JPH11104455A - ダイオキシン類の燃焼除去方法 - Google Patents

ダイオキシン類の燃焼除去方法

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JPH11104455A
JPH11104455A JP9267232A JP26723297A JPH11104455A JP H11104455 A JPH11104455 A JP H11104455A JP 9267232 A JP9267232 A JP 9267232A JP 26723297 A JP26723297 A JP 26723297A JP H11104455 A JPH11104455 A JP H11104455A
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gas
dioxins
heat
storage chamber
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JP9267232A
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Hideo Yamaguchi
英男 山口
Kazuki Taniguchi
和樹 谷口
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Chugai Ro Co Ltd
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Chugai Ro Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被処理ガス中のダイオキシン類を加熱分解し
たのち再合成されることを防止するダイオキシン類の燃
焼除去方法を提供する。 【解決手段】 加熱手段19を有する燃焼室18に、蓄
熱体17を有する複数の蓄熱室16を連設し、ダイオキ
シン類を含む200℃以下の被処理ガスを前記蓄熱室の
うち、すでに蓄熱されている蓄熱室に供給して該蓄熱室
の蓄熱体と熱交換して予熱した後、燃焼室において80
0℃以上で2秒以上滞留させてダイオキシン類を加熱分
解して処理ガスとし、該処理ガスを前記蓄熱室のうち、
前記被処理ガスとの熱交換で降温した蓄熱室を通過させ
て該蓄熱室の蓄熱体と熱交換することにより0.2秒以
内で200℃以下に冷却してダイオキシン類の再合成を
防止して排出するとともに、前記蓄熱室において前記被
処理ガスと処理ガスとを所定時間ごとに切換えて通過さ
せるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイオキシン類の
再合成を防止するダイオキシン類の燃焼除去方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】焼却炉で
ごみを焼却する場合、ごみの不完全燃焼によりダイオキ
シン類が発生し、近年環境保護の点から大きな社会問題
となっている。ところで、ダイオキシン類は800℃以
上の温度で2秒以上、好ましくは850℃以上の温度で
1秒以上保持すれば加熱分解されて無害化されることが
判明している。
【0003】しかしながら、間欠運転を行なうバッチ式
焼却炉では、炉の立上げ、停止が多いので不完全燃焼が
起き易いうえ、ごみを投入するごとに炉温が下がるので
安定して炉温を800℃以上に保持することができずダ
イオキシン類の発生を防ぐことができない。
【0004】そこで、焼却炉の排ガスダクトに昇温バー
ナを設けて2次燃焼室を形成し、排ガスをこの2次燃焼
室で加熱処理して800℃以上の温度で2秒以上、好ま
しくは850℃以上の温度で1秒以上保持することによ
りダイオキシン類を加熱分解したのち炉外に排出するよ
うにしていた。
【0005】しかし、前記のように、昇温バーナを排ガ
スダクトに設置するだけでは、ダイオキシン類の加熱分
解に必要な滞留時間が確保できないことがある。そのた
め、排ガスダクトの断面積を前記2次燃焼室で大きくし
て排ガスの滞留時間を確保するようにしているが、2次
燃焼室での断面積を増加させると、前記昇温バーナから
の燃焼ガスと焼却炉からの排ガスとが充分に混合されな
いので排ガスの一部が必要な温度(800℃以上)まで
昇温せず、つまり、ダイオキシン類の一部が処理されな
いことが生じる。
【0006】また、ダイオキシン類は前述のようにして
加熱分解しても、排ガスが200〜600℃の温度域に
降温して排ガス中のダストに触れると、このダストが触
媒となってダスト表面でダイオキシン類が再合成され、
特に、300℃前後で最も再合成が盛んになることが知
られている。
【0007】しかも、従来の焼却炉では、熱効率の悪い
間接式熱交換器により前述のように高温となった排ガス
とバーナ等へ供給する燃焼用空気とを熱交換しているの
で、前記800℃以上に昇温された排ガスは、前記熱交
換器で徐々に降温して300℃前後の温度域で長時間保
持されることとなり、多量のダイオキシン類が再合成さ
れるという問題を有する。
【0008】そこで、排ガスを前述のように、800℃
以上に加熱してダイオキシン類を加熱分解したのち排ガ
スダクト内に水を噴霧して排ガスを急冷するようにして
いるが、この方式でも排ガスを1〜2秒の短時間で急冷
することは困難で、ダイオキシン類の再合成を完全に防
止することができない。
【0009】一方、連続式焼却炉においては、バッチ式
焼却炉と同様、炉の立ち上げ時でのダイオキシン類の発
生は避けられないが、焼却炉の運転が定常状態に入って
燃焼が安定すると炉温の変動が小さく、常に800℃以
上、好ましくは850℃以上を保持できるため、ダイオ
キシン類の発生は少なく抑えられる。しかし、排ガスの
降温にともなうダイオキシン類の再合成に関しては前記
バッチ式焼却炉と同様の問題を有する。
【0010】このように、焼却炉でのダイオキシン類の
発生(再合成を含む)を完全に抑制することは非常に困
難なため、最近では、図5に示すように、前述のような
ダイオキシン類の発生防止手段に加えて排ガスを大気放
散する直前に集塵機9および活性炭吸着塔11を設置
し、ダイオキシン類を捕集するようにしている。
【0011】すなわち、図5において、1は燃焼バーナ
2を有する焼却炉(バッチ式あるいは連続式いずれでも
よい)で、その排ガスダクト3に該排ガスダクト3より
断面積を大きくした2次燃焼室4を設け、この2次燃焼
室4に設けた昇温バーナ5で排ガスを800℃以上で2
秒以上、好ましくは850℃以上で1秒以上保持して排
ガス中のダイオキシン類を加熱分解したのち、冷却室6
にて散水ノズル7からの冷却水により排ガスを急冷して
ダイオキシン類の再合成を防止する。そして、前記処理
で再合成を防止できなかった若干のダイオキシン類を含
む排ガスは空気予熱器8からバグフィルタよりなる集塵
機9に至って排ガス中のダストを除去されるが、その間
に、消石灰ホッパ10より消石灰が供給されて排ガス中
の酸化腐蝕成分(HCl等)が中和され、その後、消石
灰を集塵機9で回収する。このとき、該集塵機9のフィ
ルタに付着した消石灰層でダイオキシン類の一部(粒子
径の大きなもの、例えば固体のダイオキシン)を捕捉し
て消石灰とともに回収し、残りのダイオキシン類の大部
分をつぎの活性炭吸着塔11で吸着除去し、排ガス中の
ダイオキシン類の90%程度を捕集したのち排気ファン
12を介して煙突13から排出していた。
【0012】しかしながら、近年ダイオキシン類の排出
に対する規制が厳しくなり、排ガス中のダイオキシン類
は、連続炉を例にとると、現行で80ng−TEQ/m
3N、平成10年には既設炉で0.5ng−TEQ/m3
N、新設炉では0.1ng−TEQ/m3N以下に排出
量を抑制しなければならない。
【0013】ところが、集塵機9と活性炭吸着塔11と
を利用した前記除去方法は、ダイオキシン類そのものを
分解除去するものではないので、例えば、集塵機9のバ
グフィルタ表面に付着した消石灰を払い落とした直後に
は粒子径の大きなダイオキシン類が該フィルタを通過し
て活性炭吸着塔11に到達してしまう。しかし、活性炭
は粒子径の大きなものは吸着できないため、粒子径の大
きなダイオキシン類はそのまま大気に放出され、ダイオ
キシン類の排出を規制値以下に抑制できないという問題
があった。また、粒子径の小さいものであっても、それ
を規制値以下まで除去するには、活性炭量を増やす以外
に方法はなく、装置が大型化するという問題があった。
【0014】そこで、本発明者は種々検討した結果、従
来提案されている蓄熱式脱臭装置が、 ダイオキシン類を有する排ガスを800℃以上で、滞
留時間を2秒以上確保することができる。 ダイオキシン類を加熱分解した処理ガスを、蓄熱体を
利用して短時間(0.2秒以内)で200℃以下に冷却
できる。 処理ガスの冷却は、前記排ガスで蓄熱体を冷却して実
施するので、処理ガスを急冷するのに、冷却水等の冷却
媒体を別途供給する必要がない。 活性炭等の吸着剤が不要である。 という点に着目して本発明を完成したものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明にかかるダイオキ
シン類の燃焼除去方法は、前記目的を達成するために、
加熱手段を有する燃焼室に、蓄熱体を有する複数の蓄熱
室を連設し、ダイオキシン類を含む200℃以下の被処
理ガスを前記蓄熱室のうち、すでに蓄熱されている蓄熱
室に供給して該蓄熱室の蓄熱体と熱交換して予熱した
後、燃焼室において800℃以上で2秒以上滞留させて
ダイオキシン類を加熱分解して処理ガスとし、該処理ガ
スを前記蓄熱室のうち、前記被処理ガスとの熱交換で降
温した蓄熱室を通過させて該蓄熱室の蓄熱体と熱交換す
ることにより0.2秒以内で200℃以下に冷却してダ
イオキシン類の再合成を防止して排出するとともに、前
記蓄熱室において前記被処理ガスと処理ガスとを所定時
間ごとに切換えて通過させるようにしたものである。ま
た、前記被処理ガスが通過した蓄熱体にパージガスを所
定時間供給したのち、該蓄熱体から処理ガスを排出する
ようにしてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて、図1〜4にしたがって説明する。図1,図2は本
発明の第1の実施形態を示し、図1と図5とを比較すれ
ば明らかなように、本発明においては、図5のものにお
ける消石灰ホッパ10がなく、また、活性炭吸着塔11
に代えて蓄熱式燃焼除去装置15を設置している点であ
る。すなわち、前記蓄熱式燃焼除去装置15は、図2に
示すように、くら型セラミック片等からなる蓄熱体17
を収容した3つの蓄熱室16(16A,16B,16
C)と、これら蓄熱室16に連通した燃焼室18とを備
え、各蓄熱室16A,16B,16Cの底部には被処理
ガス供給管20、処理ガス排出管21およびパージガス
供給管22の各分岐管をそれぞれ接続してあり、前記燃
焼室18にはバーナ19などの燃焼手段が設けてある。
【0017】前記被処理ガス供給管20、処理ガス排出
管21およびパージガス供給管22の一端は、前記蓄熱
室16A,16B,16Cの下部にそれぞれ分岐して接
続してあり、前記被処理ガス供給管20の分岐管にそれ
ぞれ切換弁VA1,VB1,VC1を、処理ガス排出管21の
分岐管にそれぞれ切換弁VA3,VB3,VC3を、パージガ
ス供給管22の分岐管にそれぞれ切換弁VA2,VB2,V
C2を設けてある。そして、前記被処理ガス供給管20の
他端は前記集塵機9の排気口に接続してある。また、前
記処理ガス排出管21の他端は排気ファン12を介して
煙突13に直接接続してある。さらに、前記パージガス
供給管22の他端は排気ファン12の下流に接続してあ
り、処理ガスの一部をパージガスとして前記蓄熱室16
に供給するようにしている。
【0018】前記構成の蓄熱式燃焼除去装置15でダイ
オキシン類を含む排ガス(被処理ガス)を加熱分解処理
するには、たとえば前記各切換弁VA1,VA2,VA3,V
B1,VB2,VB3およびVC1,VC2,VC3を図中の開状態
□、閉状態■のように切り換える。そして、被処理ガス
供給管20からの被処理ガスを切換弁VA1を介して蓄熱
室16Aに供給、パージガス供給管22からのパージガ
スを切換弁VB2を介して蓄熱室16Bに供給、そして処
理ガスを蓄熱室16Cから切換弁VC3を介して処理ガス
排出管21に排出するようにする。
【0019】前記状態において、蓄熱室16A内に供給
された被処理ガスは蓄熱体17内を通過して前の処理ガ
ス排気工程で蓄熱された蓄熱体17の熱で被処理ガスを
予熱し、燃焼室18に供給する。
【0020】そして、前記燃焼室18内でダイオキシン
類を含む被処理ガスはバーナ19により加熱されて80
0℃以上で2秒以上、好ましくは850℃で1秒以上保
持され、その間にダイオキシン類は加熱分解されて処理
ガスとなり、前記蓄熱室16C内の蓄熱体17内を通過
して該蓄熱体17と熱交換することにより、前記処理ガ
ス自体は0.2秒以内に200℃以下に降温し、処理ガ
ス排出管21から排気ファン12を介して煙突13より
排気される。
【0021】一方、前記蓄熱室16Bには、前記煙突1
3より排気される処理ガスの一部がパージガスとしてパ
ージガス供給管22より供給され、該蓄熱室16Bに被
処理ガスを供給した工程で蓄熱体17に残留しているダ
イオキシン類を含む被処理ガスを燃焼室18に追いやっ
て、該蓄熱体17を浄化するとともにパージされた前記
被処理ガスを加熱分解処理する。
【0022】前記工程を所定時間行った後、各切換弁V
A1,VA2,VA3,VB1,VB2,VB3およびVC1,VC2
C3を作動させ、被処理ガスを切換弁VC1を介して蓄熱
室16Cに供給、パージガスを切換弁VA2を介して蓄熱
室16Aに供給、そして処理ガスを蓄熱室16Bより切
換弁VB3を介して排出することにより所定時間加熱分解
処理を行う。
【0023】つぎに、再び各切換弁VA1,VA2,VA3
B1,VB2,VB3およびVC1,VC2,VC3を作動させ、
被処理ガスを切換弁VB1を介して蓄熱室16Bに供給、
パージガスを切換弁VC2を介して蓄熱室16Cに供給、
そして処理ガスを蓄熱室16Aより切換弁VA3を介して
排出することにより所定時間加熱分解処理を行う。この
ようにして、前記3つの工程を順次繰り返して、連続的
に被処理ガス中のダイオキシン類の加熱分解処理を行な
う。
【0024】なお、前記蓄熱式燃焼除去装置15へ供給
される被処理ガス温度は200℃以下に調整しておく必
要がある。これは、処理ガスの降温を蓄熱体17との熱
交換により行なうため、被処理ガス温度が200℃以上
であれば、蓄熱体17の温度も200℃以下にならず、
ダイオキシン類を加熱分解した処理ガスが蓄熱体17か
ら排出される際蓄熱体17との熱交換率等により300
℃以上となり、ダイオキシン類が再合成されるからであ
る。
【0025】前記蓄熱式燃焼除去装置は前記形態に限定
されるものではない。図3は第2の実施形態を示し、各
蓄熱室34に対する被処理ガスの供給、パージガスの供
給、そして処理ガスの排出を回転式の切換弁31により
順次切り換える構成としたものである。
【0026】具体的には、図3(A)に示すように、前
記蓄熱式燃焼除去装置30は、外装体36の内部に前記
第1実施形態と同様の蓄熱体35を備えた複数の蓄熱室
34を外装するハウジング37を備え、該ハウジング3
7の下端開口部に各蓄熱室34に図示しないダクトで連
通する開口32aを有する固定弁32と、該固定弁32
と対向配置され、図4(A)に示すように、それぞれ被
処理ガス供給用開口33d、パージガス供給用開口33
b、および処理ガス排出用開口33cを周方向に所定間
隔をあけて設けた回転分配弁33からなる前記切換弁3
1を取り付けている。また、該切換弁31を取り付ける
外装体36の下部36aには被処理ガス供給管20を接
続する一方、前記回転分配弁33を回転可能に支持する
支持体33aには外装体36を貫通させて処理ガス排出
管21およびパージガス供給管22を接続している。そ
して、各蓄熱室34上部と外装体36との間に燃焼室3
8が形成され、燃焼室38にはバーナ39が設けてあ
る。
【0027】ところで、前記固定弁32の各開口32a
と各蓄熱室34とは、図3(B)に示すように、各蓄熱
室34の下部にダクト40を設け、固定弁32の各開口
32aを塞ぐように設けたフランジ41と前記ダクト4
0とを配管42で連通し、開口32aと蓄熱室34とが
1対1で対応するように接続してある。図においては他
の4つの蓄熱室については省略している。
【0028】また、前記回転分配弁33の被処理ガス供
給用開口33d、パージガス供給用開口33bおよび処
理ガス排出用開口33cは、図4(B)に示すように、
それぞれ前記各開口に連通する室を仕切板により形成し
ているので、被処理ガスは被処理ガス供給管20から、
外装体36の下部36aおよび室57を介して被処理ガ
ス供給用開口33dに至り、また、パージガスはパージ
ガス供給管22から前記回転分配弁33の中空軸51お
よび室54を介してパージガス供給用開口33bに至
る。そして、処理ガスは所定の蓄熱室34を通って固定
弁32の所定の開口32aを通り、該開口32aに対向
する処理ガス排出用開口33cから室53を介して支持
体33aに至り、処理ガス排出管21から排出されるの
で、前記それぞれのガスが回転分配弁33で混合するこ
とはない。
【0029】前述のように固定弁32と回転分配弁33
とを構成することにより、集塵機9からの被処理ガスは
回転分配弁33の被処理ガス供給用開口33dから該開
口に対向する固定弁32の開口32aを通り、前記蓄熱
体35内を通過して前の処理ガス排出工程で蓄熱された
蓄熱体35と熱交換して予熱され、燃焼室38に供給さ
れる。
【0030】そして、前記燃焼室38内でダイオキシン
類を含む被処理ガスはバーナ39により加熱されて80
0℃以上で2秒以上、好ましくは850℃以上で1秒以
上保持され、その間にダイオキシン類は加熱分解されて
処理ガスとなり、他の蓄熱体35を通過して該蓄熱体3
5と熱交換することにより、前記処理ガス自体は0.2
秒以内に200℃以下に降温し、処理ガス排出管21か
ら排気ファン12を介して煙突13より排出される。
【0031】ここで、図3(A)に示す8つの蓄熱室3
4において、前記被処理ガスの供給と処理ガスの排出と
は、図中の黒塗矢印と白抜矢印で示すようにそれぞれ所
定の3つの蓄熱室で実施され、残り2つの蓄熱室のうち
1つにはパージガスが供給され(細矢印)、残り1つは
休止状態となっている。この休止状態の蓄熱室は、図4
(A)に示す回転分配弁33の被処理ガス供給用開口3
3dと処理ガス排出用開口33cとの間に固定弁32の
開口32a1つ分に相当する閉鎖部33eがあるため
で、前記両開口33c,33d間に該閉鎖部33eを設
けることにより、被処理ガスと処理ガスとが、固定弁3
2内で混合するのを防止している。
【0032】そして、前記加熱分解処理を所定時間実施
したのち、回転分配弁33を固定弁32の開口32aの
1区画分回転することにより、被処理ガスが供給される
前記3つの蓄熱室のうち1つにパージガスが供給され、
前の処理工程でパージガスが供給されていた蓄熱室に処
理ガスが供給される。また、前の処理工程で処理ガスが
供給されていた蓄熱室の1つが休止状態となり、休止状
態の蓄熱室には被処理ガスが供給される。このように、
回転分配弁33の回転により、各蓄熱室34が被処理ガ
スの供給、パージガスの供給、処理ガスの排出、休止状
態を繰り返して連続的に被処理ガス中のダイオキシン類
の加熱分解処理を行なう。
【0033】なお、前述の切換弁31は、本出願人が既
に出願(特願平8−221222号)しているものと同
一である。また、前記回転分配弁33は所定速度で連続
的に回転しても良いし、所定時間毎に固定弁32の開口
32aを形成する1区画ずつ回転する非連続(バッチ)
回転としても良い。さらに、前記蓄熱室34の数は8室
に限定されるものではない。
【0034】ところで、蓄熱式燃焼除去装置30は、回
転分配弁33を回転しつつバーナ39により被処理ガス
の加熱分解処理を連続的に行なう。この場合、被処理ガ
スは150℃以下としたものを燃焼除去装置30に供給
する。これは前記固定弁32と回転分配弁33との間に
備えたシール部材の熱による損傷を防止するためであ
り、また、この温度であれば処理ガスを200℃以下に
急冷することができる。
【0035】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、ダイオキシン類を含む200℃以下の被処理ガ
スで蓄熱体を冷却したのち燃焼室で加熱され800℃以
上で2秒以上もしくは850℃以上で1秒以上滞留して
その間にダイオキシン類は完全に加熱分解される。そし
て、その後、先の被処理ガスにより冷却された蓄熱体を
通りその間に0.2秒以内で200℃以下に急冷される
ため、ダイオキシン類の再合成は生じない。このよう
に、処理ガスの通過により昇温した蓄熱体の冷却は、特
別の冷却用空気、液体等を用いず、被処理ガス自身で行
なうため設備は安価である。また、蓄熱式燃焼除去装置
では、蓄熱体内の残留排ガス(被処理ガス)をパージし
てから処理ガスの排出を行なうので、被処理ガスが処理
ガスに混入して排出されることがなく、このためダイオ
キシン類の排出を確実に低減できる。さらに、従来の設
備において、蓄熱式燃焼除去装置を設置するだけで、簡
単にダイオキシン類を規制値以下とすることができ、適
用範囲は非常に大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明をごみ焼却炉に実施した場合の説明
図。
【図2】 図1の蓄熱式燃焼除去装置の断面図。
【図3】 蓄熱式燃焼除去装置の他の実施態様を示し、
(A)は全体の斜視図、(B)は(A)の要部斜視図。
【図4】 回転分配弁の詳細図で、(A)は斜視図、
(B)は(A)の天板部を除く平面断面図。
【図5】 従来のごみ焼却炉におけるダイオキシン類除
去方法を示す図。
【符号の説明】
15,30…蓄熱式燃焼除去装置、16,34…蓄熱
室、17,35…蓄熱体、18,38…燃焼室、19,
39…バーナ、20…被処理ガス供給管、21…処理ガ
ス排出管、22…パージガス供給管、VA1〜VA3,VB1
〜VB3,VC1〜VC3…切換弁、31…切換弁。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱手段を有する燃焼室に、蓄熱体を有
    する複数の蓄熱室を連設し、ダイオキシン類を含む20
    0℃以下の被処理ガスを前記蓄熱室のうち、すでに蓄熱
    されている蓄熱室に供給して該蓄熱室の蓄熱体と熱交換
    して予熱した後、燃焼室において800℃以上で2秒以
    上滞留させてダイオキシン類を加熱分解して処理ガスと
    し、該処理ガスを前記蓄熱室のうち、前記被処理ガスと
    の熱交換で降温した蓄熱室を通過させて該蓄熱室の蓄熱
    体と熱交換することにより0.2秒以内で200℃以下
    に冷却してダイオキシン類の再合成を防止して排出する
    とともに、前記蓄熱室において前記被処理ガスと処理ガ
    スとを所定時間ごとに切換えて通過させることを特徴と
    するダイオキシン類の燃焼除去方法。
  2. 【請求項2】 前記被処理ガスが通過した蓄熱体にパー
    ジガスを所定時間供給したのち、該蓄熱体から処理ガス
    を排出するようにすることを特徴とする請求項1に記載
    のダイオキシン類の燃焼除去方法。
JP9267232A 1997-09-30 1997-09-30 ダイオキシン類の燃焼除去方法 Pending JPH11104455A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100473522B1 (ko) * 2001-08-03 2005-03-07 한국에너지기술연구원 촉매연소방식의 휘발성유기화합물 소각처리장치
CN111076194A (zh) * 2019-12-24 2020-04-28 惠州宇新新材料有限公司 一种顺酐生产废气的处理方法

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