JPWO2004086495A1 - ワークハンドリング装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、他のハンドリング装置としては、未検査及び検査済みのワークをそれぞれ載せるトレイを載置する複数のトレイ載置部、トレイ載置部に隣接し一方向にのみ往復動自在に配置された予備加熱部、トレイ載置部と予備加熱部との間でワークを搬送するローダ及びアンローダ、二つのテストヘッド(検査部)と予備加熱部と間で移動してワークを搬送する二つのハンドラ等を備え、予備加熱部がハンドラの移動方向と直交する方向に適宜移動させられて、二つのハンドラが予備加熱部からワークを受け取り又予備加熱部にワークを受け渡すものが知られている(例えば、特開平8−334548号公報)。
ところで、上記二つの搬送機構及びハンドラを備える従来の装置においては、ワーク又はワークを載せたトレイを搬送する搬送機構を両側に設け、各々の搬送機構(トレイ)と検査ソケットとの間を二つのハンドラだけが移動してワークを搬送する構成であるが故に、各機構の集約化が困難であり、この装置を半導体製造ライン等に設置するには比較的広いスペースが必要であった。
また、トレイ載置部及び予備加熱部を備える従来の装置においては、トレイ載置部と予備加熱部との間でワークを搬送する搬送機構(ローダ及びアンローダ)、予備加熱部とテストヘッドとの間でワークを搬送する搬送機構(ハンドラ)等の如く、複数の搬送機構によってリレー搬送する構成であり、又、トレイ載置部及び予備加熱部等が平面状に配置され、さらに、二つのハンドラはお互いに干渉しない位置に離隔して配置され各々が単に独立して駆動される構成であるが故に、構造が複雑であり、各機構の集約化が困難であり、この装置を半導体製造ライン等に設置するには比較的広いスペースが必要であった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、構造の簡略化、各機構の集約化、装置全体として小型化、設置面積の省スペース化、ワークの搬送に要する時間の短縮化等を図り、ワークに対して検査、加工等の処理を効率良く行うことができ、生産性を向上させることができるワークハンドリング装置を提供することにある。
この構成によれば、トレイ収容部から上方又は下方のトレイ担持部に向けてトレイが供給されると、トレイ担持部の可動テーブルが所定方向に移動してトレイを所望の位置に位置付け、ハンドラが位置付けられたトレイからワークを受け取って処理部まで搬送する。一方、ハンドラは、処理済みのワークを受け取って処理部から予め移動して位置決めされた可動テーブル上のトレイに受け渡す。これにより、ワークに所定の処理(例えば、検査、加工等)を施すためのハンドリングが円滑に行われ、生産性が向上する。
すなわち、トレイ担持部(可動テーブル)は、トレイ収容部の上方又は下方に位置するようにトレイ収容部に対して上下方向に配列されているため、装置が集約化、小型化されて、例えば半導体製造ライン等に設置される際に設置面積の省スペース化を達成でき、又、可動テーブルは所定方向に往復動自在であるため、ハンドラを3次元駆動ではなく2次元駆動にすることもできる。これにより、ハンドラすなわち装置を小型化でき、ハンドラによる搬送距離を短くして搬送に要する時間を短縮化できる。
上記構成をなす装置において、トレイ収容部は、未処理のワークを載せたトレイを可動テーブルに供給するトレイ供給部と、処理済みのワークを載せたトレイを排出するべく可動テーブルから受け取るトレイ排出部と、空のトレイを可動テーブルから排出させて再び供給するべく一時的に停留させるトレイ停留部と、を含む、構成を採用できる。
この構成によれば、未処理のワークを載せたトレイが、トレイ供給部から可動テーブルに向けて供給され、処理済みのワークを載せたトレイが、可動テーブルからトレイ排出部に向けて排出され、空になったトレイが、可動テーブルからトレイ停留部に向けて排出されて一時的に停留された後に再び可動テーブルに向けて供給される。したがって、未処理のワークを載せていたトレイを、一連の流れの中で置き替えて処理済みのワークを載せるトレイとして用いることができるため、トレイ収容部にはワークの供給及び排出に要する必要最小限のトレイが収容されればよく、それ故に、トレイを収容するスペースを狭くでき、装置を小型化できる。
上記構成をなす装置において、トレイ供給部、トレイ排出部、及びトレイ停留部はそれぞれ、トレイを載置して昇降し得る昇降テーブルと、昇降テーブルを駆動する駆動機構と、を含む、構成を採用できる。
この構成によれば、トレイ供給部、トレイ排出部、及びトレイ停留部のそれぞれの昇降テーブルは、それぞれの駆動機構により昇降駆動され得るため、トレイの供給、排出、停留のいずれか二つ以上の動作を同時に行うことも可能であり、それ故に全体の搬送(ハンドリング)に要する時間を短縮でき、又、昇降テーブル上に積層されたトレイの枚数に応じて昇降テーブルの昇降量を適宜調整することができ、それ故に自由度の高い駆動制御が可能となる。
上記構成をなす装置において、可動テーブルは、トレイ収容部の上方に配置され、下方から供給されたトレイを位置決めして保持するべく、トレイ供給部,トレイ排出部,及びトレイ停留部のいずれかに対応するように設けられた複数の開口部と、複数の開口部に位置付けられたトレイをそれぞれ固定する固定機構と、を含む、構成を採用できる。
この構成によれば、トレイ供給部が、未処理のワークを載せたトレイを持ち上げて可動テーブルの開口部に位置付けると、トレイは固定機構により可動テーブルに固定される。また、固定機構が解除されて、トレイ排出部が処理済みのワークを載せたトレイを受け取ると、トレイは可動テーブル(開口部)から離脱してトレイ収容部に収容される。
さらに、固定機構が解除されて、トレイ停留部が未処理のワークを全て取り出して空になったトレイを受け取ると、空のトレイは可動テーブル(開口部)から離脱してトレイ収容部に収容され、一方、空のトレイを持ち上げて可動テーブルの開口部に位置付けると、空のトレイは固定機構により可動テーブルに固定され、処理済みのワークを載せるために用いられる。
上記構成をなす装置において、ハンドラは、可動テーブルの往復動方向において処理部を略中央に挟むように配置された一対のハンドラからなり、一対のハンドラは、それぞれ関節型アームを含む、構成を採用できる。
この構成によれば、一対のハンドラが、可動テーブルと処理部との間をそれぞれ移動して、未処理のワーク及び処理済みのワークをそれぞれ搬送する。ここで、ハンドラが関節型アームを含むため、両者がお互いに干渉しないように関節型アームの動作(屈曲又は回転動作)を適宜制御して、ワークを効率良く搬送することができる。
上記構成をなす装置において、一対のハンドラは、それぞれの関節型アームを可動テーブルの往復動方向に伸長した状態で、お互いにオーバラップするように配置されている、構成を採用できる。
この構成によれば、一対のハンドラがお互いに干渉しないように関節型アームの動作を制御することを前提に、可動テーブルの往復動方向において一対のハンドラをより近づけて配置(集約化)できるため、装置をさらに小型化できる。
上記構成をなす装置において、可動テーブルは、一対のハンドラが可動テーブルに担持されたトレイからワークを受け取る際に又はトレイにワークを受け渡す際に、その往復動方向における一対のハンドラの略中間位置に、対象となるトレイを位置付けるように駆動される、構成を採用できる。
この構成によれば、一対のハンドラは、最短距離を移動してワークの受け取り及び受け渡しを行えるため、搬送時間(ハンドリングに要する時間)を短縮でき、生産性が向上する。
上記構成をなす装置において、トレイ収容部と可動テーブルとの間でのトレイの供給動作又は排出動作は、ハンドラが可動テーブルに担持されたトレイからワークを受け取る動作又はトレイにワークを受け渡す動作と、略同時に行われる、構成を採用できる。
この構成によれば、各々の動作と動作との間の待機時間が解消されて、全体のハンドリングに要する時間をさらに短縮でき、生産性がさらに向上する。
図2は、本発明に係るワークハンドリング装置の一部をなすトレイ収容部及びトレイ担持部を示す部分斜視図である。
図3は、本発明に係るワークハンドリング装置の一部を正面から見た模式図である。
図4は、本発明に係るワークハンドリング装置の一部をなすトレイ担持部を示す平面図である。
図5は、本発明に係るワークハンドリング装置の一部をなすハンドラを示す部分斜視図である。
図6A,図6B,図6C,図6Dは、未処理のワークを載せたトレイをトレイ担持部に供給する動作を示す動作図である。
図7A,図7B,図7C,図7Dは、処理済みのワークを載せたトレイをトレイ担持部から排出する動作を示す動作図である。
図8A,図8B,図8C,図8Dは、処理済みのワークを載せるための空のトレイをトレイ担持部に供給する動作を示す動作図である。
図9A,図9B,図9C,図9Dは、ワークが全て取り出されて空になったトレイを一時的に停留させるためにトレイ担持部から排出する動作を示す動作図である。
このワークハンドリング装置は、図1に示すように、ワークWを載せるトレイTを収容するトレイ収容部10、トレイ収容部10の上方に配置されて供給されたトレイTを担持するトレイ担持部20、ワークWに対して検査処理を施す処理部としての検査部30、トレイ担持部20に担持されたトレイTと検査部30との間を移動自在に配置されてワークWを搬送するハンドラ40等を備えている。
トレイ収容部10は、図1ないし図3に示すように、それぞれ隣接して水平方向(X方向)に配列された、トレイストック部11、トレイ供給部12、トレイ停留部13、二つのトレイ排出部14,15を備えている。
トレイストック部11は、ワークWを載せたトレイTを取り囲むと共に前方に開口する側壁11a、積み重ねられた複数のトレイTを載置して鉛直方向Zに昇降する昇降テーブル11b、昇降テーブル11bを昇降駆動する駆動機構11c、積層された最下部のトレイTをトレイ供給部12に向けて押し出すプッシュロッド11d、プッシュロッド11dを駆動する駆動機構11e、トレイTの側面を挟持して固定する一対のチャック機構11f等により形成されている。
側壁11aには、図3に示すように、昇降テーブル11bが最下端に位置する状態で、プッシュロッド11dを挿通させる開口部11a´、プッシュロッド11dにより押されたトレイTをトレイ供給部12に向けて通す開口部11a´´が形成されている。
一対のチャック機構11fは、側壁11aに設けられて、昇降テーブル11bが所定高さだけ上昇した状態で、二段目の(最下部のトレイTの直上にある)トレイTを挟持して一時的に保持するようになっている。
ここで、駆動機構11cとしては、空気圧式又は油圧式のシリンダ駆動機構あるいは電動アクチュエータ等が採用され、駆動機構11eとしては、電動アクチュエータ(例えば、モータ)、空気圧式のシリンダ駆動機構等が採用される。
トレイ供給部12は、図2及び図3に示すように、トレイTを取り囲むと共に前方に開口しかつ上方に開口する側壁12a、トレイTを載置した状態で鉛直方向Zに昇降し得る昇降テーブル12b、昇降テーブル12bを昇降駆動する駆動機構12c等により形成されている。駆動機構12cとしては、空気圧式又は油圧式のシリンダ駆動機構、あるいは、電動アクチュエータ等が採用される。
そして、トレイ供給部12においては、トレイストック部11から押し出されたトレイTが昇降テーブル12bに載置されると、駆動機構12cにより昇降テーブル12bを上昇させ、トレイ担持部20(後述する可動テーブル21)にトレイTを供給する。
トレイ停留部13は、図2及び図3に示すように、トレイTを取り囲むと共に前方に開口しかつ上方に開口する側壁13a、トレイTを載置した状態で鉛直方向Zに昇降し得る昇降テーブル13b、昇降テーブル13bを昇降駆動する駆動機構13c等により形成されている。駆動機構13cとしては、電動アクチュエータ等が採用される。
そして、トレイ停留部13においては、昇降テーブル13bが上昇した状態で、空になったトレイTをトレイ担持部20(後述する可動テーブル21)から受け取り、駆動機構13cにより昇降テーブル13bを下降させて一時的にトレイTを停留させ、その後所定のタイミングで、駆動機構13cにより昇降テーブル13bを上昇させ、トレイ担持部20(後述する可動テーブル21)に再びトレイTを供給する。
トレイ排出部14,15は、図2及び図3に示すように、トレイTを取り囲むと共に前方に開口しかつ上方に開口する側壁14a,15a、トレイTを載置した状態で鉛直方向Zに昇降し得る昇降テーブル14b,15b、昇降テーブル14b,15bを昇降駆動する駆動機構14c,15c等により形成されている。駆動機構14c,15cとしては、電動アクチュエータ等が採用される。
そして、トレイ排出部14,15においては、昇降テーブル14b,15bが上昇して、検査済みのワークWを載せたトレイTをトレイ担持部20(後述する可動テーブル21)から受け取り、駆動機構14c,15cにより昇降テーブル14b,15bを下降させて、トレイTが所定個数だけ積み重ねられるまでその場所に保持する。
ここで、トレイ排出部14,15は、異なる種類のワークW毎にトレイTを分類して取り出すために使い分けられ、あるいは、同種のワークWであっても積層されたトレイTの状態に応じて使い分けられる。
トレイ担持部20は、図1ないし図4に示すように、略矩形形状をなし、トレイ収容部10の上方に配置された可動テーブル21、上板50に固定され可動テーブル21をXY平面上のX方向に往復動自在に支持する2本のガイド22、可動テーブル21に連結されたリードスクリュー23、上板50に固定されリードスクリュー23を回転駆動するモータ24等を備えている。
このように、トレイ収容部10の上方にトレイ担持部20が配置されるため、両者が平面状に隣接して配置される場合に比べて装置が集約化され、小型化される。したがって、この装置を半導体製造ラインの設置する場合、設置面積を省スペース化できる。
可動テーブル21は、図2ないし図4に示すように、矩形形状の輪郭をなすように形成され、X方向に隣接して配列された3つの開口部21a,21b,21c、開口部21bに対しY方向に隣接して配置された1つの開口部21d、それぞれの開口部21a,21b,21c,21dの両端部に配置された固定機構21e,21e´、リードスクリュー23が螺合されるナット部21f等を備えている。
開口部21a,21b,21cは、図3に示すように、下方から供給されたトレイTを受け入れると共に位置決めするように、下側がトレイTの寸法よりも幅広くかつ上側がトレイTの寸法よりも幅狭く形成されている。開口部21dは、上方から供給されたトレイTを受け入れると共に担持するように、上側がトレイTの寸法よりも幅広くかつ下側がトレイTの寸法よりも幅狭く形成されている。
そして、開口部21aには、未検査のワークWを載せたトレイTが供給されて位置付けられ、開口部21b,21cには、検査済みのワークWを載せるための空のトレイTが供給されて位置付けられ、開口部21dには、不良品とみなされたワークWを載せるトレイTが位置付けられるようになっている。
固定機構21eは、それぞれの開口部21a,21b,21cに位置付けられたトレイTを固定するものである。固定機構21eとしては、例えば、トレイTが開口部21a〜21cに位置付けられたことをセンサ等により検出しその検出信号に基づいてトレイTを両側から挟持(クランプ)し、又、昇降テーブル12b,13b,14b,15bが所定の位置まで上昇してトレイTを保持したことをセンサ等により検出しその検出信号に基づいてトレイTの挟持(クランプ)を解除し得る電磁駆動型のクランプ機構(例えば、出没自在な挟持片、又は、出没自在なロッド等を備える機構)等が採用される。
尚、固定機構21eとして、トレイTの開口部21a〜21cへの位置付けに連動して機械的に作動しトレイTを挟持し得ると共に、昇降テーブル12b〜15bの上昇に連動してトレイTの挟持状態を解除し得るような機械式のロックレバー等を採用してもよい。
固定機構21e´は、トレイTが開口部21dに位置付けられたことをセンサ等により検出して挟持する前述同様のクランプ機構、あるいは、手動にて固定及びその解除を行う固定片等が採用される。
すなわち、トレイ担持部20においては、モータ24がリードスクリュー23を回転させると、可動テーブル21がX方向の所望の位置に移動して、開口部21a,21b,21cがそれぞれ、トレイ供給部12、トレイ停留部13、トレイ排出部14,15のいずれかの直上に位置付けられるようになっている。
処理部としての検査部30は、図1及び図5に示すように、Y方向において可動テーブル21よりも奥側に配置されており、上板50から露出した状態となっている。検査部30は、2つのワークW(半導体チップ)を同時に接続するソケット31を有し、ワークWがソケット31にセット(挿入)されると、自動的に所定の電気的特性を満たすか否かの検査を行う。
一対のハンドラ40,40´は、図1、図3、図5に示すように、可動テーブル21の往復動方向(X方向)において検査部30を略中央に挟むように、すなわち、検査部30の中心を通るY方向の直線Lに対して線対称となるように、上板50上に配置されている。
ハンドラ40,40´は、それぞれY方向に伸長するガイド41,41´、ガイド41,41´の内部空間においてY方向に伸長して配置されたリードスクリュー42,42´、リードスクリュー42,42´に螺合されてY方向に移動自在な第1可動部43,43´、第1可動部43,43´に保持されZ方向に移動自在な第2可動部44,44´、第2可動部44,44´に連結されて水平面(XY面)内で回動可能な関節型アーム45,45´、関節型アーム45,45´の先端に設けられワークWを保持し又解放し得るワーク保持部46,46´等を備えている。
また、ハンドラ40,40´は、リードスクリュー42,42´を介して第1可動部43,43´を駆動する電動アクチュエータ47a,47a´、第2可動部44,44´を駆動する電動アクチュエータ47b,47b´、関節型アーム45,45´を回転駆動する電動アクチュエータ47c,47c´、ワーク保持部46,46´を駆動する電動アクチュエータ47d,47´等を備えている。
さらに、一対のハンドラ40,40´は、それぞれの関節型アーム45,45´を可動テーブル21の往復動方向(X方向)に伸長した状態で、お互いにオーバラップするように配置されている。すなわち、関節型アーム45,45´を採用しているが故に、適宜R方向に回転させて両者の干渉を防止させつつ、Y方向に移動させることができるため、X方向において一対のハンドラ40,40´をより近づけて配置することができ(両者を集約化でき)、装置を小型化できる。
上記一対のハンドラ40,40´においては、電動アクチュエータ47a,47a´及びリードスクリュー42,42´により第1可動部43,43´及び第2可動部44,44´を介して、関節型アーム45,45´が、Y方向に移動させられる。また、電動アクチュエータ47b,47b´により第2可動部44,44´を介して、関節型アーム45,45´がZ方向に昇降させられる。また、電動アクチュエータ47c,47c´により関節型アーム45,45´がXY平面内を回動させられる。さらに、電動アクチュエータ47d,47d´により、ワーク保持部46,46´が、トレイTからワークWを取り出して保持し又保持したワークWを解放してトレイTに戻すように駆動される。
ここで、一対のハンドラ40,40´が、可動テーブル21に担持されたトレイTから未検査のワークWを受け取る際及びトレイTに検査済みのワークWを受け渡す際に、対象となるトレイTを、X方向における二つのガイド41,41´の略中間位置に(すなわち、図5に示す直線Lの近傍に)位置付けるように、可動テーブル21が駆動される。
また、一対のハンドラ40,40´が、検査部30との間でワークWの受け渡し及び受け取りを行う際に、図5に示すように、一方のハンドラ40´(40)がワークWを検査部30にセットしている場合、他方のハンドラ40(40´)は、ワークWを保持した後に関節型アーム45´(45)に干渉しないように関節型アーム45(45´)を回転させつつ奥側に移動させられて待機するように駆動される。
このように駆動されることで、一対のハンドラ40,40´(関節型アーム45,45´)は、お互いに干渉しないように最短距離を移動して、ワークWの受け取り及び受け渡しを行えるため、ワークWを効率良く搬送(ハンドリング)することができ、それ故に搬送時間(ハンドリングに要する時間)を短縮化でき、生産性が向上する。
次に、この実施形態に係るワークハンドリング装置の動作について、図5、図6Aないし図9Dを参照しつつ説明する。尚、この動作において、昇降テーブル11b,12b,13b,14b,15bは、駆動機構11c,12c,13c,14c,15cによりそれぞれ昇降駆動され、プッシュロッド11dは駆動機構11eにより出没駆動され、ハンドラ40,40´は電動アクチュエータ47a,47a´〜47d、47d´により二次元的に駆動される。
先ず、トレイTの供給動作について図6Aないし図6Dを参照しつつ説明すると、トレイ収容部10のトレイストック部11に対して、作業者が、未検査のワークWを載せた複数のトレイTを積層して載置する。
次に、図6Aに示すように、昇降テーブル11bが若干上昇すると、図6Bに示すように、一対のチャック機構11fが下側から二段目のトレイTを挟持して固定すると同時に、昇降テーブル11bが元の休止位置まで下降し、プッシュロッド11dが突出して、最下部に位置するトレイTをトレイ供給部12に向けて押し出す。
押出しが完了すると、図6Cに示すように、プッシュロッド11dは没入して元の休止位置に戻り、続いて、開口部21aがトレイ供給部12の直上に位置するように、可動テーブル21が位置決めされた状態において、昇降テーブル12bは押し出されたトレイTを保持して上昇し始めると共に、昇降テーブル11bが上昇して二段目以上の残りのトレイTを保持する。そして、一対のチャック機構11fによる挟持状態が解除され、昇降テーブル11bは休止位置に向けて再び下降し始める。
そして、図6Dに示すように、昇降テーブル12bがトレイTを可動テーブル21の開口部21aに位置付けると同時に、固定機構21eがトレイTを固定する。一方、昇降テーブル11bは所望のタイミングで休止位置に戻り待機する。その後、昇降テーブル12bは下降して元の休止位置に戻る。
これにより、未検査のワークWを載せたトレイTをトレイ担持部20(可動テーブル21)に供給する動作が終了する。
トレイ担持部20(可動テーブル21)へのトレイTの供給が完了すると、モータ24及びリードスクリュー23を介して、可動テーブル21がX方向右側に移動し、開口部21aに位置するトレイTが、図5に示す直線Lの近傍(略中央位置)に位置付けられる。そして、一方のハンドラ40(40´)が、Y方向前方に移動して、開口部21aに位置するトレイTから未検査のワークWを取り出して保持し、Y方向に奥側に向けて関節型アーム45(45´)を回転(屈曲)させつつ他方の関節型アーム45´(45)の後方に移動し、図5に示す状態で待機する。
一方、検査が完了したワークWを保持するハンドラ40´(40)はY方向前方に移動し始めると共に、待機中のハンドラ40(40´)は検査部30の直上に移動して所定の位置まで下降し、未検査のワークWをソケット31にセットする。また、可動テーブル21はX方向左側に移動して、開口部21bに位置するトレイT又は開口部21cに位置するトレイTが略中央位置(図5に示す直線Lの近傍)に位置付けられる。その後、ハンドラ40´(40)は、保持した検査済みのワークWを略中央に位置付けられたトレイTに受け渡す。
そして、可動テーブル21がX方向右側に移動して、開口部21aに位置するトレイTが再び略中央位置(図5に示す直線Lの近傍)に位置付けられ、ハンドラ40´(40)は、未検査のワークWをトレイTから取り出して保持し、前述したハンドラ40(40´)と同様に、Y方向の奥側に向けて関節型アーム45´(45)を回転(屈曲)させつつ他方の関節型アーム45(45´)の後方に移動して待機する。検査処理を行うためのハンドリングとしては、上記の動作が繰り返される。
尚、上記一連の動作において、検査により不良のワークWが検出された場合は、ハンドラ40(40´)は開口部21dに位置するトレイTにそのワークWを受け渡し、その後は前述同様に、開口部21aに位置するトレイT上の未検査のワークWを受け取るように移動する。
このように、一対のハンドラ40,40´が可動テーブル21に担持されたトレイTから未検査のワークWを受け取る際に又はトレイTに検査済みのワークWを受け渡す際に、一対のハンドラ40,40´の略中間位置(直線Lの近傍)に対象となるトレイTを位置付けるように可動テーブル21が駆動されるため、一対のハンドラ40,40´は、最短距離を移動してワークWの受け取り及び受け渡しを行えるため、搬送時間(ハンドリングに要する時間)を短縮でき、生産性が向上する。
次に、検査済みのワークWを載せたトレイTを排出する動作について、図7Aないし図7Dを参照しつつ説明する。尚、ここでは、開口部21cに担持されたトレイTが検査済みのワークWで満たされ、このトレイTがトレイ排出部15に向けて排出される場合の動作を説明する。
先ず、図7Aに示すように、可動テーブル21は、開口部21cがトレイ排出部15の直上に位置するように、X方向右側に移動して位置決めされる。
次に、図7Bに示すように、昇降テーブル15bが、開口部21cに位置するトレイTに向けて上昇し始め、図7Cに示すように、トレイTの直下に到達する。と同時に、センサの検出信号により固定機構21eがトレイTの挟持状態を解除し、トレイTは昇降テーブル15b上に保持される。
その後、昇降テーブル15bは、検査済みのワークWを載せたトレイTを保持した状態で、図7Dに示すように下降し始め、元の休止位置に戻る。尚、昇降テーブル15bは、トレイTが所定の高さに積層されるまで、複数のトレイTを保持した状態に維持され、その後、作業者がこれら積層された複数のトレイTをトレイ排出部15から取り出す。
開口部21bに位置するトレイTがトレイ排出部15に向けて排出される場合は、可動テーブル21がさらにX方向右側に移動して、開口部21bがトレイ排出部15の直上に位置付けられた後、前述同様の排出動作が行われ、開口部21b,21cに位置するトレイTがトレイ排出部14に向けて排出される場合は、可動テーブル21が適宜X方向に移動して、開口部21b,21cがトレイ排出部14の直上に位置付けられた後、前述同様の排出動作が行われる。
次に、トレイ停留部13に停留(収容)された空のトレイTを、トレイ担持部20(可動テーブル21)の開口部21cに供給する動作について、図8Aないし図8Dを参照しつつ説明する。
先ず、図8Aに示すように、可動テーブル21は、開口部21cがトレイ停留部13の直上に位置するように、X方向左側に移動して位置決めされる。
次に、図8Bに示すように、空のトレイTを保持した昇降テーブル13bが、開口部21cに向けて上昇し始める。そして、図8Cに示すように、昇降テーブル13bが所定の高さまで上昇して、最上部のトレイTを可動テーブル21の開口部21cに位置付けると同時に、センサの検出信号により固定機構21eがトレイTを固定する。
その後、昇降テーブル13bは、図8Dに示すように下降し始め、元の休止位置に戻る。これにより、トレイ担持部20(可動テーブル21)への空のトレイTの供給動作が完了する。
ここで、可動テーブル21の開口部21bに向けて空のトレイTが供給される場合は、可動テーブル21がX方向右側に移動して、開口部21bがトレイ停留部13の直上に位置付けられた後、前述同様の供給動作が行われる。
次に、未検査のワークWが全て取り出されて空になったトレイTを、トレイ停留部13に向けて一時的に停留させるための排出動作(停留動作)について、図9Aないし図9Dを参照しつつ説明する。
先ず、図9Aに示すように、可動テーブル21は、開口部21aがトレイ停留部13の直上に位置するように、X方向右側に移動して位置決めされる。
続いて、図9Bに示すように、昇降テーブル13bが、開口部21aに位置する空のトレイTに向けて上昇し始め、図9Cに示すように、トレイTの直下に到達する。と同時に、センサの検出信号により固定機構21eがトレイTの挟持状態を解除し、トレイTは昇降テーブル13b上に保持される。
その後、昇降テーブル13bは、受け渡された空のトレイTを保持した状態で、図9Dに示すように下降し始め、元の休止位置に戻る。
そして、空のトレイTが可動テーブル21から排出されると、続けて、前述の図6Aないし図6Dに示すように、開口部21aに対して、未検査のワークWを載せたトレイTを供給する動作が行われる。
上記一連のハンドリング(供給動作、ワークWの搬送、排出動作、停留動作)は、ワークWの検査を続けるにあたって、円滑に連続的に繰り返されるため、半導体製造ラインでの生産性が向上する。
ここでは、トレイTの供給動作、排出動作、及び停留動作と、ハンドラ40,40´のハンドリング(搬送動作)とを別々に説明したが、トレイ収容部10と可動テーブル21との間でのトレイTの供給動作又は排出動作が、ハンドラ40,40´が可動テーブル21に担持されたトレイTからワークWを受け取る動作又はトレイTにワークWを受け渡す動作と略同時に行われるようにしてもよい。これによれば、各々の動作と動作との間の待機時間が解消されて、全体のハンドリングに要する時間をさらに短縮でき、生産性がさらに向上する。
上記実施形態においては、トレイ担持部20(可動テーブル21)をトレイ収容部10の上方に配置する構成を示したが、これに限定されるものではなく、トレイ収容部の下方にトレイ担持部(可動テーブル)を配置し、又、トレイ収容部において、鉛直方向に往復動すると共にトレイTを把持して保持し得る把持アーム等を設け、上方から可動テーブルに向けて未検査のワークWを載せたトレイTを供給するべく把持アームを下降させ、又、検査済みのワークWを載せたトレイTを上方に向けて排出及び停留させるべく把持アームを上昇させる構成を採用してもよい。
また、可動テーブル21は、ハンドラ40,40´の移動方向(Y方向)に直交するX方向に往復動自在に形成される場合を示したが、直交(直角)以外の角度で交差する方向に往復動自在に形成されてもよい。
上記実施形態においては、トレイ収容部10において、二つのトレイ排出部14,15を採用したが、これに限定されるものではなく、一つ又は三つ以上のトレイ排出部を採用してもよく、又、トレイストック部11、トレイ供給部12、トレイ停留部13についても、一つに限定されるものではなく、二つ以上採用してもよい。
上記実施形態においては、トレイ担持部20を構成する可動テーブル21に対して、未検査のワークWを載せたトレイTを保持するための一つの開口部21a、検査済みのワークWを載せるトレイTを保持するための二つの開口部21b,21cを設けたが、これに限定されるものではなく、各々それ以外の個数の開口部を設ける構成を採用してもよい。
上記構成においては、可動テーブル21にトレイTを固定するために、開口部21a,21b,21c,21dの短辺側にそれぞれ一対の固定機構21e,21e´を設けた構成を示したが、これに限定されるものではなく、開口部21a,21b,21c,21dの長辺側にそれぞれ一対又は二対の固定機構21e,21e´を設ける構成を採用してもよい。
上記実施形態においては、ワークWとして半導体チップを示したが、これに限定されるものではなく、その他の電子部品あるいは機械部品等をハンドリングの対象としてもよく、又、ワークWに施す処理及び処理部として、電気的特性の検査及び検査部30を示したが、これに限定されるものではなく、ワークに対して切削、塗装等の加工、あるいは、部品の組付け等の如く、その他の処理を施す処理部に対して、本発明の装置を適用してもよい。
また、上記実施形態においては、装置に対して処理部(検査部30)を含める構成を示したが、処理部(検査部30)そのものは本発明の構成要素ではなく、本発明の装置が所定の処理部に対して適用されるようになっていればよい。
以上述べたように、本発明のワークハンドリング装置によれば、ワークを載せるトレイを収容するトレイ収容部の上方又は下方に、トレイ収容部から供給されたトレイを担持するトレイ担持部を配置し、トレイ担持部に、処理部とトレイ担持部に担持されたトレイとの間で移動自在に配置されてワークを搬送するハンドラの往復動方向に対して交差する方向に往復動自在に可動テーブルを設けたことにより、ワークに処理を施すためのハンドリングが円滑に行われ、生産性が向上する。
特に、トレイ担持部をトレイ収容部に対して上下方向に配列したことにより、装置が集約化、小型化されて、設置面積の省スペース化を達成できる。また、トレイ担持部(可動テーブル)は所定方向に往復動自在であるため、ハンドラを3次元駆動ではなく2次元駆動にすることもでき、ハンドラを小型化でき、ハンドラによる搬送距離を短くして、搬送時間の短縮化を達成できる。
Claims (8)
- ワークを載せるトレイを収容するトレイ収容部と、
前記トレイ収容部から供給されたトレイを担持するトレイ担持部と、
ワークに対して所定の処理を施す処理部と前記トレイ担持部に担持されたトレイとの間で移動自在に配置されてワークを搬送するハンドラと、を備え、
前記トレイ担持部は、前記ハンドラの移動方向に対して交差する所定方向に往復動自在にかつ前記トレイ収容部の上方又は下方に配置され、前記トレイ収容部から供給されたトレイを担持する可動テーブル、を含む、
ワークハンドリング装置。 - 前記トレイ収容部は、未処理のワークを載せたトレイを前記可動テーブルに供給するトレイ供給部と、処理済みのワークを載せたトレイを排出するべく前記可動テーブルから受け取るトレイ排出部と、空のトレイを前記可動テーブルから排出させて再び供給するべく一時的に停留させるトレイ停留部と、を含む、
ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載のワークハンドリング装置。 - 前記トレイ供給部、前記トレイ排出部、及び前記トレイ停留部はそれぞれ、トレイを載置して昇降し得る昇降テーブルと、前記昇降テーブルを駆動する駆動機構と、を含む、
ことを特徴とする請求の範囲第2項に記載のワークハンドリング装置。 - 前記可動テーブルは、前記トレイ収容部の上方に配置され、下方から供給されたトレイを位置決めして保持するべく、前記トレイ供給部,トレイ排出部,及びトレイ停留部のいずれかに対応するように設けられた複数の開口部と、前記複数の開口部に位置付けられたトレイをそれぞれ固定する固定機構と、を含む、
ことを特徴とする請求の範囲第2項に記載のワークハンドリング装置。 - 前記ハンドラは、前記可動テーブルの往復動方向において前記処理部を略中央に挟むように配置された一対のハンドラからなり、
前記一対のハンドラは、それぞれ関節型アームを含む、
ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載のワークハンドリング装置。 - 前記一対のハンドラは、それぞれの関節型アームを前記可動テーブルの往復動方向に伸長した状態で、お互いにオーバラップするように配置されている、
ことを特徴とする請求の範囲第5項に記載のワークハンドリング装置。 - 前記可動テーブルは、前記一対のハンドラが前記可動テーブルに担持されたトレイからワークを受け取る際に又はトレイにワークを受け渡す際に、その往復動方向における前記一対のハンドラの略中間位置に、対象となるトレイを位置付けるように駆動される、
ことを特徴とする請求の範囲第5に記載のワークハンドリング装置。 - 前記トレイ収容部と可動テーブルとの間でのトレイの供給動作又は排出動作は、前記ハンドラが前記可動テーブルに担持されたトレイからワークを受け取る動作又はトレイにワークを受け渡す動作と、略同時に行われる、
ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載のワークハンドリング装置。
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