ベース部の長手方向に間隔をおいて複数配置され、前記切替機構は、前記各リングが開リング姿勢にあるとき、各リングの開放部分を前記切替レバーが通過可能に設定されている、請求項1記載の書類等の綴じ具。
  3. 前記リングは、先端どうしの接触により閉リング姿勢となり、先端どうしの離間により開リング姿勢となる第1リング部材及び第2リング部材を有している、請求項1又は2記載の書類等の綴じ具。
  4. 前記各リングの開放部分は、前記ベース部上であってベース部の短手方向中央部分に位置している、請求項1〜3の何れかに記載の書類等の綴じ具。
  5. 前記切替レバーは、前記ベース部にヒンジ結合された基端部と、操作用の自由端とを有し、前記基端部には、自由端の回動位置によって前記各リングの開閉度を調整するカム部が設けられている、請求項1〜4の何れかに記載の書類等の綴じ具。
  6. 前記ベース部は、金属板で形成されたベース本体と、ベース本体の中央部を覆う形態でベース本体から立ち上がったカバー部分と、そのカバー部分に設けられた軸受け部とを有し、前記軸受け部は、前記切替レバーのヒンジの一部を構成している、請求項1〜5の何れかに記載の書類等の綴じ具。
  7. 前記切替機構は、前記ベース部上に並べて配置され、それぞれがベース部の長手方向と直交する側方へ傾斜可能な二つの支持部材を有し、一方の支持部材に前記第1リング部材が支持され、他方の支持部材に前記第2リング部材が支持され、前記両支持部材の少なくとも一方とベース部との間には、リング部材の先端どうしが離間する方向へ支持部材を附勢する弾性体が設けられている、請求項1記載の書類等の綴じ具。
  8. 前記各支持部材は、金属板により帯板状に形成されて一方の側辺部と他方の側辺部をそれぞれ有し、各支持部材の一方の側辺部が前記ベース部にそれぞれヒンジ結合され、他方の側辺部の一部どうしがベース部上で上下に重ねられ、前記弾性体は少なくとも一方の支持部材とベース部との間に配置されている、請求項7に記載の書類等の綴じ具。
  9. 前記リングはベース部の長手方向に間隔をおいて二つ設けられ、両リングをそれぞれ形成する第1リング部材及び第2リング部材のうち、二つの第1リング部材と二つの第2リング部材はそれぞれ一本の金属線の曲げ加工により形成され、第1リング部材どうしの連続部及び第2リング部材どうしの連続部には、ベース本体の中央部で近接して並行する押圧部と、第1リング部材及び第2リング部材の回転中心となる支点部分がそれぞれ形成され、各支点部分が前記ベース本体に対して回転可能に保持され、前記押圧部が前記切替レバーのカム部によって押圧操作される、請求項1〜5の何れかに記載の書類等の綴じ具。
  10. 前記ベース部は、金属板で形成されたベース本体と、ベース本体の中央部に設けられた軸受け部材とを備え、軸受け部材は、底板と、底板から立ち上がった対向する二つの起立片とを有し、両起立片に前記切替レバーの基端部がヒンジ結合され、前記両起立片間に前記押圧部が配置されている、請求項1〜5の何れか又は請求項9に記載の書類等の綴じ具。
  11. 前記押圧部と前記カム部との間には、押圧部に添って移動可能な当て板が設けられ、その当て板の表面と前記カム部の周面には互いに噛み合う歯が設けられている、請求項9又は10に記載の書類等の綴じ具。
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