JPWO2004092865A1 - 選出方法、露光方法、選出装置、露光装置、並びにデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
ステップ401において、複数のショット領域の中から、任意の複数のショット領域の副集合が選択される。そして、ステップ403において、その副集合に含まれるショット領域に関する位置情報の設計値と、その位置情報に関わる所定の精度指標に関する情報とに基づいて、それらのショット領域を計測ショット領域とした場合のウエハ上での配列に関する誤差パラメータ情報の最尤推定値が算出される。そして、ステップ405で、推定された誤差パラメータに基づいて、重ね合わせ誤差を算出し、ステップ407で、その重ね合わせ誤差が、所定条件を満たす副集合を選択する。この選択された副集合の中からショット領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有する副集合が選択される。
Description
本発明は、選出方法、露光方法、選出装置、露光装置、並びにデバイス製造方法に係り、さらに詳しくは、物体上に形成された複数の被計測領域のうちの、所望の被計測領域を選出する選出方法、該選出方法を用いる露光方法、物体上に形成された複数の被計測領域のうちの、所望の被計測領域を選出する選出装置、該選出装置を備える露光装置、並びに前記露光方法又は前記露光装置を用いるデバイス製造方法に関する。
半導体素子、液晶表示素子等を製造するためのリソグラフィ工程では、マスク又はレチクル(以下「レチクル」と総称する)に形成されたパターンを、投影光学系を介してレジスト等が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の基板(以下、「ウエハ」と総称する)上に転写する露光装置、例えばステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)や、このステッパに改良を加えたステップ・アンド・スキャン方式の走査型投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ)等の逐次移動型の投影露光装置(以下、「露光装置」と略述する)が主として用いられている。
半導体素子等を製造する場合には、異なる回路パターンをウエハ上に幾層にも積み重ねて形成するが、各層間での重ね合わせ精度が悪いと、回路上の特性に不都合が生じることがある。このような場合、チップが所期の特性を満足せず、最悪の場合にはそのチップが不良品となり、歩留りを低下させてしまう。したがって、露光工程では、回路パターンが形成されたレチクルと、ウエハ上の各ショット領域に既に形成されたパターンとを正確に重ね合わせて転写することが重要となる。
このため、露光工程では、ウエハ上の複数のショット領域の各々に予めアライメントマークを付設しておき、ウエハが載置されるウエハステージのステージ座標系(該ウエハステージの移動を規定する座標系、通常はレーザ干渉計の測長軸によって規定される)上におけるアライメントマークの位置(座標値)を検出する。しかる後、このマーク位置情報と既知のレチクルパターンの投影位置の位置情報(これは事前測定される)とに基づいて各ショット領域とレチクルパターンの投影位置との位置関係を求める、いわゆるウエハアライメント(ウエハアライメント計測)が行われる。
このウエハアライメント方式の1つに、エンハンスト・グローバル・アライメント、いわゆるEGA方式がある。EGA方式においては、2層目以降の露光を行うのに先立って、まず、ウエハ上に形成された複数のショット領域のうち、例えばウエハの中心及びその外周付近に位置する少なくとも3個、通常は、8〜15個のショット領域を指定し、各ショット領域に付設されたアライメントマークの位置を、アライメントセンサを用いて計測(サンプルアライメント)する。
そして、計測されたアライメントマーク(サンプルマーク)の位置と各サンプルマークの設計値とに基づいて、ウエハ上のショット領域の配列によって規定される配列座標系と前述のステージ座標系との位置ずれに関する誤差パラメータ、すなわちウエハ中心位置のオフセット、ウエハの伸縮度、ウエハの残存回転量、及びウエハステージの直交度(又はショット列の直交度)を表す合計6つの誤差パラメータを、何らかの統計的手法(例えば最小二乗法)を用いて決定する(オフセット及び伸縮度に関しては、2次元のステージ座標系の座標軸毎に誤差パラメータが存在するので、誤差パラメータの数が6つとなる)。
さらに、決定された誤差パラメータの値と、ウエハ上の全てのショット領域の設計上の配列座標とに基づいて、ウエハ上の全てのショット領域を所定点(レチクルパターンの投影位置)に位置合わせするための位置情報を算出し、露光の際には、前記算出された各ショット領域の位置情報に基づいて、ウエハステージを移動させる。
かかるEGA方式を用いれば、ウエハ上の全ショット数(例えば51ショットや60ショット)と比してわずかな数(前述の通り、3〜15個程度)のマークの位置を計測した後は、マークの位置計測を必要としないため、スループットの向上が望める。さらに、EGA方式は、従来のグローバルアライメント法と異なり、ショット領域の配列特性を高精度に認識することができるため、サンプルアライメントを行わなかった他のショット領域に対しても極めてアライメント精度が良く、十分な数のショット領域に対してサンプルアライメントを行うと、個々のマーク検出誤差が統計的な演算の下で平均化されることとなり、1ショット毎のアライメント(ダイ・バイ・ダイ方式又はサイト・バイ・サイト方式)と同等、若しくはそれ以上のアライメント精度が、ウエハ全面の全てのショット領域に対して望める(例えば特開昭61−44429号公報及びこれに対応する米国特許第4,780,617号(「文献1」とする)など参照)。
しかるに、EGA方式においては、計測するマークの数が多ければ多いほど、そのアライメント精度の信頼性が向上するが、スループットの観点からすれば、マークの計測点数の増加は望ましいことではない。また、EGA方式では、アライメント精度を高めるため、計測されるマークの位置ができるだけ分散するように、例えば、ウエハの最外郭内側であって、かつ多角形の頂角になるような複数のマークを計測するマークとして選ぶことが経験的に行われている。しかしながら、EGA方式では、アライメントセンサによって、計測対象のマークを順次検出するので、計測するマークの位置があまり離れていると、計測対象のマークをアライメントセンサの検出視野内に位置させるためにウエハステージを移動させたときの移動距離が長くなってしまい、これもスループットの観点からすれば望ましいことではない。
そこで、従来より、ショット領域の重ね合わせ精度(誤差)などを指標として、EGA方式における計測マークの点数又は配置を、最適化する方法が提案され(例えば、特開平4−324615号公報(以下、「文献2」と呼ぶ)、特開平5−217848号公報(以下、「文献3」と呼ぶ)、特開平6−232028号公報(以下、「文献4」と呼ぶ)、特開平6−302490号公報(以下、「文献5」と呼ぶ)、国際公開WO02/061505号パンフレット(以下、「文献6」と呼ぶ)など参照)、マークを計測する際のウエハステージの移動経路(移動シーケンス)を、スループットに有利となるように最適化する方法が提案されている(例えば、特開平10−312961号公報(以下、「文献7」と呼ぶ)など参照)。
最近では、デバイスパターンの微細化に伴い、露光装置のアライメント精度の更なる高精度化が要求されている。また、露光工程のスループットに対する要求も厳しくなっている。したがって、アライメント精度及びスループットに影響を与える計測マークの数、配置、又は移動シーケンスの最適化(最適な計測マークの選出)がますます重要となってきている。
しかしながら、例えば上記文献2〜6に開示された最適化方法は、いずれも実際にアライメントマークを計測したうえで、その計測値に基づく指標に基づいて、EGA方式の計測マークの数や配置を最適化するものであり、最適化の際にマークの位置を実際に計測することが前提となり、そのための時間が必要であった。
また、上記文献7に開示された方法は、あくまで、移動シーケンスのみが最適化の対象であって、EGA方式の計測マークの数や配置は、最適化の対象ではなく、計測マークの数、配置、移動シーケンス全てを最適化できるものではなかった。
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、アライメント精度及びスループットに対する要求が満たされるように、又は所要時間が短縮するように、計測マークの数、配置、及びその計測の際の移動シーケンスを、選出することができる選出方法を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、高露光精度及び高スループットの両立を実現することができる露光方法を提供することにある。
また、本発明の第3の目的は、アライメント精度及びスループットに対する要求が満たされるように、又は所要時間が短縮するように、計測マークの数、配置及びその計測の際の移動シーケンスを、選出することができる選出装置を提供することにある。
また、本発明の第4の目的は、高露光精度及び高スループットの両立を実現することができる露光装置を提供することにある。
また、本発明の第5の目的は、マイクロデバイスの生産性を向上させることができるデバイス製造方法を提供することにある。
半導体素子等を製造する場合には、異なる回路パターンをウエハ上に幾層にも積み重ねて形成するが、各層間での重ね合わせ精度が悪いと、回路上の特性に不都合が生じることがある。このような場合、チップが所期の特性を満足せず、最悪の場合にはそのチップが不良品となり、歩留りを低下させてしまう。したがって、露光工程では、回路パターンが形成されたレチクルと、ウエハ上の各ショット領域に既に形成されたパターンとを正確に重ね合わせて転写することが重要となる。
このため、露光工程では、ウエハ上の複数のショット領域の各々に予めアライメントマークを付設しておき、ウエハが載置されるウエハステージのステージ座標系(該ウエハステージの移動を規定する座標系、通常はレーザ干渉計の測長軸によって規定される)上におけるアライメントマークの位置(座標値)を検出する。しかる後、このマーク位置情報と既知のレチクルパターンの投影位置の位置情報(これは事前測定される)とに基づいて各ショット領域とレチクルパターンの投影位置との位置関係を求める、いわゆるウエハアライメント(ウエハアライメント計測)が行われる。
このウエハアライメント方式の1つに、エンハンスト・グローバル・アライメント、いわゆるEGA方式がある。EGA方式においては、2層目以降の露光を行うのに先立って、まず、ウエハ上に形成された複数のショット領域のうち、例えばウエハの中心及びその外周付近に位置する少なくとも3個、通常は、8〜15個のショット領域を指定し、各ショット領域に付設されたアライメントマークの位置を、アライメントセンサを用いて計測(サンプルアライメント)する。
そして、計測されたアライメントマーク(サンプルマーク)の位置と各サンプルマークの設計値とに基づいて、ウエハ上のショット領域の配列によって規定される配列座標系と前述のステージ座標系との位置ずれに関する誤差パラメータ、すなわちウエハ中心位置のオフセット、ウエハの伸縮度、ウエハの残存回転量、及びウエハステージの直交度(又はショット列の直交度)を表す合計6つの誤差パラメータを、何らかの統計的手法(例えば最小二乗法)を用いて決定する(オフセット及び伸縮度に関しては、2次元のステージ座標系の座標軸毎に誤差パラメータが存在するので、誤差パラメータの数が6つとなる)。
さらに、決定された誤差パラメータの値と、ウエハ上の全てのショット領域の設計上の配列座標とに基づいて、ウエハ上の全てのショット領域を所定点(レチクルパターンの投影位置)に位置合わせするための位置情報を算出し、露光の際には、前記算出された各ショット領域の位置情報に基づいて、ウエハステージを移動させる。
かかるEGA方式を用いれば、ウエハ上の全ショット数(例えば51ショットや60ショット)と比してわずかな数(前述の通り、3〜15個程度)のマークの位置を計測した後は、マークの位置計測を必要としないため、スループットの向上が望める。さらに、EGA方式は、従来のグローバルアライメント法と異なり、ショット領域の配列特性を高精度に認識することができるため、サンプルアライメントを行わなかった他のショット領域に対しても極めてアライメント精度が良く、十分な数のショット領域に対してサンプルアライメントを行うと、個々のマーク検出誤差が統計的な演算の下で平均化されることとなり、1ショット毎のアライメント(ダイ・バイ・ダイ方式又はサイト・バイ・サイト方式)と同等、若しくはそれ以上のアライメント精度が、ウエハ全面の全てのショット領域に対して望める(例えば特開昭61−44429号公報及びこれに対応する米国特許第4,780,617号(「文献1」とする)など参照)。
しかるに、EGA方式においては、計測するマークの数が多ければ多いほど、そのアライメント精度の信頼性が向上するが、スループットの観点からすれば、マークの計測点数の増加は望ましいことではない。また、EGA方式では、アライメント精度を高めるため、計測されるマークの位置ができるだけ分散するように、例えば、ウエハの最外郭内側であって、かつ多角形の頂角になるような複数のマークを計測するマークとして選ぶことが経験的に行われている。しかしながら、EGA方式では、アライメントセンサによって、計測対象のマークを順次検出するので、計測するマークの位置があまり離れていると、計測対象のマークをアライメントセンサの検出視野内に位置させるためにウエハステージを移動させたときの移動距離が長くなってしまい、これもスループットの観点からすれば望ましいことではない。
そこで、従来より、ショット領域の重ね合わせ精度(誤差)などを指標として、EGA方式における計測マークの点数又は配置を、最適化する方法が提案され(例えば、特開平4−324615号公報(以下、「文献2」と呼ぶ)、特開平5−217848号公報(以下、「文献3」と呼ぶ)、特開平6−232028号公報(以下、「文献4」と呼ぶ)、特開平6−302490号公報(以下、「文献5」と呼ぶ)、国際公開WO02/061505号パンフレット(以下、「文献6」と呼ぶ)など参照)、マークを計測する際のウエハステージの移動経路(移動シーケンス)を、スループットに有利となるように最適化する方法が提案されている(例えば、特開平10−312961号公報(以下、「文献7」と呼ぶ)など参照)。
最近では、デバイスパターンの微細化に伴い、露光装置のアライメント精度の更なる高精度化が要求されている。また、露光工程のスループットに対する要求も厳しくなっている。したがって、アライメント精度及びスループットに影響を与える計測マークの数、配置、又は移動シーケンスの最適化(最適な計測マークの選出)がますます重要となってきている。
しかしながら、例えば上記文献2〜6に開示された最適化方法は、いずれも実際にアライメントマークを計測したうえで、その計測値に基づく指標に基づいて、EGA方式の計測マークの数や配置を最適化するものであり、最適化の際にマークの位置を実際に計測することが前提となり、そのための時間が必要であった。
また、上記文献7に開示された方法は、あくまで、移動シーケンスのみが最適化の対象であって、EGA方式の計測マークの数や配置は、最適化の対象ではなく、計測マークの数、配置、移動シーケンス全てを最適化できるものではなかった。
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、アライメント精度及びスループットに対する要求が満たされるように、又は所要時間が短縮するように、計測マークの数、配置、及びその計測の際の移動シーケンスを、選出することができる選出方法を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、高露光精度及び高スループットの両立を実現することができる露光方法を提供することにある。
また、本発明の第3の目的は、アライメント精度及びスループットに対する要求が満たされるように、又は所要時間が短縮するように、計測マークの数、配置及びその計測の際の移動シーケンスを、選出することができる選出装置を提供することにある。
また、本発明の第4の目的は、高露光精度及び高スループットの両立を実現することができる露光装置を提供することにある。
また、本発明の第5の目的は、マイクロデバイスの生産性を向上させることができるデバイス製造方法を提供することにある。
本発明は、第1の観点からすると、物体上に形成された複数の被計測領域のうちの、所望の被計測領域を選出する選出方法であって、前記複数の被計測領域の中から、任意の複数の被計測領域を選択する第1工程と;前記第1工程で選択された複数の被計測領域それぞれの位置情報の設計値と、前記被計測領域の位置情報に関わる所定の精度指標に関する情報とに基づいて、前記被計測領域の前記物体上での配列に関する誤差パラメータ情報を推定する第2工程と;を含む第1の選出方法である。
これによれば、第1工程において、複数の被計測領域の中から、任意の複数の被計測領域を選択する。そして、第2工程において、選択された複数の被計測領域に関する位置情報の設計値と、その位置情報に関わる所定の精度指標に関する情報とに基づいて、選択された被計測領域の物体上での配列に関する誤差パラメータ情報を推定する。すなわち、本発明によれば、実際に被計測領域を計測することなく、その被計測領域の物体上での配列に関する誤差パラメータ情報を短時間に求めることが可能となる。
この場合において、前記第2工程で推定された誤差パラメータ情報に基づいて、前記物体上に形成された全ての被計測領域の位置情報の設計値と、前記誤差パラメータ情報に基づく前記被計測領域の位置情報の計算値との間の誤差情報を推定する第3工程をさらに含むこととすることができる。
これによれば、第3工程において、推定された誤差パラメータ情報に基づいて、全ての被計測領域の位置情報の設計値と実測値との間の誤差情報を推定することができる。
また、本発明の第1の選出方法では、前記第1工程では、任意の複数個数の被計測領域をそれぞれ含む、被計測領域の副集合を複数選択し、前記第2工程では、前記副集合毎に前記誤差パラメータ情報を推定し、前記第2工程で推定された誤差パラメータ情報に基づいて、前記選択された複数の副集合のうち、第1の所定条件を満たす副集合を選択する第3工程をさらに含むこととすることができる。
これによれば、第3工程において、推定された誤差パラメータに基づいて、第1の所定条件を満たす(例えば精度指標としてのアライメント精度に対する要求を満たす)被計測領域の副集合を選択することができるので、計測マークの数又は配置の最適化を、短時間に実行することができるようになる。
この場合において、前記第1の所定条件は、前記誤差パラメータ情報の誤差に関する情報、又は前記誤差パラメータ情報に基づいて算出される前記全ての被計測領域の重ね合わせ誤差に関する情報が、所定の精度閾値よりも良いものであること、を含むこととすることができる。
この場合において、前記第3工程で選択された副集合が複数存在する場合には、前記第1の所定条件とは異なる条件を用いて、最良の副集合を選択する第4工程を更に含むこととすることができる。
この場合において、前記第3工程において、互いに有する被計測領域の個数が異なる複数の副集合を選択した場合には、前記第4工程で、前記被計測領域の個数が少ない方の副集合を前記最良の副集合として選択することとすることができる。
この場合において、前記第4工程では、前記各副集合にそれぞれ含まれる複数の被計測領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有する副集合を、前記最良の副集合として選択することとすることができる。
この場合において、前記第4工程では、オペレーションズリサーチ的手法、進化的計算法、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つの探索手法を用いて前記副集合毎に前記移動シーケンスを求め、その求められた移動シーケンスを比較することによって前記最良の副集合を選択することとすることができる。
この場合において、前記第4工程で選択された前記最良の副集合の中に含まれる複数の被計測領域を、その最良の副集合に対して求められた移動シーケンスを用いて順次計測する計測工程を更に含むこととすることができる。
この場合において、前記物体上に形成された被計測領域であって、且つ第2の所定条件を満たす複数の被計測領域を、前記物体を載置する移動体の移動位置を規定する座標系に対する前記物体上の座標系のずれを計測するための被計測領域として選択する第5工程を更に含み、前記第5工程では、前記第2の所定条件を満たす複数の被計測領域のうちの少なくとも1つを、前記第3工程で選択された副集合に含まれる被計測領域の中から選択することとすることができる。
この場合において、前記第2の所定条件は、互いの距離が所定距離以上であること、を含むこととすることができる。
この場合において、前記第2の所定条件には、相互間の移動時間と、前記第3工程で選択された副集合に含まれる複数の被計測領域間の移動時間との総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有することが含まれていることとすることができる。
この場合において、前記第5工程で選択された複数の被計測領域、及び前記第3工程で選択された副集合に含まれる複数の被計測領域を、前記移動シーケンスを用いて順次計測する計測工程を更に含むこととすることができる。
また、本発明の第1の選出方法では、前記所定の精度指標は、被計測領域の位置情報に関わる計測再現性に関する指標を含むこととすることができる。
また、本発明は、第2の観点からすると、物体上に形成された複数の被計測領域のうちの、所望の被計測領域を選出する選出方法であって、前記複数の被計測領域の中から、前記被計測領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有する任意の複数の被計測領域を選択する選択工程を含む第2の選出方法である。
これによれば、選択工程において、物体上の被計測領域の中から、それらの被計測領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有する被計測領域が選択されるので、その選択された被計測領域を実際の被計測領域とすれば、それらの計測に要する時間を短縮することができる。
この場合において、前記選択工程は、任意の複数個数の被計測領域をそれぞれ含む、被計測領域の副集合を複数選択する第1工程と;前記第1工程で選択された前記各副集合にそれぞれ含まれる複数の被計測領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを、前記副集合毎にそれぞれ求める第2工程と;前記第2工程で前記副集合毎に得られた移動シーケンスの解同士を比較して、前記総移動時間が最短となる副集合を決定する第3工程と;を含むこととすることができる。
また、この場合において、前記第1工程で選択される副集合に含まれる被計測領域はそれぞれ、重ね合わせ誤差に関する情報が所定の精度閾値よりも良いものであることとすることができる。
この場合において、前記重ね合わせ誤差に関する情報は、前記被計測領域の位置情報に関わる所定の精度指標に関する情報と、前記任意の複数の被計測領域それぞれの位置情報の設計値との統計的処理演算を経て求められることとすることができる。
また、本発明の第2の選出方法では、前記選択工程では、前記物体を載置する移動体上の座標系に対する前記物体上の座標系のずれを計測するための被計測領域と、前記複数の被計測領域の前記物体上での配列に関する誤差情報を求めるための被計測領域との少なくとも一方を、前記任意の被計測領域として選択することとすることができる。
この場合において、前記選択工程では、オペレーションズリサーチ的手法、進化的計算法、及びこれらの組合せのうちのいずれか1つの探索手法を用いて前記任意の複数の被計測領域を選択することとすることができる。
この場合において、前記選択工程で決定された前記任意の複数の被計測領域を、前記探索手法を用いて得られた前記移動シーケンスを用いて順次計測する計測工程を更に含むこととすることができる。
本発明は、第3の観点からすると、物体上に形成された複数の被計測領域のうちの、所望の被計測領域を選出する選出方法であって、前記複数の被計測領域の前記物体上での配列に関する誤差パラメータ情報を求めるための被計測領域であって、所定の精度基準を満たす被計測領域を複数選択する第1工程と;前記第1工程で選択された複数の被計測領域のうち、前記被計測領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有する任意の複数の被計測領域を選択する第2工程と;を含む第3の選出方法である。
これによれば、第1工程において、所定の精度基準を満たす被計測領域を複数選択する。そして、第2工程において、選択された複数の被計測領域の中から、さらに、被計測領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有する任意の複数の被計測領域を選択する。このようにすれば、アライメント精度に対する要求及びスループットに対する要求の両方を満たすことができる計測マークの数、配置及び計測の際の移動シーケンスの最適化が可能となる。
この場合において、前記誤差パラメータ情報は、前記第1工程で選択された複数の被計測領域それぞれの位置情報の設計値と、前記被計測領域の位置情報に関わる所定の精度指標に関する情報とを、統計演算処理して求められることとすることができる。
また、本発明の第3の選出方法では、前記所定の精度基準とは、前記誤差パラメータ情報の誤差に関する情報、又は前記誤差パラメータに基づき算出される前記全ての被計測領域の重ね合わせ誤差に関する情報に対する所定の精度閾値を含むこととすることができる。
また、本発明は、第4の観点からすると、本発明の第1、第2、第3の選出方法を用いて、基板上に形成された被計測領域としてのマークの位置情報を検出する工程と;前記検出結果に基づいて前記基板の位置制御を行いつつ、所定パターンを前記基板に転写する工程と;を含む露光方法である。
これによれば、本発明の第1、第2、第3の選出方法を用いて、基板上に形成された被計測領域としてのマークの位置情報が高精度かつ短時間に検出され、その検出結果に基づいて、その基板の位置制御が行われた状態で、転写が行われるので、高露光精度及び高スループットの両立を実現することができる。
本発明は、第5の観点からすると、リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法において、前記リソグラフィ工程では、本発明の露光方法を用いて露光を行うことを特徴とするデバイス製造方法である。かかる場合には、本発明の露光方法を用いて露光を行なうため、高露光精度及び高スループットの両立を実現することができるので、高集積度のデバイスの生産性を向上させることができる。
本発明は、第6の観点からすると、物体上に形成された複数の被計測領域のうちの、所望の被計測領域を選出する選出装置であって、前記複数の被計測領域の中から、任意の複数の被計測領域を選択する第1領域選択装置と;前記第1領域選択装置によって選択された複数の被計測領域それぞれの位置情報の設計値と、前記被計測領域の位置情報に関わる所定の精度指標に関する情報とに基づいて、前記被計測領域の前記物体上での配列に関する誤差パラメータ情報を推定する推定装置と;を備える第1の選出装置である。
これによれば、第1領域選択装置において、複数の被計測領域の中から、任意の複数の被計測領域を選択する。そして、推定装置において、選択された複数の被計測領域に関する位置情報の設計値と、その位置情報に関わる所定の精度指標に関する情報とに基づいて、選択された被計測領域の物体上での配列に関する誤差パラメータ情報を推定する。このようにすれば、実際に被計測領域の位置情報を計測することなく、その被計測領域の物体上での配列に関する誤差パラメータ情報を短時間に求めることができる。
この場合において、前記第1領域選択装置は、任意の複数個数の被計測領域をそれぞれ含む、被計測領域の副集合を複数選択し、前記推定装置は、前記副集合毎に前記誤差パラメータ情報を推定し、前記推定装置によって推定された誤差パラメータ情報に基づいて、前記選択された複数の副集合のうち、第1の所定条件を満たす副集合を選択する集合選択装置を更に備えることとすることができる。
この場合において、前記第1の所定条件は、前記誤差パラメータ情報の誤差に関する情報、又は前記誤差パラメータ情報に基づいて算出される前記全ての被計測領域の重ね合わせ誤差に関する情報が、所定の精度閾値よりも良いものであること、を含むこととすることができる。
また、本発明の第1の選出装置では、前記集合選択装置は、前記選択された副集合が複数存在する場合には、前記第1の所定条件とは異なる条件を用いて、最良の副集合を選択することとすることができる。
この場合において、前記集合選択装置は、前記各副集合にそれぞれ含まれる複数の計測領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有する副集合を、前記最良の副集合として選択することとすることができる。
この場合において、前記集合選択装置で選択された前記最良の副集合の中に含まれる複数の被計測領域を、その最良の副集合に対して求められた移動シーケンスを用いて順次計測する計測器を更に備えることとすることができる。
また、本発明の第1の選出装置では、前記物体上に形成された被計測領域であって、第2の所定条件を満たす第2被計測領域を、前記物体を載置する移動体上の座標系に対する前記物体上の座標系のずれを計測するための被計測領域として選択する第2領域選択装置をさらに備え、前記第2領域選択装置は、前記複数の被計測領域のうちの少なくとも1つを、前記集合選択装置によって選択された副集合に含まれる被計測領域の中から選択することとすることができる。
この場合において、前記第2の所定条件は、互いの距離が所定距離以上であること、を含むこととすることができる。
この場合において、前記第2の所定条件は、相互間の移動時間と、前記集合選択装置で選択された副集合に含まれる複数の被計測領域間の移動時間との総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有すること、を含むこととすることができる。
また、本発明の第1の選出装置では、前記所定の精度指標は、被計測領域の位置情報に関わる計測再現性に関する指標を含むこととすることができる。
本発明は、第7の観点からすると、物体上に形成された複数の被計測領域のうちの、所望の被計測領域を選出する選出装置であって、前記複数の被計測領域の中から、前記被計測領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有する任意の複数の被計測領域を選択する選択装置と;前記選択された複数の被計測領域を計測する計測器と;を備える第2の選出装置である。
これによれば、選択装置において、物体上の被計測領域の中から、それらの被計測領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有する被計測領域が選択されるので、その選択された被計測領域を実際の被計測領域とすれば、それらの計測に要する時間を短縮することができる。
この場合において、前記選択装置は、任意の複数個数の被計測領域をそれぞれ含む、被計測領域の副集合を複数選択する集合選択装置と;前記集合選択装置によって選択された前記各副集合にそれぞれ含まれる複数の被計測領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを、前記副集合毎にそれぞれ求める算出装置と;前記算出装置によって前記副集合毎に得られた移動シーケンスの解同士を比較して、前記総移動時間が最短となる副集合を決定する決定装置と;を備えることとすることができる。
また、本発明の第2の選出装置では、前記集合選択装置によって選択される副集合に含まれる被計測領域はそれぞれ、重ね合わせ誤差に関する情報が所定の精度閾値よりも良いものであることとすることができる。
また、本発明の第2の選出装置では、前記選択装置は、前記物体を載置する移動体上の座標系に対する前記物体上の座標系のずれを計測するための被計測領域と、前記複数の被計測領域の前記物体上での配列に関する誤差情報を求めるための被計測領域との少なくとも一方を、前記任意の被計測領域として選択することとすることができる。
この場合において、前記選択装置は、オペレーションズリサーチ的手法、進化的計算法、及びこれらの組合せのうちのいずれか1つの探索手法を用いて前記任意の複数の被計測領域を選択することとすることができる。
この場合において、前記選択装置によって決定された前記任意の複数の被計測領域を、前記探索手法を用いて得られた前記移動シーケンスを用いて順次計測する計測器を更に備えることとすることができる。
本発明は、第8の観点からすると、物体上に形成された複数の被計測領域のうちの、所望の被計測領域を選出する選出装置であって、前記複数の被計測領域の前記物体上での配列に関する誤差パラメータ情報を求めるための被計測領域であって、所定の精度基準を満たす被計測領域を複数選択する第1選択装置と;前記第1選択装置によって選択された複数の被計測領域のうち、前記被計測領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有する任意の複数の被計測領域を選択する第2選択装置と;を備える第3の選出装置である。
これによれば、第1選択装置において、所定の精度基準を満たす被計測領域を複数選択する。そして、第2選択装置において、選択された複数の被計測領域の中から、被計測領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有する任意の複数の被計測領域を選択する。このようにすれば、アライメント精度に対する要求及びスループットに対する要求の両方を満たすことができる計測マークの数、配置及び計測の際の移動シーケンスの最適化を実現することができるようになる。
本発明は、第9の観点からすると、本発明の第1、第2、第3の選出装置と;前記選出装置の計測結果に基づいて、基板上に形成された被計測領域としてのマークの位置情報を検出する検出装置と;前記検出装置の検出結果に基づいて前記基板の位置制御を行いつつ、所定パターンを前記基板に転写する転写装置と;を備える露光装置である。
これによれば、本発明の第1、第2、第3の選出装置を用いて、基板上に形成された被計測領域としてのマークの位置情報を精度良く検出し、その検出結果に基づいて、前記基板の位置制御を行った状態で、転写が行われるので、高露光精度及び高スループットの両立を実現することができる。
本発明は、第10の観点からすると、リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法において、前記リソグラフィ工程では、本発明の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とするデバイス製造方法である。かかる場合には、本発明の露光装置を用いて露光を行なうため、高露光精度及び高スループットの両立を実現することができるので、高集積度のデバイスの生産性を向上させることができる。
これによれば、第1工程において、複数の被計測領域の中から、任意の複数の被計測領域を選択する。そして、第2工程において、選択された複数の被計測領域に関する位置情報の設計値と、その位置情報に関わる所定の精度指標に関する情報とに基づいて、選択された被計測領域の物体上での配列に関する誤差パラメータ情報を推定する。すなわち、本発明によれば、実際に被計測領域を計測することなく、その被計測領域の物体上での配列に関する誤差パラメータ情報を短時間に求めることが可能となる。
この場合において、前記第2工程で推定された誤差パラメータ情報に基づいて、前記物体上に形成された全ての被計測領域の位置情報の設計値と、前記誤差パラメータ情報に基づく前記被計測領域の位置情報の計算値との間の誤差情報を推定する第3工程をさらに含むこととすることができる。
これによれば、第3工程において、推定された誤差パラメータ情報に基づいて、全ての被計測領域の位置情報の設計値と実測値との間の誤差情報を推定することができる。
また、本発明の第1の選出方法では、前記第1工程では、任意の複数個数の被計測領域をそれぞれ含む、被計測領域の副集合を複数選択し、前記第2工程では、前記副集合毎に前記誤差パラメータ情報を推定し、前記第2工程で推定された誤差パラメータ情報に基づいて、前記選択された複数の副集合のうち、第1の所定条件を満たす副集合を選択する第3工程をさらに含むこととすることができる。
これによれば、第3工程において、推定された誤差パラメータに基づいて、第1の所定条件を満たす(例えば精度指標としてのアライメント精度に対する要求を満たす)被計測領域の副集合を選択することができるので、計測マークの数又は配置の最適化を、短時間に実行することができるようになる。
この場合において、前記第1の所定条件は、前記誤差パラメータ情報の誤差に関する情報、又は前記誤差パラメータ情報に基づいて算出される前記全ての被計測領域の重ね合わせ誤差に関する情報が、所定の精度閾値よりも良いものであること、を含むこととすることができる。
この場合において、前記第3工程で選択された副集合が複数存在する場合には、前記第1の所定条件とは異なる条件を用いて、最良の副集合を選択する第4工程を更に含むこととすることができる。
この場合において、前記第3工程において、互いに有する被計測領域の個数が異なる複数の副集合を選択した場合には、前記第4工程で、前記被計測領域の個数が少ない方の副集合を前記最良の副集合として選択することとすることができる。
この場合において、前記第4工程では、前記各副集合にそれぞれ含まれる複数の被計測領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有する副集合を、前記最良の副集合として選択することとすることができる。
この場合において、前記第4工程では、オペレーションズリサーチ的手法、進化的計算法、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つの探索手法を用いて前記副集合毎に前記移動シーケンスを求め、その求められた移動シーケンスを比較することによって前記最良の副集合を選択することとすることができる。
この場合において、前記第4工程で選択された前記最良の副集合の中に含まれる複数の被計測領域を、その最良の副集合に対して求められた移動シーケンスを用いて順次計測する計測工程を更に含むこととすることができる。
この場合において、前記物体上に形成された被計測領域であって、且つ第2の所定条件を満たす複数の被計測領域を、前記物体を載置する移動体の移動位置を規定する座標系に対する前記物体上の座標系のずれを計測するための被計測領域として選択する第5工程を更に含み、前記第5工程では、前記第2の所定条件を満たす複数の被計測領域のうちの少なくとも1つを、前記第3工程で選択された副集合に含まれる被計測領域の中から選択することとすることができる。
この場合において、前記第2の所定条件は、互いの距離が所定距離以上であること、を含むこととすることができる。
この場合において、前記第2の所定条件には、相互間の移動時間と、前記第3工程で選択された副集合に含まれる複数の被計測領域間の移動時間との総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有することが含まれていることとすることができる。
この場合において、前記第5工程で選択された複数の被計測領域、及び前記第3工程で選択された副集合に含まれる複数の被計測領域を、前記移動シーケンスを用いて順次計測する計測工程を更に含むこととすることができる。
また、本発明の第1の選出方法では、前記所定の精度指標は、被計測領域の位置情報に関わる計測再現性に関する指標を含むこととすることができる。
また、本発明は、第2の観点からすると、物体上に形成された複数の被計測領域のうちの、所望の被計測領域を選出する選出方法であって、前記複数の被計測領域の中から、前記被計測領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有する任意の複数の被計測領域を選択する選択工程を含む第2の選出方法である。
これによれば、選択工程において、物体上の被計測領域の中から、それらの被計測領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有する被計測領域が選択されるので、その選択された被計測領域を実際の被計測領域とすれば、それらの計測に要する時間を短縮することができる。
この場合において、前記選択工程は、任意の複数個数の被計測領域をそれぞれ含む、被計測領域の副集合を複数選択する第1工程と;前記第1工程で選択された前記各副集合にそれぞれ含まれる複数の被計測領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを、前記副集合毎にそれぞれ求める第2工程と;前記第2工程で前記副集合毎に得られた移動シーケンスの解同士を比較して、前記総移動時間が最短となる副集合を決定する第3工程と;を含むこととすることができる。
また、この場合において、前記第1工程で選択される副集合に含まれる被計測領域はそれぞれ、重ね合わせ誤差に関する情報が所定の精度閾値よりも良いものであることとすることができる。
この場合において、前記重ね合わせ誤差に関する情報は、前記被計測領域の位置情報に関わる所定の精度指標に関する情報と、前記任意の複数の被計測領域それぞれの位置情報の設計値との統計的処理演算を経て求められることとすることができる。
また、本発明の第2の選出方法では、前記選択工程では、前記物体を載置する移動体上の座標系に対する前記物体上の座標系のずれを計測するための被計測領域と、前記複数の被計測領域の前記物体上での配列に関する誤差情報を求めるための被計測領域との少なくとも一方を、前記任意の被計測領域として選択することとすることができる。
この場合において、前記選択工程では、オペレーションズリサーチ的手法、進化的計算法、及びこれらの組合せのうちのいずれか1つの探索手法を用いて前記任意の複数の被計測領域を選択することとすることができる。
この場合において、前記選択工程で決定された前記任意の複数の被計測領域を、前記探索手法を用いて得られた前記移動シーケンスを用いて順次計測する計測工程を更に含むこととすることができる。
本発明は、第3の観点からすると、物体上に形成された複数の被計測領域のうちの、所望の被計測領域を選出する選出方法であって、前記複数の被計測領域の前記物体上での配列に関する誤差パラメータ情報を求めるための被計測領域であって、所定の精度基準を満たす被計測領域を複数選択する第1工程と;前記第1工程で選択された複数の被計測領域のうち、前記被計測領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有する任意の複数の被計測領域を選択する第2工程と;を含む第3の選出方法である。
これによれば、第1工程において、所定の精度基準を満たす被計測領域を複数選択する。そして、第2工程において、選択された複数の被計測領域の中から、さらに、被計測領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有する任意の複数の被計測領域を選択する。このようにすれば、アライメント精度に対する要求及びスループットに対する要求の両方を満たすことができる計測マークの数、配置及び計測の際の移動シーケンスの最適化が可能となる。
この場合において、前記誤差パラメータ情報は、前記第1工程で選択された複数の被計測領域それぞれの位置情報の設計値と、前記被計測領域の位置情報に関わる所定の精度指標に関する情報とを、統計演算処理して求められることとすることができる。
また、本発明の第3の選出方法では、前記所定の精度基準とは、前記誤差パラメータ情報の誤差に関する情報、又は前記誤差パラメータに基づき算出される前記全ての被計測領域の重ね合わせ誤差に関する情報に対する所定の精度閾値を含むこととすることができる。
また、本発明は、第4の観点からすると、本発明の第1、第2、第3の選出方法を用いて、基板上に形成された被計測領域としてのマークの位置情報を検出する工程と;前記検出結果に基づいて前記基板の位置制御を行いつつ、所定パターンを前記基板に転写する工程と;を含む露光方法である。
これによれば、本発明の第1、第2、第3の選出方法を用いて、基板上に形成された被計測領域としてのマークの位置情報が高精度かつ短時間に検出され、その検出結果に基づいて、その基板の位置制御が行われた状態で、転写が行われるので、高露光精度及び高スループットの両立を実現することができる。
本発明は、第5の観点からすると、リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法において、前記リソグラフィ工程では、本発明の露光方法を用いて露光を行うことを特徴とするデバイス製造方法である。かかる場合には、本発明の露光方法を用いて露光を行なうため、高露光精度及び高スループットの両立を実現することができるので、高集積度のデバイスの生産性を向上させることができる。
本発明は、第6の観点からすると、物体上に形成された複数の被計測領域のうちの、所望の被計測領域を選出する選出装置であって、前記複数の被計測領域の中から、任意の複数の被計測領域を選択する第1領域選択装置と;前記第1領域選択装置によって選択された複数の被計測領域それぞれの位置情報の設計値と、前記被計測領域の位置情報に関わる所定の精度指標に関する情報とに基づいて、前記被計測領域の前記物体上での配列に関する誤差パラメータ情報を推定する推定装置と;を備える第1の選出装置である。
これによれば、第1領域選択装置において、複数の被計測領域の中から、任意の複数の被計測領域を選択する。そして、推定装置において、選択された複数の被計測領域に関する位置情報の設計値と、その位置情報に関わる所定の精度指標に関する情報とに基づいて、選択された被計測領域の物体上での配列に関する誤差パラメータ情報を推定する。このようにすれば、実際に被計測領域の位置情報を計測することなく、その被計測領域の物体上での配列に関する誤差パラメータ情報を短時間に求めることができる。
この場合において、前記第1領域選択装置は、任意の複数個数の被計測領域をそれぞれ含む、被計測領域の副集合を複数選択し、前記推定装置は、前記副集合毎に前記誤差パラメータ情報を推定し、前記推定装置によって推定された誤差パラメータ情報に基づいて、前記選択された複数の副集合のうち、第1の所定条件を満たす副集合を選択する集合選択装置を更に備えることとすることができる。
この場合において、前記第1の所定条件は、前記誤差パラメータ情報の誤差に関する情報、又は前記誤差パラメータ情報に基づいて算出される前記全ての被計測領域の重ね合わせ誤差に関する情報が、所定の精度閾値よりも良いものであること、を含むこととすることができる。
また、本発明の第1の選出装置では、前記集合選択装置は、前記選択された副集合が複数存在する場合には、前記第1の所定条件とは異なる条件を用いて、最良の副集合を選択することとすることができる。
この場合において、前記集合選択装置は、前記各副集合にそれぞれ含まれる複数の計測領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有する副集合を、前記最良の副集合として選択することとすることができる。
この場合において、前記集合選択装置で選択された前記最良の副集合の中に含まれる複数の被計測領域を、その最良の副集合に対して求められた移動シーケンスを用いて順次計測する計測器を更に備えることとすることができる。
また、本発明の第1の選出装置では、前記物体上に形成された被計測領域であって、第2の所定条件を満たす第2被計測領域を、前記物体を載置する移動体上の座標系に対する前記物体上の座標系のずれを計測するための被計測領域として選択する第2領域選択装置をさらに備え、前記第2領域選択装置は、前記複数の被計測領域のうちの少なくとも1つを、前記集合選択装置によって選択された副集合に含まれる被計測領域の中から選択することとすることができる。
この場合において、前記第2の所定条件は、互いの距離が所定距離以上であること、を含むこととすることができる。
この場合において、前記第2の所定条件は、相互間の移動時間と、前記集合選択装置で選択された副集合に含まれる複数の被計測領域間の移動時間との総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有すること、を含むこととすることができる。
また、本発明の第1の選出装置では、前記所定の精度指標は、被計測領域の位置情報に関わる計測再現性に関する指標を含むこととすることができる。
本発明は、第7の観点からすると、物体上に形成された複数の被計測領域のうちの、所望の被計測領域を選出する選出装置であって、前記複数の被計測領域の中から、前記被計測領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有する任意の複数の被計測領域を選択する選択装置と;前記選択された複数の被計測領域を計測する計測器と;を備える第2の選出装置である。
これによれば、選択装置において、物体上の被計測領域の中から、それらの被計測領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有する被計測領域が選択されるので、その選択された被計測領域を実際の被計測領域とすれば、それらの計測に要する時間を短縮することができる。
この場合において、前記選択装置は、任意の複数個数の被計測領域をそれぞれ含む、被計測領域の副集合を複数選択する集合選択装置と;前記集合選択装置によって選択された前記各副集合にそれぞれ含まれる複数の被計測領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを、前記副集合毎にそれぞれ求める算出装置と;前記算出装置によって前記副集合毎に得られた移動シーケンスの解同士を比較して、前記総移動時間が最短となる副集合を決定する決定装置と;を備えることとすることができる。
また、本発明の第2の選出装置では、前記集合選択装置によって選択される副集合に含まれる被計測領域はそれぞれ、重ね合わせ誤差に関する情報が所定の精度閾値よりも良いものであることとすることができる。
また、本発明の第2の選出装置では、前記選択装置は、前記物体を載置する移動体上の座標系に対する前記物体上の座標系のずれを計測するための被計測領域と、前記複数の被計測領域の前記物体上での配列に関する誤差情報を求めるための被計測領域との少なくとも一方を、前記任意の被計測領域として選択することとすることができる。
この場合において、前記選択装置は、オペレーションズリサーチ的手法、進化的計算法、及びこれらの組合せのうちのいずれか1つの探索手法を用いて前記任意の複数の被計測領域を選択することとすることができる。
この場合において、前記選択装置によって決定された前記任意の複数の被計測領域を、前記探索手法を用いて得られた前記移動シーケンスを用いて順次計測する計測器を更に備えることとすることができる。
本発明は、第8の観点からすると、物体上に形成された複数の被計測領域のうちの、所望の被計測領域を選出する選出装置であって、前記複数の被計測領域の前記物体上での配列に関する誤差パラメータ情報を求めるための被計測領域であって、所定の精度基準を満たす被計測領域を複数選択する第1選択装置と;前記第1選択装置によって選択された複数の被計測領域のうち、前記被計測領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有する任意の複数の被計測領域を選択する第2選択装置と;を備える第3の選出装置である。
これによれば、第1選択装置において、所定の精度基準を満たす被計測領域を複数選択する。そして、第2選択装置において、選択された複数の被計測領域の中から、被計測領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有する任意の複数の被計測領域を選択する。このようにすれば、アライメント精度に対する要求及びスループットに対する要求の両方を満たすことができる計測マークの数、配置及び計測の際の移動シーケンスの最適化を実現することができるようになる。
本発明は、第9の観点からすると、本発明の第1、第2、第3の選出装置と;前記選出装置の計測結果に基づいて、基板上に形成された被計測領域としてのマークの位置情報を検出する検出装置と;前記検出装置の検出結果に基づいて前記基板の位置制御を行いつつ、所定パターンを前記基板に転写する転写装置と;を備える露光装置である。
これによれば、本発明の第1、第2、第3の選出装置を用いて、基板上に形成された被計測領域としてのマークの位置情報を精度良く検出し、その検出結果に基づいて、前記基板の位置制御を行った状態で、転写が行われるので、高露光精度及び高スループットの両立を実現することができる。
本発明は、第10の観点からすると、リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法において、前記リソグラフィ工程では、本発明の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とするデバイス製造方法である。かかる場合には、本発明の露光装置を用いて露光を行なうため、高露光精度及び高スループットの両立を実現することができるので、高集積度のデバイスの生産性を向上させることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る露光装置の概略構成を示す図である。
図2Aは、ウエハ上のショット領域の配置を示す図であり、図2Bは、ウエハ上のアライメントマークの配置を示す図である。
図3は、本発明の一実施形態に係る露光装置における、露光処理の際の主制御装置のCPUの処理アルゴリズムを示すフローチャートである。
図4は、最適化処理を示すフローチャート(その1)である。
図5は、最適化処理を示すフローチャート(その2)である。
図6は、最適化処理を示すフローチャート(その3)である。
図7Aは、経験的に選択されたEGA計測ショット領域の配置を示す図であり、図7Bは、最適化により選択されたEGAショット領域の配置を示す図である。
図8は、本発明に係るデバイス製造方法の実施形態を説明するためのフローチャートである。
図9は、図8のステップ804の詳細を示すフローチャートである。
図2Aは、ウエハ上のショット領域の配置を示す図であり、図2Bは、ウエハ上のアライメントマークの配置を示す図である。
図3は、本発明の一実施形態に係る露光装置における、露光処理の際の主制御装置のCPUの処理アルゴリズムを示すフローチャートである。
図4は、最適化処理を示すフローチャート(その1)である。
図5は、最適化処理を示すフローチャート(その2)である。
図6は、最適化処理を示すフローチャート(その3)である。
図7Aは、経験的に選択されたEGA計測ショット領域の配置を示す図であり、図7Bは、最適化により選択されたEGAショット領域の配置を示す図である。
図8は、本発明に係るデバイス製造方法の実施形態を説明するためのフローチャートである。
図9は、図8のステップ804の詳細を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図7Bに基づいて説明する。
図1には、本発明の選出方法及び露光方法が適用される一実施形態に係る露光装置100の概略構成が示されている。この露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置である。この露光装置100は、照明系10、マスクとしてのレチクルRを載置するレチクルステージRST、投影光学系PL、物体としてのウエハW(基板)が搭載される移動体としてのウエハステージWST、計測器としてのアライメント検出系AS、及び装置全体を統括制御する主制御装置20等を備えている。
前記照明系10は、例えば特開平6−349701号公報及びこれに対応する米国特許第5,534,970号等に開示されるように、光源、オプティカル・インテグレータを含む照度均一化光学系、リレーレンズ、可変NDフィルタ、可変視野絞り(レチクルブラインド又はマスキング・ブレードとも呼ばれる)、及びダイクロイックミラー等(いずれも不図示)を含んで構成されている。オプティカル・インテグレータとしては、フライアイレンズ、ロッドインテグレータ(内面反射型インテグレータ)、あるいは回折光学素子などが用いられる。本国際出願で指定した指定国又は選択した選択国の国内法令が許す限りにおいて、上記公報及びこれに対応する米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
この照明系10では、回路パターン等が描かれたレチクルR上で、レチクルブラインドで規定されたスリット状の照明領域(X軸方向に細長い長方形状の照明領域)部分を照明光ILによりほぼ均一な照度で照明する。ここで、照明光ILとしては、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)などの遠紫外光や、F2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光などが用いられる。照明光ILとして、超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(g線、i線等)を用いることも可能である。
前記レチクルステージRST上にはレチクルRが、例えば真空吸着により固定されている。レチクルステージRSTは、リニアモータ、ボイスコイルモータ等を駆動源とする不図示のレチクルステージ駆動部によって、照明系10の光軸(後述する投影光学系PLの光軸AXに一致)に垂直なXY平面内で微少駆動可能であるとともに、所定の走査方向(ここでは図1における紙面内左右方向であるY軸方向とする)に指定された走査速度で駆動可能となっている。
レチクルステージRSTのステージ移動面内の位置はレチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)16によって、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出される。ここで、実際には、レチクルX干渉計とレチクルY干渉計とが設けられているが、図1ではこれらが代表的にレチクル干渉計16として示されている。そして、レチクルY干渉計とレチクルX干渉計の少なくとも一方、例えばレチクルY干渉計は、測長軸を2軸有する2軸干渉計であり、このレチクルY干渉計の計測値に基づきレチクルステージRSTのY位置に加え、θz方向(Z軸回りの回転方向)の回転量(ヨーイング量)も計測できるようになっている。レチクル干渉計16からのレチクルステージRSTの位置情報(ヨーイング量などの回転情報を含む)はステージ制御装置19及びこれを介して主制御装置20に供給される。ステージ制御装置19は、主制御装置20からの指示に応じて、レチクルステージRSTの位置情報に基づいて不図示のレチクルステージ駆動部を介してレチクルステージRSTを駆動制御する。
レチクルRの上方には、X軸方向に所定距離隔てて一対のレチクルアライメント検出系22(但し、図1においては紙面奥側のレチクルアライメント検出系22は不図示)が配置されている。各レチクルアライメント検出系22は、ここでは図示が省略されているが、それぞれ露光光ILと同じ波長の照明光にて検出対象のマークを照明するための落射照明系と、その検出対象のマークの像を撮像するための検出系とを含んで構成されている。検出系は結像光学系と撮像素子とを含んでおり、この検出系による撮像結果(すなわちレチクルアライメント検出系22によるマークの検出結果)は主制御装置20に供給されている。この場合、レチクルRからの検出光をレチクルアライメント検出系22に導くための不図示の偏向ミラーが移動自在に配置されており、露光シーケンスが開始されると、主制御装置20からの指令に基づいて不図示の駆動装置により偏向ミラーはそれぞれレチクルアライメント検出系22と一体的に露光光ILの光路外に退避される。
前記投影光学系PLは、レチクルステージRSTの図1における下方に配置され、その光軸AXの方向がZ軸方向とされている。投影光学系PLとしては、両側テレセントリックで所定の縮小倍率(例えば1/5、又は1/4)を有する屈折光学系が使用されている。このため、照明系10からの照明光ILによってレチクルRの照明領域が照明されると、レチクルRの回路パターンの照明領域部分の縮小像(部分倒立像)が投影光学系PLを介してウエハW上の前記照明領域に共役な投影光学系の視野内の投影領域に投影され、ウエハW表面のレジスト層に転写される。
前記ウエハステージWSTは、投影光学系PLの図1における下方で、不図示のベース上に配置されている。このウエハステージWST上にウエハホルダ25が載置されている。このウエハホルダ25上にウエハWが例えば真空吸着等によって固定されている。
ウエハステージWSTは、図1のウエハステージ駆動部24により、X、Y、Z、θz(Z軸回りの回転方向)、θx(X軸回りの回転方向)、及びθy(Y軸回りの回転方向)の5自由度方向に駆動可能な単一のステージである。なお、残りのθz方向については、ウエハステージWST(具体的には、ウエハホルダ25)を回転可能に構成しても良いし、このウエハステージWSTのヨーイング誤差をレチクルステージRST側の回転により補正することとしても良い。
前記ウエハステージWSTの位置は、外部に配置されたウエハレーザ干渉計(以下、「ウエハ干渉計」という)18により、例えば、0.5〜1nm程度の分解能で常時検出されている。なお、実際には、X軸方向に測長軸を有する干渉計及びY軸方向に測長軸を有する干渉計が設けられているが、図1ではこれらが代表的にウエハ干渉計18として示されている。それらの干渉計は、測長軸を複数有する多軸干渉計で構成され、ウエハステージWSTのX、Y位置の他、回転(ヨーイング(Z軸回りの回転であるθz回転)、ピッチング(X軸回りの回転であるθx回転)、ローリング(Y軸回りの回転であるθy回転))も計測可能となっている。
また、ウエハステージWST上のウエハWの近傍には、基準マーク板FMが固定されている。この基準マーク板FMの表面は、ウエハWの表面とほぼ同じ高さに設定され、この表面には少なくとも一対のレチクルアライメント用基準マーク、及びアライメント検出系ASのベースライン計測用の基準マーク等が形成されている。
前記アライメント検出系ASは、投影光学系PLの側面に配置された、オフアクシス方式のアライメントセンサである。このアライメント検出系ASとしては、例えばウエハ上のレジストを感光させないブロードバンドな検出光束を対象マークに照射し、その対象マークからの反射光により受光面に結像された対象マークの像と不図示の指標の像とを撮像素子(CCD)等を用いて撮像し、それらの撮像信号を出力する画像処理方式のFIA(Field Image Alignment)系のセンサが用いられている。なお、FIA系に限らず、コヒーレントな検出光を対象マークに照射し、その対象マークから発生する散乱光又は回折光を検出する、あるいはその対象マークから発生する2つの回折光(例えば同次数)を干渉させて検出するアライメントセンサを単独であるいは適宜組み合わせて用いることは勿論可能である。このアライメント検出系ASの撮像結果は、主制御装置20へ出力されている。
制御系は、図1中、主制御装置20及びこの配下にあるステージ制御装置19などによって主に構成される。主制御装置20は、CPU(中央演算処理装置)、メインメモリ等から成るいわゆるマイクロコンピュータ(又はワークステーション)を含んで構成され、装置全体を統括して制御する。
主制御装置20には、例えばハードディスクから成る記憶装置、キーボード,マウス等のポインティングデバイス等を含んで構成される入力装置、及びCRTディスプレイ(又は液晶ディスプレイ)等の表示装置(いずれも図示省略)、並びにCD(compact disc),DVD(digital versatile disc),MO(magneto−optical disc)あるいはFD(flexible disc)等の情報記録媒体のドライブ装置46が、外付けで接続されている。ドライブ装置46にセットされた情報記録媒体(以下では、CDであるものとする)には、後述するフローチャートで示されるウエハアライメント及び露光動作時の処理アルゴリズムに対応するプログラム(以下、便宜上、「特定プログラム」と呼ぶ)、その他のプログラム、並びにこれらのプログラムに付属するデータベースなどが記録されている。
主制御装置20は、例えば露光動作が的確に行われるように、前述の特定プログラムに従った処理を実行し、例えばレチクルRとウエハWの同期走査、ウエハWのステップ移動(ステッピング)等を制御する。
具体的には、前記主制御装置20は、例えば走査露光時には、レチクルRがレチクルステージRSTを介して+Y方向(又は−Y方向)に速度VR=Vで走査されるのに同期して、ウエハステージWSTを介してウエハWが前述の照明領域に共役な投影領域に対して−Y方向(又は+Y方向)に速度VW=β・V(βはレチクルRからウエハWに対する投影倍率)で走査されるように、ステージ制御装置19を介して得られるレチクル干渉計16、ウエハ干渉計18の計測値に基づいて、ステージ制御装置19を介し、不図示のレチクルステージ駆動部、ウエハステージ駆動部24をそれぞれ介してレチクルステージRST、ウエハステージWSTの位置及び速度をそれぞれ制御する。また、ステッピングの際には、主制御装置20では、ウエハ干渉計18の計測値に基づいてステージ制御装置19を介し、ウエハステージ駆動部24を介してウエハステージWSTの位置を制御する。
さらに、本実施形態の露光装置100は、投影光学系PLの最良結像面に向けて複数のスリット像を形成するための結像光束を光軸AX方向に対して斜め方向より供給する不図示の照射系と、その結像光束のウエハWの表面での各反射光束を、それぞれスリットを介して受光する不図示の受光系とから成る斜入射方式の多点フォーカス検出系を備えている。この多点フォーカス検出系としては、例えば特開平6−283403号公報及びこれに対応する米国特許第5,448,332号などに開示されるものと同様の構成のものが用いられ、この多点フォーカス検出系の出力が主制御装置20に供給されている。本国際出願で指定した指定国又は選択した選択国の国内法令が許す限りにおいて、上記公報及びこれに対応する米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。主制御装置20では、この多点フォーカス検出系からのウエハの位置情報に基づいてステージ制御装置19及びウエハステージ駆動部24を介してウエハステージWSTをZ方向及び傾斜方向に駆動する。
次に、上述のようにして構成された本実施形態の露光装置100により、ウエハWに対して第2層目(セカンドレイヤ)以降の層の露光処理を行う際の動作について、ウエハW上のショット領域などの配置を示す図2A、図2B及び上記特定プログラムに従って実行される、主制御装置20内のCPUの処理アルゴリズムを示す図3〜図6のフローチャートに沿って適宜他の図面を参照しつつ、説明する。
また、前提として、ドライブ装置46にセットされたCD−ROM内の特定プログラム及びその他のプログラムは、記憶装置にインストールされているものとし、さらに、そのうちのレチクルアライメント及びベースライン計測処理等のプログラムが、主制御装置20内部のCPUによって記憶装置からメインメモリにロードされているものとする。
第2層目以降の層の露光対象であるウエハW上には、図2Aに示されるように、前層までの処理工程で51のショット領域Sp(p=1〜51)がマトリックス状に配置されている。さらに、図2Bに示されるように、このショット領域Spとともに、隣接するショット領域間の所定幅、例えば100μm幅程度のストリートライン上に、ウエハアライメントXマーク(ウエハXマーク)MXp、ウエハアライメントYマーク(ウエハYマーク)MYpがそれぞれ形成されている。このうち、ウエハXマークMXpのX位置は、ショット領域Sp(の中心Cp)のX座標に設計上一致し、ウエハYマークMYpのY位置は、ショット領域Sp(の中心Cp)のY座標に設計上一致するようになっている。すなわち、設計上は、ウエハXマークMXpのX位置とウエハYマークMYpのY位置とにより、ショット領域Sp(の中心Cp)の位置座標が求められるようになっている。なお、本実施形態では、実際には、アライメント検出系ASによって計測する被計測領域としてのマークMXp,MYpの数、配置及びそれらのマークの計測の際の移動シーケンスの最適化を行うのであるが、その位置は、ショット領域Spの位置であるため、それらの最適化は、ショット領域Spの数、配置及びショット間の移動シーケンスの最適化を行うのと実質的に等しい。従って、以下では、計測するマークが付設されたショット領域の数、配置、及び移動シーケンスの最適化を行うかのように説明する(移動シーケンスに関しては、ウエハXマークMXpを先に計測するか、ウエハYマークMYpを先に計測するかによって移動シーケンスが若干異なったものとなるが、本実施形態では、説明を簡単にするため、ショット領域間のみの移動シーケンスに関してのみ最適化を行う)。
この場合、ウエハXマークMXpとしては、例えばX軸方向を周期方向とするラインアンドスペースマークが用いられ、ウエハYマークMYpとしては、例えばY軸方向を周期方向とするラインアンドスペースマークが用いられている。これらのマークとしては、一例としてラインパターンを3本有するマークが用いられているが、ラインパターンの数は何本でも良い。また、ウエハW上のショット領域の数は、51には限られない。
また、図2Bでは、図示されていないが、各ショット領域Spには、図2Bに示されるウエハマークMXp,MYpの他、後述するサーチアライメント用のマーク(サーチアライメントマーク)も付設されているものとする。
なお、上述したようなウエハW上のショット領域などに関する情報は、記憶装置に記憶されているものとする。
図3に示されるように、まず、ステップ301において、不図示のレチクルローダにより、レチクルステージRST上にレチクルRがロードされる。このレチクルロードが終了すると、ステップ303→ステップ305→ステップ307において、主制御装置20(より正確には、CPU)は、レチクルアライメント、ベースライン計測及びウエハロードを、前述のレチクルアライメント、ベースライン計測、及びウエハロード処理のプログラムに従って以下のようにして実行する。
すなわち、主制御装置20では、ウエハステージ駆動部24を介してウエハステージWST上の基準マーク板FMを投影光学系PLの直下の所定位置(以下、便宜上「基準位置」と呼ぶ)に位置決めし、基準マーク板FM上の一対の第1基準マークと、その第1基準マークに対応するレチクルR上の一対のレチクルアライメントマークとの相対位置を前述の一対のレチクルアライメント検出系22を用いて検出する。そして、主制御装置20では、レチクルアライメント検出系22の検出結果と、ステージ制御装置19を介して得られるその検出時の干渉計16、18の計測値とをメインメモリに記憶する。次いで、主制御装置20では、ウエハステージWST及びレチクルステージRSTを、それぞれ所定距離だけY軸方向に沿って相互に逆向きに移動して、基準マーク板FM上の別の一対の第1基準マークと、その第1基準マークに対応するレチクルR上の別の一対のレチクルアライメントマークとの相対位置を前述の一対のレチクルアライメント検出系22を用いて検出する。そして、主制御装置20では、レチクルアライメント検出系22の検出結果と、ステージ制御装置19を介して得られるその検出時の干渉計16、18の計測値とをメインメモリに記憶する。次いで、上記と同様にして、基準マーク板FM上の更に別の一対の第1基準マークと、その第1基準マークに対応するレチクルアライメントマークとの相対位置関係を更に計測しても良い。
そして、主制御装置20では、このようにして得られた少なくとも2対の第1基準マークと対応するレチクルアライメントマークとの相対位置関係の情報と、それぞれの計測時の干渉計16,18の計測値とを用いて、干渉計16の測長軸で規定されるレチクルステージ座標系と干渉計18の測長軸で規定されるウエハステージ座標系との相対位置関係を求める。これにより、レチクルアライメントが終了する。
次いで、ステップ305において、主制御装置20は、ベースライン計測を行う。具体的には、ウエハステージWSTを前述の基準位置に戻し、その基準位置から所定量、例えばベースラインの設計値だけXY面内で移動して、アライメント検出系ASを用いて基準マーク板FM上の第2基準マークを検出する(ステージ制御装置19を介してウエハ干渉計18の計測値をメインメモリに記憶する)。主制御装置20では、このとき得られるアライメント検出系ASの検出中心と第2基準マークの相対位置関係の情報及び先にウエハステージWSTが基準位置に位置決めされた際に計測した一対の第1基準マークと、その第1基準マークに対応する一対のレチクルアライメントマークとの相対位置関係の情報と、それぞれの計測時のウエハ干渉計18の計測値と、既知である第1基準マーク及び第2基準マークとの位置関係に基づいて、アライメント検出系ASのベースライン、すなわちレチクルパターンの投影中心とアライメント検出系ASの検出中心(指標中心)との距離(位置関係)を算出する。
次いで、ステップ307において、主制御装置20では、不図示のウエハローダの制御系にウエハWのロードを指示する。これにより、ウエハローダによって、ウエハWがウエハステージWST上のウエハホルダ25上にロードされる。ここで、本実施形態では、ウエハWのロードに先立って、不図示のプリアライメント装置により、ウエハステージWSTの移動位置を規定するウエハステージ座標系(以下、「ステージ座標系」と略述する)と、ウエハW上のショット領域により規定される座標系(以下、「配列座標系」と略述する)がある程度まで一致するように、ウエハステージWSTに対するウエハWの回転ずれと中心位置ずれが略調整されているものとする。また、ここで、主制御装置20は、記憶装置に記憶されているウエハWに関する情報をメインメモリに読み込む。
このような一連の準備作業が終了すると、主制御装置20では、前述のレチクルアライメント及びベースライン計測処理等のプログラムをメインメモリからアンロードするとともに、前述の特定プログラムをメインメモリにロードする。以後、この特定プログラムに従って、本実施形態の選出方法、すなわち、サーチアライメント及びウエハアライメントにおける計測ショット領域の数、配置及び計測の際の移動シーケンスの最適化(上述したように、アライメントマークの数、配置及び計測の際の移動シーケンスの最適化に相当)、及びそれらの最適化が行われた状態でのサーチアライメント及びEGA方式のウエハアライメント、及びウエハW上の各ショット領域に対する露光が行われる。
《最適化の原理》
次に、サブルーチン309において、サーチアライメント及びウエハアライメントにおいて計測に用いるショット領域(以下、適宜、「EGA計測ショット領域」又は、「サンプル計測ショット領域」と略述する)の数、配置及び移動シーケンスの最適化を行うが、その処理手順を説明する前に、ここで、計測ショット領域の数及び配置の最適化アルゴリズムの原理について説明する。
本実施形態では、ウエハW上の全ショット領域Sp(p=1、2、…、51、本実施形態では、全ショット数は51個としているが、以降では便宜上、全ショット個数を、m個と表す場合もある)の中から、n(nは3以上の整数)個のサンプル計測ショット領域(これらを、S’i(i=1、2、……、n)とする)を、後述する最適化処理を用いて選択するが、選択されたサンプル計測ショット領域S’iの設計上の配列座標を(xi、yi)とすると、それら設計上の配列座標からのずれ(dxi,dyi)の線形モデルを、次式で仮定することができる。
ここで、Sx,Sy,Rx,Ry,Ox,Oyは、EGA方式のアライメントに関する6つの誤差パラメータを示す。すなわち、Sx,Syは、ウエハのX,Y軸方向の線形伸縮(スケーリング)を示し、Rx,Ryは、X軸及びY軸の回転量(ローテーション)を示し、Ox,Oyは、X軸方向及びY軸方向のオフセットを示す。
n個のサンプル計測ショット領域の各々の設計上の配列座標(xi、yi)からのずれ(計測値)を(Δxi、Δyi)としたとき、このずれと上記線形モデルで仮定される設計上の配列座標からのずれとの残差の二乗和χ2は、次式で表される。
ここで、σxi,σyiは、(Δxi,Δyi)に含まれる誤差である。このχ2が、後述するEGA方式のウエハアライメントを行う際の評価関数となり、EGA方式では、この評価関数χ2を最小にするような誤差パラメータSx、Sy、Rx、Ry、Ox、Oyが、最小二乗法などの統計演算により求められる。ここで、上記評価関数χ2を最小にする条件として次式が得られる。
したがって、上記式(3)から次式(4)、式(5)(正規方程式)が得られる。
そして、上記式(4)、式(5)を解けば、以下に示す6つの誤差パラメータ(Sx,Sy,Rx,Ry,Ox,Oy)の最尤推定値が求まる。
ここで、上記式(1)中の(Sx,Sy,Rx,Ry,Ox,Oy)を、上記最尤推定値に置き換え、全ショット領域Sp(p=1〜51)の配列座標(xp,yp)をそれぞれ上記式(1)に代入すれば、そのショット領域Spにおける以下に示す補正値をそれぞれ決定することができる。
また、上記最尤推定値がそれぞれ有する誤差を、以下に示すように定義する。
上記最尤推定値がそれぞれ有する誤差は、上記式(4)、式(5)の左辺の3×3行列の逆行列の対角要素の平方根となるため、次式が得られる。
ただし、上記式(6)中の|Ax|、|Ay|は、次式で表される。
前述のように、ショットの設計位置(xp,yp)に対する設計上の配列座標からの位置ずれ量の最尤推定値
については、上記式(1)に基づいて求めることができるが、その最尤推定値が有する重ね合わせ誤差
については、次式から求めることができる。
従って、全ショット領域(全ショット数m)の重ね合わせ誤差の期待値
と、標本分散
は、次の式(9)、式(10)で表される。
以上説明したように、上記式(4)、式(5)、式(6)を用いて、全ショット領域Spの中から、n個のショット領域(これらを、S’i(i=1、2、……、n)とする)をサンプル計測ショット領域の候補として選んだ場合に求められる誤差パラメータの最尤推定値、及び誤差パラメータの最尤推定値に含まれる誤差を推定することができ、その誤差に基づいて、そのサンプル計測ショット領域を選んだときの全ショット領域Spの重ね合わせ誤差の期待値及び標本分散(式(9)、式(10))を推定することができる。したがって、後述するサブルーチン309のサンプル計測ショット領域の最適化の処理では、選択されたサンプル計測ショット領域の集合について、それぞれ上記式(9)、式(10)に示される、全ショット領域の重ね合わせ誤差の期待値及び標本分散の値を求め、その値に基づいて、その副集合に含まれるショット領域を、ウエハアライメントの際に計測するショット領域の組合せとするか否かを判断する。
図4には、サブルーチン309の処理を示すフローチャートが示されている。図4に示されるように、ステップ401において、サンプル計測ショット領域の副集合の選択を行う。サンプル計測ショット領域の副集合とは、全ショット領域の全体の集合を全集合としたとき、その全集合の要素の中から幾つかのショット領域を、サンプル計測ショット領域の候補として任意に選択した場合の、選択されたショット領域の集合をいい、要するにサンプル計測ショット領域候補の組合せをいう。
例えば、サンプル計測ショット数をnとすると、本実施形態では、全ショット数m個(=51)なので、全ショット領域からn個のサンプル計測ショット領域の副集合を、計51Cn個作成することができる。ここでは、上述のように作成されたサンプル計測ショット領域の副集合から、いずれか1つの副集合を選択するのである。本実施形態では、サンプル計測ショット数の最適化も行うため、サンプル計測ショット数nを、最小値(これをn1とする)から最大値(これをn2(>n1)とする)まで1ずつインクリメントしていったときに作成される(51Cn1+51Cn1+1+51Cn1+2…+51Cn2)個の副集合を作成し、作成された全ての副集合の中から、いずれか1つの副集合を算出する。なお、ここでは、まだ、すでに選択された副集合は存在しないので、作成された全ての副集合から、任意の副集合を選択することができるが、後述するように、ステップ407で判断が否定された後、或いはステップ411で判断が肯定された後に、本ステップ401に戻り、再度副集合の選択を実行する際には、作成された副集合のうち、まだ選択されていない副集合を選択するものとする。なお、上記n1、n2などの値は、装置パラメータとして記憶装置に記憶されており、ステップ401を実行する時点で、メインメモリに読み込まれているものとする。
なお、本実施形態では、サンプル計測ショット数nも最適化するが、サンプル計測ショット数nを、例えば8などに固定して、配置のみ最適化することも勿論可能であり、この場合には、ステップ401においては、51Cn個の副集合の中から、副集合が1つだけ選択されるようにすれば良い。
次のステップ403において、EGAパラメータとEGAパラメータの誤差を算出する。具体的には、ステップ401において選択された副集合に含まれるショット領域の設計値(xi,yi)と、そのショット領域のマーク設計位置に対するずれ量の誤差(σxi,σyi)とに基づいて、上記式(4)、式(5)を計算して、誤差パラメータの最尤推定値
を求める。なお、全てのショット領域の設計値に対応する所定の精度指標としてのずれ量の誤差(σxi,σyi)の値は、予め求められており、前述のウエハWに関する情報として、記憶装置に記憶されているものとする。このずれ量の誤差としては、例えば、ショット領域の位置情報に関わる計測再現性に開する指標を用いることができる。なお、このような精度指標としては、露光装置100におけるアライメントの目標値と、実力値(前記目標値よりも若干余裕を持たせた値)との2つが考えられる。また、計測再現性としては、個々のアライメントマークに対する計測再現性と、重ね合わせ結果の再現性とがある。
さらに、主制御装置20は、上記式(6)を用いて、上記最尤推定値の誤差の推定値
を求める。
次のステップ405では、全てのショット領域について、ショット領域毎に、上記式(8)を計算して、各ショット領域の重ね合わせ誤差を算出する。そして、全ショット領域の重ね合わせ誤差の期待値と標本分散とを上記式(9)、式(10)を用いて算出する。
次のステップ407において、式(9)、式(10)から求められる全ショット領域の重ね合わせ誤差の期待値と標本分散の値が、全て所定の閾値より低い(ここでは、期待値及び標本分散の値が低ければ低いほど重ね合わせ誤差が小さくなる好ましいケースと考えられる)か否かを判断する。ここで判断が肯定されれば、ステップ409に進み、判断が否定されれば、ステップ401に戻る。ここでは、判断が否定されたものとして、ステップ401に戻るものとする。なお、この閾値は、勿論、式(9)、式(10)で求められる計算結果毎に異なる値を設定可能となっており、この閾値は、予め装置パラメータとして記憶装置に記憶されており、この時点でメインメモリにロードされているものとする。また、ステップ407では、式(6)によって算出される誤差パラメータの誤差が所定の閾値より低いか否かを判断条件とするようにしても良い。
以降、ステップ407において判断が肯定されるまで、ステップ401でサンプル計測ショットの副集合が選択され、選択された副集合についてステップ403→ステップ405→ステップ407の処理が繰り返し実行される。
ステップ407において、式(9)、式(10)の計算結果、すなわち全ショット領域の重ね合わせ誤差の期待値と標本分散の値が所定の閾値よりもすべて低い場合には、ステップ409に進む。
次のステップ409では、選択された副集合に関する情報、すなわち副集合に含まれるショット領域Siの位置などの情報を、メインメモリに記憶する。そして、ステップ411において、作成された副集合のうち、EGAパラメータ誤差や重ね合わせ誤差などがまだ推定されていない残りの副集合があるか否かを判断する。判断が肯定された場合には、ステップ401に戻り、判断が否定された場合には、ステップ413に進む。
以降、ステップ411において、全ての副集合についてEGAパラメータ、EGAパラメータ誤差、重ね合わせ誤差等が算出され、残りの副集合がなくなるまで、ステップ401→ステップ403→ステップ405→ステップ407の処理が繰り返し実行され、ステップ407において、選択された副集合における全ての重ね合わせ誤差が閾値より低いと判断された場合には、ステップ409において、選択された副集合に関する情報が、メインメモリに記憶される。
作成された全ての副集合について、EGAパラメータ、EGAパラメータ誤差や重ね合わせ誤差などが算出され、ステップ411において、判断が否定されると、ステップ413に進む。ステップ413では、メインメモリ上への記憶対象となった副集合(すなわち副集合に関する情報)を、その重ね合わせ誤差の良い順にソートし、次のステップ415では、ソートした結果を、EGA配置ファイルとして、記憶装置に保存する。
ここで、記憶装置に保存されたEGA配置ファイルに含まれるショット領域の副集合は、ステップ405で算出された全ショット領域の重ね合わせ誤差の期待値や標本分散の値が、所定の閾値よりも良好なものである。すなわち、このEGA配置ファイルに含まれる副集合が、サンプル計測ショット領域の組合せの(有力)候補となる。
なお、ステップ407において、全ての副集合について判断が肯定されなかった場合には、様々な処置を施すことができる。例えば、サブルーチン309の処理を強制終了し、以降の処理に進むようにしても良いし(この場合には、経験的に選択されているショット領域をEGA計測ショット領域として採用する)、所定の閾値を変更して、ステップ407における判断をやり直すようにしても良い。また、サンプル計測ショット数などの条件を変更して、副集合を選択し直すようにしても良い。また、式(9)、式(10)の算出結果の値が小さい順に少なくとも1つの副集合を選択して、ステップ409に進み、選択された副集合に関する情報をメインメモリに記憶するようにしても良い。
図5のステップ501に進み、ステップ501では、記憶装置に記憶されているEGA配置ファイルをメインメモリに読み込む。そして、ステップ503以降では、後述するサーチアライメントのためのショット領域(以下、「サーチ計測ショット領域」と略述する)の配置についての最適化を行う。
本実施形態では、後述するように、EGA方式のウエハアライメントの前に、サーチアライメントを行う。このサーチアライメントは、アライメント検出系ASによるアライメントマークの計測の際に、そのアライメントマークがアライメントセンサの検出視野内に収まるように、EGA計測ショットのアライメントマークを計測する前に、ステージ座標系と配列座標系との回転誤差を、予め把握するための処理である。サーチアライメントでは、ステージ座標系と配列座標系との回転誤差を検出するために、ウエハW上に形成された少なくとも2つのサーチアライメントマークを計測する。
図2A,図2Bに示されるウエハWには、前述したように、アライメントマークの他に、サーチアライメントマークも各ショット領域Spに付設されている。本実施形態では、各ショット領域Spに付設されたサーチアライメントマークの中から、サーチアライメントを行うのに最適な少なくとも2つのサーチアライメントマークを選択する。
まず、ステップ503において、1番目のサーチ計測ショット領域を選択する。この1番目のサーチ計測ショット領域については、ウエハW上の全てのショット領域の中から選択することができ、EGA配置ファイルに登録された副集合に含まれるショット領域の中から選択する必要はない。
次のステップ505では、EGA配置ファイルに登録されている副集合を1つ選択し、ステップ507において、選択された副集合に含まれるショット領域の中から2番目のサーチ計測ショット領域を1つ選択する。このように、2番目のサーチ計測ショット領域をサンプル計測ショット領域の候補の中から選ぶのは、2番目のサーチ計測ショット領域を1番目のEGA計測ショット領域と同一とすれば、サーチアライメントから、ウエハアライメントに移行する際のウエハステージの移動距離を短くすることができ、スループットに有利であるからである。
次のステップ509では、選択した2つのショット領域によるサーチアライメントの精度が、所定の閾値(この閾値も予め装置パラメータとして記憶装置に記憶されており、この時点ではメインメモリに読み込まれているものとする)より良好であるか否かを判断し、その判断が肯定されれば、ステップ511に進み、判断が否定されれば、ステップ513に進む。このサーチアライメントの精度の尺度としては、例えば1番目のサーチ計測ショット領域として選択されたショット領域と、2番目のサーチ計測ショット領域として選択されたショット領域との距離がある。すなわち、ここでは、サーチ計測ショット領域として選択された両者のショット領域の距離が所定距離(これが閾値(選択基準(サーチスパン))となる)離れているかを判断する。なお、この選択基準の他には、サーチ計測ショット領域の配置状態に関する制約はなく、2つのサーチ計測ショット領域は、Y軸方向に離れて配置されていても良く、X軸方向に離れて配置されていても良く、斜め方向に離れて配置されていても良い。例えば、サーチ計測ショット領域として、図7Aに示されるショット領域S”1,S”2を選択するようにしても良いし、図7Bに示されるショット領域G3、G7を選択するようにしても良い。
なお、この所定距離(選択基準)は、ウエハのサイズによらず固定とするのでは無く、ウエハのサイズによって変動させるのが望ましい。例えば200mmウエハに適用される選択基準を60mmとし、300mmウエハに適用される選択基準を100mmとしても良い。主制御装置20は、メインメモリに読み込まれたウエハWに関する情報に基づいて、その選択基準を切り替えていけば良い。
また、ステップ509においては、サーチアライメントの精度を、必ずしも選択基準とする必要はなく、例えば、計測のスループットを重視して、そのスループットに有利なショット領域を選択するようにしても良い。例えば、ウエハステージWSTの移動時間(あるいはサーチアライメント及びウエハアライメントを含むアライメントの計測に要する全移動時間)を選択基準としても良い。
ステップ509で、判断が肯定されると、ステップ511に進み、ステップ511では、選択した2つのショット領域を、サーチ計測ショット領域とし、そのサーチ計測ショット領域とステップ505で選択された副集合に含まれるサンプル計測ショット領域に関する情報(例えばそれらの位置情報)をメインメモリに記憶する。
ステップ511実行後、あるいは、ステップ509で判断が否定された後、ステップ513に進み、ステップ513では、2番目のサーチ計測ショット領域を変更するか否かが判断され、その判断が肯定されると、ステップ507に戻り、判断が否定されると、ステップ515に進む。なお、ここでは、種々の判断基準を用いることができる。例えば、ステップ511が所定回数実行されるまで、又は1つの副集合に含まれる全てショット領域が2番目のサーチ計測ショット領域として選択されるまで、ステップ513における判断が肯定されるものとすることができる。ここでは、判断が肯定されたものとして話を進める。
以降、ステップ513において、判断が否定されるまで、ステップ507→ステップ509→ステップ511(前述のように、ステップ509の判断によっては実行されない場合もある。)→ステップ513が繰り返し実行され、ステップ511において、サーチ精度が所定の閾値より良好であったサーチ計測ショット領域とそのときの副集合に含まれるEGA計測ショット領域の位置が、メインメモリに記憶されていく。なお、ステップ507では、1度選択されたショット領域を選択しないようにすることは言うまでもない。
ステップ513において、判断が否定されると、ステップ515に進み、他の副集合についてサーチ計測ショット領域の最適化を行うか否かが判断される。判断が否定されると、ステップ517に進み、判断が肯定されると、ステップ503に戻る。ここでは、判断が肯定されたものとして話を進める。なお、ここでは、例えばEGA配置ファイルの中にまだサーチ計測ショット領域の最適化が行われていない副集合があるか否かなどを判断基準とすれば良い。
以降、ステップ515において判断が否定されるまで、前述したステップ503→ステップ505→ステップ507→ステップ509→ステップ511→ステップ513→ステップ515の処理が繰り返し実行され、ステップ505で選択された副集合について、サーチ計測ショット領域の最適化が行われる。
ステップ515において、判断が否定されると、ステップ517に進み、ステップ511においてメインメモリ上に記憶されたサーチ計測ショット領域と、EGA計測ショット領域との組合せが、サーチ+EGA計測ショット組合せファイルとして、記憶装置に保存される。
そして、ステップ519において、その組合せファイルに含まれるサーチ計測ショット領域とサンプル計測ショット領域との組合せがあるか否かを判断する。ここで、組合せがないと判断された場合には、サブルーチン309の処理を終了し、図3のステップ311に移動する。この場合には、従来から経験的に決められているサーチ計測ショット領域と、サンプル計測ショット領域とを用いて後述するサーチアライメント及びウエハアライメントが実行される。しかし、ここでは、組合せがあると判断されたとして、図6のステップ601に進む。
図6のステップ601において、サーチ計測ショット領域と、EGA計測ショット領域の組合せファイルを記憶装置からメインメモリに読み込む。そして、ステップ603において、EGA配置ファイルも、記憶装置からメインメモリに読み込む。
次のステップ605において、EGA配置ファイルの中から、その組合せファイルのEGA計測ショット領域に対応する副集合を選択し、ステップ607において、サーチ計測ショット領域との組合せがあるか否かを判断する。判断が肯定されればステップ609に進み、判断が否定されれば、ステップ605に戻る。以降、ステップ607において判断が肯定されるまで、ステップ605→ステップ607の処理が繰り返し実行され、サーチ計測ショット領域との組合せがある副集合が選択される。
ステップ607において、判断が肯定されると、ステップ609に進み、ステップ609では、生物の進化過程を工学的に模倣した進化的計算による最適化手法の1つである遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm、以下「GA」と略述する)を用いて、最短経路の探索が行われる。具体的には、GAによる解法の1つである有名なサブツアー交換交叉(Sub−tourExchange Crossover:SXX)を用いてアライメントの際のウエハステージWSTの移動シーケンス(すなわちアライメント検出系ASの計測経路)の最適化を図る。
GAでは、ステップ605において選択された副集合に含まれるEGA計測ショットの移動シーケンスが、遺伝子に模倣される。すなわち、例えばその副集合に含まれるEGA計測ショット領域が、図2Aに示されるウエハW上のショット領域(S1,S2,S5,S6,S40,S46,S47,S51)であったとすると、その移動シーケンスとして、例えば、S46→S47→S51→S40→S6→S5→S2→S1という配列が、その移動シーケンスを表す遺伝子配列とみなされる。GAでは、まず、選択された副集合ショット領域の組合せから任意に作成される遺伝子を複数作成し、これを1世代目の遺伝子集団とする。このような1世代目の遺伝子集団の作成方法については、例えば経験則に基づく方法、線形計画に基づく方法、例えば最良近傍優先探索法(Nearest Neighbor Method、以下、「NN法」と呼ぶ)又は任意に生成された制約充足解を初期解としてLin&Kernighanの解法(以下、「LK法」と呼ぶ)によって生成された解、又は線形計画法に基づく解法(例えばNN法など)によって生成された制約充足解を初期解としてLK法によって生成された解などを用いても良い。なお、ここでは、この1世代遺伝子集団の個々の遺伝子での移動シーケンスの総移動時間をそれぞれ求めておく。
そして、この遺伝子集団の中から、予め設定した交叉率(例えば0.4)に従って、交叉オペレータ及び突然変異オペレータにより、1世代目の遺伝子集団とは配列が異なる遺伝子集団を形成する。そして、1世代目の遺伝子集団と、新しく形成された遺伝子集団とで、いわゆる淘汰を行い、優秀な遺伝子、すなわち移動シーケンスの移動時間が短い遺伝子ほど優先的に生き残るように(しかしながら必ずしも優秀でない遺伝子も若干生き残るように)する。すなわち、ここでは、上述した交叉、突然変異、淘汰を繰り返すことにより、最適でない局所解に陥ることなく、移動シーケンスの最適解、すなわち副集合に含まれるショット領域間の総移動時間が最短となるような最も好ましい移動シーケンスを求めるのである。
なお、GAに用いる世代交替モデルとしては、上述のように、全ての親と子供の中から優秀なものを優先的に生き残らせるElitistモデルを用いても良いが、上述した独身者がいないように全ての遺伝子をペアにし、作られた子供と併せて、それぞれの家族から最良の2遺伝子を次の世代に残すMGGモデルを用いても良い。また、交叉オペレータとして、SXXの代わりにTSP(いわゆる巡回セールスマン問題)の解法に用いられている様々な交叉オペレータを利用可能である。
また、本実施形態では、進化的計算法であるGAの代わりに、上述した線形計画法、LK法、ニューラルネットワーク、又はk−OPT法のような、オペレーションズリサーチ的手法を用いて最短経路の探索を行っても良いし、GAとそれらオペレーションズリサーチ的手法を組み合わせた方法を用いて最短経路の探索を行っても良い。なお、このようなGA等の処理については、特開平10−312961号公報及びこれに対応するUS公開第2001053962号などや、特開平10−303126号公報及びこれに対応する米国特許第6576919号などに開示されているので、ここでは、詳細な説明を省略する。本国際出願で指定した指定国又は選択した選択国の国内法令が許す限りにおいて、上記公報及びこれに対応する米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
次のステップ611では、こうして求められた最短経路をメインメモリ上に記憶し、ステップ613では、他の副集合の移動シーケンスを最適化するか否かが判断される。その判断が肯定されれば、ステップ605に戻り、判断が否定されれば、ステップ615に進む。ここでは、判断が肯定されたとして、ステップ605に戻る。なお、ここでは、移動シーケンスを最適化していない副集合が残っているか否かを判断基準とすれば良い。
以降、ステップ613において、その判断が否定されるまで、ステップ605→ステップ607のループ処理が実行され、ステップ607で判断が肯定されると、ステップ609→ステップ611→ステップ613が実行されるという工程が繰り返される。ステップ613において、判断が否定されると、ステップ615に進む。
次のステップ615では、メインメモリ上に記憶されたサーチ計測ショット領域及びEGA計測ショット領域の最短経路に関して、サーチ計測ショット領域と、EGA計測ショット領域の経路の移動時間が計算され、ステップ617において、そのサーチ計測ショット領域及びEGA計測ショット領域の最短経路、時間などが、記憶装置にファイルとして保存される。
図7Aには、最適化を行うことなく経験的に配置されているサーチ計測ショット領域及びEGA計測ショット領域の配置状態の一例が示されており、図7Bには、本実施形態の上記サブルーチン309の処理により、最適化されたサーチ計測ショット領域及びEGA計測ショットの配置状態の一例が示されている。図7A,図7Bにおいて、両者ともサーチ計測ショット数は2点であり、EGA計測ショット数は8点となっている。S”1,S”2は、それぞれ1番目、2番目(計測順)のサーチ計測ショット領域を示しており、G1〜G8は、それぞれ1番目〜8番目(計測順)のEGA計測ショット領域を示している。図7Aに示されるように、最適化される前の2つのサーチ計測ショット領域として、それぞれウエハWの左上、右上側のショット領域が選択されており、EGA計測ショット領域としては、ウエハWの外周における右上、左上、右下、左下の2つのショット領域が均等に配置されていたが、図7Bに示されるように、サーチ計測ショット領域及びEGA計測ショット領域の配置が完全に変更されており、例えばEGA計測ショットG1〜G8の配置は、その計測経路が、ウエハWの中心に対して反時計回り(ウエハステージWSTの実際の移動は、時計回り)となるように配置されている。
なお、図7A,図7Bに示されるウエハWのショット数は、図2Aのショット数とは異なるが、本発明は、ウエハW上の全ショット数に関わらず適用することができるので、特に問題はない。
以下の表1に、図7A,図7Bに示されるサーチ計測ショット領域及びEGA計測ショット領域を選択した場合の、サーチ計測及びEGA計測に要した時間や、重ね合わせ誤差等の評価結果を示す。
上記表1に示されるように、最適化前では、サーチ計測ショットと、EGA計測ショット間の総移動時間は、2.011[S]であったが、サブルーチン309による最適化後における総移動時間は、1.635[S]と、格段に短くなっているのがわかる。さらに、X軸方向、Y軸方向の誤差パラメータの誤差及び重ね合わせ誤差も、最適化後の方が、最適化前と同等若しくはそれ以上の精度となっているのがわかる。
図6に戻り、ステップ617実行後、このサブルーチンの処理を終了して、図3のステップ311にリターンする。
次のステップ311、ステップ313、ステップ315では、サーチアライメントを行う。具体的には、まず、ステップ311において、1番目のサーチアライメントマークがアライメント検出系ASの検出視野内に入るように、ステージ制御装置19、ウエハステージ駆動部24を介してウエハステージWSTを駆動し、アライメント検出系ASを用いて1番目のサーチアライメントマークを撮像する。なお、このとき、アライメント検出系ASの倍率は低倍率に設定されている。アライメント検出系ASからそのサーチアライメントマークの撮像信号を受信すると、その位置情報と、1番目のサーチアライメントマークが撮像されたときのウエハ干渉計18から送られたウエハステージWSTの位置情報とから、1番目のサーチアライメントマークの位置情報を算出し、メインメモリに記憶する。
次のステップ313では、2番目のサーチアライメントマークがアライメント検出系ASの検出視野内に入るように、ウエハステージWSTを駆動し、アライメントセンサASを用いて2番目のサーチアライメントマークを撮像する。後はステップ311と同様にして、2番目のサーチアライメントマークの位置情報を算出し、メインメモリに記憶する。
次のステップ315では、1番目のサーチアライメントマークの位置情報と、2番目のサーチアライメントマークの位置情報とから、ステージ座標系に対するウエハW上のショット領域の配列座標系との回転誤差を算出する。この回転誤差の算出処理については、すでに公知であるので、詳細な説明を省略する。
次のステップ317では、最適なEGA計測ショット領域の組合せの副集合に関する情報を不図示の記憶装置から読み出し、その副集合に含まれるEGA計測ショット領域の数や移動シーケンスを読み出す。ここで、最適化されたEGA計測ショットの数が8であるとすると、各ショット領域は、図7Bに示されるように、その経路順に、Gk(k=1、2、3、…、8)として対応付けられるものとする。さらに、ステップ315で算出された回転誤差に基づいて、各EGA計測ショット領域の位置座標を補正する。
次のステップ319では、カウンタの値kを1に初期化し、ステップ321で、k番目のアライメントマークがアライメント検出系ASの検出視野内に入るように、ウエハステージWSTを駆動し、アライメント検出系ASを用いて1番目のEGA計測ショット領域のアライメントマーク(MXk,MYk)をそれぞれ撮像する。ここでは、k=1なので、1番目の計測ショットのアライメントマーク(MX1,MY1)が、アライメント検出系ASの検出視野に収まるようになる。アライメント検出系ASからそのサーチアライメントマークの撮像信号を受信すると、その撮像信号に基づいて1番目のアライメントマークの撮像データ内の位置情報を検出する。そして、その位置情報と、1番目のアライメントマークが撮像されたときのウエハ干渉計18から送られたウエハステージWSTの位置情報とから、1番目のアライメントマークの位置情報を算出し、メインメモリに記憶する。
次のステップ323では、カウンタ値kが、EGA計測ショット数(最適化されたショット数)を越えたか否かを判断する。判断が肯定されれば、ステップ327に進み、否定されれば、ステップ325に進む。ここでは、まだk=1なので、判断は否定され、ステップ325に進む。
ステップ325では、カウンタ値kを1だけインクリメントし(k←k+1)、ステップ321に戻る。
以降、ステップ323において、判断が肯定されるまで、ステップ321→ステップ323→ステップ325の処理が繰り返し実行され、最適化されたショット数分のアライメントマークの位置が最適化された移動シーケンスに従って検出される。
ステップ327では、選択されたアライメントマークの検出結果に基づいて、前述したEGA方式で行われている統計処理方法により全てのショット領域の配列座標を算出する、いわゆるEGA演算を行う。これにより、ウエハW上の全てのショット領域のステージ座標系(静止座標系)上における配列座標が算出される。この処理については、例えば特開昭61−44429号公報及びこれに対応する米国特許第4,780,617号などに開示されているので、詳細な説明を省略する。本国際出願で指定した指定国又は選択した選択国の国内法令が許す限りにおいて、上記公報及びこれに対応する米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
次のステップ329では、ショット領域の配列番号を示すカウンタjに1をセットし、最初のショット領域を露光対象領域とする。
そして、ステップ331では、EGA演算にて算出された露光対象領域の配列座標に基づいて、ウエハWの位置がウエハW上の露光対象領域を露光するための加速開始位置となるようにウエハステージWSTを移動させるとともに、レチクルRの位置が加速開始位置となるようにステージ制御装置19、レチクルステージ駆動部(不図示)を介して、レチクルステージRSTを移動する。
ステップ333では、レチクルステージRSTとウエハステージWSTの相対走査を開始する。そして両ステージがそれぞれの目標走査速度に達し、等速同期状態に達すると、照明系10からの照明光ILによってレチクルRのパターン領域が照明され始め、走査露光が開始される。そして、レチクルRのパターン領域の異なる領域が照明光ILで逐次照明され、パターン領域全面に対する照明が完了することにより走査露光が終了する。これにより、レチクルRのパターンが投影光学系PLを介してウエハW上の露光対象領域に縮小転写される。
ステップ335では、カウンタ値jを参照し、全てのショット領域に露光が行われたか否かを判断する。ここでは、j=1、すなわち、最初のショット領域に対して露光が行なわれたのみであるので、ステップ335での判断は否定され、ステップ337に移行する。
ステップ337では、カウンタjの値をインクリメント(+1)して、次のショット領域を露光対象領域とし、ステップ331に戻る。
以下、ステップ335での判断が肯定されるまで、ステップ331→ステップ333→ステップ335→ステップ337の処理、判断が繰り返される。
ウエハW上の全てのショット領域へのパターンの転写が終了すると、ステップ335での判断が肯定され、ステップ339に移行する。
ステップ339では、不図示のウエハローダにウエハWのアンロードを指示する。これにより、ウエハWは、不図示のウエハローダにより、ウエハホルダ25上からアンロードされた後、不図示のウエハ搬送系により、露光装置100にインラインにて接続されている不図示のコータ・デベロッパに搬送される。これにより、露光処理動作が終了する。
これまでの説明から明らかなように、本実施形態では、主制御装置20の記憶装置及びメモリにより、記憶装置が構成されている。また、本実施形態では、主制御装置20が、本発明の選出装置の第1領域選択装置、推定装置、集合選択装置、第2領域選択装置、算出装置、決定装置、第1選択装置、第2選択装置、及び転写装置に対応している。すなわち、主制御装置20のCPUが行う、ステップ401(図4)の処理によって第1領域選択装置の機能が実現され、ステップ403、ステップ405(図4)の処理によって推定装置の機能が実現され、ステップ407、ステップ409(図4)、ステップ601〜ステップ617(図6)の処理によって、集合選択装置の機能が実現され、ステップ501〜ステップ519(図5)の処理によって第2領域選択装置の機能が実現されている。また、ステップ601〜ステップ617(図6)の処理によって、選択装置の機能が実現され、その選択装置の構成要素である、集合選択装置、算出装置、決定装置に関しては、それぞれ、ステップ605の処理によって集合選択装置が実現され、ステップ609の処理によって算出装置が実現され、ステップ611の処理によって決定装置が実現されている。また、ステップ401〜ステップ415(図4)の処理によって第1選択装置が実現され、ステップ601〜ステップ617(図6)の処理によって第2選択装置が実現されている。また、ステップ333(図3)の処理によって転写装置が実現されている。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではないことは勿論である。
以上詳細に述べたように、本実施形態の選出装置及び該選出装置によって実行される選出方法によれば、図4のステップ401において、複数のショット領域の中から、任意の複数のショット領域がEGA計測ショット領域(副集合の各要素)として選択される。そして、ステップ403において、選択された複数のショット領域に関する位置情報の設計値(xi,yi)と、その位置情報に関わる所定の精度指標に関する情報(σxi,σyi)とに基づいて、選択されたショット領域のウエハW上での配列に関する誤差パラメータ情報、すなわち誤差パラメータの最尤推定値が算出される。そして、ステップ405で、推定された誤差パラメータに基づいて、重ね合わせ誤差を算出し、ステップ407で、その重ね合わせ誤差が、第1の所定条件(重ね合わせ誤差が閾値より低い(良好である)こと)を満たす副集合が選択される。
したがって、この選択された副集合に含まれるショット領域をEGA方式のウエハアライメントの際の計測対象とすれば、実際にサンプル計測ショット領域の位置情報をアライメント検出系ASで計測することなく、そのショット領域のウエハW上での配列に関する誤差パラメータに関する誤差や重ね合わせ誤差などを推定することができる。従って、推定された誤差パラメータに関する誤差や重ね合わせ誤差を用いれば、アライメント精度に対する要求を満たすことができるEGAサンプル計測ショット領域の数及び配置を、短時間に最適化することができる。
また、本実施形態によれば、数及び配置の最適化により選択されたショット領域の中から、それらのショット領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有するショット領域が、図6のステップ601〜ステップ617において選択されるので、その選択されたショット領域を、アライメント時に実際に計測するショット領域とすれば、それらの計測に要する時間を短縮することができる。
すなわち、本実施形態によれば、所定の精度基準を満たすサーチ計測ショット領域及びEGA計測ショット領域が選択され、選択された複数のショット領域の中から、さらに、ショット領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有する任意の複数のショット領域が選択されるので、アライメント精度に対する要求及びスループットに対する要求の両方を満たすことができる計測マークの数、配置、及び計測の際の移動シーケンスの最適化を実現することができる。
また、本実施形態の露光装置及び該露光装置によって実行される露光方法によれば、サブルーチン309の最適化処理が行われたうえで、ウエハW上に形成された被計測領域としてのマークの位置情報が精度良く検出され、その検出結果に基づいて、ウエハWの位置制御が行われた状態で、転写が行われるので、高露光精度及び高スループットの両立を実現することができる。
なお、上記実施形態では、ウエハWをロードした後に、サンプル計測ショット領域の最適化を行ったが、本発明はこれには限定されない。また、主制御装置20のCPU上で動作している基本ソフトウエアとしてのOSが、マルチタスクOSであれば、図3のステップ301〜ステップ307の準備作業中にサンプル計測ショット領域の最適化を同時進行で実行させるようにしても良く、あるいはそれらの準備作業に先立って最適化を行うようにしても良い。また、上記サンプル計測ショット領域の最適化は、必ずしも主制御装置20で行う必要はなく、露光装置100が含まれる半導体製造ラインを制御する制御コンピュータ、或いはその制御コンピュータや、主制御装置20などと通信ネットワーク(有線、無線を問わない)で接続された別のコンピュータで実行させるようにしても良い。
さらに、サンプル計測ショット領域等の数及び配置の最適化処理と、移動シーケンスの最適化処理を、別々のコンピュータで実行させるようにしても良い。また、ショット領域の選択処理、誤差パラメータ等の推定処理、副集合の中から最も好ましい副集合を選択する処理などを複数のコンピュータで分担して行うようにしても良い。
また、上記実施形態では、ショット領域の副集合を複数作成し、それらの中から選択された副集合に含まれるショット領域をサンプル計測ショット領域としたが、これには限定されず、本発明は、全ショット領域の中から、任意のショット領域の組合せを適当に選んで、その組合せにおけるEGAの誤差パラメータを推定するようにしても良い。
また、上記実施形態では、EGA計測ショット領域の数、配置、及び移動シーケンス全ての面において最適化されたショット領域の組合せを抽出したが、本発明はこれには限定されず、例えば、移動シーケンスの最適化まで行う必要はなく、逆に、移動シーケンスの最適化だけを行うようにしても良い。前者の場合、図5のステップ517において、複数の組合せがファイルに保存された場合には、EGA計測ショット領域の個数が少ない方の副集合を最良の副集合として選択するようにしても良い。
また、上記実施形態では、移動シーケンスの最適化に、オペレーションズリサーチ的手法、進化的計算法、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つの探索手法を用いたが、これには限定されず、EGA計測ショット領域の数、配置と併せて行われる移動シーケンスの最適化は、様々な手法を適用することができる。例えば、ステップ517で保存されたファイルに含まれるEGA計測ショット領域の全ての組合せについて総当りで、最短時間となる移動シーケンスを探索するようにしても良い。
また、上記実施形態では、オペレーションズリサーチ的手法、進化的計算法、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つの探索手法を用いた移動シーケンスの最適化を行ったが、その前に実施されるEGA計測ショット領域の数、配置の最適化としては、様々な手法を適用することができる。例えば、カルバックライブラーの情報量などの情報量、赤池情報量規準(AIC)などに代表される情報量規準、順序統計、EMアルゴリズムなどの統計的手法を用いて、あるいは上記実施形態のような方法と、これら統計的手法を組み合わせた手法を用いて、サンプル計測ショット領域の数、配置の最適化をした後に上記実施形態のような移動シーケンスの最適化を行うようにしても良い。すなわち、本発明は、EGAに関わる従前の方法と適宜組合せて用いうるものである。
また、上記実施形態では、EGA計測ショット領域等の数、配置の最適化の後に、移動シーケンスの最適化を行ったが、この順番は逆であっても良く、また、数、配置、及び移動シーケンスの最適化を同時に行っても良い。すなわち、各副集合に関して重ね合わせ誤差に関する情報などを算出する際に、GA等を用いて移動シーケンスの最適化を行うようにしても良い。
また、上記実施形態では、サーチアライメントを行うサーチ計測ショット領域の最適化を行ったが、露光工程においては、例えばプリアライメントの精度が格段に優れている場合では、サーチアライメントを行う必要がないこともあり、あるいはサーチアライメントマークがショット領域毎に設けられていない場合もあるので、そのような場合にサーチ計測ショット領域の最適化を必ずしも行う必要はないことはいうまでもない。また、サーチ計測ショット領域の最適化は、EGA計測ショット領域の最適化の前に行っても良い。
また、上記実施形態では、2番目のサーチ計測ショット領域を、サンプル計測ショット領域の副集合に含まれるショット領域から選択したが、全ショット領域の中から選択するようにしても良い。また、1番目のサーチ計測ショット領域を、サンプル計測ショット領域の副集合の中から選択するようにしても良い。
また、上記実施形態では、サーチアライメント用のマークと、アライメントマークとを別としたが、これらのマークを同一とする(すなわち、アライメントマークをサーチアライメント用のマークとしても用いる)ことも、特開平11−54407号公報及びこれに対応する米国特許第6411386号,6587201号などに開示されているように、十分可能である。したがって、かかる場合には、被計測領域としてのアライメントマークの中から、サーチアライメントマークを選択することができる。本国際出願で指定した指定国又は選択した選択国の国内法令が許す限りにおいて、上記公報及びこれに対応する米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
また、この場合、サーチアライメントマークを、副集合に含まれるショット領域のアライメントマークの中から選ぶことができる。例えば、2番目のサーチアライメントマークを1番目にEGA計測されるアライメントマークとすれば、スループットに有利である。なお、前述したように、上記実施形態では、ショット領域の副集合は、被計測領域のアライメントマークの副集合と実質的に同一であるとして、EGA計測ショット領域の副集合(すなわちEGA計測するアライメントマークの副集合)の中から2番目のサーチ計測ショット領域(サーチアライメントマーク)を選択したものである。
なお、同じショット領域からウエハXマーク、ウエハYマークを選択する必要はない。かかる場合には、上記実施形態の前提となるショット領域の副集合は、被計測領域のアライメントマークの副集合と同一ではなくなるため、ショット領域の副集合ではなく、アライメントマークの副集合について上記最適化処理を実施する必要がある。
また、上記実施形態では、各ショット領域にウエハXマークが1つ、ウエハYマークが1つだけ付設されているとしたが、このようなマークの数には限られず、ウエハW上のマークの数、配置はどのようなものであっても良い。例えば、アライメントマークが各ショット領域に付設されていなくても良く、例えばウエハの周辺部に離散的に形成される複数のアライメントマークを用いても良い。アライメントマークが各ショット領域に付設されていない場合には、上記実施形態の前提となるショット領域の副集合は、被計測領域のアライメントマークの副集合と同一ではなくなるため、ショット領域の副集合ではなく、アライメントマークの副集合について上記最適化処理を実施する必要がある。要は、本発明における副集合は、あくまでもマークの副集合であり、物体上の複数のマークを被計測領域として順次計測するものであれば、本発明を適用して同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態のように、各ショット領域にアライメントマークが複数存在する場合には、その経路順を含めて最適化が可能である。この場合には、移動シーケンスに対応する遺伝子配列に、ショット領域内のアライメントマークの計測順を含めれば良い。
このように、上記実施形態におけるサンプル計測ショット領域の数、配置の最適化手法、GA等の移動シーケンスの最適化手法は、様々な変形を加えうるものである。
また、上記実施形態ではEGA方式の使用を前提としたが、計測対象のアライメントマークを選択するアライメント方式であれば、いかなるアライメント方式でも良い。例えば、国際公開公報WO98/39689に開示されているような、複数の次数の回折光を検出できるようなアライメント方式に適用することも可能である。
また、上記実施形態では、アライメント検出系ASとして、FIA方式のアライメントセンサを用いたが、前述したように、レーザ光をウエハW上の点列状のアライメントマークに照射し、そのマークにより回折又は散乱された光を用いてマーク位置を検出するLSA(Laser Step Alignment)方式のアライメントセンサや、そのアライメントセンサと上記FIA方式とを適宜組み合わせたアライメントセンサにも本発明を適用することは可能である。また、例えばコヒーレントな検出光を被検面のマークに照射し、そのマークから発生する2つの回折光(例えば同次数)を干渉させて検出するアライメントセンサを、単独で、あるいは上記FIA方式、LSA方式などと適宜組み合わせたアライメントセンサに本発明を適用することは勿論可能である。
なお、アライメント検出系はオン・アクシス方式(例えばTTL(Through The Lens)方式など)でも良い。また、アライメント検出系は、アライメント検出系の検出視野内にアライメントマークをほぼ静止させた状態でその検出を行うものに限られるものではなく、アライメント検出系から照射される検出光とアライメントマークとを相対移動させる方式であっても良い(例えば前述のLSA系や、ホモダインLIA系など)。かかる検出光とアライメントマークとを相対移動させる方式の場合には、その相対移動方向を、前述の各アライメントマークを検出する際のウエハステージWSTの移動方向と同一方向とすることが望ましい。
また、上記実施形態では、本発明がステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置に適用された場合について説明したが、本発明の適用範囲がこれに限定されないのは勿論である。すなわち、ステップ・アンド・リピート方式、ステップ・アンド・スティッチ方式、ミラープロジェクション・アライナー、及びフォトリピータなどにも好適に適用することができる。さらに、投影光学系PLは、屈折系、反射屈折系、及び反射系のいずれでもよいし、縮小系、等倍系、及び拡大系のいずれでも良い。
さらに、本発明が適用される露光装置の光源は、KrFエキシマレーザやArFエキシマレーザ、F2レーザとしたが、他の真空紫外域のパルスレーザ光源であっても良い。この他、露光用照明光として、例えば、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。
なお、複数のレンズから構成される照明光学系、投影光学系、並びにアライメント検出系ASを露光装置本体に組み込み、光学調整をするとともに、多数の機械部品からなるレチクルステージやウエハステージを露光装置本体に取り付けて配線や配管を接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより、上記実施形態の露光装置を製造することができる。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
なお、本発明は、半導体製造用の露光装置に限らず、液晶表示素子などを含むディスプレイの製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレート上に転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられるデバイスパターンをセラミックウエハ上に転写する露光装置、撮像素子(CCDなど)、有機EL、マイクロマシン及びDNAチップなどの製造に用いられる露光装置などにも適用することができる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用することができる。ここで、DUV(遠紫外)光やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、ホタル石、フッ化マグネシウム、又は水晶などが用いられる。また、プロキシミティ方式のX線露光装置、又は電子線露光装置などでは透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハなどが用いられる。
また、本発明に係る選出方法は、露光装置に限らず、物体に形成されている何らかの複数のマークの中から、幾つかのマークを選択して検出する必要がある装置であれば、適用が可能である。
《デバイス製造方法》
次に、上述した露光装置100をリソグラフィ工程で使用したデバイスの製造方法の実施形態について説明する。
図8には、デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートが示されている。図8に示されるように、まず、ステップ801(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップ802(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ803(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
次に、ステップ804(ウエハ処理ステップ)において、ステップ801〜ステップ803で用意したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップ805(デバイス組立てステップ)において、ステップ804で処理されたウエハを用いてデバイス組立てを行う。このステップ805には、ダイシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
最後に、ステップ806(検査ステップ)において、ステップ805で作成されたデバイスの動作確認テスト、耐久テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
図9には、半導体デバイスにおける、上記ステップ804の詳細なフロー例が示されている。図9において、ステップ811(酸化ステップ)においてはウエハの表面を酸化させる。ステップ812(CVDステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ813(電極形成ステップ)においてはウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ814(イオン打ち込みステップ)においてはウエハにイオンを打ち込む。以上のステップ811〜ステップ814それぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ815(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光剤を塗布する。引き続き、ステップ816(露光ステップ)において、上記実施形態の露光装置100を用いてマスクの回路パターンをウエハに転写する。次に、ステップ817(現像ステップ)においては露光されたウエハを現像し、ステップ818(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップ819(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
以上説明した本実施形態のデバイス製造方法を用いれば、露光工程(ステップ816)において上記実施形態の露光装置100が用いられるので、高精度な露光を実現することができる。この結果、より高集積度のデバイスを生産することが可能になる。
図1には、本発明の選出方法及び露光方法が適用される一実施形態に係る露光装置100の概略構成が示されている。この露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置である。この露光装置100は、照明系10、マスクとしてのレチクルRを載置するレチクルステージRST、投影光学系PL、物体としてのウエハW(基板)が搭載される移動体としてのウエハステージWST、計測器としてのアライメント検出系AS、及び装置全体を統括制御する主制御装置20等を備えている。
前記照明系10は、例えば特開平6−349701号公報及びこれに対応する米国特許第5,534,970号等に開示されるように、光源、オプティカル・インテグレータを含む照度均一化光学系、リレーレンズ、可変NDフィルタ、可変視野絞り(レチクルブラインド又はマスキング・ブレードとも呼ばれる)、及びダイクロイックミラー等(いずれも不図示)を含んで構成されている。オプティカル・インテグレータとしては、フライアイレンズ、ロッドインテグレータ(内面反射型インテグレータ)、あるいは回折光学素子などが用いられる。本国際出願で指定した指定国又は選択した選択国の国内法令が許す限りにおいて、上記公報及びこれに対応する米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
この照明系10では、回路パターン等が描かれたレチクルR上で、レチクルブラインドで規定されたスリット状の照明領域(X軸方向に細長い長方形状の照明領域)部分を照明光ILによりほぼ均一な照度で照明する。ここで、照明光ILとしては、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)などの遠紫外光や、F2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光などが用いられる。照明光ILとして、超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(g線、i線等)を用いることも可能である。
前記レチクルステージRST上にはレチクルRが、例えば真空吸着により固定されている。レチクルステージRSTは、リニアモータ、ボイスコイルモータ等を駆動源とする不図示のレチクルステージ駆動部によって、照明系10の光軸(後述する投影光学系PLの光軸AXに一致)に垂直なXY平面内で微少駆動可能であるとともに、所定の走査方向(ここでは図1における紙面内左右方向であるY軸方向とする)に指定された走査速度で駆動可能となっている。
レチクルステージRSTのステージ移動面内の位置はレチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)16によって、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出される。ここで、実際には、レチクルX干渉計とレチクルY干渉計とが設けられているが、図1ではこれらが代表的にレチクル干渉計16として示されている。そして、レチクルY干渉計とレチクルX干渉計の少なくとも一方、例えばレチクルY干渉計は、測長軸を2軸有する2軸干渉計であり、このレチクルY干渉計の計測値に基づきレチクルステージRSTのY位置に加え、θz方向(Z軸回りの回転方向)の回転量(ヨーイング量)も計測できるようになっている。レチクル干渉計16からのレチクルステージRSTの位置情報(ヨーイング量などの回転情報を含む)はステージ制御装置19及びこれを介して主制御装置20に供給される。ステージ制御装置19は、主制御装置20からの指示に応じて、レチクルステージRSTの位置情報に基づいて不図示のレチクルステージ駆動部を介してレチクルステージRSTを駆動制御する。
レチクルRの上方には、X軸方向に所定距離隔てて一対のレチクルアライメント検出系22(但し、図1においては紙面奥側のレチクルアライメント検出系22は不図示)が配置されている。各レチクルアライメント検出系22は、ここでは図示が省略されているが、それぞれ露光光ILと同じ波長の照明光にて検出対象のマークを照明するための落射照明系と、その検出対象のマークの像を撮像するための検出系とを含んで構成されている。検出系は結像光学系と撮像素子とを含んでおり、この検出系による撮像結果(すなわちレチクルアライメント検出系22によるマークの検出結果)は主制御装置20に供給されている。この場合、レチクルRからの検出光をレチクルアライメント検出系22に導くための不図示の偏向ミラーが移動自在に配置されており、露光シーケンスが開始されると、主制御装置20からの指令に基づいて不図示の駆動装置により偏向ミラーはそれぞれレチクルアライメント検出系22と一体的に露光光ILの光路外に退避される。
前記投影光学系PLは、レチクルステージRSTの図1における下方に配置され、その光軸AXの方向がZ軸方向とされている。投影光学系PLとしては、両側テレセントリックで所定の縮小倍率(例えば1/5、又は1/4)を有する屈折光学系が使用されている。このため、照明系10からの照明光ILによってレチクルRの照明領域が照明されると、レチクルRの回路パターンの照明領域部分の縮小像(部分倒立像)が投影光学系PLを介してウエハW上の前記照明領域に共役な投影光学系の視野内の投影領域に投影され、ウエハW表面のレジスト層に転写される。
前記ウエハステージWSTは、投影光学系PLの図1における下方で、不図示のベース上に配置されている。このウエハステージWST上にウエハホルダ25が載置されている。このウエハホルダ25上にウエハWが例えば真空吸着等によって固定されている。
ウエハステージWSTは、図1のウエハステージ駆動部24により、X、Y、Z、θz(Z軸回りの回転方向)、θx(X軸回りの回転方向)、及びθy(Y軸回りの回転方向)の5自由度方向に駆動可能な単一のステージである。なお、残りのθz方向については、ウエハステージWST(具体的には、ウエハホルダ25)を回転可能に構成しても良いし、このウエハステージWSTのヨーイング誤差をレチクルステージRST側の回転により補正することとしても良い。
前記ウエハステージWSTの位置は、外部に配置されたウエハレーザ干渉計(以下、「ウエハ干渉計」という)18により、例えば、0.5〜1nm程度の分解能で常時検出されている。なお、実際には、X軸方向に測長軸を有する干渉計及びY軸方向に測長軸を有する干渉計が設けられているが、図1ではこれらが代表的にウエハ干渉計18として示されている。それらの干渉計は、測長軸を複数有する多軸干渉計で構成され、ウエハステージWSTのX、Y位置の他、回転(ヨーイング(Z軸回りの回転であるθz回転)、ピッチング(X軸回りの回転であるθx回転)、ローリング(Y軸回りの回転であるθy回転))も計測可能となっている。
また、ウエハステージWST上のウエハWの近傍には、基準マーク板FMが固定されている。この基準マーク板FMの表面は、ウエハWの表面とほぼ同じ高さに設定され、この表面には少なくとも一対のレチクルアライメント用基準マーク、及びアライメント検出系ASのベースライン計測用の基準マーク等が形成されている。
前記アライメント検出系ASは、投影光学系PLの側面に配置された、オフアクシス方式のアライメントセンサである。このアライメント検出系ASとしては、例えばウエハ上のレジストを感光させないブロードバンドな検出光束を対象マークに照射し、その対象マークからの反射光により受光面に結像された対象マークの像と不図示の指標の像とを撮像素子(CCD)等を用いて撮像し、それらの撮像信号を出力する画像処理方式のFIA(Field Image Alignment)系のセンサが用いられている。なお、FIA系に限らず、コヒーレントな検出光を対象マークに照射し、その対象マークから発生する散乱光又は回折光を検出する、あるいはその対象マークから発生する2つの回折光(例えば同次数)を干渉させて検出するアライメントセンサを単独であるいは適宜組み合わせて用いることは勿論可能である。このアライメント検出系ASの撮像結果は、主制御装置20へ出力されている。
制御系は、図1中、主制御装置20及びこの配下にあるステージ制御装置19などによって主に構成される。主制御装置20は、CPU(中央演算処理装置)、メインメモリ等から成るいわゆるマイクロコンピュータ(又はワークステーション)を含んで構成され、装置全体を統括して制御する。
主制御装置20には、例えばハードディスクから成る記憶装置、キーボード,マウス等のポインティングデバイス等を含んで構成される入力装置、及びCRTディスプレイ(又は液晶ディスプレイ)等の表示装置(いずれも図示省略)、並びにCD(compact disc),DVD(digital versatile disc),MO(magneto−optical disc)あるいはFD(flexible disc)等の情報記録媒体のドライブ装置46が、外付けで接続されている。ドライブ装置46にセットされた情報記録媒体(以下では、CDであるものとする)には、後述するフローチャートで示されるウエハアライメント及び露光動作時の処理アルゴリズムに対応するプログラム(以下、便宜上、「特定プログラム」と呼ぶ)、その他のプログラム、並びにこれらのプログラムに付属するデータベースなどが記録されている。
主制御装置20は、例えば露光動作が的確に行われるように、前述の特定プログラムに従った処理を実行し、例えばレチクルRとウエハWの同期走査、ウエハWのステップ移動(ステッピング)等を制御する。
具体的には、前記主制御装置20は、例えば走査露光時には、レチクルRがレチクルステージRSTを介して+Y方向(又は−Y方向)に速度VR=Vで走査されるのに同期して、ウエハステージWSTを介してウエハWが前述の照明領域に共役な投影領域に対して−Y方向(又は+Y方向)に速度VW=β・V(βはレチクルRからウエハWに対する投影倍率)で走査されるように、ステージ制御装置19を介して得られるレチクル干渉計16、ウエハ干渉計18の計測値に基づいて、ステージ制御装置19を介し、不図示のレチクルステージ駆動部、ウエハステージ駆動部24をそれぞれ介してレチクルステージRST、ウエハステージWSTの位置及び速度をそれぞれ制御する。また、ステッピングの際には、主制御装置20では、ウエハ干渉計18の計測値に基づいてステージ制御装置19を介し、ウエハステージ駆動部24を介してウエハステージWSTの位置を制御する。
さらに、本実施形態の露光装置100は、投影光学系PLの最良結像面に向けて複数のスリット像を形成するための結像光束を光軸AX方向に対して斜め方向より供給する不図示の照射系と、その結像光束のウエハWの表面での各反射光束を、それぞれスリットを介して受光する不図示の受光系とから成る斜入射方式の多点フォーカス検出系を備えている。この多点フォーカス検出系としては、例えば特開平6−283403号公報及びこれに対応する米国特許第5,448,332号などに開示されるものと同様の構成のものが用いられ、この多点フォーカス検出系の出力が主制御装置20に供給されている。本国際出願で指定した指定国又は選択した選択国の国内法令が許す限りにおいて、上記公報及びこれに対応する米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。主制御装置20では、この多点フォーカス検出系からのウエハの位置情報に基づいてステージ制御装置19及びウエハステージ駆動部24を介してウエハステージWSTをZ方向及び傾斜方向に駆動する。
次に、上述のようにして構成された本実施形態の露光装置100により、ウエハWに対して第2層目(セカンドレイヤ)以降の層の露光処理を行う際の動作について、ウエハW上のショット領域などの配置を示す図2A、図2B及び上記特定プログラムに従って実行される、主制御装置20内のCPUの処理アルゴリズムを示す図3〜図6のフローチャートに沿って適宜他の図面を参照しつつ、説明する。
また、前提として、ドライブ装置46にセットされたCD−ROM内の特定プログラム及びその他のプログラムは、記憶装置にインストールされているものとし、さらに、そのうちのレチクルアライメント及びベースライン計測処理等のプログラムが、主制御装置20内部のCPUによって記憶装置からメインメモリにロードされているものとする。
第2層目以降の層の露光対象であるウエハW上には、図2Aに示されるように、前層までの処理工程で51のショット領域Sp(p=1〜51)がマトリックス状に配置されている。さらに、図2Bに示されるように、このショット領域Spとともに、隣接するショット領域間の所定幅、例えば100μm幅程度のストリートライン上に、ウエハアライメントXマーク(ウエハXマーク)MXp、ウエハアライメントYマーク(ウエハYマーク)MYpがそれぞれ形成されている。このうち、ウエハXマークMXpのX位置は、ショット領域Sp(の中心Cp)のX座標に設計上一致し、ウエハYマークMYpのY位置は、ショット領域Sp(の中心Cp)のY座標に設計上一致するようになっている。すなわち、設計上は、ウエハXマークMXpのX位置とウエハYマークMYpのY位置とにより、ショット領域Sp(の中心Cp)の位置座標が求められるようになっている。なお、本実施形態では、実際には、アライメント検出系ASによって計測する被計測領域としてのマークMXp,MYpの数、配置及びそれらのマークの計測の際の移動シーケンスの最適化を行うのであるが、その位置は、ショット領域Spの位置であるため、それらの最適化は、ショット領域Spの数、配置及びショット間の移動シーケンスの最適化を行うのと実質的に等しい。従って、以下では、計測するマークが付設されたショット領域の数、配置、及び移動シーケンスの最適化を行うかのように説明する(移動シーケンスに関しては、ウエハXマークMXpを先に計測するか、ウエハYマークMYpを先に計測するかによって移動シーケンスが若干異なったものとなるが、本実施形態では、説明を簡単にするため、ショット領域間のみの移動シーケンスに関してのみ最適化を行う)。
この場合、ウエハXマークMXpとしては、例えばX軸方向を周期方向とするラインアンドスペースマークが用いられ、ウエハYマークMYpとしては、例えばY軸方向を周期方向とするラインアンドスペースマークが用いられている。これらのマークとしては、一例としてラインパターンを3本有するマークが用いられているが、ラインパターンの数は何本でも良い。また、ウエハW上のショット領域の数は、51には限られない。
また、図2Bでは、図示されていないが、各ショット領域Spには、図2Bに示されるウエハマークMXp,MYpの他、後述するサーチアライメント用のマーク(サーチアライメントマーク)も付設されているものとする。
なお、上述したようなウエハW上のショット領域などに関する情報は、記憶装置に記憶されているものとする。
図3に示されるように、まず、ステップ301において、不図示のレチクルローダにより、レチクルステージRST上にレチクルRがロードされる。このレチクルロードが終了すると、ステップ303→ステップ305→ステップ307において、主制御装置20(より正確には、CPU)は、レチクルアライメント、ベースライン計測及びウエハロードを、前述のレチクルアライメント、ベースライン計測、及びウエハロード処理のプログラムに従って以下のようにして実行する。
すなわち、主制御装置20では、ウエハステージ駆動部24を介してウエハステージWST上の基準マーク板FMを投影光学系PLの直下の所定位置(以下、便宜上「基準位置」と呼ぶ)に位置決めし、基準マーク板FM上の一対の第1基準マークと、その第1基準マークに対応するレチクルR上の一対のレチクルアライメントマークとの相対位置を前述の一対のレチクルアライメント検出系22を用いて検出する。そして、主制御装置20では、レチクルアライメント検出系22の検出結果と、ステージ制御装置19を介して得られるその検出時の干渉計16、18の計測値とをメインメモリに記憶する。次いで、主制御装置20では、ウエハステージWST及びレチクルステージRSTを、それぞれ所定距離だけY軸方向に沿って相互に逆向きに移動して、基準マーク板FM上の別の一対の第1基準マークと、その第1基準マークに対応するレチクルR上の別の一対のレチクルアライメントマークとの相対位置を前述の一対のレチクルアライメント検出系22を用いて検出する。そして、主制御装置20では、レチクルアライメント検出系22の検出結果と、ステージ制御装置19を介して得られるその検出時の干渉計16、18の計測値とをメインメモリに記憶する。次いで、上記と同様にして、基準マーク板FM上の更に別の一対の第1基準マークと、その第1基準マークに対応するレチクルアライメントマークとの相対位置関係を更に計測しても良い。
そして、主制御装置20では、このようにして得られた少なくとも2対の第1基準マークと対応するレチクルアライメントマークとの相対位置関係の情報と、それぞれの計測時の干渉計16,18の計測値とを用いて、干渉計16の測長軸で規定されるレチクルステージ座標系と干渉計18の測長軸で規定されるウエハステージ座標系との相対位置関係を求める。これにより、レチクルアライメントが終了する。
次いで、ステップ305において、主制御装置20は、ベースライン計測を行う。具体的には、ウエハステージWSTを前述の基準位置に戻し、その基準位置から所定量、例えばベースラインの設計値だけXY面内で移動して、アライメント検出系ASを用いて基準マーク板FM上の第2基準マークを検出する(ステージ制御装置19を介してウエハ干渉計18の計測値をメインメモリに記憶する)。主制御装置20では、このとき得られるアライメント検出系ASの検出中心と第2基準マークの相対位置関係の情報及び先にウエハステージWSTが基準位置に位置決めされた際に計測した一対の第1基準マークと、その第1基準マークに対応する一対のレチクルアライメントマークとの相対位置関係の情報と、それぞれの計測時のウエハ干渉計18の計測値と、既知である第1基準マーク及び第2基準マークとの位置関係に基づいて、アライメント検出系ASのベースライン、すなわちレチクルパターンの投影中心とアライメント検出系ASの検出中心(指標中心)との距離(位置関係)を算出する。
次いで、ステップ307において、主制御装置20では、不図示のウエハローダの制御系にウエハWのロードを指示する。これにより、ウエハローダによって、ウエハWがウエハステージWST上のウエハホルダ25上にロードされる。ここで、本実施形態では、ウエハWのロードに先立って、不図示のプリアライメント装置により、ウエハステージWSTの移動位置を規定するウエハステージ座標系(以下、「ステージ座標系」と略述する)と、ウエハW上のショット領域により規定される座標系(以下、「配列座標系」と略述する)がある程度まで一致するように、ウエハステージWSTに対するウエハWの回転ずれと中心位置ずれが略調整されているものとする。また、ここで、主制御装置20は、記憶装置に記憶されているウエハWに関する情報をメインメモリに読み込む。
このような一連の準備作業が終了すると、主制御装置20では、前述のレチクルアライメント及びベースライン計測処理等のプログラムをメインメモリからアンロードするとともに、前述の特定プログラムをメインメモリにロードする。以後、この特定プログラムに従って、本実施形態の選出方法、すなわち、サーチアライメント及びウエハアライメントにおける計測ショット領域の数、配置及び計測の際の移動シーケンスの最適化(上述したように、アライメントマークの数、配置及び計測の際の移動シーケンスの最適化に相当)、及びそれらの最適化が行われた状態でのサーチアライメント及びEGA方式のウエハアライメント、及びウエハW上の各ショット領域に対する露光が行われる。
《最適化の原理》
次に、サブルーチン309において、サーチアライメント及びウエハアライメントにおいて計測に用いるショット領域(以下、適宜、「EGA計測ショット領域」又は、「サンプル計測ショット領域」と略述する)の数、配置及び移動シーケンスの最適化を行うが、その処理手順を説明する前に、ここで、計測ショット領域の数及び配置の最適化アルゴリズムの原理について説明する。
本実施形態では、ウエハW上の全ショット領域Sp(p=1、2、…、51、本実施形態では、全ショット数は51個としているが、以降では便宜上、全ショット個数を、m個と表す場合もある)の中から、n(nは3以上の整数)個のサンプル計測ショット領域(これらを、S’i(i=1、2、……、n)とする)を、後述する最適化処理を用いて選択するが、選択されたサンプル計測ショット領域S’iの設計上の配列座標を(xi、yi)とすると、それら設計上の配列座標からのずれ(dxi,dyi)の線形モデルを、次式で仮定することができる。
ここで、Sx,Sy,Rx,Ry,Ox,Oyは、EGA方式のアライメントに関する6つの誤差パラメータを示す。すなわち、Sx,Syは、ウエハのX,Y軸方向の線形伸縮(スケーリング)を示し、Rx,Ryは、X軸及びY軸の回転量(ローテーション)を示し、Ox,Oyは、X軸方向及びY軸方向のオフセットを示す。
n個のサンプル計測ショット領域の各々の設計上の配列座標(xi、yi)からのずれ(計測値)を(Δxi、Δyi)としたとき、このずれと上記線形モデルで仮定される設計上の配列座標からのずれとの残差の二乗和χ2は、次式で表される。
ここで、σxi,σyiは、(Δxi,Δyi)に含まれる誤差である。このχ2が、後述するEGA方式のウエハアライメントを行う際の評価関数となり、EGA方式では、この評価関数χ2を最小にするような誤差パラメータSx、Sy、Rx、Ry、Ox、Oyが、最小二乗法などの統計演算により求められる。ここで、上記評価関数χ2を最小にする条件として次式が得られる。
したがって、上記式(3)から次式(4)、式(5)(正規方程式)が得られる。
そして、上記式(4)、式(5)を解けば、以下に示す6つの誤差パラメータ(Sx,Sy,Rx,Ry,Ox,Oy)の最尤推定値が求まる。
ここで、上記式(1)中の(Sx,Sy,Rx,Ry,Ox,Oy)を、上記最尤推定値に置き換え、全ショット領域Sp(p=1〜51)の配列座標(xp,yp)をそれぞれ上記式(1)に代入すれば、そのショット領域Spにおける以下に示す補正値をそれぞれ決定することができる。
また、上記最尤推定値がそれぞれ有する誤差を、以下に示すように定義する。
上記最尤推定値がそれぞれ有する誤差は、上記式(4)、式(5)の左辺の3×3行列の逆行列の対角要素の平方根となるため、次式が得られる。
ただし、上記式(6)中の|Ax|、|Ay|は、次式で表される。
前述のように、ショットの設計位置(xp,yp)に対する設計上の配列座標からの位置ずれ量の最尤推定値
については、上記式(1)に基づいて求めることができるが、その最尤推定値が有する重ね合わせ誤差
については、次式から求めることができる。
従って、全ショット領域(全ショット数m)の重ね合わせ誤差の期待値
と、標本分散
は、次の式(9)、式(10)で表される。
以上説明したように、上記式(4)、式(5)、式(6)を用いて、全ショット領域Spの中から、n個のショット領域(これらを、S’i(i=1、2、……、n)とする)をサンプル計測ショット領域の候補として選んだ場合に求められる誤差パラメータの最尤推定値、及び誤差パラメータの最尤推定値に含まれる誤差を推定することができ、その誤差に基づいて、そのサンプル計測ショット領域を選んだときの全ショット領域Spの重ね合わせ誤差の期待値及び標本分散(式(9)、式(10))を推定することができる。したがって、後述するサブルーチン309のサンプル計測ショット領域の最適化の処理では、選択されたサンプル計測ショット領域の集合について、それぞれ上記式(9)、式(10)に示される、全ショット領域の重ね合わせ誤差の期待値及び標本分散の値を求め、その値に基づいて、その副集合に含まれるショット領域を、ウエハアライメントの際に計測するショット領域の組合せとするか否かを判断する。
図4には、サブルーチン309の処理を示すフローチャートが示されている。図4に示されるように、ステップ401において、サンプル計測ショット領域の副集合の選択を行う。サンプル計測ショット領域の副集合とは、全ショット領域の全体の集合を全集合としたとき、その全集合の要素の中から幾つかのショット領域を、サンプル計測ショット領域の候補として任意に選択した場合の、選択されたショット領域の集合をいい、要するにサンプル計測ショット領域候補の組合せをいう。
例えば、サンプル計測ショット数をnとすると、本実施形態では、全ショット数m個(=51)なので、全ショット領域からn個のサンプル計測ショット領域の副集合を、計51Cn個作成することができる。ここでは、上述のように作成されたサンプル計測ショット領域の副集合から、いずれか1つの副集合を選択するのである。本実施形態では、サンプル計測ショット数の最適化も行うため、サンプル計測ショット数nを、最小値(これをn1とする)から最大値(これをn2(>n1)とする)まで1ずつインクリメントしていったときに作成される(51Cn1+51Cn1+1+51Cn1+2…+51Cn2)個の副集合を作成し、作成された全ての副集合の中から、いずれか1つの副集合を算出する。なお、ここでは、まだ、すでに選択された副集合は存在しないので、作成された全ての副集合から、任意の副集合を選択することができるが、後述するように、ステップ407で判断が否定された後、或いはステップ411で判断が肯定された後に、本ステップ401に戻り、再度副集合の選択を実行する際には、作成された副集合のうち、まだ選択されていない副集合を選択するものとする。なお、上記n1、n2などの値は、装置パラメータとして記憶装置に記憶されており、ステップ401を実行する時点で、メインメモリに読み込まれているものとする。
なお、本実施形態では、サンプル計測ショット数nも最適化するが、サンプル計測ショット数nを、例えば8などに固定して、配置のみ最適化することも勿論可能であり、この場合には、ステップ401においては、51Cn個の副集合の中から、副集合が1つだけ選択されるようにすれば良い。
次のステップ403において、EGAパラメータとEGAパラメータの誤差を算出する。具体的には、ステップ401において選択された副集合に含まれるショット領域の設計値(xi,yi)と、そのショット領域のマーク設計位置に対するずれ量の誤差(σxi,σyi)とに基づいて、上記式(4)、式(5)を計算して、誤差パラメータの最尤推定値
を求める。なお、全てのショット領域の設計値に対応する所定の精度指標としてのずれ量の誤差(σxi,σyi)の値は、予め求められており、前述のウエハWに関する情報として、記憶装置に記憶されているものとする。このずれ量の誤差としては、例えば、ショット領域の位置情報に関わる計測再現性に開する指標を用いることができる。なお、このような精度指標としては、露光装置100におけるアライメントの目標値と、実力値(前記目標値よりも若干余裕を持たせた値)との2つが考えられる。また、計測再現性としては、個々のアライメントマークに対する計測再現性と、重ね合わせ結果の再現性とがある。
さらに、主制御装置20は、上記式(6)を用いて、上記最尤推定値の誤差の推定値
を求める。
次のステップ405では、全てのショット領域について、ショット領域毎に、上記式(8)を計算して、各ショット領域の重ね合わせ誤差を算出する。そして、全ショット領域の重ね合わせ誤差の期待値と標本分散とを上記式(9)、式(10)を用いて算出する。
次のステップ407において、式(9)、式(10)から求められる全ショット領域の重ね合わせ誤差の期待値と標本分散の値が、全て所定の閾値より低い(ここでは、期待値及び標本分散の値が低ければ低いほど重ね合わせ誤差が小さくなる好ましいケースと考えられる)か否かを判断する。ここで判断が肯定されれば、ステップ409に進み、判断が否定されれば、ステップ401に戻る。ここでは、判断が否定されたものとして、ステップ401に戻るものとする。なお、この閾値は、勿論、式(9)、式(10)で求められる計算結果毎に異なる値を設定可能となっており、この閾値は、予め装置パラメータとして記憶装置に記憶されており、この時点でメインメモリにロードされているものとする。また、ステップ407では、式(6)によって算出される誤差パラメータの誤差が所定の閾値より低いか否かを判断条件とするようにしても良い。
以降、ステップ407において判断が肯定されるまで、ステップ401でサンプル計測ショットの副集合が選択され、選択された副集合についてステップ403→ステップ405→ステップ407の処理が繰り返し実行される。
ステップ407において、式(9)、式(10)の計算結果、すなわち全ショット領域の重ね合わせ誤差の期待値と標本分散の値が所定の閾値よりもすべて低い場合には、ステップ409に進む。
次のステップ409では、選択された副集合に関する情報、すなわち副集合に含まれるショット領域Siの位置などの情報を、メインメモリに記憶する。そして、ステップ411において、作成された副集合のうち、EGAパラメータ誤差や重ね合わせ誤差などがまだ推定されていない残りの副集合があるか否かを判断する。判断が肯定された場合には、ステップ401に戻り、判断が否定された場合には、ステップ413に進む。
以降、ステップ411において、全ての副集合についてEGAパラメータ、EGAパラメータ誤差、重ね合わせ誤差等が算出され、残りの副集合がなくなるまで、ステップ401→ステップ403→ステップ405→ステップ407の処理が繰り返し実行され、ステップ407において、選択された副集合における全ての重ね合わせ誤差が閾値より低いと判断された場合には、ステップ409において、選択された副集合に関する情報が、メインメモリに記憶される。
作成された全ての副集合について、EGAパラメータ、EGAパラメータ誤差や重ね合わせ誤差などが算出され、ステップ411において、判断が否定されると、ステップ413に進む。ステップ413では、メインメモリ上への記憶対象となった副集合(すなわち副集合に関する情報)を、その重ね合わせ誤差の良い順にソートし、次のステップ415では、ソートした結果を、EGA配置ファイルとして、記憶装置に保存する。
ここで、記憶装置に保存されたEGA配置ファイルに含まれるショット領域の副集合は、ステップ405で算出された全ショット領域の重ね合わせ誤差の期待値や標本分散の値が、所定の閾値よりも良好なものである。すなわち、このEGA配置ファイルに含まれる副集合が、サンプル計測ショット領域の組合せの(有力)候補となる。
なお、ステップ407において、全ての副集合について判断が肯定されなかった場合には、様々な処置を施すことができる。例えば、サブルーチン309の処理を強制終了し、以降の処理に進むようにしても良いし(この場合には、経験的に選択されているショット領域をEGA計測ショット領域として採用する)、所定の閾値を変更して、ステップ407における判断をやり直すようにしても良い。また、サンプル計測ショット数などの条件を変更して、副集合を選択し直すようにしても良い。また、式(9)、式(10)の算出結果の値が小さい順に少なくとも1つの副集合を選択して、ステップ409に進み、選択された副集合に関する情報をメインメモリに記憶するようにしても良い。
図5のステップ501に進み、ステップ501では、記憶装置に記憶されているEGA配置ファイルをメインメモリに読み込む。そして、ステップ503以降では、後述するサーチアライメントのためのショット領域(以下、「サーチ計測ショット領域」と略述する)の配置についての最適化を行う。
本実施形態では、後述するように、EGA方式のウエハアライメントの前に、サーチアライメントを行う。このサーチアライメントは、アライメント検出系ASによるアライメントマークの計測の際に、そのアライメントマークがアライメントセンサの検出視野内に収まるように、EGA計測ショットのアライメントマークを計測する前に、ステージ座標系と配列座標系との回転誤差を、予め把握するための処理である。サーチアライメントでは、ステージ座標系と配列座標系との回転誤差を検出するために、ウエハW上に形成された少なくとも2つのサーチアライメントマークを計測する。
図2A,図2Bに示されるウエハWには、前述したように、アライメントマークの他に、サーチアライメントマークも各ショット領域Spに付設されている。本実施形態では、各ショット領域Spに付設されたサーチアライメントマークの中から、サーチアライメントを行うのに最適な少なくとも2つのサーチアライメントマークを選択する。
まず、ステップ503において、1番目のサーチ計測ショット領域を選択する。この1番目のサーチ計測ショット領域については、ウエハW上の全てのショット領域の中から選択することができ、EGA配置ファイルに登録された副集合に含まれるショット領域の中から選択する必要はない。
次のステップ505では、EGA配置ファイルに登録されている副集合を1つ選択し、ステップ507において、選択された副集合に含まれるショット領域の中から2番目のサーチ計測ショット領域を1つ選択する。このように、2番目のサーチ計測ショット領域をサンプル計測ショット領域の候補の中から選ぶのは、2番目のサーチ計測ショット領域を1番目のEGA計測ショット領域と同一とすれば、サーチアライメントから、ウエハアライメントに移行する際のウエハステージの移動距離を短くすることができ、スループットに有利であるからである。
次のステップ509では、選択した2つのショット領域によるサーチアライメントの精度が、所定の閾値(この閾値も予め装置パラメータとして記憶装置に記憶されており、この時点ではメインメモリに読み込まれているものとする)より良好であるか否かを判断し、その判断が肯定されれば、ステップ511に進み、判断が否定されれば、ステップ513に進む。このサーチアライメントの精度の尺度としては、例えば1番目のサーチ計測ショット領域として選択されたショット領域と、2番目のサーチ計測ショット領域として選択されたショット領域との距離がある。すなわち、ここでは、サーチ計測ショット領域として選択された両者のショット領域の距離が所定距離(これが閾値(選択基準(サーチスパン))となる)離れているかを判断する。なお、この選択基準の他には、サーチ計測ショット領域の配置状態に関する制約はなく、2つのサーチ計測ショット領域は、Y軸方向に離れて配置されていても良く、X軸方向に離れて配置されていても良く、斜め方向に離れて配置されていても良い。例えば、サーチ計測ショット領域として、図7Aに示されるショット領域S”1,S”2を選択するようにしても良いし、図7Bに示されるショット領域G3、G7を選択するようにしても良い。
なお、この所定距離(選択基準)は、ウエハのサイズによらず固定とするのでは無く、ウエハのサイズによって変動させるのが望ましい。例えば200mmウエハに適用される選択基準を60mmとし、300mmウエハに適用される選択基準を100mmとしても良い。主制御装置20は、メインメモリに読み込まれたウエハWに関する情報に基づいて、その選択基準を切り替えていけば良い。
また、ステップ509においては、サーチアライメントの精度を、必ずしも選択基準とする必要はなく、例えば、計測のスループットを重視して、そのスループットに有利なショット領域を選択するようにしても良い。例えば、ウエハステージWSTの移動時間(あるいはサーチアライメント及びウエハアライメントを含むアライメントの計測に要する全移動時間)を選択基準としても良い。
ステップ509で、判断が肯定されると、ステップ511に進み、ステップ511では、選択した2つのショット領域を、サーチ計測ショット領域とし、そのサーチ計測ショット領域とステップ505で選択された副集合に含まれるサンプル計測ショット領域に関する情報(例えばそれらの位置情報)をメインメモリに記憶する。
ステップ511実行後、あるいは、ステップ509で判断が否定された後、ステップ513に進み、ステップ513では、2番目のサーチ計測ショット領域を変更するか否かが判断され、その判断が肯定されると、ステップ507に戻り、判断が否定されると、ステップ515に進む。なお、ここでは、種々の判断基準を用いることができる。例えば、ステップ511が所定回数実行されるまで、又は1つの副集合に含まれる全てショット領域が2番目のサーチ計測ショット領域として選択されるまで、ステップ513における判断が肯定されるものとすることができる。ここでは、判断が肯定されたものとして話を進める。
以降、ステップ513において、判断が否定されるまで、ステップ507→ステップ509→ステップ511(前述のように、ステップ509の判断によっては実行されない場合もある。)→ステップ513が繰り返し実行され、ステップ511において、サーチ精度が所定の閾値より良好であったサーチ計測ショット領域とそのときの副集合に含まれるEGA計測ショット領域の位置が、メインメモリに記憶されていく。なお、ステップ507では、1度選択されたショット領域を選択しないようにすることは言うまでもない。
ステップ513において、判断が否定されると、ステップ515に進み、他の副集合についてサーチ計測ショット領域の最適化を行うか否かが判断される。判断が否定されると、ステップ517に進み、判断が肯定されると、ステップ503に戻る。ここでは、判断が肯定されたものとして話を進める。なお、ここでは、例えばEGA配置ファイルの中にまだサーチ計測ショット領域の最適化が行われていない副集合があるか否かなどを判断基準とすれば良い。
以降、ステップ515において判断が否定されるまで、前述したステップ503→ステップ505→ステップ507→ステップ509→ステップ511→ステップ513→ステップ515の処理が繰り返し実行され、ステップ505で選択された副集合について、サーチ計測ショット領域の最適化が行われる。
ステップ515において、判断が否定されると、ステップ517に進み、ステップ511においてメインメモリ上に記憶されたサーチ計測ショット領域と、EGA計測ショット領域との組合せが、サーチ+EGA計測ショット組合せファイルとして、記憶装置に保存される。
そして、ステップ519において、その組合せファイルに含まれるサーチ計測ショット領域とサンプル計測ショット領域との組合せがあるか否かを判断する。ここで、組合せがないと判断された場合には、サブルーチン309の処理を終了し、図3のステップ311に移動する。この場合には、従来から経験的に決められているサーチ計測ショット領域と、サンプル計測ショット領域とを用いて後述するサーチアライメント及びウエハアライメントが実行される。しかし、ここでは、組合せがあると判断されたとして、図6のステップ601に進む。
図6のステップ601において、サーチ計測ショット領域と、EGA計測ショット領域の組合せファイルを記憶装置からメインメモリに読み込む。そして、ステップ603において、EGA配置ファイルも、記憶装置からメインメモリに読み込む。
次のステップ605において、EGA配置ファイルの中から、その組合せファイルのEGA計測ショット領域に対応する副集合を選択し、ステップ607において、サーチ計測ショット領域との組合せがあるか否かを判断する。判断が肯定されればステップ609に進み、判断が否定されれば、ステップ605に戻る。以降、ステップ607において判断が肯定されるまで、ステップ605→ステップ607の処理が繰り返し実行され、サーチ計測ショット領域との組合せがある副集合が選択される。
ステップ607において、判断が肯定されると、ステップ609に進み、ステップ609では、生物の進化過程を工学的に模倣した進化的計算による最適化手法の1つである遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm、以下「GA」と略述する)を用いて、最短経路の探索が行われる。具体的には、GAによる解法の1つである有名なサブツアー交換交叉(Sub−tourExchange Crossover:SXX)を用いてアライメントの際のウエハステージWSTの移動シーケンス(すなわちアライメント検出系ASの計測経路)の最適化を図る。
GAでは、ステップ605において選択された副集合に含まれるEGA計測ショットの移動シーケンスが、遺伝子に模倣される。すなわち、例えばその副集合に含まれるEGA計測ショット領域が、図2Aに示されるウエハW上のショット領域(S1,S2,S5,S6,S40,S46,S47,S51)であったとすると、その移動シーケンスとして、例えば、S46→S47→S51→S40→S6→S5→S2→S1という配列が、その移動シーケンスを表す遺伝子配列とみなされる。GAでは、まず、選択された副集合ショット領域の組合せから任意に作成される遺伝子を複数作成し、これを1世代目の遺伝子集団とする。このような1世代目の遺伝子集団の作成方法については、例えば経験則に基づく方法、線形計画に基づく方法、例えば最良近傍優先探索法(Nearest Neighbor Method、以下、「NN法」と呼ぶ)又は任意に生成された制約充足解を初期解としてLin&Kernighanの解法(以下、「LK法」と呼ぶ)によって生成された解、又は線形計画法に基づく解法(例えばNN法など)によって生成された制約充足解を初期解としてLK法によって生成された解などを用いても良い。なお、ここでは、この1世代遺伝子集団の個々の遺伝子での移動シーケンスの総移動時間をそれぞれ求めておく。
そして、この遺伝子集団の中から、予め設定した交叉率(例えば0.4)に従って、交叉オペレータ及び突然変異オペレータにより、1世代目の遺伝子集団とは配列が異なる遺伝子集団を形成する。そして、1世代目の遺伝子集団と、新しく形成された遺伝子集団とで、いわゆる淘汰を行い、優秀な遺伝子、すなわち移動シーケンスの移動時間が短い遺伝子ほど優先的に生き残るように(しかしながら必ずしも優秀でない遺伝子も若干生き残るように)する。すなわち、ここでは、上述した交叉、突然変異、淘汰を繰り返すことにより、最適でない局所解に陥ることなく、移動シーケンスの最適解、すなわち副集合に含まれるショット領域間の総移動時間が最短となるような最も好ましい移動シーケンスを求めるのである。
なお、GAに用いる世代交替モデルとしては、上述のように、全ての親と子供の中から優秀なものを優先的に生き残らせるElitistモデルを用いても良いが、上述した独身者がいないように全ての遺伝子をペアにし、作られた子供と併せて、それぞれの家族から最良の2遺伝子を次の世代に残すMGGモデルを用いても良い。また、交叉オペレータとして、SXXの代わりにTSP(いわゆる巡回セールスマン問題)の解法に用いられている様々な交叉オペレータを利用可能である。
また、本実施形態では、進化的計算法であるGAの代わりに、上述した線形計画法、LK法、ニューラルネットワーク、又はk−OPT法のような、オペレーションズリサーチ的手法を用いて最短経路の探索を行っても良いし、GAとそれらオペレーションズリサーチ的手法を組み合わせた方法を用いて最短経路の探索を行っても良い。なお、このようなGA等の処理については、特開平10−312961号公報及びこれに対応するUS公開第2001053962号などや、特開平10−303126号公報及びこれに対応する米国特許第6576919号などに開示されているので、ここでは、詳細な説明を省略する。本国際出願で指定した指定国又は選択した選択国の国内法令が許す限りにおいて、上記公報及びこれに対応する米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
次のステップ611では、こうして求められた最短経路をメインメモリ上に記憶し、ステップ613では、他の副集合の移動シーケンスを最適化するか否かが判断される。その判断が肯定されれば、ステップ605に戻り、判断が否定されれば、ステップ615に進む。ここでは、判断が肯定されたとして、ステップ605に戻る。なお、ここでは、移動シーケンスを最適化していない副集合が残っているか否かを判断基準とすれば良い。
以降、ステップ613において、その判断が否定されるまで、ステップ605→ステップ607のループ処理が実行され、ステップ607で判断が肯定されると、ステップ609→ステップ611→ステップ613が実行されるという工程が繰り返される。ステップ613において、判断が否定されると、ステップ615に進む。
次のステップ615では、メインメモリ上に記憶されたサーチ計測ショット領域及びEGA計測ショット領域の最短経路に関して、サーチ計測ショット領域と、EGA計測ショット領域の経路の移動時間が計算され、ステップ617において、そのサーチ計測ショット領域及びEGA計測ショット領域の最短経路、時間などが、記憶装置にファイルとして保存される。
図7Aには、最適化を行うことなく経験的に配置されているサーチ計測ショット領域及びEGA計測ショット領域の配置状態の一例が示されており、図7Bには、本実施形態の上記サブルーチン309の処理により、最適化されたサーチ計測ショット領域及びEGA計測ショットの配置状態の一例が示されている。図7A,図7Bにおいて、両者ともサーチ計測ショット数は2点であり、EGA計測ショット数は8点となっている。S”1,S”2は、それぞれ1番目、2番目(計測順)のサーチ計測ショット領域を示しており、G1〜G8は、それぞれ1番目〜8番目(計測順)のEGA計測ショット領域を示している。図7Aに示されるように、最適化される前の2つのサーチ計測ショット領域として、それぞれウエハWの左上、右上側のショット領域が選択されており、EGA計測ショット領域としては、ウエハWの外周における右上、左上、右下、左下の2つのショット領域が均等に配置されていたが、図7Bに示されるように、サーチ計測ショット領域及びEGA計測ショット領域の配置が完全に変更されており、例えばEGA計測ショットG1〜G8の配置は、その計測経路が、ウエハWの中心に対して反時計回り(ウエハステージWSTの実際の移動は、時計回り)となるように配置されている。
なお、図7A,図7Bに示されるウエハWのショット数は、図2Aのショット数とは異なるが、本発明は、ウエハW上の全ショット数に関わらず適用することができるので、特に問題はない。
以下の表1に、図7A,図7Bに示されるサーチ計測ショット領域及びEGA計測ショット領域を選択した場合の、サーチ計測及びEGA計測に要した時間や、重ね合わせ誤差等の評価結果を示す。
図6に戻り、ステップ617実行後、このサブルーチンの処理を終了して、図3のステップ311にリターンする。
次のステップ311、ステップ313、ステップ315では、サーチアライメントを行う。具体的には、まず、ステップ311において、1番目のサーチアライメントマークがアライメント検出系ASの検出視野内に入るように、ステージ制御装置19、ウエハステージ駆動部24を介してウエハステージWSTを駆動し、アライメント検出系ASを用いて1番目のサーチアライメントマークを撮像する。なお、このとき、アライメント検出系ASの倍率は低倍率に設定されている。アライメント検出系ASからそのサーチアライメントマークの撮像信号を受信すると、その位置情報と、1番目のサーチアライメントマークが撮像されたときのウエハ干渉計18から送られたウエハステージWSTの位置情報とから、1番目のサーチアライメントマークの位置情報を算出し、メインメモリに記憶する。
次のステップ313では、2番目のサーチアライメントマークがアライメント検出系ASの検出視野内に入るように、ウエハステージWSTを駆動し、アライメントセンサASを用いて2番目のサーチアライメントマークを撮像する。後はステップ311と同様にして、2番目のサーチアライメントマークの位置情報を算出し、メインメモリに記憶する。
次のステップ315では、1番目のサーチアライメントマークの位置情報と、2番目のサーチアライメントマークの位置情報とから、ステージ座標系に対するウエハW上のショット領域の配列座標系との回転誤差を算出する。この回転誤差の算出処理については、すでに公知であるので、詳細な説明を省略する。
次のステップ317では、最適なEGA計測ショット領域の組合せの副集合に関する情報を不図示の記憶装置から読み出し、その副集合に含まれるEGA計測ショット領域の数や移動シーケンスを読み出す。ここで、最適化されたEGA計測ショットの数が8であるとすると、各ショット領域は、図7Bに示されるように、その経路順に、Gk(k=1、2、3、…、8)として対応付けられるものとする。さらに、ステップ315で算出された回転誤差に基づいて、各EGA計測ショット領域の位置座標を補正する。
次のステップ319では、カウンタの値kを1に初期化し、ステップ321で、k番目のアライメントマークがアライメント検出系ASの検出視野内に入るように、ウエハステージWSTを駆動し、アライメント検出系ASを用いて1番目のEGA計測ショット領域のアライメントマーク(MXk,MYk)をそれぞれ撮像する。ここでは、k=1なので、1番目の計測ショットのアライメントマーク(MX1,MY1)が、アライメント検出系ASの検出視野に収まるようになる。アライメント検出系ASからそのサーチアライメントマークの撮像信号を受信すると、その撮像信号に基づいて1番目のアライメントマークの撮像データ内の位置情報を検出する。そして、その位置情報と、1番目のアライメントマークが撮像されたときのウエハ干渉計18から送られたウエハステージWSTの位置情報とから、1番目のアライメントマークの位置情報を算出し、メインメモリに記憶する。
次のステップ323では、カウンタ値kが、EGA計測ショット数(最適化されたショット数)を越えたか否かを判断する。判断が肯定されれば、ステップ327に進み、否定されれば、ステップ325に進む。ここでは、まだk=1なので、判断は否定され、ステップ325に進む。
ステップ325では、カウンタ値kを1だけインクリメントし(k←k+1)、ステップ321に戻る。
以降、ステップ323において、判断が肯定されるまで、ステップ321→ステップ323→ステップ325の処理が繰り返し実行され、最適化されたショット数分のアライメントマークの位置が最適化された移動シーケンスに従って検出される。
ステップ327では、選択されたアライメントマークの検出結果に基づいて、前述したEGA方式で行われている統計処理方法により全てのショット領域の配列座標を算出する、いわゆるEGA演算を行う。これにより、ウエハW上の全てのショット領域のステージ座標系(静止座標系)上における配列座標が算出される。この処理については、例えば特開昭61−44429号公報及びこれに対応する米国特許第4,780,617号などに開示されているので、詳細な説明を省略する。本国際出願で指定した指定国又は選択した選択国の国内法令が許す限りにおいて、上記公報及びこれに対応する米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
次のステップ329では、ショット領域の配列番号を示すカウンタjに1をセットし、最初のショット領域を露光対象領域とする。
そして、ステップ331では、EGA演算にて算出された露光対象領域の配列座標に基づいて、ウエハWの位置がウエハW上の露光対象領域を露光するための加速開始位置となるようにウエハステージWSTを移動させるとともに、レチクルRの位置が加速開始位置となるようにステージ制御装置19、レチクルステージ駆動部(不図示)を介して、レチクルステージRSTを移動する。
ステップ333では、レチクルステージRSTとウエハステージWSTの相対走査を開始する。そして両ステージがそれぞれの目標走査速度に達し、等速同期状態に達すると、照明系10からの照明光ILによってレチクルRのパターン領域が照明され始め、走査露光が開始される。そして、レチクルRのパターン領域の異なる領域が照明光ILで逐次照明され、パターン領域全面に対する照明が完了することにより走査露光が終了する。これにより、レチクルRのパターンが投影光学系PLを介してウエハW上の露光対象領域に縮小転写される。
ステップ335では、カウンタ値jを参照し、全てのショット領域に露光が行われたか否かを判断する。ここでは、j=1、すなわち、最初のショット領域に対して露光が行なわれたのみであるので、ステップ335での判断は否定され、ステップ337に移行する。
ステップ337では、カウンタjの値をインクリメント(+1)して、次のショット領域を露光対象領域とし、ステップ331に戻る。
以下、ステップ335での判断が肯定されるまで、ステップ331→ステップ333→ステップ335→ステップ337の処理、判断が繰り返される。
ウエハW上の全てのショット領域へのパターンの転写が終了すると、ステップ335での判断が肯定され、ステップ339に移行する。
ステップ339では、不図示のウエハローダにウエハWのアンロードを指示する。これにより、ウエハWは、不図示のウエハローダにより、ウエハホルダ25上からアンロードされた後、不図示のウエハ搬送系により、露光装置100にインラインにて接続されている不図示のコータ・デベロッパに搬送される。これにより、露光処理動作が終了する。
これまでの説明から明らかなように、本実施形態では、主制御装置20の記憶装置及びメモリにより、記憶装置が構成されている。また、本実施形態では、主制御装置20が、本発明の選出装置の第1領域選択装置、推定装置、集合選択装置、第2領域選択装置、算出装置、決定装置、第1選択装置、第2選択装置、及び転写装置に対応している。すなわち、主制御装置20のCPUが行う、ステップ401(図4)の処理によって第1領域選択装置の機能が実現され、ステップ403、ステップ405(図4)の処理によって推定装置の機能が実現され、ステップ407、ステップ409(図4)、ステップ601〜ステップ617(図6)の処理によって、集合選択装置の機能が実現され、ステップ501〜ステップ519(図5)の処理によって第2領域選択装置の機能が実現されている。また、ステップ601〜ステップ617(図6)の処理によって、選択装置の機能が実現され、その選択装置の構成要素である、集合選択装置、算出装置、決定装置に関しては、それぞれ、ステップ605の処理によって集合選択装置が実現され、ステップ609の処理によって算出装置が実現され、ステップ611の処理によって決定装置が実現されている。また、ステップ401〜ステップ415(図4)の処理によって第1選択装置が実現され、ステップ601〜ステップ617(図6)の処理によって第2選択装置が実現されている。また、ステップ333(図3)の処理によって転写装置が実現されている。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではないことは勿論である。
以上詳細に述べたように、本実施形態の選出装置及び該選出装置によって実行される選出方法によれば、図4のステップ401において、複数のショット領域の中から、任意の複数のショット領域がEGA計測ショット領域(副集合の各要素)として選択される。そして、ステップ403において、選択された複数のショット領域に関する位置情報の設計値(xi,yi)と、その位置情報に関わる所定の精度指標に関する情報(σxi,σyi)とに基づいて、選択されたショット領域のウエハW上での配列に関する誤差パラメータ情報、すなわち誤差パラメータの最尤推定値が算出される。そして、ステップ405で、推定された誤差パラメータに基づいて、重ね合わせ誤差を算出し、ステップ407で、その重ね合わせ誤差が、第1の所定条件(重ね合わせ誤差が閾値より低い(良好である)こと)を満たす副集合が選択される。
したがって、この選択された副集合に含まれるショット領域をEGA方式のウエハアライメントの際の計測対象とすれば、実際にサンプル計測ショット領域の位置情報をアライメント検出系ASで計測することなく、そのショット領域のウエハW上での配列に関する誤差パラメータに関する誤差や重ね合わせ誤差などを推定することができる。従って、推定された誤差パラメータに関する誤差や重ね合わせ誤差を用いれば、アライメント精度に対する要求を満たすことができるEGAサンプル計測ショット領域の数及び配置を、短時間に最適化することができる。
また、本実施形態によれば、数及び配置の最適化により選択されたショット領域の中から、それらのショット領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有するショット領域が、図6のステップ601〜ステップ617において選択されるので、その選択されたショット領域を、アライメント時に実際に計測するショット領域とすれば、それらの計測に要する時間を短縮することができる。
すなわち、本実施形態によれば、所定の精度基準を満たすサーチ計測ショット領域及びEGA計測ショット領域が選択され、選択された複数のショット領域の中から、さらに、ショット領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有する任意の複数のショット領域が選択されるので、アライメント精度に対する要求及びスループットに対する要求の両方を満たすことができる計測マークの数、配置、及び計測の際の移動シーケンスの最適化を実現することができる。
また、本実施形態の露光装置及び該露光装置によって実行される露光方法によれば、サブルーチン309の最適化処理が行われたうえで、ウエハW上に形成された被計測領域としてのマークの位置情報が精度良く検出され、その検出結果に基づいて、ウエハWの位置制御が行われた状態で、転写が行われるので、高露光精度及び高スループットの両立を実現することができる。
なお、上記実施形態では、ウエハWをロードした後に、サンプル計測ショット領域の最適化を行ったが、本発明はこれには限定されない。また、主制御装置20のCPU上で動作している基本ソフトウエアとしてのOSが、マルチタスクOSであれば、図3のステップ301〜ステップ307の準備作業中にサンプル計測ショット領域の最適化を同時進行で実行させるようにしても良く、あるいはそれらの準備作業に先立って最適化を行うようにしても良い。また、上記サンプル計測ショット領域の最適化は、必ずしも主制御装置20で行う必要はなく、露光装置100が含まれる半導体製造ラインを制御する制御コンピュータ、或いはその制御コンピュータや、主制御装置20などと通信ネットワーク(有線、無線を問わない)で接続された別のコンピュータで実行させるようにしても良い。
さらに、サンプル計測ショット領域等の数及び配置の最適化処理と、移動シーケンスの最適化処理を、別々のコンピュータで実行させるようにしても良い。また、ショット領域の選択処理、誤差パラメータ等の推定処理、副集合の中から最も好ましい副集合を選択する処理などを複数のコンピュータで分担して行うようにしても良い。
また、上記実施形態では、ショット領域の副集合を複数作成し、それらの中から選択された副集合に含まれるショット領域をサンプル計測ショット領域としたが、これには限定されず、本発明は、全ショット領域の中から、任意のショット領域の組合せを適当に選んで、その組合せにおけるEGAの誤差パラメータを推定するようにしても良い。
また、上記実施形態では、EGA計測ショット領域の数、配置、及び移動シーケンス全ての面において最適化されたショット領域の組合せを抽出したが、本発明はこれには限定されず、例えば、移動シーケンスの最適化まで行う必要はなく、逆に、移動シーケンスの最適化だけを行うようにしても良い。前者の場合、図5のステップ517において、複数の組合せがファイルに保存された場合には、EGA計測ショット領域の個数が少ない方の副集合を最良の副集合として選択するようにしても良い。
また、上記実施形態では、移動シーケンスの最適化に、オペレーションズリサーチ的手法、進化的計算法、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つの探索手法を用いたが、これには限定されず、EGA計測ショット領域の数、配置と併せて行われる移動シーケンスの最適化は、様々な手法を適用することができる。例えば、ステップ517で保存されたファイルに含まれるEGA計測ショット領域の全ての組合せについて総当りで、最短時間となる移動シーケンスを探索するようにしても良い。
また、上記実施形態では、オペレーションズリサーチ的手法、進化的計算法、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つの探索手法を用いた移動シーケンスの最適化を行ったが、その前に実施されるEGA計測ショット領域の数、配置の最適化としては、様々な手法を適用することができる。例えば、カルバックライブラーの情報量などの情報量、赤池情報量規準(AIC)などに代表される情報量規準、順序統計、EMアルゴリズムなどの統計的手法を用いて、あるいは上記実施形態のような方法と、これら統計的手法を組み合わせた手法を用いて、サンプル計測ショット領域の数、配置の最適化をした後に上記実施形態のような移動シーケンスの最適化を行うようにしても良い。すなわち、本発明は、EGAに関わる従前の方法と適宜組合せて用いうるものである。
また、上記実施形態では、EGA計測ショット領域等の数、配置の最適化の後に、移動シーケンスの最適化を行ったが、この順番は逆であっても良く、また、数、配置、及び移動シーケンスの最適化を同時に行っても良い。すなわち、各副集合に関して重ね合わせ誤差に関する情報などを算出する際に、GA等を用いて移動シーケンスの最適化を行うようにしても良い。
また、上記実施形態では、サーチアライメントを行うサーチ計測ショット領域の最適化を行ったが、露光工程においては、例えばプリアライメントの精度が格段に優れている場合では、サーチアライメントを行う必要がないこともあり、あるいはサーチアライメントマークがショット領域毎に設けられていない場合もあるので、そのような場合にサーチ計測ショット領域の最適化を必ずしも行う必要はないことはいうまでもない。また、サーチ計測ショット領域の最適化は、EGA計測ショット領域の最適化の前に行っても良い。
また、上記実施形態では、2番目のサーチ計測ショット領域を、サンプル計測ショット領域の副集合に含まれるショット領域から選択したが、全ショット領域の中から選択するようにしても良い。また、1番目のサーチ計測ショット領域を、サンプル計測ショット領域の副集合の中から選択するようにしても良い。
また、上記実施形態では、サーチアライメント用のマークと、アライメントマークとを別としたが、これらのマークを同一とする(すなわち、アライメントマークをサーチアライメント用のマークとしても用いる)ことも、特開平11−54407号公報及びこれに対応する米国特許第6411386号,6587201号などに開示されているように、十分可能である。したがって、かかる場合には、被計測領域としてのアライメントマークの中から、サーチアライメントマークを選択することができる。本国際出願で指定した指定国又は選択した選択国の国内法令が許す限りにおいて、上記公報及びこれに対応する米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
また、この場合、サーチアライメントマークを、副集合に含まれるショット領域のアライメントマークの中から選ぶことができる。例えば、2番目のサーチアライメントマークを1番目にEGA計測されるアライメントマークとすれば、スループットに有利である。なお、前述したように、上記実施形態では、ショット領域の副集合は、被計測領域のアライメントマークの副集合と実質的に同一であるとして、EGA計測ショット領域の副集合(すなわちEGA計測するアライメントマークの副集合)の中から2番目のサーチ計測ショット領域(サーチアライメントマーク)を選択したものである。
なお、同じショット領域からウエハXマーク、ウエハYマークを選択する必要はない。かかる場合には、上記実施形態の前提となるショット領域の副集合は、被計測領域のアライメントマークの副集合と同一ではなくなるため、ショット領域の副集合ではなく、アライメントマークの副集合について上記最適化処理を実施する必要がある。
また、上記実施形態では、各ショット領域にウエハXマークが1つ、ウエハYマークが1つだけ付設されているとしたが、このようなマークの数には限られず、ウエハW上のマークの数、配置はどのようなものであっても良い。例えば、アライメントマークが各ショット領域に付設されていなくても良く、例えばウエハの周辺部に離散的に形成される複数のアライメントマークを用いても良い。アライメントマークが各ショット領域に付設されていない場合には、上記実施形態の前提となるショット領域の副集合は、被計測領域のアライメントマークの副集合と同一ではなくなるため、ショット領域の副集合ではなく、アライメントマークの副集合について上記最適化処理を実施する必要がある。要は、本発明における副集合は、あくまでもマークの副集合であり、物体上の複数のマークを被計測領域として順次計測するものであれば、本発明を適用して同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態のように、各ショット領域にアライメントマークが複数存在する場合には、その経路順を含めて最適化が可能である。この場合には、移動シーケンスに対応する遺伝子配列に、ショット領域内のアライメントマークの計測順を含めれば良い。
このように、上記実施形態におけるサンプル計測ショット領域の数、配置の最適化手法、GA等の移動シーケンスの最適化手法は、様々な変形を加えうるものである。
また、上記実施形態ではEGA方式の使用を前提としたが、計測対象のアライメントマークを選択するアライメント方式であれば、いかなるアライメント方式でも良い。例えば、国際公開公報WO98/39689に開示されているような、複数の次数の回折光を検出できるようなアライメント方式に適用することも可能である。
また、上記実施形態では、アライメント検出系ASとして、FIA方式のアライメントセンサを用いたが、前述したように、レーザ光をウエハW上の点列状のアライメントマークに照射し、そのマークにより回折又は散乱された光を用いてマーク位置を検出するLSA(Laser Step Alignment)方式のアライメントセンサや、そのアライメントセンサと上記FIA方式とを適宜組み合わせたアライメントセンサにも本発明を適用することは可能である。また、例えばコヒーレントな検出光を被検面のマークに照射し、そのマークから発生する2つの回折光(例えば同次数)を干渉させて検出するアライメントセンサを、単独で、あるいは上記FIA方式、LSA方式などと適宜組み合わせたアライメントセンサに本発明を適用することは勿論可能である。
なお、アライメント検出系はオン・アクシス方式(例えばTTL(Through The Lens)方式など)でも良い。また、アライメント検出系は、アライメント検出系の検出視野内にアライメントマークをほぼ静止させた状態でその検出を行うものに限られるものではなく、アライメント検出系から照射される検出光とアライメントマークとを相対移動させる方式であっても良い(例えば前述のLSA系や、ホモダインLIA系など)。かかる検出光とアライメントマークとを相対移動させる方式の場合には、その相対移動方向を、前述の各アライメントマークを検出する際のウエハステージWSTの移動方向と同一方向とすることが望ましい。
また、上記実施形態では、本発明がステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置に適用された場合について説明したが、本発明の適用範囲がこれに限定されないのは勿論である。すなわち、ステップ・アンド・リピート方式、ステップ・アンド・スティッチ方式、ミラープロジェクション・アライナー、及びフォトリピータなどにも好適に適用することができる。さらに、投影光学系PLは、屈折系、反射屈折系、及び反射系のいずれでもよいし、縮小系、等倍系、及び拡大系のいずれでも良い。
さらに、本発明が適用される露光装置の光源は、KrFエキシマレーザやArFエキシマレーザ、F2レーザとしたが、他の真空紫外域のパルスレーザ光源であっても良い。この他、露光用照明光として、例えば、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。
なお、複数のレンズから構成される照明光学系、投影光学系、並びにアライメント検出系ASを露光装置本体に組み込み、光学調整をするとともに、多数の機械部品からなるレチクルステージやウエハステージを露光装置本体に取り付けて配線や配管を接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより、上記実施形態の露光装置を製造することができる。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
なお、本発明は、半導体製造用の露光装置に限らず、液晶表示素子などを含むディスプレイの製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレート上に転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられるデバイスパターンをセラミックウエハ上に転写する露光装置、撮像素子(CCDなど)、有機EL、マイクロマシン及びDNAチップなどの製造に用いられる露光装置などにも適用することができる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用することができる。ここで、DUV(遠紫外)光やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、ホタル石、フッ化マグネシウム、又は水晶などが用いられる。また、プロキシミティ方式のX線露光装置、又は電子線露光装置などでは透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハなどが用いられる。
また、本発明に係る選出方法は、露光装置に限らず、物体に形成されている何らかの複数のマークの中から、幾つかのマークを選択して検出する必要がある装置であれば、適用が可能である。
《デバイス製造方法》
次に、上述した露光装置100をリソグラフィ工程で使用したデバイスの製造方法の実施形態について説明する。
図8には、デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートが示されている。図8に示されるように、まず、ステップ801(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップ802(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ803(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
次に、ステップ804(ウエハ処理ステップ)において、ステップ801〜ステップ803で用意したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップ805(デバイス組立てステップ)において、ステップ804で処理されたウエハを用いてデバイス組立てを行う。このステップ805には、ダイシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
最後に、ステップ806(検査ステップ)において、ステップ805で作成されたデバイスの動作確認テスト、耐久テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
図9には、半導体デバイスにおける、上記ステップ804の詳細なフロー例が示されている。図9において、ステップ811(酸化ステップ)においてはウエハの表面を酸化させる。ステップ812(CVDステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ813(電極形成ステップ)においてはウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ814(イオン打ち込みステップ)においてはウエハにイオンを打ち込む。以上のステップ811〜ステップ814それぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ815(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光剤を塗布する。引き続き、ステップ816(露光ステップ)において、上記実施形態の露光装置100を用いてマスクの回路パターンをウエハに転写する。次に、ステップ817(現像ステップ)においては露光されたウエハを現像し、ステップ818(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップ819(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
以上説明した本実施形態のデバイス製造方法を用いれば、露光工程(ステップ816)において上記実施形態の露光装置100が用いられるので、高精度な露光を実現することができる。この結果、より高集積度のデバイスを生産することが可能になる。
以上説明したように、本発明の選出方法及び装置は、ウエハアライメントの際の計測マークの数、配置及び移動シーケンスの最適化に適している。また、本発明の露光方法及び装置は、半導体素子、液晶表示素子等を製造するためのリソグラフィ工程に適しており、本発明のデバイス製造方法は、マイクロデバイスの生産に適している。
Claims (45)
- 物体上に形成された複数の被計測領域のうちの、所望の被計測領域を選出する選出方法であって、
前記複数の被計測領域の中から、任意の複数の被計測領域を選択する第1工程と;
前記第1工程で選択された複数の被計測領域それぞれの位置情報の設計値と、前記被計測領域の位置情報に関わる所定の精度指標に関する情報とに基づいて、前記被計測領域の前記物体上での配列に関する誤差パラメータ情報を推定する第2工程と;を含む選出方法。 - 請求項1に記載の選出方法において、
前記第2工程で推定された誤差パラメータ情報に基づいて、前記物体上に形成された全ての被計測領域の位置情報の設計値と、前記誤差パラメータ情報に基づく前記被計測領域の位置情報の計算値との間の誤差情報を推定する第3工程をさらに含むことを特徴とする選出方法。 - 請求項1に記載の選出方法において、
前記第1工程では、任意の複数個数の被計測領域をそれぞれ含む、被計測領域の副集合を複数選択し、
前記第2工程では、前記副集合毎に前記誤差パラメータ情報を推定し、
前記第2工程で推定された誤差パラメータ情報に基づいて、前記選択された複数の副集合のうち、第1の所定条件を満たす副集合を選択する第3工程をさらに含むことを特徴とする選出方法。 - 請求項3に記載の選出方法において、
前記第1の所定条件は、
前記誤差パラメータ情報の誤差に関する情報、又は前記誤差パラメータ情報に基づいて算出される前記全ての被計測領域の重ね合わせ誤差に関する情報が、所定の精度閾値よりも良いものであること、を含むことを特徴とする選出方法。 - 請求項3に記載の選出方法において、
前記第3工程で選択された副集合が複数存在する場合には、前記第1の所定条件とは異なる条件を用いて、最良の副集合を選択する第4工程を更に含むことを特徴とする選出方法。 - 請求項5に記載の選出方法において、
前記第3工程において、互いに有する被計測領域の個数が異なる複数の副集合を選択した場合には、
前記第4工程で、前記被計測領域の個数が少ない方の副集合を前記最良の副集合として選択することを特徴とする選出方法。 - 請求項5に記載の選出方法において、
前記第4工程では、前記各副集合にそれぞれ含まれる複数の被計測領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有する副集合を、前記最良の副集合として選択することを特徴とする選出方法。 - 請求項7に記載の選出方法において、
前記第4工程では、オペレーションズリサーチ的手法、進化的計算法、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つの探索手法を用いて前記副集合毎に前記移動シーケンスを求め、その求められた移動シーケンスを比較することによって前記最良の副集合を選択することを特徴とする選出方法。 - 請求項7に記載の選出方法において、
前記第4工程で選択された前記最良の副集合の中に含まれる複数の被計測領域を、その最良の副集合に対して求められた移動シーケンスを用いて順次計測する計測工程を更に含むことを特徴とする選出方法。 - 請求項3に記載の選出方法において、
前記物体上に形成された被計測領域であって、且つ第2の所定条件を満たす複数の被計測領域を、前記物体を載置する移動体の移動位置を規定する座標系に対する前記物体上の座標系のずれを計測するための被計測領域として選択する第5工程を更に含み、
前記第5工程では、前記第2の所定条件を満たす複数の被計測領域のうちの少なくとも1つを、前記第3工程で選択された副集合に含まれる被計測領域の中から選択することを特徴とする選出方法。 - 請求項10に記載の選出方法において、
前記第2の所定条件は、互いの距離が所定距離以上であること、を含むことを特徴とする選出方法。 - 請求項11に記載の選出方法において、
前記第2の所定条件は、相互間の移動時間と、前記第3工程で選択された副集合に含まれる複数の被計測領域間の移動時間との総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有すること、を含むことを特徴とする選出方法。 - 請求項12に記載の選出方法において、
前記第5工程で選択された複数の被計測領域、及び前記第3工程で選択された副集合に含まれる複数の被計測領域を、前記移動シーケンスを用いて順次計測する計測工程を更に含むことを特徴とする選出方法。 - 請求項1に記載の選出方法において、
前記所定の精度指標は、被計測領域の位置情報に関わる計測再現性に関する指標を含むことを特徴とする選出方法。 - 物体上に形成された複数の被計測領域のうちの、所望の被計測領域を選出する選出方法であって、
前記複数の被計測領域の中から、前記被計測領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有する任意の複数の被計測領域を選択する選択工程を含む選出方法。 - 請求項15に記載の選出方法において、
前記選択工程は、
任意の複数個数の被計測領域をそれぞれ含む、被計測領域の副集合を複数選択する第1工程と;
前記第1工程で選択された前記各副集合にそれぞれ含まれる複数の被計測領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを、前記副集合毎にそれぞれ求める第2工程と;
前記第2工程で前記副集合毎に得られた移動シーケンスの解同士を比較して、前記総移動時間が最短となる副集合を決定する第3工程と;を含むことを特徴とする選出方法。 - 請求項15に記載の選出方法において、
前記第1工程で選択される副集合に含まれる被計測領域はそれぞれ、重ね合わせ誤差に関する情報が所定の精度閾値よりも良いものであることを特徴とする選出方法。 - 請求項17に記載の選出方法において、
前記重ね合わせ誤差に関する情報は、前記被計測領域の位置情報に関わる所定の精度指標に関する情報と、前記任意の複数の被計測領域それぞれの位置情報の設計値との統計的処理演算を経て求められることを特徴とする選出方法。 - 請求項15に記載の選出方法において、
前記選択工程では、
前記物体を載置する移動体上の座標系に対する前記物体上の座標系のずれを計測するための被計測領域と、前記複数の被計測領域の前記物体上での配列に関する誤差情報を求めるための被計測領域との少なくとも一方を、前記任意の被計測領域として選択することを特徴とする選出方法。 - 請求項19に記載の選出方法において、
前記選択工程では、
オペレーションズリサーチ的手法、進化的計算法、及びこれらの組み合わせのうちのいずれか1つの探索手法を用いて前記任意の複数の被計測領域を選択することを特徴とする選出方法。 - 請求項20に記載の選出方法において、
前記選択工程で決定された前記任意の複数の被計測領域を、前記探索手法を用いて得られた前記移動シーケンスを用いて順次計測する計測工程を更に含むことを特徴とする選出方法。 - 物体上に形成された複数の被計測領域のうちの、所望の被計測領域を選出する選出方法であって、
前記複数の被計測領域の前記物体上での配列に関する誤差パラメータ情報を求めるための被計測領域であって、所定の精度基準を満たす被計測領域を複数選択する第1工程と;
前記第1工程で選択された複数の被計測領域のうち、前記被計測領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有する任意の複数の被計測領域を選択する第2工程と;を含む選出方法。 - 請求項22に記載の選出方法において、
前記誤差パラメータ情報は、前記第1工程で選択された複数の被計測領域それぞれの位置情報の設計値と、前記被計測領域の位置情報に関わる所定の精度指標に関する情報とを、統計演算処理して求められることを特徴とする選出方法。 - 請求項22に記載の選出方法において、
前記所定の精度基準とは、前記誤差パラメータ情報の誤差に関する情報、又は前記誤差パラメータに基づき算出される前記全ての被計測領域の重ね合わせ誤差に関する情報に対する所定の精度閾値を含むことを特徴とする選出方法。 - 請求項1〜24のいずれか一項に記載の選出方法を用いて、基板上に形成された被計測領域としてのマークの位置情報を検出する工程と;
前記検出結果に基づいて前記基板の位置制御を行いつつ、所定パターンを前記基板に転写する工程と;を含む露光方法。 - リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法において、
前記リソグラフィ工程では、請求項25に記載の露光方法を用いて露光を行うことを特徴とするデバイス製造方法。 - 物体上に形成された複数の被計測領域のうちの、所望の被計測領域を選出する選出装置であって、
前記複数の被計測領域の中から、任意の複数の被計測領域を選択する第1領域選択装置と;
前記第1領域選択装置によって選択された複数の被計測領域それぞれの位置情報の設計値と、前記被計測領域の位置情報に関わる所定の精度指標に関する情報とに基づいて、前記被計測領域の前記物体上での配列に関する誤差パラメータ情報を推定する推定装置と;を備える選出装置。 - 請求項27に記載の選出装置において、
前記第1領域選択装置は、任意の複数個数の被計測領域をそれぞれ含む、被計測領域の副集合を複数選択し、
前記推定装置は、前記副集合毎に前記誤差パラメータ情報を推定し、
前記推定装置によって推定された誤差パラメータ情報に基づいて、前記選択された複数の副集合のうち、第1の所定条件を満たす副集合を選択する集合選択装置を更に備えることを特徴とする選出装置。 - 請求項28に記載の選出装置において、
前記第1の所定条件は、
前記誤差パラメータ情報の誤差に関する情報、又は前記誤差パラメータ情報に基づいて算出される前記全ての被計測領域の重ね合わせ誤差に関する情報が、所定の精度閾値よりも良いものであること、を含むことを特徴とする選出装置。 - 請求項28に記載の選出装置において、
前記集合選択装置は、
前記選択された副集合が複数存在する場合には、前記第1の所定条件とは異なる条件を用いて、最良の副集合を選択することを特徴とする選出装置。 - 請求項30に記載の選出装置において、
前記集合選択装置は、
前記各副集合にそれぞれ含まれる複数の計測領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有する副集合を、前記最良の副集合として選択することを特徴とする選出装置。 - 請求項31に記載の選出装置において、
前記集合選択装置で選択された前記最良の副集合の中に含まれる複数の被計測領域を、その最良の副集合に対して求められた移動シーケンスを用いて順次計測する計測器を更に備えることを特徴とする選出装置。 - 請求項28に記載の選出装置において、
前記物体上に形成された被計測領域であって、第2の所定条件を満たす複数の被計測領域を、前記物体を載置する移動体上の座標系に対する前記物体上の座標系のずれを計測するための被計測領域として選択する第2領域選択装置をさらに備え、
前記第2領域選択装置は、
前記第2の所定条件を満たす複数の被計測領域のうちの少なくとも1つを、前記集合選択装置によって選択された副集合に含まれる被計測領域の中から選択することを特徴とする選出装置。 - 請求項33に記載の選出装置において、
前記第2の所定条件は、互いの距離が所定距離以上であること、を含むことを特徴とする選出装置。 - 請求項34に記載の選出装置において、
前記第2の所定条件は、相互間の移動時間と、前記集合選択装置で選択された副集合に含まれる複数の被計測領域間の移動時間との総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有すること、を含むことを特徴とする選出装置。 - 請求項27に記載の選出装置において、
前記所定の精度指標は、被計測領域の位置情報に関わる計測再現性に関する指標を含むことを特徴とする選出装置。 - 物体上に形成された複数の被計測領域のうちの、所望の被計測領域を選出する選出装置であって、
前記複数の被計測領域の中から、前記被計測領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有する任意の複数の被計測領域を選択する選択装置と;
前記選択された複数の被計測領域を計測する計測器と;を備える選出装置。 - 請求項37に記載の選出装置において、
前記選択装置は、
任意の複数個数の被計測領域をそれぞれ含む、被計測領域の副集合を複数選択する集合選択装置と;
前記集合選択装置によって選択された前記各副集合にそれぞれ含まれる複数の被計測領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを、前記副集合毎にそれぞれ求める算出装置と;
前記算出装置によって前記副集合毎に得られた移動シーケンスの解同士を比較して、前記総移動時間が最短となる副集合を決定する決定装置と;を備えることを特徴とする選出装置。 - 請求項37に記載の選出装置において、
前記集合選択装置によって選択される副集合に含まれる被計測領域はそれぞれ、重ね合わせ誤差に関する情報が所定の精度閾値よりも良いものであることを特徴とする選出装置。 - 請求項37に記載の選出装置において、
前記選択装置は、
前記物体を載置する移動体上の座標系に対する前記物体上の座標系のずれを計測するための被計測領域と、前記複数の被計測領域の前記物体上での配列に関する誤差情報を求めるための被計測領域との少なくとも一方を、前記任意の被計測領域として選択することを特徴とする選出装置。 - 請求項40に記載の選出装置において、
前記選択装置は、
オペレーションズリサーチ的手法、進化的計算法、及びこれらの組合せのうちのいずれか1つの探索手法を用いて前記任意の複数の被計測領域を選択することを特徴とする選出装置。 - 請求項41に記載の選出装置において、
前記計測器は、
前記選択装置によって決定された前記任意の複数の被計測領域を、前記探索手法を用いて得られた前記移動シーケンスを用いて順次計測することを特徴とする選出装置。 - 物体上に形成された複数の被計測領域のうちの、所望の被計測領域を選出する選出装置であって、
前記複数の被計測領域の前記物体上での配列に関する誤差パラメータ情報を求めるための被計測領域であって、所定の精度基準を満たす被計測領域を複数選択する第1選択装置と;
前記第1選択装置によって選択された複数の被計測領域のうち、前記被計測領域間の総移動時間に関して最も好ましい移動シーケンスを有する任意の複数の被計測領域を選択する第2選択装置と;を備える選出装置。 - 請求項27〜43のいずれか一項に記載の選出装置と;
前記選出装置の計測結果に基づいて、基板上に形成された被計測領域としてのマークの位置情報を検出する検出装置と;
前記検出装置の検出結果に基づいて前記基板の位置制御を行いつつ、所定パターンを前記基板に転写する転写装置と;を備える露光装置。 - リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法において、
前記リソグラフィ工程では、請求項44に記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とするデバイス製造方法。
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