JPWO2005057084A1 - 乾留ガス処理用燃焼装置 - Google Patents

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Abstract

乾留ガスに含まれるダストが付着することによるノズルの詰りを防止することで炎の逆流を防ぎ、火災や爆発の危険性を減少させた燃焼装置を提供することを目的とする。 この目的を達成するために、乾留ガス処理用燃焼装置は、廃棄物の乾留処理で生じた乾留ガスを燃焼室に供給するガス管と、このガス管の先端部に燃焼用空気を供給する空気管とによって構成され、上記空気管は上記ガス管と同軸に挿通配置して空気管を中心とする二重管状に構成し、同ガス管の先端部に円環状の燃焼ノズルを形成した。

Description

本発明は、廃棄物の乾留処理によって発生する乾留ガスを燃焼して処理する燃焼装置に関する。
廃棄物を乾留炉で乾留処理し、その際に発生した乾留ガスを燃焼して無害化し、熱を取出して再利用する燃焼装置を備えた廃棄物処理システムとして、本願出願人による特許文献1(特開2001−108210号公報)がある。
前記文献記載の廃棄物処理システムは、乾留炉、不活性ガス生成設備、発生ガス処理設備を備えている。乾留炉で廃棄物を乾留処理し、その際に残った乾留残滓を不活性ガス生成設備に送って、乾留残滓から生成した不活性ガスは再び乾留炉に導入される。乾留処理で発生した乾留ガスは、発生ガス処理設備で燃焼され、熱として取出されて再利用されるか、あるいは、発生ガスの熱量が高いものは改質されて、油として回収される。
乾留ガスは、廃棄物の焼却により発生する燃焼ガスに比べてダストの混入が少ないことから、高温の燃焼雰囲気を維持しやすく、排ガス中のダイオキシンなどの濃度を低く抑えることができるなど、一般的な焼却処理に比べて排ガスの無害化やサーマルリサイクルの点で優れている。
また、このような廃棄物処理施設においては、火災や爆発を防止するための措置を講じることが義務付けられている。
乾留ガスを燃焼する場合に、従来のノズルでは、口径の小さいノズルを束ねて多孔式のガスノズルとしていた。このガスノズルの周りから、乾留ガスを高温で燃焼させるために燃焼室内へ導入して乾留ガスと混合させる燃焼用空気を導入する構成となっており、口径の小さいノズルを用いることで逆火を防ぐ構成となっていた。
しかし、廃棄物の種類は多様であるため、少量ながら乾留ガスには様々なダストが混入し、そのダストが供給口に付着して閉塞するという問題があった。また、単純に多孔式ガスノズルの口径を大きくしただけでは、供給口から炎が逆流して乾留炉に達して爆発を引き起こす、逆火が発生するおそれがあった。
また、乾留ガスの取入口や供給口では乾留ガスの流路の幅や向きが変わるため、流量や流速が変化し、乾留ガス中に含まれているダストがその態様を変えてゾル状の物質として壁面に付着しやすい。
長時間に及ぶ連続運転の間に、付着したゾル状の物質は時間の経過と共に固化して剥離困難になり、供給口が詰まるなどして燃焼室内へ供給される乾留ガスの流れを乱す原因となる。
また、乾留の対象となる廃棄物には様々なものがあるし、乾留ガスの発生量はその時々によって変わるため、燃焼室内へ供給される乾留ガスの供給量は大幅に変動する。その時に、供給口から供給される乾留ガスの流速が変化し、流れが乱れた部分から炎が逆流して逆火をおこすおそれがある。
本発明は、乾留ガスに含まれるダストが付着することによるノズルの詰りを防止することで炎の逆流を防ぎ、火災や爆発の危険性を減少させた燃焼装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1記載のごとく、
廃棄物の乾留処理で生じた乾留ガスを燃焼室に供給するガス管と、このガス管の先端部に燃焼用空気を供給する空気管とからなり、ガス管の先端部を燃焼ノズルとする乾留ガス処理用燃焼装置において、
上記空気管は上記ガス管と同軸に挿通配置して空気管を中心とする二重管状に構成し、同ガス管の先端部に円環状の燃焼ノズルを形成した。
請求項2記載のごとく、前記空気管をその軸線のまわりに回転可能に支持し、該空気管の外周面に刃先を接する掻出し刃を設けた。
請求項3記載のごとく、前記ガス管の先端部内周面に所定の角度で内方に傾斜する絞り部を形成し、傾斜部に対して前記空気管を前後方向に相対移動を可能に支持した。
図1は、本発明の乾留ガス処理用燃焼装置の側面図である。図2は、本発明の乾留ガス処理用燃焼装置の平面部分断面図である。図3は、図2のF−F断面図である。図4は、図2のA−A断面図である。図5は、図2のC−C断面図である。図6は、図5のB−B断面図である。図7は、図2のD−D断面図である。図8は、図2の平面要部拡大断面図である。図9は、前後移動装置の側面図である。
以下、本発明の詳細を図面を参照して説明する。図1は本発明の乾留ガス処理用燃焼装置1の側面図。図2は乾留ガス処理用燃焼装置1の平面部分断面図である。
乾留ガス処理用燃焼装置1はガス導入部3と空気導入部4に空気管5を挿通してなる。
ガス導入部3はガス管30とガス導入塔31からなり、ガス管30に空気管5を挿通して同一軸線上に配置して二重管に構成し、燃焼室20に挿通して燃焼ノズルを形成する。
空気導入部4は外筒40に空気導入筒43を接続してなり、空気管5に設けられた空気導入穴50を覆うように設置されている。
空気管5の後部下方には固定ベース10と、それに対向して可動ベース11が設けられている。可動ベース11は前後移動装置6を介して固定ベース10と接続されており、固定ベース10に対して摺動可能に構成されている。
可動ベース11には前部と後部に支持枠12と支持ローラー13が設けられており、図3に示すように、支持枠12に取付けられた計4個の支持ローラー13が空気管5に突設されたローラーガイド14を転動することで把持する。
また、図4に示すように、可動ベース11にはモーター15が設けられており、空気管5に設けられたガイド51に耐熱性を備えたベルト等の伝動体16をかけて、空気管5を回転可能に構成している。
図5はガス導入部3のC−C断面図である。図6はガス導入塔31のB−B断面図である。
ガス管30の外周部に導入塔31を接続してガス導入部3を形成する。ガス管30は燃焼炉2に設けられたノズル挿嵌口21に挿嵌されており、このガス管30に同軸に挿通して設置される空気管5との間に円環状間隙Aが形成される。
ガス導入塔31から導入された乾留ガスは、ガス管30と空気管5に囲まれた円筒状の間隙を流れ、ガス管30先端の円環状間隙Aから燃焼室20へと供給される。
ガス導入塔31からガス管30先端までの距離を、ガス密度や粘性流速に応じた必要な長さよりも長くとるほど、円環状間隙Aから噴出する乾留ガスの流れを一様に保ちやすくなるため、逆火のおそれをより低減できる。
ガス管30の外周にはファインダー35が接線方向に傾斜した状態で設けられており、ダストの付着状態を視認することができる。ファインダー35はガス導入塔31にも設けられている。さらに、ファインダー35には洗浄ノズル等を接続することもでき、乾留ガス雰囲気下にある管壁を洗浄することができる。
ガス導入塔31に設けられた刃保持部32には掻出し刃33が取付けられ、その刃先が空気管5の外周に接している。掻出し刃33は二段に配置されており、それぞれの段で掻出し刃33が互い違いになるように並べられている。空気管5の回転によってその外周に付着したダストを掻き落とす。
ガス導入塔31下部にはシールダンパー34を備えた溜め槽Bを設ける。図5および図6はスライド式のシールダンパー34により溜め槽Bを閉鎖して、乾留ガス雰囲気下のガス導入塔31から溜め槽Bを密閉した状態を示している。溜め槽Bには取出口が形成されており、燃焼装置の稼動中であってもシールダンパー34により溜め槽Bを閉鎖して掻き落とされた付着物を定期的に取出すことができる。シールダンパー34はスライド式だけでなく、バタフライ式などでもよい。
図7は空気導入部4のD−D断面図である。
空気導入部4は外筒40を構成する外筒上部41と外筒下部42、及び外筒下部42に一体的に接続される空気導入筒43からなる。空気管5には空気導入穴50が設けられており、図示例では空気管5の外周を五等分している。外筒上部41と外筒下部42とを接続して、前記空気導入穴50を覆っている。
空気導入筒43から導入された燃焼用空気は、空気導入穴50から空気管5内部に流入して、空気管5内を流れ、空気供給口52から燃焼室20に供給される。
この燃焼用空気と乾留ガスとが混合して燃焼し、二酸化炭素などの不活性ガスとなる。
図8はノズルの平面要部断面図である。
前記ガス管の先端部内周面に所定の角度で内方に傾斜する絞り部を形成している。図示例では、ノズル挿嵌口21の燃焼室側を角度αで内方に傾斜させているが、ガス管30の先端を内方に傾斜させて絞り部を形成しても良い。また、空気管5の先端にも前記角度αよりも小さい絞り角度βを設けており、両角度α、β、及び後述する前後移動装置6によって円環状間隙Aの開口幅を調節する。
ガス導入部3において、ガス管30の内壁にはパッキン留め36が設けられている。円環状間隙Aにカーボンなどに含浸して耐熱性と耐久性を備えたパッキン38を嵌め込み、押えフランジ37で押圧してパッキン38を圧着している。
また、空気導入部4においても、外筒上部41と外筒下部42との接合部や、空気管5と外筒40との接触部をパッキン38で密閉し、いわゆるスイベル構造を形成する。
乾留ガスや燃焼用空気は、有毒成分を含んでいたり非常に高温であったりするため、乾留ガス雰囲気や燃焼用空気雰囲気にある空間はパッキン38などで密閉され、外気と遮断する必要がある。また、乾留ガスや燃焼用空気は数百度に達するため、ベルトなどの伝動体16やパッキン38などは耐熱性、耐久性を備えている。
図9は前後移動装置6の側面図である。
前後移動装置6はハンドル付ネジ軸60を備えており、このハンドル付ネジ軸60を回して固定ベース10に対して可動ベース11を前後に移動させ、支持ローラー13を介して空気管5を進退させて、円環状の燃焼ノズルの開口幅を調節する。
以上のような構成により、本発明は以下に述べるように動作する。
ガス導入部3から導入された乾留ガスは、ガス管30と空気管5に囲まれた円筒状の間隙を流れ、乾留ガス処理用燃焼装置1先端の円環状間隙Aから燃焼室20へと供給される。
また、空気導入筒43から空気導入穴50を通じて空気管5内に導入された燃焼用空気は、空気管5先端の空気供給口52から燃焼室20へと供給され、乾留ガスと混合して燃焼する。
乾留ガスの発生量は廃棄物の種類や、状態によって大幅に変動するが、ガス管30の先端部に設けた角度α、及び絞り角度βと空気管5が備える前後移動装置6により、前記円環状間隙Aの広狭を調節することができ、供給する乾留ガスの流量や流速を一定に保つことができる。
ガス管30の外周に設けられたファインダー35により乾留ガスに含まれるダストの管壁への付着状態を視認することができる。ファインダー35には洗浄ノズル等を接続することも可能で、装置の稼動を休止して乾留ガス雰囲気下にある管壁を洗浄できるが、空気管5は可動ベース11に設けられた支持ローラー13、モーター15、及び伝動体16によって回転可能に構成されており、ガス導入部3に設けられた掻出し刃33が空気管5の外周に接しているため、乾留ガスの処理を継続しながら、空気管5の管壁に付着したダストを掻き落とすことができる。
掻き落とされたダストはガス導入塔31下部に設けられた溜め槽Bに集められ、定期的に、または継続的に取出すことができる。
ここで上述の燃焼用空気は、高温の水蒸気でも良い。高温水蒸気を乾留ガスに当てることで、乾留ガスが分解されて二酸化炭素などの不活性ガスが発生し、燃焼用空気と同様の効果が得られる。しかも、水蒸気は空気と違って窒素を含まないため、最終的に排気するガスの体積を大幅に減らすことができる。
請求項1に記載のごとく、二重管状に構成したことで、円環状の燃焼ノズルが得られ、乾留ガスの供給口の開口幅を十分にとることができるため、大流量の乾留ガスを均一に供給することが可能で、付着物によって供給口が閉塞するおそれが少なくなり、逆火がおきるおそれを低減できる。
請求項2記載のごとく、空気管を回転可能に構成したことで、長時間の連続運転の場合でも、管壁に付着したダストを常に掻出し刃で掻落として、供給口からの乾留ガスの流れを乱さず、一様に保つことができるため、逆火を防ぐことができる。
請求項3記載のごとく、空気管を前後方向に移動可能に構成したことで、乾留ガスの発生量の変化に応じて円環状の燃焼ノズルの開口幅を調節することができ、供給口からの乾留ガスの流速や流量を一様に保って、逆火を防ぐことができる。
【0002】
を束ねて多孔式のガスノズルとしていた。このガスノズルの周りから、乾留ガスを高温で燃焼させるために燃焼室内へ導入して乾留ガスと混合させる燃焼用空気を導入する構成となっており、口径の小さいノズルを用いることで逆火を防ぐ構成となっていた。
しかし、廃棄物の種類は多様であるため、少量ながら乾留ガスには様々なダストが混入し、そのダストが供給口に付着して閉塞するという問題があった。また、単純に多孔式ガスノズルの口径を大きくしただけでは、供給口から炎が逆流して乾留炉に達して爆発を引き起こす、逆火が発生するおそれがあった。
また、乾留ガスの取入口や供給口では乾留ガスの流路の幅や向きが変わるため、流量や流速が変化し、乾留ガス中に含まれているダストがその態様を変えてゾル状の物質として壁面に付着しやすい。
長時間に及ぶ連続運転の間に、付着したゾル状の物質は時間の経過と共に固化して剥離困難になり、供給口が詰まるなどして燃焼室内へ供給される乾留ガスの流れを乱す原因となる。
また、乾留の対象となる廃棄物には様々なものがあるし、乾留ガスの発生量はその時々によって変わるため、燃焼室内へ供給される乾留ガスの供給量は大幅に変動する。その時に、供給口から供給される乾留ガスの流速が変化し、流れが乱れた部分から炎が逆流して逆火をおこすおそれがある。
【発明の開示】
本発明は、乾留ガスに含まれるダストが付着することによるノズルの詰りを防止することで炎の逆流を防ぎ、火災や爆発の危険性を減少させた燃焼装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項2、3記載のごとく、


【0003】
廃棄物の乾留処理で生じた乾留ガスを燃焼室に供給するガス管と、このガス管の先端部に燃焼用空気を供給する空気管とからなり、ガス管の先端部を燃焼ノズルとする乾留ガス処理用燃焼装置において、
上記空気管は上記ガス管と同軸に挿通配置して空気管を中心とする二重管状に構成し、同ガス管の先端部に円環状の燃焼ノズルを形成する。
さらに、請求項2の発明は、上記空気管をその軸線のまわりに回転可能に支持し、該空気管の外周面に刃先を接する掻出し刃を設けた。
また、請求項3の発明は、ガス管の先端部内周面に所定の角度で内方に傾斜する絞り部を形成し、傾斜部に対して前記空気管を前後方向に相対移動を可能に支持した。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の乾留ガス処理用燃焼装置の側面図である。図2は、本発明の乾留ガス処理用燃焼装置の平面部分断面図である。図3は、図2のF−F断面図である。図4は、図2のA−A断面図である。図5は、図2のC−C断面図である。図6は、図5のB−B断面図である。図7は、図2のD−D断面図である。図8は、図2の平面要部拡大断面図である。図9は、前後移動装置の側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の詳細を図面を参照して説明する。図1は本発明の乾留ガス処理用燃焼装置1の側面図。図2は乾留ガス処理用燃焼装置1の平面部分断面図である。
乾留ガス処理用燃焼装置1はガス導入部3と空気導入部4に空気管5を挿通してなる。
ガス導入部3はガス管30とガス導入塔31からなり、ガス管30に


【0008】
空気と違って窒素を含まないため、最終的に排気するガスの体積を大幅に減らすことができる。
【産業上の利用可能性】
請求項2、3に記載のごとく、二重管状に構成したことで、円環状の燃焼ノズルが得られ、乾留ガスの供給口の開口幅を十分にとることができるため、大流量の乾留ガスを均一に供給することが可能で、付着物によって供給口が閉塞するおそれが少なくなり、逆火がおきるおそれを低減できる。
さらに、請求項2記載のごとく、空気管を回転可能に構成したことで、長時間の連続運転の場合でも、管壁に付着したダストを常に掻出し刃で掻落として、供給口からの乾留ガスの流れを乱さず、一様に保つことができるため、逆火を防ぐことができる。
請求項3記載のごとく、空気管を前後方向に移動可能に構成したことで、乾留ガスの発生量の変化に応じて円環状の燃焼ノズルの開口幅を調節することができ、供給口からの乾留ガスの流速や流量を一様に保って、逆火を防ぐことができる。


Claims (3)

  1. 廃棄物の乾留処理で生じた乾留ガスを燃焼室に供給するガス管と、このガス管の先端部に燃焼用空気を供給する空気管とからなり、ガス管の先端部を燃焼ノズルとする乾留ガス処理用燃焼装置において、
    上記空気管は上記ガス管と同軸に挿通配置して空気管を中心とする二重管状に構成し、同ガス管の先端部に円環状の燃焼ノズルを形成したことを特徴とする乾留ガス処理用燃焼装置。
  2. 前記空気管をその軸線のまわりに回転可能に支持し、該空気管の外周面に刃先を接する掻出し刃を設けたことを特徴とする請求項1記載の乾留ガス処理用燃焼装置。
  3. 前記ガス管の先端部内周面に所定の角度で内方に傾斜する絞り部を形成し、傾斜部に対して前記空気管を前後方向に相対移動を可能に支持したことを特徴とする請求項1記載の乾留ガス処理用燃焼装置。
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