JP3912572B2 - 水不溶性で粘着性物質の表面電荷調節方法 - Google Patents

水不溶性で粘着性物質の表面電荷調節方法 Download PDF

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Description

【発明の属する技術分野】
本発明は紙の汚れを抑制する方法に関し、詳しくは機械パルプを主体とする製紙原料に由来するピッチトラブルを特定の共重合体を用いることにより製紙した紙に発生するピッチ抑制方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
製紙工程におけるいわゆるピッチは、水不溶性でしかも粘着性を有する物質である。このピッチには、木材由来と製紙加工工程で用いられるラテックスその他由来のものがある。木材由来は、油脂、脂肪酸、テルペン類、ステロイド類、天然樹脂やガム類などが含まれており、パルプ化された後もこれらが残留している。後の製紙工程においてこれら粘着性物質が遊離し、コロイド状になって分散しているが、強いせん断力、急激なpH変化、硫酸バンドの添加等により、このコロイド状態が破壊されて、凝集、粗大化し、いわゆるピッチとなる。一方、紙加工物質由来のピッチは、コ−ト紙製造工程におけるコ−トブロ−クなどのラテックスがウェットエンドでリサイクルされるうちにコロイド状態がやはり破壊されて、同じコ−トブロ−ク中の炭酸カルシウムといっしょに凝集し、粗大化し、抄紙後成紙上に白色のピッチデポジットを形成しトラブルの発生となる。
【0003】
コ−ト原紙を生産する工場では、コ−トブロ−ク中の炭酸カルシウムが成紙中灰分の大部分を構成する場合やコ−トブロ−クが填料の唯一の供給源となるところもある。コ−トブロ−ク中の灰分は、通常の内添填料よりもその適用が難しい。まり填料歩留率が低くなる。というのは一般にコ−ト用グレ−ドの顔料粒子径は、内添用粒子径よりも小さいからである。そのために原料歩留率が低下すると、抄紙系内を循環する白水の濃度を上昇させ填料汚れを引き起こす。また、定着しないサイズ剤は、抄紙工程において加水分解し、汚れ(ピッチトラブル)の原因となる。
【0004】
特開平4−241184号公報には、天然ピッチトラブル抑制のためジメチルジアリルアンモニウム塩化物/アクリル酸/(場合によっては、アクリル酸アルキルエステル類)共重合物を抄紙系のウェットエンドに添加する方法が開示されている。また、パルプ製造の漂白工程アルカリ抽出において、原料木材に由来するパルプ中のピッチを除去する方法として、水溶性の不飽和カルボン酸と疎水性単量体との共重合体を、漂白後のパルプスラリ−が次ぎのアルカリ抽出塔に入る前に添加することを開示している(特開平11−256490号公報)。さらに木材あるいは古紙由来の種々のピッチに起因するトラブル防止方法として、ポリスチレンスルホン酸(塩)やポリイソプレンスルホン酸(塩)を、ピッチが付着し易い個所へのシャワ−水中に溶解し、専用のシャワ−や噴射ノズル、あるいは水ドクタ−などで供給することが記載されている(特開平11−189987号公報)。そしてカチオン性高分子を使用する例としては、ピッチ物質一般のトラブル防止法として、ビニルイミダゾリン系高分子を製紙機械洗浄水中に溶解して添加する方法が特開平11−930911号公報に記載されている。さらに、特許3040231号公報には、水と連続的に接触していないパルプ又は紙製造装置に別個に水溶性カチオン系重合体と水溶性アニオン系重合体を適用してピッチなどの汚れを防止する方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、機械パルプを主体とする製紙原料に由来する汚れを抑制する方法に関しては、まだ決定的に効果ある対策は提案されていない。本発明の課題は、機械パルプ由来のピッチに起因する汚れを防止するための処理法を開発することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため詳細な検討を行った結果、以下に述べるような共重合体の添加により原料パルプを処理し、紙の汚れを抑制できることがわかり本発明に到達した。すなわち本発明の請求項1の発明は、製紙工程中、シ−ト形成に先だって、機械パルプを主体とする製紙原料中に、木材由来のコロイド状になって分散する水不溶性で粘着性物質が凝集、粗大化し、ピッチとなるのを防止するため、原料パルプチェストあるいは原料パルプチェスト配管出口において、ジアリルアンモニウム塩系単量体及び/または下記一般式(1)で表わされるカチオン性単量体とアクリルアミドから構成される四級アンモニウム塩基を有し、イオン当量が0.60〜4.00meq/gである共重合体を添加、処理した後、抄紙することを特徴とする水不溶性で粘着性物質の表面電荷調節方法に関する。
【化1】
R1は水素またはメチル基、R2はメチル基またはエチル基、R3はメチル基、エチル基あるいはベンジル基、R4はメチル基あるいはエチル基、Aは酸素原子またはNH、BはC2〜C3のアルキレン基またはアルコキシレン基、X1は陰イオン
【0007】
請求項2の発明は、
ジアリルアンモニウム塩系単量体及び/または前記一般式(1)で表わされるカチオン性単量体とアクリルアミドから構成される共重合体が、塩水溶液中で該塩水溶液に可溶な高分子分散剤共存下で分散重合法により製造された粒径100μm以下の微粒子分散液からなることを特徴とする請求項1に記載の水不溶性で粘着性物質の表面電荷調節方法である。
【0008】
請求項の発明は、前記共重合体のイオン当量が0.60〜2.50meq/gであることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の水不溶性で粘着性物質の表面電荷調節方法である。
【0009】
請求項の発明は、前記共重合体の分子量が、10万〜200万であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の水不溶性で粘着性物質の表面電荷調節方法である。
【0010】
請求項の発明は、 前記機械パルプがグランドウッドパルプ、リファイナーグランドウッドパルプ、加圧式砕木パルプ、サーモメカニカルパルプ及びケミサーモメカニカルパルプから選択された少なくとも一種以上を含有することを特徴とする請求項1〜に記載の紙の水不溶性で粘着性物質の表面電荷調節方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明で使用するする共重合体は、ジアリルアンモニウム塩系単量体及び/またはカチオン性アクリル系単量体と非イオン性の単量体との共重合体である。ジアリルアンモニウム塩系単量体の例としては、ジアリルジメチルアンモニウム塩化物、ジアリルメチルベンジルアンモニウム塩化物などである。また、カチオン性アクリル系単量体の例としては、四級アンモニウム塩基含有単量体が好ましい。すなわち、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ−トあるいはジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどのモノハロゲン化アルキルによる四級化物である(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物などがあげられる。これらカチオン性単量体の一種以上を併用して用いることができる。
【0013】
また、共重合する非イオン性単量体の例としては、アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、N、N−ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、ジアセトンアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−トのなどである。最も好ましい非イオン性単量体の例としては、アクリルアミドである。
【0014】
本発明で使用する重合体は、四級アンモニウム塩基含有カチオン性共重合体であるが、分子内のカチオン当量としては0.60〜4.00meq/gであることが好ましく、0.60〜2.50meq/gであるほうがさらに好ましい。即ち、四級アンモニウム塩基のほうが、製紙原料中に存在するアニオン性物質やピッチの懸濁微細粒子に対する吸着能が高く、成紙の汚れ抑制効果が高いからである。しかし、カチオン当量が4.0より高いと汚れ防止効果が低下し、またパルプの表面電荷がプラス側に傾き,抄紙持、歩留率の低かなど副作用が発生し好ましくなく、さらに0.6未満では、カチオン性が低すぎ汚れ防止効果が無くなる。
【0015】
重合方法は、既知の重合法である水溶液重合法、油中水型エマルジョン重合法、油中水型分散重合法、塩水溶液中分散重合法などにより合成することができる。このうち特に好ましく用いられる重合法として、塩水溶液中分散重合法であり、この方法によって製造した重合系カチオン性水溶性高分子である。塩水溶液中に分散した高分子分散液からなる水溶性重合体は、特開昭62−15251号公報などによって製造することができる。
【0016】
即ち、ジアリルアンモニウム塩系単量体及び/または前記一般式(1)で表わされるカチオン性単量体とアクリルアミドなどで構成される単量体混合物を、塩水溶液中で該塩水溶液に可溶な高分子分散剤共存下で製造される。この分散剤を構成する高分子微粒子は、粒径100μm以下からなる。カチオン性単量体としては、アクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウム塩化物などのように塩析されやすいものを共重合すると分散液を容易に製造することができる。共存させる高分子分散剤としては、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物やジメチルジアリルアンモニウム塩化物の単独重合体やアクリルアミドなどの非イオン性単量体との共重合体を使用する。塩水溶液中分散重合法による重合濃度としては、5〜50重量%の範囲実施が可能であり、好ましくは20〜40重量%で行うのが適当である。また、反応の温度としては、10〜100℃の範囲で行うことができる。
【0017】
重合を開始させるラジカル重合開始剤はアゾ系、過酸化物系、レドックス系いずれでも重合することが可能である。油溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル、1、1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2、2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2、2’−アゾビス(2−メチルプロピオネ−ト)などがあげられ、水混溶性溶剤に溶解し添加する。水溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩化水素化物、2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物、4、4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)などがあげられる。またレドックス系の例としては、ペルオクソ二硫酸アンモニウムあるいはカリウムと亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、トリメチルアミン、テトラメチルエチレンジアミンなどとの組み合わせがあげられる。さらに過酸化物の例としては、ペルオクソ二硫酸アンモニウム、過酸化水素、ベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、オクタノイルペルオキサイド、サクシニックペルオキサイド、t-ブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエ−トなどをあげることができる。
【0018】
これら重合系高分子の分子量は、10万〜200万であるが、好ましくは50万〜200万である。10万以下ではピッチ物質への吸着性が低下し、そのためピッチの凝集阻害効果が低下する。また200万以上では、吸着力はあまり変わらず、溶液粘度も高くなり過ぎ分散性も悪くなるほか、水溶液の取り扱いも悪くなり、特にメリットはない。
【0019】
これら共重合体は、処理を目的とする機械パルプによって分子量やカチオン当量の違いを適宜使い分けて行く。一般的に機械パルプは不純物としてアニオン性成分が含まれている場合が多いが、種類や製法にとってカチオン要求量が異なるので注意を要する。
【0020】
本発明の処理対象パルプとしては、機械パルプであり、グランドウッドパルプ、リファイナーグランドウッドパルプ、加圧式砕木パルプ、サーモメカニカルパルプ及びケミサーモメカニカルパルプなどである。これら機械パルプの単独あるいは複数種パルプ混合物の分散液中に四級アンモニウム塩基含有共重合体を添加し、処理した後、目的とする用紙原料に種々の製紙原料を配合する。
【0021】
本発明で使用するカチオン性水溶性高分子の製紙原料への添加量としては、製紙原料のカチオン要求量により異なるが、対乾燥製紙原料当たり高分子純分として、凡そ200〜5000ppmであり、好ましくは300〜2000ppm、最も好ましくは300〜1000ppmである。カチオン性水溶性重合体の添加量は、ミュ−テック社製のPCD−03型などを使用して製紙原料のカチオン要求量を測定し決定していく。例えば使用製紙原料中に本発明の高分子を添加、攪拌処理した後、ワットマン製濾紙NO.41によって原料を濾過し、濾液のカチオン要求量と濁度を測定していく。濁度が最も低下したところが適性添加量の目安と推定されるが、製紙現場へ適用してみなければ正確には判定できない。
【0022】
添加場所としては、種々のパルプが混合される混合チェストよりも、最も汚れの原因となる原料パルプに直接添加したほうが顕著な効果を発現する。従って、本発明で定義する「製紙原料」とは、最終的に抄紙する前の配合された紙料ではなく、配合前の個別製紙原料を意味する。そのため添加場所の例としては、処理を目的とする原料パルプチェストに直接あるいは原料パルプチェスト配管出口などが上げられる。
このようにして汚れの原因となる原料パルプに本発明の重縮合系カチオン性物質を添加し、処理した後、化学パルプなどと配合し各種製紙薬剤を添加し、抄紙系に搬送される。
【0023】
本発明の汚れ防止処理によって、ワイヤ−上の歩留率も同じに向上する。すなわち、主原料パルプであるコ−トブロ−ク中には塗工用炭酸カルシウムが含有している。コ−ト用炭酸カルシウムは2μm以下の粒子が70〜80重量%含有していて、内添用(すなわちシ−ト内部への填量用)グレ−ドの2μm以下の粒子含有量が25〜60重量%であるより、全体的に細かい粒子が多い。これらの粒子は塗工液の分散性を高めるためゼ−タ電位が高い。そのためワイヤ−上での歩留が低いのが従来の状況であった。しかし、本発明の処理により粒子表面のゼ−タ電位が一定程度中和され、また原料中のアニオン成分も中和されているので、歩留率が改善される方向へと処理されている。
【0024】
【実施例】
以下、実施例および比較例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。
【0025】
(合成例−1)
撹拌器、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えた五つ口セパラブルフラスコに、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド(以下DMQと略記)単独重合物の15%水溶液を16.7g、イオン交換水139g、硫酸アンモニウム112.5g、50%水溶液アクリルアミド(以下AAMと略記)175.1g、及び70%水溶液アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(以下ABCと略記)52.7gを仕込み、窒素置換後、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩の1%水溶液1.9gを加え、内温35℃にて10時間重合を行った。得られた分散液中のポリマー粒径は10μm以下であり、分散液の粘度は500cpであった。また、しこみ単量体モル組成はABC:AAM=10:90である。重合物の分子量は、静的光散乱法による分子量測定器(大塚電子製DLS−7000)によって重量平均分子量を測定した。結果を表1に示す。
【0026】
(合成例2)
合成例1と同様な合成方法によって、ABC:DMQ:AA=10:20:70(モル%)を合成した。結果を表1に示す。
【0027】
(合成例3)
合成例1と同様な装置にジメチルジアリルアンモニウム塩化物(以下DDと略記)(商品名DADMAC、65重量%品,ダイソ−製)31.1g、アクリルアミド17.8g(商品名:アクリルアマイド、日東化学製、50%品)、イオン交換水107.2g、硫酸アンモニウム64.0g、硫酸ナトリウム5.8g、分散剤としてアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物単独重合体7.3g(20重量%液、粘度8530mPa・s)をそれぞれしこみ反応器内の温度を42℃に保ち、30分間窒素置換をした後、開始剤として2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕ニ塩化水素化物の10%水溶液0.35g(対単量体0.116%)を添加し重合を開始させた。別に前記アクリルアミド142.1g、イオン交換水27.5g、硫酸アンモニウム73.3g、硫酸ナトリウム6.7g、分散剤17.8gを混合した溶液267.2gを調製した。開始後、1.5時間この溶液53.4gを添加した。その後1.5時間間隔でそれぞれ106.8g、80.1gおよび26.7gを添加していった。全単量体供給後のDDとアクリルアミドとのモル比は10:90である。また開始後4.5時間で開始剤溶液0.35gを追加した。開始後20時間で反応を停止させた。重合後、コロイド滴定法によりDDの反応率を測定し、分散液の粘度を測定した。また、静的光散乱法による分子量測定装置(大塚電子製、DLS−7000)によって重量平均分子量を測定した。この重合物を試験品−1とする。結果を表1に示す。
【0028】
(合成例4)
合成例3と同様な合成方法によってDD:アクリルアミド=30:70の重合体分散液を製造した。
【0029】
(合成例5〜6)
ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、アクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウムクロライドの各々10モル%とアクリルアミド90モル%からなる各共重合体を水溶液重合法にて合成した。結果を表2に示す。
【0030】
合成例7)合成例1と同様な合成方法によって、ABC:DMQ:AA=15:35:50(モル%)を合成した。結果を表1に示す。
【0031】
(比較合成例)アクリル酸N,Nジメチルアミノエチル10モル%とアクリルアミド90モル%からなる共重合体を水溶液重合法にて合成した。結果を表1に示す。
【0034】
【実施例
サ−モメカニカルパルプからなる製紙原料(pH7.56、濁度1400FAU、全ss3.41%、灰分0.05%、カチオン要求量0.055meq/L、ゼ−タポテンシャル−11mV)を100mL採取し、攪拌機にセットし表1の試験品−1〜試験品−をそれぞれ対ss分、600ppm添加し、500回転/分で60秒間攪拌する。その後、ワットマン製NO.41(90mm)のろ紙にて全量濾過し、濾液のカチオン要求量をミュ−テック社製、PCD−03型により、また濁度をHACH、DR2000P型濁度計にて測定した。結果を表に示す。
【0035】
【比較例
比較合成例の比較品−について実施例と同様な操作で試験を行った。結果を表に示す。
【0036】
【実施例
実施例3で用いた試験品−3のジアリルジメチルアンモニウムクロリド/アクリルアミド共重合物を製紙工場の現場へ適用した試験を行った。実施した製紙現場は、中性抄紙による中質紙の製造であり原料パルプとしては化学パルプ(BKP)、機械パルプ(MP)、雑誌古紙が混合チェストにおいて一定割合で配合され、マシンチェストに移送され後、紙力増強剤としてカチオン性デンプン、対乾燥パルプ当たり0.30重量%(以下同様)、硫酸バンド1.0重量%、填料として炭酸カルシウム15重量%、中性ロジンサイズ剤0.25重量%、又サイズ剤の定着剤としてアクリル系カチオン性高分子、0.01重量%がそれぞれ配合後の製紙原料に対し添加されている。この後、白水により製紙原料が希釈され、スクリ−ン出口において歩留向上剤としてカチオン性高分子0.015重量%が添加され、マシンにより抄紙される。今回の試験において、汚れ防止剤の添加場所として機械パルプの原料チェスト出口配管を選択し500ppm添加した。本発明のジアリルジメチルアンモニウムクロリド/アクリルアミド共重合物添加前には、10万メ−トル当たり約1000個前後あったピッチによる汚れた点が、添加後には50個以下になったことがわかった。
【0037】
【表1】
【0039】
【表2】
濾液のカチオン要求:meq/L濾液の濁度:FAU

Claims (5)

  1. 製紙工程中、シ−ト形成に先だって、機械パルプを主体とする製紙原料中に、木材由来のコロイド状になって分散する水不溶性で粘着性物質が凝集、粗大化し、ピッチとなるのを防止するため、原料パルプチェストあるいは原料パルプチェスト配管出口において、ジアリルアンモニウム塩系単量体及び/または下記一般式(1)で表わされるカチオン性単量体とアクリルアミドから構成される四級アンモニウム塩基を有し、イオン当量が0.60〜4.00meq/gである共重合体を添加、処理した後、抄紙することを特徴とする水不溶性で粘着性物質の表面電荷調節方法。
    R1は水素またはメチル基、R2はメチル基またはエチル基、R3はメチル基、エチル基あるいはベンジル基、R4はメチル基あるいはエチル基、Aは酸素原子またはNH、BはC2〜C3のアルキレン基またはアルコキシレン基、X1
    は陰イオン。
  2. ジアリルアンモニウム塩系単量体及び/または前記一般式(1)で表わされるカチオン性単量体とアクリルアミドから構成される共重合体が、塩水溶液中で該塩水溶液に可溶な高分子分散剤共存下で分散重合法により製造された粒径100μm以下の微粒子分散液からなることを特徴とする請求項1に記載の水不溶性で粘着性物質の表面電荷調節方法。
  3. 前記共重合体のイオン当量が0.60〜2.50meq/gであることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の水不溶性で粘着性物質の表面電荷調節方法。
  4. 前記共重合体の分子量が、10万〜200万であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の水不溶性で粘着性物質の表面電荷調節方法。
  5. 前記機械パルプがグランドウッドパルプ、リファイナーグランドウッドパルプ、加圧式砕木パルプ、サーモメカニカルパルプ及びケミサーモメカニカルパルプから選択された少なくとも一種以上を含有することを特徴とする請求項1〜に記載の紙の水不溶性で粘着性物質の表面電荷調節方法。
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