JP2011193873A - 核酸リガンドのスクリーニング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】、核酸リガンド候補混合物からの核酸リガンドのスクリーニング方法を提供する。
【解決手段】(a)核酸リガンドの候補混合物を準備する工程と、(b)標的物質の非存在下、核酸リガンドに含まれる保存配列領域の少なくとも1つと相補的に結合する相補配列領域を表面に配置した担体と前記候補混合物とを接触させることにより、分子間二本鎖が形成されない核酸リガンドを分離除去する工程と、(c)標的物質の存在下、工程(b)で得られた分子間二本鎖が形成されて残った核酸リガンドと前記標的物質とを接触させ、前記分子間二本鎖を解離させ、前記標的物質との結合で形成された特定二次構造を有する核酸リガンドを分離回収する工程とを含み、前記工程(b)または工程(c)をそれぞれ少なくとも一回含む核酸リガンドのスクリーニング方法。
【選択図】 図2

Description

本発明は、核酸リガンドのスクリーニング方法に関し、特に標的物質に親和性を有し、且つ標的物質との結合により特定の二次構造を形成する核酸リガンドをスクリーニングする方法に関する。
アプタマーとは標的物質に特異的に結合する核酸リガンドである。1990年に、Goldらによって初めてその基本概念が提示され、SELEX法と呼ばれる手法を用いて標的物質との結合能を指標にアプタマーを選択し取得する方法が知られている。なお、SELEX法は指数関数的富化によるリガンドの系統的進化(the Systematic Evolution of Ligands by Exponential enrichment)の頭字語である。
現在までにアプタマーの標的物質として、多岐にわたる分子が開示されており、例えば、各種タンパク質、酵素、ペプチド、抗体、レセプター、ホルモン、アミノ酸、抗生物質、その他の種々の化合物等が報告されている。
また、多数の特定の目的を達成するために、標的物質との親和性及び選択性を改良するため標的物質との結合性を指標とするSELEX法の改良がしばしば行われている。一方、標的物質との結合による構造変化を指標とした手法として、SELEXをゲル電気泳動と併用し、特定の構造特性をもつ核酸分子、たとえば折れ曲がりDNAを選択することが開示されている(特許文献1)。また、標的物質結合による構造変化を利用したセンサに用いるアプタマー取得を目指し、構造スイッチングシグナリングアプタマーのin vitroセレクション法が知られている。
標的物質との結合により構造変化する核酸リガンドを用いたセンサとして、例えば、蛍光レポーターを用いる方法が特に有用であることがわかっている。該蛍光レポーターを用いる方法には、種々のものが開発されている。例えばモノクロモフォア型アプローチ、アプタマービーコン(ビクロモフォア型アプローチ)、antitode(二本鎖複合体構造スイッチアプローチ、QDNA)、In situ標識型アプローチ、キメラアプタマーアプローチや色素染色アプローチなどが報告されている。核酸リガンドの標的物質結合による構造変化はセンサのSNRまたは検出限界に影響する重要な機能であり、構造変化のより精緻な制御や構造変化アプタマーの簡便、体系的かつロバストな取得技術の開発が切に望まれている。
米国特許出願第07/960,093号
一般的に、核酸リガンドを取得する方法はSELEX法に代表されるように標的物質に対する結合能を指標にして、より標的物質に対して高親和性を有する核酸リガンドを核酸の候補混合物から選択するものである。
前記特許文献1に記載の方法は、標的物質との結合による構造変化に起因する物理特性変化による選択である。この方法では核酸リガンド−標的物質複合体分子全体として構造変化している核酸リガンドを効率的に取得可能であるものの、標的物質との結合により核酸配列のどこの部分が構造変化したのか、及び/またはどこの部分で二次構造が形成されたかを特定することはできない。標的物質との結合で、ある予め設計した特定の核酸配列における二本鎖形成を構造変化の指標にしているものではない。
また、構造スイッチングシグナリングアプタマーのin vitroセレクション法で、標的物質との結合能及び標的物質との結合による構造変化能を指標に構造変化アプタマーを選択し、二本鎖複合体構造スイッチアプローチ(ビクロモフォア型)のセンサが開発された。この方法では核酸の候補混合物の保存配列領域として予め複数部位を設計しているが、該各々の保存配列領域は相補的配列ではなく、且つ該保存配列領域内で分子内二本鎖を形成する機能はない。なお、前記保存配列領域は、プライマー結合領域(PBDs (Primer Binding Domains)及び固定配列部位(central-fixed
sequence motif)を複数含んでなる。
また、このアプタマーセンサは二本鎖複合体構造スイッチアプローチであり、共通配列の使用によりロバストかつ体系的な方法に比べて標的物質への親和性が確保された構造変化能を有する標識アプタマー分子の取得方法である。具体的には、保存されたプライマー結合領域の内の1つと固定配列部位との各々に相補的な2種類の標識オリゴDNA(FDNA、QDNA)が二本鎖を形成する。標的物質との結合に起因する構造変化により、FDNAとQDNAの距離が変化し、またはFDNAが解離することで変化し、標的物質を検出する。しかし、この方法は標的物質との結合によるその後の構造変化(二本鎖形成)を制御するものではなく、また標的物質によっては該構造変化の変量は一定ではないことや標的物質結合によるFDNAの解離を制御することは困難であることが予想される。よって、FDNAとQDNAの距離制御が精緻に行われない可能性がある。
一方、モレキュラービーコンアプタマーなど核酸リガンドの構造変化を利用したセンサに用いる核酸リガンド配列を取得する方法は、SELEX法の後に、その配列を再設計することによって構造変化能を付与するといった方法が一般的である。例えば、標的結合による構造変化(二本鎖形成)能を有するモレキュラービーコンアプタマーが報告されている。このような方法は、核酸リガンドを取得後にその配列を再設計するので構造変化能を付与した後に標的物質に対する親和性能を確保できない可能性、または各配列に依存した再設計の必要性などが出てくる懸念がある。よって、取得した核酸リガンドごとに最適な設計を繰り返す必要がありロバストな手法とは言えないのが現状である。
また、SELEX法により取得した核酸リガンドの配列に対して、antidoteとして相補配列を添加することで、構造変化を制御し、センシングする方法もある。しかし、標的物質への親和性能が変化する恐れがあり、やはり核酸リガンドごとの最適な設計(配列、配列長、ミスマッチ導入、配列位置など)を要する。
つまり、標的物質への結合能と、標的物質との結合で核酸リガンドの候補混合物の保存配列領域として予め設計された複数の相補配列で分子内二次構造を形成する構造変化能との両者を指標にした、前記候補混合物からの核酸リガンドのスクリーニング方法は無かった。
本発明者らは、前記した従来技術の課題を解決すべく鋭意検討の結果、標的物質への結合能と構造変化能との両者を指標にした核酸リガンドのスクリーニング方法を見出した。本発明の核酸リガンドのスクリーニング方法は、核酸リガンドの候補混合物から標的物質と結合することにより特定二次構造を形成する核酸リガンドをスクリーニングする方法であり、(a)標的物質と結合するためのランダム配列領域と、特定二次構造を形成するための保存配列領域とを含む各々の核酸リガンドの候補混合物を準備する工程と、(b)前記標的物質の非存在下、前記核酸リガンドに含まれる保存配列領域の少なくとも1つと相補的に結合する相補配列領域を表面に配置した担体と前記候補混合物とを接触させることにより、前記担体表面の相補配列領域との間で分子間二本鎖が形成されることを利用して、前記分子間二本鎖が形成されない核酸リガンドを分離除去する工程と、(c)前記標的物質の存在下、前記工程(b)で得られた、前記分子間二本鎖が形成されて残った核酸リガンドと前記標的物質とを接触させることにより、前記分子間二本鎖を解離させ、前記標的物質との結合で形成された特定二次構造を有する核酸リガンドを分離回収する工程とを含み、前記工程(b)または工程(c)をそれぞれ少なくとも一回含む。
また、別の実施形態における本発明の核酸リガンドのスクリーニング方法としては、核酸リガンドの候補混合物から標的物質と結合することにより特定二次構造を形成する核酸リガンドをスクリーニングする方法であり、(a’)標的物質と結合するためのランダム配列領域と、特定二次構造を形成するための保存配列領域とを含む各々の核酸リガンドの候補混合物を準備する工程と、(b’)前記標的物質の存在下、前記核酸リガンドに含まれる保存配列領域の少なくとも1つと相補的に結合する相補配列領域を表面に配置した担体と前記候補混合物とを接触させることにより、前記担体表面の相補配列領域との間での分子間二本鎖が形成されることを利用して、前記分子間二本鎖が形成されない核酸リガンドを分離回収する工程と、(c’)工程(b’)で分離回収した前記核酸リガンドから前記標的物質を除去する工程と、(d’)前記標的物質の非存在下、工程(c’)で得られた前記標的物質が除去された核酸リガンドを前記担体と接触させることにより、前記担体の表面の相補配列領域との間での分子間二本鎖が形成されることを利用して、前記分子間二本鎖が形成される核酸リガンドを分離回収する工程とを含む。
本発明によれば、標的物質に対して親和性を有し、且つ当該標的物質との結合で予め保存配列領域に設計した複数の互いに相補的配列が特定分子内二本鎖を形成する核酸リガンドを効率的且つ体系的にスクリーニングする新規な方法を提供することができる。分子内二本鎖を形成する保存配列領域は、他の標的物質に対してのスクリーニングをする場合でも同様に使用可能であり、種々のセンサ素子を体系的に簡便に作製することができる。
また、本発明のスクリーニング方法により取得した核酸リガンドは、種々のバイオセンサや分子スイッチ、診断薬など標的物質との結合反応による核酸リガンドの構造変化を利用する種々の分野への適用に寄与することができる。特に、蛍光などのレポーター分子を該分子内二本鎖形成領域に導入設計した標識アプタマーとして有効であり、例えばビクロモフォア型アプタマーセンサにおいて標的物質結合後の二種標識分子の距離を精緻に制御することができる。更に、該標識アプタマーは、標的物質との結合により分子内二本鎖を形成することで標的物質−複合体としてより安定化することを含む。
核酸リガンドの候補混合物として準備される核酸配列領域に関する模式図である。 本発明のスクリーニング方法における分離工程に関する模式図である。 核酸配列の予測される二次構造の結果である。 分離工程後の核酸増幅物の存在比を示す結果である。 実施例21で取得した核酸リガンド候補混合物について、SPR装置を用いて行った結合能評価の結果である。
以下に、本発明における実施の形態を図、表、式、実施例等を使用して説明する。なお、これらの図、表、式、実施例等及び説明は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。本発明の趣旨に合致する限り他の実施の形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。
(第一実施形態)
本発明における第一実施形態の核酸リガンドのスクリーニング方法は、下記工程(a)乃至工程(c)を含む、核酸リガンドの候補混合物から標的物質と結合することにより特定二次構造を形成する核酸リガンドをスクリーニングする方法である。
つまり、(a)標的物質と結合するためのランダム配列領域と、特定二次構造を形成するための保存配列領域とを含む各々の核酸リガンドの候補混合物を準備する工程と、(b)前記標的物質の非存在下、前記核酸リガンドに含まれる保存配列領域の少なくとも1つと相補的に結合する相補配列領域を表面に配置した担体と前記候補混合物とを接触させることにより、前記担体表面の相補配列領域との間で分子間二本鎖が形成されることを利用して、前記分子間二本鎖が形成されない核酸リガンドを分離除去する工程と、(c)前記標的物質の存在下、前記工程(b)で得られた、前記分子間二本鎖が形成されて残った核酸リガンドと前記標的物質とを接触させることにより、前記分子間二本鎖を解離させ、前記標的物質との結合で形成された特定二次構造を有する核酸リガンドを分離回収する工程とをそれぞれ少なくとも一回含む。
また、前記工程(c)が、前記工程(b)で得られた、前記分子間二本鎖が形成されて残った核酸リガンドを一度回収し、前記標的物質と混ぜた後に、前記担体と接触させることにより前記分子間二本鎖が形成されないことを利用して、前記標的物質との結合で形成された特定二次構造を有する核酸リガンドを分離回収する工程であることもできる。
また、本発明の核酸リガンドのスクリーニング方法における工程(b)及び工程(c)を含む分離操作を複数回とすることができ、その回数は限定されない。例えば、スクリーニングが可能となる、非目的の核酸リガンド群の分子数に対する目的の核酸リガンド群の分子数比が確保でき、あるいは目的の核酸リガンドを同定できる分子数比が確保できれば回数は限定されない。
さらに、前記工程(c)の後に、回収した特定二次構造を形成した核酸リガンドから前記標的物質を除去する工程(d)を含むこともできる。
図面の符号を説明する。1はPCRプライマー配列(フォワード)、2はステム形成領域(4と相補的な配列)、3はランダム配列領域、4はステム形成領域(2と相補的な配列)、5はPCRプライマー配列(リバース)、6は担体、7はストレプトアビジン、8はビオチン、9は前記ステム形成領域に対する相補配列領域、10は標的物質である。
図1及び図2のように、本実施形態に係る核酸リガンドは、標的物質10と結合するためのランダム配列領域(図1の第3配列領域)と、特定二次構造を形成するための保存配列領域(図1の第2及び第4配列領域)を含む。なお、本発明に係る特定二次構造は、核酸リガンドが所定の標的物質と結合した場合にのみできる。
また、担体6の表面には、前記保存配列領域の少なくとも1つと相補的に結合する相補配列領域9が配置されている。前記担体と、予め保存した複数の互いに相補的な配列領域(保存配列領域)を有する本発明の目的核酸リガンドを含む核酸リガンドの候補混合物とを接触させる。当該候補混合物中の保存配列領域の中での分子内相補二本鎖形成能と担体上の相補鎖配列(相補配列領域)との分子間相補二本鎖形成能との違いを利用して目的の機能を有する核酸リガンドをスクリーニングする。
分子内相補二本鎖形成能は分子間相補二本鎖形成能より高いため、標的物質の非存在下で前記担体と当該候補混合物を接触させると、保存配列領域の中の分子内相補二本鎖を形成し易い(平衡が偏っている)。つまり非目的核酸リガンドである保存配列領域内に分子内二本鎖構造を有する核酸リガンドを、担体表面に配置した相補鎖配列と分子間で二本鎖を形成するのに比べて分子内二本鎖を形成する確率が高いことを利用して分離除去することができる。
担体の表面に配置した相補鎖配列と分子間で二本鎖を形成する核酸は本発明における目的核酸リガンドとなり、標的物質の存在下で、前記目的核酸リガンドが前記標的物質と接触し、互いに結合することで担体の表面から分離される。よって、標的物質と結合した前記目的核酸リガンドをスクリーニングすることができる。また、特定二次構造を形成しうる核酸リガンドのみが前記標的物質と結合するため、担体表面にある相補配列領域と分子間二本鎖結合を形成した前記目的核酸リガンドのみが担体から分離される。
なお、ここでいう「標的物質の存在下」とは、標的物質が遊離状態もしくは、前記担体に結合している状態で存在することを意味する。一方、「標的物質の非存在下」とは、標的物質が遊離状態でも前記担体に結合している状態でも存在しないことを意味する。
(第二の形態)
また、その逆として最初から標的物質の存在下で同様のことを行うことにより、目的の核酸リガンドと標的物質との結合による保存配列領域内での分子内二本鎖構造を形成する核酸リガンドを分離し濃縮回収することが可能となる。よって、本発明における第二実施形態の核酸リガンドのスクリーニング方法は、下記工程(a’)乃至工程(d’)を含む核酸リガンドの候補混合物から標的物質と結合することにより特定二次構造を形成する核酸リガンドをスクリーニングする方法である。
つまり、(a’)標的物質と結合するためのランダム配列領域と、特定二次構造を形成するための保存配列領域とを含む各々の核酸リガンドの候補混合物を準備する工程と、(b’)前記標的物質の存在下、前記核酸リガンドに含まれる保存配列領域の少なくとも1つと相補的に結合する相補配列領域を表面に配置した担体と前記候補混合物とを接触させることにより、前記担体表面の相補配列領域との間での分子間二本鎖が形成されることを利用して、前記分子間二本鎖が形成されない核酸リガンドを分離回収する工程と、(c’)工程(b’)で分離回収した前記核酸リガンドから前記標的物質を除去する工程と、(d’)前記標的物質の非存在下、工程(c’)で得られた前記標的物質が除去された核酸リガンドを前記担体と接触させることにより、前記担体の表面の相補配列領域との間での分子間二本鎖が形成されることを利用して、前記分子間二本鎖が形成される核酸リガンドを分離回収する工程とを含む。
本発明における第3実施形態は従来のSELEX法との組合せによるスクリーニングである。具体的には、前記工程(b)もしくは(b’)の前に、前記標的物質と高い親和性を有する核酸リガンドが核酸−標的物質複合体を形成するように、前記候補混合物と前記標的物質とを接触させる工程と、前記複合体を形成していない核酸リガンドを除去する工程と、前記複合体から親和性の高い核酸リガンドのみを分離回収する工程と、高い親和性を有する核酸リガンドを増幅して、濃縮した核酸リガンドの候補混合物を産生する工程とを更に含む実施形態である。
さらに、前記工程(d)もしくは(d’)の後に、前記標的物質と高い親和性を有する核酸リガンドが核酸−標的物質複合体を形成するように、工程(d)もしくは(d’)で得られた、前記標的物質が除去された特定二次構造を形成する核酸リガンドと前記標的物質とを接触させる工程と、前記複合体を形成していない核酸リガンドを除去する工程と、前記複合体から親和性の高い核酸リガンドのみを分離回収する工程と、高い親和性を有する核酸リガンドを増幅して、濃縮する工程とを更に含む実施形態である。
本発明における第4実施形態は、前記第1実施形態、前記第2実施形態、及び前記第3実施形態のスクリーニング方法により得られる特定二次構造を形成する核酸リガンドの配列を同定する方法である。後述の実施例で具体的に説明する。
本発明における第5実施形態は、前記各実施形態に使用するための、核酸リガンドの候補混合物から標的物質と結合することにより特定二次構造を形成する核酸リガンドをスクリーニングするためのキットである。具体的には、特定二次構造を形成する保存配列部位とランダム配列領域を含む核酸リガンドの候補混合物と、前記保存配列領域の少なくとも1つと相補的に結合する相補配列領域を表面に配置した担体を含むキットである。
以下は本発明に用いられる担体等に関する説明であり、特に説明がない限り、全ての実施形態に適用される。
(担体/固定化)
本実施形態に係る担体の材質として、DNAマイクロアレイや核酸精製などに用いる担体が利用でき、例えばプラスチック、無機高分子、金属、金属酸化物、天然高分子及びこれらを含む複合材料が挙げられる。プラスチックとして具体的には、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリアミド、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、ポリイミド及びアクリル樹脂等が挙げられる。また、無機高分子として具体的には、ガラス、水晶、カーボン、シリカゲル及びグラファイト等が挙げられる。また、金属、金属酸化物として具体的には、金、白金、銀、銅、鉄、アルミニウム、磁石、フェライト、アルミナ、シリカ、パラマグネット及びアパタイト等が挙げられる。天然高分子としては、ポリアミノ酸、セルロース、キチン、キトサン、アルギン酸及びそれら誘導体が挙げられる。
本実施形態に係る担体の形状も特に限定するものではない。担体材料の表面は、核酸を固定するための官能基が導入されていることが好ましいが、未導入でも構わない。その場合は、直接物理吸着で固定しても良い。種々の担体表面に対して、従来既知の核酸(DNA等)固定化方法が本発明においても使用可能である。低分子量の核酸(オリゴマー)を固定する場合、物理吸着のような核酸の疎水性や主鎖のリン酸に由来する負電荷を利用した静電吸着などランダムな固定だと一分子あたりの担体に対する結合力が低下し固定量が確保できない可能性があるため、化学結合が好ましい。特に好ましくは、該核酸を末端で固定することである。
例えば、金への直接核酸固定の場合は、末端チオール化核酸が利用可能であり、担体表面にカルボン酸基が導入されている場合は、末端アミノ化核酸と脱水縮合により固定可能である。更に、担体表面にストレプトアビジンやアビジンが導入されている場合は、末端ビオチン化核酸を用いることができる。担体へ固定する核酸(保存配列)と該核酸候補混合物との反応をより促進するため、担体と前記保存配列との間にリンカーを設けても良い。リンカーを設けることにより、担体固相反応における分子の立体障害を抑えることができる。また、リンカー長、種は反応効率に従って、適宜選択が可能である。
更に、反応を促進するため、担体を微粒子化することができる。微粒子化により表面積を大きくすることができ、反応ボリュームの低減、高濃度での反応、撹拌による擬似液相反応などにより促進効果が期待できる。また、分離工程の簡素化を目的とした微粒子の使用が可能であり、微粒子の遠心分離、カラムへの充填による精製分離、磁石による分離回収などが挙げられる。担体に結合した核酸と遊離の核酸を分離する技術は従来既知の技術を使うことができる。また、遊離の標的物質から核酸が結合した担体を分離精製する手段も同様に従来既知の技術を使うことができる。
(核酸リガンド、核酸リガンドの候補混合物、核酸)
本実施形態に係る「核酸リガンド」は、所望される作用を有する、非天然に存在する核酸である。核酸リガンドはしばしば「アプタマー」と呼ばれるが、「アプタマー」という用語は特に説明が無い限り本発明において「核酸リガンド」と同義として使用される。所望される作用には限定をしないが、標的物質に結合すること、標的物質を触媒的に変化させること、標的物質の作用を抑制すること、標的物質と他の分子との反応を促進することなどが含まれる。好ましい態様では、この作用は標的物質に対する特異的な親和性により発現し、そのような標的物質は、ワトソン/クリック塩基対合や三重らせん結合に主に依存する機序を介して核酸リガンドに結合する核酸以外の化合物である。つまり、本発明において、核酸−核酸のハイブリダイゼーションのようなものを含むものではない。
本実施形態に係る「核酸リガンドの候補混合物」(以下「核酸の候補混合物」と称する場合がある。)は、所望のアプタマーが選択される、様々な配列をもった核酸の混合物である。当該核酸リガンドの候補混合物は、天然に存在する核酸又はその断片、化学合成した核酸、酵素的に合成した核酸、又は前記技術の組み合わせにより作られる核酸に由来し得る。本実施形態に係る核酸リガンドの候補混合物は前記所望の作用を発現する様々な配列(ランダム配列)領域の他に、ランダム配列領域の周辺に複数の保存配列領域を有する。
保存配列領域は、少なくとも二つの領域を持ち、各々の領域は互いに相補的な配列であり、核酸の分子内二本鎖を形成することが必要条件となる。三以上の領域の場合は、限定しないが組み合わせとして少なくとも一つの互いに相補的な配列領域の組を有していれば良い。本実施形態に係る「特定二次構造」とは、少なくとも保存配列領域内の互いの相補的な配列間で形成する分子内二本鎖を表すものであり、周辺に配置される様々な配列を含めて分子内二本鎖を形成しているもの等も含む。また、二本鎖に由来する三次構造は特に限定しない。前記ランダム配列領域が決まった配列やヌクレオチドは、前記保存配列で分断されていても良い。
核酸リガンドの候補混合物のライブラリー数と実際のスクリーニング系の容量、濃度などよりランダム配列領域の塩基数を決定することができる。例えば、前記保存配列領域はランダム配列領域を挟み込むように両側に設計されることが好ましい。このような設計により、分子内の保存配列領域が一次元的に遠い位置関係を確保し、スクリーニングにより取得したアプタマーが標的物質との作用による構造変化を介して、保存配列領域が分子内二本鎖を形成し最も近づくことを期待することができる。
保存配列領域の長さ(保存配列領域長)は特に限定されないが、標的物質が存在しない状態において保存配列領域内で優先的に分子内二本鎖を形成しない長さであれば良い。例えば本発明の核酸リガンドのスクリーニング方法における工程(a)を行い、インプットとして処理した核酸リガンドの候補混合物の総量に対して、工程(a)の後に回収できる核酸リガンドの候補混合物の量を評価しスクリーニングをする上で適当な回収率である保存配列領域長を適宜決定することが好ましい。特に好ましくは、完全に相補的な配列の場合で、室温、生理条件下において保存配列長は5mer以上10mer以下である。
保存配列領域長は、スクリーニングの温度、塩濃度、pHや配列のTm値などにより適宜変更可能である。例えば、核酸の二次構造予測ソフト(例えばmfold)などにより、ある特定核酸リガンドについて設定した保存領域において二次構造を形成し易いかどうかある程度予測可能である。また、保存配列は完全相補鎖でなくても良い。例えば、G−G,G−T,G−A,A−A,A−C,C−C,C−T,T−Tのようなミスマッチ塩基対を含んでいても良い。その場合の保存配列長は限定するものではない。
保存配列領域長は、本発明で取得した核酸リガンドが標的物質と作用している状態での実際の二本鎖を形成している塩基数を表すものではない。実際の標的物質結合時のアプタマーにおいて保存配列領域における二本鎖を形成している塩基数や部位はNMRなどの構造解析により解析可能である。必要であれば、本発明により取得した一以上の核酸リガンドを同定し、標的物質結合時のアプタマーの構造解析を行い、標的物質との結合領域と設定した保存配列領域を含む周辺領域での実際の二本鎖形成部位を決定し、最終的な核酸リガンドを得ても良い。保存配列領域が標的物質との結合に代表される所望の作用に関与しても構わないが、好ましくは様々な配列としてデザインされた配列領域であることが、種々の標的物質に対する体系的スクリーニングを行う上で好ましい。
また、本実施形態に係る「核酸」は、一本鎖又は二本鎖のDNA、RNAのいずれか、及びその化学修飾物を意味する。修飾には限定しないが、キャッピングのような3’及び5’修飾も含まれる。例えば、リン酸化、アミノ化、ビオチン化、チオール化や蛍光標識などである。本発明の核酸リガンドのスクリーニング方法で得られたアプタマーの利用方法に適した修飾を予めしていても良い。また、配列途中への修飾も可能である。特に、追加の電荷、分極率、水素結合、静電相互作用、及び流動性を核酸リガンドの塩基又は核酸リガンド全体に取込む他の化学基を提供するものが含まれる。これら修飾により、標的物質との親和性能のバリエーションや結合力を拡大させることができる。
そのような修飾には、限定しないが、2’位の糖修飾、5位のピリミジン修飾、8位のプリン修飾、環外アミンにおける修飾、4−チオウリジンの置換、5−ブロモ又は5−ヨード−ウラシルの置換もしくは骨格修飾、メチル化、イソ塩基のイソシチジン及びイソグアニジンのような、稀な塩基対合の組み合わせ、等が含まれる。本発明において増幅工程を行う場合は、増幅可能である修飾方法を選ぶことができる。
(反応条件)
本発明の核酸リガンドのスクリーニング方法における各工程の条件は実際にアプタマーを使用する条件(例えば温度、pH、塩濃度、添加剤等の溶液条件など)と同じに設定することが好ましい。特に好ましくは、各分離工程と遊離の標的物質との接触工程は同条件(温度、pH、塩濃度の溶液条件)で行うことを含む。担体への非特異吸着防止剤の添加などに関しては実使用時と異なっていても良い。
(標的物質)
本実施形態に係る標的物質は、所望される、関心対象の化合物又は分子を意味する。標的物質として、タンパク質に代表される生体高分子から代謝産物のような低分子化合物まで広くあり得る。具体的には、タンパク質、ペプチド、炭水化物、糖類、糖タンパク質、ホルモン、抗体、代謝産物、遷移状態類似体、補因子、阻害剤、薬物、栄養素等であり、特に制限がない。つまり、核酸リガンドと結合できる、相互作用を生成させることができるものである限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができる。
(SELEX法との組み合わせ)
本発明の核酸リガンドのスクリーニング方法には、以下の工程を更に含んでなる方法により、核酸リガンドの候補混合物から標的物質に対してより親和性を有する核酸配列を取得することができる。具体的には、例えば、前記工程(b)もしくは(b’)の前に、下記(i)乃至(iv)の工程がさらに含まれる。工程(i)は、前記標的物質と高い親和性を有する核酸リガンドが核酸−標的物質複合体を形成するように、前記候補混合物と前記標的物質とを接触させる工程である。工程(ii)は、前記複合体を形成していない核酸リガンドを除去する工程である。工程(iii)は、前記複合体から親和性の高い核酸リガンドのみを分離回収する工程である。工程(iv)は、高い親和性を有する核酸リガンドを増幅して、濃縮した核酸リガンドの候補混合物を産生する工程である。
上記する工程はいわゆるSELEX法であり、従来既知のSELEX法またはその改良方法と本発明における方法は組み合わせることが可能である。組み合わせ方、組み合わせる工程の順番として、特に制限はないが、好ましい一つの形態として、まず、SELEX法を行い親和性の高められた核酸リガンドの候補混合物を取得し、その後に、標的物質非存在下において保存配列領域で分子内二本鎖を有する非目的の核酸リガンドを分離除去する。続いて、遊離の標的物質存在下において保存配列領域内で分子内二本鎖を形成する目的の核酸を分離回収する。
また、本発明の核酸リガンドのスクリーニング方法における前記工程(d)もしくは(d’)の後に、下記(I)乃至(IV)の工程がさらに含まれることができる。工程(I)は、前記標的物質と高い親和性を有する核酸リガンドが核酸−標的物質複合体を形成するように、工程(d)もしくは(d’)で得られた、前記標的物質が除去された特定二次構造を形成する核酸リガンドと前記標的物質とを接触させる工程である。工程(II)は、前記複合体を形成していない核酸リガンドを除去する工程である。工程(III)は、前記複合体から親和性の高い核酸リガンドのみを分離回収する工程である。工程(IV)は、高い親和性を有する核酸リガンドを増幅して、濃縮する工程である。
できる限り工程を減らすような方法が回収ロスなどを抑えたり、バイアスを減らしたりする意味で、このような組み合わせはスクリーニング手段としては好まれる。該分離工程はSELEX法の回数と同じ回数行っても良いが、特に限定しない。例えば、SELEX法の最終ラウンドで得た核酸候補混合物に対して、二本鎖形成能の違いによる分離工程を一回行うことにより目的の核酸配列を取得することができる。また、各二本鎖形成能の違いによる分離工程の回数も目的に合わせて回数を決定することができる。各々の分離工程回数が異なっていても良い。
SELEX法と組み合わせる場合、二本鎖形成能に由来する分離工程とSELEX法の核酸−標的物質複合体を形成させる工程の反応条件(温度、pH、塩濃度)は同一であることが好ましい。担体への標的物質あるいは核酸候補混合物の非特異吸着抑制などの添加剤は、担体の種類や表面官能基、標的物質の種類などに依存するため、適宜変更可能である。SELEX法による標的物質に対して高い親和性を有する核酸配列を取得する原理は、本発明においても利用可能であり、特に制限はない。
一般的に、SELEX法では、工程(i)の候補混合物に比べて標的物質により親和性の高い核酸配列が核酸−標的物質複合体を形成するように、前記候補混合物と標的物質とを接触させる工程を、固定支持体に標的物質を固定し、核酸候補混合物と反応させる。反応後に洗浄し、複合体を形成した核酸候補混合物を回収するというプロセスである。このプロセスにおける反応と洗浄時のストリンジェンシーを変えることでより親和性の高い核酸配列を得ることが可能である。ストリンジェンシーとは、反応または洗浄時の温度や緩衝液のpH、塩濃度、添加剤などが含まれ、目的に応じて変更が可能である。
前記固定支持体とは、共有または非共有結合を通じ、標的物質を結合することが可能である、いかなるものでもよい表面と定義される。これには、限定されるわけではないが、膜、プラスチック、常磁性ビーズ、荷電紙、ナイロン、ラングミュア・ブロジェット膜、官能化ガラス、ゲルマニウム、シリコン、PTFE、ポリスチレン、ヒ化ガリウム、金及び銀が含まれる。表面上に配置されるアミノ基、カルボキシル基、チオール基またはヒドロキシル基などの官能基を有することが可能な、当業者に知られるいかなる他の素材も意図される。これには、いかなるトポロジーの表面も含まれ、限定されるわけではないが、球状表面、溝付き表面、及び筒状表面が含まれる。一方、固定支持体を使用せず、遊離の標的物質と接触させて複合体を形成し、複合体に起因する物理特性を利用して、残りの核酸候補混合物から分画することも可能である。例えば、等温電気泳動やクロマトグラフィーなどの手法が使用可能である。
本明細書に記載する増幅工程は、従来既知の方法が利用可能であり、例えばPCR法などにより達成できる。PCR法により増幅した核酸候補混合物は、例えばビオチン化プライマーを用いてPCRすることにより、増幅後の二本鎖の内、核酸リガンド配列の逆鎖(相補鎖)をストレプトアビジンカラムなどにより分離除去することが可能である。増幅工程、その後の分離精製工程は上記記載の方法に限定するものではない。増幅工程を行う場合は、核酸候補混合物の配列として、様々な配列領域(ランダム配列領域)、保存配列領域に加え、更に固定配列である増幅用プライマー配列領域を含む。いわゆるPCR増幅プライマー配列領域は核酸候補混合物の配列の両末端に設計される。
プライマー配列領域は特に限定されないが、好ましくは保存配列領域と二次構造を形成しにくい配列を選択することを含む。これによってPCRの増幅を効率的にすることができる。一つの決定方法として核酸の二次構造予測ソフト(例えばmfoldソフト)が適用可能である。様々な配列領域の部分をいくつかモデル配列とし、保存配列領域と増幅プライマー配列領域を設定し、保存配列領域と増幅プライマー配列領域との間で二次構造が形成されやすいかを評価し、選択することが可能である。また、保存配列領域の一部、または全部を増幅プライマー配列領域の一部として利用しても良い。一つの好ましい様態として、様々な配列(ランダム配列)領域を挟むように保存配列領域を配置し、更にその保存配列領域の両末端に増幅用プライマー配列領域を配置することを含む(図2)。更に好ましくは、増幅用プライマー配列領域の核酸リガンド構造への寄与を低減させるために保存配列領域の一部をプライマー配列領域として用いることが含まれる。各配列領域間にリンカー部分として核酸配列を導入しても良い。
(アプタマーセンサやその他利用)
本発明により取得される核酸リガンドは、たとえば、特定の代謝系に関与する代謝物やタンパク質に特異的に相互作用し得る核酸リガンドを同定することにより、多機能薬品、高精度ドラッグデリバリーを行う物質となることが考えられる。さらに反応中間体をミミックした分子に特異的に相互作用し得るアプタマーを同定することにより、不安定な反応中間体を経由する多段階反応でも効率よく進めることができると考えられる。また核酸リガンドを水晶発振子、表面プラズモン共鳴、電極または表面弾性波素子に付着結合させていわゆるバイオセンサとして適用可能である。特に好ましくは、本発明におけるの標的物質との結合による特定の構造変化を利用したバイオセンサや分子スイッチ、信号伝達分子などが挙げられる。
次に本発明の実施例を詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図2に記載の分子内ステム領域二次構造形成能を指標にして標的物質存在下、または非存在下における分離を実証するために、まず、以下の実験を行った。
標的物質コール酸に対するアプタマー配列をNucleic Acids Research, 2000, vol.28, No.9, 1963-1968に記載のch1−47aptamer(アプタマー)配列(配列1)の両末端に配列を付加し、標準のコール酸アプタマー配列(配列2)とした。上記配列2を標準コール酸アプタマー配列とし、核酸二次構造予測ソフト(mfold)を用い、20℃、Mg2+5mM、Na 300mMの条件のもと構造予測を行った。その結果を図3に示す。標準コール酸アプタマーの安定な二次構造として二構造が予想され、上記既報に開示されるものと同様に両者ともステム領域、第一のステムループ領域、第二のステムループ領域からなる三本鎖構造(3 way junction)構造であった。上記既報を鑑みると、コール酸の結合領域は三本鎖構造部位であることが予想される。
配列1:5’−GATCGAGGGCAGCGATAGCTGGGCTAATAAGGTTAGCCCCATCGGTC−3’
配列2:5’−CAATTGATCGAGGGCAGCGATAGCTGGGCTAATAAGGTTAGCCCCATCGGTCAGATAGTATGTTCATCAG−3’
図3のステム領域はそれぞれ9bp、10bp領域であり、本発明の原理を実証するため、ステム領域の長さを便宜的に短くし、一定温度下でのステム形成能を変化させることで本発明における分離工程による分離をまず行うこととした。実際に、ステム領域(図1の第2と第4領域)の両末端から各々2bp、3bpカットした配列をステムデリーションセットとして設計した(配列3、4)。次に、各配列の二次構造を予測し、図1の第2と第4の領域で形成するステム塩基対長を表1にまとめた。表1からデリーションセット配列と予測ステム領域長との関係が示され、ステム長と安定構造の違いが認められ、これら標準コール酸アプタマー配列とデリーションセット配列を用いて、以下の実験を行った。
配列3:5’− CAATTTCGAGGGCAGCGATAGCTGGGCTAATAAGGTTAGCCCCATCGGAGATAGTATGTTCATCAG−3’
配列4:5’−CAATTCGAGGGCAGCGATAGCTGGGCTAATAAGGTTAGCCCCATCGAGATAGTATGTTCATCAG−3’
(実施例2)
実施例1で設計した配列をシグマジェノシス株式会社にてオリゴ合成し、PCR用プライマー配列(配列5、6)を用いて、PCRの条件を検討した。結果として、酵素はタカラバイオ株式会社のTAKARA LA Taqを用い(反応溶液はプロトコールに準拠)、反応条件は、変性98℃/10秒、アニール55℃/30秒、伸長72℃/15秒を25サイクル行った。最後に72℃/1分という条件で各配列がほぼ同じ量増幅するPCR条件とし、以後用いることとした。
配列5:5’−GAGGGCAGCGATAGC−3’
配列6:5’−GTGCTGATGAACATACTATCT−3’
(実施例3)
ステム領域内での分子内二次構造(二本鎖)形成能を指標として各種配列の存在比が変化することを実証する。そのため、各配列(標準コール酸アプタマー配列、2bp、3bpデリーション配列)のステム領域と相補的な5’ビオチン化オリゴ配列(配列7、8、9)をシグマジェノシス株式会社にてオリゴ合成した。各ビオチン化オリゴDNAを最終濃度50μM、TTK緩衝液(100mMTris−HCl(pH8.0)、0.1%Tween20、1MKCl)に調製した。Bangs Laboratories、Inc.社製のストレプトアビジン固定化ビーズ(1mg)をTTK緩衝液で二回洗浄した。そして、緩衝液を捨て、各種ビオチン化オリゴDNA50μM、25μlをそれぞれ異なるチューブで添加し、室温で撹拌しながら1時間反応させた。
反応後の上清を分光光度計(260nm)にて吸収を測定し、仕込み量のほぼすべてのDNAが固定されていることを確認した。次に磁石によりビーズを回収して上清を捨て、0.15N、NaOH50μlを加えて非特異吸着DNAを除去し、TT緩衝液(250mMTris−HCl(pH8.0)、0.1%Tween20)でビーズを良く洗浄した。次に、TTE緩衝液(250mM
Tris−HCl(pH8.0)、0.1%Tween20、20mMEDTA)でビーズを懸濁し、80℃、10分インキュベートして不安定なストレプトアビジンの除去を行った。最終的に核酸分離用緩衝液(50mMTris−HCl(pH7.6)、300mM NaCl、30mM KCl、5mM MgCl)で5回洗浄し、フレッシュな核酸分離用緩衝液に懸濁した。分光光度計(427nm)にて吸収を測定し、各ビオチン化DNA配列を固定したビーズ濃度として見積った。
配列7:5’−CTGCCCTCGATCAATTG−3’
配列8:5’−CTGCCCTCGAAATTG−3’
配列9:5’−CTGCCCTCGAATTG−3’
(実施例4)
実施例3で作製した各ビオチン化オリゴDNA固定化ビーズを各々50μg測り取り、各々対応するアプタマー配列を核酸分離用緩衝液で最終濃度100nM、50μlになるように各々調製し、96℃、10分間の処理により変性後、室温にてゆっくり冷やした。その後、前記50μg固定化ビーズと混合し、20℃にセットした恒温機内で撹拌しながら1時間反応させた。反応後直ちに磁石によりビーズと上清を分離回収した。ビーズに関しては核酸分離用緩衝液で二回洗浄後、フレッシュな核酸分離用緩衝液に懸濁し、80℃、10分間反応させ、直ちに磁石でビーズから上清を分離回収した。
(実施例5)
実施例3で作製した各ビオチン化オリゴDNA固定化ビーズを各々50μg測り取り、各々対応するアプタマー配列を最終濃度10mMコール酸含有核酸分離用緩衝液で最終濃度100nM、50μlになるように各々調製した。96℃、10分間の処理により変性後、室温にてゆっくり冷やした。その後、前記50μg固定化ビーズと混合し、20℃にセットした恒温機内で撹拌しながら1時間反応させた。反応後直ちに磁石によりビーズと上清を分離回収した。核酸分離用緩衝液で二回洗浄後、フレッシュな核酸分離用緩衝液に懸濁し、80℃、10分間反応させ、直ちに磁石でビーズから上清を分離回収した。
(実施例6)
実施例4,5で回収したDNAサンプルをプロメガのWizard SV Gel and PCR Clean-upsystemにより精製し(プロトコールに準拠)、実施例2のPCR条件においてサイクル数を30回に変更して増幅させた。その後電気泳動/EtBr染色により増幅バンドを確認した。ImageJ(NIHで開発されたオープンソースの画像処理ソフト)によりバンド強度を算出した。標準コール酸アプタマー配列の増幅バンド強度を1として、各固定化ビーズとの反応後の上清試料に関して、各デリーション配列(2bp、3bp)は標準配列に比べて強度リーション配列の強度を算出した(図4)。
結果として、実施例4で回収した各種配列とビオチン化DNA固定化ビーズとの反応後の上清試料で強度低下が見られた。特に2bpデリーション配列で大きかった。そして、実施例5で回収した各種配列とビオチン化DNA固定化ビーズとの反応後の上清試料に関しても同様に強度低下は見られたが、実施例4に比べて、強度低下は少ないことがわかった。本結果と表1のステム長と安定構造の関係から、コール酸非存在下(実施例4)でデリーションセットは標準配列に比べてステム領域形成能が長さに依存して低下し、その結果ビーズ上の相補鎖と分子間二本鎖形成機会が増えたことが示唆された。
また、コール酸存在下(実施例5)において、上清のDNA濃度(増幅バンド強度)が回復していることより、コール酸とデリーションセットDNAの結合による分子内ステム領域二本鎖形成が促進し、ビーズ上の相補鎖との分子間二本鎖形成機会が減ったことが示唆された。更に、デリーションセット(2bp、3bp)において、コール酸存在下での強度回復は2bpデリーションのほうが大きかった。表1で示すコール酸非存在下における安定化構造は、2bpデリーションがステム長0bp(全構造のΔG=−13.45kcal/mol)、6bp(−12.92kcal/mol)であり、3bpデリーションがステム長6bp(全構造のΔG=−12.88kcal/mol)、6bp(−12.64
kcal/mol)という結果になった。これを加味すると、2bpデリーションは、コール酸との結合による分子内ステム領域の回復によりコール酸非存在下での安定化構造が大きくシフトしたものと考えられる。
(実施例7)
次に、図1に模式的に表した核酸候補混合物の配列(配列10、11)と参照配列(配列12)を設計し、オリゴ合成した。配列10は、ch1-47コール酸アプタマー配列(配列1)の第二のステムループ領域のみランダム化した配列の両末端にPCRプライマー配列を付与したものであった。配列11はch1-47コール酸アプタマー配列(配列1)の第一と第二のステムループ領域をランダム化した配列の両末端にPCRプライマー配列を付与したものであった。また、参照配列は、ch1-47コール酸アプタマー配列の両末端PCRプライマー配列を付与したものであった。SELEX法用のPCRプライマー配列として同様にオリゴ合成した(配列13、14)。配列13は、実際のアプタマー配列鎖を増幅するように設計されており、5’末端をビオチン化してある。
配列10:5’− GTACCAGCTTATTCAATTTCGAGGGCAGCGATAGCTGNNNNNNNNNNNNNNNNNCCATCGGAGATAGTATGTTCATCAG−3’
配列11:5’−GTACCAGCTTATTCAATTTCGAGGGNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNCCATCGGAGATAGTATGTTCATCAG−3’
配列12:5’−GTACCAGCTTATTCAATTTCGAGGGCAGCGATAGCTGGGCTAATAAGGTTAGCCCCATCGGAGATAGTATGTTCATCAG−3’
(実施例8)
標的物質コール酸を96穴プレートに固定し、SELEX法を行うため以下のような方法で作製した。まず、住友ベークライト社製のアミノ化96穴プレート(スミロンELISAプレート)にサーモサイエンティフィック社製の光架橋基リンカーNHS-LC-Diazirine(Succinimidyl
6-(4, 4'-Azipentanamido)Hexanoate)1mM、PBS緩衝液(Phosphate Buffered Saline)を200μl/ウェル添加した。室温、暗所で1時間、撹拌しながらアミノ基とNHSの反応を行った。反応後、反応液を捨て、100mM Tris−HCl(pH8.0)200μlを加え、室温で5分間処理し、未反応のNHSを失活させた。
次に、溶液を捨て、PBSで3回良く洗浄して、0.5mMのコール酸溶液(HO)を200μl加え、真空乾燥機で乾燥させた後、365nm UV(15w×2)ランプ直下にプレートを置き、15分間架橋反応させた。その後、PBSで良く洗浄し、最後に水でリンスしNガスで乾燥させて使用までデシケーター中で遮蔽して保管した。本方法によるとコール酸は無配向で固定することができ、特定の官能基を固定化に使用する必要が無い。特に低分子に対するSELEX法を行う上で有用であり、ジアジリンのカルベン種は反応性が高く様々な低分子化合物の固定化に適している。
(実施例9)
実施例7で作製した核酸候補混合物を100nM、結合緩衝液(50mM
Tris−HCl(pH7.6)、300mM NaCl, 30mM
KCl、5mM MgCl, 0.01%Tween20、0.1%PEG8000)で調製した。95℃、5分間で変性させ、室温で30分間静置した。実施例3に従い、ビオチン化DNA(配列8)固定化ビーズを作製した。次に、固定化ビーズと上記核酸候補混合物とを実施例4に従い反応させた。前記実施例4の核酸分離緩衝液を本実施例では結合緩衝液に変更して行った。また、反応温度は25℃に変更した。本工程で得られるビーズに結合した画分(核酸候補混合物)を次の実施に用いた。必要であれば、この工程を数回繰り返しても良い。
(実施例10)
実施例9で回収した核酸候補混合物を、95℃、5分間で変性させ、室温で30分間静置した。100μlを実施例8で調製したコール酸固定化プレートに添加し、1時間、25℃で撹拌しながら反応させた。次に、結合緩衝液で良く洗浄し、5mMコール酸溶液(結合緩衝液)を100μl加え、30分間間撹拌しながら処理し、更に95℃、5分間処理して、固定化したコール酸に結合した核酸候補混合物を溶出させた。溶出した混合物をプロメガのWizard SV Gel and PCR Clean-up systemにより精製し(プロトコールに準拠)し、50μlの滅菌水で溶解した。その後、SELEX法用PCRプライマー配列(配列13,14)を用い、PCRを行った。
配列13:5’−GTACCAGCTTATTCAATTT−3’
配列14:5’−CTGATGAACATACTATCTC−3’
TAKARA LA
Taqを用い(反応溶液はプロトコールに準拠)、反応条件は、変性94℃/30秒間、アニール48℃/30秒間、伸長72℃/15秒間を30サイクル行い、最後に72℃/1分間という条件で行った。増幅したDNAをWizard SV Gel and PCR Clean-up systemにより精製し(プロトコールに準拠)、次いで、Bangs
Laboratories,Inc.社製のストレプトアビジン固定化ビーズによりビオチン化核酸候補混合物のみ回収した(プロトコールに準拠)。本工程を1サイクルとして、10サイクル行った。
(実施例11)
実施例3で作製したビオチン化DNA(配列8)固定化ビーズを用い、実施例5に従い、実施例10で回収した核酸候補混合物を処理した。実施例5の工程で核酸分離緩衝液を結合緩衝液に、温度20℃を25℃に変更して行った。本工程の上清画分を回収した。本工程は数回繰り返しても良い。次に、バッファー置換精製をプロメガのWizard SV Gel and PCR Clean-up systemにより(プロトコールに準拠)行い、SELEX法用PCR条件をビオチン化していないプライマー配列を用いて行った。その後、増幅したDNAをクローニングし、ランダムにピックアップしたクローンについて塩基配列を決定した。SELEX法によって濃縮されたコール酸結合アプタマーDNA配列群を取得した。
(実施例12)
取得したコール酸結合アプタマーDNA配列からSELEX法用PCRプライマー配列を除去した配列をオリゴ合成し、コール酸との結合特性をSPRやITCなどにより評価した。
(実施例13)
取得したコール酸結合アプタマーDNA配列からSELEX法用PCRプライマー配列を除去した配列の両末端に蛍光FAM(励起495nm、蛍光520nm)、ROX(励起590nm、蛍光610nm)を連結したものをオリゴ合成した。そしてコール酸添加前後でのFRET(Fluorescence Resonance Energy Transfer)を蛍光分光光度計で評価した。FAMを励起した際に、コール酸の存在によってROXの蛍光強度が上昇することを確認した。
(実施例14)
コール酸の有無でのコール酸結合アプタマーDNA配列のCDスペクトルを取得し、コール酸存在下において形成する二本鎖によるCDスペクトル変化を確認した。
(実施例15)
ビオチン化DNA(配列8)固定化ビーズによる分離工程を行わないSELEX法で得られたコール酸結合アプタマーDNA配列群と比較した。本発明の核酸リガンドのスクリーニング方法で得られる配列群由来のコール酸結合アプタマーは、FRETの効率、CDスペクトルの変化が大きいことを確認した。つまり、本発明により、標的物質と結合することによって予め設計したステム領域において分子内二本鎖を形成する構造変化能を有し且つコール酸結合能を有するアプタマー分子が本発明の核酸リガンドのスクリーニング方法によって効率よく取得することができることを意味する。また、本発明で得られるアプタマー分子は、蛍光センシングの捕捉分子として特に効果が期待できる。
前記実施例によって、本発明における特定二次構造を形成する核酸リガンドの配列を同定することができた。
(実施例16)
以下に、標的物質コルチゾール(ヒドロコルチゾン)に対して、本発明に記載のスクリーニング方法を実施した例を示す。
まず、図1に示す核酸リガンド候補混合物として、ランダム配列領域30merを有し、特定二次構造を形成するための保存配列領域7merとPCRプライマー配列を有する核酸リガンド混合物配列(配列15)を設計し合成した。また、SELEX法用のPCRプライマー配列として同様にオリゴ合成した(配列17,18)。配列18は、PCR増幅後の二本鎖から実際のアプタマー配列鎖を取得するため5’末端をリン酸化したものを設計した。更に、特定の二次構造形成を指標にした分離をするため保存配列領域に対して相補配列領域を含む配列を設計し合成した(配列21)。配列21は、担体に固定する目的で3’末端をビオチン化している。同様に保存配列領域を9merとした核酸リガンド候補混合物配列(配列16)、PCRプライマー配列(配列19、20)、保存配列領域に対して相補配列領域を含む配列(配列22)を設計し合成した。配列20は5’末端リン酸化、配列22は3’末端ビオチン化修飾したものを用意した。上記オリゴ合成は、シグマジェノシス株式会社にて行い、核酸リガンド候補混合物配列はカートリッジ精製、その他PCRプライマー配列と相補配列はPAGE(Polyacrylamide gel electrophoresis)精製グレードのものを使用した。
配列15:5’− CCAGTCTATTCAATTTCGAGGGNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNCCATCGAAGATAGTATGTGCAA−3’
配列16:5’− CCAGTCTATTCAATTGATCGAGGGNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNCCATCGGTCAGATAGTATGTGCAA−3’
配列17:5’− CCAGTCTATTCAATTTCG−3’
配列18:5’− TTGCACATACTATCTTCG−3’
配列19:5’− CCAGTCTATTCAATTGATC−3’
配列20:5’− TTGCACATACTATCTGAC−3’
配列21:5’− CCCTCGAAATAAAAA−3’
配列22:5’− CCCTCGATCAATAAAAA−3’
(実施例17)
次に、標的物質ヒドロコルチゾンを担体に固定し、SELEX法を行うため、以下の方法で標的物質固定化担体を作製した。担体には、GEライフサイエンス社製のEAH Sepharose 4B Lab Packを用いた。セファロースビーズ担体およそ12ml分をオープンカラムに入れ、保存液(20%エタノール)を除き、その後、0.5M 塩化ナトリウム溶液40ml、MilliQ水(pH4.5)20mlを順次フロースルーさせた。最後に新しいMilliQ水(pH4.5)2mlを加え、担体の膨潤を完了させた。次に、膨潤した担体を新しいオープンカラムへ移し、MilliQ水を除いた後、10mMコハク酸ヒドロコルチゾン(和光純薬)1,4‐ジオキサン溶液1mlとMilliQ水(pH4.5)1mlを添加し、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N′-エチルカルボジイミド塩酸塩(シグマアルドリッチジャパン(株))が130mMになるように粉末を添加し、4℃にて終夜カラムを回転させながらアミド結合形成反応させ、標的物質を担体へ固定した。反応後、室温にて、1,4‐ジオキサン、アセトン、80%エタノール、MilliQ水で順次固定化担体を洗浄し、PBS緩衝液で懸濁した。
(実施例18)
担体へのヒドロコルチゾン固定化量を見積るため、固定化担体を50mgはかり取り、1N水酸化ナトリウム溶液25μlを加え、37℃で20分処理した。この処理は、コハク酸ヒドロコルチゾンのエステル結合をアルカリ加水分解することで担体から標的物質を脱離させるために行った。その後、反応液に1N塩酸25μlと1,4‐ジオキサン25μlを順次加え混和し、遠心後上清を適量、TLC Silica gel 60プレート(メルク社)にスポットし、乾燥後、20%硫酸にプレートを均等になじませ、150℃オーブンで10分加熱し硫酸発色させた。発色後室温で5分放置した後、デンシトメーターで半定量解析した結果、およそ1〜2μmol/1g(1ml)担体の固定量であった。
(実施例19)
実施例18で固定量を確認したヒドロコルチゾン固定化セファロースビーズ担体を250μlオープンカラムに添加し、保管液PBS緩衝液をフロースルーした後、結合緩衝液(50mM
Tris−HCl(pH7.4)、300mM NaCl, 30mM KCl、5mM
MgCl)を20倍量添加し洗浄した。その後、1μM
核酸リガンド候補混合物(保存配列領域7merまたは9mer)を1ml加え、1時間室温で撹拌しながら標的物質との結合反応をさせた。添加する核酸候補混合物は、95℃、5分間で変性させ、室温で30分間静置した後反応に使用した。反応終了後、反応液をフロースルーし、20倍量の結合緩衝液と5倍量の500mM塩化ナトリウム溶液を順次フロースルーして洗浄した。 次に0.25N水酸化ナトリウムを1ml加え、撹拌し20分室温で静置した後に液を回収した。回収した液に1N塩酸を加え中和し、Microcon YM-30(ミリポア)カラムを用いてMilliQ水へバッファー置換と濃縮を行い(プロトコール準拠)、PCR反応に用いる鋳型DNAとした。
(実施例20)
TAKARA LA Taqを用い(反応溶液はプロトコールに準拠)、反応条件は、変性98℃/10秒間、アニール72℃/10秒間、伸長57.5℃(核酸リガンド候補混合物(保存配列領域7mer))、59℃(核酸リガンド候補混合物(保存配列領域9mer))/10秒間を35サイクル行い、最後に72℃/1分間という条件で行った。各PCRプライマーは、核酸リガンド候補混合物(保存配列領域7mer)は配列17,18を、核酸リガンド候補混合物(保存配列領域9mer)は配列19,20を用いて行った。増幅したDNAをMicrocon YM-30により精製し(精製プロトコールに準拠) 、MilliQ水に置換し、濃縮を行った。
(実施例21)
実施例20でPCRしたDNAを、λエキソヌクレアーゼ(NEB, 5U/ml)で37℃、2時間、酵素反応させ(試薬プロトコール準拠)、5’末端リン酸化している鎖を切断し、一本鎖を作製した。反応終了後、75℃、10分で処理し酵素を失活させ、Necleotide Removable Kit (QIAGEN) を用いて精製(kit添付プロトコルに準拠)し、MilliQ水で溶出後、結合緩衝液を加えて、次の標的物質結合反応に用いる核酸リガンド候補混合物とした。実施例19から実施例21の工程を10回繰り返し行った。
(実施例22)
実施例21で取得した核酸リガンド候補混合物(4サイクル、10サイクル)について、結合能評価をSPR(Surface Plasmon Resonance)装置(GEライフサイエンス Biacore X) を用いて行った。センサーチップ(CM5)に標的物質ヒドロコルチゾンと参照物質N-Cbz-L-Phenylalanine(sigma aldrich)を2,2’-(エチレンジオキシ)ビス(エチルアミン)(sigma
aldrich)を介して固定化し(センサーチップ固定化プロトコールに準拠)、核酸リガンド候補混合物(4サイクル、10サイクル)(各20μM、結合緩衝液)と結合反応させた。
結果を図5に示す。核酸リガンド候補混合物の結合に起因した信号は、参照物質固定に対して標的物質固定の方が増大しており、且つ4サイクルに対して10サイクルで更に信号が大きくなっていることから、標的物質に対して結合する分子種が核酸リガンド候補混合物内で濃縮されてきたことを示唆している結果である。
(実施例23)
標的物質結合による特定二次構造形成を指標に核酸リガンド候補混合物から核酸リガンドをスクリーニングするための担体を以下のように調製した。ストレプトアビジン固定化磁性粒子200 mg (Biomag Streptavidin (5mg/ml))をエッペンに分注し、磁性スタンドを用いて、ビーズをチューブの壁に集めた後、上清を除去した。100 mlの Buffer TTL(0.1% Tween20/ 1 M NaCl/ 100 mM Tris-HCl (pH8.0))で磁性粒子を二回洗浄し、ビオチン化オリゴDNA(配列21、または配列22)をBuffer TTLで希釈した溶液(4mM)25mlを磁性粒子に添加し、よく懸濁した後、
室温で攪拌しながら1時間ビオチンーアビジン結合反応をさせた。次にビーズを回収し上清を除去した後、50 mlの0.15N 水酸化ナトリウム溶液(一回)、Buffer TT (0.1% Tween20, 250 mM Tris-HCl (pH8.0)) 100 ml(二回)、Buffer TTE (0.1%
Tween20, 20mM EDTA, 250 mM Tris-HCl (pH8.0)) 100 ml(一回)と順次溶液を変えて、磁性粒子を洗浄した。最後に結合緩衝液(50mM Tris-HCl (pH 7.4)、300mM NaCl, 30mM KCl, 5mM MgCl2) 100 mlで三回洗浄後、新しい結合緩衝液で置換し、構造変化能によるスクリーニング用担体(ビオチン化オリゴDNA固定磁性粒子)とした。
(実施例24)
実施例21で取得した核酸リガンド候補混合物(10サイクル(保存配列領域7merまたは9mer))を100nMとなるように結合緩衝液で調整(OD 260nmでチェック)し、95℃で5分間処理し変性させた後、室温で30分静置した。次に、上記の核酸リガンド候補混合物(10サイクル)溶液150 ml に0.5 mM コハク酸ヒドロコルチゾンを最終濃度1μMになるように加え、室温で1時間攪拌しながら結合反応させた。そして、実施例23で調製したビオチン化オリゴDNA固定磁性粒子と上記反応溶液を混合し、室温で1時間攪拌しながら反応させた後、上清を回収し、Nucleotide Removable Kitで精製(プロトコール準拠)し、最後にKit付属のBuffer EB 100 mlで核酸リガンド候補混合物溶液を溶出した。本工程は、標的物質存在下において、標的物質と結合し、且つ保存配列領域が分子内二重鎖(ステム)を形成している核酸リガンドは上清に存在しやすく、核酸リガンド候補混合物内の核酸リガンド種の構成比が変化することにより、目的の核酸リガンドが濃縮されることを期待している。続いて、標的物質非存在下で上記反応工程を行い、上清を除去後、結合緩衝液100 mlで磁性粒子を二回洗浄し、Nucleotide Removable KitのBuffer PN 200 mlを回収した磁性粒子に加え、95℃で5分間加熱し変性させた後に、上清
を回収した。この粒子からの回収は計3回繰り返し行った。最後に、Nucleotide Removable Kitで精製し、Kit付属のBuffer EB 100 mlで核酸リガンド候補混合物溶液を溶出した。本工程は、標的物質非存在下で、保存配列領域が分子内二重鎖(ステム)を形成しにくい核酸リガンドが粒子表面に固定したオリゴDNA(相補鎖)と分子間二重鎖を形成し、粒子表面に結合し、核酸リガンド候補混合物内の核酸リガンド種の構成比が変化することにより、目的の核酸リガンドを濃縮されることを期待している。
(実施例25)
実施例24の特定二次構造形成を指標にしたスクリーニングを行った核酸リガンド候補混合物(7mer、9mer、(便宜上、それぞれO7、O9と名付けた。))と行っていない核酸リガンド候補混合物(7mer、9mer(便宜上、それぞれN7、N9と名付けた。))計4種類の混合物に関して塩基配列同定のため、実施例20の条件でPCRを行い、pGEM-T easy (promega社)にTAクローニングし、大腸菌JM109(タカラバイオ社)に形質転換した後培養してWizard plus SV minipreps Kitによりプラスミドを調製した(プロトコール準拠)。各混合物(O7、O9、N7、N9)についてランダムにクローンを単離し、20~30個の独立クローンを同定し、二次構造予測ソフト(mfold)により、25℃、300mM NaCl、5mM MgCl2の条件下での安定構造を計算し、保存配列領域でのステム構造形成と構造の数により分類し、表2にまとめた。表2で示す、「保存配列領域でステム未形成構造を含む配列数(2)」または「ステム形成/未形成構造の両者とも含む配列数(1)」に分類された配列(クローン)が、本発明における標的物質に結合することにより特定二次構造を形成する核酸リガンドである可能性が高い。それぞれの配列(クローン)数を各混合物の全同定配列数で割った比率(「(1)の全配列に対する比率」、「(2)の全配列に対する比率」)を算出した結果、実施例24の特定二次構造形成を指標にしたスクリーニングを行った混合物(O7、O9)は、「(1)の全配列に対する比率」および「(2)の全配列に対する比率」においてN7、N9に比べて比率が高くなっていた。つまり、目的物の候補混合物中での構成比率が上昇したことを示唆している。「(2)の全配列に対する比率」においては、N7が56%に対してO7が71%と2割以上効果が出ている。この結果は、構造形成を指標とした分離工程を複数回繰り返すことで、更に構成比率が向上し、効果的に目的物を取得できることが期待できる。また、保存配列領域の長さ7merと9merで比較すると7merの方が構成比率に関して高くなっていた。これは、保存配列領域が長いとステムが安定に存在しやすく、特定二次構造の構造変化が7merに比べると起こりにくいことを示唆している。「(2)の全配列に対する比率」でみると更に差がはっきりしていた。これらの結果から、本発明における特定二次構造形成を指標にしたスクリーニング方法は、効率的に特定二次構造の変化という動的変化が起こる核酸リガンドを取得する方法であると言える。
本スクリーニング方法により同定された核酸リガンドは、標的物質との作用により、予め設計された保存領域内での分子内二本鎖を形成することが可能であり、特にこの構造変化を利用したバイオセンサや分子スイッチ、信号伝達分子に適用可能と考える。例えば、標的物質との結合により形成した分子内二本鎖の特定の部位に蛍光レポーター分子を導入することで、安定した信号を取得することが可能になると考える。また、標的物質と結合した後に、分子内二本鎖を形成することで複合体の安定化が見込まれ、より結合力の高い核酸リガンドとなり得る。また、蛍光レポーター分子の導入部位は本方法により取得した核酸リガンドと標的物質の複合体の構造解析を行い更に精緻な導入デザインも可能である。
更に、本方法によれば、保存配列は標的物質が異なっていても同様に利用可能であるので体系的な核酸リガンドの取得方法であり、センサのアレイ化やバルク系での複数種類の検出などマルチ化する上で効果的である。また、本スクリーニング方法は、標的物質との結合能と構造変化能の両方を指標として核酸リガンドを取得するため、従来、構造変化能付与のための再設計による標的物質結合能の失活懸念が解消されることができる。
1 PCRプライマー配列(フォワード)
2 ステム形成領域(4と相補的な配列)
3 ランダム化配列領域
4 ステム形成領域(2と相補的な配列)
5 PCRプライマー配列(リバース)
6 担体
7 ストレプトアビジン
8 ビオチン
9 ステム形成領域を含む配列領域
10 標的物質

Claims (7)

  1. 核酸リガンドの候補混合物から標的物質と結合することにより特定二次構造を形成する核酸リガンドをスクリーニングする方法であり、
    (a)標的物質と結合するためのランダム配列領域と、特定二次構造を形成するための保存配列領域とを含む各々の核酸リガンドの候補混合物を準備する工程と、
    (b)前記標的物質の非存在下、前記核酸リガンドに含まれる保存配列領域の少なくとも1つと相補的に結合する相補配列領域を表面に配置した担体と前記候補混合物とを接触させることにより、前記担体表面の相補配列領域との間で分子間二本鎖が形成されることを利用して、前記分子間二本鎖が形成されない核酸リガンドを分離除去する工程と、
    (c)前記標的物質の存在下、前記工程(b)で得られた、前記分子間二本鎖が形成されて残った核酸リガンドと前記標的物質とを接触させることにより、前記分子間二本鎖を解離させ、前記標的物質との結合で形成された特定二次構造を有する核酸リガンドを分離回収する工程と
    を含み、前記工程(b)または工程(c)をそれぞれ少なくとも一回含む核酸リガンドのスクリーニング方法。
  2. 前記工程(c)が、前記工程(b)で得られた、前記分子間二本鎖が形成されて残った核酸リガンドを一度回収し、前記標的物質と混ぜた後に、前記担体と接触させることにより前記分子間二本鎖が形成されないことを利用して、前記標的物質との結合で形成された特定二次構造を有する核酸リガンドを分離回収する工程である請求項1に記載のスクリーニング方法。
  3. 前記工程(c)の後に、回収した特定二次構造を形成した核酸リガンドから前記標的物質を除去する工程(d)をさらに含む請求項1または請求項2のいずれか1項に記載のスクリーニング方法。
  4. 工程(b)の前に、前記標的物質と高い親和性を有する核酸リガンドが核酸−標的物質複合体を形成するように、前記候補混合物と前記標的物質とを接触させる工程と、
    前記複合体を形成していない核酸リガンドを除去する工程と、
    前記複合体から親和性の高い核酸リガンドのみを分離回収する工程と、
    高い親和性を有する核酸リガンドを増幅して、濃縮した核酸リガンドの候補混合物を産生する工程と
    を更に含む請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のスクリーニング方法。
  5. 工程(d)の後に、前記標的物質と高い親和性を有する核酸リガンドが核酸−標的物質複合体を形成するように、工程(c)で得られた、前記標的物質が除去された特定二次構造を形成する核酸リガンドと前記標的物質とを接触させる工程と、
    前記複合体を形成していない核酸リガンドを除去する工程と、
    前記複合体から親和性の高い核酸リガンドのみを分離回収する工程と、
    高い親和性を有する核酸リガンドを増幅して、濃縮する工程と
    を更に含む請求項3に記載のスクリーニング方法。
  6. 核酸リガンドの候補混合物から標的物質と結合することにより特定二次構造を形成する核酸リガンドをスクリーニングする方法であり、
    (a’)標的物質と結合するためのランダム配列領域と、特定二次構造を形成するための保存配列領域とを含む各々の核酸リガンドの候補混合物を準備する工程と、
    (b’)前記標的物質の存在下、前記核酸リガンドに含まれる保存配列領域の少なくとも1つと相補的に結合する相補配列領域を表面に配置した担体と前記候補混合物とを接触させることにより、前記担体表面の相補配列領域との間での分子間二本鎖が形成されることを利用して、前記分子間二本鎖が形成されない核酸リガンドを分離回収する工程と、
    (c’)工程(b’)で分離回収した前記核酸リガンドから前記標的物質を除去する工程と、
    (d’)前記標的物質の非存在下、工程(c’)で得られた前記標的物質が除去された核酸リガンドを前記担体と接触させることにより、前記担体の表面の相補配列領域との間での分子間二本鎖が形成されることを利用して、前記分子間二本鎖が形成される核酸リガンドを分離回収する工程と
    を含む核酸リガンドのスクリーニング方法。
  7. 請求項1に記載の方法により得られる特定二次構造を形成する核酸リガンドの配列を同定する同定方法。
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