JPWO2004079619A1 - 分散型予約システム - Google Patents
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Abstract
施設ごとに予約システムを配置し、予約システムが個別の予約を受け、施設が混雑しないように調整して、施設の同一訪問者による同一時間帯の重複予約を訪問者の側で回避し、訪問者が複数の施設に対する予約を行うことが可能な分散型予約システムが提供される。来場者エージェント100から複数の施設に関する予約を入力すると、その予約は施設およびその利用時間帯を示す資源要求プロファイルとした予約要求が各施設の施設エージェント200に送信される。各施設の施設エージェント200により資源要求プロファイルに基づいて複数の来場者からの予約の調整が行われ、その調整結果が来場者エージェント100に返信される。来場者エージェント100が調整結果の予約時間帯による他の施設の訪問希望時間帯との重複をチェックし、重複があれば表示装置により提示し、重複を解消させる入力を受けて再度予約を調整する。
Description
この発明は、社会における「混雑・待ち」を緩和するための分散型予約システムに関するものであり、例えば、遊園地などの来場者に対して、施設の混雑を緩和し来場者の時間の有効利用を促進するために、利用者が訪問を予定している各施設に対して適切な訪問時刻を提示するためのシステムに適用でき、多数の利用者に対して効率的に各施設に誘導することのできる分散型予約システムに関するものである。
計算機や各種センサーおよび無線通信機器の性能向上・低価格化の急激な進展により、社会の至る所に情報の受発信機能を持つ情報機器が備わったユビキタス情報社会の訪れが目の前に迫りつつある。しかしながら、前記のようなハードウェア技術の急速な進歩とは対照的に、それを活用したソフトウェア、新たなサービスの在り方に関しては、未だ「キラーアプリケーション」と呼べるような提案はなされていないのが現状である。
例えば、現在「位置情報に基づく情報サービス」の典型例として提案されているシステムは、美術館などにおいて、閲覧者の現在位置の情報に基づいて、その場に存在する絵画などの解説を自動的に個々の閲覧者の情報端末に発信するというものである。閲覧者側の情報端末に閲覧者の趣味や国籍などの情報が記録されていれば、近くにある閲覧者の好きな作品の展示場所に案内し、また、解説を母国語で行うなどの個人適合的な情報提供サービスも実現できる。
このようなサービスはユビキタス情報環境にいる個人に対する有用なサービスではあるが、その場に、居合わせた他の人々との関係に関しては何も考慮されていない。例えば、上の例では同じ嗜好を持つ大勢の人々を一度に同じ作品のあるブースに案内することにより、大混雑を発生させてしまう可能性もある。
したがって、ユビキタス情報環境においては、現在提案されている上記のような個人指向のサービスに加えて、その場で発生する「混雑・待ち」を解消するように人々の行動を誘導する社会的調整機能の実現が、集団としての利便性を指向した新たなサービスとして期待される。
このような「混雑・待ち」を解消する一例について説明する。第1図は、従来の分散型予約システムの一例を説明するブロック図である。第1図のシステムは、複数の施設を有するテーマパークの各施設を訪問する訪問者が効率よくそれぞれの施設を訪問するための予約システムであり、たとえば、非特許文献1で紹介されているシステムである。
第1図を参照して説明すると、まず、テーマパークの来場者は、興味のある施設10を訪れ、予約システム40を介して訪問の予約を行う。予約システム40は現在の施設の負荷状況から予約時刻を算出し、算出した予約時刻を訪問者に提示する。その際、提示された予約時間に同意できないのであれば、訪問者は施設の非予約者用入り口30で列に並んで施設を訪問するか、あるいはこの時点での施設の訪問を断念して、他の施設11に移動する。
提示された予約時刻に同意する訪問者は、その施設の予約システム40に対して予約を行った上で、他の施設11を訪れ、施設11が空き状態であれば施設の非予約者用入り口31で列に並んで施設11を利用し、その時に利用できなければ、同様にその施設11の予約システム41に対して予約を行う。そして、予約時刻になれば、先に予約しておいた施設10を再訪して、予約者用入り口20から入場する。予約時刻までの間は、訪問者は自由に他の施設を訪れることができる。
また、この種の施設の予約システムに関係する公知文献としては、特許文献1に記載されているアトラクション施設のための「会場内施設予約システム」の提案がある。このシステムにおいては、予約管理サーバーが各アトラクションの予約情報を管理し、各利用者は自ら携帯通信端末を用いて、管理サーバ」と通信を行い先着優先で予約時間の設定を行う。予約サーバーは、同一の携帯情報端末から異なる施設に対して同時間に予約登録がある場合は、それを検出し利用者に通知するものとなっている。
宿泊施設の予約については、特許文献2に記載の「ネットワークを用いた予約方法」の提案が参照できる。この提案の予約方法においては、ネットワークに接続された予約希望者コンピュータと予約データベースコンピュータとの間で、予約の要求と許可の情報をやりとりして予約を行う。予約希望者は優先順位を付けて、複数の予約希望を登録することができ、先着優先で空いている優先順位の最も高い予約希望が予約されるものとなっている。
また、特許文献3に記載の「オンライン予約システム」は、複数の施設の予約状況を管理する予約状況データベースを用いて予約サーバーが利用者からの予約キャンセルを受信すると、キャンセル待ちをしている利用者で高い優先順位を設定している利用者に優先的にキャンセルされた予約を割り当てるものである。
http://www.tokyodisneyresort.co.jp/tdl/japanese/j_topics/index_fpass 特開2001−344491号公報 特開2002−334252号公報 特開2003−242265号公報
例えば、現在「位置情報に基づく情報サービス」の典型例として提案されているシステムは、美術館などにおいて、閲覧者の現在位置の情報に基づいて、その場に存在する絵画などの解説を自動的に個々の閲覧者の情報端末に発信するというものである。閲覧者側の情報端末に閲覧者の趣味や国籍などの情報が記録されていれば、近くにある閲覧者の好きな作品の展示場所に案内し、また、解説を母国語で行うなどの個人適合的な情報提供サービスも実現できる。
このようなサービスはユビキタス情報環境にいる個人に対する有用なサービスではあるが、その場に、居合わせた他の人々との関係に関しては何も考慮されていない。例えば、上の例では同じ嗜好を持つ大勢の人々を一度に同じ作品のあるブースに案内することにより、大混雑を発生させてしまう可能性もある。
したがって、ユビキタス情報環境においては、現在提案されている上記のような個人指向のサービスに加えて、その場で発生する「混雑・待ち」を解消するように人々の行動を誘導する社会的調整機能の実現が、集団としての利便性を指向した新たなサービスとして期待される。
このような「混雑・待ち」を解消する一例について説明する。第1図は、従来の分散型予約システムの一例を説明するブロック図である。第1図のシステムは、複数の施設を有するテーマパークの各施設を訪問する訪問者が効率よくそれぞれの施設を訪問するための予約システムであり、たとえば、非特許文献1で紹介されているシステムである。
第1図を参照して説明すると、まず、テーマパークの来場者は、興味のある施設10を訪れ、予約システム40を介して訪問の予約を行う。予約システム40は現在の施設の負荷状況から予約時刻を算出し、算出した予約時刻を訪問者に提示する。その際、提示された予約時間に同意できないのであれば、訪問者は施設の非予約者用入り口30で列に並んで施設を訪問するか、あるいはこの時点での施設の訪問を断念して、他の施設11に移動する。
提示された予約時刻に同意する訪問者は、その施設の予約システム40に対して予約を行った上で、他の施設11を訪れ、施設11が空き状態であれば施設の非予約者用入り口31で列に並んで施設11を利用し、その時に利用できなければ、同様にその施設11の予約システム41に対して予約を行う。そして、予約時刻になれば、先に予約しておいた施設10を再訪して、予約者用入り口20から入場する。予約時刻までの間は、訪問者は自由に他の施設を訪れることができる。
また、この種の施設の予約システムに関係する公知文献としては、特許文献1に記載されているアトラクション施設のための「会場内施設予約システム」の提案がある。このシステムにおいては、予約管理サーバーが各アトラクションの予約情報を管理し、各利用者は自ら携帯通信端末を用いて、管理サーバ」と通信を行い先着優先で予約時間の設定を行う。予約サーバーは、同一の携帯情報端末から異なる施設に対して同時間に予約登録がある場合は、それを検出し利用者に通知するものとなっている。
宿泊施設の予約については、特許文献2に記載の「ネットワークを用いた予約方法」の提案が参照できる。この提案の予約方法においては、ネットワークに接続された予約希望者コンピュータと予約データベースコンピュータとの間で、予約の要求と許可の情報をやりとりして予約を行う。予約希望者は優先順位を付けて、複数の予約希望を登録することができ、先着優先で空いている優先順位の最も高い予約希望が予約されるものとなっている。
また、特許文献3に記載の「オンライン予約システム」は、複数の施設の予約状況を管理する予約状況データベースを用いて予約サーバーが利用者からの予約キャンセルを受信すると、キャンセル待ちをしている利用者で高い優先順位を設定している利用者に優先的にキャンセルされた予約を割り当てるものである。
http://www.tokyodisneyresort.co.jp/tdl/japanese/j_topics/index_fpass
上記のような予約システムを用いることで、そのようなシステムが存在しない場合よりも、テーマパークの来場者はある程度は時間的に効率的に多くの施設を訪問することができる。しかしながら、従来の技術では、各施設の予約システム40,41が独立して動作しており、施設10,11間で情報の共有がなされていないため、訪問者が複数の予約システム40,41に対して時間帯が重複した予約を行うことが可能となっており、予約時刻の重複の問題を避けることができない。また、施設の訪問者は、訪問したい施設ごとに、その場所に設置された予約システム40に対して予約を行わなければならないという煩雑さも生じる。
例えば、特許文献1〜3に記載されているように、各施設についての予約情報の管理を予約管理サーバーまたは予約データベースサーバーにより行うことにより、施設の間の情報を共有できるように複数の施設の予約システムを統合して、1つの予約システムとして構築することが考えられるが、このようなシステムでは、利用者の予約時間の設定が利用者の選好にかかわらず、先に予約登録した利用者優先で予約が行われることになり、予約の集中する時間帯が生じることを防ぐことは不可能である。このため、施設の稼働率改善には限界がある。また、来場者(利用者)は複数の施設の予約を行うので、各施設に対して来場者が増えるほど、複数の施設を統合して予約するシステムは、予約システムの負荷が増大して効率が悪化してしまい、最悪の場合には、システムがダウン(停止)してしまう危険性があるという問題がある。
そこで、本発明の目的は、施設ごとに予約システムを配置し、予約システムが個別の予約を受け、施設が可能な限り混雑しないように調整して、施設の同一訪問者による同一時間帯の重複予約を訪問者の側で回避しつつ、訪問者が複数の施設に対する予約を一括して行うことが可能な分散型予約システムを提供することにある。
本発明の他の目的は、複数の施設に対して利用者が予約を行う際に、それらの施設に対する予約を統括して処理するサーバーを必要とせず、各利用者が自らの望ましい時間を各施設に予約することができ、各施設が独立して運営される場合についても、利用者は適切に予約を行うことができる分散型予約システムを提供することにある。
本発明による分散型予約システムは、基本的な構成として、各利用者が保持する複数の携帯用端末(100)であって、それらの各々が、情報を入力する入力手段(110)と、情報を表示する表示手段(120)と、情報の送受信を無線で行う通信手段(150)と、を有する複数の携帯用端末と、各施設に設けられる複数の予約システム(200)であって、それらの各々が、前記複数の携帯用端末の通信手段と通信を行う通信手段(230)と、該通信手段および前記携帯用端末の通信手段を介して前記入力手段から入力された予約したい施設およびその利用時間帯(最早使用開始時刻と最遅使用完了時刻)を示す資源要求プロファイルを予約として受付け、当該受付けた予約の時間帯を前記資源要求プロファイルに基づいて調節する予約調整手段(210)とを有し、当該調整した時間帯を示す時間帯情報および自己の施設を示す施設情報を、前記通信手段を介して前記携帯用端末の通信手段に送信する複数の予約システムとを備えた分散型予約システムであり、前記複数の携帯用端末の各々は、該携帯用端末の通信手段により送信した予約要求に対して調整された前記施設情報および時間帯情報を受信した後、利用者が訪問を希望する全ての施設に関して、当該受信した施設情報および時間帯情報における時間帯の重複を発見した場合に、当該重複が発見された施設情報および時間帯情報を前記表示手段により表示して、前記入力手段により当該重複に関与する施設の中から、利用者に訪問の優先順位を下げる施設情報の入力を受け付けて予約要求を更新し再送信する制御手段を(130)をさらに有することを特徴とするものである。
この場合に、前記携帯用端末の入力手段からは、さらに、入力した施設情報の優先順位を示す選好値を入力可能であり、複数の施設に対する予約要求は前記選好値により正規化され、前記予約調整手段において、前記入力手段から入力され、前記携帯用端末の通信手段および予約システムの通信手段を介して受付けた予約要求は選好値に基づき前記受付けた予約の時間帯が調節される。
本発明による分散型予約システムにおいては、携帯用端末(100)の入力手段(110)から複数の施設に関する予約を入力すると、その予約は施設およびその利用時間帯を示す資源要求プロファイルとして各施設の予約システム(200)に送信される。各施設の予約システム(200)により資源要求プロファイルに基づいて複数の来場者からの予約の調整が行われ、その調整結果が携帯用端末(100)に返信される。携帯用端末(100)が調整結果の予約時間帯による他の施設の訪問希望時間帯との重複の有無をチェックし、重複部分があればそれを表示手段(120)により提示し、重複を解消させるための入力を受けて、再度予約を調整する。
このような本発明の分散型予約システムによれば、利用者の予約を資源要求プロファイルに基づいて調整するので、利用者が利用できる施設の容量や処理能力に限界があり、施設に対する需要が大きく変動する環境(たとえば、大規模アトラクション施設)において、施設に対する選好値や、施設の混雑程度の情報に基づき、その需要に対して、各利用者が施設を利用する時間を適切に設定することができ、効率的かつ公平に施設に対する需要を処理することが可能となる。また、携帯用端末側で予約の申し込みについての時間帯の重複を阻止するので、施設ごとに予約システムを独立して設けることができる。これにより、各地域に分散している施設に対しても、利用者の施設に対する選好の度合いが考慮された施設を訪問する時間帯の調節が可能となる。
例えば、特許文献1〜3に記載されているように、各施設についての予約情報の管理を予約管理サーバーまたは予約データベースサーバーにより行うことにより、施設の間の情報を共有できるように複数の施設の予約システムを統合して、1つの予約システムとして構築することが考えられるが、このようなシステムでは、利用者の予約時間の設定が利用者の選好にかかわらず、先に予約登録した利用者優先で予約が行われることになり、予約の集中する時間帯が生じることを防ぐことは不可能である。このため、施設の稼働率改善には限界がある。また、来場者(利用者)は複数の施設の予約を行うので、各施設に対して来場者が増えるほど、複数の施設を統合して予約するシステムは、予約システムの負荷が増大して効率が悪化してしまい、最悪の場合には、システムがダウン(停止)してしまう危険性があるという問題がある。
そこで、本発明の目的は、施設ごとに予約システムを配置し、予約システムが個別の予約を受け、施設が可能な限り混雑しないように調整して、施設の同一訪問者による同一時間帯の重複予約を訪問者の側で回避しつつ、訪問者が複数の施設に対する予約を一括して行うことが可能な分散型予約システムを提供することにある。
本発明の他の目的は、複数の施設に対して利用者が予約を行う際に、それらの施設に対する予約を統括して処理するサーバーを必要とせず、各利用者が自らの望ましい時間を各施設に予約することができ、各施設が独立して運営される場合についても、利用者は適切に予約を行うことができる分散型予約システムを提供することにある。
本発明による分散型予約システムは、基本的な構成として、各利用者が保持する複数の携帯用端末(100)であって、それらの各々が、情報を入力する入力手段(110)と、情報を表示する表示手段(120)と、情報の送受信を無線で行う通信手段(150)と、を有する複数の携帯用端末と、各施設に設けられる複数の予約システム(200)であって、それらの各々が、前記複数の携帯用端末の通信手段と通信を行う通信手段(230)と、該通信手段および前記携帯用端末の通信手段を介して前記入力手段から入力された予約したい施設およびその利用時間帯(最早使用開始時刻と最遅使用完了時刻)を示す資源要求プロファイルを予約として受付け、当該受付けた予約の時間帯を前記資源要求プロファイルに基づいて調節する予約調整手段(210)とを有し、当該調整した時間帯を示す時間帯情報および自己の施設を示す施設情報を、前記通信手段を介して前記携帯用端末の通信手段に送信する複数の予約システムとを備えた分散型予約システムであり、前記複数の携帯用端末の各々は、該携帯用端末の通信手段により送信した予約要求に対して調整された前記施設情報および時間帯情報を受信した後、利用者が訪問を希望する全ての施設に関して、当該受信した施設情報および時間帯情報における時間帯の重複を発見した場合に、当該重複が発見された施設情報および時間帯情報を前記表示手段により表示して、前記入力手段により当該重複に関与する施設の中から、利用者に訪問の優先順位を下げる施設情報の入力を受け付けて予約要求を更新し再送信する制御手段を(130)をさらに有することを特徴とするものである。
この場合に、前記携帯用端末の入力手段からは、さらに、入力した施設情報の優先順位を示す選好値を入力可能であり、複数の施設に対する予約要求は前記選好値により正規化され、前記予約調整手段において、前記入力手段から入力され、前記携帯用端末の通信手段および予約システムの通信手段を介して受付けた予約要求は選好値に基づき前記受付けた予約の時間帯が調節される。
本発明による分散型予約システムにおいては、携帯用端末(100)の入力手段(110)から複数の施設に関する予約を入力すると、その予約は施設およびその利用時間帯を示す資源要求プロファイルとして各施設の予約システム(200)に送信される。各施設の予約システム(200)により資源要求プロファイルに基づいて複数の来場者からの予約の調整が行われ、その調整結果が携帯用端末(100)に返信される。携帯用端末(100)が調整結果の予約時間帯による他の施設の訪問希望時間帯との重複の有無をチェックし、重複部分があればそれを表示手段(120)により提示し、重複を解消させるための入力を受けて、再度予約を調整する。
このような本発明の分散型予約システムによれば、利用者の予約を資源要求プロファイルに基づいて調整するので、利用者が利用できる施設の容量や処理能力に限界があり、施設に対する需要が大きく変動する環境(たとえば、大規模アトラクション施設)において、施設に対する選好値や、施設の混雑程度の情報に基づき、その需要に対して、各利用者が施設を利用する時間を適切に設定することができ、効率的かつ公平に施設に対する需要を処理することが可能となる。また、携帯用端末側で予約の申し込みについての時間帯の重複を阻止するので、施設ごとに予約システムを独立して設けることができる。これにより、各地域に分散している施設に対しても、利用者の施設に対する選好の度合いが考慮された施設を訪問する時間帯の調節が可能となる。
第1図は、従来の分散型予約システムの一例を説明するブロック図である。
第2図は、本発明の一実施形態による分散型予約システムの全体構成を示す図である。
第3図は、来場者に対して施設へ訪問する時間の割り付けを行う予約処理の処理手順を示すフローチャートである。
第4図は、資源要求プロファイルの作成処理を説明する説明図である。
第5図は、訪問者に施設の利用時間を割り付ける処理の概要を説明する図である。
第6図は、予約の調整処理を説明するための説明図である。
第7図は、来場者エージェントにおける重複チェックの処理内容を示すフローチャートである。
第2図は、本発明の一実施形態による分散型予約システムの全体構成を示す図である。
第3図は、来場者に対して施設へ訪問する時間の割り付けを行う予約処理の処理手順を示すフローチャートである。
第4図は、資源要求プロファイルの作成処理を説明する説明図である。
第5図は、訪問者に施設の利用時間を割り付ける処理の概要を説明する図である。
第6図は、予約の調整処理を説明するための説明図である。
第7図は、来場者エージェントにおける重複チェックの処理内容を示すフローチャートである。
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。第2図は、本発明の一実施形態による分散型予約システムの全体構成を示す図である。
分散型予約システムは、第2図に示すように、それぞれの利用者が保有するPDAや携帯電話などの携帯用通信端末100と各施設に設置された情報処理システム200とが、無線または有線の通信ネットワーク(図示せず)で結合されて、システムを構成している。以下の説明において、本実施形態では携帯用通信端末100により行われる予約処理の一部の処理を行うためのサブシステム(処理モジュール)を来場者エージェントとよび、情報処理システム200により行われる予約処理の残りの処理を行うためのサブシステム(処理モジュール)を施設エージェントと呼ぶ。これら来場者エージェントおよび施設エージェントとの間でのインタラクションにかかる処理により、分散型予約システムにおける予約処理が実行される。
来場者エージェントによる予約処理の一部の処理は、携帯用通信端末100が有する入力装置110、表示装置120、制御装置130、記憶装置140および通信装置150の各ハードウェア装置を利用して、これらを制御するプログラムの処理により実行される。
たとえば、利用者(各施設の訪問者)は、キーボードやペンを使用した入力装置110から、予約を行うための種々の情報(予約時間帯情報、予約施設名情報)を入力する。
表示装置120には、たとえば、液晶表示装置を使用することができ、入力装置110から入力された情報や、施設エージェントの予約処理を実行する情報処理システム200から送られてきた情報を表示する。なお、以下では混同が生じない場合において、来場者エージェント(処理モジュール)と携帯用端末を共に同じ参照番号100で参照し、施設エージェント(処理モジュール)と情報処理システムとを同じ参照番号200で参照して説明する。
制御装置130は、CPUおよびメモリを有し、制御装置130は来場者エージェント100内の装置を制御する。来訪者エージェントにおける予約処理をプログラム処理により行う主要部である。また、来場者の誘導に係わる情報処理をも行う。
記憶装置140には、たとえばICメモリを使用することができ、種々の情報を記憶する。来訪者エージェントにおける予約処理のプログラムを格納している。
来場者エージェントの通信装置150は、施設エージェント200が制御する通信装置230との間で無線による通信を行う。来場者エージェントの通信装置150および施設エージェントの通信装置230の間の通信には、無線LAN(IEEE 802.11bなど)やBluetoothなどの通信装置を使用することができる。
施設エージェントの予約処理を実行する情報処理システム200には市販のコンピュータシステムを使用することができる。施設エージェント200には、制御装置210、記憶装置220および通信装置230が設けられる。制御装置210はCPUおよびメモリを有し、装置全体を制御する他、本発明に係わる分散型予約システムにおける予約処理をコンピュータによるプログラム処理により実行して、来場者エージェント100により来場者から申し込まれた予約の調整を資源要求プロファイルに基づいて行って、特定時間帯に施設に来場者が集中しないように来場者が誘導される予約処理を実行する。この処理については後で詳しく説明する。
記憶装置220にはハードディスクなどのような大容量記憶装置を使用することができる。記憶装置220は来場者から申し込まれ、かつ調整した予約時刻、その来場者エージェント100の識別情報等の情報を保存記憶する。また、施設エージェントにおける予約処理のプログラムを格納している。
施設エージェントの通信装置230は、来場者エージェント100の通信装置150と無線で通信を行う。
第3図は、来場者に対して施設へ訪問する時間の割り付けを行う予約処理の処理手順を示すフローチャートである。第3図を参照しながら、予約処理の動作を説明する。
来場者は、まず、自らが保有する携帯用端末100において、来場者エージェントを起動して処理を開始させる。この処理では、まず、入力装置110により自らが訪問したい施設を示す施設情報と、その施設を訪問したい時間帯を示す時間帯情報(最早使用開始時刻と最遅使用完了時刻)と、その施設に対する重要度を示す選好値(0から1までの値)を入力する。もし、時間帯、選好値などの情報の入力が省略された場合は、制御装置130は予め定めたデフォルト値(時間帯としては現時点から閉園時間、選好値としては1.0)を設定する(ステップS100)。
来場者エージェント(制御装置130)においては、それらの入力された情報から、来場者の訪問したい施設に対する選好値を正規化する(ステップS110)。これは、多くの施設を訪問したい来場者と、あまり多くの施設を訪問する予定の無い来場者との間に生じる不公平感を是正することが目的である。
P’ij = Pij / ΣPi
但し、Pijは、来場者iの施設jに対する選好値であり、ΣPiは来場者iの全施設に対する選好値の和であり、P’ijは来場者iの施設jに対する正規化された選好値である。すなわち、正規化処理では、上式に示すように各施設の選好値を、訪問したい全施設の選好値の和で割る。これにより、多くの施設を訪問する来場者と少ない施設を訪問する来場者との間の予約の公平化を図る。
次に、来場者エージェントは、入力された情報から、その施設情報の示す施設ごとに資源要求プロファイルを作成し(ステップS120)、それぞれの対応に施設エージェントに送信する(ステップS130)。
次に、資源要求プロファイルの作成処理について具体的に説明する。第4図は資源要求プロファイルの作成処理を説明する説明図である。まず、この例としては、来場者に提示する時間の精度は10分間隔であるし、ある施設に対し来場者が9時から9時50分までの時間帯に、選好値0.6で訪問したいという希望を持っているとする。更に、この施設でのアトラクションの所要時間は30分であると仮定する。
そのような条件のもとでは、来場者が施設でアトラクションに参加する時間帯は、第4図の3パターンのタイルで示すように(9時から9時30分)、(9時10分から9時40分)、(9時20分から9時50分)の3通りである。更に、第4図からわかるように、9時20分から9時30分の時間帯に関しては、3パターンの全てに含まれているため、来場者が希望どおりの時間帯に、この施設を訪問する場合には、この9時20分から9時30分の時間帯には来場者は必ずこの施設にいなければならない。
来場者のこの施設に対する選好値は0.6なので、上記の時間帯に、来場者がこの施設にいる確率は0.6であるとし、他の時間帯における確率もそれに準じて、予め定めてある数式にしたがって計算すると、上記仮定された条件による来訪者が当該施設の利用を希望する内容は、第4図の下部分に示すように確率のグラフとして表現できる。このことから、このグラフを示すデータを、来場者の施設に対する資源要求プロファイルとして予約要求するデータとする。この資源要求プロファイルに基づいて予約処理を実行する。
このような資源要求プロファイルは、入力された情報に基づいて、来場者が訪問したいとして入力したそれぞれの施設ごとに作成されて、それぞれの施設エージェントに対して送信される。つまり、来場者エージェント100は、入力された情報に基づいて、来場者が訪問したいとして入力した各施設の施設エージェント200に対して、その施設に対する来場者の作成された資源要求プロファイルの情報を通信装置150からそれぞれに送信する(ステップS130)。
また、入力装置110から入力された情報や作成された資源要求プロファイルは記憶装置140に一時記憶される。
それぞれの施設エージェント200においては、制御装置210が通信装置230を介して定期的に(例えば、10分間隔)、それぞれの来場者エージェント100から資源要求プロファイルを受信する(ステップS140)。そして、受信した資源要求プロファイルの情報を記憶装置220において集計する処理を行う。また、この場合において、施設エージェント200の処理においては、集計した資源要求プロファイルを使用して、その施設に対して予約を希望する全来場者の需要量の総計を行う(ステップS150)。続いて、その総計情報に基づいて、個々の来場者に対して、その施設を訪問する時間の割り付けを行う割り付け処理を(ステップS160)。
この割り付け処理について具体的に説明する。第5図は、それぞれの訪問者に施設の利用時間を割り付ける処理を説明する図である。なお、以下では、この施設およびその利用時間を含めて、これを資源と総称するものとすると、各訪問者に施設の利用時間を割り付ける処理は、資源の割り付け処理となる。
資源割り付け処理では、第5図に示すように、たとえば、施設エージェント200は、来場者1,来場者2,来場者3の3つの来場者エージェントから、それぞれの来場者の資源要求プロファイルを受信し、その資源要求プロファイルを集計して、施設に対する包括的な資源要求プロファイルを作成する。その包括的な資源要求プロファイルは、当該施設の総需要の時間変動を表しており、そのピーク(ここではそれを競合ピークと呼ぶ)に当たる時間帯(第5図では、網掛けさけたパターンで示されている時間帯がそれに当たる)が、その施設が最も込み合うと予想される時間帯である。
そこで、施設エージェント200においては、需要量総計の処理(ステップS150)において競合ピークを算出すると、その時間帯を判定し、それぞれの来場者の資源要求プロファイルを参照し、競合ピークの時間帯における需要量が最も大きい来場者(すなわち、資源要求プロファイルのその時間帯における確率の値が最も大きい来場者)を探す。第5図の例では、来場者3の資源要求プロファイルがそれに当たるので、そして、当該来場者3に対して、来場者3の資源要求プロファイルに含まれている確率(選好値)のそれぞれの時間帯の中で、包括的な資源要求プロファイルにおける値が最も小さくなる時間帯に割り付ける。すなわち、他の訪問者との競合がなるべく少ない時間帯を、当該来場者の訪問時間の候補値として割り付ける処理を行う。他の来場者の資源要求プロファイルについても、同様にして既に割り付けた時間帯を除いて、割り付け可能な時間を割り付ける(ステップS160)。
施設エージェント200は、訪問時間の候補値の割り付けを行った来場者の来場者エージェント100に対して、通信装置230を介して訪問を誘導する時間帯および自己の施設を示す施設情報を送信する(ステップS170)。
再び第3図を参照すると、それぞれの施設エージェント200から、先に送信した資源要求プロファイルに対して、その訪問時間の候補値の時間帯情報が送信されてくる(ステップS170,ステップS180)ので、1つあるいは複数の施設エージェント200から割り付けられた訪問時間の候補値の時間帯情報を受信した来場者エージェント100は、受信した時間帯情報および施設情報の中から時間帯が重複する情報を発見するための処理を行い、重複利用の時間帯がある場合にはその内容を表示する(ステップS190)。すなわち、この処理では、たとえば、その訪問時間が来場者の予定している他の施設への訪問計画にどのように影響するかを表示装置120に表示して、その時間帯に当該施設を訪問するか否かの確認を行うため、その受諾または拒否の入力の受付を行い、その入力に応じて、選好値を調整し、変化した資源要求プロファイルの内容を更新し(ステップS200〜ステップS220)、再度、各施設エージェントに対して送信する(ステップS230)、その後の更新された資源要求プロファイルの内容に応じた割り付け情報の受信を待つ。
その具体的な処理内容については、第6図を用いて説明する。第6図は予約の調整処理を説明するための説明図である。第6図では、来場者は3つの施設(第1の施設,第2の施設,第3の施設)の訪問を予定しており、それらの施設に対する資源要求プロファイルは第6図の左部分に示されている。いま、第3の施設の施設エージェントが第6図の左部分に示すように、斜線のハッチングされた時間帯を訪問時間として、来場者に対して割り付けた際に、その結果が他の施設の訪問計画に対して、どのように影響が伝播するかを第6図の右部分に示している。
まず、第3の施設に関しては、割り付けられた時間帯に訪問することが確定するため、第3の施設の資源要求プロファイルは、第6図の右側に示したように変更され、斜線によりハッチングした部分だけとなる。更に、その時間帯には来場者は他の施設を訪問することはできないので、その時間帯にかかる資源要求プロファイル(第2の施設に対する資源要求プロファイル)は変更される。その結果、この場合においては、第2の施設の資源要求プロファイルは、第6図右側に示すように変形される。
その結果、第6図に示す事例において、第3の施設の割り付け結果による影響伝播の結果、来場者は第1の施設と第2の施設に対して同一の時間帯にピーク値(1.0)を持つ資源要求プロファイルを形成することになり、注意すべき点は、第1の施設と第2の施設のいずれかに対する訪問を断念せざるを得ない(同時に複数の施設を訪問することはできない)ことである。このようにして、制御装置130は、重複する予約(この例では、第1の施設、第2の施設の訪問予定時間帯が重複する)を発見する。
来場者エージェント100は、訪問時間の割り付け結果による他の施設への訪問予定に対する影響を来場者エージェント100の制御装置130によって算出された結果を表示装置120に表示する。その後、その訪問時間の割り付けを受諾可能か否かの判断が、来場者エージェント100の入力装置110から入力される。
第6図の例では、第3の施設への時間割り付けの結果、第1の施設または第2の施設のいずれかの訪問を断念せざるを得なくなるので、これを来場者が承諾できる場合は、割り付けられた施設への時間割り付けを受け入れ、第3の施設よりも第1の施設と第2の施設への訪問を優先したい場合には、受け入れを拒絶することになる。その場合には、各施設に対する選好値を変更する。
来場者による割り付け時間の受諾または拒否(変更すべき時間帯情報を含む)の判断結果が、来場者エージェント100の入力装置110から入力されると、来場者エージェント100はその結果に基づき、訪問施設の割り付けに関して来場者間に過度の不公平が発生するのを防ぐために、来場者の選好値の調整を行う。すなわち、第6図の例では、第3の施設への割り付けを受諾した場合には、第1の施設および第2の施設のうち、優先順位が下げられた施設(この例では第2の施設)に対する来場者の選好値を下げる(例えば、−10%)。第3の施設への割り付けを拒否した場合には、第3の施設への選好値を下げ、第1の施設と第2の施設に対する来場者の選好値を上げる(例えば+10%)。そうした調整を行うことにより、全ての来場者間で選好値を公平な値に保つことができる。更に、そのような調整を行った後、来場者エージェントは再び、来場者の全ての施設に対する選好値に関して、値の正規化による選好値の調整を制御装置130により行う(ステップS210)。
その後、来場者エージェント100(制御装置130)は新たな選好値に基づいて、来場者の資源要求プロファイルを更新し、その結果を各施設エージェント200に通信装置150を介して送信する(ステップS220→S230)。なお、来場者の全施設への訪問予約が確定された場合は、空(すなわち新たに割り付ける訪問が無い)の資源要求プロファイルを送信する。
施設エージェント200の制御装置220は更新された資源要求プロファイルを通信装置230を介して受信すると、資源要求プロファイルの内容が空(すなわち新たに割り付ける訪問が無い)でない際には、更新された資源要求プロファイルに基づいて、来場者への訪問時間の割り付けを行い、上述の処理を繰り返し実行する(ステップS240→S250→S160)。一方、資源要求プロファイルが空の場合には制御装置220は予約の申し込みは終了と判断し、予約の申し込みのあった来場者エージェントの通信を切断する(ステップS240→S250→終了)。
以上、説明したように、個別の施設エージェント(予約システム)200が訪問時間帯の調整を行って、その結果、複数の施設への訪問時間帯が重複しても、来場者エージェント100が重複のないように、来場者に訪問施設に対する優先順位の調整を促す。これにより従来のように、来場者が複数の施設に対する予約を、時間帯が重複して申し込むことができなくなる。来場者の施設への訪問は、来場者の選好値や施設の混雑程度に応じて、来場者が効率的に施設を訪問でき、かつ来場者間に不公平感が生まれないように施設を訪問する時間の割り付けがなされる。
(他の実施形態)
1)実施形態では、来場者エージェントを来場者一人一人に設定しているが、グループで来場した来場者に対して、1つの来場者エージェントにより予約処理を行うように設定するようにしても良い。
2)上記実施形態では、来場者が訪問を予定した全ての施設に対して、施設エージェントからの訪問時間の割り付けがなされるが、従来の実施例(第1図)のように、予約者用入り口と非予約者用入り口を設けるなどすることにより、混雑の予想される施設にのみ本システムを用いて訪問時間の割り付けを行い、そうでない施設に関しては本システムによる訪問時間の割り付けなしに、自由に訪問する形態を混在するようにしても良い。
3)上述の実施形態では、テーマパーク遊園地における来場者のアトラクション施設への誘導の場合について説明したが、見本市会場での展示ブースへの案内、一定区画内の交通流入制御等、閉じられた環境にある複数の資源(展示ブース、アトラクション、道路など)に対して、大量の需要(来場者など)をリアルタイムで効率的に割り付ける場合について同様に本発明を適用することができる。
4)上述の実施形態では、2つの、時間帯が重複した時間帯情報が存在する場合、来場者に優先順位の調整を促すことで、重複の解消を行ったが、例えば来場者エージェント100の制御装置が選好値の低い施設に対する予約を自動的に削除してもよい。また、いずれの予約を削除するかは、システム設計者が適宜定めればよい。
来場者エージェントが実行する重複排除処理は本発明に関連するので、一例を紹介しておく。このための制御装置130が実行する処理手順を第7図に示しておく。第7図は、来場者エージェントにおける重複チェックの処理内容を示すフローチャートである。
第7図において、制御装置130は1つ以上の施設エージェント200から施設情報および時間帯情報を受信すると、そのデータの組数(時間帯情報)が複数(2以上)であるか否かを判定する(ステップS1000)。施設情報および時間帯情報が1組の場合には、重複が生じないので、ステップS1050へジャンプして、受信した施設情報および時間帯情報を受付けた予約として記憶装置140内に設定する。
一方、受信したデータの組数が複数の場合、重複の可能性があるので、手順をステップS1000からステップS1010へ進める。制御装置130は受信した時間帯情報の中から第1番目および第2番目の時間帯情報を取り出し(ステップS1010)、2つの時間帯情報の示す時間帯が重複するか否かを判定する(ステップS1020)。一方の時間帯の開始時刻と終了時刻の間に、他方の時間帯の開始時刻あるいは終了時刻が存在し、その重複する時間帯での資源要求プロファイルにおける確率が双方とも1.0であるときに、2つの時間帯が重複すると判定される。
重複の判定がなされた場合、この形態では受信時点が後の施設情報と時間帯情報が比較対象から削除される(ステップS1030)。
このようにして、受信した時間帯情報の全ての中から2つを選択して、上述の処理を繰り返し、比較された2組の時間帯で、重複しているものについては1組が削除されていくので、全ての比較が終わった時点で残った施設情報および時間帯情報は重複がないものとなる。
これにより、手順はステップS1040→S1050へと進み、重複排除処理が施された後に残った施設情報および時間帯情報が受付けの予約として記憶装置140に設定される。設定された施設情報および時間帯情報が表示装置120に表示されて第7図の処理手順が終了する
5)施設エージェント200と来場者エージェント100の間の通信では施設情報は施設エージェントの通信アドレスを使用すればよいし、表示装置120での表示や入力装置110からの入力には文字形態の施設情報を使用するとよい。文字形態の施設情報から通信アドレス携帯の施設情報には変換テーブルを使用するとよい。変換テーブルには文字形態の施設情報と通信アドレスの対応表を記載しておく。
6)上述の実施形態では来場者エージェント100で時間帯が重複する施設情報と時間帯情報を排除した後、施設エージェント200には何も連絡していないが、排除された(削除された)施設情報に対応する施設エージョント200に対して予約のキャンセルを施設エージェン200に連絡するようにしてもよい。この連絡に応じて施設エージェント200はこれまでの予約の申し込みの中から該当する来場者エージェント100に関する情報を削除する。
産業上の利用分野
本発明による分散型予約システムは、資源の容量や処理能力に限界があり、資源に対する需要が大きく変動する環境(たとえば、大規模アトラクション施設)において好適に用いられる。資源に対する選好値や、資源の混雑程度の情報に基づいて、予約要求(需要)に対して、資源を利用する時間を適切に設定することで、効率的かつ公平に資源に対する需要を処理することが可能となる。施設ごとに予約システムを設け、携帯用端末側で、予約の申し込みについての時間帯の重複を阻止するシステムとすることができるので、システム構成が簡易なものとなる。また、来場者の施設に対する選好の度合いを考慮して施設を訪問する時間帯の調節が可能となる。
分散型予約システムは、第2図に示すように、それぞれの利用者が保有するPDAや携帯電話などの携帯用通信端末100と各施設に設置された情報処理システム200とが、無線または有線の通信ネットワーク(図示せず)で結合されて、システムを構成している。以下の説明において、本実施形態では携帯用通信端末100により行われる予約処理の一部の処理を行うためのサブシステム(処理モジュール)を来場者エージェントとよび、情報処理システム200により行われる予約処理の残りの処理を行うためのサブシステム(処理モジュール)を施設エージェントと呼ぶ。これら来場者エージェントおよび施設エージェントとの間でのインタラクションにかかる処理により、分散型予約システムにおける予約処理が実行される。
来場者エージェントによる予約処理の一部の処理は、携帯用通信端末100が有する入力装置110、表示装置120、制御装置130、記憶装置140および通信装置150の各ハードウェア装置を利用して、これらを制御するプログラムの処理により実行される。
たとえば、利用者(各施設の訪問者)は、キーボードやペンを使用した入力装置110から、予約を行うための種々の情報(予約時間帯情報、予約施設名情報)を入力する。
表示装置120には、たとえば、液晶表示装置を使用することができ、入力装置110から入力された情報や、施設エージェントの予約処理を実行する情報処理システム200から送られてきた情報を表示する。なお、以下では混同が生じない場合において、来場者エージェント(処理モジュール)と携帯用端末を共に同じ参照番号100で参照し、施設エージェント(処理モジュール)と情報処理システムとを同じ参照番号200で参照して説明する。
制御装置130は、CPUおよびメモリを有し、制御装置130は来場者エージェント100内の装置を制御する。来訪者エージェントにおける予約処理をプログラム処理により行う主要部である。また、来場者の誘導に係わる情報処理をも行う。
記憶装置140には、たとえばICメモリを使用することができ、種々の情報を記憶する。来訪者エージェントにおける予約処理のプログラムを格納している。
来場者エージェントの通信装置150は、施設エージェント200が制御する通信装置230との間で無線による通信を行う。来場者エージェントの通信装置150および施設エージェントの通信装置230の間の通信には、無線LAN(IEEE 802.11bなど)やBluetoothなどの通信装置を使用することができる。
施設エージェントの予約処理を実行する情報処理システム200には市販のコンピュータシステムを使用することができる。施設エージェント200には、制御装置210、記憶装置220および通信装置230が設けられる。制御装置210はCPUおよびメモリを有し、装置全体を制御する他、本発明に係わる分散型予約システムにおける予約処理をコンピュータによるプログラム処理により実行して、来場者エージェント100により来場者から申し込まれた予約の調整を資源要求プロファイルに基づいて行って、特定時間帯に施設に来場者が集中しないように来場者が誘導される予約処理を実行する。この処理については後で詳しく説明する。
記憶装置220にはハードディスクなどのような大容量記憶装置を使用することができる。記憶装置220は来場者から申し込まれ、かつ調整した予約時刻、その来場者エージェント100の識別情報等の情報を保存記憶する。また、施設エージェントにおける予約処理のプログラムを格納している。
施設エージェントの通信装置230は、来場者エージェント100の通信装置150と無線で通信を行う。
第3図は、来場者に対して施設へ訪問する時間の割り付けを行う予約処理の処理手順を示すフローチャートである。第3図を参照しながら、予約処理の動作を説明する。
来場者は、まず、自らが保有する携帯用端末100において、来場者エージェントを起動して処理を開始させる。この処理では、まず、入力装置110により自らが訪問したい施設を示す施設情報と、その施設を訪問したい時間帯を示す時間帯情報(最早使用開始時刻と最遅使用完了時刻)と、その施設に対する重要度を示す選好値(0から1までの値)を入力する。もし、時間帯、選好値などの情報の入力が省略された場合は、制御装置130は予め定めたデフォルト値(時間帯としては現時点から閉園時間、選好値としては1.0)を設定する(ステップS100)。
来場者エージェント(制御装置130)においては、それらの入力された情報から、来場者の訪問したい施設に対する選好値を正規化する(ステップS110)。これは、多くの施設を訪問したい来場者と、あまり多くの施設を訪問する予定の無い来場者との間に生じる不公平感を是正することが目的である。
P’ij = Pij / ΣPi
但し、Pijは、来場者iの施設jに対する選好値であり、ΣPiは来場者iの全施設に対する選好値の和であり、P’ijは来場者iの施設jに対する正規化された選好値である。すなわち、正規化処理では、上式に示すように各施設の選好値を、訪問したい全施設の選好値の和で割る。これにより、多くの施設を訪問する来場者と少ない施設を訪問する来場者との間の予約の公平化を図る。
次に、来場者エージェントは、入力された情報から、その施設情報の示す施設ごとに資源要求プロファイルを作成し(ステップS120)、それぞれの対応に施設エージェントに送信する(ステップS130)。
次に、資源要求プロファイルの作成処理について具体的に説明する。第4図は資源要求プロファイルの作成処理を説明する説明図である。まず、この例としては、来場者に提示する時間の精度は10分間隔であるし、ある施設に対し来場者が9時から9時50分までの時間帯に、選好値0.6で訪問したいという希望を持っているとする。更に、この施設でのアトラクションの所要時間は30分であると仮定する。
そのような条件のもとでは、来場者が施設でアトラクションに参加する時間帯は、第4図の3パターンのタイルで示すように(9時から9時30分)、(9時10分から9時40分)、(9時20分から9時50分)の3通りである。更に、第4図からわかるように、9時20分から9時30分の時間帯に関しては、3パターンの全てに含まれているため、来場者が希望どおりの時間帯に、この施設を訪問する場合には、この9時20分から9時30分の時間帯には来場者は必ずこの施設にいなければならない。
来場者のこの施設に対する選好値は0.6なので、上記の時間帯に、来場者がこの施設にいる確率は0.6であるとし、他の時間帯における確率もそれに準じて、予め定めてある数式にしたがって計算すると、上記仮定された条件による来訪者が当該施設の利用を希望する内容は、第4図の下部分に示すように確率のグラフとして表現できる。このことから、このグラフを示すデータを、来場者の施設に対する資源要求プロファイルとして予約要求するデータとする。この資源要求プロファイルに基づいて予約処理を実行する。
このような資源要求プロファイルは、入力された情報に基づいて、来場者が訪問したいとして入力したそれぞれの施設ごとに作成されて、それぞれの施設エージェントに対して送信される。つまり、来場者エージェント100は、入力された情報に基づいて、来場者が訪問したいとして入力した各施設の施設エージェント200に対して、その施設に対する来場者の作成された資源要求プロファイルの情報を通信装置150からそれぞれに送信する(ステップS130)。
また、入力装置110から入力された情報や作成された資源要求プロファイルは記憶装置140に一時記憶される。
それぞれの施設エージェント200においては、制御装置210が通信装置230を介して定期的に(例えば、10分間隔)、それぞれの来場者エージェント100から資源要求プロファイルを受信する(ステップS140)。そして、受信した資源要求プロファイルの情報を記憶装置220において集計する処理を行う。また、この場合において、施設エージェント200の処理においては、集計した資源要求プロファイルを使用して、その施設に対して予約を希望する全来場者の需要量の総計を行う(ステップS150)。続いて、その総計情報に基づいて、個々の来場者に対して、その施設を訪問する時間の割り付けを行う割り付け処理を(ステップS160)。
この割り付け処理について具体的に説明する。第5図は、それぞれの訪問者に施設の利用時間を割り付ける処理を説明する図である。なお、以下では、この施設およびその利用時間を含めて、これを資源と総称するものとすると、各訪問者に施設の利用時間を割り付ける処理は、資源の割り付け処理となる。
資源割り付け処理では、第5図に示すように、たとえば、施設エージェント200は、来場者1,来場者2,来場者3の3つの来場者エージェントから、それぞれの来場者の資源要求プロファイルを受信し、その資源要求プロファイルを集計して、施設に対する包括的な資源要求プロファイルを作成する。その包括的な資源要求プロファイルは、当該施設の総需要の時間変動を表しており、そのピーク(ここではそれを競合ピークと呼ぶ)に当たる時間帯(第5図では、網掛けさけたパターンで示されている時間帯がそれに当たる)が、その施設が最も込み合うと予想される時間帯である。
そこで、施設エージェント200においては、需要量総計の処理(ステップS150)において競合ピークを算出すると、その時間帯を判定し、それぞれの来場者の資源要求プロファイルを参照し、競合ピークの時間帯における需要量が最も大きい来場者(すなわち、資源要求プロファイルのその時間帯における確率の値が最も大きい来場者)を探す。第5図の例では、来場者3の資源要求プロファイルがそれに当たるので、そして、当該来場者3に対して、来場者3の資源要求プロファイルに含まれている確率(選好値)のそれぞれの時間帯の中で、包括的な資源要求プロファイルにおける値が最も小さくなる時間帯に割り付ける。すなわち、他の訪問者との競合がなるべく少ない時間帯を、当該来場者の訪問時間の候補値として割り付ける処理を行う。他の来場者の資源要求プロファイルについても、同様にして既に割り付けた時間帯を除いて、割り付け可能な時間を割り付ける(ステップS160)。
施設エージェント200は、訪問時間の候補値の割り付けを行った来場者の来場者エージェント100に対して、通信装置230を介して訪問を誘導する時間帯および自己の施設を示す施設情報を送信する(ステップS170)。
再び第3図を参照すると、それぞれの施設エージェント200から、先に送信した資源要求プロファイルに対して、その訪問時間の候補値の時間帯情報が送信されてくる(ステップS170,ステップS180)ので、1つあるいは複数の施設エージェント200から割り付けられた訪問時間の候補値の時間帯情報を受信した来場者エージェント100は、受信した時間帯情報および施設情報の中から時間帯が重複する情報を発見するための処理を行い、重複利用の時間帯がある場合にはその内容を表示する(ステップS190)。すなわち、この処理では、たとえば、その訪問時間が来場者の予定している他の施設への訪問計画にどのように影響するかを表示装置120に表示して、その時間帯に当該施設を訪問するか否かの確認を行うため、その受諾または拒否の入力の受付を行い、その入力に応じて、選好値を調整し、変化した資源要求プロファイルの内容を更新し(ステップS200〜ステップS220)、再度、各施設エージェントに対して送信する(ステップS230)、その後の更新された資源要求プロファイルの内容に応じた割り付け情報の受信を待つ。
その具体的な処理内容については、第6図を用いて説明する。第6図は予約の調整処理を説明するための説明図である。第6図では、来場者は3つの施設(第1の施設,第2の施設,第3の施設)の訪問を予定しており、それらの施設に対する資源要求プロファイルは第6図の左部分に示されている。いま、第3の施設の施設エージェントが第6図の左部分に示すように、斜線のハッチングされた時間帯を訪問時間として、来場者に対して割り付けた際に、その結果が他の施設の訪問計画に対して、どのように影響が伝播するかを第6図の右部分に示している。
まず、第3の施設に関しては、割り付けられた時間帯に訪問することが確定するため、第3の施設の資源要求プロファイルは、第6図の右側に示したように変更され、斜線によりハッチングした部分だけとなる。更に、その時間帯には来場者は他の施設を訪問することはできないので、その時間帯にかかる資源要求プロファイル(第2の施設に対する資源要求プロファイル)は変更される。その結果、この場合においては、第2の施設の資源要求プロファイルは、第6図右側に示すように変形される。
その結果、第6図に示す事例において、第3の施設の割り付け結果による影響伝播の結果、来場者は第1の施設と第2の施設に対して同一の時間帯にピーク値(1.0)を持つ資源要求プロファイルを形成することになり、注意すべき点は、第1の施設と第2の施設のいずれかに対する訪問を断念せざるを得ない(同時に複数の施設を訪問することはできない)ことである。このようにして、制御装置130は、重複する予約(この例では、第1の施設、第2の施設の訪問予定時間帯が重複する)を発見する。
来場者エージェント100は、訪問時間の割り付け結果による他の施設への訪問予定に対する影響を来場者エージェント100の制御装置130によって算出された結果を表示装置120に表示する。その後、その訪問時間の割り付けを受諾可能か否かの判断が、来場者エージェント100の入力装置110から入力される。
第6図の例では、第3の施設への時間割り付けの結果、第1の施設または第2の施設のいずれかの訪問を断念せざるを得なくなるので、これを来場者が承諾できる場合は、割り付けられた施設への時間割り付けを受け入れ、第3の施設よりも第1の施設と第2の施設への訪問を優先したい場合には、受け入れを拒絶することになる。その場合には、各施設に対する選好値を変更する。
来場者による割り付け時間の受諾または拒否(変更すべき時間帯情報を含む)の判断結果が、来場者エージェント100の入力装置110から入力されると、来場者エージェント100はその結果に基づき、訪問施設の割り付けに関して来場者間に過度の不公平が発生するのを防ぐために、来場者の選好値の調整を行う。すなわち、第6図の例では、第3の施設への割り付けを受諾した場合には、第1の施設および第2の施設のうち、優先順位が下げられた施設(この例では第2の施設)に対する来場者の選好値を下げる(例えば、−10%)。第3の施設への割り付けを拒否した場合には、第3の施設への選好値を下げ、第1の施設と第2の施設に対する来場者の選好値を上げる(例えば+10%)。そうした調整を行うことにより、全ての来場者間で選好値を公平な値に保つことができる。更に、そのような調整を行った後、来場者エージェントは再び、来場者の全ての施設に対する選好値に関して、値の正規化による選好値の調整を制御装置130により行う(ステップS210)。
その後、来場者エージェント100(制御装置130)は新たな選好値に基づいて、来場者の資源要求プロファイルを更新し、その結果を各施設エージェント200に通信装置150を介して送信する(ステップS220→S230)。なお、来場者の全施設への訪問予約が確定された場合は、空(すなわち新たに割り付ける訪問が無い)の資源要求プロファイルを送信する。
施設エージェント200の制御装置220は更新された資源要求プロファイルを通信装置230を介して受信すると、資源要求プロファイルの内容が空(すなわち新たに割り付ける訪問が無い)でない際には、更新された資源要求プロファイルに基づいて、来場者への訪問時間の割り付けを行い、上述の処理を繰り返し実行する(ステップS240→S250→S160)。一方、資源要求プロファイルが空の場合には制御装置220は予約の申し込みは終了と判断し、予約の申し込みのあった来場者エージェントの通信を切断する(ステップS240→S250→終了)。
以上、説明したように、個別の施設エージェント(予約システム)200が訪問時間帯の調整を行って、その結果、複数の施設への訪問時間帯が重複しても、来場者エージェント100が重複のないように、来場者に訪問施設に対する優先順位の調整を促す。これにより従来のように、来場者が複数の施設に対する予約を、時間帯が重複して申し込むことができなくなる。来場者の施設への訪問は、来場者の選好値や施設の混雑程度に応じて、来場者が効率的に施設を訪問でき、かつ来場者間に不公平感が生まれないように施設を訪問する時間の割り付けがなされる。
(他の実施形態)
1)実施形態では、来場者エージェントを来場者一人一人に設定しているが、グループで来場した来場者に対して、1つの来場者エージェントにより予約処理を行うように設定するようにしても良い。
2)上記実施形態では、来場者が訪問を予定した全ての施設に対して、施設エージェントからの訪問時間の割り付けがなされるが、従来の実施例(第1図)のように、予約者用入り口と非予約者用入り口を設けるなどすることにより、混雑の予想される施設にのみ本システムを用いて訪問時間の割り付けを行い、そうでない施設に関しては本システムによる訪問時間の割り付けなしに、自由に訪問する形態を混在するようにしても良い。
3)上述の実施形態では、テーマパーク遊園地における来場者のアトラクション施設への誘導の場合について説明したが、見本市会場での展示ブースへの案内、一定区画内の交通流入制御等、閉じられた環境にある複数の資源(展示ブース、アトラクション、道路など)に対して、大量の需要(来場者など)をリアルタイムで効率的に割り付ける場合について同様に本発明を適用することができる。
4)上述の実施形態では、2つの、時間帯が重複した時間帯情報が存在する場合、来場者に優先順位の調整を促すことで、重複の解消を行ったが、例えば来場者エージェント100の制御装置が選好値の低い施設に対する予約を自動的に削除してもよい。また、いずれの予約を削除するかは、システム設計者が適宜定めればよい。
来場者エージェントが実行する重複排除処理は本発明に関連するので、一例を紹介しておく。このための制御装置130が実行する処理手順を第7図に示しておく。第7図は、来場者エージェントにおける重複チェックの処理内容を示すフローチャートである。
第7図において、制御装置130は1つ以上の施設エージェント200から施設情報および時間帯情報を受信すると、そのデータの組数(時間帯情報)が複数(2以上)であるか否かを判定する(ステップS1000)。施設情報および時間帯情報が1組の場合には、重複が生じないので、ステップS1050へジャンプして、受信した施設情報および時間帯情報を受付けた予約として記憶装置140内に設定する。
一方、受信したデータの組数が複数の場合、重複の可能性があるので、手順をステップS1000からステップS1010へ進める。制御装置130は受信した時間帯情報の中から第1番目および第2番目の時間帯情報を取り出し(ステップS1010)、2つの時間帯情報の示す時間帯が重複するか否かを判定する(ステップS1020)。一方の時間帯の開始時刻と終了時刻の間に、他方の時間帯の開始時刻あるいは終了時刻が存在し、その重複する時間帯での資源要求プロファイルにおける確率が双方とも1.0であるときに、2つの時間帯が重複すると判定される。
重複の判定がなされた場合、この形態では受信時点が後の施設情報と時間帯情報が比較対象から削除される(ステップS1030)。
このようにして、受信した時間帯情報の全ての中から2つを選択して、上述の処理を繰り返し、比較された2組の時間帯で、重複しているものについては1組が削除されていくので、全ての比較が終わった時点で残った施設情報および時間帯情報は重複がないものとなる。
これにより、手順はステップS1040→S1050へと進み、重複排除処理が施された後に残った施設情報および時間帯情報が受付けの予約として記憶装置140に設定される。設定された施設情報および時間帯情報が表示装置120に表示されて第7図の処理手順が終了する
5)施設エージェント200と来場者エージェント100の間の通信では施設情報は施設エージェントの通信アドレスを使用すればよいし、表示装置120での表示や入力装置110からの入力には文字形態の施設情報を使用するとよい。文字形態の施設情報から通信アドレス携帯の施設情報には変換テーブルを使用するとよい。変換テーブルには文字形態の施設情報と通信アドレスの対応表を記載しておく。
6)上述の実施形態では来場者エージェント100で時間帯が重複する施設情報と時間帯情報を排除した後、施設エージェント200には何も連絡していないが、排除された(削除された)施設情報に対応する施設エージョント200に対して予約のキャンセルを施設エージェン200に連絡するようにしてもよい。この連絡に応じて施設エージェント200はこれまでの予約の申し込みの中から該当する来場者エージェント100に関する情報を削除する。
産業上の利用分野
本発明による分散型予約システムは、資源の容量や処理能力に限界があり、資源に対する需要が大きく変動する環境(たとえば、大規模アトラクション施設)において好適に用いられる。資源に対する選好値や、資源の混雑程度の情報に基づいて、予約要求(需要)に対して、資源を利用する時間を適切に設定することで、効率的かつ公平に資源に対する需要を処理することが可能となる。施設ごとに予約システムを設け、携帯用端末側で、予約の申し込みについての時間帯の重複を阻止するシステムとすることができるので、システム構成が簡易なものとなる。また、来場者の施設に対する選好の度合いを考慮して施設を訪問する時間帯の調節が可能となる。
【書類名】 明細書
【技術分野】
【0001】
この発明は、社会における「混雑・待ち」を緩和するための分散型予約システムに関するものであり、例えば、遊園地などの来場者に対して、施設の混雑を緩和し来場者の時間の有効利用を促進するために、利用者が訪問を予定している各施設に対して適切な訪問時刻を提示するためのシステムに適用でき、多数の利用者に対して効率的に各施設に誘導することのできる分散型予約システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
計算機や各種センサーおよび無線通信機器の性能向上・低価格化の急激な進展により、社会の至る所に情報の受発信機能を持つ情報機器が備わったユビキタス情報社会の訪れが目の前に迫りつつある。しかしながら、前記のようなハードウェア技術の急速な進歩とは対照的に、それを活用したソフトウェア、新たなサービスの在り方に関しては、未だ「キラーアプリケーション」と呼べるような提案はなされていないのが現状である。
【0003】
例えば、現在「位置情報に基づく情報サービス」の典型例として提案されているシステムは、美術館などにおいて、閲覧者の現在位置の情報に基づいて、その場に存在する絵画などの解説を自動的に個々の閲覧者の情報端末に発信するというものである。閲覧者側の情報端末に閲覧者の趣味や国籍などの情報が記録されていれば、近くにある閲覧者の好きな作品の展示場所に案内し、また、解説を母国語で行うなどの個人適合的な情報提供サービスも実現できる。
【0004】
このようなサービスはユビキタス情報環境にいる個人に対する有用なサービスではあるが、その場に、居合わせた他の人々との関係に関しては何も考慮されていない。例えば、上の例では同じ嗜好を持つ大勢の人々を一度に同じ作品のあるブースに案内することにより、大混雑を発生させてしまう可能性もある。
【0005】
したがって、ユビキタス情報環境においては、現在提案されている上記のような個人指向のサービスに加えて、その場で発生する「混雑・待ち」を解消するように人々の行動を誘導する社会的調整機能の実現が、集団としての利便性を指向した新たなサービスとして期待される。
【0006】
このような「混雑・待ち」を解消する一例について説明する。図1は、従来の分散型予約システムの一例を説明するブロック図である。図1のシステムは、複数の施設を有するテーマパークの各施設を訪問する訪問者が効率よくそれぞれの施設を訪問するための予約システムであり、たとえば、非特許文献1で紹介されているシステムである。
【0007】
図1を参照して説明すると、まず、テーマパークの来場者は、興味のある施設10を訪れ、予約システム40を介して訪問の予約を行う。予約システム40は現在の施設の負荷状況から予約時刻を算出し、算出した予約時刻を訪問者に提示する。その際、提示された予約時間に同意できないのであれば、訪問者は施設の非予約者用入り口30で列に並んで施設を訪問するか、あるいはこの時点での施設の訪問を断念して、他の施設11に移動する。
【0008】
提示された予約時刻に同意する訪問者は、その施設の予約システム40に対して予約を行った上で、他の施設11を訪れ、施設11が空き状態であれば施設の非予約者用入り口31で列に並んで施設11を利用し、その時に利用できなければ、同様にその施設11の予約システム41に対して予約を行う。そして、予約時刻になれば、先に予約しておいた施設10を再訪して、予約者用入り口20から入場する。予約時刻までの間は、訪問者は自由に他の施設を訪れることができる。
【0009】
また、この種の施設の予約システムに関係する公知文献としては、特許文献1に記載されているアトラクション施設のための「会場内施設予約システム」の提案がある。このシステムにおいては、予約管理サーバーが各アトラクションの予約情報を管理し、各利用者は自ら携帯通信端末を用いて、管理サーバーと通信を行い先着優先で予約時間の設定を行う。予約サーバーは、同一の携帯情報端末から異なる施設に対して同時間に予約登録がある場合は、それを検出し利用者に通知するものとなっている。
【0010】
宿泊施設の予約については、特許文献2に記載の「ネットワークを用いた予約方法」の提案が参照できる。この提案の予約方法においては、ネットワークに接続された予約希望者コンピュータと予約データベースコンピュータとの間で、予約の要求と許可の情報をやりとりして予約を行う。予約希望者は優先順位を付けて、複数の予約希望を登録することができ、先着優先で空いている優先順位の最も高い予約希望が予約されるものとなっている。
【0011】
また、特許文献3に記載の「オンライン予約システム」は、複数の施設の予約状況を管理する予約状況データベースを用いて予約サーバーが利用者からの予約キャンセルを受信すると、キャンセル待ちをしている利用者で高い優先順位を設定している利用者に優先的にキャンセルされた予約を割り当てるものである。
【非特許文献1】
http://www.tokyodisneyresort.co.jp/tdl/japanese/j_topics/index_fpass
【特許文献1】 特開2001−344491号公報
【特許文献2】 特開2002−334252号公報
【特許文献3】 特開2003−242265号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記のような予約システムを用いることで、そのようなシステムが存在しない場合よりも、テーマパークの来場者はある程度は時間的に効率的に多くの施設を訪問することができる。しかしながら、従来の技術では、各施設の予約システム40,41が独立して動作しており、施設10,11間で情報の共有がなされていないため、訪問者が複数の予約システム40,41に対して時間帯が重複した予約を行うことが可能となっており、予約時刻の重複の問題を避けることができない。また、施設の訪問者は、訪問したい施設ごとに、その場所に設置された予約システム40に対して予約を行わなければならないという煩雑さも生じる。
【0013】
例えば、特許文献1〜3に記載されているように、各施設についての予約情報の管理を予約管理サーバーまたは予約データベースサーバーにより行うことにより、施設の間の情報を共有できるように複数の施設の予約システムを統合して、1つの予約システムとして構築することが考えられるが、このようなシステムでは、利用者の予約時間の設定が利用者の選好にかかわらず、先に予約登録した利用者優先で予約が行われることになり、予約の集中する時間帯が生じることを防ぐことは不可能である。このため、施設の稼働率改善には限界がある。また、来場者(利用者)は複数の施設の予約を行うので、各施設に対して来場者が増えるほど、複数の施設を統合して予約するシステムは、予約システムの負荷が増大して効率が悪化してしまい、最悪の場合には、システムがダウン(停止)してしまう危険性があるという問題がある。
【0014】
そこで、本発明の目的は、施設ごとに予約システムを配置し、予約システムが個別の予約を受け、施設が可能な限り混雑しないように調整して、施設の同一訪問者による同一時間帯の重複予約を訪問者の側で回避しつつ、訪問者が複数の施設に対する予約を一括して行うことが可能な分散型予約システムを提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、複数の施設に対して利用者が予約を行う際に、それらの施設に対する予約を統括して処理するサーバーを必要とせず、各利用者が自らの望ましい時間を各施設に予約することができ、各施設が独立して運営される場合についても、利用者は適切に予約を行うことができる分散型予約システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明による分散型予約システムは、基本的な構成として、予約処理の一部の処理を行う携帯用端末(100)と予約処理の残りの一部の処理を行う各施設に設けられる予約システム(200)とがネットワークで結合されたシステムとして構成される。複数の携帯用端末(100)と複数の予約システム(200)とが、それぞれネットワークを介して接続される。予約情報の入力処理および予約調整処理を行う携帯用端末(100)は、予約したい施設およびその利用時間帯の最早使用開始時刻および最遅使用完了時刻を示す予約情報を入力する入力手段(110)と、予約された施設および利用時間帯の割付情報を表示する表示手段(120)と、データの送受信を行う通信手段(150)と、これらを制御すると共にデータ処理を行う制御手段(130,140)を備えている。各施設に設けられる予約システム(200)は、それぞれの携帯用端末の通信手段と通信を行う通信手段(230)と、該通信手段を介して入力された予約情報を受け付けて、予約情報に基づく利用する施設の利用時間帯に対応して所定の単位時間ごとの施設要求度合を指示する資源要求プロファイルデータにより、施設に対応した当該施設の所定の単位時間ごと施設の要求度合いを示す資源要求プロファイルデータを総計したデータ基づき、各利用者からの予約を割り付けて、割り付けた予約の時間帯を示す時間帯情報および施設を示す施設情報を予約割付情報として前記通信手段により前記携帯用端末に返信する制御手段(210,220)とを備えている。各施設の予約システムから、割り付けた予約の時間帯を示す時間帯情報および施設を示す施設情報を予約割付情報として前記携帯用端末に返信された際に、前記携帯用端末のデータ処理を行う制御手段(130,140)が、予約情報を送信した施設の予約システムから返信された予約割付情報の施設情報および時間帯情報における時間帯の重複を発見した場合に、当該重複が発見された施設情報および時間帯情報を前記表示手段により表示して、前記入力手段により当該重複を解消する入力を受け付け、予約情報を変更する場合に予約情報を更新して再送信する。
【0017】
この場合に、前記携帯用端末の入力手段から、さらに、入力した予約情報の優先順位を示す選好値を入力し、データ処理を行う手段(130,140)により、複数の施設に対する予約情報を前記選好値により正規化する。
【0018】
本発明による分散型予約システムにおいては、携帯用端末(100)の入力手段(110)から複数の施設に関する予約情報が入力され、予約情報は施設およびその利用時間帯を示しており、施設の利用時間帯に対応して所定の単位時間ごとの施設要求度合を指示する資源要求プロファイルデータとして各施設の予約システム(200)に送信される。各施設の予約システム(200)により資源要求プロファイルデータに基づいて複数の来場者の予約の調整が行われ、その調整結果が携帯用端末(100)に返信される。携帯用端末(100)が調整結果の予約時間帯による他の施設の訪問希望時間帯との重複の有無をチェックし、重複部分があればそれを表示手段(120)により提示し、重複を解消させるための入力を受けて、再度予約を調整する。
【発明の効果】
【0019】
このような本発明の分散型予約システムによれば、利用者の予約を、入力された予約情報から施設ごとに利用する施設の利用時間帯に対応して所定の単位時間ごとの施設要求度合を指示する資源要求プロファイルデータに基づいて調整するので、利用者が利用できる施設の容量や処理能力に限界があり、施設に対する需要が大きく変動する環境(たとえば、大規模アトラクション施設)において、施設に対する選好値や、施設の混雑程度の情報に基づき、その需要に対して、各利用者が施設を利用する時間を適切に設定することができ、効率的かつ公平に施設に対する需要を処理することが可能となる。また、携帯用端末側で予約の申し込みについての時間帯の重複を阻止するので、施設ごとに予約システムを独立して設けることができる。これにより、各地域に分散している施設に対しても、利用者の施設に対する選好の度合いが考慮された施設を訪問する時間帯の調節が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図2は、本発明の一実施形態による分散型予約システムの全体構成を示す図である。
【0021】
分散型予約システムは、図2に示すように、それぞれの利用者が保有するPDAや携帯電話などの携帯用通信端末100と各施設に設置された情報処理システム200とが、無線または有線の通信ネットワーク(図示せず)で結合されて、システムを構成している。以下の説明において、本実施形態では携帯用通信端末100により行われる予約処理の一部の処理を行うためのサブシステム(処理モジュール)を来場者エージェントとよび、情報処理システム200により行われる予約処理の残りの処理を行うためのサブシステム(処理モジュール)を施設エージェントと呼ぶ。これら来場者エージェントおよび施設エージェントとの間でのインタラクションにかかる処理により、分散型予約システムにおける予約処理が実行される。
【0022】
来場者エージェントによる予約処理の一部の処理は、携帯用通信端末100が有する入力装置110、表示装置120、制御装置130、記憶装置140および通信装置150の各ハードウェア装置を利用して、これらを制御するプログラムの処理により実行される。
【0023】
たとえば、利用者(各施設の来場者)は、キーボードやペンを使用した入力装置110から、予約を行うための種々の情報(予約時間帯情報、予約施設名情報)を入力する。
【0024】
表示装置120には、たとえば、液晶表示装置を使用することができ、入力装置110から入力された予約情報や、施設エージェントの予約処理を実行する情報処理システム200から送られてきた情報を表示する。なお、以下では混同が生じない場合において、来場者エージェント(処理モジュール)と携帯用端末を共に同じ参照番号100で参照し、施設エージェント(処理モジュール)と情報処理システムを同じ参照番号200で参照して説明する。
【0025】
制御装置130は、CPUおよびメモリ(コンピュータ)を有し、制御装置130は来場者エージェント100内の装置を制御する。来場者エージェント100における予約処理をプログラム処理により行う主要部である。また、来場者の誘導に係わる情報処理を行う。
【0026】
記憶装置140には、たとえばICメモリを使用することができ、種々の情報を記憶する。来場者エージェントにおける予約処理のプログラムを格納している。
【0027】
来場者エージェント100の通信装置150は、施設エージェント200が制御する通信装置230との間で無線による通信を行う。来場者エージェントの通信装置150および施設エージェントの通信装置230の間の通信には、無線LAN(IEEE 802.11bなど)やBluetoothなどの通信装置を使用することができる。
【0028】
施設エージェント200の予約処理を実行する情報処理システムには市販のコンピュータシステムを使用することができる。施設エージェント200には、制御装置210、記憶装置220および通信装置230が設けられる。制御装置210はCPUおよびメモリ(コンピュータ)を有し、装置全体を制御する他、本発明に係わる分散型予約システムにおける予約処理をコンピュータによるプログラム処理により実行して、来場者エージェント100により来場者から申し込まれた予約の調整を資源要求プロファイルデータ(後述する)に基づいて行って、特定時間帯に施設に来場者が集中しないように来場者が誘導される予約処理を実行する。この処理については後で詳しく説明する。
【0029】
記憶装置220にはハードディスクなどのような大容量記憶装置を使用することができる。記憶装置220は、来場者から申し込まれ、かつ調整した予約時刻、すなわち、来場者エージェント100を介して入力された予約情報と共に、その来場者エージェント100の識別情報等の情報を保存記憶する。また、施設エージェント200における予約処理のプログラムを格納している。
【0030】
施設エージェント200の通信装置230は、来場者エージェント100の通信装置150と無線で通信を行う。
【0031】
図3は、来場者に対して施設へ訪問する時間の割り付けを行う予約処理の処理手順を示すフローチャートである。図3を参照しながら、予約処理の動作を説明する。
【0032】
来場者は、まず、自らが保有する携帯用端末100において、来場者エージェントを起動して処理を開始させる。この処理では、まず、入力装置110により予約情報として、自らが訪問したい施設を示す施設情報と、その施設を訪問したい時間帯を示す時間帯情報(最早使用開始時刻と最遅使用完了時刻)と、その施設に対する重要度を示す選好値(0から1までの値)を入力する。もし、時間帯、選好値などの情報の入力が省略された場合は、制御装置130は予め定めたデフォルト値(時間帯としては現時点から閉園時間、選好値としては1.0)を設定する(ステップS100)。
【00033】
来場者エージェント(制御装置130)においては、それら入力された予約情報から、来場者の訪問したい施設に対する選好値を正規化する(ステップS110)。これは、多くの施設を訪問したい来場者と、あまり多くの施設を訪問する予定の無い来場者との間に生じる不公平感を是正することが目的である。
P’ij = Pij / ΣPi
但し、Pijは、来場者iの施設jに対する選好値であり、ΣPiは来場者iの全施設に対する選好値の和であり、P’ijは来場者iの施設jに対する正規化された選好値である。すなわち、正規化処理では、上式に示すように各施設の選好値を、訪問したい全施設の選好値の和で割る。これにより、多くの施設を訪問する来場者と少ない施設を訪問する来場者との間の予約の公平化を図る。
【0034】
次に、来場者エージェント100は、入力された予約情報から、その施設情報の示す施設ごとに施設の利用時間帯に対応して所定の単位時間ごとの施設要求度合を指示する資源要求プロファイルデータ(以下、資源要求プロファイルと略称する)を作成し(ステップS120)、それぞれの対応に施設エージェントに送信する(ステップS130)。
【0035】
次に、資源要求プロファイルの作成処理について具体的に説明する。図4は資源要求プロファイルの作成処理を説明する説明図である。まず、この例としては、来場者に提示する時間の精度は10分間隔であるとし、ある施設に対し来場者が9時から9時50分までの時間帯に、選好値0.6で訪問したいという希望を持っているとする。更に、この施設でのアトラクションの所要時間は30分であると仮定する。
【0036】
そのような条件のもとでは、来場者が施設でアトラクションに参加する時間帯は、図4の3パターンのタイルで示すように(9時から9時30分)、(9時10分から9時40分)、(9時20分から9時50分)の3通りである。更に、図4からわかるように、9時20分から9時30分の時間帯に関しては、3パターンの全てに含まれているため、来場者が希望どおりの時間帯に、この施設を訪問する場合には、この9時20分から9時30分の時間帯には来場者は必ずこの施設にいなければならない。
【0037】
来場者のこの施設に対する選好値は0.6なので、上記の時間帯に、来場者がこの施設にいる確率は0.6であるとし、他の時間帯における確率もそれに準じて、予め定めてある数式にしたがって計算すると、上記仮定された条件による来場者が当該施設の利用を希望する内容は、図4の下部分に示すように確率のグラフとして表現できる。このことから、このグラフを示すデータを、来場者の施設に対する資源要求プロファイルとして予約要求するデータとする。この資源要求プロファイルに基づいて予約処理を実行する。
【0038】
このような資源要求プロファイルは、入力された予約情報に基づいて、来場者が訪問したいとして入力したそれぞれの施設ごとに作成されて、それぞれの施設エージェントに対して送信される。つまり、来場者エージェント100は、入力された情報に基づいて、来場者が訪問したいとして入力した各施設の施設エージェント200に対して、その施設に対する来場者の予約情報から作成された資源要求プロファイルの情報を通信装置150からそれぞれに送信する(ステップS130)。
【0039】
また、入力装置110から入力された予約情報や作成された資源要求プロファイルは記憶装置140に一時記憶される。
【0040】
それぞれの施設エージェント200においては、制御装置210が通信装置230を介して定期的に(例えば、10分間隔)、それぞれの来場者エージェント100から資源要求プロファイルを受信する(ステップS140)。そして、受信した資源要求プロファイルの情報を記憶装置220において集計する処理を行う。また、この場合において、施設エージェント200の処理においては、集計した資源要求プロファイルを使用して、その施設に対して予約を希望する全来場者の需要量の総計を行う(ステップS150)。続いて、その総計情報に基づいて、個々の来場者に対して、その施設を訪問する時間の割り付けを行う割り付け処理を行う(ステップS160)。
【0041】
この割り付け処理について具体的に説明する。図5は、それぞれの来場者に施設の利用時間を割り付ける処理を説明する図である。なお、以下では、この施設およびその利用時間を含めて、これを資源と総称するものとすると、各来場者に施設の利用時間を割り付ける処理は、資源の割り付け処理となる。
【0042】
資源割り付け処理では、図5に示すように、たとえば、施設エージェント200は、来場者1,来場者2,来場者3の3つの来場者エージェントから、それぞれの来場者の資源要求プロファイルを受信し、その資源要求プロファイルを集計して、施設に対する包括的な資源要求プロファイル(自施設要求プロファイルデータ)を作成する。その包括的な資源要求プロファイルは、当該施設の総需要の時間変動を表しており、すなわち、当該施設の所定の時間ごとの施設要求度合いを指示するものとなっており、そのピーク(ここではそれを競合ピークと呼ぶ)に当たる時間帯(図5では、網掛けされたパターンで示されている時間帯がそれに当たる)が、その施設が最も込み合うと予想される時間帯である。
【0043】
そこで、施設エージェント200においては、需要量総計の処理(ステップS150)において競合ピークを算出すると、その時間帯を判定し、それぞれの来場者の資源要求プロファイルを参照し、競合ピークの時間帯における需要量が最も大きい来場者(すなわち、資源要求プロファイルのその時間帯における確率の値が最も大きい来場者)を探す。図5の例では、来場者3の資源要求プロファイルがそれに当たるので、そして、当該来場者3に対して、来場者3の資源要求プロファイルに含まれている確率(選好値)のそれぞれの時間帯の中で、包括的な資源要求プロファイルにおける値が最も小さくなる時間帯に割り付ける。すなわち、他の来場者との競合がなるべく少ない時間帯を、当該来場者の訪問時間の候補値として割り付ける処理を行う。他の来場者の資源要求プロファイルについても、同様にして既に割り付けた時間帯を除いて、割り付け可能な時間を割り付ける(ステップS160)。
【0044】
施設エージェント200は、訪問時間の候補値の割り付けを行った来場者の来場者エージェント100に対して、通信装置230を介して訪問を誘導する時間帯および自己の施設を示す施設情報を送信する(ステップS170)。
【0045】
再び図3を参照すると、それぞれの施設エージェント200から、先に送信した資源要求プロファイルに対して、その訪問時間の候補値の時間帯情報が送信されてくる(ステップS170,ステップS180)ので、1つあるいは複数の施設エージェント200から割り付けられた訪問時間の候補値の時間帯情報を受信した来場者エージェント100は、受信した割付情報の時間帯情報および施設情報の中から時間帯が重複する情報を発見するための処理を行い、重複利用の時間帯がある場合にはその内容を表示する(ステップS190)。すなわち、この処理では、たとえば、その訪問時間が来場者の予定している他の施設への訪問計画にどのように影響するかを表示装置120に表示して、その時間帯に当該施設を訪問するか否かの確認を行うため、その受諾または拒否の入力の受付を行い、その入力に応じて、選好値を調整し、変化した資源要求プロファイルの内容を更新し(ステップS200〜ステップS220)、再度、各施設エージェントに対して送信する(ステップS230)、その後の更新された資源要求プロファイルの内容に応じた割り付け情報の受信を待つ。
【0046】
その具体的な処理内容については、図6を用いて説明する。図6は予約の調整処理を説明するための説明図である。図6では、来場者は3つの施設(第1の施設,第2の施設,第3の施設)の訪問を予定しており、それらの施設に対する資源要求プロファイルは図6の左部分に示されている。いま、第3の施設の施設エージェントが図6の左部分に示すように、斜線のハッチングされた時間帯を訪問時間とし、来場者に対して割り付けた際に、その結果が他の施設の訪問計画に対して、どのように影響が伝播するかを図6の右部分に示している。
【0047】
まず、第3の施設に関しては、割り付けられた時間帯に訪問することが確定するため、第3の施設の資源要求プロファイルは、図6の右側に示したように変更され、斜線によりハッチングした部分だけとなる。更に、その時間帯には来場者は他の施設を訪問することはできないので、その時間帯にかかる資源要求プロファイル(第2の施設に対する資源要求プロファイル)は変更される。その結果、この場合においては、第2の施設の資源要求プロファイルは、図6右側に示すように変形される。
【0048】
その結果、図6に示す事例において、第3の施設の割り付け結果による影響伝播の結果、来場者は第1の施設と第2の施設に対して同一の時間帯にピーク値(1.0)を持つ資源要求プロファイルを形成することになり、注意すべき点は、第1の施設と第2の施設のいずれかに対する訪問を断念せざるを得ない(同時に複数の施設を訪問することはできない)点である。このようにして、制御装置130は、重複する予約(この例では、第1の施設、第2の施設の訪問予定時間帯が重複する)を発見する。
【0049】
来場者エージェント100は、訪問時間の割り付け結果による他の施設への訪問予定に対する影響を来場者エージェント100の制御装置130によって算出された結果を表示装置120に表示する。その後、その訪問時間の割り付けを受諾可能か否かの判断が、来場者エージェント100の入力装置110から入力される。
【0050】
図6の例では、第3の施設への時間割り付けの結果、第1の施設または第2の施設のいずれかの訪問を断念せざるを得なくなるので、これを来場者が承諾できる場合は、割り付けられた施設への時間割り付けを受け入れ、第3の施設よりも第1の施設と第2の施設への訪問を優先したい場合には、受け入れを拒絶することになる。その場合には、各施設に対する選好値を変更する。
【0051】
来場者による割り付け時間の受諾または拒否(変更すべき時間帯情報を含む)の判断結果が、来場者エージェント100の入力装置110から入力されると、来場者エージェント100はその結果に基づき、訪問施設の割り付けに関して来場者間に過度の不公平が発生するのを防ぐために、来場者の選好値の調整を行う。すなわち、図6の例では、第3の施設への割り付けを受諾した場合には、第1の施設および第2の施設のうち、優先順位が下げられた施設(この例では第2の施設)に対する来場者の選好値を下げる(例えば、−10%)。第3の施設への割り付けを拒否した場合には、第3の施設への選好値を下げ、第1の施設と第2の施設に対する来場者の選好値を上げる(例えば+10%)。そうした調整を行うことにより、全ての来場者間で選好値を公平な値に保つことができる。更に、そのような調整を行った後、来場者エージェント100は再び、来場者の全ての施設に対する選好値に関して、値の正規化による選好値の調整を制御装置130により行う(ステップS210)。
【0052】
その後、来場者エージェント100(制御装置130)は新たな選好値に基づいて、来場者の資源要求プロファイルを更新し、その結果を各施設エージェント200に通信装置150を介して送信する(ステップS220→S230)。なお、来場者の全施設への訪問予約が確定された場合は、空(すなわち新たに割り付ける訪問が無い)の資源要求プロファイルを送信する。
【0053】
施設エージェント200の制御装置220は更新された資源要求プロファイルを通信装置230を介して受信すると、資源要求プロファイルの内容が空(すなわち新たに割り付ける訪問が無い)でない際には、更新された資源要求プロファイルに基づいて、来場者への訪問時間の割り付けを行い、上述の処理を繰り返し実行する(ステップS240→S250→S160)。一方、資源要求プロファイルが空の場合には制御装置220は予約の申し込みは終了と判断し、予約の申し込みのあった来場者エージェントの通信を切断する(ステップS240→S250→終了)。
【0054】
以上、説明したように、個別の施設エージェント(予約システム)200が訪問時間帯の調整を行って、その結果、複数の施設への訪問時間帯が重複しても、来場者エージェント100が重複のないように、来場者に訪問施設に対する優先順位の調整を促す。これにより従来のように、来場者が複数の施設に対する予約を、時間帯が重複して申し込むことができなくなる。来場者の施設への訪問は、来場者の選好値や施設の混雑程度に応じて、来場者が効率的に施設を訪問でき、かつ来場者間に不公平感が生まれないように施設を訪問する時間の割り付けがなされる。
【0055】
(他の実施形態)
1)実施形態では、来場者エージェントを来場者一人一人に設定しているが、グループで来場した来場者に対して、1つの来場者エージェントにより予約処理を行うように設定するようにしても良い。
2)上記実施形態では、来場者が訪問を予定した全ての施設に対して、施設エージェントからの訪問時間の割り付けがなされるが、従来の実施例(図1)のように、予約者用入り口と非予約者用入り口を設けるなどすることにより、混雑の予想される施設にのみ本システムを用いて訪問時間の割り付けを行い、そうでない施設に関しては本システムによる訪問時間の割り付けなしに、自由に訪問する形態を混在するようにしても良い。
3)上述の実施形態では、テーマパーク遊園地における来場者のアトラクション施設への誘導の場合について説明したが、見本市会場での展示ブースへの案内、一定区画内の交通流入制御等、閉じられた環境にある複数の資源(展示ブース、アトラクション、道路など)に対して、大量の需要(来場者など)をリアルタイムで効率的に割り付ける場合について同様に本発明を適用することができる。
4)上述の実施形態では、2つの、時間帯が重複した時間帯情報が存在する場合、来場者に優先順位の調整を促すことで、重複の解消を行ったが、例えば来場者エージェント100の制御装置が選好値の低い施設に対する予約を自動的に削除してもよい。また、いずれの予約を削除するかは、システム設計者が適宜定めればよい。
【0056】
来場者エージェントが実行する重複排除処理は本発明に関連するので、一例を紹介しておく。このための制御装置130が実行する処理手順を図7に示しておく。図7は、来場者エージェントにおける重複チェックの処理内容を示すフローチャートである。
【0057】
図7において、制御装置130は1つ以上の施設エージェント200から施設情報および時間帯情報を受信すると、そのデータの組数(時間帯情報)が複数(2以上)であるか否かを判定する(ステップS1000)。施設情報および時間帯情報が1組の場合には、重複が生じないので、ステップS1050へジャンプして、受信した施設情報および時間帯情報を受付けられた予約として記憶装置140内に設定する。
【0058】
一方、受信したデータの組数が複数の場合、重複の可能性があるので、手順をステップS1000からステップS1010へ進める。制御装置130は受信した時間帯情報の中から第1番目および第2番目の時間帯情報を取り出し(ステップS1010)、2つの時間帯情報の示す時間帯が重複するか否かを判定する(ステップS1020)。一方の時間帯の開始時刻と終了時刻の間に、他方の時間帯の開始時刻あるいは終了時刻が存在し、その重複する時間帯での資源要求プロファイルにおける確率が双方とも1.0であるときに、2つの時間帯が重複すると判定される。
【0059】
重複の判定がなされた場合、この形態では受信時点が後の施設情報と時間帯情報が比較対象から削除される(ステップS1030)。
【0060】
このようにして、受信した時間帯情報の全ての中から2つを選択して、上述の処理を繰り返し、比較された2組の時間帯で、重複しているものについては1組が削除されていくので、全ての比較が終わった時点で残った施設情報および時間帯情報は重複がないものとなる。
【0061】
これにより、手順はステップS1040→S1050へと進み、重複排除処理が施された後に残った施設情報および時間帯情報が受付けの予約として記憶装置140に設定される。設定された施設情報および時間帯情報が表示装置120に表示されて図7の処理手順が終了する
【0062】
5)施設エージェント200と来場者エージェント100の間の通信では施設情報は施設エージェントの通信アドレスを使用すればよいし、表示装置120での表示や入力装置110からの入力には文字形態の施設情報を使用するとよい。文字形態の施設情報から通信アドレス携帯の施設情報には変換テーブルを使用するとよい。変換テーブルには文字形態の施設情報と通信アドレスの対応表を記載しておく。
6)上述の実施形態では来場者エージェント100で時間帯が重複する施設情報と時間帯情報を排除した後、施設エージェント200には何も連絡していないが、排除された(削除された)施設情報に対応する施設エージョント200に対して予約のキャンセルを施設エージェン200に連絡するようにしてもよい。この連絡に応じて施設エージェント200はこれまでの予約の申し込みの中から該当する来場者エージェント100に関する情報を削除する。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明による分散型予約システムは、資源の容量や処理能力に限界があり、資源に対する需要が大きく変動する環境(たとえば、大規模アトラクション施設)において好適に用いられる。資源に対する選好値や、資源の混雑程度の情報に基づいて、予約要求(需要)に対して、資源を利用する時間を適切に設定することで、効率的かつ公平に資源に対する需要を処理することが可能となる。施設ごとに予約システムを設け、携帯用端末の側で、予約の申し込みについての時間帯の重複を阻止するシステムとすることができるので、システム構成が簡易なものとなる。また、来場者の施設に対する選好の度合いを考慮して施設を訪問する時間帯の調節が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】従来の分散型予約システムの一例を説明するブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による分散型予約システムの全体構成を示す図である。
【図3】来場者に対して施設へ訪問する時間の割り付けを行う予約処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】資源要求プロファイルの作成処理を説明する説明図である。
【図5】来場者に施設の利用時間を割り付ける処理の概要を説明する図である。
【図6】予約の調整処理を説明するための説明図である。
【図7】来場者エージェントにおける重複チェックの処理内容を示すフローチャートである。
【技術分野】
【0001】
この発明は、社会における「混雑・待ち」を緩和するための分散型予約システムに関するものであり、例えば、遊園地などの来場者に対して、施設の混雑を緩和し来場者の時間の有効利用を促進するために、利用者が訪問を予定している各施設に対して適切な訪問時刻を提示するためのシステムに適用でき、多数の利用者に対して効率的に各施設に誘導することのできる分散型予約システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
計算機や各種センサーおよび無線通信機器の性能向上・低価格化の急激な進展により、社会の至る所に情報の受発信機能を持つ情報機器が備わったユビキタス情報社会の訪れが目の前に迫りつつある。しかしながら、前記のようなハードウェア技術の急速な進歩とは対照的に、それを活用したソフトウェア、新たなサービスの在り方に関しては、未だ「キラーアプリケーション」と呼べるような提案はなされていないのが現状である。
【0003】
例えば、現在「位置情報に基づく情報サービス」の典型例として提案されているシステムは、美術館などにおいて、閲覧者の現在位置の情報に基づいて、その場に存在する絵画などの解説を自動的に個々の閲覧者の情報端末に発信するというものである。閲覧者側の情報端末に閲覧者の趣味や国籍などの情報が記録されていれば、近くにある閲覧者の好きな作品の展示場所に案内し、また、解説を母国語で行うなどの個人適合的な情報提供サービスも実現できる。
【0004】
このようなサービスはユビキタス情報環境にいる個人に対する有用なサービスではあるが、その場に、居合わせた他の人々との関係に関しては何も考慮されていない。例えば、上の例では同じ嗜好を持つ大勢の人々を一度に同じ作品のあるブースに案内することにより、大混雑を発生させてしまう可能性もある。
【0005】
したがって、ユビキタス情報環境においては、現在提案されている上記のような個人指向のサービスに加えて、その場で発生する「混雑・待ち」を解消するように人々の行動を誘導する社会的調整機能の実現が、集団としての利便性を指向した新たなサービスとして期待される。
【0006】
このような「混雑・待ち」を解消する一例について説明する。図1は、従来の分散型予約システムの一例を説明するブロック図である。図1のシステムは、複数の施設を有するテーマパークの各施設を訪問する訪問者が効率よくそれぞれの施設を訪問するための予約システムであり、たとえば、非特許文献1で紹介されているシステムである。
【0007】
図1を参照して説明すると、まず、テーマパークの来場者は、興味のある施設10を訪れ、予約システム40を介して訪問の予約を行う。予約システム40は現在の施設の負荷状況から予約時刻を算出し、算出した予約時刻を訪問者に提示する。その際、提示された予約時間に同意できないのであれば、訪問者は施設の非予約者用入り口30で列に並んで施設を訪問するか、あるいはこの時点での施設の訪問を断念して、他の施設11に移動する。
【0008】
提示された予約時刻に同意する訪問者は、その施設の予約システム40に対して予約を行った上で、他の施設11を訪れ、施設11が空き状態であれば施設の非予約者用入り口31で列に並んで施設11を利用し、その時に利用できなければ、同様にその施設11の予約システム41に対して予約を行う。そして、予約時刻になれば、先に予約しておいた施設10を再訪して、予約者用入り口20から入場する。予約時刻までの間は、訪問者は自由に他の施設を訪れることができる。
【0009】
また、この種の施設の予約システムに関係する公知文献としては、特許文献1に記載されているアトラクション施設のための「会場内施設予約システム」の提案がある。このシステムにおいては、予約管理サーバーが各アトラクションの予約情報を管理し、各利用者は自ら携帯通信端末を用いて、管理サーバーと通信を行い先着優先で予約時間の設定を行う。予約サーバーは、同一の携帯情報端末から異なる施設に対して同時間に予約登録がある場合は、それを検出し利用者に通知するものとなっている。
【0010】
宿泊施設の予約については、特許文献2に記載の「ネットワークを用いた予約方法」の提案が参照できる。この提案の予約方法においては、ネットワークに接続された予約希望者コンピュータと予約データベースコンピュータとの間で、予約の要求と許可の情報をやりとりして予約を行う。予約希望者は優先順位を付けて、複数の予約希望を登録することができ、先着優先で空いている優先順位の最も高い予約希望が予約されるものとなっている。
【0011】
また、特許文献3に記載の「オンライン予約システム」は、複数の施設の予約状況を管理する予約状況データベースを用いて予約サーバーが利用者からの予約キャンセルを受信すると、キャンセル待ちをしている利用者で高い優先順位を設定している利用者に優先的にキャンセルされた予約を割り当てるものである。
【非特許文献1】
http://www.tokyodisneyresort.co.jp/tdl/japanese/j_topics/index_fpass
【特許文献1】 特開2001−344491号公報
【特許文献2】 特開2002−334252号公報
【特許文献3】 特開2003−242265号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記のような予約システムを用いることで、そのようなシステムが存在しない場合よりも、テーマパークの来場者はある程度は時間的に効率的に多くの施設を訪問することができる。しかしながら、従来の技術では、各施設の予約システム40,41が独立して動作しており、施設10,11間で情報の共有がなされていないため、訪問者が複数の予約システム40,41に対して時間帯が重複した予約を行うことが可能となっており、予約時刻の重複の問題を避けることができない。また、施設の訪問者は、訪問したい施設ごとに、その場所に設置された予約システム40に対して予約を行わなければならないという煩雑さも生じる。
【0013】
例えば、特許文献1〜3に記載されているように、各施設についての予約情報の管理を予約管理サーバーまたは予約データベースサーバーにより行うことにより、施設の間の情報を共有できるように複数の施設の予約システムを統合して、1つの予約システムとして構築することが考えられるが、このようなシステムでは、利用者の予約時間の設定が利用者の選好にかかわらず、先に予約登録した利用者優先で予約が行われることになり、予約の集中する時間帯が生じることを防ぐことは不可能である。このため、施設の稼働率改善には限界がある。また、来場者(利用者)は複数の施設の予約を行うので、各施設に対して来場者が増えるほど、複数の施設を統合して予約するシステムは、予約システムの負荷が増大して効率が悪化してしまい、最悪の場合には、システムがダウン(停止)してしまう危険性があるという問題がある。
【0014】
そこで、本発明の目的は、施設ごとに予約システムを配置し、予約システムが個別の予約を受け、施設が可能な限り混雑しないように調整して、施設の同一訪問者による同一時間帯の重複予約を訪問者の側で回避しつつ、訪問者が複数の施設に対する予約を一括して行うことが可能な分散型予約システムを提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、複数の施設に対して利用者が予約を行う際に、それらの施設に対する予約を統括して処理するサーバーを必要とせず、各利用者が自らの望ましい時間を各施設に予約することができ、各施設が独立して運営される場合についても、利用者は適切に予約を行うことができる分散型予約システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明による分散型予約システムは、基本的な構成として、予約処理の一部の処理を行う携帯用端末(100)と予約処理の残りの一部の処理を行う各施設に設けられる予約システム(200)とがネットワークで結合されたシステムとして構成される。複数の携帯用端末(100)と複数の予約システム(200)とが、それぞれネットワークを介して接続される。予約情報の入力処理および予約調整処理を行う携帯用端末(100)は、予約したい施設およびその利用時間帯の最早使用開始時刻および最遅使用完了時刻を示す予約情報を入力する入力手段(110)と、予約された施設および利用時間帯の割付情報を表示する表示手段(120)と、データの送受信を行う通信手段(150)と、これらを制御すると共にデータ処理を行う制御手段(130,140)を備えている。各施設に設けられる予約システム(200)は、それぞれの携帯用端末の通信手段と通信を行う通信手段(230)と、該通信手段を介して入力された予約情報を受け付けて、予約情報に基づく利用する施設の利用時間帯に対応して所定の単位時間ごとの施設要求度合を指示する資源要求プロファイルデータにより、施設に対応した当該施設の所定の単位時間ごと施設の要求度合いを示す資源要求プロファイルデータを総計したデータ基づき、各利用者からの予約を割り付けて、割り付けた予約の時間帯を示す時間帯情報および施設を示す施設情報を予約割付情報として前記通信手段により前記携帯用端末に返信する制御手段(210,220)とを備えている。各施設の予約システムから、割り付けた予約の時間帯を示す時間帯情報および施設を示す施設情報を予約割付情報として前記携帯用端末に返信された際に、前記携帯用端末のデータ処理を行う制御手段(130,140)が、予約情報を送信した施設の予約システムから返信された予約割付情報の施設情報および時間帯情報における時間帯の重複を発見した場合に、当該重複が発見された施設情報および時間帯情報を前記表示手段により表示して、前記入力手段により当該重複を解消する入力を受け付け、予約情報を変更する場合に予約情報を更新して再送信する。
【0017】
この場合に、前記携帯用端末の入力手段から、さらに、入力した予約情報の優先順位を示す選好値を入力し、データ処理を行う手段(130,140)により、複数の施設に対する予約情報を前記選好値により正規化する。
【0018】
本発明による分散型予約システムにおいては、携帯用端末(100)の入力手段(110)から複数の施設に関する予約情報が入力され、予約情報は施設およびその利用時間帯を示しており、施設の利用時間帯に対応して所定の単位時間ごとの施設要求度合を指示する資源要求プロファイルデータとして各施設の予約システム(200)に送信される。各施設の予約システム(200)により資源要求プロファイルデータに基づいて複数の来場者の予約の調整が行われ、その調整結果が携帯用端末(100)に返信される。携帯用端末(100)が調整結果の予約時間帯による他の施設の訪問希望時間帯との重複の有無をチェックし、重複部分があればそれを表示手段(120)により提示し、重複を解消させるための入力を受けて、再度予約を調整する。
【発明の効果】
【0019】
このような本発明の分散型予約システムによれば、利用者の予約を、入力された予約情報から施設ごとに利用する施設の利用時間帯に対応して所定の単位時間ごとの施設要求度合を指示する資源要求プロファイルデータに基づいて調整するので、利用者が利用できる施設の容量や処理能力に限界があり、施設に対する需要が大きく変動する環境(たとえば、大規模アトラクション施設)において、施設に対する選好値や、施設の混雑程度の情報に基づき、その需要に対して、各利用者が施設を利用する時間を適切に設定することができ、効率的かつ公平に施設に対する需要を処理することが可能となる。また、携帯用端末側で予約の申し込みについての時間帯の重複を阻止するので、施設ごとに予約システムを独立して設けることができる。これにより、各地域に分散している施設に対しても、利用者の施設に対する選好の度合いが考慮された施設を訪問する時間帯の調節が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図2は、本発明の一実施形態による分散型予約システムの全体構成を示す図である。
【0021】
分散型予約システムは、図2に示すように、それぞれの利用者が保有するPDAや携帯電話などの携帯用通信端末100と各施設に設置された情報処理システム200とが、無線または有線の通信ネットワーク(図示せず)で結合されて、システムを構成している。以下の説明において、本実施形態では携帯用通信端末100により行われる予約処理の一部の処理を行うためのサブシステム(処理モジュール)を来場者エージェントとよび、情報処理システム200により行われる予約処理の残りの処理を行うためのサブシステム(処理モジュール)を施設エージェントと呼ぶ。これら来場者エージェントおよび施設エージェントとの間でのインタラクションにかかる処理により、分散型予約システムにおける予約処理が実行される。
【0022】
来場者エージェントによる予約処理の一部の処理は、携帯用通信端末100が有する入力装置110、表示装置120、制御装置130、記憶装置140および通信装置150の各ハードウェア装置を利用して、これらを制御するプログラムの処理により実行される。
【0023】
たとえば、利用者(各施設の来場者)は、キーボードやペンを使用した入力装置110から、予約を行うための種々の情報(予約時間帯情報、予約施設名情報)を入力する。
【0024】
表示装置120には、たとえば、液晶表示装置を使用することができ、入力装置110から入力された予約情報や、施設エージェントの予約処理を実行する情報処理システム200から送られてきた情報を表示する。なお、以下では混同が生じない場合において、来場者エージェント(処理モジュール)と携帯用端末を共に同じ参照番号100で参照し、施設エージェント(処理モジュール)と情報処理システムを同じ参照番号200で参照して説明する。
【0025】
制御装置130は、CPUおよびメモリ(コンピュータ)を有し、制御装置130は来場者エージェント100内の装置を制御する。来場者エージェント100における予約処理をプログラム処理により行う主要部である。また、来場者の誘導に係わる情報処理を行う。
【0026】
記憶装置140には、たとえばICメモリを使用することができ、種々の情報を記憶する。来場者エージェントにおける予約処理のプログラムを格納している。
【0027】
来場者エージェント100の通信装置150は、施設エージェント200が制御する通信装置230との間で無線による通信を行う。来場者エージェントの通信装置150および施設エージェントの通信装置230の間の通信には、無線LAN(IEEE 802.11bなど)やBluetoothなどの通信装置を使用することができる。
【0028】
施設エージェント200の予約処理を実行する情報処理システムには市販のコンピュータシステムを使用することができる。施設エージェント200には、制御装置210、記憶装置220および通信装置230が設けられる。制御装置210はCPUおよびメモリ(コンピュータ)を有し、装置全体を制御する他、本発明に係わる分散型予約システムにおける予約処理をコンピュータによるプログラム処理により実行して、来場者エージェント100により来場者から申し込まれた予約の調整を資源要求プロファイルデータ(後述する)に基づいて行って、特定時間帯に施設に来場者が集中しないように来場者が誘導される予約処理を実行する。この処理については後で詳しく説明する。
【0029】
記憶装置220にはハードディスクなどのような大容量記憶装置を使用することができる。記憶装置220は、来場者から申し込まれ、かつ調整した予約時刻、すなわち、来場者エージェント100を介して入力された予約情報と共に、その来場者エージェント100の識別情報等の情報を保存記憶する。また、施設エージェント200における予約処理のプログラムを格納している。
【0030】
施設エージェント200の通信装置230は、来場者エージェント100の通信装置150と無線で通信を行う。
【0031】
図3は、来場者に対して施設へ訪問する時間の割り付けを行う予約処理の処理手順を示すフローチャートである。図3を参照しながら、予約処理の動作を説明する。
【0032】
来場者は、まず、自らが保有する携帯用端末100において、来場者エージェントを起動して処理を開始させる。この処理では、まず、入力装置110により予約情報として、自らが訪問したい施設を示す施設情報と、その施設を訪問したい時間帯を示す時間帯情報(最早使用開始時刻と最遅使用完了時刻)と、その施設に対する重要度を示す選好値(0から1までの値)を入力する。もし、時間帯、選好値などの情報の入力が省略された場合は、制御装置130は予め定めたデフォルト値(時間帯としては現時点から閉園時間、選好値としては1.0)を設定する(ステップS100)。
【00033】
来場者エージェント(制御装置130)においては、それら入力された予約情報から、来場者の訪問したい施設に対する選好値を正規化する(ステップS110)。これは、多くの施設を訪問したい来場者と、あまり多くの施設を訪問する予定の無い来場者との間に生じる不公平感を是正することが目的である。
P’ij = Pij / ΣPi
但し、Pijは、来場者iの施設jに対する選好値であり、ΣPiは来場者iの全施設に対する選好値の和であり、P’ijは来場者iの施設jに対する正規化された選好値である。すなわち、正規化処理では、上式に示すように各施設の選好値を、訪問したい全施設の選好値の和で割る。これにより、多くの施設を訪問する来場者と少ない施設を訪問する来場者との間の予約の公平化を図る。
【0034】
次に、来場者エージェント100は、入力された予約情報から、その施設情報の示す施設ごとに施設の利用時間帯に対応して所定の単位時間ごとの施設要求度合を指示する資源要求プロファイルデータ(以下、資源要求プロファイルと略称する)を作成し(ステップS120)、それぞれの対応に施設エージェントに送信する(ステップS130)。
【0035】
次に、資源要求プロファイルの作成処理について具体的に説明する。図4は資源要求プロファイルの作成処理を説明する説明図である。まず、この例としては、来場者に提示する時間の精度は10分間隔であるとし、ある施設に対し来場者が9時から9時50分までの時間帯に、選好値0.6で訪問したいという希望を持っているとする。更に、この施設でのアトラクションの所要時間は30分であると仮定する。
【0036】
そのような条件のもとでは、来場者が施設でアトラクションに参加する時間帯は、図4の3パターンのタイルで示すように(9時から9時30分)、(9時10分から9時40分)、(9時20分から9時50分)の3通りである。更に、図4からわかるように、9時20分から9時30分の時間帯に関しては、3パターンの全てに含まれているため、来場者が希望どおりの時間帯に、この施設を訪問する場合には、この9時20分から9時30分の時間帯には来場者は必ずこの施設にいなければならない。
【0037】
来場者のこの施設に対する選好値は0.6なので、上記の時間帯に、来場者がこの施設にいる確率は0.6であるとし、他の時間帯における確率もそれに準じて、予め定めてある数式にしたがって計算すると、上記仮定された条件による来場者が当該施設の利用を希望する内容は、図4の下部分に示すように確率のグラフとして表現できる。このことから、このグラフを示すデータを、来場者の施設に対する資源要求プロファイルとして予約要求するデータとする。この資源要求プロファイルに基づいて予約処理を実行する。
【0038】
このような資源要求プロファイルは、入力された予約情報に基づいて、来場者が訪問したいとして入力したそれぞれの施設ごとに作成されて、それぞれの施設エージェントに対して送信される。つまり、来場者エージェント100は、入力された情報に基づいて、来場者が訪問したいとして入力した各施設の施設エージェント200に対して、その施設に対する来場者の予約情報から作成された資源要求プロファイルの情報を通信装置150からそれぞれに送信する(ステップS130)。
【0039】
また、入力装置110から入力された予約情報や作成された資源要求プロファイルは記憶装置140に一時記憶される。
【0040】
それぞれの施設エージェント200においては、制御装置210が通信装置230を介して定期的に(例えば、10分間隔)、それぞれの来場者エージェント100から資源要求プロファイルを受信する(ステップS140)。そして、受信した資源要求プロファイルの情報を記憶装置220において集計する処理を行う。また、この場合において、施設エージェント200の処理においては、集計した資源要求プロファイルを使用して、その施設に対して予約を希望する全来場者の需要量の総計を行う(ステップS150)。続いて、その総計情報に基づいて、個々の来場者に対して、その施設を訪問する時間の割り付けを行う割り付け処理を行う(ステップS160)。
【0041】
この割り付け処理について具体的に説明する。図5は、それぞれの来場者に施設の利用時間を割り付ける処理を説明する図である。なお、以下では、この施設およびその利用時間を含めて、これを資源と総称するものとすると、各来場者に施設の利用時間を割り付ける処理は、資源の割り付け処理となる。
【0042】
資源割り付け処理では、図5に示すように、たとえば、施設エージェント200は、来場者1,来場者2,来場者3の3つの来場者エージェントから、それぞれの来場者の資源要求プロファイルを受信し、その資源要求プロファイルを集計して、施設に対する包括的な資源要求プロファイル(自施設要求プロファイルデータ)を作成する。その包括的な資源要求プロファイルは、当該施設の総需要の時間変動を表しており、すなわち、当該施設の所定の時間ごとの施設要求度合いを指示するものとなっており、そのピーク(ここではそれを競合ピークと呼ぶ)に当たる時間帯(図5では、網掛けされたパターンで示されている時間帯がそれに当たる)が、その施設が最も込み合うと予想される時間帯である。
【0043】
そこで、施設エージェント200においては、需要量総計の処理(ステップS150)において競合ピークを算出すると、その時間帯を判定し、それぞれの来場者の資源要求プロファイルを参照し、競合ピークの時間帯における需要量が最も大きい来場者(すなわち、資源要求プロファイルのその時間帯における確率の値が最も大きい来場者)を探す。図5の例では、来場者3の資源要求プロファイルがそれに当たるので、そして、当該来場者3に対して、来場者3の資源要求プロファイルに含まれている確率(選好値)のそれぞれの時間帯の中で、包括的な資源要求プロファイルにおける値が最も小さくなる時間帯に割り付ける。すなわち、他の来場者との競合がなるべく少ない時間帯を、当該来場者の訪問時間の候補値として割り付ける処理を行う。他の来場者の資源要求プロファイルについても、同様にして既に割り付けた時間帯を除いて、割り付け可能な時間を割り付ける(ステップS160)。
【0044】
施設エージェント200は、訪問時間の候補値の割り付けを行った来場者の来場者エージェント100に対して、通信装置230を介して訪問を誘導する時間帯および自己の施設を示す施設情報を送信する(ステップS170)。
【0045】
再び図3を参照すると、それぞれの施設エージェント200から、先に送信した資源要求プロファイルに対して、その訪問時間の候補値の時間帯情報が送信されてくる(ステップS170,ステップS180)ので、1つあるいは複数の施設エージェント200から割り付けられた訪問時間の候補値の時間帯情報を受信した来場者エージェント100は、受信した割付情報の時間帯情報および施設情報の中から時間帯が重複する情報を発見するための処理を行い、重複利用の時間帯がある場合にはその内容を表示する(ステップS190)。すなわち、この処理では、たとえば、その訪問時間が来場者の予定している他の施設への訪問計画にどのように影響するかを表示装置120に表示して、その時間帯に当該施設を訪問するか否かの確認を行うため、その受諾または拒否の入力の受付を行い、その入力に応じて、選好値を調整し、変化した資源要求プロファイルの内容を更新し(ステップS200〜ステップS220)、再度、各施設エージェントに対して送信する(ステップS230)、その後の更新された資源要求プロファイルの内容に応じた割り付け情報の受信を待つ。
【0046】
その具体的な処理内容については、図6を用いて説明する。図6は予約の調整処理を説明するための説明図である。図6では、来場者は3つの施設(第1の施設,第2の施設,第3の施設)の訪問を予定しており、それらの施設に対する資源要求プロファイルは図6の左部分に示されている。いま、第3の施設の施設エージェントが図6の左部分に示すように、斜線のハッチングされた時間帯を訪問時間とし、来場者に対して割り付けた際に、その結果が他の施設の訪問計画に対して、どのように影響が伝播するかを図6の右部分に示している。
【0047】
まず、第3の施設に関しては、割り付けられた時間帯に訪問することが確定するため、第3の施設の資源要求プロファイルは、図6の右側に示したように変更され、斜線によりハッチングした部分だけとなる。更に、その時間帯には来場者は他の施設を訪問することはできないので、その時間帯にかかる資源要求プロファイル(第2の施設に対する資源要求プロファイル)は変更される。その結果、この場合においては、第2の施設の資源要求プロファイルは、図6右側に示すように変形される。
【0048】
その結果、図6に示す事例において、第3の施設の割り付け結果による影響伝播の結果、来場者は第1の施設と第2の施設に対して同一の時間帯にピーク値(1.0)を持つ資源要求プロファイルを形成することになり、注意すべき点は、第1の施設と第2の施設のいずれかに対する訪問を断念せざるを得ない(同時に複数の施設を訪問することはできない)点である。このようにして、制御装置130は、重複する予約(この例では、第1の施設、第2の施設の訪問予定時間帯が重複する)を発見する。
【0049】
来場者エージェント100は、訪問時間の割り付け結果による他の施設への訪問予定に対する影響を来場者エージェント100の制御装置130によって算出された結果を表示装置120に表示する。その後、その訪問時間の割り付けを受諾可能か否かの判断が、来場者エージェント100の入力装置110から入力される。
【0050】
図6の例では、第3の施設への時間割り付けの結果、第1の施設または第2の施設のいずれかの訪問を断念せざるを得なくなるので、これを来場者が承諾できる場合は、割り付けられた施設への時間割り付けを受け入れ、第3の施設よりも第1の施設と第2の施設への訪問を優先したい場合には、受け入れを拒絶することになる。その場合には、各施設に対する選好値を変更する。
【0051】
来場者による割り付け時間の受諾または拒否(変更すべき時間帯情報を含む)の判断結果が、来場者エージェント100の入力装置110から入力されると、来場者エージェント100はその結果に基づき、訪問施設の割り付けに関して来場者間に過度の不公平が発生するのを防ぐために、来場者の選好値の調整を行う。すなわち、図6の例では、第3の施設への割り付けを受諾した場合には、第1の施設および第2の施設のうち、優先順位が下げられた施設(この例では第2の施設)に対する来場者の選好値を下げる(例えば、−10%)。第3の施設への割り付けを拒否した場合には、第3の施設への選好値を下げ、第1の施設と第2の施設に対する来場者の選好値を上げる(例えば+10%)。そうした調整を行うことにより、全ての来場者間で選好値を公平な値に保つことができる。更に、そのような調整を行った後、来場者エージェント100は再び、来場者の全ての施設に対する選好値に関して、値の正規化による選好値の調整を制御装置130により行う(ステップS210)。
【0052】
その後、来場者エージェント100(制御装置130)は新たな選好値に基づいて、来場者の資源要求プロファイルを更新し、その結果を各施設エージェント200に通信装置150を介して送信する(ステップS220→S230)。なお、来場者の全施設への訪問予約が確定された場合は、空(すなわち新たに割り付ける訪問が無い)の資源要求プロファイルを送信する。
【0053】
施設エージェント200の制御装置220は更新された資源要求プロファイルを通信装置230を介して受信すると、資源要求プロファイルの内容が空(すなわち新たに割り付ける訪問が無い)でない際には、更新された資源要求プロファイルに基づいて、来場者への訪問時間の割り付けを行い、上述の処理を繰り返し実行する(ステップS240→S250→S160)。一方、資源要求プロファイルが空の場合には制御装置220は予約の申し込みは終了と判断し、予約の申し込みのあった来場者エージェントの通信を切断する(ステップS240→S250→終了)。
【0054】
以上、説明したように、個別の施設エージェント(予約システム)200が訪問時間帯の調整を行って、その結果、複数の施設への訪問時間帯が重複しても、来場者エージェント100が重複のないように、来場者に訪問施設に対する優先順位の調整を促す。これにより従来のように、来場者が複数の施設に対する予約を、時間帯が重複して申し込むことができなくなる。来場者の施設への訪問は、来場者の選好値や施設の混雑程度に応じて、来場者が効率的に施設を訪問でき、かつ来場者間に不公平感が生まれないように施設を訪問する時間の割り付けがなされる。
【0055】
(他の実施形態)
1)実施形態では、来場者エージェントを来場者一人一人に設定しているが、グループで来場した来場者に対して、1つの来場者エージェントにより予約処理を行うように設定するようにしても良い。
2)上記実施形態では、来場者が訪問を予定した全ての施設に対して、施設エージェントからの訪問時間の割り付けがなされるが、従来の実施例(図1)のように、予約者用入り口と非予約者用入り口を設けるなどすることにより、混雑の予想される施設にのみ本システムを用いて訪問時間の割り付けを行い、そうでない施設に関しては本システムによる訪問時間の割り付けなしに、自由に訪問する形態を混在するようにしても良い。
3)上述の実施形態では、テーマパーク遊園地における来場者のアトラクション施設への誘導の場合について説明したが、見本市会場での展示ブースへの案内、一定区画内の交通流入制御等、閉じられた環境にある複数の資源(展示ブース、アトラクション、道路など)に対して、大量の需要(来場者など)をリアルタイムで効率的に割り付ける場合について同様に本発明を適用することができる。
4)上述の実施形態では、2つの、時間帯が重複した時間帯情報が存在する場合、来場者に優先順位の調整を促すことで、重複の解消を行ったが、例えば来場者エージェント100の制御装置が選好値の低い施設に対する予約を自動的に削除してもよい。また、いずれの予約を削除するかは、システム設計者が適宜定めればよい。
【0056】
来場者エージェントが実行する重複排除処理は本発明に関連するので、一例を紹介しておく。このための制御装置130が実行する処理手順を図7に示しておく。図7は、来場者エージェントにおける重複チェックの処理内容を示すフローチャートである。
【0057】
図7において、制御装置130は1つ以上の施設エージェント200から施設情報および時間帯情報を受信すると、そのデータの組数(時間帯情報)が複数(2以上)であるか否かを判定する(ステップS1000)。施設情報および時間帯情報が1組の場合には、重複が生じないので、ステップS1050へジャンプして、受信した施設情報および時間帯情報を受付けられた予約として記憶装置140内に設定する。
【0058】
一方、受信したデータの組数が複数の場合、重複の可能性があるので、手順をステップS1000からステップS1010へ進める。制御装置130は受信した時間帯情報の中から第1番目および第2番目の時間帯情報を取り出し(ステップS1010)、2つの時間帯情報の示す時間帯が重複するか否かを判定する(ステップS1020)。一方の時間帯の開始時刻と終了時刻の間に、他方の時間帯の開始時刻あるいは終了時刻が存在し、その重複する時間帯での資源要求プロファイルにおける確率が双方とも1.0であるときに、2つの時間帯が重複すると判定される。
【0059】
重複の判定がなされた場合、この形態では受信時点が後の施設情報と時間帯情報が比較対象から削除される(ステップS1030)。
【0060】
このようにして、受信した時間帯情報の全ての中から2つを選択して、上述の処理を繰り返し、比較された2組の時間帯で、重複しているものについては1組が削除されていくので、全ての比較が終わった時点で残った施設情報および時間帯情報は重複がないものとなる。
【0061】
これにより、手順はステップS1040→S1050へと進み、重複排除処理が施された後に残った施設情報および時間帯情報が受付けの予約として記憶装置140に設定される。設定された施設情報および時間帯情報が表示装置120に表示されて図7の処理手順が終了する
【0062】
5)施設エージェント200と来場者エージェント100の間の通信では施設情報は施設エージェントの通信アドレスを使用すればよいし、表示装置120での表示や入力装置110からの入力には文字形態の施設情報を使用するとよい。文字形態の施設情報から通信アドレス携帯の施設情報には変換テーブルを使用するとよい。変換テーブルには文字形態の施設情報と通信アドレスの対応表を記載しておく。
6)上述の実施形態では来場者エージェント100で時間帯が重複する施設情報と時間帯情報を排除した後、施設エージェント200には何も連絡していないが、排除された(削除された)施設情報に対応する施設エージョント200に対して予約のキャンセルを施設エージェン200に連絡するようにしてもよい。この連絡に応じて施設エージェント200はこれまでの予約の申し込みの中から該当する来場者エージェント100に関する情報を削除する。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明による分散型予約システムは、資源の容量や処理能力に限界があり、資源に対する需要が大きく変動する環境(たとえば、大規模アトラクション施設)において好適に用いられる。資源に対する選好値や、資源の混雑程度の情報に基づいて、予約要求(需要)に対して、資源を利用する時間を適切に設定することで、効率的かつ公平に資源に対する需要を処理することが可能となる。施設ごとに予約システムを設け、携帯用端末の側で、予約の申し込みについての時間帯の重複を阻止するシステムとすることができるので、システム構成が簡易なものとなる。また、来場者の施設に対する選好の度合いを考慮して施設を訪問する時間帯の調節が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】従来の分散型予約システムの一例を説明するブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による分散型予約システムの全体構成を示す図である。
【図3】来場者に対して施設へ訪問する時間の割り付けを行う予約処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】資源要求プロファイルの作成処理を説明する説明図である。
【図5】来場者に施設の利用時間を割り付ける処理の概要を説明する図である。
【図6】予約の調整処理を説明するための説明図である。
【図7】来場者エージェントにおける重複チェックの処理内容を示すフローチャートである。
Claims (5)
- 各利用者が保持する複数の携帯用端末であって、それらの各々が、情報を入力する入力手段と、情報を表示する表示手段と、情報の送受信を無線で行う通信手段と、を有する複数の携帯用端末と、
各施設に設けられる複数の予約システムであって、それらの各々が、前記複数の携帯用端末の通信手段と通信を行う通信手段と、該通信手段および前記携帯用端末の通信手段を介して前記入力手段から入力された予約したい施設およびその利用時間帯を示す資源要求プロファイルを予約要求として受付け、当該受付けた予約の時間帯を前記資源要求プロファイルに基づいて調節する予約調整手段とを有し、当該調整した時間帯を示す時間帯情報および自己の施設を示す施設情報を、前記通信手段を介して前記携帯用端末の通信手段に送信する複数の予約システムと
を備え、
前記複数の携帯用端末の各々は、該携帯用端末の通信手段により送信した予約要求に対して調整された前記施設情報および時間帯情報を受信した後、利用者が訪問を希望する全ての施設に関して、当該受信した施設情報および時間帯情報における時間帯の重複を発見した場合に、当該重複が発見された施設情報および時間帯情報を前記表示手段により表示して、前記入力手段により当該重複に関与する施設の中から、利用者に訪問の優先順位を下げる施設情報の入力を受け付けて予約要求を更新し再送信する制御手段を
さらに有することを特徴とする分散型予約システム。 - 請求の範囲第1項に記載の分散型予約システムにおいて、
前記携帯用端末の入力手段からは、さらに、入力した施設情報の優先順位を示す選好値を入力可能であり、複数の施設に対する予約要求は前記選好値により正規化され、
前記予約調整手段において、前記入力手段から入力され、前記携帯用端末の通信手段および予約システムの通信手段を介して受付けた予約要求は選好値に基づき前記受付けた予約の時間帯が調節されることを特徴とする分散型予約システム。 - 請求の範囲第2項に記載の分散型予約システムにおいて、
前記入力手段から選好値が入力されなかった場合には予め定められた選好値が使用される
ことを特徴とする分散型予約システム。 - 請求の範囲第3項に記載の分散型予約システムにおいて、
時間帯が重複した施設情報および時間帯情報がある場合には、時間帯が重複する施設の中から、優先順位の低い施設を選定し、その施設への訪問に対する選好値の値を下げる
ことを特徴とする分散型予約システム。 - 請求の範囲第3項に記載の分散型予約システムにおいて、
前記表示手段に、ある施設からの施設情報および時間帯情報が表示された後、前記入力手段から表示された情報に関して受け入れを拒否する旨の情報が入力された場合には、当該施設に関して前記入力手段から入力された選好値、または前記デフォルトの選好値を現在よりも低く設定して、前記携帯用端末の入力手段から入力済の施設情報、時間帯情報および当該設定された選好値を前記携帯用端末の通信手段から前記予約システムの通信手段に送信し前記予約システムでの予約調整処理を繰り返す
ことを特徴とする分散型予約システム。
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