JP2016539639A - キッシング複合体を形成することができる核酸を含むキットオブパーツ及びその使用 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、キッシング複合体を形成することができる核酸を含むキットオブパーツ及びその使用に関する。
アプタマーは、他の分子に結合するそれらの能力に基づいてランダムプールから選択されたDNA又はRNAオリゴマーである(Ellington et al (1990) Nature 346 (6287): 818, Robertson and Joyce (1990) Nature 344 (6265): 467, Tuerk and Gold (1990) Science 249 (4968): 505)。現在までに、多くの異なる種類のターゲット:低分子有機化合物、タンパク質、核酸及び複合スキャフォールド(生細胞など)に対して、アプタマーが選択されている(Dausse et al. (2009) Curr. Opin. Pharmacol 9(5): 602, Hall et al. (2009) Curr. Protoc. Mol. Biol. Chapter 24, Unit 24 (3))。これらの分子は、結合特性、認識の特異性、並びに医学及び科学技術における潜在的使用に関して抗体に匹敵する。アプタマーは、一般に、試験管内選択法(systematic evolution of ligands by exponential enrichment)(SELEX)(Gold et al. (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94 (1): 89)によって得られるが、増幅工程を伴わない選択(非SELEX)も記載されている(Berezovski M et al. (2006) J Am Chem Soc. 2006 Feb 8;128(5):1410-1, Javaherian et al. (2009) Nucleic Acids Res 37 (8): e62)。
本発明は、少なくとも1つの核酸分子NA1と少なくとも1つの核酸分子NA2を含むキットオブパーツであって、核酸分子NA1及びNA2がキッシング複合体の形成を介して二本鎖を形成することができるキットオブパーツに関する。本発明はまた、溶液中の関心対象のターゲット分子を検出するためだけでなく、関心対象のアプタマーを選択するための、そのようなキットオブパーツの使用も記載する。
キットオブパーツ:
本発明は、少なくとも1つの核酸分子NA1と少なくとも1つの核酸分子NA2を含むキットオブパーツであって:
a)第一の核酸分子NA1が、NS1−NSK1−NS2のヌクレオチド酸配列を含み、ここで
−NS1及びNS2が、少なくとも1ヌクレオチド長を有するポリヌクレオチドからなり、そしてNS1及びNS2が相補的配列を有し;
−NSK1が、少なくとも2個のヌクレオチドのヌクレオチド酸配列を有し、
b)第二の核酸分子NA2が、NS3−NSK2−NS4のヌクレオチド配列を含み、ここで:
−NS3及びNS4が、少なくとも1ヌクレオチド長を有するポリヌクレオチドからなり、そしてNS3及びNS4が相補的配列を有し;
−NSK2が、少なくとも2個のヌクレオチドのヌクレオチド酸配列を有し、
c)核酸分子(NA1及びNA2)が共に、適切な条件で、配列NSK1及びNSK2をぞれぞれ含む少なくとも1つのヘアピンループを形成することができ、そして
d)核酸分子NA1及びNA2が、配列NSK1及びNSK2をそれぞれ含むヘアピンループ間のキッシング複合体の形成によって二本鎖を形成することができる、キットオブパーツに関する。
i)全てがキッシング複合体を形成することができる本明細書に記載されるような配列を含有する候補核酸の混合物をターゲット分子と接触させる工程;候補混合物と比較してターゲット分子に最も強い親和性を有する核酸が候補核酸混合物の残りから分割され得る。好ましくは、混合物を、選択されたターゲット分子と、それらの間で結合が起こるような好適な条件下で接触させる。これらの状況下で、ターゲット分子とターゲット分子に最も強い親和性を有する核酸との間の複合体が形成され得る。
本発明のさらなる態様は、サンプル中の少なくとも1つのターゲット分子を検出するための方法であって、i)ターゲット分子に特異的であるアプタマーである核酸分子NA1又はNA2を含む本発明のキットオブパーツを提供する工程、ii)サンプルをキットオブパーツの核酸分子と接触させる工程、及びiii)2つの核酸NA1とNA2との間に形成される二本鎖の形成を検出する工程からなる工程を含む方法に関する。
本発明はまた、以下の工程を含む、ターゲット分子に指向するアプタマーを同定するための方法に関する:
i)ターゲット分子を、少なくとも1つの可変領域によってフランキングされた上述したような配列NSK1又はNSK2を含む内部領域を有する複数の核酸分子からなる本発明に係るコンビナトリアルランダムライブラリーと接触させる工程
ii)工程i)の混合物を、対応するNSK1又はNSK2を含む核酸と接触させる工程
iii)ターゲット分子に親和性を有する核酸をライブラリーの残りから分割する工程であって、配列NSK1及びNSK2をそれぞれ含む2つの核酸間で形成された複合体の形成の検出がターゲット分子に親和性を有する核酸の存在を示す工程。
概要:
キッシング複合体は、ループを介して互いに相互作用するRNAステムループによって形成される。これらの複合体は、プラスミドのDNA複製の制御又はウイルスのゲノムRNAの二量化などの多くの生物プロセスに関与する。さらに、RNAヘアピンは、≪インビトロ≫選択によってターゲット化されており、RNAヘアピンアプタマーは同定されている。相互作用するループがキッシング複合体を生成したことが示された。これらのループ−ループ相互作用の研究は十分に実証されてはいるが、それらの形成、特異性及び安定性を導き得るいくつかの規則があるかを調査するために、本発明者等は、キッシングする能力についてRNAヘアピンの≪インビトロ≫選択を実施した。高い親和性のいくつかのループ−ループ複合体が同定されている。≪インビトロ≫選択結果の配列解析によって、本発明者等は、ループの相互作用によって形成された二重螺旋中の新しいRNAモチーフを特徴付けた。これらの仕事は、ループを介して高い親和性で相互作用してキッシング複合体を形成することができるRNAヘアピンの一覧を得ることを可能にした。本発明者等は、これらの核酸分子をAptakissと命名した。
オリゴヌクレオチド
不変プライマーアニーリング部位によってフランキングされた10又は11個のランダムヌクレオチド又はコンセンサスモチーフを含有する、選択I及びIIに使用されるRNAランダムライブラリー:
及び種々のRNAアプタマーを、Expedite 8909 シンセサイザー(Applied Biosystems)で化学合成した。ステム配列に下線を引く。2つの異なるプライマー(Proligo):ライブラリーA及びCの3’末端に相補的なP20(5’GTGTGACCGACCGTGGTGC)と、3’SL(RNAプールと同じ極性でかつT7転写プロモーター(下線を引いた)を含む)5’TAATACGACTCACTATAGGTTACCAGCCTTCACTGCを含有する)をPCR増幅に使用した。プライマーP1A 5’TAATACGACTCACTATAGGGAGGACGAAGCGG及びP2A 5’TCGGGCGTGTCTTCTGをハンドルライブラリー(handle library)Dに使用した。全てのオリゴヌクレオチド及び転写産物を、20%変性ポリアクリルアミド(7M尿素)ゲルでの電気泳動によって精製した。
ICN Pharmaceutical社の[γ32−P]ATP(10mCi/mL)(4500Ci/mmol)で標識したRNAライブラリーA(50ピコモル)を、室温で、R緩衝液(20mM HEPES、20mM 酢酸ナトリウム、140mM 酢酸カリウム及び3mM 酢酸マグネシウム、pH7.4)10μLの最終容量で室温で24時間混合した。選択の第一ラウンドでは、ストリンジェンシーは、選択されたプール中にキッシングすることができる配列を保持するのに十分に低かった。選択のその後のラウンドでは、高い安定性の複合体のみを維持するために、RNAヘアピン濃度を各ラウンドで10倍減少させた。さらに、インキュベーションの時間を減少させた(ラウンド1では24時間、ラウンド2では6時間、ラウンド3では1時間、そして最終ラウンドでは10分間)。RNA集団を電気泳動移動度シフトアッセイ(EMSA)によって分離した。サンプルを、50mM Tris−アセタート(pH7.3、20℃)及び3mM 酢酸マグネシウム(TAC緩衝液)中の天然ゲル(15%[w/v]、75:1 アクリルアミド:ビス−アクリルアミド)上に100V及び4℃で15時間流した。Instant Imager(Packard Instrument)によってバンドを可視化及び定量化した。RNAがシフトした複合体に相当するバンドをゲルから抽出し、溶離緩衝液(10mM Tris−HCl、pH7.4、1mM エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及び25mM NaCl)600μl中、4℃で16時間溶離し、次いで、エタノール沈殿した。
抽出したRNAヘアピンを95℃で40秒間変性し、氷上に2分間置いた。次いで、5ユニットのEZrTth(Perkin elmer)ポリメラーゼを使用し、製造業者のプロトコールに従って63℃で30分間かけてRNAプールをcDNAにコピーした。300μMのdNTP、25mMのMnOAc及び2μMの各プライマーの他にEZrTth緩衝液を含有する同じチューブで候補を増幅した。次いで、反応混合物を94℃に2分間変性させ、繰り返しサイクルに供した:94℃で1分間、63℃で1分間を40サイクル及び63℃で7分間を最終1サイクル。PCR産物の沈殿後、ICN Pharmaceutical社の[γ32−P]UTP(10mCi/mL)(4500Ci/mmol)を含むTEBU社のAmpliscribe T7高収率転写キットを用いたインビトロ転写によって、RNAヘアピンを得た。転写産物を20%変性ポリアクリルアミドゲルでの電気泳動によって精製し、次いで、次の選択サイクルに使用した。4サイクルの後、Invitrogen社のTOPO TAクローニングキットを使用して、選択した配列をクローニングし、Perkin-Elmer社のdRhodamine Terminator Cycle配列決定キットを使用することによって製造業者の説明に従って配列決定した。
ビオチニル化RNAライブラリーBを、R緩衝液中、50nMのライブラリーA(CCNY)と室温で1時間混合した(図14)。使用前に、ライブラリーAを対抗選択に供した。ライブラリーAを、R緩衝液中で事前に平衡化したストレプトアビジンビーズ(Promega社のStreptavidin MagneSphere Paramagnetic Particles 20μg)と混合し、ビーズに保持されないRNA候補を選択IIに使用した。ビオチンを含有するライブラリーBとライブラリーAとで形成されたRNA複合体をストレプトアビジンビーズで10分間捕捉した。未結合RNAを除去し、ビーズをR緩衝液100μlで洗浄した。水50μl中85℃で45秒間加熱することによって、ライブラリーAの結合した候補をライブラリーBから溶離した。RNA候補を、選択Iで記載したようなRT−PCR及び転写に供した。5nMのライブラリーA及びBを用いた選択の第二のラウンドを加えた。選択の2回のラウンドからの配列を上述したようにクローニングした。これらの配列を、ステム−ループ接合部におけるコンセンサスヌクレオチド配列に従って5つの異なるファミリーに分類した。ファミリー1のメンバーは、GGクローニング塩基対、ファミリー2はAG、ファミリー3はGU又はUG、ファミリー4及びファミリー5は、それぞれ選択の第一又は第二のラウンドの全ての他の配列を得た。
これらの候補の増幅を、5’末端にポリ−Tテールを含有する新たなプライマーP20を用いて実施した。それで、PCR産物をポリ−AテールドRNA候補にインビトロ転写した。ビオチニル化相補的ポリ−Tオリゴヌクレオチドへのハイブリダイゼーションによって、ポリ−A候補をストレプトアビジンビーズ上に固定化した。これらの候補に対して、Dライブラリーを用いて、ファミリー1、2、3、4については50nMでの、ファミリー5については5nMでの選択の新たなラウンドを実施して、NCCNYN候補のNRNGGNパートナーを同定した。Dライブラリーのプライマーは、ライブラリーAと比較して変化していた。この変化は、公知の候補Cではなく候補Dだけを増幅することが可能であるので重要であった。選択プロトコールは、ポリ−T−ビオチニル化プライマー単独とストレプトアビジンビーズ上のRNAポリ−Aオリゴヌクレオチドとハイブリダイズしたポリ−T−ビオチニル化プライマーの混合物に対して対抗選択を行った以外は、Aライブラリーを用いた選択IIaの第一ラウンドと同じであった。
電気泳動移動度シフトアッセイを使用してループ−ループRNA複合体の解離定数(Kd)を決定した。一般に、0.1又は1nMの32Pで5’末端標識したヘアピンを、R緩衝液10μl中、増加濃度のパートナーと23℃で20分間インキュベートした。結合反応物を、4℃で平衡化した非変性天然ゲル[50mM Tris−アセタート(pH7.3、20℃)及び3mM 酢酸マグネシウム中の12%(wt/v)19:1 アクリルアミド/ビス(アクリルアミド)]上にロードし、120V(6V/cm)で一晩電気泳動した。Instant Imager analysis(Hewlett-Packard)によって複合体を定量化した。式:B=(Bmax)([L]0)/([L]0+Kd)(式中、Bは、複合体の割合であり、Bmaxは、形成された複合体の最大値であり、そして[L]0は、未標識リガンドの合計である)に従って、Kaleidagraph 3.0(Abelbeck software)を用いたデータポイント適合からKd値を推定した。
RNAヘアピン及び複合体を、140mM 塩化カリウム、20mM 塩化ナトリウム及び0,3;3又は10mM 塩化マグネシウムを含有する20mM カコジル酸ナトリウム緩衝液(pH7.3、20℃)中に調製した。RNAサンプルを1μMの最終濃度で調製した。サンプルを90℃で1分間及び30秒間変性し、氷上に10分間置いた。室温で10分間のインキュベーション後、RNA配列を混合し、30分間インキュベートした。0.4℃/分で4から90℃に昇温させることによってサンプルの変性を達成し、260nmで追跡した。±0.1℃以内で温度を制御するペルティエ効果素子(Peltier effect device)と適合するCary 1分光光度計で熱変性をモニタリングした。
BIAcore 2.1ソフトウェアで実行するBIAcore 2000又は3000装置(Biacore AB,Sweden)でSPR実験を実施した。ビオチニル化ヘアピンRNA(150〜1000RU)を、BIAアプリケーションハンドブックに記載されている手順に従って、R選択緩衝液中のSAセンサーチップ上に、5μl/分の流速で、50nMで固定化した。1つのストレプトアビジンコートフローセルを使用して、RNAヘアピンの非特異的結合をチェックした。これらの制御チャネルからのシグナルはベースラインとして役立ち、複合体が形成されたときに観察されたRU変化を減算した。3mM EDTAの1回の20μlパルス、続く、蒸留水の1回の20μlパルス、最後にR緩衝液の1回の20μlパルスでセンサーチップ(sensorship)表面の再生に成功した。23℃で5種の濃度(少なくとも)の注入RNAによる単一のセンサーグラムの非線形回帰分析を使用して、複合体形成の動態パラメーターを決定した。BIA evaluation 2.2.4ソフトウェアで、それぞれ会合段階及び解離段階について方程式1−2に従ってデータを解析し、擬一次モデルを推測した。式中、Rは、シグナル応答であり、Rmaxは最大応答レベルであり、Cは注入したRNA分子のモル濃度であり、konは会合速度定数であり、そしてkoffは解離速度定数である。
SELEX I
キッシング複合体は、ループを介して互いに相互作用するRNAステムループによって形成される。これらの複合体は、プラスミドのDNA複製の制御又はウイルスのゲノムRNAの二量化などの多くの生物プロセスに関与する。さらに、RNAヘアピンは、≪インビトロ≫選択によってターゲット化されており、RNAヘアピンアプタマーは同定されている。相互作用するループがキッシング複合体を生成したことが示された。これらのループ−ループ相互作用の研究は十分に実証されてはいるが、それらの形成、特異性及び安定性を導き得るいくつかの規則があるかを調査するために、本発明者等は、キッシングする能力についてRNAヘアピンの≪インビトロ≫選択を実施した。
表1:選択したループ配列の相補性の例。名称を左に示す。配列をそれらの相同性及び相補性に従ってファミリーにまとめる。各ファミリーは、5つの隣接塩基対合を介して1つの推定相補的配列(右から左へ5’〜3’)とマッチすることができる、少なくとも3つの配列(左から右へ5’〜3’)を含有する。推定相補的塩基を灰色で表す。第一のファミリーは、共通の繰り返しプリン/ピリミジンモチーフを共有するオクタ又はヘキサヌクレオチド自己相補的配列を示す。推測のKD(nM)を右に示す。
表2:50個の推定複合体の電気泳動移動度シフトアッセイによるスクリーン及び10nMのヘアピン濃度で複合体の50%超が形成されたRNA配列のアラインメントの最良の結果。親和性の推測を右に示す。相補的塩基には下線を引き、共通配列を四角で囲む。
RNGGモチーフを有するビオチニル化ライブラリーBに対するコンセンサス配列CCNYを含有するライブラリーAを用いて、第二のSELEXを実施した。2回のラウンドを行った。本発明者等は、最初にライブラリーAの候補を解析した。選択の第一ラウンドからの45個の配列及び第二のラウンドからの43個の配列をそれぞれ研究した。これらのヘアピンは全て、モチーフCCNYを含有していた。これらのCCNY候補の増幅を、5’末端にポリ−Tテールを含有する新たなプライマーP20を用いて実施した。それで、PCR産物をポリ−AテールドRNA候補にインビトロ転写した。ビオチニル化相補的ポリ−Tオリゴヌクレオチドへのハイブリダイゼーションによって、ポリ−A候補をストレプトアビジンビーズ上に固定化した。これらの候補に対して、Dライブラリーを用いて、新たな選択のラウンドを実施し、NCCNYN候補のNRNGGNパートナーを同定した。Dライブラリーのプライマーは、ライブラリーAと比較して変化していた。
アプタマーは、SELEXと呼ばれるコンビナトリアルプロセスを介して得られた単鎖核酸である{C. Tuerk, L. Gold, Science 1990, 249, 505-510; A. D. Ellington, J. W. Szostak, Nature 1990, 346, 818-822}。これらは、アプタマー分子内フォールディング(これは、その後ターゲット分子との最適化された分子間相互作用を導く)から生じるそれらの3D形状のおかげで既定のターゲットに対して強い親和性及び高い特異性を提示する。RNAヘアピンに対するRNA候補の選択は、そのループがターゲットヘアピンのループと相補的である(したがって、ループ−ループ相互作用を生じる)ヘアピンアプタマーを導く{a) F. Duconge, J. J. Toulme, RNA 1999, 5, 1605-1614; b) K. Kikuchi, T. Umehara, K. Fukuda, J. Hwang, A. Kuno, T. Hasegawa, S. Nishikawa, J. Biochem. (Tokyo) 2003, 133, 263-270; c) S. Da Rocha Gomes, E. Dausse, J. J. Toulme, Biochem. Biophys. Res. Commun. 2004, 322, 820-826}。そのようないわゆるキッシング複合体の安定性は、ループ−ループへリックスのワトソンクリック塩基対に由来するが、ループ−ループモジュールと各ヘアピンパートナーの二本鎖ステムの間の接合部におけるスタッキング相互作用にも由来する{a) F. Beaurain, C. Di Primo, J. J. Toulme, M. Laguerre, Nucleic Acids Res. 2003, 31, 4275-4284; b) I. Lebars, P. Legrand, A. Aime, N. Pinaud, S. Fribourg, C. Di Primo, Nucleic Acids Res. 2008, 36, 7146-7156; c) H. Van Melckebeke, M. Devany, C. Di Primo, F. Beaurain, J. J. Toulme, D. L. Bryce, J. Boisbouvier, Proc. Natl. Acad. Sci. U S A 2008, 105, 9210-9215}。実際に、6塩基対ループ−ループへリックスを生じる、ヒト免疫不全ウイルスのトランス活性化応答(TAR)RNA不完全ステムループエレメントのヘアピンアプタマーへの結合は、同じ6塩基対二本鎖を生じる、TARとアンチセンスオリゴマー間の複合体の融解温度よりも20℃高い融解温度によって特徴付けられた{F. Duconge, C. Di Primo, J. J. Toulme, J. Biol. Chem. 2000, 275, 21287-21294}。本発明者等は、アプタマーベースセンサーを設計するために、折畳み構造と直線構造とを区別するRNAヘアピンの可能性を活用した。
次いで、本発明者等は、いくつかのリガンドの同時検出を可能にし得るaptaswitchを設計するために二次的に使用されるであろう、数種のキッシングカップルの特性決定に着手した。このために、本発明者等は、便宜上、Kx1〜Kx4と呼ぶ4つの配列及びそれらのキッシング相補体Kx1’〜Kx4’を選択した。Kx1、Kx1’、Kx2及びKx2’は、それぞれ、上のKC24、KG51、KC28及びKG49配列に対応する。Kx3、Kx4、Kx3’及びKx4’は、それぞれ、以下の配列を有する:GGUCGGUCCCAGACGACC(ループ配列GUCCCAGA)、GGUUUCAGGGCAGUGAUGUUGCCCCUCGGAAGAUAACC(ループ配列GUGAUGU)、CGAGCCUGGGAGCUCG(ループ配列CUGGGA)及びCCUGACAUCACCAGG(ループ配列ACAUCAC)。ヘアピンKx1〜Kx4は、ストレプトアビジンセンサーチップ上での固定化を可能にする3’ビオチニル残基を用いて化学合成した。キッシングモチーフは、ヘアピンとの関連で6ntステム及び6ntループで表示される。加えて、候補ヘアピンごとの同一のステムの存在に起因してオリジナルのプール中に生じ得る伸長した二本鎖の形成を抑制するために、本発明者等は異なるステムを有するパートナーを設計した。本発明者等は、最初に、これらの複合体の1つ:ループ配列5’GCCCCG及び5’UGGGGCをそれぞれ提示するKx1−Kx1’(Kx1’についてこの実験で使用されるステムは、2つの相補的配列:5’−ACGAGC...GCUCGU−3’で形成され;Kx1についてのステムは、2つの相補的配列:5’−UGCUCG...CGAGCA−3’で形成される)を詳しく調査した。本発明者等は、UV吸光度モニタリング熱変性及び表面プラズモン共鳴(SPR)によって複合体安定性に及ぼす点突然変異の効果をチェックした。3mM Mg2+を含有する緩衝液中では、Kx1−Kx1’親複合体の転移のTmは、44.2+0.7℃であった(図7)。固定化されたKx1を用いたSPR解析は、6.9+1.1nMのKdを導いた(図7)。ループ−ループ二本鎖中に追加のGC対を生成するためにKx1’ループ中の5’UをCに置換すると、実際にKdの増加を生じた(18+1.1nM)。Kx1’中の相補的突然変異と組み合わせたKx1中の他の点改変は、さらにより劇的な効果を導いた:例えば、ループ−ループ二本鎖の第二のGC対の反転は、弱い複合体(Kx1m3/Kx1’m4複合体:野生型と比べて、Tm=31.5+0.7℃)を生じ、これはCCNY/RNGGモチーフの重要性と本発明者等の選択アプローチの関心の両方を指摘している。加えて、配列Kx5(ACCCCG)及びKx5’(UGGGGU)を有する異なる複合体も評価し(図7)、安定な複合体を形成した。
上述したように、頂点ループがそれらの同族リガンドの結合に関与しない不完全ヘアピンとして組織化されたアプタマーを、aptaswitchへと潜在的に改変することができる。このために、本発明者等は、まず、キッシング相互作用しやすい短い配列をオリジナルのアプタマーループに置換する必要がある。本発明者等は、アデノシン、GTP又はテオフィリンに対して先に選択されたアプタマー中にKx1’、Kx2’又はKx4’のループを導入することで、それぞれADOsw1’、GTPsw2’及びTHEsw4’を生成した(図8)。これらのアプタマーは、それらのそれぞれのリガンドの結合部位を構成するプリンリッチ内部ループによって特徴付けられる。本発明者等は、同族アプタマーターゲットの添加時にaptaswitchが条件付きでヘアピン中に折り畳まれるように、中心ループの上下に短い二本鎖領域を作った。次いで、aptaswitch−リガンド複合体は、aptakissKx1、Kx2又はKx3によって認識されるが、折り畳まれていないアプタマーは認識されない。ADOsw1’は、先に上で特徴付けられた(Adeno-switchTAGC):アデノシン及びKx1の同時添加時に特異的なSPR又は蛍光シグナルが観察されたが、イノシンの存在下ではシグナルは検出されなかった。GTPsw2’は、Kx2’ループを以前に使用したKx1’に置換することによって上述したaptaswitchから誘導される。GTP及びaptakissに関連するその特異的な応答性は保持される:GTPの添加時に用量依存SPRシグナルが観察されたが、ATPでは共鳴は認められなかった(図9)。THEsw4’の設計は、トライアル及びエラーを必要とした:最良のaptaswitch(図8)は、内部ループの下と上にx及びy推定塩基対を含有する。THEsw4’の及びテオフィリンの混合物は、Kx4が固定化されたチップ上に流された場合にSPRシグナルを誘発する(図9)。カフェインの存在下ではシグナルは検出されず、このことは、結合の特異性が保持されることを示している。しかしながら、テオフィリンに対するTHEsw4’の親和性は、親アプタマーに比べて低下する。全ての複合体に最良の媒体に相当していなくても、3つのaptaswitch-aptakiss複合体が多重分析の必要条件である同じイオン条件下で評価されたことに注目すべきである。
このために、本発明者等は、4つのチャネルを有するSPRストレプトアビジンバイオチップを使用した。ビオチニル化Kx1、Kx2及びKx4をそれぞれチャネル1、2及び3上に固定化し、そして、4つ目のチャネルをビオチニル化リンカーで飽和し、これを対照として使用した。示すように(図10)、ADOsw1’、GTPsw2’又はTHEsw4’と、それぞれ飽和条件の同族リガンド、アデノシン、GTP又はテオフィリンを飽和条件下で流すと、独占的に、対応する官能化チャネルすなわちそれぞれ1、2又は4上にシグナルを生じた。次いで、より複雑な混合物を試験した:3つのaptaswitchの同時存在は、1つのリガンドの同時検出を可能にした:例えば、5μM ADOsw1’+5μM GTPsw2’+1μM THEsw4’への1mM テオフィリンの添加は、チャネル3上でのみシグナルを生成した(図10)。2mM GTPで類似の結果が得られた(示さない)。1つのaptaswitch及び3つのリガンドとの混合物もまた特異的な応答を生成した:例えば、2mM アデノシン+1mM GTP+1mM テオフィリンとの5μM GTPsw2’は、チャネル2上でのみシグナルを与えた(図10)。3つのリガンドとのADOsw1’又はTHEsw4’のいずれかの使用もまた、同族リガンドの検出を可能にした(示さない)。最後に、本発明者等は、4つのチャネルチップ上に3つのaptaswitchと3つのリガンドの混合物を注入し、3つの異なるaptakissを有する3つのチャネル上でシグナルを観察した(図10)。
上記において、本発明者等は、アデノシンに対して以前に同定されたDNAアプタマーから誘導されたaptaswitchの領域に小分子(アデノシン)が結合することを意味する、キメラDNA−RNAを記載する。このDNAアプタマーには、aptakiss RNAとキッシング複合体を形成することができるRNAループが加えられている。この制約は、2つのDNAループが関与するキッシング複合体がまだ記載されていないという事実に関連する。対照的に、RNA及びDNAループループ相互作用が関与するキッシング複合体は選択されている(Darfeuille, F., Sekkai, D., Dausse, E., Kolb, G., Yurchenko, L., Boiziau, C., and Toulme, J. J. (2002) Comb Chem High Throughput Screen 5, 313-25)。ランダムDNAライブラリーからのこのSELEXをHIV−1のTAR RNAヘアピン構造に指向した。選択した候補を、TARに対するそれらの親和性についてEMSA(電気泳動移動度シフトアッセイ)によって試験し、それらの中でDII21と呼ばれるものが、3mM マグネシウムの存在下、室温で20nMの親和性を示した。
DII21Bモデルで得られた結果に基づいてDNAライブラリーを合成し、DNAライブラリーを用いてSELKISS(すなわち、キッシング複合体形成を遂行するSELEX)を実施した。RNAライブラリーと同じ設計を使用してDNAライブラリーを生成した:1つの固定された領域は、2つのランダムウインドウ(それら自体は、2つのプライマーによってフランキングされている)によってフランキングされる。異なるランダムウインドウを有する5つのライブラリーを2つの別個の目的で設計した:a)3つのライブラリーは、アデノシンの存在下でTARに結合することができる最良の配列を見つけるためにコネクター上にランダム領域を含有する、b)アデノシンへの結合に関与する領域中にランダムウインドウを有する2つのライブラリー(図13)。
本出願を通して、種々の参考文献が、本発明が属する最新技術を記載している。これらの参考文献の開示は、参照によって本開示に組み入れられる。
Claims (57)
- 少なくとも1つの核酸分子NA1と少なくとも1つの核酸分子NA2を含むキットオブパーツであって:
a)第一の核酸分子NA1が、NS1−NSK1−NS2のヌクレオチド酸配列を含み、ここで
−NS1及びNS2が、少なくとも1ヌクレオチド長を有するポリヌクレオチドからなり、そしてNS1及びNS2が相補的配列を有し;
−NSK1が、少なくとも2個のヌクレオチドのヌクレオチド酸配列を有し,
b)第二の核酸分子NA2が、NS3−NSK2−NS4のヌクレオチド配列を含み、ここで:
−NS3及びNS4が、少なくとも1ヌクレオチド長を有するポリヌクレオチドからなり、そしてNS3及びNS4が相補的配列を有し;
−NSK2が、少なくとも2個のヌクレオチドのヌクレオチド酸配列を有し
c)核酸分子NA1及びNA2が共に、適切な条件で、配列NSK1及びNSK2をぞれぞれ含む少なくとも1つのヘアピンループを形成することができ;そして
d)核酸分子NA1及びNA2が、配列NSK1及びNSK2をそれぞれ含むヘアピンループ間のキッシング複合体の形成によって二本鎖を形成することができ;そして
e)少なくとも1つの核酸分子NA1又はNA2がターゲット分子に対して特異性及び親和性を示すアプタマーである、キットオブパーツ。 - ヘアピン構造中に折り畳まれた第一の核酸分子NA1を含み、ここで、NSK1が、ヘアピン構造中に折り畳まれた第二の酸核酸分子NA2のループ中に存在する第二の核酸配列NSK2と相互作用することができる配列ループによって表される、請求項1に記載のキットオブパーツ。
- NKS1が、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15個のヌクレオチドのヌクレオチド酸配列を有する、請求項1に記載のキットオブパーツ。
- NKS2が、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15個のヌクレオチドのヌクレオチド酸配列を有する、請求項1に記載のキットオブパーツ。
- 第一の核酸分子NA1(ここで、NSK1は、YRYR、RYRY、YYRY、RYRR、YYYR、YRYY、RYYR、YRRY、YRRR、RYYY、RRYR、RRYY、RRRR、RRRY、YYYY、YYRRからなる群より選択される配列を有する)、及び第二の核酸分子NA2(ここで、NKS2は、NKS1とキッシング複合体を形成することができる)を含む、請求項1に記載のキットオブパーツ。
- 第一の核酸分子NA1(ここで、NSK1は、Knによって表される)及び第二の核酸分子NA2(ここで、NKS2は、Kn’によって表される)を含み、ここで、Kn及びKn’が表Bに記述されるように選択され、そしてKn及びKn’が同一であるか又は異なる、請求項1に記載のキットオブパーツ。
- 第一の核酸分子NA1(ここで、NSK1は、Knによって表される)及び第二の核酸分子NA2(ここで、NKS2は、Kn’によって表される)を含み、ここで、Kn及びKn’が表C1に記述されるように選択され、そしてKn及びKn’が同一であるか又は異なる、請求項1に記載のキットオブパーツ。
- 第一の核酸分子NA1(ここで、NSK1は、CCNYからなる核酸配列を含む)及び第二の核酸分子NA2(ここで、NKS2は、RNGGからなる核酸配列を含む)を含む、請求項1に記載のキットオブパーツ。
- 第一の核酸分子NA1(ここで、NSK1は、NCCNYNからなる核酸配列を含む)及び第二の核酸分子NA2(ここで、NKS2は、NRNGGNからなる核酸配列を含む)を含む、請求項1に記載のキットオブパーツ。
- 第一の核酸分子NA1(ここで、NSK1は、NCCNYNからなる核酸配列を含む)及び第二の核酸分子NA2(ここで、NKS2は、NRNGGNからなる核酸配列を含む)を含み、ここで配列NCCNYN及び配列NRNGGNが、それぞれ、表C2に記述されるように選択される、請求項1に記載のキットオブパーツ。
- NS1、NS2、NS3又はNS4が、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15個のヌクレオチドを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載のキットオブパーツ。
- NS1がUGCUCGによって表され、そしてNS2がCGAGCAによって表される、請求項1〜10のいずれか一項に記載のキットオブパーツ。
- NS3がACGAGCによって表され、そしてNS4がGCUCGUによって表される、請求項1〜10のいずれか一項に記載のキットオブパーツ。
- ACGAGCUGGGGCGCUCGU(KG51)によって示される核酸配列を含む第一の核酸分子及びUGCUCGGCCCCGCGAGCA(KC24-Aptakiss)によって示される核酸配列を含む第二の核酸分子を含む、請求項1に記載のキットオブパーツ。
- TGGGGGACUGGGGCGGGAGGAAによって示される核酸配列を含む第一の核酸分子及びUGCUCGGCCCCGCGAGCA(KC24-Aptakiss)によって示される核酸配列を含む第二の核酸分子を含む、請求項1に記載のキットオブパーツ。
- TTGGGGGACUGGGGCGGGAGGAAAによって示される核酸配列からなる第一の核酸分子及びUGCUCGGCCCCGCGAGCA(KC24-Aptakiss)によって示される核酸配列からなる第二の核酸分子を含む、請求項1に記載のキットオブパーツ。
- GTTGGGGGACUGGGGCGGGAGGAAACによって示される核酸配列からなる第一の核酸分子及びUGCUCGGCCCCGCGAGCA(KC24-Aptakiss)によって示される核酸配列からなる第二の核酸分子を含む、請求項1に記載のキットオブパーツ。
- UCCGAAGUGGUUGGGCUGGGGCGUGUGAAAACGGAによって示される核酸配列からなる第一の核酸分子及びUGCUCGGCCCCGCGAGCA(KC24-Aptakiss)によって示される核酸配列からなる第二の核酸分子を含む、請求項1に記載のキットオブパーツ。
- アプタマーが、有機小分子、特に少なくとも1つの芳香族環基を含有する有機小分子に特異的である、請求項1〜18のいずれか一項に記載のキットオブパーツ。
- ターゲット分子に特異的なアプタマーである核酸分子が、それがターゲット分子に結合する場合にのみ、キットオブパーツの他の核酸分子との複合体を形成することができる、請求項1〜19のいずれか一項に記載のキットオブパーツ。
- アプタマーが、ターゲット分子に対して産生された以前から公知のアプタマーから誘導される、請求項18又は19に記載のキットオブパーツ。
- 少なくとも1つの核酸分子NA1又はNA2が標識され、ここで、標識が、視覚的、光学的、フォトニック、電子的、音響的、光音響的、質量により、電気化学的、電気光学的、分光法、酵素的、又はそうでなければ化学的、生化学的若しくは物理的に検出可能である標識からなる群より選択される、請求項1に記載のキットオブパーツ。
- マイクロアレイを形成するために固体支持体中に固定化された少なくとも1つの核酸分子NA1又はNA2を含む、請求項1に記載のキットオブパーツ。
- 少なくとも1つの可変領域によってフランキングされたキッシング複合体を形成することができる配列NA1又はNA2を含む内部領域を有する核酸分子からなるコンビナトリアルランダムライブラリー。
- 一般式:
−5’−P1−V−NSKn−P2−3’又は5’−P1−NSKn−V−P2−3’(式中、P1及びP2は、プライマー領域を表し、Vは、少なくとも2つのヌクレオチドの可変領域を表し、NSKnは、核酸配列NSK1又はNSK2を表す)、又は
−5’−P1−V1−NSKn−V2−P2−3’(式中、P1及びP2は、プライマー領域を表し、V1及びV2は、少なくとも2つのヌクレオチドの可変領域を表し、NSKnは、核酸配列NSK1又はNSK2を表す)、又は
−5’−P1−Xn−V1−NSKn−V2−Yn−P2(式中、P1及びP2は、プライマー領域を表し、V1及びV2は、少なくとも2つのヌクレオチドの可変領域を表し、Xn及びYnは、1、2、3個またはそれ以上のヌクレオチドのヌクレオチド配列を表し、かつXn及びYnはハイブリダイズすることができ、そしてNSKnは、核酸配列NSK1又はNSK2を表す);
を有する複数の核酸分子を含む、請求項24に記載のコンビナトリアルランダムライブラリーであって、
NSKnが、少なくとも2個のヌクレオチドのヌクレオチド酸配列を有し、
核酸分子が、適切な条件下で、NSKn配列を含む少なくとも1つのヘアピンループを形成することができ、かつキッシング複合体を形成することができ;そして
NSKn配列が別のヘアピンループとキッシング複合体を形成することができる、コンビナトリアルランダムライブラリー。 - 可変領域が、2;3;4;5;6;7;8;9;10;11;12;13;14;15;16;17;18;19;20;21;22;23;24;25;26;27;28;29;30個またはそれ以上のヌクレオチドを含む、請求項24又は25に記載のコンビナトリアルランダムライブラリー。
- 可変領域が同じ長さを有するか又は有さない、請求項24〜26のいずれか一項に記載のコンビナトリアルランダムライブラリー。
- NSKnが、YRYR、RYRY、YYRY、RYRR、YYYR、YRYY、RYYR、YRRY、YRRR、RYYY、RRYR、RRYY、RRRR、RRRY、YYYY、YYRRからなる群より選択される配列を有する、請求項24〜27のいずれか一項に記載のコンビナトリアルランダムライブラリー。
- NSK1又はNSK2が、表B又は表C1に記述されるように選択されるKn又はKn’によって表される、請求項24〜28のいずれか一項に記載のコンビナトリアルランダムライブラリー。
- NSK1がCCNYからなる核酸配列を含むか、又はNKS2がRNGGからなる核酸配列を含む、請求項24〜29のいずれか一項に記載のコンビナトリアルランダムライブラリー。
- NSK1がNCCNYNからなる核酸配列を含むか、又はNKS2がNRNGGNからなる核酸配列を含む、請求項24〜30のいずれか一項に記載のコンビナトリアルランダムライブラリー。
- NSK1がNCCNYNからなる核酸配列を含むか、又はNKS2がNRNGGNからなる核酸配列を含み、ここで、配列NCCNYN及び配列NRNGGNが、それぞれ、表C2に記述されるように選択される、請求項24〜31のいずれか一項に記載のコンビナトリアルランダムライブラリー。
- 可変領域V1及びV2が、5;6;7;8;9;10;11;12;13;14;15;16;17;18;19;20;21;22;23;24;25;26;27;28;29;又は30個のヌクレオチドを含む、請求項24〜32のいずれか一項に記載のコンビナトリアルランダムライブラリー。
- Xnが、1;2;3;4;5;6;7;8;9;10;11;12;13;14;15;16;17;18;19;20;21;22;23;24;25;26;27;28;29;又は30個のヌクレオチドのヌクレオチド配列を表す、請求項24〜33のいずれか一項に記載のコンビナトリアルランダムライブラリー。
- Ynが、1;2;3;4;5;6;7;8;9;10;11;12;13;14;15;16;17;18;19;20;21;22;23;24;25;26;27;28;29;又は30個のヌクレオチドのヌクレオチド配列を表す、請求項24〜34のいずれか一項に記載のコンビナトリアルランダムライブラリー。
- 以下の工程:
i)ターゲット分子を請求項24〜35のいずれか一項に記載のコンビナトリアルランダムライブラリーと接触させる工程;
ii)工程i)の混合物を、対応する配列NSK1又はNSK2配列を含む核酸と接触させる工程;
iii)ターゲット分子に親和性を有する核酸をライブラリーの残りから分割する工程であって、配列NSK1及びNSK2をそれぞれ含む2つの核酸間で形成された二本鎖の形成の検出がターゲット分子に親和性を有する核酸の存在を示す工程
を含む、ターゲット分子に指向するアプタマーを同定するための方法。 - ターゲット分子が固体支持体上に固定化されず、流体サンプル中に可溶化される、請求項36に記載の方法。
- ターゲット分子に親和性を有する核酸の候補濃縮混合物を生成するための親和性を有する核酸を増幅する工程、場合により、ターゲット分子に最も強い親和性を有するアプタマーを選択するための工程i)〜iii)を何回も繰り返す工程並びに最も強い親和性を有するアプタマーを配列決定及び生成する工程をさらに含む、請求項36又は37に記載の方法。
- 対応する核酸分子が固体支持体上に固定化される、請求項36に記載の方法。
- ターゲット分子ではなく固定化されたヘアピンとキッシング複合体を形成し得る非特異的候補を取り除くための、ターゲット分子の非存在下での、固定化されたヘアピン及び支持体に対するライブラリーの対抗選択からなる工程をさらに含む、請求項36〜39のいずれか一項に記載の方法。
- 陽性候補を溶離する工程をさらに含む、請求項36〜40のいずれか一項に記載の方法。
- ライブラリー及びターゲット分子を、一緒に、ターゲット分子とライブラリーのメンバーとの相互作用を可能にするのに十分な時間、とりわけライブラリーのメンバーのターゲット分子との立体構造再配列を可能にするであろう十分な時間インキュベートする、請求項36〜41のいずれか一項に記載の方法。
- ターゲット分子が有機小分子である、請求項36〜42のいずれか一項に記載の方法。
- ターゲット分子が少なくとも1つの芳香族環基を含有する有機小分子である、請求項43に記載の方法。
- サンプル中の少なくとも1つのターゲット分子を検出するための方法であって、i)ターゲット分子に特異的であるアプタマーである核酸分子NA1又はNA2を含む請求項1〜23のいずれか一項に記載のキットオブパーツを提供する工程(ここで、前記アプタマーは、それがターゲット分子に結合する場合にのみ、キットオブパーツの他の核酸分子との複合体を形成することができる);ii)サンプルをキットオブパーツの核酸分子と接触させる工程、及びiii)2つの核酸NA1とNA2との間に形成される二本鎖の形成を検出する工程からなる工程を含む方法。
- 工程i)が、ターゲット分子に特異的なアプタマーを各々含む複数のキットオブパーツを提供し、それによってサンプル中の複数のターゲット分子の存在又は非存在を検出する工程を含む、請求項28に記載の方法。
- ターゲット分子が有機小分子である、請求項28又は29に記載の方法。
- サンプルが、個体から単離された生物学的物質、例えば、生物学的組織及び流体(血液、皮膚、血漿、血清、リンパ液、尿、脳脊髄液、涙液、スミア、水のサンプル、特に飲料水、地下水、表流水又は廃水サンプル、環境由来物質から調製されたサンプル、臨床検体又は食品サンプルを含む)からなる群より選択される、請求項28〜30のいずれか一項に記載の方法。
- サンプルがかなりの量のマグネシウムを含む、請求項28〜31のいずれか一項に記載の方法。
- 検出が、液相中、多数の標準的な技術(限定されないが、クロマトグラフィー、電気泳動又は濾過を含む)のいずれかによって実行される、請求項28〜32のいずれか一項に記載の方法。
- ターゲット分子に特異的なアプタマーではない核酸分子が上述した固体支持体上に固定化され、そして、アプタマーではない核酸分子がターゲット分子に特異的なアプタマーである核酸分子に結合することができるバイオセンサー素子として使用される、請求項28〜33のいずれか一項に記載の方法。
- 以下の工程:
i)ターゲット分子を、請求項24〜27のいずれか一項に記載のコンビナトリアルランダムライブラリーと接触させる工程
ii)工程i)の混合物を、対応する配列NSK1又はNSK2配列を含む核酸と接触させる工程
iii)ターゲット分子に親和性を有する核酸をライブラリーの残りから分割する工程であって、配列NSK1及びNKS2をぞれぞれ含む2つの核酸間で形成された二本鎖の形成の検出がターゲット分子に親和性を有する核酸の存在を示す工程
を含む、ターゲット分子に指向するアプタマーを同定するための方法。 - ターゲット分子に親和性を有する核酸の候補濃縮混合物を生成するための親和性を有する核酸を増幅する工程、場合により、ターゲット分子に最も強い親和性を有するアプタマーを選択するための工程i)〜iii)を何回も繰り返す工程並びに最も強い親和性を有するアプタマーを配列決定及び生成する工程をさらに含む、請求項35に記載の方法。
- 対応する核酸分子が上述した固体支持体上に固定化される、請求項35又は36に記載の方法。
- 非特異的候補及びターゲット分子ではなく固定化されたヘアピンとキッシング複合体を形成し得る候補を取り除くための、ターゲット分子の非存在下での、固定化されたヘアピン及び支持体に対するライブラリーの対抗選択からなる工程をさらに含む、請求項35〜37のいずれか一項に記載の方法。
- 陽性候補を溶離する工程をさらに含む、請求項35〜38のいずれか一項に記載の方法。
- ACGAGCUGGGGCGCUCGU、UGCUCGGCCCCGCGAGCA、TGGGGGACUGGGGCGGGAGGAA、TTGGGGGACUGGGGCGGGAGGAAA、GTTGGGGGACUGGGGCGGGAGGAAAC、UCCGAAGUGGUUGGGCUGGGGCGUGUGAAAACGGA、UGCUCGGCCGCGCGAGCA及びTGGGGGACUGCGGCGGGAGGAAからなる群より選択される配列を含むか又は前記配列からなる、核酸分子。
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