JPWO2005083711A1 - カートリッジおよびそれに用いられるシャッター部材 - Google Patents

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Abstract

シャッター部材(1)は、ケース部材を含むカートリッジにおいて使用されるシャッター部材である。ケース部材は、情報層を有する情報媒体を収納する媒体収納部と、情報層に対して記録動作または再生動作を行うヘッドが少なくとも進入可能なように構成された窓部とを含む。シャッター部材(1)は、ケース部材の一側壁に沿って摺動可能に構成されたベース部材(2)と、ベース部材(2)に係合された板部材(3)であって、ベース部材(2)の摺動動作に応じてケース部材の窓部を開閉可能なように構成された板部材(3)とを備え、ベース部材(2)と板部材(3)とは、ベース部材(2)から板部材(3)を取り外すことが可能なように係合されている。

Description

本発明は、ユーザ情報信号を記録及び/または再生(以下、記録再生と称す)できるデータ領域を有する情報媒体を収納するカートリッジおよびそれに用いられるシャッター部材に関する。
図18は、カートリッジを構成するケース部材100の斜視図である。ケース部材100は情報媒体101を収納する媒体収納部102を、ケース部材100の厚み方向の略半分の厚みを有する上ハーフ103と下ハーフ104とにそれぞれ備え、情報媒体101を収納した後に例えば超音波融着等の手法で融着する。一般的に上ハーフ103及び下ハーフ104それぞれには、情報媒体101を回転駆動する不図示の回転駆動手段と、情報媒体101の情報層に対しユーザ情報の授受を担う不図示のヘッドが進入するための略U字形状を有する窓部105を形成した摺動面106を備える。この摺動面106は、上ハーフ103及び下ハーフ104で形成するカートリッジの厚みを規定する側周面107から後述のシャッター部材の厚み程度陥没し、窓部105を開閉するシャッター部材の板部が摺動する摺動面であり、シャッター部材の開放範囲を規制する開放位置決め部108を一対備える。但し、シャッター部材が片側のみ摺動するカートリッジの場合には、開放位置決め部108は何れか一方であっても良い。なお、ケース部材100の窓部105のU字形状開放部側には、シャッター部材の摺動部が摺動係合する摺動側壁109を備え、摺動側壁109の切欠を連設する係止リブ110により、シャッター部材の摺動部がケース部材100から離隔することを抑制している。また、シャッター部材の摺動部に対応する他端部がケース部材100の厚み方向に離隔することを抑制するシャッター押さえ部111を有する。
図19は、摺動側壁109に沿って摺動し窓部105を開閉するシャッター部材200の構成を示す斜視図である。シャッター部材200は摺動側壁109を摺動する摺動部201と、窓部105を開閉する板部202とから構成される。摺動部201には、摺動側壁109の方向にシャッター部材200を摺動する不図示のシャッターオープナが係合するシャッターオープナ係合部203を外側に備え、内側には係止リブ110に摺動係合する爪を備える爪部204と、摺動側壁109に摺動方向をガイドする案内突起部205を備える。また、板部202の摺動部201に対向する他端部206はシャッター押さえ部111に係合する。なお、シャッターオープナとの係合は、例えばケース側壁に備える構成である場合には、シャッターオープナ係合部203は摺動部201の外側に備える必要はない。また、爪部204はシャッター押さえ部111と他端部206との間で引掛け係合する構成であれば必ずしも備えなくてもシャッター部材200がケース部材100から外れることはなく、案内突起部205は摺動部201の摺動方向に直交する幅と上ハーフ103及び下ハーフ104に備える摺動面106の厚み方向の幅との精度が高い場合には必ずしも必須ではない。しかしながら、一般に他端部206の厚みはシャッター押さえ部111の情報媒体101側に潜る構成のため薄く加工されるのでこの部分に爪を構成することは困難である点と、精度が良すぎると摺動性に劣るため、一般的に爪部204と案内突起205とは摺動部201の内側に備えることが多い。
以上の構成を有する従来のカートリッジの組立においては、ケース部材100の媒体収納部に情報媒体101を収納し、上ハーフ103及び下ハーフ104を融着等で固定した後、シャッター部材200をケース部材100の摺動側壁109から押し込むことで爪部204と係止リブ110とを係合させ、他端部206を湾曲させてシャッター押さえ部111に係合させ完成する。
図19で図示したシャッター部材200のように、摺動部201と板部202とを一体で成形する製造方法としては、例えば特許文献1に開示されているように、固定型、可動型及びスライドコアの3分割された型を用い、それぞれの型の間隙にアセタール樹脂等を射出し、可動型とスライドコアとを固定型から引き離すことで、摺動部と板部とを一体成形したシャッター部材を得る旨が開示されている。
また、特許文献2には、摺動部、摺動部の一方に板部、及びケース部材の主面に備える溝に係合する突片を備えたシャッター片と、もう一方の板部とをケース部材に組み立てた後、摺動部に備える位置決め凸部ともう一方の板部に備える位置決め凹部とを嵌合させ、摺動部に備える溶融凸部ともう一方の板部に備える溶融凹部とを填めあわせると共に融着し、シャッター部材をケース部材に対して組み立てる旨が開示されている。
また、特許文献3には、シャッター部材をケース部材の上下ハーフの略厚み中心部で分割し、分割したそれぞれのシャッター部材には摺動部、板部及びケース部材の主面に備える溝に係合する突片を備え、摺動部に備える位置決め凸部と凹部とを嵌合させケース部材に対して組み立てた後、摺動部に備える溶融凸部と凹部とを填めあわせると共に融着することでシャッター部材をケース部材に対して組み立てる旨が開示されている。
さらに、特許文献4は、下ケース、固定蓋及び可動蓋とで構成されるケース部材と、摺動部、摺動部の一方の側面に板部、摺動部の他方の側面に非回動板部、非回動板部に係合する回動板部とで構成されるシャッター部材を備え、回動板部に備えるヒンジピンと下ケースに備えたC字形状のリテーナとが係合しながら回動板部が回動軸周りに270度回動することで、情報媒体を取り出し可能としたカートリッジである。摺動部の下ケース側に備えるL字形状の係合凹部と、下ケースに備える窓部を開閉する板部に備えるL字形状の係合凸部とを摺動部の摺動方向に嵌合させることで摺動部と板部とを固定し、摺動部の蓋側に備えるL字形状の係合凹部と、非回動板部に備えるL字形状の係合凸部とも摺動部の摺動方向に嵌合させることで摺動部と非回動板部とを固定する。非回動板部のリブに備える半球面形状凹部と、回動板部から突出したリブに備える半球面形状凸部とが嵌合することで、非回動板部及び回動板部それぞれに備えるリブを回転軸として回転し、ケース部材に備える回動軸に連動してシャッター部材の回転軸周りに回動板部が回転するシャッター部材が開示されている。
特開平3−269884号公報(第3頁右下欄第13行〜第4頁左下欄第2行、第4図及び第5図) 特開平11−3577号公報(段落番号0040、図11) 特開2000−285630号公報(段落番号0023〜0025、図1) 特表2001−513935号公報(第23頁第29行〜第25頁第1行、図2〜図9)
シャッター部材200は、厚みが1mm程度の薄い板部202と、ケース部材100の摺動側壁109に摺動係合する複雑な形状を有する摺動部201とを備える。従って、射出成形等で板部202と摺動部201とを一体成形したシャッター部材200では、射出成型品であるシャッター部材200を型開する際に、射出成型品の温度差による内部応力及び/または型開時の離型力が相俟って、例えば板部202に局所的な湾曲が発生する平面性の低下、摺動部201と板部202とが成す角度が鋭角になったり鈍角になり定まり難い、あるいは摺動部201の摺動方向に対して板部202の面の平行度が低下する等の課題があり、シャッター部材200の歩留まりが低いという課題がある。
例えば特許文献1に記載の成形方法であっても、射出成形後固定金型に対し可動金型及びスライドコアを移動する型開に際して、どうしても温度差に起因すると考えられる内部応力が生じ、設計通りのシャッター部材が成形し難い課題を依然として残存した。すなわち、板部202の平面性が低い場合には板部202の湾曲部分では窓部105の外形を成す縁辺から浮き上がり、この浮き上がり部分から埃等がカートリッジ内に入り込んだり、または当該縁辺に板部202の外周辺が当接しシャッター部材200の摺動面106に対する摺動動作が止まりシャッター部材200としての機能を損なうという課題がある。
また、成形品の厚み差が不連続な摺動部と板部との境界面で型開の際に生じる温度差が顕著であるため、板部202の平面性は良好であっても、摺動部201と板部202とが成す角度が鋭角であったり鈍角であったりする場合があり、ケース部材100にシャッター部材200を填め込む際に次のような課題が多発した。すなわち、摺動部201と板部202とが成す角度を図20Aに示すようにできるだけ90°近傍にすると、ケース部材100に対して填め込む際に板部202が摺動面106に対して平行となり、例えば窓部105に当接することで摺動動作が妨げられることがない。そのため、摺動部201と板部202とが成す角度が90°近傍になるように設計する。ところが、前述したように一体成形工程における型開でシャッター部材200の温度差に起因する内部応力により、図20Bに示すように摺動部201と板部202とが成す角度が90°未満の鋭角になったり、図20Cに示すように摺動部201と板部202とが成す角度が90°を越える鈍角になったりする。図20Bに示すように鋭角のままシャッター部材200をケース部材100に填め込むと、摺動面106に他端部206及び/または他端部206の近傍が当たり、填め込み難いと同時に、窓部105から他端部206が入り込み情報媒体101の情報層に傷を付ける。逆に、図20Cに示すように鈍角のままシャッター部材200をケース部材100に填め込むと、摺動面106への当接や情報媒体への傷に対する危険性はないが、シャッター押さえ部111と他端部206との係合距離を縮めようとする力に抗することでシャッター部材200の摺動時に他端部206がシャッター押さえ部111から外れる、及び/または、一対の板部202間の距離が摺動部201近傍とシャッター押さえ部111近傍では摺動面106に沿うが板部202がいわゆる太鼓状となり湾曲し窓部105を面状で覆うことができないという課題がある。従って、摺動部201と板部202とが成す角度が90°からのずれが大きいと、ケース部材100に填め込む前に予め摺動部201と板部202との成す角度を矯正する必要がある。しかし、前述したように板部202の板厚は1mm程度と薄いため、矯正作業時の力の入れ方次第では板部202の平面性を損ねたり、板部202と摺動部201との連続部で破断したりすることが多発し、シャッター部材200の歩留まりが悪いという課題がある。さらに、矯正直後は摺動部201と板部202とは矯正されるにしても、一旦発生した内部応力は経時により元に復帰するため、信頼性に欠ける課題がある。
また、両面に情報層を有する情報媒体と片面のみに情報層を有する情報媒体との区別、両面に情報層を備える情報媒体ではA面とB面との区別、及び/または、収納している情報媒体の容量や種類等の各種の情報をユーザーに視認し易くするため、板部202に印刷適正を持たせるため板部202の摺動面106に対向する面の反対面に微細な表面凹凸を備えるいわゆるマット加工(あるいは、しぼ加工とも称される)が施されるが、このマット加工は摺動面106に対する摺動性も良好にできるため、摺動面106と対向する板部202にも施すことにより、面状の摺動特性が良好なシャッター部材が得られる。また、録再装置のトレイにカートリッジを固定するため、押圧され当該カートリッジに歪みが生じ、以て摺動面106に傷を付ける等を抑制するためにも、板部202の摺動面106側にしぼ加工を施すことは有効である。しかしながら、シャッター部材200を一体成形すると、例えば特許文献1に開示のスライドコアを型開するときに、当該微小な凹凸が型開を抑制し、無理に型開を行うと摺動部201と板部202とが切断する、あるいはスライドコアを引き抜く際に微小な凹凸が潰れる等の課題があり、一体成形のシャッター部材200では板部202の面160側にしぼ加工を施すことができなく、シャッター部材200とケース部材100との摺動特性を良好にすると共に、摺動面106の対する傷を抑制できないという課題もある。
この一体成形のシャッター部材が本質的に有する各種課題を解決する一手段として、特許文献2及び3が知られている。特許文献2及び3は、摺動部の片側のみに板部を一体成形したシャッター部材前駆体に関し、ケース部材にシャッター部材前駆体を組み込んだ後融着することでシャッター部材とする内容であり、シャッター部材前駆体の融着時に加熱・加圧することが必須である。この加熱時に圧力を印加するため摺動部と板部とが歪むことがあり、この歪みにより摺動部と板部とが成す角度を鋭角または鈍角にすることで、先に説明した特許文献1と同様の課題があると共に、前述したように一体成形のシャッター部材では予めシャッター部材の形状を矯正することが可能であるが、特許文献2及び3ではケース部材と組み立てた後融着する構成で、しかもシャッター部材に備える突起部が係合する案内溝をケース部材のシャッター部材が摺動する面に備えるため、融着後に矯正することはできない。また、この歪みは摺動部と板部とが成す角度だけではなく、特許文献2では摺動部と一体成形した板部と融着により固着する板部との摺動部の摺動方向に対する平行度が低下する課題、特許文献3では摺動部同士が摺動方向に対する平行度が低下する課題があり、ケース部材の摺動側面に正確に摺動し難く、または平行度のずれが大きい場合には例えばシャッターオープナとの係合が不充分となったり、あるいはシャッター押さえ部に対する他端部の係合が不充分となる場合がある。
特許文献4には、下ケースに対して填めあう可動蓋を回動することで、収納した情報媒体をカートリッジから取り出すことができる構成であり、可動蓋の回動に連動してシャッター部材の回動板部も回動する。但し、摺動部と板部及び非回動板部との固定は、摺動部に備えるL字形状の係合凹部と板部及び非回動板部それぞれに備えるL字形状の係合凸部とを、摺動部の摺動方向に対し力を印加することで嵌合させる構成であり、L字形状の凹部及びL字形状の凸部の加工精度が要求される。すなわち、例えばL字形状凹部の寸法がL字形状凸部の寸法に対し小さい、またはL字形状凸部の寸法がL字形状凹部の寸法に対し大きい場合には、嵌合の際に強い力を印加しなければならなく、嵌合の際に印加する力が摺動部の摺動方向であるため摺動部が摺動するため力を加え難く、またL字形状の凹部と凸部との嵌合う箇所を破損する場合がある。逆にL字形状凹部の寸法がL字形状凸部の寸法に対し大きい、またはL字形状凸部の寸法がL字形状凹部の寸法に対し小さい場合には、嵌合部で容易に分解することとなり、例えば録再装置内でのカートリッジの信頼性に欠ける等の課題がある。さらに、非回動板部と回動板部との係合部は、半球面形状の凹部と半球面形状の凸部との回転自在の係合であるため、シャッター部材に摺動動作を繰り返すことにより加えられる外力により、係合部の係合力が弱まり係合部で容易に分断するという課題もある。
本発明は係る従来の課題に鑑み成されたもので、ケース部材の板部材が摺動する摺動面と平行度が高く、摺動面に備える窓部を開閉する際の抵抗力を撲滅できるカートリッジおよびそれに用いられるシャッター部材を提供することを目的とする。
本発明のシャッター部材は、ケース部材を含むカートリッジにおいて使用されるシャッター部材であって、前記ケース部材は、情報層を有する情報媒体を収納する媒体収納部と、前記情報層に対して記録動作または再生動作を行うヘッドが少なくとも進入可能なように構成された窓部とを含み、前記シャッター部材は、前記ケース部材の一側壁に沿って摺動可能に構成されたベース部材と、前記ベース部材に係合された板部材であって、前記ベース部材の摺動動作に応じて前記ケース部材の窓部を開閉可能なように構成された板部材とを備え、前記ベース部材と前記板部材とは、前記ベース部材から前記板部材を取り外すことが可能なように係合されている。
本発明のカートリッジは、ケース部材と、シャッター部材とを備えたカートリッジであって、前記ケース部材は、情報層を有する情報媒体を収納する媒体収納部と、前記情報層に対して記録動作または再生動作を行うヘッドが少なくとも進入可能なように構成された窓部とを含み、前記シャッター部材は、前記ケース部材の一側壁に沿って摺動可能に構成されたベース部材と、前記ベース部材に係合された板部材であって、前記ベース部材の摺動動作に応じて前記ケース部材の窓部を開閉可能なように構成された板部材とを含み、前記ベース部材と前記板部材とは、前記ベース部材から前記板部材を取り外すことが可能なように係合されている。
本発明のシャッター部材およびカートリッジは上記構成を備えるため、ベース部材の摺動に応じて板部材の摺動動作に何等抵抗が無く、ケース部材に対しシャッター部材の組込も極めて容易にできる効果がある。
[図1]図1は本発明の一実施例に係るシャッター部材の斜視図
[図2]図2は図1におけるベース部材の斜視図
[図3]図3は図1における板部材の斜視図
[図4]図4は本発明の他の実施例に係るベース部材の斜視図
[図5]図5は本発明の他の実施例に係るベース部材の斜視図
[図6]図6は本発明の他の実施例に係るベース部材の斜視図
[図7]図7は本発明の他の実施例に係るベース部材の斜視図
[図8A]図8Aは本発明の他の実施例に係る板部材の構成を示す平面図
[図8B]図8Bは本発明の他の実施例に係る板部材の構成の要部拡大図
[図9A]図9Aは本発明のシャッター部材の組立方法における挿入工程を示す図
[図9B]図9Bは本発明のシャッター部材の組立方法における回転工程を示す図
[図9C]図9Cは本発明のシャッター部材の組立方法における組立完成状態を示す図
[図9D]図9Dは図9Aの要部拡大図
[図10]図10は本発明の他の実施例に係るシャッター部材の斜視図
[図11]図11は本発明の一実施例に係るシャッター部材閉塞状態を示すカートリッジの平面図
[図12]図12は図11においてシャッター部材開放状態を示すカートリッジの平面図
[図13]図13は本発明の他の実施例に係るベース部材の斜視図
[図14]図14は本発明の他の実施例に係るベース部材の斜視図
[図15]図15は本発明の他の実施例に係るシャッター部材の斜視図
[図16]図16は図15におけるベース部材の斜視図
[図17]図17は図15における板部材の斜視図
[図18]図18はケース部材の斜視図
[図19]図19は従来のシャッター部材の一例を示す斜視図
[図20A]図20Aは正常状態のシャッター部材の側面図
[図20B]図20Bは角度が小さいシャッター部材の側面図
[図20C]図20Cは角度が大きいシャッター歩合の側面図
符号の説明
1 シャッター部材
2 ベース部材
3 板部材
4 一体化板部
5 摺動係合側板部
21 摺動平板部
22 摺動側板部
23 切欠部
24 壁
25 軸受部
26 軸受断面
31 窓被覆部
32 係合突出部
33 回転軸
34 回転軸断面
本発明のシャッター部材は、ケース部材を含むカートリッジにおいて使用されるシャッター部材であって、前記ケース部材は、情報層を有する情報媒体を収納する媒体収納部と、前記情報層に対して記録動作または再生動作を行うヘッドが少なくとも進入可能なように構成された窓部とを含み、前記シャッター部材は、前記ケース部材の一側壁に沿って摺動可能に構成されたベース部材と、前記ベース部材に係合された板部材であって、前記ベース部材の摺動動作に応じて前記ケース部材の窓部を開閉可能なように構成された板部材とを備え、前記ベース部材と前記板部材とは、前記ベース部材から前記板部材を取り外すことが可能なように係合されている。このような構成を有するシャッター部材によれば、ベース部材の摺動に応じて板部材の摺動動作に何等抵抗が無く、ケース部材に対しシャッター部材の組込も極めて容易にできる効果がある。
本発明のシャッター部材では、前記ベース部材は、軸受部を有しており、前記板部材は、回転軸を有しており、前記ベース部材と前記板部材との係合は、前記板部材の回転軸を前記ベース部材の軸受部に回転自在に挿入することによってなされていてもよい。
本発明のカートリッジは、ケース部材と、シャッター部材とを備えたカートリッジであって、前記ケース部材は、情報層を有する情報媒体を収納する媒体収納部と、前記情報層に対して記録動作または再生動作を行うヘッドが少なくとも進入可能なように構成された窓部とを含み、前記シャッター部材は、前記ケース部材の一側壁に沿って摺動可能に構成されたベース部材と、前記ベース部材に係合された板部材であって、前記ベース部材の摺動動作に応じて前記ケース部材の窓部を開閉可能なように構成された板部材とを含み、前記ベース部材と前記板部材とは、前記ベース部材から前記板部材を取り外すことが可能なように係合されている。このような構成を有するカートリッジによれば、ベース部材の摺動に応じて板部材の摺動動作に何等抵抗が無く、ケース部材に対しシャッター部材の組込も極めて容易にできる効果がある。
本発明のカートリッジでは、前記ベース部材は、軸受部を有しており、前記板部材は、回転軸を有しており、前記ベース部材と前記板部材との係合は、前記板部材の回転軸を前記ベース部材の軸受部に回転自在に挿入することによってなされていてもよい。
また、本発明のカートリッジでは、前記ベース部材は、前記ケース部材の一側壁に沿って前記ベース部が摺動する摺動方向に所定の長さと、前記摺動方向に直交する方向に所定の幅とを有する摺動平板部と、前記摺動平板部の幅方向の側端面から連設された摺動側板部であって、前記摺動平板部の長さ方向の略中央に切欠部を有する摺動側板部とを含み、前記板部材は、前記窓部を覆う窓被覆部と、前記窓被覆部から突出した係合突出部とを含み、前記回転軸は、前記係合突出部の前記摺動方向に平行な一対の端壁から突出するように設けられており、前記軸受部は、前記摺動側板部の前記切欠部に設けられていてもよい。このような構成を有するカートリッジによれば、板部材単独で成形できるため平面性が極めて高い板部材をシャッター部材の窓被覆部とすることができると共に、板部材の係合突出部に備える回転軸と手動部材の切欠部に備える軸受部とで回転自在に遊挿する摺動部材と板部材との係合であるため、窓部を形成したケース部材の窓被覆部が摺動する摺動面と板部材との平行度を保証することができ、摺動部材の摺動動作に応じて窓被覆部による窓部の閉塞・開放動作時に、窓被覆部と窓部の縁辺とが当接することを完全に克服できる構成が完璧に達成できると共に、一体成形したシャッター部材における矯正作業を撲滅でき、シャッター部材の歩留まりと作業効率とが向上でき、以てカートリッジを安価にすることができる。
また、本発明のカートリッジでは、前記切欠部をそれぞれ有する一対の摺動側板部が、前記摺動平板部の幅方向の側端面から連設されていてもよい。このような構成を有するカートリッジによれば、記録及び/または再生装置内で情報媒体を回転駆動する回転駆動手段に対し情報媒体を圧着するクランパーと称される押圧部を記録及び/または再生装置にも適応することができると共に、摺動平板部に備える一対の切欠部の軸受部の何れにも板部材を備えることで、ベース部材の摺動動作に応じて板部材の開閉動作時の窓被覆部と窓部の縁辺とが当接する課題を完全に解消することができる。
また、本発明のカートリッジでは、前記シャッター部材の開放動作の際にシャッターオープナと係合するシャッターオープナ係合部をさらに備え、前記摺動側板部の前記切欠部は、前記シャッターオープナ係合部まで延在してもよい。このような構成を有するカートリッジによれば、シャッターオープナーによるシャッター部材の開放・閉塞動作の確実性が増すと共に、切欠部及び板部材の係合突出部形成に対する裕度が増え、ベース部材及び板部材の機械的強度及び信頼性が増加させることができる。
また、本発明のカートリッジでは、前記回転軸は、前記窓被覆部に平行な平面で切断した一対の切面を備えた形状を有していてもよい。このような構成を有するカートリッジによれば、媒体収納部に収納した情報媒体に対し略直交する方向に板部材を挿入すると、回転軸に備える切面が摺動側板部表面から軸受部に案内する軸受案内部に対向しながら容易に係合することができ、挿入後板部材を90°回動させることで切面は窓被覆部が摺動するケース部材の面と平行となるため軸受部から抜けることがない。従って、シャッター部材の組立工程が極めて容易であり、シャッター部材をケース部材に組み込んだ後板部材が摺動部材から脱落することも抑制でき、しかも窓部が形成する平面と窓被覆部との平行度が高くシャッター部材の摺動安定性も保証できる。
また、本発明のカートリッジでは、前記回転軸は、前記係合突出部のリブから突出するように設けられていてもよい。このような構成を有するカートリッジによれば、リブが係合突出部の平面からの突出量だけ板部材の回転軸周りの回転に対する自由度が増し軸受部に対し回転軸を遊挿しやすく、また回転軸の機械的強度も向上するため、より好ましいシャッター部材を構成することができる。
また、本発明のカートリッジでは、前記窓被覆部は、前記ケース部材と摺動する摺動面を有し、前記摺動面の表面に、微小凹凸加工したマット加工部が設けられていてもよい。このような構成を有するカートリッジによれば、窓被覆部とケース部材に備える窓被覆部が摺動する面との摩擦力を低減することができ、摺動特性を向上したシャッター部材を備えるカートリッジを提供できる。
また、本発明のカートリッジでは、前記窓被覆部の前記摺動方向に直交する端辺近傍であって、前記窓被覆部の所定の幅の範囲に、前記窓被覆部が前記ケース部材と摺動する摺動面から凹んだ凹部または前記端辺方向が薄いテーパー部の何れかが設けられていてもよい。このような構成を有するカートリッジによれば、窓部を形成する縁辺と窓被覆部の端辺との当接を防止することができ、窓被覆部と窓部が形成する縁辺との当接する可能性を完璧に抑制でき、また例えば記録及び/または再生装置が備えるトレイ上でカートリッジを把持するため付加される外力が当該カートリッジに印加されることに起因して発生するカートリッジの歪みが生じた場合であっても、縁辺と端辺とが当接することが無く、ケース部材に対するシャッター部材の摺動特性をあらゆる場合に亘って保証できる。
また、本発明のカートリッジでは、前記ベース部材に適用する材料は、前記板部材に適用する材料に比べて、摺動特性またはガラス転移点の少なくとも何れか一方が高い材質であってもよい。このような構成を有するカートリッジによれば、複雑な形状を有するベース部材には比較的高価で成形性が良好で、しかも摺動部が摺動係合するケース部材の一側壁に対する摺動特性を勘案した材料選択ができ、板部材としては成形性のみを勘案した比較的安価な材料を選択することができ、以てシャッター部材が備える摺動部及び窓被覆部それぞれに適した材料選択の自由度が向上すると共に、シャッター部材を安価にすることができる。なお、例えばポリアセタール樹脂や含弗素樹脂等の一般的に摺動特性に優れる材料の成形品表面は印刷適性に欠けるため、板部材に例えばアクリロニトリル・スチレン樹脂やアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂等の印刷適正化処理が容易な材料を適用することができる効果も有する。
以下、図面を参照して本発明のカートリッジを詳述する。
図1は、本発明のカートリッジに適用できるシャッター部材1の一実施例を示す斜視図である。
シャッター部材1は、ベース部材2と、板部材3とを含む。ベース部材2と板部材3とは、ベース部材2から板部材3を取り外すことが可能なように係合されている。ベース部材2と板部材3との係合は、例えば、板部材3の回転軸33をベース部材2の軸受部25に回転自在に挿入することによってなされている。
ベース部材2は、図1及び図2に示すように、摺動平板部21と摺動側板部とを含む。
摺動平板部21は、不図示のケース部材の一側壁(以下、摺動側壁と称す)を摺動する摺動面を内側に備える。摺動平板部21は、摺動方向に所定の長さと摺動側壁109の厚みより大きい幅とを備える。
摺動側板部22は、摺動側壁109からケース部材の方向に所定の高さだけ摺動平板部21から連設する。摺動側板部22は、摺動方向に摺動平板部21の長さと略同一の長さを備える。摺動側板部22は、摺動側板部22の摺動方向の略中央部に所定の幅だけ一対の壁24で切断した切欠部23を有する。軸受部25は、摺動側板部22及び一対の壁24にそれぞれ露出するように設けられている。
なお、ベース部材2は、摺動側壁109に沿って摺動するため係止リブ110に係合する爪27を備えた爪部28と、摺動側壁109に形成した溝を案内する案内突起部29を備えた例を示しているが、爪部28と案内突起部29は前述したように備えなくてもよい場合がある。
板部材3は、図1及び3に示すように、不図示のケース部材に備える窓部を覆う窓被覆部31と、窓被覆部31の略中央部から所定の長さ突出した切欠部23に係合する係合突出部32とを含む。回転軸33は、軸受部25に対し回転自在に遊挿する回転軸断面34を備える。なお、一体化板部4は、板部材3が係合する方向と反対側のベース部材2から連設された板部材である。
図1から分かるように、切欠部23の幅は係合突出部32の幅に略等しく、摺動平板部21の長さは窓被覆部31の摺動方向の幅に略等しい。また、回転軸断面34の面積は壁24よりも狭く、一対の軸受部25及び一対の回転軸33は同一中心軸を有する。
本実施例のシャッター部材1では、板部材3の回転軸33と、ベース部材2の軸受部25とが遊挿関係にある(すなわち、板部材3の回転軸33がベース部材2の軸受部25に回転自在に挿入されている)ため、例えば図14に示したケース部材100の摺動側壁109に対してベース部材2の摺動平板部21を摺動係合させ、摺動側壁109に対向する後側壁112で垂直に立てた状態では、窓被覆部31の摺動面106側と摺動側板部22の摺動面106側とは、窓被覆部31全領域で同じ間隙dで保持され、一体成型品の従来のシャッター部材における摺動部と板部とが成す角度が鋭角になったり鈍角になることに起因する窓被覆部31が摺動面106及び/または窓部105の縁辺と当接し摺動特性に生じる不具合を解消することができる。すなわち、本実施例のシャッター部材1はベース部材2と板部材3とをそれぞれ独立して成形し、板部材3の係合突出部32に備える回転軸33が回転自在に軸受部25で遊挿する構成を備えるため、極めて平面性の良い板部材3が得られ、しかも平面性が極めて高い板部材3とベース部材2との係合は回転軸33と軸受部25との遊挿関係であるため、摺動特性に極めて優れるシャッター部材1を提供できる。また、後側壁112の面で垂直に立てた状態では、窓被覆部31と摺動面106との間隙dは板部材3全面に渡り一定であるため、間隙dをほぼ0にする構成であっても上記良好な摺動関係は維持でき、以て窓被覆部31による窓部105の縁辺から埃等の異物がカートリッジの内部に入り込みことを抑制できる。このようにして、板部材3の係合突出部32の反対面の他端部(図示は省略)をシャッター押さえ部111と係合させることにより、摺動特性及び防塵特性に優れるカートリッジが実現できる。また、ベース部材2の軸受部25への板部材3の装着方向は、軸受部25の摺動側板部22への開口を介してベース部材2の摺動方向に直交する方向から回転軸33を挿入するため、例えば特許文献4に見受けられるようなベース部材2が摺動側壁109に沿って摺動する方向に起因する挿入方向に力を加え難いことを解消すると共に、軸受部25の内部で回転軸33が遊挿する関係であるため加工精度も低くすることができる。また、板部材3とベース部材2との係合は回転軸33と軸受部25とで形成する摺動方向及び摺動方向に直交する面方向の何れに対しても剛体係合の構成であるため、特許文献4の半球面形状の凹凸による回動係合とは異なり、摺動動作に対する耐性も強靭化することができる。
なお、図1及び2ではベース部材2と一体化板部4とを一体成形した実施例であるが、中心孔113に例えば磁性ハブを有しマグネットチャッキング等で片側からチャッキングする情報媒体101の場合には、ベース部材2は図4の構成を採用することができる。すなわち、図4は本発明のカートリッジに適用できるベース部材2の他の実施例であり、ベース部材2には一体化板部4に代わり摺動係合側板部5を備えた構成であり、他の点は図1及び2に示したベース部材2と同じである。図1及び2で説明したベース部材2では、板部材3による摺動面106に対して摺動特性に優れる構成は達成できるが、ベース部材2と一体成形した一体化板部5では、型開の際に一体化板部5と摺動平板部21との成す角度が鋭角になったり鈍角になる可能性が若干残され、摺動側壁部109に沿った摺動特性が劣化する可能性はあるが、図4に示したベース部材2の構成を採用すると、摺動特性の完璧性を保証することができる。
また、図5は本発明のカートリッジに適用できるベース部材2の別の実施例である。図5のベース部材2は、図4の摺動係合側板部5に代え摺動側板部22を備え、双方の切欠部23に板部材3を回転自在に軸受部25に遊挿させる構成である。この構成は、カートリッジの一方の面からターンテーブル等の媒体回転手段を中心孔113に装着し、媒体回転手段に係合する他方の中心孔113の面には情報媒体101をクランパー等のチャキング手段を備える場合に有効である。本実施例によれば摺動面106に対し媒体収納部102を介して反対面の摺動面106にも窓部105を備えるケース部材100にも、上述の実施例と同様に板部材3と摺動面106との高い摺動特性を有し、しかも例えば情報層を両面に有する情報媒体101にも適用することができるカートリッジを提供できる。
なお、上記実施例で説明したように、本発明の板部材3は摺動面106に対する平行度が極めて高いため、例えば窓被覆部31と摺動面106とが摺接することは極めて少ないが、録再装置のトレイに対し本発明のカートリッジを固定するため押圧され当該カートリッジに歪みが生じ、以てトレイ上でシャッター部材1を開閉する際に、摺動面106と窓被覆部31との摺接、及び/または、摺動面106と窓被覆部31の摺動方向の縁辺との摺接により、摺動面106に傷を付ける等の可能性もある。本発明の板部材3は単独で成形するため、両面にしぼ加工をすることも、摺動面106に対向する窓被覆部31の摺動方向の縁辺に所定の幅を有する凹みを備える凹部や縁辺の方向に厚みが薄くなるテーパー部等の加工をすることも自由に行え、ケース部材100に生じる歪みに対する追従性及び摺動性を両立するカートリッジを提供することができる。
また、前述したように、窓被覆部31にはカートリッジに収納した情報媒体101の種類、容量、両面に情報層を備える場合には情報層の識別等の付帯的な情報をユーザが視認するため印刷適正処理を施すことが一般的である。そのため例えばしぼ加工により印刷適正を窓被覆部31に付与するが、本発明の板部材3は単独で成形した後ベース部材2に対して遊挿状態に装着するため、カートリッジに装着された板部材3を取り外し印字処理を当該板部材3に施した後再装着することも可能で、ユーザーの多様な用途に適合することができる。例えば板部材3にインクジェット記録適正を持たせる処理を施し、カートリッジに収納した情報媒体101に所望の情報を記録した後、板部材3をカートリッジから取り外しインクジェットプリンタで窓被覆部31に情報媒体101に記録した情報の種類等を記載ししかる後ベース部材2に板部材3を再装着することもでき、または情報媒体101に記録した情報の内容に応じて板部材3の色を変えて用いる、さらに情報媒体101が書換可能型の場合には、例えば特許第2598841号公報や特許第2993203号公報等に記載されている書換可能型の感熱記録層を板部材3に施し、当該板部材3をベース部材2から取り外し、記録した情報に応じて感熱記録法で記録した後再びベース部材2に装着することもできる。
なお、これら板部材3に対する各種加工は、ベース部材2と板部材3とをそれぞれ単独に成形することで達成できるが、上述したように単に板部材3(特に窓被覆部31)の加工だけでなく、ベース部材2と板部材3とにそれぞれ適する材料を供することもできる。すなわち、ベース部材2は摺動側壁109に沿って摺動することと、係止リブ110に係合する爪27を備える爪部28及び案内突起部29等の複雑な形状を備えることが要請されるため、摺動特性、型開特性及び/またはガラス転移点が高い例えばポリアセタール樹脂、含弗素樹脂、高摺動アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂等を適用し、板部材3には通常のアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン樹脂等を適用することでできる。この材料選択は、必要とされる物性を適正に選択するだけではなく、ベース部材2に供する材料より安価な材料を板部材3に適用することにより、トータルとしてシャッター部材1の材料コストを低減できる効果も奏する。
上述の実施例では何れも、例えば光磁気ディスクを収納したカートリッジや、コンピュータのプログラム等を保存する磁気ディスクを収納したカートリッジのように、ベース部材2のケース部材100に対向する面(以下、摺動平板外側部と称す)にシャッター部材1を開閉するシャッターオープナ係合突起部を備えない平坦な場合について述べたが、本発明のカートリッジは摺動平板外側部にシャッターオープナ係合部を備える構成であっても適用できること勿論であると共に、シャッターオープナ係合部を備えることにより係合突出部32及び軸受部25の機械的強度も向上することができる。そこで、摺動平板外側部にシャッターオープナ係合部を備える実施例について説明する。図6は、本発明のカートリッジに適用できるベース部材の他の実施例に係る斜視図で、シャッターオープナ係合部50を備える構成が異なるが、基本的には上述の実施例で説明した各構成要素と同一の機能を備える。但し、摺動側板部22に備える切欠部23の切欠深さが上述の実施例より深いため、切欠部23の切欠範囲に入り込み係合する板部材3に備える係合突出部32の突出長さも等価的に大きく構成でき、係合突出部32の機械的強度及び回転軸33を備える係合突出部32の位置の自由度等を向上させることができる。また、シャッターオープナ係合部50を摺動平板外側部に備えるため、シャッターオープナ構成の簡略化と、シャッター部材1の開閉動作を確実にでき得る録再装置に対応することもできる。
上述の実施例では、回転軸断面34は円形形状で、軸受断面26は矩形の凹部について述べたが、他の形状を除外するものではなく、例えば回転軸断面34は円形形状で軸受断面26は三角形状、六角形状等の多角形形状であっても楕円形状であっても良く、例えば軸受断面26が矩形の凹部で回転断面34の形状が三角形状や六角形状等の多角形形状であっても適用でき、要するに回転軸33が軸受部25の内部で遊挿できる形状関係で、回転軸33が軸受部25から外れ難い形状関係であることが好ましく、それぞれの断面形状を自由に選択して用いることができる。この回転軸断面34と軸受断面34との形状の一実施例を次に説明する。
この実施例におけるベース部材2の構成を示す斜視図を図7に、また板部材3の構成を示す平面図を図8Aに、板部材3の構成の要部拡大図を図8Bに示す。図7は、図6と同様にシャッターオープナ係合部50を備え、切欠部23の切欠深さはシャッターオープナ50の頂上まで達し、その効果も同様である。図6と異なる点は、ベース部材2のシャッターオープナ係合部50上に備える天板部51、及び軸受案内部61及び軸受遊挿部62を備える軸受部60の構成である。天板部51はベース部材2を通って埃等の異物がカートリッジ内部に入り込むことを抑制する機能を備える。また、軸受案内部61は摺動側板部22の表面に摺動方向に略平行でmの間隔を介して対向する一対の辺を含む略長方形状で開口し、円形形状の軸受断面26を有する軸受遊挿部62と繋がっている。板部材3は図8Aに示すように、窓被覆部31の幅方向の略中央部から切欠部23の略切欠距離の長さだけ突出する係合突出部32、係合突出部32の端辺近傍に軸受遊挿部62に遊挿係合し板部材3を回転する回転軸71、回転軸71の他方の窓被覆部31の端辺近傍にはケース部材100に備えるシャッター押さえ部111に係合する押さえ係合部35を備える。押さえ係合部35は従来技術の他端部206及び上記何れの実施例における板部材3にも備え、板厚を窓被覆部31の例えば半分程度に薄くすることで、シャッター押さえ部111と摺動面106との隙間に収納される。図8Bは、図8AのG方向からの矢視拡大図で、回転軸71の詳細を示している。回転軸71は基本的には直径rの円形で、中心線から均等にlの距離を介して窓被覆部31の摺動面106に対して摺動する面に平行な平面で切断した切面72を一対備える。なお、図7における距離eは、摺動平板部21に略平行で摺動側板部23に略直交させた板部材3を軸受案内部61を介して軸受遊挿部62に挿入し、挿入後軸受遊挿部62に遊挿係合した回転軸71周りに板部材3を90°回動させるため、回動の際に係合突出部32の板厚及び/または回転軸71と係合突出部32の窓被覆部31の反対側の端辺との間隙fを吸収するために備える。すなわち、板厚や間隙fだけ回転軸71の回転中心からの距離が長くなるため、ベース部材2に距離eだけの空隙を備えることとなる。なお、間隙fは必ずしも必須ではなく、係合突出部32の端辺に備えてもよい。また、回転軸71の直径r及び一対の切面72間の距離lと、軸受部60における間隔mとの関係は、r>m≧lとすればよいが、mとlとが等しい場合には板部材3をベース部材2に対して遊挿係合させる際に不要に力を加える必要があるため、m>lの関係が好ましい。また、rは軸受遊挿部62の直径以下であればよいが、等しい場合には軸受部60に板部材3を挿入後回転させる際に不要な力を要するため、rは軸受遊挿部62の直径未満とする方が好ましい。
図8Aおよび図8Bに示した係合突出部32と回転軸71との配置関係でも機能的には何等問題はないが、回転軸71の機械的強度を向上させるためには、例えば1mm程度の板厚の係合突出部32の側端面から連設する構成よりも、例えば2mm程度のリブを係合突出部32に備え、そのリブの側端面から回転軸71を備える構成にすると、回転軸71の機械的強度が向上するため好ましい。例えば図9Dに示した係合突出部32と図8Bに示した係合突出部32の板厚(紙面の横方向)を同一とすると、図9Dの回転軸71の直径r及び一対の説明72間の間隙l共に図8Bの構成よりも太くできることが分かる。
次に、図9A〜図9Dを参照して本発明のカートリッジに適用できるシャッター部材1の組立方法を説明する。なお、この組立方法は図9A〜図9Dで示した実施形態に限定されるものではなく、本発明のカートリッジに適応できる全てのシャッター部材1に共通すること勿論である。図9Aは、板部材3をベース部材2の軸受遊挿部62に挿入する工程を示し、図9Bは、挿入後板部材3を90°程度回転する工程を示し、図9Cは、回転し
てシャッター部材を組み立てた状態を示し、図9Dは、図9AのE部の拡大図である。図9Aに示したように、ベース部材2の摺動側板部22に直交しベース部材2の摺動方向に平行な方向に板部材3を配置し、軸受案内部61を介して板部材3を軸受遊挿部62に矢印F方向に挿入する。これは、図9Dに示した一対の切面72と軸受案内部61の開口とが略平行関係になり、前述したようにmとlとの寸法関係から容易に挿入できる。このようにして回転軸71を軸受遊挿部62に挿入した図9Bの状態から矢印Rの方向にベース部材2に対して板部材3を約90°回動すると、図9Cに示したようにシャッター部材が組み上がる。図9Cの状態ではベース部材2から板部材3を引き離す方向の力Gが軸受遊挿部62と回転軸71との間に作用しても、前述したようにrとmとの関係を満足するので、板部材3がベース部材2から引き抜かれることはない。また、図9Cの状態では板部材3は摺動側板部22の面と平行関係を維持できるため、摺動面106とも平行関係となり、ベース部材2の摺動動作に応じて窓被覆部31は摺動面106を自由に摺動できる構成が達成できる。同図に示したベース部材2の摺動側板部22は両方とも軸受部60を備えているため、図9A〜図9Cに示した工程を繰り返すことで図10に示したシャッター部材1が得られる。
なお、カートリッジにシャッター部材1を組み立てる際には、一般的にケース部材100にベース部材2を摺動係合させた後、板部材3を図9A〜図9Dを参照して説明した工程で挿入・回動させシャッター部材1とする。このようにしてシャッター部材1をケース部材100に組み込んだ後、窓被覆部31を湾曲させケース部材100のシャッター押さえ部111に填め込み、図11に示したカートリッジが組み上がる。このカートリッジのシャッター部材1を開放位置決め部108まで摺動すると、窓部105及び/または摺動面106と窓被覆部31とが摺接することなく、図12に示すように窓部105を開放した状態が得られる。このように本発明のカートリッジに適用できるシャッター部材1は、ケース部材100にベース部材2を摺動可能に填め込んだ後、板部材3の回転軸71をベース部材2の軸受部60に挿入するだけであるため、例えば特許文献2及び3に記載されているような融着に起因する課題が発生することなく、摺動特性及び窓部105の被覆性が極めて高いカートリッジを提供することができる。
なお、ベース部材2のシャッターオープナ係合部50には図13に示したように天板部51を備える構成にすると、ベース部材2と板部材3との係合面間隙から埃等の異物がカートリッジ内部に混入することを抑制できるため好ましい。さらに、図14に示したように位置決め部52を爪部28の爪27側に係止リブ110の厚み程度の間隙を介して配置すると、ベース部材2の爪部28とケース部材100の係止リブ110との係合を確実にできるため好ましい。
なお、上記実施例では、ベース部材2が軸受部25を有しており、板部材3が回転軸33を有しており、ベース部材2と板部材3との係合が、板部材3の回転軸33をベース部材2の軸受部25に回転自在に挿入することによってなされている例を説明した。しかし、本発明はこの例に限定されない。例えば、ベース部材2が回転軸を有しており、板部材3が軸受部を有しており、ベース部材2と板部材3との係合が、ベース部材2の回転軸を板部材3の軸受部に回転自在に挿入することによってなされてもよい。
図15は、本発明のカートリッジに適用できるシャッター部材1の他の実施例を示す斜視図である。図16は、図15におけるベース部材の斜視図である。図17は図15における板部材の斜視図である。
図15〜図17に示されるように、ベース部材2が回転軸333を有しており、板部材3が軸受部325を有しており、ベース部材2と板部材3との係合が、ベース部材2の回転軸333を板部材3の軸受部325に回転自在に挿入することによってなされてもよい。
本発明に係るカートリッジにおいては、ベース部材2と板部材3との係合の態様は問わない。ベース部材2と板部材3とが、ベース部材2から板部材3を取り外すことが可能なように係合されている限り、そのようなベース部材2と板部材3とを含むシャッター部材1は本発明の範囲内であるというべきである。さらに、そのようなシャッター部材1を含む任意のカートリッジもまた本発明の範囲内であるというべきである。
このように、本発明に係るシャッター部材1では、ベース部材2と板部材3とが、ベース部材2から板部材3を取り外すことが可能なように係合されている。このため、必要に応じて、ベース部材2から板部材3を取り外すことができる。例えば、ベース部材2から板部材3を取り外した状態で、情報媒体101の中心孔113にクリーニングキャップを装着し、そのクリーニングキャップを回転させることにより、情報媒体101をクリーニングするようにしてもよい。この場合、クリーニングキャップの回転は、手動で行われてもよいし、機械によって行われてもよい。このように、情報媒体101のクリーニングを容易に行うことができることは、ベース部材2から板部材3を取り外すことが可能なようにシャッター部材1が構成されていることの1つの利点である。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
本発明は、シャッター部材の摺動性が極めて高いカートリッジを実現できるため、カートリッジに収納した情報媒体に情報信号の授受を行う記録及び/再生装置で正確に作動することができる。
本発明は、ユーザ情報信号を記録及び/または再生(以下、記録再生と称す)できるデータ領域を有する情報媒体を収納するカートリッジおよびそれに用いられるシャッター部材に関する。
図18は、カートリッジを構成するケース部材100の斜視図である。ケース部材100は情報媒体101を収納する媒体収納部102を、ケース部材100の厚み方向の略半分の厚みを有する上ハーフ103と下ハーフ104とにそれぞれ備え、情報媒体101を収納した後に例えば超音波融着等の手法で融着する。一般的に上ハーフ103及び下ハーフ104それぞれには、情報媒体101を回転駆動する不図示の回転駆動手段と、情報媒体101の情報層に対しユーザ情報の授受を担う不図示のヘッドが進入するための略U字形状を有する窓部105を形成した摺動面106を備える。この摺動面106は、上ハーフ103及び下ハーフ104で形成するカートリッジの厚みを規定する側周面107から後述のシャッター部材の厚み程度陥没し、窓部105を開閉するシャッター部材の板部が摺動する摺動面であり、シャッター部材の開放範囲を規制する開放位置決め部108を一対備える。但し、シャッター部材が片側のみ摺動するカートリッジの場合には、開放位置決め部108は何れか一方であっても良い。なお、ケース部材100の窓部105のU字形状開放部側には、シャッター部材の摺動部が摺動係合する摺動側壁109を備え、摺動側壁109の切欠を連設する係止リブ110により、シャッター部材の摺動部がケース部材100から離隔することを抑制している。また、シャッター部材の摺動部に対応する他端部がケース部材100の厚み方向に離隔することを抑制するシャッター押さえ部111を有する。
図19は、摺動側壁109に沿って摺動し窓部105を開閉するシャッター部材200の構成を示す斜視図である。シャッター部材200は摺動側壁109を摺動する摺動部201と、窓部105を開閉する板部202とから構成される。摺動部201には、摺動側壁109の方向にシャッター部材200を摺動する不図示のシャッターオープナが係合するシャッターオープナ係合部203を外側に備え、内側には係止リブ110に摺動係合する爪を備える爪部204と、摺動側壁109に摺動方向をガイドする案内突起部205を備える。また、板部202の摺動部201に対向する他端部206はシャッター押さえ部111に係合する。なお、シャッターオープナとの係合は、例えばケース側壁に備える構成である場合には、シャッターオープナ係合部203は摺動部201の外側に備える必要はない。また、爪部204はシャッター押さえ部111と他端部206との間で引掛け係合する構成であれば必ずしも備えなくてもシャッター部材200がケース部材100から外れることはなく、案内突起部205は摺動部201の摺動方向に直交する幅と上ハーフ103及び下ハーフ104に備える摺動面106の厚み方向の幅との精度が高い場合には必ずしも必須ではない。しかしながら、一般に他端部206の厚みはシャッター押さえ部111の情報媒体101側に潜る構成のため薄く加工されるのでこの部分に爪を構成することは困難である点と、精度が良すぎると摺動性に劣るため、一般的に爪部204と案内突起205とは摺動部201の内側に備えることが多い。
以上の構成を有する従来のカートリッジの組立においては、ケース部材100の媒体収納部に情報媒体101を収納し、上ハーフ103及び下ハーフ104を融着等で固定した後、シャッター部材200をケース部材100の摺動側壁109から押し込むことで爪部204と係止リブ110とを係合させ、他端部206を湾曲させてシャッター押さえ部111に係合させ完成する。
図19で図示したシャッター部材200のように、摺動部201と板部202とを一体で成形する製造方法としては、例えば特許文献1に開示されているように、固定型、可動型及びスライドコアの3分割された型を用い、それぞれの型の間隙にアセタール樹脂等を射出し、可動型とスライドコアとを固定型から引き離すことで、摺動部と板部とを一体成形したシャッター部材を得る旨が開示されている。
また、特許文献2には、摺動部、摺動部の一方に板部、及びケース部材の主面に備える溝に係合する突片を備えたシャッター片と、もう一方の板部とをケース部材に組み立てた後、摺動部に備える位置決め凸部ともう一方の板部に備える位置決め凹部とを嵌合させ、摺動部に備える溶融凸部ともう一方の板部に備える溶融凹部とを填めあわせると共に融着し、シャッター部材をケース部材に対して組み立てる旨が開示されている。
また、特許文献3には、シャッター部材をケース部材の上下ハーフの略厚み中心部で分割し、分割したそれぞれのシャッター部材には摺動部、板部及びケース部材の主面に備える溝に係合する突片を備え、摺動部に備える位置決め凸部と凹部とを嵌合させケース部材に対して組み立てた後、摺動部に備える溶融凸部と凹部とを填めあわせると共に融着することでシャッター部材をケース部材に対して組み立てる旨が開示されている。
さらに、特許文献4は、下ケース、固定蓋及び可動蓋とで構成されるケース部材と、摺動部、摺動部の一方の側面に板部、摺動部の他方の側面に非回動板部、非回動板部に係合する回動板部とで構成されるシャッター部材を備え、回動板部に備えるヒンジピンと下ケースに備えたC字形状のリテーナとが係合しながら回動板部が回動軸周りに270度回動することで、情報媒体を取り出し可能としたカートリッジである。摺動部の下ケース側に備えるL字形状の係合凹部と、下ケースに備える窓部を開閉する板部に備えるL字形状の係合凸部とを摺動部の摺動方向に嵌合させることで摺動部と板部とを固定し、摺動部の蓋側に備えるL字形状の係合凹部と、非回動板部に備えるL字形状の係合凸部とも摺動部の摺動方向に嵌合させることで摺動部と非回動板部とを固定する。非回動板部のリブに備える半球面形状凹部と、回動板部から突出したリブに備える半球面形状凸部とが嵌合することで、非回動板部及び回動板部それぞれに備えるリブを回転軸として回転し、ケース部材に備える回動軸に連動してシャッター部材の回転軸周りに回動板部が回転するシャッター部材が開示されている。
特開平3−269884号公報(第3頁右下欄第13行〜第4頁左下欄第2行、第4図及び第5図) 特開平11−3577号公報(段落番号0040、図11) 特開2000−285630号公報(段落番号0023〜0025、図1) 特表2001−513935号公報(第23頁第29行〜第25頁第1行、図2〜図9)
シャッター部材200は、厚みが1mm程度の薄い板部202と、ケース部材100の摺動側壁109に摺動係合する複雑な形状を有する摺動部201とを備える。従って、射出成形等で板部202と摺動部201とを一体成形したシャッター部材200では、射出成型品であるシャッター部材200を型開する際に、射出成型品の温度差による内部応力及び/または型開時の離型力が相俟って、例えば板部202に局所的な湾曲が発生する平面性の低下、摺動部201と板部202とが成す角度が鋭角になったり鈍角になり定まり難い、あるいは摺動部201の摺動方向に対して板部202の面の平行度が低下する等の課題があり、シャッター部材200の歩留まりが低いという課題がある。
例えば特許文献1に記載の成形方法であっても、射出成形後固定金型に対し可動金型及びスライドコアを移動する型開に際して、どうしても温度差に起因すると考えられる内部応力が生じ、設計通りのシャッター部材が成形し難い課題を依然として残存した。すなわち、板部202の平面性が低い場合には板部202の湾曲部分では窓部105の外形を成す縁辺から浮き上がり、この浮き上がり部分から埃等がカートリッジ内に入り込んだり、または当該縁辺に板部202の外周辺が当接しシャッター部材200の摺動面106に対する摺動動作が止まりシャッター部材200としての機能を損なうという課題がある。
また、成形品の厚み差が不連続な摺動部と板部との境界面で型開の際に生じる温度差が顕著であるため、板部202の平面性は良好であっても、摺動部201と板部202とが成す角度が鋭角であったり鈍角であったりする場合があり、ケース部材100にシャッター部材200を填め込む際に次のような課題が多発した。すなわち、摺動部201と板部202とが成す角度を図20Aに示すようにできるだけ90°近傍にすると、ケース部材100に対して填め込む際に板部202が摺動面106に対して平行となり、例えば窓部105に当接することで摺動動作が妨げられることがない。そのため、摺動部201と板部202とが成す角度が90°近傍になるように設計する。ところが、前述したように一体成形工程における型開でシャッター部材200の温度差に起因する内部応力により、図20Bに示すように摺動部201と板部202とが成す角度が90°未満の鋭角になったり、図20Cに示すように摺動部201と板部202とが成す角度が90°を越える鈍角になったりする。図20Bに示すように鋭角のままシャッター部材200をケース部材100に填め込むと、摺動面106に他端部206及び/または他端部206の近傍が当たり、填め込み難いと同時に、窓部105から他端部206が入り込み情報媒体101の情報層に傷を付ける。逆に、図20Cに示すように鈍角のままシャッター部材200をケース部材100に填め込むと、摺動面106への当接や情報媒体への傷に対する危険性はないが、シャッター押さえ部111と他端部206との係合距離を縮めようとする力に抗することでシャッター部材200の摺動時に他端部206がシャッター押さえ部111から外れる、及び/または、一対の板部202間の距離が摺動部201近傍とシャッター押さえ部111近傍では摺動面106に沿うが板部202がいわゆる太鼓状となり湾曲し窓部105を面状で覆うことができないという課題がある。従って、摺動部201と板部202とが成す角度が90°からのずれが大きいと、ケース部材100に填め込む前に予め摺動部201と板部202との成す角度を矯正する必要がある。しかし、前述したように板部202の板厚は1mm程度と薄いため、矯正作業時の力の入れ方次第では板部202の平面性を損ねたり、板部202と摺動部201との連続部で破断したりすることが多発し、シャッター部材200の歩留まりが悪いという課題がある。さらに、矯正直後は摺動部201と板部202とは矯正されるにしても、一旦発生した内部応力は経時により元に復帰するため、信頼性に欠ける課題がある。
また、両面に情報層を有する情報媒体と片面のみに情報層を有する情報媒体との区別、両面に情報層を備える情報媒体ではA面とB面との区別、及び/または、収納している情報媒体の容量や種類等の各種の情報をユーザーに視認し易くするため、板部202に印刷適正を持たせるため板部202の摺動面106に対向する面の反対面に微細な表面凹凸を備えるいわゆるマット加工(あるいは、しぼ加工とも称される)が施されるが、このマット加工は摺動面106に対する摺動性も良好にできるため、摺動面106と対向する板部202にも施すことにより、面状の摺動特性が良好なシャッター部材が得られる。また、録再装置のトレイにカートリッジを固定するため、押圧され当該カートリッジに歪みが生じ、以て摺動面106に傷を付ける等を抑制するためにも、板部202の摺動面106側にしぼ加工を施すことは有効である。しかしながら、シャッター部材200を一体成形すると、例えば特許文献1に開示のスライドコアを型開するときに、当該微小な凹凸が型開を抑制し、無理に型開を行うと摺動部201と板部202とが切断する、あるいはスライ
ドコアを引き抜く際に微小な凹凸が潰れる等の課題があり、一体成形のシャッター部材200では板部202の面160側にしぼ加工を施すことができなく、シャッター部材200とケース部材100との摺動特性を良好にすると共に、摺動面106の対する傷を抑制できないという課題もある。
この一体成形のシャッター部材が本質的に有する各種課題を解決する一手段として、特許文献2及び3が知られている。特許文献2及び3は、摺動部の片側のみに板部を一体成形したシャッター部材前駆体に関し、ケース部材にシャッター部材前駆体を組み込んだ後融着することでシャッター部材とする内容であり、シャッター部材前駆体の融着時に加熱・加圧することが必須である。この加熱時に圧力を印加するため摺動部と板部とが歪むことがあり、この歪みにより摺動部と板部とが成す角度を鋭角または鈍角にすることで、先に説明した特許文献1と同様の課題があると共に、前述したように一体成形のシャッター部材では予めシャッター部材の形状を矯正することが可能であるが、特許文献2及び3ではケース部材と組み立てた後融着する構成で、しかもシャッター部材に備える突起部が係合する案内溝をケース部材のシャッター部材が摺動する面に備えるため、融着後に矯正することはできない。また、この歪みは摺動部と板部とが成す角度だけではなく、特許文献2では摺動部と一体成形した板部と融着により固着する板部との摺動部の摺動方向に対する平行度が低下する課題、特許文献3では摺動部同士が摺動方向に対する平行度が低下する課題があり、ケース部材の摺動側面に正確に摺動し難く、または平行度のずれが大きい場合には例えばシャッターオープナとの係合が不充分となったり、あるいはシャッター押さえ部に対する他端部の係合が不充分となる場合がある。
特許文献4には、下ケースに対して填めあう可動蓋を回動することで、収納した情報媒体をカートリッジから取り出すことができる構成であり、可動蓋の回動に連動してシャッター部材の回動板部も回動する。但し、摺動部と板部及び非回動板部との固定は、摺動部に備えるL字形状の係合凹部と板部及び非回動板部それぞれに備えるL字形状の係合凸部とを、摺動部の摺動方向に対し力を印加することで嵌合させる構成であり、L字形状の凹部及びL字形状の凸部の加工精度が要求される。すなわち、例えばL字形状凹部の寸法がL字形状凸部の寸法に対し小さい、またはL字形状凸部の寸法がL字形状凹部の寸法に対し大きい場合には、嵌合の際に強い力を印加しなければならなく、嵌合の際に印加する力が摺動部の摺動方向であるため摺動部が摺動するため力を加え難く、またL字形状の凹部と凸部との嵌合う箇所を破損する場合がある。逆にL字形状凹部の寸法がL字形状凸部の寸法に対し大きい、またはL字形状凸部の寸法がL字形状凹部の寸法に対し小さい場合には、嵌合部で容易に分解することとなり、例えば録再装置内でのカートリッジの信頼性に欠ける等の課題がある。さらに、非回動板部と回動板部との係合部は、半球面形状の凹部と半球面形状の凸部との回転自在の係合であるため、シャッター部材に摺動動作を繰り返すことにより加えられる外力により、係合部の係合力が弱まり係合部で容易に分断するという課題もある。
本発明は係る従来の課題に鑑み成されたもので、ケース部材の板部材が摺動する摺動面と平行度が高く、摺動面に備える窓部を開閉する際の抵抗力を撲滅できるカートリッジおよびそれに用いられるシャッター部材を提供することを目的とする。
本発明のシャッター部材は、ケース部材を含むカートリッジにおいて使用されるシャッター部材であって、前記ケース部材は、情報層を有する情報媒体を収納する媒体収納部と、前記情報層に対して記録動作または再生動作を行うヘッドが少なくとも進入可能なように構成された窓部とを含み、前記シャッター部材は、前記ケース部材の一側壁に沿って摺動可能に構成されたベース部材と、前記ベース部材に係合された板部材であって、前記ベース部材の摺動動作に応じて前記ケース部材の窓部を開閉可能なように構成された板部材
とを備え、前記ベース部材と前記板部材とは、前記ベース部材から前記板部材を取り外すことが可能なように係合されている。
本発明のカートリッジは、ケース部材と、シャッター部材とを備えたカートリッジであって、前記ケース部材は、情報層を有する情報媒体を収納する媒体収納部と、前記情報層に対して記録動作または再生動作を行うヘッドが少なくとも進入可能なように構成された窓部とを含み、前記シャッター部材は、前記ケース部材の一側壁に沿って摺動可能に構成されたベース部材と、前記ベース部材に係合された板部材であって、前記ベース部材の摺動動作に応じて前記ケース部材の窓部を開閉可能なように構成された板部材とを含み、前記ベース部材と前記板部材とは、前記ベース部材から前記板部材を取り外すことが可能なように係合されている。
本発明のシャッター部材およびカートリッジは上記構成を備えるため、ベース部材の摺動に応じて板部材の摺動動作に何等抵抗が無く、ケース部材に対しシャッター部材の組込も極めて容易にできる効果がある。
本発明のシャッター部材は、ケース部材を含むカートリッジにおいて使用されるシャッター部材であって、前記ケース部材は、情報層を有する情報媒体を収納する媒体収納部と、前記情報層に対して記録動作または再生動作を行うヘッドが少なくとも進入可能なように構成された窓部とを含み、前記シャッター部材は、前記ケース部材の一側壁に沿って摺動可能に構成されたベース部材と、前記ベース部材に係合された板部材であって、前記ベース部材の摺動動作に応じて前記ケース部材の窓部を開閉可能なように構成された板部材とを備え、前記ベース部材と前記板部材とは、前記ベース部材から前記板部材を取り外すことが可能なように係合されている。このような構成を有するシャッター部材によれば、ベース部材の摺動に応じて板部材の摺動動作に何等抵抗が無く、ケース部材に対しシャッター部材の組込も極めて容易にできる効果がある。
本発明のシャッター部材では、前記ベース部材は、軸受部を有しており、前記板部材は、回転軸を有しており、前記ベース部材と前記板部材との係合は、前記板部材の回転軸を前記ベース部材の軸受部に回転自在に挿入することによってなされていてもよい。
本発明のカートリッジは、ケース部材と、シャッター部材とを備えたカートリッジであって、前記ケース部材は、情報層を有する情報媒体を収納する媒体収納部と、前記情報層に対して記録動作または再生動作を行うヘッドが少なくとも進入可能なように構成された窓部とを含み、前記シャッター部材は、前記ケース部材の一側壁に沿って摺動可能に構成されたベース部材と、前記ベース部材に係合された板部材であって、前記ベース部材の摺動動作に応じて前記ケース部材の窓部を開閉可能なように構成された板部材とを含み、前記ベース部材と前記板部材とは、前記ベース部材から前記板部材を取り外すことが可能なように係合されている。このような構成を有するカートリッジによれば、ベース部材の摺動に応じて板部材の摺動動作に何等抵抗が無く、ケース部材に対しシャッター部材の組込も極めて容易にできる効果がある。
本発明のカートリッジでは、前記ベース部材は、軸受部を有しており、前記板部材は、回転軸を有しており、前記ベース部材と前記板部材との係合は、前記板部材の回転軸を前記ベース部材の軸受部に回転自在に挿入することによってなされていてもよい。
また、本発明のカートリッジでは、前記ベース部材は、前記ケース部材の一側壁に沿って前記ベース部が摺動する摺動方向に所定の長さと、前記摺動方向に直交する方向に所定
の幅とを有する摺動平板部と、前記摺動平板部の幅方向の側端面から連設された摺動側板部であって、前記摺動平板部の長さ方向の略中央に切欠部を有する摺動側板部とを含み、前記板部材は、前記窓部を覆う窓被覆部と、前記窓被覆部から突出した係合突出部とを含み、前記回転軸は、前記係合突出部の前記摺動方向に平行な一対の端壁から突出するように設けられており、前記軸受部は、前記摺動側板部の前記切欠部に設けられていてもよい。このような構成を有するカートリッジによれば、板部材単独で成形できるため平面性が極めて高い板部材をシャッター部材の窓被覆部とすることができると共に、板部材の係合突出部に備える回転軸と手動部材の切欠部に備える軸受部とで回転自在に遊挿する摺動部材と板部材との係合であるため、窓部を形成したケース部材の窓被覆部が摺動する摺動面と板部材との平行度を保証することができ、摺動部材の摺動動作に応じて窓被覆部による窓部の閉塞・開放動作時に、窓被覆部と窓部の縁辺とが当接することを完全に克服できる構成が完璧に達成できると共に、一体成形したシャッター部材における矯正作業を撲滅でき、シャッター部材の歩留まりと作業効率とが向上でき、以てカートリッジを安価にすることができる。
また、本発明のカートリッジでは、前記切欠部をそれぞれ有する一対の摺動側板部が、前記摺動平板部の幅方向の側端面から連設されていてもよい。このような構成を有するカートリッジによれば、記録及び/または再生装置内で情報媒体を回転駆動する回転駆動手段に対し情報媒体を圧着するクランパーと称される押圧部を記録及び/または再生装置にも適応することができると共に、摺動平板部に備える一対の切欠部の軸受部の何れにも板部材を備えることで、ベース部材の摺動動作に応じて板部材の開閉動作時の窓被覆部と窓部の縁辺とが当接する課題を完全に解消することができる。
また、本発明のカートリッジでは、前記シャッター部材の開放動作の際にシャッターオープナと係合するシャッターオープナ係合部をさらに備え、前記摺動側板部の前記切欠部は、前記シャッターオープナ係合部まで延在してもよい。このような構成を有するカートリッジによれば、シャッターオープナーによるシャッター部材の開放・閉塞動作の確実性が増すと共に、切欠部及び板部材の係合突出部形成に対する裕度が増え、ベース部材及び板部材の機械的強度及び信頼性が増加させることができる。
また、本発明のカートリッジでは、前記回転軸は、前記窓被覆部に平行な平面で切断した一対の切面を備えた形状を有していてもよい。このような構成を有するカートリッジによれば、媒体収納部に収納した情報媒体に対し略直交する方向に板部材を挿入すると、回転軸に備える切面が摺動側板部表面から軸受部に案内する軸受案内部に対向しながら容易に係合することができ、挿入後板部材を90°回動させることで切面は窓被覆部が摺動するケース部材の面と平行となるため軸受部から抜けることがない。従って、シャッター部材の組立工程が極めて容易であり、シャッター部材をケース部材に組み込んだ後板部材が摺動部材から脱落することも抑制でき、しかも窓部が形成する平面と窓被覆部との平行度が高くシャッター部材の摺動安定性も保証できる。
また、本発明のカートリッジでは、前記回転軸は、前記係合突出部のリブから突出するように設けられていてもよい。このような構成を有するカートリッジによれば、リブが係合突出部の平面からの突出量だけ板部材の回転軸周りの回転に対する自由度が増し軸受部に対し回転軸を遊挿しやすく、また回転軸の機械的強度も向上するため、より好ましいシャッター部材を構成することができる。
また、本発明のカートリッジでは、前記窓被覆部は、前記ケース部材と摺動する摺動面を有し、前記摺動面の表面に、微小凹凸加工したマット加工部が設けられていてもよい。このような構成を有するカートリッジによれば、窓被覆部とケース部材に備える窓被覆部が摺動する面との摩擦力を低減することができ、摺動特性を向上したシャッター部材を備
えるカートリッジを提供できる。
また、本発明のカートリッジでは、前記窓被覆部の前記摺動方向に直交する端辺近傍であって、前記窓被覆部の所定の幅の範囲に、前記窓被覆部が前記ケース部材と摺動する摺動面から凹んだ凹部または前記端辺方向が薄いテーパー部の何れかが設けられていてもよい。このような構成を有するカートリッジによれば、窓部を形成する縁辺と窓被覆部の端辺との当接を防止することができ、窓被覆部と窓部が形成する縁辺との当接する可能性を完璧に抑制でき、また例えば記録及び/または再生装置が備えるトレイ上でカートリッジを把持するため付加される外力が当該カートリッジに印加されることに起因して発生するカートリッジの歪みが生じた場合であっても、縁辺と端辺とが当接することが無く、ケース部材に対するシャッター部材の摺動特性をあらゆる場合に亘って保証できる。
また、本発明のカートリッジでは、前記ベース部材に適用する材料は、前記板部材に適用する材料に比べて、摺動特性またはガラス転移点の少なくとも何れか一方が高い材質であってもよい。このような構成を有するカートリッジによれば、複雑な形状を有するベース部材には比較的高価で成形性が良好で、しかも摺動部が摺動係合するケース部材の一側壁に対する摺動特性を勘案した材料選択ができ、板部材としては成形性のみを勘案した比較的安価な材料を選択することができ、以てシャッター部材が備える摺動部及び窓被覆部それぞれに適した材料選択の自由度が向上すると共に、シャッター部材を安価にすることができる。なお、例えばポリアセタール樹脂や含弗素樹脂等の一般的に摺動特性に優れる材料の成形品表面は印刷適性に欠けるため、板部材に例えばアクリロニトリル・スチレン樹脂やアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂等の印刷適正化処理が容易な材料を適用することができる効果も有する。
以下、図面を参照して本発明のカートリッジを詳述する。
図1は、本発明のカートリッジに適用できるシャッター部材1の一実施例を示す斜視図である。
シャッター部材1は、ベース部材2と、板部材3とを含む。ベース部材2と板部材3とは、ベース部材2から板部材3を取り外すことが可能なように係合されている。ベース部材2と板部材3との係合は、例えば、板部材3の回転軸33をベース部材2の軸受部25に回転自在に挿入することによってなされている。
ベース部材2は、図1及び図2に示すように、摺動平板部21と摺動側板部とを含む。
摺動平板部21は、不図示のケース部材の一側壁(以下、摺動側壁と称す)を摺動する摺動面を内側に備える。摺動平板部21は、摺動方向に所定の長さと摺動側壁109の厚みより大きい幅とを備える。
摺動側板部22は、摺動側壁109からケース部材の方向に所定の高さだけ摺動平板部21から連設する。摺動側板部22は、摺動方向に摺動平板部21の長さと略同一の長さを備える。摺動側板部22は、摺動側板部22の摺動方向の略中央部に所定の幅だけ一対の壁24で切断した切欠部23を有する。軸受部25は、摺動側板部22及び一対の壁24にそれぞれ露出するように設けられている。
なお、ベース部材2は、摺動側壁109に沿って摺動するため係止リブ110に係合する爪27を備えた爪部28と、摺動側壁109に形成した溝を案内する案内突起部29を備えた例を示しているが、爪部28と案内突起部29は前述したように備えなくてもよい場合がある。
板部材3は、図1及び3に示すように、不図示のケース部材に備える窓部を覆う窓被覆部31と、窓被覆部31の略中央部から所定の長さ突出した切欠部23に係合する係合突出部32とを含む。回転軸33は、軸受部25に対し回転自在に遊挿する回転軸断面34を備える。なお、一体化板部4は、板部材3が係合する方向と反対側のベース部材2から連設された板部材である。
図1から分かるように、切欠部23の幅は係合突出部32の幅に略等しく、摺動平板部21の長さは窓被覆部31の摺動方向の幅に略等しい。また、回転軸断面34の面積は壁24よりも狭く、一対の軸受部25及び一対の回転軸33は同一中心軸を有する。
本実施例のシャッター部材1では、板部材3の回転軸33と、ベース部材2の軸受部25とが遊挿関係にある(すなわち、板部材3の回転軸33がベース部材2の軸受部25に回転自在に挿入されている)ため、例えば図14に示したケース部材100の摺動側壁109に対してベース部材2の摺動平板部21を摺動係合させ、摺動側壁109に対向する後側壁112で垂直に立てた状態では、窓被覆部31の摺動面106側と摺動側板部22の摺動面106側とは、窓被覆部31全領域で同じ間隙dで保持され、一体成型品の従来のシャッター部材における摺動部と板部とが成す角度が鋭角になったり鈍角になることに起因する窓被覆部31が摺動面106及び/または窓部105の縁辺と当接し摺動特性に生じる不具合を解消することができる。すなわち、本実施例のシャッター部材1はベース部材2と板部材3とをそれぞれ独立して成形し、板部材3の係合突出部32に備える回転軸33が回転自在に軸受部25で遊挿する構成を備えるため、極めて平面性の良い板部材3が得られ、しかも平面性が極めて高い板部材3とベース部材2との係合は回転軸33と軸受部25との遊挿関係であるため、摺動特性に極めて優れるシャッター部材1を提供できる。また、後側壁112の面で垂直に立てた状態では、窓被覆部31と摺動面106との間隙dは板部材3全面に渡り一定であるため、間隙dをほぼ0にする構成であっても上記良好な摺動関係は維持でき、以て窓被覆部31による窓部105の縁辺から埃等の異物がカートリッジの内部に入り込みことを抑制できる。このようにして、板部材3の係合突出部32の反対面の他端部(図示は省略)をシャッター押さえ部111と係合させることにより、摺動特性及び防塵特性に優れるカートリッジが実現できる。また、ベース部材2の軸受部25への板部材3の装着方向は、軸受部25の摺動側板部22への開口を介してベース部材2の摺動方向に直交する方向から回転軸33を挿入するため、例えば特許文献4に見受けられるようなベース部材2が摺動側壁109に沿って摺動する方向に起因する挿入方向に力を加え難いことを解消すると共に、軸受部25の内部で回転軸33が遊挿する関係であるため加工精度も低くすることができる。また、板部材3とベース部材2との係合は回転軸33と軸受部25とで形成する摺動方向及び摺動方向に直交する面方向の何れに対しても剛体係合の構成であるため、特許文献4の半球面形状の凹凸による回動係合とは異なり、摺動動作に対する耐性も強靱化することができる。
なお、図1及び2ではベース部材2と一体化板部4とを一体成形した実施例であるが、中心孔113に例えば磁性ハブを有しマグネットチャッキング等で片側からチャッキングする情報媒体101の場合には、ベース部材2は図4の構成を採用することができる。すなわち、図4は本発明のカートリッジに適用できるベース部材2の他の実施例であり、ベース部材2には一体化板部4に代わり摺動係合側板部5を備えた構成であり、他の点は図1及び2に示したベース部材2と同じである。図1及び2で説明したベース部材2では、板部材3による摺動面106に対して摺動特性に優れる構成は達成できるが、ベース部材2と一体成形した一体化板部5では、型開の際に一体化板部5と摺動平板部21との成す角度が鋭角になったり鈍角になる可能性が若干残され、摺動側壁部109に沿った摺動特性が劣化する可能性はあるが、図4に示したベース部材2の構成を採用すると、摺動特性の完璧性を保証することができる。
また、図5は本発明のカートリッジに適用できるベース部材2の別の実施例である。図5のベース部材2は、図4の摺動係合側板部5に代え摺動側板部22を備え、双方の切欠部23に板部材3を回転自在に軸受部25に遊挿させる構成である。この構成は、カートリッジの一方の面からターンテーブル等の媒体回転手段を中心孔113に装着し、媒体回転手段に係合する他方の中心孔113の面には情報媒体101をクランパー等のチャキング手段を備える場合に有効である。本実施例によれば摺動面106に対し媒体収納部102を介して反対面の摺動面106にも窓部105を備えるケース部材100にも、上述の実施例と同様に板部材3と摺動面106との高い摺動特性を有し、しかも例えば情報層を両面に有する情報媒体101にも適用することができるカートリッジを提供できる。
なお、上記実施例で説明したように、本発明の板部材3は摺動面106に対する平行度が極めて高いため、例えば窓被覆部31と摺動面106とが摺接することは極めて少ないが、録再装置のトレイに対し本発明のカートリッジを固定するため押圧され当該カートリッジに歪みが生じ、以てトレイ上でシャッター部材1を開閉する際に、摺動面106と窓被覆部31との摺接、及び/または、摺動面106と窓被覆部31の摺動方向の縁辺との摺接により、摺動面106に傷を付ける等の可能性もある。本発明の板部材3は単独で成形するため、両面にしぼ加工をすることも、摺動面106に対向する窓被覆部31の摺動方向の縁辺に所定の幅を有する凹みを備える凹部や縁辺の方向に厚みが薄くなるテーパー部等の加工をすることも自由に行え、ケース部材100に生じる歪みに対する追従性及び摺動性を両立するカートリッジを提供することができる。
また、前述したように、窓被覆部31にはカートリッジに収納した情報媒体101の種類、容量、両面に情報層を備える場合には情報層の識別等の付帯的な情報をユーザが視認するため印刷適正処理を施すことが一般的である。そのため例えばしぼ加工により印刷適正を窓被覆部31に付与するが、本発明の板部材3は単独で成形した後ベース部材2に対して遊挿状態に装着するため、カートリッジに装着された板部材3を取り外し印字処理を当該板部材3に施した後再装着することも可能で、ユーザーの多様な用途に適合することができる。例えば板部材3にインクジェット記録適正を持たせる処理を施し、カートリッジに収納した情報媒体101に所望の情報を記録した後、板部材3をカートリッジから取り外しインクジェットプリンタで窓被覆部31に情報媒体101に記録した情報の種類等を記載ししかる後ベース部材2に板部材3を再装着することもでき、または情報媒体101に記録した情報の内容に応じて板部材3の色を変えて用いる、さらに情報媒体101が書換可能型の場合には、例えば特許第2598841号公報や特許第2993203号公報等に記載されている書換可能型の感熱記録層を板部材3に施し、当該板部材3をベース部材2から取り外し、記録した情報に応じて感熱記録法で記録した後再びベース部材2に装着することもできる。
なお、これら板部材3に対する各種加工は、ベース部材2と板部材3とをそれぞれ単独に成形することで達成できるが、上述したように単に板部材3(特に窓被覆部31)の加工だけでなく、ベース部材2と板部材3とにそれぞれ適する材料を供することもできる。すなわち、ベース部材2は摺動側壁109に沿って摺動することと、係止リブ110に係合する爪27を備える爪部28及び案内突起部29等の複雑な形状を備えることが要請されるため、摺動特性、型開特性及び/またはガラス転移点が高い例えばポリアセタール樹脂、含弗素樹脂、高摺動アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂等を適用し、板部材3には通常のアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン樹脂等を適用することでできる。この材料選択は、必要とされる物性を適正に選択するだけではなく、ベース部材2に供する材料より安価な材料を板部材3に適用することにより、トータルとしてシャッター部材1の材料コストを低減できる効果も奏する。
上述の実施例では何れも、例えば光磁気ディスクを収納したカートリッジや、コンピュータのプログラム等を保存する磁気ディスクを収納したカートリッジのように、ベース部材2のケース部材100に対向する面(以下、摺動平板外側部と称す)にシャッター部材1を開閉するシャッターオープナ係合突起部を備えない平坦な場合について述べたが、本発明のカートリッジは摺動平板外側部にシャッターオープナ係合部を備える構成であっても適用できること勿論であると共に、シャッターオープナ係合部を備えることにより係合突出部32及び軸受部25の機械的強度も向上することができる。そこで、摺動平板外側部にシャッターオープナ係合部を備える実施例について説明する。図6は、本発明のカートリッジに適用できるベース部材の他の実施例に係る斜視図で、シャッターオープナ係合部50を備える構成が異なるが、基本的には上述の実施例で説明した各構成要素と同一の機能を備える。但し、摺動側板部22に備える切欠部23の切欠深さが上述の実施例より深いため、切欠部23の切欠範囲に入り込み係合する板部材3に備える係合突出部32の突出長さも等価的に大きく構成でき、係合突出部32の機械的強度及び回転軸33を備える係合突出部32の位置の自由度等を向上させることができる。また、シャッターオープナ係合部50を摺動平板外側部に備えるため、シャッターオープナ構成の簡略化と、シャッター部材1の開閉動作を確実にでき得る録再装置に対応することもできる。
上述の実施例では、回転軸断面34は円形形状で、軸受断面26は矩形の凹部について述べたが、他の形状を除外するものではなく、例えば回転軸断面34は円形形状で軸受断面26は三角形状、六角形状等の多角形形状であっても楕円形状であっても良く、例えば軸受断面26が矩形の凹部で回転断面34の形状が三角形状や六角形状等の多角形形状であっても適用でき、要するに回転軸33が軸受部25の内部で遊挿できる形状関係で、回転軸33が軸受部25から外れ難い形状関係であることが好ましく、それぞれの断面形状を自由に選択して用いることができる。この回転軸断面34と軸受断面34との形状の一実施例を次に説明する。
この実施例におけるベース部材2の構成を示す斜視図を図7に、また板部材3の構成を示す平面図を図8Aに、板部材3の構成の要部拡大図を図8Bに示す。図7は、図6と同様にシャッターオープナ係合部50を備え、切欠部23の切欠深さはシャッターオープナ50の頂上まで達し、その効果も同様である。図6と異なる点は、ベース部材2のシャッターオープナ係合部50上に備える天板部51、及び軸受案内部61及び軸受遊挿部62を備える軸受部60の構成である。天板部51はベース部材2を通って埃等の異物がカートリッジ内部に入り込むことを抑制する機能を備える。また、軸受案内部61は摺動側板部22の表面に摺動方向に略平行でmの間隔を介して対向する一対の辺を含む略長方形状で開口し、円形形状の軸受断面26を有する軸受遊挿部62と繋がっている。板部材3は図8Aに示すように、窓被覆部31の幅方向の略中央部から切欠部23の略切欠距離の長さだけ突出する係合突出部32、係合突出部32の端辺近傍に軸受遊挿部62に遊挿係合し板部材3を回転する回転軸71、回転軸71の他方の窓被覆部31の端辺近傍にはケース部材100に備えるシャッター押さえ部111に係合する押さえ係合部35を備える。押さえ係合部35は従来技術の他端部206及び上記何れの実施例における板部材3にも備え、板厚を窓被覆部31の例えば半分程度に薄くすることで、シャッター押さえ部111と摺動面106との隙間に収納される。図8Bは、図8AのG方向からの矢視拡大図で、回転軸71の詳細を示している。回転軸71は基本的には直径rの円形で、中心線から均等にlの距離を介して窓被覆部31の摺動面106に対して摺動する面に平行な平面で切断した切面72を一対備える。なお、図7における距離eは、摺動平板部21に略平行で摺動側板部23に略直交させた板部材3を軸受案内部61を介して軸受遊挿部62に挿入し、挿入後軸受遊挿部62に遊挿係合した回転軸71周りに板部材3を90°回動させるため、回動の際に係合突出部32の板厚及び/または回転軸71と係合突出部32の窓被覆部31の反対側の端辺との間隙fを吸収するために備える。すなわち、板厚や間隙fだけ回転軸71の回転中心からの距離が長くなるため、ベース部材2に距離eだけの空隙
を備えることとなる。なお、間隙fは必ずしも必須ではなく、係合突出部32の端辺に備えてもよい。また、回転軸71の直径r及び一対の切面72間の距離lと、軸受部60における間隔mとの関係は、r>m≧lとすればよいが、mとlとが等しい場合には板部材3をベース部材2に対して遊挿係合させる際に不要に力を加える必要があるため、m>lの関係が好ましい。また、rは軸受遊挿部62の直径以下であればよいが、等しい場合には軸受部60に板部材3を挿入後回転させる際に不要な力を要するため、rは軸受遊挿部62の直径未満とする方が好ましい。
図8Aおよび図8Bに示した係合突出部32と回転軸71との配置関係でも機能的には何等問題はないが、回転軸71の機械的強度を向上させるためには、例えば1mm程度の板厚の係合突出部32の側端面から連設する構成よりも、例えば2mm程度のリブを係合突出部32に備え、そのリブの側端面から回転軸71を備える構成にすると、回転軸71の機械的強度が向上するため好ましい。例えば図9Dに示した係合突出部32と図8Bに示した係合突出部32の板厚(紙面の横方向)を同一とすると、図9Dの回転軸71の直径r及び一対の説明72間の間隙l共に図8Bの構成よりも太くできることが分かる。
次に、図9A〜図9Dを参照して本発明のカートリッジに適用できるシャッター部材1の組立方法を説明する。なお、この組立方法は図9A〜図9Dで示した実施形態に限定されるものではなく、本発明のカートリッジに適応できる全てのシャッター部材1に共通すること勿論である。図9Aは、板部材3をベース部材2の軸受遊挿部62に挿入する工程を示し、図9Bは、挿入後板部材3を90°程度回転する工程を示し、図9Cは、回転してシャッター部材を組み立てた状態を示し、図9Dは、図9AのE部の拡大図である。図9Aに示したように、ベース部材2の摺動側板部22に直交しベース部材2の摺動方向に平行な方向に板部材3を配置し、軸受案内部61を介して板部材3を軸受遊挿部62に矢印F方向に挿入する。これは、図9Dに示した一対の切面72と軸受案内部61の開口とが略平行関係になり、前述したようにmとlとの寸法関係から容易に挿入できる。このようにして回転軸71を軸受遊挿部62に挿入した図9Bの状態から矢印Rの方向にベース部材2に対して板部材3を約90°回動すると、図9Cに示したようにシャッター部材が組み上がる。図9Cの状態ではベース部材2から板部材3を引き離す方向の力Gが軸受遊挿部62と回転軸71との間に作用しても、前述したようにrとmとの関係を満足するので、板部材3がベース部材2から引き抜かれることはない。また、図9Cの状態では板部材3は摺動側板部22の面と平行関係を維持できるため、摺動面106とも平行関係となり、ベース部材2の摺動動作に応じて窓被覆部31は摺動面106を自由に摺動できる構成が達成できる。同図に示したベース部材2の摺動側板部22は両方とも軸受部60を備えているため、図9A〜図9Cに示した工程を繰り返すことで図10に示したシャッター部材1が得られる。
なお、カートリッジにシャッター部材1を組み立てる際には、一般的にケース部材100にベース部材2を摺動係合させた後、板部材3を図9A〜図9Dを参照して説明した工程で挿入・回動させシャッター部材1とする。このようにしてシャッター部材1をケース部材100に組み込んだ後、窓被覆部31を湾曲させケース部材100のシャッター押さえ部111に填め込み、図11に示したカートリッジが組み上がる。このカートリッジのシャッター部材1を開放位置決め部108まで摺動すると、窓部105及び/または摺動面106と窓被覆部31とが摺接することなく、図12に示すように窓部105を開放した状態が得られる。このように本発明のカートリッジに適用できるシャッター部材1は、ケース部材100にベース部材2を摺動可能に填め込んだ後、板部材3の回転軸71をベース部材2の軸受部60に挿入するだけであるため、例えば特許文献2及び3に記載されているような融着に起因する課題が発生することなく、摺動特性及び窓部105の被覆性が極めて高いカートリッジを提供することができる。
なお、ベース部材2のシャッターオープナ係合部50には図13に示したように天板部51を備える構成にすると、ベース部材2と板部材3との係合面間隙から埃等の異物がカートリッジ内部に混入することを抑制できるため好ましい。さらに、図14に示したように位置決め部52を爪部28の爪27側に係止リブ110の厚み程度の間隙を介して配置すると、ベース部材2の爪部28とケース部材100の係止リブ110との係合を確実にできるため好ましい。
なお、上記実施例では、ベース部材2が軸受部25を有しており、板部材3が回転軸33を有しており、ベース部材2と板部材3との係合が、板部材3の回転軸33をベース部材2の軸受部25に回転自在に挿入することによってなされている例を説明した。しかし、本発明はこの例に限定されない。例えば、ベース部材2が回転軸を有しており、板部材3が軸受部を有しており、ベース部材2と板部材3との係合が、ベース部材2の回転軸を板部材3の軸受部に回転自在に挿入することによってなされてもよい。
図15は、本発明のカートリッジに適用できるシャッター部材1の他の実施例を示す斜視図である。図16は、図15におけるベース部材の斜視図である。図17は図15における板部材の斜視図である。
図15〜図17に示されるように、ベース部材2が回転軸333を有しており、板部材3が軸受部325を有しており、ベース部材2と板部材3との係合が、ベース部材2の回転軸333を板部材3の軸受部325に回転自在に挿入することによってなされてもよい。
本発明に係るカートリッジにおいては、ベース部材2と板部材3との係合の態様は問わない。ベース部材2と板部材3とが、ベース部材2から板部材3を取り外すことが可能なように係合されている限り、そのようなベース部材2と板部材3とを含むシャッター部材1は本発明の範囲内であるというべきである。さらに、そのようなシャッター部材1を含む任意のカートリッジもまた本発明の範囲内であるというべきである。
このように、本発明に係るシャッター部材1では、ベース部材2と板部材3とが、ベース部材2から板部材3を取り外すことが可能なように係合されている。このため、必要に応じて、ベース部材2から板部材3を取り外すことができる。例えば、ベース部材2から板部材3を取り外した状態で、情報媒体101の中心孔113にクリーニングキャップを装着し、そのクリーニングキャップを回転させることにより、情報媒体101をクリーニングするようにしてもよい。この場合、クリーニングキャップの回転は、手動で行われてもよいし、機械によって行われてもよい。このように、情報媒体101のクリーニングを容易に行うことができることは、ベース部材2から板部材3を取り外すことが可能なようにシャッター部材1が構成されていることの1つの利点である。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
本発明は、シャッター部材の摺動性が極めて高いカートリッジを実現できるため、カートリッジに収納した情報媒体に情報信号の授受を行う記録及び/再生装置で正確に作動す
ることができる。
図1は本発明の一実施例に係るシャッター部材の斜視図 図2は図1におけるベース部材の斜視図 図3は図1における板部材の斜視図 図4は本発明の他の実施例に係るベース部材の斜視図 図5は本発明の他の実施例に係るベース部材の斜視図 図6は本発明の他の実施例に係るベース部材の斜視図 図7は本発明の他の実施例に係るベース部材の斜視図 図8Aは本発明の他の実施例に係る板部材の構成を示す平面図 図8Bは本発明の他の実施例に係る板部材の構成の要部拡大図 図9Aは本発明のシャッター部材の組立方法における挿入工程を示す図 図9Bは本発明のシャッター部材の組立方法における回転工程を示す図 図9Cは本発明のシャッター部材の組立方法における組立完成状態を示す図 図9Dは図9Aの要部拡大図 図10は本発明の他の実施例に係るシャッター部材の斜視図 図11は本発明の一実施例に係るシャッター部材閉塞状態を示すカートリッジの平面図 図12は図11においてシャッター部材開放状態を示すカートリッジの平面図 図13は本発明の他の実施例に係るベース部材の斜視図 図14は本発明の他の実施例に係るベース部材の斜視図 図15は本発明の他の実施例に係るシャッター部材の斜視図 図16は図15におけるベース部材の斜視図 図17は図15における板部材の斜視図 図18はケース部材の斜視図 図19は従来のシャッター部材の一例を示す斜視図 図20Aは正常状態のシャッター部材の側面図 図20Bは角度が小さいシャッター部材の側面図 図20Cは角度が大きいシャッター歩合の側面図
符号の説明
1 シャッター部材
2 ベース部材
3 板部材
4 一体化板部
5 摺動係合側板部
21 摺動平板部
22 摺動側板部
23 切欠部
24 壁
25 軸受部
26 軸受断面
31 窓被覆部
32 係合突出部
33 回転軸
34 回転軸断面

Claims (12)

  1. ケース部材を含むカートリッジにおいて使用されるシャッター部材であって、
    前記ケース部材は、情報層を有する情報媒体を収納する媒体収納部と、前記情報層に対して記録動作または再生動作を行うヘッドが少なくとも進入可能なように構成された窓部とを含み、
    前記シャッター部材は、
    前記ケース部材の一側壁に沿って摺動可能に構成されたベース部材と、
    前記ベース部材に係合された板部材であって、前記ベース部材の摺動動作に応じて前記ケース部材の窓部を開閉可能なように構成された板部材と
    を備え、
    前記ベース部材と前記板部材とは、前記ベース部材から前記板部材を取り外すことが可能なように係合されている、シャッター部材。
  2. 前記ベース部材は、軸受部を有しており、
    前記板部材は、回転軸を有しており、
    前記ベース部材と前記板部材との係合は、前記板部材の回転軸を前記ベース部材の軸受部に回転自在に挿入することによってなされている、請求項1に記載のシャッター部材。
  3. ケース部材と、シャッター部材とを備えたカートリッジであって、
    前記ケース部材は、
    情報層を有する情報媒体を収納する媒体収納部と、
    前記情報層に対して記録動作または再生動作を行うヘッドが少なくとも進入可能なように構成された窓部と
    を含み、
    前記シャッター部材は、
    前記ケース部材の一側壁に沿って摺動可能に構成されたベース部材と、
    前記ベース部材に係合された板部材であって、前記ベース部材の摺動動作に応じて前記ケース部材の窓部を開閉可能なように構成された板部材と
    を含み、
    前記ベース部材と前記板部材とは、前記ベース部材から前記板部材を取り外すことが可能なように係合されている、カートリッジ。
  4. 前記ベース部材は、軸受部を有しており、
    前記板部材は、回転軸を有しており、
    前記ベース部材と前記板部材との係合は、前記板部材の回転軸を前記ベース部材の軸受部に回転自在に挿入することによってなされている、請求項3に記載のカートリッジ。
  5. 前記ベース部材は、
    前記ケース部材の一側壁に沿って前記ベース部が摺動する摺動方向に所定の長さと、前記摺動方向に直交する方向に所定の幅とを有する摺動平板部と、
    前記摺動平板部の幅方向の側端面から連設された摺動側板部であって、前記摺動平板部の長さ方向の略中央に切欠部を有する摺動側板部と
    を含み、
    前記板部材は、
    前記窓部を覆う窓被覆部と、
    前記窓被覆部から突出した係合突出部と
    を含み、
    前記回転軸は、前記係合突出部の前記摺動方向に平行な一対の端壁から突出するように設けられており、
    前記軸受部は、前記摺動側板部の前記切欠部に設けられている、請求項4に記載のカートリッジ。
  6. 前記切欠部をそれぞれ有する一対の摺動側板部が、前記摺動平板部の幅方向の側端面から連設されている、請求項5に記載のカートリッジ。
  7. 前記シャッター部材の開放動作の際にシャッターオープナと係合するシャッターオープナ係合部をさらに備え、前記摺動側板部の前記切欠部は、前記シャッターオープナ係合部まで延在する、請求項5に記載のカートリッジ。
  8. 前記回転軸は、前記窓被覆部に平行な平面で切断した一対の切面を備えた形状を有している、請求項5に記載のカートリッジ。
  9. 前記回転軸は、前記係合突出部のリブから突出するように設けられている、請求項5に記載のカートリッジ。
  10. 前記窓被覆部は、前記ケース部材と摺動する摺動面を有し、前記摺動面の表面に、微小凹凸加工したマット加工部が設けられている、請求項5に記載のカートリッジ。
  11. 前記窓被覆部の前記摺動方向に直交する端辺近傍であって、前記窓被覆部の所定の幅の範囲に、前記窓被覆部が前記ケース部材と摺動する摺動面から凹んだ凹部または前記端辺方向が薄いテーパー部の何れかが設けられている、請求項5に記載のカートリッジ。
  12. 前記ベース部材に適用する材料は、前記板部材に適用する材料に比べて、摺動特性またはガラス転移点の少なくとも何れか一方が高い材質である、請求項5に記載のカートリッジ。
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