JP4852743B2 - 吸着剤及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、キトサン誘導体を利用した吸着剤及びその製造方法に関する。
キトサンの原料はキチンであり、キチンは、カニやエビ等の甲殻類の骨格を形成している構成成分であり、セルロースに類似した構造の窒素を含む多糖類である。そのキチンの原料は、水産加工業から大量に廃棄されるエビ・カニ殻である。キチンの脱アセチル化物であるキトサンは第一級アミノ基を有するカチオン性の高分子であり、繊維、膜、スポンジ、ビーズ等様々な形態に加工でき、機能性材料として期待されている。これらのキチンやキトサンはキチン質と呼ばれ、健康食品成分として利用される他、医療材料、凝集剤やクロマトグラフィー用充填剤等として利用されているが、その量は僅かであり、大部分は不要物として廃棄処分されているのが現状である。また、キチン質の廃棄処理は運搬、廃棄場所など種々の規制があり、それに要するコストも高くつく。そのため、キチン質の有効利用に関する研究が望まれている。
一方、希薄な貴金属の回収は市販のキレート樹脂を用いて行われている。例えば1ppm以下のような極低濃度の貴金属の完全な回収は、これらのキレート樹脂を用いて行われているが、これらの樹脂は再利用ができなく、工業的には不経済な分離法となっている。その大きな理由は、極希薄な貴金属を回収するためには貴金属に対して高い吸着能力を有する硫黄を配位原子とするキレート樹脂が使用されているが、その吸着した貴金属の溶離は難しく、現在は貴金属を吸着した樹脂を焼却することによって貴金属の回収が行われており、樹脂の繰り返し使用はできない状況である。また、焼却処理しても樹脂によっては完全燃焼できずに、純度の高い貴金属の回収は難しい状況である。更に、地球環境保全の観点からも合成高分子の焼却処理は好ましくない。
現在、このような極希薄な溶液からの金属イオン、薬剤及び農薬等の回収・除去のために高選択的な吸着剤の開発が行われている。その一つとして、合成高分子を用いて樹脂内にターゲットとなる分子の鋳型を形成させることにより、その分離効率を高めることができる分子インプリント法が注目されている。しかしながら、この方法はターゲットとなる物質と相互作用するモノマーを原料とし、それらを樹脂化するために架橋剤としてジビニルベンゼン(DVB)を用いて製造しているために、以下のような欠点が指摘されている。まず、相互作用する部位を増やそうとすると樹脂化ができないために吸着容量が極めて小さく(<0.1mmol/g)、分子鋳型を確実に創ろうとするとDVBの量が増え、細孔が小さくなり吸着速度が非常に遅い結果となる。
一方、キトサン誘導体を利用した吸着剤としては、キトサンのアミノ基にピリジン環又はチオフェン環を導入したキトサン誘導体からなる吸着剤(特許文献1)、キトサンのアミノ基にポリアミノカルボキシル基を有する炭化水素鎖を導入したキトサン誘導体からなる吸着剤(特許文献2)、キトサンのアミノ基にビス(カルボキシアルキル)アミノアルキルカルボニル基を導入したキトサン誘導体からなる吸着剤(特許文献3)、キトサンのC位の炭素がチオ尿素で修飾されたキトサン誘導体からなる吸着剤(特許文献4)、キトサンのアミノ基に4−(アルキルチオ)ベンジル基を導入したキトサン誘導体からなる吸着剤(特許文献5)等が知られている。
しかしながら、今までに、キトサン誘導体等の多糖類を材料にインプリント法により合成された吸着剤の開発は全く行われていない。
特開平6−227813号公報 特開平8−103652号公報 特開平10−204104号公報 特開2000−264902号公報 特開2004−255302号公報
本発明は、高い選択性、高い吸着容量及び高い吸着速度を有する吸着剤及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、以下の発明を包含する。
(1)キトサン誘導体を原料とし、分子インプリント法により形成された鋳型物質の認識部位を有する樹脂を含む吸着剤。
(2)鋳型物質が金属イオンである前記(1)に記載の吸着剤。
(3)鋳型物質が貴金属イオンである前記(1)に記載の吸着剤。
(4)鋳型物質がアミノ酸である前記(1)に記載の吸着剤。
(5)鋳型物質がタンパク質である前記(1)に記載の吸着剤。
(6)キトサン誘導体が、キトサンのアミノ基に、鋳型物質と複合体を形成しうる官能基を導入してなるものである前記(1)〜(5)のいずれかに記載の吸着剤。
(7)キトサン誘導体と鋳型物質とを接触させて複合体を形成させた後、架橋剤を加えて架橋させ、次いで、鋳型物質を除去することを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の吸着剤の製造方法。
(8)前記(7)に記載の製造方法により得られた吸着剤。
本発明によれば、キトサン又はキトサン誘導体を用いて、分子インプリント法(分子鋳型法)により、ターゲットとなる金属イオン等の鋳型物質の認識部位が樹脂内にインプリント(鋳型)されたキトサン誘導体樹脂を簡単に製造することができる。しかも現在、廃棄処分されている蟹や海老の殻に含まれているキチン質を原料としているために、バイオマス廃棄物の有効利用となるだけでなく、既存の有機高分子モノマーを用いる製造方法と比較して、極めて低コストで製造することができる。
更に、極低濃度の貴金属イオンの回収に最適であり、しかも樹脂は再利用できることにより、その工業的回収への実用化が期待される。
本発明において、原料としてはキトサンを用いることもできるが、1ppm以下の貴金属のように、極低濃度のターゲットの回収に適用するためには、共存するほかの金属イオンとの選択性を高める必要がある。そのためには、キトサンのアミノ基以外にキレート環を形成するように別の配位原子が適切な位置に来るように分子設計することが重要であり、キトサンのアミノ基を利用して、錯体(キレート)等の複合体を形成する能力を有する官能基(硫黄類(−SH,−S−)、リン酸類、カルボン酸類、アミン類(含複素環)、スルホン酸類、あるいはこれらを組み合わせたもの)を導入することが好ましい。
このような官能基の導入方法としては、キトサンを、ピリジン−2−アルデヒド等のピリジン環を有するアルデヒド化合物又はチオフェン−2−アルデヒド等のチオフェン環を有するアルデヒド化合物と反応させてシッフ塩基を形成させた後、水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤で還元する方法(特許文献1)、キトサンを無水ジエチレントリアミン5酢酸等と反応させてポリアミノカルボキシル基を有する炭化水素鎖を導入する方法(特許文献2)、キトサンをアミノトリカルボン酸と反応させてビス(カルボキシ−C1−3アルキル)アミノ−C1−3アルキルカルボニル基を導入する方法(特許文献3)、キトサンをイソチオシアン酸メチル、イソチオシアン酸エチル、イソチオシアン酸フェニル等のイソチオシアン酸エステルと反応させてチオ尿素で修飾されたキトサン誘導体を得る方法(特許文献4)、キトサンを4−(アルキルチオ)ベンズアルデヒドと反応させた後、水素化ホウ素ナトリウムによって還元して4−(アルキルチオ)ベンジル基を導入する方法(特許文献5)が挙げられる。
前記キトサン誘導体と鋳型物質とを接触させて複合体を形成させた後、架橋剤を加えて架橋させ、次いで、鋳型物質を除去することにより、本発明の吸着剤を製造することができる。
鋳型物質(ターゲット物質)としては、分離可能な複合体、例えば錯体を形成しうるものであれば特に制限はなく、例えば、金属イオン(例えば、パラジウム、金、白金、銀、イリジウム等の貴金属イオン)、銅、ニッケル、コバルト、カドミウム、鉛、鉄、亜鉛、インジウム、ガリウムなどのベースメタル、あるいはユーロピウム、ネオジウム、プラセオジウムなどの希土類元素などが挙げられる。更に、アミノ酸、ペプチド、タンパク質などが挙げられる。
架橋剤としては、例えばエピクロロヒドリン、ジアルデヒド類、ジグリシジル類などのキトサンの6位の一級アルコールと反応する2官能基を有するものが挙げられる。
鋳型物質の除去は、金属イオンでは酸やアルカリ溶液、EDTA溶液、チオ尿素溶液を用い、アミノ酸やタンパク質では尿素、酸、アルカリ溶液、アルコール類、界面活性剤、及び尿素溶液を用いることにより行うことができる。
キトサン誘導体を材料にターゲットを金属イオンとした場合の分子インプリント法による金属イオンの高選択的吸着剤の調製法の概念図を図1に示す。
本発明で用いる分子インプリント天然高分子は、球状体、粉末状、ペレット状、細片状、粗大粒子状、繊維状、織布状等の種々の形状をとることができる。球状体及び繊維状の原料は、溶液状態で、まず天然高分子材料と鋳型物質の複合体を形成し、複合体を溶液状態かゾル状態にし、これをノズルから球状及び繊維状で吐出させて固化することによりそれぞれの形状をもった複合体を得ることができる。また、織布状原料は、維状原料を布状に繊成することによって得ることができる。その後、架橋剤によって架橋し、鋳型物質を除去することによって、ターゲット物質の鋳型構造を有する吸着剤を得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
(参考例1)架橋ピリジルメチルキトサン(PMC)の調製
PMCの構造を以下に示した。
Figure 0004852743
キトサン10gを2wt%の酢酸水溶液500mlに溶解させた。その溶液に60g(キトサンの10倍モル量)の2−ピリジンアルデヒド溶液を滴下してシッフ塩基を形成させ、一晩放置した。その後、ゲル化したキトサンシッフ塩基をアセトン中に浸し、十分に洗浄した。このゲルを架橋するために洗浄したキトサンシッフ塩基をDMSO中で膨潤させ、100gのエピクロロヒドリンを十分含浸させ、0.2mol dm−3の水酸化ナトリウム200mlを加えて45℃で24時間撹拌し、架橋を行った。その後、テトラヒドロホウ酸ナトリウムを用いてシッフ塩基を還元した。ろ過後、1mol dm−3の水酸化ナトリウムに浸漬してから中性になるまで水洗し、減圧乾燥したものを試料とした。
(実施例1)パラジウム(II)鋳型ピリジルメチルキトサン(PIPMC)の調製
PMCとPd(II)を用いた分子鋳型法の概念図を図2に示した。キトサン10gを2wt%の酢酸水溶液500mlに溶解した。その溶液に60g(キトサンの10倍モル量)の2−ピリジンアルデヒド溶液をゆっくりと滴下し、シッフ塩基を形成させ、一晩放置した。その後、ゲル化したキトサンシッフ塩基をアセトン中に浸し、十分に洗浄した。ゲルを蒸留水に浸し、テトラヒドロホウ酸ナトリウムを用いてシッフ塩基を還元し、架橋されていないピリジルメチルキトサン(PMC)を得た。このPMCを0.1mol dm−3の塩酸200mlに溶解し、50mmol dm−3の塩化パラジウム(II)を100ml加えて、PMC‐Pd(II)の錯体ゾルを形成した。このゾルを架橋するためにDMSOとエピクロロヒドリンを十分含浸させ、0.2mol dm−3の水酸化ナトリウム200mlを加え、45℃で24時間撹拌し、架橋を行った。次に、架橋されたPMCを1mol dm−3チオ尿素と0.1mol dm−3塩酸の混合溶液に浸漬し、Pd(II)が完全に除去されるまで何度も浸漬と水洗を繰り返した。最後に、1mol dm−3の水酸化ナトリウムに浸漬してから中性になるまで水洗し、減圧乾燥したものを試料とした。
(実施例2)
(1)PMC及びPIPMCによる金属イオン吸着選択性
実験はすべてバッチ法により行った。金属水溶液として、各金属を1ppm含む1M(=mol/dm)硝酸アンモニウム溶液を用いた。水溶液のpHは25%アンモニア水と5N硝酸を用いて調整した。各金属溶液15mlに0.01gの樹脂(PMC又はPIPMC)を加え、30℃恒温槽中で24時間振盪した。平衡前後の金属イオンの定量は、原子吸光光度計(PERKIN ELMER AAnalyst 100)を用いて測定した。本実験で用いた金属は、銅(II)、パラジウム(II)、金(III)、ニッケル(II)、コバルト(II)、亜鉛(II)、カドミウム(II)である。
なお、吸着特性を評価するにあたり、吸着量q及び吸着率を次式により求めた。
q=(C−C)×15/w
%=((C−C)/C)×100
q:吸着量[mmol g−1]、%:吸着率、
:金属初濃度[mmol dm−3]、C:金属平衡濃度[mmol dm−3]、
w:樹脂量[g]
各種金属イオンの吸着率に及ぼす平衡pHの影響
PMC及びPIPMCによる各金属イオンの吸着率に及ぼすpHの影響を、それぞれ図3及び図4に示した。
これらの結果から明らかなように、鋳型を有していないPMCはパラジウム(II)を低pH領域(pH=0〜1)から吸着するが、pHが高くなるにつれてパラジウム(II)の吸着量が急激に低下し、中性付近ではほとんど吸着しなかった。一方、PIPMCはPd(II)に対して低pH領域からpH5付近まで、ほぼ100%の吸着率を示し、中性付近でも60%を超える吸着率を示した。これは分子インプリント法によるパラジウム(II)の鋳型効果が発現したことを示す。
更に、ここでは平面四配位構造をとるパラジウム(II)を鋳型金属としたことにより、金(III)、ニッケル(II)及び銅(II)などの他の平面四配位構造をとる金属イオンも選択的に吸着されている。一方、六配位八面体構造をとる亜鉛(II)、カドミウム(II)及びコバルト(II)は、PMCによる吸着とPIPMCによる吸着がほとんど同じpH依存性を示しており、本法が鋳型金属イオンの錯体構造をも認識できる非常に効果的な方法であることが明らかとなった。
PIPMCは硝酸アンモニウム溶液から平面四配位構造をとる金属に対して高い親和性を示し、例えばニッケル(II)に対してpH3付近で90%を超える吸着率を示している。日本におけるコバルト生産に使用するコバルト硫化鉱にはニッケルを含むものが多く使用されており、コバルトとニッケルを分離する必要がある。本実験結果から、PIPMCはコバルト鉱石の浸出液(pH=2付近)からのニッケルを高選択的に分離・回収するための吸着剤として適していると思われる。
(2)PMC及びPIPMCによるパラジウム(II)の吸着速度
1ppmのパラジウム溶液(HCl 0.1mol dm−3)15mlにPMC及びPIPMCを0.01g加え、30℃の恒温槽内で5分〜24時間振盪後、ろ紙でろ過した。ろ液内のパラジウムの濃度を原子吸光光度計で測定した。結果を図5に示した。
図5から明らかなように、PMCによるパラジウム(II)の吸着は約8時間で平衡に達しているのに対し、PIPMCの場合は1時間で平衡に達した。
前述したように、一般に有機合成高分子を用いた分子インプリント法では、吸着速度が激減することが指摘されていたが、本法によればキトサン誘導体自体が高分子であるために、架橋することによって金属イオンが透過することができる細孔が形成されるために吸着速度が増加したものと考えられる。しかも、その通り道にはパラジウム(II)の鋳型が形成されており、パラジウムに対する親和性が高くなったことを示している。前述したように、これは今までに数多く報告されている有機合成高分子によって調製された鋳型樹脂と大きく異なる点である。
(3)PMC及びPIPMCによるパラジウム(II)の飽和吸着量
0.05gのPMC及びPIPMCを0.01〜25mM PdCl(0.1N HCl)15mlに加えて24時間振盪した。24時間後、ろ液を希釈してパラジウムの濃度を原子吸光光度計で測定した。結果及び吸着等温線を図6に示した。
PMC及びPIPMCによるパラジウム(II)の吸着反応は、Langmuir型の単分子層吸着を示し、それぞれの飽和吸着量(q)及び吸着平衡定数(Kad)を表1に示した。
Figure 0004852743
PIPMCはPMCと比べ飽和吸着量が増加しており、吸着平衡定数がPMCの約2倍大きい。このことは、PIPMCが低濃度のパラジウム(II)に対して高い親和性を有していることを示している。実際にPIPMCは低い濃度で存在するパラジウム(II)を定量的に吸着した。これは、PIPMCがパラジウム(II)の鋳型を有しており、PIPMCが持っているキレート配位子がパラジウム(II)に対して鋳型のような働きをし、親和性が非常に高くなっているためであると考えられる。これらの結果から、PIPMCは1ppm以下という極低濃度のパラジウム(II)を回収ための最適化された吸着剤として期待される。
キトサンを基材として各種のキトサン誘導体を容易に合成することができるため、本発明は、基本的には全てのターゲット物質に適用され、その応用分野は広い。特に、環境保全や資源回収などの分野で使用できる。
キトサン誘導体を材料にターゲットを金属イオンとした場合の分子インプリント法による金属イオンの高選択的吸着剤の調製法の概念図である。 PMCとPd(II)を用いた分子鋳型法の概念図である。 PMCによる金属イオンの吸着率に及ぼす平衡pHの影響を示す図である。 PIPMCによる金属イオンの吸着率に及ぼす平衡pHの影響を示す図である。 パラジウム溶液(HCl 0.1mol dm−3)からPMC及びPIPMCに吸着されたパラジウム(II)の量に及ぼす接触時間の影響を示す図である。 PMC及びPIPMCによるパラジウム(II)の吸着等温線を示す図である。

Claims (8)

  1. キトサン誘導体を原料とし、鋳型物質として平面四配位構造をとる金属イオンを用いる分子インプリント法により形成された平面四配位構造をとる金属イオン又はその錯体の認識部位を有する樹脂を含む吸着剤。
  2. 鋳型物質として用いる平面四配位構造をとる金属イオンがパラジウム(II)イオン、金(III)イオン、ニッケル(II)イオン及び銅(II)イオンから選ばれる請求項1記載の吸着剤。
  3. 鋳型物質として用いる平面四配位構造をとる金属イオンがパラジウム(II)イオンである請求項1記載の吸着剤。
  4. キトサン誘導体が、キトサンのアミノ基に、平面四配位構造をとる金属イオンと複合体を形成しうる官能基を導入してなるものである請求項1〜のいずれか1項に記載の吸着剤。
  5. キトサン誘導体と鋳型物質とを接触させて複合体を形成させた後、架橋剤を加えて架橋させ、次いで、鋳型物質を除去することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の吸着剤の製造方法。
  6. 請求項記載の製造方法により得られた吸着剤。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸着剤を用いる平面四配位構造をとる金属イオン又はその錯体の回収方法。
  8. 平面四配位構造をとる金属イオン又はその錯体がパラジウム(II)イオン、金(III)イオン、ニッケル(II)イオン及び銅(II)イオン並びにそれらの錯体から選ばれる請求項7記載の回収方法。
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