JPWO2005047698A1 - 容量制御弁 - Google Patents

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Abstract

容量制御弁のソレノイドロッド部と作動ロッドとの連結部の摩耗を防止すると共に、可動鉄心と作動ロッドとの摩擦係数を低減して容量制御弁の制御流体の制御精度を向上することにある。そして、容量制御弁(1)は、ソレノイド部(30)に有するチューブ(33)と、チューブ(33)に嵌合する外周面(32A)に摺動面(32A1)と摺動面(32A1)より小径の非接触周面(32A2)を有すると共に、摺動面(32A1)の軸方向長さ(L2)が非接触周面(32A2)の軸方向長(L1−L2)さより短く形成された可動鉄心と、可動鉄心と結合して端部に連結面(2D1)を有するソレノイドロッド部(2D)と、ソレノイドロッド部(2D)の連結面(2D1)と係合する接合部(2E)を有すると共に、制御流体通孔(14)が開閉される弁体(3)を有する作動ロッド(2)とを具備し、ソレノイドロッド部(2D)の連結面(2D1)と作動ロッド(2)の接合部(2E)とは一方が底面(2D1A)を有する凹状円錐面(2D1B)に形成されていると共に、他方が裁頭面(2E1)を有する凸状円錐部(2E2)に形成されているものである。

Description

本発明は、可動心とソレノイドロッドと弁体とを摺動させ、制御室内の作動流体の容量又は圧力を弁体の開弁・閉弁により可変可能に制御する容量制御弁に関する。更に詳しくは、弁体に連結したソレノイドロッドと可鉄芯との摺動抵抗を改善した容量制御弁に係わるものである。
本発明の関連技術として可変容量型圧縮機用の容量制御弁が知られている。この容量制御弁は作動ロッドに弁体が設けてあり、この弁体はソレノイド部のソレノイドロッドの作動により開弁・閉弁する。そして、このソレノイドロッドは可動鉄心に連結して一対の固定鉄心に設けられた孔に摺動自在に嵌合している(例えば、特開2001−342946公報の図1を参照)。
図6の容量制御弁100は、特許文献1の図1に開示された容量制御弁と類似する。図6において、バルブハウジング105には軸方向に貫通する貫通孔が設けられている。この貫通孔には、吐出弁孔110Cと吸入弁孔110Dと第1案内孔110Eと第2案内孔110Fが設けられている。叉、吐出弁孔110Cと吸入弁孔110Dとの間には弁室111が設けている。更に、吸入弁孔110Dに連通する第1吸入圧力通路110B1が設けられている。又、吐出弁孔110Cに連通する吐出圧力通路110Aが形成されている。そして、図示下部には貫通孔に連通する第2吸入圧力通路110B2が設けられている。
バルブハウジング105は、第1バブルハウジング105Aと第2バブルハウジング105Bとの両端部が螺合して一体に形成されている。この第1バブルハウジング105Aの端部には、ばね室120が形成されている。このばね室120の開口一端には、ばね座部122が螺合されている。このばね座部122と作動ロッド101との間には、ばね121が配置されている。そして、ばね座部122のねじをねじ込んで、ばね121のばね力を調整する。このばね121は図示上方へ作動ロッド101を弾発に押圧している。
バルブハウジング105の貫通孔には、作動ロッド101が配置されている。この作動ロッド101は、第1案内孔110Eと摺動する第1ストッパ101Eと、弁室111内に配置された弁体101Aと、第2ストッパ101Fと摺動自在に嵌合する第2案内孔110Fとが一体に形成されている。叉、固定鉄心132のロッド用孔132Aと摺動自在に嵌合するソレノイドロッド101Cの端面が作動ロッド101の端面に平面状態で接合している。又、弁体101Aには両端面に弁面が形成されており、この弁体101Aの両弁面がバルブハウジング105の弁室111に設けた両弁座と互いに離接して吐出弁孔110Cと、吸入弁孔110Dとの弁開度を交互に開閉する。この弁体101Aが吐出弁孔110Cを開く方向へ移動することにより、吐出圧力通路110Aの吐出圧力流体がクランク室圧力通路110Gへ盛んに流入する。同時に、この弁体101Aが吸入弁孔110Dを閉じる方向へ移動することになるので、吸入圧力通路110B1から流入する吸入圧力流体がクランク室圧力通路110Gへ流出するのをしぼることになる。
この弁体101Aと一体の作動ロッド101は、第1ストッパ101Eが第1案内孔110Eと摺動する。叉、第2ストッパ101Fが第2案内孔110Fと摺動する。更に、弁体101Aの弁面が弁座と離接する。この為に、第1ストッパ101Eと、第2ストッパ101Fと、弁体101Aとの各摺動面の摩擦・摩耗を防止するために、摺動面の摺動抵抗を低減しなければならない。
バルブハウジング105の他端にはソレノイド部130が設けられている。ソレノイド部130は可動鉄心131と固定鉄心132と電磁コイル135から構成されている。この電磁コイル135の磁励により可動鉄心131が作動してソレノイドロッド101Cを移動させる。このソレノイドロッド101Cは固定鉄心132のロッド用孔132Aに案内されて摺動する。叉、吸入圧力通路110B1からの吸入圧力Psの流体の一部は、ソレノイドロッド101Cの外周面の間隙を通過して可動鉄心室136内に流入する。そして、可動鉄心室136内の圧力とばね室120内の圧力を均等にさせて両側に作用する力を釣り合わせる。
この容量制御弁100は、ソレノイド部130に通電される電流の大きさによる作動力と、ばね121の反力とにより作動ロッド101を作動させて弁体101Aにより吐出弁孔110Cと吸入弁孔110Dを交互に開閉する。この吐出弁孔110Cと、吸入弁孔110Dの相反する弁体101Aの開閉度の制御により、吐出圧力Pdの流体と吸入圧力Psの流体が、図示省略の圧縮機のクランク室に流入して斜板を制御する。
この容量制御弁100の作動ロッド101は、両端側にある第1ストッパ101Eと第2ストッパ101Fの軸芯が同一に形成されて、バルブハウジング105の第1案内孔110Eと第2案内孔110Fとに嵌合して摺動する。更に、各弁面は作動ロッド101の軸芯に対して直角に形成されて各弁座と接面する。しかし、作動ロッド101は、長いために軸芯が曲がることがある。更に、作動ロッド101は小径でもある。叉、可動鉄心131はチューブ134の内周面と嵌合して摺動する。更に、この可動鉄心131に結合しているソレノイドロッド101Cも固定鉄芯32のロッド用孔132Aと摺動する。この為に、作動時に、可動鉄心131と作動ロッド101の摺動抵抗が増大する。そして、ばね121により作動ロッド101を作動させるとき、更に、電流の強さによりソレノイド部130を作動させるとき、可動鉄心131及び作動ロッド101の作動する応答が、ばね121のばね力やソレノイド部130の電流の大きさに対応しなくなるおそれがある。そして、容量制御弁100の制御で圧縮機等の作動を制御する性能にも影響する。
叉、ソレノイドロッド101Cの平らな端面と、作動ロッド101の平らな端面を接合させるためには、ソレノイドロッド101Cの軸芯と作動ロッド101の軸芯を同一にして接合させなければならない。しかし、この部品組立の為の加工精度は加工コストを上昇させる。叉、ソレノイドロッド101Cは、実際には、ソレノイドロッド101Cの外周面と固定鉄芯132のロッド用孔132Aとの間隙から吸入圧力Pの流体を可動鉄心室136へ流入できるようにするために、この両部品間が間隙を設けた状態で摺動できるように形成されている。この為に、ソレノイドロッド101Cと作動ロッド101とを同一平面で接合させていても、ソレノイドロッド101Cは、ソレノイドロッド101Cの外周面とロッド用孔132Aとの間隙の寸法に応じて揺動しながら摺動を繰り返すと、ソレノイドロッド101Cの端面が不規則に摩耗する。特に、ソレノイドロッド101Cは、材質的に硬質材にできない問題があり、このソレノイドロッド101Cの端面が不具合に摩耗すると、弁体101Aによる制御流体の制御の精度も低下する。
特開2001−342946公報
本発明は、上述のような問題点に鑑み成されたものであって、その発明が解決しようとする課題は、容量制御弁において可動心(以下、特定して可動鉄心とも言う)の摺動面の面積を小さくしてソレノイド部の電流の大きさに対する可動鉄心の作動時の摺動抵抗を小さくすることにある。叉、ソレノイドロッドを固定心(以下、特定して固定鉄芯とも言う)に対し非接触状態にして摺動抵抗を低減すると共に、可動鉄心とソレノイドロッドとを固定鉄芯に対して組立を容易にすることにある。更に、ソレノイドロッドを固定鉄芯と遊嵌合にして可動鉄心とソレノイドロッドとの摺動のための嵌合精度を下げて加工を容易にし、全体の加工コストを低減することにある。叉、作動中のソレノイドロッドの連結する端部の摩耗を防止すると共に、作動ロッドとの連結を強固にすることにある。
本発明は、上述のような技術的課題を解決するために成されたものである。その課題を解決するための技術的手段は以下のように構成されている。
本発明に係わる容量制御弁は、ソレノイド部を有する容量制御弁であって、ソレノイド部に有するチューブと、チューブと嵌合する外周面に摺動面と摺動面より小径の非接触周面を有すると共に、摺動面の軸方向長さが非接触周面の軸方向長さより短く形成された可動心と、可動心と結合して可動心と反対の自由端部に連結面を有するソレノイドロッド部と、ソレノイドロッド部と遊嵌合する内部孔を有して可動心と対向に配置された固定芯と、ソレノイドロッド部の連結面と係合する接合部を有すると共に制御流体通孔が開閉される弁体を有する作動ロッドとを具備し、ソレノイドロッド部の連結面と作動ロッドの接合部との係合面が一方は凹状円錐面に形成されていると共に、他方は凸状円錐部に形成されているものである。
この本発明の容量制御弁では、ソレノイド部に設けたチューブの内周面と摺動する可動心の外周面に於ける摺動面の長さが非接触周面の長さより短く形成されているので、摺動時に、可動心とソレノイドロッド部との摺動面積を小さくして可動心の摺動抵抗が小さくなる効果を奏する。更に、ソレノイドロッド部は固定心の内部孔に非接触状態に構成されているから、ソレノイドロッド部の移動に伴う摺動抵抗が小さくできる効果を奏する。叉、ソレノイドロッド部と作動ロッドとは、凹状円錐面と凸状円錐部とが連結しているから、可動心に結合したソレノイドロッド部の自由端が作動ロッドにより揺動しないように保持される。この為に、可動心の摺動面のみの接触は、摺動時の摺動抵抗が低減できる効果を奏する。叉、作動ロッドの凸状円錐状部は、ソレノイドロッド部の凹状円錐状面と連結しているから、作動時に、ソレノイドロッド部の自由端部を支持し、可動心の動きにより摩擦抵抗が増大するのを防止する。この為に、作動ロッドはスムーズに作動する効果を奏する。その結果、ソレノイド部の電流の大きさに対して弁体の開閉時の応答性が向上し、正確な制御が可能になる効果を奏する。
図1は本発明の第1実施の態様に係わる容量制御弁の断面図である。
本発明の第2実施の態様に係わるソレノイドロッド部と作動ロッドとの連結構造を示す正面図である。
本発明の第3実施の態様に係わる可動鉄心とソレノイドロッド部の断面図である。
本発明の第4実施の態様に係わるチューブと可動鉄心と固定鉄芯の断面図である。
本発明に係わる可変容量型圧縮機に容量制御弁を取り付けた状態を示す断面図である。
本発明に類似する関連技術の可変容量型圧縮機用制御弁の断面図である。
符号の説明
1 容量制御弁
2 作動ロッド
2A 弁体ロッド部
2A1 摺動面
2B 感圧ロッド部
2B1 スライド面
2C 連結ロッド部
2D ソレノイドロッド部
2D1 連結面
2D1A 底面
2D1B 凹状円錐状面
2E 接合部
2E1 裁頭面
2E2 凸状円錐状面
2F 結合部
3 弁体
3A 弁部面
4 弁室
10 バブルハウジング
11 軸受
11A 案内孔
12 スライド孔
13 弁座
14 制御流体通孔
15 第3連通路
16 第2連通路
17 感圧室
17A 導入孔
18 第1連通路
19 取付孔
20 感圧装置
21 ベローズ
24 仕切調整部
30 ソレノイド部
31 固定心(固定鉄心)
31B 内部孔
31C フランジ部
32 可動心(可動鉄心)
32A 外周面
32A1 摺動面
32A2 非接触周面
33 チューブ
34 電磁コイル
36A 第2ばね
α 接合部の円錐角度
β 連結面の円錐角度
Ps 吸入圧力
Pd 吐出圧力(制御圧力)
Pc 制御室圧力(クランク室圧力)
以下、本発明に係わる実施の形態の容量制御弁を図面に基づいて詳述する。尚、以下に説明する各図面は、設計図を基にした正確な図面である。
図1は、本発明に係わる実施の形態を示す容量制御弁である。図1に於いて、1は容量制御弁である。容量制御弁1には、本体を成すバルブハウジング10を設ける。このバルブハウジング10は、内部に各部を設けた径の異なる貫通孔が形成されている。そして、バルブハウジング10は真鍮、アルミニウム、ステンレス等の金属、合成樹脂材等で製作する。
バルブハウジング10には、貫通孔の一端に大きな穴を形成する。この穴に仕切調整部24が嵌着して内部に感圧室17を形成する。又、バルブハウジング10の他端の外周には、ソレノイド部30を結合させるための外周結合部を形成する。又、仕切調整部24は、バルブハウジング10に対し一定位置に嵌着しているが、ねじ込み可能にすれば、感圧装置20のばね力に合わせて軸方向へ移動調整できるようになる。このようにすれば、感圧装置20のばね力の設定値を変更することが可能になる。
バルブハウジング10の貫通孔の各部には、感圧室17に連通して感圧室17の径より小径のスライド孔12を連設する。更に、貫通孔にはスライド孔12に連通する制御流体通孔14を設ける。又、この貫通孔の制御流体通孔14に連通して制御流体通孔14より大径の弁室4を形成する。更に、貫通孔の他端には弁室4に連通して固定鉄芯31のフランジ部31Cと嵌合可能で弁室4より大径の取付孔19を2段差に連設する。更に、弁室4と制御流体通孔14との境には平面の弁座13を設ける。この弁座13は制御流体通孔14に向かってテーパー面に形成しても良い。そして、平面の弁部面3Aの角部と接触幅を小さく接触するように構成することもできる。
バルブハウジング10には、弁室4に連通する第1連通路18を形成する。この第1連通路18は、制御圧力Pdの流体、例えば、可変容量型圧縮機では吐出圧力(制御圧力)Pdの流体通路に連通可能にする。この第1連通路18は、バルブハウジング10の周面に4等配に形成している。この第1連通路18は、4等配とは限らず、周面に2等配、3等配、5等配等の必要数を設けることができる。
更に、制御流体通孔14には、流入した制御圧力Pdの流体を図示省略の制御室(図5のクランク室55)へ流出させる第2連通路16を形成する。尚、第2連通路16もバルブハウジング10の周面に沿って4等配に設けられているが、必要に応じて2等配、3等配、5等配の個所に外周面から制御流体通孔14へ貫通状態に設けることができる。又、バルブハウジング10には、感圧室17に連通する第3連通路15を形成する。この第3連通路15を通して外部(圧縮機)の吸入圧力Psの流体を感圧室17へ導入する。尚、吸入圧力Psの流体にはオイル等の液体滴が含む場合がある。更に又、バルブハウジング10の外周面は、外周面にOリング用の取付溝を2カ所に設ける。そして、各取付溝には、バルブハウジング10を嵌合する図示省略(図5に示す)のケーシングの装着孔との間をシールするOリングが取り付けられる。
感圧室17内には感圧装置20を設けている。この感圧装置20は、金属製の弾発可能なベローズ21を設けている。又、ベローズ21の他端は取付板に一体に結合する。更に、ベローズ21の内部には、図示省略の弾発可能な第1ばねを配置すると共に、室内は真空状態にする。このベローズ21はリン青銅等により製作されているが、そのばね定数は所定の値に設計されている。又、ベローズ21のばね力が不十分の場合には、更に、他のばねを設けてばね力により作動ロッド2を弾発に押圧する。
この感圧装置20は、感圧室17内で感圧装置20全体に有する伸び力と吸入圧力Psで圧縮される力との相関関係で伸縮するように設計されている。そして、この圧縮力は、感圧装置20の有効受圧面積に対し、吸入圧力Psが作用する力である。バブルハウジング10の一端の取付孔19の大径部は、固定心31のフランジ部31Cを取り付けることができるように形成する。叉、取付部19の小径部には軸受11を嵌着する。この軸受11には案内孔11Aが設けられている。この案内孔11Aに作動ロッド2が移動自在に嵌合して偏芯せずに移動できるように案内する。このバルブハウジング10の連通孔の各摺動面には、図示省略のシール膜を設けることもできる。このシール膜は低摩擦係数の材料により形成する。例えば、このシール膜としては、摺動面にフッ素樹脂膜を付着させる。このシート膜により作動ロッド2全体の作動の応答性を良好にすることが可能である。
感圧装置20の一端の取付板の凹部には、作動ロッド2の端部が連結する。作動ロッド2には、スライド孔12と摺動する感圧ロッド部2Bを設ける。又、作動ロッド2には、感圧ロッド2Bに一体の連結ロッド部2Cを設ける。この連結ロッド部2Cは制御流体通孔14の径より小径に形成されており、弁体3が開弁したときに、制御流体が制御流体通孔14と連結ロッド部2Cとの間から流通できるように形成する。更に、作動ロッド2は、連結ロッド部2Cの端部に弁体3を設ける。この弁体3には、弁座13と開閉する弁部面3Aを設ける。
又、弁体3には弁体ロッド部2Aを設ける。この弁体ロッド部2Aの直径は制御流体通孔14の直径より僅かに大径に形成する。以下は、図2も含めて参照しながら説明する。弁体ロッド部2Aの端部には、接合部2Eを設ける。この接合部2Eは、先端に裁頭面2E1を設けた凸状円錐状部(以下、凸状円錐部ともいう)2E2に形成する。叉、裁頭面2E1は、先端の尖った部分がなく、連結面2D1との接合面積を増大する形状であれば、例えば、半球面等の他の形状も含む。この弁体ロッド部2Aの接合部2Eは、ソレノイドロッド部2Dに設けられた連結面2D1と結合して連結できるように成されている。この作動ロッド2はステンレス鋼で製作されている。又、その他の非磁性材で製作してもよい。なお、接合部2Eの先端部は、図2に示す形状よりもさらに尖った形状にすることもできる。
ソレノイドロッド部2Dは丸棒状に形成されており、ソレノイドロッド部2Dの一端部に作動ロッド2の接合部2Eと係合する連結面2D1を設ける。この連結面2D1は、凹状円錐状面(以下、凹状円錐面とも言う)2D1Bの底に底面2D1Aを設けた構成である。又、凹状円錐面2D1Bの底面2D1Aは、作動ロッド2に於ける凸状円錐部2E2の裁頭面2E1と平面(叉は球面等)で接合できるように形成する。この底面2D1Aは接触面積を大きく形成されているので、同じ接合面の裁頭面2E1と連結できるから作動中に摩耗を少なくすることができる。一方、連結面2D1と反対の端部の結合部2Fは、可動心(可動鉄心とも言う)32の嵌着孔に結合している。このソレノイドロッド部2Dはステンレス鋼で製作している。
可動鉄心32は、固定鉄芯31側を円錐面に形成する。又、可動鉄心32の固定鉄芯31側と反対側は凹部に形成する。更に、可動鉄心32の外周面32Aは、摺動面32A1と非接触周面32A2とに形成する。この非接触周面32A2の外径D2(図3を参照)は、摺動面32A1の外径D1より0.1mm〜1mm位小径に形成する。叉、摺動面32A1の軸方向長さL2は非接触周面32A2の軸方向長さ(L1−L2)より短く形成する。特に、摺動面32A1の軸方向長さL2は、外周面32Aの軸方向長さL1より1/4を越えない範囲内に形成するとよい。そして、この可動鉄心32の摺動面32A1は有底円筒状のチューブ33の内周面と移動自在に嵌合している。又、非接触周面32A2はチューブ33の内周面に接触しない外径に形成する。可動鉄心32の端部に設けられた凹部には第2ばね36Aを配置する。この第2ばね36Aは、常に可動鉄心32を弁体3側へ弾発に押圧している。尚、摺動面32A1は、可動鉄心32において図示上端部に形成するとよい。
チューブ33に嵌着して可動鉄心32と対向する固定鉄芯31は、一端面を可動鉄心32の円錐面と係合する円錐状凹部に形成する。又、固定鉄芯31の弁体3側には、電磁コイル34の電磁回路の電流の流れる位置にフランジ部31Cを設ける。そして、固定鉄芯31の内部は、ソレノイドロッド部2Dの外径寸法より大径に形成された非接触の内部孔31Bに形成する。この作動ロッド2の接合部2Eとソレノイドロッド部2Dの連結面2D1とは、弁体ロッド部2Aが案内孔11Aを突き抜けて内部室19A内で結合する。この為に、弁体ロッド部2Aの接合部2Eの全外面に作動流体圧力が作用できるようになる。
又、作動ロッド2の接合部2Eは、凸状円錐部2E2に形成されている。この凸状円錐部2E2の先端は、裁頭面2E1に形成する。この裁頭面2E1は、接合平面に形成する。尚、裁頭面2E1は半球面状に形成して半球面状の底面2D1Aと接合するようにしても良い。一方、ソレノイドロッド部2Dの連結面2D1は、端面に凹状円錐面2D1Bを形成する。この凹状円錐面2D1Bの底面2D1Aは、連結平面に形成する。この底面2D1Aは、点接触ではなく、裁頭面2E1と大きな面積の平面同士で接合するから、作動時の摩耗が少なく、耐久能力を有する。裁頭面2E1の直径A(図2参照)に対して底面2D1Aの直径B(図2参照)は0.1mmから0.5mmの範囲に大きくすると良い。この底面2D1Aと裁頭面2E1は摩耗を防止するために、焼き入れして硬度を高くしても良い。尚、接合部2Eと連結面2D1との接触は、点接触でなければ、小さな接触でもよい。
チューブ33の外周には電磁コイル34が設けられている。ソレノイド部30は、この電磁コイル34と可動鉄心32と固定鉄芯31が主要な構成である。ソレノイド部30は、電磁コイル34に流れる電流の大きさにより可動鉄心32を作動させて弁体3の開度を制御する。このときに、感圧装置20に吸入圧力Psも同時に作用して弁体3の開閉度を制御する。この容量制御弁1は、電流の大きさによりソレノイド部30を作動させると共に、吸入圧力Psにより感圧装置20を作動させて弁体3を弁座13から開閉し、吐出圧力Pdの流量を調整して制御室(例えば、図5では、クランク室55)内へ導入し、制御室内の圧力を制御する。
図2は、本発明に係わる作動ロッド2とソレノイドロッド部2Dとを連結した構造の第2実施の態様である。図2において、作動ロッド2は接合部2Eがソレノイドロッド部2Dの接合面2D1に連結して作動する。この作動ロッド2の接合部2Eは、弁体ロッド部2Aの先端に裁頭面2E1を設けた凸状円錐部2E2に形成する。この裁頭面2E1は直径Aの円形面に形成された接合平面である。叉、ソレノイドロッド部2Dの連結面2D1は、端面に凹状円錐面2D1Bを形成する。この凹状円錐面2D1Bの底面2D1Aは直径Bの円形面に形成された連結平面である。叉、凹状円錐面2D1Bの深さHは、例えば、底面2D1Aの直径Bと略同じ寸法に形成する。更に好ましくは、深さHは底面2D1Aの直径Bより少し小さくすると良い。この底面2D1Aの直径Bは、裁頭面2E1の直径Aより0.1mmから0.4mmくらい大きい寸法にして余裕をもたせると良い。この深さHは、作動ロッド2とソレノイドロッド部2Dとの連結力により決められるが、底面2D1Aの直径Bより小さくすると良い。叉、凹状円錐面2D1Bの円錐角度βは、図1とは相違し、凸状円錐部2E2の円錐角度αより0.5°から3°位大きく形成する。
弁体ロッド部2Aの摺動面2A1は軸受11の案内孔11Aと摺動する。又、感圧ロッド部2Bのスライド面2B1がスライド孔12と摺動する。しかし、作動ロッド2の接合部2Eがソレノイドロッド部2Dの連結面2D1と一部遊合した連結は、作動ロッド2の摺動をこの一部遊合により連結しないから、摺動面2A1とスライド面2B1の摩擦による摩耗を防止する。更に又、作動ロッド2の作動時の摩擦抵抗を低減できる。この作動ロッド2はステンレス鋼である。ステンレス鋼製の丸棒を加工して図2に示すような形状に加工する。
図3は、本発明に係わる第3実施の態様の可動鉄心32とソレノイドロッド部2Dを示す。可動鉄心32は、固定鉄芯31側が円錐面に形成されている。尚、この円錐面は、円錐面と限らず、同様な機能を有する種々の面に設計することができる。又、可動鉄心32の固定鉄芯31側と反対側は凹部に形成する。更に、可動鉄心32の外周面32Aは、摺動面32A1と非接触周面32A2とに形成する。この非接触周面32A2の外径D2は摺動面32A1の外径D1より0.1mm〜1.2mm位小径に形成する。叉、摺動面32A1は、断面状態で湾曲に形成する。摺動面32A1の軸方向長さL2は、外周面32Aの軸方向長さL1に対し約1/10に形成されているが、L2対L1の関係は、1/4の長さを越えない範囲内に形成するとよい。
そして、この可動鉄心32の摺動面32A1は有底円筒状のチューブ33の内周面に移動自在に嵌合する。叉、非接触周面32A2はチューブ33の内周面に接触しない外径寸法に形成する。可動鉄心32の背面の一端部に設けられた凹部には、第2ばね36Aを配置する。この第2ばね36Aは、常に可動鉄心32を弁体3側へ弾発に押圧する。叉、ソレノイドロッド部2Dの自由端部の連結面2D1は、凹状円錐面2D1Bと半球状の底面2D1Aとを連面した形状である。この底面2D1Aの直径Bより凹状円錐面2D1Bの深さHを小さくしている。叉、作動ロッド2の接合部2Eは、凸状円錐部2E2と半球状の裁頭面2E1とを連面した形状である。この裁頭面2E1の直径Aは略底面2D1Aの直径Bと略同一である。尚、裁頭面2E1の直径Aは底面2D1Aの直径Bよりやや小さくしても良い。つまり、凸状円錐部2E2の円錐角度αが凹状円錐面2D1Bの円錐角度βより小さく形成されているので、底面2D1Aに対して裁頭面2E1が回動する余裕があれば良いからである。その他の構成は図1と略同様である。
図4は本発明に係わる第4実施の態様の容量制御弁1の可動鉄心32側を示すものである。この可動鉄心32の摺動面32A1は、長さL2の円周面に形成する。そして、摺動面32A1の両端はなめらかに他の面へ連面している。叉、摺動面32A1の長さL2は、外周面32Aの長さL1に対して約1/5に形成すると良い。更に、ソレノイドロッド部2Dの外周面の寸法は、固定鉄芯31の内部孔31Bの寸法に対して隙間を有する小径に形成する。この為に、ソレノイドロッド部2Dは摺動中に内部孔31Bに接触しないように構成する。そして、ソレノイドロッド部2Dの連結面2D1と作動ロッド2の接合部2Eは円錐面の角度間に間隙を有して連結すると共に、作動ロッド2の接合部2Eがソレノイドロッド部2Dの連結面2D1と係合してソレノイドロッド部2Dの揺動を保持する。反対に、作動中には、作動ロッド2はソレノイドロッド部2Dから無理な作用力を受けることなく作動することが可能になる。その他の構成は図1の符号と略同様である。この接合部2Eと連結面2D1は、図3に示すように互いに凹凸面の半球状に形成しても良い。
叉、符号17Aは、導入孔である。この導入孔17Aは、図示省略のバブルハウジングに設けた感圧室17(図1参照)と連通した通路である。そして、感圧室17に導入した吸入圧力Psの流体は導入孔17Aから可動鉄心32側の背面のチューブ33内に流入する。この吸入圧力Psの流体にはオイル等の液体が含まれる。この液体が摺動面32A1に付着するが、摺動面32A1の長さL2が外周面32Aの長さL1に対して短いので、摺動抵抗を低減できる。
図5は本発明の容量制御弁1を取り付ける圧縮機の断面図である。図4において、圧縮機50は、複数のシリンダボア51Aを設けたシリンダブロック51を設けている。このシリンダブロック51の一端には、フロントハウジング52が設けられている。又、シリンダブロック51には、弁板装置54を介してリアハウジング53が取付けられている。シリンダブロック51とフロントハウジング52とによって区画されたクランク室55内を横断した駆動軸56が設けられている。この駆動軸56の中心部の周囲には斜板57が配置されている。この斜板57は、駆動軸56に固着されたロータ58と連結部を介して結合し、駆動軸56の軸芯に対して斜板57の傾斜角度を変化可能に構成されている。
駆動軸56の一端には、フロントハウジング52の外側に突出したボス部52A内を貫通して外部まで延在する。駆動軸56の先端部には、ねじが設けられており、このねじにナット74が螺合されて駆動伝達板72が固定されている。又、ボス部52Aの周囲にはベアリング60を介してベルト車71が設けられている。ベルト車71は固定ボルト73により駆動伝達板72と連結されている。この為に、ベルト車71の回動は駆動軸56を回動する。駆動軸56とボス部52Aの間には、オイルシール52Bが装着されており、このオイルシール52Bによりフロントハウジング52内と外部とをシールする。駆動軸56の他端は、シリンダブロック51内に配置されており、支持部78により支持されている。駆動軸56に並列に配置されたベアリング75、ベアリング76、ベアリング77は駆動軸56を回動可能に支持している。
シリンダボア51A内には、ピストン62が配置されている。ピストン62の内側の一端の窪み62A内には、斜板57の外周部の周囲が収容され、シュー63を介してピストン62と斜板57とが互いに連動する構成となっている。リアハウジング53には、吸入室65及び吐出室64が区画されている。シリンダボア51の吸入室65は、弁板装置54に設けた吸入ポート81及び図示省略の吸入弁を介して連通する。吐出室64は、シリンダボア51Aに図示省略の吐出弁及び弁板装置54に設けられた吐出ポート82を介して連通する。
又、リアハウジング53の後壁の窪み内に容量制御弁1が取り付けられている。容量制御弁1は、吐出室64と、クランク室55に接続するクランク室圧力Pcの流体連通路66及び吐出圧力Pdの流体連通路69の開度を調整しクランク室55への吐出圧力Pd流体を制御する。叉、クランク室55内のクランク室圧力Pc流体は駆動軸56の他端とベアリング77との間隙、気室84及び固定オリフィス83を介して吸入室65に流れる。その結果、容量制御弁1は、クランク室圧力Pc用の流体連通路66及び吐出圧力Pd用の流体連通路69の開度を調整してクランク室圧力Pcの変化により、ピストン62のストロークを制御することが可能になる。
以下に、本発明に係わる他の実施例の発明についてその構成と効果とを説明する。
本発明に係る第2発明の容量制御弁1は、ソレノイドロッド部2Dの連結面2D1と作動ロッド2の接合部2Eとは、一方の凹状円錐状面2D1Bの底面2D1Aが平状面または断面円弧状面の広い面に形成されているとともに、他方の凸状円錐状部2E2の頭部が先端を切った凹状円錐状面2D1Bの底面に対応する裁頭状面に形成されているものである。
この第2発明の容量制御弁では、ソレノイドロッド部と作動ロッドとの連結は、互いの底面と裁頭面が接触面積を大きくして接合しているので、底面と裁頭面との摩耗が防止できる。また、ソレノイドロッド部の連結面と作動ロッドの接合部とは広い面積で接合しているので、作動時の連結の接合が強くなる。
本発明に係る第3発明の容量制御弁1は、ソレノイドロッド部2Dの凹状円錐面2D1Bの円錐角度βが作動ロッド2の凸状円錐状部2E2の円錐角度αより0.5°から6°大きく形成されているものである。
この第3発明の容量制御弁では、作動ロッドの接合部に於ける凸状円錐部の円錐角度αより凹状円錐面の円錐角度βが0.5°から6°と大きく形成されている。この為に、ソレノイドロッド部の作動ロッドとの連結する連結面が作動ロッドの作動に対応して無理な方向へ押圧されるのを防止する。この為に、作動ロッドはスムーズに摺動するので、作動ロッドの摺動面の摩耗が防止できる効果を奏する。叉、凹状連結面と凸状接合部とが両円錐面同士で接合できるので、可動心の組立が極めて容易になる。
本発明に係る第4発明の容量制御弁1は、ソレノイドロッド部2Dが固定芯31の内部孔31Bに接触する前に凹状円錐面2D1Bが凸状円錐部2E2に接触するように構成されているものである。
この第4発明の容量制御弁では、凹状連結面と凸状接合部とが円錐面同士で接合していると共に、凹状連結面と凸状接合部との係合面がソレノイドロッド部を内部孔に接触摺動しないように規制されているから、摺動時に可動心の摺動抵抗が極めて小さくできる効果を奏する。
本発明に係る第5発明の容量制御弁1は、可動心32の外周面32Aの端部側周面に摺動面32A1を有して摺動面32A1の軸方向の長さが外周面32Aの全長の4分の1を越えない長さに構成されているものである。
この第5発明の容量制御弁では、可動心の外周面の端部側に摺動面が設けられていると共に、摺動面の軸方向長さが外周面の全長に対して4分の1を越えない範囲に形成されているから、可動鉄心の摺動抵抗が極めて小さくできる効果を奏する。特に、摺動面には作動流体に含むオイル等の液体が付着するが、摺動面の長さが外周面の全長に対して4分の1以下に形成されていると、液体が付着しても直ぐに流出し、摺動抵抗が小さくできる効果を奏する。
本発明に係る第6発明の容量制御弁1は、摺動面32A1が断面を湾曲状に形成されているものである。
この第6発明の容量制御弁では、摺動面が断面を湾曲に形成しているから、摺動面が線接触に近くなるので、摺動抵抗が大きく低減できる効果を奏する。しかも、可動鉄心とソレノイドロッド部の全接触面は、線接蝕に近い摺動面のみで摺動接触すると共に、凹状連結面が自由に揺動できる連結構造となるから、可動心の摺動抵抗が極めて小さくなり、可動心はソレノイド部の電流の大きさに対応して正確に作動することが可能になる。
以上のように、本発明の容量制御弁は、空気機械、圧縮機等の制御室の圧力制御に用いて有用である。特に、容量制御弁の作動ロッドの作動時の応答性に優れると共に、作動ロッドとソレノイドロッド部とを連結した連結構造に於ける接合面の摩耗を防止できる有用な容量制御弁である。

Claims (6)

  1. ソレノイド部を有する容量制御弁であって、前記ソレノイド部に有するチューブと、前記チューブに嵌合する外周面に摺動面と前記摺動面より小径の非接触周面を有すると共に、前記摺動面の軸方向長さが前記非接触周面の軸方向長さより短く形成された可動心と、前記可動心と結合して前記可動心と反対側の自由端部に連結面を有するソレノイドロッド部と、前記ソレノイドロッド部と遊嵌合する内部孔を有して前記可動心と対向に配置された固定芯と、前記ソレノイドロッド部の前記連結面と係合する接合部を有すると共に制御流体通孔が開閉される弁体を有する作動ロッドとを具備し、前記ソレノイドロッド部の前記連結面と前記作動ロッドの前記接合部とは一方が凹状円錐状面に形成されていると共に、他方が凸状円錐状部に形成されていることを特徴とする容量制御弁。
  2. 前記凹状円錐状面の底面は平状面または断面が円弧状面の広い面に形成されているとともに、前記凸状円錐状部の頭部は先端が切られて前記凹状円錐状面の底面に対応する裁頭状面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の容量制御弁。
  3. 前記ソレノイドロッド部の前記凹状円錐状面の円錐角度βが前記作動ロッドの前記凸状円錐状部の円錐角度αより0.5°から6°に大きく形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の容量制御弁。
  4. 前記ソレノイドロッド部が前記固定芯の内部孔に接触する前に前記凹状円錐状面と前記作動ロッドの凸状円錐状部が接触するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の容量制御弁。
  5. 前記可動心の前記外周面の端部側周面に摺動面を有して摺動面の軸方向の長さが外周面の全長の4分の1を越えない長さに構成されていることを特徴とする請求項1に記載の容量制御弁。
  6. 摺動面が断面を湾曲状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の容量制御弁。
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