JPH09111094A - 製紙用エマルジヨンサイズ剤およびサイジング方法 - Google Patents

製紙用エマルジヨンサイズ剤およびサイジング方法

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JPH09111094A
JPH09111094A JP29383895A JP29383895A JPH09111094A JP H09111094 A JPH09111094 A JP H09111094A JP 29383895 A JP29383895 A JP 29383895A JP 29383895 A JP29383895 A JP 29383895A JP H09111094 A JPH09111094 A JP H09111094A
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JP
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sizing
monomer
sizing agent
dispersant
resin
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JP29383895A
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Toshihiro Tawara
敏弘 田原
Kunihiko Matsushima
邦彦 松島
Nobuo Oguchi
修生 小口
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MISAWA CERAMIC CHEMICAL KK
Misawa Ceramics Corp
Original Assignee
MISAWA CERAMIC CHEMICAL KK
Misawa Ceramics Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硫酸アルミニユウムの使用を必要とせず、製
紙工程で起り得る広い範囲のPH域におけるサイジング
に対して有効な製紙用のサイズ剤を提供する。 【解決手段】 分散剤(a)とサイズ剤樹脂(b)とか
らなり、分散剤(a)は、カチオン性基としてN,N
ジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エス
テルモノマー、スチレン類のような疎水性モノマーお
よび機能性基としてグリシジル基を有する(メタ)ア
クリル酸モノマーを必須構成モノマーとする共重合体で
あり、この分散剤(a)を用いてサイズ剤樹脂(b)と
しての石油樹脂を乳化して得られるものである、ことを
特徴とする水性分散状製紙用サイズ剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カチオン性で特定の機
能性を備えた共重合体を分散剤としカルボキシル基を有
しない無極性樹脂である石油樹脂を水分散物としたサイ
ズ剤に関するものである。本発明のサイズ剤は、特に、
高PHの抄紙のサイジングにおいて硫酸アルミニュウム
の介助を要することなしにサイズ効果を発現することが
できる。
【0002】
【従来の技術】製紙上のサイジングについては、旧来、
主としてロジンおよびその酸基(カルボキシル基)強化
物(強化ロジン)のNaやK塩が定着剤としての硫酸ア
ルミニュウム(アラム)と一緒に、PHが4.5付近の
酸性域を最適点として使われて来て久しいが、近年生産
性の向上によるマシンの高速化、資源の可及的流失防止
および環境保全に対処するためクローズ化が進み、それ
に伴ってサイジングコントロールも難かしくなってき
た。
【0003】このように厳しくなる条件に対して、用水
の悪化などに敏感な上記のアルカリ金属塩の代わりに、
原料としてはやはり強化ロジンを主成分とするが、水分
散型(乳化型)のロジンサイズ剤が種々提案され、水溶
解型にとって代わりつつある趨勢にある。ロジン塩をベ
ースとした水溶液型比しバンドの使用量もより少なくて
すみ(PHが5.5付近程度に拡張)、かつサイズ剤の
使用量も軽減する。しかし、これらの乳化サイズ剤は、
カルボキシル基を有するロジン類およびフマル酸/無水
マレイン酸などを付加してさらにカルボキシル基含量を
増加した強化ロジン類を、アニオン性の界面活性剤やカ
ルボキシル基に富む重合性モノマーを原料として調製さ
れた種々のアニオン性ポリマー分散剤で、水性分散化さ
れた乳化ロジンサイズ剤であり、アルカリ性の製紙用填
料としての炭酸カルシュウムが介在し、系のPHが7以
上などのアルカリ性になると、サイズ剤として有効では
なくなる。
【0004】そこで、酸性物質であるアラムを介さずに
サイジングを施す中性サイジングの要望が高まってきて
いる。
【0005】特開昭62−223393および62−2
50297では、ロジン物質をグリセリン等の多価アル
コール類でエステルとした物を主成分とする乳化物が、
炭酸カルシュウムに起因する高PH(7.5〜8.5等)
に対抗してサイズ効果を発現する中性型のロジン乳化サ
イズ剤として、提案されている。しかし、製品のイオン
状態は分散剤のカルボキシル基のためにアニオン性であ
り、そのためアラムの併用がないとサイズ発現は殆ど期
待できないのが現状である(アラム併用でもPH域は通
常7.5付近の弱アルカリ域である。)。カチオン性ロ
ジンサイズ剤としては、特開平3−174092に、ア
ニオン性のロジン乳化サイズ剤を、カチオン性ポリマー
およびカチオン性澱粉と(メタ)アクリルアミド系のポ
リマーを介してカチオン性に転換したサイズ剤が提案さ
れている。また、特開平3−227481には、ロジン
系樹脂をカチオン性モノマー、アニオン性モノマー、疎
水性モノマー、(メタ)アクリルアミドからなる共重合
体で乳化して得られるサイズ剤が提案されている。
【0006】バンド併用を要しない完全中性〜アルカリ
性に対応出来るサイズ剤としてはアルキルケテンダイマ
ー(AKD)樹脂によるものおよびアルケニル無水コハ
ク酸樹脂によるものがよく知られている。ただし、前者
についてはサイズ性発現(いわゆる立ち上がり)までに
時間がかかる点やそのアルキル鎖による紙のすべり性、
抄き換え前後の洗浄といった作業性などの点が問題視さ
れ、後者については使用直前に水に分散させ短時間のう
ちに添加しなければ失効するなどの問題が指摘されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アラ
ムを必要とせず、製紙工程で起こりうる広い範囲のPH
域(PH4〜9)、とりわけ高PH域、におけるサイジ
ングに対して有効なサイズ剤を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、特定のモ
ノマーを必須構成モノマーとしてなる共重合体を分散剤
(乳化剤)として使用して、無極性樹脂であるサイズ剤
樹脂としての石油樹脂を乳化することにより、上記の課
題を解する製紙用サイズ剤が得られることを見出した。
【0009】斯くして、本発明によれば、分散剤(a)
とサイズ剤樹脂(b)とからなり、分散剤(a)は、
カチオン性基としてN−Nジアルキルアミノ基を有する
(メタ)アクリル酸エステルモノマーまたは(メタ)ア
クリル酸アミドモノマーの少なくとも1種、スチレン
類または(メタ)アクリル酸アルキルエステルである疎
水性モノマーの少なくとも1種および機能性基として
グリシジル基または3−クロロ−2−オキシプロピル基
を有する(メタ)アクリル酸モノマーの少なくとも1種
を必須構成モノマーとする共重合体であり、この分散剤
(a)を用いて無極性樹脂であるサイズ剤樹脂(b)と
しての石油樹脂を乳化して得られるものである、ことを
特徴とする水性分散状製紙用サイズ剤が提供される。
【0010】本発明のサイズ剤を得るのに必要な分散剤
(乳化剤)を構成する必須モノマーのうち、モノマー
は、分散剤に所要のカチオン性を付与するためのもので
あり、下記の式(1)および(2)で表わされる。
【0011】
【化1】
【0012】上式において、R1はHまたはCH3、R2
およびR3はCH3またはC25、nは2または3、Xは
R−COOHおよび/または[CH2−CH(OH)−
CH2Cl]RCOO-、RはHまたはCH3を夫々表わ
す。
【0013】(1)の代表例はN−N−ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリレートであり、(2)の代表例は
N−N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミ
ドである。
【0014】モノマー、およびの構成量比をとる
とき、については原体第3級アミンとして扱う。調製
したあと、共重合体である分散剤としては、モノマー段
階における低級有機酸(蟻酸もしくは酢酸による)、に
よる酸塩化、エピクロルヒドリンによる4級化アミン塩
として存在せしめる。
【0015】第4級アミンは第3級アミンの酢酸塩から
エピクロルヒドリンにより誘導して得られる。重合の始
めに予め4級化処置を行ってもよいし、また重合の終わ
りに行ってもよい。モノマー(1)および(2)は各単
独で使用しても混合で使用してもよい。
【0016】第3級アミン/第4級アミンはアミノ基の
60〜100%が第4級アミノ基であり、残部分が第3
級アミン酸塩であり、加えるエピクロルヒドリンの量に
よって調節が可能である。
【0017】モノマーは、分散剤共重合体の中で疎水
基として存在せしめることにより、サイズ剤の主部分で
ある樹脂に分散剤への「馴染み」を与える目的のために
使用される。通常、スチレン類が用いられるが、(メ
タ)アクリル酸のアルキルエステル類でもよい。スチレ
ン類としてはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルト
ルエン等が挙げられるが、スチレンが代表的である。
【0018】(メタ)アクリル酸アルキルエステル類
は、式
【0019】
【化2】
【0020】(式中、R1はHまたはCH3、R2はC
1-18−アルキルである。)で表わされるものであって、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル
等のようなC1〜C12程度のものが好ましい。
【0021】これら疎水基としてのスチレン類および
(メタ)アクリル酸エステル類は、各単独で使用するこ
とも混合して使用することもできる。
【0022】モノマーは分散剤の中にあって機能性基
として作用する。このモノマーを導入することにより、
本発明の主眼である、硫酸アルミニュウム(アラム)を
要せずに、炭酸カルシュウム存在の紙にサイズ効果を実
質的に発現することができる。
【0023】モノマーは、式
【0024】
【化3】
【0025】で表わされる。上式中、R1はHまたはC
3である。(1)はグリシジル(メタ)アクリレート
であり、(2)は3−クロロ−2ヒドロキシ−プロピル
(メタ)アクリレートである。
【0026】モノマー、およびからなる共重合体
分散剤でサイズ樹脂を処理して得られる本発明のサイズ
剤は下記のような興味のあるサイジング挙動を示す。
【0027】炭酸カルシウムの増量はサイズ効果増を示
し、炭酸カルシウムの歩止剤として併用する一般的なカ
チオン性/両性である高分子ポリマーによって高いサイ
ズ効果を示すに至る。炭酸カルシウムがない場合には、
パルプ単独に対しての効果の発現は微弱であるが、この
場合にアラムを使うと高いサイズ度をしめす。この系に
炭酸カルシウムを同時に使用するとサイズ度は低下す
る。しかし、さらに歩止剤と使用するとサイズ度はもと
の高いレベルに至る。通常の抄紙では紙あたり、0.0
1〜0.05%程度の歩止剤が使用されることから炭酸
カルシウム系でバンドの無い完全中性系でサイズ効果を
付与せしめることができる。
【0028】本発明のサイズ剤における分散剤の構成重
量比率(%)は、//=60±10/25±5/
15±5の範囲で調節することができる。
【0029】カチオン性モノマーの比率が60±10
%を占めて比較的高い点が特徴的である。この下限を下
回ると、サイズ樹脂に対する乳化分散力が不足してサイ
ズ剤の粘度が高くなり、取り扱い等に不備を生じまたサ
イズ効果も低下するので、この範囲にあることが好まし
い。
【0030】疎水性モノマーは、分散せしめるサイズ
樹脂である石油樹脂に分散剤への「馴染み」すなわち親
和性をあたえるものであり、25±5%の範囲で充分で
ある。これより少ない場合はサイズ剤粒子の粗大化を招
きサイズ効果を損なうことになる。
【0031】モノマーは、サイズ発現に対する機能性
付与モノマーである。このモノマーは、本発明のサイズ
剤に特徴を与えるものであって、炭酸カルシュウムの介
在によりサイジングPHが〜9程度にまで至ってもアラ
ムを要せずにサイズ効果の発現に寄与する。このモノマ
ーの構成比率は15±5%である。グリシジル(メタ)
アクリレートおよび3−クロロ−2ヒドロキシ−プロピ
ル(メタ)アクリレートがその代表例である。これら各
モノマーは単独使用および混合使用のいずれであっても
良いが、高いサイズ効果をもたらすのは後者を単独で使
用する場合である。
【0032】モノマー、およびから分散剤を調製
するための共重合反応は、通常、疎水モノマーを含有す
るために適当なモノマー類を溶かす溶剤を使用する溶剤
重合法や保護コロイド類の使用で行なう懸濁重合法およ
び少量の界面活性剤の存在下における乳化重合法などに
従うことができる。溶剤重合法の場合は製品調製のとき
に溶剤除去の必要があり、懸濁重合は分散剤粒子が粗大
に傾くために好ましいとはいえない。乳化重合法による
のがよい。
【0033】界面活性剤としてはノニオン性またはカチ
オン性のものが使用され得るがサイズ剤製品の安定性
(機械的ショック、凍結復元性等)から、それ自身が重
合性を有しかつ乳化剤として作用する反応性型の活性剤
を使用することが好ましい。例えば、カチオン性でアリ
ル基をもつ反応性の乳化剤として、式
【0034】
【化4】
【0035】のもの(式中、R1およびR2はメチル、R
3はC12のアルキルである)が、また、ノニオン性でア
クロイル基をもつ反応性の乳化剤として、式
【0036】
【化5】
【0037】のもの(式中、R4はHまたはメチル、R5
はC9またはC12のアルキル、nは8、16、30な
ど、EOはエチレンオキサイドである)が、それぞれ例
示される。
【0038】乳化剤の使用量は、サイズ樹脂に対して
0.5%〜10%、好ましくは1〜5%である。
【0039】モノマー、およびは、例えば、水溶
性のラジカル発生触媒を用いて共重合させる。触媒の使
用量は、モノマーの総量に対して0.5%〜5%であ
る。触媒として水に溶解するアゾアミジンまたは環状の
アゾアミジン化合物或いは過硫酸塩類を使用することに
より、好ましい結果を得ることができる。
【0040】得られる分散剤水溶物は、乾燥固形分が1
5%であるとき、ブルクフィールド粘度計で20〜10
0cp(25℃)の粘度を示す。この粘度が100cp
を越える場合には、最終のサイズ剤の粘度が高くなるこ
とがあるので、好ましくは20cp〜50cpの粘度に
調整される。
【0041】本発明のサイズ剤は、以上に述べたよう
な、カチオン性で樹脂に対して強い親和性があり且つア
ルカリ性PHの下でアラムを要せずとも系中の歩止剤の
作用と合まってサイズ効果発現を導く機能性をもつ分散
剤を、サイズ剤の主要素である無極性の石油樹脂に加え
て、適当な乳化手段で乳化させることによって、水性分
散物の形で得られる。
【0042】無極性の石油樹脂とは、ロジン、またその
酸基増量型としてのフマル酸、無水マレイン酸などを所
定量付加した強化ロジンに存在するカルボキシル基(−
COOH)を有しない石油樹脂を意味し、かつ分子量、
軟化点などの物性がサイズ剤として有効な範囲のもので
ある。
【0043】石油精製で副生するナフサ分解油の中の各
脂肪族系であるC5成分のジオレフィン、オレフィン
類、また芳香族系のC9成分の単独重合物である石油樹
脂類およびこれ等の混合物であるC5とC9の混合物を
成分とする各種の石油樹脂類が良く知られており、かつ
容易に入手できる。
【0044】本発明のサイズ剤のサイズ樹脂としての効
果発現のためには、樹脂の軟化点が適正である必要があ
る。市場で入手出来る石油樹脂類の軟化点は約30℃程
度から約140℃程度迄の範囲があり、いずれも乳化し
てサイズ剤化は可能であるが効果発現に有効な軟化点の
範囲は約50℃から約80℃程度のものに限定される。
この点から樹脂成分がC5およびC9成分から調整され
る混合組成物であるC5/C9石油樹脂類がこの軟化点
範囲を容易にコントロールできるので有利である。分子
量は数平均分子量で1000前後のものである。
【0045】テルペン系、クマロン−インデン系、スチ
レン系樹脂などのような炭化水素樹脂も無極性樹脂であ
り、分子量調節により軟化点(B&R)が適正な範囲に
あるものであれば使用できるが、必ずしも汎用的である
とはいえない。
【0046】これ等の無極性樹脂が本発明サイズ剤にお
いて有効であるためには、樹脂の軟化点が適正であるこ
とが必要であり、製品が良好であっても適正な軟化点か
ら外れる場合は効果が期待できない。
【0047】ロジンおよびロジン変性物を利用するのは
きわめて有利であるが、サイズ剤原料として周知のロジ
ン自体は、その酸基のため、本発明のサイズ剤における
カチオン性分散剤と水性での長期的共存(安定性)がで
きないので、原料として不適当である。
【0048】酸基をアルコール等の水酸基でブロックし
たロジンエステル類は適しているかのように考えられる
が、完全エステル生成が困難であるため(酸価表示で1
0程度の残酸基がある)、やはり分散剤のカチオンと干
渉して製品に沈澱等を生ぜしめかつサイズ効果も低い。
【0049】無極性樹脂と混合して残酸基を薄めると、
その程度により製品を得ることはできるが、本発明のサ
イズ剤を構成する主原料として単独で用いるには適当で
はない。
【0050】一般に乳化サイズ剤は高圧乳化法、相反転
法、溶剤法などすでに知られている種々の方法で製造す
ることができるが、本発明のサイズ剤はカチオン含量が
比較的高くかつエピクロルヒドリンによる4級化体であ
るため100℃を大きく越える温度で樹脂自体を熔融す
る処理を含む(高温)高圧法や高温度に熔融した樹脂に
分散剤を投入する過程を含む相反転法は不適当で、10
0℃以下の温度で取り扱える溶剤法によることが好適で
ある。
【0051】以上の結果、得られたサイズ剤は40%±
50%の乾燥固形分濃度で、PHは製品のままで5±
0.5、粘度は200cp以下である。
【0052】サイジングは、炭酸カルシュウムを投じた
り、コート紙の損紙等を混入して系のPHが弱酸性PH
(6程度)からPH8を越えるアルカリ性の状態にされ
ている紙料に所要のサイズ剤を加えてよく混和し、通常
は稀釈段階を経て抄紙段階の手前で炭酸カルシュウムな
どの填料やパルプの微細繊維を紙に止どめるための歩止
剤としてのカチオン性あるいは両性タイプの高分子ポリ
マーを加えて混和することによって達成される。
【0053】本発明のサイズ剤は、製紙において填料
(フィラー)としての炭酸カルシュウムやパルプの微細
繊維などを紙中によく止どめるために通常的に用いられ
る歩止剤としてのカチオン性の高分子量のポリマーの存
在下で、高いサイズ効果を発現する。アルキルアミノ
(メタ)アクリレート/アクリルアミド共重合体による
もの、ポリアクリルアミドのマンニッヒ変性物、ポリビ
ニルイミダゾリン系等の他にも多くのタイプがある。
【0054】特に3級および4級アミンの酸性液型のも
のが適している。
【0055】分子量は500万〜1000万を越えるも
のが好ましく、この長い有効鎖長が系中の微粒子に作用
して橋かけすることにより、目的が達成される。分子量
が800万±1000万で含有カチオンが0.5〜3ミ
リ当量/gのものが良好に使用できる。歩止剤の使用量
は、紙料パルプに対して50〜500ppm程度にわた
るが、好ましくは100〜300ppmである。カチオ
ンは、硫酸または燐酸などの鉱酸類の塩をなす第3級ア
ミンとアルキルハライド類、ジメチル硫酸、ベンゼンク
ロライドなどのアルキル化剤で4級化したレベルがある
が、どちらでもよい。抄紙機へ運ばれる直前の稀釈部位
で流送用ポンプのシェヤーを撹拌に利用する方法で添加
される。
【0056】炭酸カルシウムなどアルカリ性物質の添加
がなくバンドおよび紙力剤などからなる酸性定着機構に
よる場合には一般に酸性型乳化ロジンが使用されるが、
本発明のサイズ剤をこのようなケースで使っても良好な
サイズ効果がえらえる。
【0057】以下に実施例により本発明のサイズ剤を具
体的に説明するが、これにより本発明が限定されるもの
ではない。なお、部および%は重量ベースである。
【0058】4級塩の製造例 分散剤の調製に先立ってカチオン基を与えるモノマー類
のエピクロルヒドリンによる4級アミン化を行い、後の
原料とした。
【0059】[A] カチオンモノマーであるN,N−
ジメチルアミノエチルメタクリレート(DM)のエピク
ロルヒドリン4級アミン塩の調製(100%4級塩) 撹拌機、温度計、コンデンサー(冷却器)を付した2L
のフラスコに水を574.8部、DMを300部を仕込
み、撹拌しながら90%酢酸を127.2部添加した。
【0060】次いで85℃の湯浴上で加熱、昇温し内温
が65℃に達した時エピクロルヒドリン(EP)を17
6.5部添加した。
【0061】反応による発熱で温度は最高92℃にな
り、その後下降した。最高温度到達後5分で急冷し、D
M−エピクロルヒドリン4級塩の50%水溶液を得た。
【0062】[B] カチオンモノマーであるN−ジメ
チルアミノプロピルアクリルアミド(DMAPAA)の
エピクロルヒドリン4級塩の調製(100%4級塩) [A]の場合と同様にして、DMAPAA 300部と
水593.3部を仕込み、90%酢酸128.2部および
EP177.9部を添加してDMAPAA4級塩の50
%水溶液を得た。
【0063】[C] DMのエピクロルヒドリン4級塩
が60%で残部40%が3級塩である混合物の調製 [A]の場合と同様にして、DMを300部と水を50
7.7部仕込み、90%酢酸127.2部とエピクロルヒ
ドリン105.9部を添加してDMの3級酢酸塩40%
とDMの4級塩60%とからなる50%濃度の水溶液を
えた。
【0064】
【実施例】実施例1 (分散剤T−1の調製) 撹拌機、温度計、コンデンサー(冷却器)を付した1L
フラスコに水を542.6部、先のDM−EP4級塩
[A]を165.5部、スチレンを10.5部、ブチルメ
タクリレートを10.5部、3−クロロ−2ヒドロキシ
−プロピルメタクリレート(TP)(市販名 トポレン
M、新中村化学)を10部およびアリル基を有するカチ
オン性の反応性乳化剤(市販名 RF−751 日本乳
化剤(株))を3.5部加えたのち、撹拌しながら95
℃の湯浴上で加熱昇温し、内温が60℃に達した時に、
触媒2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジ
ン)ジヒドロクロライド(市販名 V−50 和光純
薬)の1.4部を15部の水に溶解したものを添加し
て、重合を開始させた。10分後、最高温度は98℃に
なった。このあと同じ湯浴上で2時間反応を継続した
後、冷却した(濃度15%、粘度 30cp、PH4.
8)。
【0065】構成モノマー比率=DM/スチレン+BM
/TP=60/15+15/10実施例2 (分散剤T−2の調製) 水558.9部、DM−EP4級塩[4]の165.5部
の代わりにDMAPAA−EP4級塩[B]166.2
部、スチレン10.5部およびブチルメタクリレート1
0.5部の代わりにスチレン21部を用いたこと以外は
実施例1と同様にして、分散剤T−2を得た(濃度15
%、粘度35cp、PH5.0)。
【0066】構成モノマー比率=DM/スチレン/TP
=60/30/10実施例3〜6 (分散剤T−3〜T−6の調製) 使用するモノマーを表1に示すように変更したこと以外
は実施例1と同様にして、分散剤T−3〜T−6を得
た。
【0067】比較例1〜3(分散剤C−1〜C−3の調
製) 実施例1の方法により、モノマーをアクリルアミドに
代えた場合、カチオンモノマー[A]の比率を減少させ
た場合、およびモノマーを使用しなかった場合に得ら
れる共重合体を、それぞれ比較例1〜3の分散剤C−1
〜C−3とした。
【0068】これら各分散剤の構成モノマーを下記の表
1にまとめた。
【0069】
【表1】
【0070】実施例7(サイズ剤1の調製) ナフサ分解油のC5およびC9留分の混合物の重合物で
ある市販の石油樹脂#60(ハイレジン#60 東邦化
学工業(株))300部をトルエン200部に溶解した
樹脂液500部に、分散剤T−1を100部および水を
450部添加後、全体を予備的に撹拌してW/Oエマル
ジョンとした。
【0071】次いで、高圧乳化機(マントンゴーリン
社)に150kg/cm2の圧力下で2回通して、O/
Wに転相した乳化物を得た。
【0072】この乳化物を55℃の湯浴上で減圧蒸溜に
付して完全に溶剤のトルエンを除去し、引き続いて水の
一部分を留去して濃縮し、45%の乾燥固形分を有する
平均粒径0.4ミクロンのサイズ剤を得た。
【0073】実施例8〜18(サイズ剤2〜12の調
製) 実施例7の方法において、樹脂の種類および組成ならび
に分散剤を種々に変えることにより、サイズ剤2〜12
を調製した。
【0074】比較例4〜6(サイズ剤13〜15の調
製) 実施例7の方法において、石油樹脂#60および分散剤
C1〜C3を用いることにより、サイズ剤13〜15を
調製した。
【0075】これら各サイズ剤の構成を下記の表2にま
とめた。
【0076】
【表2】
【0077】サイズ効果試験例1 LBKP(広葉樹晒しクラフトパルプ)をCSF(カナ
ジアンスタンダードフリーネス)で410に叩解し、工
業水で乾燥パルプ重量で2.5%の分散物(スラリー)
とした。
【0078】このパルプに炭酸カルシュウム(三共精粉
(株)製エスカロン#100、微粉粒子)を0(無添
加)、5、7、10、20または30%加え、撹拌しな
がら30秒後に、サイズ剤を0.3%添加し、30秒後
にパルプ含有量を工業水で0.22%に稀釈し、よく撹
拌しながら0.1%に薄めた歩止剤DCQ−40(ミサ
ワセラミックケミカル(株)製のカチオン性歩止剤;分
子量1000万、カチオン当量1.8meq/g)を0.
02%を添加し、10秒後にタッピ式丸型試験抄紙機で
抄紙した。
【0079】この後油圧式プレス機により4kg/cm
2で1分間脱水したのち、回転式乾燥機で105℃〜1
10℃で2分間乾燥し、20℃、65RHの恒温室内に
放置し、調湿ののち、サイズ度を測定した。サイズ度は
ステキヒト法によった。(JIS P−8122) 結果を表3に示した。
【0080】
【表3】
【0081】サイズ効果試験例2 LBKPをCSFで410に叩解し、工業水で乾燥パル
プ重量で2.5%の分散物(スラリー)とした。
【0082】このパルプに炭酸カルシュウム(エスカロ
ン#100)をパルプあたり10%加え、撹拌下に30
秒で、市販中性ロジンサイズ剤の場合は硫酸アルミニュ
ウム(バンド)を結晶水バンドで1.0%加えた。PH
は7.5であった。30秒間の撹拌の後、効果増強のた
めに0.2%のカチオン性の紙力剤(CPS)Ex−2
(ミサワセラミックケミカル(株)製)を0.2%添加
し、30秒後にサイズ剤を0.3%添加し、30秒間撹
拌してパルプ含有量0.22%に稀釈し、歩止剤DCQ
−40を0.02%添加して、10秒間撹拌後に抄紙し
た。
【0083】本発明のサイズ剤の場合は炭酸カルシウム
の後にバンドおよびEx−2を添加することなくサイズ
剤を添加した。その他についてはサイズ試験例1に倣っ
た。結果を表4に示した。
【0084】
【表4】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年11月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】このように厳しくなる条件に対して、用水
の悪化などに敏感な上記のアルカリ金属塩の代わりに、
原料としてはやはり強化ロジンを主成分とするが、水分
散型(乳化型)のロジンサイズ剤が種々提案され、水溶
解型にとって代わりつつある趨勢にある。ロジン塩をベ
ースとした水溶液型比しバンドの使用量もより少なく
てすみ(PHが5.5付近程度に拡張)、かつサイズ剤
の使用量も軽減する。しかし、これらの乳化サイズ剤
は、カルボキシル基を有するロジン類およびフマル酸/
無水マレイン酸などを付加してさらにカルボキシル基含
量を増加した強化ロジン類を、アニオン性の界面活性剤
やカルボキシル基に富む重合性モノマーを原料として調
製された種々のアニオン性ポリマー分散剤で、水性分散
化された乳化ロジンサイズ剤であり、アルカリ性の製紙
用填料としての炭酸カルシュウムが介在し、系のPHが
7以上などのアルカリ性になると、サイズ剤として有効
ではなくなる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】斯くして、本発明によれば、分散剤(a)
とサイズ剤樹脂(b)とからなり、分散剤(a)は、
カチオン性基としてN,N−ジアルキルアミノ基を有す
る(メタ)アクリル酸エステルモノマーまたは(メタ)
アクリル酸アミドモノマーの少なくとも1種、スチレ
ン類または(メタ)アクリル酸アルキルエステルである
疎水性モノマーの少なくとも1種および機能性基とし
てグリシジル基または3−クロロ−2−オキシプロピル
基を有する(メタ)アクリル酸モノマーの少なくとも1
種を必須構成モノマーとする共重合体であり、この分散
剤(a)を用いて無極性樹脂であるサイズ剤樹脂(b)
としての石油樹脂を乳化して得られるものである、こと
を特徴とする水性分散状製紙用サイズ剤が提供される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】(1)の代表例はN,N−ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリレートであり、(2)の代表例は
N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミ
ドである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】炭酸カルシウムの増量はサイズ効果増を示
し、炭酸カルシウムの歩剤として併用する一般的なカ
チオン性/両性である高分子ポリマーによって高いサイ
ズ効果を示すに至る。炭酸カルシウムがない場合には、
パルプ単独に対しての効果の発現は微弱であるが、この
場合にアラムを使うと高いサイズ度をしめす。この系に
炭酸カルシウムを同時に使用するとサイズ度は低下す
る。しかし、さらに歩剤と使用するとサイズ度はもと
の高いレベルに至る。通常の抄紙では紙あたり、0.0
1〜0.05%程度の歩剤が使用されることから炭酸
カルシウム系でバンドの無い完全中性系でサイズ効果を
付与せしめることができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】本発明のサイズ剤は、以上に述べたよう
な、カチオン性で樹脂に対して強い親和性があり且つア
ルカリ性PHの下でアラムを要せずとも系中の歩剤の
作用と合まってサイズ効果発現を導く機能性をもつ分散
剤を、サイズ剤の主要素である無極性の石油樹脂に加え
て、適当な乳化手段で乳化させることによって、水性分
散物の形で得られる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】無極性の石油樹脂とは、カルボキシル基
(その酸無水基を含む)を有しない石油樹脂を意味し、
かつ分子量、軟化点などの物性がサイズ剤として有効な
範囲のものである。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正内容】
【0052】サイジングは、炭酸カルシュウムを投じた
り、コート紙の損紙等を混入して系のPHが弱酸性PH
(6程度)からPH8を越えるアルカリ性の状態にされ
ている紙料に所要のサイズ剤を加えてよく混和し、通常
は稀釈段階を経て抄紙段階の手前で炭酸カルシュウムな
どの填料やパルプの微細繊維を紙にどめるための歩
剤としてのカチオン性あるいは両性タイプの高分子ポリ
マーを加えて混和することによって達成される。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】本発明のサイズ剤は、製紙において填料
(フィラー)としての炭酸カルシュウムやパルプの微細
繊維などを紙中によくどめるために通常的に用いられ
る歩剤としてのカチオン性の高分子量のポリマーの存
在下で、高いサイズ効果を発現する。アルキルアミノ
(メタ)アクリレート/アクリルアミド共重合体による
もの、ポリアクリルアミドのマンニッヒ変性物、ポリビ
ニルイミダゾリン系等の他にも多くのタイプがある。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正内容】
【0055】分子量は500万〜1000万を越えるも
のが好ましく、この長い有効鎖長が系中の微粒子に作用
して橋かけすることにより、目的が達成される。分子量
が800万±1000万で含有カチオンが0.5〜3ミ
リ当量/gのものが良好に使用できる。歩剤の使用量
は、紙料パルプに対して50〜500ppm程度にわた
るが、好ましくは100〜300ppmである。カチオ
ンは、硫酸または燐酸などの鉱酸類の塩をなす第3級ア
ミンとアルキルハライド類、ジメチル硫酸、ベンゼンク
ロライドなどのアルキル化剤で4級化したレベルがある
が、どちらでもよい。抄紙機へ運ばれる直前の稀釈部位
で流送用ポンプのシェヤーを撹拌に利用する方法で添加
される。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正内容】
【0062】[B] カチオンモノマーであるN,N−
ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMAPA
A)のエピクロルヒドリン4級塩の調製(100%4級
塩) [A]の場合と同様にして、DMAPAA300部と水
593.3部を仕込み、90%酢酸128.2部および
EP177.9部を添加してDMAPAA4級塩の50
%水溶液を得た。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正内容】
【0078】このパルプに炭酸カルシュウム(三共精粉
(株)製エスカロン#100、微粉粒子)を0(無添
加)、5、7、10、20または30%加え、撹拌しな
がら30秒後に、サイズ剤を0.3%添加し、30秒後
にパルプ含有量を工業水で0.22%に稀釈し、よく撹
拌しながら0.1%に薄めた歩止剤DCQ−40(ミサ
ワセラミックケミカル(株)製のカチオン性歩剤;分
子量1000万、カチオン当量1.8meq/g)を
0.02%を添加し、10秒後にタッピ式丸型試験抄紙
機で抄紙した。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正内容】
【0080】
【表3】
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正内容】
【0082】このパルプに炭酸カルシュウム(エスカロ
ン#100)をパルプあたり10%加え、撹拌下に30
秒で、市販中性ロジンサイズ剤の場合は硫酸アルミニュ
ウム(バンド)を結晶水バンドで1.0%加えた。 P
Hは7.5であった。30秒間の撹拌の後、効果増強の
ために0.2%のカチオン性の紙力剤(CPS)Ex−
2(ミサワセラミックケミカル(株)製)を0.2%添
加し、30秒後にサイズ剤を0.3%添加し、30秒間
撹拌してパルプ含有量0.22%稀釈し、歩剤DCQ
−40を0.02%添加して、10秒間撹拌後に抄紙し
た。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0084
【補正方法】変更
【補正内容】
【0084】
【表4】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年1月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】製紙上のサイジングについては、旧来、
主としてロジンおよびその酸基(カルボキシル基)強化
物(強化ロジン)のNaやK塩が定着剤としての硫酸ア
ルミニュウム(バンド)と一緒に、PHが4.5付近の
酸性域を最適点として使われて来て久しいが、近年生産
性の向上によるマシンの高速化、資源の可及的流失防止
および環境保全に対処するためクローズ化が進み、それ
に伴ってサイジングコントロールも難かしくなってき
た。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】そこで、酸性物質であるバンドを介さずに
サイジングを施す中性サイジングの要望が高まってきて
いる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】特開昭62−223393および62−2
50297では、ロジン物質をグリセリン等の多価アル
コール類でエステルとした物を主成分とする乳化物が、
炭酸カルシュウムに起因する高PH(7.5〜8.5
等)に対抗してサイズ効果を発現する中性型のロジン乳
化サイズ剤として、提案されている。しかし、製品のイ
オン状態は分散剤のカルボキシル基のためにアニオン性
であり、そのためバンドの併用がないとサイズ発現は殆
ど期待できないのが現状である(バンド併用でもPH域
は通常7.5付近の弱アルカリ域である。)。カチオン
性ロジンサイズ剤としては、特開平3−174092
に、アニオン性のロジン乳化サイズ剤を、カチオン性ポ
リマーおよびカチオン性澱粉と(メタ)アクリルアミド
系のポリマーを介してカチオン性に転換したサイズ剤が
提案されている。また、特開平3−227481には、
ロジン系樹脂をカチオン性モノマー、アニオン性モノマ
ー、疎水性モノマー、(メタ)アクリルアミドからなる
共重合体で乳化して得られるサイズ剤が提案されてい
る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、バン
を必要とせず、製紙工程で起こりうる広い範囲のPH
域(PH4〜9)、とりわけ高PH域、におけるサイジ
ングに対して有効なサイズ剤を提供することにある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、特定のモ
ノマーを必須構成モノマーとしてなる共重合体を分散剤
(乳化剤)として使用して、無極性樹脂であるサイズ剤
樹脂としての石油樹脂を乳化することにより、上記の課
題を解する製紙用サイズ剤が得られることを見出し
た。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】モノマーは分散剤の中にあって機能性基
として作用する。このモノマーを導入することにより、
本発明の主眼である、硫酸アルミニュウム(バンド)を
要せずに、炭酸カルシュウム存在の紙にサイズ効果を実
質的に発現することができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】モノマーは、サイズ発現に対する機能性
付与モノマーである。このモノマーは、本発明のサイズ
剤に特徴を与えるものであって、炭酸カルシュウムの介
在によりサイジングPHが〜9程度にまで至ってもバン
を要せずにサイズ効果の発現に寄与する。このモノマ
ーの構成比率は15±5%である。グリシジル(メタ)
アクリレートおよび3−クロロ−2ヒドロキシープロピ
ル(メタ)アクリレートがその代表例である。これら各
モノマーは単独使用および混合使用のいずれであっても
良いが、高いサイズ効果をもたらすのは後者を単独で使
用する場合である。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】他にもノニオン性およびカチオン性の反応
性乳化剤の種類はあるが、重合体を構成するモノマーの
組み合わせなどから、適宜に選択して用いることができ
る。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】本発明のサイズ剤は、以上に述べたよう
な、カチオン性で樹脂に対して強い親和性があり且つア
ルカリ性PHの下でバンドを要せずとも系中の歩留剤の
作用と合まってサイズ効果発現を導く機能性をもつ分散
(乳化剤)を、サイズ剤の主要素であるサイズ剤樹脂
(無極性の石油樹脂)に加えて、適当な乳化手段で乳化
させることによって、水性分散物の形で得られる。分散
剤(乳化剤)の使用量は、サイズ剤樹脂に対して、通常
0.5〜10%であり、好ましくは1〜5%である。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正内容】
【0051】以上の結果、得られたサイズ剤は40〜5
0%の乾燥固形分濃度で、PHは製品のままで5±0.
5、粘度は200cp以下である。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正内容】
【0055】分子量は500万〜1000万を越えるも
のが好ましく、この長い有効鎖長が系中の微粒子に作用
して橋かけすることにより、目的が達成される。分子量
800万〜1000万で含有カチオンが0.5〜3ミ
リ当量/gのものが良好に使用できる。歩留剤の使用量
は、紙料パルプに対して50〜500ppm程度にわた
るが、好ましくは100〜300ppmである。カチオ
ンは、硫酸または燐酸などの鉱酸類の塩をなす第3級ア
ミンとアルキルハライド類、ジメチル硫酸・ベンゼンク
ロライドなどのアルキル化剤で4級化したレベルがある
が、どちらでもよい。抄紙機へ運ばれる直前の稀釈部位
で流送用ポンプのシェヤーを撹拌に利用する方法で添加
される。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正内容】
【0056】炭酸カルシウムなどアルカリ性物質の添加
がなくバンドおよび紙力剤などからなる酸性定着機構に
よる場合には一般に酸性型乳化ロジンが使用されるが、
本発明のサイズ剤をこのようなケースで使っても良好な
サイズ効果がえらる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正内容】
【0064】
【実施例】実施例1 (分散剤T−1の調製) 撹拌機、温度計、コンデンサー(冷却器)を付した1L
フラスコに水を542.6部、先のDM−EP4級塩
[A]を165.5部、スチレンを10.5部、ブチル
メタクリレートを10.5部、3−クロロ−2ヒドロキ
シープロピルメタクリレート(TP)(市販名 トポレ
ンM、新中村化学)を部およびアリル基を有するカチ
オン性の反応性乳化剤(市販名 RF−751日本乳化
剤(株))を3.5部加えたのち、撹拌しながら95℃
の湯浴上で加熱昇温し、内温が60℃に達した時に、触
媒2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジ
ン)ジヒドロクロライド(市販名 V−50 和光純
薬)の1.4部を15部の水に溶解したものを添加し
て、重合を開始させた。10分後、最高温度は98℃に
なった。このあと同じ湯浴上で2時間反応を継続した
後、冷却した(濃度15%、粘度 30cp、PH4.
8)。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正内容】
【0065】構成モノマー比率=DM/スチレン+BM
/TP=60/15+15/10実施例2(分散剤T−
2の調製) 水558.9部、DM−EP4級塩[A]の165.5
部の代わりにDMAPAA−EP4級塩[B]166.
2部、スチレン10.5部およびブチルメタクリレート
10.5部の代わりにスチレン21部を用いたこと以外
は実施例1と同様にして、分散剤T−2を得た(濃度1
5%、粘度35cp、PH5.0)。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正内容】
【0069】
【表1】 BM :ブチルメタクリレート MMA:メチルメタクリレート LMA:ラウリルメタクリレート AM :アクリルアミド GM :グリシジルメタクリレート * :DM−酢酸3級塩
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正内容】
【0077】サイズ効果試験例1 LBKP(広葉樹晒しクラフトパルプ)をCSF(カナ
アンスタンダードフリーネス)で410mlに叩解
し、工業水で乾燥パルプ重量で2.5%の分散物(スラ
リー)とした。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正内容】
【0078】このパルプに炭酸カルシュウム(三共精粉
(株)製エスカロン#100、微粉粒子)を0(無添
加)、5、7、10)20または30%加え、撹拌しな
がら30秒後に、サイズ剤を0.3%添加し、30秒後
にパルプ含有量を工業水で0.22%に稀釈し、よく撹
拌しながら0.1%に薄めた歩留剤DCQ−40(ミサ
ワセラミックケミカル(株)製のカチオン性歩留剤;分
子量1000万、カチオン当量1.8ミリ当量/g)を
0.02%を添加し、10秒後にタッピ式丸型試験抄紙
機で抄紙した。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正内容】
【0081】サイズ効果試験例2 LBKPをCSFで410mlに叩解し、工業水で乾燥
パルプ重量で2.5%の分散物(スラリー)とした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 33/26 LJV C08L 33/26 LJV D21H 21/14 D21H 5/00 Z

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分散剤(a)とサイズ剤樹脂(b)とか
    らなり、分散剤(a)は、カチオン性基としてN−N
    ジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステ
    ルモノマーまたは(メタ)アクリル酸アミドモノマーの
    少なくとも1種、スチレン類または(メタ)アクリル
    酸アルキルエステルである疎水性モノマーの少なくとも
    1種および機能性基としてグリシジル基または3−ク
    ロロ−2−オキシプロピル基を有する(メタ)アクリル
    酸モノマーの少なくとも1種を必須構成モノマーとする
    共重合体であり、この分散剤(a)を用いて無極性樹脂
    であるサイズ剤樹脂(b)としての石油樹脂を乳化して
    得られるものである、ことを特徴とする水性分散状製紙
    用サイズ剤。
  2. 【請求項2】 分散剤(a)が60±10%対25±5
    %対15±5%なる重量比率のモノマー、および
    からなる共重合体である、請求項1に記載のサイズ剤。
  3. 【請求項3】 モノマーの60〜100%がエピクロ
    ルヒドリンの4級化アミノ基と対イオンとしてのRCO
    -を含有し残部がRCOOHの酸塩である(ただし、
    Rは水素またはメチル基)、請求項2に記載のサイズ
    剤。
  4. 【請求項4】 サイズ剤樹脂(b)がカルボキシル基を
    有しない無極性の、50〜80℃の軟化点を有する、石
    油樹脂である、請求項1に記載のサイズ剤。
  5. 【請求項5】 炭酸カルシウムを含みpHが9程度に至
    る抄紙工程において、硫酸アルミニュウムを使用せず、
    歩止剤としてのカチオン性高分子量ポリマーおよび請求
    項1のサイズ剤を使用することを特徴とする紙のサイジ
    ング方法。
JP29383895A 1995-10-18 1995-10-18 製紙用エマルジヨンサイズ剤およびサイジング方法 Pending JPH09111094A (ja)

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JP29383895A JPH09111094A (ja) 1995-10-18 1995-10-18 製紙用エマルジヨンサイズ剤およびサイジング方法

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JP29383895A JPH09111094A (ja) 1995-10-18 1995-10-18 製紙用エマルジヨンサイズ剤およびサイジング方法

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