JPWO2005059933A1 - 変位素子 - Google Patents

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Abstract

電気的に駆動されることによって変位する変位部材の、初期状態での位置を安定させ、変位部材に対する位置制御性を優れたものとする。その固定端部(15)が固定部(17)に固定される、片持ち梁(12,13)と、片持ち梁の自由端部(18)に固定される、連結部材(19)と、その基端部(20)が連結部材に固定されかつ片持ち梁とは平行に折り返すように延びる、折り返し梁(14)と、折り返し梁の先端部(21)に固定される、変位部材(22)とを備える。片持ち梁(12,13)と折り返し梁(14)とは、互いに同じ積層構造かつ互いに同じ幾何学的形態を有し、さらに、長手方向寸法が互いに等しくされる。作製直後の初期状態において、片持ち梁(12,13)と折り返し梁(14)とに反りが生じていたとしても、これらの反りは互いに同等であるので、変位部材(22)の高さ位置は、一定に保つことができる。

Description

この発明は、変位素子に関するもので、特に、所定の部位を変位させるため、電気的駆動により撓むように構成された梁を備える、変位素子に関するものである。
この発明にとって興味ある従来の変位素子として、たとえば図14に示すようなものがある(たとえば、特許文献1参照)。
図14に示した変位素子1は、可変容量素子を構成するもので、基板2に対して、支持部3を介して一方の端部が固定された、片持ち梁4を備えている。片持ち梁4は、下から順に、可動電極5、絶縁体層6、第1圧電電極7、圧電体層8および第2圧電電極9を積層した構造を有している。他方、基板2には、片持ち梁4に備える可動電極5に対して、誘電体としての空気層を介して対向する固定電極10が設けられている。
このような変位素子1において、第1圧電電極7と第2圧電電極9との間に電圧を印加すれば、圧電体層8が逆圧電効果に基づいて歪む。その結果、片持ち梁4が撓み、可動電極5と固定電極10との距離が変更され、可動電極5と固定電極10との間に形成される静電容量が変更される。
上述した変位素子1によって構成される可変容量素子において、静電容量値の正確かつ高精度な制御のためには、初期状態において、片持ち梁4に反りが生じていないことが重要である。
しかしながら、片持ち梁4における積層構造を与える複数の機能材料層5〜9の各々は、成膜方法または成膜条件等に起因して互いに異なる大きさの内部応力を持つため、作製直後において、片持ち梁4は反った状態となることがあり、また、反りの度合いについても、一定しないことが多い。さらに、片持ち梁4を構成する機能材料層5〜9は、各々、互いに異なる材料から構成されているため、温度変化が生じた場合、熱膨張係数の違いによる熱応力が発生し、その結果、片持ち梁4が反ってしまうこともある。
上述のような片持ち梁の反りの問題を解決し得るものとして、片持ち梁が有する積層構造を表裏対称とすることも提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
特許文献2では、図示しないが、静電引力を利用した可変容量素子が記載されている。片持ち梁は、表裏対称の積層構造を有しているため、片持ち梁の表裏面の各側に発生する応力は相互に相殺され、したがって、初期状態において、片持ち梁の反りが生じにくい構造となっている。
しかしながら、上記特許文献2において提案された表裏対称の構造を採用しても、片持ち梁において反りが生じないようにすることは、以下の理由により、容易ではない。
まず、片持ち梁の表裏対称な積層構造を与える複数の機能材料層をそれぞれ形成するにあたって、成膜条件を厳密に制御したとしても、機能材料層の膜厚が設計値からずれることがあり、結果として、厳密な意味での表裏対称な構造を実現できないことがある。
また、成膜工程では、通常、成膜されようとする機能材料層の膜質は、下地の影響を受けやすい。したがって、設計上は、同じ膜質の機能材料層を成膜しようとしても、下地の違いによって、異なる膜質となることがある。また、この下地の影響は、成膜が進むに従って弱くなるため、1つの機能材料層において、膜厚方向に膜質の分布が生じることがある。これらのことも、厳密な意味での表裏対称な構造を実現する上での障害となる。
さらに、上述のような表裏対称構造は、片持ち梁の設計の自由度を低下させるという問題をも引き起こす。
たとえば、1つの絶縁体層の表裏にそれぞれ導電体層を形成することによって、合計3層の表裏対称構造を実現している片持ち梁において、1つの機能材料層を追加したい場合には、表裏それぞれに、この機能材料層を追加することによって、合計5層の表裏対称構造としなければならない。
しかしながら、上述のように追加される機能材料層のうち、表裏いずれかの側にあるものについては、単に表裏対称構造を実現するためだけに形成されるものである。したがって、この機能材料層の形成のための作製工程数が増え、コストの上昇を招くという問題に遭遇する。
また、表裏対称構造を実現するためには、断面構造についてだけでなく、平面パターンについても、対称としなければならない。しかしながら、片持ち梁に求められる機能によっては、平面パターンを表裏対称とできない場合があり、そのため、片持ち梁の反りの問題は、表裏対称構造によっては単純に解決できないことがある。
特開平7−335491号公報 特開平9−63890号公報
そこで、この発明の目的は、上述したような問題を解決し得る変位素子を提供しようとすることである。
この発明に係る変位素子は、上述した技術的課題を解決するため、次のような構成を備えることを特徴としている。
この発明に係る変位素子は、一方の端部となる固定端部が固定部に固定される、片持ち梁と、片持ち梁の固定端部とは逆の自由端部に固定される、連結部材と、一方の端部となる基端部が連結部材に固定されかつ片持ち梁とは平行に折り返すように延びる、折り返し梁と、折り返し梁の基端部とは逆の先端部に固定される、変位部材とを備えている。
また、この発明に係る変位素子は、片持ち梁および折り返し梁が並ぶ面に対して実質的に垂直な方向に変位素子を変位させるため、片持ち梁および折り返し梁の少なくとも一方を撓ませるように電気的に駆動するための駆動手段を備えている。
上述した片持ち梁と折り返し梁とは、互いに同じ材料からなり、さらに、片持ち梁の、固定部と連結部材との間の長手方向寸法は、折り返し梁の、連結部材と変位部材との間の長手方向寸法と等しくされていることを特徴としている。
この発明において、通常、片持ち梁および折り返し梁は、ともに、互いに異なる材料からそれぞれなる複数の機能材料層を積層した構造を有している。この場合には、片持ち梁と折り返し梁とは、互いに同じ積層構造を有していることが好ましい。
また、片持ち梁と折り返し梁とは、互いに同じ幾何学的形態を有していることが好ましい。
この発明において、片持ち梁として、互いの間に間隔を隔てて互いに平行に延びる第1および第2の片持ち梁を備えるとともに、折り返し梁は、これら第1および第2の片持ち梁の間に配置されることが好ましい。
この発明に係る変位素子は、特に駆動手段に関して、いくつかの実施態様がある。たとえば、第1の実施態様では、圧電体の逆圧電効果または電歪効果を利用する駆動手段を備え、第2の実施態様では、電磁力を利用する駆動手段を備え、第3の実施態様では、静電引力を利用する駆動手段を備えている。
この発明に係る変位素子は、一例として、可変容量素子を構成するために有利に用いられる。この場合、変位部材上に設けられる第1の容量電極と、第1の容量電極に対して静電容量を形成するように空気層を隔てた位置に固定的に設けられる第2の容量電極とをさらに備え、変位部材の変位によって静電容量が変更されるように構成される。
この発明に係る変位素子は、また、光スイッチを構成するために用いられることもある。この場合、変位部材上に設けられるミラーをさらに備え、変位部材の変位によって光路が変更されるように構成される。
この発明に係る変位素子では、片持ち梁と折り返し梁とが互いに同じ材料からなり、かつ、片持ち梁の、固定部と連結部材との間の長手方向寸法が、折り返し梁の、連結部材と変位部材との間の長手方向寸法と等しくされているので、仮に、変位素子の作製後の状態、すなわち初期状態において、片持ち梁に反りが生じているとすると、これと同じ材料からなる折り返し梁においても、同様の反りが生じ、また、反りの方向および度合いは、片持ち梁と折り返し梁とで互いに等しくすることができる。
その結果、この発明に係る変位素子によれば、初期状態における変位部材の位置を、片持ち梁および折り返し梁の各々の反りの状態に関わらず、一定にすることができ、また、温度変化が生じても、この変位部材の位置を維持することができる。
この発明において、片持ち梁および折り返し梁が、ともに、互いに異なる材料からそれぞれなる複数の機能材料層を積層した構造を有している場合には、片持ち梁と折り返し梁とが互いに同じ積層構造を有するようにさえすれば、積層構造を変更しても、前述したように、変位部材を一定の位置に制御することができる。したがって、積層構造での設計の自由度を高めることができる。
この発明において、片持ち梁と折り返し梁とが、互いに同じ幾何学的形態を有していると、前述したような片持ち梁と折り返し梁との各々の反りの度合いを互いに等しくすることが容易であり、また、反りの度合いを互いに等しくすることについての信頼性をより高めることができる。
この発明において、片持ち梁として、互いの間に間隔を隔てて互いに平行に延びる第1および第2の片持ち梁を備えながら、折り返し梁が、第1および第2の片持ち梁の間に配置されると、折り返し梁および変位部材を、第1および第2の片持ち梁によって、より安定的に保持することができる。したがって、変位素子の機械的強度および動作安定性についての信頼性をより高めることができる。
この発明に係る変位素子が、可変容量素子を構成する場合には、静電容量値を高精度に制御できる可変容量素子を実現することができ、光スイッチを構成する場合には、ミラー位置を高精度に制御できる光スイッチを実現することができる。
図1は、この発明に係る変位素子の、駆動手段を除く構成についての第1の実施形態を説明するためのもので、変位素子11の平面図である。 図2は、図1に示した変位素子11の片持ち梁12および13ならびに折り返し梁14において生じ得る反りを説明するためのもので、(a)は、図1の切断面A−Aに沿う切断部端面図であり、(b)は、図1の切断面B−Bに沿う切断部端面図である。 図3は、この発明に係る変位素子の、駆動手段を除く構成についての第2の実施形態を説明するためのもので、変位素子11aの平面図である。 図4は、この発明に係る変位素子の、駆動手段を除く構成についての第3の実施形態を説明するためのもので、変位素子11bの平面図である。 図5は、この発明に係る変位素子の、駆動手段を除く構成についての第4の実施形態を説明するためのもので、変位素子11cの平面図である。 図6は、この発明に係る変位素子の、駆動手段を除く構成についての第5の実施形態を説明するためのもので、変位素子11dの平面図である。 図7は、この発明に係る変位素子の、駆動手段についての第1の実施形態を説明するためのもので、(a)は、変位素子31の平面図であり、(b)は、(a)の線B−Bに沿う拡大断面図である。 図8は、図7に示した変位素子31の動作を説明するためのもので、図7(a)の矢印A方向から示した図である。 図9は、図7および図8に示した変位素子31の変形例としての変位素子31aを説明するための図8に対応する図である。 図10は、図7に示した変位素子31の好ましい一適用例としての可変容量素子41を説明するためのもので、(a)は、可変容量素子41の平面図であり、(b)は、(a)の切断面B−Bに沿う切断部拡大端面図である。 図11は、図7に示した変位素子31の好ましい他の適用例としての光スイッチ61を示す平面図である。 図12は、この発明に係る変位素子の、駆動手段についての第2の実施形態を説明するためのもので、変位素子71の平面図である。 図13は、この発明に係る変位素子の、駆動手段についての第3の実施形態を説明するためのもので、(a)は、変位素子91の平面図であり、(b)は、(a)の切断面B−Bに沿う切断部拡大端面図である。 図14は、この発明にとって興味ある従来の変位素子1を示す断面図である。
符号の説明
11, 11a,11b,11c,11d,31,31a,71,91 変位素子
12 第1の片持ち梁
13 第2の片持ち梁
14,14a,14b 折り返し梁
15 固定端部
16 基板
17 固定部
18 自由端部
19,19a,19b 連結部材
20 基端部
21 先端部
22 変位部材
34 下部電極層
35 圧電体層
36 上部電極層
37,38,42,43 引出電極
41 可変容量素子
44 第1の容量電極
47,100 ブリッジ部材
49,50 第2の容量電極
53,102 空気層
61 光スイッチ
62 ミラー
63〜65 光ファイバ
72,92,98 絶縁体層
73,93 導電体層
74, 75, 94,95,99,103 電極パッド
76 通電体
77,78,96,104 接続ライン
79,80,97 ダミーライン
81 磁石
図1および図2は、この発明に係る変位素子の、駆動手段を除く構成についての第1の実施形態を説明するためのものである。ここで、図1は、変位素子11の平面図であり、図2(a)は、図1の切断面A−Aに沿う切断部端面図であり、図2(b)は、図1の切断面B−Bに沿う切断部端面図である。
変位素子11は、互いの間に間隔を隔てて互いに平行に延びる第1および第2の片持ち梁12および13、ならびに第1および第2の片持ち梁12および13の間に配置される折り返し梁14を備えている。
第1および第2の片持ち梁12および13は、各々の一方の端部となる固定端部15が、基板16の一部によって与えられる固定部17に固定される。
第1および第2の片持ち梁12および13の各々の固定端部15とは逆の自由端部18には、共通の連結部材19が固定される。
折り返し梁14は、その一方の端部となる基端部20が上述の連結部材19に固定されかつ片持ち梁12および13とは平行に折り返すように延びる。
折り返し梁14の基端部20とは逆の先端部20には、変位部材22が固定される。
前述した固定部17を与える基板16には、貫通孔23が設けられ、第1および第2の片持ち梁12および13、折り返し梁14、連結部材19ならびに変位部材22は、貫通孔23内に位置される。
また、具体的には図示しないが、変位素子11は、片持ち梁12および13ならびに折り返し梁14が並ぶ面に対して実質的に垂直な方向に変位部材22を変位させるため、片持ち梁12および13と折り返し梁14との少なくとも一方を撓ませるように電気的に駆動するための駆動手段を備えている。駆動手段としては、後述する実施形態から明らかになるように、たとえば、圧電体の逆圧電効果または電歪効果を利用する駆動手段、電磁力を利用する駆動手段、または、静電引力を利用する駆動手段が用いられる。
さらに、変位素子11は、次のような特徴的構成を備えている。
第1および第2の片持ち梁12および13の各々の、固定部17と連結部材19との間の長手方向寸法は、互いに同じであるとともに、これら片持ち梁12および13の各々の、固定部17と連結部材19との間の長手方向寸法は、折り返し梁14の、連結部材19と変位部材22との間の長手方向寸法と等しくされている。
また、第1および第2の片持ち梁12および13が、互いに同じ材料から構成されるばかりでなく、これら片持ち梁12および13と折り返し梁14とについても、互いに同じ材料から構成される。図示しないが、通常、片持ち梁12および13ならびに折り返し梁14は、ともに、互いに異なる材料からそれぞれなる複数の機能材料層を積層した構造を有している。この場合において、片持ち梁12および13と折り返し梁14とが互いに同じ材料からなるということは、片持ち梁12および13と折り返し梁14とが互いに同じ積層構造を有していることになる。
特に、この実施形態では、片持ち梁12および13と折り返し梁14とは、上述した積層構造としてとらえられる断面上での形態のみならず、平面的形態をも含めた幾何学的形態が互いに同じとされている。
なお、上述したような片持ち梁12および13ならびに折り返し梁14についての材料および形態の同一は、片持ち梁12および13の各々では、固定部17と連結部材19との間に位置する部分についてのことであり、折り返し梁14では、連結部材19と変位部材22との間に位置する部分についてのことである。したがって、片持ち梁12および13の各々の、固定部17および連結部材19の各々上に位置する部分や、折り返し梁14の、連結部材19および変位部材22の各々上に位置する部分については、その材料および形態の同一は特に要求されるものではない。
また、上述のことに関連して、片持ち梁12および13ならびに折り返し梁14の各々の、連結部材19上に位置する部分は、連結部材19と一体化された状態となっていてもよい。また、片持ち梁12および13の各々の、固定部17上に位置する部分は、固定部17と一体化された状態となっていてもよい。さらに、折り返し梁14の、変位部材22上に位置する部分は、変位部材22と一体化された状態となっていてもよい。
連結部材19および変位部材22は、ヤング率の比較的大きい材料からなることが好ましい。また、基板16、連結部材19および変位部材22は、片持ち梁12および13ならびに折り返し梁14と比較して、その厚み方向寸法が大きくされることが好ましい。さらに、変位部材22は、基板16と同じ材質からなり、かつ同じ厚み方向寸法であることが好ましい。
図2(a)には、その作製直後の初期状態にある第1の片持ち梁12が示され、図2(b)には、その作製直後の初期状態にある折り返し梁14が示されている。なお、図2には、第2の片持ち梁13については図示されないが、第2の片持ち梁13は、第1の片持ち梁12と実質的に同様の挙動を示す。したがって、以下には、第1の片持ち梁12についての説明を行なうが、第2の片持ち梁13においても同様の挙動が生じているものと理解すべきである。
図2(a)および(b)の各々に破線で示すように、作製直後の初期状態において、片持ち梁12および折り返し梁14に反りが生じることがある。この反りは、片持ち梁12および折り返し梁14を構成する材料が有する内部応力、より特定的には、積層構造を与える機能材料層の各々の材料が有する内部応力によって発生する。そして、各機能材料層の材料が有する内部応力の大きさおよび方向ならびに弾性定数によって、反りの方向と度合いが変わる。
また、温度変化によっても、反りが生じる。この温度変化による反りは、片持ち梁12および折り返し梁14を構成する機能材料層の各々の熱膨張係数の違いによって生じる熱応力に起因するもので、各機能材料層の材料の熱膨張係数および弾性定数によって、反りの方向および度合いが変わる。
しかしながら、片持ち梁12と折り返し梁14とは、互いに同じ材料からなり、かつ互いに同じ長手方向寸法を有しているので、特に、この実施形態では、互いに同じ積層構造を有し、かつ互いに同じ幾何学的形態を有しているので、図2(a)および(b)の各々において破線で示すように、片持ち梁12と折り返し梁14とは、互いに同じ反りの方向および度合いを示すことになる。
その結果、図2(a)に示すように、片持ち梁12の反りによって、連結部材19の位置に変動が生じたとしても、図2(b)に示すように、折り返し梁14が片持ち梁12と同等の反りを示すので、変位部材22については、その位置を一定に保つことができる。この実施形態では、変位部材22の上面は、基板16の上面と同じ高さに保つことができる。
このようなことから、変位素子11の、変位部材22に対する位置制御性を向上させることができる。
図3ないし図6は、この発明に係る変位素子の、駆動手段を除く構成についての第2ないし第5の実施形態を示す、図1に対応する図である。図3ないし図6において、図1に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図3に示した変位素子11aでは、第2の片持ち梁13が省略され、片持ち梁としては、第1の片持ち梁12のみを備えていることを特徴としている。図3に示した変位素子11aは、この発明に係る変位素子の最も基本的な構成のみを備えていると言える。
図4に示した変位素子11bは、図3に示した変位素子11aの場合と同様、第2の片持ち梁13が省略されているが、片持ち梁12および折り返し梁14の各々の平面形状が、長方形ではなく、楕円または長円形とされていることを特徴としている。図4に示した変位素子11bは、片持ち梁12および折り返し梁14の各々の平面形状については、これを任意に変更できることを明らかにすることに意義がある。
図5に示した変位素子11cは、図3に示した変位素子11aの場合と同様、第2の片持ち梁13が省略されているが、折り返し梁14の幅方向寸法が、片持ち梁12の幅方向寸法より小さくされていることを特徴としている。この実施形態は、片持ち梁12と折り返し梁14とが互いに同じ幾何学的形態を有していなくてもよいことを明らかにすることに意義がある。すなわち、片持ち梁12と折り返し梁14とは、各々の反りの度合いが互いに同じになるようにさえ設定されていれば、互いに同じ幾何学的形態を有していなくてもよい。
図6に示した変位素子11dは、折り返し梁として、第1および第2の折り返し梁14aおよび14bを備え、また、連結部材として、第1および第2の連結部材19aおよび19bを備えることを特徴としている。
より詳細には、第1の片持ち梁12の自由端部18には、第1の連結部材19aが固定され、第2の片持ち梁13の自由端部18には、第2の連結部材19bが固定される。また、第1の連結部材19aには、第1の折り返し梁14aの基端部20が固定され、第2の連結部材19bには、第2の折り返し梁14bの基端部20が固定される。そして、第1および第2の折り返し梁14aおよび14bの各々の先端部21には、共通の変位部材22が固定される。
なお、図6に示した変位素子11dでは、互いに分離した第1および第2の連結部材19aおよび19bを備えていたが、これら第1および第2の連結部材19aおよび19bに代えて、一体的な1つの連結部材が用いられてもよい。
図7および図8は、この発明に係る変位素子の、駆動手段についての第1の実施形態を説明するためのものである。ここで、図7(a)は、変位素子31の平面図であり、図7(b)は、図7(a)の線B−Bに沿う拡大断面図である。図8は、変位素子31の動作を説明するためのもので、図7(a)の矢印A方向から示した図である。
変位素子31は、図1に示した変位素子11が有する基本的構成を備えている。したがって、図7および図8において、図1に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
変位素子31では、駆動手段として、圧電体の逆圧電効果または電歪効果を利用する駆動手段が用いられることを特徴としている。
変位素子31において、基板16、連結部材19および変位部材22は、すべて、たとえば厚み200μmとされ、かつSiから構成される。
また、第1の片持ち梁12は、図7(b)に示すように、下から、たとえばAlからなりかつ厚み0.5μmの反応防止層32、たとえばTiからなりかつ厚み0.05μmの密着層33、たとえばPtからなりかつ厚み0.5μmの下部電極層34、たとえばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)からなりかつ厚み1μmの圧電体層35、および、たとえばAlからなりかつ厚み0.2μmの上部電極層36を厚み方向に積層した構造を有している。
図示しないが、第2の片持ち梁13および折り返し梁14についても、上述した第1の片持ち梁12と同じ積層構造を有している。
第1および第2の片持ち梁12および13のそれぞれにおいて形成された前述の下部電極層34は、引出電極37を介して互いに電気的に接続される。この引出電極37の一部は、図7(a)に示すように、基板16上において外部に露出するように形成される。
また、第1および第2の片持ち梁12および13のそれぞれにおいて形成された前述の上部電極層36は、引出電極38を介して互いに電気的に接続される。
次に、変位素子31の作製方法の一例について説明する。
まず、Siからなる基板16が用意される。この段階では、基板16には貫通孔23が形成されていない。
次に、基板16上に、反応防止層32となるAl 膜をスパッタリングまたは電子ビーム蒸着等の方法によって全面にわたって形成する。
次に、密着層33となるTi膜および下部電極層34となるPt膜を、順次、スパッタリングまたは電子ビーム蒸着等の方法によって全面に形成する。このPt膜は、引出電極37ともなるべきものである。
次に、圧電体層35となるPZT膜をスパッタリングまたはゾルゲル等の方法によって全面に形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術およびイオンミリング等の方法を用いて、上述のようにして形成されたPZT膜、Pt膜、Ti膜およびAl 膜をパターニングする。
次に、上部電極層36および引出電極38となるAl膜をリフトオフ等の方法によって形成する。
次に、フォトレジスト等からなるマスクパターンを、基板16の裏面上に形成した状態で、基板16の裏面側からRIE等の方法を適用して、基板16の不要部分を除去する。このとき、基板16に貫通孔23が形成され、連結部材19および変位部材22が、基板16の各一部によってそれぞれ与えられ、また、片持ち梁12および13ならびに折り返し梁14となるべき部分において、基板16が除去される。
以上のようにして、変位素子31を得ることができる。
次に、変位素子31の動作について、図7とともに、図8を参照して説明する。
図8では、片持ち梁12および13ならびに折り返し梁14は、作製直後の初期状態での反りが生じていないものとして図示されている。なお、片持ち梁12および13ならびに折り返し梁14が作製直後の初期状態において反りが生じていたとしても、前述したように、変位部材22は基板16と同じ高さ位置に保たれるので、反りが生じていない場合と同様の動作が実現される。また、図8においては、片持ち梁13および折り返し梁14が備える積層構造の図示が省略されている。
引出電極37および38の間に電圧を印加すると、片持ち梁12および13における圧電体層35に歪みが生じ、片持ち梁12および13が撓む。この実施形態では、圧電体層35が、片持ち梁12および13の厚み方向における比較的上層側にあり、電圧印加時にはPZTが縮む方向に歪むため、片持ち梁12および13は、電圧無印加時に比べて、図8に示すように、下に向かって凸になる方向に撓む。なお、図8では、第2の片持ち梁13に隠れて第1の片持ち梁12が図示されないが、第1の片持ち梁12と第2の片持ち梁13とは互いに同じ挙動を示す。
他方、折り返し梁14にあっては、そこに形成された圧電体層35には電圧が印加されないので、電圧無印加時の状態を維持する。
以上のような片持ち梁12および13ならびに折り返し梁14の各状態の結果として、連結部材19は、基板16より上方へ変位するとともに、その変位部材22側の端部を下方へ傾斜させる。そして、変位部材22は、片持ち梁12および13ならびに折り返し梁14が並ぶ面に対して実質的に垂直な方向に変位し、基板16の下方側に位置する。
以上のように、変位素子31によれば、初期状態での変位部材22の位置が安定しているので、変位部材22に対する位置制御性を良好なものとすることができる。
図9は、図7および図8を参照して説明した実施形態の変形例を説明するための図8に対応する図である。図9において、図8に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図7および図8を参照して説明した変位素子31では、電圧の印加によって、片持ち梁12および13が撓むように構成されたが、図9に示した変位素子31aでは、電圧の印加によって、折り返し梁14が撓むように構成されている。そのため、図示を省略するが、折り返し梁14における下部電極層34および上部電極層36の間に電圧が印加されるように構成される。
図9に示した変位素子31aでは、電圧印加時において、折り返し梁14が、たとえば下方に向かって凸になる方向に撓み、変位部材22が基板16より上方へ変位する。
なお、さらなる変形例として、図示しないが、片持ち梁12および13と折り返し梁14との双方が撓むように構成されてもよい。
図10は、図7に示した変位素子31の好ましい一適用例としての可変容量素子41を説明するためのものである。ここで、図10(a)は、可変容量素子41の平面図であり、図10(b)は、図10(a)の切断面B−Bに沿う切断部拡大端面図である。図10において、図7に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
可変容量素子41は、図7に示した要素に加えて、次のような要素を備えている。
まず、基板16上には、引出電極42および43が形成される。これら引出電極42および43は、たとえば、厚み0.05μmのTi膜を下地として形成された厚み0.95μmのAu膜によって与えられる。
また、変位部材22上には、第1の容量電極44が形成される。第1の容量電極44は、図10(b)によく示されているように、たとえば、厚み0.05μmのTi膜45を下地として、その上に形成された厚み1.95μmのAu膜46によって与えられる。
また、基板16の上面に対向するように、たとえばガラスからなるブリッジ部材47が固定的に配置される。ブリッジ部材47は、基板16に対して、ギャップ調整部材48を介して接合される。ギャップ調整部材48は、たとえばポリイミドからなり、4.3μmの厚みを有している。
ブリッジ部材47の下面には、前述した第1の容量電極44に対向する第2の容量電極49および50が並んで形成される。第2の容量電極49および50は、たとえば、厚み0.05μmのTi膜51を下地としながら、その上に形成された厚み0.45μmのAu膜52によって与えられる。第2の容量電極49および50は、第1の容量電極44に対して静電容量を形成するように空気層53を隔てた位置にある。
図10(a)において破線で示されているように、一方の第2の容量電極49は、引出電極42に電気的に接続され、他方の第2の容量電極50は、引出電極43に電気的に接続されている。これら第2の容量電極49および50と引出電極42および43との電気的接続には、たとえば導電性ペーストのような導電性接合材が用いられる。
次に、可変容量素子41の作製方法の一例について簡単に説明する。
可変容量素子41を作製するにあたっては、前述の図7に示した変位素子31を作製するための工程であって、最後の工程である、基板16の不要部分を除去する工程の前に、以下のような工程が追加される。
リフトオフ等の方法によって、基板16上に、引出電極42および43を形成するとともに、変位部材22上に第1の容量電極44を形成する。
次に、基板16上に、感光性ポリイミドを用いて、ギャップ調整部材48を形成する。
次に、引出電極42および43の各々の端部上に、たとえば銀を導電成分として含む導電性ペーストを塗布する。
次に、別に用意した、第2の容量電極49および50が既に形成されたブリッジ部材47を、基板16上のギャップ調整部材48上に置き、熱圧着により、これを固定する。
次に、可変容量素子41の動作について説明する。
この可変容量素子41においては、第1の容量電極44と一方の第2の容量電極49とによって形成される静電容量と第1の容量電極44と他方の第2の容量電極50とによって形成される静電容量とを合成した静電容量が得られ、この静電容量は、引出電極42および43から取り出すことができる。
引出電極37および38の間に電圧を印加していない状態では、変位部材22は、基板16と同じ高さ位置に保たれる。
引出電極37および38の間に電圧が印加されると、図8を参照して説明したように、変位部材22が下方へ変位し、第1の容量電極44と第2の容量電極49および50の各々との間隔が広くなり、引出電極42および43から取り出される静電容量が小さくなる。
この静電容量の変更度合いは、引出電極37および38間に印加される電圧の高さによって制御することができる。
このように、可変容量素子41によれば、引出電極37および38間に電圧を印加しない段階での変位部材22の位置を一定に保つことができるので、電圧を印加した際にもたらされる変位部材22の変位を高精度に制御することができ、その結果、静電容量を高精度に制御することができる。
図11は、図7に示した変位素子31の好ましい他の適用例としての光スイッチ61を示す平面図である。図11において、図7に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
光スイッチ61は、図7に示した要素に加えて、次のような要素を備えている。
まず、変位部材22上に、ミラー62が設けられる。このようなミラー62を備える光スイッチ61を作製するにあたっては、前述の図7に示した変位素子31を作製するための工程であって、最後の工程である、基板16の不要部分を除去する工程の前に、別に用意したミラー62を、変位部材22となるべき部分に取り付ける工程が実施されることが好ましい。
また、光スイッチ61は、ミラー62に関連して設けられる第1、第2および第3の光ファイバ63、64および65を備えている。これら第1ないし第3の光ファイバ63〜65の各々の位置および各々の間の位置関係は、第1の光ファイバ63から出力された光信号が、ミラー62で反射されたとき、第2の光ファイバ64へと至り、第1の光ファイバ63から出力された光信号の光路上にミラー62が存在しないときには、この出力光信号が第3の光ファイバ65に至るように設定されている。
次に、光スイッチ61の動作について説明する。
まず、引出電極37および38の間に電圧を印加していないときには、変位部材22は、基板16と同じ高さ位置に保たれる。この状態では、第1の光ファイバ63から出力された光信号は、ミラー62で反射され、第2の光ファイバ64へと伝送される。
他方、引出電極37および38間に電圧を印加すると、図8を参照して説明したように、変位部材22が下方へ変位し、ミラー62が、第1の光ファイバ63から出力される光信号の光路から外れるため、第1の光ファイバ63から出力された光信号は、第3の光ファイバ65へと伝送される。
このように、この発明に係る変位素子が光スイッチ61に適用されたとき、ミラー62の位置制御性を良好なものとすることができる。
図12は、この発明に係る変位素子の駆動手段についての第2の実施形態を説明するためのもので、変位素子71を示す平面図である。
変位素子71は、図1に示した変位素子11が有する基本的構成を備えている。したがって、図12において、図1に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
変位素子71では、駆動手段として、電磁力を利用する駆動手段が用いられることを特徴としている。
変位手段71において、基板16、連結部材19および変位部材22は、すべて、たとえば厚み200μmとされ、かつSiから構成される。
また、第1および第2の片持ち梁12および13ならびに折り返し梁14は、下から、たとえばポリイミドからなりかつ厚みが3μmの絶縁体層72、およびたとえば厚み0.05μmのTi膜を下地として、その上に形成された厚み0.5μmのCu膜をもって構成された導電体層73を厚み方向に積層した構造を有している。
より詳細には、上述の絶縁体層72は、片持ち梁12および13ならびに折り返し梁14を構成するように延びるだけでなく、基板16の固定部17上、連結部材19上および変位部材22上においても延びている。また、片持ち梁12および13ならびに折り返し梁14の各々を構成する絶縁体層72は、連結部材19上で延びる部分によって一体化されている。
導電体層73は、基板16上において2つの電極パッド74および75を与えるとともに、変位部材22上において、通電体76を与えている。導電体層73は、また、電極パッド74および通電体76間を接続する接続ライン77ならびに電極パッド75および通電体76間を接続する接続ライン78を備えている。さらに、導電体層73は、第1および第2の片持ち梁12および13の各々が、折り返し梁14と同じ積層構造かつ幾何学的形態を与えるようにするため、第1および第2の片持ち梁12および13上にそれぞれ形成されるダミーライン79および80を備えている。
次に、変位素子71の作製方法の一例について説明する。
まず、Siからなる基板16が用意される。この段階では、基板16には貫通孔23が形成されていない。
次に、基板16上に、たとえば感光性ポリイミドからなる絶縁体層72をパターニングされた状態で形成する。
次に、電極パッド74および75、通電体76、接続ライン77および78ならびにダミーライン79および80を含む導電体層73を、リフトオフ等の方法によって形成する。
次に、基板16に対して、その裏面側から、フォトレジスト等からなるマスクパターンを介してRIE等の方法を適用して、基板16の不要部分を除去する。このとき、基板16に貫通孔23が形成され、連結部材19および変位部材22が、基板16の各一部によってそれぞれ与えられ、また、片持ち梁12および13ならびに折り返し梁14となるべき部分において、基板16が除去される。
以上のようにして、変位素子71を得ることができる。
次に、変位素子71の動作について説明する。
まず、変位素子71に磁界が印加されず、かつ電極パッド74および75を通して通電体76に電流が流されない状態では、変位部材22は、基板16と同じ高さ位置に保たれる。
他方、図12に示すように、永久磁石または電磁石によって与えられる磁石81を用いて、この変位素子71に外部から基板16の面内方向に磁界を印加するとともに、電極パッド74および75を用いて通電体76に電流を流すと、通電体76の部分に電磁力が発生し、折り返し梁14、あるいは折り返し梁14ならびに片持ち梁12および13を撓ませ、その結果、変位部材22が上方または下方へ変位する。ここで、変位量および変位方向は、通電体76に流す電流の大きさおよび方向によって制御することができる。
このような変位素子71によれば、初期状態での変位部材22の位置が安定しているので、変位部材22に対する位置制御性を良好なものとすることができる。
図13は、この発明に係る変位素子の、駆動手段についての第3の実施形態を説明するためのものである。ここで、図13(a)は、変位素子91の平面図であり、図13(b)は、図13(a)の切断面B−Bに沿う切断部拡大端面図である。
変位素子91は、図1に示した変位素子11が有する基本的構成を備えている。したがって、図13において、図1に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
変位素子91では、駆動手段として、静電引力を利用する駆動手段が用いられることを特徴としている。
変位素子91において、基板16、連結部材19および変位部材22は、すべて、たとえば厚み200μmとされ、かつSiから構成される。
また、第1および第2の片持ち梁12および13ならびに折り返し梁14は、ともに、下から、絶縁体層92および導電体層93を厚み方向に積層した構造を有している。絶縁体層92は、たとえばポリイミドからなりかつ厚み3μmとされる。また、導電体層93は、厚み0.05μmのTi膜を下地とし、その上に0.45μmの厚みをもって形成されたAu膜によって与えられる。
より詳細には、絶縁体層92は、片持ち梁12および13ならびに折り返し梁14を構成する部分のみならず、基板16の固定部17上、連結部材19上および変位部材22上で延びる部分を備えている。また、片持ち梁12および13ならびに折り返し梁14の各々を構成する絶縁体層92は、連結部材19上で延びる部分によって一体化されている。
導電体層93は、基板16上であって、第2の片持ち梁13が延びる線上に位置する電極パッド94、変位部材22上に位置する電極パッド95、ならびに電極パッド94および95間を接続する接続ライン96を備えている。さらに、導電体層93は、第1の片持ち梁12を、第2の片持ち梁13および折り返し梁14の各々と同じ積層構造かつ幾何学的形態のものとするため、第1の片持ち梁12上に形成されるダミーライン97を備えている。
基板16上には、また、絶縁体層92と同じ材料からなりかつ同じ厚みの絶縁体層98が第1の片持ち梁12が位置する側に設けられる。また、絶縁体層98上には、導電体層93と同じ材料かつ同じ厚みの電極パッド99が形成される。
また、基板16の上面に対向するように、たとえばガラスからなるブリッジ部材100が固定的に配置される。ブリッジ部材100は、基板16に対して、ギャップ調整部材101を介して接合される。ギャップ調整部材101は、たとえばポリイミドからなり、7μmの厚みを有している。
ブリッジ部材100の下面には、前述した電極パッド95に対して空気層102を隔てて対向する電極パッド103およびこれに接続される接続ライン104が形成されている。これら電極パッド103および接続ライン104は、詳細には図示しないが、たとえば、厚み0.05μmのTi膜を下地としながら、その上に形成された厚み0.45μmのAu膜によって与えられる。
また、上述の接続ライン104は、前述した電極パッド99に、たとえば導電性ペーストのような導電性接合材を介して電気的に接続される。
次に、変位素子91の作製方法の一例について簡単に説明する。
まず、Siからなる基板16が用意される。この段階では、基板16には貫通孔23が形成されていない。
次に、基板16上に、感光性ポリイミドを用いて絶縁体層92および98を、それぞれ、パターニングされた状態で形成する。
次に、リフトオフ等の方法を用いて、電極パッド94および95、接続ライン96ならびにダミーライン97を備える導電体層93を形成するとともに、電極パッド99を形成する。
次に、感光性ポリイミドを用いて、ギャップ調整部材101を基板16上に形成する。
次に、電極パッド99の端部上に、たとえば銀を導電成分として含む導電性ペーストを塗布する。
次に、別に用意した、電極パッド103および接続ライン104が既に形成されたブリッジ部材100を、基板16上のギャップ調整部材101上に置き、熱圧着により、これを固定する。
最後に、フォトレジスト等からなるマスクパターンを、基板16の裏面上に形成した状態で、基板16の裏面側からRIE等の方法を適用して、基板16の不要部分を除去する。このとき、基板16に貫通孔23が形成され、連結部材19および変位部材22が、基板16の各一部によってそれぞれ与えられ、また、片持ち梁12および13ならびに折り返し梁14となるべき部分において、基板16が除去される。
以上のようにして、変位素子91を得ることができる。
次に、変位素子91の動作について説明する。
まず、電極パッド94および99の間に電圧が印加されない状態では、変位部材22は、基板16と同じ高さ位置に保たれている。
他方、電極パッド94および99の間に電圧を印加すると、空気層102を介して互いに対向している電極パッド95および103間に静電引力が発生する。これによって、折り返し梁14、あるいは折り返し梁14ならびに片持ち梁12および13が撓み、変位部材22を上方へ変位させることができる。この変位量は、電極パッド94および99間に印加される電圧の高さによって制御することができる。
このように、変位素子91によれば、初期状態での変位部材22の位置が安定しているので、変位部材22に対する位置制御性を良好なものとすることができる。
以上、この発明を、図示したいくつかの実施形態に関連して説明したが、この発明の範囲内において、その他、種々の変形例が可能である。
たとえば、変位素子の適用例としての可変容量素子や光スイッチは、上述した実施形態では、圧電体の逆圧電効果または電歪効果を利用する駆動手段を備える変位素子によって与えられたが、電磁力を利用する駆動手段または静電引力を利用する駆動手段を備える変位素子によって与えられてもよい。
また、変位素子は、可変容量素子または光スイッチ以外の用途に向けることもできる。
この発明に係る変位素子は、静電容量値を高精度に制御できる可変容量素子、またはミラー位置を高精度に制御できる光スイッチとして適用することができる。

Claims (9)

  1. 一方の端部となる固定端部が固定部に固定される、片持ち梁と、
    前記片持ち梁の前記固定端部とは逆の自由端部に固定される、連結部材と、
    一方の端部となる基端部が前記連結部材に固定されかつ前記片持ち梁とは平行に折り返すように延びる、折り返し梁と、
    前記折り返し梁の前記基端部とは逆の先端部に固定される、変位部材と、
    前記片持ち梁および前記折り返し梁が並ぶ面に対して実質的に垂直な方向に前記変位部材を変位させるため、前記片持ち梁および前記折り返し梁の少なくとも一方を撓ませるように電気的に駆動するための駆動手段と
    を備え、
    前記片持ち梁と前記折り返し梁とは、互いに同じ材料からなり、さらに、
    前記片持ち梁の、前記固定部と前記連結部材との間の長手方向寸法は、前記折り返し梁の、前記連結部材と前記変位部材との間の長手方向寸法と等しくされていることを特徴とする、
    変位素子。
  2. 前記片持ち梁および前記折り返し梁は、ともに、互いに異なる材料からそれぞれなる複数の機能材料層を積層した構造を有し、かつ、前記片持ち梁と前記折り返し梁とは、互いに同じ積層構造を有していることを特徴とする、請求項1に記載の変位素子。
  3. 前記片持ち梁と前記折り返し梁とは、互いに同じ幾何学的形態を有することを特徴とする、請求項1に記載の変位素子。
  4. 前記片持ち梁は、互いの間に間隔を隔てて互いに平行に延びる第1および第2の片持ち梁を備え、前記折り返し梁は、前記第1および第2の片持ち梁の間に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の変位素子。
  5. 前記駆動手段は、圧電体の逆圧電効果または電歪効果を利用する手段を備えることを特徴とする、請求項1に記載の変位素子。
  6. 前記駆動手段は、電磁力を利用する手段を備えることを特徴とする、請求項1に記載の変位素子。
  7. 前記駆動手段は、静電引力を利用する手段を備えることを特徴とする、請求項1に記載の変位素子。
  8. 前記変位部材上に設けられる第1の容量電極と、前記第1の容量電極に対して静電容量を形成するように空気層を隔てた位置に固定的に設けられる第2の容量電極とをさらに備え、前記変位部材の変位によって前記静電容量が変更される可変容量素子を構成することを特徴とする、請求項1に記載の変位素子。
  9. 前記変位部材上に設けられるミラーをさらに備え、前記変位部材の変位によって光路が変更される光スイッチを構成することを特徴とする、請求項1に記載の変位素子。
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