JPH09324394A - 製紙用表面サイズ剤 - Google Patents

製紙用表面サイズ剤

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JPH09324394A
JPH09324394A JP16536096A JP16536096A JPH09324394A JP H09324394 A JPH09324394 A JP H09324394A JP 16536096 A JP16536096 A JP 16536096A JP 16536096 A JP16536096 A JP 16536096A JP H09324394 A JPH09324394 A JP H09324394A
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unsaturated monomer
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water
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Masayuki Kawakita
正之 川喜田
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Arakawa Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種の紙に適用した場合にも、サイズ性能等
の各種の特性を向上することができる製紙用表面サイズ
剤を提供すること。 【解決手段】 (A)(1)疎水性不飽和単量体、
(2)アニオン性不飽和単量体、および(3)反応性乳
化剤を主たる構成成分とする水溶性共重合体10重量部
を含む水溶液中で、(B)疎水性不飽和単量体10〜2
00重量部を乳化重合して得られるエマルションを含有
してなる製紙用表面サイズ剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は製紙用表面サイズ剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から製紙用表面サイズ剤としては、
スチレン−マレイン酸系共重合体、α−オレフィン−マ
レイン酸系共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸系
共重合体等の水溶性重合体の水溶液が知られている。し
かし、スチレン−マレイン酸系共重合体の表面サイズ剤
は、安価であるがオレフィン−マレイン酸、スチレン−
アクリル酸系表面サイズ剤に比べサイズ効果が弱く、酸
性抄紙の紙では使用できるが、中性抄紙の紙ではほとん
どサイズ効果を発現しない。また、α−オレフィン−マ
レイン酸系共重合体の表面サイズ剤は、既存の水溶性の
表面サイズ剤の中では最も良好なペン書きサイズ度を示
すが、PPC用紙に用いるとトナーの定着性が低く、印
刷用紙に用いるとインキの密着性に問題がある。また、
スチレン−アクリル酸系共重合体の表面サイズ剤は、ス
テキヒトサイズ度は向上するが、ペン書きサイズ度がオ
レフィン−マレイン酸系表面サイズ剤に比べ劣る。この
ように従来知られている表面サイズ剤は、いずれも紙の
種類に応じて使い分けをしなければならないという欠点
がある。
【0003】また、製紙用表面サイズ剤としては、カチ
オン性の水溶性共重合体の存在下で、(メタ)アクリル
酸エステル及び疎水性単量体を乳化重合して得られたエ
マルションを用いることも知られている(特公平5−7
7798号公報)。しかし、表面サイズ剤は、単独で塗
布されることは少なく、通常、酸化デンプン、ポリアク
リルアミド、ポリビニルアルコール等の表面紙質向上剤
と併用され紙に塗布することが一般的である。この中で
ポリアクリルアミド系表面紙力向上剤はアニオン系が主
流であり、カチオン系表面サイズ剤を併用すると凝集物
が発生する問題がある。また、表面塗布液には各種の添
加剤が加えられているが、これらの添加剤はアニオン性
物質が多いために、カチオン系表面サイズ剤の汎用性は
少ない。さらには、洋紙では白色度を高めるために蛍光
染料を使用することが多いが、カチオン系物質はこの蛍
光染料の効果を阻害するためにアニオン系物質に比べ多
量の蛍光染料が必要となるなどの問題もある。また、界
面活性剤の存在下で疎水性単量体を乳化重合して得られ
たエマルションを用いることも知られている(特開平2
−6691号公報)。しかし、該公報記載のオリゴマー
系の界面活性剤では塗布液が泡立つ問題がある。
【0004】さらには、紙塗工用組成物として、アニオ
ン性合成高分子乳化剤の存在下で、スチレンとα,β−
エチレン性不飽和カルボン酸を共重合したエマルジョン
が知られているが、α,β−エチレン性不飽和カルボン
酸のような親水性モノマーを使用するとサイズ性が低下
し、またエマルジョンの粘度が上がるため、製紙用表面
サイズ剤としては使用し難い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、各種の紙に
適用した場合にも、サイズ性能等の各種の特性を向上す
ることができる製紙用表面サイズ剤を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
従来技術の課題を解決するべく、鋭意研究を重ねた結
果、(A)(1)疎水性不飽和単量体、(2)アニオン
性不飽和単量体、および(3)反応性乳化剤を主たる構
成成分とする水溶性共重合体を高分子乳化剤として使用
し、当該水溶性共重合体10重量部を含む水溶液中で、
(B)疎水性不飽和単量体10〜200重量部を乳化重
合して得られるエマルションが、前記目的に合致した製
紙用表面サイズ剤であることを見出した。本発明はかか
る新たな知見に基づいて完成されたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の製紙用表面サイズ剤の主
成分であるエマルションの製造には、(A)(1)疎水
性不飽和単量体、(2)アニオン性不飽和単量体、およ
び(3)反応性乳化剤を主たる構成成分として反応させ
て得られる水溶性共重合体(以下、(A)水溶性共重合
体という)を、高分子乳化剤として用いる。
【0008】(1)疎水性不飽和単量体としては、スチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレ
ン類、炭素数6〜22の直鎖または分岐鎖のα−オレフ
ィン、アルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル(ここで、(メタ)アクリル酸と
は、アクリル酸および/またはメタクリル酸をいう。以
下、(メタ)というときはこれと同様の意味であ
る。)、エステル置換基が2−ヒドロキシエチル基、2
−ヒドロキシプロピル基等のヒドロキシアルキル基、ベ
ンジル基、アリル基等の各種(メタ)アクリル酸エステ
ル、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル等のビニルエステル類、炭素数1〜22のア
ルキルビニルエーテル等があげられる。
【0009】これら(1)疎水性不飽和単量体は1種を
単独で、または2種以上を併用して用いることができる
が、その中でもスチレン類および/または(メタ)アク
リル酸アルキルエステルを含有してなるものが好まし
い。特に、スチレン類と(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルの両者を併用するのが、得られるエマルションの
粘度調整と機械的安定性に優れる点で好ましい。両者を
併用する場合の割合は重量基準でスチレン類:(メタ)
アクリル酸アルキルエステル=1:2〜5:2、好まし
くは1:2〜2:1の範囲となるようにするのがよい。
【0010】なお、上記アルキル基の炭素数が1〜18
の(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、アルキル基
の炭素数が1〜12の場合が好ましい。炭素数が1〜1
8のアルキル基としては、直鎖、分岐鎖または環状のも
のを例示でき、たとえばメチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル
基、t−ブチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、
シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、
パルミチル基、ステアリル基等があげられる。
【0011】かかる(1)疎水性不飽和単量体の使用量
は(A)水溶性共重合体の通常、5〜60重量%、好ま
しくは10〜50重量%、より好ましくは15〜40重
量%である。(1)疎水性不飽和単量体の使用量が5重
量%に満たない場合には疎水性が低いために乳化性が不
十分でエマルション粒子径が粗くなり、(A)水溶性共
重合体自体のサイズ性能が低下して得られたエマルショ
ンのサイズ効果が低下する傾向がある。60重量%を超
える場合には疎水性が強すぎるために得れらるエマルシ
ョンのサイズプレス安定性が十分でない。なお、疎水性
不飽和単量体として、スチレン類および/または(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル以外の疎水性不飽和単
量体を使用する場合には、当該スチレン類等以外の疎水
性不飽和単量体の使用量を(A)水溶性共重合体に対し
て通常50重量%以下、好ましくは40重量%以下、よ
り好ましくは20重量%以下の範囲とするのがよい。
【0012】(2)アニオン性不飽和単量体としては、
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、マ
レイン酸半エステル、イタコン酸、イタコン酸半エステ
ル、シトラコン酸、フマル酸、ムコン酸等のカルボン酸
基含有不飽和単量体;ビニルスルホン酸、スチレンスル
ホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸等のスルホン酸基含有不飽和単量体;2−(メ
タ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート等
のリン酸基含有不和単量体;およびこれらのナトリウム
塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属
塩、アンモニウム塩、有機塩基類の塩等があげられる。
これらアニオン性不飽和単量体のなかでも、カルボン酸
基含有不飽和単量体としては(メタ)アクリル酸、マレ
イン酸、無水マレイン酸、マレイン酸半エステルが好ま
しく、特にメタクリル酸が好ましい。スルホン酸基含有
不飽和単量体としてはスチレンスルホン酸が好ましい。
【0013】また(2)アニオン性不飽和単量体はそれ
ぞれを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよ
いが、本発明では、(A)水溶性共重合体を用いて得ら
れるエマルションの機械的安定性およびサイズプレス安
定性の点から、前記カルボン酸基含有不飽和単量体およ
びスルホン酸基含有不飽和単量体を併用するのが好まし
い。併用する場合の割合は重量基準でカルボン酸基含有
不飽和単量体:スルホン酸基含有不飽和単量体=1:1
〜6:1、好ましくは3:2〜5:1の範囲となるよう
にするのがよい。
【0014】かかる(2)アニオン性不飽和単量体の使
用量は(A)水溶性共重合体の通常、10〜80重量
%、好ましくは20〜65重量%、より好ましくは30
〜55重量%である。(2)アニオン性不飽和単量体の
使用量が10重量%に満たない場合には親水性が弱いた
めに(A)水溶性共重合体の粘度が高くなり(B)疎水
性不飽和単量体の乳化性が低下し、(B)疎水性不飽和
単量体の重合中に凝集物が発生する傾向があり、80重
量%を超える場合には親水性が高くなり乳化性が不十分
で(A)水溶性共重合体自体のサイズ効果が低下し得ら
れたエマルションのサイズ効果が低下する傾向がある。
【0015】(3)反応性乳化剤とは、親水基と疎水基
を有する界面活性剤であって、分子中に炭素−炭素二重
結合を有するものをいう。炭素−炭素二重結合として
は、たとえば、(メタ)アリル基、1−プロペニル基、
2−メチル−1−プロペニル基、ビニル基、イソプロペ
ニル基、(メタ)アクリロイル基等の官能基があげられ
る。反応性乳化剤の具体例としては、たとえば、前記官
能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、前記官能基を分子中に少なくとも
1つ有するポリオキシエチレンアルキルエーテルのスル
ホコハク酸エステル塩、前記官能基を分子中に少なくと
も1つ有するポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫
酸エステル塩、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有
するポリオキシエチレンフェニルエーテル、前記官能基
を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンフ
ェニルエーテルのスルホコハク酸エステル塩、前記官能
基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレン
フェニルエーテルの硫酸エステル塩、前記官能基を分子
中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル、前記官能基を分子中に少なくとも1
つ有するポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
のスルホコハク酸エステル塩、前記官能基を分子中に少
なくとも1つ有するポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテルの硫酸エステル塩、前記官能基を分子中に少
なくとも1つ有するポリオキシエチレンアラルキルフェ
ニルエーテル、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有
するポリオキシエチレンアラルキルフェニルエーテルの
スルホコハク酸エステル塩、前記官能基を分子中に少な
くとも1つ有するポリオキシエチレンアラルキルフェニ
ルエーテルの硫酸エステル塩や、前記官能基を分子中に
少なくとも1つ有するポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテルのリン酸エステル塩、前記官能基を分子中
に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテルの脂肪族または芳香族カルボン酸塩、酸
性リン酸(メタ)アクリル酸エステル系乳化剤、ロジン
グリシジルエステルアクリレートの酸無水物変性物(特
開平4−256429号参照)、特開昭63−2372
5号公報、特開昭63−240931号公報、特開昭6
2−104802号公報、特開平4−50204号公
報、特開平4−53802号公報等に記載の乳化剤等の
各種のものがあげられる。さらには前記反応性乳化剤中
のポリオキシエチレンを、ポリオキシプロピレンまたは
ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンをブロック
共重合もしくはランダム共重合したもの代えたものもあ
げられる。本発明では、かかる反応性乳化剤を特に限定
なく使用できる。
【0016】前記(3)反応性乳化剤の市販品として
は、例えば、(商品名KAYAMERPM−1、日本化
薬(株)製)、(商品名KAYAMER PM−2、日
本化薬(株)製)、(商品名KAYAMER PM−2
1、日本化薬(株)製)、(商品名SE−10N、旭電
化工業(株)製)、(商品名NE−10、旭電化工業
(株)製)、(商品名NE−20、旭電化工業(株)
製)、(商品名NE−30、旭電化工業(株)製)、
(商品名ニューフロンティアA229E、第一工業製薬
(株)製)、(商品名ニューフロンティアN−117
E、第一工業製薬(株)製)、(商品名ニューフロンテ
ィアN250Z、第一工業製薬(株)製)、(商品名ア
クアロンRN−10、第一工業製薬(株)製)、(商品
名アクアロンRN−20、第一工業製薬(株)製)、
(商品名アクアロンRN−50、第一工業製薬(株)
製)、(商品名アクアロンHS−10、第一工業製薬
(株)製)、(商品名エミノールJS−2、三洋化成
(株)製)、(商品名ラテルムK−180、花王(株)
製)等がその代表例としてあげられる。
【0017】これら(3)反応性乳化剤のなかでも、本
発明では、一般式(1):
【0018】
【化2】
【0019】(式中、R1 、R2 は水素原子または炭素
数1〜20の炭化水素基、Aは水素原子または親水性の
官能基もしくはその塩、nは1〜200の整数を表す)
で表されるイソプロペニル基を有するポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル系の反応性乳化剤を使用す
るのが、重合性、(A)水溶性共重合体の乳化性の点で
好ましい。なお、R1 、R2 の炭化水素基としては、ア
ルキル基、アルケニル基、アラルケニル基等があげら
れ、Aの親水性の官能基としては、スルホン酸基、リン
酸基、スルホコハク酸基、スルホコハク酸基エステル基
等があげられ、その塩としてはアルカリ金属塩、アルカ
リ土類金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩等があげ
られる。特に、Aとしては水素原子またはスルホン酸ア
ンモニウム塩基が好ましい。このような反応性乳化剤の
市販品としては、(商品名アクアロンRN−10、第一
工業製薬(株)製)、(商品名アクアロンRN−20、
第一工業製薬(株)製)、(商品名アクアロンRN−5
0、第一工業製薬(株)製)があげられる。
【0020】かかる(3)反応性乳化剤の使用量は、高
分子乳化剤である(A)水溶性共重合体の乳化性や、当
該高分子乳化剤を用いて(B)疎水性不飽和単量体を乳
化重合して得られるエマルジョン粒子の機械的安定性を
考慮すれば、(A)水溶性共重合体の通常、1〜50重
量%、好ましくは5〜45重量%、より好ましくは10
〜40重量%である。
【0021】本発明では必要により前記(1)、(2)
及び(3)と共重合しうる、その他の不飽和単量体を、
(A)水溶性共重合体が本発明の目的を逸脱せず、しか
もその効果を保持しうる限度において使用することがで
きる。かかる(3)不飽和単量体としては、たとえば、
ビニルピロリドン、アクリルアミド、N,N−ジメチル
アクリルアミド等をあげることができる。その使用量
は、得られる共重合体水溶液のサイズ性能を低下させな
い範囲とされ、通常、(A)水溶性共重合体の30重量
%以下、好ましくは20重量%以下で併用することが可
能である。
【0022】本発明の(A)水溶性共重合体の製造方法
は、公知の手段によればよく、たとえば前記所定量の不
飽和単量体の混合物と、重合開始剤溶液をそれぞれ滴下
して重合させる方法、その他分割仕込み、同時仕込みに
より重合させる方法等があげられる。重合温度は通常4
0〜150℃程度、反応時間は2〜12時間程度とされ
る。重合溶媒としては水、有機溶剤、水・有機溶剤の混
合液を使用でき、有機溶剤を使用した場合には水蒸気蒸
留又は減圧蒸留により有機溶剤を留去した後に水に溶解
し水溶液にすることができる。
【0023】なお、重合溶媒としての有機溶剤はエチル
アルコール、プロピルアルコール等のアルコール類、ベ
ンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メ
チルエチルケトン等の低級ケトン類、酢酸エチル、クロ
ロホルム、ジメチルホルムアミド等を単独で又は適宜組
合せて使用でき、また水溶性溶剤であれば水と組合せて
使用することができる。
【0024】重合開始剤の種類についても特に制限はさ
れず、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウ
ム等の無機過酸化物、ベンゾイルパーオキサイド、ジク
ミルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等の有機
過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジ
メチル−2,2’−アゾビスイソブチレイト等のアゾ系
化合物等の公知の物を適宜選択して使用することができ
る。その使用量は前記不飽和単量体混合物100重量部
に対して、通常0.01〜5重量部程度である。なお、
ラジカル重合開始剤の場合は亜硫酸水素ナトリウム、チ
オ硫酸ナトリウム等の還元剤を併用して反応系をレドッ
クス系としてもよく、また重合に際して重合度を調節し
て所望の粘度とするためにドデシルメルカプタン、2−
メルカプトベンゾチアゾール、ブロムトリクロルメタ
ン、アルファ−メチルスチレンダイマー等のような連鎖
移動剤を用いることもできる。
【0025】また、本発明の(A)水溶性共重合体は、
水に可溶化するために、前記(2)アニオン性不飽和単
量体の少なくとも80%、より好ましくは完全中和され
て塩を形成しているものがよい。かかる中和率の調整
は、予め前記(2)アニオン性不飽和単量体の段階で行
えるのはもちろんのこと、(A)水溶性共重合体を重合
した後に行なうこともできる。中和塩としては、アンモ
ニウム塩、揮発性アミン塩、アルカリ金属塩等があげら
れる。
【0026】なお、アンモニウム塩を形成するものとし
てはアンモニアの他、炭酸アンモニウム塩等のアンモニ
ウム塩を使用できる。また、揮発性アミン塩としては炭
素数1〜12の脂肪族、脂環族又は芳香族アミン塩、同
様のアリールアミン塩、アルカノールアミン塩等をあげ
ることができる。揮発性アミンの具体的としては、たと
えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチル
アミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、モノブチ
ルアミン等の脂肪族アミン、シクロヘキシルアミン等の
脂環族アミン、アニリン等の芳香族アミン、アリールア
ミン、アルカノールアミン等の第1級及び第2級アミン
等があげられる。また、アルカリ金属塩を形成するもの
としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等があげら
れる。
【0027】(A)水溶性共重合体の重量平均分子量
は、通常1000〜1000000、好ましくは500
0〜500000とされる。重量平均分子量が1000
に満たない場合は、得られたエマルションのサイズ性
能、機械的安定性が十分でない。また、重量平均分子が
1000000を超える場合は、(B)疎水性不飽和単
量体の乳化性が十分でなく、(B)疎水性不飽和単量体
の重合中に凝集物が発生する傾向がある。なお、(A)
水溶性共重合体は、通常、濃度20重量%おいて、10
〜4000cps(25℃)の粘度を有する。
【0028】本発明の製紙用表面サイズ剤の主成分とし
て使用されるエマルションは、前記(A)水溶性共重合
体を含む水溶液中で、(B)疎水性不飽和単量体を乳化
重合して得られる。(B)疎水性不飽和単量体として
は、前記(A)水溶性共重合体の構成成分である前記
(1)疎水性不飽和単量体と同様のものを例示できる。
これら(B)疎水性不飽和単量体は、1種を単独で用い
ることも2種以上を併用することもできるが、(メタ)
アクリル酸アルキルエステルおよび/または(メタ)ア
クリロニトリルと組み合わせるのが好ましい。なお、
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、アクリルアミド等の
親水性不飽和単量体は、エマルションのサイズ性能を低
下させるだけでなく、粘度を高くするため好ましくな
い。
【0029】本発明の製紙用表面サイズ剤の主成分でる
エマルションの製造にあたって用いられる前記(A)水
溶性共重合体及び(B)疎水性不飽和単量体の各成分の
使用量は、(A)水溶性共重合体(固形分)の10重量
部に対して、(B)疎水性不飽和単量体10〜200重
量部、好ましくは20〜180重量部である。10重量
部に満たない場合には(B)疎水性不飽和単量体により
もたらされる紙表面のサイズ性(ペン書きサイズ性、イ
ンクジェット適性等)、機械的安定性が十分でなく、2
00重量部を超える場合には(B)疎水性不飽和単量体
の重合中に凝集物の発生しやすく、機械的安定性も十分
でない。
【0030】エマルションの製造は公知の乳化重合方法
により行えばよい。たとえば、所定の反応容器に前記
(B)疎水性不飽和単量体、(A)水溶性共重合体の水
溶液及び水、並びにラジカル重合開始剤を加え、撹拌
下、加温する方法によればよい。なお、前記(B)疎水
性不飽和単量体等の滴下方法は一括仕込み、分割滴下の
いずれの方法でもよく、(A)水溶性共重合体及び水の
存在下に(B)疎水性不飽和単量体とラジカル重合開始
剤を滴下する方法でもよい。反応系内における前記
(B)疎水性不飽和単量体の濃度は、通常5〜60重量
%程度であり、温度40〜110℃程度、好ましくは5
0〜100℃で、1〜10時間程度反応させればよい。
【0031】前記ラジカル重合開始剤としては、過酸化
水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の無機過
酸化物、水性のアゾ系開始剤等の水溶性のラジカル重合
開始剤、又は前記過硫酸塩等と亜硫酸水素ナトリウム、
チオ硫酸ナトリウム等の還元剤とを組み合わせた形のレ
ドックス系重合開始剤等があげられる。前記開始剤の使
用量は前記(B)疎水性不飽和単量体に対して0.05
〜5重量%程度、好ましくは0.1〜3重量%とするの
がよい。その他に、ドデシルメルカプタン、2−メルカ
プトベンゾチアゾール、ブロムトリクロルメタン、アル
ファ−スチレンダイマー等の分子量調節剤を使用して共
重合体の分子量を調整することもできる。
【0032】前記乳化重合においては、アニオン性もし
くはノニオン性の界面活性剤を単独で又は混合して使用
することもできる。界面活性剤の使用量は(B)疎水性
不飽和単量体に対して10重量%以下、より好ましくは
5重量%以下である。10重量%を超える場合は、得ら
れたエマルションの泡立ち性が強くなり、塗布液とした
時に泡によるトラブルを引き起こすことがある。ノニオ
ン性界面活性剤としては、例えばポリエチレングリコー
ル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル等があげられる。ア
ニオン性界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸塩、
アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸塩、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩エステル等が
あげられる。なお、カチオン性界面活性剤は、重合中に
凝集物が発生するため、使用することはできない。
【0033】本発明の製紙用表面サイズ剤は、このよう
にして得られる前記エマルションを主成分とするもので
あり、通常、濃度20重量%において、500cps
(25℃)以下の粘度を有する。
【0034】前記エマルションを主成分とする本発明の
製紙用表面サイズ剤は、単独で使用できるが、一般に製
紙用表面サイズ剤として使用されている、(C)(4)
疎水性不飽和単量体および(5)カルボン酸基含有不飽
和単量体を反応させて得られる各種の水溶性共重合体
(以下、(C)水溶性共重合体という)を混合して使用
することもできる。かかる(C)水溶性共重合体は、本
発明の製紙用表面サイズ剤100重量部に対し、通常3
00重量部以下で混合される。
【0035】(4)疎水性不飽和単量体としては、
(1)疎水性不飽和単量体と同様のものを使用でき、ま
た(5)カルボン酸基含有不飽和単量体としては、
(2)アニオン性不飽和単量体の項で説明したものと同
様のものを使用できる。特に(4)疎水性不飽和単量体
としては、スチレン類、α−オレフィン、(メタ)アク
リル酸エステルが好ましく、(5)カルボン酸基含有不
飽和単量体としては、(メタ)アクリル酸、マレイン
酸、無水マレイン酸が好ましい。(C)水溶性共重合体
を具体的に示せば、スチレン−(メタ)アクリル酸系、
スチレン−マレイン酸系、α−オレフィン−マレイン酸
系、α−オレフィン−(メタ)アクリル酸系等の水溶性
共重合体等があげられる。
【0036】(4)疎水性不飽和単量体の使用量は、
(C)水溶性共重合体の、通常、20〜80重量%、好
ましくは40〜60重量%であり、(5)カルボン酸基
含有不飽和単量体の使用量は、(C)水溶性共重合体
の、通常20〜80重量%である。(C)水溶性共重合
体は、(4)疎水性不飽和単量体および(5)カルボン
酸基含有不飽和単量体を、(A)水溶性共重合体を製造
した方法と同様の方法により製造できる。
【0037】本発明の製紙用表面サイズ剤の適用される
原紙は特に制限はされず各種の紙及び板紙に適用でき
る。紙の種類としては、フォーム用紙、PPC用紙、感
熱記録原紙、感圧記録原紙等の記録用紙及びその原紙、
アート紙、キャストコート紙、上質コート紙等のコート
紙用の原紙、クラフト紙、純白ロール紙等の包装用紙、
その他、ノート用紙、書籍用紙、印刷用紙、新聞用紙等
の各種紙(洋紙);マニラボール、白ボール、チップボ
ール等の紙器用板紙及びライナー等の板紙があげられ
る。
【0038】また、本発明の製紙用表面サイズ剤は、パ
ルプ、填料、内添サイズ剤、内添紙力増強剤、歩留まり
向上剤等の原料及び内添薬品による影響、及び抄紙p
H、抄紙温度、抄紙マシンの形式等抄紙条件の影響はほ
とんど受けない。本発明の製紙用表面サイズ剤は、単独
で使用することができることはもちろんのこと、酸化デ
ンプン、アルギン酸ソーダ、カルボキシメチルセルロ−
ス、アクリルアミド系ポリマー、ポリビニルアルコール
等と併用することもできる。また本発明の製紙用表面サ
イズ剤は、上記各種の紙に対して従来公知の塗布方法、
例えば含浸法、サイズプレス法、ゲートロール法、バー
コーター法、カレンダー法、スプレー法により塗布され
る。その塗布量は通常は0.001〜2g/m2 (固形
分)、好ましくは0.005〜0.5g/m2 である。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、各種の紙に適用した場
合にも、サイズ性能等の各種の特性を向上することがで
きる製紙用表面サイズ剤を提供することができる。特
に、ステキヒトサイズ度、コブサイズ度、ペン書きサイ
ズ等の紙質の向上に有効であり、たとえば、筆記用紙に
おいてはペン書き適性の向上、PPC用紙においてはト
ナー定着性の向上、インクジェット用紙においては印字
濃度のアップ、フェザリングの向上、印刷用紙において
はインキセット性の向上、新聞用紙においてはオフセッ
ト印刷時の耐水性の改善、ライナー等の板紙においては
耐水性・印刷適性の向上が認められる。このように本発
明の製紙用表面サイズ剤は各種の紙に適用できることか
ら、同じ抄紙機で抄物(印刷用紙、書籍用紙、PPC用
紙)の切り替え時に製紙用表面サイズ剤を変更する必要
がなく、機械的安定性にも優れる。さらには同じ工場で
酸性抄紙と中性抄紙を異なる抄紙機で行っていても同じ
製紙用表面サイズ剤を使用することができる。また、本
発明の製紙用表面サイズ剤は、一般に製紙用表面サイズ
剤として使用されている各種の水溶性共重合体と混合し
て使用することもできる。
【0040】
【実施例】以下に参考例、実施例及び比較例をあげて本
発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例
に限定されるものではない。なお、各例中、部及び%は
特記しない限り重量基準である。
【0041】参考例1((A)水溶性共重合体の製造) 撹拌器、還流冷却管、窒素導入管付きの反応器に、窒素
を導入しながら水300部を加え、撹拌しながら加熱し
温度を80℃まで上昇させた。これにスチレン15部、
メタクリル酸メチル15部、メタクリル酸30部、スチ
レンスルホン酸ナトリウム15部、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル系の反応性乳化剤(商品名ア
クアロンRN−20、第一工業製薬(株)製)を固形分
換算で25部、アルファスチレンダイマー5部および水
25部を混合した単量体混合液と、過硫酸カリウム3部
を水60部に溶解した重合開始剤溶液を3時間で全量滴
下した後に2時間熟成させ反応を完結させた。冷却後4
8%水酸化ナトリウム水溶液29部(メタクリル酸に対
して100モル%中和)を加え、水で希釈し共重合体の
濃度が20%になるように調整し、25℃の粘度が25
cps(BM型粘度計、60rpm、60℃)である水
溶性共重合体(A1)の水溶液を得た。
【0042】参考例2〜8((A)水溶性共重合体の製
造) 参考例1において、単量体の種類、組成比及び中和率を
表1に示すように変えた他は、参考例1と同様にして水
溶性共重合体(順に、A2〜A8)の水溶液を得た。得
られた水溶性共重合体の水溶液の性状を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】表1中、STはスチレン、MMAはメタク
リル酸メチル、nBAはアクリル酸n−ブチル、AAは
アクリル酸、MAAはメタクリル酸、NaSSはスチレ
ンスルホン酸ナトリウム、RN−20は反応性乳化剤
(商品名アクアロンRN−10、第一工業製薬(株)
製)、HS−20は反応性乳化剤(商品名アクアロンH
S−20、第一工業製薬(株)製)を表す。
【0045】実施例1 参考例1と同様の反応器に、窒素を導入しながら水20
0部を加え、撹拌しながら加熱し温度を80℃まで上昇
させた。これに水溶性共重合体(A1)の水溶液50部
(固形分として10部)、アクリロニトリル55部およ
びアクリル酸ブチル45部を混合した単量体乳化液と、
過硫酸アンモニウム3部を水50部に溶解した重合開始
剤水溶液を3時間で全量滴下させた後に2時間熟成させ
反応を完結させた。冷却後、水で希釈しエマルションの
濃度を25%になるように調整し、25℃の粘度が20
cpsであるエマルションを得た。
【0046】実施例2〜15、比較例1〜3 実施例1において、(A)水溶性共重合体、(B)疎水
性不飽和単量体、重合開始剤水溶液の種類又はその使用
量を、それぞれ表2に示すように変えた他は、実施例1
と同様にしてエマルションを得た。ただし、比較例3で
は、水溶性共重合体(A)の代わりに60%ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム8.3部を使用した。得ら
れたエマルションの性状を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】表2中、DBSはドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム、ANはアクリロニトリル、HPAは2
−ヒドロキシプロピルアクリレート、APSは過硫酸ア
ンモニウムを表す。なお、MMA、nBA、STは表1
のそれと同じ。
【0049】比較例4(スチレン−アクリル酸系水溶性
樹脂の合成) 参考例1と同様の反応器に、窒素を導入しながら水10
0部およびイソプロピルアルコール75部を加え、撹拌
しながら加熱し温度を80℃まで上昇させた。これにス
チレン45部およびアクリル酸55部を混合した単量体
混合液と、過硫酸アンモニウム5部を水120部に溶解
した重合開始剤水溶液を3時間で全量滴下させた後に2
時間熟成させ反応を完結させた。その後、イソプロピル
アルコールを留去し、冷却後28%アンモニア水溶液4
6.4部(アクリル酸に対して100モル%)を加え、
水で希釈し共重合体の濃度が20%になるように調整
し、25℃の粘度が1100cpsであるスチレン−ア
クリル酸系共重合体の水溶液を得た。
【0050】比較例5(ジイソブチレン−マレイン酸系
水溶性樹脂の合成) 参考例1と同様の反応器に、窒素を導入しながら無水マ
レイン酸45部およびトルエン100部を加え、撹拌し
ながら加熱し温度を105℃まで上昇させた。これにジ
イソブチレン(2,4,4−トリメチルペンテン−1を
76%含有)67.7部と、t−ブチルパーオキシベン
ゾネイト2.5部とトルエン47.5部を混合した重合
開始剤溶液を2時間で全量滴下させた後に4時間熟成さ
せ反応を完結させた。その後、トルエンを留去し、冷却
後28%アンモニア水溶液50部を加え、水に溶解し共
重合体の濃度が20%になるように調整し、25℃の粘
度が90cpsであるジイソブチレン−マレイン酸系共
重合体の水溶液を得た。
【0051】比較例6(スチレン−マレイン酸系水溶性
樹脂の合成) 参考例1と同様の反応器に、窒素を導入しながら無水マ
レイン酸48.5部およびトルエン100部を加え、撹
拌しながら加熱し温度を105℃まで上昇させた。これ
にスチレン51.5部と、t−ブチルパーオキシ−2−
エチルヘキサノエート2部とトルエン50部を混合した
重合開始剤溶液を2時間で全量滴下させた後に4時間熟
成させ反応を完結させた。その後、トルエンを留去し、
冷却後28%アンモニア水溶液60部を加え、水に溶解
し共重合体の濃度が20%になるように調整し、25℃
の粘度が1300cpsであるスチレン−マレイン酸系
共重合体の水溶液を得た。
【0052】実施例で得られたエマルション又は比較例
で得られたエマルションもしくは水溶液を表面サイズ剤
として用い、以下の試験に供した。
【0053】試験例1(中性PPC・インクジェット兼
用記録紙での評価) (i)中性PPC・インクジェット兼用記録紙用原紙の
製造 下記配合のスラリーを用いて坪量65g/m2 の中性紙
を抄紙pH7.2で抄造した。スラリーの配合:L−B
KP(360mlCSF)65部、N−BKP(420
mlCSF)35部、炭酸カルシウム(タマパール12
1 奥多摩工業株式会社製)10部、中性ロジンサイズ
剤(サイズパインNT−80 荒川化学工業株式会社
製)0.2部、硫酸アルミニウム1部、カチオンデンプ
ン(Cato F 王子ナショナル社製)1部、歩留ま
り向上剤(パーコール47 アライドコロイド社製)
0.03部。
【0054】(ii)塗布液の調製 酸化デンプン(王子エースA 王子コーンスターチ株式
会社製)を濃度10%で糊化を行い、下記濃度で配合し
た塗布液を調製した。塗布液の配合(固形分濃度):酸
化デンプン3%、表面サイズ剤0.2%、塩化ナトリウ
ム0.1%。
【0055】(iii)中性PPC・インクジェット兼
用記録紙の製造 前記(i)で抄造した原紙に、前記(ii)で調製した
塗布液をサイズプレスを用いて塗布し、記録紙を得た。
【0056】(iv)記録紙の評価 前記(iii)で得られた記録紙をA4版に裁断し、2
0℃、65%RHの条件で24時間調湿した後、以下の
試験に供した。評価結果を表3に示す。
【0057】ステキヒトサイズ度:JIS P 812
2による。PPC・インクジェット兼用記録用紙として
は20秒以上が必要である。
【0058】ペン書きサイズ度:J.Tappi N
o.12による。PPC・インクジェット兼用記録用紙
としては5以上の評価が必要である。なお、表中の(F
/W)は紙の(表面(Felt面)/裏面(Wire
面))をいう。
【0059】インクジェット適性:上記と同様のA4版
に裁断した記録紙を用い、キャノン社製のインクジェッ
トプリンタ(BJ−10v)を用いて行った。印字濃
度:A4版の記録紙の上下2箇所、左右3箇所に黒で印
字したベタ印字部をサクラデジタル濃度計(小西六株式
会社製、PDA−65)にて12点の測定を行い、この
平均値を印字濃度とした。インクジェット記録紙として
は、1.25以上の光学濃度が必要である。フェザリ
ング:上記と同様のA4版の記録紙に横罫線のパターン
を印字し、ニジミ度合いをペン書きサイズ度(J.Ta
ppi No.12)に準じて0〜6の7段階で評価し
た。インクジェット記録紙としては5以上の評価が必要
である。
【0060】トナー定着性:上記と同様のA4版に裁断
した記録紙に、キャノン社製の電子写真複写機(NP6
150)を用いて複写した光学濃度が約1.4の画像部
に、18mm巾のセロハンテープを300g/cmの線
圧で張り付け、1cm/秒の速度で剥離した際の、剥離
前の画像濃度に対する剥離後の画像濃度の比(剥離後の
画像濃度/剥離前の画像濃度)で評価した。画像濃度の
測定にはサクラデジタル濃度計(小西六株式会社製、P
DA−65)を使用した。電子写真用転写紙としては、
前記比が0.8以上必要である。
【0061】機械的安定性(シェアー条件下のステキヒ
トサイズ度):60℃に加熱した塗布液を家庭用ミキサ
ーで1分間処理を行った後、上記と同様のA4版に裁断
した記録紙にラボサイズプレス塗工を行い、乾燥した後
に、20℃、65%RHの条件で24時間調湿した後、
JIS P 8122によりステキヒトサイズ度(秒)
を測定した。
【0062】
【表3】
【0063】試験例2(酸性上質ノート用紙での評価) (i)酸性上質ノート用紙用原紙の製造 下記配合のスラリーを用いて坪量80g/m2 の酸性紙
を抄紙pH4.7で抄造した。スラリーの配合:L−B
KP(350mlCSF)60部、N−BKP(400
mlCSF)40部、タルク(イライト 日本タルク株
式会社製)20部、ロジンエマルションサイズ剤(サイ
ズパインN−773 荒川化学工業株式会社製)0.2
部、硫酸アルミニウム2.5部、歩留まり向上剤(アラ
フィックス530 荒川化学工業株式会社製)0.02
部。
【0064】(ii)塗布液の調製 酸化デンプン(MS3800 日本食品化工株式会社
製)を濃度10%で糊化を行い、下記濃度で配合した塗
布液を調製した。塗布液の配合(固形分濃度):酸化デ
ンプン4%、表面サイズ剤0.1%、塩化ナトリウム
0.1%。
【0065】(iii)酸性上質ノート用紙の製造 前記(i)で抄造した原紙に、前記(ii)で調製した
塗布液をサイズプレスを用いて塗布し、ノート用紙を得
た。
【0066】(iv)酸性上質ノート用紙の評価 前記(iii)で得られたノート用紙を20℃、65%
RHの条件で24時間調湿した後、試験例1と同様の試
験に供した。評価結果を表4に示す。
【0067】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08F 2/24 MCB D21H 1/10 704

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(1)疎水性不飽和単量体、
    (2)アニオン性不飽和単量体、および(3)反応性乳
    化剤を主たる構成成分とする水溶性共重合体10重量部
    を含む水溶液中で、(B)疎水性不飽和単量体10〜2
    00重量部を乳化重合して得られるエマルションを含有
    してなる製紙用表面サイズ剤。
  2. 【請求項2】 (A)水溶性共重合体が、(1)疎水性
    不飽和単量体5〜60重量%、(2)アニオン性不飽和
    単量体10〜80重量%、および(3)反応性乳化剤1
    〜50重量%を主たる構成成分とする共重合体である請
    求項1記載の製紙用サイズ剤。
  3. 【請求項3】 (1)疎水性不飽和単量体が、スチレン
    類および/または(メタ)アクリル酸アルキルエステル
    を含有してなる請求項1または2記載の製紙用表面サイ
    ズ剤。
  4. 【請求項4】 (2)アニオン性不飽和単量体として、
    カルボン酸基含有不和単量体およびスルホン酸基含有不
    飽和単量体を用いてなる請求項1、2または3記載の製
    紙用表面サイズ剤。
  5. 【請求項5】 (3)反応性乳化剤が、一般式(1): 【化1】 (式中、R1 、R2 は水素原子または炭素数1〜20の
    炭化水素基、Aは水素原子または親水性の官能基もしく
    はその塩、nは1〜200の整数を表す)で表される化
    合物である請求項1、2、3または4記載の製紙用表面
    サイズ剤。
  6. 【請求項6】 (A)水溶性共重合体のアニオン性基の
    少なくとも80%が中和され塩を形成している請求項
    1、2、3、4または5記載の製紙用表面サイズ剤。
  7. 【請求項7】 (B)疎水性不飽和単量体が、(メタ)
    アクリル酸アルキルエステルおよび/または(メタ)ア
    クリロニトリルを含有してなる請求項1、2、3、4、
    5または6記載の製紙用表面サイズ剤。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の製紙用
    表面サイズ剤に、さらに(C)(4)疎水性不飽和単量
    体および(5)カルボン酸基含有不飽和単量体を反応さ
    せて得られる水溶性共重合体を混合してなる製紙用表面
    サイズ剤。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれかに記載の製紙用
    表面サイズ剤100重量部に対し、(C)水溶性共重合
    体300重量部以下を混合してなる請求項8記載の製紙
    用表面サイズ剤。
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