JP5145554B2 - アプタマー・導電性粒子複合体、アプタマー・導電性粒子・プローブ複合体、および指示タンパク質の特性を制御する方法 - Google Patents
アプタマー・導電性粒子複合体、アプタマー・導電性粒子・プローブ複合体、および指示タンパク質の特性を制御する方法 Download PDFInfo
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Description
Tuerk, C. and Gold L., Systematic evolution of ligans by exponential enrichment: RNA ligans to bacteriopharge T4 DNA polymerase, Science, 249, 505-510, (1990)
指示タンパク質と結合して該指示タンパク質の特性を変化させることができるアプタマー部分と、
前記アプタマー部分に結合し、かつ、高周波誘導加熱によって発熱しうる導電性粒子と、
を含む。
指示タンパク質と結合して該指示タンパク質の特性を変化させることができるアプタマー部分と、
前記アプタマー部分に結合し、かつ、高周波誘導加熱によって発熱しうる導電性粒子と、
前記アプタマー部分の少なくとも一部とハイブリダイズするプローブ部分と、
を含む。
指示タンパク質と結合して該指示タンパク質の特性を変化させることができるアプタマー部分と、前記アプタマー部分に結合し、かつ、高周波誘導加熱によって発熱しうる導電性粒子と、を含むアプタマーを準備し、
前記アプタマーと前記指示タンパク質とを接触させた状態で高周波誘導加熱を行うこと、
を含む。
1.1.アプタマー
本発明の一実施形態に係るアプタマーは、指示タンパク質と結合して該指示タンパク質の特性を変化させることができるアプタマーであって、加熱によって、前記アプタマーの少なくとも一部と、前記アプタマーの少なくとも一部とハイブリダイズしうるプローブとがハイブリダイズすることにより、前記アプタマーと前記指示タンパク質との結合様式が変化する。
本実施形態に係る指示タンパク質の特性を制御する方法は、指示タンパク質と結合して該指示タンパク質の特性を変化させることができるアプタマーを準備し、アプタマーと指示タンパク質とを接触させた状態で加熱を行うこと、を含む。
指示タンパク質とは、その特性の変化により検出可能なシグナルを生ずるタンパク質である。指示タンパク質としては、例えば、酵素、蛍光タンパク質、レセプター、特定のレセプターと結合するリガンド等を用いることができる。好ましい指示タンパク質は酵素である。トロンビンは、活性の測定が容易であること、および活性を阻害するアプタマーが複数報告されていることから、本発明において指示タンパク質として用いるのに特に適している。さらに、SELEXにより事実上あらゆる酵素に対してそれに結合するアプタマーを取得することが可能であるため、任意の酵素についてその活性を阻害するアプタマーを取得し、その配列に基づいて、本実施形態に係るアプタマーを設計することにより、その酵素を指示タンパク質として用いることができる。
は、ルシフェラーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、アルカリフォスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ等の検出用の標識として用いられるいずれの酵素も用いることができる。
本実施形態に係るアプタマー・プローブ複合体は、指示タンパク質と結合して該指示タンパク質の特性を変化させることができるアプタマー部分と、アプタマー部分の少なくとも一部とハイブリダイズするプローブ部分と、を含む。
以下、図面を参照して、本実施形態に係るアプタマー、アプタマー・プローブ複合体、および該アプタマーを用いて指示タンパク質の特性を制御する方法の具体例について説明する。本具体例では、図1に示すアプタマーを用いて指示タンパク質の特性を制御する方法について説明する。
8−merプローブ:5 ’CACTGGCC 3’(配列番号3)
9−merプローブ:5 ’CACTGGCCC 3’(配列番号4)
10−merプローブ:5 ’CACTGGCCCC 3’(配列番号2)
9−merプローブ:5 ’CTACCAGTG 3’(配列番号5)
10−merプローブ:5 ’CCTACCAGTG 3’(配列番号6)
11−merプローブ:5 ’ACCTACCAGTG 3’(配列番号7)
2.1.アプタマー・導電性粒子複合体
本実施形態に係るアプタマー・導電性粒子複合体は、指示タンパク質と結合して該指示タンパク質の特性を変化させることができるアプタマー部分と、アプタマー部分に結合し、かつ、高周波誘導加熱によって発熱しうる導電性粒子と、を含む。
本実施形態に係る指示タンパク質の特性を制御する方法は、指示タンパク質と結合して該指示タンパク質の特性を変化させることができるアプタマー部分と、アプタマー部分に結合し、かつ、高周波誘導加熱によって発熱しうる導電性粒子と、を含むアプタマー・導電性粒子複合体を準備し、アプタマーと指示タンパク質とを接触させた状態で高周波誘導加熱を行うこと、を含む。
本実施形態に係るアプタマー・導電性粒子・プローブ複合体は、指示タンパク質と結合して該指示タンパク質の特性を変化させることができるアプタマー部分と、アプタマー部分に結合し、かつ、高周波誘導加熱によって発熱しうる導電性粒子と、アプタマー部分の少なくとも一部とハイブリダイズするプローブ部分と、を含む。
以下、図面を参照して、本実施形態に係るアプタマー・導電性粒子複合体、アプタマー・導電性粒子・プローブ複合体、および該アプタマー・導電性粒子複合体を用いて指示タンパク質の特性を制御する方法の具体例について説明する。本具体例では、図5に示すアプタマー・導電性粒子複合体を用いて指示タンパク質の特性を制御する方法について説明する。
以下、本発明の一実施形態に係るアプタマー、アプタマー・プローブ複合体、アプタマー・導電性粒子複合体、アプタマー・導電性粒子・プローブ複合体、および指示タンパク質の特性を制御する方法について、実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1においては、DNA合成機で固相合成された、31−merトロンビンアプタマー(図1参照)を使用し、この31−merトロンビンアプタマーのステム部分の3’末端に相補的な10−merプローブの存在下で、31−merトロンビンアプタマーを加熱した場合、該プローブと31−merトロンビンアプタマーのステム部分とがハイブリダイズして、該アプタマーの構造およびトロンビンへの阻害能が変化するかどうかを確認した。
31−merトロンビンアプタマー:5 ’CACTGGTAGGTTGGTGTGGTTGGGGCCAGTG 3’(配列番号1)
10−merプローブ:5 ’CACTGGCCCC 3’(配列番号2)
とした溶液Aを、室温にて異なる時間(30,60,120,300s)インキュベートし、次いで急冷した後、この溶液とトロンビン(1Unit)(和光純薬工業)とを混合して溶液Bを調製した。次に、この溶液Bと1.4mg/mlのフィブリノーゲン100μl(和光純薬工業)とを混合して得られた溶液Cについて、凝固時間(秒)を測定した。その結果を図3(A)〜図3(C)に示す。
測定された。
本実施例においては、31−merトロンビンアプタマーと異なる濃度の10−merプローブとを含む溶液を異なる温度にてインキュベートした場合における、該アプタマーのトロンビンの阻害能を測定した。
HCl,5mM KCl,100mM NaCl)とを混合して、全量90μlとした溶液Cを、異なる温度(室温,30℃,50℃,70℃)で30秒間インキュベートし、次いで急冷した後、該溶液をトロンビン(1Unit)(和光純薬工業)と混合して、溶液Dを得た。溶液Dと1.4mg/mlのフィブリノーゲン100μl(和光純薬工業)とを混合して得られた溶液Eについて、凝固時間(秒)を測定した。その結果を図4に示す。なお、図4において、各温度のグラフはそれぞれ左から、測定対象となる溶液がバッファー(バッファーのみ使用し、31−merトロンビンアプタマーおよび10−merプローブを使用しない場合)のみの場合、ならびに、測定対象となる溶液がアプタマーを含みかつ10−merプローブの濃度がそれぞれ0nM,600nMである場合を示す。
3.3.1.アプタマー・金粒子複合体の調製
金ナノ粒子(直径1.4nm)30nmolに100μlのイソプロパノールを添加して混合物を得、該混合物をミリQで1/10に希釈して、全量1000μlとした(溶液F)。次に、31−merトロンビンアプタマー3nmolを溶液Fに添加し、4℃で24時間インキュベートした。次いで、得られた溶液Fについて、5mM NaH2PO4、150mM NaCl、pH6.5で平衡化したゲルろ過カラム(Suplex 75 16/60)を用いてゲルろ過クロマトグラフィーを行った。次に、ゲルろ過クロマトグラフィーで得られた画分を脱塩し凍結乾燥を行うことにより、アプタマー・金粒子複合体を調製した(図5参照)。
次に、上記3.3.1.で得られたアプタマー・金粒子複合体および10−merプローブ(1μM)を混合して全量90μlとした溶液Gに対して、RFMF(高周波交流磁場)を30秒間照射した後、トロンビン(1Unit)と混合した後、この溶液に1.4mg/mlのフィブリノーゲン100μlを混合して得られた溶液Hについて、凝固時間(秒)を測定した。その結果を図7に示す。図7において、「RFMFoff」とは、RFMFを照射しなかった場合の溶液の凝固時間を示し、「RFMFon」とは、RFMFを照射した場合の溶液Hの凝固時間を示す。なお、本実施例において、バッファーの終濃度は、50nM Tris−HCl,5mM KCl,100mM NaCl,pH=7.4であった。
上記3.3.1.で得られたアプタマー・金粒子複合体(100nM)とトロンビン(13.5nM)とを混合して得られた溶液100μlに対してRFMF(高周波交流磁場)(1GHz,1.5W)を5、15、30分間照射した。次に、この溶液に2mg/mlのフィブリノーゲン100μlを混合して得られた溶液について、凝固時間(秒)を測定した。その結果を図9に示す。
なお、図9において、「RFMFoff」は、RFMFを照射しなかった場合の溶液の凝固時間を示し、「RFMFon」は、RFMFを照射した場合の溶液の凝固時間を示す。
上記3.3.1.で得られたアプタマー・金粒子複合体(100nM)と、15−merのプローブ(100nM、配列番号8)と、トロンビン(13.5nM)とを混合して得られた溶液100μlに対してRFMF(高周波交流磁場)(1GHz,1.5W)を5分間照射した。次に、この溶液に2mg/mlのフィブリノーゲン100μlを混合して得られた溶液について、凝固時間(秒)を測定した。その結果を図10に示す。
なお、図10において、「RFMFoff」は、RFMFを照射しなかった場合の溶液の凝固時間を示し、「RFMFon」は、RFMFを照射した場合の溶液の凝固時間を示し、「複合体・トロンビンのみ」とは、プローブを混合せずにアプタマー・金粒子複合体とトロンビンとを混合してRFMF照射を行った場合における凝固時間を示し、「トロンビンのみ」とは、プローブおよびアプタマー・金粒子複合体を混合せずにトロンビンのみにRFMF照射を行った場合における凝固時間を示す。
15−merプローブ:5 ’CACTGGCCCCAACCA3’(配列番号8)
上記3.3.1.で得られたアプタマー・金粒子複合体(200nM)と、20−merのプローブ(200nM、配列番号9)とを混合して得られた溶液90μlを室温で12時間インキュベートした。次に、この溶液にトロンビン(13.5nM)を混合して得られた溶液100μlを室温で30秒間インキュベートした後、この溶液にRFMF(高周波交流磁場)(1GHz,1.5W)を30分間照射した。次に、この溶液に2mg/mlのフィブリノーゲン100μlを混合して得られた溶液について、凝固時間(秒)を測定した。その結果を図11に示す。
なお、図11において、「RFMFoff」は、RFMFを照射しなかった場合の溶液の凝固時間を示し、「RFMFon」は、RFMFを照射した場合の溶液の凝固時間を示す。
20−merプローブ:5 ’ CACTGGCCCCAACCACACCA 3’(配列番号9)
上記3.3.1.で得られたアプタマー・金粒子複合体(200nM)と、10−merのプローブ(1μM、配列番号2)とを混合して得られた溶液100μlに対してRFMF(高周波交流磁場)(1GHz,1.5W)を30秒間、30分間、または1時間照射した。次に、この溶液にトロンビン(13.5nM)および2mg/mlのフィブリノーゲン100μlを混合して得られた溶液について、凝固時間(秒)を測定した。その結果を図12に示す。
なお、図12において、「RFMF」は、RFMFを照射しなかった場合の溶液の凝固時間を示し、「RFMFon」は、RFMFを照射した場合の溶液の凝固時間を示す。
10−merプローブ:5 ’CACTGGCCCC3’(配列番号2)
上記3.3.1.で得られたアプタマー・金粒子複合体(200nM)と、10−merのプローブ(1μM、配列番号2)とを混合して得られた溶液100μlに対してRFMF(高周波交流磁場)(1GHz,1.5W)を30分間照射した。次に、この溶液について11%ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)による解析を行った。その結果を図13に示す。
なお、図13において、「RFMF」は、RFMFを照射しなかった場合の溶液の凝固時間を示し、「RFMFon」は、RFMFを照射した場合の溶液の凝固時間を示し、「FITC」は、蛍光ラベル化剤(フルオレセイン イソチオシアネート(Fluorescein isothiocianate))を示す。
10−merプローブ:5 ’CACTGGCCCC3’(配列番号2)
11・・・プローブ(プローブ部分)
12・・・熱
13・・・RFMF(高周波誘導磁場)
20・・・導電性粒子−マレイミド複合体(金粒子−マレイミド複合体)
21・・・導電性粒子(金粒子)
22・・・マレイミド
30・・・アプタマー・導電性粒子複合体
40・・・指示タンパク質
50・・・アプタマー・プローブ複合体
60・・・アプタマー・導電性粒子・プローブ複合体
Claims (14)
- 指示タンパク質と結合して該指示タンパク質の特性を変化させることができるアプタマー部分と、
前記アプタマー部分に結合し、かつ、高周波誘導加熱によって発熱しうる導電性粒子と、
を含み、
前記アプタマー部分の少なくとも一部とハイブリダイズしうるプローブ部分の存在下で、前記アプタマー部分と前記指示タンパク質とを結合させた状態で高周波誘導加熱を行うことにより、
前記アプタマー部分の少なくとも一部と前記プローブ部分とがハイブリダイズすることにより、前記アプタマー部分と前記指示タンパク質との結合を弱める、アプタマー・導電性粒子複合体。 - 指示タンパク質と結合して該指示タンパク質の特性を変化させることができるアプタマー部分と、
前記アプタマー部分に結合し、かつ、高周波誘導加熱によって発熱しうる導電性粒子と、
を含み、
前記アプタマー部分の少なくとも一部とハイブリダイズしうるプローブ部分の存在下で、前記アプタマー部分および前記プローブ部分がハイブリダイズした状態で、かつ、前記アプタマー部分と前記指示タンパク質とを結合させた状態で、高周波誘導加熱を行うことにより、
前記アプタマー部分の少なくとも一部と前記プローブ部分とのハイブリダイゼーションを解離させることにより、前記アプタマー部分と前記指示タンパク質との結合を強める、アプタマー・導電性粒子複合体。 - 請求項1または2において、
前記指示タンパク質が酵素である、アプタマー・導電性粒子複合体。 - 請求項3において、
前記酵素がトロンビンである、アプタマー・導電性粒子複合体。 - 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
前記導電性粒子が金粒子である、アプタマー・導電性粒子複合体。 - 指示タンパク質と結合して該指示タンパク質の特性を変化させることができるアプタマー部分と、
前記アプタマー部分に結合し、かつ、高周波誘導加熱によって発熱しうる導電性粒子と、
前記アプタマー部分の少なくとも一部とハイブリダイズするプローブ部分と、
を含む、アプタマー・導電性粒子・プローブ複合体。 - 請求項6において、
前記指示タンパク質が酵素である、アプタマー・導電性粒子・プローブ複合体。 - 請求項7において、
前記酵素がトロンビンである、アプタマー・導電性粒子・プローブ複合体。 - 請求項6ないし8のいずれかにおいて、
前記導電性粒子が金粒子である、アプタマー・導電性粒子・プローブ複合体。 - 指示タンパク質と結合して該指示タンパク質の特性を変化させることができるアプタマー部分と、前記アプタマー部分に結合し、かつ、高周波誘導加熱によって発熱しうる導電性粒子と、を含むアプタマー・導電性粒子複合体を準備し、
前記アプタマー部分と前記指示タンパク質とを接触させた状態で高周波誘導加熱を行うこと、
を含み、
前記高周波誘導加熱は、前記アプタマー部分の少なくとも一部とハイブリダイズしうるプローブ部分の存在下で行なわれ、
前記高周波誘導加熱によって、前記アプタマー部分の少なくとも一部と前記プローブ部分とがハイブリダイズすることにより、前記アプタマー部分と前記指示タンパク質との結合が弱まる、指示タンパク質の特性を制御する方法。 - 指示タンパク質と結合して該指示タンパク質の特性を変化させることができるアプタマー部分と、前記アプタマー部分に結合し、かつ、高周波誘導加熱によって発熱しうる導電性粒子と、を含むアプタマー・導電性粒子複合体を準備し、
前記アプタマー部分の少なくとも一部とハイブリダイズしうるプローブ部分の存在下で、前記アプタマー部分および前記プローブ部分がハイブリダイズした状態、かつ前記アプタマー部分と前記指示タンパク質とを接触させた状態で高周波誘導加熱を行うこと、
を含み、
前記高周波誘導加熱によって、前記アプタマー部分の少なくとも一部と前記プローブ部分とのハイブリダイゼーションを解離させることにより、前記アプタマー部分と前記指示タンパク質との結合が強まる、指示タンパク質の特性を制御する方法。 - 請求項10または11において、
前記指示タンパク質が酵素である、指示タンパク質の特性を制御する方法。 - 請求項12において、
前記酵素がトロンビンである、指示タンパク質の特性を制御する方法。 - 請求項10ないし13のいずれかにおいて、
前記導電性粒子が金粒子である、指示タンパク質の特性を制御する方法。
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