JPWO2005098133A1 - ピッチコントロール剤 - Google Patents

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Abstract

パルプや紙の製造工程において、製造設備や製品へのピッチの付着を充分に防止することができるピッチコントロール剤を提供する。重量平均分子量が5,000〜1,000,000であって、(A)N−ビニル−2−ピロリドンから誘導される構成単位20〜95モル%及び(B)カチオン性を有する単量体、例えばアクリレート系単量体、メタアクリレート系単量体などから誘導される構成単位5〜80モル%からなる重合体を含有するピッチコントロール剤。

Description

本発明はピッチコントロール剤に関し、さらに詳しくは、パルプや紙の製造工程において、製造設備や製品へのピッチの付着を防止するピッチコントロール剤に関する。
パルプまたは紙の製造工程において発生するピッチ(原料である木材に含まれている樹脂や、古紙又は損紙由来で混入する接着剤やラテックスなどの粘着性物質、または紙を製造する際に使用されるサイズ剤などをいう)は、抄紙工程においてワイヤーやフェルトを目詰まらせることにより搾水性の低下を引き起こしたり、紙に付着することにより品質や操業性に影響を与えるなど、トラブルの原因となる。このため、従来から、パルプまたは紙を製造する際のピッチの凝集、あるいは紙や装置上へのピッチの付着を防止する目的で、ピッチコントロール剤が使用されている。ピッチコントロール剤は、タルクなどの無機系のものと重合体や界面活性剤などの有機系のものに大別され、近年では、アニオントラッシュ過剰系に対する電荷調整に有効であるなどの理由から、カチオン性重合体が多用されている。
カチオン性重合体を用いるピッチコントロール剤およびピッチコントロール方法として、従来以下の方法が知られている。
(1)アルキルアミンなどとエピハロヒドリンなどとの重合体を用いるピッチコントロール方法(例えば、特許文献1参照)。
(2)ジアリルジメチルアンモニウムクロライドなどを含有する重合体を用いるピッチコントロール方法(例えば、特許文献2参照)。
(3)N,N−ジアルキル−N−ヒドロキシアルキル−アミノアルキル(メタ)アクリレートの四級化物を含有する重合体を用いるピッチコントロール方法(例えば、特許文献3参照)
(4)ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドの四級化物を含有する重合体を用いるピッチコントロール方法(例えば、特許文献4参照)
(5)カチオン性重合体および界面活性剤を用いるピッチコントロール方法(例えば、特許文献5、6参照)
特開昭62―223394号公報 特開昭63―264993号公報 特開昭53−41507号公報 特開平2−259195号公報 特開平2−182995号公報 特開2003−268696号公報
しかし、用水のクローズド化や古紙利用率の増加など近年の操業状況に起因してピッチに由来するトラブルはむしろ増加傾向にある中で、上記(1)〜(5)の方法では、ピッチの付着を防止する効果が未だ充分ではなかった。すなわち、ピッチの付着を充分に防止することができるピッチコントロール剤は開発されていないのが現状である。
すなわち、本発明は、パルプや紙の製造工程において、製造設備や製品へのピッチの付着を充分に防止することができるピッチコントロール剤を提供することを目的とする。
本発明は
(イ)重量平均分子量が5,000〜1,000,000であって、(A)N−ビニル−2−ピロリドンから誘導される構成単位20〜95モル%及び(B)カチオン性を有する単量体から誘導される構成単位5〜80モル%からなる重合体を含有するピッチコントロール剤、
(ロ)前記重合体のコロイド当量値が0.1〜5meq/gである請求項1記載のピッチコントロール剤、
(ハ)前記カチオン性を有する単量体が、アクリレート系単量体及び/又はメタアクリレート系単量体である上記(イ)又は(ロ)に記載のピッチコントロール剤、及び
(ニ)前記カチオン性を有する単量体が下記の式(1)で表される単量体及び/又は式(2)で表される単量体である上記(イ)〜(ハ)のいずれかに記載のピッチコントロール剤、
Figure 2005098133
(式中、R1は水素原子またはメチル基、R2およびR3はそれぞれ水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、Aはエチレン基、プロピレン基、ヒドロキシエチレン基またはヒドロキシプロピレン基を表わす。)
Figure 2005098133
(式中、R4は水素原子またはメチル基、R5およびR6はそれぞれ水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、R7は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはベンジル基、Bはエチレン基、プロピレン基、ヒドロキシエチレン基またはヒドロキシプロピレン基、Y-は陰イオンを表わす。)
に関するものである。
本発明のピッチコントロール剤により、パルプや紙の製造工程において、製造設備や製品へのピッチの付着を充分に防止することができる。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明のピッチコントロール剤に含有される「重量平均分子量が5,000〜1,000,000であって、(A)N−ビニル−2−ピロリドンから誘導される構成単位20〜95モル%及び(B)カチオン性を有する単量体から誘導される構成単位5〜80モル%からなる重合体」(以下、「本発明の重合体」ということがある)において、(A)成分のN−ビニル−2−ピロリドンから誘導される構成単位の含有量は20〜95モル%であり、好ましくは40〜95モル%、さらに好ましくは70〜90モル%である。含有量が上記範囲内にあれば、充分なピッチ付着防止性が得られ好ましい。
(B)成分のカチオン性を有する単量体から誘導される構成単位の含有量は5〜80モル%であり、好ましくは5〜60モル%、さらに好ましくは10〜40モル%である。含有量が上記範囲内であれば、充分なピッチコントロール性が得られ好ましい。
本発明の重合体において、コロイド当量値は0.1〜5meq/gであることが好ましく、更に0.2〜4meq/gであり、特に0.3〜3meq/gであることが好ましい。コロイド当量値が上記範囲内にあれば、充分なピッチコントロール性が得られる。なお、コロイド当量値とは高分子電解質のカチオンまたはアニオン度を示す指標であり、コロイド当量値がプラスで大きいほどカチオン性が高く、ほぼゼロになると非イオン性、さらにマイナスになるとアニオン性であることを示す。このコロイド当量値はコロイド滴定を用いて測定される。
本発明の重合体は、その重量平均分子量が5,000〜1,000,000であり、好ましくは10,000〜500,000、さらに好ましくは20,000〜300,000である。重量平均分子量が5,000以上であれば、充分なピッチコントロール性が得られ、1,000,000以下であれば適切な粘度を有することから取り扱いが容易であり、また充分なピッチコントロール性が得られる。
本発明の重合体の構成単位であるカチオン性を有する単量体には、四級アンモニウム塩基またはアミノ基などのカチオン性基を有する単量体の他に、重合後にアミド基をマンニッヒ反応でアミノ基に変性するなどの方法でカチオン性を付与したものを含む。上記カチオン性を有する単量体としては(メタ)アクリレート系単量体が好ましい。なお、ここで「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートとメタアクリレートの双方を示す。
上記カチオン性基を有する単量体としては、前記式(1)で示される単量体及び/又は式(2)で示される単量体が好ましく用いられる。
式(1)で示される単量体において、R1は水素原子またはメチル基であり、好ましくはメチル基である。R2およびR3はそれぞれ水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられ、好ましくはエチル基、プロピル基である。Aはエチレン基、プロピレン基、ヒドロキシエチレン基またはヒドロキシプロピレン基であり、好ましくはエチレン基またはプロピレン基である。本発明においては、上記式(1)で示される単量体は、塩酸、硫酸、酢酸などの水溶性酸と塩を形成するものであってもよい。
また、式(2)で示される単量体において、R4は水素原子またはメチル基であり、好ましくはメチル基である。R5およびR6はそれぞれ水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられ、好ましくはエチル基、プロピル基である。R7は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはベンジル基であり、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられ、さらに好ましくはエチル基、プロピル基である。Bはエチレン基、プロピレン基、ヒドロキシエチレン基またはヒドロキシプロピレン基であり、好ましくはエチレン基またはプロピレン基である。Y-は陰イオンであり、例えばメチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、塩化物イオン、臭化物イオンなどが挙げられ、好ましくはメチル硫酸イオンまたはエチル硫酸イオンである。
上記式(1)で示される単量体及び式(2)で示される単量体は、それぞれ単独で用いルことができるが、二種以上組みあわせて用いることもできる。
上記カチオン性を有する単量体としては、例えばジアルキルアミノ(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリレートまたはその四級化物、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドまたはその四級化物、塩化アルキルビニルイミダゾリウム、塩化ジメチルジアリルアンモニウムなどが挙げられ、好ましくは、塩化アルキルビニルイミダゾリウム、ジアルキルアミノ(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリレートまたはその四級化物であり、さらに好ましくはジアルキルアミノ(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリレートの四級化物である。
カチオン性を有する単量体として具体的な化合物としては、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドまたはこれらを塩化メチル、塩化エチル、塩化ベンジル、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸などで四級化した単量体、塩化メチルビニルイミダゾリウム、塩化ジメチルジアリルアンモニウムなどが挙げられる。
これらのうち、好ましくは、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、またはこれらを塩化メチル、塩化エチル、塩化ベンジル、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸で四級化した単量体であり、さらに好ましくはジメチルアミノプロピルメタアクリレート、ジメチルアミノエチルメタアクリレート、ジエチルアミノプロピルメタアクリレート、ジエチルアミノエチルメタアクリレート、またはこれらをジメチル硫酸、ジエチル硫酸で四級化した単量体である。
本発明の重合体は、(A)N−ビニル−2−ピロリドンから誘導される構成単位及び/又はカチオン性を有する単量体から誘導される構成単位に加え、他の単量体から誘導される構成単位を含有していてもよい。該他の単量体としては、例えば(メタ)アクリルアミド、スチレン、(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、メチルビニルエーテル、エチレン、(ポリオキシアルキレン)アリルアルコール、ビニルアセトアミド、ビニルホルムアミドなどの非イオン性単量体、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニルスルホン酸、2−アクロイルアミノ−2−メチルプロパンスルホン酸、ヒドロキシプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸などのアニオン性単量体またはその塩などが挙げられる。
本発明のピッチコントロール剤は、本発明の重合体を0.1〜60重量%含有することが好ましく、更に好ましくは0.5〜30重量%含有し、特に好ましくは1〜20重量%含有する。本発明の重合体の含有量が上記範囲内であれば、ピッチコントロール剤が適切な粘度を有することから取り扱いが容易となり、充分なピッチコントロール性を得ることができる。
本発明のピッチコントロール剤は、前記本発明の重合体以外にも、必要に応じて、界面活性剤、重合体、キレート剤、ビルダー、有機酸、pH調整剤、溶剤、消泡剤、殺菌剤、防腐剤、着色料、香料などを含有することができる。
本発明のピッチコントロール剤は、好ましくはパルプや紙の製造工程において用いられるが、その使用方法としては、例えばワイヤー、フェルト、ロール、カンバス、ドライヤーシリンダーなどの製造設備に散布する方法およびパルプに添加する方法などが挙げられ、本発明においては、高いピッチコントロール性が得られる点から製造設備に散布する方法が好ましい。
ピッチコントロール剤を製造設備に散布する場合には、シャワー水などの洗浄水に添加して行えばよい。この場合、他のピッチコントロール剤や潤滑剤、剥離性向上剤、洗浄剤、酸、アルカリなどの添加剤と組み合わせて使用することができる。
また、ピッチコントロール剤をパルプに添加する場合には、パルプスラリーに添加するのが好ましい。添加場所としては、チェスト、種箱、エキストラクターなどが挙げられる。ピッチコントロール剤は、填料、染料、硫酸バンド、凝結剤、紙力増強剤、歩留向上剤、濾水性向上剤、サイズ剤、嵩高剤、消泡剤などの添加剤と組み合わせて使用することができる。
上記製造工程における本発明のピッチコントロール剤の使用量は、例えば、洗浄水またはパルプに対し、本発明の重合体換算で0.05〜2000ppmであり、好ましくは0.1〜1000ppmであり、さらに好ましくは0.5〜300ppmである。使用量が上記範囲内にあれば、紙力増強剤や濾水性向上剤など他の添加剤の性能を阻害することなくピッチコントロール性が充分となり好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
なお、実施例および比較例で用いた本発明の重合体1〜13の構造及び性状を表1に示す。また、上記重合体のコロイド当量値は以下のようにして測定した。
コロイド当量値
ミューテック社製PCD03を用いて、重合体固形分あたりのコロイド当量値(meq/g)を測定した。
実施例1
表1に示す重合体1をイオン交換水に希釈混合し、表2に示すピッチコントロール剤を得た。
実施例2〜9および比較例1〜5
表1に示す重合体を用いて、実施例1と同様に実施例2〜9および比較例1〜5の各々のピッチコントロール剤を表2及び表3に示すように調製した。
Figure 2005098133
各ピッチコントロール剤について、ピッチ付着防止性を以下の方法で評価した。評価結果を表2及び表3に示す。
ピッチ付着防止性
精製水990gにオレイン酸2g、トール油2g、アビエチエン酸2gおよび48%水酸化ナトリウム4gを加えてピッチを調製した。
よく洗浄したワイヤーを7×21cmに切り取り、円筒状にしたものをテストピースとし、105℃にて1時間乾燥後、デシケーター中で放冷し、秤量した(重量A)。500mLビーカー中に濾過水460mLを入れ、恒温水槽中で40℃に昇温し、ピッチコントロール剤を50mg添加した。調製した溶液中にテストピースを入れ、30分間攪拌を行い、ピッチ25mL、5重量%塩化カルシウム水溶液15mLを添加した。添加後1時間攪拌を行った。攪拌後、テストピースを取り出し、水を切った後105℃にて1時間乾燥させた。デシケーター内で放冷し、重量を測定した(重量B)。重量B−重量Aがピッチ付着量となる。ピッチ付着防止率を下式に従い算出し下記のように評価した。
ピッチ付着防止率(重量%):
[(薬剤を添加しない場合のピッチ付着量−薬剤を添加した場合のピッチ付着量)/薬剤を添加しない場合のピッチ付着量]×100
◎:ピッチ付着防止率が80%以上である。
○:ピッチ付着防止率が60%以上80%未満である。
△:ピッチ付着防止率が40%以上60%未満である。
×:ピッチ付着防止率が40%未満である。
Figure 2005098133
Figure 2005098133
本発明のピッチコントロール剤は、ピッチ付着防止性が良好であった。これに対して比較例1は重合体のN−ビニル−2−ピロリドン成分の含量が20モル%未満でありカチオン性を有する単量体成分の含量が80モル%を超えるため、ピッチ付着防止性が不良であった。比較例2は重合体がカチオン性を有する単量体単位を含有しないため、ピッチ付着防止性が不良であった。比較例3および比較例4は重合体がN−ビニル−2−ピロリドン成分を含有しないため、ピッチ付着防止性が不良であった。比較例5は重合体の重量平均分子量が1,000,000を超えるため、ピッチ付着防止性が不良であった。
本発明のピッチコントロール剤は、ピッチの付着を充分に防止することができることから、優れたピッチコントロール剤として、パルプや紙の製造において有利に利用可能である。

Claims (4)

  1. 重量平均分子量が5,000〜1,000,000であって、(A)N−ビニル−2−ピロリドンから誘導される構成単位20〜95モル%及び(B)カチオン性を有する単量体から誘導される構成単位5〜80モル%からなる重合体を含有するピッチコントロール剤。
  2. 前記重合体のコロイド当量値が0.1〜5meq/gである請求項1記載のピッチコントロール剤。
  3. 前記カチオン性を有する単量体が、アクリレート系単量体及び/又はメタアクリレート系単量体である請求項1又は2に記載のピッチコントロール剤。
  4. 前記カチオン性を有する単量体が、下記の式(1)で表わされる単量体及び/又は式(2)で表される単量体である請求項1〜3のいずれかに記載のピッチコントロール剤。
    Figure 2005098133
    (式中、R1は水素原子またはメチル基、R2およびR3はそれぞれ水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、Aはエチレン基、プロピレン基、ヒドロキシエチレン基またはヒドロキシプロピレン基を表わす。)
    Figure 2005098133
    (式中、R4は水素原子またはメチル基、R5およびR6はそれぞれ水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、R7は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはベンジル基、Bはエチレン基、プロピレン基、ヒドロキシエチレン基またはヒドロキシプロピレン基、Y-は陰イオンを表わす。)




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