JPWO2005049826A1 - アプタマーを用いた標的分子の検出方法 - Google Patents
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Abstract
Description
これらの方法の改良により、現在nMレベルの濃度の標的分子の検出が可能となっているが、当該技術分野においては、さらに高感度の検出方法の開発が求められている。また、蛍光を測定する場合は蛍光光度計や蛍光顕微鏡、放射活牲を測定する場合はシンチレーションカウンターが必要であり、従来法による標的分子の検出には高価な大型機器を必要とする。さらに、従来法の多くは、標的と結合した標識物質と結合していない標識物質との分離(B/F分離)を必要とするため、操作が複雑であった。このため、特殊な分析機器やB/F分離を必要としない、より簡便な検出方法の開発が求められている。
したがって、本発明の目的は、感度が高く簡便な、新たな標的分子検出方法を提供することである。
本発明は、標的分子の存在を検出するためのアプタマー・プローブ複合体を提供する。本発明のアプタマー・プローブ複合体は、指示タンパク質と結合してそのタンパク質の特性を変化させることができるアプタマー部分と、標的分子と結合することができるプローブ部分とを含み、プローブ部分が標的分子と結合したときにアプタマー部分と指示タンパク質との結合様式が変化するように構成されていることを特徴とする。
本発明のアプタマー・プローブ複合体の1つの好ましい態様においては、標的分子は核酸であり、アプタマー・プローブ複合体のプローブ部分はこの核酸とハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチドである。また別の好ましい態様においては、標的分子はタンパク質または小分子であり、アプタマー・プローブ複合体のプローブ部分はこのタンパク質または小分子と結合しうるアプタマーである。
また好ましくは、指示タンパク質は酵素であり、特に好ましくはトロンビンである。
本発明の1つの好ましい態様においては、プローブ部分が標的分子に結合することにより、アプタマー部分と指示タンパク質との結合が強まる。また別の好ましい態様においては、プローブ部分が標的分子に結合することにより、アプタマー部分と指示タンパク質との結合が弱まる。
本発明のアプタマー・プローブ複合体を用いて検出しうる標的分子の好ましい例は、サルモネラ菌およびSARSウイルスの遺伝子またはその一部である。
別の観点においては、本発明は、上述の本発明のアプタマー・プローブ複合体を含む、標的分子の存在を検出するためのキットを提供する。
さらに別の観点においては、本発明は、上述の本発明のアプタマー・プローブ複合体を用いて試料中の標的分子の存在を検出する方法を提供する。この方法は、標的分子の存在または量について調べるべき試料と、本発明のアプタマー・プローブ複合体とを接触させ、指示タンパク質の特性の変化を測定し、これを指標として試料中の標的分子の存在を検出することを含む。指示タンパク質が酵素である場合、酵素活性の変化は分光学的手法または電気化学的手法により測定することができる。
図2は、図1のアプタマー・プローブ複合体を用いる標的DNAの検出方法を示す。
図3は、図1のアプタマー・プローブ複合体を用いる標的DNAの検出の結果を示す。
図4は、プローブ部分と標的DNAとのハイブリダイゼーションによりアプタマー部分と指示タンパク質との結合が弱まるアプタマー・プローブ複合体の例を示す。
図5は、図4のアプタマー・プローブ複合体を用いる標的DNAの検出方法を示す。
図6は、図4のアプタマー・プローブ複合体を用いる標的DNAの検出の結果を示す。
図7は、プローブ部分と標的分子との結合によりアプタマー部分と指示タンパク質との結合が強まるアプタマー・プローブ複合体の例を示す。
図8は、図7のアプタマー・プローブ複合体を用いる標的分子の検出方法を示す。
図9は、図7のアプタマー・プローブ複合体を用いる標的分子の検出の結果を示す。
図10は、本発明のアプタマー・プローブ複合体の別の態様を用いる標的DNAの検出の結果を示す。
発明の詳細な説明
アプタマー・プローブ複合体の構造
本発明のアプタマー・プローブ複合体は、アプタマー部分とプローブ部分から構成されるポリヌクレオチドである。ポリヌクレオチドは、DNAであってもRNAであってもよく、PNA等の核酸模倣体であってもよい。また、ポリヌクレオチドは、塩基、糖、および/またはヌクレオチド間結合に種々の修飾を含んでいてもよい。
アプタマー部分とは、指示タンパク質に対してアプタマーとして作用し、指示タンパク質と結合してそのタンパク質の特性を変化させることができる領域である。本明細書において用いる場合、「アプタマー」とは、特定の分子に結合する核酸リガンドを表す。アプタマーは、1990年にGoldらによって初めてその概念が報告されており、Systematic Evolution of Ligands by EXponential Enrichment(SELEX)と呼ばれる方法を用いて獲得される(Tuerk,C.and Gold L.(1990).Systematic evolution of ligands by exponential enrichment:RNA ligands to bacteriophage T4 DNA polymerase.Science,249,505−510)。これまでにアプタマーが得られているターゲットの例としては、以下のものが挙げられる:T4DNAポリメラーゼ、R17コートタンパク質、MS2コートタンパク質、E.coli S1タンパク質、E.coli rhoタンパク質、E.eoli 30S粒子+S1、E.coli30S粒子−S1、E.coli metJタンパク質、QBレプリカーゼ、HIV−1 Revタンパク質、HIV−1 tatタンパク質、HIV−1 intタンパク質、HIV−1リバーストランスクリプターゼ、MMLVリバーストランスクリプターゼ、AMVリバーストランスクリプターゼ、FIVリバーストランスクリプターゼ、HTLV−1 rexペプチド、U1A、U2AF、トロンビン、エラスターゼ、sPLA2、NGF、bFGF、VEGF、抗gp−10抗体、SLEモノクローナル抗体、抗インスリンレセプター、IgE、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン、トロンビン、テオフィリン、FMN、AMP、アルギニン、シトルリン、トブラマイシン、ネオマイシンB、ヘマトポルフィリン、キチン、コール酸(Hermann,et al.,(2000),Adaptive recognition by nucleic acid aptamers,Science 287,820−825)。また、アプタマーの選択および応用に関するさらに詳細な説明は、Osborne SE,Ellington AD.(1997),Nucleic Acid Selection and the Challenge of Combinatorial Chemistry.Chem Rev.Apr 1;97(2):349−370に見いだすことができる。
プローブ部分とは、検出すべき標的分子と結合することができる領域である。標的分子が核酸である場合、プローブ部分はこの核酸とハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチドである。例えば、本発明の複合体は、アプタマー部分の3’側にプローブ部分が連結され、プローブ部分と標的分子とがハイブリダイズしたときにアプタマー部分と指示タンパク質との結合が阻害されるように設計することができる。あるいは、標的分子の非存在下においてプローブ部分がアプタマー部分と指示タンパク質との結合を阻害し、プローブ部分と標的分子とがハイブリダイズしたときに、プローブ部分による阻害作用が軽減され、その結果アプタマー部分と指示タンパク質との結合が強まるように設計してもよい。また、本発明の複合体は、アプタマー部分の配列中にプローブ部分の配列が挿入され、プローブ部分と標的分子とがハイブリダイズしたときにアプタマー部分と指示タンパク質との結合が阻害されるように設計することができる。さらに、本発明の複合体は、アプタマー部分の5’側と3’側の両方にプローブ部分が存在するように設計し、アプタマー部分の5’側に標的塩基配列と相補的な塩基配列の一部を連結し、3’側に相補的な塩基配列の残りの部分を連結してもよい。
標的分子がタンパク質および小分子である場合、プローブ部分としてはこのタンパク質または小分子と結合しうるアプタマーを用いることができる。なお、ここでいうアプタマーは、指示タンパク質と結合するアプタマー部分としてではなく、本発明のアプタマー・プローブ複合体のプローブ部分として標的分子と結合するよう作用する。すなわち、この態様においては、本発明の複合体はターゲットの異なる2つのアプタマー配列を有する。
アプタマー部分とプローブ部分は共有結合により連結されている。好ましくは、アプタマー部分とプローブ部分は、1本の直線状または環状のポリヌクレオチドを形成している。本発明のアプタマー・プローブ複合体は、DNA合成機で固相合成することにより容易に製造することができる。
指示タンパク質とは、その特性の変化により検出可能なシグナルを生ずるタンパク質である。指示タンパク質としては、例えば、酵素、蛍光タンパク質、レセプター、特定のレセプターと結合するリガンド等を用いることができる。好ましい指示タンパク質は酵素である。トロンビンは、活性の測定が容易であること、および活性を阻害するアプタマーが複数報告されていることから、本発明において指示タンパク質として用いるのに特に適している。さらに、SELEXにより事実上あらゆる酵素に対してそれに結合するアプタマーを取得することが可能であるため、任意の酵素についてその活性を阻害するアプタマーを取得し、その配列に基づいて本発明のアプタマー・プローブ複合体を設計することにより、その酵素を指示タンパク質として用いることができる。
本発明のアプタマー・プローブ複合体は、プローブ部分が標的分子と結合したときにアプタマー部分と指示タンパク質との結合様式が変化し、このことにより、指示タンパク質の特性が変化することを特徴とする。この結合様式の変化は、アプタマー・プローブ複合体のアプタマー部分の構造の変化によるか、またはプローブ部分の構造による立体障害によるものと考えられる。しかし、本発明は結合様式の変化のメカニズムにより限定されるものではない。
本発明の1つの好ましい態様においては、プローブ部分が標的分子に結合することにより、アプタマー部分と指示タンパク質との結合が強まる。指示タンパク質が酵素である場合には、アプタマー部分と酵素との結合が強まることにより、アプタマー部分による酵素活性の阻害が増加し、その結果酵素活性が低下する。また別の好ましい態様においては、プローブ部分が標的分子に結合することにより、アプタマー部分と指示タンパク質との結合が弱まる。指示タンパク質が酵素である場合には、アプタマー部分と酵素との結合が弱まることにより、アプタマー部分による酵素活性の阻害が軽減され、その結果酵素活性が高まる。すなわち、いずれの態様においても、指示タンパク質である酵素の活性を測定することによって、標的分子の存在を容易に検出することができる。
本発明のアプタマー・プローブ複合体を用いて検出することのできる標的分子の1つの例は核酸である。この場合、アプタマー・プローブ複合体のプローブ部分はこの核酸とハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチドである。標的核酸としては、検出が望まれるいずれの核酸を用いてもよく、例えば、細菌やウイルスの遺伝子、例えば、サルモネラ菌またはSARSウイルスの遺伝子またはその一部、および細胞または組織中のDNAおよびRNA、合成または単離されたDNAおよびRNA等が挙げられる。また、本発明のアプタマー・プローブ複合体は、ゲノム中の一塩基変異の検出にも有用である。
本発明のアプタマー・プローブ複合体を用いて検出することのできる標的分子の別の例はタンパク質および小分子である。この場合、アプタマー・プローブ複合体のプローブ部分としては、このタンパク質または小分子と結合しうるアプタマーを用いることができる。標的タンパク質または小分子としては、検出が望まれるいずれのタンパク質または小分子を用いてもよい。種々のタンパク質および小分子について、それに特異的なアプタマーが同定されており、さらにSELEXにより事実上あらゆる分子に対してそれに結合するアプタマーを取得することが可能である。したがって、特異的なアプタマーを取得することができる限り、任意のタンパク質および小分子を本発明において標的分子として用いることができる。
標的分子の検出方法
別の観点においては、本発明は、上述の本発明のアプタマー・プローブ複合体を用いて試料中の標的分子の存在を検出する方法を提供する。この方法は、標的分子の存在について調べるべき試料と本発明のアプタマー・プローブ複合体とを接触させ、指示タンパク質の特性の変化を測定し、これを指標として試料中の標的分子の存在を検出することを含む。
指示タンパク質が酵素である場合には、指示タンパク質の特性の変化は酵素活性の変化として容易に測定することができ、このことにより標的分子を検出することができる。酵素活性の変化は、分光学的手法または電気化学的手法により測定することができる。例えば、酵素としてトロンビンを用いる場合、基質としてN−ベンゾイル−Phe−Val−Arg−p−ニトロアニリドを用い、遊離したp−ニトロアニリンの吸光度(410nm)を測定することによってトロンビンの活性を測定する。あるいは、血漿に終濃度が一定になるようにフィブリノーゲンとトロンビンを加え、トロンビンによるフィブリノーゲンの切断によって開始される血液凝固を測定することによってトロンビンの活性を測定することもできる。血液凝固の測定は様々な方法があり、分光学的方法による屈折率の変化の測定、血漿に金属球を添加し血液凝固に伴うその運動の停止を観察する方法、水晶振動子、表面プラズモン共鳴、干渉増幅反射法(Interference Enhanced Reflection;IER)などによる測定も可能である。また、酵素としては、ルシフェラーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ等の、検出用の標識として用いられるいずれの酵素も用いることができる。
酵素反応の検出法としては、従来からよく使われている比色法など様々な方法が利用できるが、好ましくは測定系を単純化する事が可能で、微小化、集積化、量産化が可能な電気化学的測定法である。
指示タンパク質としてレセプターを用いる場合には、レセプターとそれに対するリガンドとの結合または解離の結果として放出される物質を分光学的方法で検出することができる。また、指示タンパク質として蛍光タンパク質を用いる場合には、その蛍光特性を観察すればよい。
本発明にしたがえば、標的分子と本発明のアプタマー・プローブ複合体とを混合することにより、標的分子とプローブ部分との結合を直接観察することができ、従来の方法で必要であった未結合成分の分離の操作を必要としない。したがって、極めて高感度かつ簡単な標的分子の検出を実現することができる。
標的分子検出用キット
別の観点においては、本発明は、上述の本発明のアプタマー・プローブ複合体を含む、標的分子の存在を検出するためのキットを提供する。キットは、本発明のアプタマー・プローブ複合体に加えて、指示タンパク質、および指示タンパク質の特性を測定するための各種の試薬および溶液、ならびに使用の指針を含むことができる。本発明のアプタマー・プローブ複合体は種々の形態で、例えば、凍結乾燥された試薬として、または適切な保存溶液中の溶液として提供することができる。
標的分子検出用センサー
本発明のアプタマー・プローブ複合体は、標的分子検出用センサーの認識素子として用いるのに適している。標的分子検出用センサーでは、指示タンパク質の特性の変化を測定するために、電極や半導体チップに本発明のアプタマー・プローブ複合体を装着して用いることができる。電極としては、カーボン電極、金電極、白金電極などを用い、この電極上に本発明のアプタマー・プローブ複合体を固定化する。固定化方法としては、アビジン−ビオチンの結合を利用する方法、架橋試薬を用いる方法、高分子マトリックス中に封入する方法、透析膜で被覆する方法、光架橋性ポリマー、導電性ポリマー、酸化還元ポリマーで包括固定する方法などがあり、その場合フェロセンあるいはその誘導体に代表される電子メディエーターとともにポリマー中に固定あるいは電極上に吸着固定してもよく、またこれらを組み合わせて用いてもよい。例えば、指示タンパク質として酵素を用いる場合、アビジン−ビオチンの結合を用いてアプタマー・プローブ複合体をカーボン電極上に固定化した後、測定系に酵素を加え、次に試料を加えて酵素反応生成物を電気化学に測定することにより、試料中の標的分子の存在を検出することができる。
一例として、標的分子の検出は、以下のようにして行うことができる。恒温セルに緩衝液を入れ、一定温度に維持する。作用電極としてアプタマー・プローブ複合体を固定化した電極(例えばカーボン電極)を用い、対極(例えば白金電極)および参照電極(例えばAg/AgCl電極)を用いる。被検試料を添加してアプタマー・プローブ複合体と接触させた後、指示タンパク質である酵素を添加する。一定時間インキュベートした後、酵素の基質を添加し電極に一定の電圧を印加して、酵素反応生成物と電極との反応による電流の増加を測定する。標準濃度の標的分子溶液により作製したキャリブレーションカーブに従い、試料中の標的分子の濃度を計算することができる。
アプタマー・プローブ複合体の構造の具体例
以下、図面を参照して本発明の種々の態様を説明する。これらの図に示されるアプタマー・プローブ複合体の構造は、単に本発明の原理および概念を説明するための模式図であって、本発明の複合体の立体構造、指示タンパク質との結合様式、およびそれらの変化のしかたを限定するものではない。
図1は、プローブ部分と標的DNAとのハイブリダイゼーションにより指示タンパク質との結合が強まるアプタマー・プローブ複合体の例を示す。このアプタマー・プローブ複合体は、アプタマー部分としてトロンビンアプタマーの配列を有し、その3’側にプローブ部分としてサルモネラinvAの遺伝子の一部に相補的な配列を有するDNAである(図1A)。指示タンパク質はトロンビンであり、アプタマー部分はトロンビンに結合してその酵素活性を阻害する機能を有する。標的分子はサルモネラinvAの遺伝子である。サルモネラinvA遺伝子が存在しない場合には、プローブ部分の配列の存在のために、アプタマー部分はトロンビンと強く結合することができず、トロンビンは酵素活性を示す(図1B)。サルモネラinvA遺伝子が存在すると、プローブ部分の配列はサルモネラinvAの遺伝子とハイブリダイズして安定な二本鎖DNAを形成し、アプタマー部分とトロンビンとの結合が強まるため、トロンビンの酵素活性が阻害される(図1C)。実施例1に、図1のアプタマー・プローブ複合体を用いて、標的分子の存在下または非存在下におけるトロンビンの活性を測定した実験の方法および結果を示す。
図4は、プローブ部分と標的DNAとのハイブリダイゼーションにより指示タンパク質との結合が弱まるアプタマー・プローブ複合体の例を示す。このアプタマー・プローブ複合体は、アプタマー部分としてトロンビンアプタマーの配列を有し、その配列中にプローブ部分としてSARSウイルス遺伝子の一部に相補的な配列を含むステム・ループ構造が挿入されている(図4B)。標的分子はSARSウイルスの遺伝子である。SARSウイルス遺伝子が存在しない場合には、プローブ部分が安定なステム・ループ構造をとるため、アプタマー部分がトロンビンと結合して、トロンビンの酵素活性が阻害される。SARSウイルス遺伝子が存在すると、プローブ部分がSARSウイルス遺伝子とハイブリダイズしてステム・ループ構造が破壊され、アプタマー部分とトロンビンとの結合に影響を及ぼすため、アプタマー部分はトロンビンと強く結合することができず、トロンビンは酵素活性を示す(図4C)。実施例2に、図4のアプタマー・プローブ複合体を用いて、標的分子の存在下または非存在下におけるトロンビンの活性を測定した実験の方法および結果を示す。
図7は、プローブ部分と標的小分子との結合により指示タンパク質との結合が強まるアプタマー・プローブ複合体の例を示す。このアプタマー・プローブ複合体は、アプタマー部分としてトロンビンアプタマーの配列を有し、その配列中にプローブ部分としてアデノシンと結合しうるATPアプタマーの配列が挿入されている(図7B)。ここでは、ATPアプタマーは、指示タンパク質と結合するアプタマー部分としてではなく、本発明のアプタマー・プローブ複合体のプローブ部分として標的分子と結合するよう作用する点に注意すべきである。標的分子はアデノシンである。アデノシンが存在しない場合には、プローブ部分の配列の存在のために、アプタマー部分はトロンビンと強く結合することができず、トロンビンは酵素活性を示す(図7B)。アデノシンが存在すると、プローブ部分のATPアプタマー配列がアデノシンと結合して、安定な複合体を形成する。このため、アプタマー部分とトロンビンとの結合が強まり、トロンビンの酵素活性が阻害される(図7C)。実施例3に、図7のアプタマー・プローブ複合体を用いて、標的分子の存在下または非存在下におけるトロンビンの活性を測定した実験の方法および結果を示す。
本明細書において明示的に引用される全ての特許および参考文献の内容は全て本明細書の一部としてここに引用する。また,本出願が有する優先権主張の基礎となる出願である日本特許出願2003−431323号の明細書および図面に記載の内容は全て本明細書の一部としてここに引用する。
[実施例1]
既知のトロンビンアプタマーの配列に基づいて、トロンビン−invAアプタマーを合成した。標的DNAとしてはサルモネラ菌のinvA遺伝子の配列を用いた。このアプタマー・プローブ複合体の構造の概略は図1に示される。
終濃度1μMの27mer invAまたは27mer対照DNAの存在下および非存在下において、終濃度1μMのトロンビン−invAアプタマーを終濃度50mMのTris−HCl,5mM KCl pH=8.0中で95度で3分間加熱し、95度から室温まで30分かけてゆっくり冷却した。その後、終濃度1mg/mlフィブリノーゲン溶液(和光純薬工業)および、終濃度54nMトロンビン(和光純薬工業)にトロンビン−invAアプタマーを混ぜた溶液を37度で5分間インキュベートした。5分後フィブリノーゲン溶液にトロンビン溶液を混ぜ、溶液が固まる時間を自動血液凝固測定装置(KC4A micro,AMELUNG)により測定した。なおバッファーの終濃度は50mM This−HCl,5mM KCl,75mM NaCl pH=8.0である。
結果を図2に示す。トロンビン−invAアプタマーを加えた場合の凝固時間はトロンビンアプタマーを加えた場合と比較すると短くなった。すなわち、トロンビンアプタマーの3‘端に27merのinvA配列の相補的塩基配列を付加するとアプタマーによるトロンビンの阻害能が低下することが示唆された。トロンビン−invAアプタマーに対照DNAを加えた場合は凝固時間はほとんど変わらないのに対して、27mer invA配列を加えると凝固時間の延長が観察された。このことは、27mer invA配列が存在すると、アプタマーによるトロンビンの阻害能が回復することを示す。
次に、トロンビン−invAアプタマーによる標的DNAの定量を行った。終濃度0.1〜5μMの27mer invAまたは27mer対照DNAの存在下および非存在下において、終濃度1μMのトロンビン−invAアプタマーを終濃度50mMのTris−HCl,5mM KCl pH=8.0中で、95度で3分間加熱し、95度から室温まで30分かけてゆっくり冷却した。その後、終濃度1mg/mlフィブリノーゲン溶液(和光純薬工業)および、終濃度54nMトロンビン(和光純薬工業)とトロンビン−invAアプタマーを混ぜた溶液を37度で5分間インキュベートし、フィブリノーゲン溶液にトロンビン溶液を混ぜ、溶液が固まる時間を自動血液凝固測定装置(KC4A micro,AMELUNG)により測定した。なおバッファーの終濃度は50mM Tris−HCl,5mM KCl,75mM NaCl pH=8.0である。
結果を図3に示す。トロンビン−invAアプタマーに対照DNAを加えても凝固時間は変わらないのに対し、標的DNAを加えると終濃度1μMまでは標的DNAの濃度に依存して凝固時間が上昇し、それ以上では飽和していた。すなわち、終濃度1μMのトロンビン−invAアプタマーを用いて、トロンビンの酵素活性を測定することにより、100nM以上の標的DNAを検出できることが示された。
[実施例2]
以下の配列を有するトロンビン−SARSアプタマーを合成した。標的DNAとしてはSARSウイルス遺伝子の配列を用いた。このアプタマー・プローブ複合体の構造の概略は図4および図5Aに示される。
終濃度1μMの15mer標的DNAまたは15mer対照DNAの存在下および非存在下において、終濃度1μMのトロンビン−SARSアプタマーを終濃度50mMのThis−HCl,5mM KCl pH=8.0のバッファー中で、95度で3分間加熱し、95度から室温まで30分かけてゆっくり冷却した。その後、終濃度1mg/mlフィブリノーゲン溶液および、濃度54nMトロンビン(和光純薬工業)とトロンビン−SARSアプタマーを混ぜた溶液を37度で5分間インキュベートし、フィブリノーゲン溶液にトロンビン溶液を混ぜ、溶液が固まる時間を自動血液凝固測定装置(KC4A micro,AMELUNG)により測定した。なおバッファーの終濃度は50mM This−HCl,5mM KCl,75mM NaCl pH=8.0である。
結果を図5Bに示す。トロンビン−SARSアプタマーに15mer対照DNAを加えても凝固時間は変わらないのに対し、15mer標的DNAを加えると凝固時間が短くなった。すなわち、標的DNA存在下においてトロンビン−SARSアプタマーによるトロンビンの阻害能が低下することが示唆された。
次に、トロンビン−SARSアプタマーによる標的DNAの定量を行った。終濃度0.1〜5μMの15mer標的DNAまたは15mer対照DNAの存在下および非存在下において、終濃度1μMのトロンビン−SARSアプタマーを終濃度50mM Tris−HCl,5mM KCl pH=8.0中で、95度で3分間加熱し、95度から室温まで30分かけてゆっくり冷却した。その後、終濃度1mg/mlフィブリノーゲン溶液(和光純薬工業)および、濃度54nMトロンビン(和光純薬工業)とトロンビン−SARSアプタマーを混ぜた溶液を37度で5分間インキュベートした。5分後フィブリノーゲン溶液にトロンビン溶液を混ぜ、溶液が固まる時間を自動血液凝固測定装置(KC4A micro,AMELUNG)により測定した。なおバッファーの終濃度は50mM This−HCl,5mM KCl,75mM NaCl pH=8.0である。
結果を図6に示す。トロンビン−SARSアプタマーに15mer対照DNAを加えても凝固時間は変わらないのに対し、標的DNAを加えると終濃度1μMまでは標的DNAの濃度に依存して、凝固時間が減少し、それ以上では飽和していた。すなわち、終濃度1μMのトロンビン−SARSアプタマーを用いて、トロンビンの酵素活性を測定することにより、200nM以上の標的DNAを検出できることが示された。
[実施例3]
以下の配列を有するトロンビン−ATPアプタマーを合成した。標的分子としてはアデノシンを用いた。このアプタマー・プローブ複合体の構造の概略は図7に示される。
終濃度1μMのトロンビン−ATPアプタマーを終濃度50mMのTris−HCl,5mM KCl,5mM MgCl2 pH=8.0中で、95度で3分間加熱し、95度から室温まで30分かけてゆっくり冷却した。その後、終濃度1mg/mlフィブリノーゲン溶液(和光純薬工)および、濃度54nMトロンビン(和光純薬工業)とトロンビン−ATPアプタマーと終濃度1mMアデノシン(和光純薬工業)を混ぜた溶液を37度で5分間インキュベートした。5分後フィブリノーゲン溶液にトロンビン溶液を混ぜ、溶液が固まる時間を自動血液凝固測定装置(KC4A micro,AMELUNG)により測定した。なおバッファーの終濃度は50mM This−HCl,5mM KCl,75mM NaCl pH=8.0である。
結果を図8に示す。トロンビン又はトロンビンアプタマーに終濃度1mMのアデノシンを加えても凝固時間は変化しないのに対し、トロンビン−ATPアプタマーに終濃度1mMのアデノシンを加えると凝固時間の延長が観察された。すなわち、アデノシン存在下においてトロンビン−ATPアプタマーによるトロンビンの阻害能が上昇することが示唆された。
次に、トロンビン−ATPアプタマーによるアデノシンの定量を行った。終濃度1μMのトロンビン−ATPアプタマーを終濃度50mMのTris−HCl,5mM KCl,5mM MgCl2 pH=8.0中で、95度で3分間加熱し、95度から室温まで30分かけてゆっくり冷却した。その後、終濃度1mg/mlフィブリノーゲン溶液(和光純薬工業)および、濃度54nMトロンビン(和光純薬工業)とトロンビン−ATPアプタマーと終濃度0.01〜5mMアデノシン、またはシチジン(和光純薬工業)を混ぜた溶液を37度で5分間インキュベートした。その後フィブリノーゲン溶液にトロンビン溶液を混ぜ、溶液が固まる時間を自動血液凝固測定装置(KC4A micro,AMELUNG)により測定した。なおバッファーの終濃度は50mM Tris−HCl,5mM KCl,75mM NaCl 5mM MgCl2 pH=8.0である。
結果を図9に示す。トロンビン−ATPアプタマーにシチジンを加えても凝固時間は変わらないのに対し、アデノシンを加えると終濃度1mMまではアデノシンの濃度に依存して、凝固時間が上昇し、それ以上では飽和していた。すなわち、終濃度1μMのトロンビン−ATPアプタマーを用いて、トロンビンの酵素活性を測定することにより、50μM以上のアデノシンを検出できることが示された。
[実施例4]
トロンビンアプタマーの5’端、3’端それぞれに18merのサルモネラが有するinvA遺伝子の一部と相補的塩基配列を持つトロンビン−invA−3’5’−アプタマーを合成した。プローブ配列は両端に付加した配列のTm値が同じになるように設計した(Tm値は58度)。トロンビン−invA−3’5’−アプタマー、36merの標的塩基配列を有するDNA(invADNA)、対照として用いた36merDNA(コントロールDNA)の配列以下に示す。
トロンビンは50mM Tris−HCl、100mM NaCl、pH8.0に調製したバッファーに溶解し適度の濃度に希釈して活性の測定に用いた。トロンビンの基質として終濃度200μMのN−ベンゾイル−Phe−Val−Arg−p−ニトロアニリドを用い、遊離したp−ニトロアニリンの吸光度(410nm)を測定することによってトロンビンの活性を測定した。終濃度1μMのトロンビン−invA−3’5’−アプタマーに0.1〜1μMの36merのinvA配列を有するDNAを加え95度で3分インキュベートした後に30分かけて室温まで冷却し、invADNA存在下でのアプタマーによるトロンビンの阻害能を測定した。またコントロールとして36merのコントロールDNAをinvADNAの代わりに加え、同様にしてトロンビンの活性を測定した。また終濃度1μMのトロンビン−invA−3’5’−アプタマー、終濃度1μMのinvADNAに0.1、1μMのinvADNAの相補鎖を加え、同様に熱処理して、トロンビンの酵素活性を測定した。
結果を図10に示す。0.1μM以上の濃度のinvA配列を加えることによりトロンビン−invA−3’5’−アプタマーによるトロンビンの酵素活性の阻害が軽減された。またinvA配列の相補鎖を加えることによりトロンビンの酵素活性の阻害軽減効果が低下した。これらの結果より、プローブ配列にinvA配列がアニーリングすることによりトロンビン−invA−3’5’−アプタマーによるトロンビンの酵素活性の阻害が軽減されることが示唆された。
トロンビン−invA−3’5’−アプタマーに対して1,0.5,0.1倍量の36mer invADNAを混ぜ上記と同様に熱処理後、11%ポリアクリルアミドゲルを用いて電気泳動して、どのような複合体を形成しているかを確認した。電気泳動の結果、トロンビン−invA−3’5’−アプタマーに36mer invADNAを加えることによりトロンビン−invA−3’5’−アプタマーのバンドが薄くなり、かつ複数のバンドが確認された。この結果より、トロンビン−invA−3’5’−アプタマーが36mer invADNAとハイブリダイセーションし、いくつかの複合体を形成していることが示唆された。
産業上の利用性
本発明のアプタマー・プローブ複合体を用いることにより、特定のタンパク質の特性を指標として、核酸、タンパク質、小分子等の標的分子を高感度かつ簡便に検出することができる。
Claims (19)
- 標的分子の存在を検出するためのアプタマー・プローブ複合体であって、前記複合体は、指示タンパク質と結合してそのタンパク質の特性を変化させることができるアプタマー部分と、前記標的分子と結合することができるプローブ部分とを含み、プローブ部分が前記標的分子と結合したときにアプタマー部分と前記指示タンパク質との結合様式が変化するように構成されていることを特徴とする複合体。
- 標的分子が核酸であり、アプタマー・プローブ複合体のプローブ部分が前記核酸とハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチドである、請求項1記載の複合体。
- 標的分子がタンパク質または小分子であり、アプタマー・プローブ複合体のプローブ部分が前記タンパク質または小分子と結合しうるアプタマーである、請求項1記載の複合体。
- 指示タンパク質が酵素である、請求項3記載の複合体。
- 酵素がトロンビンである、請求項4記載の複合体。
- プローブ部分が標的分子に結合することにより、アプタマー部分と指示タンパク質との結合が強まる、請求項1記載の複合体。
- プローブ部分が標的分子に結合することにより、アプタマー部分と指示タンパク質との結合が弱まる、請求項1記載の複合体。
- 標的分子が、サルモネラ菌またはSARSウイルスの遺伝子またはその一部である、請求項1記載の複合体。
- 請求項1−8のいずれかに記載のアプタマー・プローブ複合体を含む、標的分子の存在を検出するためのキット。
- 試料中の標的分子の存在を検出する方法であって、
指示タンパク質と結合してそのタンパク質の特性を変化させることができるアプタマー部分と、前記標的分子と結合することができるプローブ部分とを含むアプタマー・プローブ複合体を用意し、ここで、前記複合体は、プローブ部分が前記標的分子と結合したときにアプタマー部分と前記指示タンパク質との結合様式が変化するように構成されており;
前記試料と前記複合体とを接触させ、
指示タンパク質の特性の変化を測定し、これを指標として試料中の標的分子の存在を検出する、
ことを含む方法。 - 標的分子が核酸であり、アプタマー・プローブ複合体のプローブ部分が前記核酸とハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチドである、請求項10記載の方法。
- 標的分子がタンパク質または小分子であり、アプタマー・プローブ複合体のプローブ部分が前記タンパク質または小分子と結合しうるアプタマーである、請求項10記載の方法。
- 指示タンパク質が酵素である、請求項10記載の方法。
- 指示タンパク質の酵素活性の変化を分光学的手法により測定する、請求項13記載の方法。
- 指示タンパク質の酵素活性の変化を電気化学的手法により測定する、請求項13記載の方法。
- 酵素がトロンビンである、請求項13記載の方法。
- アプタマー・プローブ複合体が、プローブ部分が標的分子に結合することによりアプタマー部分と指示タンパク質との結合が強まる、請求項10記載の方法。
- アプタマー・プローブ複合体が、プローブ部分が標的分子に結合することによりアプタマー部分と指示タンパク質との結合が弱まる、請求項10記載の方法。
- 標的分子が、サルモネラ菌またはSARSウイルスの遺伝子またはその一部である、請求項10記載の方法。
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