JPWO2005077851A1 - 赤外波長域で蛍光を発するガラス組成物、およびこれを用いた信号光の増幅方法 - Google Patents

赤外波長域で蛍光を発するガラス組成物、およびこれを用いた信号光の増幅方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、ビスマスを発光元素とする発光強度が改善されたガラス組成物を提供する。このガラス組成物は、ビスマスと、ガラス網目形成体と、ジスプロシウム,エルビウム,イッテルビウム,ネオジム,ツリウム,ホルミウム,チタン,バナジウム,クロム,マンガン,鉄,コバルト,ニッケル,銅およびモリブデンから選ばれる少なくとも1種の元素(ただし、4価のチタンおよび3価の鉄を除く)とを含み、励起光の照射により上記ビスマスが発光種として機能して赤外波長域で蛍光を発するガラス組成物とし、上記少なくとも1種の元素の増感作用により発光強度を大きくする。

Description

本発明は、発光体、光増幅媒体等として機能するガラス組成物、およびこのガラス組成物を用いた信号光の増幅方法に関する。
赤外波長域で蛍光を発するガラスとしては、ネオジム,エルビウム,プラセオジム等の希土類元素が添加されたガラス組成物が研究されてきた。これに加え、近年、ビスマスを発光元素として含有するガラス組成物が提案されている。
特開2002−252397号公報には、ビスマスを発光元素とするBi−Al−SiOガラスからなる光ファイバが開示されている。この光ファイバを用いると、エルビウムをドープした従来の光ファイバよりも広い波長域で信号光を増幅できる。
特開2003−283028号公報には、上記成分に加え、2価金属酸化物を含むガラス組成物が開示されている。このガラス組成物は、2価金属酸化物の添加により、特開2002−252397号公報が開示するガラスと比較して熔融性に優れたものとなる。このガラス組成物を用いた光増幅器も、ビスマスを発光元素としているため、広い波長域で動作する。
これまで、ビスマスを発光元素とするガラス組成物は、増幅波長域の広さに着目されて開発されてきた。しかし、上記従来のビスマスを発光元素とするガラス組成物は、一般に使用されている励起波長である0.8μm帯および0.98μm帯、特に0.98μm帯による励起では、1.3μm帯での発光強度が十分に大きくならない。
そこで、本発明は、ビスマスと、ガラス網目形成体と、ジスプロシウム,エルビウム,イッテルビウム,ネオジム,ツリウム,ホルミウム,チタン,バナジウム,クロム,マンガン,鉄,コバルト,ニッケル,銅およびモリブデンから選ばれる少なくとも1種の元素(ただし、4価のチタンおよび3価の鉄を除く)とを含み、励起光の照射により上記ビスマスが発光種として機能して赤外波長域で蛍光を発するガラス組成物を提供する。
上記のとおり、4価のチタンおよび3価の鉄は上記少なくとも1種の元素からは除外されるが、ガラス組成物への添加を除外する趣旨ではない。4価のチタンおよび3価の鉄は、他の元素と同様、その含有は任意である。
発光元素としてビスマスを用いた従来のガラス組成物は、赤外波長域(赤外域)の広い波長範囲で蛍光を発しうるが、0.8μm帯および0.98μm帯での吸収が十分に大きくない。本発明のガラス組成物では、上記少なくとも1種の元素が励起光を吸収してそのエネルギーをビスマスに伝達するため、上記帯域で励起したときの1.3μm帯における発光強度が増加する。
図1は、光ファイバの光増幅特性評価用光学系の構成例を示す図であり、本発明の光増幅装置の構成例を示す図でもある。 図2は、本発明のガラス組成物による蛍光スペクトルの一例を示す図である。 図3は、本発明のガラス組成物を用いた光信号の増幅の一例を示す図である。 図4は、イッテルビウムの含有率と発光強度との関係を示す図である。 図5は、ビスマスの含有率と発光強度との関係を示す図である。
以下、成分の含有率を示す%表示はすべてモル%である。
Biは、本発明のガラス組成物が発光機能または光増幅機能を奏するために必須の元素である。Biは、発光機能を担いうる限り、その価数等に制限はなく、例えば三酸化ビスマス(Bi)、五酸化ビスマス(Bi)として含まれていればよい。Biの含有率が低すぎると赤外域における発光強度が弱くなりすぎてしまう。一方、Biの含有率が高すぎると、ビスマスイオン間の非輻射遷移速度の増大により、発光強度が低下する。Biの含有率は、Biに換算して、0.01〜15%、さらには0.01〜10%、特に0.01〜5%、が好ましい。最も好ましいBiの含有率は、Biに換算して、0.01〜2.0%である。
Biによる発光の強度を低下させる主な要因としては、Biの濃度が高くなるにつれて大きくなるいわゆる濃度消光と、Biの還元に伴うガラスの着色とが挙げられる。濃度消光を抑制するためには、Biの含有率を上記例示の程度に制限するとよい。Biの還元を抑制するためには、Bi以外の成分の調整が有効である。特に、Bi含有率が比較的高い場合には、アルカリ酸化物、アルカリ土類酸化物に代表されるBiの還元を促進する成分の含有率を制限するとよい。具体的には、Biの含有率を、Biに換算して、1.5%以上とする場合には、LiO+NaO+KO+MgO+CaO+SrO+BaO+ZnOで示される含有率の合計を20%以下、好ましくは15%以下、とすることが好ましい。Bi含有率が高い場合には、FeのようなBiの還元を抑制する成分をガラスに添加してもよい。
上記に列挙した少なくとも1種の元素は、増感作用を担う必須の元素であり、Dy3+,Er3+,Yb3+,Nd3+,Tm3+,Ho3+,Ti3+,V3+,V4+,V5+,Cr3+,Cr6+,Mn2+,Mn3+,Fe2+,Co2+,Ni2+,Cu,Cu2+,Mo3+およびMo4+から選ばれる少なくとも1種の陽イオンであることが好ましい。この元素の含有率が低すぎると十分な増感作用が得られず、含有率が高すぎると濃度消光現象がおこり、ビスマスによる発光が低下する場合がある。これを考慮すると、陽イオンの含有率は、酸化物に換算して、0.01〜12%、特に0.01〜8%、が好ましい。
陽イオンは、励起光の波長に応じて適宜選択するとよい。0.98μm帯(900〜1100nmの波長帯)の励起光を用いる場合には、Dy3+,Er3+,Yb3+,Ho3+,Ti3+,V3+,V4+,V5+,Cr3+,Cr6+,Mn2+,Mn3+,Fe2+,Co2+,Ni2+,Cu,Cu2+,Mo3+およびMo4+から選ばれる少なくとも1種の陽イオン、特にDy3+,Er3+,Yb3+およびCu2+から選ばれる少なくとも1種の陽イオンが適している。0.8μm帯(700〜900nmの波長帯)の励起光を用いる場合には、Dy3+,Er3+,Nd3+,Tm3+,Ho3+,Ti3+,V3+,V4+,V5+,Cr3+,Cr6+,Mn2+,Mn3+,Fe2+,Co2+,Ni2+,Cu,Cu2+,Mo3+およびMo4+から選ばれる少なくとも1種の陽イオン、特にDy3+,Er3+,Nd3+,Tm3+およびCu2+から選ばれる少なくとも1種の陽イオンが適している。
期待される増感作用を顕著にするためには、対象とする波長帯における吸収係数が大きい陽イオン、例えば0.05cm−1以上の吸収係数を有する陽イオン、を選択することが好ましい。上記に列挙した陽イオンは、対象とする波長帯の吸収係数を考慮して選択した。
以下、上記陽イオンの吸収係数をカッコ内に例示する(単位:cm−1):波長0.98μm帯において、Er3+(0.19),Yb3+(3.70),V3+,V4+およびV5+(19.00),Fe2+(22.86),Co2+(0.72),Ni2+(10.4),CuおよびCu2+(7.46),Mo3+およびMo4+(0.45);波長0.8μm帯において、Dy3+(0.20),Er3+(0.10),Nd3+(1.20),Tm3+(0.50),Ti3+(2.00),V3+,V4+およびV5+(9.00),Cr3+およびCr6+(0.14),Mn2+およびMn3+(1.50),Fe2+(13.33),Co2+(0.45),Ni2+(9.77),CuおよびCu2+(13.05),Mo3+およびMo4+(0.47)。なお、上記に列記した他の陽イオンも、700〜1100nmの少なくとも一部において0.05cm−1以上の吸収係数を有する。
これに対し、Fe3+,Pr3+,Ti4+は、波長0.98μm帯および0.8μm帯における吸収係数が0であるため、増感作用を期待して添加する陽イオンとしては不適である。ただし、本発明のガラス組成物は、他の目的で、あるいは不可避的な不純物として、これらの成分を含んでいてもよい。
陽イオンの増感作用には、吸収係数以外にも陽イオンの含有率等が関与している。陽イオンの選択において吸収係数は主要な指標となるが、これのみにより増感作用の大きさが定まるわけではない。
本発明のガラス組成物におけるガラス網目形成体は、例えば酸素である陰イオンとともにガラス骨格を形成しうるものであれば特に制限はないが、ケイ素,リン,ホウ素およびゲルマニウムから選ばれる少なくとも1種が好ましく、ケイ素を主成分とすることが好ましい。本明細書において、主成分とは、含有率が最も高い成分をいう。ガラス網目形成体の含有率は、酸化物に換算して、30〜80%が好ましい。
ガラス網目形成体がケイ素(Si4+)を主成分とする場合の好ましいガラス組成を以下に例示する。カッコ内はより好ましい範囲である。
SiO:30〜80(40〜75)%、LiO:0〜40(0〜35)%、NaO:0〜30(0〜20)%、KO:0〜20(0〜15)%、MgO:0〜40(0〜30)%、CaO:0〜40(0〜30)%、SrO:0〜30(0〜20)%、BaO:0〜20(0〜15)%、Al:0〜40(0〜30)%、ZnO:0〜40(0〜35)%、TiO:0〜30(0〜20)%、ZrO:0〜30(0〜20)%、Y:0〜30(0〜20)%、La:0〜30(0〜20)%、B:0〜40(0〜30)%で示される成分を含み、LiO+NaO+KO+CaO+SrO+BaO+ZnO+Bが0.1〜60(10〜55)%の範囲にあり、かつ、Biに換算して0.01〜15(0.01〜10)%のビスマスと、Ybに換算して0.01〜12(0.01〜8)%のYb3+とをさらに含む組成。
特に好ましい組成は以下のとおりである。
SiO:50〜70%、LiO:0〜30%、NaO:0〜10%、KO:0〜10%、MgO:0〜20%、CaO:0〜20%、SrO:0〜10%、BaO:0〜10%、Al:0〜20%、ZnO:0〜30%、TiO:0〜10%、ZrO:0〜10%、Y:0〜10%、La:0〜10%、B:0〜20%で示される成分を含み、LiO+NaO+KO+CaO+SrO+BaO+ZnO+Bが15〜50%の範囲にあり、かつ、Biに換算して0.01〜5%、より好ましくは0.01〜2.0%、のビスマスと、Ybに換算して0.01〜5%、より好ましくは0.01〜2.0%、のYb3+とをさらに含む組成。
以下、本発明のガラス組成物の任意成分について説明する。
上記に例示した1価または2価の金属の酸化物はガラス化を容易にする。赤外域で発光するガラス組成物には、2価の金属の酸化物としてはMgOが、1価の金属の酸化物としてはLiOが、それぞれ好適である。特に、LiOは、熔解性を高めるとともにガラスの屈折率を高める。また、LiOの適量の添加は、光吸収強度を高め、赤外発光強度の増加に寄与する。本発明のガラス組成物は、MgOおよびLiOから選ばれる少なくとも一方を例えば0.1%以上含有することが好ましい。
上記に例示したように、ガラス網目形成体の主成分としてケイ素を含むガラスでは、ガラス融液の粘性を下げ、ガラスを均質化するために、Bを例えば0.1%以上さらに添加してもよい。このように、本発明のガラス組成物は、複数種のガラス網目形成体を含んでいてよい。
Alは発光強度を増加させる好ましい成分である。必要に応じ、0.1%以上のAlを添加してもよい。しかし、Alの含有率が高すぎるとガラス原材料の熔解性が悪化し、ガラスが失透しやすくなるため、上記の範囲にとどめておくとよい。
2価金属酸化物MO(MO=MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)および1価金属酸化物RO(RO=LiO+NaO+KO)は、ガラス化の容易のためには少なくとも3%を添加することが好ましい。MO+ROの含有率の増加に従ってガラスの均質化は容易になる、一方、MO+ROの含有率が40%を超えると失透が生じやすくなる。したがって、MO+ROの含有率は3〜40%、特に5〜35%が好ましい。
CaOは、MgOと同様に原材料バッチの熔解性を高め、少量(例えば0.1%以上)であってもガラスの耐失透性を高める。しかし、MgOも同様であるが、CaOは、その含有率が高すぎると、ガラスが濃褐色を示し、発光強度を低下させる。SrOも、MgO、CaOと同様、原材料バッチの熔解性を高め、少量(例えば0.1%以上)であってもガラスの耐失透性を大幅に改善する。しかし、SrOは、ビスマスによる発光の強度を急激に低下させる作用が強い。BaOも、MgO、CaOと同様、原材料バッチの熔解性を高める。BaOは、他の2価金属の酸化物よりも屈折率を高める効果が高い。屈折率が高くなるとガラス表面の光沢も強くなるため、ガラスの発色も強まる。このため、BaOは例えば0.1%以上の範囲で添加するとよい。しかし、BaOは、発光強度を急激に低下させる作用が強い。ZnOもまた原材料バッチの熔解性を高める。ZnOはCaO、SrO、BaOと比較して、ガラスを発色させる効果に優れている。ZnOは、MgOと比較して、ガラスの屈折率を高める作用にも優れている。これを考慮して少量(例えば0.1%以上)のZnOを添加してもよい。しかし、MgOと同様、ZnOの含有率が高すぎると、ガラスは濃褐色を示し、発光強度が低下する。ZnOの含有率が高すぎると、ガラスが分相して乳濁し、透明なガラスが得られなくもなる。以上を考慮して、上記2価の酸化物(MO)を添加する場合は、それぞれ上記に例示した範囲とするとよい。
NaOは、熔融温度とともに液相温度を低下させ、ガラスの失透を抑制する。しかし、NaOは、ガラスを濃褐色として発光を弱める作用が強い。KOは、液相温度を低下させ、ガラスの失透を抑制する。しかし、KOは、少量でもガラスの赤外域での発光を弱める。以上を考慮して、上記1価の酸化物(RO)を添加する場合は、それぞれ上記に例示した範囲とするとよい。
TiOは、ガラスの屈折率を高め、発光を助ける。BaOは発光強度を低下させる作用が強いが、TiOは逆に発光強度を高める効果を有する。しかし、TiOにはガラスを乳濁させる作用がある。ZrOは、TiOと同様、ガラスの屈折率を高め、赤外発光を助ける。しかし、ZrOは、ガラスの結晶化を促し、ガラスの密度を高める作用を有する。Yは、ガラスの粘性を下げる効果を有するが、ガラスを失透させる作用も有する。Laは、濃度消光を抑制する効果を有するが、屈折率を高くして結合損失を増大させる作用も有する。従って、これらの成分の添加量も、上記に例示した範囲とするとよい。
上記に例示したガラス組成物は、その他成分を含んでいてもよい。例えば、屈折率の制御、温度粘性特性の制御、失透の抑制等を目的として、Ta、NbおよびInを、好ましくは合計で5%以下となるように、含んでいてもよい。また例えば、熔解時の清澄、ビスマスの還元防止等を目的として、As、Sb、SO、SnO、Fe、ClおよびFを、好ましくは合計で1%以下となるように、含んでいてもよい。
なお、ガラスの原材料には、微量の不純物として上記以外の成分が混入することもある。しかし、これら不純物の合計の含有率が1%未満であれば、ガラス組成物の物性に及ぶ影響は小さく、実質上問題とならない。
上記程度にその他の成分を許容することを前提として、本発明のガラス組成物は、好ましい範囲を上記に例示した各成分から実質的に構成されていてもよい。
本発明は、別の側面から、本発明のガラス組成物を含む光ファイバ、および本発明のガラス組成物を含む光増幅装置を提供する。本発明は、さらに別の側面から、本発明のガラス組成物に励起光と信号光とを入射させ、この信号光を増幅する信号光の増幅方法を提供する。本発明のガラス組成物の特徴を活かすには、励起光の波長を700nm〜1100nm(700〜900nmまたは900〜1100nm)、さらには730nm〜880nmまたは930nm〜1070nm、特に750nm〜850nmまたは950nm〜1050nmとするとよい。信号光の波長は1100nm〜1650nm、さらには1150nm〜1570nm、特に1200nm〜1470nmが好ましい。本発明のガラス組成物は、光増幅装置に限らず、近赤外域広帯域光源等としても有用である。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。まず、ガラス組成物の特性の評価方法を説明する。
(蛍光スペクトル)
試料ガラスを切断し、20mm×30mm×厚さ3mmの平行平板になるように表面を鏡面研磨し、板状試料を作製した。この板状試料の蛍光スペクトルを、市販の分光蛍光光度計を用いて測定した。波長980nmの励起光について、蛍光の発光の波長は1000nm〜1600nmの範囲について測定した。なお、測定時の試料温度は室温とした。
(光ファイバ増幅実験)
図1に示した測定装置を用いて試料とする光ファイバの光増幅特性を測定した。
光増幅のエネルギー源となる励起光11の波長は980nm、増幅すべき信号光12の波長は1314nmとした。この装置では、励起光11および信号光12が、レンズ3により光ファイバ1のコアへの入射部分となる光ファイバ端2に導かれ、この付近で空間的に重なりながら光ファイバ1に入射する。光ファイバ1を透過してきた信号光13は励起光11により増幅されている。光ファイバ1の断面は鏡面になるように切断した。
励起光11および信号光12の光源21,22にはいずれも半導体レーザを用いた。励起光11と信号光12との合波は、波長選択反射鏡5を用いて行った。この反射鏡5は、信号光12は通過するが励起光11は反射するように構成した。
光ファイバ1から出射した信号光13はレンズ4を用いて光検出器23に導いた。光路の途中に、増幅された信号光13は透過するが励起光11を遮断するフィルタ6を挿入し、光検出器23では信号光13のみが検出されるようにした。検出された信号光13の強度はオシロスコープ24で測定した。信号光12のみを光ファイバ1に入射させたときの信号光13の強度と、励起光11とともに信号光12を光ファイバ1に入射させたときの信号光13の強度とを比較することにより、光増幅現象を確認できる。
図1に示した光学系では、励起光11の進行方向と信号光12の進行方向とを一致させたが、これに限らず、例えば両方の光の進行方向を逆方向としてもよい。励起光11と信号光12の合波は、信号光12を反射させ、励起光11を透過させる反射鏡を用いてもよく、反射鏡以外の手段を用いて行ってもよい。
図1に示した装置は、評価装置の例示であるとともに、本発明の光増幅装置の構成例でもある。上記に例示したように、光増幅装置には、本発明のガラス組成物とともに、励起光の光源および信号光の光源を設置するとよい。光増幅装置は、図示した構成に限らず、例えば信号光の光源に代えて信号入力用光ファイバを、光検出器に代えて信号出力用光ファイバを、それぞれ配置してもよい。また、励起光と信号光との合波・分波を、ファイバカプラ等を用いて行ってもよい。
(実施例1)
表1に示した各組成となるように、通常用いられる原料である酸化ケイ素、炭酸リチウム、三酸化ビスマス、酸化イッテルビウムを秤量して原材料バッチを調合した。
調合したバッチをアルミナルツボに投入して1500℃の電気炉中で4時間保持し、その後、鉄板上に流し出して冷却した。このガラスを500℃の電気炉中で30分保持した後、炉の電源を切り、室温まで徐冷して試料ガラス(サンプル1〜3)とした。
波長980nmの励起光を用い、これらの試料ガラスについて蛍光スペクトルを測定した。図2に結果を示す。サンプル1、2からは広い波長域で強い発光が得られた。サンプル3からも発光は確認できたが、その発光強度はサンプル1,2よりも遙かに低い。
(実施例2)
バッチの調合を変更した以外は実施例1と同様にして試料ガラスを作製し、実施例1と同様にして蛍光を測定し、波長1310nmにおける発光強度を得た。サンプル11〜17の組成ではYbの含有率を変化させ(表2)、サンプル21〜27の組成ではBiの含有率を変化させた(表3)。Ybの含有率と発光強度との関係を図4に、Biの含有率と発光強度との関係を図5に、それぞれ示す。
図4によると、Ybの含有率が0.01〜2.0%の範囲で発光強度が増加した。また、図5によると、Biの含有率が0.01〜2.0%の範囲で発光強度が増加した。
(実施例3)
光ファイバを作製して光増幅特性を測定した。光ファイバのコアガラスの組成は、Si0:58.8%、LiO:7.8%、MgO:15.7%、CaO:7.8%、Al:7.8%、Bi:1.0%、Yb:1.0%とした。クラッドガラスは、コアガラスの組成からBiおよびYbを除いた組成とした。コア径は80μmとし、光ファイバの断面が鏡面になるように長さ95cmに切断して用いた。
図1に用いた装置を用い、波長1314nmの信号光を入射させながら、波長980nmの励起光を一定強度、一定周期でチョッパ(図1では図示省略)により断続照射すると、励起光が照射されている間、信号光の強度が増加した(図3参照)。励起光の照射により、信号光の強度は約65倍となった。
本発明によれば、広い波長域で発光するビスマスを発光元素とするガラス組成物を用い、利用価値が高い励起波長である0.8μm帯および0.98μm帯、特に0.98μm帯による励起により、1.3μm帯で高い発光強度を得ることができる。

Claims (14)

  1. ビスマスと、ガラス網目形成体と、ジスプロシウム,エルビウム,イッテルビウム,ネオジム,ツリウム,ホルミウム,チタン,バナジウム,クロム,マンガン,鉄,コバルト,ニッケル,銅およびモリブデンから選ばれる少なくとも1種の元素(ただし、4価のチタンおよび3価の鉄を除く)とを含み、
    励起光の照射により前記ビスマスが発光種として機能して赤外波長域で蛍光を発するガラス組成物。
  2. 前記少なくとも1種の元素が、Dy3+,Er3+,Yb3+,Nd3+,Tm3+,Ho3+,Ti3+,V3+,V4+,V5+,Cr3+,Cr6+,Mn2+,Mn3+,Fe2+,Co2+,Ni2+,Cu,Cu2+,Mo3+およびMo4+から選ばれる少なくとも1種の陽イオンとして含まれる請求項1に記載のガラス組成物。
  3. 前記陽イオンがYb3+である請求項2に記載のガラス組成物。
  4. Biに換算して、前記ビスマスを0.01〜15モル%の範囲で含む請求項1に記載のガラス組成物。
  5. Biに換算して、前記ビスマスを0.01〜2.0モル%の範囲で含む請求項4に記載のガラス組成物。
  6. 酸化物に換算して、前記少なくとも1種の元素を0.01〜12モル%の範囲で含む請求項1に記載のガラス組成物。
  7. Ybに換算して、前記イッテルビウムを0.01〜2.0モル%の範囲で含む請求項1に記載のガラス組成物。
  8. 前記ガラス網目形成体が、ケイ素,リン,ホウ素およびゲルマニウムから選ばれる少なくとも1種の元素である請求項1に記載のガラス組成物。
  9. 酸化物に換算して、前記ガラス網目形成体を30〜80モル%の範囲で含む請求項1に記載のガラス組成物。
  10. モル%により表示して、
    SiO 30〜80
    LiO 0〜40
    NaO 0〜30
    O 0〜20
    MgO 0〜40
    CaO 0〜40
    SrO 0〜30
    BaO 0〜20
    Al 0〜40
    ZnO 0〜40
    TiO 0〜30
    ZrO 0〜30
    0〜30
    La 0〜30
    0〜40
    で示される成分を含み、
    LiO+NaO+KO+CaO+SrO+BaO+ZnO+Bが0.1〜60モル%の範囲にあり、かつ、
    Biに換算して0.01〜15モル%のビスマスと、Ybに換算して0.01〜12モル%のYb3+とをさらに含む請求項1に記載のガラス組成物。
  11. Biに換算して0.01〜2.0モル%のビスマスと、Ybに換算して0.01〜2.0モル%のYb3+とを含む請求項10に記載のガラス組成物。
  12. 請求項1に記載のガラス組成物を含む光ファイバ。
  13. 請求項1に記載のガラス組成物を含む光増幅装置。
  14. 請求項1に記載のガラス組成物に励起光と信号光とを入射させ、前記信号光を増幅する信号光の増幅方法。
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