JP2012248647A - ダブルパターニング最適化方法及びシステム、パターン形成方法及びシステム、露光装置、並びにデバイス製造方法 - Google Patents

ダブルパターニング最適化方法及びシステム、パターン形成方法及びシステム、露光装置、並びにデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パターンの高い重ね合わせ精度を維持する。
【解決手段】EGA最適化シミュレーションにおいて、第1回目のウエハアライメント(EGA計測)の計測結果を用いてのEGAシミュレーションの結果と、第2回目のウエハアライメント(EGA計測)の計測結果を用いてのEGAシミュレーションの結果と、を用いて、形成されたパターンの線幅変動も考慮して、アライメント処理パラメータが最適化される(ステップS38、S39、S42,S43)。これにより、ダブルパターニング法を利用してウエハ上にパターンを形成する場合においても、パターンの高い重ね合わせ精度を実現することが可能となる。
【選択図】図9

Description

本発明は、ダブルパターニング最適化方法及びシステム、パターン形成方法及びシステム、露光装置、並びにデバイス製造方法に係り、さらに詳しくは、物体上のターゲット層に対する露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数経て前記ターゲット層に形成されたパターンと、前記物体上に前記ターゲット層に先立って形成された前記パターンの重ね合わせの基準となる基準層に形成された下地パターンとの位置合わせ条件、及び/又は前記ターゲット層に形成されたパターンに対する線幅制御条件、を最適化するダブルパターニング最適化方法及びシステム、前記ダブルパターニング最適化方法を用いるパターン形成方法、前記ダブルパターニング最適化システムを備えるパターン形成システム及び露光装置、並びに前記パターン形成方法を用いるデバイス製造方法に関する。
半導体素子、液晶表示素子等の電子デバイス(マイクロデバイス)は、露光装置等を用いて、デバイスパターン(パターン)を基板上に階層的に積み重ねて形成することによって製造される。従来、重ね合わせ精度を適切に管理するために、例えば特許文献1に開示されるように、実際のプロセスに先立つテストウエハに対する先行露光、その露光結果の重ね合わせ誤差及び線幅誤差の計測、その計測結果に基づく露光装置におけるアライメント関連パラメータ及び露光量、同期精度、フォーカス制御関連の制御系パラメータの調整が行われている。
一方、半導体素子等のパターンの微細化に対応して、そのリソグラフィ・プロセスで使用される露光装置では、解像力を高めるために露光波長の短波長化、投影光学系の開口数NAの増大、いわゆる変形照明等の照明条件の最適化、及び位相シフトレチクル等のマスク技術の開発等が行われてきた。最近では、焦点深度を広く確保した上で、開口数NAを実質的にさらに増大するために、液浸法を用いた露光装置も開発されている。しかしながら、露光波長の短波長化及び開口数NAの増大は露光装置の製造コストの増大、ひいてはデバイスの製造コストの上昇となる。
そこで、最近、2回のリソグラフィ・プロセスを繰り返すことによって、露光装置の解像限界を超える微細な回路パターンを形成するいわゆるダブルプロセス方式(ダブルパターニング法)が提案されている。しかしながら、従来の重ね合わせ精度の管理方法では、ダブルパターニング法を採用した場合に、重ね合わせ精度を適切に管理することができなかった。
米国特許出願公開第2008/0294280号明細書
本発明の第1の態様によれば、物体上のターゲット層に対する露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数経て前記ターゲット層に形成されたパターンと、前記物体上に前記ターゲット層に先立って形成された前記パターンの重ね合わせの基準となる基準層に形成された下地パターンとの位置合わせ条件を最適化するダブルパターニング最適化方法であって、前記基準層に形成された下地パターンに重ねて前記ターゲット層に形成された第1パターンの前記下地パターンに対する第1の位置合わせ誤差と、前記下地パターンに重ねて前記ターゲット層に形成された第2パターンの前記下地パターンに対する第2の位置合わせ誤差と、前記第1及び第2パターンのそれぞれの線幅変動を加味した前記第1及び第2パターン間の第3の位置合わせ誤差と、を用いて、前記下地パターンに対する前記ターゲット層に形成されるパターンの位置合わせ条件を最適化する第1のダブルパターニング最適化方法が、提供される。
ここで、線幅変動とは、予め定められた設計値等の基準に対する線幅の誤差の意味である。本明細書では、特に断らない限り、かかる意味で線幅変動なる用語を用いている。
これによれば、第1、第2、及び第3の位置合わせ誤差を用いて、下地パターンに対するターゲット層に形成されるパターンの位置合わせ条件が最適化される。従って、この最適化された位置合わせ条件に従うことで、ダブルパターニング法を利用して物体上にパターンを形成する場合においても、下地パターンに対するターゲット層のパターンの高い重ね合わせ精度及び第1パターンと第2パターンとの高い位置合わせ精度を実現することが可能となる。
本発明の第2の態様によれば、物体上のターゲット層に対する露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数経て前記ターゲット層に形成されたパターンと、前記物体上に前記ターゲット層に先立って形成された前記パターンの重ね合わせの基準となる基準層に形成された下地パターンとの位置合わせ条件を最適化するダブルパターニング最適化方法であって、前記基準層に形成された下地パターンに重ねて前記ターゲット層に形成された第1パターンの前記下地パターンに対する重ね合わせのずれである第1のずれと、前記下地パターンに重ねて前記ターゲット層に形成された第2パターンの前記下地パターンに対する重ね合わせのずれである第2のずれと、前記第1及び第2パターンのそれぞれの線幅変動を加味した前記第1及び第2パターン間の重ね合わせのずれである第3のずれと、を用いて、前記下地パターンに対する前記ターゲット層に形成されるパターンの位置合わせ条件を最適化する第2のダブルパターニング最適化方法が、提供される。
これによれば、第1、第2、及び第3のずれを用いて、下地パターンに対するターゲット層に形成されるパターンの位置合わせ条件が最適化される。従って、この最適化された位置合わせ条件に従うことで、ダブルパターニング法を利用して物体上にパターンを形成する場合においても、パターンの高い重ね合わせ精度を実現することが可能となる。
本発明の第3の態様によれば、物体上に既に形成された下地パターンに重ね合わせて、ターゲット層に、露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数回経てパターンを重ね合わせて形成するパターン形成方法であって、前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光とで前記ターゲット層に形成される第1、第2パターンと、前記ターゲット層に先立って前記物体上に形成された、パターンの重ね合わせの基準となる基準層に形成された前記下地パターンとの位置合わせ条件を、上記第1及び第2のダブルパターニング最適化方法のいずれかを用いて最適化する工程と、前記物体上に形成された下地パターンに対して前記第1、第2パターンを位置合わせして前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光を行って前記第1、第2パターンを前記ターゲット層に形成するとともに、前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光の少なくとも一方で前記最適化された位置合わせ条件で前記位置合わせを行う工程と、を含む第1のパターン形成方法が、提供される。
これによれば、下地パターンに対するターゲット層のパターンの高い重ね合わせ精度を実現することが可能となる。
本発明の第4の態様によれば、物体上のターゲット層に対する露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数経て前記ターゲット層に形成されたパターンに対する線幅制御条件を最適化するダブルパターニング最適化方法であって、前記基準層に形成された下地パターンに重ねて前記ターゲット層に形成された第1パターンの第1の線幅変動と、前記下地パターンに重ねて前記ターゲット層に形成された第2パターンの第2の線幅変動と、前記第1及び第2パターンのそれぞれの線幅変動を加味した前記第1及び第2パターン間の重ね合わせのずれである重ねずれと、を用いて、前記下地パターンに対する前記ターゲット層に形成されるパターンの線幅制御条件を最適化する第3のダブルパターニング最適化方法が、提供される。
これによれば、上記第1及び第2の線幅変動と上記重ねずれとを用いて、下地パターンに対するターゲット層に形成されるパターンの線幅制御条件が最適化される。従って、この最適化された線幅制御条件に従うことで、ダブルパターニング法を利用して物体上にパターンを形成する場合においても、高い線幅制御精度を実現することが可能となる。
本発明の第5の態様によれば、物体上に既に形成された下地パターンに重ね合わせて、ターゲット層に、露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数回経てパターンを重ね合わせて形成するパターン形成方法であって、前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光とで前記ターゲット層に形成される第1、第2パターンに対する線幅制御条件を、上記第3のダブルパターニング最適化方法を用いて最適化する工程と、前記物体上に形成された下地パターンに対して前記第1、第2パターンを位置合わせして前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光を行って前記第1、第2パターンを前記ターゲット層に形成するとともに、前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光の少なくとも一方で前記最適化された線幅制御条件で線幅を制御する工程と、を含む第2のパターン形成方法が、提供される。
これによれば、下地パターンに対するターゲット層のパターンの高い重ね合わせ精度を実現することが可能となる。
本発明の第6の態様によれば、物体上のターゲット層に対する露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数経て前記ターゲット層に形成されたパターンと、前記物体上に前記ターゲット層に先立って形成された前記パターンの重ね合わせの基準となる基準層に形成された下地パターンとの位置合わせ条件と、前記ターゲット層に形成されたパターンに対する線幅制御条件と、を最適化するダブルパターニング最適化方法であって、前記基準層に形成された下地パターンに重ねて前記ターゲット層に形成された第1パターンの前記下地パターンに対する重ね合わせのずれである第1のずれと、前記下地パターンに重ねて前記ターゲット層に形成された第2パターンの前記下地パターンに対する重ね合わせのずれである第2のずれと、前記第1パターンの第1の線幅誤差と、前記第2パターンの第2の線幅誤差と、前記第1及び第2パターンのそれぞれの線幅変動を加味した前記第1及び第2パターン間の重ね合わせのずれである第3のずれと、を用いて、前記下地パターンに対する前記ターゲット層に形成されるパターンの位置合わせ条件と前記パターンに対する線幅制御条件とを最適化する第4のダブルパターニング最適化方法が、提供される。
これによれば、上記第1、第2、及び第3のずれと、上記第1及び第2の線幅誤差と、を用いて、下地パターンに対するターゲット層に形成されるパターンの位置合わせ条件とパターンに対する線幅制御条件とが最適化される。従って、この最適化された位置合わせ条件と線幅制御条件とに従うことで、ダブルパターニング法を利用して物体上にパターンを形成する場合においても、パターンの高い重ね合わせ精度及び高い線幅制御精度を実現することが可能となる。
本発明の第7の態様によれば、物体上に既に形成された下地パターンに重ね合わせて、ターゲット層に、露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数回経てパターンを重ね合わせて形成するパターン形成方法であって、前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光とで前記ターゲット層に形成される第1、第2パターンと、前記ターゲット層に先立って前記物体上に形成された、パターンの重ね合わせの基準となる基準層に形成された前記下地パターンとの位置合わせ条件と、前記第1、第2パターンに対する線幅制御条件と、を上記第4のダブルパターニング最適化方法を用いて最適化する工程と、前記物体上に形成された下地パターンに対して前記第1、第2パターンを位置合わせして前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光を行って前記第1、第2パターンを前記ターゲット層に形成するとともに、前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光の少なくとも一方で前記最適化された位置合わせ条件で位置合わせし、前記最適化された線幅制御条件で線幅を制御する工程と、を含む第3のパターン形成方法が、提供される。
これによれば、下地パターンに対するターゲット層のパターンの高い重ね合わせ精度を実現することが可能となる。
本発明の第8の態様によれば、上記第1、第2及び第3のパターン形成方法のいずれかにより、物体上のターゲット層に前記第1パターンと前記第2パターンとの露光によってマスク層を形成する工程と、前記マスク層を用いて前記ターゲット層を加工する工程と、を含むデバイス製造方法が、提供される。
本発明の第9の態様によれば、物体上のターゲット層に対する露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数経て前記ターゲット層に形成されたパターンと、前記物体上に前記ターゲット層に先立って形成された前記パターンの重ね合わせの基準となる基準層に形成された下地パターンとの位置合わせ条件を最適化するダブルパターニング最適化システムであって、前記基準層に形成された下地パターンに重ねて前記ターゲット層に形成された第1パターンの前記下地パターンに対する第1の位置合わせ誤差と、前記下地パターンに重ねて前記ターゲット層に形成された第2パターンの前記下地パターンに対する第2の位置合わせ誤差と、前記第1及び第2パターンのそれぞれの線幅変動を加味した前記第1及び第2パターン間の第3の位置合わせ誤差と、を用いて、前記下地パターンに対する前記ターゲット層に形成されるパターンの位置合わせ条件を最適化する最適化装置を備える第1のダブルパターニング最適化システムが、提供される。
これによれば、第1、第2、及び第3の位置合わせ誤差を用いて、下地パターンに対するターゲット層に形成されるパターンの位置合わせ条件が最適化される。従って、この最適化された位置合わせ条件に従うことで、ダブルパターニング法を利用して物体上にパターンを形成する場合においても、下地パターンに対するターゲット層のパターンの高い重ね合わせ精度及び第1パターンと第2パターンとの高い位置合わせ精度を実現することが可能となる。
本発明の第10の態様によれば、物体上のターゲット層に対する露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数経て前記ターゲット層に形成されたパターンと、前記物体上に前記ターゲット層に先立って形成された前記パターンの重ね合わせの基準となる基準層に形成された下地パターンとの位置合わせ条件を最適化するダブルパターニング最適化システムであって、前記基準層に形成された下地パターンに重ねて前記ターゲット層に形成された第1パターンの前記下地パターンに対する重ね合わせのずれである第1のずれと、前記下地パターンに重ねて前記ターゲット層に形成された第2パターンの前記下地パターンに対する重ね合わせのずれである第2のずれと、前記第1及び第2パターンのそれぞれの線幅変動を加味した前記第1及び第2パターン間の重ね合わせのずれである第3のずれと、を用いて、前記下地パターンに対する前記ターゲット層に形成されるパターンの位置合わせ条件を最適化する最適化装置を備える第2のダブルパターニング最適化システムが、提供される。
これによれば、上記第1、第2、及び第3のずれを用いて、下地パターンに対するターゲット層に形成されるパターンの位置合わせ条件が最適化される。従って、この最適化された位置合わせ条件に従うことで、ダブルパターニング法を利用して物体上にパターンを形成する場合においても、パターンの高い重ね合わせ精度を実現することが可能となる。
本発明の第11の態様によれば、物体上の複数層にパターンを重ね合わせて形成する露光装置であって、前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光とで前記ターゲット層に形成される第1、第2パターンと、前記ターゲット層に先立って前記物体上に形成された、パターンの重ね合わせの基準となる基準層に形成された前記下地パターンとの位置合わせ条件を最適化する上記第1及び第2のダブルパターニング最適化システムのいずれかを備える第1の露光装置が、提供される。
これによれば、下地パターンに対するターゲット層のパターンの高い重ね合わせ精度を実現することが可能となる。
本発明の第12の態様によれば、物体上に既に形成された下地パターンに重ね合わせて、ターゲット層に、露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数回経てパターンを重ね合わせて形成するパターン形成システムであって、前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光とで前記ターゲット層に形成される第1、第2パターンと、前記ターゲット層に先立って前記物体上に形成された、パターンの重ね合わせの基準となる基準層に形成された前記下地パターンとの位置合わせ条件を最適化する、上記第1及び第2のダブルパターニング最適化システムのいずれかと、前記物体上に形成された下地パターンに対して前記第1、第2パターンを位置合わせして前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光を行って前記第1、第2パターンを前記ターゲット層に形成するとともに、前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光の少なくとも一方で前記最適化された位置合わせ条件で前記位置合わせを行う露光装置と、を含む第1のパターン形成システムが、提供される。
これによれば、下地パターンに対するターゲット層のパターンの高い重ね合わせ精度を実現することが可能となる。
本発明の第13の態様によれば、物体上のターゲット層に対する露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数経て前記ターゲット層に形成されたパターンに対する線幅制御条件を最適化するダブルパターニング最適化システムであって、前記基準層に形成された下地パターンに重ねて前記ターゲット層に形成された第1パターンの第1の線幅変動と、前記下地パターンに重ねて前記ターゲット層に形成された第2パターンの第2の線幅変動と、前記第1及び第2パターンのそれぞれの線幅変動を加味した前記第1及び第2パターン間の重ね合わせのずれである重ねずれと、を用いて、前記下地パターンに対する前記ターゲット層に形成されるパターンの線幅制御条件を最適化する最適化装置を備える第3のダブルパターニング最適化システムが、提供される。
これによれば、上記第1及び第2の線幅変動と上記重ねずれとを用いて、下地パターンに対するターゲット層に形成されるパターンの線幅制御条件が最適化される。従って、この最適化された線幅制御条件に従うことで、ダブルパターニング法を利用して物体上にパターンを形成する場合においても、高い線幅制御精度を実現することが可能となる。
本発明の第14の態様によれば、物体上の複数層にパターンを重ね合わせて形成する露光装置であって、前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光とで前記ターゲット層に形成される第1、第2パターンに対する線幅制御条件を最適化する上記第3のダブルパターニング最適化システムを備える第2の露光装置が、提供される。
これによれば、下地パターンに対するターゲット層のパターンの高い重ね合わせ精度を実現することが可能となる。
本発明は、第15の観点からすると、物体上に既に形成された下地パターンに重ね合わせて、ターゲット層に、露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数回経てパターンを重ね合わせて形成するパターン形成システムであって、前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光とで前記ターゲット層に形成される第1、第2パターンに対する線幅制御条件を最適化する上記第3のダブルパターニング最適化システムと、前記物体上に形成された下地パターンに対して前記第1、第2パターンを位置合わせして前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光を行って前記第1、第2パターンを前記ターゲット層に形成するとともに、前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光の少なくとも一方で前記最適化された線幅制御条件で線幅を制御する露光装置と、を含む第2のパターン形成システムが、提供される。
これによれば、下地パターンに対するターゲット層のパターンの高い重ね合わせ精度を実現することが可能となる。
本発明の第16の態様によれば、物体上のターゲット層に対する露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数経て前記ターゲット層に形成されたパターンと、前記物体上に前記ターゲット層に先立って形成された前記パターンの重ね合わせの基準となる基準層に形成された下地パターンとの位置合わせ条件と、前記ターゲット層に形成されたパターンに対する線幅制御条件と、を最適化するダブルパターニング最適化システムであって、前記基準層に形成された下地パターンに重ねて前記ターゲット層に形成された第1パターンの前記下地パターンに対する重ね合わせのずれである第1のずれと、前記下地パターンに重ねて前記ターゲット層に形成された第2パターンの前記下地パターンに対する重ね合わせのずれである第2のずれと、前記第1パターンの第1の線幅誤差と、前記第2パターンの第2の線幅誤差と、前記第1及び第2パターンのそれぞれの線幅変動を加味した前記第1及び第2パターン間の重ね合わせのずれである第3のずれと、を用いて、前記下地パターンに対する前記ターゲット層に形成されるパターンの位置合わせ条件と前記パターンに対する線幅制御条件とを最適化する最適化装置を備える第4のダブルパターニング最適化システムが、提供される。
これによれば、上記第1、第2、及び第3のずれと、上記第1及び第2の線幅誤差と、を用いて、下地パターンに対するターゲット層に形成されるパターンの位置合わせ条件とパターンに対する線幅制御条件とが最適化される。従って、この最適化された位置合わせ条件と線幅制御条件とに従うことで、ダブルパターニング法を利用して物体上にパターンを形成する場合においても、パターンの高い重ね合わせ精度及び高い線幅制御精度を実現することが可能となる。
本発明の第17の態様によれば、物体上の複数層にパターンを重ね合わせて形成する露光装置であって、前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光とで前記ターゲット層に形成される第1、第2パターンと、前記ターゲット層に先立って前記物体上に形成された、パターンの重ね合わせの基準となる基準層に形成された前記下地パターンとの位置合わせ条件と、前記第1、第2パターンに対する線幅制御条件と、を最適化する上記第4のダブルパターニング最適化システムを備える第3の露光装置が、提供される。
これによれば、下地パターンに対するターゲット層のパターンの高い重ね合わせ精度を実現することが可能となる。
本発明の第18の態様によれば、物体上に既に形成された下地パターンに重ね合わせて、ターゲット層に、露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数回経てパターンを重ね合わせて形成するパターン形成システムであって、前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光とで前記ターゲット層に形成される第1、第2パターンと、前記ターゲット層に先立って前記物体上に形成された、パターンの重ね合わせの基準となる基準層に形成された前記下地パターンとの位置合わせ条件と、前記第1、第2パターンに対する線幅制御条件と、を最適化する上記第4のダブルパターニング最適化システムと、前記物体上に形成された下地パターンに対して前記第1、第2パターンを位置合わせして前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光を行って前記第1、第2パターンを前記ターゲット層に形成するとともに、前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光の少なくとも一方で前記最適化された位置合わせ条件で位置合わせし、前記最適化された線幅制御条件で線幅を制御する露光装置と、を含む第3のパターン形成システムが、提供される。
これによれば、下地パターンに対するターゲット層のパターンの高い重ね合わせ精度を実現することが可能となる。
第1の実施形態に係るデバイス製造システムの概略的な構成を示す図である。 図1の露光装置の概略的な構成の一例を示す図である。 図3(A)はウエハ上のショット領域の配列の一例を示す図、図3(B)はウエハマークの種類及び配置の一例を示す図、図3(C)は重ね合わせ誤差計測マークの一例を示す図である。 デバイス製造工程における処理の流れを示すフローチャートである。 図5(A)〜図5(J)は、ウエハ上に形成されるパターンの形成過程を説明するための図であって、ウエハ上の1つのショット領域の一部の領域を示す拡大断面図である。 解析装置によって実行されるEGA最適化シミュレーションに対応するフローチャート(その1)である。 解析装置によって実行されるEGA最適化シミュレーションに対応するフローチャート(その2)である。 解析装置によって実行されるEGA最適化シミュレーションに対応するフローチャート(その3)である。 解析装置によって実行されるEGA最適化シミュレーションに対応するフローチャート(その4)である。 図10(A)及び図10(B)は、ΔCD算出処理フローチャート(その1及びその2)である。 解析装置によって実行される重ね合わせ最適化シミュレーションに対応するフローチャートである。 第2の実施形態に係るデバイス製造システムが備える解析装置によって実行される重ね合わせずれを加味したダブルパターニング線幅最適化シミュレーションに対応するフローチャートである。 第3の実施形態に係るデバイス製造システムが備える解析装置によって実行される、重ね合わせと線幅制御パラメータ最適化シミュレーションに対応するフローチャート(その1)である。 第3の実施形態に係るデバイス製造システムが備える解析装置によって実行される、重ね合わせと線幅制御パラメータ最適化シミュレーションに対応するフローチャート(その2)である。
《第1の実施形態》
以下、第1の実施形態を、図1〜図11に基づいて説明する。
図1には、第1の実施形態に係るデバイス製造システムの概略的な構成が示されている。デバイス製造システム1000は、基板、例えば半導体ウエハ(以下、「ウエハ」と表記する)を処理し、マイクロデバイスを製造するためにデバイス製造工場内に構築されたシステムである。図1に示されるように、デバイス製造システム1000は、露光装置100と、露光装置100に隣接して配置されたトラック200と、解析装置500と、ホスト・コンピュータ(以下、「ホスト」と略記する)600と、デバイス製造処理装置群900とを備えている。図1において、太線の矢印は、ウエハの流れ(移動)を示し、その他の実線の矢印は、データの流れを示す。
露光装置100は、ここではステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(すなわちスキャナ)である。図2には、露光装置100の概略的な構成が示されている。露光装置100は、照明系IOP、レチクルRを保持するレチクルステージRST、投影光学系PL、ウエハWが載置されるウエハステージWST、及びこれらの制御系等を備えている。
照明系IOPは、光源、及び光源に送光光学系を介して接続された照明光学系を含む。照明光学系は、例えば米国特許出願公開第2003/0025890号明細書などに開示されるように、オプティカルインテグレータ等を含む照度均一化光学系、ビームスプリッタ、レチクルブラインド等(いずれも不図示)を含む。照明系IOPは、回路パターン等が描かれたレチクルR上のレチクルブラインドで規定されたスリット状(X軸方向(図2における紙面直交方向)に伸びる細長い長方形状)の照明領域を照明光ILによりほぼ均一な照度で照明する。照明光ILとしては、例えばArFエキシマレーザ光(波長193nm)(又はKrFエキシマレーザ光(波長248nm))などが用いられる。
レチクルステージRSTは、照明系IOPの図2における下方(−Z側)に配置されている。レチクルステージRST上には、パターンが形成されたレチクルRが、例えば真空吸着により固定されている。レチクルステージRSTは、ここでは、リニアモータなどを含むレチクルステージ駆動系22によって、水平面(XY平面)内で微小駆動可能であるとともに、走査方向(ここでは図2における紙面内左右方向であるY軸方向とする)に所定のストローク範囲で指定された走査速度で駆動可能となっている。レチクルステージRSTのXY平面内の位置情報(Z軸回りの回転情報を含む)はレチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)16によって、移動鏡15を介して、例えば0.25nm程度の分解能で常時検出される。レチクル干渉計16からのレチクルステージRSTの位置情報は主制御装置50に送られ、主制御装置50は、レチクルステージRSTの位置情報に基づいてレチクルステージ駆動系22を介してレチクルステージRSTを駆動(位置制御)する。
投影光学系PLは、レチクルステージRSTの図2における下方(−Z側)に配置され、その光軸AXの方向がZ軸方向とされている。投影光学系PLとしては、例えば、光軸AXと平行なZ軸方向に沿って所定間隔で配置された複数枚のレンズエレメントを含む、例えば両側テレセントリックな屈折系が用いられている。投影光学系PLの投影倍率βは、例えば1/4(あるいは1/5)とされている。このため、照明系IOPからの照明光ILによってレチクルRが照明されると、このレチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PLを介してその照明光ILの照射領域(照明領域)内のレチクルRのパターンの縮小像(部分倒立像)が表面にフォトレジスト(感応剤:以下、レジストと略記する)が塗布されたウエハW上の前記照明領域に共役な領域(露光領域)に形成される(レジストにパターンの潜像が形成される)。
露光装置100には、投影光学系PLの結像特性、例えば諸収差を補正するための結像特性補正装置が設けられている。この結像特性補正装置は、大気圧変化、照明光吸収等による投影光学系PL自体の結像特性の変化を補正すると共に、ウエハW上の先行する特定レイヤ(例えば前レイヤ)のショット領域に転写されたパターンの歪みに合わせてレチクルRのパターンの投影像を歪ませる働きをもつ。投影光学系PLの結像特性としては球面収差(結像位置の収差)、コマ収差(倍率の収差)、非点収差、像面湾曲、歪曲収差(歪み)等がある。結像特性補正装置は、それらの諸収差を補正する機能を有している。
投影光学系PLの一部を構成する、複数枚のレンズエレメント(可動レンズ)は、光軸AXに直交する面に対して任意に傾斜及び光軸AXに平行な方向に移動可能な構成となっている。各可動レンズは、像特性制御部12によって独立して制御される。
ウエハステージWSTは、投影光学系PLの図2における下方(−Z側)に配置されている。ウエハステージWST上には、ウエハホルダ9を介してウエハWが真空吸着等により保持されている。
ウエハステージWSTは、リニアモータ等を含むウエハステージ駆動系24により、X軸方向、Y軸方向に所定ストロークで駆動されるとともに、Z軸方向、Z軸回りの回転方向(θz方向)、X軸回りの回転方向(θx方向)及びY軸回りの回転方向(θy方向)に微小駆動される。すなわち、ウエハホルダ9は、ウエハステージ駆動系24により、投影光学系PLの最良結像面に対し、任意方向に傾斜可能で、かつ光軸AX方向(Z軸方向)に微動が可能で、さらに光軸AXに平行なZ軸回りに回転可能に構成されている。
ウエハステージWSTのXY平面内での位置情報(ヨーイング(θz方向の回転)情報を含む)及びXY平面に対する傾斜情報(ピッチング(θx方向の回転)情報及びローリング(θy方向の回転)情報)はウエハレーザ干渉計(以下、ウエハ干渉計と略記する)18によって、移動鏡17を介して、例えば0.25nm程度の分解能で常時検出されている。ウエハステージWSTの位置情報(又は速度情報)は主制御装置50に送られ、主制御装置50では、その位置情報(又は速度情報)に基づいてウエハステージWSTのXY平面内の位置(θz方向の回転を含む)をウエハステージ駆動系24を介して制御する。
また、ウエハステージWSTの上面には、ウエハW表面とほぼ同一高さにその表面が設定された基準マーク板FMが固定されている。基準マーク板FMの表面には、レチクルアライメント用の第1基準マーク及び後述するアライメント系8のベースライン計測用の第2基準マークなどが所定の位置関係で形成されている。
投影光学系PLの側面には、ウエハW上の各ショット領域に設けられたアライメントマーク(ウエハマーク)(MXp、MYp)(図3(B)参照)及び基準マーク板FM上の第2基準マークを検出するためのオフ・アクシス方式のアライメント系8が設けられている。アライメント系8では、例えば、内部に備える光学系を介してウエハマーク(MXp、MYp)が含まれるウエハ面を照明し、そのウエハ面からの反射光をその光学系を介して、内部に備えるアライメントセンサに導き、当該アライメントセンサによってその反射光に対応する信号を光電検出する。検出された信号は、例えばそのウエハ面の凹凸又は反射率の分布に対応する波形となる。アライメント系では、検出した波形データから、マークに対応する波形(マーク波形)を抽出し、その抽出結果に基づいてアライメントセンサの検出視野内におけるマーク波形の位置座標を検出する。アライメント系では、検出されたマーク波形の位置座標と、アライメントセンサの検出視野自体の位置座標とに基づいて、XY座標系におけるウエハマーク(MXp、MYp)の位置を算出する。アライメント系8の検出結果は、アライメント信号処理系(不図示)を介して主制御装置50に送られる。アライメント系8による基準マーク板FM上の第2基準マークの位置の検出も同様にして行われる。また、アライメント系8によって、重ね合わせ誤差計測マークMO(図3(B)参照)の位置を検出することも可能である。
また、投影光学系PLの下端部の近傍には、前述の露光領域内及びその近傍の複数の検出点におけるウエハW表面のZ軸方向に関する位置情報(面位置情報)を検出する、例えば米国特許第5,448,332号明細書等に開示される斜入射方式の多点焦点位置検出系(13,14)が設けられている。多点焦点位置検出系は、投影光学系PLの最良結像面に向けて結像光束を光軸AXに対して斜めに射出する照射光学系13と、ウエハWの表面からの反射光束をスリットを介して受光する受光光学系14と、を含む。多点焦点位置検出系(13,14)で検出されるウエハの面位置情報は、ウエハWのフォーカス・レベリング制御のため、主制御装置50に供給される。
この他、露光装置100には、レチクルステージRSTの上方に、例えば米国特許第5,646,413号明細書などに開示されるような一対のレチクルアライメント系(図示省略)が設けられている。レチクルアライメント系は、照明光ILと同じ波長の光を用いたTTR(Through The Reticle)アライメント系から構成されている。レチクルアライメント系の検出信号は、不図示のアライメント信号処理系を介して主制御装置50に供給される。
主制御装置50は、例えば、マイクロコンピュータ(あるいはワークステーション)から構成され、露光装置100の構成各部を統括制御する。
次に、露光装置100における露光処理工程の動作について、簡単に説明する。
露光に先立って、主制御装置50により、不図示のウエハ搬送系を用いたウエハホルダ9上へのウエハWのロード、レチクルアライメント及びアライメント系8のベースライン計測、及びウエハアライメント(例えば後述するEGA(Enhanced Global Alignment)、又はショット内多点EGA)などの準備作業が行われる。なお、上記のレチクルアライメント、ベースライン計測等については、前述の米国特許第5,646,413号明細書などに詳細に開示されている。
主制御装置50は、上記のレチクルアライメント及びベースライン計測の結果、並びにウエハアライメント(これについては後述する)の結果に基づいて、ウエハW上の全てのショット領域に、順次、走査露光によりレチクルRのパターンを転写する。
ウエハW上の各ショット領域に対する走査露光では、主制御装置50は、レチクル干渉計16及びウエハ干渉計18による計測情報(位置情報)をモニタしつつ、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとをそれぞれの走査開始位置(加速開始位置)に移動させる。そして、主制御装置50は、両ステージRST,WSTをY軸方向に、ただし互いに逆向きに、相対駆動する。ここで、両ステージRST,WSTがそれぞれの目標速度に達すると、照明光ILによってレチクルRのパターン領域が照明され始め、走査露光が開始される。
主制御装置50は、特に上記の走査露光時にレチクルステージRSTのY軸方向の移動速度VrとウエハステージWSTのY軸方向の移動速度Vwとが投影光学系PLの投影倍率に応じた速度比に維持されるようにレチクルステージRSTとウエハステージWSTとを同期制御する。このとき、主制御装置50は、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとの同期駆動を調整し、あるいは結像特性補正装置を介して可動レンズを駆動して、レチクルRのパターンのウエハW上への投影像の歪みを補正する。
そして、レチクルRのパターン領域の異なる領域が照明光ILで逐次照明され、パターン領域全面に対する照明が完了することにより、ウエハW上の第1ショット領域の走査露光が終了する。これにより、レチクルRの回路パターンが投影光学系PLを介して第1ショット領域に縮小転写される。
第1ショット領域に対する走査露光が終了すると、主制御装置50は、ウエハステージWSTを、次の第2ショット領域に対する走査開始位置(加速開始位置)へ移動(ステッピング)させる。そして、先と同様に、第2ショット領域に対する走査露光を行う。以後、第3ショット領域以降についても同様の動作を行う。このようにして、ショット領域間のステッピング動作とショット領域に対する走査露光動作とが繰り返され、ステップ・アンド・キャン方式でウエハW上の全てのショット領域にレチクルRのパターンが転写される。
次に、本実施形態に係るウエハアライメントについて、さらに説明する。
図3(A)には、露光装置100において露光対象となるウエハW(デバイス製造に用いられる基板)の一例が示されている。図3(A)に示されるように、ウエハW上には、デバイスパターンが形成された複数のショット領域SApが、前層までの露光によって既に形成されている。各ショット領域SApには、図3(B)に示されるように、重ね合わせの基準となる基準層(下地層とも呼ばれる、例えば前層)の露光の際に転写されたアライメントマーク(ウエハマーク)(MXp、MYp)が設けられている。ウエハマーク(MXp、MYp)は、その形状等からその位置情報を検出することが可能なマークである。例えば、図3(B)では、ウエハマーク(MXp、MYp)は、ライン・アンド・スペース・マークとして示されている。ウエハマークの形状としては、他にも、ボックスマーク、十字マークなどを採用することができる。
露光装置100では、このウエハW上のショット領域SApに対して、レチクルR上のデバイスパターンを、正確に重ね合わせて転写する必要がある。正確な重ね合わせを実現するためには、ウエハW上の各ショット領域SApの位置を正確に把握する必要がある。ウエハマーク(MXp、MYp)は、各ショット領域SApの位置(例えば図3(B)におけるその中心Cpの位置)を把握するために設けられている。ウエハマーク(MXp、MYp)は、対応するショット領域SApのデバイスパターンとともに転写形成されたものであることから、ウエハW上におけるウエハマーク(MXp、MYp)とデバイスパターンとの位置関係に基づき、ウエハマーク(MXp、MYp)の位置がわかれば、そのショット領域の中心位置Cpを認識することができる。
また、図3(B)に示されるように、各ショット領域SAp内には、基準層の露光の際にデバイスパターンとともに重ね合わせ誤差計測マークMO(より正確には、重ね合わせ誤差計測マークMO)が、転写、形成されている。ここでは、一例として、4個の重ね合わせ誤差計測マークMOが、各ショット領域SAp内の四隅に各1つ配置されている。
図3(C)には、重ね合わせ誤差計測マークMOが、本実施形態のデバイス製造工程で採用されるダブルパターニング法における第1及び第2回目の露光のそれぞれでターゲット層に形成される重ね合わせ誤差計測マークMO、MOとともに示されている。この場合、重ね合わせ誤差計測マークMO、MO、MOとしては、一例として、Bar in Barマークが用いられている。
重ね合わせ誤差計測マークMOは、図3(C)から分かるように、Y軸方向に所定距離離れて平行に配置されたX軸方向を長手方向とする一対のラインパターンと、X軸方向に所定距離離れて平行に配置されたY軸方向を長手方向とする一対のラインパターンとの4本のラインパターンを含み、全体として4つのコーナー部分が欠落したほぼ正方形の矩形マーク(Boxマーク)のような形状を有している。
重ね合わせ誤差計測マークMOは、全体として4つのコーナー部分が欠落したほぼ正方形の矩形マーク(Boxマーク)のような形状を有し、重ね合わせ誤差計測マークMOとほぼ相似で一回り小さなマークである。また、重ね合わせ誤差計測マークMOは、全体として4つのコーナー部分が欠落したほぼ正方形の矩形マーク(Boxマーク)のような形状を有し、重ね合わせ誤差計測マークMOとほぼ相似で一回り大きなマークである。
これら3つの重ね合わせ誤差計測マークは、MO、MO、MOは、基準層に対して重ね合わせ誤差なくターゲット層の露光が行われた場合、それぞれの中心がほぼ一致するような位置関係に設計されている。
従って、重ね合わせ誤差計測マークMOと重ね合わせ誤差計測マークMO,MOとの間隙の寸法dx,dy及びdx,dyを計測することにより、基準層パターンに対する第1及び第2回目の露光によってターゲット層に形成される第1、第2パターンの重ね合わせ誤差を計測することができる。この場合、1つのショット領域について、少なくとも2箇所で、重ね合わせ誤差計測マークMO、MO、MO相互間の位置関係の計測が行われる。
なお、図3(A)〜図3(C)に示される、ウエハW、ショット領域SAp、ウエハマーク(MXp、MYp)、重ね合わせ誤差計測マークMO(MO,MO,MO)は、あくまで一例であって、そのサイズ、ショット領域1つ当たりの数、ウエハマーク及び重ね合わせ誤差計測マークの配置位置、形状などは、適宜変更され得るものである。従って、重ね合わせ誤差計測マークとして、例えばBox in Boxマークを用いても良い。
露光装置100で、デバイスパターンの正確な重ね合わせを行うためには、ウエハ上のすべてのショット領域SAの位置情報を計測しても良いが、それでは、スループットに影響が出るおそれがある。そこで、露光装置100では、実際に計測するアライメントマークを限定し、計測されたアライメントマークの位置から、ウエハ上のショット領域SAの配列を統計的に推定するグローバルアライメント技術が採用されている。露光装置100では、このグローバルアライメントとして、設計上のショット領域の配列に対する実際のショット領域の配列のずれを、X軸、Y軸にそれぞれ平行で、例えばウエハWの中心を原点とする座標軸(Wx,Wy)及び/又は例えばショット領域SAの中心を原点とする座標軸(Sx,Sy)の多項式で表現し、統計演算を行ってその多項式における妥当な係数を求める、いわゆるEGA方式のウエハアライメントが採用されている。EGA方式のウエハアライメントでは、まず、アライメントマークを計測するショット領域SAを幾つか選択する。選択されたショット領域をサンプルショットという。主制御装置50は、アライメント系8を用いて、サンプルショットに設けられたサンプルマーク(ウエハマークMXp,MYp、及び重ね合わせ計測マークMO)の位置を計測する。このような計測動作を、以下ではEGA計測と呼ぶ。
EGA計測では、計測された波形データがマーク波形を抽出するデータとして適切であるか否かの判断を行っている。具体的には、波形データから、そのマーク波形がどの程度正確に検出できるか否かを、波形データの形状から求め、その度合を数値化し、検出結果スコアとして算出している。この検出結果スコアが所定の閾値よりも良好な場合には、サンプルマークが検出できたものとして、サンプルマークのマーク検出結果をOKとし、それ以外の場合はサンプルマークのマーク検出結果をNGとしている。
EGA方式のウエハアライメントでは、このEGA計測の結果、すなわち幾つかのサンプルマークの位置情報に基づく統計演算により、各ショット領域SAのXY位置座標の補正量を推定する。このような演算を、以下ではEGA演算と呼ぶ。なお、EGA方式のウエハアライメントは、例えば米国特許第4,780,617号明細書、米国特許第6,876,946号明細書などに詳細に開示されている。後者の米国特許第6,876,946号明細書などに開示される方式は、ショット内多点EGAとも呼ばれる。ここで、ショット内多点EGAとは、ショット領域内の複数のウエハアライメントマークの位置検出データを用いて例えば上記米国特許第6,876,946号明細書に開示される最小2乗法を利用した統計学的手法を用いてウエハW上の全てのショット領域SAの配列座標(ショット領域SAの配列の線形成分)及びショット領域SA自体の変形の線形成分を求めるアライメント手法を意味する。
上記のEGA演算により求められる、各ショット領域の位置のXY補正量を、EGA補正量という。EGA方式のウエハアライメントで求められる多項式の係数は、最小二乗法で求められたものであるため、マーク位置の実測値と、EGA補正量により補正されたマーク位置との間にはずれが残る。このずれをEGA残留誤差(又は残差)という。このEGA残留誤差は、重ね合わせ精度の観点からすれば、小さい方が望ましいのは勿論である。
EGA残留誤差を小さくするための手段の1つが、EGA多項式モデルの高次化である。例えば、EGA多項式モデルを、ショット領域SAの配列の線形成分(ウエハWの中心を基準としたときのウエハWのスケーリング、回転(ショット領域の配列のX軸相当、Y軸相当の成分の直交度をも考慮した回転)、オフセットの各成分)、ショット領域SA自体の変形の線形成分(ショット領域SAの中心を基準としたショット領域SAのスケーリング、回転(ショット領域のX軸相当、Y軸相当の成分の直交度をも考慮した回転)、及びオフセットの各成分)を考慮した(Wx,Wy)あるいは(Sx,Sy)の1次式でなく、ショット領域SAの配列の2次成分までを考慮した(Wx,Wy)の2次式、又はショット領域の配列の3次成分までを考慮した(Wx,Wy)の3次式とした方がこのEGA残留誤差は当然に小さくなる。一般的に、EGA多項式モデルを高次化すればするほど、全体的なEGA残留誤差は小さくなるが、過補正とならないように注意する必要が生ずる。また、EGA多項式モデルを高次化する場合には、それに合わせてサンプルマークの数を増やす必要がある。また、(Sx,Sy)の高次成分をも考慮したモデルを採用できることは勿論である。
また、ある一部のサンプルマークの計測結果が、実際のショット領域の配列から著しくずれている場合には、全体の残差が大きくなる傾向がある。したがって、このようなサンプルマークの位置の計測結果については、EGA演算に用いないようにリジェクトするのが望ましい。すなわち、EGA計測により計測されたサンプルマークの位置情報のうちの幾つかを、EGA演算に用いないようにして、ショット領域SAの位置推定精度を高めていくことも可能である。このように、サンプルマークの数及び/又は配置の選択は、EGA方式のウエハアライメントにとって重要なファクタとなる。
露光装置100では、アライメント系8によるEGA方式のウエハアライメントに関連する動作を設定するファクタを幾つかパラメータ化し、アライメント関連パラメータとしてその設定値を設定することができる。アライメント関連パラメータは、その値を調整するのに、アライメント系による再度の計測を必要としない波形処理パラメータと、再度の計測が必要となる要実測パラメータとに大別される。
波形処理パラメータとしては、例えば、既に計測されたサンプルマークから選択される、実際にEGA演算に用いるサンプルマークの組合せ(サンプルマークの数及び/又は位置)がある。すなわち、計測されたサンプルマークをすべてEGA演算に用いるのではなく、その中のサンプルマークの適当な組合せによるEGA演算を行うものとした場合、その組合せが波形処理パラメータとなる。また、マーク単位、ショット領域単位でのサンプルマークのリジェクトの指定、マーク検出時のリジェクトリミット値(サンプルマークをEGA演算からリジェクトするか否かの基準となる閾値)なども波形処理パラメータに含まれる。
また、アライメント系8が、複数種類のアライメントセンサを備え、全てのセンサでマーク検出を行っていた場合に、実際のマーク位置の検出に用いられた波形データを検出したアライメントセンサの種類(FIA(Field Image Alignment)系か、LSA(Laser Step Alignment)系かなど)も波形処理パラメータに含まれる。また、波形データに対する処理条件、すなわち信号処理条件(信号処理アルゴリズム(エッジ抽出法、テンプレートマッチング法、折り返し自己相関法等、スライスレベル等))も波形処理パラメータに含まれる。
また、EGA多項式モデルの種類(6パラメータモデル、10パラメータモデル、ショット内平均化モデル、ショットファクタ間接適用モデル、高次EGA処理条件(使用次数と使用補正係数)等)、重み付けEGA処理条件、EGAオプション機能の拡張EGA処理条件(ショット内多点EGA実施条件、EGA計算モデル、ショット成分補正条件等)、計測されたマークの計測位置に加えるべき補正量(アライメント補正値等)なども波形処理パラメータに含まれる。
また、要実測パラメータには、サンプルマークの種類(マーク形状が異なる場合を含む)、数及び/又は配置(新たなサンプル点を計測する場合)、マーク計測時にマークを照明する際の照明条件(照明波長、明/暗視野、照明強度、位相差照明の有無等)、マーク検出時のフォーカス状態(フォーカスオフセット等)、マーク検出に用いるアライメントセンサを変更する際のアライメントセンサの指定等が含まれる。
露光装置100では、装置パラメータとして、アライメント関連パラメータの他に制御系パラメータを設定可能となっている。露光装置100では、各制御系の動作を設定するファクタの幾つかが制御系パラメータ化されており、それらの値を、自由に設定することができるようになっている。制御系パラメータについては、例えば米国特許出願公開第2008/0294280号明細書などに詳細に開示されている。制御系パラメータ及びアライメント関連パラメータは、基本的に全て可変であるが、全てのアライメント関連パラメータを可変とせずに、その一部のアライメント関連パラメータを不変(固定)としておくようにしても良い。その際に、どのアライメント関連パラメータを固定とするかは、使用者が適宜選択することができる。
これらの設定値については、レチクル上のデバイスパターンがウエハ上へ良好に転写されるように、ある程度調整しておく必要がある。
図1に戻り、トラック200内には、露光装置100でのウエハの露光前後において、そのウエハに対する様々な測定検査を行うことが可能な複合的な測定検査器120と、ウエハに対してレジスト(感応剤)を塗布するとともに、露光後のウエハを現像するコータ・デベロッパ(以下、C/Dと略述する)110とが設けられている。
測定検査器120は、露光装置100及びC/D110とは、独立して動作可能である。また、測定検査器120は、その測定検査結果を、システム内の通信ネットワークを介して外部にデータ出力することができる。本実施形態では、測定検査器120は、主として露光後の測定検査である事後測定検査を行う。
測定検査器120の事後測定検査において、ウエハW上の欠陥・異物検査の他、露光装置100で転写されC/D110で現像された露光後(事後)のウエハW上のデバイスパターン等の重ね合わせ誤差の測定を行う。レチクルR上の所定領域(ここでは、デバイスパターンが形成されたパターン領域とする)内には、複数の異なる地点に重ね合わせ誤差計測マークが形成されている。重ね合わせ誤差計測マーク(レジストレーションマークとも呼ばれる)は、パターン領域の内部に限らず、露光装置100(露光)によりウエハ上に転写可能な領域であれば、パターン領域の周囲の領域にも形成されるが、本実施形態(及び後述する各実施形態)では、説明の便宜上、パターン領域内に形成されているものとする。
重ね合わせ誤差計測マークは、露光装置100により、露光の際にデバイスパターンとともにウエハW上に転写される。測定検査器120は、各層の重ね合わせ誤差計測マーク(例えばMO,MO,MO)の位置関係(相対位置ずれ量)を計測し、デバイスパターンの転写領域であるウエハW上のショット領域内の各地点での重ね合わせ誤差を計測する。この測定結果により、そのショット領域内のパターン要素の重ね合わせ誤差分布を取得することが可能である。
解析装置500は、露光装置100、C/D110及び測定検査器120とは独立して動作する装置である。解析装置500は、各種装置から各種データ(例えばその装置の処理データ)を収集し、ウエハWに対する一連のプロセスに関するデータの解析を行う。このような解析装置500を実現するハードウエアとしては、例えばパーソナルコンピュータ(以下、適宜「PC」と略称する)を採用することができる。この場合、解析処理は、解析装置500のCPU(不図示)で実行される解析プログラムの実行により実現される。この解析プログラムは、CD−ROMなどのメディア(情報記録媒体)に記録され、該メディアからPCにインストールされた状態で実行される。
解析装置500は、露光装置100及び測定検査器120の測定結果に基づいて、露光装置100のウエハアライメントに関するシミュレーションを行い、アライメント関連パラメータ、同期走査制御の補正パラメータ、及び投影光学系の調整パラメータなどを最適化する。
ところで、露光装置100と、C/D110と、測定検査器120とは、相互にインライン接続されている。ここで、インライン接続とは、装置間及び各装置内の処理ユニット間を、ロボットアーム及び/又はスライダ等のウエハWを自動搬送する搬送装置を介して接続することを意味する。インライン接続により、露光装置100とC/D110との間でのウエハWの受け渡し時間を格段に短くすることができる。
インライン接続された露光装置100とC/D110と測定検査器120とは、これを一体として、1つの基板処理装置(100、110、120)とみなすこともできる。基板処理装置(100、110、120)は、ウエハWに対して、レジスト等の感応剤を塗布する塗布工程、及び感応剤が塗布されたウエハW上にマスク又はレチクルのパターンを転写する露光工程、並びに、露光工程が終了したウエハを現像する現像工程等を行う。
デバイス製造システム1000においては、露光装置100と、C/D110と、測定検査器120とが複数台設けられている。各基板処理装置(100、110、120)、デバイス製造処理装置群900は、温度及び湿度が管理されたクリーンルーム内に設置されている。また、各装置の間では、所定の通信ネットワーク(例えばLAN:Local Area Network)を介して、データ通信を行うことができる。この通信ネットワークは、顧客の工場、事業所あるいは会社に対して設けられたいわゆるイントラネットと呼ばれる通信ネットワークである。
基板処理装置(100、110、120)においては、ウエハは複数枚(例えば25枚又は50枚)を1単位(ロットという)として処理される。デバイス製造システム1000においては、ウエハは1ロットを基本単位として処理され製品化されている。
なお、このデバイス製造システム1000では、測定検査器120は、トラック200内に置かれ、露光装置100及びC/D110とインライン接続されているが、測定検査器120を、トラック200外に配置し、隣接してインライン接続しても良いし、あるいは露光装置100及びC/D110とはオフラインに構成しても良い。
デバイス製造システム1000は、デバイス製造処理装置群900として、CVD(Chemical Vapor Deposition)装置910、エッチング装置920、CMP(Chemical Mechanical Polishing)装置930、及び酸化・イオン注入装置940等を備えている。CVD装置910は、ウエハ上に薄膜を生成する装置である。エッチング装置920は、現像されたウエハに対しエッチングを行う装置であり、本実施形態では、エッチング装置920には、レジスト等を除去するアッシング装置が併設されているものとする。CMP装置930は、化学機械研磨によってウエハの表面を平坦化する研磨装置である。酸化・イオン注入装置940は、ウエハの表面に酸化膜を形成し、又はウエハ上の所定位置に不純物を注入するための装置である。CVD装置910、エッチング装置920、CMP装置930及び酸化・イオン注入装置940にも、露光装置100などと同様に、相互間でウエハを搬送可能とするための搬送経路が設けられている。デバイス製造処理装置群900には、不図示ではあるが、この他にも、ダイシング処理、パッケージング処理、ボンディング処理などを行う各種装置も含まれている。
ホスト600は、デバイス製造システム1000全体を統括管理する。従って、ホスト600は、露光装置100で行われる露光工程を制御・管理するとともに、露光装置100のスケジューリングを管理している。なお、ホスト600とは別に露光装置100の管理コントローラを設けても良い。
次に、デバイス製造システム1000におけるデバイス製造工程について、図4及び図5(A)〜図5(J)に基づいて、説明する。
図4には、デバイス製造工程における処理の流れが示されている。このデバイス製造システム1000におけるデバイス製造工程における処理の流れは、ホスト600によってスケジューリングされ、管理されている。ウエハWはロット単位で処理されるが、図4では、1枚のウエハWに対する一連の処理が示されている。実際には、ロット単位で、ウエハ毎に、図4に示される一連の処理が繰り返されることになる。また、図5(A)〜図5(J)には、ウエハW上の1つのショット領域の一部の領域の拡大断面図が示されている。
本実施形態では、ウエハW上のターゲット層31(図5(A)等参照)にX軸方向にピッチPで線幅がP/2(すなわち、スペース幅がP/2)の、ライン幅とスペース幅との比が1:1のライン・アンド・スペースパターン(以下、L/Sパターンと略記する)を、ダブルプロセス方式(ダブルパターニング法)を用いて形成することを目標とする。ピッチPは一例として64nmで、このとき線幅P/2は32nmである。露光装置100のドライ露光での解像限界は、位相シフトレチクルを用いた場合の線幅で60nm程度であり、ターゲット層31上に形成されるL/Sパターンの線幅はその解像限界のほぼ1/2である。また、本実施形態の説明中で使用されるパターンの寸法は投影像の段階での寸法であり、投影光学系PLのレチクルRからウエハWへの投影倍率βを用いると、そのパターンのレチクルR上での寸法は1/β倍(β=1/4では4倍)になる。
〔成膜処理〕
まず、成膜処理として、CVD装置910により、図5(A)に示されるように、ウエハW上に例えば有機ポリマー等の層間絶縁膜よりなるターゲット層31が生成(成膜)され、さらにそのターゲット層31上に、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜等のセラミックスからなり、ターゲット層31及びレジストの両方とエッチングに対する反応性の異なるハードマスク層32が積層形成される。なお、ハードマスク層32を用いる代わりに、バイレイヤ(2層)レジストを用いることも可能である。
〔レジスト塗布処理〕
次に、ターゲット層31とハードマスク層32が形成されたウエハWがC/D110に搬送され、C/D110において、図5(A)に示されるように、そのウエハWの表面(ハードマスク層32上)にレジストが塗布される(レジスト層33が積層形成される)。ここでは、一例としてポジ型のレジストが用いられるものとする。
〔第1回目の露光処理〕
次に、レジスト層33が形成されたウエハWが露光装置100に搬送され、露光装置100内のウエハステージWST上にロードされる。そして、露光装置100によって、ウエハWに対する第1回目の露光処理が行われる。
ここで、露光装置100のレチクルステージRST上のレチクルRには、一例として周期方向(これをX軸方向とする)の幅P(上記の如く投影像の段階での寸法、以下同様)のY軸方向に細長い遮光パターンとX軸方向の幅Pの透過部とをX軸方向にピッチ2Pで配列し、かつ一連の隣接する透過部に位相が交互に反転するように位相シフタ(位相シフト部)を設けた位相シフト型のL/Sパターンが形成されており、レチクルRのアライメントは既に行われているものとする。
この場合、露光装置100は、一例として投影光学系PLの開口数NAを大きい値(例えば0.92)とし、照明光学系のコヒーレンスファクタ(σ値)を小さい値(例えば0.2)として、ドライ露光によってレチクルRのパターンをウエハW上に投影する。なお、位相シフトレチクルは空間周波数変調型に限らず、例えばハーフトーン型など他のタイプでも良いし、変形照明(例えば輪帯照明、多極照明)などと組み合わせて用いても良い。また、位相シフトレチクルの代わりに通常のレチクルを使用して、照明条件をX軸方向に対称に傾斜した照明光でレチクルを照明する2極照明等としても良い。
主制御装置50により、アライメント系8を用いてウエハWに対する第1回目の露光処理のためのウエハアライメント(以下、適宜、第1回目のウエハアライメントと略述する)、ここではEGA計測が行われ、その結果に基づいてステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行われ、レチクルRのピッチ2PのL/Sパターンの像がウエハW上の各ショット領域に転写される。これにより、レジストの露光された部分(光が照射された部分)が現像液に対する溶解性が増大し(そのような変化を生じ)、その結果、図5(B)に示されるように、レジスト層33内に露光されなかった部分から成る、ライン部33を有するデバイスパターンに対応する潜像が形成される。ここで、第1回目のウエハアライメント(EGA計測)に先だって、後述するEGA最適化シミュレーションが行われ、その結果として得られる最適化アライメント条件が、解析装置500から露光装置100に送られている場合には、上記の第1回目のウエハアライメントは、その最適化アライメント条件の下で実行される。
第1回目の露光処理における露光量は、図5(B)において、得られるデバイスパターンのライン部33の線幅がPで、スペース部の幅がPとなるように設定される。このようにライン幅とスペース幅との比が1:1になるように露光量を設定する場合には、レジストの感度付近でのL/Sパターンの像の露光量(光強度)の変化に対する位置の変化量が小さく、露光量誤差の許容範囲が大きいため、レジストパターンを容易に高精度に形成することができる。
〔現像処理〕
次に、露光処理されたウエハWがC/D110に搬送され、C/D110によりウエハW(レジスト層33)に対する現像が行われる。現像後、図5(B)に示されるように、ウエハW(ハードマスク層32)上にライン部33のレジスト像(以下では、このレジスト像をライン部と同一符号を用いてレジスト像33と表記する)が形成される。
〔第1回目のエッチング処理〕
次に、ウエハWがエッチング装置920に搬送され、エッチング装置920において、第1のレジストスリミング処理及びこれに続くエッチング処理が行われる。第1のレジストスリミング処理は、エッチング時間を、幅Pのレジスト像33が図5(C)に示される幅P/2のレジスト像33となるよう設定して、レジスト像33をエッチングする処理である。この結果、ハードマスク層32上に、幅P/2のレジスト像33(すなわち、スペース幅が3P/2)をX軸方向にピッチ2Pで配列したパターンである、ライン幅とスペース幅との比が1:3のレジストパターンが形成される。この場合、そのエッチング時間を管理するのみで、容易に幅P/2のレジスト像33を形成することができる。
次いで、レジスト像33をマスクとしてハードマスク層32のエッチングが行われる。エッチング後、図5(D)に示されるように、幅P/2のハードマスク層32をピッチ2PでX軸方向に配列したハードマスクパターン(第1パターン)32が得られる。その後、ウエハW上からレジスト層33(レジスト像33)が不図示のアッシング装置によって剥離される。
〔レジスト塗布処理〕
次に、ターゲット層31上にハードマスクパターン32が形成されたウエハWがC/D110に搬送され、C/D110において、図5(E)に示されるように、そのウエハWの表面(ハードマスクパターン32上)にレジストが塗布される(レジスト層34が形成される)。
〔第2回目の露光処理〕
次に、レジスト層34が形成されたウエハWが露光装置100に搬送され、露光装置100によって、ウエハWに対する第2回目の露光処理が行われる。すなわち、主制御装置50により、アライメント系8を用いてウエハWに対する第2回目の露光処理のためのウエハアライメント(以下、適宜、第2回目のウエハアライメントと略述する)、ここではEGA計測が行われる。この第2回目のEGA計測に際し、第1回目のときと同じ基準層(下地層)のマーク(マーク数及びマーク配置が同じ)を同じ手順で検出する。これにより、後述するアライメント関連パラメータの最適化に際し、第1回目の露光後の現像→エッチング→(反射防止膜形成)→レジスト塗布などのウエハプロセス処理の影響によるアライメントマーク信号形状の変化に対して、アライメントフォーカス、照明波長、及びNA等の波形信号取得パラメータ(前述の要実測パラメータ)の最適化、及び、取得した波形に対する波形処理パラメータ、例えばマーク検出パラメータ(アルゴリズム、エッジ検出方法あるいは許容値等)の最適化が行える。
同様の趣旨から、EGA計算モデルについても共通に指定することが望ましい。このようにすると、波形信号取得パラメータ(アライメントフォーカス、あるいは照明波長・NA等)の最適化、及び、取得した波形に対するマーク検出パラメータの最適化が行われた上で、マーク数、マーク配置あるいはEGA計算モデルの条件を変更した場合の結果を比較することが可能となる。また、この場合も、アライメントに先立って、最適化アライメント条件が、解析装置500から露光装置100に送られている場合には、上記の第2回目のウエハアライメントは、その最適化アライメント条件の下で実行される。
上記の第2回目のアライメント結果に基づいて、主制御装置50により、ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行われ、レチクルR上のデバイスパターンがウエハW上に転写される。この際に、レチクルR上のピッチ2PのL/Sパターンの像とウエハWの各ショット領域とのX軸方向の位置関係が、上記の第1回目の露光の場合に対して180°異なるように、レチクルRとウエハWとの位置関係を調整しつつ、露光が行われる。これにより、レジストの露光された部分(光が照射された部分)が現像液に対する溶解性が増大し(そのような変化を生じ)、その結果、図5(F)に示されるように、レジスト層34内に露光されなかった部分から成るライン部34を有するデバイスパターンに対応する潜像が形成される。
この第2回目の露光の際の露光量も、図5(F)において、得られるレジストパターンのライン部34の線幅がPで、スペース部の幅がPとなるように設定される。このようにライン幅とスペース幅との比が1:1のレジストパターンは、容易に高精度に形成することができる。さらに、各ライン部34のレジスト像(以下では、このレジスト像をライン部と同一符号を用いてレジスト像34と表記する)はそれぞれX軸方向にピッチ2Pで配列された隣接する2つのハードマスクパターン32の中間に配置されている。
〔現像処理〕
次に、露光処理されたウエハWがC/D110に搬送され、C/D110によってウエハW(レジスト層34)に対する現像が行われる。現像後、図5(F)に示されるように、ウエハW(ターゲット層31)上にハードマスクパターン(第1パターン)32とともにレジスト像34が形成される。
〔第2回目のエッチング処理〕
次に、ウエハWがエッチング装置920に搬送され、エッチング装置920において、第2のレジストスリミング処理及びこれに続くエッチング処理が行われる。第2のレジストスリミング処理は、エッチング時間を、幅Pのレジスト像34が図5(G)に示される幅P/2のレジスト像34となるよう設定して、レジスト像34をエッチングする処理である。この結果、ターゲット層31上に、ライン幅とスペース幅との比が1:3の幅P/2のレジスト像34よりなる第1周期パターン(第2パターン)と、ライン幅とスペース幅との比が1:3の幅P/2のハードマスクパターン32よりなる第2周期パターン(第1パターン)とからなるマスク層35が形成される。その第1周期パターンと第2周期パターンとは位相が180°異なっているため、マスク層35は、X軸方向にピッチPのライン幅とスペース幅との比が1:1の周期パターンとみなすことができる。この場合も、そのエッチング時間を管理するのみで、容易に幅P/2のレジスト像34を形成することができる。
次いで、マスク層35の周期パターンをマスクとしてターゲット層31のエッチングが行われる。エッチング後、図5(H)に示されるように、ウエハW上にマスクとしたマスク層35の周期パターンに対応する、幅P/2のターゲット部31をピッチPでX軸方向に配列したパターンが得られる。その後、不図示のアッシング装置によって、ウエハW上からレジスト像34が剥離された後、図5(I)のハードマスクパターン32が剥離される。これによって、図5(J)に示されるように、幅P/2のターゲット部311をピッチPでX軸方向に配列してなる、ライン幅とスペース幅との比が1:1のL/Sパターンが形成される。この場合、ピッチPを64nmとすると、ターゲット部31の幅(ライン幅)は32nmとなる。
〔測定検査処理〕
次に、ターゲット部311をライン部とするL/Sパターンが形成されたウエハWが測定検査器120に搬送され、測定検査器120において、ウエハWに対する測定検査処理、すなわち、ターゲット層に形成されたデバイスパターン(ターゲット部311をライン部とするL/Sパターン)とその基準層のデバイスパターンとの重ね合わせ誤差(ショット領域SA内の重ね合わせ誤差計測マークMO、MO、MO(図3(C)参照)の相対位置ずれ量)が測定される。具体的には、ショット領域SA内の4隅から選択された少なくとも2箇所の重ね合わせ誤差計測マークMO、MO、MOについての間隙の寸法dx,dy及びdx,dyが測定(計測)され、この測定結果に基づいて相対位置ずれ量が算出される。解析装置500からの転送要求により、測定検査器120の測定結果(重ね合わせ誤差測定結果)が解析装置500に送られる。また、測定検査器120によってウエハWのパターン上の異物及び欠陥の検査も行われる。
〔解析処理〕
次に、解析装置500により、測定検査器120から送られた重ね合わせ誤差測定結果等を基にして、露光装置100のアライメント関連パラメータに関する解析が行われる。解析装置500は、解析の結果(解析情報)を露光装置100に送る。露光装置100は、その情報に基づいて、必要に応じて装置パラメータを更新するなどの処理を行う。解析処理の詳細については後述する。
〔不純物拡散、アルミ蒸着配線処理〕
解析処理と並行して、又は解析処理に続いて、エッチングされたウエハWに対する不純物拡散、アルミ蒸着配線処理、CVD装置910によって成膜、CMP装置930によって平坦化、酸化・イオン注入装置940でのイオン注入などが必要に応じて行われる。これにより、ウエハWのターゲット層31に対するパターニングプロセスが完了する。
次いで、ホスト600により、全工程が終了し、ウエハW上にすべてのパターンが形成されたか否かが判断される。この判断が否定されれば成膜処理に戻り、肯定されれば次の処理に進む。以上のように、一連のパターニングプロセスが工程数分繰り返し実行されることにより、ウエハW上にデバイスパターンが積層され、半導体デバイスが形成される。
繰り返し工程完了後、プロービング処理、リペア処理が、デバイス製造処理装置群900において実行される。プロービング処理において、不良を検出した場合には、例えば、リペア処理において、冗長回路へ置換する処理が行われる。解析装置500は、検出した重ね合わせの異常が発生した箇所などの情報を、プロービング処理、リペア処理を行う装置に送るようにすることもできる。不図示の検査装置では、ウエハW上の線幅異常が発生した箇所については、チップ単位で、プロービング処理、リペア処理の処理対象から除外することができる。その後、ダイシング処理、パッケージング処理、ボンディング処理が実行され、最終的に製品チップが完成する。
次に、解析装置500によって行われる2つの解析処理、すなわち、線幅ばらつきを加味したダブルパターニングEGA最適化シミュレーション及びダブルパターニング重ね合わせ最適化シミュレーションについて説明する。
図6〜図9には、EGA最適化シミュレーションに対応するフローチャートが示されている。また、図11には、必要に応じ、EGA最適化シミュレーションに続いて行われる重ね合わせ最適化シミュレーションに対応するフローチャートが示されている。
まず、線幅ばらつきを加味したEGA最適化シミュレーションについて説明する。
以下では、基準層(下地レイヤ)を[Layer1]、ターゲット層における上述した第1回目の露光処理(ダブルパターニング第1回目)に対応する層を[Layer2-1]、上述した第2回目の露光処理(ダブルパターニング第2回目)に対応する層を[Layer2-2]と表現する。なお、基準層[Layer1]は、ターゲット層の下層(ターゲット層にパターンが形成される直近にパターンが形成された層)に限らず、より下層の層であっても良い。この点について、後述する各種の最適化シュミュレーションにおいても、同様である。
以下では、説明の便宜上、[Layer2-1]及び[Layer2-2]の少なくとも一方について、ベースEGA計測での波形処理パラメータの最適化を行わない場合には、その少なくとも一方の層についてはパラメータの最適化のためのEGA計測シミュレーション(以下、適宜、EGAシミュレーションと略記する)そのものを行わないものとする。また、前提として、後述するフラグF1〜F6は、いずれも降ろされている(リセットされている)ものとする。
まず、最初のステップS1で、[Layer2-1]でのベースEGA計測結果ファイルを露光装置100から取得する。ここで、ベースEGA計測結果ファイルとは、EGA最適化シミュレーションのもと(ベース)となる計測ファイルであり、デフォルト設定された所定の基準アライメント条件(基準アライメント関連パラメータ)下で実施されたEGA演算結果(基準演算結果)の生データの集合から成るファイルである。ここで、基準アライメント条件(基準アライメント関連パラメータ)とは、計測対象となるサンプルショットの特定、そのマークを計測する時の照明条件、得られたマーク信号に対する波形処理アルゴリズム及びEGA演算モデル等が予めデフォルトで所定条件に設定されている条件(パラメータ)のこと(波形処理パラメータ及び要実測パラメータを含む)であり、露光装置100で実際に適用されたアライメント条件である。このステップS1では、ターゲット層における上述した第1回目の露光処理の際のEGAのログデータから[Layer2-1]でのベースEGA計測結果ファイルが取得される。
次のステップS2において、[Layer2-1]ベースEGA計測での波形処理パラメータの最適化を波形シミュレーションにより行うか否かを判断する。そして、予めオペレータ(ユーザ)が、[Layer2-1]ベースEGA計測での波形処理パラメータ(アルゴリズム、エッジ検出方法あるいは許容値等のマーク検出パラメータ)の最適化を波形シミュレーションにより行う設定を行っていた場合には、このステップS2における判断は肯定され、ステップS3に進んで、[Layer2-1]ベースEGA計測マークの波形信号ファイルを露光装置100から取得する。ここでは、ターゲット層における上述した第1回目の露光処理の際のEGAのログデータからベースEGA計測マークの波形信号ファイルが取得される。そして、ステップS4に進んで、フラグF1を立てた(F1←1)後、ステップS5に進む。
ステップS5では、[Layer2-1]比較対象EGA計測結果ファイルを露光装置100から取得するか否かを判断する。ここで、比較対象EGA計測結果ファイルとは、前記ベースEGA計測結果ファイルの比較対象となるファイルであり、基準アライメント条件の一部又は全部(例えばアライメントフォーカス、照明波長、NA等の波形信号取得条件(前述の要実測パラメータ)を変更して実施されたEGA演算結果(比較演算結果)の生データから成るファイルである。そして、オペレータが、波形シミュレーションでは対応できないアライメントフォーカス、照明波長、NA等の波形信号に影響するパラメータ(波形信号取得パラメータないしは要実測パラメータ)を最適化対象とすることを目的として、[Layer2-1]比較対象EGA計測結果ファイルを取得する設定を予め行っていた場合には、ステップS5における判断は肯定され、ステップS6に進んでアライメントフォーカス、照明波長、NA等の波形信号取得条件(波形信号取得パラメータ)を変更した[Layer2-1]比較対象EGA計測結果ファイルを露光装置100から取得する。そして、ステップS7に進んで、フラグF2を立てた(F2←1)後、ステップS8に進む。
ステップS8では、[Layer2-1]比較対象EGA計測での波形処理パラメータの最適化を波形シミュレーションにより行うか否かを判断する。そして、予めオペレータが、[Layer2-1]比較対象EGA計測での波形処理パラメータの最適化を波形シミュレーションにより行う設定を行っていた場合には、このステップS8における判断は肯定され、ステップS9に進んで、上記波形信号取得条件を変更した[Layer2-1]比較対象EGA計測マークの波形信号ファイルを露光装置100から取得する。そして、ステップS10に進んで、フラグF3を立てた(F3←1)後、ステップS11に進む。一方、ステップS8における判断が否定された場合には、ステップS11に移行する。
この一方、オペレータが、[Layer2-1]比較対象EGA計測結果ファイルを取得する設定を予め行っていなかった場合には、上記ステップS5における判断が否定され、ステップS11にジャンプする。また、ステップS2における判断が否定された場合には、ステップS5にジャンプし、[Layer2-1]についてのEGAシミュレーションのため、比較対象EGA計測結果ファイルを取得するか否かを判断する。
ステップS11では、[Layer2-2]でのベースEGA計測結果ファイルを露光装置100から取得する。ここでは、ターゲット層における上述した第2回目の露光処理の際のEGAのログデータから[Layer2-2]でのベースEGA計測結果ファイルが取得される。
次のステップS12において、[Layer2-2]ベースEGA計測での波形処理パラメータの最適化を波形シミュレーションにより行うか否かを判断する。そして、予めオペレータが、[Layer2-2]ベースEGA計測での波形処理パラメータの最適化を波形シミュレーションにより行う設定を行っていた場合には、このステップS12における判断は肯定され、ステップS13に進んで、[Layer2-2]ベースEGA計測マークの波形信号ファイルを露光装置100から取得する。ここでは、ターゲット層における上述した第2回目の露光処理の際のEGAのログデータからベースEGA計測マークの波形信号ファイルが取得される。そして、ステップS14に進んで、フラグF4を立てた(F4←1)後、図7のステップS15に進む。
ステップS15では、[Layer2-2]比較対象EGA計測結果ファイルを露光装置100から取得するか否かを判断する。そして、オペレータが、波形シミュレーションでは対応できないアライメントフォーカス、照明波長、NA等の波形信号取得パラメータを最適化対象とすることを目的として、[Layer2-2]比較対象EGA計測結果ファイルを取得する設定を予め行っていた場合には、ステップS15における判断は肯定され、ステップS16に進んでアライメントフォーカス、照明波長、NA等の波形信号取得条件を変更した[Layer2-2]比較対象EGA計測結果ファイルを露光装置100から取得する。そして、ステップS17に進んで、フラグF5を立てた(F5←1)後、ステップS18に進む。
ステップS18では、[Layer2-2]比較対象EGA計測での波形処理パラメータの最適化を波形シミュレーションにより行うか否かを判断する。そして、予めオペレータが、[Layer2-2]比較対象EGA計測での波形処理パラメータの最適化を波形シミュレーションにより行う設定を行っていた場合には、このステップS18における判断は肯定され、ステップS19に進んで、波形信号取得条件を変更した[Layer2-2]比較対象EGA計測マークの波形信号ファイルを露光装置100から取得する。そして、ステップS20に進んで、フラグF6を立てた(F6←1)後、ステップS21に進む。一方、ステップS18における判断が否定された場合には、ステップS21に移行する。
この一方、オペレータが、[Layer2-2]比較対象EGA計測結果ファイルを取得する設定を予め行っていなかった場合には、上記ステップS15における判断が否定され、ステップS21にジャンプする。また、ステップS12における判断が否定された場合には、ステップS15にジャンプし、[Layer2-2]についてのEGAシミュレーションのため、比較対象EGA計測結果ファイルを取得するか否かを判断する。
ステップS21では、(1)[Layer2-1]EGA残留誤差3σの閾値T1と重みW1、(2)[Layer2-2]EGA残留誤差3σの閾値T2と重みW2、及び(3)[Layer2-1]EGA残留誤差と[Layer2-2]EGA残留誤差との差に[Layer2-1]の線幅変動(ΔCD)と[Layer2-2]の線幅変動(ΔCD)とを加味して算出した[Layer2-1]と[Layer2-2]のパターン間ずれの3σについての閾値T3と重みW3を、設定する。
線幅変動(ΔCD)は、[Layer2-1]と[Layer2-2]についての露光中のフォーカストレースファイル、露光量トレースファイル(及び同期精度トレースファイル)、並びにフラットネス計測ファイルを用いた線幅変動シミュレーションにより求められる。ここで、フォーカストレースファイルには、一定時間間隔ごとのフォーカス追従誤差(Z,Roll,Pitch)が記録されている。露光量トレースファイルには、一定時間間隔ごとの露光量(スリット幅でのエネルギー積算値)が記録されている。
Z平均オフセットと露光量誤差に基づく線幅変動シミュレーションでは、まず、前述のZ平均オフセット毎の線幅値について、露光量誤差テーブル数分、事前にΔCDテーブルファイルに登録しておく。ΔCDテーブルは、インデックスシートとインデックスシートに登録された露光量誤差テーブル数分のテーブルシートから構成される。ΔCDテーブルインデックスシートには、下記のように、インデックスシート番号、像高データ数、Z平均オフセットデータ数、及び、露光量誤差毎に参照するΔCDテーブルシート番号が定義される。
《ΔCDテーブルインデックスシート登録形式》
INDEX_NO.: <インデックスシート番号>
Image_height_NUM: <像高データ数>
Z mean_NUM: <Z平均オフセットデータ数>
<Dose error値1> <ΔCDテーブルシート番号>
<Dose error値2> <ΔCDテーブルシート番号>
<Dose error値3> <ΔCDテーブルシート番号>
ΔCDテーブルシートには、下記のように、ΔCDテーブルシート番号、及び、前述のインデックスシートで指定された像高数分(レンズ中心から±個別に指定)について、Z平均オフセット毎のΔCD値が定義される。
《ΔCDテーブルシートの登録形式》
ΔCD_TABLE_NO.: <ΔCDテーブルシート番号>
Image_height1[mm]: <像高値1>
Z mean[um]: <Z mean開始値1〜終了値1> <ΔCD値>
Z mean[um]: <Z mean開始値2〜終了値2> <ΔCD値>
Z mean[um]: <Z mean開始値3〜終了値3> <ΔCD値>

Image_height2[mm]: <像高値2>
Z mean[um]: <Z mean開始値1〜終了値1> <ΔCD値>
Z mean[um]: <Z mean開始値2〜終了値2> <ΔCD値>
Z mean[um]: <Z mean開始値3〜終了値3> <ΔCD値>

Image_height3[mm]: <像高値3>
Z mean[um]: <Z mean開始値1〜終了値1> <ΔCD値>
Z mean[um]: <Z mean開始値2〜終了値2> <ΔCD値>
Z mean[um]: <Z mean開始値3〜終了値3> <ΔCD値>
そして、図10(A)に示されるように、第1段階として、計測位置毎の露光量誤差について、前述のΔCDテーブルインデックスシートから、それぞれの値を挟む2個のΔCDテーブルを選択する。第2段階として、前述の第1段階で選択した2つのΔCDテーブルシートを用いて、1次データ補間により該当する露光量誤差でのΔCD値を算出する。露光量誤差値がΔCDテーブル値の範囲外である場合、最寄りの2つのΔCDテーブルシートを使用して1次データ補間を行う。露光量トレースデータがΔCDインデックスシートの露光量誤差値と一致する場合は、該当するΔCDテーブルシート番号のテーブル内のΔCD値をそのまま使用する。露光量誤差値に基づく1次データ補間によるCD値算出式を以下に記す。
x3_3 = 露光量誤差値
x3_1 = 露光量誤差テーブル値1
y3_1 = 露光量誤差テーブル値1での該当CD値
x3_2 = 露光量誤差テーブル値2
y3_2 = 露光量誤差テーブル値2での該当CD値
上述のx3_1とx3_2は、x3_3を挟む値である。
b3 = (y3_2 * x3_1 - y3_1 * x3_2) / (x3_1 - x3_2)
a3 = (y3_2 - b3) / (x3_2)
露光量誤差値 x3_3でのΔCD値 = a3 * x3_3 + b3
これがΔCD値の算出結果となる。
Z平均オフセットとZ msd、及び、露光量誤差と同期精度誤差に基づく線幅変動シミュレーションでは、まず、前述のZ平均オフセットとZ msd毎の線幅値について、露光量誤差テーブル数と同期精度誤差テーブル数の組み合わせ分、事前にΔCDテーブルファイルに登録しておく。ΔCDテーブルは、インデックスシートとインデックスシートに登録された露光量誤差テーブル数と同期精度誤差テーブル数の組み合わせ分のテーブルシートから構成される。ΔCDテーブルインデックスシートには、下記のように、インデックスシート番号、像高データ数、Z平均オフセットデータ数、Z移動標準偏差データ数、及び、露光量誤差と同期精度誤差の組み合わせ毎に参照するΔCDテーブルシート番号が定義される。
《ΔCDテーブルインデックスシート登録形式》
INDEX_NO.: <インデックスシート番号>
Image_height_NUM: <像高データ数>
Z mean_NUM: <Z平均オフセットデータ数>
Z msd_NUM: <Z移動標準偏差データ数>
Dose error/SYNC.error <SYNC.error値1> <SYNC.error値2> 〜
<Dose error値1> <ΔCDテーブルシート番号> <ΔCDテーブルシート番号> 〜
<Dose error値2> <ΔCDテーブルシート番号> <ΔCDテーブルシート番号> 〜
<Dose error値3> <ΔCDテーブルシート番号> <ΔCDテーブルシート番号> 〜
ΔCDテーブルシートには、下記のように、ΔCDテーブルシート番号、及び、前述のインデックスシートで指定された像高数分(レンズ中心から±個別に指定)について、Z平均オフセットとZ移動標準偏差毎のΔCD値が定義される。
《ΔCDテーブルシートの登録形式》
ΔCD_TABLE_NO.: <ΔCDテーブルシート番号>
Image_height1[mm]: <像高値1>
Zmean/Zmsd <Zmsd開始値1〜終了値1> <Zmsd開始値2〜終了値2> 〜
<Zmean開始値1〜終了値1> <ΔCD値> <ΔCD値> 〜
<Zmean開始値2〜終了値2> <ΔCD値> <ΔCD値> 〜
<Zmean開始値3〜終了値3> <ΔCD値> <ΔCD値> 〜

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Zmean/Zmsd <Zmsd開始値1〜終了値1> <Zmsd開始値2〜終了値2> 〜
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<Zmean開始値2〜終了値2> <ΔCD値> <ΔCD値> 〜
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Zmean/Zmsd <Zmsd開始値1〜終了値1> <Zmsd開始値2〜終了値2> 〜
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<Zmean開始値2〜終了値2> <ΔCD値> <ΔCD値> 〜
<Zmean開始値3〜終了値3> <ΔCD値> <ΔCD値> 〜
そして、図10(B)に示されるように、第1段階として、計測位置毎の露光量誤差と同期精度誤差値について、前述のΔCDテーブルインデックスシートから、それぞれの値を挟む4個のΔCDテーブルを選択する。第2段階として、前述の第1段階で選択した4つのΔCDテーブルシートを用いて、まず露光量誤差毎に、2つの同期精度誤差テーブルのΔCD値から1次データ補間により該当する同期精度誤差でのΔCD値を算出する。同期精度誤差値がΔCDテーブル値の範囲外である場合、最寄りの2つのΔCDテーブルシートを使用して1次データ補間を行う。同期精度トレースデータがΔCDインデックスシートの同期精度誤差値と一致する場合は、該当するΔCDテーブルシート番号のテーブル内のΔCD値をそのまま使用する。露光量トレースデータについても同様とする。第3段階として、計測位置毎の露光量誤差を挟む2つの露光量誤差について算出されたΔCD値に対して、1次データ補間により該当する露光量誤差でのΔCD値を算出する。前述の第2段階、露光量誤差値を挟む露光量誤差テーブル1での同期精度誤差値に基づくCD値算出式を以下に記す。
x1_3 = 同期精度誤差値
x1_1 = 同期精度誤差テーブル値1
y1_1 = 同期精度誤差テーブル値1での該当CD値
x1_2 = 同期精度誤差テーブル値2
y1_2 = 同期精度誤差テーブル値2での該当CD値
※x1_1とx1_2は、x1_3を挟む値である。
b1 = (y1_2 * x1_1 - y1_1 * x1_2) / (x1_1 - x1_2)
a1 = (y1_2 - b1) / (x1_2)
同期精度誤差値 x1_3でのCD値 cd1_3 = a1 * x1_3 + b1
前述の第2段階、露光量誤差値を挟む露光量誤差テーブル2での同期精度誤差値に基づくCD値算出式を以下に記す。
x2_3 = 同期精度誤差値
x2_1 = 同期精度誤差テーブル値1
y2_1 = 同期精度誤差テーブル値1での該当CD値
x2_2 = 同期精度誤差テーブル値2
y2_2 = 同期精度誤差テーブル値2での該当CD値
※x2_1とx2_2は、x2_3を挟む値である。
b2 = (y2_2 * x2_1 - y2_1 * x2_2) / (x2_1 - x2_2)
a2 = (y2_2 - b2) / (x2_2)
同期精度誤差値 x2_3でのCD値 cd2_3 = a2 * x2_3 + b2
前述の第3段階、該当露光量誤差値でのΔCD値算出式を以下に示す。
x3_3 = 露光量誤差値
x3_1 = 露光量誤差テーブル値1
y3_1 = 露光量誤差テーブル値1での該当CD値 = 同期精度誤差値 x1_3でのCD値 cd1_3
x3_2 = 露光量誤差テーブル値2
y3_2 = 露光量誤差テーブル値2での該当CD値 = 同期精度誤差値 x2_3でのCD値 cd2_3
※x3_1とx3_2は、x3_3を挟む値である。
b3 = (y3_2 * x3_1 - y3_1 * x3_2) / (x3_1 - x3_2)
a3 = (y3_2 - b3) / (x3_2)
露光量誤差値 x3_3でのΔCD値 cd3_3 = a3 * x3_3 + b3
これがΔCD値の算出結果となる。
上述の線幅変動シミュレーションの詳細は、例えば、米国特許第6,538,721号明細書、米国特許第6,992,751号明細書等において開示されている。
上述のΔCDテーブルを用いることにより、露光中のフォーカス/露光量/同期精度の制御誤差に基づいてΔCD値の算出が行え、更に、露光中のフォーカス/露光量/同期精度の各制御にオフセットをのせた場合のΔCD値の算出が行える。これにより、露光中のフォーカス/露光量/同期精度の各オフセット制御に基づき、ダブルパターニング最適化を実現するために必要なΔCDの調整を行える。
なお、線幅変動は、線幅変動シミュレーションに限らず実測しても良い。
ステップS22では、マーク数及びマーク配置、並びにEGA計算モデルを指定する。このステップS22における指定は、予め用意されている指定条件ファイルの指定内容に従って行われる。指定内容の設定は、オペレータによる設定、デフォルトの設定、又は経験に基づく学習機能による設定のいずれによっても良い。ここで、最適化対象のマークは露光装置100において行われた[Layer2-1]、[Layer2-2]におけるEGAで計測された複数のサンプルマーク(計測マーク)の中から選択される。すなわちその複数のサンプルマーク(計測マーク)の中から、シミュレーション時に任意の計測マークをリジェクトすることにより、マーク数及びマーク配置の指定、並びにその変更が行われる。
[Layer2-1]と[Layer2-2]で指定するマーク数あるいはマーク配置は、下層の同一マークを指定することにより、[Layer2-1]露光後の現像→エッチング→反射防止膜形成→レジスト塗布などのウエハプロセス処理の影響によるアライメントマーク信号形状の変化に対して、フォーカスあるいは照明波長・NA等の波形信号取得パラメータの最適化、及び、取得した波形に対するマーク検出パラメータ(アルゴリズム、エッジ検出方法あるいは許容値等)の最適化が行える。EGA計算モデルについても共通に指定し、波形信号取得パラメータ(フォーカスあるいは照明波長・NA等)の最適化、及び、取得した波形に対するマーク検出パラメータの最適化が行われた上でマーク数、マーク配置あるいはEGA計算モデルの条件を変更した場合の結果を比較する。
次のステップS23では、フラグF1が立っているか(F1=1であるか)否かを判断することで、[Layer2-1]ベースEGA計測マークの波形信号ファイルが取得されているか否かを判断する。そして、このステップS23における判断が肯定された場合には、ステップS24に進んで、[Layer2-1]ベースEGA計測結果ファイルと該当する波形信号ファイルについて、マーク検出パラメータ、リジェクト値など、最適化対象のパラメータを、所定の手順で変更して、[Layer2-1]EGAシミュレーションを実行する。しかる後、図8のステップS25に進む。
次のステップS25では、フラグF2が立っているか(F2=1であるか)否かを判断することで、[Layer2-1]比較対象EGA計測結果ファイルが取得されているか否かを判断し、この判断が肯定された場合には、ステップS26に進む。ステップS26では、フラグF3が立っているか(F3=1であるか)否かを判断することで、[Layer2-1]比較対象EGA計測マークの波形信号ファイルが取得されているか否かを判断する。そして、このステップS26における判断が肯定された場合には、ステップS27に進み、[Layer2-1]比較対象EGA計測結果ファイル、及び[Layer2-1]比較対象EGA計測マークの波形信号ファイルについて、マーク検出パラメータ、リジェクト値など、最適化対象のパラメータを変更して、[Layer2-1]EGAシミュレーションを実行する。
前記ステップS26における判断が否定された場合には、ステップS28に進み、[Layer2-1]比較対象EGA計測結果ファイルについて、リジェクト値など、最適化対象のパラメータを変更して、[Layer2-1]EGAシミュレーションを実行する。そして、シミュレーション実行後、ステップS29に移行する。
この一方、ステップS25における判断が否定された場合、すなわち[Layer2-1]比較対象EGA計測結果ファイルが取得されていない場合には、ステップS29に移行する。ステップS26における判断が否定された場合、すなわち[Layer2-1]比較対象EGA計測結果ファイルは取得されているが、[Layer2-1]比較対象EGA計測マークの波形信号ファイルは取得されていない場合も、ステップS29に移行する。
ステップS29では、ステップS21で設定した、[Layer2-1]EGA残留誤差の3σに対する閾値T1を満たす[Layer2-1]EGAシミュレーション結果を保存した後、ステップS30に進む。
この一方、ステップS23における判断が否定された場合、すなわち[Layer2-1]ベースEGA計測マークの波形信号ファイルが取得されていない場合は、前記波形処理パラメータ最適化のためのEGAシミュレーションは行わないので、ステップS24をスキップし、前記要実測パラメータ最適化のためのEGAシミュレーションの実行判断へ進む。
次のステップS30では、フラグF4が立っているか(F4=1であるか)否かを判断することで、[Layer2-2]ベースEGA計測マークの波形信号ファイルが取得されているか否かを判断する。そして、このステップS30における判断が肯定された場合には、ステップS31に進んで、[Layer2-2]ベースEGA計測結果ファイルと該当する波形信号ファイルについて、マーク検出パラメータ、リジェクト値など、最適化対象のパラメータを、所定の手順で変更して、[Layer2-2]EGAシミュレーションを実行する。しかる後、ステップS32に進む。
次のステップS32では、フラグF5が立っているか(F5=1であるか)否かを判断することで、[Layer2-2]比較対象EGA計測結果ファイルが取得されているか否かを判断し、この判断が肯定された場合には、ステップS33に進む。ステップS33では、フラグF6が立っているか(F6=1であるか)否かを判断することで、[Layer2-2]比較対象EGA計測マークの波形信号ファイルが取得されているか否かを判断する。そして、このステップS33における判断が肯定された場合には、ステップS34に進み、[Layer2-2]比較対象EGA計測結果ファイル、及び[Layer2-2]比較対象EGA計測マークの波形信号ファイルについて、マーク検出パラメータ、リジェクト値など、最適化対象のパラメータを変更して、[Layer2-2]EGAシミュレーションを実行する。
前記ステップS33における判断が否定された場合には、ステップS35に進み、[Layer2-2]比較対象EGA計測結果ファイルについて、リジェクト値など、最適化対象のパラメータを変更して、[Layer2-2]EGAシミュレーションを実行する。そして、シミュレーション実行後、ステップS36に移行する。
この一方、ステップS32における判断が否定された場合、すなわち[Layer2-2]比較対象EGA計測結果ファイルが取得されていない場合には、図9のステップS36に移行する。ステップS33における判断が否定された場合、すなわち[Layer2-2]比較対象EGA計測結果ファイルは取得されているが、[Layer2-2]比較対象EGA計測マークの波形信号ファイルは取得されていない場合も、ステップS36に移行する。
ステップS36では、ステップS21で設定した、[Layer2-2]EGA残留誤差の3σに対する閾値T2を満たす[Layer2-2]EGAシミュレーション結果を保存した後、ステップS38に進む。
この一方、ステップS30における判断が否定された場合、すなわち[Layer2-2]ベースEGA計測マークの波形信号ファイルが取得されていない場合は、前記波形処理パラメータ最適化のためのEGAシミュレーションは行わないので、ステップS31をスキップし、前記要実測パラメータ最適化のためのEGAシミュレーションの実行判断へ進む。
ステップS38では、ステップS29で保存された[Layer2-1]EGAシミュレーション結果とステップS36で保存された[Layer2-2]EGAシミュレーション結果に対して、ステップS21で設定した(3)[Layer2-1]EGA残留誤差と[Layer2-2]EGA残留誤差との差に[Layer2-1]の線幅変動と[Layer2-2]の線幅変動とを加味して算出した[Layer2-1]と[Layer2-2]とのパターン間ずれの3σについての閾値T3を満たす結果を保存する。
次のステップS39では、上記ステップS38で保存された[Layer2-1]と[Layer2-2]のEGAシミュレーション結果に対して、次式(1)で表される評価値EVが最小となる結果を最適条件とする。
EV=([Layer2-1]EGA残留誤差3σ)×W1
+([Layer2-2]EGA残留誤差3σ)×W2
+[{([Layer2-1]EGA残留誤差−[Layer2-2]EGA残留誤差)+([Layer2-1]のΔCD)/2+([Layer2-2]のΔCD)/2)}の3σ]×W3 …(1)
上式(1)において、W1、W2、W3は、ステップS21において設定された、[Layer2-1]EGA残留誤差3σ、[Layer2-2]EGA残留誤差3σ、[Layer2-1]EGA残留誤差と[Layer2-2]EGA残留誤差との差に[Layer2-1]の線幅変動と[Layer2-2]の線幅変動とを加味して算出した[Layer2-1]と[Layer2-2]とのパターン間ずれの3σそれぞれについて設定された重みである。
また、上式(1)において、([Layer2-1]のΔCD)と([Layer2-2]のΔCD)をそれぞれ2分の1としているが、[Layer2-1]と[Layer2-2]の線幅変動の非対称性に応じて、それぞれ2分の1以外としても良い。
次のステップS40では、マーク数及び/又はマーク配置、及び/又はEGA計算モデルについて、例えば、前述した指定条件ファイルで指定された全ての条件について、最適化シミュレーションを実行したか否かを判断する。そして、この判断が肯定された場合には、ステップS41に進み、否定された場合には、ステップS22へ戻り、ステップS40における判断が肯定されるまで、ステップS22以下の処理を繰り返し実行する。すなわち、マーク数及び/又はマーク配置、及び/又はEGA計算モデルを最適化対象として最適化シミュレーションを続行する。
ステップS41では、閾値T1〜T3及び重みW1〜W3のうちの少なくとも1つを変更して、繰り返し最適化シミュレーションを続行する必要があるか否かを判断する。このステップS41では、例えばステップS29,S36,S38の少なくとも1つで、それぞれの閾値T1,T2,T3を満たすEGAシミュレーション結果を保存できなかったか否かを判断する。これに限らず、オペレータが繰り返し最適化シミュレーションの続行を設定できるようにしても良く、その場合は、その設定内容に従う。
そして、ステップS41における判断が否定された場合は、ステップS42に進み、肯定された場合には、ステップS21へ戻り、ステップS41における判断が否定されるまで、ステップS21以下の処理を繰り返し実行する。すなわち、閾値T1〜T3及び重みW1〜W3のうちの少なくとも1つを変更して、最適化シミュレーションを続行する。
ステップS42では、上記最適化EGAシミュレーション結果(ステップS39で最適条件として決定された[Layer2-1]EGAシミュレーション結果と[Layer2-2]EGAシミュレーション結果の組み合わせ)とベースEGA計測結果とについて、上式(1)で表される評価値EVを比較する。
そして、次のステップS43では、ベースEGA計測結果よりも評価値EVが小さく、かつ、評価値EVが最小となる最適化EGAシミュレーション結果を、ダブルパターニング最適化EGA条件として決定(選択)する。この場合、ダブルパターニング最適化EGA条件として、複数の条件(最適化EGAシミュレーション結果)が決定(選択)される場合がある。
これにより、EGA最適化シミュレーションを終了する(ステップS44)。そして、例えば、決定した最適化EGAシミュレーション結果が1つの場合、解析装置500から露光装置100に送られる。露光装置100は、その最適化EGAシミュレーション結果に応じたアライメント関連パラメータを、その後(次ウエハ、次ロットのウエハ、又は同一ウエハに対する次層以降)のダブルパターニングの第1回目、第2回目の露光処理の際のウエハアライメントに共通に適用する。
次に、解析装置500によって実行される、線幅ばらつきを加味したダブルパターニング重ね合わせ最適化シミュレーションについて説明する。このダブルパターニング重ね合わせ最適化シミュレーションは、例えば、上述した最適化EGAシミュレーションの結果として、複数の条件(最適化EGAシミュレーション結果)が決定(選択)された場合に応じて行われる。
EGA最適化シミュレーション実行後、図11のステップS44で、ダブルパターニング重ね合わせ最適化シミュレーションが開始される。
開始後、ステップS45において、ベース重ね合わせ計測結果ファイルを、測定検査器120、又は露光装置100から取得する。ここで、ベース重ね合わせ計測結果ファイルとは、重ね合わせ最適化シミュレーションのもと(ベース)となる計測ファイルである。
ステップS46では、最適化EGA条件としてステップS43で決定(選択)された最適化EGAシミュレーション結果とベースEGA計測結果との、[Layer2-1]、[Layer2-2]、及び[Layer2-1]と[Layer2-2]との差のそれぞれについての、変化分ΔOVL[Layer2-1]、ΔOVL[Layer2-2]、及びΔOVL([Layer2-1]−[Layer2-2])を、ベース重ね合わせ計測結果に反映させることにより、最適化対象アライメント関連パラメータ(露光条件、アライメント補正値含む)の変更時の重ね合わせ計測結果に対して、前述したEGA最適化シミュレーションと同様の最適化シミュレーションを行う。
この最適化シミュレーションにおいて、[Layer1]と[Layer2-1]との重ね合わせ(OVL)のずれ1、[Layer1]と[Layer2-2]との重ね合わせのずれ2、[Layer2-1]と[Layer2-2]との重ね合わせのずれ3が、それぞれの閾値を満足する、重ね合わせシミュレーション結果を選択して保存する。ここで、ずれ1、ずれ2、及びずれ3は、それぞれ、[Layer1]と[Layer2-1]との重合せ誤差、[Layer1]と[Layer2-2]との重ね合わせ誤差、及び[Layer2-1]と[Layer2-2]との重ね合わせ誤差の、複数の重ね合わせ誤差計測マークに関する(平均+3σ)である。[Layer1]と[Layer2-1]との重合せ誤差は、例えばマークMOとマークMOとの設計間隔を(dx10,dy10)、計測間隔を(dx,dy)、とすると、各重ね合わせ誤差計測マークについて、dx-dx10,dy-dy10で与えられ、[Layer1]と[Layer2-1]との重合せ誤差は、例えばマークMOとマークMOとの設計間隔を(dx20,dy20)、計測間隔を(dx,dy)とすると、各重ね合わせ誤差計測マークについて、dx-dx20,dy-dy20で与えられる。この場合、[Layer2-1]と[Layer2-2]との重ね合わせ誤差は、各重ね合わせ誤差計測マークについて、(dx+dx)-(dx10+dx20),(dy+dy)-(dy10+dy20)で与えられる。
また、最適化シミュレーションにおいて、次式(2)で表される評価値EV1が最小となる重ね合わせシミュレーション結果を、最適条件(最適重ね合わせシミュレーション結果)として決定する。
EV1=([Layer1]と[Layer2-1]とのOVLのずれ1)×W1
+([Layer1]と[Layer2-2]とのOVLのずれ2)×W2
+{([Layer2-1]と[Layer2-2]とのOVLのずれ3)+([Layer2-1]のΔCD)/2+([Layer2-2]のΔCD)/2)}×W3 …(2)
また、上式(2)において、([Layer2-1]のΔCD)と([Layer2-2]のΔCD)をそれぞれ2分の1としているが、[Layer2-1]と[Layer2-2]の線幅変動の非対称性に応じて、それぞれ2分の1以外としても良い。
次のステップS47では、最適重ね合わせシミュレーション結果とベース重ね合わせ計測結果とについて、上式(2)で表される評価値EV1を比較する。
そして、次のステップS48では、ベース重ね計測結果よりも評価値EV1が小さく、かつ、評価値EV1が最小となる重ね合わせシミュレーション結果(に対応する最適化EGAシミュレーション結果)を、ダブルパターニング最適化アライメント条件として決定する。そして、決定された最適化アライメント条件が、解析装置500から露光装置100に送られる。露光装置100は、その最適化アライメント条件を、その後(次ウエハ、次ロットのウエハ、又は同一ウエハに対する次層以降)のダブルパターニング第1回目、第2回目の露光処理の際のウエハアライメントに共通に適用する。
なお、上記の式(2)中のずれ1〜ずれ3は、重ね合わせ誤差の3σ、又は、平均の値を、それぞれ指定できるようにしても良い。
なお、本実施形態では、ウエハW毎に、EGA最適化シミュレーション及び重ね合わせ最適化シミュレーションを行なうものとしたが、例えば数枚おき、あるいは一定の時間間隔(1時間おき、1日おき、1週間おきなど)で行うようにしても良い。この間隔は、固定であっても良いし、可変であっても良い。例えば、EGA最適化シミュレーション及び重ね合わせ最適化シミュレーションの実行履歴に基づいて、重ね合わせ精度が安定している場合には頻度を減らし、重ね合わせ精度が低下した場合には頻度を増やすようにしても良い。
また、最適化対象のアライメント処理パラメータとして、前述のアライメント処理パラメータのすべてを最適化の対象とすると、演算量が膨大となり、最適化に要する時間が長くなる。そこで、本実施形態では、ユーザ設定あるいは自動設定により、最適化対象のパラメータを制限することとしている。なお、自動設定では、例えば、過去のEGA最適化シミュレーションにより最適化された(あるいは最適化により大きく変更された)アライメント処理パラメータを自動的に最適化対象に設定することとしても良い。
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る解析装置500で実行されるEGA最適化シミュレーション(アライメント関連パラメータの最適化方法、すなわちアライメント条件の最適化方法)によると、第1回目のウエハアライメント(EGA計測)の計測結果を用いてのEGAシミュレーション(ステップS24、S27)の結果(ステップS29)と、第2回目のウエハアライメントの計測結果を用いてのEGAシミュレーション(ステップS31、S34)の結果(ステップS36)と、を用いて、形成されたパターンの線幅変動を考慮して、アライメント処理パラメータが最適化される(ステップS38、S39、S42、S43)。従って、この最適化されたアライメント条件(位置合わせ条件)に従うことで、ダブルパターニング法を利用してウエハW上にパターンを形成する場合においても、下地パターンに対するターゲット層のパターンの高い重ね合わせ精度及びターゲット層に対する、第1回目のリソグラフィ工程で形成される第1パターンと第2回目のリソグラフィ工程で形成される第2パターンとの高い位置合わせ精度を実現することが可能になる。
また、EGA最適化シミュレーションでは、EGA残留誤差から求められる評価値EV(式(1)参照)を用いてアライメント条件を最適化する。従って、重みW,W,Wを適当に定めることにより、基準層(下地層)のパターンに対するターゲット層の第1パターン(例えば図5(D)のハードマスクパターン32よりなる第2周期パターン)の重ね合わせ精度、基準層(下地層)のパターンに対するターゲット層の第2パターン(例えば図5(H)中に示されるレジスト像34よりなる第1周期パターン)の重ね合わせ精度、ターゲット層31の第1パターンに対する第2パターンの重ね合わせ精度のいずれか、又は任意の2つ、あるいはすべてを重視してアライメント条件を最適化することが可能になる。
また、本実施形態に係る解析装置500で実行される重ね合わせ最適化シミュレーションによれば、基準層(下地層)のパターンとともに形成される重ね合わせ誤差計測マーク(MO)と、ターゲット層の第1パターン(第2周期パターン)とともに形成される重ね合わせ誤差計測マーク(MO)と、ターゲット層の第2パターン(第1周期パターン)とともに形成される重ね合わせ誤差計測マーク(MO)と、の検出結果を用いて、形成されたパターンの線幅変動を考慮して、重ね合わせ条件及びアライメント条件が最適化される(ステップS46〜S48)。従って、この最適化された位置合わせ条件に従うことで、ダブルパターニング法を利用してウエハW上にパターンを形成する場合においても、パターンの高い重ね合わせ精度を実現することが可能になる。
なお、上記実施形態では、EGA最適化シミュレーション(ステップS1〜ステップS44)に続けて重ね合わせ最適化シミュレーション(ステップS45〜ステップS48)が行われる場合について説明したが、EGA最適化シミュレーションのみを単独で行うこととしても良い。その場合、例えば2回目の露光処理の後にEGA最適化シミュレーションを行うことができる。さらに、重ね合わせ最適化シミュレーション(ステップS45〜ステップS48)をEGA最適化シミュレーション(ステップS1〜ステップS44)と独立に、あるいは単独で行うこととしても良い。その場合、ステップS45において、又はこれに先だって、EGA最適化シミュレーションの初期設定と同様の初期設定を、必要な限度において、行うこととする。解析装置500は、ステップS47,48において、指定された重ね合わせ条件のそれぞれについて評価値EV1を求め、評価値EV1の最小値を与える重ね合わせ条件を最適化重ね合わせ条件として決定する。
また、本実施形態に係るデバイス製造システム1000によると、上述のステップS44又はステップS48の終了後、解析装置500から露光装置100に最適化EGAシミュレーション結果(対応する最適化アライメント条件)又は最適化アライメント条件が送られた後は、デバイス製造工程のうち、ウエハW上のターゲット層にパターンを形成するための第1回目の露光処理、第2回目の露光処理において露光装置100によって、最適化アライメント条件を共通に適用した、ウエハアライメントが行われる。従って、解析装置500から露光装置100に最適化EGAシミュレーション結果(対応する最適化アライメント条件)又は最適化アライメント条件が送られた後、例えば次ウエハ、次ロットのウエハ、又は同一ウエハに対する次層以降では、下地パターンに対するターゲット層のパターンの高い重ね合わせ精度及び第1パターンと第2パターンとの高い位置合わせ精度を実現することが可能となる。最適化アライメント条件は、第1回目の露光処理、第2回目の露光処理のいずれかのみで適用しても良い。かかる場合にも、下地パターンに対するターゲット層のパターンの高い重ね合わせ精度を実現することが可能となる。
また、本実施形態では、デバイス製造工程において、第1回目、第2回目の露光処理のそれぞれに先立って、測定検査器120により露光対象のウエハWに対する事前測定検査処理を行っても良い。事前測定検査処理として、解析処理(EGA最適化シミュレーション及び重ね合わせ最適化シミュレーション)の一部を含め、第1回目、第2回目の露光処理のそれぞれの直前に処理することとしても良い。
《第2の実施形態》
次に、第2の実施形態について説明する。ここで、前述した第1の実施形態同一若しくは同等の構成部分については、同一の符号を用いるとともにその説明を省略する。本第2の実施形態では、デバイス製造システムは、前述の第1の実施形態と同様に構成されているが、解析装置500で実行される最適化処理の内容が相違する。以下、この最適化処理について説明する。
図12には、ダブルパターニングにおける線幅制御パラメータを最適化するため、解析装置500によって実行される、重ね合わせずれを加味したダブルパターニング線幅最適化シミュレーションに対応するフローチャートが示されている。
まず、ステップS51において、[Layer2-1]と[Layer2-2]について、露光中のフォーカストレースファイル、露光量トレースファイル(及び同期精度トレースファイル)、並びにフラットネス計測ファイルを取得する。
次のステップS52では、[Layer2-1]と[Layer2-2]について、ベース重ね合わせ計測結果ファイルを取得する。
次のステップS53では、最適化対象の線幅制御パラメータ(フォーカス、露光量)の選択(両方可)、フォーカス及び露光量についてオフセット制御するための上/下限値の設定等を行う。
次のステップS54では、後述する評価値EV2を算出する際の各ファクタの閾値と重み、すなわち[Layer2-1]のΔCDの閾値T1と重みW1、[Layer2-2]のΔCDの閾値T2と重みW2、及び{([Layer2-1]と[Layer2-2]とのOVLのずれ)+([Layer2-1]のΔCD)/2+([Layer2-2]のΔCD)/2)}の閾値T3と重みW3を、設定する。ここで、{([Layer2-1]と[Layer2-2]とのOVLのずれ)+([Layer2-1]のΔCD)/2+([Layer2-2]のΔCD)/2)}は、[Layer2-1]と[Layer2-2]のパターン間の設計値に対するずれ量を意味する。
次のステップS55では、スキャン露光中のフォーカストレース、露光量トレース、フラットネス計測データに基づき、露光結果としての線幅変動ΔCDをシミュレート(実測値でも可)し、下記の式で表される評価値EV2を算出する。
ここで、([Layer2-1]のΔCD)と([Layer2-2]のΔCD)をそれぞれ2分の1としているが、[Layer2-1]と[Layer2-2]の線幅変動の非対称性に応じて、それぞれ2分の1以外としても良い。
EV2=([Layer2-1]のΔCD)×W1+([Layer2-2]のΔCD)×W2
+{([Layer2-1]のOVLと[Layer2-2]のOVLのずれ)
+([Layer2-1]のΔCD)/2+([Layer2-2]のΔCD)/2)}×W3
ステップS56では、ステップS55でのスキャン露光中のフォーカストレース、露光量トレースに基づき、フォーカスオフセットと露光量オフセットに対して、それぞれ露光中のオフセットを変化させてΔCDをシミュレートし、ステップS54で設定された閾値を満たし、かつ、評価値EV2が最も小さくなるスキャン露光中のショット内フォーカスオフセットと露光量オフセットを算出する。ここで、フォーカスオフセットとは、フラットネス計測されたショット内の任意の点に対して、露光スリットが通過する間(スリット幅)のフォーカス追従誤差によるZ方向の平均オフセットを意味する。フラットネス計測データを使用しない場合は、フォーカストレースデータ(追従誤差)単体の露光スリット幅での移動平均となる。
ステップS55,S56における線幅変動ΔCDを求める方法については、前述の通りである。その詳細については、例えば、米国特許第6,538,721号明細書、米国特許第6,992,751号明細書等において開示されている。
ステップS57では、最適化したステップS56での評価値EV2が、ステップS55での評価値EV2より小さくなっていれば、ダブルパターニング最適化線幅制御パラメータ(露光中のフォーカスと露光量のオフセット)として決定する。
なお、本第2の実施形態に係る解析装置500で実行される、ダブルパターニング線幅最適化シミュレーションでは、同期精度制御誤差は除外しているが、線幅制御最適化対象パラメータとして加味しても良い。また、フォーカス制御誤差として、Z平均オフセットを用いているが、ショット内の任意の点が露光スリット範囲内に入ってから出るまでの間の追従誤差によるZ方向の移動標準偏差Z msdについても線幅制御最適化対象パラメータとして加味しても良い。
以上説明したように、本第2の実施形態に係る解析装置500で実行されるダブルパターニング線幅最適化シミュレーションによると、基準層(下地層)に形成された下地パターンに重ねてターゲット層に形成された第1パターンの線幅変動と、基準層に形成された下地パターンに重ねてターゲット層に形成された第2パターンの線幅変動と、第1及び第2パターンのそれぞれの線幅変動を加味した第1及び第2パターン間の重ね合わせのずれと、を用いて、下地パターンに対するターゲット層に形成されるパターンの線幅制御条件が最適化される(ステップS55、S56)。従って、この最適化された線幅制御条件に従うことで、ダブルパターニング法を利用して物体上にパターンを形成する場合においても、高い線幅制御精度を実現することが可能となる。
また、本第2の実施形態に係るデバイス製造システム1000によると、上述のステップS57の終了後、解析装置500から露光装置100にダブルパターニング最適化線幅制御パラメータが送られた後は、デバイス製造工程のうち、ウエハW上のターゲット層にパターンを形成するための第1回目の露光処理、第2回目の露光処理において露光装置100によって、ダブルパターニング最適化線幅制御パラメータを共通に適用した露光処理が行われる。従って、解析装置500から露光装置100にダブルパターニング最適化線幅制御パラメータが送られた後、例えば次ウエハ、次ロットのウエハ、又は同一ウエハに対する次層以降では、第1パターンと第2パターンとの高い線幅制御精度を実現することが可能になる。ダブルパターニング最適化線幅制御パラメータ(対応する線幅制御条件)は、第1回目の露光処理、第2回目の露光処理のいずれかのみで適用しても良い。
《第3の実施形態》
次に、第3の実施形態について説明する。ここで、前述した第1の実施形態同一若しくは同等の構成部分については、同一の符号を用いるとともにその説明を省略する。本第3の実施形態では、デバイス製造システムは、前述の第1の実施形態と同様に構成されているが、解析装置500で実行される最適化処理の内容が相違する。以下、この最適化処理について説明する。
図13及び図14には、ダブルパターニングにおける重ね合わせと線幅制御パラメータとを最適化するため、解析装置500によって実行される、重ね合わせと線幅との最適化シミュレーションに対応するフローチャートが示されている。
まず、ステップS61において、[Layer2-1]と[Layer2-2]について、露光中のフォーカストレースファイル、露光量トレースファイル、及び、フラットネス計測ファイルを取得する。
ステップS62では、[Layer2-1]と[Layer2-2]について、ベース重ね合わせ計測結果ファイルを取得する。
次のステップS63では、最適化対象の線幅制御パラメータ(フォーカス、露光量)の選択(両方可)、フォーカス及び露光量についてオフセット制御するための上/下限値の設定等を行う。
ステップS64では、後述する評価値EV3を算出する際の各ファクタの閾値と重み、すなわち([Layer1]と[Layer2-1]とのOVLずれの閾値T1と重みW1、([Layer1]と[Layer2-2]とのOVLずれの閾値T2と重みW2、[Layer2-1]のΔCDの閾値T3と重みW3、[Layer2-2]のΔCDの閾値T4と重みW4、{([Layer2-1]と[Layer2-2]とのOVLのずれ)+([Layer2-1]のΔCD)/2+([Layer2-2]のΔCD)/2)}の閾値T5と重みW5を設定する。
ここで、{([Layer2-1]と[Layer2-2]とのOVLのずれ)+([Layer2-1]のΔCD)/2+([Layer2-2]のΔCD)/2)}の値は、[Layer2-1]と[Layer2-2]とのパターン間の設計値に対するずれ量を意味する。
上述の([Layer2-1]のΔCD)と([Layer2-2]のΔCD)をそれぞれ2分の1としているが、[Layer2-1]と[Layer2-2]の線幅変動の非対称性に応じて、それぞれ2分の1以外としても良い。
ステップS65では、重ね合わせ計測結果、及び、スキャン露光中のフォーカスと露光量トレースに基づくΔCDシミュレート結果(実測値でも可)から、下記の式で表される評価値EV3を算出する。
EV3=([Layer1]と[Layer2-1]のOVLずれ1)×W1
+([Layer1]と[Layer2-2]のOVLずれ2)×W2
+([Layer2-1]のΔCD)×W3+([Layer2-2]のΔCD)×W4
+{([Layer2-1]のOVLと[Layer2-2]のOVLのずれ3)
+([Layer2-1]のΔCD)/2+([Layer2-2]のΔCD)/2)}×W5
ステップS66では、最適化EGAシミュレーション結果とベースEGA計測結果との変化分ΔOVL[Layer2-1]、ΔOVL[Layer2-2]、ΔOVL([Layer2-1]−[Layer2-2])をベース重ね合わせ計測結果に反映させることにより、最適化対象アライメントパラメータ変更時(露光条件アライメント補正値含む)の重ね合わせをシミュレートし、かつ、ステップS65でのスキャン露光中のフォーカスとレースと露光量トレースとに基づき、フォーカスオフセットと露光量オフセットに対して、それぞれ露光中のオフセットを変化させてΔCDをシミュレートし、ステップS64での閾値を満たし、評価値EV3が最も小さくなるアライメントパラメータ、及び、スキャン露光中のショット内フォーカスオフセットと露光量オフセットを算出する。
ステップS65,S66における線幅変動ΔCDを求める方法については、前述の通りである。その詳細については、例えば、米国特許第6,538,721号明細書、米国特許第6,992,751号明細書等において開示されている。
ステップS67では、最適化したステップS66での評価値EV3が、ステップS65での評価値EV3より小さくなっていれば、ダブルパターニング最適化アライメントパラメータと線幅制御パラメータとして決定する。
なお、本第3の実施形態に係る解析装置500で実行される、ダブルパターニングにおける重ね合わせと線幅制御パラメータとを最適化する最適化シミュレーションでは、同期精度制御誤差は除外しているが、線幅制御最適化対象パラメータとして加味しても良い。また、フォーカス制御誤差として、Z平均オフセットを用いているが、Z msdについても線幅制御最適化対象パラメータとして加味しても良い。
以上説明したように、本第3の実施形態に係る解析装置500で実行されるダブルパターニングにおける重ね合わせと線幅制御パラメータを最適化する最適化シミュレーションによると、基準層(下地層)に形成された下地パターンに重ねてターゲット層に形成された第1パターンの下地パターンに対する重ね合わせのずれ及び線幅誤差と、基準層に形成された下地パターンに重ねてターゲット層に形成された第2パターンの下地パターンに対する重ね合わせのずれ及び線幅誤差と、第1及び第2パターンのそれぞれの線幅変動を加味した第1及び第2パターン間の重ね合わせのずれと、を用いて、下地パターンに対するターゲット層に形成されるパターンの位置合わせ条件とパターンに対する線幅制御条件とが最適化される(ステップS65、S66)。従って、この最適化された位置合わせ条件と線幅制御条件とに従うことで、ダブルパターニング法を利用して物体上にパターンを形成する場合においても、パターンの高い重ね合わせ精度及び高い線幅制御精度を実現することが可能となる。
また、本第3の実施形態に係るデバイス製造システム1000によると、上述のステップS67の終了後、解析装置500から露光装置100にダブルパターニング最適化アライメントパラメータと線幅制御パラメータが送られた後は、デバイス製造工程のうち、ウエハW上のターゲット層にパターンを形成するための第1回目の露光処理、第2回目の露光処理において露光装置100によって、最適化アライメントパラメータを共通に適用した、ウエハアライメント、及び最適化線幅制御パラメータを共通に適用した第1回目及び第2回目の露光処理が行われる。従って、解析装置500から露光装置100にダブルパターニング最適化アライメントパラメータと線幅制御パラメータが送られた後、例えば次ウエハ、次ロットのウエハ、又は同一ウエハに対する次層以降では、下地パターンに対するターゲット層のパターンの高い重ね合わせ精度及び第1パターンと第2パターンとの高い位置合わせ精度、並びに第1パターンと第2パターンとの高い線幅制御精度を実現することが可能になる。ダブルパターニング最適化アライメントパラメータと線幅制御パラメータは、第1回目の露光処理、第2回目の露光処理のいずれかのみで適用しても良い。かかる場合にも、下地パターンに対するターゲット層のパターンの高い重ね合わせ精度を実現することが可能となる。
上記各実施形態に係るデバイス製造システム1000で行われるデバイス製造工程では、上述したパターン形成方法により、ウエハW上のターゲット層31に第1パターンと第2パターンとから成るマスク層35が形成され、マスク層35をマスクとしてターゲット層31のエッチングが行われる(図5(A)〜図5(J)参照)。従って、例えば投影光学系の解像限界以下の線幅のパターンであっても精度良く形成することが可能になる。
なお、上記各実施形態において、デバイス製造システム1000内では、解析装置500は、各種デバイス製造処理装置から独立した別個の装置であるものとしたが、これに限らず、例えば、システム内のいずれかのデバイス製造処理装置に、解析装置500が有する解析機能を持たせるようにしても勿論良い。例えば、露光装置100の主制御装置50、測定検査器120、あるいはホスト600などに前述したEGA最適化シミュレーション(及び重ね合わせ最適化シミュレーション)、重ね合わせずれを加味したダブルパターニング線幅最適化シミュレーション、あるいは重ね合わせと線幅との最適化シミュレーションなどの解析機能を持たせるようにしても良い。
また、上記各実施形態では、所望の線幅(露光装置の解像限界以下の線幅)、かつ所望のピッチのレジスト像を形成するためのレジスト・ストリミング・プロセスを含むダブルパターニング法に、それぞれの最適化手法を適用する場合について説明したが、これに限らず、側壁コーティング・プロセス(Sidewall Process)を含むダブルパターニング法は勿論、レジスト・ストリミングを行わないピッチスプリッティングタイプ、その他のタイプのダブルパターニング法にも、上記各実施形態の最適化手法は、好適に適用できる。
また、上記各実施形態では、解析装置500をコンピュータとし、解析機能をそのコンピュータに実行させるプログラムにより実現するものとした。このプログラムは、インターネットからダウンロードされたり、CD−ROMのような情報記録媒体に記録された状態からインストールされたりするので、解析機能自体の追加、変更、修正が容易となる。
上記各実施形態では、露光装置100が、ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置であるものとしたが、これに限らず、ステップ・アンド・リピート方式、あるいは他の方式の露光装置であっても良い。これに代表されるように、各種装置についても、その種類には限定されない。また、上記各実施形態に係るデバイス製造システム及びそのダブルパターニング最適化手法は、半導体製造工程に限らず、液晶表示素子などを含むディスプレイの製造工程にも適用可能である。また、デバイスパターンをガラスプレート上に転写する工程、薄膜磁気ヘッドの製造工程、及び撮像素子(CCDなど)、マイクロマシン、有機EL、DNAチップなどの製造工程の他、すべてのデバイス製造工程における重ね合わせ管理等に上記各実施形態の最適化手法は適用できる。
また、上記各実施形態では、解析装置500を、例えばパーソナルコンピュータとした。すなわち解析装置500における解析処理は、解析プログラムが、PCで実行されることにより実現されている。この解析プログラムは、上述したようにメディアを介してPCにインストール可能となっていても良いし、インターネットなどを通じてPCにダウンロード可能となっていても良いのは前述したとおりである。また、解析装置500がハードウエアで構成されていても構わないのは勿論である。
以上説明したように、本発明のダブルパターニング最適化方法及びシステムは、ダブルパターニング法を採用した場合に、重ね合わせ精度を管理するのに適している。また、本発明のパターン形成方法及びシステム、露光装置、並びにデバイス製造方法は、マイクロデバイスを製造するのに適している。
100…露光装置、110…C/D、120…測定検査器、500…解析装置、900…デバイス製造処理装置群、1000…デバイス製造システム、W…ウエハ、MO〜MO…重ね合わせ誤差計測マーク。

Claims (78)

  1. 物体上のターゲット層に対する露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数経て前記ターゲット層に形成されたパターンと、前記物体上に前記ターゲット層に先立って形成された前記パターンの重ね合わせの基準となる基準層に形成された下地パターンとの位置合わせ条件を最適化するダブルパターニング最適化方法であって、
    前記基準層に形成された下地パターンに重ねて前記ターゲット層に形成された第1パターンの前記下地パターンに対する第1の位置合わせ誤差と、前記下地パターンに重ねて前記ターゲット層に形成された第2パターンの前記下地パターンに対する第2の位置合わせ誤差と、前記第1及び第2パターンのそれぞれの線幅変動を加味した前記第1及び第2パターン間の第3の位置合わせ誤差と、を用いて、前記下地パターンに対する前記ターゲット層に形成されるパターンの位置合わせ条件を最適化するダブルパターニング最適化方法。
  2. 前記第3の位置合わせ誤差は、前記第1及び第2パターン間の位置合わせ誤差と前記第1及び第2パターンの線幅変動の2分の1との和により与えられる請求項1に記載のダブルパターニング最適化方法。
  3. 第1及び第2パターンの線幅変動の非対称性に応じて、請求項2に記載の第1及び第2パターンの線幅変動に2分の1以外の係数を乗じても良いことを含む請求項1に記載のダブルパターニング最適化方法。
  4. 前記線幅変動は、前記下地パターンに重ねて前記ターゲット層に前記第1及び第2パターンのそれぞれを形成するための露光の際に記録されたフォーカス制御トレースと露光量制御トレースとの少なくとも1つを用いて求められる請求項1又は2に記載のダブルパターニング最適化方法。
  5. 前記線幅変動は、前記ターゲット層に前記第1及び第2パターンのそれぞれを形成するための前記露光の際に記録されたフラットネス計測データをさらに用いて求められる請求項4に記載のダブルパターニング最適化方法。
  6. 前記第1、第2、及び第3の位置合わせ誤差の加重和を評価値とし、該評価値が最小となる位置合わせ条件を求める請求項1〜5のいずれか一項に記載のダブルパターニング最適化方法。
  7. 前記第3の位置合わせ誤差が予め定められた閾値以下となる前記位置合わせ条件を抽出する請求項6に記載のダブルパターニング最適化方法。
  8. 前記第1、第2、及び第3の位置合わせ誤差は、前記下地パターンに重ねて前記ターゲット層に前記第1パターンを形成する際に、該第1パターンの位置合わせのために検出された前記基準層に前記下地パターンとともに形成された複数のマークのうちの少なくとも一部についての第1検出結果と、前記第1パターンが形成された前記ターゲット層に前記第2パターンを形成する際に、該第2パターンの位置合わせのために検出された前記複数のマークのうちの少なくとも一部についての第2検出結果と、を用いて求められる請求項1〜7のいずれか一項に記載のダブルパターニング最適化方法。
  9. 前記位置合わせ条件には、前記露光に関する条件と前記マークの検出に関する条件との少なくとも一方が含まれる請求項8に記載のダブルパターニング最適化方法。
  10. 物体上のターゲット層に対する露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数経て前記ターゲット層に形成されたパターンと、前記物体上に前記ターゲット層に先立って形成された前記パターンの重ね合わせの基準となる基準層に形成された下地パターンとの位置合わせ条件を最適化するダブルパターニング最適化方法であって、
    前記基準層に形成された下地パターンに重ねて前記ターゲット層に形成された第1パターンの前記下地パターンに対する重ね合わせのずれである第1のずれと、前記下地パターンに重ねて前記ターゲット層に形成された第2パターンの前記下地パターンに対する重ね合わせのずれである第2のずれと、前記第1及び第2パターンのそれぞれの線幅変動を加味した前記第1及び第2パターン間の重ね合わせのずれである第3のずれと、を用いて、前記下地パターンに対する前記ターゲット層に形成されるパターンの位置合わせ条件を最適化するダブルパターニング最適化方法。
  11. 前記第3のずれは、前記第1及び第2パターン間の前記重ね合わせのずれと前記第1及び第2パターンの線幅変動の2分の1との和により与えられる請求項10に記載のダブルパターニング最適化方法。
  12. 第1及び第2パターンの線幅変動の非対称性に応じて、請求項11に記載の第1及び第2パターンの線幅変動に2分の1以外の係数を乗じても良いことを含む請求項10に記載のダブルパターニング最適化方法。
  13. 前記下地パターン、前記第1パターン、及び第2パターン間の重ね合わせのずれは、各パターン間の重ね合わせ誤差の平均、前記重ね合わせ誤差のばらつき、及び前記平均と前記ばらつきの和のいずれかにより与えられる請求項10又は11に記載のダブルパターニング最適化方法。
  14. 前記線幅変動は、前記下地パターンに重ねて前記ターゲット層に前記第1及び第2パターンのそれぞれを形成するための露光の際に記録されたフォーカス制御トレースと露光量制御トレースと同期精度制御トレースとの少なくとも1つを用いて求められる請求項10〜13のいずれか一項に記載のダブルパターニング最適化方法。
  15. 前記線幅変動は、前記ターゲット層に前記第1及び第2パターンのそれぞれを形成するための前記露光の際に記録されたフラットネス計測データをさらに用いて求められる請求項14に記載のダブルパターニング最適化方法。
  16. 前記第1、第2、及び第3のずれの加重和を評価値とし、該評価値が最小となる位置合わせ条件を求める請求項10〜15のいずれか一項に記載のダブルパターニング最適化方法。
  17. 前記第1、第2、及び第3のずれは、前記下地パターンとともに形成された第1マークと、該第1マークに重ねて前記ターゲット層に第1回目の露光の際に前記第1パターンとともに形成された第2マークと、前記第1及び第2マークに重ねて前記ターゲット層に第2回目の露光の際に形成された前記第2パターンとともに形成された第3マークと、を検出して得られる結果を用いて求められる請求項10〜16のいずれか一項に記載のダブルパターニング最適化方法。
  18. 前記位置合わせ条件には、前記露光に関する条件が含まれる請求項10〜17のいずれか一項に記載のダブルパターニング最適化方法。
  19. 物体上に既に形成された下地パターンに重ね合わせて、ターゲット層に、露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数回経てパターンを重ね合わせて形成するパターン形成方法であって、
    前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光とで前記ターゲット層に形成される第1、第2パターンと、前記ターゲット層に先立って前記物体上に形成された、パターンの重ね合わせの基準となる基準層に形成された前記下地パターンとの位置合わせ条件を、請求項1〜18のいずれか一項に記載のダブルパターニング最適化方法を用いて最適化する工程と、
    前記物体上に形成された下地パターンに対して前記第1、第2パターンを位置合わせして前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光を行って前記第1、第2パターンを前記ターゲット層に形成するとともに、前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光の少なくとも一方で前記最適化された位置合わせ条件で前記位置合わせを行う工程と、を含むパターン形成方法。
  20. 物体上のターゲット層に対する露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数経て前記ターゲット層に形成されたパターンに対する線幅制御条件を最適化するダブルパターニング最適化方法であって、
    前記基準層に形成された下地パターンに重ねて前記ターゲット層に形成された第1パターンの第1の線幅変動と、前記下地パターンに重ねて前記ターゲット層に形成された第2パターンの第2の線幅変動と、前記第1及び第2パターンのそれぞれの線幅変動を加味した前記第1及び第2パターン間の重ね合わせのずれである重ねずれと、を用いて、前記下地パターンに対する前記ターゲット層に形成されるパターンの線幅制御条件を最適化するダブルパターニング最適化方法。
  21. 前記重ねずれは、前記第1及び第2パターン間の重ね合わせのずれと前記第1及び第2パターンの線幅変動の2分の1との和により与えられる請求項20に記載のダブルパターニング最適化方法。
  22. 第1及び第2パターンの線幅変動の非対称性に応じて、請求項21に記載の第1及び第2パターンの線幅変動に2分の1以外の係数を乗じても良いことを含む請求項20に記載のダブルパターニング最適化方法。
  23. 前記線幅変動は、前記下地パターンに重ねて前記ターゲット層に前記第1及び第2パターンのそれぞれを形成するための露光の際に記録されたフォーカス制御トレースと露光量制御トレースと同期精度制御トレースとの少なくとも1つを用いて求められる請求項20又は21に記載のダブルパターニング最適化方法。
  24. 前記線幅変動は、前記ターゲット層に前記第1及び第2パターンのそれぞれを形成するための前記露光の際に記録されたフラットネス計測データをさらに用いて求められる請求項23に記載のダブルパターニング最適化方法。
  25. 前記第1の線幅変動と前記第2の線幅変動と前記重ねずれの加重和を評価値とし、該評価値が最小となる線幅制御条件を求める請求項20〜24のいずれか一項に記載のダブルパターニング最適化方法。
  26. 前記線幅制御条件には、前記露光におけるフォーカスと露光量と同期精度のうち、少なくともひとつが含まれる請求項20〜25のいずれか一項に記載のダブルパターニング最適化方法。
  27. 物体上に既に形成された下地パターンに重ね合わせて、ターゲット層に、露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数回経てパターンを重ね合わせて形成するパターン形成方法であって、
    前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光とで前記ターゲット層に形成される第1、第2パターンに対する線幅制御条件を、請求項20〜26のいずれか一項に記載のダブルパターニング最適化方法を用いて最適化する工程と、
    前記物体上に形成された下地パターンに対して前記第1、第2パターンを位置合わせして前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光を行って前記第1、第2パターンを前記ターゲット層に形成するとともに、前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光の少なくとも一方で前記最適化された線幅制御条件で線幅を制御する工程と、を含むパターン形成方法。
  28. 物体上のターゲット層に対する露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数経て前記ターゲット層に形成されたパターンと、前記物体上に前記ターゲット層に先立って形成された前記パターンの重ね合わせの基準となる基準層に形成された下地パターンとの位置合わせ条件と、前記ターゲット層に形成されたパターンに対する線幅制御条件と、を最適化するダブルパターニング最適化方法であって、
    前記基準層に形成された下地パターンに重ねて前記ターゲット層に形成された第1パターンの前記下地パターンに対する重ね合わせのずれである第1のずれと、前記下地パターンに重ねて前記ターゲット層に形成された第2パターンの前記下地パターンに対する重ね合わせのずれである第2のずれと、前記第1パターンの第1の線幅誤差と、前記第2パターンの第2の線幅誤差と、前記第1及び第2パターンのそれぞれの線幅変動を加味した前記第1及び第2パターン間の重ね合わせのずれである第3のずれと、を用いて、前記下地パターンに対する前記ターゲット層に形成されるパターンの位置合わせ条件と前記パターンに対する線幅制御条件とを最適化するダブルパターニング最適化方法。
  29. 前記第3のずれは、前記第1及び第2パターン間の重ね合わせのずれと前記第1及び第2パターンの線幅変動の2分の1との和により与えられる請求項28に記載のダブルパターニング最適化方法。
  30. 第1及び第2パターンの線幅変動の非対称性に応じて、請求項29に記載の第1及び第2パターンの線幅変動に2分の1以外の係数を乗じても良いことを含む請求項28に記載のダブルパターニング最適化方法。
  31. 前記線幅変動は、前記下地パターンに重ねて前記ターゲット層に前記第1及び第2パターンのそれぞれを形成するための露光の際に記録されたフォーカス制御トレースと露光量制御トレースと同期精度制御トレースとの少なくとも1つを用いて求められる請求項28又は29に記載のダブルパターニング最適化方法。
  32. 前記線幅変動は、前記ターゲット層に前記第1及び第2パターンのそれぞれを形成するための前記露光の際に記録されたフラットネス計測データをさらに用いて求められる請求項31に記載のダブルパターニング最適化方法。
  33. 前記第1、第2、及び第3のずれ、並びに前記第1及び第2の線幅誤差の加重和を評価値とし、該評価値が最小となる位置合わせ条件と線幅制御条件とを求める請求項28〜32のいずれか一項に記載のダブルパターニング最適化方法。
  34. 前記第1、第2、及び第3のずれは、前記下地パターンとともに形成された第1マークと、該第1マークに重ねて前記ターゲット層に第1回目の露光の際に前記第1パターンとともに形成された第2マークと、前記第1及び第2マークに重ねて前記ターゲット層に第2回目の露光の際に形成された前記第2パターンとともに形成された第3マークと、を検出して得られる結果を用いて求められる請求項28〜33のいずれか一項に記載のダブルパターニング最適化方法。
  35. 前記位置合わせ条件には、前記露光に関する条件と前記マークの検出に関する条件との少なくとも一方が含まれる請求項34に記載のダブルパターニング最適化方法。
  36. 前記線幅制御条件には、前記露光におけるフォーカスと露光量と同期精度のうち、少なくともひとつが含まれる請求項28〜35のいずれか一項に記載のダブルパターニング最適化方法。
  37. 物体上に既に形成された下地パターンに重ね合わせて、ターゲット層に、露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数回経てパターンを重ね合わせて形成するパターン形成方法であって、
    前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光とで前記ターゲット層に形成される第1、第2パターンと、前記ターゲット層に先立って前記物体上に形成された、パターンの重ね合わせの基準となる基準層に形成された前記下地パターンとの位置合わせ条件と、前記第1、第2パターンに対する線幅制御条件と、を請求項28〜34のいずれか一項に記載のダブルパターニング最適化方法を用いて最適化する工程と、
    前記物体上に形成された下地パターンに対して前記第1、第2パターンを位置合わせして前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光を行って前記第1、第2パターンを前記ターゲット層に形成するとともに、前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光の少なくとも一方で前記最適化された位置合わせ条件で位置合わせし、前記最適化された線幅制御条件で線幅を制御する工程と、を含むパターン形成方法。
  38. 請求項19、27、及び37のいずれか一項に記載のパターン形成方法により、物体上のターゲット層に前記第1パターンと前記第2パターンとを含むマスク層を形成する工程と、
    前記マスク層を用いて前記ターゲット層を加工する工程と、
    を含むデバイス製造方法。
  39. 物体上のターゲット層に対する露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数経て前記ターゲット層に形成されたパターンと、前記物体上に前記ターゲット層に先立って形成された前記パターンの重ね合わせの基準となる基準層に形成された下地パターンとの位置合わせ条件を最適化するダブルパターニング最適化システムであって、
    前記基準層に形成された下地パターンに重ねて前記ターゲット層に形成された第1パターンの前記下地パターンに対する第1の位置合わせ誤差と、前記下地パターンに重ねて前記ターゲット層に形成された第2パターンの前記下地パターンに対する第2の位置合わせ誤差と、前記第1及び第2パターンのそれぞれの線幅変動を加味した前記第1及び第2パターン間の第3の位置合わせ誤差と、を用いて、前記下地パターンに対する前記ターゲット層に形成されるパターンの位置合わせ条件を最適化する最適化装置を備えるダブルパターニング最適化システム。
  40. 前記第3の位置合わせ誤差は、前記第1及び第2パターン間の位置合わせ誤差と前記第1及び第2パターンの線幅変動の2分の1との和により与えられる請求項39に記載のダブルパターニング最適化システム。
  41. 第1及び第2パターンの線幅変動の非対称性に応じて、請求項40に記載の第1及び第2パターンの線幅変動に2分の1以外の係数を乗じても良いことを含む請求項39に記載のダブルパターニング最適化システム。
  42. 前記最適化装置は、前記線幅変動を、前記下地パターンに重ねて前記ターゲット層に前記第1及び第2パターンのそれぞれを形成するための露光の際に記録されたフォーカス制御トレースと露光量制御トレースと同期精度制御トレースとの少なくとも1つを用いて求める請求項39又は40に記載のダブルパターニング最適化システム。
  43. 前記最適化装置は、前記線幅変動を、前記ターゲット層に前記第1及び第2パターンのそれぞれを形成するための前記露光の際に記録されたフラットネス計測データをさらに用いて求める請求項42に記載のダブルパターニング最適化システム。
  44. 前記最適化装置は、前記第1、第2、及び第3の位置合わせ誤差の加重和を評価値とし、該評価値が最小となる位置合わせ条件を求める請求項39〜43のいずれか一項に記載のダブルパターニング最適化システム。
  45. 前記最適化装置は、前記第3の位置合わせ誤差が予め定められた閾値以下となる前記位置合わせ条件を抽出する請求項44に記載のダブルパターニング最適化システム。
  46. 前記最適化装置は、前記第1、第2、及び第3の位置合わせ誤差を、前記下地パターンに重ねて前記ターゲット層に前記第1パターンを形成する際に、該第1パターンの位置合わせのために検出された前記基準層に前記下地パターンとともに形成された複数のマークのうちの少なくとも一部についての第1検出結果と、前記第1パターンが形成された前記ターゲット層に前記第2パターンを形成する際に、該第2パターンの位置合わせのために検出された前記複数のマークのうちの少なくとも一部についての第2検出結果と、を用いて求める請求項39〜45のいずれか一項に記載のダブルパターニング最適化システム。
  47. 前記位置合わせ条件には、前記露光に関する条件と前記マークの検出に関する条件との少なくとも一方が含まれる請求項46に記載のダブルパターニング最適化システム。
  48. 物体上のターゲット層に対する露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数経て前記ターゲット層に形成されたパターンと、前記物体上に前記ターゲット層に先立って形成された前記パターンの重ね合わせの基準となる基準層に形成された下地パターンとの位置合わせ条件を最適化するダブルパターニング最適化システムであって、
    前記基準層に形成された下地パターンに重ねて前記ターゲット層に形成された第1パターンの前記下地パターンに対する重ね合わせのずれである第1のずれと、前記下地パターンに重ねて前記ターゲット層に形成された第2パターンの前記下地パターンに対する重ね合わせのずれである第2のずれと、前記第1及び第2パターンのそれぞれの線幅変動を加味した前記第1及び第2パターン間の重ね合わせのずれである第3のずれと、を用いて、前記下地パターンに対する前記ターゲット層に形成されるパターンの位置合わせ条件を最適化する最適化装置を備えるダブルパターニング最適化システム。
  49. 前記第3のずれは、前記第1及び第2パターン間の重ね合わせのずれと前記第1及び第2パターンの線幅変動の2分の1との和により与えられる請求項48に記載のダブルパターニング最適化システム。
  50. 第1及び第2パターンの線幅変動の非対称性に応じて、請求項49に記載の第1及び第2パターンの線幅変動に2分の1以外の係数を乗じても良いことを含む請求項48に記載のダブルパターニング最適化システム。
  51. 前記下地パターン、前記第1パターン、及び第2パターン間の重ね合わせのずれは、各パターン間の重ね合わせ誤差の平均、前記重ね合わせ誤差のばらつき、及び前記平均と前記ばらつきの和のいずれかにより与えられる請求項48又は49に記載のダブルパターニング最適化システム。
  52. 前記最適化装置は、前記線幅変動を、前記下地パターンに重ねて前記ターゲット層に前記第1及び第2パターンのそれぞれを形成するための露光の際に記録されたフォーカス制御トレースと露光量制御トレースと同期精度制御トレースとの少なくとも1つを用いて求める請求項48〜51のいずれか一項に記載のダブルパターニング最適化システム。
  53. 前記最適化装置は、前記線幅変動を、前記ターゲット層に前記第1及び第2パターンのそれぞれを形成するための前記露光の際に記録されたフラットネス計測データをさらに用いて求める請求項52に記載のダブルパターニング最適化システム。
  54. 前記最適化装置は、前記第1、第2、及び第3のずれの加重和を評価値とし、該評価値が最小となる位置合わせ条件を求める請求項48〜53のいずれか一項に記載のダブルパターニング最適化システム。
  55. 前記最適化装置は、前記第1、第2、及び第3のずれを、前記下地パターンとともに形成された第1マークと、該第1マークに重ねて前記ターゲット層に第1回目の露光の際に前記第1パターンとともに形成された第2マークと、前記第1及び第2マークに重ねて前記ターゲット層に第2回目の露光の際に形成された前記第2パターンとともに形成された第3マークと、を検出して得られる結果を用いて求める請求項48〜54のいずれか一項に記載のダブルパターニング最適化システム。
  56. 前記位置合わせ条件には、前記露光に関する条件が含まれる請求項48〜55のいずれか一項に記載のダブルパターニング最適化システム。
  57. 物体上の複数層にパターンを重ね合わせて形成する露光装置であって、
    前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光とで前記ターゲット層に形成される第1、第2パターンと、前記ターゲット層に先立って前記物体上に形成された、パターンの重ね合わせの基準となる基準層に形成された前記下地パターンとの位置合わせ条件を最適化する請求項39〜56のいずれか一項に記載のダブルパターニング最適化システムを備える露光装置。
  58. 物体上に既に形成された下地パターンに重ね合わせて、ターゲット層に、露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数回経てパターンを重ね合わせて形成するパターン形成システムであって、
    前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光とで前記ターゲット層に形成される第1、第2パターンと、前記ターゲット層に先立って前記物体上に形成された、パターンの重ね合わせの基準となる基準層に形成された前記下地パターンとの位置合わせ条件を最適化する、請求項39〜56のいずれか一項に記載のダブルパターニング最適化システムと、
    前記物体上に形成された下地パターンに対して前記第1、第2パターンを位置合わせして前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光を行って前記第1、第2パターンを前記ターゲット層に形成するとともに、前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光の少なくとも一方で前記最適化された位置合わせ条件で前記位置合わせを行う露光装置と、を含むパターン形成システム。
  59. 物体上のターゲット層に対する露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数経て前記ターゲット層に形成されたパターンに対する線幅制御条件を最適化するダブルパターニング最適化システムであって、
    前記基準層に形成された下地パターンに重ねて前記ターゲット層に形成された第1パターンの第1の線幅変動と、前記下地パターンに重ねて前記ターゲット層に形成された第2パターンの第2の線幅変動と、前記第1及び第2パターンのそれぞれの線幅変動を加味した前記第1及び第2パターン間の重ね合わせのずれである重ねずれと、を用いて、前記下地パターンに対する前記ターゲット層に形成されるパターンの線幅制御条件を最適化する最適化装置を備えるダブルパターニング最適化システム。
  60. 前記重ねずれは、前記第1及び第2パターン間の重ね合わせのずれと前記第1及び第2パターンの線幅変動の2分の1との和により与えられる請求項59に記載のダブルパターニング最適化システム。
  61. 第1及び第2パターンの線幅変動の非対称性に応じて、請求項60に記載の第1及び第2パターンの線幅変動に2分の1以外の係数を乗じても良いことを含む請求項59に記載のダブルパターニング最適化システム。
  62. 前記最適化装置は、前記線幅変動を、前記下地パターンに重ねて前記ターゲット層に前記第1及び第2パターンのそれぞれを形成するための露光の際に記録されたフォーカス制御トレースと露光量制御トレースとの少なくとも1つを用いて求める請求項59又は60に記載のダブルパターニング最適化システム。
  63. 前記最適化装置は、前記線幅変動を、前記ターゲット層に前記第1及び第2パターンのそれぞれを形成するための前記露光の際に記録されたフラットネス計測データをさらに用いて求める請求項62に記載のダブルパターニング最適化システム。
  64. 前記最適化装置は、前記第1の線幅変動と前記第2の線幅変動と前記重ねずれの加重和を評価値とし、該評価値が最小となる線幅制御条件を求める請求項59〜63のいずれか一項に記載のダブルパターニング最適化システム。
  65. 前記線幅制御条件には、前記露光におけるフォーカスと露光量と同期精度のうち、少なくともひとつが含まれる請求項59〜64のいずれか一項に記載のダブルパターニング最適化システム。
  66. 物体上の複数層にパターンを重ね合わせて形成する露光装置であって、
    前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光とで前記ターゲット層に形成される第1、第2パターンに対する線幅制御条件を最適化する請求項59〜65のいずれか一項に記載のダブルパターニング最適化システムを備える露光装置。
  67. 物体上に既に形成された下地パターンに重ね合わせて、ターゲット層に、露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数回経てパターンを重ね合わせて形成するパターン形成システムであって、
    前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光とで前記ターゲット層に形成される第1、第2パターンに対する線幅制御条件を最適化する、請求項59〜65のいずれか一項に記載のダブルパターニング最適化システムと、
    前記物体上に形成された下地パターンに対して前記第1、第2パターンを位置合わせして前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光を行って前記第1、第2パターンを前記ターゲット層に形成するとともに、前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光の少なくとも一方で前記最適化された線幅制御条件で線幅を制御する露光装置と、を含むパターン形成システム。
  68. 物体上のターゲット層に対する露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数経て前記ターゲット層に形成されたパターンと、前記物体上に前記ターゲット層に先立って形成された前記パターンの重ね合わせの基準となる基準層に形成された下地パターンとの位置合わせ条件と、前記ターゲット層に形成されたパターンに対する線幅制御条件と、を最適化するダブルパターニング最適化システムであって、
    前記基準層に形成された下地パターンに重ねて前記ターゲット層に形成された第1パターンの前記下地パターンに対する重ね合わせのずれである第1のずれと、前記下地パターンに重ねて前記ターゲット層に形成された第2パターンの前記下地パターンに対する重ね合わせのずれである第2のずれと、前記第1パターンの第1の線幅誤差と、前記第2パターンの第2の線幅誤差と、前記第1及び第2パターンのそれぞれの線幅変動を加味した前記第1及び第2パターン間の重ね合わせのずれである第3のずれと、を用いて、前記下地パターンに対する前記ターゲット層に形成されるパターンの位置合わせ条件と前記パターンに対する線幅制御条件とを最適化する最適化装置を備えるダブルパターニング最適化システム。
  69. 前記第3のずれは、前記第1及び第2パターン間の重ね合わせのずれと前記第1及び第2パターンの線幅変動の2分の1との和により与えられる請求項68に記載のダブルパターニング最適化システム。
  70. 第1及び第2パターンの線幅変動の非対称性に応じて、請求項69に記載の第1及び第2パターンの線幅変動に2分の1以外の係数を乗じても良いことを含む請求項68に記載のダブルパターニング最適化システム。
  71. 前記最適化装置は、前記線幅変動を、前記下地パターンに重ねて前記ターゲット層に前記第1及び第2パターンのそれぞれを形成するための露光の際に記録されたフォーカス制御トレースと露光量制御トレースと同期精度制御トレースとの少なくとも1つを用いて求める請求項68又は69に記載のダブルパターニング最適化システム。
  72. 前記最適化装置は、前記線幅変動を、前記ターゲット層に前記第1及び第2パターンのそれぞれを形成するための前記露光の際に記録されたフラットネス計測データをさらに用いて求める請求項71に記載のダブルパターニング最適化システム。
  73. 前記最適化装置は、前記第1、第2、及び第3のずれ、並びに前記第1及び第2の線幅誤差の加重和を評価値とし、該評価値が最小となる位置合わせ条件と線幅制御条件とを求める請求項68〜72のいずれか一項に記載のダブルパターニング最適化システム。
  74. 前記最適化装置は、前記第1、第2、及び第3のずれを、前記下地パターンとともに形成された第1マークと、該第1マークに重ねて前記ターゲット層に第1回目の露光の際に前記第1パターンとともに形成された第2マークと、前記第1及び第2マークに重ねて前記ターゲット層に第2回目の露光の際に形成された前記第2パターンとともに形成された第3マークと、を検出して得られる結果を用いて求める請求項68〜73のいずれか一項に記載のダブルパターニング最適化システム。
  75. 前記位置合わせ条件には、前記露光に関する条件と前記マークの検出に関する条件との少なくとも一方が含まれる請求項74に記載のダブルパターニング最適化システム。
  76. 前記線幅制御条件には、前記露光におけるフォーカスと露光量と同期精度のうち、少なくともひとつが含まれる請求項68〜75のいずれか一項に記載のダブルパターニング最適化システム。
  77. 物体上の複数層にパターンを重ね合わせて形成する露光装置であって、
    前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光とで前記ターゲット層に形成される第1、第2パターンと、前記ターゲット層に先立って前記物体上に形成された、パターンの重ね合わせの基準となる基準層に形成された前記下地パターンとの位置合わせ条件と、前記第1、第2パターンに対する線幅制御条件と、を最適化する請求項68〜76のいずれか一項に記載のダブルパターニング最適化システムを備える露光装置。
  78. 物体上に既に形成された下地パターンに重ね合わせて、ターゲット層に、露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数回経てパターンを重ね合わせて形成するパターン形成システムであって、
    前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光とで前記ターゲット層に形成される第1、第2パターンと、前記ターゲット層に先立って前記物体上に形成された、パターンの重ね合わせの基準となる基準層に形成された前記下地パターンとの位置合わせ条件と、前記第1、第2パターンに対する線幅制御条件と、を最適化する請求項68〜76のいずれか一項に記載のダブルパターニング最適化システムと、
    前記物体上に形成された下地パターンに対して前記第1、第2パターンを位置合わせして前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光を行って前記第1、第2パターンを前記ターゲット層に形成するとともに、前記物体上のターゲット層に対する第1回目の露光と第2回目の露光の少なくとも一方で前記最適化された位置合わせ条件で位置合わせし、前記最適化された線幅制御条件で線幅を制御する露光装置と、を含むパターン形成システム。
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