JP2001262495A - カチオン性エマルション型表面サイズ剤 - Google Patents

カチオン性エマルション型表面サイズ剤

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JP2001262495A JP2000072086A JP2000072086A JP2001262495A JP 2001262495 A JP2001262495 A JP 2001262495A JP 2000072086 A JP2000072086 A JP 2000072086A JP 2000072086 A JP2000072086 A JP 2000072086A JP 2001262495 A JP2001262495 A JP 2001262495A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造時の粕発生が少なく製造が容
易であり、低発泡性で良好なサイズ効果を有し、且つ優
れたインクジェット適性を有するカチオン性エマルショ
ン型表面サイズ剤を提供する。 【解決手段】 疎水性モノマーと3級アミノ基を
有するモノマーとの共重合体を4級化して得られたカチ
オン性共重合物[A−1]と非イオン性界面活性剤[A
−2]との混合物[A]存在下で、疎水性モノマー
[B]を重合して得られた共重合体であることを特徴と
するカチオン性エマルション型表面サイズ剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエマルション型表面
サイズ剤に関するものであり、更に詳細には、特定の乳
化分散剤を用いた乳化重合により得られるカチオン性エ
マルション型表面サイズ剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のカチオン性表面サイズ剤として
は、主にスチレン−ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト系共重合体の4級化物、スチレン−ジメチルアミノプ
ロピルアクリルアミド系共重合体の4級化物等の溶液型
のものが知られている。これらの溶液型のカチオン性表
面サイズ剤は、それ自身の発泡が多いという欠点があ
る。そのため、実機での塗工時に消泡剤を多量に併用す
る必要があり、その結果としてコスト的及びサイズ性能
的に満足できるものではない。又、これらの溶液型のカ
チオン性表面サイズ剤は、塗工時に併用する表面紙力剤
との相溶性が劣るため、併用する薬品の種類が限定され
るなどの欠点があった。カチオン性エマルション型サイ
ズ剤の先行技術として、既にいくつか報告されている
(特開昭54−6902号公報、特開平11−2564
96号公報、特開平11−279983号公報)。
【0003】特開昭54−6902号公報では、スチレ
ン−ジメチルアミノアルキル(メタ)アクリレート共重
合体のエピハロヒドリン4級化物存在下で重合性疎水性
単量体を乳化重合、好ましくはスチレンと2−エチルヘ
キシルアクリレートを乳化重合した製紙用内添サイズ剤
が開示されており、乳化重合の際に低分子のアニオン性
乳化剤を上記4級化物に併用しても良いとの記載があ
る。特開平11−256496号公報では、スチレン系
化合物と(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキル
(メタ)アクリレートからなる共重合体の4級化物存在
下でスチレン系化合物と炭素数3〜6のアルキル基を有
する(メタ)アクリル酸エステルを乳化重合した製紙用
表面サイズ剤が開示されている。特開平11−2799
83号公報では、スチレン系化合物−ジアルキルアミノ
アルキル(メタ)アクリルアミドからなる共重合体の4
級化物存在下で重合性疎水性単量体を乳化重合、好まし
くはスチレン系化合物と(メタ)アクリル酸エステルを
乳化重合した製紙用表面サイズ剤が開示されている。
【0004】これらの先行技術におけるサイズ剤は、い
ずれもスチレン−3級アミノ基を有するモノマーとの共
重合体の4級化物からなるカチオン性分散剤存在下で、
重合性疎水性モノマーを乳化重合したカチオン性エマル
ション型のサイズ剤である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記カチオン性
分散剤は乳化重合時の分散性能が不十分であるため、分
散剤の使用量が多く必要であった。また、高濃度で重合
を行うと、製造時の粕が多く発生するため、製品の高濃
度化ができないという欠点があった。さらに得られたサ
イズ剤を表面サイズ剤として使用した場合、サイズ性能
が劣り、表面塗工時の塗工液の発泡性が多い、塗工液に
おける併用薬品に対する安定性が劣る、カレンダーロー
ルで塗工する場合、カレンダーロールが錆びるため防錆
剤が多く必要である等の問題があった。
【0006】更に最近では、インクジェット専用紙のみ
ならずインクジェット用紙として転用されることの多い
PPC用紙にもインクジェット適性が要求されるように
なってきており、その適性を満たす紙を得ることができ
るような表面サイズ剤が望まれている。PPC用紙に使
用する表面塗工液中にはNaClのような電解質を多量に含
むため、表面サイズ剤には塩安定性が要求されるが、上
記先行技術における表面サイズ剤では塩安定性が劣るた
め、塗工時の発泡が多く、さらにインクジェット適性が
不充分であった。
【0007】尚、上記インクジェット適性としては、モ
ノクロ又はカラーインクを用いたインクジェット方式で
印刷された画質に要求される、印字濃度、フェザリン
グ、裏抜け、境界にじみ等の特性を挙げることができ
る。
【0008】本発明は、重合時に凝集物の発生が少な
く、表面サイズ剤として使用したときに酸性紙から中性
紙において、サイズ性能を改善することができ、情報用
紙、特にPPC用紙に対しても優れたインクジェット適
性を有する。また、それ自身を含有する塗工液で低発泡
性であり、更に他の併用薬品との相溶性も良く、混合し
ても安定なカチオン性エマルション型表面サイズ剤を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明のカチオン性エマルション型表面サイズ剤
は、疎水性モノマーと3級アミノ基を有するモノマーと
の共重合体を4級化して得られたカチオン性共重合物
[A−1]と非イオン性界面活性剤[A−2]との混合
物[A]存在下で、疎水性モノマー[B]を重合するこ
とにより得た共重合体を含有することを特徴とする。
【0010】さらに重合時の凝集物の発生を抑えられる
ためカチオン性エマルション型表面サイズ剤の高濃度化
が可能となる。
【0011】すなわち、本発明の第1の態様は、カチオ
ン性共重合物[A−1]と非イオン性界面活性剤[A−
2]との混合物[A]存在下で、疎水性モノマー[B]
を重合することにより得られるカチオン性エマルション
型表面サイズ剤である。また、本発明の第2の態様は、
前記第1の態様のエマルション型表面サイズ剤におい
て、混合物[A]と疎水性モノマー[B]の固形分構成
比が重量比で(30〜75):(100)であり、さら
にカチオン性共重合物[A−1]と非イオン性界面活性
剤[A−2]の固形分構成比が重量比で(100):
(2〜20)であることを特徴とするカチオン性エマル
ション型表面サイズ剤である。
【0012】また、本発明の第3の態様は、前記第1又
は2の態様のエマルション型表面サイズ剤において、カ
チオン性共重合物[A−1]の生成に用いる疎水性モノ
マーがスチレン類及びアルキル(メタ)アクリレートの
少なくともいずれかであることを特徴とするカチオン性
エマルション型表面サイズ剤である。
【0013】また、本発明の第4の態様は、前記第1乃
至3の態様のエマルション型表面サイズ剤において、非
イオン性界面活性剤[A−2]が長鎖アルキル基とポリ
アルキレンオキシド基を有するラジカル重合不可能な非
イオン性界面活性剤及び長鎖アルキル基とポリアルキレ
ンオキシド基を有するラジカル重合可能な非イオン性界
面活性剤の少なくともいずれかであることを特徴とする
カチオン性エマルション型表面サイズ剤であり、本発明
の第5の態様は、前記第1ないし4のいずれかの態様の
エマルション型表面サイズ剤において、疎水性モノマー
[B]がスチレン類及びアルキル(メタ)アクリレート
の少なくともいずれかであることを特徴とするカチオン
性エマルション型表面サイズ剤である。
【0014】
【発明の実施の形態】1.カチオン性共重合物[A−
1]の調製 (1)疎水性モノマー 本発明のカチオン性エマルション型表面サイズ剤を構成
するカチオン性共重合物[A−1]において使用し得る
疎水性モノマーとしては、例えばスチレン、α−メチル
スチレン、ビニルトルエン、及びジビニルベンゼン等の
スチレン類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブ
チル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート等の炭素
数1〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アク
リレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベン
ジル(メタ)アクリレート等の環状アルキル(メタ)ア
クリレート、マレイン酸、及びフマル酸のジアルキルジ
エステル類、酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニル等のビ
ニルエステル類、N−アルキル(メタ)アクリルアミド
類、並びにメチルビニルエーテル等が挙げられ、これら
のモノマーの一種又は二種以上を混合して使用できる。
【0015】(2)3級アミノ基を含有するモノマー 前記カチオン性共重合物[A−1]の製造において使用
し得る3級アミノ基を含有するモノマーとしては、例え
ば(モノアルキル又はジアルキル)アミノアルキル(メ
タ)アクリレート、(モノアルキル又はジアルキル)ア
ミノヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレート、(モ
ノアルキル又はジアルキル)アミノアルキル(メタ)ア
クリルアミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、
ジアリルアミン等を挙げることができ、これらの1種又
は2種以上を混合して使用できる。
【0016】(3)4級化剤 上記3級アミノ基を含有するモノマーを4級化する4級
化剤としては、塩化メチル、塩化エチル、塩化ベンジ
ル、エピクロルヒドリン、グリシジルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、及び3−クロル−2−ヒドロキシア
ンモニウムクロライド等の有機ハロゲン化物、ジメチル
硫酸、並びにジエチル硫酸を挙げることができる。
【0017】(4)他の使用可能なモノマー 上記カチオン性共重合物[A−1]の製造において疎水
性モノマーと3級アミノ基を含有するモノマー以外に、
その他の共重合可能なビニルモノマーを使用しても良
い。その他の共重合可能なビニルモノマーは特に限定さ
れないが、疎水性モノマーと3級アミノ基を含有するモ
ノマーと共重合可能なモノマーであればよく、例えばア
クリルアミド、アクリロニトリル等のノニオン性のモノ
マーが使用できる。また、トリメチルアミノエチルメタ
クリレート、トリメチルアミノプロピルアクリルアミ
ド、ジメチルアミノエチルメタクリレート及びジメチル
アミノプロピルアクリルアミドのベンジルクロライド4
級化物等の4級アンモニウム塩を含むカチオン性モノマ
ーが使用できる。
【0018】(5)カチオン性共重合物[A−1]の重
合 前記カチオン性共重合物[A−1]の重合方法として
は、例えば前記疎水性モノマーと3級アミノ基を含有す
るモノマーとの混合物、疎水性モノマーと3級アミノ基
を含有するモノマーとその他の共重合可能なビニルモノ
マーとの混合物を、メチルアルコール、エチルアルコー
ルあるいはイソプロピルアルコール等の低級アルコール
系有機溶剤あるいはベンゼン、トルエン、キシレン等の
油性有機溶剤中にて、あるいはこれらの低級アルコール
系有機溶剤と水との混合液中にて、さらには水中におい
て、ラジカル重合触媒を使用して60〜120℃で1〜
10時間重合させ、重合終了後に有機溶剤を留去し、公
知慣用の方法で3級アミノ基を4級化することによって
得られる。
【0019】ラジカル重合触媒としては、水溶性ラジカ
ル開始剤が使用でき、例えば過硫酸アンモニウム、過硫
酸カリウム、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩、過酸化
水素等の過酸化物、これらの過硫酸塩及び過酸化物と還
元剤の組合せによるレドックス系重合触媒、2 2' −
アゾビス(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロライ
ド等の水溶性アゾ系触媒、ターシャリブチルハイドロパ
ーオキシド等の有機過酸化物系を挙げることができる。
さらに2 2' −アゾビスイソブチロニトリル、ジメチ
ル2,2'−アゾビス−(2−メチルプロピオネート)
等の油溶性アゾ系触媒、ベンジルパーオキシド等の油溶
性有機過酸化物を使用できる。又、必要に応じてアルキ
ルメルカプタン等の公知の連鎖移動剤を適宜併用しても
差し支えない。尚、本発明においては、カチオン性共重
合物[A−1]を合成するに際して仕込んだモノマーは
実質的に100%反応してカチオン性共重合物[A−
1]中のモノマーユニットとなっている。
【0020】前記カチオン性共重合体[A−1]におい
て、疎水性モノマーと3級アミノ基を含有するモノマー
との構成比は、疎水性モノマーと3級アミノ基を含有す
るモノマーがモル比で70〜90/30〜10が製造時
の安定性及びサイズ性能の点で好ましく、さらに75〜
90/25〜10がより好ましい。
【0021】2.非イオン性界面活性剤[A−2] 本発明のカチオン性エマルション型表面サイズ剤を構成
する非イオン性界面活性剤[A−2]としては、例えば
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシア
ルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキ
レン脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレンポリオキシ
エチレングリコールグリセリン脂肪酸エステル、ソルビ
タン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、ショ糖脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪
酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、脂
肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシプロピレンポリオ
キシエチレングリコール等を挙げることができる。
【0022】さらに、ラジカル重合可能な非イオン性界
面活性剤としては、例えば分子中に(メタ)アリル基、
1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、イ
ソプロペニル基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基等
の炭素−炭素二重結合を有する官能基を一つ以上有する
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシア
ルキレンフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンモノ
及びジスチリルフェニルエーテル等を挙げることができ
る。
【0023】本発明においては、上記の非イオン性界面
活性剤及びラジカル重合可能な非イオン性界面活性剤よ
りなる群から選択される少なくとも1種以上を使用する
ことができる。
【0024】前記イオン性界面活性剤及びラジカル重合
可能な非イオン性界面活性剤において、長鎖アルキル
基、ポリアルキレンオキシド基を含んだものが製造時の
安定性の面で好ましく、さらにアルキル基の炭素数が6
〜22、ポリエチレンオキシド基の付加モル数が5〜4
0のものがエマルション重合時の安定性、サイズ性能及
び他の併用薬品との相溶性の面で特に好ましい。
【0025】3.疎水性モノマー[B] 本発明のカチオン性エマルション型表面サイズ剤は、前
記混合物[A]存在下で疎水性モノマー[B]を乳化重
合することによって得ることができる。疎水性モノマー
としては、前記カチオン性共重合物[A−1]で使用す
る疎水性モノマーを使用できる。具体的には、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベ
ンゼンのようなスチレン類、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)ア
クリレート、ブチル(メタ)アクリレート、オクチル
(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アク
リレート等の炭素数1〜18のアルキル基を有するアル
キル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)ア
クリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の環状ア
ルキル(メタ)アクリレート類、マレイン酸及びフマル
酸のジアルキルジエステル類、酢酸ビニル及びプロピオ
ン酸ビニル等のビニルエステル類、N−アルキル(メ
タ)アクリルアミド類、並びにメチルビニルエーテル類
が挙げられ、又、これら1種又は2種以上を使用するこ
ともできる。
【0026】疎水性モノマー[B]の中では、サイズ性
能及び乳化重合時の安定性の点からスチレン類及びアル
キル(メタ)アクリレートが好ましい。その他疎水性モ
ノマー[B]と共重合可能なビニルモノマーは、特に限
定されないが疎水性モノマーを除く、疎水性モノマー
[B]と共重合可能なモノマーであればよく、例えばア
クリルアミド、アクリロニトリル等のノニオン性のモノ
マーが使用できる。
【0027】4.混合物[A]存在下での疎水性モノマ
ー[B]の重合 本発明のカチオン性エマルション型表面サイズ剤の混合
物[A]と疎水性モノマー[B]の構成比は、疎水性モ
ノマー[B]成分100重量部に対して混合物[A]成
分を30〜75重量部含有することが、得られたエマル
ションの安定性から好ましい。特に、サイズ性能の面か
ら40重量部以上含有することが好ましく、また75重
量部を超えて使用してもよいが、サイズ性能のさらなる
改善はみられず塗工液での発泡性が多くなりすぎるため
好ましくない。
【0028】カチオン性共重合物[A−1]と非イオン
性界面活性剤[A−2]の構成比は、固形分重量比で1
00:2〜20の範囲であることが好ましく、非イオン
性界面活性剤[A−2]が2よりも少ないとエマルショ
ン重合時の安定性が悪い場合があり、20よりも多いと
塗工時の発泡性が問題となる。さらに3〜10の範囲で
あることが特に好ましい。
【0029】疎水性モノマー[B]成分を乳化重合する
にあたっては、従来から公知の乳化重合法を適用でき、
例えばカチオン性共重合物[A−1]と非イオン性界面
活性剤[A−2]との混合物存在下で、ラジカル重合触
媒を用い水中にて疎水性モノマー[B]成分を乳化重合
させる手法を採用することができる。尚、疎水性モノマ
ー[B]成分は実質的に全て重合して共重合体となって
いる。ラジカル重合触媒としては、水溶性ラジカル開始
剤が使用でき、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリ
ウム、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩、過酸化水素等
の過酸化物、これらの過硫酸塩及び過酸化物と還元剤の
組合せによるレドックス系重合触媒、2 2' −アゾビ
ス(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロライド等の
水溶性アゾ系触媒、ターシャリブチルハイドロパーオキ
シド等の有機過酸化物系を挙げることができる。さらに
2 2' −アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル2,
2'−アゾビス−(2−メチルプロピオネート)等の油
溶性アゾ系触媒、ベンジルパーオキシド等の油溶性有機
過酸化物を先の水溶性ラジカル開始剤に併用して使用で
きる。又必要に応じてアルキルメルカプタン等の公知の
連鎖移動剤を適宜併用しても差し支えない。
【0030】又、疎水性モノマー[B]成分を乳化重合
する際、本発明に係るカチオン性エマルション型表面サ
イズ剤の性能を損なわない範囲であれば、公知の低分子
界面活性剤及び高分子分散剤を併用しても構わない。
【0031】5.サイズ剤の塗工 本発明のカチオン性エマルション型表面サイズ剤の適用
される原紙に使用されるパルプとしては、クラフトパル
プあるいはサルファイトパルプなどの晒あるいは未晒化
学パルプ、砕木パルプ、機械パルプあるいはサーモメカ
ニカルパルプなどの晒あるいは未晒高収率パルプ、新聞
古紙、雑誌古紙、段ボール古紙あるいは脱墨古紙などの
古紙パルプのいずれも使用できる。
【0032】原紙を得るために、填料、染料、酸性抄紙
用ロジン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー系あるい
はアルケニルコハク酸無水物系中性抄紙用サイズ剤、中
性抄紙用ロジン系サイズ剤等のサイズ剤、乾燥紙力増強
剤、湿潤紙力増強剤、歩留り向上剤、濾水性向上剤、消
泡剤などの添加物も、各々紙種に要求される物性を発現
するために、必要に応じて使用してもよい。填料として
は、クレー、タルク、酸化チタン、重質又は軽質炭酸カ
ルシウム等が挙げられる。これらを単独であるいは併用
して用いてもよい。
【0033】本発明のカチオン性エマルション型表面サ
イズ剤を塗工するための塗工機としては、サイズプレ
ス、フィルムプレス、ゲートロールコーター、シムサイ
ザー、ブレードコーター、キャレンダー、バーコータ
ー、ナイフコーター、エアーナイフコーター、カーテン
コーター等を用いることができる。又、スプレー塗工機
により原紙表面に塗布することもできる。
【0034】本発明のカチオン性エマルション型表面サ
イズ剤を塗工する際に、酸化澱粉、燐酸エステル化澱
粉、自家変性澱粉、カチオン化澱粉、両性澱粉等の澱粉
類、カルボキシメチルセルロース等のセルロース類、ポ
リビニルアルコール類、ポリアクリルアミド類、アルギ
ン酸ソーダ等の水溶性高分子を塗工液に混合して使用す
ることもできる。又、他の表面サイズ剤、防滑剤、防腐
剤、防錆剤、消泡剤、粘度調整剤、染料、顔料等の添加
物を併用しても構わない。
【0035】本発明のカチオン性エマルション型表面サ
イズ剤を前記原紙に塗工して得ることができるサイジン
グ紙としては、各種の紙及び板紙を挙げることができ
る。例えば、PPC用紙、インクジェット記録用紙、レ
ーザープリンター用紙、フォーム用紙、熱転写用紙、感
熱記録用紙等の記録用紙、アート紙、キャストコート
紙、上質コート紙等のコート紙、クラフト紙、純白ロー
ル紙等の包装用紙、その他ノート用紙、書籍用紙、印刷
用紙、新聞用紙等の洋紙、マニラボール、白ボール、チ
ップボール等の紙器用板紙、ライナー等の板紙が挙げら
れる。
【0036】本発明のカチオン性エマルション型表面サ
イズ剤を塗工する際の塗工液濃度は、通常、0.1〜5
重量%、好ましくは0. 2〜1重量%である。0.1重
量%未満ではサイズ効果が不十分である場合があり、5
重量%を超えて使用してもサイズ効果の向上はほとんど
なく経済的に不利益になることがあるため好ましくな
い。
【0037】又、通常、塗工量は、固形分で0. 01〜
1g/m2、好ましくは0. 02〜0. 2g/m2であ
る。前記範囲内であると、特に良くサイズ効果が発揮さ
れる。
【0038】
【実施例】以下に合成例、実施例、及び比較例を挙げて
本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施
例に限定されるものではない。尚、以下において「部」
及び「%」は、特に断りがない限りそれぞれ重量部及び
重量%を意味する。
【0039】1.表面サイズ剤の製造 (1)カチオン性共重合物[A−1]の製造方法 (合成例1)攪拌器、温度計、還流冷却管及び窒素導入
管を備えた1リットルの四つ口フラスコに、スチレン1
10部、ジメチルアミノエチルメタクリレート29部、
ジメチル−2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネー
ト)(和光純薬製 V601、アゾ系触媒)3.3部及
びイソプロピルアルコール36部を仕込み、80℃で3
時間保持し、次いでV601を0.5部仕込みさらに同
温度で2時間保持した。次いで酢酸12.4部を加えた
後、水285部を加えエマルションを得てから、更に昇
温し及びイソプロピルアルコールの留去を行った。
【0040】次いで水197部を加えエピクロルヒドリ
ン17.2部を加え80℃で1.5時間反応し、水16
0部を加えて固形分20.3%の共重合物[P−1]を得
た。得られた共重合物[P−1]は(スチレン/ジメチ
ルアミノエチルメタクリレート)/エピクロルヒドリン
=(85/15)モル%/15モル%であった。
【0041】(合成例2〜4)使用した疎水性モノマー
の種類及び使用量、3級アミノ基を含有するモノマーの
種類及び使用量、4級化剤の量を表1に示すように変え
た他は合成例1と同様にしてカチオン性共重合体を得
た。合成例1〜4で使用した疎水性モノマーの種類及び
使用量、3級アミノ基を含有するモノマーの種類及び使
用量、4級化剤の種類及び使用量、並びに得られたカチ
オン性共重合物[A−1]の固形分の割合を表1に示
す。
【0042】(2)疎水性モノマー[B]の重合 (実施例1)合成例1と同様の反応器に、水 141
部、カチオン性共重合体[A−1]として合成例1で得
られた共重合体P−1の水溶液123部(固形分として
25部)、非イオン性界面活性剤[A−2]として表2
に記載のN−1を3部、疎水性モノマー[B]としてス
チレン50部とノルマルブチルアクリレート50部、及
び10%過硫酸アンモニウム水溶液5重量部を加え、窒
素気流下で混合攪拌しながら80℃に昇温した。
【0043】80℃で2時間保持して乳化重合反応を完
結させ、固形分濃度35.3%のカチオン性エマルショ
ン型表面サイズ剤を得た。
【0044】使用したカチオン性共重合体[A−1]の
種類及び使用量、非イオン性界面活性剤[A−2]の種
類及び使用量、疎水性モノマー[B]の種類及び使用
量、並びに重合反応時に発生した凝集物の生成量及び得
られたエマルション型表面サイズ剤の固形分の濃度を表
2に示す。
【0045】(実施例2〜20)使用したカチオン性共
重合体[A−1]の種類及び使用量、非イオン性界面活
性剤[A−2]の種類及び使用量、疎水性モノマー
[B]の種類及び組成比を表1に示すように変えた他は
実施例1と同様にしてエマルション型表面サイズ剤を得
た。ただし、実施例5のみカチオン性エマルション型表
面サイズ剤の固形分濃度を30.2%とした。
【0046】使用したカチオン性共重合体[A−1]の
種類及び使用量、非イオン性界面活性剤[A−2]の種
類及び使用量、疎水性モノマー[B]の種類及び使用
量、並びに重合反応時に発生した凝集物の生成量及び得
られたエマルション型表面サイズ剤の固形分の濃度を表
2に示す。
【0047】(比較例1)合成例1と同様の反応器に、
非イオン性界面活性剤[A−2]を使用せずに表2に示
す組成比のモノマーを仕込み、実施例1と同様に反応を
行ったが重合反応時に多量の凝集物が発生した。結果を
表2に示す。
【0048】(比較例2)合成例1と同様の反応器に、
カチオン性共重合体[A−1]を使用せずに表2に示す
組成比のモノマーを仕込み、実施例1と同様に反応を行
ったが重合反応時に多量の凝集物が発生した。また、重
合反応は十分に進行せず、多量のモノマーが残ったた
め、他の性能評価は行なわなかった。結果を表2に示
す。
【0049】(比較例3)合成例1と同様の反応器に、
非イオン性界面活性剤[A−2]のかわりにアニオン性
界面活性剤を使用し、表2に示す組成比のモノマーを仕
込み、実施例1と同様に反応を行ったが重合反応時に多
量の凝集物が発生した。結果を表2に示す。
【0050】(比較例4)合成例1で得られたP−1を
カチオン性表面サイズ剤として用いた。前記カチオン性
表面サイズ剤の固形分の濃度を表2に示す。
【表1】
【表2】
【0051】2.表面サイズ剤の評価試験 (試験例1)重合物の粕量の測定 実施例1〜20、比較例1、3の乳化重合反応で発生し
た粕を150メッシュのろ布でろ過し、乾燥した後粕量
を測定した。粕量は仕込み固形分に対する百分率で表
し、表2に結果を示した。この粕量が1%以下さらに好
ましくは0.5%以下であることが製造上好ましい。
【0052】(試験例2)酸性上質紙でのサイズ性能の
評価 (1)酸性上質紙用原紙の製造 380mlカナディアン・スタンダード・フリーネスま
で叩解したパルプ(広葉樹対針葉樹のパルプ比が9対1
である混合パルプ)を2.5%のスラリーとし、これに
対パルプ15%(絶乾重量基準)のタルク(富士タルク
工業製:NDタルク)を添加した。次いで、対パルプ2
%(絶乾重量基準)の硫酸バンド、対パルプ0.3%
(絶乾重量基準)の酸性紙用ロジン系サイズ剤(日本P
MC株式会社製;AL120)を順次添加した後、pH
4.5の希釈水でこのパルプスラリーを濃度0.25%
まで希釈した。その後、対パルプ0.01%(絶乾重量
基準)の歩留り向上剤(ハイモ社製;NR12MLS)
を添加し、ノーブルアンドウッド抄紙機で、坪量65g
/m2となるように抄紙した。尚、この時の抄紙pHは
4.5であった。湿紙の乾燥は、ドラムドライヤーを用
いて100℃で80秒間の条件で行った。
【0053】(2)塗工液の調製方法 酸化澱粉(MS3800、日本食品化工株式会社製)を
濃度10%に水で希釈し、95℃で糊化を行い、表面サ
イズ剤の種類を表3に示すように変えたこと以外は同様
にして、下記の固形分濃度になるように塗工液を調製し
た。
【0054】塗工液の固形分濃度:酸化澱粉…6%、表
面サイズ剤…0. 3%
【0055】(3)酸性上質紙の製造とサイズ性能の評
価 前記(2)で配合した塗工液を、前記(1)で抄造した
原紙にサイズプレスを用いて塗工し、酸性上質紙を得
た。この塗工紙の表面サイズ剤の固形分塗工量は、0.
03g/m2であった。得られた試験紙を恒温恒湿(2
0℃、65%相対湿度)環境下で24時間調湿し、ステ
キヒトサイズ度(JIS P8122に準拠)及びペン
書きサイズ度の測定(J TAPPI 紙パルプ試験方
法No.12−76に準拠)を測定した。
【0056】評価結果を、表3に示す。尚、ステキヒト
サイズ度及びペン書きサイズ度は、何れも、値が高いほ
ど良好であることを示す。
【0057】(試験例3)中性上質紙でのサイズ性能の
評価 (1)中性上質用原紙の抄造 380mlカナディアン・スタンダード・フリーネスま
で叩解したパルプ(広葉樹対針葉樹のパルプ比が9対1
である混合パルプ)を2.5%のスラリーとし、これに
対パルプ2%(絶乾重量基準)の炭酸カルシウム(奥多
摩工業社製;TP121S)を添加した。次いで、対パ
ルプ0.5%(絶乾重量基準)の両性デンプン(ナショ
ナルスターチ社製;Cato3210)及び対パルプ
0.08%(絶乾重量基準)のアルキルケテンダイマー
系サイズ剤(日本PMC株式会社製;AS263)を順
次に添加した後、pH7.5の希釈水でこのパルプスラ
リーを濃度0.25%まで希釈した。その後、希釈した
パルプスラリーに対パルプ8%(絶乾重量基準)の炭酸
カルシウム(奥多摩工業社製;TP121S)、対パル
プ0.01%(絶乾重量基準)の歩留り向上剤(ハイモ
社製;NR12MLS)を添加し、ノーブルアンドウッ
ド抄紙機で、坪量65g/m2となるように抄紙した。
尚、この時の抄紙pHは7.5であった。湿紙の乾燥
は、ドラムドライヤーを用いて100℃で80秒間の条
件で行った。
【0058】(2)塗工液の調製方法 酸化澱粉(MS3800、日本食品化工株式会社製)を
濃度10%に水で希釈し、95℃で糊化を行い、表面サ
イズ剤の種類を表3に示すように変えたこと以外は同様
にして、下記の固形分濃度になるように塗工液を調製し
た。
【0059】塗工液の固形分濃度:酸化澱粉…6%、表
面サイズ剤…0. 3%
【0060】(3)中性上質紙の製造とサイズ性能の評
価 前記(2)で配合した塗工液を、前記(1)で抄造した
原紙にサイズプレスを用い塗工し、中性上質紙を得た。
この塗工紙の表面サイズ剤の固形分塗工量は、0.05
g/m2であった。
【0061】得られた試験紙を恒温恒湿(20℃、65
%相対湿度)環境下で24時間調湿し、試験例2と同様
にして、ステキヒトサイズ度及びペン書きサイズ度の測
定を行った。結果を表3に示す。
【0062】(試験例4)PPC用紙でのインクジェッ
ト適性の評価 (1)記録紙用中性原紙の抄造 380mlカナディアン・スタンダード・フリーネスま
で叩解したパルプ(広葉樹対針葉樹のパルプ比が9対1
である混合パルプ)を2.5%のスラリーとし、これに
対パルプ1%(絶乾重量基準)の炭酸カルシウム(奥多
摩工業社製;TP121S)と5%(絶乾重量基準)の
タルク(富士タルク工業製:NDタルク)とを添加し
た。
【0063】次いで、対パルプ1.0%(絶乾重量基
準)の硫酸バンド、対パルプ0. 5%(絶乾重量基準)
の両性デンプン(ナショナルスターチ社製;Cato3
210)及び対パルプ0. 3%(絶乾重量基準)の中性
紙用ロジンサイズ剤(日本PMC株式会社製;CC16
7)を順次に添加した後、pH7.5の希釈水でこのパ
ルプスラリーを濃度0.25%まで希釈した。その後、
希釈したパルプスラリーに対パルプ4%(絶乾重量基
準)の炭酸カルシウム(奥多摩工業社製;TP121
S)、対パルプ0.01%(絶乾重量基準)の歩留り向
上剤(ハイモ社製;NR12MLS)を添加し、ノーブ
ルアンドウッド抄紙機で、坪量65g/m2となるよう
に抄紙した。尚、この時の抄紙pHは7.5であった。
湿紙の乾燥は、ドラムドライヤーを用いて100℃で8
0秒間の条件で行った。
【0064】(2)塗工液の調製方法 酸化澱粉(MS3800、日本食品化工株式会社製)を
水で濃度10%に希釈し、95℃で糊化を行い、表面サ
イズ剤の種類を表3に示すように変えたこと以外は同様
にして、下記の固形分濃度になるように塗工液を調製し
た。
【0065】塗工液の固形分濃度:酸化澱粉…5%、表
面サイズ剤…0. 25%、食塩…0. 25%
【0066】(3)記録紙の製造 前記(2)で配合した塗工液を、前記(1)で抄造した
記録用原紙にサイズプレスを用いて塗工し、記録紙を得
た。
【0067】この記録紙に前記塗工液を塗工する際の固
形分塗工量は0.05g/m2であった。
【0068】得られた記録紙を恒温恒湿(20℃、65
%相対湿度)環境下で24時間調湿した。
【0069】(4)記録紙の評価 前記(3)で得られた記録紙について、以下のインクジ
ェット適性試験を行った。 ・インクジェット適性試験方法 インクジェット適性の評価は、上記記録紙をカレンダー
処理した後、恒温恒湿(20℃、65%相対湿度)環境
下で24時間調湿を行った後、キャノン株式会社製バブ
ルジェットプリンタであるBJ−220JCを用いて以
下の方法にて行った。結果を表3に示す。
【0070】(a)印字濃度試験 試験紙にベタ印刷をし、ベタ部分の印字濃度をマクベス
インク濃度計で測定した。数値が高い程印字濃度が高い
ことを示す。 (b)フェザリング試験 記録紙に直交する線幅一定の直線及び文字を印字し、目
視にて直線及び文字の外縁のにじみを5段階で評価し
た。フェザリングの全くないものを5とし、インクが滲
んでしまって文字の判別がつかないものを1とした。通
常の使用に耐えうる印字品質は4以上である。 (c)裏抜け試験 記録紙にベタ印刷をし、ベタ印字部分裏側のインクのに
じみ程度を、目視にて5段階で評価した。裏にインクが
滲んでいないものを5とし、ベタ部分が完全に裏抜けし
たものを1とした。通常の使用に耐えうる印字品質は、
4以上である。
【0071】(試験例5)発泡性試験 (1)試験用塗工液の調製 酸化澱粉(MS3800、日本食品化工株式会社製)を
濃度10%に水で希釈し、95℃で糊化を行い、表面サ
イズ剤の種類を表3に示すように変えたこと以外は同様
にして、下記の固形分濃度になるように試験用塗工液を
調製した。 試験用塗工液の固形分濃度:酸化澱粉…5%、表面サイ
ズ剤…0. 25%、食塩…0. 25%。
【0072】(2)試験用塗工液の発泡性評価 前記(1)で配合した試験用塗工液600gを内径7c
m長さ50cmのフォームセルに入れ、試験用塗工液温
度60℃、循環ポンプ流量9リットル/分、及び循環時
間3分の条件で循環し、泡の高さ(mm)を測定した。
結果を表3に示す。
【0073】尚、表3において、泡の高さが低い方が、
発泡性が良好(発泡量が少ない)であることを示す。
【表3】
【0074】表2の粕量の評価結果から、実施例のカチ
オン性エマルション型表面サイズ剤は、比較例1に比べ
乳化重合時の安定性が良好であり、生成する粕量が少な
いことがわかった。
【0075】表3の酸性上質紙及び中性上質紙でのサイ
ズ性能の評価結果から、実施例のカチオン性エマルショ
ン型表面サイズ剤は、ステキヒトサイズ度、ペン書きサ
イズ度が比較例1のカチオン性表面サイズ剤に比べ良好
であることがわかった。
【0076】又、表3のPPC用紙でのインクジェット
適性の評価結果から、実施例のカチオン性エマルション
型表面サイズ剤は印字濃度、フェザリング、裏抜け評価
が比較例1のカチオン性表面サイズ剤に比べ良好である
ことがわかった。
【0077】実施例のカチオン性エマルション型表面サ
イズ剤と比較例3のカチオン性表面サイズ剤のサイズ性
能はほぼ同等であるが、表3に示された発泡性試験の結
果から実施例のカチオン性エマルション型表面サイズ剤
の発泡量は、比較例3のカチオン性表面サイズ剤に比べ
て大幅に少ないことが判った。
【0078】
【発明の効果】本発明のカチオン性エマルション型表面
サイズ剤は乳化重合時の安定性が良好で製造が容易であ
り、また高濃度化も可能である。本発明のカチオン性エ
マルション型表面サイズ剤を使用することにより、酸性
紙及び中性紙のサイズ性能の向上、情報用紙、特にPP
C用紙あるいはインクジェット用紙のインクジェット適
性の向上、カチオン性エマルション型表面サイズ剤を含
有する塗工液が発泡しにくい等の効果がバランスよく優
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 291/00 C08F 291/00 D21H 19/20 D21H 19/20 A (72)発明者 池田 剛 千葉県市原市八幡海岸通17−2 日本ピ ー・エム・シー株式会社内 Fターム(参考) 4J011 KA14 KA15 KB19 KB29 PA65 PA69 PA74 PA78 PB18 PB19 PB40 PC02 PC06 4J026 AA17 AA45 AA47 AA60 AC26 BA05 BA06 BA07 BA15 BA19 BA20 BA27 BA32 BA36 DA02 DA08 DA12 DA15 DB04 DB12 DB14 DB15 GA06 GA08 4L055 AG34 AG63 AG71 AG73 AG89 AG97 AH13 AH29 AH50 BE08 EA32 FA30 GA09 GA11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 疎水性モノマーと3級アミノ基を有する
    モノマーとの共重合体を4級化して得られたカチオン性
    共重合物[A−1]と、非イオン性界面活性剤[A−
    2]との混合物[A]の存在下で、疎水性モノマー
    [B]を重合して得られた共重合体を含有することを特
    徴とするカチオン性エマルション型表面サイズ剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の混合物[A]と疎水性モ
    ノマー[B]の固形分構成比が重量比で(30〜7
    5):(100)であり、さらにカチオン性共重合物
    [A−1]と非イオン性界面活性剤[A−2]の固形分
    構成比が重量比で(100):(2〜20)であること
    を特徴とする請求項1記載のカチオン性エマルション型
    表面サイズ剤。
  3. 【請求項3】 カチオン性共重合物[A−1]の生成に
    用いる疎水性モノマーがスチレン類及びアルキル(メ
    タ)アクリレートの少なくともいずれかであることを特
    徴とする請求項1記載のカチオン性エマルション型表面
    サイズ剤。
  4. 【請求項4】 非イオン性界面活性剤[A−2]が長鎖
    アルキル基とポリアルキレンオキシド基を有するラジカ
    ル重合不可能な非イオン性界面活性剤及び長鎖アルキル
    基とポリアルキレンオキシド基を有するラジカル重合可
    能な非イオン性界面活性剤の少なくともいずれかである
    ことを特徴とする請求項1記載のカチオン性エマルショ
    ン型表面サイズ剤。
  5. 【請求項5】 疎水性モノマー[B]がスチレン類及びア
    ルキル(メタ)アクリレートの少なくともいずれかであ
    ることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載
    のカチオン性エマルション型表面サイズ剤。
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