JPWO2005090049A1 - バイザー付ヘルメット - Google Patents
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Abstract
Description
明に構成する場合には、前記特許文献1に記載されているように、バイザーを予め射出成形した後、このバイザーを、帽体を射出成形するための射出成形金型内にインサートとしてセットし、帽体の射出成形を行うときに、バイザーと帽体とを一体的に接合している。
[0007] ところで、射出成形においては、射出成形金型におけるキャビティ内に溶融した樹脂を射出し成形するとき、キャビティ内で分流した樹脂の流動先端部が再び合流するとき、樹脂温度が低下していて完全に融合しないために、細い線のウェルドライン(ウェルドマーク)が生じることからも理解されるように、キャビティ内を流動する樹脂の流動先端部の温度は低いものである。
[0008] まして、保安帽としてのヘルメットにおけるバイザーは薄肉であり、また射出成形する帽体も薄肉であるから、帽体を射出成形する際に流動する樹脂の先端部が、インサートとして金型内にセットされたバイザーの端部の接合面に接触しても、上記バイザーの接合面を充分に溶融してバイザーと帽体とを一体的に強固に接合することは難しいものである。
[0009] そこで、前記特許文献1においては、バイザーに備えた係合片の間に切欠状の係止部を形成し、又は前記係合片に係止穴を備えている。そして、帽体の射出成形を行うときに、バイザーの前記係合片を帽体の樹脂内に埋設する構成や前記係止部,係止穴に帽体の樹脂を入り込ませて嵌合状態とすることにより、前記バイザーと帽体とを機械的に一体化しているものである。
[0010] したがって、従来の構成においては、バイザーに外力が作用して、バイザーと帽体との接合部に応力が集中し変形を生じる傾向にあるようなとき、帽体からバイザーが剥がれ易くなるという問題があると共に、バイザーを射出成形するための金型に、係止部や係止穴等を形成する構成が必要であり、金型の構成が複雑になるなどの問題がある。
【発明の開示】
[0011] 前述のごとき問題に鑑みて、本発明は、予め射出成形したバイザーと帽体とを一体に接合したバイザー付ヘルメットであって、断面形状が段状であってほぼZ形状を呈する三次元的な接合面を備えた接合壁部を前記バイザーに備
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え、前記帽体に備えた開口端縁部の内側に前記バイザーの前記接合壁部が接合してあり、前記帽体の内側に、前記接合壁部の内側に伸びる舌状部を形成して前記帽体の一部を厚肉に形成し、この舌状部によって前記接合壁部の一部を内側から挟み込むことにより接合壁部を内側と外側から挟み込んだ構成の挟み込み部が形成してあると共に前記接合壁部に形成した内外方向の貫通孔に前記舌状部から帽体を形成する樹脂の一部が入り込んだ入り込み係合部を形成した構成である。
また、前記バイザー付ヘルメットにおいて、前記バイザーと帽体との接合部は環状に形成してあり、帽体の前後左右の複数箇所に前記挟み込み部及び入り込み係合部を備えている。
また、前記バイザー付ヘルメットにおいて、前記バイザーと帽体との接合面は溶融接合してある。
[0015] また、前記バイザー付ヘルメットにおいて、前記バイザーは、前記帽体とバイザーとの接合部に対する応力集中を回避するための応力集中回避手段を備えている。
[0016] また、前記バイザー付ヘルメットにおいて、前記帽体とバイザーの材質は別材質である。
[0017] また、前記バイザー付ヘルメットにおいて、前記バイザーにおける少なくとも後側領域における外周縁部に補強部を備えている。
[0018] また、前記バイザー付ヘルメットにおいて、前記補強部は断面形状がU字形状を呈する態様に構成してある。
[0019] また、前記バイザー付ヘルメットにおいて、バイザーと帽体との接合部は、バイザーに備えた接合壁部の接合面を、帽体の樹脂との接触により溶解される熱容量の小さな微細な凸部を備えた粗面に形成し、この粗面を溶融接合してある。
[0020] 本発明によれば、バイザーと帽体との接合部が環状であることにより、接合面積を大きくすることができ、バイザーと帽体との接合を強固に行うことができるものである。また、バイザーと帽体との接合部を環状に形成して接合面積を大きくしたことにより、
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予め射出成形したインサートとしての薄肉のバイザー5を、図8に示すように、射出成形品としての帽体1の射出成形を行うための射出成形金型25における下型25A内にインサートとしてセットした後、上記バイザー5の接合面19がキャビティ27内に露出するように上型25B,25Cをセットする。その後に、前記帽体3の射出成形を行うべき前記キャビティ27内に適宜材質の樹脂29を射出すると、キャビティ27内の樹脂29の流動部先端は、図8(C)に示すように、バイザー5の接合面19に接触する。そして、高圧の射出圧に一時的に加圧され、その後に適宜保圧に圧力は低下される。
[0042] この際、前記バイザー5の接合面19は微小,微細な凹凸部を備えた粗面に予め形成してあるので、熱容量の小さな微細な凸部は、前記樹脂29の接触により溶融されて帽体3を形成する樹脂29と一体化し接合される。すなわち、帽体3の射出成形を行うときに、インサートとしてのバイザー5は帽体3に溶融接合されることになる。したがって、射出成形品としての帽体3とインサートとしてのバイザー5の接合が強固に行われるものである。
[0043] また、前記バイザー6の接合面19に接触して加圧されることにより、帽体3を形成する樹脂の一部は接合壁部17に形成した貫通孔22内に入り込み、帽体3とバイザー5が機械的に接合されることになる。この際、図9に示すように、帽体3の内側に接合壁部17の内側に伸びる舌状部31が形成され、この舌状部31(図5参照)から貫通孔22内へ入り込んだ入り込み係合部が形成される構成であることが望ましい。このように構成することにより、接合壁部17の一部は舌状部31によって内側から挟み込まれると共に前記入り込み係合部によって機械的に結合されることとなり、接合強度がより向上する。
また、舌状部31を形成したことにより、図5に示すように、舌状部13を形成した部分が厚肉となるものである。
[0044] 上記説明より理解されるように、インサートとしてのバイザー5の接合面19における粗面の微小凸部が溶融して射出成形品としての帽体3と溶融接合される共に、帽体3を構成する樹脂の一部が舌状部31となって接合壁部13を内側から挟み込み、さらに上記舌状部31の一部が接合壁部17の貫通孔22に入り込んで機械的に接合されるので、帽体3とバイザー5との接合は、帽体3とバイザー5とを最初から一体に射出成形した場合と同程度に強固に接合するものであり、接合部に変形等を生じた場合であっても、帽体3からバイザー5が剥がれるようなことはないものである。
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Claims (9)
- 予め射出成形したバイザーと帽体とを一体的に接合したバイザー付ヘルメットであって、前記バイザーに備えた接合壁部に前記帽体に備えた開口端縁部が接合してあり、前記接合壁部に形成した貫通孔内に入り込んだ入り込み係合部を前記帽体の前記開口端縁部に備えると共に、前記バイザーと帽体との接合面を溶融接合してあることを特徴とするバイザー付ヘルメット。
- 予め射出成形したバイザーと帽体とを一体的に接合したバイザー付ヘルメットであって、前記バイザーに備えた接合壁部の外側に、前記帽体に備えた開口端縁部が接合してあり、この開口端縁部と前記帽体の内側に備えた舌状部とによって前記接合壁部を挟み込んだ構成であって、かつ前記バイザーと帽体との接合面を溶融接合してあることを特徴とするバイザー付ヘルメット。
- 予め射出成形したバイザーと帽体とを一体的に接合したバイザー付ヘルメットであって、前記バイザーに備えた接合壁部の外側に、前記帽体に備えた開口端縁部が接合してあり、この開口端縁部と前記帽体の内側に備えた舌状部とによって前記接合壁部を挟み込んだ構成であって前記バイザーと帽体との接合面を溶融接合してあると共に、前記接合壁部に形成した貫通孔内に入り込んだ入り込み係合部を前記帽体の開口端縁部に備えていることを特徴とするバイザー付ヘルメット。
- 請求項1,2または3に記載のバイザー付ヘルメットにおいて、バイザーと帽体との接合部は環状に形成してあることを特徴とするバイザー付ヘルメット。
- 請求項1,2,3又は4に記載のバイザー付ヘルメットにおいて、前記バイザーは、前記帽体とバイザーとの接合部に対する応力集中を回避するための応力集中回避手段を備えていることを特徴とするバイザー付ヘルメット。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のバイザー付ヘルメットにおいて、前記帽体とバイザーの材質は別材質であることを特徴とするバイザー付ヘルメット。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のバイザー付ヘルメットにおいて、前記バイザーにおける少なくとも後側領域における外周縁部に補強部を備えていることを特徴とするバイザー付ヘルメット。
- 請求項7に記載のバイザー付ヘルメットにおいて、前記補強部は断面形状がU字形状を呈する態様に構成してあることを特徴とするバイザー付ヘルメット。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のバイザー付ヘルメットにおいて、バイザーと帽体との接合部は、バイザーに備えた接合壁部の接合面を粗面に形成し、この粗面を溶融接合してあることを特徴とするバイザー付メルメット。
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