JPWO2005056602A1 - アゴニスト活性を有する改変抗体のスクリーニング方法 - Google Patents

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幹良 斉藤
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Abstract

抗ヒトMpl抗体を作製し、その中で結合活性が高かった3種類の抗体について、遺伝子工学的手法により一本鎖抗体の発現系を構築した。TPO依存性増殖を示すBaF3−human Mplを用いて、抗ヒトMpl抗体および抗ヒトMpl一本鎖抗体のTPO様アゴニスト活性の評価を行なったところ、抗ヒトMpl抗体はアゴニスト活性を示さなかったのに対し、抗ヒトMpl一本鎖抗体ではアゴニスト活性を示すことが分かった。 このことは、アゴニスト活性を有する改変抗体のスクリーニングにおいて、抗原結合活性を有する抗体を改変した後に、アゴニスト活性を測定することが有効であることを示している。

Description

本発明は、アゴニスト活性を有する改変抗体のスクリーニング方法に関する。
抗体は血中での安定性が高く、抗原性も少ないことから医薬品として注目されている。その中でも、受容体などの細胞表面に発現するタンパク質を認識し、特異的反応を細胞に生じさせることが可能なアゴニスト抗体は医薬品として有用であると考えられている。エリスロポエチン受容体に対するアゴニスト抗体(非特許文献1参照)、トロンボポエチン受容体に対するアゴニスト抗体やCD47に対するアゴニスト抗体(特許文献1および2参照)など、既に幾つかのアゴニスト抗体が報告されている。
又、近年、ヒトに対する抗原性、血中半減期、製造における簡便性、などの観点からアミノ酸配列の置換など、何らかの改変が行われた改変抗体が医薬品として開発されている。例えば、低分子化抗体や、ヒト化・キメラ化抗体など、改変抗体は医薬品として優れた性質を有していると考えられている。
以上のようにアゴニスト活性を有する改変抗体は疾患の治療・診断などに非常に有用であると考えられており、そのような抗体を取得する為の効率的なスクリーニング方法が望まれている。
従来のアゴニスト活性を有する改変抗体のスクリーニングは、通常、(1)抗体作製、(2)作製された抗体の結合活性及びアゴニスト活性の測定、(3)結合活性及びアゴニスト活性を有する抗体の選択、(4)抗体の改変、(5)改変抗体の結合活性及びアゴニスト活性の測定、(6)結合活性及びアゴニスト活性を有する抗体の選択、という流れで行われており、抗体を改変する前の段階でアゴニスト活性がない又は低い抗体は、その段階で除外されてしまい、改変されることはなかった。
従って、改変前の段階ではアゴニスト活性を有していないが、潜在的にアゴニスト活性を有する抗体を、従来のスクリーニング方法で見出すことは不可能であった。
国際公開第02/33072号 国際公開第02/33073号 Elliott Sら著、J.Biol.Chem.,1996年、Vol.271(40)、p.24691−24697
本発明はこのような状況に鑑みて為されたものであり、その目的は、アゴニスト活性を有する改変抗体のスクリーニング方法を提供することにある。より具体的には、抗原結合活性を指標にスクリーニングした抗体を改変した後に、アゴニスト活性を測定することを特徴とするスクリーニング方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を行なった。詳しくは抗ヒトMpl抗体を作製し、その中で結合活性が高かった抗体について、遺伝子工学的手法により一本鎖抗体の発現系を構築した。TPO依存性増殖を示すBaF3−human Mplを用いて、全長抗ヒトMpl抗体および低分子化抗ヒトMpl一本鎖抗体のTPO様アゴニスト活性の評価を行なったところ、全長抗ヒトMpl抗体はアゴニスト活性を示さなかったのに対し、低分子化抗ヒトMpl一本鎖抗体ではアゴニスト活性を示していた。
本発明者らは、抗体の改変前と改変後ではアゴニスト活性に差があり、改変前にアゴニスト活性を有していない抗体でも、抗体に低分子化などの改変をすることによりアゴニスト活性を有するようになることに着目し、アゴニスト活性を有する改変抗体のスクリーニングにおいて、抗原結合活性を有する抗体を改変した後に、アゴニスト活性を測定することで、従来のスクリーニングでは選択が不可能であった抗体も選択することが可能であることを見出した。
つまり、抗体を改変する前にアゴニスト活性を測定し、その時点でアゴニスト活性がない抗体を除外するという従来のスクリーニング方法では、改変前にはアゴニスト活性を有していないが改変によりアゴニスト活性を有するようになる抗体を見出すことは不可能であったのに対し、抗体の改変前にはアゴニスト活性を指標として抗体を除外しないスクリーニング方法であれば、従来の方法では見落とされてしまう抗体を見出すことが可能となる。
すなわち本発明はアゴニスト抗体のスクリーニング方法に関し、より具体的には、
〔1〕以下の工程を含む、アゴニスト抗体のスクリーニング方法、
(a)被験抗体の結合活性を測定し、結合活性を有する抗体を選択する工程、
(b)(a)で選択された抗体を改変する工程、
(c)(b)の改変抗体のアゴニスト活性を測定し、アゴニスト活性を有する改変抗体を選択する工程
〔2〕改変抗体が低分子化抗体であることを特徴とする、〔1〕に記載のスクリーニング方法、
〔3〕低分子化抗体がsc(Fv)2であることを特徴とする、〔2〕に記載のスクリーニング方法、
〔4〕被験抗体を改変する前に、アゴニスト活性を測定しないことを特徴とする、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のスクリーニング方法、
〔5〕抗体が細胞膜上に発現するタンパク質に対する抗体であることを特徴とする、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のスクリーニング方法、
〔6〕〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の方法により得られた抗体、
〔7〕以下の工程を含む、アゴニスト活性を有する抗体の製造方法、
(a)抗体の結合活性を測定し、結合活性を有する抗体を選択する工程、
(b)(a)で選択された抗体を改変する工程、
(c)(b)の改変抗体のアゴニスト活性を測定し、アゴニスト活性を有する抗体を選択する工程、
(d)(c)で選択された抗体をコードするDNAを含むベクターを宿主細胞に導入する工程、
(e)(d)の宿主細胞を培養する工程
〔8〕改変抗体が低分子化抗体であることを特徴とする、〔7〕に記載の製造方法、
〔9〕低分子化抗体がsc(Fv)2であることを特徴とする、〔8〕に記載の製造方法、
〔10〕抗体を改変する前に、アゴニスト活性を測定しないことを特徴とする、〔7〕〜〔9〕のいずれかに記載の製造方法、
〔11〕抗体が細胞膜上に発現するタンパク質に対する抗体であることを特徴とする、〔7〕〜〔10〕のいずれかに記載の製造方法、
〔12〕以下の工程を含むアゴニスト抗体のスクリーニング方法であって、(a)の工程の前に被験抗体のアゴニスト活性を測定しないことを特徴とする方法、
(a)被験抗体を改変する工程、
(b)(a)の改変抗体のアゴニスト活性を測定し、アゴニスト活性を有する改変抗体を選択する工程
〔13〕改変抗体が低分子化抗体であることを特徴とする、〔12〕に記載のスクリーニング方法、
〔14〕低分子化抗体がsc(Fv)2であることを特徴とする、〔13〕に記載のスクリーニング方法、に関する。
一本鎖抗体sc(Fv)2の作製過程を示す図である。 Mpl発現CHO細胞株を用いたVA130 sc(Fv)2の結合活性評価の結果を示すグラフである。VA130 sc(Fv)2精製品を使用した。 BaF3−human Mplを用いたVA130抗体のアゴニスト活性評価の結果を示すグラフである。
本発明は、アゴニスト活性を有する改変抗体のスクリーニング方法を提供する。本発明のスクリーニング方法は、抗原結合活性を指標にスクリーニングした抗体を改変した後に、該改変抗体のアゴニスト活性を測定し、アゴニスト活性を有する改変抗体を選択することを特徴とする。
本発明の方法は、まず、被験抗体の抗原結合活性を測定し、抗原結合活性を有する抗体を選択する。次いで、選択された抗体を改変する。次いで、該改変抗体のアゴニスト活性を測定し、アゴニスト活性を有する改変抗体を選択する。
本発明において、抗体の改変とは、抗体のアミノ酸配列、分子量、立体構造などを変化させることをいう。抗体の改変の具体例としては、例えば、低分子化、キメラ化・ヒト化、修飾、糖鎖の置換・付加・欠失などを挙げることができる。抗体の改変は、複数の改変が行われていてもよいし、単一の改変が行われてもよい。
本発明においては好ましい改変は、抗体の低分子化である。低分子化の好ましい態様としては、Diabody化又はsc(Fv)2化であり、特に好ましくはsc(Fv)2化である。
低分子化抗体は、全長抗体(whole antibody、例えばwhole IgG等)の一部分が欠損している抗体断片を含み、抗原への結合能を有していれば特に限定されない。本発明の抗体断片は、全長抗体の一部分であれば特に限定されないが、重鎖可変領域(VH)又は/及び軽鎖可変領域(VL)を含んでいることが好ましい。VHまたはVLのアミノ酸配列は、置換、欠失、付加及び/又は挿入がされていてもよい。さらに抗原への結合能を有する限り、VH又は/及びVLの一部を欠損させてもよい。又、可変領域はキメラ化やヒト化されていてもよい。
抗体断片の具体例としては、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv等を挙げることができる。
低分子化抗体の具体例としては、例えば、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、scFv(シングルチェインFv)、Diabody、sc(Fv)2などを挙げることができるが、好ましくはDiabody又はsc(Fv)2であり、特に好ましくはsc(Fv)2である。このような低分子化抗体は、当業者に公知の方法によって製造することができる。
Diabodyは、可変領域と可変領域をリンカー等で結合したフラグメント(例えば、scFv等)を2つ結合させて二量体化させたものであり、通常、2つのVLと2つのVHを含む(P.Holliger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90,6444−6448(1993)、EP404097号、WO93/11161号、Johnson et al.,Method in Enzymology,203,88−98,(1991)、Holliger et al.,Protein Engineering,9,299−305,(1996)、Perisic et al.,Structure,2,1217−1226,(1994)、John et al.,Protein Engineering,12(7),597−604,(1999)、Holliger et al,.Proc.Natl.Acad.Sci.USA.,90,6444−6448,(1993)、Atwell et al.,Mol.Immunol.33,1301−1312,(1996))。
sc(Fv)2は、2つの重鎖可変領域及び2つの軽鎖可変領域をリンカー等で結合し、一本鎖ポリペプチドにした抗体であり(Hudson et al、J Immunol.Methods 1999;231:177−189)、例えば、2つのsc(Fv)をリンカーで結合すること等により作製することが可能である。
結合される2つの重鎖可変領域と2つの軽鎖可変領域の順序は特に限定されず、どのような順序で並べられていてもよく、例えば、以下のような配置を挙げることができる。
[VL]リンカー[VH]リンカー[VH]リンカー[VL]
[VH]リンカー[VL]リンカー[VL]リンカー[VH]
[VH]リンカー[VH]リンカー[VL]リンカー[VL]
[VH]リンカー[VL]リンカー[VH]リンカー[VL]
[VL]リンカー[VL]リンカー[VH]リンカー[VH]
[VL]リンカー[VH]リンカー[VL]リンカー[VH]
本発明においては、[VH]リンカー[VL]リンカー[VH]リンカー[VL]の配置を有するsc(Fv)2が好ましい。
リンカーは、遺伝子工学により導入し得る任意のペプチドリンカー、又は合成化合物リンカー(例えば、Protein Engineering,9(3),299−305,1996参照)に開示されるリンカーを用いることができる。
本発明において好ましいリンカーはペプチドリンカーである。ペプチドリンカーの長さは特に限定されず、目的に応じて当業者が適宜選択することが可能であるが、通常、1〜100アミノ酸、好ましくは5〜30アミノ酸、特に好ましくは12〜18アミノ酸(例えば、15アミノ酸)である。
ペプチドリンカーのアミノ酸配列としては、例えば、以下のような配列を挙げることができる。
Ser
Gly・Ser
Gly・Gly・Ser
Ser・Gly・Gly
Gly・Gly・Gly・Ser
Ser・Gly・Gly・Gly
Gly・Gly・Gly・Gly・Ser
Ser・Gly・Gly・Gly・Gly
Gly・Gly・Gly・Gly・Gly・Ser
Ser・Gly・Gly・Gly・Gly・Gly
Gly・Gly・Gly・Gly・Gly・Gly・Ser
Ser・Gly・Gly・Gly・Gly・Gly・Gly
(Gly・Gly・Gly・Gly・Ser)n
(Ser・Gly・Gly・Gly・Gly)n
[nは1以上の整数である]等を挙げることができる。
合成化学物リンカー(化学架橋剤)は、ペプチドの架橋に通常用いられている架橋剤、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)ジスクシンイミジルスベレート(DSS)、ビス(スルホスクシンイミジル)スベレート(BS)、ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)(DSP)、ジチオビス(スルホスクシンイミジルプロピオネート)(DTSSP)、エチレングリコールビス(スクシンイミジルスクシネート)(EGS)、エチレングリコールビス(スルホスクシンイミジルスクシネート)(スルホ−EGS)、ジスクシンイミジル酒石酸塩(DST)、ジスルホスクシンイミジル酒石酸塩(スルホ−DST)、ビス[2−(スクシンイミドオキシカルボニルオキシ)エチル]スルホン(BSOCOES)、ビス[2−(スルホスクシンイミドオキシカルボニルオキシ)エチル]スルホン(スルホ−BSOCOES)などであり、これらの架橋剤は市販されている。
抗体断片又は低分子化抗体を得るには、抗体を酵素、例えば、パパイン、ペプシンなどで処理し抗体断片を生成させるか、又は、これら抗体断片をコードする遺伝子を構築し、これを発現ベクターに導入した後、適当な宿主細胞で発現させればよい(例えば、Co,M.S.et al.,J.Immunol.(1994)152,2968−2976;Better,M.and Horwitz,A.H.,Methods Enzymol.(1989)178,476−496;Pluckthun,A.and Skerra,A.,Methods Enzymol.(1989)178,497−515;Lamoyi,E.,Methods Enzymol.(1986)121,652−663;Rousseaux,J.et al.,Methods Enzymol.(1986)121,663−669;Bird,R.E.and Walker,B.W.,Trends Biotechnol.(1991)9,132−137参照)。
本発明における低分子化抗体は、全長抗体よりも分子量が小さくなることが好ましいが、例えば、ダイマー、トリマー、テトラマーなどの多量体を形成すること等もあり、全長抗体よりも分子量が大きくなることもある。
キメラ抗体は、異なる動物由来の配列を組み合わせて作製される抗体であり、例えば、マウス抗体の重鎖、軽鎖の可変領域とヒト抗体の重鎖、軽鎖の定常領域からなる抗体などである。キメラ抗体の作製は公知の方法を用いて行うことができ、例えば、抗体V領域をコードするDNAをヒト抗体C領域をコードするDNAと連結し、これを発現ベクターに組み込んで宿主に導入し産生させることにより得られる。
ヒト化抗体は、再構成(reshaped)ヒト抗体とも称され、これは、ヒト以外の哺乳動物、例えばマウス抗体の相補性決定領域(CDR;complementarity determining region)をヒト抗体の相補性決定領域へ移植したものであり、その一般的な遺伝子組換え手法も知られている(欧州特許出願公開番号EP 125023号公報、WO 96/02576号公報参照)。
具体的には、マウス抗体のCDRとヒト抗体のフレームワーク領域(framework region;FR)とを連結するように設計したDNA配列を、CDR及びFR両方の末端領域にオーバーラップする部分を有するように作製した数個のオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いてPCR法により合成する(WO98/13388号公報に記載の方法を参照)。
CDRを介して連結されるヒト抗体のフレームワーク領域は、相補性決定領域が良好な抗原結合部位を形成するものが選択される。必要に応じ、再構成ヒト抗体の相補性決定領域が適切な抗原結合部位を形成するように、抗体の可変領域におけるフレームワーク領域のアミノ酸を置換してもよい(Sato,K.etal.,CancerRes.(1993)53,851−856)。
キメラ抗体及びヒト化抗体のC領域には、ヒト抗体のものが使用され、例えばH鎖では、Cγ1、Cγ2、Cγ3、Cγ4を、L鎖ではCκ、Cλを使用することができる。また、抗体またはその産生の安定性を改善するために、ヒト抗体C領域を修飾してもよい。
一般的に、キメラ抗体は、ヒト以外の哺乳動物由来抗体の可変領域とヒト抗体由来の定常領域とからなる。一方、ヒト化抗体は、ヒト以外の哺乳動物由来抗体の相補性決定領域と、ヒト抗体由来のフレームワーク領域およびC領域とからなる。
なお、キメラ抗体やヒト化抗体を作製した後に、さらに可変領域(例えば、FR)や定常領域中のアミノ酸を他のアミノ酸で置換等することも可能である。
抗体に他の分子を付加することにより、抗体を修飾し、改変することも可能である。抗体の修飾は当業者に公知の方法により行うことができる。抗体の修飾の具体例としては、例えば、PEGなどの高分子の付加を挙げることができる。
又、抗体の糖鎖を置換・付加・欠失させることにより改変することも可能であり、糖鎖改変技術は当業者に既に知られている(例えば、WO00/61739、WO02/31140など)
本発明のスクリーニング方法において、被験抗体は特に限定されず、どのような抗体を用いてもよい。
被験抗体は、その由来等で限定されず、例えば、マウス抗体、ヒト抗体、ラット抗体、ウサギ抗体、ラクダ抗体など、どのような動物由来の抗体でもよい。
本発明において被験抗体は、非改変抗体(例えば、全長抗体)であることが好ましいが、改変された抗体を被験抗体としてもよい。改変抗体を被験抗体として用いる場合、本発明のスクリーニングの過程において、さらに他の改変が行われる。この場合、同じ種類の改変がおこなわれてもよいし、異なる種類の改変がおこなわれてもよい。
従って、例えば、キメラ抗体、ヒト化抗体などのアミノ酸配列を置換した抗体、各種分子を結合させた抗体修飾物、糖鎖の付加を制御した抗体、低分子化抗体などを被験抗体とすることも可能である。但し、低分子化抗体を被験抗体として用いる場合には、改変後はDiabody又はsc(Fv)2とすることが好ましい。従って、改変前の被験抗体は、Diabody又はsc(Fv)2以外であることが好ましい。
本発明の抗体が認識する抗原は特に限定されず、どのような抗原を認識してもよいが、例えば、細胞膜上又は細胞内に発現するタンパク質を挙げることができる。細胞膜上又は細胞内に発現するタンパク質としては、例えば、受容体、細胞表面抗原、主要組織適合抗原などを挙げることができる。
受容体としては、例えば、造血因子受容体ファミリー、サイトカイン受容体ファミリー、チロシンキナーゼ型受容体ファミリー、セリン/スレオニンキナーゼ型受容体ファミリー、TNF受容体ファミリー、Gタンパク質共役型受容体ファミリー、GPIアンカー型受容体ファミリー、チロシンホスファターゼ型受容体ファミリー、接着因子ファミリー、ホルモン受容体ファミリー、等の受容体ファミリーに属する受容体などを挙げることができる。これら受容体ファミリーに属する受容体、及びその特徴に関しては多数の文献が存在し、例えば、Cooke BA.,King RJB.,van der Molen HJ.ed.New Comprehesive Biochemistry Vol.18B″Hormones and their Actions Part II″pp.1−46(1988)Elsevier Science Publishers BV.,New York,USA、Patthy L.(1990)Cell,61:13−14.、Ullrich A.,et al.(1990)Cell,61:203−212.、Massagul J.(1992)Cell,69:1067−1070.、Miyajima A.,et al.(1992)Annu.Rev.Immunol.,10:295−331.、Taga T.and Kishimoto T.(1992)FASEB J.,7:3387−3396.、Fantl WI.,et al.(1993)Annu.Rev.Biochem.,62:453−481.、Smith CA.,et al.(1994)Cell,76:959−962.、Flower DR.(1999)Biochim.Biophys.Acta,1422:207−234.、宮坂昌之監修,細胞工学別冊ハンドブックシリーズ「接着因子ハンドブック」(1994)(秀潤社,東京,日本)等が挙げられる。
上記受容体ファミリーに属する具体的な受容体としては、例えば、ヒト又はマウスエリスロポエチン(EPO)受容体、ヒト又はマウス顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)受容体、ヒト又はマウストロンボポイエチン(TPO)受容体、ヒト又はマウスインスリン受容体、ヒト又はマウスFlt−3リガンド受容体、ヒト又はマウス血小板由来増殖因子(PDGF)受容体、ヒト又はマウスインターフェロン(IFN)−α、β受容体、ヒト又はマウスレプチン受容体、ヒト又はマウス成長ホルモン(GH)受容体、ヒト又はマウスインターロイキン(IL)−10受容体、ヒト又はマウスインスリン様増殖因子(IGF)−I受容体、ヒト又はマウス白血病抑制因子(LIF)受容体、ヒト又はマウス毛様体神経栄養因子(CNTF)受容体等を例示することができる(hEPOR:Simon,S.et al.(1990)Blood 76,31−35.;mEPOR:D’Andrea,AD.et al.(1989)Cell 57,277−285.;hG−CSFR:Fukunaga,R.et al.(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA.87,8702−8706.;mG−CSFR:Fukunaga,R.et al.(1990)Cell 61,341−350.;hTPOR:Vigon,I.et al.(1992)89,5640−5644.;mTPOR:Skoda,RC.et al.(1993)12,2645−2653.;hInsR:Ullrich,A.et al.(1985)Nature 313,756−761.;hFlt−3:Small,D.et al.(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA.91,459−463.;hPDGFR:Gronwald,RGK.et al.(1988)Proc.Natl.acad.Sci.USA.85,3435−3439.;hIFN α/βR:Uze,G.et al.(1990)Cell 60,225−234.及びNoVick,D.et al.(1994)Cell 77,391−400.)。
主要組織適合抗原の例としては、MHC class I抗原(HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−E、HLA−F、HLA−G、HLA−H)、MHC class II抗原(HLA−DR,−DQ,−DP)を挙げることができる。
細胞表面抗原の例としては、例えば、CD1、CD2、CD3、CD4、CD5、CD6、CD7、CD8、CD10、CD11a、CD11b、CD11c、CD13、CD14、CD15s、CD16、CD18、CD19、CD20、CD21、CD23、CD25、CD28、CD29、CD30、CD32、CD33、CD34、CD35、CD38、CD40、CD41a、CD41b、CD42a、CD42b、CD43、CD44、CD45、CD45RO、CD48、CD49a、CD49b、CD49c、CD49d、CD49e、CD49f、CD51、CD54、CD55、CD56、CD57、CD58、CD61、CD62E、CD62L、CD62P、CD64、CD69、CD71、CD73、CD95、CD102、CD106、CD122、CD126、CDw130などを挙げることができる。
本発明のスクリーニング方法において、例えば被験抗体の数が少ない場合などには、結合活性を測定する前に抗体を改変し、その後アゴニスト活性や結合活性を測定し、アゴニスト活性を有する改変抗体を選択してもよい。その場合、アゴニスト活性と結合活性の測定の順序は限定されず、又、アゴニスト活性のみの測定でもよい。
本発明のスクリーニング方法の好ましい態様の一つとして、被験抗体として低分子化されていない全長抗体を用い、改変の工程において低分子化(例えば、Diabody又はsc(Fv)2)するスクリーニング方法が挙げられる。
本発明において、アゴニスト活性とは、抗体が結合することにより、特異的反応を細胞に生じさせる(例えば、細胞内にシグナルが伝達される等して、何らかの生理的活性の変化を誘導する)活性である。生理的活性としては、例えば、増殖活性、増殖誘導活性、生存活性、分化活性、分化誘導活性、転写活性、膜輸送活性、結合活性、タンパク質分解活性、リン酸化/脱リン酸化活性、酸化還元活性、転移活性、核酸分解活性、脱水活性、細胞死誘導活性、アポトーシス誘導活性、などを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
アゴニスト活性の測定は当業者に公知の方法により行うことが可能である。
例えば、実施例に記載のように細胞増殖を指標にアゴニスト活性を測定する方法により判定することが可能である。より具体的には、アゴニスト依存性増殖を示す細胞にアゴニスト活性を測定したい抗体を添加し、培養する。その後、WST−8のような生細胞数に応じて特定の波長において発色反応を呈する試薬を添加して吸光度を測定し、得られた吸光度を指標にアゴニスト活性を測定することが可能である。
アゴニスト依存性増殖を示す細胞も当業者に公知の方法により作製することが可能であり、例えば、抗原が細胞増殖シグナルを発する受容体である場合には、該受容体を発現している細胞を用いればよい。又、抗原が細胞増殖シグナルを出さない受容体である場合には、細胞増殖シグナルを発する受容体の細胞内領域と、細胞増殖シグナルを出さない受容体の細胞外領域からなるキメラ受容体を作製し、該キメラ受容体を細胞で発現させればよい。細胞増殖シグナルを発する受容体の例としては、例えば、G−CSF受容体、mpl、neu、GM−CSF受容体、EPO受容体、c−kit、FLT−3等を挙げることができる。受容体を発現させる細胞としては、例えば、BaF3、NFS60、FDCP−1、FDCP−2、CTLL−2、DA−1、KT−3等を挙げることができる。
その他、アゴニスト活性を測定する為に用いる検出指標としては、量的及び/又は質的な変化が測定可能である限り使用することができる。例えば、無細胞系(cell free assay)の指標、細胞系(cell−based assay)の指標、組織系の指標、生体系の指標を用いることができる。無細胞系の指標としては、酵素反応やタンパク質、DNA、RNAの量的及び/又は質的な変化を用いることができる。酵素反応としては、例えば、アミノ酸転移反応、糖転移反応、脱水反応、脱水素反応、基質切断反応等を用いることができる。また、タンパク質のリン酸化、脱リン酸化、二量化、多量化、分解、乖離等や、DNA、RNAの増幅、切断、伸長を用いることができる。例えばシグナル伝達経路の下流に存在するタンパク質のリン酸化を検出指標とすることができる。細胞系の指標としては、細胞の表現型の変化、例えば、産生物質の量的及び/又は質的変化、増殖活性の変化、細胞数の変化、形態の変化、特性の変化等を用いることができる。産生物質としては、分泌タンパク質、表面抗原、細胞内タンパク質、mRNA等を用いることができる。形態の変化としては、突起形成及び/又は突起の数の変化、偏平度の変化、伸長度/縦横比の変化、細胞の大きさの変化、内部構造の変化、細胞集団としての異形性/均一性、細胞密度の変化等を用いることができる。これらの形態の変化は検鏡下での観察で確認することができる。特性の変化としては、足場依存性、サイトカイン依存応答性、ホルモン依存性、薬剤耐性、細胞運動性、細胞遊走活性、拍動性、細胞内物質の変化等を用いることができる。細胞運動性としては、細胞浸潤活性、細胞遊走活性がある。また、細胞内物質の変化としては例えば、酵素活性、mRNA量、Ca2+やcAMP等の細胞内情報伝達物質量、細胞内タンパク質量等を用いることができる。また、細胞膜受容体の場合には、受容体の刺激によって誘導される細胞の増殖活性の変化を指標とすることができる。組織系の指標としては、使用する組織に応じた機能変化を検出指標とすることができる。生体系の指標としては組織重量変化、血液系の変化、例えば血球細胞数の変化、タンパク質量や、酵素活性、電解質量の変化、また、循環器系の変化、例えば、血圧、心拍数の変化等を用いることができる。
これらの検出指標を測定する方法としては、特に制限はなく、吸光、発光、発色、蛍光、放射活性、蛍光偏光度、表面プラズモン共鳴シグナル、時間分解蛍光度、質量、吸収スペクトル、光散乱、蛍光共鳴エネルギー移動、等を用いることができる。これらの測定方法は当業者にとっては周知であり、目的に応じて、適宜選択することができる。例えば、吸収スペクトルは一般的に用いられるフォトメータやプレートリーダ等、発光はルミノメータ等、蛍光はフルオロメータ等で測定することができる。質量は質量分析計を用いて測定することができる。放射活性は、放射線の種類に応じてガンマカウンターなどの測定機器を用いて、蛍光偏光度はBEACON(宝酒造)、表面プラズモン共鳴シグナルはBIACORE、時間分解蛍光、蛍光共鳴エネルギー移動などはARVOなどにより測定できる。さらに、フローサイトメータなども測定に用いることができる。これらの測定方法は、一つの測定方法で2種以上の検出指標を測定しても良く、簡便であれば、2種以上の測定を同時及び/又は連続して測定することによりさらに多数の検出指標を測定することも可能である。例えば、蛍光と蛍光共鳴エネルギー移動を同時にフルオロメータで測定することができる。
抗体の結合活性の測定は当業者に公知の方法により行うことが可能である。例えば、抗体の抗原結合活性を測定する方法として、ELISA(酵素結合免疫吸着検定法)、EIA(酵素免疫測定法)、RIA(放射免疫測定法)あるいは蛍光抗体法を用いることができる。例えば、酵素免疫測定法を用いる場合、抗原をコーティングしたプレートに、抗体を含む試料、例えば、抗体産生細胞の培養上清や精製抗体を加える。アルカリフォスファターゼ等の酵素で標識した二次抗体を添加し、プレートをインキュベートし、洗浄した後、p−ニトロフェニル燐酸などの酵素基質を加えて吸光度を測定することで抗原結合活性を評価することができる。
本発明はアゴニスト活性を有する抗体の製造方法もまた提供する。本発明の製造方法は、まず、アゴニスト活性を有する改変抗体を上述のようにスクリーニングする。次いで、該改変抗体をコードするDNAを含むベクターを作製し、該ベクターを宿主細胞に導入する。次いで、宿主細胞を培養する。
本発明のベクターとしては、例えば、大腸菌を宿主とする場合には、ベクターを大腸菌(例えば、JM109、DH5α、HB101、XL1Blue)などで大量に増幅させ大量調製するために、大腸菌で増幅されるための「ori」をもち、さらに形質転換された大腸菌の選抜遺伝子(例えば、なんらかの薬剤(アンピシリンやテトラサイクリン、カナマイシン、クロラムフェニコール)により判別できるような薬剤耐性遺伝子)を有すれば特に制限はない。ベクターの例としては、M13系ベクター、pUC系ベクター、pBR322、pBluescript、pCR−Scriptなどが挙げられる。また、cDNAのサブクローニング、切り出しを目的とした場合、上記ベクターの他に、例えば、pGEM−T、pDIRECT、pT7などが挙げられる。
本発明のベクターとしては、特に、発現ベクターが有用である。発現ベクターとしては、例えば、大腸菌での発現を目的とした場合は、ベクターが大腸菌で増幅されるような上記特徴を持つほかに、宿主をJM109、DH5α、HB101、XL1−Blueなどの大腸菌とした場合においては、大腸菌で効率よく発現できるようなプロモーター、例えば、lacZプロモーター(Wardら,Nature(1989)341,544−546;FASEB J.(1992)6,2422−2427)、araBプロモーター(Betterら,Science(1988)240,1041−1043)、またはT7プロモーターなどを持っていることが不可欠である。このようなベクターとしては、上記ベクターの他にpGEX−5X−1(ファルマシア社製)、「QIAexpress system」(キアゲン社製)、pEGFP、またはpET(この場合、宿主はT7 RNAポリメラーゼを発現しているBL21が好ましい)などが挙げられる。
また、ベクターには、ポリペプチド分泌のためのシグナル配列が含まれていてもよい。タンパク質分泌のためのシグナル配列としては、大腸菌のペリプラズムに産生させる場合、pelBシグナル配列(Lei,S.P.et al J.Bacteriol.(1987)169,4379)を使用すればよい。宿主細胞へのベクターの導入は、例えば塩化カルシウム法、エレクトロポレーション法を用いて行うことができる。
大腸菌以外にも、例えば、本発明のベクターとしては、哺乳動物由来の発現ベクター(例えば、pcDNA3(インビトロゲン社製)や、pEGF−BOS(Nucleic Acids.Res.1990,18(17),p5322)、pEF、pCDM8)、昆虫細胞由来の発現ベクター(例えば「Bac−to−BAC baculovairus expression system」(ギブコBRL社製)、pBacPAK8)、植物由来の発現ベクター(例えばpMH1、pMH2)、動物ウィルス由来の発現ベクター(例えば、pHSV、pMV、pAdexLcw)、レトロウィルス由来の発現ベクター(例えば、pZIPneo)、酵母由来の発現ベクター(例えば、「Pichia Expression Kit」(インビトロゲン社製)、pNV11、SP−Q01)、枯草菌由来の発現ベクター(例えば、pPL608、pKTH50)が挙げられる。
CHO細胞、COS細胞、NIH3T3細胞等の動物細胞での発現を目的とした場合には、細胞内で発現させるために必要なプロモーター、例えばSV40プロモーター(Mulliganら,Nature(1979)277,108)、MMTV−LTRプロモーター、EF1αプロモーター(Mizushimaら,Nucleic Acids Res.(1990)18,5322)、CMVプロモーターなどを持っていることが不可欠であり、細胞への形質転換を選抜するための遺伝子(例えば、薬剤(ネオマイシン、G418など)により判別できるような薬剤耐性遺伝子)を有すればさらに好ましい。このような特性を有するベクターとしては、例えば、pMAM、pDR2、pBK−RSV、pBK−CMV、pOPRSV、pOP13などが挙げられる。
さらに、遺伝子を安定的に発現させ、かつ、細胞内での遺伝子のコピー数の増幅を目的とする場合には、核酸合成経路を欠損したCHO細胞にそれを相補するDHFR遺伝子を有するベクター(例えば、pCHOIなど)を導入し、メトトレキセート(MTX)により増幅させる方法が挙げられ、また、遺伝子の一過性の発現を目的とする場合には、SV40T抗原を発現する遺伝子を染色体上に持つCOS細胞を用いてSV40の複製起点を持つベクター(pcDなど)で形質転換する方法が挙げられる。複製開始点としては、また、ポリオーマウィルス、アデノウィルス、ウシパピローマウィルス(BPV)等の由来のものを用いることもできる。さらに、宿主細胞系で遺伝子コピー数増幅のため、発現ベクターは選択マーカーとして、アミノグリコシドトランスフェラーゼ(APH)遺伝子、チミジンキナーゼ(TK)遺伝子、大腸菌キサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Ecogpt)遺伝子、ジヒドロ葉酸還元酵素(dhfr)遺伝子等を含むことができる。
本方法においては次いで、該ベクターを宿主細胞に導入する。ベクターが導入される宿主細胞としては特に制限はなく、例えば、大腸菌や種々の動物細胞などを用いることが可能である。宿主細胞は、例えば本発明の抗体の製造や発現のための産生系として使用することができる。抗体製造のための産生系は、in vitroおよびin vivoの産生系がある。in vitroの産生系としては、真核細胞を使用する産生系や原核細胞を使用する産生系が挙げられる。
真核細胞を使用する場合、例えば、動物細胞、植物細胞、真菌細胞を宿主に用いることができる。動物細胞としては、哺乳類細胞、例えば、CHO(J.Exp.Med.(1995)108,945)、COS、3T3、ミエローマ、BHK(baby hamster kidney)、HeLa、Vero、両生類細胞、例えばアフリカツメガエル卵母細胞(Valle,et al.,Nature(1981)291,338−340)、あるいは昆虫細胞、例えば、Sf9、Sf21、Tn5が知られている。本発明においては、CHO−DG44、CHO−DXB11、COS7細胞、BHKが好適に用いられる。動物細胞において、大量発現を目的とする場合には特にCHO細胞が好ましい。宿主細胞へのベクターの導入は、例えば、リン酸カルシウム法、DEAEデキストラン法、カチオニックリボソームDOTAP(ベーリンガーマンハイム社製)を用いた方法、エレクトロポーレーション法、リポフェクションなどの方法で行うことが可能である。
植物細胞としては、例えば、ニコチアナ・タバカム(Nicotiana tabacum)由来の細胞がタンパク質生産系として知られており、これをカルス培養すればよい。真菌細胞としては、酵母、例えば、サッカロミセス(Saccharomyces)属、例えば、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロミセス・ポンベ(Saccharomyces pombe)、糸状菌、例えば、アスペルギルス(Aspergillus)属、例えば、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)が知られている。
原核細胞を使用する場合、細菌細胞を用いる産生系がある。細菌細胞としては、大腸菌(E.coli)、例えば、JM109、DH5α、HB101等が挙げられ、その他、枯草菌が知られている。
本方法においては次いで上記宿主細胞を培養する。目的とするDNAにより形質転換された細胞をin vitroで培養することにより、抗体が得られる。培養は、公知の方法に従い行うことができる。例えば、動物細胞の培養液として、例えば、DMEM、MEM、RPMI1640、IMDMを使用することができる。その際、FBS、牛胎児血清(FCS)等の血清補液を併用することもできるし、無血清培養してもよい。培養時のpHは、約6〜8であるのが好ましい。培養は、通常、約30〜40℃で約15〜200時間行い、必要に応じて培地の交換、通気、攪拌を加える。
一方、in vivoでポリペプチドを産生させる系としては、例えば、動物を使用する産生系や植物を使用する産生系が挙げられる。これらの動物又は植物に目的とするDNAを導入し、動物又は植物の体内でポリペプチドを産生させ、回収する。本発明における「宿主」とは、これらの動物、植物を包含する。
動物を使用する場合、哺乳類動物、昆虫を用いる産生系がある。哺乳類動物としては、ヤギ、ブタ、ヒツジ、マウス、ウシを用いることができる(Vicki Glaser,SPECTRUM Biotechnology Applications,1993)。また、哺乳類動物を用いる場合、トランスジェニック動物を用いることができる。
例えば、目的とするDNAを、ヤギβカゼインのような乳汁中に固有に産生されるポリペプチドをコードする遺伝子との融合遺伝子として調製する。次いで、この融合遺伝子を含むDNA断片をヤギの胚へ注入し、この胚を雌のヤギへ移植する。胚を受容したヤギから生まれるトランスジェニックヤギ又はその子孫が産生する乳汁から、目的の抗体を得ることができる。トランスジェニックヤギから産生される抗体を含む乳汁量を増加させるために、適宜ホルモンをトランスジェニックヤギに使用してもよい(Ebert,K.M.et al.,Bio/Technology(1994)12,699−702)。
また、昆虫としては、例えばカイコを用いることができる。カイコを用いる場合、目的の抗体をコードするDNAを挿入したバキュロウィルスをカイコに感染させることにより、このカイコの体液から目的の抗体を得ることができる(Susumu,M.et al.,Nature(1985)315,592−594)。
さらに、植物を使用する場合、例えばタバコを用いることができる。タバコを用いる場合、目的とする抗体をコードするDNAを植物発現用ベクター、例えばpMON 530に挿入し、このベクターをアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)のようなバクテリアに導入する。このバクテリアをタバコ、例えば、ニコチアナ・タバカム(Nicotiana tabacum)に感染させ、本タバコの葉より所望の抗体を得ることができる(Julian K.−C.Ma et al.,Eur.J.Immunol.(1994)24,131−138)。
これにより得られた抗体は、宿主細胞内または細胞外(培地など)から単離し、実質的に純粋で均一な抗体として精製することができる。抗体の分離、精製は、通常のポリペプチドの精製で使用されている分離、精製方法を使用すればよく、何ら限定されるものではない。例えば、クロマトグラフィーカラム、フィルター、限外濾過、塩析、溶媒沈殿、溶媒抽出、蒸留、免疫沈降、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動、等電点電気泳動法、透析、再結晶等を適宜選択、組み合わせれば抗体を分離、精製することができる。
クロマトグラフィーとしては、例えばアフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、ゲル濾過、逆相クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー等が挙げられる(Strategies for Protein Purification and Characterization:A Laboratory Course Manual.Ed Daniel R.Marshak et al.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1996)。これらのクロマトグラフィーは、液相クロマトグラフィー、例えばHPLC、FPLC等の液相クロマトグラフィーを用いて行うことができる。アフィニティークロマトグラフィーに用いるカラムとしては、プロテインAカラム、プロテインGカラムが挙げられる。例えば、プロテインAを用いたカラムとして、Hyper D,POROS,Sepharose F.F.(Pharmacia)等が挙げられる。
なお、抗体の精製前又は精製後に適当なタンパク質修飾酵素を作用させることにより、任意に修飾を加えたり部分的にペプチドを除去することもできる。タンパク質修飾酵素としては、例えば、トリプシン、キモトリプシン、リシルエンドペプチダーゼ、プロテインキナーゼ、グルコシダーゼなどが用いられる。
また、本発明は、本発明のスクリーニング方法により得られるアゴニスト活性を有する改変抗体、および本発明の製造方法によって製造された改変抗体を提供するものである。
さらに本発明のスクリーニング方法又は製造方法は、アゴニスト活性を有する抗体のスクリーニング又は製造のみならず、中和活性、細胞傷害活性、結合活性、アンタゴニスト活性、酵素活性などの他の活性を有する抗体のスクリーニング又は製造に用いることも可能である。
なお本明細書において引用された全ての先行技術文献は、参照として本明細書に組み入れられる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明する。
〔実施例1〕 抗ヒトMpl抗体の作製
1.1 Mpl発現BaF3細胞株の樹立
TPO依存増殖性細胞株を得るために、全長Mpl遺伝子を発現するBaF3細胞株の樹立を行った。全長ヒトMpl cDNA(Palaciosら、Cell 1985;41:727−734)(GenBank#NM_005373)をPCRにより増幅し、pCHOI(Hirataら、FEBS Letter 1994;356:244−248)のDHFR遺伝子発現部位を除去し、HEF−VH−gγ1(Satoら、Mol Immunol.1994;31:371−381)のNeomycin耐性遺伝子発現部位を挿入した発現ベクターpCOS2にクローニングし、pCOS2−hMplfullを構築した。
作製した各ベクター(20μg)をPBSに懸濁したBaF3細胞(1x10cells/mL)に混合し、Gene Pulserキュベットに加え、Gene Pulser II(Bio−Rad社製)を用いて0.33kV,950μFDの容量でパルスを加えた。エレクトロポーレーション処理により遺伝子導入したBaF3細胞を1ng/mLマウスインターロイキン3(以下、mIL−3、Peprotech社製)、500μg/mL Geneticin(Invitrogen社製)、10% FBS(Invitrogen社製)を含むRPMI1640培地(Invitrogen社製)に加えて選抜し、ヒトMpl発現BaF3細胞株(以下、BaF3−human Mpl)を樹立した。選抜後は、1ng/mL rhTPO(R&D社製)、10% FBSを含むRPMI1640培地を用いて培養、維持した。
1.2 Mpl発現CHO細胞株の樹立
Flow Cytometryを用いた結合活性評価用の細胞株を得るために、全長Mpl遺伝子を発現するCHO細胞株の樹立を行った。はじめに、pCXN2(Niwaら、Gene 1991;108:193−199)のHindIII部位にpCHOIのDHFR遺伝子発現部位を挿入して、発現ベクターpCXND3を作製した。pCOS2−hMplfull、pCOS2−monkeyMplfullおよびpCOS2−mouseMplfullを鋳型にして、His−tag配列を含むPrimerを用いてPCRにより増幅した各Mpl遺伝子をpCXND3にクローニングし、pCXND3−hMpl−HisおよびpCXND3−monkey Mpl−Hisを構築した。
作製した各ベクター(25μg)をPBSに懸濁したCHO−DG44細胞(1x10cells/mL)に混合し、Gene Pulserキュベットに加え、Gene Pulser II(Bio−Rad社製)を用いて1.5kV,25μFDの容量でパルスを加えた。エレクトロポーレーション処理により遺伝子導入したCHO細胞を500μg/mL Geneticin、1xHT(Invitrogen社製)を含むCHO−S−SFMII培地(Invitrogen社製)に加えて選抜し、ヒトMpl発現CHO細胞株(以下、CHO−human Mpl)およびサルMpl発現CHO細胞株(以下、CHO−monkey Mpl)を樹立した。
1.3 可溶型ヒトMplタンパク質の調製
可溶型ヒトMplタンパク質を調製するため、昆虫細胞Sf9細胞で分泌産生する発現系を以下のように構築した。
ヒトMplの細胞外領域(Gln26からTrp491)の下流にFLAGタグを付加した遺伝子を作製し、pBACSurf−1 Transfer Plasmid(Novagen社製)のPstI−SmaI位に挿入し、pBACSurf1−hMpl−FLAGを作製した。続いて、Bac−N−Blue Transfection Kit(Invitrogen)を用いて、4μgのpBACSurf1−hMpl−FLAGをSf9細胞に導入した。培養3日後に培養上清を回収し、プラークアッセイにより組換えウイルスを単離した。ウイルスストックを調製後にSf9細胞に感染させて培養上清を回収した。
得られた培養上清を用いて、以下のように可溶型ヒトMplタンパク質を精製した。培養上清をQ Sepharose Fast Flow(Amersham Biosciences社製)に吸着させた後に、50mM Na−Phosphate Buffer,0.01%(v/v)Tween20,500mM NaCl(pH7.2)を用いて溶出した。溶出液をFLAGM2−Agarose(SIGMA−ALDRICH社製)に吸着させた後に、100mM Glycine−HCl,0.01%(v/v)Tween20(pH3.5)を用いて溶出した。溶出後、直ちに1M Tris−Cl(pH8.0)により中和し、PD−10column(Amersham Biosciences社製)を用いて、PBS(−),0.01%(v/v)Tween20に置換を行った。精製した可溶型Mplタンパク質をshMpl−FLAGと称する。
1.4 ヒトMpl−IgG Fc融合タンパク質の調製
ヒトMpl−IgG Fc融合タンパク質遺伝子はBennettらの方法(Bennettら、J.Biol.Chem.1991;266:23060−23067)に従って作製した。ヒトMplの細胞外領域(Gln26からTrp491)をコードする塩基配列をヒトIgG−γ1のFc領域(Asp216よりの下流の領域)をコードする塩基配列に連結し、連結部にFusion LinkerとしてBstEII配列(アミノ酸Val−Thr)を付加した。シグナル配列は、ヒトIgG H鎖可変領域のシグナルペプチド19アミノ酸を使用した。得られたヒトMpl−IgG Fc融合タンパク質遺伝子をpCXND3にクローニングし、pCXND3−hMpl−Fcを構築した。
作製した各ベクター(25μg)をPBSに懸濁したCHO−DG44細胞(1x10cells/mL)に混合し、Gene Pulserキュベットに加え、Gene Pulser II(Bio−Rad社製)を用いて1.5kV,25μFDの容量でパルスを加えた。エレクトロポーレーション処理により遺伝子導入したCHO細胞を500μg/mL Geneticin、1xHTを含むCHO−S−SFMII培地に加えて選抜し、shMPL−Fc発現CHO細胞株(CHO−hMpl−Fc)を樹立した。
得られた培養上清を用いて、以下のようにヒトMpl−IgG Fc融合タンパク質を精製した。培養上清をQ Sepharose Fast Flow(Amersham Biosciences社製)に吸着させた後に、50mM Na−Phosphate Buffer,0.01%(v/v)Tween20,1M NaCl(pH7.6)を用いて溶出した。溶出液をHiTrap proteinG HPカラム(Amersham Biosciences社製)に吸着させた後に、0.1M Glycine−HCl,150mM NaCl,0.01%(v/v)Tween20(pH2.7)を用いて溶出した。溶出後、直ちに1M Tris−Cl(pH8.0)により中和し、PD−10column(Amersham Biosciences社製)を用いて、PBS(−),0.01%(v/v)Tween20に置換を行った。精製した可溶型Mplタンパク質をhMpl−Fcと称する。
1.5 shMpl−FLAGの免疫およびハイブリドーマの選抜
MRL/MpJUmmCrj−lpr/lprマウス(以下、MRL/lprマウス、日本チャールス・リバーより購入)を用いて、8週令より免疫を開始した。初回免疫は100μg/匹のshMPL−FLAGにフロイント完全アジュバント(H37 Ra、ベクトン・ディッキンソン社製)を加え、エマルジョン化したものを皮下に投与した。追加免疫は50μg/匹のshMPL−FLAGにフロイント不完全アジュバント(ベクトン・ディッキンソン社製)を加え、エマルジョン化したものを皮下に投与した合計6回免疫を行ったマウス3匹に対し、50μg/匹のshMPL−FLAGを尾静脈内投与することにより最終免疫を行った。マウスミエローマ細胞P3−X63Ag8U1(P3U1、ATCCより購入)とマウス脾臓細胞を混合し、Polyethylene Glycol 1500(Roche Diagnostics社製)を加えながら混合することにより細胞融合を行った。翌日よりHAT培地を用いて選抜を行い、培養上清を用いてshMpl−FLAGまたはhMpl−Fcを固相化したイムノプレートを用いたELISAおよびBaF3−hMplを用いた細胞増殖活性を指標としたスクリーニングを実施した。陽性クローンについて、限界希釈法によりモノクローン化した後に、拡大培養を行い、培養上清を回収した。
1.6 ヒトMpl抗体の解析
抗体濃度はヤギ抗マウスIgG(gamma)(ZYMED社製)とアルカリフォスファターゼ−ヤギ抗マウスIgG(gamma)(ZYMED社製)を用いたマウスIgGサンドイッチELISAを行い、Isotypeの等しい市販抗体をスタンダードにして、GraphPad Prism(GraphPad Software,USA)を用いて検量線を作成し、抗体濃度の換算を行った。
抗体のアイソタイプは、アイソタイプ特異的な二次抗体を用いた抗原依存的ELISAにて決定した。hMpl−Fcを1μg/mLとなるようにcoating buffer(0.1mM NaHCO(pH9.6),0.02%(w/v)NaN)で希釈したものを加え、4℃にて一晩反応し、コーティングした。Diluent buffer(50mM Tris−HCl(pH8.1),1mM MgCl,150mM NaCl,0.05%(v/v)Tween20,0.02%(w/v)NaN,1%(w/v)BSA)にてブロッキング処理を行った後、ハイブリドーマの培養上清を加え、室温で1時間放置した。Rinse buffer(0.05%(v/v)Tween20,PBS)にて洗浄した後、Alkaline phosphatase標識したアイソタイプ特異的二次抗体を加え、室温で1時間放置した。発色はSIGMA104(SIGMA−ALDRICH社製)を1mg/mLとなるようにSubstrate Buffer(50mM NaHCO(pH9.8),10mM MgCl)に希釈したものを用い、405nmの吸光度をBenchmark Plus(BioRad社製)にて測定した。
shMpl−FLAGおよびhMPL−Fcに対する結合活性は、ELISAにより評価した。精製したshMpl−FLAGおよびhMPL−Fcを1μg/mLになるようにコーティングし、Diluent bufferにてブロッキング処理を行った。ハイブリドーマの培養上清を加え、室温で1時間放置した後、Alkaline Phosphatase標識した抗マウスIgG抗体(Zymed社製)を加え、上記方法と同様に発色を行った。室温で1時間発色させた後に405nmの吸光度を測定し、GraphPad Prismを用いてEC50値を算出した。
CHO−human MplまたはCHO−monkey Mplを回収し、1x10cells/mLになるようにFACS Buffer(1% FBS/PBS)に懸濁した。100μL/wellとなるようにMultiscreen(Millipore社製)に分注し、遠心操作にて培養上清を除去した。5μg/mLになるように希釈した培養上清を加え、氷上にて30分間反応させた。細胞をFACS bufferにて1回洗浄し、FITC標識抗マウスIgG抗体(Beckman Coulter社製)を添加し、氷上にて30分間反応させた。反応後、500rpmで1分間遠心し、上清を除き、FACS Buffer400μLに懸濁し、EPICS ELITE ESP(Beckman Coulter)を用いてフローサイトメトリーを行った。前方散乱光(forward scatter)及び側方散乱光(side scatter)のヒストグラムにて生細胞集団にゲートを設定した。
Mpl−Fcを固相化したプレートを用いたELISAおよびCHO−human Mpl,CHO−monkey Mplを用いたFlow Cytometryによる結合活性評価により、Mplに結合するマウスモノクローナル抗体VA130,VB16,VB157を取得した。
1.7 抗ヒトMpl抗体の精製
ハイブリドーマの培養上清を用いて、以下のように抗ヒトMpl抗体を精製した。培養上清をHiTrap proteinG HPカラム(Amersham Biosciences社製)に吸着させた後に、0.1M Glycine−HCl(pH2.7)を用いて溶出した。溶出後、1M Tris−Cl(pH9.0)により直ちに中和し、PBSで一昼夜透析を行い、バッファー置換を行った。
〔実施例2〕 抗ヒトMpl一本鎖抗体の作製
取得した抗ヒトMpl抗体の中で、結合活性が高かった3種類の抗体について、遺伝子工学的手法により一本鎖抗体の発現系を構築した。以下に抗ヒトMpl抗体VA130の一本鎖抗体作製例について示す。
2.1 抗ヒトMpl抗体可変領域のクローニング
抗ヒトMpl抗体を産生するハイブリドーマより抽出したTotal RNAを用いて、RT−PCR法によって増幅した。Total RNAは、RNeasy Plant Mini Kits(QIAGEN社製)を用いて1x10細胞のハイブリドーマより抽出した。
1μgのTotal RNAを使用して、SMART RACE cDNA Amplification Kit(CLONTECH社製)を用いて、マウスIgG1定常領域配列に相補的な合成オリゴヌクレオチドMHC−IgG1(配列番号:1)またはマウスκ鎖定常領域塩基配列に相補的な合成オリゴヌクレオチドkappa(配列番号:2)を用いて、5’末端側遺伝子断片を増幅した。逆転写反応は42℃で1時間30分間反応させた。
PCR反応溶液(50μL)の組成を次に示す。
5μLの10×Advantage 2 PCR Buffer、
5μLの10×Universal Primer A Mix、
0.2mM dNTPs(dATP,dGTP,dCTP,dTTP)、
1μLのAdvantage 2 Polymerase Mix
(以上の成分はいずれもCLONTECH社製)
2.5μLの逆転写反応産物、
10pmoleの合成オリゴヌクレオチドMHC−IgG1またはkappa
また反応温度条件は次のとおりである。
94℃の初期温度にて30秒間、
94℃/5秒間、72℃/3分間のサイクルを5回反復
94℃/5秒間、70℃/10秒間、72℃/3分間のサイクルを5回反復、
94℃/5秒間、68℃/10秒間、72℃/3分間のサイクルを25回反復
最後に反応産物を72℃で7分間加熱した。
PCR産物はQIAquick Gel Extraction Kit(QIAGEN社製)を用いて、アガロースゲルから精製した後、pGEM−T Easyベクター(Promega社製)へクローニングした。さらに、ABI 3700 DNA Analyzer(Perkin Elmer社製)を用いて塩基配列を決定した。クローニングしたVA130H鎖可変領域(以下、VA130−VH)の塩基配列を配列番号:3、アミノ酸配列を配列番号:4、およびL鎖可変領域(以下、VA130−VL)の塩基配列を配列番号:5、アミノ酸配列を配列番号:6に示す。
2.2 抗ヒトMpl抗体Diabody発現ベクターの作製
5アミノ酸からなるリンカー配列を用いたVA130一本鎖Fv(以下、VA130 Diabody)をコードする遺伝子は、VA130−VHをコードする遺伝子の3’末端およびVA130−VLをコードする遺伝子の5’末端に(GlySer)から成るリンカーをコードする塩基配列を付加させた遺伝子について、それぞれPCR法を用いて増幅し、連結することにより構築した。
VA130−VHの前方プライマーVA264−feco(配列番号:7)は、EcoRI部位を有するように設計し、VA130−VHの後方プライマーVA264−rL5(配列番号:8)は、VA130−VHのC末端をコードするDNAにハイブリダイズし、かつ(GlySer)から成るリンカーをコードする塩基配列ならびにVA130−VLのN末端をコードするDNAにハイブリダイズする塩基配列を有するように設計した。VA130−VLの前方プライマーVA264−fL5(配列番号:9)は、VA130−VLのN末端をコードする塩基配列ならびに(GlySer)から成るリンカーをコードする塩基配列、VA130−VHのC末端をコードする塩基配列を有するように設計した。VA130−VLの後方プライマーVA264−rflag(配列番号:10)は、VA130−VLのC末端をコードするDNAにハイブリダイズし、かつFLAGタグ(AspTyrLysAspAsp AspAspLys/配列番号:11)をコードする塩基配列を有し、さらにNotI部位を有するように設計した。
第一PCRにおいて、VA130−VHおよびリンカー配列とVA130−VLおよびリンカー配列を含む2つのPCR反応物を以下のように合成した。
PCR反応溶液(50μL)の組成を次に示す。
5μLの10×PCR Buffer、
0.4mM dNTPs(dATP,dGTP,dCTP,dTTP)、
2.5ユニットのDNAポリメラーゼTaKaRa Ex Taq
(以上の成分はいずれも宝酒造社製)、
10ngのVA130−VHまたはVA130−VL遺伝子を含むpGEM−T Easyベクター、
10pmoleの合成オリゴヌクレオチドVA264−feco、VA264−rL5またはVA264−fL5、VA264−rflag
また反応温度条件は次のとおりである。
94℃の初期温度にて30秒間、
94℃/15秒間、72℃/2分間のサイクルを5回反復
94℃/15秒間、70℃/2分間のサイクルを5回反復、
94℃/15秒間、68℃/2分間のサイクルを28回反復
最後に反応産物を72℃で5分間加熱した。
約400bpのPCR産物をQIAquick Gel Extraction Kit(QIAGEN社製)を用いて、アガロースゲルから精製した後、各PCR産物の一部を用いて以下のように第二PCRを行った。
PCR反応溶液(50μL)の組成を次に示す。
5μLの10×PCR Buffer、
0.4mM dNTPs(dATP,dGTP,dCTP,dTTP)、
2.5ユニットのDNAポリメラーゼTaKaRa Ex Taq
(以上の成分はいずれも宝酒造社製)、
1μLの第一PCR産物(2種類)、
10pmoleの合成オリゴヌクレオチドVA264−feco、VA264−rflag
また反応温度条件は次のとおりである。
94℃の初期温度にて30秒間、
94℃/15秒間、72℃/2分間のサイクルを5回反復
94℃/15秒間、70℃/2分間のサイクルを5回反復、
94℃/15秒間、68℃/2分間のサイクルを28回反復
最後に反応産物を72℃で5分間加熱した。
約800bpのPCR産物をQIAquick Gel Extraction Kit(QIAGEN社製)を用いて、アガロースゲルから精製した後、制限酵素EcoRI(宝酒造社製)および制限酵素NotI(宝酒造社製)で消化した後に、QIAquick PCR Purification Kit(QIAGEN社製)を用いて精製し、pCXND3にクローニングし、pCXND3−VA130 dbを作製した。
2.3 抗ヒトMpl抗体sc(Fv)2発現ベクターの作製
VA130由来の2つのH鎖可変領域および2つのL鎖可変領域を含む改変抗体[sc(Fv)2]を発現するプラスミドを作製するために、前述のpCXND3−VA130 dbを用いて以下のようにPCR法により修飾した。sc(Fv)2遺伝子の構築過程について、図1に示した。
はじめに、VA130−VHをコードする遺伝子の3’末端およびVA130−VLをコードする遺伝子の5’末端に15アミノ酸から成るリンカー(GlySer)をコードする塩基配列を付加させた遺伝子について、それぞれPCR法を用いて増幅し、連結することにより構築した。この構築過程において、2種類のプライマーを新たに設計した。VA130−VHの後方プライマーsc−rL15(プライマーB,配列番号:12)は、VA130−VHのC末端をコードするDNAにハイブリダイズし、かつ(GlySer)から成るリンカーをコードする塩基配列ならびにVA130−VLのN末端をコードするDNAにハイブリダイズする塩基配列を有するように設計した。VA130−VLの前方プライマーsc−fL15(プライマーC,配列番号:13)は、VA130−VLのN末端をコードする塩基配列ならびに(GlySer)から成るリンカーをコードする塩基配列、VA130−VHのC末端をコードする塩基配列を有するように設計した。
第一PCRにおいて、VA130−VHおよびリンカー配列とVA130−VLおよびリンカー配列を含む2つのPCR反応物を以下のように合成した。
PCR反応溶液(50μL)の組成を次に示す。
5μLの10×PCR Buffer、
0.4mM dNTPs(dATP,dGTP,dCTP,dTTP)、
2.5ユニットのDNAポリメラーゼTaKaRa Ex Taq
(以上の成分はいずれも宝酒造社製)、
10ngのpCXND3−VA130 db、
10pmoleの合成オリゴヌクレオチドVA264−feco(プライマーA)、sc−rL15またはsc−fL15、VA264−rflag(プライマーD)
また反応温度条件は次のとおりである。
94℃の初期温度にて30秒間、
94℃/15秒間、72℃/2分間のサイクルを5回反復
94℃/15秒間、70℃/2分間のサイクルを5回反復、
94℃/15秒間、68℃/2分間のサイクルを28回反復
最後に反応産物を72℃で5分間加熱した。
約400bpのPCR産物をQIAquick Gel Extraction Kit(QIAGEN社製)を用いて、アガロースゲルから精製した後、各PCR産物の一部を用いて以下のように第二PCRを行った。
PCR反応溶液(50μL)の組成を次に示す。
5μLの10×PCR Buffer、
0.4mM dNTPs(dATP,dGTP,dCTP,dTTP)、
2.5ユニットのDNAポリメラーゼTaKaRa Ex Taq
(以上の成分はいずれも宝酒造社製)、
1μLの第一PCR産物(2種類)、
10pmoleの合成オリゴヌクレオチドVA264−feco、VA264−rflag
また反応温度条件は次のとおりである。
94℃の初期温度にて30秒間、
94℃/15秒間、72℃/2分間のサイクルを5回反復
94℃/15秒間、70℃/2分間のサイクルを5回反復、
94℃/15秒間、68℃/2分間のサイクルを28回反復
最後に反応産物を72℃で5分間加熱した。
約800bpのPCR産物をQIAquick Gel Extraction Kit(QIAGEN社製)を用いて、アガロースゲルから精製した後、制限酵素EcoRI(宝酒造社製)および制限酵素NotI(宝酒造社製)で消化した後に、QIAquick PCR Purification Kit(QIAGEN社製)を用いて精製し、pBacPAK9(CLONTECH社製)にクローニングし、pBacPAK9−scVA130を作製した。
次に、pBacPAK9−scVA130のPvuII部位に挿入する断片を作製した。すなわちN末端が欠けたVA130−VHとVA130−VLを(GlySer)から成るリンカーで連結したアミノ酸をコードする遺伝子を、さらにVA130−VHのN末端をコードする遺伝子と(GlySer)から成るリンカーをコードする塩基配列で連結する断片で、両末端がPvuII認識配列となる断片である。2種類のプライマーを新たに設計し、PCR法を用いて、この断片を作製した。目的断片の前方プライマーFv2−f(プライマーE,配列番号:14)は、5’末端にPvuII部位を有し、VA130−VHの5’末端側の配列を持つように設計した。目的断片の後方プライマーFv2−r(プライマーF,配列番号:15)は、VA130−VLのC末端をコードするDNAにハイブリダイズし、かつ(GlySer)から成るリンカーをコードする塩基配列ならびにVA130−VHのN末端をコードするDNAにハイブリダイズする塩基配列、さらにPvuII部位を有するように設計した。pBacPAK9−scVA130を鋳型にして、以下のようにPCRを行った。
PCR反応溶液(50μL)の組成を次に示す。
5μLの10×PCR Buffer、
0.4mM dNTPs(dATP,dGTP,dCTP,dTTP)、
2.5ユニットのDNAポリメラーゼTaKaRa Ex Taq
(以上の成分はいずれも宝酒造社製)、
10μgのpBacPAK9−scVA130、
10pmoleの合成オリゴヌクレオチドFv2−f、Fv2−r
また反応温度条件は次のとおりである。
94℃の初期温度にて30秒間、
94℃/15秒間、72℃/2分間のサイクルを5回反復
94℃/15秒間、70℃/2分間のサイクルを5回反復、
94℃/15秒間、68℃/2分間のサイクルを28回反復
最後に反応産物を72℃で5分間加熱した。
約800bpのPCR産物をQIAquick Gel Extraction Kit(QIAGEN社製)を用いて、アガロースゲルから精製した後、pGEM−T Easyベクター(Promega社製)へクローニングした。塩基配列の決定後、制限酵素PvuII(宝酒造社製)で消化した後に、目的断片を回収した。pBacPAK9−scVA130を制限酵素PvuII(宝酒造社製)で消化した後に、回収した断片を連結し、pBacPAK9−VA130 sc(Fv)2を作製した。作製したベクターを制限酵素EcoRI(宝酒造社製)および制限酵素NotI(宝酒造社製)で消化した後に、QIAquick Gel Extraction Kit(QIAGEN社製)を用いて、約1800bpの断片をアガロースゲルから精製し、発現ベクターpCXND3にクローニングし、pCXND3−VA130 sc(Fv)2を作製した。
2.4 動物細胞を用いた抗ヒトMpl一本鎖抗体の発現
CHO−DG44細胞を用いた一本鎖抗体の安定発現細胞株の作製は次のようにして行った。Gene PulserII(BioRad社製)を用いたエレクトロポレーション法により遺伝子導入した。発現ベクター(25μg)とPBSに懸濁したCHO−DG44細胞(1×10細胞/mL)の0.75mLを混合したものを氷上で10分間冷却し、キュベットに移した後に1.5kV、25μFDの容量にてパルスを与えた。室温にて10分間の回復期間の後、エレクトロポレーション処理された細胞を、500μg/mL Geneticin(Invitrogen社製)を含むCHO−S−SFMII培地(Invitrogen社製)に加えて選抜し、発現CHO細胞株を樹立した。VA130 sc(Fv)2は、この方法で安定発現細胞株およびその培養上清を調製した。
COS7細胞を用いた一本鎖抗体の一過性発現は次のようにして行った。発現ベクター(10μg)とPBSに懸濁したCHO−DG44細胞(1×10細胞/mL)の0.75mLを混合したものを氷上で10分間冷却し、キュベットに移した後に1.5kV、25μFDの容量にてパルスを与えた。室温にて10分間の回復期間の後、エレクトロポレーション処理された細胞を、10%FBSを含むDMEM培地(Invitrogen社製)に加え、一晩培養した後に、PBSで洗浄後にCHO−S−SFMII培地を加えて約3日間培養した。VA130 Diabodyは、この方法で培養上清を調製した。
2.5 培養上清中の抗ヒトMpl一本鎖抗体の定量
COS細胞に一過性発現させた抗ヒトMpl一本鎖抗体の培養上清中の濃度は、表面プラズモン共鳴を利用して測定した。すなわちBIAcore2000(Biacore社製)にSensor Chip CM5(Biacore社製)をセットし、ANTI−FLAG M2 Monoclonal Antibody(SIGMA−ALDRICH社製)を結合した。流速5mL/secで適濃度のサンプルを流し、50mMジエチルアミンを流して結合した抗体を解離させた。サンプルを流したときの質量変化を測定し、標準品の質量変化に基づいて作成した検量線を用いて、濃度を算出した。Diabodyについての標準品は、db12E10(WO 02/33072およびWO 02/33073参照)を使用し、sc(Fv)2についての標準品は同じ遺伝子構造を持つ12E10 sc(Fv)2を使用した。
2.6 抗Mpl Diabodyおよび一本鎖抗体の精製
VA130 Diabody発現COS7細胞あるいはCHO細胞の培養上清を、50mM Tris−HCl(pH7.4),150mM NaCl,0.05% Tween20で平衡化したAnti−Flag M2 Affinity Gel(SIGMA−ALDRICH社製)カラムに吸着させ、100mM Glycine−HCl(pH3.5)で溶出させた。溶出画分は、直ちに1M Tris−HCl(pH8.0)で中和を行い、HiLoad 26/60 Superdex200pg(Amersham−Bioscience社製)カラムを用いてゲルろ過クロマトグラフィーを行った。ゲルろ過クロマトグラフィーのバッファーは、PBS、0.01% Tween20を使用した。
VA130 sc(Fv)2発現COS7細胞あるいはCHO細胞の培養上清をDiabody精製と同一条件で精製を行った。各精製ステップにおいて、Diabodyおよびsc(Fv)2の確認は、SDS−PAGEおよび抗Flag抗体(SIGMA−ALDLICH社)を用いたWestern Blottingを用いて行った。
それぞれ、分取したピーク画分をLaemliの方法に準じて電気泳動し、クマシーブリリアントブルーで染色した結果、Diabodyでは、見かけ上の分子量約28kDaに、またsc(Fv)2では、見かけ上の分子量約58kDaに、それぞれ単一のバンドが検出された。
2.7 Flow Cytometryによる抗ヒトMpl一本鎖抗体の結合活性の評価
CHO−human Mpl、CHO−monkey MplおよびCHO−mouse Mplを回収し、1x10cells/mLになるようにFACS Buffer(1% FBS/PBS)に懸濁した。100μL/wellとなるようにMultiscreen−HV Filter Plates(Millipore社製)に分注し、遠心操作にて上清を除去した。適濃度のDiabodyまたはsc(Fv)2を加え、氷上にて30分間反応させた。細胞を200μLのFACS bufferにて1回洗浄し、10μg/mLのANTI−FLAG M2 Monoclonal Antibody(SIGMA−ALDRICH社製)を添加し、氷上にて30分間反応させた。
次に200μLのFACS bufferにて細胞を1回洗浄した後、100倍希釈したFITC標識抗マウスIgG抗体(Beckman Coulter社製)を添加し、氷上にて30分間反応させた。最後に遠心し上清を除き、FACS Buffer 400μLに懸濁し、EPICS ELITE ESP(Beckman Coulter社)を用いてFlow Cytometryに供した。前方散乱光(forward scatter)及び側方散乱光(side scatter)のヒストグラムにて生細胞集団にゲートを設定した。
精製したVA130 sc(Fv)2を用いて、各種Mplを発現させたCHO細胞に対する結合活性を評価した結果を図2に示す。宿主細胞であるCHOに対しては結合活性を示さず、CHO−human MplおよびCHO−monkey Mplに特異的に結合することが確認された。この結合活性の傾向は、VA130 IgGと変わらないことから、低分子化により抗体の結合部位は変化していないことが推測された。
2.8 ELISAによる抗ヒトMpl一本鎖抗体の結合活性の評価
ELISAにより抗ヒトMpl一本鎖抗体のhMPL−Fcに対する結合活性を評価した。精製したhMPL−Fcを0.5μg/mLになるようにコーティングし、Diluent bufferにてブロッキング処理を行った。適濃度に希釈したVA130精製品を加え、室温で1時間放置した後、Rinse bufferにて洗浄した後、1000倍希釈したANTI−FLAG M2 Monoclonal Antibody(SIGMA−ALDRICH社製)を加え、室温で1時間反応させた。さらにRinse bufferにて洗浄した後、1000倍希釈したAlkaline Phosphatase標識した抗マウスIgG抗体(Zymed社製)を加え、室温で1時間放置した。Rinse bufferにて洗浄した後、発色はSIGMA104(SIGMA−ALDRICH社製)を1mg/mLとなるようにSubstrate)に希釈したものを用い、室温で15分間発色させた後に405nmの吸光度をBenchmark Plusにて測定した。
2.9 抗ヒトMpl一本鎖抗体のTPO様アゴニスト活性の評価
TPO依存性増殖を示すBaF3−human Mplを用いてTPO用アゴニスト活性を評価した。各細胞を1% Fetal Bovine Serum(Invitrogen社製)を含むRPMI1640(Invitrogen社製)で2回洗浄した後、4x10cells/mLとなるように10% Fetal Bovine Serumを含むRPMI1640に懸濁し、60μL/wellで96well plateに分注した。rhTPO(R&D社製)、COS7培養上清または精製品の濃度を振り、各wellに40μL加え、37℃、5%CO条件下で、24時間培養した。10μL/wellでWST−8試薬(Cell Count Reagent SF、ナカライテスク社製)を加え、直後にBenchmark Plusを用いて450nmの吸光度(対照655nm)を測定し、2時間培養後に、再度450nmの吸光度(対照655nm)を測定した。WST−8試薬は生細胞数に応じて450nmの発色反応を呈することから、2時間の吸光度変化を指標にTPO様アゴニスト活性を評価した。また、GraphPad Prismを用いてEC50値を算出した。
精製したVA130 IgG、VA130 DiabodyおよびVA130 sc(Fv)2を使用して、BaF3−human Mpl、を用いてTPO様アゴニスト活性を評価した結果を図3に示す。
VA130 IgGは、全くアゴニスト活性が見られない(BaF3−human Mpl EC50:>100nM)のに対して、低分子化抗体に変換することにより、VA130 DiabodyおよびVA130 sc(Fv)2ではアゴニスト活性(BaF3−human Mpl EC50:それぞれ222pM,1023pM)が検出された。また、VA130,VB16,VB157の活性評価について表1に示した。VB16,VB157もVA130と同様にIgGで強い結合活性を示し、アゴニスト活性は検出されないものの、低分子化抗体に変換することにより、アゴニスト活性が認められる性質を持つことが分かった。
この結果から、アゴニスト抗体の創製において、ハイブリドーマが産生するIgGを用いたアゴニスト活性を指標にしたスクリーニングは重要ではなく、受容体に結合する抗体を低分子化抗体に変換することによりアゴニスト抗体をスクリーニングすることが重要であるといえる。
[表1]
VA130,VB16,VB157の活性結果
Figure 2005056602
全長抗体を改変する前にアゴニスト活性を測定し、その時点でアゴニスト活性がない抗体を除外するという従来のスクリーニング方法では、改変前にアゴニスト活性を有していないものは、その時点で除外され、活性のあるもののみが改変されていた。その場合には、低分子に改変することによって初めてアゴニスト活性を有するようになる抗体を見出すことは不可能であるため、結果として、そのような抗体由来の低分子化抗体も選択されることはなかった。本発明者らは、それらの完全長ではアゴニスト活性が弱いか、あるいはほとんど検出されないものでも、低分子化することによって、活性を上昇させることが可能であることを見出した。
一方、当方法によるスクリーニング法であれば、抗体の改変前にはアゴニスト活性を指標として選択を行わないため、全長ではアゴニスト活性が検出されないか、あるいは活性が弱い抗体も除外されない。従って、従来の方法では見落とされていた潜在的に活性上昇の能力を持つ抗体を見出すことが可能となる。
さらに、遺伝子を安定的に発現させ、かつ、細胞内での遺伝子のコピー数の増幅を目的とする場合には、核酸合成経路を欠損したCHO細胞にそれを相補するDHFR遺伝子を有するベクター(例えば、pCHOIなど)を導入し、メトトレキセート(MTX)により増幅させる方法が挙げられ、また、遺伝子の一過性の発現を目的とする場合には、SV40 T抗原を発現する遺伝子を染色体上に持つCOS細胞を用いてSV40の複製起点を持つベクター(pcDなど)で形質転換する方法が挙げられる。複製開始点としては、また、ポリオーマウィルス、アデノウィルス、ウシパピローマウィルス(BPV)等の由来のものを用いることもできる。さらに、宿主細胞系で遺伝子コピー数増幅のため、発現ベクターは選択マーカーとして、アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ(APH)遺伝子、チミジンキナーゼ(TK)遺伝子、大腸菌キサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Ecogpt)遺伝子、ジヒドロ葉酸還元酵素(dhfr)遺伝子等を含むことができる。
なお、抗体の精製前又は精製後に適当なタンパク質修飾酵素を作用させることにより、任意に修飾を加えたり部分的にペプチドを除去することもできる。タンパク質修飾酵素としては、例えば、トリプシン、キモトリプシン、リシルエンドペプチダーゼ、プロテインキナーゼ、グコシダーゼなどが用いられる。
COS7細胞を用いた一本鎖抗体の一過性発現は次のようにして行った。発現ベクター(10μg)とPBSに懸濁したCOS7細胞(1×107細胞/mL)の0.75mLを混合したものを氷上で10分間冷却し、キュベットに移した後に1.5kV、25μFDの容量にてパルスを与えた。室温にて10分間の回復期間の後、エレクトロポレーション処理された細胞を、10% FBSを含むDMEM培地(Invitrogen社製)に加え、一晩培養した後に、PBSで洗浄後にCHO-S-SFMII培地を加えて約3日間培養した。VA130 Diabodyは、この方法で培養上清を調製した。

Claims (14)

  1. 以下の工程を含む、アゴニスト抗体のスクリーニング方法。
    (a)被験抗体の結合活性を測定し、結合活性を有する抗体を選択する工程、
    (b)(a)で選択された抗体を改変する工程、
    (c)(b)の改変抗体のアゴニスト活性を測定し、アゴニスト活性を有する改変抗体を選択する工程
  2. 改変抗体が低分子化抗体であることを特徴とする、請求項1に記載のスクリーニング方法。
  3. 低分子化抗体がsc(Fv)2であることを特徴とする、請求項2に記載のスクリーニング方法。
  4. 被験抗体を改変する前に、アゴニスト活性を測定しないことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のスクリーニング方法。
  5. 抗体が細胞膜上に発現するタンパク質に対する抗体であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のスクリーニング方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の方法により得られた抗体。
  7. 以下の工程を含む、アゴニスト活性を有する抗体の製造方法。
    (a)抗体の結合活性を測定し、結合活性を有する抗体を選択する工程、
    (b)(a)で選択された抗体を改変する工程、
    (c)(b)の改変抗体のアゴニスト活性を測定し、アゴニスト活性を有する抗体を選択する工程、
    (d)(c)で選択された抗体をコードするDNAを含むベクターを宿主細胞に導入する工程、
    (e)(d)の宿主細胞を培養する工程
  8. 改変抗体が低分子化抗体であることを特徴とする、請求項7に記載の製造方法。
  9. 低分子化抗体がsc(Fv)2であることを特徴とする、請求項8に記載の製造方法。
  10. 抗体を改変する前に、アゴニスト活性を測定しないことを特徴とする、請求項7〜9のいずれかに記載の製造方法。
  11. 抗体が細胞膜上に発現するタンパク質に対する抗体であることを特徴とする、請求項7〜10のいずれかに記載の製造方法。
  12. 以下の工程を含むアゴニスト抗体のスクリーニング方法であって、(a)の工程の前に被験抗体のアゴニスト活性を測定しないことを特徴とする方法。
    (a)被験抗体を改変する工程、
    (b)(a)の改変抗体のアゴニスト活性を測定し、アゴニスト活性を有する改変抗体を選択する工程
  13. 改変抗体が低分子化抗体であることを特徴とする、請求項12に記載のスクリーニング方法。
  14. 低分子化抗体がsc(Fv)2であることを特徴とする、請求項13に記載のスクリーニング方法。
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