JP2003284947A - 吸着剤及びその製造方法 - Google Patents

吸着剤及びその製造方法

Info

Publication number
JP2003284947A
JP2003284947A JP2002089238A JP2002089238A JP2003284947A JP 2003284947 A JP2003284947 A JP 2003284947A JP 2002089238 A JP2002089238 A JP 2002089238A JP 2002089238 A JP2002089238 A JP 2002089238A JP 2003284947 A JP2003284947 A JP 2003284947A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dioxin
meth
adsorbent
acrylate
template
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002089238A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuyuki Oishi
和之 大石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2002089238A priority Critical patent/JP2003284947A/ja
Publication of JP2003284947A publication Critical patent/JP2003284947A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率よくダイオキシン類を吸着させることが
でき、しかも製造上あるいは使用上から危険性のより少
ない吸着剤及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 ダイオキシンに対する鋳型構造を有する
高分子粒子からなる吸着剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は吸着剤及びその製造
方法に関し、特にダイオキシン類を効率的に吸着できる
吸着剤及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】排水などを含む環境水や土壌、あるいは
大気といった環境試料中のダイオキシン類には毒性の強
いものがあり、早急な除去対策が必要とされている。ダ
イオキシン類は疎水性が強いため、活性炭などの疎水性
吸着剤に吸着されやすいが、その吸着性能はまだ不十分
であった。また、吸着性能の特異性が低いため、他の吸
着不要の疎水性物質までも吸着しやすく、頻繁な交換が
必要となるため、コスト面から不利であった。
【0003】一方、ある種の被吸着物質を効率よく吸着
させる担体として、鋳型構造を有する高分子(以下、鋳
型高分子という)が知られている。これは被吸着物質あ
るいはその一部の構造に対する鋳型構造を有する高分子
を調製することにより、より特異的に該構造をつかまえ
ようとするものである。
【0004】例えば特開2000−135435号に
は、エストロゲン化合物またはエストロゲン様物質に対
する鋳型構造を有する高分子分離剤が開示されている。
しかし、この方法では、ダイオキシン類に対する言及は
なされておらず、また、その製造方法自体は公知の方法
が使用できると記されている。ここでいう公知の方法と
は、吸着対象となるエストロゲン(様)化合物(鋳型ゲ
スト)を重合性単量体と混合し、重合させた後、鋳型ゲ
ストを除去することにより、ゲスト化合物に対する鋳型
構造を有する重合体を形成する方法である。
【0005】しかしながら、ダイオキシン類のように、
吸着対象物が多数の異性体を含んでおり、該異性体のほ
とんど全てを吸着させたい場合には、多くの異性体を単
量体に混合して重合を行う必要があり、実際には製造が
不可能であった。また、ダイオキシン類のような毒性の
大きい物質を吸着剤製造時に取り扱うことは、作業環境
上から好ましくなく、さらに吸着剤として使用する際
に、吸着剤表面に残存するダイオキシン類が遊離し、か
えって環境汚染を招くことにもなりかねなかった。
【0006】以上のように、公知の鋳型高分子の製造方
法では、ダイオキシン類に対する鋳型高分子を調製する
ためには大きな困難が伴うという問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、ダイオキ
シン類の中で毒性係数が0であるジベンゾ−p−ジオキ
シン又はnクロロジベンゾ−p−ジオキシン(n=1〜
3)を鋳型形成物質(鋳型ゲスト)として用いることに
より、製造上あるいは使用上の危険性を最小限に抑え、
かつ他のダイオキシン異性体をも効率よく吸着できる吸
着剤を製造できることを見出した。さらに本吸着剤はダ
イオキシン類以外のベンゼン環含有有機化合物をも吸着
できることを見出した。
【0008】本発明は、上記従来の欠点を解消し、その
目的は、効率よくダイオキシン類を吸着させることがで
き、しかも製造上及び使用上から危険性のより少ない吸
着剤及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の吸着剤は、ダイ
オキシンに対する鋳型構造を有する高分子粒子からなる
ことを特徴とする。
【0010】以下、本発明の詳細を説明する。本発明の
吸着剤は、ダイオキシン類に対する鋳型構造を有する鋳
型高分子粒子よりなる。上記ダイオキシン類とは、ポリ
ハロゲン化ジベンゾ−p−ジオキシン、ポリハロゲン化
−p−ジベンゾフラン、コプラナーポリ塩素化ビフェニ
ル(PCB)を含む全ての総称であり、ハロゲン体とし
ては塩素化体及び臭素化体を含む一群から選ばれる少な
くとも1種が挙げられる。さらに、これらの無塩素化体
も含まれる。
【0011】上記鋳型構造を有する鋳型高分子の形態
は、特に制限が無く、粒子状、シート状、フィルター
状、膜状、繊維状など如何なる形態であっても良い。こ
れらの中で、取り扱いの利便性及び表面積の大きさ等か
ら粒子状が特に好ましい。また、吸着剤に機械的強度を
付与するため、鋳型高分子は架橋重合体であることが好
ましい。
【0012】上記鋳型高分子の鋳型部分以外は、従来公
知の高分子材料によって形成されてもよい。鋳型の形成
が可能なものであれば、鋳型高分子を構成する重合性単
量体についても、特に制限はない。
【0013】上記鋳型高分子を形成する重合性単量体と
しては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)ア
クリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどのア
ルキル(メタ)アクリレート類;フェニル(メタ)アク
リレート;ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メ
タ)アクリレート2,3−ジヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メ
タ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;
スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、クロ
ロメチルスチレンなどのスチレン系単量体;エチレン、
プロピレンなどのオレフィン系単量体;酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニル
エーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル類
が挙げられる。これらの単量体は単独で用いられてもよ
く、2種以上を混合して用いてもよい。さらに必要に応
じて、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸;
ビニルスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリ
ル、(メタ)アクロレイン、ビニルピリジン類、ビニル
ピロリドン類などの官能基含有単量体を併用してもよ
い。
【0014】上記架橋重合体からなる鋳型高分子は、重
合性単量体に架橋性単量体を加えて重合されたものが好
ましい。架橋性単量体としては、公知のものを用いるこ
とができ、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポ
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレング
リコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート類;トリメチロールエタン
トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、テトラメチルロールメタント
リ(メタ)アクリレート、テトラメチルロールメタンテ
トラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘ
キサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパン
テトラ(メタ)アクリレート;ヒドロキシピバリン酸ネ
オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3
−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−
ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチル
グリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシー
1,3−ジ(メタ)アクリロキシプロパン、2−ヒドロ
キシ−1アクリロキシー3−メタクリロキシプロパン、
ウレタン(メタ)ジアクリレート、グリセロールジ(メ
タ)アクリレート、グリセロールアクリレートメタクリ
レート、1,10−ジ(メタ)アクリロキシ−4,7−
ジオキサデカンー2,9−ジオール、1,10−ジ(メ
タ)アクリロキシ−5−メチル−4,7−ジオキサデカ
ン−2,9−ジオール、1,11−ジ(メタ)アクリロ
キシ−4,8−ジオキサウンデガンー2,6,10−ト
リオール等の(メタ)アクリル酸エステル類;メチレン
ビス(メタ)アクリルアミド;ジビニルベンゼン、ジビ
ニルトルエン、トリビニルトルエン等の芳香族系の架橋
性単量体などが挙げられる。これらは単独で用いられて
もよく、2種以上を混合して用いてもよい。上記架橋性
単量体の中でも、アクリル酸エステル、メタクリル酸エ
ステルが好ましく、両者は併用されてもよい。さらに好
ましくは、モノあるいはポリアルキレングリコールジ
(メタ)アクリレートである。
【0015】上記架橋体からなる鋳型高分子において、
上記架橋性単量体の使用割合は、用途等によって適宜決
定され、重合性単量体100重量部に対して100重量
部以下が好ましく、より好ましくは50重量部以下、さ
らに好ましくは20重量部以下である。
【0016】上記鋳型高分子は、重合性単量体と鋳型形
成物質であるダイオキシンとを混合し、重合開始剤の存
在下で重合反応を行い、その後、ダイオキシンを除去す
ることによって製造することができる。上記重合性単量
体は、非イオン性の単量体が特に好ましく、必要に応じ
て、架橋性単量体を加えることができる。
【0017】鋳型形成物質としては、ジベンゾ−p−ジ
オキシン、クロロジベンゾ−p−ジオキシン、ジクロロ
ジベンゾ−p−ジオキシン及びトリクロロジベンゾ−p
−ジオキシンから選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0018】上記重合反応としては、公知の重合方法、
例えば、懸濁重合法、分散重合法、ソープフリー乳化重
合法、シード重合法などの方法が挙げられる。これらの
中でも、操作の簡便性から、懸濁重合法を用いることが
好ましい。
【0019】上記懸濁重合法を用いる場合は、例えば、
水溶性分散剤を溶解した水性分散媒に、上記重合性単量
体(必要に応じて架橋性単量体添加)及び重合開始剤の
混合物を分散させ、さらに必要に応じて添加剤等を添加
した後、窒素雰囲気下で撹拌して昇温することにより重
合反応を行う方法が挙げられる。
【0020】上記水溶性分散剤としては、公知のものを
用いることができ、例えば、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム等の合
成高分子類;セルロース誘導体類;ゼラチン、でんぷん
等の水溶性高分子化合物;ヒドロキシアパタイト、リン
酸三カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム等
の無機塩類;各種界面活性剤などが用いられる。これら
の中で、合成高分子類が好ましく、より好ましくはポリ
ビニルアルコール、ポリビニルピロリドンである。
【0021】上記分散媒としては、水、公知の有機溶媒
などが用いられる。好ましくは、水単体又は、水と水溶
性有機溶媒との混合物である。
【0022】上記重合開始剤としては、特に限定され
ず、水溶性又は油溶性の公知のラジカル重合開始剤が用
いられる。上記重合開始剤の具体的な例としては、過硫
酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等
の過硫酸塩;クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイ
ルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、オクタ
ノイルパーオキサイド、o−クロロベンゾイルパーオキ
サイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルハイドロ
パーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t
−ブチルパーオキシイソブチレート、3,5,5−トリ
メチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオ
キシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパー
オキサイド等の有機過酸化物;2,2’−アゾビスイソ
ブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)、 4,4’−アゾビス(4−シア
ノペンタン酸)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチ
ロニトリル)、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル
等のアゾ化合物などが挙げられる。
【0023】上記重合開始剤の使用量は、上記重合性単
量体100重量部に対して0.05〜4重量部が好まし
く、より好ましくは0.08〜3重量部である。重合開
始剤の使用量が0.05重量部未満になると、重合反応
が不十分となったり、重合に長時間を要することがあ
り、4重量部を超えると、急激な反応の進行により、凝
集物が発生することがある。
【0024】さらに、上記重合反応時には、必要に応じ
て、公知の添加剤を添加してもよい。上記添加剤として
は、例えば、重合体を大孔径を有する多孔質体とするた
めの多孔質化剤(相分離剤)、連鎖移動剤、pH調節剤
などが用いられる。
【0025】上記多孔質化剤としては、例えば、イソア
ミルアルコール、オクタノール等のアルコール類;ヘキ
サン等の脂肪族系炭化水素;キシレン、トルエン等の芳
香族系炭化水素類などが挙げられる。
【0026】上記懸濁重合の反応条件は、用いる単量
体、重合開始剤等によって異なるが、重合温度20〜1
00℃で、0.5〜50時間反応させることが好まし
い。
【0027】重合反応終了後、得られた鋳型高分子を洗
浄し、ダイオキシンを除去することによって、本発明の
吸着剤となされる。洗浄は、有機溶媒で複数回行うこと
が好ましく、複数種の有機溶媒で複数回洗浄することが
より好ましい。
【0028】また、本発明の吸着剤は、上記重合性単量
体あるいは単量体混合物から重合された鋳型高分子を成
形材料として、公知の成形方法、例えば、射出成形法、
押出成形法、ブロー成形法などによって、所定の形状を
有する成形体とすることができる。
【0029】本発明の吸着剤は、特定のダイオキシン類
を鋳型形成物質とすることにより、この鋳型形成物質以
外のダイオキシン類に対しても優れた吸着性能を発揮す
ることが判明している。従って、毒性係数が0であるジ
ベンゾ−p−ジオキシン、クロロジベンゾ−p−ジオキ
シン、ジクロロジベンゾ−p−ジオキシン及びトリクロ
ロジベンゾ−p−ジオキシンから選ばれる少なくとも1
種を鋳型形成物質とする吸着剤を使用して、毒性の強い
ダイオキシン類を吸着させることができるという利点が
ある。さらに、本発明の吸着剤は、ダイオキシン類以外
のベンゼン環含有化合物に対しても優れた吸着性能を発
揮する。
【0030】さらに、本発明の吸着剤は、上記ダイオキ
シン類を初めとする有害化学物質を効率よく吸着するた
め、例えば、これらの有害化学物質の固相抽出用吸着
剤、浄化用吸着剤あるいは吸着用添加剤として用いるこ
とができる。これらの使用方法は、特に制限がなく、カ
ラム法やバッチ法などが好適に用いられる。さらに、こ
れらの有害化学物質を分析するための固定相、例えばク
ロマトグラフィー用充填剤として用いることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施例を示す。 (実施例1)トリエチレングリコールジメタクリレート
500gに、0.01重量%ジベンゾ−p−ジオキシン
のメタノール溶液10mL(ミリリットル)を添加し、
さらに過酸化ベンゾイル1gを溶解した。これを4重量
%ポリビニルアルコール水溶液2500mLに撹拌しな
がら分散させ、窒素雰囲気下で80℃に昇温した。80
℃で24時間重合した後、内容物をイオン交換水、トル
エン及びアセトンで洗浄した後乾燥して鋳型高分子から
なる吸着剤を得た。上記吸着剤の粒子径を、コールター
マルチタイザー(コールター社製)で測定した結果、平
均粒径は30μmであった。
【0032】(実施例2)エチレングリコールジメタク
リレート400g及びテトラメチロールメタントリアク
リレート100gの混合物に、0.01重量%トリクロ
ロジベンゾ−p−ジオキシンのメタノール溶液10mL
及び過酸化ベンゾイル1gを溶解した。これを2重量%
ポリビニルアルコール水溶液2500mLに撹拌しなが
ら分散させ、窒素雰囲気下で80℃に昇温した。80℃
で24時間重合した後、内容物を上記実施例1と同様に
洗浄した後乾燥して、鋳型高分子からなる吸着剤を得
た。得られた吸着剤につき、実施例1と同様の方法で粒
径を測定した結果、その平均粒径は10μmであった。
【0033】(比較例1)ジベンゾ−p−ジオキシンを
用いなかったこと以外は、実施例1と同様の処理を行
い、吸着剤を得た。
【0034】(比較例2)トリクロロジベンゾ−p−ジ
オキシンを用いなかったこと以外は、実施例2と同様に
処理を行い、吸着剤を得た。
【0035】(性能評価)上記実施例及び比較例で得ら
れた吸着剤について、以下の性能評価を行い、その結果
を表1に示した。
【0036】(1)吸着試験:上記吸着剤に対するダイ
オキシンの吸着試験を以下の方法で行った。まず、吸着
剤0.1gをポリプロピレン製カラム(容量3mL、ポ
リエチレン製フィルタ付き)に充填した。これに各種ダ
イオキシン異性体1ng/mLを含む10%メタノール
水溶液4mLを通液させ、ダイオキシンを吸着剤に吸着
させた後、このカラムにヘキサン3mLを通液して吸着
したダイオキシンを脱着させた。このヘキサンを全量回
収しヘキサンを蒸発乾固させた後、公定法(GC−MS
法)に従ってダイオキシンの量を測定し、回収率を算出
した。
【0037】(結果)実施例1及び2の吸着剤を用いた
場合は、各ダイオキシン異性体の回収率は95%以上と
良好であった。これに対して、比較例1及び2の吸着剤
では、実施例に比べて回収率が低かった。さらに、実施
例1及び2により得られた吸着剤について、ダイオキシ
ン類以外の疎水性化合物を対象として同様の吸着試験を
行い、回収率を求めた。その結果、いずれの疎水性化合
物についても良好に回収することができた。
【0038】(2)クロマトグラフィー用充填剤として
の評価:上記で得られた吸着剤を用いて、クロマトグラ
フィー用充填剤としての評価を行った。吸着剤2.3g
を内径4.6mm長さ75mmのステンレス製カラムに
充填し、得られたカラムを用いて、以下の条件にてHP
LCによるダイオキシン類の分析を行った。 (HPLC測定条件) 溶離液 :0.01N塩酸/アセトニトリル=70/3
0(重量比) 注入量 :50μL 検出波長:230nm
【0039】(結果)実施例1及び実施例2の吸着剤
の、2,3,7−トリクロロジベンゾ−p−ジオキシン
(ピーク1)、2,3,7,8−テトラクロロジエベン
ゾ−p−ジオキシン(ピーク2)及び1,2,3,7,
8−ペンタクロロジベンゾ−p−ジオキシン(ピーク
3)に対する測定結果を、それぞれ図1及び図2に示し
た。図1では、図2に比べて各ピークが短時間で良好に
分離された。また、実施例2及び比較例2の吸着剤を用
いた場合は、それぞれ図1及び図2と同様の結果であっ
た。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明の吸着剤は、上述したように、ダ
イオキシン類を初めとするベンゼン骨格含有化合物を特
異的に吸着し、有機溶媒等により容易に脱着することが
できるので、液体クロマトグラフィー用充填剤、固相抽
出用吸着剤として好適に使用することができ、吸着剤と
しての再利用も可能である。また、本発明の製造方法に
よれば、毒性係数が0であるジベンゾ−p−ジオキシ
ン、クロロジベンゾ−p−ジオキシン、ジクロロジベン
ゾ−p−ジオキシン及びトリクロロジベンゾ−p−ジオ
キシンから選ばれる少なくとも1種を鋳型形成物質とし
て使用することにより、製造上及び使用上から危険性の
より少ない吸着剤を製造でき、得られた吸着剤は毒性の
強いダイオキシンを効率よく吸着する。
【0042】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1により得られた吸着剤からの溶出物の
測定を行った際に、得られたクロマトグラムを示す図で
ある。
【図2】比較例1により得られた吸着剤からの溶出物の
測定を行った際に、得られたクロマトグラムを示す図で
ある。
【符号の説明】
1,2,3 ピーク

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイオキシンに対する鋳型構造を有する
    高分子粒子からなることを特徴とする吸着剤。
  2. 【請求項2】 上記高分子が、架橋性単量体であるアク
    リル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルを重合
    して得られる架橋重合体よりなることを特徴とする請求
    項1に記載の吸着剤。
  3. 【請求項3】 重合性単量体と鋳型形成物質であるダイ
    オキシンとを混合し、重合開始剤の存在下で重合反応を
    行う工程と、該ダイオキシンを除去する工程とからなる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の吸着剤の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 ダイオキシンが、ジベンゾ−p−ジオキ
    シン、クロロジベンゾ−p−ジオキシン、ジクロロジベ
    ンゾ−p−ジオキシン及びトリクロロジベンゾ−p−ジ
    オキシンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴
    とする請求項3に記載の吸着剤の製造方法。
JP2002089238A 2002-03-27 2002-03-27 吸着剤及びその製造方法 Withdrawn JP2003284947A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002089238A JP2003284947A (ja) 2002-03-27 2002-03-27 吸着剤及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002089238A JP2003284947A (ja) 2002-03-27 2002-03-27 吸着剤及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003284947A true JP2003284947A (ja) 2003-10-07

Family

ID=29234870

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002089238A Withdrawn JP2003284947A (ja) 2002-03-27 2002-03-27 吸着剤及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003284947A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004081059A1 (ja) * 2003-03-14 2004-09-23 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology マクロ分子識別ポリマーの製造方法
JP2006137805A (ja) * 2004-11-10 2006-06-01 Tohoku Univ 対象化合物を捕捉することができるモレキュラーインプリンテッドポリマー、その調製方法、およびモレキュラーインプリンテッドポリマーにより対象試料中の対象化合物を捕捉する方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004081059A1 (ja) * 2003-03-14 2004-09-23 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology マクロ分子識別ポリマーの製造方法
JPWO2004081059A1 (ja) * 2003-03-14 2006-06-08 独立行政法人産業技術総合研究所 マクロ分子識別ポリマーの製造方法
US7741421B2 (en) 2003-03-14 2010-06-22 Reqmed Company, Ltd. Methods for producing macromolecule-identifying polymers
JP4793816B2 (ja) * 2003-03-14 2011-10-12 独立行政法人産業技術総合研究所 マクロ分子識別ポリマーの製造方法
JP2006137805A (ja) * 2004-11-10 2006-06-01 Tohoku Univ 対象化合物を捕捉することができるモレキュラーインプリンテッドポリマー、その調製方法、およびモレキュラーインプリンテッドポリマーにより対象試料中の対象化合物を捕捉する方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Zeng et al. Enhanced adsorption of phenol from water by a novel polar post-crosslinked polymeric adsorbent
JP2012247437A (ja) 重合体吸着剤及び製造方法
JP5657647B2 (ja) 多孔質高分子分離材料
EP2274091B1 (en) Composite material
Qureshi et al. Preparation of polymer based sorbents for solid phase extraction of polyphenolic compounds
Martel et al. Sorption of aromatic compounds in water using polymer sorbents containing amino groups
EP1266686B1 (en) Hydrophobic substance adsorbents
JP2003284947A (ja) 吸着剤及びその製造方法
JPWO2018147393A1 (ja) ヒトインスリン精製用分離剤及びヒトインスリンの精製方法
WO2017095687A1 (en) Chromatographic separation of organic acids using polymeric macroporous adsorbent
JP2003080225A (ja) シクロデキストリン類固定化吸着剤による土壌浄化方法
JP2002361082A (ja) 疎水性物質吸着剤
JP2007268351A (ja) フェノール類・カルボン酸類捕捉材及びそれを用いた分離具並びにそれを用いたフェノール類・カルボン酸類の分離方法
JP2987949B2 (ja) 多孔性樹脂及びその製造方法
KR20100123537A (ko) 휘발성 유기화합물 흡착제 및 그 제조방법
JP2002058999A (ja) 疎水性物質吸着剤
JP2002361080A (ja) 疎水性物質吸着剤
JP2005270686A (ja) 疎水性物質吸着剤及び疎水性物質の吸脱着方法
JP2003080063A (ja) 疎水性物質吸着剤及びその製造方法
JP2002085970A (ja) ホルモン様作用物質吸着剤
JP2001302727A (ja) 架橋重合体粒子及びその製造方法
Trochimczuk et al. Synthesis of porous divinylbiphenyl copolymers and their sorptive properties towards phenol and its derivatives
WO2001096556A1 (en) The use of polymer adsorbent particles in dna separation
JP2002060404A (ja) 疎水性物質吸着剤の製造方法
JP2006218375A (ja) 茶カテキンの分離濃縮方法、それに用いる分離剤および当該分離剤の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20040928

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060313

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20061213

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A761 Written withdrawal of application

Effective date: 20070216

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761