JPWO2004081059A1 - マクロ分子識別ポリマーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
これまで、このような要請に応える方法として、タンパク質共存下でモノマーと架橋剤とをラジカル重合することにより、タンパク質の鋳型を有する分子鋳型ポリマーを得る方法が提案されている(非特許文献1)。しかしながら、この方法は、ある特定のタンパク質に対して最適な分子識別能を有するポリマーを合成するための具体的な方法が記載されておらず、試行錯誤の繰り返しを要するという問題があった。
一方、これまで、分子鋳型ポリマーの多くは、アセトニトリル、クロロフォルム等の有機溶媒中で調製され、その選択性は、糖、アミノ酸、ステロイドなどの低分子化合物に対するものであった(非特許文献2〜4)。すなわち、これらはテンプレート分子としては低分子の化合物を用い、有機溶媒中で分子鋳型ポリマーの合成を行う方法であり、タンパク質などの水溶性マクロ分子を対象にした、水溶液中での分子鋳型ポリマーの合成には適用できないという問題があった。
このため、多くの研究者が、水溶液中で、マクロ分子を選択的に識別する分子鋳型ポリマーの合成を試みている。
たとえば、バッファー溶液中で、タンパク質をポリシロキサンあるいはポリアクリルアミド中に捕捉して分子鋳型ポリマーを形成させる方法が試みられているが(非特許文献5〜8)、タンパク質の鋳型複製が不十分で、ポリマーの強度が低くやわらかく、選択性も低いという問題があった。また、ポリアミノフェニルボロン酸を用い、マイクロチッタープレートの使い捨て可能な表面コーティングにパーオキシダーゼをはめ込む試みもなされている(非特許文献9)。
最近、表面鋳型法とよばれる方法により分子鋳型ポリマーを合成し、タンパク質の捕捉を選択的に行う試みもなされている(非特許文献10、11)。しかし、この方法では、金属(Cu2+)キレートモノマーを用い、ヒスチジン残基がむき出しになった特定構造を有するタンパク質にしか適用できないという問題があった。
さらに、シクロデキストリンを有する機能性モノマーを用い、ポリペプチド分子の鋳型ポリマーを水溶液中で形成させる試みもなされている(非特許文献12、13)。しかし、この方法では、ジペプチド(Phe−Phe)といった、低分子の化合物にしか適用できていない。
一方、本発明者らは、既に、エピトープアプローチと呼ばれる、所望のタンパク質の一部を主要構造とするが、所望のタンパク質とは異なるより分子量の小さな別のタンパク質の分子形状鋳型ポリマーを有機溶媒中で合成し、これを用いてより分子量の大きい所望のタンパク質を選択的に捕獲できることを見出している(特許文献1)。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行い、特定の架橋剤を用いて水溶液中で重合反応を行うことにより、得られる分子識別ポリマーが優れた分子鋳型複製性を有し、所望のマクロ分子に対し高い選択性を有することを見出し、本願発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の概要は下記のとおりである。
本発明に係るマクロ分子識別ポリマーの製造方法は、マクロ分子、架橋剤およびラジカル重合開始剤の存在下、水溶液中で原料単量体を重合し、内部にマクロ分子を含有する重合体を得る工程、および該マクロ分子を含有する重合体からマクロ分子を取り除き、マクロ分子の分子形状鋳型を有するマクロ分子識別ポリマーを得る工程からなり、前記架橋剤の25℃における水に対する溶解度が100質量%以上であることを特徴としている。
前記架橋剤は、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートであることが好ましい。
前記ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートの数平均分子量は、400以上であることが好ましい。
前記原料単量体1モルに対する、前記架橋剤の使用量は、1モル〜200モルであることが好ましい。
前記ラジカル重合開始剤は、水溶性アゾ化合物であることが好ましい。
前記ラジカル重合開始剤は、10時間半減期温度が30℃〜50℃の範囲にある重合開始剤であることが好ましい。
前記ラジカル重合開始剤は、下記一般式(I)
(式(I)中、R1、R2は、水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル基を示し、互いに同一でも異なっていてもよい。)で表されるアゾ化合物またはその塩であることが好ましい。
前記マクロ分子として、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、糖またはこれらの誘導体を用いることができる。
前記ポリペプチドは、3〜5000のアミノ酸またはその誘導体であることが好ましい。
前記原料単量体は、ビニル系モノマーであることが好ましい。
本発明に係るマクロ分子識別ポリマーは、ビニル系モノマーに由来する構成単位と、25℃における水に対する溶解度が100質量%以上であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートに由来する構成単位とを含む、マクロ分子の分子形状鋳型を有するマクロ分子識別ポリマーであって、
該マクロ分子識別ポリマーを水に浸漬したときの体積変化率が5%以下であることを特徴としている。
前記ビニル系モノマーに由来する構成単位および前記ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートに由来する構成単位は、前記ビニル系モノマー1モルに対して、前記ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートを1モル〜200モルの割合で重合させて得られたものであることが好ましい。
本発明に係るマクロ分子識別用フィルムは、前記マクロ分子識別ポリマーからなることを特徴としている。
本発明に係るマクロ分子識別用ビーズは、前記マクロ分子識別ポリマーからなることを特徴としている。
本発明に係るスクリーニング方法は、前記マクロ分子識別用フィルムまたは前記マクロ分子識別用ビーズに結合する条件下で、複数のマクロ分子を該マクロ分子識別用フィルムまたは該マクロ分子識別用ビーズに接触させて、マクロ分子をスクリーニングすることを特徴としている。
以下、本発明に係るマクロ分子識別能を有するポリマーの製造方法等について詳説する。
本発明に係るマクロ分子識別能を有するポリマー(本明細書において「マクロ分子識別ポリマー」ということがある。)の製造方法は、マクロ分子、架橋剤およびラジカル重合開始剤の存在下、水溶液中で原料単量体を重合し、内部にマクロ分子を含有する重合体を得る工程、および該マクロ分子を含有する重合体から前記マクロ分子を取り除き、マクロ分子の分子形状鋳型を有するポリマーを得る工程からなり、前記架橋剤の25℃における水に対する溶解度が100質量%以上である。なお、架橋剤の水に対する溶解度が100質量%とは、水100質量部に対して、架橋剤100質量部が溶解することを意味する。以下同じである。本明細書中、(メタ)アクリレートとは、メタクリレートとアクリレートとを含むことを意味する。
マクロ分子
本発明で用いることのできるマクロ分子としては、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、糖などが挙げられる。
ポリヌクレオチドとしては、ヌクレオチドが、好ましくは3〜5000個の範囲にあるものに望ましく適用することができる。また、ヌクレオチドは、他の官能基により修飾されていてもよい。他の官能基としては、たとえば、蛍光標識、アイソトープ標識などが挙げられる。
このようなポリヌクレオチドとしては、二本鎖DNA、一本鎖DNA、RNAなどが挙げられる。
ポリペプチドとしては、アミノ酸が、好ましくは3〜5000個、さらに好ましくは5〜5000個、特に好ましくは8〜5000個の範囲のあるものを望ましく採用することができる。ポリペプチドは、糖鎖などの他の官能基により修飾された誘導体であってもよい。
このようなポリペプチドとしては、各種のタンパク質、たとえば、酵素タンパク質、細菌タンパク質、微生物タンパク質、抗原タンパク質、動植物タンパク質などの生体タンパク質、各種の合成タンパク質などが挙げられ、特に限定されない。
本発明で用いられる糖としては、たとえば、単糖類、二糖類、オリゴ糖(三糖類及び四糖類を含む)または多糖類が挙げられ、具体的には、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等が挙げられる。
ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、アルギン酸、シクロデキストリン、セルロース等、自然界に広く存在する物質を含む。また、前記糖の誘導体としては、たとえば、糖アルコール〔一般式HOCH2(CHOH)nCH2OH(ここで、n=2〜5の整数を示す。)で表される〕などの前記糖の還元糖、アルドン酸、ウロン酸等の酸化糖などが挙げられる。
原料単量体
本発明の製造方法により得られるマクロ分子識別ポリマーのマトリックス部分の原料となる原料単量体としては、たとえば、水溶性であれば特に限定されず、ビニル基を有する単量体(ビニル系モノマー)、ビニリデン基を有する単量体を用いることができる。
このようなビニル系モノマーとしては、たとえば、ビニル基を有する水溶性有機化合物が挙げられ、たとえば、(メタ)アクリル酸、そのアルカリ金属塩、スチレンスルホン酸、そのアルカリ金属塩、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどが挙げられる。前記アルカリ金属塩の金属としては、ナトリウムまたはカリウムが好ましく、ナトリウムをより好ましく用いることができる。
これらビニル系モノマーのうちでは、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリル酸ナトリウムなどのアクリル酸金属塩を好ましく用いることができ、アクリル酸ナトリウムなどのアクリル酸金属塩が特に好ましい。
このようなビニル系モノマーを用いると、得られるマクロ分子識別ポリマーの分子鋳型にビニル系モノマーに由来する官能基が導入され、マクロ分子との相互作用およびマクロ分子の鋳型による相乗効果により、より選択性の高いマクロ分子識別ポリマーを得ることができる。
これらのビニル系モノマーは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような原料単量体の使用量は、用いるマクロ分子の種類により異なり限定されないが、たとえば、マクロ分子1モルに対して、好ましくは1モル以上、より好ましくは3モル以上、特に好ましくは4モル以上であり、原料単量体の使用量の上限は、マクロ分子1モルに対して、好ましくは100モル以下、さらに好ましくは50モル以下、特に好ましくは20モル以下であることが望ましい。
使用量が上記範囲にあると、より高い選択性を有するマクロ分子識別ポリマーを得ることができる。
架橋剤
本発明で用いられる架橋剤は、25℃における水に対する溶解度が100質量%以上、好ましくは300質量%以上、さらに好ましくは無限大である。なお溶解度が無限大とは、架橋剤が水に溶けて均一混合物になる場合において、架橋剤の使用量を増加しても混合量に関係なく均一状態が維持されることを意味する。
このような架橋剤としては、たとえば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートとしては、数平均分子量が好ましくは400以上、より好ましくは数平均分子量が400以上1000以下、さらに好ましくは数平均分子量が500以上800以下であることが望ましい。
特に、後述するラジカル重合開始剤として、式(I)で表される化合物を用いる場合に、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
これらの架橋剤は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、本発明の目的を阻害しない範囲で他の異なる架橋剤を併用してもよい。
このようなポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートを架橋剤として用いることにより、水溶液中において、原料単量体を高い架橋度で重合させることができる。このため、マクロ分子の鋳型の複写を忠実に行うとともに、高い強度で、鋳型の型崩れなくマクロ分子識別ポリマーを得ることができる。このようなマクロ分子識別ポリマーは高い選択性を有する。
前記本発明で用いる架橋剤の使用量は、重合が進行する程度の量であればよいが、たとえば、架橋剤の水に対する使用量(水:架橋剤(体積割合))は、好ましくは99:1〜1:99、さらに好ましくは70:30〜1:99の範囲にあることが望ましい。
また、架橋剤の使用量は、たとえば、原料単量体1モルに対して、好ましくは1モル以上、より好ましくは2モル以上、さらに好ましくは5モル以上、特に好ましくは10モル以上であり、架橋剤の使用量の上限は、たとえば、原料単量体1モルに対して、好ましくは200モル以下、より好ましくは100モル以下、さらに好ましくは60モル以下、特に好ましくは40モル以下であることが望ましい。
このような使用量の範囲でポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートを用いることにより、水溶液中において、原料単量体を高い架橋度で重合させることができる。このため、マクロ分子の鋳型の複写を忠実に行うとともに、高い強度で、鋳型の型崩れなくマクロ分子識別ポリマーを得ることができる。このようなマクロ分子識別ポリマーは高い選択性を有する。
また、重合体の強度が高く、鋳型の型崩れがないため、マクロ分子識別ポリマーの反復使用による、選択性の低下を防ぐこともできる。
そしてこれまでは、水溶液中での重合では、得られる重合体の強度が低いためガラスなどの支持体上にマクロ分子を認識するポリマーを形成させていたが、本発明で用いる架橋剤を用いれば、支持体上にポリマーを形成させる必要がない。
ラジカル重合開始剤
本発明で用いられるラジカル重合開始剤としては、水溶性アゾ化合物であることが好ましい。
水溶性アゾ化合物のうちでは、10時間半減期温度が好ましくは30℃〜50℃、さらに好ましくは35℃〜45℃の範囲にあるラジカル重合開始剤を用いることが望ましい。ここで、本明細書において10時間半減期温度とは、ラジカル重合開始剤を水溶液中で一定温度に加熱して保持した場合に、ラジカル重合開始剤が分解し、その量が10時間で初期の1/2となる温度をいう。
このように本発明で用いるラジカル重合開始剤は、水溶性であり、かつ上記のように低温領域で反応するものであることが好ましい。
このようなラジカル重合開始剤としては、具体的には、下記式(I)
で表されるアゾ化合物またはその塩であることが望ましい。
前記式(I)中、R1、R2は、水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル基を示す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
R1、R2は、互いに同一でも異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
これらのうちでは、R1、R2がともに、水素原子またはメチル基であるものが好ましい。
上記式(I)で表されるアゾ化合物の塩としては、酸性塩が好ましく、たとえば、塩酸塩、硫酸塩等が挙げられる。
このようなラジカル重合開始剤としては、具体的には、
で表される2,2’−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕ジヒドロクロライド(10時間半減期温度44℃)、
で表される2,2’−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕ジサルフェートジハイドレート(10時間半減期温度46℃)
で表される2,2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕ジヒドロクロライド(10時間半減期温度41℃)などが挙げられる。
これらのうちでは、2,2’−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕ジヒドロクロライド(10時間半減期温度44℃)を好ましく用いることができる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、重合する温度の、ラジカル重合開始剤の種類、ラジカル重合中の酸素の混入度により異なるが、たとえば、架橋剤1モルに対して、10−7モル〜1モルの範囲にあればよい。また、たとえば、重合が完了する時間が好ましくは200時間以内、さらに好ましくは80時間以内である程度の使用量であることが望ましい。
これらのラジカル重合開始剤は1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このようなラジカル重合開始剤を用いることにより、原料単量体の重合を効率よく行うことができ、高い架橋度で、強度に優れたマクロ分子識別ポリマーをより効率的に得ることができる。また、得られるマクロ分子識別ポリマーは、より高い選択性を有する。
水溶液
本発明に係るマクロ分子識別ポリマーは、水溶液中で重合反応を行って合成する。水溶液としては、蒸留水、精製水、超純水、各種塩溶液、リン酸等からなるpH緩衝液などが挙げられる。各種塩溶液、pH緩衝液等を用いる場合、各種塩の濃度を数十mM以下にするなど、できるだけ低濃度とすることが好ましい。また、pH緩衝液を用いる場合、ポリヌクレオチド、タンパク質、糖などのマクロ分子の変性を起こさぬpHとする。
このような水溶液のpHとしては、タンパク質等のマクロ分子の変性を防止するため、好ましくは3〜10、さらに好ましくはたとえばタンパク質の場合、タンパク質の等電点付近のpHに保持することが望ましい。
また、本発明で用いる水溶液には、マクロ分子の活性を失活させず、マクロ分子のコンフォーメーションを阻害しない範囲で、有機溶剤を添加することもできる。有機溶剤としてはたとえば、トリフルオロエタノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、アセトニトリル、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
このような有機溶剤を混合する場合、その使用量は、用いる有機溶剤の種類にもよるが、たとえば水溶液100体積部に対して1〜100体積部の範囲にあることが望ましい。
一定量の範囲内の有機溶剤の添加により、重合反応中のマクロ分子のコンフォーメーション変化を抑制することができる。
その他の添加剤
本発明に係るマクロ分子識別ポリマーの製造においては、本発明の目的を阻害しない範囲で、その他の添加剤を添加することができる。その他の添加剤としては、たとえば、重合促進剤(N,N’,N’,N’−テトラメチレンジアミン等)、希釈剤、重合禁止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、防カビ剤、調湿剤、難燃化剤等が挙げられる。これらの添加剤は、1種単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。
支持体
本発明に係る分子識別ポリマーの製造方法により得られる分子識別ポリマーは、架橋度が高いため強度が高く、支持体がなくても型崩れしない。このため、そのままで使用することもできるが、予め、支持体上に、該分子識別ポリマーを設けた形態で使用することもできる。
この場合、支持体としては、無機系または有機系の固体物質を好ましく用いることができ、これらは、多孔質であっても非多孔質であってもよい。
無機系支持体としては、たとえば、シリカゲル、アルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカ−アルミナ、ゼオライト、ガラス、金等が挙げられる。これらのうちでは、ガラスまたは金を用いることが好ましい。
有機系支持体としては、メラミン樹脂ビーズ等の硬化樹脂ビーズを好ましく用いることができる。
支持体の形状は、粉末状、粒状、プレート状等の各種の形状を採ることができる。
このような支持体は、原料単量体の重合体との結合強度を高めるため、表面処理したものが好ましい。
たとえば、支持体としてガラスを用いた場合、表面処理剤としては、ビニル基を結合させたものを好ましく用いることができる。このようなビニル基を表面に有する支持体は、ビニル基を有するシランカップリング剤を用いて支持体を表面処理することにより得ることができる。また、アミノ基等の活性水素を有する官能基を表面に有する支持体に、塩化アクリロイル等の反応性ビニル化合物を反応させて得ることもできる。このようなビニル基を有する支持体を用いる場合は、支持体上に形成される重合体膜は、このビニル基と反応結合するため、重合体が支持体に強固に結合したものとすることができる。
またたとえば、支持体として金を用いた場合には、ビニル基を有し、かつ金表面と共有結合させるための−SH基や−S−S結合を有する有機化合物(たとえば、N,N’−ビス(アクロイル)−シスタミンなど)を金に接触させることで、金表面にビニル基を導入することができる。
マクロ分子識別ポリマーの製造方法
本発明に係るマクロ分子識別ポリマーの製造方法は、前記マクロ分子、前記架橋剤および前記ラジカル重合開始剤の存在下、前記水溶液中で前記原料単量体を重合し、内部にマクロ分子を含有する重合体を得る工程、および該マクロ分子を含有する重合体から前記マクロ分子を取り除き、マクロ分子の分子形状鋳型を有するポリマーを得る工程を含む。この場合前記架橋剤の25℃における水に対する溶解度は100質量%以上である。
前記重合反応は、たとえば、マクロ分子を含む水溶液に、原料単量体と架橋剤とを加えた後、窒素ガス等の不活性ガスで混合溶液をバブリングして溶液中の酸素を追い出し、さらに、重合開始剤及び必要に応じ重合促進剤等を添加して、放置し重合させることができる。
重合温度は、好ましくは室温(25℃程度)〜50℃、さらに好ましくは35〜40℃の温度範囲で、好ましくは1〜200時間程度の時間で行うことができる。重合温度が上記範囲より低いと、重合が不十分となり、あるいはゲルが膨潤した状態でマクロ分子の鋳型が作製されることがあり、精度の高い鋳型の複製ができないことがある。また、重合温度が上記範囲を超えると、たとえばタンパク質が変性し、変性タンパク質の鋳型ができてしまうこととなり、未変性の目的とするマクロ分子を認識できなくなることがある。
支持体上にマクロ分子識別ポリマーを形成させる場合は、前記支持体上で前記重合反応を行うことにより、支持体上に、タンパク質等のマクロ分子を含む重合体膜を形成させることができる。
さらに、本発明に係るマクロ分子識別ポリマーの製造方法は、このようにして得られた、内部にマクロ分子を含有する重合体から、該マクロ分子を除去して、その除去跡に所望の該マクロ分子の鋳型となる空孔を形成する。
具体的には、たとえば、ビーズ状(粒子状)のマクロ分子識別ポリマーを得る場合は、重合して得られたマクロ分子を含有する重合体を破砕し、その後水溶液等で洗浄し、鋳型マクロ分子を除去する。
また、フィルム状のマクロ分子識別ポリマーを得る場合には、原料単量体等を含む水溶液を平面状の基板上で重合させ、得られたフィルム状の内部にマクロ分子を含有する重合体を水溶液等で洗浄し、鋳型マクロ分子を除去する。
用いる洗浄用水溶液としては、前記マクロ分子と原料単量体を溶解した溶媒と同様に、蒸留水、精製水、超純水、各種塩溶液、リン酸等からなるpH緩衝液などを用いることができる。
マクロ分子を取り除きやすくするため、たとえば、尿素、塩酸グアニジン等のタンパク質変性剤、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルピリジニウムクロライド、オクチルグリコシドなどの界面活性剤を洗浄剤に添加することもできる。これらの変性剤、界面活性剤を使用した場合には、タンパク質等の洗浄後、変性剤、界面活性剤等を取り除くため、蒸留水、精製水、超純水、各種塩溶液、リン酸等からなるpH緩衝液などでさらに洗浄することが望ましい。
このようにして得られるマクロ分子識別ポリマーは、蒸留水などに浸漬して保存することができる。
マクロ分子識別ポリマー、その用途
本発明に係るマクロ分子識別ポリマーは、たとえば、前記ビニル系モノマーに由来する構成単位と、前記25℃における水に対する溶解度が100質量%以上であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートに由来する構成単位とを含む、マクロ分子の分子形状鋳型を有するマクロ分子識別ポリマーである。
前記ビニル系モノマーに由来する構成単位と前記ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートに由来する構成単位との含有割合は、前記ビニル系モノマーに由来する構成単位1モルに対し、前記ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートに由来する構成単位が、好ましくは1.5モル以上、より好ましくは2モル以上、さらに好ましくは5モル以上、特に好ましくは10モル以上の割合であり、前記ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートに由来する構成単位の含有割合の上限は、たとえば、前記ビニル系モノマーに由来する構成単位1モルに対して、好ましくは200モル以下、より好ましくは100モル以下、さらに好ましくは60モル以下、特に好ましくは40モル以下であることが望ましい。
これら前記ビニル系モノマーに由来する構成単位および前記ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートに由来する構成単位は、マクロ分子識別ポリマーの主たる構成成分であり、これらの合計が、マクロ分子識別ポリマー中、好ましくは50モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、特に好ましくは99モル%以上であることが望ましい。他の構成成分としては、他の異なるモノマー、ラジカル重合開始剤、その他の添加剤などが挙げられる。
このような本発明に係るマクロ分子識別ポリマーは、架橋度が高く、強度に優れ、水の吸収などによる膨張あるいは乾燥による収縮が実質的になく、型崩れすることがない。また、マクロ分子識別ポリマーを反復使用しても選択性の低下が小さい。
このようなマクロ分子識別ポリマーを水に浸漬(24時間以上浸漬)したときの体積変化率は、5%以下、好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下であることが望ましい。なお体積変化率の最小値は0%であることが望ましい。また、水に浸漬したマクロ分子識別ポリマーを乾燥させた場合の体積変化率もこれと同様の範囲にあることが望ましい。
このようなマクロ分子識別ポリマーの形状は、フィルム状あるいはビーズ状(粒子状)などが挙げられ、限定されない。
このようなフィルムの厚さは、用途により異なり限定されないが、例えば、好ましくは1〜100μmの範囲にあればよい。
また、ビーズ状で用いる場合、その平均粒径は、用途により異なり限定されないが、好ましくは1〜100μmの範囲にあればよい。
このうち本発明のマクロ分子識別ポリマーは、マクロ分子の鋳型の複写が極めて忠実に行われ、重合体の強度が高く、鋳型の型崩れがないため、支持体を用いずにフィルム状で使用することができる。
本発明のマクロ分子識別ポリマーは、分取目的のタンパク質等のマクロ分子を含む混合溶液から、目的のマクロ分子をスクリーニング(分取)するのに用いることができる。したがって、スクリーニングにおいて、本発明のマクロ分子識別ポリマーは、たとえば特定のタンパク質等のマクロ分子を検出するためのセンサーとしてや、これまで抗体を用いて行っていた分析系、測定系において抗体に代わって用いることができる。具体的には、フィルム状のマクロ分子識別ポリマーは、たとえば分子認識用チップとして用いることが可能である。またビーズ状のマクロ分子識別ポリマーは、たとえばカラム用充填剤などとして有用である。
混合液中に30秒間窒素ガスを導入し酸素を除いた。この溶液に26μmolの2,2’−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕ジヒドロクロライド(VA−044(商品名)、和光純薬工業株式会社製、以下「ABIPD」ということがある。10時間半減期温度44℃(水中))を添加した。
さらに、混合溶液を窒素ガスで2分間パージし、37℃の温度で60時間保持し、重合体を得た。
得られた重合体を乳鉢で砕き、ふるいを通して0.02〜0.045mmの粒径範囲の重合体を分別、収集した。その重合体を20mMリン酸緩衝液(10mL、pH5.6)で5回洗浄し、鋳型としたSAが洗浄溶液の上澄み液中に含まれていないことを確認した。このようにしてSAが取り除かれたマクロ分子識別ポリマー(1)を調製した。
〔比較調製例1〕
実施例1において、鋳型分子となるSAを加えなかったこと以外は、実施例1と同様にして参照用ポリマー(1)を調製した。
混合液中に30秒間窒素ガスを導入し酸素を除いた。この溶液に26μmolのABIPDを添加した。
さらに、混合溶液を窒素ガスで2分間パージし、37℃の温度で60時間保持し、重合体を得た。
得られた重合体を乳鉢で砕き、ふるいを通して0.02〜0.045mmの粒径範囲の重合体を分別、収集した。その重合体を20mMリン酸緩衝液(10mL、pH5.6)で5回洗浄し、鋳型としたSAが洗浄溶液の上澄み液中に含まれていないことを確認した。このようにしてSAが取り除かれたマクロ分子識別ポリマー(2)を調製した。
〔比較調製例2〕
実施例2において、鋳型分子となるSAを加えなかったこと以外は、実施例2と同様にして参照用ポリマー(2)を調製した。
〔比較調製例3〕
実施例3において、鋳型分子となるSAを加えなかったこと以外は、実施例3と同様にして参照用ポリマー(3)を調製した。
〔比較調製例4〕
実施例4において、鋳型分子となるSAを加えなかったこと以外は、実施例4と同様にして参照用ポリマー(4)を調製した。
〔実施例1の評価〕
実施例1で得られた粒子状のマクロ分子識別ポリマー(1)および比較調製例1で得られた粒子状の参照用ポリマー(1)を、それぞれ液体クロマトグラフィー用のステンレスカラム(内径4.6mm、長さ10cm)に充填した。リン酸緩衝液(80体積%)とアセトニトリル(20体積%)との混合溶液を調製した。前記移動相をカラム温度25℃で毎分0.5mLの流速で流し、SAと、比較用のアンジオテンシンII(アメリカンペプチド社製、アミノ酸配列:Asp−Arg−Val−Tyr−Ile−His−Pro−Phe、以下「AII」ということがある)、Gly−Leu−Tyr(シグマ社製、以下「GLY」ということがある)との分離分析実験を行った。
マクロ分子識別ポリマー(1)および参照用ポリマー(1)のこれらのタンパク質識別能は、UV検出器を用い、215nmにおけるモニター法により評価した。
その結果を表1に示す。
表1の結果から、マクロ分子識別ポリマー(1)の鋳型の形成状況を示すI値が1.24(0.56/0.45)であることから、調製例1のマクロ分子識別ポリマー(1)には、SAの分子形状鋳型が形成されていることが確認された。
なお、I値は、SAの型を有するマクロ分子識別ポリマー(1)と、型を有しない参照用ポリマー(1)との間の、SAの分離能を示し、I値が1と離れるほど、SAの型が有為に形成されていることを意味する。
また、マクロ分子識別ポリマー(1)のSAに対する選択性を示す分離係数α値が2.80(0.56/0.20)であることから、このマクロ分子識別ポリマー(1)は、AIIを識別する機能を有することが確認された。
なお、α値は、マクロ分子識別ポリマー(1)を用いる場合の、AIIに対するSAの分離能、すなわちAIIとの相対比較によるSAに対するマクロ分子識別ポリマー(1)の選択性を示し、α値が1と離れるほど、選択性が高くなったことを意味する。
〔実施例2〜4の評価〕
実施例1の評価と同様にして、実施例2〜5で得られたマクロ分子識別ポリマー(2)〜(4)について、それぞれ対応する参照用ポリマー(2)〜(4)を用いて、SAと、比較用のAII、GLYとの分離分析実験を行った。結果を表1に示す
混合液中に30秒間窒素ガスを導入し酸素を除いた。この溶液に72μL(26μmol)のABIPDを添加した。
さらに、混合溶液を窒素ガスで2分間パージし、37℃の温度で60時間保持し、重合体を得た。
得られた重合体を乳鉢で砕き、ふるいを通して0.02〜0.045mmの粒径範囲の重合体を分別、収集した。その重合体を240mMリン酸二水素ナトリウム水溶液(7mL、pH5.6)で5回洗浄し、さらに12mMリン酸二水素ナトリウム水溶液(7mL、pH5.6)で2回洗浄し、鋳型としたSAが洗浄溶液の上澄み液中に含まれていないことを確認した。このようにしてSAが取り除かれたマクロ分子識別ポリマー(5)を調製した。
〔比較調製例5〕
実施例5において、鋳型分子となるSAを加えなかったこと以外は、実施例5と同様にして参照用ポリマー(5)を調製した。
〔比較例1〕
実施例5において、26μmolのABIPDを用いる代わりに、44μmolの過硫酸アンモニウム(和光純薬工業株式会社製)および34μmolのテトラメチルエチレンジアミン(和光純薬工業株式会社製、以下「TEMED」ということがある。)を併用したこと以外は、実施例6と同様にして、比較ポリマー(1)を調製した。
〔比較調製例6〕
比較例1において、鋳型分子となるSAを加えなかったこと以外は、比較例1と同様にして参照用ポリマー(6)を調製した。
〔比較例2〕
実施例5において、26μmolのABIPDを用いる代わりに、19μmolのアゾビスメトキシバレロニトリル(和光純薬工業株式会社製)、以下「ABMODV」ということがある。)を用いたこと以外は、実施例6と同様にして、比較ポリマー(2)を調製した。
〔比較調製例7〕
比較例2において、鋳型分子となるSAを加えなかったこと以外は、比較例3と同様にして参照用ポリマー(7)を調製した。
〔実施例5の評価〕
実施例1の評価と同様にして、実施例5で得られたマクロ分子識別ポリマー(5)について、参照用ポリマー(5)を用いて、SAと、比較用のGLYとの分離分析実験を行った。結果を表2に示す。
〔比較例1、2の評価〕
実施例1の評価と同様にして、比較例1、2で得られた比較ポリマー(1)、(2)について、対応する参照用ポリマー(6)、(7)を用いて、SAと、比較用のGLYとの分離分析実験を行った。結果を表2に示す。
〔体積変化率の評価〕
実施例3で得られた、1日以上水中に浸漬しているマクロ分子識別ポリマー(3)のうちから、平均直径が67.97μmのポリマー粒子(A)および平均直径が38.63μmのポリマー粒子(B)をそれぞれ1個づつ採取した。採取は、顕微鏡(400倍)で行った。
これらのポリマー粒子を、室温下、風乾し、平均直径の時系列変化(0分、30分、120分、1000分)を調べた。平均直径は、顕微鏡下に、3方向からポリマー粒子の直径を計測し、その平均をとったものである。
以上の結果を表3に示す。表3から分かるとおり、1,000分後のポリマー粒子が乾燥した後においても、ポリマー粒子(A)、(B)いずれにおいても平均直径の変化は実質的に確認されず、本発明の方法で得られたポリマー粒子は、高度に架橋され、鋳型形状が確実に形成されていると認められた。
Claims (15)
- マクロ分子、架橋剤およびラジカル重合開始剤の存在下、水溶液中で原料単量体を重合し、内部にマクロ分子を含有する重合体を得る工程、および
該マクロ分子を含有する重合体からマクロ分子を取り除き、マクロ分子の分子形状鋳型を有するマクロ分子識別ポリマーを得る工程からなり、
前記架橋剤の25℃における水に対する溶解度が100質量%以上であることを特徴とするマクロ分子識別ポリマーの製造方法。 - 前記架橋剤が、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートの数平均分子量が400以上であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
- 前記原料単量体1モルに対する、前記架橋剤の使用量が、1モル〜200モルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 前記ラジカル重合開始剤が、水溶性アゾ化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- 前記ラジカル重合開始剤が、10時間半減期温度が30℃〜50℃の範囲にある重合開始剤であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
- 前記マクロ分子が、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、糖またはこれらの誘導体であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
- 前記ポリペプチドが、3〜5000のアミノ酸またはその誘導体であることを特徴とする請求項8に記載の方法。
- 前記原料単量体が、ビニル系モノマーであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
- ビニル系モノマーに由来する構成単位と、25℃における水に対する溶解度が100質量%以上であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートに由来する構成単位とを含む、マクロ分子の分子形状鋳型を有するマクロ分子識別ポリマーであって、
該マクロ分子識別ポリマーを水に浸漬したときの体積変化率が5%以下であることを特徴とするマクロ分子識別ポリマー。 - 前記ビニル系モノマーに由来する構成単位および前記ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートに由来する構成単位が、前記ビニル系モノマー1モルに対して、前記ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートを1モル〜200モルの割合で重合させて得られたことを特徴とする請求項11に記載のマクロ分子識別ポリマー。
- 請求項11または12に記載のマクロ分子識別ポリマーからなるマクロ分子識別用フィルム。
- 請求項11または12に記載のマクロ分子識別ポリマーからなるマクロ分子識別用ビーズ。
- 請求項13に記載のマクロ分子識別用フィルムまたは請求項14に記載のマクロ分子識別用ビーズに結合する条件下で、複数のマクロ分子を該マクロ分子識別用フィルムまたは該マクロ分子識別用ビーズに接触させて、マクロ分子をスクリーニングする方法。
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