JP2004085010A - 溶融処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料に空気を供給することなく、廃棄物の溶融処理を行うことができる溶融処理装置を提供する。
【解決手段】溶融炉12は長四角箱状の溶融室13を有し、廃棄物が溶融室13に堆積されるように構成されている。溶融炉12の左側壁の中間部には投入口14が開口され、投入口14を介して溶融室13に廃棄物が投入されるようになっている。溶融炉12の底壁の前端部には流出防止壁20が立設されるとともに流出防止壁20より前方位置には排出口22が開口され、後側壁上部には排ガス口27が開口されている。溶融炉12の左右両側壁下部において投入口14と流出防止壁20との間には溶融バーナ30が貫通支持され、左右両側壁上部において投入口14と排ガス口27との間には燃焼バーナ31が貫通支持されている。そして、廃棄物が溶融されるときには、外部から溶融室13への空気の流入が遮断されるように構成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】溶融炉12は長四角箱状の溶融室13を有し、廃棄物が溶融室13に堆積されるように構成されている。溶融炉12の左側壁の中間部には投入口14が開口され、投入口14を介して溶融室13に廃棄物が投入されるようになっている。溶融炉12の底壁の前端部には流出防止壁20が立設されるとともに流出防止壁20より前方位置には排出口22が開口され、後側壁上部には排ガス口27が開口されている。溶融炉12の左右両側壁下部において投入口14と流出防止壁20との間には溶融バーナ30が貫通支持され、左右両側壁上部において投入口14と排ガス口27との間には燃焼バーナ31が貫通支持されている。そして、廃棄物が溶融されるときには、外部から溶融室13への空気の流入が遮断されるように構成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばゴミ焼却時に排出される焼却灰、アルミニウム、鉄、銅等の金属の精錬時又は鋳物の鋳造時に発生する金属スケール等のような廃棄物を加熱溶融するための溶融処理装置に関するものである。より詳しくは、燃料に空気を供給することなく、廃棄物の溶融処理を行うことができる溶融処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の溶融処理装置は、廃棄物を溶融させるための溶融炉を備えている。この溶融炉は、その内部に廃棄物を貯留するための溶融室が区画形成されるとともに、燃料を燃焼させたときに生ずる燃焼熱で溶融室に貯留された廃棄物を溶融するための溶融バーナが配設されている。この溶融バーナの燃料としては化石燃料より得られる可燃性ガス等が用いられ、これを燃焼させることによって約1300℃程度の燃焼熱を得ることができるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の溶融処理装置によれば、溶融バーナの燃料として化石燃料より得られる可燃性ガス等を用いるため、これを燃焼させるために溶融室に空気を供給する必要がある。しかし、このような燃料を空気中で燃焼させると、空気中の窒素が酸化されて窒素酸化物(NOx)が生成されたり、燃焼時に多量の一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)、硫黄酸化物(SOx)等が生成されたり等して、これらが溶融処理装置の外部に排ガスとして排気されてしまうという問題があった。
【0004】
本発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、燃料に空気を供給することなく、廃棄物の溶融処理を行うことができる溶融処理装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の溶融処理装置は、廃棄物を堆積して溶融するための溶融室を備え、該溶融室には、その前方下部に溶融された廃棄物を排出するための排出口が設けられるとともに後方に排ガス口が設けられ、中間部には溶融室に廃棄物を投入するための投入口が設けられ、投入口よりも前方には、水素ガス及び酸素ガスをモル比が水素:酸素で2:1となるように混合してなるブラウンガスを燃焼させて廃棄物を溶融するための溶融バーナが設けられ、投入口よりも後方には、前記ブラウンガスの燃焼によって生じる燃焼熱によって廃棄物を溶融するときに生じる排ガスを燃焼させて熱分解するための燃焼バーナが設けられ、廃棄物が溶融されるときには、外部から溶融室への空気の流入が遮断されるように構成されているものである。
【0006】
請求項2に記載の発明の溶融処理装置は、請求項1に記載の発明において、前記投入口は、溶融室の中央部よりも後方側に設けられているものである。
請求項3に記載の発明の溶融処理装置は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記溶融バーナは溶融室の下部に設けられ、燃焼バーナは溶融室の上部に設けられているものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明において、前後は図1における左右を基準にするとともに、左右は図2における上下を基準にする。
【0008】
図1及び図2に示すように、溶融処理装置11を構成する溶融炉12は前後方向に延びる長四角箱状の溶融室13を有し、溶融炉12の左側壁の中間部には廃棄物を溶融室13に投入するための円孔状の投入口14が開口されている。この投入口14は、溶融処理の効率を向上させるために溶融室13の中央部よりも後方側に開口されるのが好ましく、例えば本実施形態では、溶融炉12の後側壁と投入口14との距離は溶融室13の長さの1/3に設定されている。投入口14には、廃棄物投入機構15が接続されている。
【0009】
廃棄物投入機構15は投入口14に接続されている円筒状の投入筒部16を備え、投入筒部16の内部にはプッシャ17が進退可能に配設され、上部にはホッパ18が取付けられている。そして、プッシャ17が投入筒部16内を後退した状態においてホッパ18から投入筒部16内に廃棄物が供給され、プッシャ17が投入口14に対して前進することにより、廃棄物は投入口14を介して溶融室13に投入されるようになっている。プッシャ17の先端には、円板状のシール板19が取付けられている。
【0010】
廃棄物の具体例としては、紙屑、木屑、布屑、プラスチック屑、可燃性ゴミ等のような燃焼物を焼却したときに生じる焼却灰等の焼成残滓が挙げられる。その他には、アルミニウム、鉄、銅等の金属の精錬時又は鋳物の鋳造時に発生する金属スケール等のような水分をほとんど含有しないもの、又は汚泥、廃棄薬剤等のような水分を含有するもの等が挙げられる。
【0011】
溶融室13の長さは例えば本実施形態では5.5mであり、幅は溶融処理の効率を向上させるために好ましくは1.0〜1.3mである。1.0m未満では、溶融室13に堆積される廃棄物の量が少ないために、一度に溶融処理できる廃棄物の量が少なく溶融処理の効率が低下しやすい。一方、1.3mを超えると、溶融室13の温度が低下するために、溶融室13で廃棄物を溶融するときに生じる排ガスが熱分解されにくい。
【0012】
溶融炉12の底壁において、その前端部には溶融室13に投入された廃棄物の移動を規制するために流出防止壁20が立設されている。この流出防止壁20の上端部中央には、溶融された廃棄物、即ち溶融スラグを前方へ排出するための排出凹部21が凹設されている。さらに、流出防止壁20より前方位置には排出口22が開口され、その下方位置には四角箱状のスラグ回収部23が延設されている。
【0013】
スラグ回収部23の内部は、排出口22を介して溶融室13と連通するとともに、水等の冷却用液体が貯留されている。スラグ回収部23の後側壁にはスラグ回収口24が開口され、そこにはスラグ回収部23内に傾斜配置された第1回収コンベア25と連動する第2回収コンベア26が配設されている。そして、これら回収コンベア25,26によって、スラグ回収部23内のスラグを外方へ搬出するようになっている。スラグ回収口24は、図示しないエアーカーテン等によって解放又は閉塞することができるようになっている。
【0014】
溶融炉12の後側壁上部には円孔状の排ガス口27が開口され、この排ガス口27にはL字状をなす円筒状の排ガス管28が接続されている。溶融室13と排ガス管28の内部とは連通され、排ガス管28の端部内に取付けられたファン29が回転することにより、溶融室13の排ガスが排ガス口27及び排ガス管28を介して外方へ排気されるようになっている。さらに、ファン29の回転が停止しているときには、排ガス管28を介しての外部から溶融室13への空気の流入を遮断するようになっている。
【0015】
溶融炉12の左右両側壁下部において、投入口14と流出防止壁20との間には、3個の溶融バーナ30がそれぞれ貫通支持されている。一方、溶融炉12の左右両側壁上部において、投入口14と排ガス口27との間には、2個の燃焼バーナ31がそれぞれ貫通支持されている。
【0016】
各溶融バーナ30及び各燃焼バーナ31は、両側壁間で前後方向に交互に位置するようにそれぞれ貫通支持されている。そして、溶融室13において、各溶融バーナ30によって燃料が燃焼されて生じる炎の燃焼熱により廃棄物を溶融するとともに、各燃焼バーナ31によって燃料が燃焼されて生じる炎の燃焼熱により排ガスを燃焼させて熱分解するようになっている。
【0017】
溶融炉12の前側壁にはバーナ取付け部32が貫通支持され、バーナ取付け部32には加熱バーナ33が貫通支持されている。そして、加熱バーナ33によって燃料が燃焼されて生じる炎の燃焼熱により、排ガスを燃焼させて熱分解するようになっている。これら溶融バーナ30、燃焼バーナ31及び加熱バーナ33は同一にそれぞれ構成されている。
【0018】
溶融室13の温度は、溶融された廃棄物が固化するのを防止するために、各バーナ30,31,33の炎の燃焼熱と、廃棄物及び溶融スラグの反射熱とにより、好ましくは1500〜2500℃に設定されている。1500℃未満では、溶融された廃棄物が固化しやすい。一方、2500℃を超えると、各バーナ30,31,33によって燃焼される燃料の量を増加させる必要があるために、溶融処理コストが嵩みやすい。
【0019】
溶融室13において、投入口14よりも前方側では、排ガスに含まれるNOx、CO、CO2、SOx、ダイオキシン等のガスを熱分解するために、より好ましくは1600〜2500℃に設定されている。1600℃未満ではガスを熱分解しにくい。さらに、流出防止壁20よりも前方側では、ガスを効率よく熱分解することによってガスがスラグ回収部23内に対流するのを抑制するために、さらに好ましくは1800〜2500℃に設定されている。1800℃未満ではガスを効率よく熱分解しにくい。
【0020】
次いで、溶融バーナ30について説明する。
図3及び図4(a)に示すように、有底円筒状のバーナ本体34の底壁には有底円筒状の冷媒供給管35が貫通支持され、冷媒供給管35の先端部はバーナ本体34内に位置するとともに端部に向かうに従い縮径するテーパ状に形成されている。冷媒供給管35は、その基端部がバーナ本体34の底壁よりも基端側に位置するとともに底壁には円筒状のガス供給管36が貫通支持され、ガス供給管36の先端部はバーナ本体34の先端部よりも先端側に位置している。ガス供給管36の基端部には図示しないガス発生装置が接続されている。
【0021】
ガス発生装置は、原料に水を用いてこれを電気分解又は熱分解することにより、水素ガス及び酸素ガスをモル比が水素:酸素で2:1となるように混合してなるブラウンガスを発生させるようになっている。そして、このブラウンガスは、溶融バーナ30の燃料としてガス供給管36内に送られるようになっている。
【0022】
バーナ本体34の先端部には略円環状のノズル固定部37が取付けられ、ガス供給管36の先端部には円環状のノズル取付け部38の基端部が螺合されている。このノズル取付け部38は複数の六角孔付きボルト39によってノズル固定部37に固定され、ノズル取付け部38の基端面とノズル固定部37との間は、図示しないゴム材料製のシールリングによってシールされている。
【0023】
ノズル取付け部38の先端部は、その内径が基端部の内径よりも大きく設定されるとともに略円筒状のノズル40の基端部が着脱可能に螺着されている。図4(a)及び(b)に示すように、ノズル40の内部はガス噴射口41として構成され、ガス噴射口41から噴射されたブラウンガスが燃焼されることにより、燃焼温度が2000〜2500℃の炎が発生する。
【0024】
図3に示すように、冷媒供給管35の基端部の周壁には冷媒供給孔42が貫通形成され、この冷媒供給孔42を介して冷媒供給管35内に冷媒としての水が圧入されるようになっている。この水は、冷媒供給管35の先端部によって圧縮されてその圧力が高まった状態でノズル取付け部38の基端面に向けて噴射され、ノズル取付け部38を介してノズル40を冷却した後、バーナ本体34の基端部の周壁に貫通形成された冷媒排出孔43から排水されるようになっている。
【0025】
さて、廃棄物の溶融処理を行うときには、まずファン29の回転を停止するとともにスラグ回収口24をエアーカーテン等によって閉塞し、外部から溶融室13への空気の流入を遮断する。この状態で各バーナ30,31,33にガス発生装置からブラウンガスを供給して着火した後、投入口14から溶融室13に廃棄物を投入する。このとき、投入口14はプッシャ17のシール板19によって閉塞される。
【0026】
溶融室13に堆積された廃棄物は、各溶融バーナ30の近傍位置のものが各溶融バーナ30の炎の燃焼熱によって溶融される。そして、図1に示すように、溶融された廃棄物は液状の溶融スラグとなり、溶融炉12の後側壁と流出防止壁20との間には、そのほとんどが溶融スラグであるとともに溶融されなかった廃棄物が底部に残留している廃棄物液44が貯留される。
【0027】
一方、廃棄物が溶融されるときに生じる排ガスは、まず各溶融バーナ30におけるブラウンガスの燃焼による2000〜2500℃という高温度の炎でそのほとんどが燃焼されて熱分解された後、図1の矢視線で示すように、溶融室13を対流する。このとき、溶融室13の後方に対流する排ガスは、各燃焼バーナ31の炎の燃焼熱によって燃焼されてほぼ完全に熱分解される。一方、溶融室13からスラグ回収部23内に対流する排ガスは、スラグ回収部23内に入る前に加熱バーナ33の炎の燃焼熱によって燃焼されてほぼ完全に熱分解される。
【0028】
続いて、ファン29を回転させて溶融室13の排ガスを排気する。このとき、排ガスは、そのほとんどが各燃焼バーナ31の炎の燃焼熱によって再度燃焼されるため、排ガス中に熱分解されずに残っているものを熱分解することができる。そして、ファン29の回転を停止した後、溶融室13に廃棄物をさらに投入して溶融処理する。
【0029】
上記の操作が繰り返されることにより、貯留された廃棄物液44の上面が排出凹部21の底面よりも上方に位置したときには、溶融スラグが排出凹部21を通り、排出口22からスラグ回収部23内に流下する。このとき、スラグ回収部23内の冷却用液体によって溶融スラグは固化され、この固化されたスラグは、各回収コンベア25,26によってスラグ回収口24から外方へ搬出される。
【0030】
以上詳述した本実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
・ 本実施形態の溶融処理装置11によれば、各溶融バーナ30によってブラウンガスが燃焼され、その炎の燃焼熱によって廃棄物が溶融されている。このブラウンガスは、空気を供給することなく燃焼させることができるとともに、燃焼時には高温度の燃焼熱を発生させることができる。そして、ブラウンガスが燃焼されるときには、プッシャ17のシール板19、ファン29及びエアーカーテン等によって外部から溶融室13への空気の流入が遮断されている。
【0031】
このため、燃料に空気を供給することなく、廃棄物の溶融処理を行うことができる。さらに、ブラウンガスに不純物が混じり燃焼温度が低下するのを防止することができるとともに、熱分解されていない排ガスが外部に漏出するのを防止することができる。
【0032】
・ 溶融炉12には燃焼バーナ31が貫通支持され、この燃焼バーナ31の炎の燃焼熱によって、溶融室13を対流する排ガスを燃焼させて熱分解するようになっている。このため、排ガスは燃焼バーナ31によって熱分解されるために、排ガスに含まれるNOx、CO、CO2、SOx、ダイオキシン等のガスを熱分解することができる。
【0033】
・ 投入口14は溶融炉12の左側壁の中間部に開口され、各燃焼バーナ31は投入口14と排ガス口27との間にそれぞれ貫通支持されている。このため、投入口14が溶融炉12の側壁の後端部に開口されている溶融処理装置に比べて、投入口14と排ガス口27との距離を大きくすることができる。よって、投入口14から例えば焼却灰のみから構成される廃棄物を溶融室13に投入したときに、その一部が排ガス口27及び排ガス管28を介して外部に漏出するのを抑制することができる。
【0034】
・ 投入口14は、溶融室13の中央部よりも後方側に開口されるのが好ましい。このため、投入口14と流出防止壁20との距離を投入口14と排ガス口27との距離に比べて大きくすることができる。よって、投入口14と流出防止壁20との距離が投入口14と排ガス口27との距離以下である場合に比べて、溶融炉12の両側壁において投入口14と流出防止壁20との間に多くの溶融バーナ30を取付けることができ、溶融処理の効率を向上させることができる。
【0035】
・ 各溶融バーナ30は溶融炉12の左右両側壁下部に貫通支持され、各燃焼バーナ31は左右両側壁上部に貫通支持されている。このため、溶融室13に堆積された廃棄物を容易に溶融することができるとともに、溶融室13を対流する排ガスを容易に燃焼させて熱分解することができる。
【0036】
・ 排ガス口27は溶融炉12の後側壁上部に開口され、各燃焼バーナ31は溶融炉12の左右両側壁上部にそれぞれ貫通支持されている。このため、ファン29を回転させて溶融室13の排ガスを排気するときに、排ガスを各燃焼バーナ31の炎の燃焼熱によって再度燃焼することができる。よって、排ガスをより確実に燃焼させて熱分解してから外部に排気することができる。
【0037】
なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・ 前記投入口14を、溶融炉12の左右両側壁に一対開口してもよい。このように構成した場合は、溶融処理の効率を向上させることができる。
【0038】
・ 前記溶融バーナ30を、溶融炉12の左右両側壁に4個以上又は2個以下それぞれ貫通支持してもよい。また、前記燃焼バーナ31を、溶融炉12の左右両側壁に3個以上又は1個それぞれ貫通支持してもよい。
【0039】
・ 前記プッシャ17のシール板19を省略してもよい。このとき、プッシャ17は、その先端が投入口14まで到達することなく投入筒部16の途中で前進が停止するように構成される。このように構成した場合は、プッシャ17はその先端の前進が投入筒部16の途中で停止するために、廃棄物の一部は投入筒部16内に残留する。このため、投入口14を残留した廃棄物が実質的な壁となって閉塞することができる。
【0040】
・ 前記ファン29を省略してもよい。このように構成した場合も、廃棄物が溶融されるときに生じる排ガスによって溶融室13の気圧は外部の気圧よりも高くなるために、排ガス管28を介しての外部から溶融室13への空気の流入を遮断することができる。
【0041】
・ 前記排ガス管28に燃焼バーナ31を取付けてもよい。このように構成した場合は、排ガスが排ガス管28内を流通するときに燃焼バーナ31の炎の燃焼熱よって再度燃焼されるために、排ガスをさらに確実に燃焼させて熱分解することができる。
【0042】
次に、前記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(1)前記溶融室は、投入口よりも前方側の温度が1600〜2500℃に設定されている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の溶融処理装置。この構成によれば、排ガスに含まれるNOx、CO、CO2、SOx、ダイオキシン等のガスをより確実に熱分解することができる。
【0043】
(2)前記排ガス口は、溶融室の上部に設けられている請求項1から請求項3及び上記(1)のいずれか一項に記載の溶融処理装置。この構成によれば、排ガスをより確実に燃焼させて熱分解することができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明の溶融処理装置によれば、燃料に空気を供給することなく、廃棄物の溶融処理を行うことができる。
【0045】
請求項2に記載の発明の溶融処理装置によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、溶融処理の効率を向上させることができる。
請求項3に記載の発明の溶融処理装置によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加え、廃棄物を容易に溶融することができるとともに、排ガスを容易に燃焼させて熱分解することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の溶融処理装置を示す断面図。
【図2】溶融炉を示す要部破断図。
【図3】溶融バーナを示す部分拡大断面図。
【図4】(a)は溶融バーナを示す部分拡大断面図、(b)は溶融バーナを示す正面図。
【符号の説明】
11…溶融処理装置、13…溶融室、14…投入口、22…排出口、27…排ガス口、30…溶融バーナ、31…燃焼バーナ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばゴミ焼却時に排出される焼却灰、アルミニウム、鉄、銅等の金属の精錬時又は鋳物の鋳造時に発生する金属スケール等のような廃棄物を加熱溶融するための溶融処理装置に関するものである。より詳しくは、燃料に空気を供給することなく、廃棄物の溶融処理を行うことができる溶融処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の溶融処理装置は、廃棄物を溶融させるための溶融炉を備えている。この溶融炉は、その内部に廃棄物を貯留するための溶融室が区画形成されるとともに、燃料を燃焼させたときに生ずる燃焼熱で溶融室に貯留された廃棄物を溶融するための溶融バーナが配設されている。この溶融バーナの燃料としては化石燃料より得られる可燃性ガス等が用いられ、これを燃焼させることによって約1300℃程度の燃焼熱を得ることができるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の溶融処理装置によれば、溶融バーナの燃料として化石燃料より得られる可燃性ガス等を用いるため、これを燃焼させるために溶融室に空気を供給する必要がある。しかし、このような燃料を空気中で燃焼させると、空気中の窒素が酸化されて窒素酸化物(NOx)が生成されたり、燃焼時に多量の一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)、硫黄酸化物(SOx)等が生成されたり等して、これらが溶融処理装置の外部に排ガスとして排気されてしまうという問題があった。
【0004】
本発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、燃料に空気を供給することなく、廃棄物の溶融処理を行うことができる溶融処理装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の溶融処理装置は、廃棄物を堆積して溶融するための溶融室を備え、該溶融室には、その前方下部に溶融された廃棄物を排出するための排出口が設けられるとともに後方に排ガス口が設けられ、中間部には溶融室に廃棄物を投入するための投入口が設けられ、投入口よりも前方には、水素ガス及び酸素ガスをモル比が水素:酸素で2:1となるように混合してなるブラウンガスを燃焼させて廃棄物を溶融するための溶融バーナが設けられ、投入口よりも後方には、前記ブラウンガスの燃焼によって生じる燃焼熱によって廃棄物を溶融するときに生じる排ガスを燃焼させて熱分解するための燃焼バーナが設けられ、廃棄物が溶融されるときには、外部から溶融室への空気の流入が遮断されるように構成されているものである。
【0006】
請求項2に記載の発明の溶融処理装置は、請求項1に記載の発明において、前記投入口は、溶融室の中央部よりも後方側に設けられているものである。
請求項3に記載の発明の溶融処理装置は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記溶融バーナは溶融室の下部に設けられ、燃焼バーナは溶融室の上部に設けられているものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明において、前後は図1における左右を基準にするとともに、左右は図2における上下を基準にする。
【0008】
図1及び図2に示すように、溶融処理装置11を構成する溶融炉12は前後方向に延びる長四角箱状の溶融室13を有し、溶融炉12の左側壁の中間部には廃棄物を溶融室13に投入するための円孔状の投入口14が開口されている。この投入口14は、溶融処理の効率を向上させるために溶融室13の中央部よりも後方側に開口されるのが好ましく、例えば本実施形態では、溶融炉12の後側壁と投入口14との距離は溶融室13の長さの1/3に設定されている。投入口14には、廃棄物投入機構15が接続されている。
【0009】
廃棄物投入機構15は投入口14に接続されている円筒状の投入筒部16を備え、投入筒部16の内部にはプッシャ17が進退可能に配設され、上部にはホッパ18が取付けられている。そして、プッシャ17が投入筒部16内を後退した状態においてホッパ18から投入筒部16内に廃棄物が供給され、プッシャ17が投入口14に対して前進することにより、廃棄物は投入口14を介して溶融室13に投入されるようになっている。プッシャ17の先端には、円板状のシール板19が取付けられている。
【0010】
廃棄物の具体例としては、紙屑、木屑、布屑、プラスチック屑、可燃性ゴミ等のような燃焼物を焼却したときに生じる焼却灰等の焼成残滓が挙げられる。その他には、アルミニウム、鉄、銅等の金属の精錬時又は鋳物の鋳造時に発生する金属スケール等のような水分をほとんど含有しないもの、又は汚泥、廃棄薬剤等のような水分を含有するもの等が挙げられる。
【0011】
溶融室13の長さは例えば本実施形態では5.5mであり、幅は溶融処理の効率を向上させるために好ましくは1.0〜1.3mである。1.0m未満では、溶融室13に堆積される廃棄物の量が少ないために、一度に溶融処理できる廃棄物の量が少なく溶融処理の効率が低下しやすい。一方、1.3mを超えると、溶融室13の温度が低下するために、溶融室13で廃棄物を溶融するときに生じる排ガスが熱分解されにくい。
【0012】
溶融炉12の底壁において、その前端部には溶融室13に投入された廃棄物の移動を規制するために流出防止壁20が立設されている。この流出防止壁20の上端部中央には、溶融された廃棄物、即ち溶融スラグを前方へ排出するための排出凹部21が凹設されている。さらに、流出防止壁20より前方位置には排出口22が開口され、その下方位置には四角箱状のスラグ回収部23が延設されている。
【0013】
スラグ回収部23の内部は、排出口22を介して溶融室13と連通するとともに、水等の冷却用液体が貯留されている。スラグ回収部23の後側壁にはスラグ回収口24が開口され、そこにはスラグ回収部23内に傾斜配置された第1回収コンベア25と連動する第2回収コンベア26が配設されている。そして、これら回収コンベア25,26によって、スラグ回収部23内のスラグを外方へ搬出するようになっている。スラグ回収口24は、図示しないエアーカーテン等によって解放又は閉塞することができるようになっている。
【0014】
溶融炉12の後側壁上部には円孔状の排ガス口27が開口され、この排ガス口27にはL字状をなす円筒状の排ガス管28が接続されている。溶融室13と排ガス管28の内部とは連通され、排ガス管28の端部内に取付けられたファン29が回転することにより、溶融室13の排ガスが排ガス口27及び排ガス管28を介して外方へ排気されるようになっている。さらに、ファン29の回転が停止しているときには、排ガス管28を介しての外部から溶融室13への空気の流入を遮断するようになっている。
【0015】
溶融炉12の左右両側壁下部において、投入口14と流出防止壁20との間には、3個の溶融バーナ30がそれぞれ貫通支持されている。一方、溶融炉12の左右両側壁上部において、投入口14と排ガス口27との間には、2個の燃焼バーナ31がそれぞれ貫通支持されている。
【0016】
各溶融バーナ30及び各燃焼バーナ31は、両側壁間で前後方向に交互に位置するようにそれぞれ貫通支持されている。そして、溶融室13において、各溶融バーナ30によって燃料が燃焼されて生じる炎の燃焼熱により廃棄物を溶融するとともに、各燃焼バーナ31によって燃料が燃焼されて生じる炎の燃焼熱により排ガスを燃焼させて熱分解するようになっている。
【0017】
溶融炉12の前側壁にはバーナ取付け部32が貫通支持され、バーナ取付け部32には加熱バーナ33が貫通支持されている。そして、加熱バーナ33によって燃料が燃焼されて生じる炎の燃焼熱により、排ガスを燃焼させて熱分解するようになっている。これら溶融バーナ30、燃焼バーナ31及び加熱バーナ33は同一にそれぞれ構成されている。
【0018】
溶融室13の温度は、溶融された廃棄物が固化するのを防止するために、各バーナ30,31,33の炎の燃焼熱と、廃棄物及び溶融スラグの反射熱とにより、好ましくは1500〜2500℃に設定されている。1500℃未満では、溶融された廃棄物が固化しやすい。一方、2500℃を超えると、各バーナ30,31,33によって燃焼される燃料の量を増加させる必要があるために、溶融処理コストが嵩みやすい。
【0019】
溶融室13において、投入口14よりも前方側では、排ガスに含まれるNOx、CO、CO2、SOx、ダイオキシン等のガスを熱分解するために、より好ましくは1600〜2500℃に設定されている。1600℃未満ではガスを熱分解しにくい。さらに、流出防止壁20よりも前方側では、ガスを効率よく熱分解することによってガスがスラグ回収部23内に対流するのを抑制するために、さらに好ましくは1800〜2500℃に設定されている。1800℃未満ではガスを効率よく熱分解しにくい。
【0020】
次いで、溶融バーナ30について説明する。
図3及び図4(a)に示すように、有底円筒状のバーナ本体34の底壁には有底円筒状の冷媒供給管35が貫通支持され、冷媒供給管35の先端部はバーナ本体34内に位置するとともに端部に向かうに従い縮径するテーパ状に形成されている。冷媒供給管35は、その基端部がバーナ本体34の底壁よりも基端側に位置するとともに底壁には円筒状のガス供給管36が貫通支持され、ガス供給管36の先端部はバーナ本体34の先端部よりも先端側に位置している。ガス供給管36の基端部には図示しないガス発生装置が接続されている。
【0021】
ガス発生装置は、原料に水を用いてこれを電気分解又は熱分解することにより、水素ガス及び酸素ガスをモル比が水素:酸素で2:1となるように混合してなるブラウンガスを発生させるようになっている。そして、このブラウンガスは、溶融バーナ30の燃料としてガス供給管36内に送られるようになっている。
【0022】
バーナ本体34の先端部には略円環状のノズル固定部37が取付けられ、ガス供給管36の先端部には円環状のノズル取付け部38の基端部が螺合されている。このノズル取付け部38は複数の六角孔付きボルト39によってノズル固定部37に固定され、ノズル取付け部38の基端面とノズル固定部37との間は、図示しないゴム材料製のシールリングによってシールされている。
【0023】
ノズル取付け部38の先端部は、その内径が基端部の内径よりも大きく設定されるとともに略円筒状のノズル40の基端部が着脱可能に螺着されている。図4(a)及び(b)に示すように、ノズル40の内部はガス噴射口41として構成され、ガス噴射口41から噴射されたブラウンガスが燃焼されることにより、燃焼温度が2000〜2500℃の炎が発生する。
【0024】
図3に示すように、冷媒供給管35の基端部の周壁には冷媒供給孔42が貫通形成され、この冷媒供給孔42を介して冷媒供給管35内に冷媒としての水が圧入されるようになっている。この水は、冷媒供給管35の先端部によって圧縮されてその圧力が高まった状態でノズル取付け部38の基端面に向けて噴射され、ノズル取付け部38を介してノズル40を冷却した後、バーナ本体34の基端部の周壁に貫通形成された冷媒排出孔43から排水されるようになっている。
【0025】
さて、廃棄物の溶融処理を行うときには、まずファン29の回転を停止するとともにスラグ回収口24をエアーカーテン等によって閉塞し、外部から溶融室13への空気の流入を遮断する。この状態で各バーナ30,31,33にガス発生装置からブラウンガスを供給して着火した後、投入口14から溶融室13に廃棄物を投入する。このとき、投入口14はプッシャ17のシール板19によって閉塞される。
【0026】
溶融室13に堆積された廃棄物は、各溶融バーナ30の近傍位置のものが各溶融バーナ30の炎の燃焼熱によって溶融される。そして、図1に示すように、溶融された廃棄物は液状の溶融スラグとなり、溶融炉12の後側壁と流出防止壁20との間には、そのほとんどが溶融スラグであるとともに溶融されなかった廃棄物が底部に残留している廃棄物液44が貯留される。
【0027】
一方、廃棄物が溶融されるときに生じる排ガスは、まず各溶融バーナ30におけるブラウンガスの燃焼による2000〜2500℃という高温度の炎でそのほとんどが燃焼されて熱分解された後、図1の矢視線で示すように、溶融室13を対流する。このとき、溶融室13の後方に対流する排ガスは、各燃焼バーナ31の炎の燃焼熱によって燃焼されてほぼ完全に熱分解される。一方、溶融室13からスラグ回収部23内に対流する排ガスは、スラグ回収部23内に入る前に加熱バーナ33の炎の燃焼熱によって燃焼されてほぼ完全に熱分解される。
【0028】
続いて、ファン29を回転させて溶融室13の排ガスを排気する。このとき、排ガスは、そのほとんどが各燃焼バーナ31の炎の燃焼熱によって再度燃焼されるため、排ガス中に熱分解されずに残っているものを熱分解することができる。そして、ファン29の回転を停止した後、溶融室13に廃棄物をさらに投入して溶融処理する。
【0029】
上記の操作が繰り返されることにより、貯留された廃棄物液44の上面が排出凹部21の底面よりも上方に位置したときには、溶融スラグが排出凹部21を通り、排出口22からスラグ回収部23内に流下する。このとき、スラグ回収部23内の冷却用液体によって溶融スラグは固化され、この固化されたスラグは、各回収コンベア25,26によってスラグ回収口24から外方へ搬出される。
【0030】
以上詳述した本実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
・ 本実施形態の溶融処理装置11によれば、各溶融バーナ30によってブラウンガスが燃焼され、その炎の燃焼熱によって廃棄物が溶融されている。このブラウンガスは、空気を供給することなく燃焼させることができるとともに、燃焼時には高温度の燃焼熱を発生させることができる。そして、ブラウンガスが燃焼されるときには、プッシャ17のシール板19、ファン29及びエアーカーテン等によって外部から溶融室13への空気の流入が遮断されている。
【0031】
このため、燃料に空気を供給することなく、廃棄物の溶融処理を行うことができる。さらに、ブラウンガスに不純物が混じり燃焼温度が低下するのを防止することができるとともに、熱分解されていない排ガスが外部に漏出するのを防止することができる。
【0032】
・ 溶融炉12には燃焼バーナ31が貫通支持され、この燃焼バーナ31の炎の燃焼熱によって、溶融室13を対流する排ガスを燃焼させて熱分解するようになっている。このため、排ガスは燃焼バーナ31によって熱分解されるために、排ガスに含まれるNOx、CO、CO2、SOx、ダイオキシン等のガスを熱分解することができる。
【0033】
・ 投入口14は溶融炉12の左側壁の中間部に開口され、各燃焼バーナ31は投入口14と排ガス口27との間にそれぞれ貫通支持されている。このため、投入口14が溶融炉12の側壁の後端部に開口されている溶融処理装置に比べて、投入口14と排ガス口27との距離を大きくすることができる。よって、投入口14から例えば焼却灰のみから構成される廃棄物を溶融室13に投入したときに、その一部が排ガス口27及び排ガス管28を介して外部に漏出するのを抑制することができる。
【0034】
・ 投入口14は、溶融室13の中央部よりも後方側に開口されるのが好ましい。このため、投入口14と流出防止壁20との距離を投入口14と排ガス口27との距離に比べて大きくすることができる。よって、投入口14と流出防止壁20との距離が投入口14と排ガス口27との距離以下である場合に比べて、溶融炉12の両側壁において投入口14と流出防止壁20との間に多くの溶融バーナ30を取付けることができ、溶融処理の効率を向上させることができる。
【0035】
・ 各溶融バーナ30は溶融炉12の左右両側壁下部に貫通支持され、各燃焼バーナ31は左右両側壁上部に貫通支持されている。このため、溶融室13に堆積された廃棄物を容易に溶融することができるとともに、溶融室13を対流する排ガスを容易に燃焼させて熱分解することができる。
【0036】
・ 排ガス口27は溶融炉12の後側壁上部に開口され、各燃焼バーナ31は溶融炉12の左右両側壁上部にそれぞれ貫通支持されている。このため、ファン29を回転させて溶融室13の排ガスを排気するときに、排ガスを各燃焼バーナ31の炎の燃焼熱によって再度燃焼することができる。よって、排ガスをより確実に燃焼させて熱分解してから外部に排気することができる。
【0037】
なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・ 前記投入口14を、溶融炉12の左右両側壁に一対開口してもよい。このように構成した場合は、溶融処理の効率を向上させることができる。
【0038】
・ 前記溶融バーナ30を、溶融炉12の左右両側壁に4個以上又は2個以下それぞれ貫通支持してもよい。また、前記燃焼バーナ31を、溶融炉12の左右両側壁に3個以上又は1個それぞれ貫通支持してもよい。
【0039】
・ 前記プッシャ17のシール板19を省略してもよい。このとき、プッシャ17は、その先端が投入口14まで到達することなく投入筒部16の途中で前進が停止するように構成される。このように構成した場合は、プッシャ17はその先端の前進が投入筒部16の途中で停止するために、廃棄物の一部は投入筒部16内に残留する。このため、投入口14を残留した廃棄物が実質的な壁となって閉塞することができる。
【0040】
・ 前記ファン29を省略してもよい。このように構成した場合も、廃棄物が溶融されるときに生じる排ガスによって溶融室13の気圧は外部の気圧よりも高くなるために、排ガス管28を介しての外部から溶融室13への空気の流入を遮断することができる。
【0041】
・ 前記排ガス管28に燃焼バーナ31を取付けてもよい。このように構成した場合は、排ガスが排ガス管28内を流通するときに燃焼バーナ31の炎の燃焼熱よって再度燃焼されるために、排ガスをさらに確実に燃焼させて熱分解することができる。
【0042】
次に、前記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(1)前記溶融室は、投入口よりも前方側の温度が1600〜2500℃に設定されている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の溶融処理装置。この構成によれば、排ガスに含まれるNOx、CO、CO2、SOx、ダイオキシン等のガスをより確実に熱分解することができる。
【0043】
(2)前記排ガス口は、溶融室の上部に設けられている請求項1から請求項3及び上記(1)のいずれか一項に記載の溶融処理装置。この構成によれば、排ガスをより確実に燃焼させて熱分解することができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明の溶融処理装置によれば、燃料に空気を供給することなく、廃棄物の溶融処理を行うことができる。
【0045】
請求項2に記載の発明の溶融処理装置によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、溶融処理の効率を向上させることができる。
請求項3に記載の発明の溶融処理装置によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加え、廃棄物を容易に溶融することができるとともに、排ガスを容易に燃焼させて熱分解することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の溶融処理装置を示す断面図。
【図2】溶融炉を示す要部破断図。
【図3】溶融バーナを示す部分拡大断面図。
【図4】(a)は溶融バーナを示す部分拡大断面図、(b)は溶融バーナを示す正面図。
【符号の説明】
11…溶融処理装置、13…溶融室、14…投入口、22…排出口、27…排ガス口、30…溶融バーナ、31…燃焼バーナ。
Claims (3)
- 廃棄物を堆積して溶融するための溶融室を備え、該溶融室には、その前方下部に溶融された廃棄物を排出するための排出口が設けられるとともに後方に排ガス口が設けられ、中間部には溶融室に廃棄物を投入するための投入口が設けられ、投入口よりも前方には、水素ガス及び酸素ガスをモル比が水素:酸素で2:1となるように混合してなるブラウンガスを燃焼させて廃棄物を溶融するための溶融バーナが設けられ、投入口よりも後方には、前記ブラウンガスの燃焼によって生じる燃焼熱によって廃棄物を溶融するときに生じる排ガスを燃焼させて熱分解するための燃焼バーナが設けられ、廃棄物が溶融されるときには、外部から溶融室への空気の流入が遮断されるように構成されていることを特徴とする溶融処理装置。
- 前記投入口は、溶融室の中央部よりも後方側に設けられている請求項1に記載の溶融処理装置。
- 前記溶融バーナは溶融室の下部に設けられ、燃焼バーナは溶融室の上部に設けられている請求項1又は請求項2に記載の溶融処理装置。
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Cited By (3)
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JP2006169053A (ja) * | 2004-12-16 | 2006-06-29 | Jipangu Energy:Kk | 水素ガス製造方法及び製造システム |
JP2009002639A (ja) * | 2007-05-02 | 2009-01-08 | Air Products & Chemicals Inc | 溶融炉への熱供給方法 |
JP2012021673A (ja) * | 2010-07-13 | 2012-02-02 | Kubota Corp | ダスト排出装置 |
-
2002
- 2002-08-23 JP JP2002244154A patent/JP2004085010A/ja active Pending
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