JP2000146135A - 焼却炉および同焼却炉を備えた熱分解式焼却システム - Google Patents

焼却炉および同焼却炉を備えた熱分解式焼却システム

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JP2000146135A
JP2000146135A JP10315521A JP31552198A JP2000146135A JP 2000146135 A JP2000146135 A JP 2000146135A JP 10315521 A JP10315521 A JP 10315521A JP 31552198 A JP31552198 A JP 31552198A JP 2000146135 A JP2000146135 A JP 2000146135A
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JP
Japan
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chamber
pyrolysis
thermal decomposition
incinerator
main body
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Application number
JP10315521A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Matsushita
好宏 松下
Mitsunori Sugiyou
充則 須尭
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KANKYO SHIGEN ENGINEERING KK
Original Assignee
KANKYO SHIGEN ENGINEERING KK
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  • Incineration Of Waste (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば紙おむつ類や医療廃棄物などの熱分解
後に残渣物が生じる性状を有する廃棄物を熱分解したの
ち、連続して燃焼することにより焼却処理できるととも
に、熱分解室内で発生する熱分解ガスも燃焼させて処理
でき、焼却炉全体を一体式の炉にして小型軽量化が図
れ、製造コストも低減できる焼却炉を提供する。 【解決手段】 焼却炉本体1A内の燃焼室3の上部に、
密閉式の熱分解室2を設け、廃棄物を最初に熱分解室2
に投入し燃焼室3内の燃焼熱により間接加熱して無酸素
状態で熱分解すると同時に、熱分解室2内で発生する熱
分解ガスを燃焼室3内に導入して燃焼するようにしたの
ち、熱分解室2内の残渣物を下方の燃焼室3内に落下さ
せ、バーナ14により残渣物を燃焼して焼却するもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば感染性の
医療廃棄物や紙おむつ類、そのほか廃プラスチックなど
の石油化学系廃棄物を焼却して処理するための焼却炉お
よび同焼却炉を備えた熱分解式焼却システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の焼却炉あるいは焼却シス
テムは、一次燃焼室(乾留室)内で熱分解(乾留)し
たのちに引き続きそのまま二次燃焼させる焼却方式およ
び熱分解室内で熱分解したのち、残渣物を別個に設け
た焼却炉へ移して燃焼させる焼却方式の二つの方式が一
般的に採用されている。また、それらの従来の焼却方式
において、乾留(熱分解)時に生じる乾留ガス(熱分解
ガス)および二次燃焼時に生じる排ガスの浄化処理は、
各ガスを二次燃焼室内に導入して再燃焼させる方式が一
般的である。なお、具体的には、ロータリキルンによる
熱分解・燃焼方式や流動床式がある。
【0003】先行技術公報に、例えば特開平8−210
613号がある。同公報に記載の乾留式焼却炉は、炉本
体中央部の乾留室下部に該乾留室に連通する主煙道を設
けるとともに、乾留室の上部に主煙道に連通する二次燃
焼室を設け、乾留室と二次燃焼室とにそれぞれ設けたバ
ーナに着火して乾留室内を直接加熱して焼却物を乾留す
るとともに、乾留ガスを主煙道内で外気と混合させて燃
焼させたのち、その排ガスを二次燃焼室へ送って燃焼さ
せる構造からなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の一般的な焼却方式や上記公報に記載の乾留式焼
却炉には、次のような点で改良の余地がある。すなわ
ち、 石油化学系廃棄物は乾留(熱分解)時に塩素系成分
を含む乾留ガスが発生するが、この主のガスを従来は二
次燃焼室にて燃焼することにより処理されているもの
の、この燃焼処理の際に塩素系成分に酸素が反応してダ
イオキシン類が生成されるおそれがある。一方、二次燃
焼室の燃焼温度をダイオキシン類が分解される800℃
以上に上げたとしても、二次燃焼室内においての部分的
な温度低下による未乾留(未熱分解)あるいは排ガス経
路で温度低下によるダイオキシン類の再合成が生じると
いう問題がある。
【0005】 ロータリキルンにて熱分解・燃焼を行
う形式の場合、構造的にキルンの内部の空間容積(空間
率)が大きいためにそこに介在する空気中の酸素によっ
てダイオキシン類の発生を招きやすい。
【0006】 流動床式焼却システムは設備を構成す
る部材が多いために単位焼却処理量当たりの設備コスト
が高くなるために、小中規模の焼却処理には適さない。
また乾留(熱分解)・燃焼(一部溶融)の工程が共通の
燃焼室で行われることと空間率が大きいことにより、燃
焼室内に存在する空気中の酸素がダイオキシン類を生成
する原因になる。
【0007】 特開平8−210613号公報記載の
乾留式焼却炉は、乾留室が主煙道に連通しており、完全
に外気と遮断された状態での乾留は期待できない。ま
た、焼却物が溶融して乾留室の貯留槽に溜まって乾留さ
れる場合でも、すべてが乾留ガス化されずに残渣物が発
生する可能性があり、同乾留式焼却炉では残渣物を連続
して燃焼し効率よく焼却することができない。つまり、
残渣物をいったん乾留室から取り出して燃焼炉に入れる
必要があり、非常に手間がかかる。また紙おむつ類を焼
却する場合には乾留室上方の載置板上で焼却処理し、乾
留物質を滴下させて貯留槽に溜めて乾留するとともに、
非乾留物質は載置板上で焼却処理する構造のようである
が、乾留室から二次燃焼室に至る排出経路が狭くて制限
されているので、載置板上で非乾留物質を燃焼した際の
排ガスを焼却炉からスムーズには排出できない。いいか
えれば、載置板上の被乾留物質が不完全燃焼するおそれ
がある。
【0008】また二次燃焼室において乾留ガスあるいは
排ガスがバーナで燃焼され煙突から排出されるが、各ガ
ス中に塩素系成分が含まれていると、煙突を含む排出経
路で酸素と反応してダイオキシン類や塩酸などの有害物
質が生成されるおそれがある。いいかえれば、焼却炉か
らの排ガスを浄化処理するための装置については一切記
載されていない。
【0009】この発明は上述の点に鑑みなされたもの
で、例えば紙おむつ類や医療廃棄物などの熱分解(乾
留)後に残渣物が生じる性状を有する廃棄物を熱分解し
たのち、連続して燃焼することにより焼却処理できると
ともに、熱分解室内で発生する熱分解(乾留)ガスも
(望ましくは脱塩素処理した後)燃焼させて処理でき、
しかも焼却炉全体を一体式の炉にして小型軽量化が図
れ、製造コストも低減できる焼却炉を提供するととも
に、焼却炉からの排ガスを浄化して二次公害を防止でき
る熱分解式焼却システムを提供することを目的としてい
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めにこの発明に係る焼却炉は、焼却炉本体内の燃焼室の
上部に密閉式の熱分解室を設け、被焼却物を最初に前記
熱分解室に投入し前記燃焼室内の燃焼熱により間接加熱
して無酸素状態で熱分解すると同時に、前記熱分解室内
で発生する熱分解ガスを(望ましくは脱塩素処理後に)
前記燃焼室内に導入して燃焼するようにしたのち、熱分
解室内の残渣物を下方の前記燃焼室内に落下させ、灯油
バーナやガスバーナ等の燃焼装置により前記残渣物を燃
焼して焼却するものである。
【0011】上記の構成を有する請求項1に係る焼却炉
によれば、共通の焼却炉内に燃焼室とこの燃焼室および
外気とは完全に遮断された熱分解室とを備えることによ
り、廃棄物の熱分解作業と熱分解された廃棄物(炭化
物)の燃焼作業とを共通の焼却炉内において、熱分解室
内の残渣物を下方の燃焼室内に落下させることにより、
外部に取り出すことなく一連の作業工程として行うこと
ができるとともに、廃棄物の熱分解作業(工程)と燃焼
作業(工程)との両作業(工程)を並行して同時に行い
得るので、焼却作業の能率が向上する。とくに、熱分解
室内の空間率を最小限に抑えることができるので、熱分
解室を密閉したのち、この熱分解室内に残存する空気中
の酸素量がわずかであるから、熱分解作業を開始した直
後に水蒸気が発生し、すばやく残存空気が排除され、無
酸素雰囲気になるから、熱分解作業を確実に行える。そ
して、熱分解作業と同時に、熱分解室内で発生する熱分
解ガスを(望ましくは例えば水酸化ナトリウム水溶液に
て脱塩素処理したのち)燃焼室内で高温度で燃焼するこ
とができ、熱分解ガス中に残った有害物質を熱分解して
排気することができる。また、構造的に、共通の焼却炉
内に熱分解室を組み込んだことで、小型化および軽量化
が図れ、製造コストも低減される。
【0012】請求項2に記載のように、前記熱分解室本
体は横置きの円筒体からなり、前記焼却炉本体内に水平
な軸を中心に回転可能に支持され、熱分解室本体の円周
面の一部に投入口が開口され、該投入口は上向き位置で
前記熱分解室本体の上端部に形成された密閉蓋付きのシ
ュートの下端開口に連通密着するとともに、前記投入口
は下向きになるように熱分解室本体を反転可能に構成こ
とが望ましい。
【0013】請求項2記載の焼却炉によれば、熱分解室
本体の投入口が上向き状態と下向き状態になるように反
転(回転)可能に構成されているので、熱分解室内に投
入した廃棄物の熱分解作業が終了すると、熱分解室本体
を反転(180°回転)して投入口を下向きにするだけ
で、廃棄物を燃焼室に簡単にかつ瞬時に投入して燃焼す
ることができ、また熱分解室本体を反転(ほぼ180°
回転)することにより元の熱分解可能状態に簡単にかつ
瞬時に戻すことができる。
【0014】請求項3に記載のように、前記熱分解室本
体は円筒体からなり、円筒状周壁の外周が鋼管で補強さ
れ、該鋼管は前記熱分解室本体の両端を回転自在に支持
する中空回転支軸に連通され、各中空回転支軸を介して
冷却空気が前記鋼管内を流通するように構成することが
望ましい。
【0015】請求項3記載の焼却炉によれば、熱分解室
本体の周壁が鋼管で補強されるうえに、中空回転支軸と
ともに周囲の鋼管を冷却でき、構造材の強度および耐火
性が向上して寿命を延長できる。
【0016】請求項4に記載のように、前記熱分解室本
体の円筒状内周面に対し、相対回転可能にスクレーパを
配設するのがよい。
【0017】請求項4記載の焼却炉によれば、炉の内周
面に付着する炭化物等を炉本体を回転させるだけで、簡
単に掻き取ることができ、とくに請求項2記載の熱分解
室の構成を採用することにより、投入口が下向きになる
ように炉本体を回転させることにより、自動的に炉の内
周面に付着した炭化物等を掻き取って除去するととも
に、投入口から燃焼室に落下させて燃焼し焼却すること
ができる。
【0018】請求項5に記載のように、前記燃焼室から
発生する燃焼ガス(排ガス)を排気管を介して冷却水噴
霧式の冷却装置に接続するのがよい。
【0019】請求項5記載の熱分解式焼却システムによ
れば、前記燃焼室内で発生する燃焼ガスをダイオキシン
類の生成温度以下に冷却して排気できる。
【0020】請求項6に記載のように、前記熱分解室内
で発生する熱分解ガスを脱塩素処理するために熱分解ガ
スエゼクタを設け、該熱分解ガスエゼクタ内に配備した
循環水噴霧器の循環水供給管に水酸化ナトリウム水溶液
等の注入装置を接続することが望ましい。
【0021】請求項6記載の熱分解式焼却システムによ
れば、熱分解ガス中にダイオキシン類や塩酸などを生成
する塩素系成分が含まれている場合にも、熱分解ガスエ
ゼクタ内でその塩素系成分を噴霧器から噴射する水酸化
ナトリウム水溶液等と接触させることにより中和し、無
害な塩化ナトリウムに変化させて浄化したのち、再燃焼
したり排気したりでき、二次公害の発生を防止できる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る焼却炉および
熱分解式焼却システムの実施の形態を図面に基づいて説
明する。
【0023】図1は本発明の実施例に係る熱分解式焼却
システムを概略的に示す説明図、図2は焼却炉とその主
要な付帯設備を示す平面図、図3は焼却炉の正面図、図
4は焼却炉の側方視縦断面図とその主要な付帯設備を示
す側面図である。
【0024】焼却炉1は、図2のように平面より見て長
方形の耐熱性角筒体からなる炉本体1Aの上面の中央部
に開口1Bが設けられ、この開口1Bから炉内の上端部
にかけて平面より見て長方形の耐熱性角筒状のシュート
51が図4に示すように上方に一部を突出させて炉本体
1Aと一体に配設されている。シュート51の上端の投
入口52には、密閉可能なシールダンパ15の一端縁が
投入口52の一端に開閉自在に取り付けられている。シ
ールダンパ15の上面の一端部に一対のL形フレーム5
3が固設され、炉本体1Aの上面の一端部に一体に形設
された一対のブラケット54間にシリンダ55の本体が
上下方向に回転自在に取り付けられ、ピストンロッド5
5aの先端がL形フレーム53の垂直部53aの上端に
軸支され、ピストンロッド55aの伸縮動作によりシー
ルダンパ15が開閉可能に構成されている。
【0025】図4に示すよに、炉本体1A内において上
下方向の中間位置よりやや上方寄りに、横置きの円筒体
からなる熱分解室2が、この両側の側周面の中心に一体
に固設された水平な中空回転支軸46により回転可能に
支持されている。熱分解室2の円筒状炉本体2Aは円筒
状の周壁2aを備え、周壁2aの外周面に複数本の冷却
空気用の角型鋼管47が円周方向および軸方向に間隔を
あけて配設され、各角型鋼管47の一端は一方の中空回
転支軸46に接続され、各角型鋼管47の他端は他方の
中空回転支軸46に接続されている。また、一方(図2
の右側)の中空回転支軸46の一端にはスイベルジョイ
ント(図示せず)を介して、図2に示すように後述する
燃焼用空気の供給管22から分岐した空気供給管31の
一端が接続され、他方の(図2の左側)の中空回転支軸
46の一端は開放されている。周壁2aの円周方向の一
部が開口されて投入口50に形成され、この投入口50
はシュート51の下端開口51aに対応しており、図4
の状態、すなわち投入口50が上端部に回転した状態で
シュート51の下端開口51aに一連に連通する。
【0026】さらに、周壁2aは耐熱性金属(例えばス
テンレス)からなり、周壁2aの外周面には耐熱性断熱
材層(図示せず)が貼着され、熱分解室2の下方の後述
する燃焼室3内の高温(例えば1000℃以上)の燃焼
熱で間接加熱されたときに、熱分解室2内が所定の温度
(例えば400℃)に低減されるように構成されてい
る。また、図4に示すように熱分解室2内には、略A形
の支持フレーム18Aの両先端にスクレーパ18が装着
され、支持フレーム18Aは回転しないように支持さ
れ、円筒状炉本体2Aが回転(反転)されるときに、周
壁2aの内周面との相対回転により付着物をスクレーパ
18で掻き落とすようになっている。
【0027】図3に示すように、各回転支軸46の端部
は焼却炉本体1Aの外方で、軸受56により回動自在に
支持され、一方の回転支軸46の一端にはスプロケット
46aが一体回転可能に取り付けられている。スプロケ
ット46aの下方には、電動モータ16がブラケット5
8を介して焼却炉本体1Aの外壁に配設され、電動モー
タ16のスプロケット16aとスプロケット46aとが
チェーン59により接続されている。
【0028】図4に示すように、焼却炉本体1A内の下
部には火格子17が配設され、この火格子17の上方が
燃焼室3に構成されている。図3のように燃焼装置とし
ての2基のバーナ14(本例では灯油バーナ)が燃焼室
3に臨ませて配設され、また多数の燃焼用空気の噴射ノ
ズル60が燃焼室3に臨ませて配設されている。各噴射
ノズル60は共通の燃焼用空気供給管22に接続され、
また上記したとおり供給管22の一端は開閉弁45を介
して吸気ブロア13に接続された空気供給管31に接続
され、さらに空気供給管31の一端は一方の中空回転支
軸46の一端に接続されている。図3のように、焼却炉
本体1Aの一側壁の下端部1Dは側方に開口されてお
り、この開口1Dから引き出し状の焼却灰貯留缶25が
挿入され、火格子17を通して落下する焼却灰を焼却灰
貯留缶25内に貯留できるようになっている。なお、図
2および図4における符号45は、それぞれ開閉弁を示
す。
【0029】図1に示すように、焼却炉1に隣接して廃
棄物の自動投入装置60が設置されている。廃棄物は本
例の場合、病院や老人施設などから発生する紙おむつ類
や脱脂綿などの感染のおそれのある廃棄物で、これらの
廃棄物はいったん定形のダンボール箱Aに詰められた状
態で処理される。このため、自動投入装置60は、垂直
方向に配置されたコンベヤベルト61aに水平な搬送部
61bを等間隔に取り付けた垂直コンベヤ61と、この
垂直コンベヤ61へダンボール箱Aを搬送するためのロ
ーラコンベヤ62、ならびに垂直コンベヤ61から焼却
炉1のシュート51の上端の投入口52にダンボール箱
Aを搬送して投入するためのローラコンベヤ63とから
なる。ローラコンベヤ63の外端(先端)は投入口52
の上方に位置し、シールダンパ15を開放した状態で自
動的にダンボール箱Aが投入口52から熱分解室2内に
投入される。
【0030】続いて、熱分解ガスおよび燃焼ガス(排ガ
ス)の処理設備等について説明する。図1・図2又は図
3に示すように、熱分解室2の上方のシュート51の上
端部に熱分解ガスの排気管19の一端が接続され、他端
が熱分解ガスエゼクタ4の気液接触室4Aの上端部に接
続されている。この気液接触室4Aは上下方向の中間位
置付近4Dが絞られたのち下方に向けてラッパ状に開口
されており、その絞り部4Dの位置に循環水噴霧器4B
が配設されてベンチュリ効果が発揮されるように構成さ
れている。そして、循環水噴霧器4Bには循環水供給管
36の一端が接続され、他端がストレージタンク(循環
水貯蔵タンク)8の下端部に接続され、循環水供給管3
6に介設された循環ポンプ10によりストレージタンク
8内の冷却水が循環水噴霧器4Bへ供給される。また冷
却水供給管36の途中に、一端が水酸化ナトリウム水溶
液の注入装置9の貯留タンク9Aに接続された水酸化ナ
トリウム水溶液の注入管37の他端が接続され、供給ポ
ンプ35を介して循環水供給管36内の冷却水に水酸化
ナトリウム水溶液が注入混合される。貯留タンク9A内
には、所定濃度に希釈された水酸化ナトリウム水溶液が
貯留されている。熱分解ガスエゼクタ4の下部は、循環
水(水酸化ナトリウム水溶液含有)の貯留槽4Cに形成
され、この貯留槽4Cから循環用排水管38がストレー
ジタンク8の上端に配管されている。
【0031】図1・図4に示すように、焼却炉本体1の
上端部に排気管20の一端が接続され、他端が燃焼ガス
冷却塔5の上部に接続され、燃焼室3内の燃焼ガス(排
ガス)が排気管20を通して燃焼ガス冷却塔5に導入さ
れる。燃焼ガス冷却塔5内の上端部には冷却水噴霧器5
Aが下向きに配備され、冷却水噴霧器5Aには送給ポン
プ12を介設した冷却水供給管39の一端が接続され、
冷却水タンク11から冷却水が供給され、噴霧器5Aか
ら冷却水が噴霧される。これにより燃焼ガスと冷却水と
が接触し、冷却水は蒸発して燃焼ガスの温度が200℃
以下に冷却される。また冷却塔5の下部には、燃焼ガス
の排気管32がバグフィルタ6に接続され、さらに吸引
ブロア7に一端が接続された排気管33の他端がバグフ
ィルタ6の上端に接続され、燃焼室3内の燃焼ガスを冷
却塔5内に吸引して冷却したのち、バグフィルタ6内に
吸引して塵芥等を除去して大気中へ排出する。
【0032】次に、上記した構成からなる本実施例に係
る焼却システムによる焼却態様について説明する。
【0033】紙おむつ類等の廃棄物は定形のダンボール
箱Aにいったん詰められた状態で、廃棄物自動投入装置
60により、シールダンパ15が開放された状態の投入
口52から熱分解室2内にダンボール箱Aが次々に投入
される。このとき、円筒状炉本体2Aの投入口50は上
向き状態で、シュート51の下端開口51aの開口周縁
部に密着して連通している。この状態で、シールダンパ
15が閉塞され、熱分解室2内は外気と遮断され、空気
(酸素)の外部からの供給は断たれる。
【0034】それから、助燃用のバーナ14を点火し、
同時に循環ポンプ10の運転を開始する。残存する空気
の量はわずかであるので、バーナ14による灯油の燃焼
熱で間接加熱されることにより、熱分解室2内の温度が
100℃を超えると水蒸気が発生して残存空気が排出さ
れたのち、無酸素状態において円筒状の熱分解室本体2
Aの周壁2aを通してバーナ14による灯油の燃焼熱に
基づく伝導熱および輻射熱にて所定温度(炉2内は通
常、400℃前後に設定)に加熱され、熱分解室2内に
投入された廃棄物は熱分解されて炭化性残渣物(炭化
物)になるとともに熱分解ガスが発生する。この熱分解
ガスは、熱分解ガスエゼクタ4内の循環水噴霧器4Bか
ら循環水が噴射されることにより生じるベンチュリ作用
によって、熱分解ガスエゼクタ4内に吸引される。そこ
で、水酸化ナトリウム含有水溶液と接触することによ
り、熱分解ガス中の塩素系成分が中和されて除害され、
再燃用配管21を通して燃焼室3内に戻され、そこで未
燃焼成分が再燃焼される。なお、噴霧器4Bから噴射さ
れた循環水は貯留槽4Cにいったん溜まったのち、循環
用排水管38を通してストレージタンク8内に戻され
る。また熱分解室2内の温度は、熱分解室本体2Aの周
壁2aの外側に耐熱性断熱材層を貼着したことで、燃焼
室3内の温度をダイオキシン類の分解温度よりもかなり
高い1000℃〜1200℃以上の高温に上昇させて
も、ダイオキシン類の生成温度よりも低い400℃前
後、あるいはそれ以下の温度に容易に調整することがで
きる。
【0035】熱分解室2内に投入された廃棄物の熱分解
後に、円筒状の熱分解室本体2Aを反転(180°)さ
せて投入口50を下向きにし、炭化性残渣物を燃焼室3
内の火格子17上に落下させ、バーナ14からの火炎に
より高温(通常、1000〜1200℃)で燃焼させ
る。また、熱分解室本体2Aの回転時に、内周面に付着
した炭化物などがスクレーパ18との摺接作用によって
掻き取られ、下向きの投入口50から火格子17上に落
下して燃焼する。火格子17上に落下して燃焼された炭
化性残渣物は自燃焼し、灰となって下方の焼却灰貯留缶
25内に落下し、貯留される。貯留缶25内の燃焼灰は
定期的に引き出されて搬出される。
【0036】また、燃焼室3内で炭化性残渣物が燃焼す
る際に発生する燃焼ガス(排ガス)は、吸引ブロワ7に
よる吸引力で排気管20を通して冷却塔5に導入され、
噴霧器5Aから噴射される冷却水との接触により200
℃以下に急冷されると同時に、冷却水は水蒸気となって
燃焼ガスとともにバグフィルタ6内に流入して除塵さ
れ、大気中に排出される。
【0037】一方、熱分解室2内の炭化性残渣物を下方
の燃焼室3へ落下させて払い出したのち、熱分解室本体
2Aを反転(ほぼ180°回転)して投入口50を上向
きに戻し、シュート51の下端開口51aと密着させて
連通状態にする。そして、シートダンパー15を開放し
て自動投入装置60により廃棄物入りのダンボール箱A
を熱分解室2内に投入し、シートダンパー15を閉鎖し
て無酸素状態で熱分解する。2回目以降の熱分解作業
は、通常はバーナ14を使用せずに、燃焼室3内で炭化
性残渣物が燃焼する熱を利用して行う。なお、ストレー
ジタンク8内の循環水は、例えば、活性炭を内蔵した排
水処理設備(図示せず)により、熱分解ガスおよび燃焼
ガスの処理時に取り込まれた微小な有害物を吸着浄化さ
せたのちに排水する。
【0038】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明に係る焼却炉および熱分解式焼却システムには、
次のような優れた効果がある。
【0039】(1) 例えば紙おむつ類や医療廃棄物など
の熱分解後に残渣物が生じる性状を有する廃棄物や廃プ
ラスチックなどの石油化学系廃棄物などの廃棄物を熱分
解したのち、連続して燃焼することにより焼却処理でき
るとともに、熱分解室内で発生する熱分解ガスも燃焼さ
せて熱分解ガス中に含まれる有害物質を熱分解して排気
することができ、また廃棄物の熱分解工程と燃焼工程と
の両工程を並行して同時に行い得るので、焼却作業効率
を向上でき、しかも共通の焼却炉内に熱分解室を組み込
んだことで、小型化および軽量化が図れ、製造コストも
低減される。
【0040】(2) 請求項2記載の発明では、熱分解室
内に投入した廃棄物の熱分解が終了すると、熱分解室本
体を反転して投入口を下向きにするだけで、廃棄物を燃
焼室に簡単にかつ瞬時に投入して燃焼することができ、
また熱分解室本体を反転することにより元の熱分解可能
状態に簡単にかつ瞬時に戻すことができる。
【0041】(3) 請求項3記載の発明では、熱分解室
本体の周壁を鋼管によって補強するとともに、中空回転
支軸とともに鋼管を冷却することにより、熱分解室の耐
火性および構造強度を向上して寿命を延長できる。
【0042】(4) 請求項4記載の発明では、熱分解室
の内周面に付着する炭化物等を炉本体を回転させるだけ
で、簡単に掻き取ることができ、とくに請求項2記載の
熱分解室の構成を組合わせることにより、熱分解室本体
を回転させるだけで、自動的に熱分解室の内周面に付着
した炭化物等を掻き取って除去し、同時に付着していた
炭化物等を燃焼室に落下させて燃焼し焼却することがで
きる。
【0043】(5) 請求項5記載の発明では、燃焼室内
で発生する燃焼ガスをダイオキシン類の生成温度以下に
冷却して排気することができる。
【0044】(6) 請求項6記載の発明では、熱分解ガ
ス中にダイオキシン類や塩酸などを生成する塩素系成分
が含まれていても、その塩素系成分を水酸化ナトリウム
水溶液と接触させることにより中和し、無害な塩化ナト
リウムに変化させて浄化し、再燃焼したり排気したりで
きるので、二次公害の発生を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る熱分解式焼却システムを
概略的に示す説明図である。
【図2】焼却炉とその主要な付帯設備を示す平面図であ
る。
【図3】焼却炉を示す正面図である。
【図4】焼却炉の側方視縦断面図とその主要な付帯設備
を示す側面図である。
【符号の説明】
1 焼却炉 1A 焼却炉本体 2 熱分解室 2A 熱分解室本体 3 燃焼室 4 熱分解ガスエゼクタ 5 燃焼ガス冷却塔 6 バグフィルタ 7 吸引ブロワ 8 ストレージタンク 9 水酸化ナトリウム水溶液の注入装置 10 循環ポンプ 11 冷却水タンク 12 送給ポンプ 13 吸気ブロワ 14 バーナ(加熱装置) 15 シールダンパ 16 電動モータ 17 火格子 18 スクレーパ 20・32・33 排気管 21 再燃用配管 25 焼却灰貯留缶 31 空気供給管 35 供給ポンプ 36 循環水供給管 37 塩化ナトリウム水溶液の注入管 38 循環用排水管 39 冷却水供給管 46 中空回転支軸 50・52 投入口 51 シュート 60 自動投入装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼却炉本体内の燃焼室の上部に密閉式の
    熱分解室を設け、被焼却物を最初に前記熱分解室に投入
    し前記燃焼室内の燃焼熱により間接加熱して無酸素状態
    で熱分解すると同時に、前記熱分解室内で発生する熱分
    解ガスを前記燃焼室内に導入して燃焼するようにしたの
    ち、 熱分解室内の残渣物を下方の前記燃焼室内に落下させ、
    灯油バーナやガスバーナ等の燃焼装置により前記残渣物
    を燃焼して焼却することを特徴とする焼却炉。
  2. 【請求項2】 前記熱分解室本体は横置きの円筒体から
    なり、前記焼却炉本体内に水平な軸を中心に回転可能に
    支持され、熱分解室本体の円周面の一部に投入口が開口
    され、該投入口は上向き位置で前記熱分解室本体の上端
    部に形成された密閉蓋付きのシュートの下端開口に連通
    密着するとともに、前記投入口は下向きになるように熱
    分解室本体を反転可能に構成した請求項1記載の焼却
    炉。
  3. 【請求項3】 前記熱分解室本体は円筒体からなり、円
    筒状周壁の外周が鋼管で補強され、該鋼管は前記熱分解
    室本体の両端を回転自在に支持する中空回転支軸に連通
    され、各中空回転支軸を介して冷却空気が前記鋼管内を
    流通するように構成した請求項2記載の焼却炉。
  4. 【請求項4】 前記熱分解室本体の円筒状内周面に対
    し、相対回転可能にスクレーパを配設した請求項2又は
    3記載の焼却炉。
  5. 【請求項5】 前記燃焼室から発生する燃焼ガスを排気
    管を介して冷却水噴霧式の冷却装置に接続した請求項1
    〜4のいずれかに記載の焼却炉を備えた熱分解式焼却シ
    ステム。
  6. 【請求項6】 前記熱分解室内で発生する熱分解ガスを
    脱塩素処理するために熱分解ガスエゼクタを設け、該熱
    分解ガスエゼクタ内に配備した循環水噴霧器の循環水供
    給管に水酸化ナトリウム水溶液等の注入装置を接続した
    請求項1〜4のいずれかに記載の熱分解式焼却システ
    ム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008047522A (ja) * 2006-07-25 2008-02-28 Ind Technol Res Inst Ledヘッドランプモジュール用熱モジュールシステム
CN113058711A (zh) * 2021-03-22 2021-07-02 潘军 一种兽医专用新型废弃物处理设备
CN113757676A (zh) * 2021-08-19 2021-12-07 江苏金牛环保工程设备有限公司 一种工业废盐热解出盐系统及使用方法

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