JP5145554B2 - アプタマー・導電性粒子複合体、アプタマー・導電性粒子・プローブ複合体、および指示タンパク質の特性を制御する方法 - Google Patents

アプタマー・導電性粒子複合体、アプタマー・導電性粒子・プローブ複合体、および指示タンパク質の特性を制御する方法 Download PDF

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本発明は、高周波誘導加熱によって、指示タンパク質の特性を制御することができるアプタマー・導電性粒子複合体、アプタマー・導電性粒子・プローブ複合体、および指示タンパク質の特性を制御する方法に関する。
アプタマーは、特定の分子に結合する核酸分子であり、1990年にGoldらによって初めてその基本概念が提示された(非特許文献1)。非特許文献1には、SELEX(Systematic Evolution of Liogands by Exponential Enrichment)法と呼ばれる手法を用いてアプタマーを取得する方法が開示されている。
アプタマーは一般に、大量合成が容易であり、かつ修飾が簡単であるという特徴を有することから、例えば、分子認識、構造プロテオミクス、創薬の分野で有用なツールであるとして期待されている。
Tuerk, C. and Gold L., Systematic evolution of ligans by exponential enrichment: RNA ligans to bacteriopharge T4 DNA polymerase, Science, 249, 505-510, (1990)
本発明者らは、特定のタンパク質と結合してその特性を変化させることができるアプタマー部分と、アプタマー部分に結合し、かつ、高周波誘導加熱によって発熱しうる導電性粒子とを含むアプタマーを用いて、該アプタマーと特定のタンパク質とを接触させた状態で高周波誘導加熱を行うことにより、特定のタンパク質の特性を制御しうることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の目的は、高周波誘導加熱によって、指示タンパク質の特性を制御することができるアプタマー・導電性粒子複合体、アプタマー・導電性粒子・プローブ複合体、および指示タンパク質の特性を制御する方法を提供することである。
本発明の第1の態様のアプタマー・導電性粒子複合体は、
指示タンパク質と結合して該指示タンパク質の特性を変化させることができるアプタマー部分と、
前記アプタマー部分に結合し、かつ、高周波誘導加熱によって発熱しうる導電性粒子と、
を含む。
高周波誘導加熱とは、被加熱物に高周波交流磁場(RFMF: Radio-Frequency magnetic field)を照射し、交流電流によって被加熱物の表面付近に高密度のうず電流を発生させることにより生じるジュール熱によって、被加熱物の表面を加熱することをいう。
前記アプタマー・導電性粒子複合体は、前記アプタマー部分と前記指示タンパク質とを結合させた状態で高周波誘導加熱を行うことにより、前記指示タンパク質の特性を制御するためのアプタマー・導電性粒子複合体であることができる。
前記アプタマー・導電性粒子複合体において、前記アプタマー部分と前記指示タンパク質とを結合させた状態で高周波誘導加熱を行うことにより、前記アプタマー部分と前記指示タンパク質との結合様式が変化することができる。
この場合、前記高周波誘導加熱は、前記アプタマー部分の少なくとも一部とハイブリダイズしうるプローブ部分の存在下で行なわれ、前記高周波誘導加熱によって、前記アプタマー部分の少なくとも一部と前記プローブ部分とがハイブリダイズすることにより、前記アプタマー部分と前記指示タンパク質との結合様式が変化することができる。
前記アプタマー・導電性粒子複合体において、前記結合様式の変化は、前記アプタマー部分と前記指示タンパク質との結合が弱まることであることができる。
前記アプタマー・導電性粒子複合体において、前記結合様式の変化は、前記アプタマー部分と前記指示タンパク質との結合が強まることであることができる。
前記アプタマー・導電性粒子複合体において、前記指示タンパク質が酵素であることができる。
この場合、前記酵素がトロンビンであることができる。
前記アプタマー・導電性粒子複合体において、前記導電性粒子が金粒子であることができる。
本発明の第2の態様のアプタマー・導電性粒子・プローブ複合体は、
指示タンパク質と結合して該指示タンパク質の特性を変化させることができるアプタマー部分と、
前記アプタマー部分に結合し、かつ、高周波誘導加熱によって発熱しうる導電性粒子と、
前記アプタマー部分の少なくとも一部とハイブリダイズするプローブ部分と、
を含む。
前記アプタマー・導電性粒子・プローブ複合体において、前記指示タンパク質が酵素であることができる。
この場合、前記酵素がトロンビンであることができる。
前記アプタマー・導電性粒子・プローブ複合体において、前記導電性粒子が金粒子であることができる。
本発明の第3の態様の指示タンパク質の特性を制御する方法は、
指示タンパク質と結合して該指示タンパク質の特性を変化させることができるアプタマー部分と、前記アプタマー部分に結合し、かつ、高周波誘導加熱によって発熱しうる導電性粒子と、を含むアプタマーを準備し、
前記アプタマーと前記指示タンパク質とを接触させた状態で高周波誘導加熱を行うこと、
を含む。
前記方法において、前記高周波誘導加熱は、前記アプタマー部分の少なくとも一部とハイブリダイズしうるプローブ部分の存在下で行なわれ、前記高周波誘導加熱によって、前記アプタマー部分の少なくとも一部と前記プローブ部分とがハイブリダイズすることにより、前記アプタマー部分と前記指示タンパク質との結合様式が変化することができる。
この場合、前記結合様式の変化は、前記アプタマー部分と前記指示タンパク質との結合が弱まることであることができる。
前記方法において、前記指示タンパク質が酵素であることができる。
この場合、前記酵素がトロンビンであることができる。
前記方法において、前記導電性粒子が金粒子であることができる。
前記アプタマー・導電性粒子複合体、アプタマー・導電性粒子・プローブ複合体、および指示タンパク質の特性を制御する方法によれば、高周波誘導加熱によって、指示タンパク質の特性を制御することができる。特に、高周波誘導加熱を用いることにより、高周波交流磁場が照射された領域のみを局所加熱することが可能であるため、高周波交流磁場が照射された領域においてのみ指示タンパク質の特性を制御することができる。すなわち、高周波交流磁場が照射された領域以外の領域は加熱されないため、高周波交流磁場が照射された領域以外の領域にダメージが加わることがない。
以下、本発明の一実施形態に係るアプタマー・導電性粒子複合体、アプタマー・導電性粒子・プローブ複合体、および指示タンパク質の特性を制御する方法について詳細に説明する。
1.アプタマー、アプタマー・プローブ複合体、および指示タンパク質の特性を制御する方法
1.1.アプタマー
本発明の一実施形態に係るアプタマーは、指示タンパク質と結合して該指示タンパク質の特性を変化させることができるアプタマーであって、加熱によって、前記アプタマーの少なくとも一部と、前記アプタマーの少なくとも一部とハイブリダイズしうるプローブとがハイブリダイズすることにより、前記アプタマーと前記指示タンパク質との結合様式が変化する。
本明細書において、「アプタマー」とは、特定の分子に結合する核酸リガンドを表す。本実施形態に係るアプタマーは、DNA合成機で固相合成することにより容易に製造することができる。
これまでにアプタマーが得られているターゲットの例としては、以下のものが挙げられる:T4DNAポリメラーゼ、R17コートタンパク質、MS2コートタンパク質、E.Coli S1タンパク質、E.Coli rhoタンパク質、E.Coli 30S粒子+S1、E.Coli 30S粒子−S1、E.Coli metJタンパク質、QBレプリカーゼ、HIV−1 Revタンパク質、HIV−1 tatタンパク質、HIV−1 intタンパク質、HIV−1リバーストランスクリプターゼ、MMLVリバーストランスクリプターゼ、AMVリバーストランスクリプターゼ、FIVリバーストランスクリプターゼ、HTLV−1 rexペプチド、U1A、U2AF、トロンビン、エラスターゼ、テオフィリン、ヒト絨毛性腺刺激ホルモン、pPLA2、NGF、bFGF、VEGF、抗gp−10抗体、SLEモノクローナル抗体、抗インスリンレセプター、IgE、FMN、AMP、アルギニン、シトルリン、トブラマイシン、ネオマイシンB、ヘマトポルフィリン、キチン、コール酸(Hermann, et, al., (2000), Adaptive recognition by nucleic acid aptamers, Science, 287, 820-825.)。また、アプタマーの選択および応用に関するさらに詳細な説明は、Osborene SE, Ellington, AD. (1997), Nucleic Acid Selection and the Challenge of Combinatorial Chemistry. Chem Rev. Apr1; 97(2):349-370に見いだすことができる。
本実施形態に係るアプタマーは、アプタマーと指示タンパク質とを結合させた状態で加熱を行うことにより、指示タンパク質の特性を制御するためのアプタマーであることができる。より具体的には、本実施形態に係るアプタマーは、アプタマーと指示タンパク質とを結合させた状態で加熱を行うことにより、アプタマーと指示タンパク質との結合様式を変化させることができる。
すなわち、このアプタマーの少なくとも一部とハイブリダイズしうるプローブおよび指示タンパク質の存在下で、加熱によって、アプタマーの少なくとも一部とプローブとがハイブリダイズすることにより、アプタマーと指示タンパク質との結合様式が変化し、その結果、指示タンパク質の特性が変化する。この結合様式の変化は、アプタマーの構造の変化によるか、またはプローブの構造による立体障害によるものと考えられる。しかしながら、本実施形態に係るアプタマーは、結合様式の変化のメカニズムにより限定されるものではない。
ここで、結合様式の変化は、例えば、アプタマーと指示タンパク質との結合が弱まることである。指示タンパク質が酵素である場合、アプタマーと酵素との結合が弱まることにより、アプタマーによる酵素活性の阻害が軽減され、その結果、酵素活性を高めることができる。あるいは、結合様式の変化は、アプタマー部分と指示タンパク質との結合が強まることであってもよい。
1.2.指示タンパク質の特性を制御する方法
本実施形態に係る指示タンパク質の特性を制御する方法は、指示タンパク質と結合して該指示タンパク質の特性を変化させることができるアプタマーを準備し、アプタマーと指示タンパク質とを接触させた状態で加熱を行うこと、を含む。
上述したように、加熱は、アプタマーの少なくとも一部とハイブリダイズしうるプローブの存在下で行なわれ、加熱によって、アプタマーの少なくとも一部とプローブとがハイブリダイズすることにより、アプタマーと指示タンパク質との結合様式が変化することができる。ここで、上述したように、結合様式の変化は、例えば、アプタマーと指示タンパク質との結合が弱まることであってもよいし、あるいは、結合様式の変化は、アプタマー部分と前記指示タンパク質との結合が強まることであってもよい。
1.3.指示タンパク質
指示タンパク質とは、その特性の変化により検出可能なシグナルを生ずるタンパク質である。指示タンパク質としては、例えば、酵素、蛍光タンパク質、レセプター、特定のレセプターと結合するリガンド等を用いることができる。好ましい指示タンパク質は酵素である。トロンビンは、活性の測定が容易であること、および活性を阻害するアプタマーが複数報告されていることから、本発明において指示タンパク質として用いるのに特に適している。さらに、SELEXにより事実上あらゆる酵素に対してそれに結合するアプタマーを取得することが可能であるため、任意の酵素についてその活性を阻害するアプタマーを取得し、その配列に基づいて、本実施形態に係るアプタマーを設計することにより、その酵素を指示タンパク質として用いることができる。
指示タンパク質が酵素である場合、指示タンパク質の特性の変化は酵素活性の変化として容易に測定することができる。酵素活性の変化は、分光学的手法または電気化学的手法により測定することができる。例えば、酵素としてトロンビンを用いる場合、基質としてN−ベンゾイル−Phe−Val−Arg−p−ニトロアニリドを用い、遊離したp−ニトロアニリンの吸光度(410nm)を測定することによってトロンビンの活性を測定する。あるいは、血漿に終濃度が一定になるようにフィブリノーゲンおよびトロンビンを加え、トロンビンによるフィブリノーゲンの切断によって開始される血液凝固を測定することによって、トロンビンの活性を測定することもできる。血液凝固の測定は様々な方法があり、分光学的方法による屈折率の変化の測定、血漿に金属球を添加し血液凝固に伴うその運動の停止を観察する方法、水晶振動子、表面プラズモン共鳴、干渉増幅反射法(In terference Enhanced Reflection;IER)などによる測定も可能である。また、酵素として
は、ルシフェラーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、アルカリフォスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ等の検出用の標識として用いられるいずれの酵素も用いることができる。
酵素反応の検出法としては、従来からよく使われている比色法など様々な方法が利用できるが、好ましくは測定系を単純化することが可能であり、微小化、集積化、量産化が可能な電気化学的測定法である。
指示タンパク質としてレセプターを用いる場合、レセプターとそれに対するリガンドとの結合または解離の結果として放出される物質を分光学的方法で検出することができる。また、指示タンパク質として蛍光タンパク質を用いる場合、その蛍光特性を観察すればよい。
1.4.アプタマー・プローブ複合体
本実施形態に係るアプタマー・プローブ複合体は、指示タンパク質と結合して該指示タンパク質の特性を変化させることができるアプタマー部分と、アプタマー部分の少なくとも一部とハイブリダイズするプローブ部分と、を含む。
本発明において、「アプタマー部分」とは、指示タンパク質に対してアプタマーとして作用し、指示タンパク質と結合してそのタンパク質の特性を変化させることができる領域をいう。アプタマー部分としては、例えば、上述の本実施形態に係るアプタマーが挙げられる。
また、プローブ部分としては、例えば、アプタマー部分の少なくとも一部とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドが挙げられる。より具体的には、プローブ部分は、アプタマー部分の3’末端および5’末端の一方または両方の配列とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドであってもよい。
本実施形態に係るアプタマー・プローブ複合体は、例えば、アプタマー部分の少なくとも一部とハイブリダイズするプローブの存在下で、上述の本実施形態に係るアプタマーおよび指示タンパク質を加熱することにより、アプタマーと指示タンパク質との結合が弱まるとともに、該プローブと該アプタマーの少なくとも一部とがハイブリダイズすることにより形成される。
1.5.具体例
以下、図面を参照して、本実施形態に係るアプタマー、アプタマー・プローブ複合体、および該アプタマーを用いて指示タンパク質の特性を制御する方法の具体例について説明する。本具体例では、図1に示すアプタマーを用いて指示タンパク質の特性を制御する方法について説明する。
図1は、本実施形態に係るアプタマーの一具体例の構造を模式的に示す図である。図2は、本実施形態に係るアプタマーを用いて指示タンパク質の特性を制御する方法の一具体例を模式的に示す図である。なお、図2に示されるアプタマーおよびアプタマー・プローブ複合体の構造は、単に本実施形態に係る指示タンパク質の特性を制御する方法の原理および概念を説明するための模式図であって、本実施形態に係るアプタマーおよびアプタマー・プローブ複合体の立体構造、指示タンパク質との結合様式、およびそれらの変化のしかたを限定するものではない。
図2は、アプタマー10の3’末端とプローブ11とのハイブリダイゼーションにより、指示タンパク質40との結合が弱まるアプタマー10の例を示している。本具体例においては、このアプタマー10はトロンビンアプタマーであり、指示タンパク質40はトロンビンである場合を示す。トロンビンアプタマーの具体的な構造は図1に示されている。
プローブ11は、アプタマー10の少なくとも一部とハイブリダイズしうるものであり、アプタマー10の3’末端または5’末端の配列に相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドであることが好ましい。例えば図1には、アプタマー10の3’末端または5’末端の配列に相補的な配列を有する6つのオリゴヌクレオチドが例示されている。これらの6つのオリゴヌクレオチドはそれぞれ、アプタマー10の3’末端に相補的な配列を有する8−mer,9−mer,10−merプローブ、ならびに、アプタマー10の5’末端に相補的な配列を有する9−mer,10−mer,11−merプローブである。
8−merプローブ:5 ’CACTGGCC 3’(配列番号3)
9−merプローブ:5 ’CACTGGCCC 3’(配列番号4)
10−merプローブ:5 ’CACTGGCCCC 3’(配列番号2)
9−merプローブ:5 ’CTACCAGTG 3’(配列番号5)
10−merプローブ:5 ’CCTACCAGTG 3’(配列番号6)
11−merプローブ:5 ’ACCTACCAGTG 3’(配列番号7)
これらのオリゴヌクレオチドはいずれも、プローブ11として使用可能である。なお、図2には、プローブ11が、3’末端の配列に相補的な配列を有する10−merプローブ(配列番号2)である場合が示されている。
アプタマー10が加熱される前は、アプタマー10は指示タンパク質40と結合して、指示タンパク質40の酵素活性が阻害される(図2左図参照)。このアプタマー10に熱12が付加されると(図2中央図参照)、アプタマー10のコンフォメーションが変化し、アプタマー10の3’末端鎖および5’末端鎖の間の結合が切断される。その結果、プローブ11がアプタマー10の3’末端とハイブリダイズすることにより、アプタマー10は指示タンパク質40と強く結合することができず、指示タンパク質40であるトロンビンは、酵素活性を示す(図2右図参照)。これにより、アプタマー部分(アプタマー10)と、該アプタマー部分の3’末端の配列とハイブリダイズされたプローブ部分(プローブ11)とを含むアプタマー・プローブ複合体50が形成される。
なお、後述する実施例1において、プローブ11の存在下で図1に示すアプタマー10を加熱した場合における指示タンパク質40の活性を測定した実験の方法および結果を示す。
2.アプタマー・導電性粒子複合体、アプタマー・導電性粒子・プローブ複合体、および指示タンパク質の特性を制御する方法
2.1.アプタマー・導電性粒子複合体
本実施形態に係るアプタマー・導電性粒子複合体は、指示タンパク質と結合して該指示タンパク質の特性を変化させることができるアプタマー部分と、アプタマー部分に結合し、かつ、高周波誘導加熱によって発熱しうる導電性粒子と、を含む。
より具体的には、本実施形態に係るアプタマー・導電性粒子複合体は、アプタマー部分と指示タンパク質とを結合させた状態で高周波誘導加熱を行うことにより、指示タンパク質の特性を制御するためのアプタマー・導電性粒子複合体であることができる。
すなわち、このアプタマーの少なくとも一部とハイブリダイズしうるプローブおよび指示タンパク質の存在下で、高周波誘導加熱によって、アプタマーの少なくとも一部とプローブとがハイブリダイズすることにより、アプタマーと指示タンパク質との結合様式が変化し、その結果、指示タンパク質の特性が変化する。この結合様式の変化は、アプタマーの構造の変化によるか、またはプローブの構造による立体障害によるものと考えられる。しかしながら、本実施形態に係るアプタマーは、結合様式の変化のメカニズムにより限定されるものではない。
ここで、結合様式の変化は、例えば、アプタマーと指示タンパク質との結合が弱まることである。指示タンパク質が酵素である場合、アプタマーと酵素との結合が弱まることにより、アプタマーによる酵素活性の阻害が軽減され、その結果、酵素活性を高めることができる。
なお、高周波誘導加熱とともに、あるいは高周波誘導加熱を行う前後に加熱を行なってもよい。
本実施形態に係るアプタマー・導電性粒子複合体において、アプタマー部分としては、上記第1実施形態で例示したアプタマーを用いることができ、指示タンパク質としては、上記第1実施形態で例示した指示タンパク質を用いることができる。
導電性粒子の原料としては、高周波誘導加熱により発熱する材料であれば特に限定されず、例えば、金属、導電性ポリマーが挙げられる。金属としては、例えば、金、アルミ、銅、銀などの遷移金属が好ましく、金が特に好ましい。
導電性粒子として金粒子を用いる場合、金ナノ粒子複合体を使用することができる。金ナノ粒子複合体としては、例えば、NANOGOLD(商標)(ナノプローブ社(Nanoprobes, Inc.)などの市販の金ナノ粒子複合体を用いることができる。金ナノ粒子は、銀イオンによる光学的シグナル増幅が可能であり、かつ、凝集による色の変化を観察する検出法の構築が可能であるという利点がある。このため、金ナノ粒子とアプタマーとを結合させることにより、高感度なタンパク質検出を達成することができる。
また、導電性粒子のかわりに、磁性粒子を使用してもよい。ここで、磁性粒子は、例えばFeやFeなどの材料を含むことができる。
図5は、本実施形態に係るアプタマー・導電性粒子複合体の構造および該複合体の製造方法を模式的に示す図である。例えば、図5に示すように、5’末端にメルカプト基を有するアプタマー10と、金粒子−マレイミド複合体20とを反応させることにより、金粒子21が5’末端に結合したアプタマー・金粒子複合体30を得ることができる。
2.2.指示タンパク質の特性を制御する方法
本実施形態に係る指示タンパク質の特性を制御する方法は、指示タンパク質と結合して該指示タンパク質の特性を変化させることができるアプタマー部分と、アプタマー部分に結合し、かつ、高周波誘導加熱によって発熱しうる導電性粒子と、を含むアプタマー・導電性粒子複合体を準備し、アプタマーと指示タンパク質とを接触させた状態で高周波誘導加熱を行うこと、を含む。
上述したように、高周波誘導加熱は、アプタマーの少なくとも一部とハイブリダイズしうるプローブの存在下で行なわれ、高周波誘導加熱によって、アプタマーの少なくとも一部とプローブとがハイブリダイズすることにより、アプタマーと指示タンパク質との結合様式が変化することができる。ここで、上述したように、結合様式の変化は、例えば、アプタマーと指示タンパク質との結合が弱まることである。
本実施形態に係る指示タンパク質の特性を制御する方法によれば、高周波誘導加熱を用いることにより、高周波交流磁場が照射された領域のみを局所加熱することができる。これにより、高周波交流磁場が照射された領域においてのみ指示タンパク質の特性を制御することができる。すなわち、高周波交流磁場が照射された領域以外の領域は加熱されないため、高周波交流磁場が照射された領域以外の領域にダメージが加わることがない。なお、高周波誘導加熱は、例えば、所定の電気制御回路に信号発生器からの出力を増幅し、電磁場照射コイルに供給するためのインピーダンス整合回路を付加した装置により実現できる。
2.3.アプタマー・導電性粒子・プローブ複合体
本実施形態に係るアプタマー・導電性粒子・プローブ複合体は、指示タンパク質と結合して該指示タンパク質の特性を変化させることができるアプタマー部分と、アプタマー部分に結合し、かつ、高周波誘導加熱によって発熱しうる導電性粒子と、アプタマー部分の少なくとも一部とハイブリダイズするプローブ部分と、を含む。
本実施形態に係るアプタマー・プローブ複合体を製造するために用いられるアプタマーおよびプローブとしては、例えば、上述の第1実施形態で例示されたアプタマーおよびプローブをそれぞれ用いることができる。また、導電性粒子としては、例えば、上述の本実施形態で例示された導電性粒子を用いることができる。
また、「プローブ部分」とは、アプタマー部分の少なくとも一部とハイブリダイズすることができる領域をいう。プローブ部分としては、例えば、アプタマー部分の少なくとも一部とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドが挙げられる。より具体的には、プローブ部分は、アプタマー部分の3’末端および5’末端の一方または両方の配列とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドであってもよい。
本実施形態に係るアプタマー・プローブ複合体は、例えば、アプタマー部分の少なくとも一部とハイブリダイズするプローブの存在下で、上述の本実施形態に係るアプタマーおよび指示タンパク質を加熱することにより、アプタマーと指示タンパク質との結合が弱まるとともに、該プローブと該アプタマーの少なくとも一部とがハイブリダイズすることにより形成される。
2.4.具体例
以下、図面を参照して、本実施形態に係るアプタマー・導電性粒子複合体、アプタマー・導電性粒子・プローブ複合体、および該アプタマー・導電性粒子複合体を用いて指示タンパク質の特性を制御する方法の具体例について説明する。本具体例では、図5に示すアプタマー・導電性粒子複合体を用いて指示タンパク質の特性を制御する方法について説明する。
図6は、本実施形態に係るアプタマーを用いて指示タンパク質の特性を制御する方法の一具体例を模式的に示す図である。なお、図6に示されるアプタマー・導電性粒子複合体およびアプタマー・導電性粒子・プローブ複合体の構造は、単に本実施形態に係る指示タンパク質の特性を制御する方法の原理および概念を説明するための模式図であって、本実施形態に係る複合体の立体構造、指示タンパク質との結合様式、およびそれらの変化のしかたを限定するものではない。
図6は、アプタマー部分10の3’末端とプローブ11とのハイブリダイゼーションにより、指示タンパク質40との結合が弱まるアプタマー部分10の例を示している。本具体例においては、このアプタマー部分10はトロンビンアプタマーであり、指示タンパク質40はトロンビンである場合を示す。トロンビンアプタマー部分10の具体的な構造は図5に示されている。
また、プローブ11としては、上述の第1実施形態でプローブ11として例示したものを使用することができる。図6には、プローブ11がアプタマー部分10の3’末端の配列に相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドである場合が示されている。
アプタマー部分10に高周波交流磁場が照射される前は、アプタマー部分10は指示タンパク質40と結合して、指示タンパク質40の酵素活性が阻害される(図6左図参照)。このアプタマー部分10に高周波交流磁場13が照射されると、導電性粒子(金粒子)21が発熱して、熱12が発生する。この熱12がアプタマー部分10に付加されると(図6中央図参照)、アプタマー部分10のコンフォメーションが変化し、アプタマー部分10の3’末端鎖および5’末端鎖の間の結合が切断される。その結果、プローブ11がアプタマー部分10の3’末端とハイブリダイズすることにより、アプタマー部分10は指示タンパク質40と強く結合することができず、指示タンパク質40であるトロンビンは、酵素活性を示す(図6右図参照)。これにより、アプタマー部分(アプタマー)10と、アプタマー部分10に結合する導電性粒子(金粒子)21と、アプタマー部分10の3’末端の配列とハイブリダイズされたプローブ部分(プローブ)11とを含むアプタマー・導電性粒子・プローブ複合体60が形成される。
なお、後述する実施例2において、プローブ11の存在下で図5に示すアプタマー・導電性粒子複合体30を加熱した場合における指示タンパク質40の活性を測定した実験の方法および結果を示す。
3.実施例
以下、本発明の一実施形態に係るアプタマー、アプタマー・プローブ複合体、アプタマー・導電性粒子複合体、アプタマー・導電性粒子・プローブ複合体、および指示タンパク質の特性を制御する方法について、実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
3.1.実施例1
実施例1においては、DNA合成機で固相合成された、31−merトロンビンアプタマー(図1参照)を使用し、この31−merトロンビンアプタマーのステム部分の3’末端に相補的な10−merプローブの存在下で、31−merトロンビンアプタマーを加熱した場合、該プローブと31−merトロンビンアプタマーのステム部分とがハイブリダイズして、該アプタマーの構造およびトロンビンへの阻害能が変化するかどうかを確認した。
31−merトロンビンアプタマー:5 ’CACTGGTAGGTTGGTGTGGTTGGGGCCAGTG 3’(配列番号1)
10−merプローブ:5 ’CACTGGCCCC 3’(配列番号2)
まず、31−merトロンビンアプタマー(200nM)と、異なる濃度の10−merプローブ(200nM,600nM,1μM)と、バッファー(pH7.4、50mM Tris−HCl,5mM KCl,100mM NaCl)とを混合して全量90μl
とした溶液Aを、室温にて異なる時間(30,60,120,300s)インキュベートし、次いで急冷した後、この溶液とトロンビン(1Unit)(和光純薬工業)とを混合して溶液Bを調製した。次に、この溶液Bと1.4mg/mlのフィブリノーゲン100μl(和光純薬工業)とを混合して得られた溶液Cについて、凝固時間(秒)を測定した。その結果を図3(A)〜図3(C)に示す。
なお、本実施例および後述する実施例において、凝固時間は、溶液が固まる時間であり、凝固時間は、自動血液凝固測定装置(KC4A micro,AMELUNG)により
測定された。
図3(A)〜図3(C)はそれぞれ、10−merプローブの使用量が200nM,600nM,および1μMである場合のインキュベーション時間(秒)と溶液の凝固時間(秒)との関係を示す。なお、図3(A)〜図3(C)において、各インキュベーション時間におけるグラフはそれぞれ左から、測定対象となる溶液がバッファー(バッファーのみ使用し、31−merトロンビンアプタマーおよび10−merプローブを使用しない場合)のみの場合、ならびに、測定対象となる溶液がアプタマーを含みかつ10−merプローブの濃度がそれぞれ0nM,600nMである場合を示す。ここで、溶液の凝固時間が長いほど、31−merトロンビンアプタマーのトロンビンへの阻害能が高く、トロンビンの酵素活性(フィブリノーゲンからフィブリンに変換する能力)が低いといえる。
図3(A)〜図3(C)によれば、31−merトロンビンアプタマーと10−merプローブとのインキュベーション時間が短くなるにつれて、10−merプローブを混合した場合と混合しない場合との凝固時間の差が小さくなった(図2(A)〜図2(C)参照)。
以上の結果から、加熱により31−merトロンビンアプタマーの構造変化を生じさせ、31−merトロンビンアプタマーの3’末端と10−merプローブとをハイブリダイズさせることにより、31−merトロンビンアプタマーのトロンビンへの阻害能が変化するかを確認するためには、インキュベート時間は30秒間で、10−merプローブの濃度は600nMまたは1μMが適切だと考えられる。
3.2.実施例2
本実施例においては、31−merトロンビンアプタマーと異なる濃度の10−merプローブとを含む溶液を異なる温度にてインキュベートした場合における、該アプタマーのトロンビンの阻害能を測定した。
まず、31−merトロンビンアプタマー(200nM)と、異なる濃度の10−merプローブ(600nM,1μM)と、バッファー(pH7.4、50mM Tris−
HCl,5mM KCl,100mM NaCl)とを混合して、全量90μlとした溶液Cを、異なる温度(室温,30℃,50℃,70℃)で30秒間インキュベートし、次いで急冷した後、該溶液をトロンビン(1Unit)(和光純薬工業)と混合して、溶液Dを得た。溶液Dと1.4mg/mlのフィブリノーゲン100μl(和光純薬工業)とを混合して得られた溶液Eについて、凝固時間(秒)を測定した。その結果を図4に示す。なお、図4において、各温度のグラフはそれぞれ左から、測定対象となる溶液がバッファー(バッファーのみ使用し、31−merトロンビンアプタマーおよび10−merプローブを使用しない場合)のみの場合、ならびに、測定対象となる溶液がアプタマーを含みかつ10−merプローブの濃度がそれぞれ0nM,600nMである場合を示す。
図4によれば、31−merトロンビンアプタマーおよび10−merプローブを含む溶液を、室温および30℃でインキュベートする場合に比べて、50℃および70℃でインキュベートする場合、10−merプローブを使用する場合と使用しない場合との凝固時間の差が大きいことが理解できる。このことから、加熱により、31−merトロンビンアプタマーとトロンビンとの結合が弱まる結果、31−merトロンビンアプタマーのトロンビンの阻害能が低下し、トロンビンの酵素活性(フィブリノーゲンからフィブリンへの反応触媒活性)が上昇するため、凝固時間が短くなると推測される(図2参照)。
以上の結果から、図4に示すインキュベート条件によって、加熱により、31−merトロンビンアプタマーの構造変化を生じさせて、31−merトロンビンアプタマーの3’末端と10−merプローブとがハイブリダイズすることにより、31−merトロンビンアプタマーのトロンビンへの阻害能を減少させることができることが理解できる。
3.3.実施例3
3.3.1.アプタマー・金粒子複合体の調製
金ナノ粒子(直径1.4nm)30nmolに100μlのイソプロパノールを添加して混合物を得、該混合物をミリQで1/10に希釈して、全量1000μlとした(溶液F)。次に、31−merトロンビンアプタマー3nmolを溶液Fに添加し、4℃で24時間インキュベートした。次いで、得られた溶液Fについて、5mM NaHPO、150mM NaCl、pH6.5で平衡化したゲルろ過カラム(Suplex 75 16/60)を用いてゲルろ過クロマトグラフィーを行った。次に、ゲルろ過クロマトグラフィーで得られた画分を脱塩し凍結乾燥を行うことにより、アプタマー・金粒子複合体を調製した(図5参照)。
なお、上記ゲルろ過クロマトグラフィーで得られたピーク画分を11%未変性ポリアクリルアミド電気泳動(PAGE)により分離し、金粒子を可視化できる銀染色溶液LI Silverを用いて染色し、アプタマー・金粒子複合体形成の確認を行った。さらに、得られた該複合体のトロンビンへの阻害能を検討した。その結果を図8(A)〜図8(C)に示す。図8(A)は、上記ゲルろ過クロマトグラフィーで得られたピーク画分を示す。図8(B)は、前記ピーク画分のPAGE結果(銀染色後)を示し、図8(C)は、アプタマー・金粒子複合体のトロンビンへの阻害能を示す。図8(C)に示すアプタマー・金粒子複合体のトロンビンへの阻害能の測定は、実施例1と同様の方法にて行なった。
図8(A)に示すように、ゲルろ過クロマトグラフィーの結果、4つのピーク(ピーク1〜4)が得られた。得られたピークのうち、アプタマー・金粒子複合体と考えられるピーク(ピーク1,2)に対してPAGEを行った結果、図8(B)に示すように、銀染色が確認されたことから、ピーク1,2はアプタマー・金粒子複合体であると推測される。また、図8(C)に示すように、ピーク1,2はトロンビンに対して、31−merアプタマー単体と同等の阻害能を示したことから、ピーク1,2はアプタマー・金粒子複合体であると推測される。
3.3.2.アプタマー・金粒子複合体へのRFMFの照射
次に、上記3.3.1.で得られたアプタマー・金粒子複合体および10−merプローブ(1μM)を混合して全量90μlとした溶液Gに対して、RFMF(高周波交流磁場)を30秒間照射した後、トロンビン(1Unit)と混合した後、この溶液に1.4mg/mlのフィブリノーゲン100μlを混合して得られた溶液Hについて、凝固時間(秒)を測定した。その結果を図7に示す。図7において、「RFMFoff」とは、RFMFを照射しなかった場合の溶液の凝固時間を示し、「RFMFon」とは、RFMFを照射した場合の溶液Hの凝固時間を示す。なお、本実施例において、バッファーの終濃度は、50nM Tris−HCl,5mM KCl,100mM NaCl,pH=7.4であった。
図7によれば、アプタマー・金粒子複合体および10−merプローブを含む溶液を室温でインキュベートした場合の溶液の凝固時間に比べて、RFMFを照射した場合の溶液の凝固時間は減少した。また、30℃および50℃でそれぞれインキュベートした場合の溶液の凝固時間も減少した。
以上の結果より、アプタマー・金粒子複合体を加熱することにより、該複合体の構造が変化し、31−merトロンビンアプタマー部分の3’末端と10−merプローブとがハイブリダイズするため、31−merトロンビンアプタマー部分とトロンビンとの結合が弱まる結果、該複合体のトロンビンへの阻害能が変化(減少)することが理解できる(図6参照)。
また、アプタマー・金粒子複合体にRFMF照射することにより、金粒子が発熱し、該複合体にこの熱が付与されて、該複合体に構造変化が生じることが理解できる。より具体的には、図6に示すように、31−merトロンビンアプタマー・金粒子複合体にRFMF照射することにより、金粒子が発熱し、該複合体にこの熱が付与されることにより、31−merトロンビンアプタマー部分の3’末端の配列と5’末端の配列との間の結合が弱まり、31−merトロンビンアプタマー部分の3’末端と10−merプローブとがハイブリダイズする。これにより、該複合体に構造変化が生じ、31−merトロンビンアプタマー部分とトロンビンとの結合が弱まる結果、31−merトロンビンアプタマー部分のトロンビンの阻害能が低下し、トロンビンの酵素活性(フィブリノーゲンからフィブリンへの反応触媒活性)が上昇するため、凝固時間が短くなると推測される。
以上により、31−merトロンビンアプタマー部分の少なくとも一部とハイブリダイズしうるプローブの存在下、31−merトロンビンアプタマー・金粒子複合体にRFMF照射することにより、トロンビンの活性を制御できることが理解できる。
3.4.実施例4(アプタマー・金粒子複合体へのRFMF照射による指示タンパク質(トロンビン)の酵素活性への影響)
上記3.3.1.で得られたアプタマー・金粒子複合体(100nM)とトロンビン(13.5nM)とを混合して得られた溶液100μlに対してRFMF(高周波交流磁場)(1GHz,1.5W)を5、15、30分間照射した。次に、この溶液に2mg/mlのフィブリノーゲン100μlを混合して得られた溶液について、凝固時間(秒)を測定した。その結果を図9に示す。
なお、図9において、「RFMFoff」は、RFMFを照射しなかった場合の溶液の凝固時間を示し、「RFMFon」は、RFMFを照射した場合の溶液の凝固時間を示す。
図9によれば、RFMFを5、15、30分間照射しても、凝固時間は殆ど減少しなかったことが理解できる。これにより、RFMF照射によるアプタマー・金粒子複合体の高周波誘導加熱によってトロンビンは殆ど失活しないことが確認された。
3.5.実施例5(プローブ存在下でのアプタマー・金粒子複合体へのRFMF照射による指示タンパク質(トロンビン)の酵素活性の測定)
上記3.3.1.で得られたアプタマー・金粒子複合体(100nM)と、15−merのプローブ(100nM、配列番号8)と、トロンビン(13.5nM)とを混合して得られた溶液100μlに対してRFMF(高周波交流磁場)(1GHz,1.5W)を5分間照射した。次に、この溶液に2mg/mlのフィブリノーゲン100μlを混合して得られた溶液について、凝固時間(秒)を測定した。その結果を図10に示す。
なお、図10において、「RFMFoff」は、RFMFを照射しなかった場合の溶液の凝固時間を示し、「RFMFon」は、RFMFを照射した場合の溶液の凝固時間を示し、「複合体・トロンビンのみ」とは、プローブを混合せずにアプタマー・金粒子複合体とトロンビンとを混合してRFMF照射を行った場合における凝固時間を示し、「トロンビンのみ」とは、プローブおよびアプタマー・金粒子複合体を混合せずにトロンビンのみにRFMF照射を行った場合における凝固時間を示す。
15−merプローブ:5 ’CACTGGCCCCAACCA3’(配列番号8)
図10によれば、RFMF照射により凝固時間が減少したことが確認された。この結果から、指示タンパク質(トロンビン)存在下におけるRFMF照射によりアプタマー・金粒子複合体が加熱される結果、アプタマーとプローブとのハイブリダイズが進行するため、アプタマーと指示タンパク質(トロンビン)との結合が弱まり、遊離の指示タンパク質(トロンビン)が増加したため、指示タンパク質(トロンビン)の酵素活性が上昇したと推測される。すなわち、指示タンパク質(トロンビン)存在下において、RFMF照射の有無によりアプタマー・金粒子複合体の機能を制御することができることが確認された。
3.6.実施例6(プローブ存在下でのアプタマー・金粒子複合体へのRFMF照射による指示タンパク質(トロンビン)の酵素活性の測定)
上記3.3.1.で得られたアプタマー・金粒子複合体(200nM)と、20−merのプローブ(200nM、配列番号9)とを混合して得られた溶液90μlを室温で12時間インキュベートした。次に、この溶液にトロンビン(13.5nM)を混合して得られた溶液100μlを室温で30秒間インキュベートした後、この溶液にRFMF(高周波交流磁場)(1GHz,1.5W)を30分間照射した。次に、この溶液に2mg/mlのフィブリノーゲン100μlを混合して得られた溶液について、凝固時間(秒)を測定した。その結果を図11に示す。
なお、図11において、「RFMFoff」は、RFMFを照射しなかった場合の溶液の凝固時間を示し、「RFMFon」は、RFMFを照射した場合の溶液の凝固時間を示す。
20−merプローブ:5 ’ CACTGGCCCCAACCACACCA 3’(配列番号9)
図11によれば、RFMF照射により凝固時間が増加したことが確認された。これにより、RFMF照射によってアプタマーとプローブとのハイブリダイゼーションが解離し、指示タンパク質(トロンビン)とアプタマーとの結合が強まったため、指示タンパク質(トロンビン)の酵素活性が低下して、凝固時間が増加したと推測される。
3.7.実施例7(指示タンパク質(トロンビン)非存在下でのアプタマー・金粒子複合体へのRFMF照射後の指示タンパク質(トロンビン)の酵素活性の測定)
上記3.3.1.で得られたアプタマー・金粒子複合体(200nM)と、10−merのプローブ(1μM、配列番号2)とを混合して得られた溶液100μlに対してRFMF(高周波交流磁場)(1GHz,1.5W)を30秒間、30分間、または1時間照射した。次に、この溶液にトロンビン(13.5nM)および2mg/mlのフィブリノーゲン100μlを混合して得られた溶液について、凝固時間(秒)を測定した。その結果を図12に示す。
なお、図12において、「RFMF」は、RFMFを照射しなかった場合の溶液の凝固時間を示し、「RFMFon」は、RFMFを照射した場合の溶液の凝固時間を示す。
10−merプローブ:5 ’CACTGGCCCC3’(配列番号2)
図12によれば、RFMF照射により凝固時間が減少したことが確認された。これにより、RFMF照射によってアプタマーとプローブとのハイブリダイゼーションが進行し、指示タンパク質(トロンビン)とアプタマーとの結合が弱まり、遊離の指示タンパク質(トロンビン)が増加したため、指示タンパク質(トロンビン)の酵素活性が増加して、凝固時間が減少したと推測される。
3.8.実施例8(アプタマー・金粒子複合体へのRFMF照射によるアプタマーとプローブとのハイブリダイゼーションの確認)
上記3.3.1.で得られたアプタマー・金粒子複合体(200nM)と、10−merのプローブ(1μM、配列番号2)とを混合して得られた溶液100μlに対してRFMF(高周波交流磁場)(1GHz,1.5W)を30分間照射した。次に、この溶液について11%ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)による解析を行った。その結果を図13に示す。
なお、図13において、「RFMF」は、RFMFを照射しなかった場合の溶液の凝固時間を示し、「RFMFon」は、RFMFを照射した場合の溶液の凝固時間を示し、「FITC」は、蛍光ラベル化剤(フルオレセイン イソチオシアネート(Fluorescein isothiocianate))を示す。
10−merプローブ:5 ’CACTGGCCCC3’(配列番号2)
図13によれば、RFMF照射を行ったレーン3,4は、RFMF照射を行わなかったレーン1,2よりもバンド強度が強いことが確認された。この結果から、RFMF照射によってアプタマーとプローブとのハイブリダイゼーションが進行したと推測される。
本発明のアプタマー・導電性粒子複合体は、タンパク質、酵素、核酸、小分子等の特性の制御に有用である。
図1は、本発明の第1実施形態に係るアプタマーの構造、該アプタマーの少なくとも一部に相補的なプローブの配列を模式的に示す図である。 図2は、本発明の第1実施形態に係るアプタマーを加熱することにより、アプタマーと指示タンパク質との結合様式が変化する機構を模式的に示す図である。 図3(A)〜図3(C)は、本発明の第1実施形態に係るアプタマーを、該アプタマーの少なくとも一部とハイブリダイズしうるプローブの存在下で加熱して得られたアプタマー・プローブ複合体を用いて、トロンビン阻害能を測定した結果を示す(図3(A)〜図3(C)はそれぞれ、プローブの量が200nM,600nM,1μMの場合を示す)。 図4は、実施例1において、該アプタマーの少なくとも一部とハイブリダイズしうるプローブの存在下で、アプタマーを室温、30℃、50℃、および70℃にそれぞれ加熱して得られたアプタマー・プローブ複合体を用いて、トロンビン阻害能を測定した結果を示す。 図5は、本発明の第2実施形態に係るアプタマー・導電性粒子複合体の構造および該複合体の製造方法を模式的に示す図である。 図6は、プローブの存在下で、本発明の第2実施形態に係るアプタマー・導電性粒子複合体を高周波誘導加熱することにより、アプタマー部分と指示タンパク質との結合様式が変化する機構を模式的に示す図である。 図7は、実施例2で得られたアプタマー・導電性粒子複合体を、該複合体のアプタマー部分の少なくとも一部とハイブリダイズしうるプローブの存在下で、高周波誘導加熱または30℃および50℃にそれぞれ加熱して得られたアプタマー・導電性粒子・プローブ複合体を用いて、トロンビン阻害能を測定した結果を示す。 図8(A)は、実施例2において、ゲルろ過クロマトグラフィーで得られたピーク画分を示し、図8(B)は、前記ピーク画分のPAGE結果(銀染色後)を示し、図8(C)は、アプタマー・金粒子複合体のトロンビンへの阻害能の測定結果を示す。 図9は、実施例4において、RFMF照射を行った場合およびRFMF照射を行わなかった場合におけるアプタマー・金粒子複合体の指示タンパク質(トロンビン)への阻害能の測定結果を示す。 図10は、実施例5において、15mer−プローブ存在下において、RFMF照射を行った場合およびRFMF照射を行わなかった場合におけるアプタマー・金粒子複合体の指示タンパク質(トロンビン)への阻害能の測定結果を示す。 図11は、実施例6において、20mer−プローブ存在下において、RFMF照射を行った場合およびRFMF照射を行わなかった場合におけるアプタマー・金粒子複合体の指示タンパク質(トロンビン)への阻害能の測定結果を示す。 図12は、実施例7において、10mer−プローブ存在下およびトロンビン非存在下において、アプタマー・金粒子複合体にRFMF照射を行った場合およびRFMF照射を行わなかった場合におけるアプタマー・金粒子複合体の指示タンパク質(トロンビン)への阻害能の測定結果を示す。 図13は、実施例8において、10mer−プローブ存在下でアプタマー・金粒子複合体にRFMF照射を行った場合およびRFMF照射を行わなかった場合におけるハイブリダイゼーション形成能の測定結果を示す。
符号の説明
10・・・アプタマー(アプタマー部分)
11・・・プローブ(プローブ部分)
12・・・熱
13・・・RFMF(高周波誘導磁場)
20・・・導電性粒子−マレイミド複合体(金粒子−マレイミド複合体)
21・・・導電性粒子(金粒子)
22・・・マレイミド
30・・・アプタマー・導電性粒子複合体
40・・・指示タンパク質
50・・・アプタマー・プローブ複合体
60・・・アプタマー・導電性粒子・プローブ複合体

Claims (14)

  1. 指示タンパク質と結合して該指示タンパク質の特性を変化させることができるアプタマー部分と、
    前記アプタマー部分に結合し、かつ、高周波誘導加熱によって発熱しうる導電性粒子と、
    を含み、
    前記アプタマー部分の少なくとも一部とハイブリダイズしうるプローブ部分の存在下で、前記アプタマー部分と前記指示タンパク質とを結合させた状態で高周波誘導加熱を行うことにより、
    前記アプタマー部分の少なくとも一部と前記プローブ部分とがハイブリダイズすることにより、前記アプタマー部分と前記指示タンパク質との結合を弱める、アプタマー・導電性粒子複合体。
  2. 指示タンパク質と結合して該指示タンパク質の特性を変化させることができるアプタマー部分と、
    前記アプタマー部分に結合し、かつ、高周波誘導加熱によって発熱しうる導電性粒子と、
    を含み、
    前記アプタマー部分の少なくとも一部とハイブリダイズしうるプローブ部分の存在下で、前記アプタマー部分および前記プローブ部分がハイブリダイズした状態で、かつ、前記アプタマー部分と前記指示タンパク質とを結合させた状態で、高周波誘導加熱を行うことにより、
    前記アプタマー部分の少なくとも一部と前記プローブ部分とのハイブリダイゼーションを解離させることにより、前記アプタマー部分と前記指示タンパク質との結合を強める、アプタマー・導電性粒子複合体。
  3. 請求項1または2において、
    前記指示タンパク質が酵素である、アプタマー・導電性粒子複合体。
  4. 請求項3において、
    前記酵素がトロンビンである、アプタマー・導電性粒子複合体。
  5. 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    前記導電性粒子が金粒子である、アプタマー・導電性粒子複合体。
  6. 指示タンパク質と結合して該指示タンパク質の特性を変化させることができるアプタマー部分と、
    前記アプタマー部分に結合し、かつ、高周波誘導加熱によって発熱しうる導電性粒子と、
    前記アプタマー部分の少なくとも一部とハイブリダイズするプローブ部分と、
    を含む、アプタマー・導電性粒子・プローブ複合体。
  7. 請求項6において、
    前記指示タンパク質が酵素である、アプタマー・導電性粒子・プローブ複合体。
  8. 請求項7において、
    前記酵素がトロンビンである、アプタマー・導電性粒子・プローブ複合体。
  9. 請求項6ないし8のいずれかにおいて、
    前記導電性粒子が金粒子である、アプタマー・導電性粒子・プローブ複合体。
  10. 指示タンパク質と結合して該指示タンパク質の特性を変化させることができるアプタマー部分と、前記アプタマー部分に結合し、かつ、高周波誘導加熱によって発熱しうる導電性粒子と、を含むアプタマー・導電性粒子複合体を準備し、
    前記アプタマー部分と前記指示タンパク質とを接触させた状態で高周波誘導加熱を行うこと、
    を含み、
    前記高周波誘導加熱は、前記アプタマー部分の少なくとも一部とハイブリダイズしうるプローブ部分の存在下で行なわれ、
    前記高周波誘導加熱によって、前記アプタマー部分の少なくとも一部と前記プローブ部分とがハイブリダイズすることにより、前記アプタマー部分と前記指示タンパク質との結合が弱まる、指示タンパク質の特性を制御する方法。
  11. 指示タンパク質と結合して該指示タンパク質の特性を変化させることができるアプタマー部分と、前記アプタマー部分に結合し、かつ、高周波誘導加熱によって発熱しうる導電性粒子と、を含むアプタマー・導電性粒子複合体を準備し、
    前記アプタマー部分の少なくとも一部とハイブリダイズしうるプローブ部分の存在下で、前記アプタマー部分および前記プローブ部分がハイブリダイズした状態、かつ前記アプタマー部分と前記指示タンパク質とを接触させた状態で高周波誘導加熱を行うこと、
    を含み
    記高周波誘導加熱によって、前記アプタマー部分の少なくとも一部と前記プローブ部分とのハイブリダイゼーションを解離させることにより、前記アプタマー部分と前記指示タンパク質との結合が強まる、指示タンパク質の特性を制御する方法。
  12. 請求項10または11において、
    前記指示タンパク質が酵素である、指示タンパク質の特性を制御する方法。
  13. 請求項12において、
    前記酵素がトロンビンである、指示タンパク質の特性を制御する方法。
  14. 請求項10ないし13のいずれかにおいて、
    前記導電性粒子が金粒子である、指示タンパク質の特性を制御する方法。
JP2007091883A 2006-03-31 2007-03-30 アプタマー・導電性粒子複合体、アプタマー・導電性粒子・プローブ複合体、および指示タンパク質の特性を制御する方法 Active JP5145554B2 (ja)

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