JPWO2004076471A1 - ビフラボノイドシアル酸配糖体からなる抗インフルエンザウイルス化合物 - Google Patents

ビフラボノイドシアル酸配糖体からなる抗インフルエンザウイルス化合物 Download PDF

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Abstract

本発明に係る化合物は、ビフラボノイドのシアル酸配糖体からなることを特徴としている。 このようなビフラボノイドのシアル酸配糖体は、培養細胞を用いたinvitroの系のみならず、マウスを用いたinvivoの系でも抗インフルエンザウイルス活性が認められ、インフルエンザの予防ないし治療剤として有用であるばかりでなく、インフルエンザの予防ないし治療用飲食物としても有用である。

Description

本発明は、シアリダーゼ阻害活性を有し、インフルエンザ等のウイルス疾患の予防・治療に有効な抗ウイルス化合物に関する。
インフルエンザは、基礎疾患を有する患者や高齢者にとって、生命に係わる危険な感染症である。実際、インフルエンザの流行した年には、超過死亡率の上昇が認められる。また、高齢者においては、肺炎、乳幼児においては、脳炎を併発し、死亡又は重症化した例が数多く報告されている(松本慶蔵、日本臨床、55(10)、2536−2541(1997))。さらに、近年、インフルエンザA型ウイルスの新しい亜型の出現が危惧されており、我が国において流行した場合、数万〜数十万人の死亡者がでることが予測されている。これらのことから、インフルエンザ対策は、社会的に重要な課題となっている。インフルエンザ対策として、ワクチンの予防接種が最も有効な手段であることに議論の余地はない(田村慎一、倉田毅、BIO Clinica、11(9)、665−669(1996))。しかし、ワクチンの製造及び充分量のワクチンの供給には、ある程度の時間を要することから、新型ウイルスの流行が差し迫っている場合には、症状の軽減のために、抗インフルエンザウイルス剤の投与が必要となる。
現在、日本で市販されている抗インフルエンザウイルス薬にはアマンタジン、ザナミビル、オセルタミビルがある。アマンタジンはA型インフルエンザウイルス感染症に、ザナミビルとオセルタミビルはA、B両型のインフルエンザウイルス感染症に保険適用が認められている。アマンタジンはインフルエンザウイルスのM2蛋白に作用する。M2蛋白はA型インフルエンザウイルスの膜上に存在するイオンチャンネルで、ウイルス粒子内を酸性化することで、RNA遺伝子や核タンパク質、RNAポリメラーゼの複合体であるリボ核蛋白質複合体(RNP)の細胞質への放出に大きな役割を果たす。アマンタジンはこのM2蛋白の機能を阻害し、RNP放出を抑制して、ウイルスの増殖を防ぐ。
ザナミビル、オセルタミビルはA、B両型のインフルエンザウイルスに有効である。これらの薬剤の作用機序はアマンタジンとは異なり、シアリダーゼ(ノイラミニダーゼともいう)阻害作用により効果を発揮する。シアリダーゼはA、B型ウイルスの表面に存在する糖蛋白で、増殖したウイルスが宿主細胞から遊離するときに、ヘマグルチニン−レセプター(レセプター中のシアル酸)の結合を切り離して、出芽を促す作用がある。ザナミビル、オセルタミビルはこの活性部位に結合してその働きを抑え、ウイルスの遊離を阻止する作用がある。感染細胞に繋ぎ止められたウイルスは、他のウイルスと相互に結合するため、それ以上の感染の拡大をくい止め、やがて終息に向かわせることになる。
ザナミビルはコンピューター・ケミストリーで理論的に開発された薬剤の1つとしても有名である。基礎研究の進歩により、シアリダーゼの構造や活性部位の立体構造が明らかにされたために登場した薬である。
オセルタミビルもシアル酸に結合するシアリダーゼの活性部位により強く結合することでシアリダーゼの機能を阻害する作用がある。ザナミビルは経口投与では生体利用率が低いため粉末剤を吸入器などで口から吸入する必要がある。その点、オセルタミビルは経口投与可能で、体内に吸収されたのち活性体に変換するプロドラッグである。
これらの抗インフルエンザ薬はいずれも発症後48時間以内に投与する必要がある。これを過ぎると自然経過と変わらず、効果はほとんど認められない等、臨床での有効性が充分とはいえなかった。また、シアリダーゼ阻害剤には耐性ウイルスの出現の可能性もあり、新規の抗インフルエンザ薬が求められている。
本発明者らも、フラボノイドの1種であるF36(5,7,4’−trihydroxy−8−methoxyflavone)がin vitroおよびin vivoで抗インフルエンザウイルス活性を有することを報告している(T.Nagai,Y.Miyaichi,T.Tomimori,Y.Suzuki,and H.Yamada,Chem.Pharm.Bull.,38,1329−1332(1990);T.Nagai,Y.Miyaichi,T.Tomimori,Y.Suzuki,and H.Yamada,Antiviral Res.,19,207−217(1992);特許 第2974370号)が、さらに強力な抗インフルエンザウイルス化合物の開発が望まれていた。
一方、ビフラボンの1種であるロブスタフラボンとアメントフラボンがin vitroで抗インフルエンザウイルス活性を示し、ロブスタフラボンはマウスを用いたin vivoの系でも抗インフルエンザウイルス活性を示すことが知られている(特許公表平11−508264、WO97/00679)。しかし、ビフラボノイドのシアル酸配糖体の有機合成並びに抗インフルエンザウイルス活性については検討されていない。
従って、本発明は、ウイルス疾患、とりわけインフルエンザ等のウイルス疾患の予防・治療に有用な、新規な抗ウイルス化合物を提供することを課題とする。
本発明者らは、抗インフルエンザウイルス化合物を開発すべく鋭意検討を行ない、様々な新規のビフラボノイドシアル酸配糖体が抗インフルエンザウイルス活性を示すことを見い出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、たとえば下記のとおりである。
本発明に係る化合物は、ビフラボノイドのシアル酸配糖体である。
前記ビフラボノイドのシアル酸配糖体は、下記一般式(I)、(II)または(III)のいずれかの式で表される化合物またはその塩であることが好ましい:
Figure 2004076471
(式(I)中、R,R,R,R,R,R,RおよびRは、それぞれ独立して水素原子、メチル基、水酸基、アセチルオキシ基、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、ベンジルオキシ基、アリルオキシ基またはグリコシルオキシ基を示し、Rは、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子、アンモニウム基またはメチル基を示し、R10,R11,R12およびR13はそれぞれ独立して水素原子、硫酸基またはアセチル基を示し、Xはアセトアミノ基、グリコリルアミノ基、水酸基またはアセチルオキシ基を示し、Aは酸素原子または硫黄原子を示す。)、
Figure 2004076471
(式(II)中、R,R,R,R,R,RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、メチル基、水酸基、アセチルオキシ基、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、ベンジルオキシ基、アリルオキシ基またはグリコシルオキシ基を示し、RおよびR14はそれぞれ独立して水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子、アンモニウム基またはメチル基を示し、R10,R11,R12,R13,R15,R16,R17およびR18はそれぞれ独立して水素原子、硫酸基またはアセチル基を示し、XおよびYはそれぞれ独立してアセトアミノ基、グリコリルアミノ基、水酸基またはアセチルオキシ基を示し、AおよびBはそれぞれ独立して酸素原子または硫黄原子を示す)、
Figure 2004076471
(式(III)中、R,R,R,R,R,R,RおよびR19はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、水酸基、アセチルオキシ基、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、ベンジルオキシ基、アリルオキシ基またはグリコシルオキシ基を示し、R14は水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子、アンモニウム基またはメチル基を示し、R15,R16,R17およびR18はそれぞれ独立して水素原子、硫酸基またはアセチル基を示し、Yはアセトアミノ基、グリコリルアミノ基、水酸基またはアセチルオキシ基を示し、Bは酸素原子または硫黄原子を示す)。
前記式(I)〜(III)中、RおよびR14は水素原子であり、R10,R11,R12,R13,R15,R16,R17およびR18は水素原子であることが好ましい。
本発明に係る医薬品は、前記ビフラボノイドのシアル酸配糖体を有効成分とする。
本発明に係るインフルエンザ予防剤または治療剤は、前記ビフラボノイドのシアル酸配糖体を有効成分とする。
本発明に係る飲食品は、前記ビフラボノイドのシアル酸配糖体を有効成分とする。
本発明に係るインフルエンザ予防または治療用の飲食品は、前記ビフラボノイドのシアル酸配糖体を有効成分とする。
なお、本発明では、前記ビフラボノイドのシアル酸配糖体を有効量投与することを特徴とするインフルエンザの予防または治療方法を含む。
さらに、本発明では、インフルエンザの予防剤または治療剤を製造するための前記ビフラボノイドのシアル酸配糖体の使用を含む。
また、本発明では、前記ビフラボノイドのシアル酸配糖体を有効量飲食することを特徴とするインフルエンザ予防または治療のための飲食方法を含む。
さらに、本発明では、インフルエンザ予防または治療のための飲食品を製造するための前記ビフラボノイドのシアル酸配糖体の使用を含む。
図1は、イヌガヤからのビフラボノイドの精製法を示す図である。
図2は、イチョウからのビフラボノイドの精製法を示す図である。
図3は、糖供与体の合成法を示す図である。
図4は、シアル酸誘導体とビフラボノイド誘導体の結合体の合成法を示す図である。
図5は、化合物29aと29bのCDスペクトルを示す図である。
図6は、化合物30aと30bのCDスペクトルを示す図である。
図7は、化合物31aと31bのCDスペクトルを示す図である。
図8は、化合物32aと32bのCDスペクトルを示す図である。
図9は、合成されたシアル酸誘導体とビフラボノイド誘導体の結合体の構造を示す図である。
図10は、インフルエンザウイルスA/PR/8/34シアリダーゼ阻害活性を示す図である。
図11は、インフルエンザウイルスA/Guizhou/54/89シアリダーゼ阻害活性を示す図である。
図12は、インフルエンザウイルスB/茨城/2/85シアリダーゼ阻害活性を示す図である。
図13は、MDCK細胞におけるインフルエンザウイルスの増殖に対する影響を示す図である。
図14は、インフルエンザウイルスを感染させたマウスの生存率および生存日数に対する影響を示す図である。
図15は、インフルエンザウイルスを感染させたマウスの平均生存日数に対する影響を示す図である。
本発明に係るビフラボノイドのシアル酸配糖体は、ビフラボノイドに由来する構成単位とシアル酸に由来する構成単位とを含む化合物である。
ビフラボノイドに由来する構成単位とは、2つのフラボノイド骨格が結合した化合物に由来する構成単位であり、シアル酸骨格とは、9つの炭素原子を含むアミノ糖であるノイラミン酸誘導体、またはKDN(2−keto−3−deoxy−D−glycero−D−galacto−2−nonulosonic acid)誘導体に由来する構成単位を意味する。
本発明に係る該ビフラボノイドのシアル酸配糖体は、シアル酸に由来する構成単位が少なくとも1つ含まれ、好ましくは1つまたは2つのシアル酸由来の構成単位が含まれることが望ましい。
このようなビフラボノイドのシアル酸配糖体としては、より具体的には、たとえば、下記一般式(I)、(II)または(III)のいずれかの式で表される化合物またはその塩が挙げられる。
Figure 2004076471
式(I)中、R,R,R,R,R,R,RおよびRは、それぞれ独立して水素原子、メチル基、水酸基、アセチルオキシ基、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、ベンジルオキシ基、アリルオキシ基またはグリコシルオキシ基を示す。
このうち、R,R,R,R,Rとしては、水酸基、アセチルオキシ基、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、ベンジルオキシ基またはアリルオキシ基が好ましく、水酸基またはメチルオキシ基がより好ましい。さらに、R,R,R,R,Rのうち、少なくとも1つは水酸基であり、より好ましくは1〜3個が水酸基であることが望ましい。
,R,R,R,Rのより具体的な組み合わせとしては、たとえば、
が水酸基、Rがメチルオキシ基、Rがメチルオキシ基、Rが水酸基、Rが水酸基、
が水酸基、Rがメチルオキシ基、Rがメチルオキシ基、Rが水酸基、Rがメチルオキシ基、
が水酸基、Rが水酸基、Rがメチルオキシ基、Rが水酸基、Rがメチルオキシ基、
が水酸基、Rが水酸基、Rがメチルオキシ基、Rが水酸基、Rが水酸基、
が水酸基、Rが水酸基、Rが水酸基、Rが水酸基、Rが水酸基、
が水酸基、Rがメチルオキシ基、Rが水酸基、Rが水酸基、Rが水酸基、
が水酸基、Rが水酸基、Rが水酸基、Rが水酸基、Rがメチルオキシ基、
が水酸基、Rがメチルオキシ基、Rが水酸基、Rが水酸基、Rがメチルオキシ基である場合が挙げられる。
これらのうちでは、Rが水酸基、Rがメチルオキシ基、Rがメチルオキシ基、Rが水酸基、Rが水酸基、または
が水酸基、Rがメチルオキシ基、Rがメチルオキシ基、Rが水酸基、Rがメチルオキシ基である場合が望ましい。
,RおよびRとしては、水素原子、水酸基、メチル基またはメチルオキシ基が好ましく、水素原子であることがより好ましい。
,RおよびRのより具体的な組み合わせとしては、たとえば、
が水素原子、Rが水素原子、Rが水素原子、
が水素原子、Rが水酸基、Rが水素原子、
が水素原子、Rがメチルオキシ基、Rが水素原子、
が水素原子、Rが水素原子、Rが水酸基、
が水素原子、Rが水酸基、Rが水酸基、
がメチル基、Rが水素原子、Rが水素原子
である場合が挙げられる。
は、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子、アンモニウム基またはメチル基を示し、これらのうちでは、水素原子が好ましい。
10,R11,R12およびR13はそれぞれ独立して水素原子、硫酸基またはアセチル基を示し、これらのうちでは、R10,R11,R12およびR13はそれぞれ独立して水素原子またはアセチル基が好ましく、水素原子であることがより好ましい。
なお本明細書において、硫酸基とは、HOS−で表される基またはその塩を意味し、アセチル基とはCHCO−で表される基を意味する。
さらに、R,R10,R11,R12およびR13が、水素原子であることが特に好ましい。
このように前記式(I)で表されるビフラボノイドのシアル酸配糖体において、R,R10,R11,R12,R13が水素原子であると、インフルエンザウイルスのシアリダーゼ阻害活性および抗インフルエンザウイルス活性を向上させることができる。
Xはアセトアミノ基、グリコリルアミノ基、水酸基またはアセチルオキシ基を示し、これらのうちでは、アセトアミノ基、グリコリルアミノ基が好ましい。
本明細書において、アセトアミノ基はCHCONH−で表される基であり、グリコリルアミノ基はHOCHCH(OH)NH−で表される基であり、アセチルオキシ基とはCHCOO−で表される基である。
Aは酸素原子または硫黄原子を示し、これらのうちでは、酸素原子が好ましい。
前記式(I)で表されるビフラボノイドのシアル酸配糖体の具体例としては、たとえば、下記の化合物が挙げられる。
=水酸基、R=メチルオキシ基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、A=酸素原子、X=アセトアミノ基(NHAc)であるビフラボノイドのシアル酸配糖体(34)、(化合物の後ろのカッコ内の数字は、実施例中の化合物の番号を示す。以下本明細書中の化合物について同様である。)
=水酸基、R=メチルオキシ基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=メチルオキシ基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、A=酸素原子、X=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体(36)、
=水酸基、R=水酸基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=メチルオキシ基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、A=酸素原子、X=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、A=酸素原子、X=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
=水酸基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、A=酸素原子、X=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
=水酸基、R=水酸基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、A=酸素原子、X=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=メチルオキシ基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、A=酸素原子、X=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
=水酸基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=水酸基、R=メチルオキシ基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、A=酸素原子、X=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水素原子、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、A=酸素原子、X=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
=水酸基、R=水酸基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=水酸基、R=水素原子、R=メチルオキシ基、R=水素原子、R=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、A=酸素原子、X=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水酸基、R=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、A=酸素原子、X=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水素原子、R=水酸基、R=水酸基、R=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、A=酸素原子、X=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
=水酸基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=メチル基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、A=酸素原子、X=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
=水酸基、R=メチルオキシ基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、A=酸素原子、X=グリコリルアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
=水酸基、R=メチルオキシ基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、A=酸素原子、X=水酸基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
=水酸基、R=メチルオキシ基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=メチルオキシ基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、A=酸素原子、X=グリコリルオキシ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
=水酸基、R=メチルオキシ基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=メチルオキシ基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、A=酸素原子、X=水酸基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体。
Figure 2004076471
式(II)中、R,R,R,R,R,RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、メチル基、水酸基、アセチルオキシ基、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、ベンジルオキシ基、アリルオキシ基またはグリコシルオキシ基を示す。
このうち、R,R,R,Rとしては、水酸基、アセチルオキシ基、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、ベンジルオキシ基またはアリルオキシ基が好ましく、水酸基またはメチルオキシ基がより好ましい。さらに、R,R,R,Rのうち、少なくとも1つは水酸基であり、より好ましくは1〜3個が水酸基であることが望ましい。
,R,R,Rのより具体的な組み合わせとしては、たとえば、
が水酸基、Rがメチルオキシ基、Rがメチルオキシ基、Rが水酸基、
が水酸基、Rが水酸基、Rがメチルオキシ基、Rが水酸基、
が水酸基、Rが水酸基、Rが水酸基、Rが水酸基、
が水酸基、Rがメチルオキシ基、Rが水酸基、Rが水酸基である場合が挙げられる。
これらのうちでは、Rが水酸基、Rがメチルオキシ基、Rがメチルオキシ基、Rが水酸基である場合が望ましい。
,RおよびRとしては、水素原子、水酸基、メチル基またはメチルオキシ基が好ましく、水素原子であることがより好ましい。
,RおよびRのより具体的な組み合わせとしては、たとえば、
が水素原子、Rが水素原子、Rが水素原子、
が水素原子、Rが水酸基、Rが水素原子、
が水素原子、Rがメチルオキシ基、Rが水素原子、
が水素原子、Rが水素原子、Rが水酸基、
が水素原子、Rが水酸基、Rが水酸基、
がメチル基、Rが水素原子、Rが水素原子
である場合が挙げられる。
およびR14はそれぞれ独立して水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子、アンモニウム基またはメチル基を示し、これらのうちでは、RおよびR14はそれぞれ水素原子であることが好ましい。
10,R11,R12,R13,R15,R16,R17およびR18はそれぞれ独立して水素原子、硫酸基またはアセチル基を示し、これらのうちでは、R10,R11,R12,R13,R15,R16,R17およびR18はそれぞれ独立して水素原子またはアセチル基が好ましく、水素原子であることがより好ましい。
さらに、R,R14,R10,R11,R12,R13,R15,R16,R17およびR18が、水素原子であることが特に好ましい。
このように前記式(II)で表されるビフラボノイドのシアル酸配糖体において、RおよびR14が水素原子であり、R10,R11,R12,R13,R15,R16,R17およびR18が水素原子であると、インフルエンザウイルスのシアリダーゼ阻害活性および抗インフルエンザウイルス活性を向上させることができる。
XおよびYはそれぞれ独立してアセトアミノ基、グリコリルアミノ基、水酸基またはアセチルオキシ基を示し、これらのうちでは、アセトアミノ基、グリコリルアミノ基が好ましい。
AおよびBはそれぞれ独立して酸素原子または硫黄原子を示し、これらのうちでは、酸素原子が好ましい。
前記式(II)で表されるビフラボノイドのシアル酸配糖体の具体例としては、たとえば、下記の化合物が挙げられる。
=水酸基、R=メチルオキシ基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、A=B=酸素原子、X=Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体(35)、
=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、A=B=酸素原子、X=Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
=水酸基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、A=B=酸素原子、X=Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
=水酸基、R=水酸基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、A=B=酸素原子、X=Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水素原子、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、A=B=酸素原子、X=Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
=水酸基、R=水酸基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=水素原子、R=メチルオキシ基、R=水素原子、R=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、A=B=酸素原子、X=Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水酸基、R=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、A=B=酸素原子、X=Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水素原子、R=水酸基、R=水酸基、R=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、A=B=酸素原子、X=Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
=水酸基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=水酸基、R=メチル基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、A=B=酸素原子、X=Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
=水酸基、R=メチルオキシ基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、A=B=酸素原子、X=Y=グリコリルアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
=水酸基、R=メチルオキシ基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、A=B=酸素原子、X=Y=水酸基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体。
Figure 2004076471
式(III)中、R,R,R,R,R,R,RおよびR19はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、水酸基、アセチルオキシ基、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、ベンジルオキシ基、アリルオキシ基またはグリコシルオキシ基を示す。
このうち、R,R,R,R,R19としては、水酸基、アセチルオキシ基、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、ベンジルオキシ基またはアリルオキシ基が好ましく、水酸基またはメチルオキシ基がより好ましい。さらに、R,R,R,R,R19のうち、少なくとも1つが水酸基であり、より好ましくは1〜3個が水酸基であることが望ましい。
,R,R,R,R19のより具体的な組み合わせとしては、たとえば、
が水酸基、Rがメチルオキシ基、Rがメチルオキシ基、Rが水酸基、R19がメチルオキシ基、
が水酸基、Rが水酸基、Rがメチルオキシ基、Rが水酸基、R19がメチルオキシ基、
が水酸基、Rが水酸基、Rが水酸基、Rが水酸基、R19が水酸基、
が水酸基、Rがメチルオキシ基、Rが水酸基、Rが水酸基、R19が水酸基、
が水酸基、Rが水酸基、Rが水酸基、Rが水酸基、R19がメチルオキシ基、
が水酸基、Rがメチルオキシ基、Rが水酸基、Rが水酸基、R19がメチルオキシ基、
が水酸基、Rが水酸基、Rがメチルオキシ基、Rが水酸基、R19が水酸基、
が水酸基、Rがメチルオキシ基、Rがメチルオキシ基、Rが水酸基、R19が水酸基
である場合が挙げられる。これらのうちでは、Rが水酸基、Rがメチルオキシ基、Rがメチルオキシ基、Rが水酸基、R19がメチルオキシ基である場合が好ましい。
,RおよびRとしては、水素原子、水酸基、メチル基またはメチルオキシ基が好ましく、水素原子であることがより好ましい。
,RおよびRのより具体的な組み合わせとしては、たとえば、
が水素原子、Rが水素原子、Rが水素原子、
が水素原子、Rが水酸基、Rが水素原子、
が水素原子、Rがメチルオキシ基、Rが水素原子、
が水素原子、Rが水素原子、Rが水酸基、
が水素原子、Rが水酸基、Rが水酸基、
がメチル基、Rが水素原子、Rが水素原子
である場合が挙げられる。
14は水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子、アンモニウム基またはメチル基を示し、このうちでは、水素原子が好ましい。
15,R16,R17およびR18はそれぞれ独立して水素原子、硫酸基またはアセチル基を示し、R15,R16,R17およびR18はそれぞれ独立して水素原子またはアセチル基が好ましく、水素原子であることがより好ましい。
さらに、R14,R15,R16,R17およびR18が、水素原子であることが特に好ましい。
このように前記式(III)で表されるビフラボノイドのシアル酸配糖体において、R14が水素原子であり、R15,R16,R17およびR18が水素原子であると、インフルエンザウイルスのシアリダーゼ阻害活性および抗インフルエンザウイルス活性を向上させることができる。
Yはアセトアミノ基、グリコリルアミノ基、水酸基またはアセチルオキシ基を示し、これらのうちでは、アセトアミノ基、グリコリルアミノ基が好ましい。
Bは酸素原子または硫黄原子を示し、このうちでは酸素原子であることが好ましい。
前記式(III)で表されるビフラボノイドのシアル酸配糖体の具体例としては、たとえば、下記の化合物が挙げられる。
=水酸基、R=メチルオキシ基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、R19=メチルオキシ基、B=酸素原子、Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体(33)、
=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、R19=水酸基、B=酸素原子、Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
=水酸基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、R19=水酸基、B=酸素原子、Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
=水酸基、R=水酸基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、R19=水酸基、B=酸素原子、Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、R19=メチルオキシ基、B=酸素原子、Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
=水酸基、R=メチルオキシ基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、R19=水酸基、B=酸素原子、Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
=水酸基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、R19=メチルオキシ基、B=酸素原子、Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
=水酸基、R=水酸基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=水素原子、R=メチルオキシ基、R=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、R19=メチルオキシ基、B=酸素原子、Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水素原子、R=水酸基、R=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、R19=水酸基、B=酸素原子、Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
=水酸基、R=水酸基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=水素原子、R=メチルオキシ基、R=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、R19=水酸基、B=酸素原子、Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水酸基、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、R19=水酸基、B=酸素原子、Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水素原子、R=水酸基、R=水酸基、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、R19=水酸基、B=酸素原子、Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
=水酸基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=水酸基、R=メチル基、R=水素原子、R=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、R19=水酸基、B=酸素原子、Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
=水酸基、R=メチルオキシ基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、R19=メチルオキシ基、B=酸素原子、Y=グリコリルアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
=水酸基、R=メチルオキシ基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、R19=メチルオキシ基、B=酸素原子、Y=水酸基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体。
このような前記式(I)〜(III)で表されるビフラボノイドのシアル酸配糖体は、置換基の種類に応じて塩を形成する場合がある。後述する本発明に係る医薬品またはインフルエンザ予防剤もしくは治療剤、飲食物またはインフルエンザ予防飲食物もしくは治療飲食物においては、前記式(I)〜(III)で表される化合物の薬学的に許容される塩を使用してもよい。
このような前記式(I)〜(III)で表される化合物の塩としては、たとえば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩などの金属塩、アンモニウム塩などの有機アンモニウム塩、グリシンなどのアミノ酸塩を挙げることができる。遊離形態の化合物またはその塩のほか、それらの任意の水和物であってもよい。塩の形成は常法により行うことができる。
たとえば、RおよびR14はそれぞれ独立に、ナトリウム、カリウムなどとして金属塩、アンモニウムなどとして有機アンモニウム塩を形成していてもよい。
前記式(I)〜(III)で表される化合物は、該式で示した立体構造をとることが好ましいが、これらは不斉炭素を有しており、光学活性体として存在する場合がある。このような光学活性体またはジアステレオマー異性体などの立体異性体、立体異性体の任意の混合物、またはラセミ体などは、いずれも本発明に含まれる。また、前記式(I)〜(III)において、たとえば、不斉炭素に結合するCOとAとは、その相対的な配置を示したものであって、絶対的な配置を示すものではない。他の不斉炭素における配置についても同様である。
このようなビフラボノイドに由来する構成単位と、シアル酸に由来する構成単位とが結合した、ビフラボノイドのシアル酸配糖体は、たとえば、ビフラボノイド誘導体とシアル酸誘導体をカップリングすることにより製造することができる。
このようなカップリングに用いるシアル酸誘導体の製造方法としては、出発原料として、たとえば、下記式(IV)中、R,R10,R11,R12,R13が水素原子、Xがアセトアミノ基、グリコリルアミノ基または水酸基、Lが水酸基であるシアル酸誘導体(IV−1)を例にとって説明する。
まず、下記式(IV)
Figure 2004076471
で表される化合物(以下「シアル酸誘導体(IV)」ということがある。)のうち、たとえば、市販品等として入手可能な、R,R10,R11,R12,R13が水素原子、Lが水酸基、Xがアセトアミノ基、グリコリルアミノ基または水酸基、Lが水酸基であるシアル酸誘導体(IV−1)を、たとえばアルコール等の存在下にエステル化する(メタノールを用いるエステル化により、RはH→CH)。
エステル化反応は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。たとえば、エステル化反応は、過剰のメタノールなどのアルコール中にシアル酸誘導体(IV−1)を溶解させ、脱水剤の存在下、通常室温またはその付近の温度条件下、約5〜100時間程度撹拌することにより実施できる。
このようにして、カルボキシル基がエステル化されたシアル酸誘導体(VI−2)を得ることができる。
次に、得られたエステル化されたシアル酸誘導体(IV−2)の水酸基をアセチル基により保護する。水酸基のアセチル化は、公知の方法により行うことができ、たとえば、ピリジンなどの溶媒中で、シアル酸誘導体(IV−2)を、アセチル化試薬と、必要に応じ触媒の存在下に反応させる。アセチル化試薬としては、無水酢酸、塩化アセチルなどが挙げられる。触媒としては、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)などが挙げられる。反応は、アセチル化試薬は、水酸基の数に対して、好ましくは1.2〜3当量程度の量を用い、0〜30℃、通常室温またはその付近の温度条件下、約5〜100時間程度撹拌することにより実施できる。このようにして水酸基がアセチル化されたシアル酸誘導体(IV−3)を得ることができる。
さらに、該シアル酸誘導体(IV−3)を、たとえば、ハロゲン化試薬と触媒の存在下に反応させて、Lがハロゲン化したシアル酸誘導体(IV−4)を得ることができる。
ハロゲン化試薬としてはアセチルクロライドなどのハロゲン化アセチルなどが挙げられる。触媒としては、塩酸ガス、硫酸などが挙げられる。反応は、たとえばシアル酸誘導体(IV−3)を過剰当量のハロゲン化試薬に溶解し、−10℃〜室温の温度条件下、塩酸ガスなどの触媒を加え、約5〜100時間程度撹拌することにより実施できる。
このようにして、カップリングに用いることができる、前記式(IV)のR10,R11,R12,R13がアセチル基、Rがメチル基、Lがハロゲン原子、Xがアセトアミノ基、グリコリルアミノ基またはアセチルオキシ基のシアル酸誘導体(IV−4)を得ることができる。
本発明のビフラボノイドのシアル酸配糖体の製造には下記式(V)
Figure 2004076471
で表されるビフラボノイド誘導体(以下「ビフラボノイド誘導体(V)」ということがある。)を用いることができる。
前記式ビフラボノイド誘導体(V)中、R,R,R,R,R,RおよびRは、それぞれ独立して水素原子、メチル基、水酸基、アセチルオキシ基、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、ベンジルオキシ基またはアリルオキシ基を示す。
20,R21は、それぞれ独立して水素原子、メチル基、アセチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−オクチル基、ベンジル基、アリル基またはグリコシル基を示し、R20,R21の少なくとも1つは水素原子である。
A、Bは、それぞれ独立して酸素原子または硫黄原子を示す。
このようなビフラボノイド誘導体(V)は、市販品あるいは天然から分離精製することができる。
また、市販品あるいは天然から単離したビフラボノイド誘導体(V)の官能基、を、常法により変換すれば、所望の官能基を有するビフラボノイド誘導体とすることもできる。
天然物または市販品として入手可能なビフラボノイド誘導体としては、たとえば、下記の化合物が挙げられる。
=水酸基、R=メチルオキシ基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R20=水素原子、R21=メチル基、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体(19)。
=水酸基、R=メチルオキシ基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R20=水素原子、R21=水素原子、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体(20)。
=水酸基、R=メチルオキシ基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R20=メチル基、R21=水素原子、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体(21)。
=水酸基、R=水酸基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R20=メチル基、R21=水素原子、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体(22)。
=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R20=水素原子、R21=水素原子、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体。
=水酸基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R20=水素原子、R21=水素原子、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体。
=水酸基、R=水酸基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R20=水素原子、R21=水素原子、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体。
=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R20=メチル基、R21=水素原子、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体。
=水酸基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R20=メチル基、R21=水素原子、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体。
=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R20=水素原子、R21=メチル基、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体。
=水酸基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R20=水素原子、R21=メチル基、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体。
=水酸基、R=水酸基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R20=水素原子、R21=メチル基、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体。
=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水素原子、R=水酸基、R=水素原子、R20=水素原子、R21=水素原子、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体。
=水酸基、R=水酸基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=水素原子、R=メチルオキシ基、R=水素原子、R20=水素原子、R21=水素原子、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体。
=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水酸基、R20=水素原子、R21=水素原子、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体。
=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水酸基、R=水素原子、R=水酸基、R=水酸基、R20=水素原子、R21=水素原子、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体。
=水酸基、R=メチルオキシ基、R=水酸基、R=水酸基、R=メチル基、R=水素原子、R=水酸基、R20=水素原子、R21=水素原子、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体。
=水酸基、R=グルコシルオキシ基、R=水酸基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R20=グルコシル基、R21=水素原子、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体。
=水酸基、R=水酸基、R=グルコシルオキシ基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R20=グルコシル基、R21=水素原子、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体。
=水酸基、R=グルコシルオキシ基、R=グルコシルオキシ基、R=水酸基、R=水素原子、R=水素原子、R=水素原子、R20=グルコシル基、R21=水素原子、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体。
このようなビフラボノイド誘導体(V)と、前記シアル酸誘導体(IV−4)との反応を例にとって、ビフラボノイドのシアル酸配糖体の製造方法を説明する。
前記シアル酸誘導体(IV−4)と前記ビフラボノイド誘導体(V)との反応は、たとえば、溶媒中、塩基の存在下に、前記シアル酸誘導体(IV−4)と前記ビフラボノイド誘導体(V)とを接触させて得ることができる。
塩基としては、たとえば、水素化アルカリ金属などが挙げられ、水素化アルカリ金属としては、NaH、KHなどが挙げられる。
溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)などのアミド系溶媒、HMPAなどを用いることができる。
塩基の量は、ビフラボノイド誘導体に結合させるシアル酸誘導体の個数によるが、たとえば、シアル酸誘導体を1つ結合させる場合には、塩基は、ビフラボノイド誘導体に対して1.2〜1.8当量の範囲にあることが好ましい。シアル酸誘導体を2つ結合させる場合には、塩基は、ビフラボノイド誘導体に対して2.2〜3.5当量の範囲にあることが好ましい。
シアル酸誘導体の使用量は、シアル酸誘導体を1つ結合させる場合には、ビフラボノイド誘導体に対して1.2〜1.8当量の範囲にあることが好ましい。シアル酸誘導体を2つ結合させる場合には、ビフラボノイド誘導体に対して2.2〜3.5当量の範囲にあることが好ましい。
反応は、0〜30℃、通常室温またはその付近の温度条件下、約5〜100時間程度撹拌することにより実施できる。
なお、前記式(I)〜(III)で表されるビフラボノイドのシアル酸配糖体において、A、Bが硫黄原子である化合物は、たとえば、前記式(IV)のLが硫黄原子を含有する基であるシアル酸誘導体(IV−5)と、後述する式(V)のR21A−、R20B−の少なくとも1つがハロゲン原子である化合物とを反応させて得ることができる。
Lが硫黄原子を含有する基であるシアル酸誘導体(IV−5)は、たとえば、前記シアル酸誘導体(IV−4)にAcSK(カリウムチオアセテート)を接触させて得ることができる。
ビフラボノイド誘導体(V)中、R21A−、R20B−の少なくとも1つがハロゲン原子である化合物は、前記ビフラボノイド誘導体(V)において、R21A−、R20B−の少なくとも1つが水酸基である化合物を、溶媒中、トリフェニルホスフィンなどの存在下に、NBSなどのハロゲン化剤を反応させて得ることができる。
さらに、このようにして得られるビフラボノイドのハロゲン化体と前記シアル酸誘導体(IV−5)とをDMF等の溶媒中、アミン等の存在下に反応させることにより、前記式(I)〜(III)で表されるビフラボノイドのシアル酸配糖体のA、Bが硫黄原子であるビフラボノイドのシアル酸配糖体を製造することができる。
このようにして得られる本発明に係るビフラボノイドのシアル酸配糖体は、シアル酸由来成分の水酸基部分およびカルボキシル基が保護されたシアリルビフラボノイド保護体である。
このようなシアリルビフラボノイド保護体は、さらに、常法により加水分解することにより、アセチル基を脱保護するとともに、カルボン酸エステル基をカルボキシル基に変換することができる。
このようなシアル酸由来成分の官能基がそれぞれ水酸基あるいはカルボキシル基に変換されたビフラボノイドのシアル酸配糖体(たとえば、R,R14が水素原子、R10,R11,R12,R13,R15,R16,R17およびR18が、水素原子の場合。)またはその塩は、インフルエンザウイルスシアリダーゼ阻害活性、抗インフルエンザウイルス活性により優れる。
前記水酸基等の官能基を有する天然物等として入手したビフラボノイド誘導体は、該水酸基部分等を官能基変換することにより、種々の誘導体に導いて、シアル酸誘導体とのカップリングに用いることができる。
たとえば、カップリングの原料とした前記ビフラボノイド誘導体(V)について、水酸基部分を常法によりアルキルエーテル化することができる。アルキルエーテル化は、たとえば、水酸基を有する該ビフラボノイド誘導体を塩基の存在下にハロゲン化アルキル化合物などのアルキル化試薬と反応させることにより実施できる。ハロゲン化アルキル化合物に含まれるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−オクチル基、ベンジル基、アリル基などが含まれる。該アルキルエーテル化したビフラボノイド誘導体とシアル酸誘導体とのカップリング反応に対しても、上記カップリング方法と同様の手法が適用可能である。
さらに、カップリングの原料とした前記ビフラボノイド誘導体(V)について、たとえば、水酸基部分を常法によりアルキル基に変換することもできる。アルキル基としては、たとえば、メチル基などが挙げられる。
アルキル化の方法としては、具体的には、たとえば、ジアゾメタンなどを用いた方法を採用することができる。このようにして、たとえば、前記水酸基部分がアルキル基に変換されたビフラボノイド誘導体を得ることができる。たとえば、R、R、R、R、R、R、Rの少なくとも1つをメチル基等のアルキル基とすることができる。該アルキル化したビフラボノイド誘導体とシアル酸誘導体とのカップリング反応に対しても、上記カップリング方法と同様の手法が適用可能である。
本発明に係るビフラボノイドのシアル酸配糖体、特に一般式(I)〜(III)で表される化合物またはその塩は、後記する実施例からも明らかなように、優れたインフルエンザウイルスのシアリダーゼ活性および抗インフルエンザウイルス作用を有するので、この作用を利用した抗インフルエンザウイルス剤等の医薬品として用いることができる。さらに、該化合物を飲食品、特定保健用飲食品、健康飲料、健康食品、栄養食品その他各種タイプの飲食品としても用いることができる。
医薬品として使用する場合、本発明の化合物は、そのまま、或いは慣用の製剤担体と共に、人及び動物に対し、経口、非経口いずれの方法によっても投与することができる。また、本発明の化合物は、各種の剤型、例えば散剤、顆粒剤、錠剤、糖衣錠、カプセル剤、アンプル剤等の経口投与剤、皮下、筋肉若しくは静脈注射剤、点鼻剤、吸入剤、座剤等とすることができる。これらの製剤は、化合物単独または賦形剤、増量剤、結合剤、湿潤化剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、矯味剤、香料、被覆剤等と適宜組み合わせて処方することにより製造することができる。このようにして得られた本発明の抗インフルエンザウイルス剤は、患者の年令、体重、症状、投与経路によって異なるが、一般的に成人において、化合物として、0.6〜300mg/日、好ましくは5〜200mg/日であり、これを通常1日3〜4回に分けて投与するのが好適である。
飲食品として使用する場合には、本有効成分である化合物をそのまま使用したり、他の食品ないし食品成分と併用したりして適宜常法に従って使用できる。本有効成分を用いる本発明に係る飲食品は、固体状(粉末、顆粒状その他)、ペースト状、液状ないし懸濁状のいずれでもよいが、甘味料、酸味料、ビタミン剤その他ドリンク剤製造に常用される各種成分を用いて健康ドリンクに製造化することも可能である。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。なお、本明細書中、室温とは、好ましくは20〜30℃の範囲、より好ましくは25℃前後の温度範囲を示す。また、一昼夜とは、24時間程度の時間を示す。
[実施例1]ビフラボノイド成分の分離,精製
イヌガヤ(Cephalotaxus drupacea Sieb.et Zucc.)(イヌガヤ科)葉の室内放置乾燥品1037.04gをn−ヘキサン(n−hexane),CHCl,MeOHの順にそれぞれ室温,一昼夜,2回ずつ抽出し,そのCHClエキスについて図1に従い分離を行った。その結果TN−1,TN−2と仮称した2つの化合物を983mg,1.62g単離し,それぞれアメントフラボン7,4’,7’’−トリ−O−メチルエーテル(amentoflavone7,4’,7’’−tri−O−methylether)(19),ギンゲチン(ginkgetin)(20)と同定した。Ginkgetin(20)は,イチョウ(Ginkgo biloba L.)(イチョウ科),Cephalotaxus koreana,Cephalotaxus griffithii,Cephalotaxus harringtonia C.koch(以上,イヌガヤ科),Taxus caspidata Sieb.et Zucc.,Taxus caspidata Sieb.et Zucc.var.nana Rehder,Taxus baccata,カヤ(Torreya nucifera Sieb.et Zucc.)(以上,イチイ科),Lonicera japonica(スイカズラ科),Podocarpus macrophylla(マキ科),Selaginella moellendorffii(イワヒバ科)の他Callitris canescens,Zamia angustifoliaからも調製できる。
融点(mp)は、柳本MP微量融点測定装置を用いて測定し、補正は行わなかった。紫外吸収(UV)スペクトルは島津UV−240装置を、赤外吸収(IR)スペクトルは日本分光A−102装置を、質量分析(MS)は日本電子JMS−DX302装置を用いて測定した。核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、日本電子GSX−400装置及び日本電子JNM−LA500装置を用い、TMS(テトラメチルシラン(tetramethyl silane))を内部標準として用いて測定した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーは、Merck Kieselgel 60(70−230mesh)を用いて行った。
TN−1:アメントフラボン7,4’,7’’−トリ−O−メチルエーテル(Amentoflavone 7,4’,7’’−tri−O−methyl ether)(19)
Pale yellow powder(983mg);mp>300℃,UV λmax(EtOH)(logε):207(4.61),270(4.51),330(4.51);IR νmax(KBr)cm−1:3200,2950,1660,1605,1500,1440,1205;EIMS m/z(rel.int.%):580(M,100),549(9),503(2),355(3),221(3);HREIMS m/z:580.1368,calcd for C332410,580.1369;H−NMR(DMSO−d)δ:7.02(1H,s,3−C),6.38(1H,d,J=2.0Hz,6−C),6.80(1H,d,J=2.0Hz,8−C),8.12(1H,d,J=2.4Hz,2’−H),7.38(1H,d,J=8.7Hz,5’−H),8.24(1H,dd,J=2.4,8.7Hz,6’−H),6.86(1H,s,3’’−H),6.68(1H,s,6’’−H),7.51(2H,d,J=9.1Hz,2’’’−H,6’’’−H),6.72(2H,d,J=9.1Hz,3’’’−H,5’’’−H),12.91(1H,s,5−OH),13.26(1H,s,5’’−OH),10.31(1H,bs,4’’’−OH),3.83(3H,s,7−OCH),3.79(3H,s,4’−OCH),3.84(3H,s,7’’−OCH),and13C−NMR(DMSO−d)δ:163.5(2−C),103.9(3−C),181.9(4−C),161.1(5−C),98.1(6−C),165.2(7−C),92.7(8−C),157.3(9−C),104.7(10−C),122.4(1’−C),130.8(2’−C),121.3(3’−C),160.5(4’−C),111.8(5’−C),128.4(6’−C),163.9(2’’−C),102.5(3’’−C),182.2(4’’−C),161.5(5’’−C),95.5(6’’−C),165.5(7’’−C),104.5(8’’−C),153.4(9’’−C),104.0(10’’−C),121.1(1’’’−C),128.1(2’’’−C,5’’’−C),115.8(3’’’−C,5’’’−C),161.2(4’’’−C),56.0(7−OCH),56.0(4’−OCH),56.5(7’’−OCH).
TN−2:ギンゲチン(Ginkgetin)(20)
Pale yellow powder(1.62g);mp221−225℃;UV λmax(EtOH)(logε):207(4.64),270(4.54),330(4.51);IR νmax(KBr)cm−1:3300,2930,1650,1600,1490,1250;EIMS m/z(rel.int.%):566(M,100),535(8),429(2),283(5),269(11),255(2);HREIMS m/z:566.1211,calcd for C322210,566.1213;H−NMR(DMSO−d)δ:6.99(1H,s,3−H),6.35(1H,d,J=2.0Hz,6−H),6.78(1H,d,J=2.0Hz,8−H),8.09(1H,d,J=2.4Hz,2’−H),7.35(1H,d,J=8.7Hz,5’−H),8.20(1H,dd,J=2.4,8.7Hz,6’−H),6.79(1H,s,3’’−H),6.40(1H,s,6’’−H),7.48(2H,d,J=9.1Hz,2’’’−H,6’’’−H),6.71(2H,d,J=9.1Hz,3’’’−H,5’’’−H),12.91(1H,s,5−OH),13.22(1H,s,5’’−OH),10.83(1H,bs,7’’−OH),10.28(1H,bs,4’’’−OH),3.83(3H,s,7−OCH),3.78(3H,s,4’−OCH),13C−NMR(DMSO−d)δ:163.2(2−C),103.6(3−C),181.9(4−C),160.6(5−C),98.1(6−C),165.2(7−C),92.7(8−C),157.3(9−C),104.7(10−C),122.3(1’−C),130.9(2’−C),121.6(3’−C),160.6(4’−C),111.7(5’−C),128.4(6’−C),163.5(2’’−C),102.5(3’’−C),182.2(4’’−C),161.1(5’’−C),98.6(6’’−C),161.7(7’’−C),103.6(8’’−C),154.3(9’’−C),103.8(10’’−C),121.2(1’’’−C),128.0(2’’’−C,5’’’−C),115.8(3’’’−C,5’’’−C),161.1(4’’’−C),56.0(7−OCH),55.9(4’−OCH).
イチョウ(Ginkgo biloba L.)葉の室内放置乾燥品5.0kgをn−ヘキサン,CHCl,MeOHの順にそれぞれ室温,一昼夜,2回ずつ抽出し,そのCHClエキスについて図2に従い分離を行った。その結果GB−1,GB−2と仮称した2つの化合物を1.85g,265mg単離し,それぞれスシアドピティシン(sciadopitysin)(21),イソギンゲチン(isoginkgetin)(22)と同定した。
GB−1:スシアドピティシン(Sciadopitysin) (21)
Pale yellow powder(1.85g);mp295−298℃;UV λmax(EtOH)(logε):205(4.41),270(4.30),325(4.28);IR νmax(KBr)cm−1(rel.int.%):3350,1700,1650,1550,1480,1420,1210;EIMS m/z:580(M,100),551(9),290(11),167(4),135(6);HREIMS m/z:580.1373,calcd for C332410,580.1369;H−NMR(DMSO−d)δ:6.99(1H,s,3−H),6.36(1H,d,J=2.0Hz,6−H),6.78(1H,d,J=2.0Hz,8−H),8.09(1H,d,J=2.4Hz,2’−H),7.36(1H,d,J=8.7Hz,5’−H),8.23(1H,dd,J=2.4,8.7Hz,6’−H),6.90(1H,s,3’’−H),6.43(1H,s,6’’−H),7.60(2H,d,J=8.8Hz,2’’’−H,6’’’−H),6.93(2H,d,J=8.8Hz,3’’’−H,5’’’−H),12.97(1H,s,5−OH),13.07(1H,s,5’’−OH),10.88(1H,bs,7’’−OH),3.82(3H,s,7−OCH),3.81(3H,s,4’−OCH),3.76(3H,s,4’’’−OCH),13C−NMR(DMSO−d)δ:163.5(2−C),103.7(3−C),181.9(4−C),161.0(5−C),98.0(6−C),165.1(7−C),92.6(8−C),157.2(9−C),104.7(10−C),122.3(1’−C),130.8(2’−C),121.5(3’−C),160.5(4’−C),111.6(5’−C),128.2(6’−C),163.0(2’’−C),103.1(3’’−C),182.0(4’’−C),160.6(5’’−C),98.5(6’’−C),161.7(7’’−C),103.5(8’’−C),154.2(9’’−C),103.5(10’’−C),122.7(1’’’−C),127.7(2’’’−C,6’’’−C),114.4(3’’’−C,5’’’−C),162.1(4’’’−C),55.8(7−OCH),55.9(4’−OCH),55.4(4’’’−OCH).
GB−2:イソギンゲチン(Isoginkgetin) (22)
Pale yellow powder(265mg);mp219−222℃;UV λmax(EtOH):205(5.00),270(4.89),330(4.81);IR νmax(KBr)cm−1:3400,1650,1600,1500,1240;EIMS m/z(rel.int.%):566(M,100),551(5),537(10),283(10),153(3),135(8);HREIMS m/z:566.1211,calcd for C322210,566.1213;H−NMR(DMSO−d)δ:6.92(1H,s,3−H),6.21(1H,d,J=2.0Hz,6−H),6.49(1H,d,J=2.0Hz,8−H),8.07(1H,d,J=2.4Hz,2’−H),7.36(1H,d,J=9.1Hz,5’−H),8.19(1H,dd,J=2.4,9.1Hz,6’−H),6.90(1H,s,3’’−H),6.43(1H,s,6’’−H),7.61(2H,d,J=9.1Hz,2’’’−H,6’’’−H),6.94(2H,d,J=9.1Hz,3’’’−H,5’’’−H),12.94(1H,s,5−OH),13.08(1H,s,5’’−OH),10.84(1H,bs,7−OH),10.84(1H,bs,7’’−OH),3.80(3H,s,4’−OCH),3.76(3H,s,4’’’−OCH),13C−NMR(DMSO−d)δ:163.2(2−C),103.6(3−C),181.7(4−C),161.7(5−C),98.8(6−C),163.0(7−C),94.0(8−C),157.3(9−C),103.7(10−C),122.5(1’−C),130.8(2’−C),121.5(3’−C),160.5(4’−C),111.6(5’−C),128.1(6’−C),164.1(2’’−C),103.1(3’’−C),182.0(4’’−C),160.3(5’’−C),98.5(6’’−C),161.4(7’’−C),103.6(8’’−C),154.3(9’’−C),103.6(10’’−C),122.7(1’’’−C),127.7(2’’’−C,6’’’−C),114.4(3’’’−C,5’’’−C),162.1(4’’’−C),55.8(4’−OCH),55.4(4’’’−OCH).:may be interchanged.
[実施例2]シアリルビフラボノイドの合成
1.糖供与体(2β−chloride)(25)の合成(図3)
シアル酸(N−acetylneuraminic acid)(1)(5.0g,16mmol,北里大学薬学部より供与)にMeOH(乾燥)200mlを加え,1h撹拌し,ここにモレキュラーシーブ(30.0g),Dowex 50W−X2(Dow Chemical Co.,100−200 mesh)を加え,空気ガス雰囲気下室温で24時間撹拌した。反応終了後,遠心分離およびろ過によりモレキュラーシーブ,Dowex 50W−X2を除き,溶媒を減圧濃縮し1−メチル−N−アセチルアセチルノイラミン酸(1−methyl−N−acetylneuraminic acid)(23)(4.80g,92%)を得た。(以下「化合物(23)」との表記を、単に「23」と示すことがある。以下、他の化合物についても同様である。)
得られた23(4.80g)をピリジン(乾燥)150mlに溶かし,無水酢酸120ml(1.27mol)と触媒として4−ジメチルアミノピリジン(4−dimethylaminopyridine)(DMAP)(18−36mg,0.149−0.298mmol)を加え,空気ガス雰囲気下室温で24時間撹拌した。反応後,ピリジン臭,酢酸臭を完全に除く目的で反応液をトルエンと共に減圧濃縮した。反応生成物はカラムクロマトグラフィー(CHCl−イソプロパノール系)にて分離,精製し,1−メチル−2,4,7,8,9−ペンタ−O−アセチル−N−アセチルノイラミン酸(1−methyl−2,4,7,8,9−penta−O−acetyl−N−acetylneuraminic acid)(24)(6.59g,83.2%)を得た。得られた24(6.59g)をアセチルクロライド(Acetyl chloride)150mlに溶かし,氷冷下,溶液中にHClガスを10分バブルし,室温で24時間撹拌した。反応後,CHClで共沸し,2−クロロ−1−メチル−4,7,8,9−テトラ−O−アセチル−N−アセチルノイラミン酸(2−chloro−1−methyl−4,7,8,9−tetra−O−acetyl−N−acetylneuraminic acid) (25)(6.20g,98.4%)を得た。
1−メチル−N−アセチルノイラミン酸(1−Methyl−N−acetylneuraminic acid) (23);
IR νmax(KBr)cm−1:3350,2940,1740,1640,1550,1430,1370,1010;positive FABMS m/z(rel.int.%):324([M+H],11),309(16);H−NMR(DMSO−d)δ:1.72(1H,d,J=12.1Hz),1.89(3H,s),2.03(1H,dd,J=12.6,4.7Hz),3.70(3H,s),3.3−6.5(13H,m),8.18(1H,d,J=8.0Hz),13C−NMR(DMSO−d)δ:22.4,48.5,52.2,53.0,63.5,65.3,69.0,69.5,70.4,94.8,170.1,171.9.
1−メチル−2,4,7,8,9−ペンタ−O−アセチル−N−アセチルノイラミン酸 (1−Methyl−2,4,7,8,9−penta−O−acetyl−N−acetylneuraminic acid) (24);
IR νmax(KBr)cm−1:3300,2900,1750,1670,1550,1450,1380,1230,1050;positive FABMS m/z(rel.int.%):534([M+H],3),474(9),414(34);H−NMR(DMSO−d)δ:1.70(s,α−NHCOC ),1.70(s,β−NHCOC ),1.94−2.10(s,α−OCOC ),1.94−2.13(s,β−OCOC ),1.90(m),2.42(dd,J=5.0,13.5Hz,β−H−3eq),2.66(dd,J=5.0,12.9Hz,α−H−3eq),3.68(s,β−COOC ),3.70(s,α−COOC ),3.97(m),4.11(d,J=10.5Hz),4.26(m),4.95(m),5.05(m),5.20(m),7.81(d,J=9.3Hz,β−NH),7.87(d,J=9.3Hz,α−NH),13C−NMR(DMSO−d)δ:α 20.4−20.6,22.5,35.9,47.5,52.7,61.5,66.8,68.6,68.6,72.5,96.3,167.5,168.3,169.1,169.6,169.9,β 20.4−20.6,22.5,35.6,47.4,52.8,61.3,66.8,68.5,69.1,71.5,96.7,166.0,168.0,168.9,169.0,169.2,169.7,169.9.
2−クロロ−1−メチル−4,7,8,9−テトラ−O−アセチル−N−アセチルノイラミン酸 (2−Chloro−1−methyl−4,7,8,9−tetra−O−acetyl−N−acetylneuraminic acid) (25);
IR νmax(KBr)cm−1:3300,2860,1750,1660,1540,1440,1370,1220,1035;positive FABMS m/z(rel.int.%):510([M+H],11.7),492(21),474(8),450(7),432(12),414(55),372(9),252(7),196(7);H−NMR(DMSO−d)δ:1.72(3H,s),1.96(3H,s),1.99(3H,s),2.01(6H,s),2.32(1H,dd,J=11.1,13.9Hz),2.69(1H,dd,J=4.4,13.9Hz),3.79(3H,s),4.01(2H,m),4.24(1H,bd,J=12.3Hz),4.39(1H,bd,J=10.7Hz),5.06(m),5.17(m),5.32(1H,d,J=11.9Hz),7.95(1H,d,J=9.5Hz).
2.シアリルビフラボノイドアセチル保護体の合成(図4)
アメントフラボン7,4’,7’’−トリ−O−メチルエーテル(Amentoflavone7,4’,7’’−tri−O−methyl ether)(19)(500mg,0.86mmol),ギンクゲチン(ginkgetin)(20)(1.0g,1.77mmol),sciadopitysin(21)(1.0g,1.72mmol)をそれぞれジメチルホルムアミド(dimethylformamide)(DMF)30mlに溶かし,水素化ナトリウム(sodiumhydride)(NaH)(それぞれ、36.0mg,1.50mmol,90.0mg,3.75mmol,40mg,1.67mmol)を加え,2時間反応後,それぞれに対して、25(それぞれ、600mg,1.18mmol,2.0g,3.92mmol,1.0g,1.96mmol)をさらに加え,空気ガス雰囲気下室温で24時間反応させた。反応終了後,反応液にCHClを加え,飽和NaCl水溶液および飽和NaHCO水溶液で洗浄し,無水NaSOで脱水した有機層を減圧濃縮した後,Sephadex LH−20(Amersham Biosciences),HPLC(SENSHU PAK PEGASIL Silica 60−5,10φ×250mm)にて分離し,19から29a(198.7mg,21.9%),29b(248.5mg,27.4%),20から30a(97.9mg,5.3%),30b(73.4mg,4.0%)と31a(216.5mg,8.1%),31b(323.5mg,12.1%),21から32a(234.9mg,12.9%),32b(367.9mg,20.2%)を得た。
LSPD(long range selective proton decoupling)法を用いた13C−NMRによる非経験的な決定法(H.Hori,T.Nakajima,Y.Nishida,H.Ohrui,H.Meguro,Tetrahedron Lett.,29,6317−6320,1988)を適用し,検討したところ,これらのシアリルビフラボノイドアセチル保護体のシアル酸の立体化学は全てα−アノマーであることが明らかとなった。
29aと29b,30aと30b,31aと31b,32aと32bがそれぞれビフラボノイド部分におけるアトロープ異性体であることをそれぞれのCDスペクトルについて検討することにより明らかにした。なお、CD(円偏向二色性)は、下記の機種、条件下で測定した。
機種:日本分光J−720型円二色性分散計(Spectropolarimeter)
条件:Cell length 0.5cm
Concentration 0.02%
Solvent EtOH
Temperature 20C
Range 450nm−200nm
Band width 1.0nm
Resolution 1nm
Accumulation 1
Sensitivity 200mdeg
Response 1sec
Speed 50nm/min
29aのCDスペクトルについてみると,p−メトキシシンナモイル(p−methoxycinnamoyl)部分に由来する331nmに正の第1Cotton,305nmに負の第2Cottonを与えたことから正の励起子カイラリティーを示しており,2つの遷移モーメントは時計回りに位置していることが明らかになった(図5)。したがって,ビフラボノイド部分のフラボン間結合の立体化学についてはRであると決定した。また,p−メトキシベンゾイル(p−methoxybenzoyl)部分に由来する265nm付近においても285nmに正の第1Cotton,270nmに負の第2Cottonを示したことからも立体化学がRであることを支持しているといえる。
一方,29bのCDスペクトルについてみると,p−メトキシシンナモイル(p−methoxycinnamoyl)部分に由来する332nmに負の第1Cotton,305nmに正の第2Cottonを与えたことから負の励起子カイラリティーを示しており,2つの遷移モーメントは逆時計回りに位置している(図5)。したがって,ビフラボノイド部分のフラボン間結合の立体化学についてはSであると決定した。また,p−メトキシベンゾイル(p−methoxybenzoyl)部分に由来する270nm付近においても284nmに負の第1Cotton,270nmに正の第2Cottonを示したことからも立体構造がSであることを支持する結果が得られた。
30aのCDスペクトルについてみると,p−メトキシシンナモイル部分に由来する338nmに負の第1Cotton,309nmに正の第2Cottonを与えたことから負の励起子カイラリティーを示しており,2つの遷移モーメントは逆時計回りに位置していることが明らかとなった(図6)。従って,ビフラボノイド部分のフラボン間結合の立体化学についてはRであると決定した。
一方,30bのCDスペクトルについてみると,p−メトキシシンナモイル部分に由来する341nmに正の第1Cotton,310nmに負の第2Cottonを与えたことから正の励起子カイラリティーを示しており,2つの遷移モーメントは時計回りに位置していることが明らかとなった(図6)。従って,ビフラボノイド部分のフラボン間結合の立体化学についてはSであると決定した。また,p−メトキシベンゾイル部分に由来する270nm付近にも286nmに正の第1Cotton,272nmに負の第2Cottonを示したことからも立体構造がSであることを支持する結果が得られた。
31aのCDスペクトルについてみると,p−メトキシシンナモイル部分に由来する332nmに正の第1Cotton,305nmに負の第2Cottonを与えたことから正の励起子カイラリティーを示しており,2つの遷移モーメントは時計回りに位置していることが明らかとなった(図7)。したがって,ビフラボノイド部分のフラボン間結合の立体化学についてはSであると決定した。
一方,31bのCDスペクトルについてみると,p−メトキシシンナモイル部分に由来する330nmに負の第1Cotton,304nmに正の第2Cottonを与えたことから負の励起子カイラリティーを示しており,2つの遷移モーメントは逆時計回りに位置していることが明らかとなった(図7)。従って,ビフラボノイド部分フラボン間結合の立体化学についてはRであると決定した。
32aのCDスペクトルについてみると,p−メトキシシンナモイル部分に由来する337nmに負の第1Cotton,307nmに正の第2Cottonを与えたことから負の励起子カイラリティーを示しており,2つの遷移モーメントは逆時計回りに位置していることが明らかとなった(図8)。したがって,ビフラボノイド部分のフラボン間結合についての立体化学はRであると決定した。また,p−メトキシベンゾイル部分に由来する270nm付近においても,286nmに負の第1Cotton,270nmに正の第2Cottonを示したことからも立体構造がRであるということを支持しているといえる.
一方,32bのCDスペクトルについてみると,p−メトキシシンナモイル部分に由来する336nmに正の第1Cotton,308nmに負の第2Cottonを与えたことから正の励起子カイラリティーを示しており,2つの遷移モーメントは時計回りに位置していることが明らかとなった(図8)。したがって,ビフラボノイド部分のフラボン間結合についての立体化学はSであると決定した。また,p−メトキシベンゾイル部分に由来する270nm付近においても,280nmに正の第1Cotton,270nmに負の第2Cottonを示したことからも立体構造がSであるということを支持している。
以上のことから,29aと29b,30aと30b,31aと31b,32aと32bがそれぞれビフラボノイド部分におけるアトロープ異性体であることが明らかとなった。
(R)−7,4’,7’’−トリ−O−メチル−4’’’−O−(1’’’’−メチル−4’’’’,7’’’’,8’’’’,9’’’’−テトラ−O−アセチル−N− アセチルノイラミニル)アメントフラボン ((R)−7,4’,7’’−tri−O−methyl−4’’’−O−(1’’’’−methyl−4’’’’,7’’’’,8’’’’,9’’’’−tetra−O−acetyl−N−acetyl neuraminyl)amentoflavone) (29a)
Pale yellow powder;mp162−167℃;UV λmax(EtOH)(logε):210(4.73),270(4.66),320(4.53);IR νmax(KBr)cm−1:3450,3050,1760,1680,1620,1510,1440,1380,1230,1040,850;positive FABMS m/z(rel.int.%):1054([M+H],14),565(10),535(4),474(6),372(4),252(8);H−NMR(DMSO−d)δ:biflavonoid moiety;6.98(1H,s,3−H),6.33(1H,d,J=2.1Hz,6−H),6.73(1H,d,J=2.1Hz,8−H),8.09(1H,d,J=2.4Hz,2’−H),7.37(1H,d,J=8.9Hz,5’−H),8.21(1H,dd,J=8.9,2.4Hz,6’−H),6.97(1H,s,3’’−H),6.67(1H,s,6’’−H),7.61(2H,d,J=8.9Hz,2’’’−H,6’’’−H),7.04(2H,d,J=8.9Hz,3’’’−H,5’’’−H),12.90(1H,s,5−OH),13.16(1H,s,5’’−OH),3.79(3H,s,7−OCH),3.82(3H,s,4’−OCH),3.71(3H,s,7’’−OCH),sialic acid moiety;2.07(1H,m,3’’’’−H),2.64(1H,dd,J=12.8,4.6Hz,3’’’’−H),4.77(1H,dt,J=11.0,4.6Hz,4’’’’−H),3.94(1H,m,5’’’’−H),4.43(1H,d,J=11.0Hz,6’’’’−H),5.19(1H,m,7’’’’−H),5.19(1H,m,8’’’’−H),4.03(1H,dd,J=11.0,4.0Hz,9’’’’−H),4.15(1H,dd,J=11.0,2.4Hz,9’’’’−H),7.80(1H,d,J=9.8Hz,NH),3.55(3H,s,COOCH),1.93(3H,OCOCH),1.98(3H,OCOCH),1.99(3H,OCOCH),2.06(3H,OCOCH),1.72(3H,s,NHCOC ),13C−NMR(DMSO−d)δ:biflavonoid moiety;163.5(2−C),104.2*2(3−C),181.9(4−C),161.1(5−C),97.9(6−C),165.1(7−C),92.6(8−C),157.2(9−C),104.7*1(10−C),122.4(1’−C),130.6(2’−C),121.0(3’−C),160.3(4’−C),112.0(5’−C),128.3(6’−C),162.9(2’’−C),104.1*2(3’’−C),182.2(4’’−C),161.5(5’’−C),95.6(6’’−C),162.6(7’’−C),104.7*1(8’’−C),153.5(9’’−C),103.7(10’’−C),125.5(1’’’−C),127.7(2’’’−C,6’’’−C),118.8(3’’’−C,5’’’−C),156.4(4’’’−C),56.4(7−OCH),55.9*3(4’−OCH),55.8*3(7’’−OCH),sialic acid;167.7(1’’’’−C),99.3(2’’’’−C),38.0(3’’’’−C),68.2(4’’’’−C),47.6(5’’’’−C),72.8(6’’’’−C),66.7(7’’’’−C),67.5(8’’’’−C),61.6(9’’’’−C),53.0(COO),20.45(2C,OCO),20.47(OCO),20.6(OCO),22.5(NHCO),169.1(OOCH),169.2(OOCH),169.6(OOCH),170.9(OOCH),169.1(NHOCH).*1*2*3:may be interchanged.
(S)−7,4’,7’’−トリ−O−メチル−4’’’−O−(1’’’’−メチル−4’’’’,7’’’’,8’’’’,9’’’’−テトラ−O−アセチル−N− アセチルノイラミニル)アメントフラボン ((S)−7,4’,7’’−tri−O−methyl−4’’’−O−(1’’’’−methyl−4’’’’,7’’’’,8’’’’,9’’’’−tetra−O−acetyl−N−acetyl neuraminyl)amentoflavone) (29b)
Pale yellow powder;mp161−168℃;UV λmax(EtOH)(logε):213(4.78),270(4.73),320(4.61);IR νmax(KBr)cm−1:3300,3000,1760,1660,1610,1510,1440,1380,1350,1210,1040,840;positive FABMS m/z(rel.int.%):1054([M+H],13),565(5),414(12),252(4);H−NMR(DMSO−d)δ:biflavonoid moiety;6.98(1H,s,3−H),6.33(1H,d,J=2.1Hz,6−H),6.73(1H,d,J=2.1Hz,8−H),8.09(1H,d,J=2.4Hz,2’−H),7.37(1H,d,J=8.9Hz,5’−H),8.21(1H,dd,J=8.9,2.4Hz,6’−H),6.97(1H,s,3’’−H),6.67(1H,s,6’’−H),7.61(2H,d,J=8.9Hz,2’’’−H,6’’’−H),7.04(2H,d,J=8.9Hz,3’’’−H,5’’’−H),12.90(1H,s,5−OH),13.16(1H,s,5’’−OH),3.79(3H,s,7−OCH),3.82(3H,s,4’−OCH),3.71(3H,s,7’’−OCH),sialic acid moiety;2.01(1H,m,3’’’’−H),2.66(1H,dd,J=12.8,4.9Hz,3’’’’−H),4.77(1H,dt,J=11.0,4.9Hz,4’’’’−H),3.92(1H,m,5’’’’−H),4.40(1H,d,J=10.7Hz,6’’’’−H),5.17(1H,d,J=10.7Hz,7’’’’−H),5.13(1H,m,8’’’’−H),3.99(1H,m,9’’’’−H),3.99(1H,m,9’’’’−H),7.78(1H,d,J=9.8Hz,NH),3.60(3H,s,COOCH),1.93(3H,OCOCH),1.93(3H,OCOCH),1.95(3H,OCOCH),2.08(3H,OCOCH),1.70(3H,s,NHCOC ),13C−NMR(DMSO−d)δ:biflavonoid moiety;163.5(2−C),103.7(3−C),181.8(4−C),161.1(5−C),97.9(6−C),165.1(7−C),92.5(8−C),157.2(9−C),104.7*1(10−C),122.5(1’−C),130.6(2’−C),121.1(3’−C),160.3(4’−C),111.8(5’−C),128.3(6’−C),162.8(2’’−C),104.2*1(3’’−C),182.2(4’’−C),161.4(5’’−C),95.6(6’’−C),162.7(7’’−C),104.6*1(8’’−C),153.5(9’’−C),104.1*1(10’’−C),125.6(1’’’−C),127.6(2’’’−C,6’’’−C),119.1(3’’’−C,5’’’−C),156.4(4’’’−C),55.8*2(7−OCH),55.8*2(4’−OCH),55.9*2(7’’−OCH),sialic acid;167.6(1’’’’−C),99.4(2’’’’−C),37.8(3’’’’−C),68.3(4’’’’−C),47.6(5’’’’−C),72.8(6’’’’−C),66.5(7’’’’−C),67.6(8’’’’−C),61.2(9’’’’−C),53.1(COO),20.35(OCO),20.37(OCO),20.44(OCO),20.6(OCO),22.5(NHCO),169.1(OOCH),169.2(OOCH),169.6(OOCH),169.8(OOCH),168.9(NHOCH).*1*2:may be interchanged.
(R)−7,4’−ジ−O−メチル−7’’−O−(1’’’’−メチル−4’’’’,7’’’’,8’’’’,9’’’’−テトラ−O−アセチル−N−アセチ ルノイラミニル)アメントフラボン ((R)−7,4’−di−O−methyl−7’’−O−(1’’’’−methyl−4’’’’,7’’’’,8’’’’,9’’’’−tetra−O−acetyl−N−acetylneur aminyl)amentoflavone) (30a)
Pale yellow powder;mp160−166℃;UV λmax(EtOH)(logε):205(4.61),270(4.47),330(4.46);IR νmax(KBr)cm−1:3280,2880,1760,1660,1605,1510,1440,1370,1260,1220,1030,840;positive FABMS m/z(rel.int.%):1040([M+H],6),567(23),535(4),414(5);H−NMR(DMSO−d)δ:biflavonoid moiety;7.00(1H,s,3−H),6.38(1H,d,J=1.9Hz,6−H),6.76(1H,d,J=1.9Hz,8−H),8.16(1H,d,J=2.4Hz,2’−H),7.38(1H,d,J=8.9Hz,5’−H),8.26(1H,dd,J=8.9,2.4Hz,6’−H),6.93(1H,s,3’’−H),6.96(1H,s,6’’−H),7.55(2H,d,J=8.9Hz,2’’’−H,6’’’−H),6.72(2H,d,J=8.9Hz,3’’’−H,5’’’−H),12.91(1H,s,5−OH),13.15(1H,s,5’’−OH),10.33(1H,bs,4’’’−OH),3.84(3H,s,7−OCH),3.80(3H,s,4’−OCH),sialic acid moiety;1.94(1H,m,3’’’’−H),2.41(1H,dd,J=13.1,4.9Hz,3’’’’−H),4.73(1H,dt,J=10.7,4.9Hz,4’’’’−H),3.92(1H,m,5’’’’−H),4.27(1H,m,6’’’’−H),5.17(1H,dd,J=6.7,1.5Hz,7’’’’−H),5.28(1H,dt,J=6.7,3.1Hz,8’’’’−H),4.11(1H,dd,J=12.2,6.7Hz,9’’’’−H),4.27(1H,m,9’’’’−H),7.76(1H,t,J=9.8Hz,NH),3.63(3H,s,COOCH),1.84(3H,OCOCH),1.99(3H,OCOCH),2.05(3H,OCOCH),2.07(3H,OCOCH),1.70(3H,s,NHCOC ),13C−NMR(DMSO−d)δ:biflavonoid moiety;163.6(2−C),103.8(3−C),181.9(4−C),161.2(5−C),98.0(6−C),165.2(7−C),92.7(8−C),157.3(9−C),104.7(10−C),122.1(1’−C),130.8(2’−C),120.6(3’−C),160.4(4’−C),111.6(5’−C),128.6(6’−C),164.4(2’’−C),102.4(3’’−C),182.4(4’’−C),160.4(5’’−C),102.9(6’’−C),156.2(7’’−C),108.5(8’’−C),153.6(9’’−C),106.5(10’’−C),120.9(1’’’−C),128.2(2’’’−C,6’’’−C),115.8(3’’’−C,5’’’−C),161.3(4’’’−C),56.0(7−OCH),55.8(4’−OCH),sialic acid;166.9(1’’’’−C),100.0(2’’’’−C),35.9(3’’’’−C),68.4(4’’’’−C),47.5(5’’’’−C),73.0(6’’’’−C),67.1(7’’’’−C),68.5(8’’’’−C),61.8(9’’’’−C),53.1(COO),20.37(2C,OCO),20.44(OCO),20.5(OCO),22.5(NHCO),169.1(OOCH),169.3(OOCH),169.4(OOCH),170.0(OOCH),169.1(NHOCH).
(S)−7,4’−ジ−O−メチル−7’’−O−(1’’’’−メチル−4’’’’,7’’’’,8’’’’,9’’’’−テトラ−O−アセチル−N−アセチ ルノイラミニル)アメントフラボン ((S)−7,4’−di−O−methyl−7’’−O−(1’’’’−methyl−4’’’’,7’’’’,8’’’’,9’’’’−tetra−O−acetyl−N−acetylneur aminyl)amentoflavone) (30b)
Pale yellow powder;mp176−179℃;UV λmax(EtOH)(logε):208(4.71),268(4.61),330(4.61);IR νmax(KBr)cm−1:3300,2880,1750,1660,1610,1510,1440,1370,1220,1040,840;positive FABMS m/z(rel.int.%):1040([M+H],7),567(30),535(6);H−NMR(DMSO−d)δ:biflavonoid moiety;6.97(1H,s,3−H),6.36(1H,d,J=2.1Hz,6−H),6.70(1H,d,J=2.1Hz,H−8),8.14(1H,d,J=2.4Hz,2’−H),7.38(1H,d,J=8.9Hz,5’−H),8.24(1H,dd,J=8.9,2.4Hz,6’−H),6.93(1H,s,3’’−H),6.92(1H,s,6’’−H),7.54(2H,d,J=8.9Hz,2’’’−H,6’’’−H),6.73(2H,d,J=8.9Hz,3’’’−H,5’’’−H),12.88(1H,s,5−OH),13.16(1H,s,5’’−OH),10.30(1H,bs,4’’’−OH),3.82(3H,s,7−OCH),3.79(3H,s,4’−OCH),sialic acid moiety;1.90(1H,m,3’’’’−H),2.39(1H,dd,J=13.1,4.9Hz,3’’’’−H),4.72(1H,dt,J=10.7,4.9Hz,4’’’’−H),3.91(1H,m,5’’’’−H),4.32(1H,dd,J=10.7,1.8Hz,6’’’’−H),5.16(1H,dd,J=6.7,1.8Hz,7’’’’−H),5.28(1H,dt,J=6.7,3.4Hz,8’’’’−H),4.11(1H,dd,J=12.2,6.7Hz,9’’’’−H),4.27(1H,dd,J=12.2,3.4Hz,9’’’’−H),7.77(1H,t,J=9.8Hz,NH),3.66(3H,s,COOCH),1.98(6H,OCOCH),2.05(6H,OCOCH),1.69(3H,s,NHCOC ),13C−NMR(DMSO−d)δ:biflavonoid moiety;163.6(2−C),103.8(3−C),181.9(4−C),161.1(5−C),98.1(6−C),165.2(7−C),92.5(8−C),157.3(9−C),104.7(10−C),122.2(1’−C),130.9(2’−C),120.5(3’−C),160.1(4’−C),111.6(5’−C),128.7(6’−C),164.3(2’’−C),102.9(3’’−C),182.4(4’’−C),160.5(5’’−C),102.0(6’’−C),156.3(7’’−C),108.2(8’’−C),153.6(9’’−C),106.4(10’’−C),120.9(1’’’−C),128.1(2’’’−C,6’’’−C),115.9(3’’’−C,5’’’−C),161.4(4’’’−C),55.9(7−OCH),55.8(4’−OCH),sialic acid moiety;167.3(1’’’’−C),100.1(2’’’’−C),35.8(3’’’’−C),68.4(4’’’’−C),47.5(5’’’’−C),73.1(6’’’’−C),67.2(7’’’’−C),68.6(8’’’’−C),61.8(9’’’’−C),53.4(COOCH),20.4(OCO),20.46(2C,OCO),20.52(OCO),22.5(NHCO),169.2(OOCH),169.3(OOCH),169.5(OOCH),170.0(OOCH),169.2(NHOCH).
(S)−7,4’−ジ−O−メチル−7’’−O−(1’’’’−メチル−4’’’’,7’’’’,8’’’’,9’’’’−テトラ−O−アセチル−N−アセチ ルノイラミニル)−4’’’−O−(1’’’’’−メチル−4’’’’’,7’’’’’,8’’’’’,9’’’’’−テトラ−O−アセチル−N−アセ チルノイラミニル)アメントフラボン ((S)−7,4’−di−O−methyl−7’’−O−(1’’’’−methyl−4’’’’,7’’’’,8’’’’,9’’’’−tetra−O−acetyl−N−acetylneur aminyl)−4’’’−O−(1’’’’’−methyl−4’’’’’,7’’’’’,8’’’’’,9’’’’’−tetra−O−acetyl−N−acetylneuraminyl)ament oflavone) (31a)
Pale yellow powder;mp165−169℃;UV λmax(EtOH)(logε):207(4.81),270(4.71),318(4.60);IR νmax(KBr)cm−1:3300,2860,1750,1650,1600,1500,1430,1360,1210,1030,840;positive FABMS m/z(rel.int.%):1513([M+H],6),567(30),535(8),414(7);H−NMR(DMSO−d)δ:biflavonoid moiety;6.99(1H,s,3−H),6.39(1H,d,J=2.1Hz,6−H),6.70(1H,d,J=2.1Hz,8−H),8.14(1H,d,J=2.4Hz,2’−H),7.40(1H,d,J=8.9Hz,5’−H),8.26(1H,dd,J=8.9,2.4Hz,6’−H),7.09(1H,s,3’’−H),6.97(1H,s,6’’−H),7.67(2H,d,J=9.2Hz,2’’’−H,6’’’−H),7.06(2H,d,J=9.2Hz,3’’’−H,5’’’−H),12.90(1H,s,5−OH),13.09(1H,s,5’’−OH),3.85(3H,s,7−OCH),3.84(3H,s,4’−OCH),sialic acid moiety;1.88(1H,m,3’’’’−H),2.38(1H,dd,J=13.1,4.9Hz,3’’’’−H),4.75(1H,dt,J=10.7,4.9Hz,4’’’’−H),3.93(1H,m,5’’’’−H),4.33(1H,dd,J=10.7,1.8Hz,6’’’’−H),5.18(1H,dd,J=7.0,1.8Hz,7’’’’−H),5.30(1H,dt,J=6.7,3.4Hz,8’’’’−H),4.12(1H,dd,J=12.2,6.7Hz,9’’’’−H),4.29(1H,dd,J=12.2,3.4Hz,9’’’’−H),2.04(1H,m,3’’’’’−H),2.64(1H,dd,J=12.8,4.3Hz,3’’’’’−H),4.75(1H,m,4’’’’’−H),3.93(1H,m,5’’’’’−H),4.44(1H,dd,J=10.7,0.9Hz,6’’’’’−H),5.18(1H,m,7’’’’’−H),5.18(1H,m,8’’’’’−H),4.03(1H,dd,J=11.9,4.7Hz,9’’’’’−H),4.12(1H,m,9’’’’’−H),7.80(1H,t,J=9.6Hz,NH),7.80(1H,t,J=9.6Hz,NH),3.66(3H,s,1’’’’−COOCH),3.53(3H,s,1’’’’’−COOCH),1.81(3H,s,OCOCH),1.93(3H,s,OCOCH),1.98(3H,s,OCOCH),1.99(3H,s,OCOCH),2.00(3H,s,OCOCH),2.04(3H,s,OCOCH),2.07(3H,s,OCOCH),2.07(3H,s,OCOCH),1.71(3H,s,NHCOC ),1.71(3H,s,NHCOC ),13C−NMR(DMSO−d)δ:biflavonoid moiety;163.6(2−C),103.7(3−C),182.0(4−C),161.2(5−C),98.1(6−C),165.2(7−C),92.5(8−C),157.3(9−C),104.7(10−C),122.3(1’−C),130.8(2’−C),120.3(3’−C),160.0(4’−C),111.8(5’−C),128.7(6’−C),163.4(2’’−C),104.6(3’’−C),182.5(4’’−C),161.0(5’’−C),102.1(6’’−C),156.5(7’’−C),108.5(8’’−C),153.7(9’’−C),106.6(10’’−C),125.3(1’’’−C),127.9(2’’’−C,6’’’−C),118.7(3’’’−C,5’’’−C),156.7(4’’’−C),55.9(7−OCH),55.8(4’−OCH),sialic acid moiety;167.2(1’’’’−C),100.2(2’’’’−C),35.8(3’’’’−C),68.4(4’’’’−C),47.5(5’’’’−C),73.1(6’’’’−C),67.2(7’’’’−C),68.6(8’’’’−C),61.8(9’’’’−C),167.8(1’’’’’−C),99.3(2’’’’’−C),38.0(3’’’’’−C),68.2(4’’’’’−C),47.7(5’’’’’−C),72.9(6’’’’’−C),66.7(7’’’’’−C),67.5(8’’’’’−C),61.7(9’’’’’−C),53.4(1’’’’−COO),53.1(1’’’’’−COO),20.38(OCO),20.41(OCO),20.50(3C,OCO),20.53(OCO),20.56(OCO),20.62(OCO),22.5(2C,NHCO),169.18(OOCH),169.20(OOCH),169.3(OOCH),169.4(OOCH),169.5(OOCH),169.6(OOCH),169.98(OOCH),170.04(OOCH),169.20(NHOCH),169.20(NHOCH).
(R)−7,4’−ジ−O−メチル−7’’−O−(1’’’’−メチル−4’’’’,7’’’’,8’’’’,9’’’’−テトラ−O−アセチル−N−アセチ ルノイラミニル)−4’’’−O−(1’’’’’−メチル−4’’’’’,7’’’’’,8’’’’’,9’’’’’−テトラ−O−アセチル−N−アセ チルノイラミニル)アメントフラボン ((R)−7,4’−di−O−methyl−7’’−O−(1’’’’−methyl−4’’’’,7’’’’,8’’’’,9’’’’−tetra−O−acetyl−N−acetylneur aminyl)−4’’’−O−(1’’’’’−methyl−4’’’’’,7’’’’’,8’’’’’,9’’’’’−tetra−O−acetyl−N−acetylneuraminyl)ament oflavone) (31b)
Pale yellow powder;mp163−168℃;UV λmax(EtOH)(logε):210(4.89),270(4.77),317(4.68);IR νmax(KBr)cm−1:3400,3000,1760,1660,1610,1510,1440,1380,1270,1230,1040,810;positive FABMS m/z(rel.int.%):1513([M+H],6),567(27),414(6);H−NMR(DMSO−d)δ:biflavonoid moiety;6.97(1H,s,3−H),6.35(1H,d,J=2.1Hz,6−H),6.76(1H,d,J=2.1Hz,8−H),8.14(1H,d,J=2.4Hz,2’−H),7.37(1H,d,J=8.9Hz,5’−H),8.24(1H,dd,J=8.9,2.4Hz,6’−H),7.07(1H,s,3’’−H),7.00(1H,s,6’’−H),7.63(2H,d,J=9.2Hz,2’’’−H,6’’’−H),7.04(2H,d,J=9.2Hz,3’’’−H,5’’’−H),12.90(1H,s,5−OH),13.09(5’’−OH),3.85(3H,s,7−OCH),3.84(3H,s,4’−OCH),sialic acid moiety;1.90(1H,m,3’’’’−H),2.36(1H,dd,J=12.8,4.6Hz,3’’’’−H),4.73(1H,m,4’’’’−H),3.90(1H,m,5’’’’−H),4.25(1H,m,6’’’’−H),5.15(1H,m,7’’’’−H),5.08(1H,m,8’’’’−H),4.11(1H,dd,J=12.1,6.7Hz,9’’’’−H),4.28(1H,dd,J=12.1,3.4Hz,9’’’’−H),2.01(1H,m,3’’’’’−H),2.65(1H,dd,J=12.5,4.5Hz,3’’’’’−H),4.73(1H,m,4’’’’’−H),3.90(1H,m,5’’’’’−H),4.39(1H,dd,J=10.8,1.4Hz,6’’’’’−H),5.15(1H,m,7’’’’’−H),5.28(1H,dt,J=6.7,3.4Hz,8’’’’’−H),3.90(1H,m,9’’’’’−H),3.96(1H,dd,J=12.3,4.7Hz,9’’’’’−H),7.77(1H,t,J=7.6Hz,NH),7.77(1H,t,J=7.6Hz,NH),3.60(3H,s,1’’’’−COOCH),3.59(3H,s,1’’’’’−COOCH),1.84(3H,s,OCOCH),1.92(3H,s,OCOCH),1.92(3H,s,OCOCH),1.94(3H,s,OCOCH),1.99(3H,s,OCOCH),2.06(3H,s,OCOCH),2.06(3H,s,OCOCH),2.07(3H,s,OCOCH),1.70(3H,s,NHCOC ),1.70(3H,s,NHCOC ),13C−NMR(DMSO−d)δ:biflavonoid moiety;163.6(2−C),103.7(3−C),181.9(4−C),161.2(5−C),98.0(6−C),165.2(7−C),92.6(8−C),157.2(9−C),104.7(10−C),122.3(1’−C),130.7(2’−C),120.5(3’−C),160.3(4’−C),111.6(5’−C),128.5(6’−C),163.4(2’’−C),104.7(3’’−C),182.5(4’’−C),160.4(5’’−C),102.8(6’’−C),156.4(7’’−C),108.9(8’’−C),153.8(9’’−C),106.7(10’’−C),125.5(1’’’−C),127.9(2’’’−C,6’’’−C),119.1(3’’’−C,5’’’−C),156.6(4’’’−C),56.0(7−OCH),55.8(4’−OCH),sialic acid moiety;166.9(1’’’’−C),100.1(2’’’’−C),35.8(3’’’’−C),68.3(4’’’’−C),47.5(5’’’’−C),72.8(6’’’’−C),66.5(7’’’’−C),67.1(8’’’’−C),61.2(9’’’’−C),167.6(1’’’’’−C),99.5(2’’’’’−C),37.9(3’’’’’−C),68.4(4’’’’’−C),47.7(5’’’’’−C),73.0(6’’’’’−C),67.0(7’’’’’−C),68.5(8’’’’’−C),61.8(9’’’’’−C),53.2(1’’’’−COO),53.2(1’’’’’−COO),20.40(3C,OCO),20.44(OCO),20.49(OCO),20.52(OCO),20.58(OCO),20.62(OCO),22.5(2C,NHCO),169.0(OOCH),169.18(OOCH),169.19(OOCH),169.3(OOCH),169.5(OOCH),169.6(OOCH),169.8(OOCH),170.0(OOCH),169.19(NHOCH),169.23(NHOCH).
(R)−7,4’,4’’’−トリ−O−メチル−7’’−O−(1’’’’−メチル−4’’’’,7’’’’,8’’’’,9’’’’−テトラ−O−アセチル−N− アセチルノイラミニル)アメントフラボン ((R)−7,4’,4’’’−tri−O−methyl−7’’−O−(1’’’’−methyl−4’’’’,7’’’’,8’’’’,9’’’’−tetra−O−acetyl−N−acetyl neuraminyl)amentoflavone) (32a)
Pale yellow powder;mp157−162℃;UV λmax(EtOH)(logε):205(4.65),270(4.48),330(4.47);IR νmax(KBr)cm−1:3300,2875,1750,1650,1600,1505,1430,1370,1260,1210,1030,840;positive FABMS m/z(rel.int.%):1054([M+H],16),581(84),549(18),414(7);H−NMR(DMSO−d)δ:biflavonoid moiety;6.99(1H,s,3−H),6.38(1H,d,J=1.9Hz,6−H),6.75(1H,d,J=1.9Hz,8−H),8.15(1H,d,J=2.4Hz,2’−H),7.38(1H,d,J=8.9Hz,5’−H),8.25(1H,dd,J=8.9,2.4Hz,6’−H),7.02(1H,s,3’’−H),6.98(1H,s,6’’−H),7.65(2H,d,J=8.9Hz,2’’’−H,6’’’−H),6.94(2H,d,J=8.9Hz,3’’’−H,5’’’−H),12.90(1H,s,5−OH),13.11(1H,s,5’’−OH),3.83(3H,s,7−OCH),3.81(3H,s,4’−OCH),3.75(3H,s,4’’’−OCH),sialic acid moiety;1.93(1H,dd,J=12.8,11.9Hz,3’’’’−H),2.41(1H,dd,J=12.8,4.9Hz,3’’’’−H),4.73(1H,dt,J=11.9,4.9Hz,4’’’’−H),3.92(1H,m,5’’’’−H),4.27(1H,m,6’’’’−H),5.17(1H,dd,J=6.7,1.8Hz,7’’’’−H),5.29(1H,dt,J=6.7,3.2Hz,8’’’’−H),4.12(1H,dd,J=12.2,6.7Hz,9’’’’−H),4.28(1H,dd,J=12.2,3.2Hz,9’’’’−H),7.76(1H,t,J=9.5Hz,NH),3.62(3H,s,COOCH),1.85(3H,s,OCOCH),1.99(3H,s,OCOCH),2.06(3H,s,OCOCH),2.07(3H,s,OCOCH),1.71(3H,s,NHCOC ),13C−NMR(DMSO−d)δ:biflavonoid moiety;163.5(2−C),103.8(3−C),181.9(4−C),161.1(5−C),98.0(6−C),165.2(7−C),92.7(8−C),157.3(9−C),104.7(10−C),122.2(1’−C),130.8(2’−C),120.6(3’−C),160.4(4’−C),111.6(5’−C),128.6(6’−C),163.9(2’’−C),103.6(3’’−C),182.4(4’’−C),160.4(5’’−C),102.5(6’’−C),156.2(7’’−C),108.6(8’’−C),153.7(9’’−C),106.5(10’’−C),122.5(1’’’−C),128.0(2’’’−C,6’’’−C),114.6(3’’’−C,5’’’−C),162.4(4’’’−C),56.0(7−OCH),55.9(4’−OCH),55.5(4’’’−OCH),sialic acid moiety;166.9(1’’’’−C),100.1(2’’’’−C),35.9(3’’’’−C),68.4(4’’’’−C),47.5(5’’’’−C),73.0(6’’’’−C),67.2(7’’’’−C),68.5(8’’’’−C),61.8(9’’’’−C),53.1(COO),20.36(2C,OCO),20.44(OCO),20.5(OCO),22.5(NHCO),169.2(OOCH),169.3(OOCH),169.5(OOCH),170.0(OOCH),169.2(NHOCH).
(S)−7,4’,4’’’−トリ−O−メチル−7’’−O−(1’’’’−メチル−4’’’’,7’’’’,8’’’’,9’’’’−テトラ−O−アセチル−N− アセチルノイラミニル)アメントフラボン ((S)−7,4’,4’’’−tri−O−methyl−7’’−O−(1’’’’−methyl−4’’’’,7’’’’,8’’’’,9’’’’−tetra−O−acetyl−N−acetyl neuraminyl)amentoflavone) (32b)
Pale yellow powder;mp161−165℃;UV λmax(EtOH)(logε):205(4.46),268(4.31),325(4.30);IR νmax(KBr)cm−1:3230,2860,1750,1660,1610,1510,1440,1370,1210,1030,840;positive FABMS m/z(rel.int.%):1054([M+H],11),581(50),549(10);H−NMR(DMSO−d)δ:biflavonoid moiety;6.98(1H,s,3−H),6.38(1H,d,J=1.9Hz,6−H),6.70(1H,d,J=1.9Hz,8−H),8.14(1H,d,J=2.4Hz,2’−H),7.41(1H,d,J=8.9Hz,5’−H),8.27(1H,dd,J=8.9,2.4Hz,6’−H),7.03(1H,s,3’’−H),6.97(1H,s,6’’−H),7.66(2H,d,J=8.9Hz,2’’’−H,6’’’−H),6.96(2H,d,J=8.9Hz,3’’’−H,5’’’−H),12.89(1H,s,5−OH),13.13(1H,s,5’’−OH),3.84(3H,s,7−OCH),3.82(3H,s,4’−OCH),3.77(3H,s,4’’’−OCH),sialic acid moiety;1.90(1H,m,3’’’’−H),2.41(1H,dd,J=12.8,4.9Hz,3’’’’−H),4.75(1H,dt,J=10.7,4.9Hz,4’’’’−H),3.93(1H,m,5’’’’−H),4.34(1H,d,J=11.6,6’’’’−H),5.18(1H,d,J=6.7Hz,7’’’’−H),5.31(1H,dt,J=6.7,3.1Hz,8’’’’−H),4.14(1H,dd,J=12.2,6.7Hz,9’’’’−H),4.30(1H,dd,J=12.2,3.1Hz,9’’’’−H),7.79(1H,t,J=9.5Hz,NH),3.69(3H,s,COOCH),1.83(3H,s,OCOCH),2.01(3H,s,OCOCH),2.07(3H,s,OCOCH),2.07(3H,s,OCOCH),1.72(3H,s,NHCOC ),13C−NMR(DMSO−d)δ:biflavonoid moiety;163.5(2−C),103.8(3−C),181.9(4−C),161.1(5−C),98.1(6−C),165.2(7−C),92.5(8−C),157.3(9−C),104.7(10−C),122.3(1’−C),130.8(2’−C),120.5(3’−C),160.1(4’−C),111.6(5’−C),128.7(6’−C),163.9(2’’−C),103.6(3’’−C),182.4(4’’−C),160.5(5’’−C),102.2(6’’−C),156.3(7’’−C),108.3(8’’−C),153.6(9’’−C),106.5(10’’−C),122.5(1’’’−C),128.0(2’’’−C,6’’’−C),114.6(3’’’−C,5’’’−C),162.5(4’’’−C),55.9(7−OCH),55.8(4’−OCH),55.5(4’’’−OCH),sialic acid moiety;167.2(1’’’’−C),100.1(2’’’’−C),35.8(3’’’’−C),68.4(4’’’’−C),47.5(5’’’’−C),73.1(6’’’’−C),67.2(7’’’’−C),68.6(8’’’’−C),61.9(9’’’’−C),53.3(COO),20.4(2C,OCO),20.45(OCO),20.51(OCO),22.5(NHCO),169.2(OOCH),169.3(OOCH),169.5(OOCH),170.0(OOCH),169.2(NHOCH).
3.シアリルビフラボノイドアセチル保護体の脱保護(図4)
29a(100.2mg,0.095mmol),29b(100.0mg,0.095mmol),32a(100.0mg,0.095mmol),32b(100.0mg,0.095mmol)をそれぞれpureMeOH5mlに溶かし,ナトリウムメトキシド(NaOMe)をpH>8になるように加え(pHはpH試験紙で確認した),室温で2時間撹拌し,さらにHO5mlを加えて24時間撹拌した。反応終了後,MeOHを減圧乾燥し,新たにHO5mlを加え,そこにDowex 50W−X2(2.0g)を加えて20分撹拌した。その後,Dowex 50W−X2を吸引ろ過により除き,HOを減圧乾燥し,シアリルビフラボノイド33a(75.1mg,90.6%),33b(81.6mg,98.7%)および36a(84.6mg,100.0%),36b(84.9mg,100.0%)を得た。
一方,30a(57.5mg,0.055mmol),30b(65.3mg,0.063mmol),31a(100.0mg,0.066mmol),31b(100.0mg,0.066mmol)はそれぞれpureMeOH5mlに溶かし,ナトリウムメトキシド(NaOMe)をpH>8になるように加え(pHはpH試験紙で確認した),室温で2〜9hr撹拌し,さらにHO5mlを加えて24時間撹拌した。反応後,3.5%HClで中和し,溶媒を減圧乾燥した後,HP−20で塩を除き,HPLC(逆相,SENSHUPAK ODS−4251−SH,10φ×250mm,80%MeOH)にて精製し,シアリルビフラボノイド34a(45.7mg,96.4%),34b(41.1mg,76.3%)および35a(52.0mg,68.5%),35b(60.8mg,80.1%)を得た。
(R)−4’’’−O−(N−アセチルノイラミニル)−7,4’,7’’−トリ−O−メチルアメントフラボン ((R)−4’’’−O−(N−acetylneuraminyl)−7,4’,7’’−tri−O−methylamentoflavone) (33a)
Pale yellow powder;mp191℃(dec.);UV λmax(MeOH)(logε):210(4.92),270(4.83),325(4.76);IR νmax(KBr)cm−1:3350,2950,1660,1610,1510,1440,1380,1340,1260,1210,1160,1130,1030,840;positive FABMS m/z(rel.int.%):872([M+H],1),581(10);H−NMR(DMSO−d)δ:biflavonoid moiety;6.96(1H,s,3−H),6.30(1H,bs,6−H),6.74(1H,s,8−H),8.04(1H,d,J=1.8Hz,2’−H),7.41(1H,d,J=8.9Hz,5’−H),8.20(1H,m,6’−H),6.92(1H,s,3’’−H),6.65(1H,s,6’’−H),7.49(2H,d,J=8.9Hz,2’’’−H,6’’’−H),7.19(2H,d,J=8.9Hz,3’’’−H,5’’’−H),12.89(1H,s,5−OH),13.20(1H,s,5’’−OH),3.78(3H,s,7−OCH),3.75(3H,s,4’−OCH),3.80(3H,s,7’’−OCH),sialic acid moiety;1.56(1H,t,J=11.9Hz,3−H’’’’),2.83(1H,dd,J=11.9,4.9Hz,3−H’’’’),3.58(1H,m,4−H’’’’),3.38(1H,m,5−H’’’’),3.74(1H,m,6−H’’’’),3.32(1H,m,7−H’’’’),3.61(1H,m,8−H’’’’),3.43(1H,m,9−H’’’’),3.64(1H,m,9−H’’’’),8.35(1H,bs,NH),5.27(1H,bs,OH),4.70(1H,d,J=3.1Hz,OH),4.30(1H,bs,OH),1.89(3H,s,NHCOC ),13C−NMR(DMSO−d)δ:biflavonoid moiety;163.5(2−C),103.9(3−C),181.9(4−C),161.1(5−C),98.1(6−C),165.2(7−C),92.7(8−C),157.3(9−C),104.7(10−C),122.4(1’−C),130.8(2’−C),121.3(3’−C),160.5(4’−C),111.8(5’−C),128.4(6’−C),163.9(2’’−C),102.5(3’’−C),182.2(4’’−C),161.5(5’’−C),95.5(6’’−C),165.5(7’’−C),104.5(8’’−C),153.4(9’’−C),104.0(10’’−C),121.1(1’’’−C),128.1(2’’’−C,6’’’−C),115.8(3’’’−C,5’’’−C),161.2(4’’’−C),56.0(7−OCH),56.0(4’−OCH),56.5(7’’−OCH),sialic acid moiety;168.8(1’’’’−C),101.9(2’’’’−C),42.6(3’’’’−C),66.8(4’’’’−C),52.9(5’’’’−C),73.7(6’’’’−C),69.0(7’’’’−C),71.6(8’’’’−C),63.4(9’’’’−C),22.4(NHCO),172.3(NHOCH).
(S)−4’’’−O−(N−アセチルノイラミニル)−7,4’,7’’−トリ−O−メチルアメントフラボン ((S)−4’’’−O−(N−acetylneuraminyl)−7,4’,7’’−tri−O−methylamentoflavone) (33b)
Pale yellow powder;mp184℃(dec.);UV λmax(MeOH)(logε):207(4.86),270(4.74),325(4.67);IR νmax(KBr)cm−1:3400,2950,1660,1600,1500,1440,1380,1340,1260,1200,1160,1120,1020,840;positive FABMS m/z(rel.int.%):872([M+H],1),581(12);H−NMR(DMSO−d)δ:biflavonoid moiety;6.93(1H,s,3−H),6.31(1H,bs,6−H),6.73(1H,bs,8−H),8.05(1H,d,J=2.4Hz,2’−H),7.39(1H,d,J=8.9Hz,5’−H),8.20(1H,m,6’−H),6.92(1H,s,3’’−H),6.65(1H,bs,6’’−H),7.51(2H,d,J=8.9Hz,2’’’−H,6’’’−H),7.18(2H,d,J=8.9Hz,3’’’−H,5’’’−H),12.89(1H,s,5−OH),13.16(1H,s,5’’−OH),3.78(3H,s,7−OCH),3.78(3H,s,4’−OCH),3.80(3H,s,7’’−OCH),sialic acid moiety;1.63(1H,t,J=11.9Hz,3−H’’’’),2.77(1H,dd,J=11.9,4.6Hz,3−H’’’’),3.61(1H,m,4−H’’’’),3.52(1H,m,5−H’’’’),3.72(1H,m,6−H’’’’),3.32(1H,m,7−H’’’’),3.59(1H,m,8−H’’’’),3.42(1H,m,9−H’’’’),3.63(1H,m,9−H’’’’),8.20(1H,bs,NH),5.18(1H,bs,OH),4.67(1H,bs,OH),4.23(1H,bs,OH),1.89(3H,s,NHCOC ),13C−NMR(DMSO−d)δ:biflavonoid moiety;163.2a)(2−C),104.0b)(3−C),181.8(4−C),161.1(5−C),97.9(6−C),165.0(7−C),92.6(8−C),157.2(9−C),104.7c)(10−C),122.5(1’−C),130.7(2’−C),121.1(3’−C),160.3(4’−C),111.7(5’−C),128.4(6’−C),163.4a)(2’’−C),103.8b)(3’’−C),182.2(4’’−C),161.4(5’’−C),95.5(6’’−C),162.4(7’’−C),104.5c)(8’’−C),153.4(9’’−C),104.0b)(10’’−C),124.3(1’’’−C),126.9(2’’’−C,6’’’−C),120.4(3’’’−C,5’’’−C),158.2(4’’’−C),55.9d)(7−OCH),55.9d)(4’−OCH),56.3d)(7’’−OCH),sialic acid moiety;168.9(1’’’’−C),101.6(2’’’’−C),41.8(3’’’’−C),66.6(4’’’’−C),52.5(5’’’’−C),73.9(6’’’’−C),68.7(7’’’’−C),71.4(8’’’’−C),63.1(9’’’’−C),22.5(NHCO),172.1(NHOCH).a),b),c),d):may be interchanged.
(R)−7’’−O−(N−アセチルノイラミニル)−7,4’−ジ−O−メチルアメントフラボン ((R)−7’’−O−(N−acetylneuraminyl)−7,4’−di−O−methylamentoflavone) (34a)
Pale yellow powder;mp224℃(dec);UV λmax(MeOH)(logε):205(4.58),268(4.44),328(4.42);IR νmax(KBr)cm−1:3400,2950,1650,1600,1500,1440,1370,1250,1160,1110,1020,840;positive FABMS m/z(rel.int.%):857([M+H],1),567(2);H−NMR(DMSO−d)δ:biflavonoid moiety;6.99(1H,s,3−H),6.34(1H,d,J=2.1Hz,6−H),6.76(1H,d,J=2.1Hz,8−H),8.05(1H,d,J=2.1Hz,2’−H),7.35(1H,d,J=8.9Hz,5’−H),8.18(1H,dd,J=8.9,2.1Hz,6’−H),6.80(1H,s,3’’−H),7.34(1H,s,6’’−H),7.50(2H,d,J=8.9Hz,2’’’−H,6’’’−H),6.71(2H,d,J=8.9Hz,3’’’−H,5’’’−H),12.97(1H,bs,5−OH),12.97(1H,bs,5’’−OH),3.83(3H,s,7−OCH),3.79(3H,s,4’−OCH),sialic acid moiety;1.46(1H,t,J=11.9Hz,3−H’’’’),2.75(1H,dd,J=11.9,4.9Hz,3−H’’’’),3.59(1H,m,4−H’’’’),3.40(1H,m,5−H’’’’),3.71(1H,m,6−H’’’’),3.31(1H,m,7−H’’’’),3.67(1H,m,8−H’’’’),3.42(1H,m,9−H’’’’),3.61(1H,m,9−H’’’’),8.30(1H,bs,NH),6.25(1H,bs,OH),5.14(1H,bs,OH),4.72(1H,s,OH),4.14(1H,bs,OH),1.89(3H,s,NHCOC ),13C−NMR(DMSO−d)δ:biflavonoid moiety;163.9(2−C),103.9(3−C),181.9(4−C),161.0(5−C),98.3(6−C),165.1(7−C),92.4(8−C),157.4(9−C),104.8(10−C),122.1(1’−C),131.0(2’−C),121.7(3’−C),160.5(4’−C),111.6(5’−C),128.2(6’−C),163.8(2’’−C),102.3(3’’−C),182.1(4’’−C),160.0(5’’−C),102.0(6’’−C),158.8(7’’−C),106.2(8’’−C),153.2(9’’−C),104.5(10’’−C),120.6(1’’’−C),128.0(2’’’−C,6’’’−C),115.9(3’’’−C,5’’’−C),161.8(4’’’−C),56.0(7−OCH),55.9(4’−OCH),sialic acid moiety;168.1(1’’’’−C),102.2(2’’’’−C),41.7(3’’’’−C),66.9(4’’’’−C),52.9(5’’’’−C),73.6(6’’’’−C),68.8(7’’’’−C),71.1(8’’’’−C),63.0(9’’’’−C),22.4(NHCO),172.3(NHOCH).
(S)−7’’−O−(N−アセチルノイラミニル)−7,4’−ジ−O−メチルアメントフラボン ((S)−7’’−O−(N−acetylneuraminyl)−7,4’−di−O−methylamentoflavone) (34b)
Pale yellow powder;mp209℃(dec);UV λmax(MeOH)(logε):208(4.62),268(4.49),328(4.47);IR νmax(KBr)cm−1:3400,2950,1650,1610,1500,1440,1370,1340,1280,1260,1240,1160,1110,1020,950,840;positive FABMS m/z(rel.int.%):857([M+H],1),567(2);H−NMR(DMSO−d6)δ:biflavonoid moiety;7.06(1H,s,3−H),6.36(1H,d,J=1.8Hz,6−H),6.91(1H,d,J=1.8Hz,8−H),8.67(1H,d,J=2.1Hz,2’−H),7.35(1H,d,J=8.9Hz,5’−H),8.18(1H,dd,J=8.9,2.1Hz,6’−H),6.77(1H,s,3’’−H),7.10(1H,s,6’’−H),7.48(2H,d,J=8.9Hz,2’’’−H,6’’’−H),6.73(2H,d,J=8.9Hz,3’’’−H,5’’’−H),12.99(1H,bs,5−OH),12.99(1H,bs,5’’−OH),3.85(3H,s,7−OCH),3.77(3H,s,4’−OCH),sialic acid moiety;1.33(1H,t,J=11.9Hz,3’’’’−H),2.80(1H,dd,J=11.9,4.6Hz,3’’’’−H),3.51(1H,m,4’’’’−H),3.40(1H,m,5’’’’−H),3.88(1H,m,6’’’’−H),3.34(1H,m,7’’’’−H),3.72(1H,m,8’’’’−H),3.45(1H,m,9’’’’−H),3.65(1H,m,9’’’’−H),8.18(1H,bs,NH),6.41(1H,bs,OH),4.81(1H,bs,OH),4.62(1H,s,OH),4.21(1H,bs,OH),1.89(3H,s,NHCOC ),13C−NMR(DMSO−d)δ:biflavonoid moiety;163.9a)(2−C),103.4b)(3−C),182.0(4−C),161.1(5−C),97.8(6−C),165.1(7−C),92.9(8−C),157.3(9−C),104.7(10−C),122.1(1’−C),132.4(2’−C),121.4(3’−C),159.7(4’−C),111.1(5’−C),127.7(6’−C),163.9a)(2’’−C),102.1(3’’−C),182.1(4’’−C),160.1(5’’−C),103.1(6’’−C),159.0(7’’−C),106.7(8’’−C),152.9(9’’−C),105.1(10’’−C),120.0(1’’’−C),128.0(2’’’−C,6’’’−C),116.1(3’’’−C,5’’’−C),162.3(4’’’−C),56.0(7−OCH),55.7(4’−OCH),sialic acid moiety;167.8(1’’’’−C),103.5b)(2’’’’−C),42.6(3’’’’−C),67.0(4’’’’−C),53.0(5’’’’−C),73.7(6’’’’−C),68.7(7’’’’−C),71.5(8’’’’−C),63.1(9’’’’−C),22.5(NHCO),172.2(NHOCH).a),b):may be interchanged.
(S)−7’’,4’’’−ジ−O−(N−アセチルノイラミニル)−7,4’−ジ−O−メチルアメントフラボン ((S)−7’’,4’’’−di−O−(N−acetylneuraminyl)−7,4’−di−O−methylamentoflavone) (35a)
Pale yellow powder;mp188℃(dec);UV λmax(MeOH)(logε):207(4.66),270(4.50),325(4.46);IR νmax(KBr)cm−1:3400,2930,1650,1600,1500,1440,1370,1340,1280,1250,1160,1110,1020,840;positive FABMS m/z(rel.int.%):1149([M+H],1),567(1);H−NMR(DMSO−d)δ:biflavonoid moiety;7.07(1H,s,3−H),6.35(1H,d,J=2.1Hz,6−H),6.93(1H,d,J=2.1Hz,8−H),8.70(1H,d,J=2.1Hz,2’−H),7.41(1H,d,J=8.9Hz,5’−H),8.21(1H,dd,J=2.1,8.9Hz,6’−H),6.93(1H,s,3’’−H),7.10(1H,s,6’’−H),7.55(2H,d,J=8.9Hz,2’’’−H,6’’’−H),7.24(2H,d,J=8.9Hz,3’’’−H,5’’’−H),12.93(1H,s,5−OH),12.93(1H,s,5’’−OH),3.86(3H,s,7−OCH),3.76(3H,s,4’−OCH),sialic acid moiety;1.58(1H,t,J=11.6Hz,3’’’’−H),2.84(1H,dd,J=12.8,4.3Hz,3’’’’−H),3.57(1H,m,4’’’’−H),3.38(1H,m,5’’’’−H),3.91(1H,m,6’’’’−H),3.29(1H,m,7’’’’−H),3.74(1H,m,8’’’’−H),3.68(1H,m,9’’’’−H),3.47(1H,m,9’’’’−H),1.35(1H,t,J=11.6Hz,3’’’’’−H),2.84(1H,dd,J=12.8,4.3Hz,3’’’’’−H),3.57(1H,m,4’’’’’−H),3.34(1H,m,5’’’’’−H),3.79(1H,m,6’’’’’−H),3.29(1H,m,7’’’’’−H),3.65(1H,m,8’’’’’−H),3.68(1H,m,9’’’’’−H),3.47(1H,m,9’’’’’−H),8.31(1H,bs,NH),8.25(1H,bs,NH),6.31(1H,bs,OH),6.18(1H,bs,OH),5.30(1H,bs,OH),4.92(1H,bs,OH),4.72(1H,bs,OH),4.65(1H,bs,OH),4.38(1H,t,J=5.5Hz,OH),4.26(1H,t,J=5.8Hz,OH),1.90(3H,s,NHCOC ),1.86(3H,s,NHCOC ),13C−NMR(DMSO−d)δ:biflavonoid moiety;163.9(2−C),103.5a)(3−C),182.1(4−C),161.0(5−C),97.9(6−C),165.1(7−C),92.8(8−C),157.4(9−C),104.8(10−C),122.2(1’−C),132.5(2’−C),121.2(3’−C),160.0(4’−C),111.2(5’−C),127.9(6’−C),163.3(2’’−C),103.1(3’’−C),182.3(4’’−C),159.8(5’’−C),103.1(6’’−C),159.1b)(7’’−C),106.8(8’’−C),153.0(9’’−C),105.2(10’’−C),123.0(1’’’−C),126.9(2’’’−C,6’’’−C),119.2(3’’’−C,5’’’−C),159.0b)(4’’’−C),56.0(7−OCH),55.7(4’−OCH),sialic acid moiety;168.5(1’’’’−C),101.8(2’’’’−C),42.8(3’’’’−C),66.9(4’’’’−C),53.1(5’’’’−C),73.8(6’’’’−C),69.1(7’’’’−C),71.7(8’’’’−C),63.4(9’’’’−C),169.0(1’’’’’−C),103.5a)(2’’’’’−C),42.8(3’’’’’−C),66.8(4’’’’’−C),53.0(5’’’’’−C),73.7(6’’’’’−C),68.7(7’’’’’−C),71.6(8’’’’’−C),63.0(9’’’’’−C),22.5(2C,NHCO),172.4(NHOCH),172.3(NHOCH).a),b):may be interchanged.
(R)−7’’,4’’’−ジ−O−(N−アセチルノイラミニル)−7,4’−ジ−O−メチルアメントフラボン ((R)−7’’,4’’’−di−O−(N−acetylneuraminyl)−7,4’−di−O−methylamentoflavone) (35b)
Pale yellow powder;194℃(dec);UV λmax(EtOH)(logε):207(4.73),270(4.59),325(4.55);IR νmax(KBr)cm−1:3400,2940,1650,1610,1500,1440,1370,1340,1280,1260,1240,1160,1110,1020,950,840;positive FABMS m/z(rel.int.%):1149([M+H],1),567(1);H−NMR(DMSO−d)δ:biflavonoid moiety;6.96(1H,s,3−H),6.33(1H,d,J=2.1Hz,6−H),6.76(1H,d,J=2.1Hz,8−H),7.99(1H,d,J=2.1Hz,2’−H),7.38(1H,d,J=8.9Hz,5’−H),8.17(1H,dd,J=8.9,2.1Hz,6’−H),6.91(1H,s,3’’−H),7.34(1H,s,6’’−H),7.51(2H,d,J=8.9Hz,2’’’−H,6’’’−H),7.18(2H,d,J=8.9Hz,3’’’−H,5’’’−H),12.93(1H,s,5−OH),12.90(1H,s,5’’−OH),3.83(3H,s,7−OCH),3.80(3H,s,4’−OCH),sialic acid moiety;1.54(1H,t,J=11.6Hz,3’’’’−H),2.80(1H,dd,J=12.8,4.3Hz,3’’’’−H),3.58(1H,m,4’’’’−H),3.42(1H,m,5’’’’−H),3.69(1H,m,6’’’’−H),3.30(1H,m,7’’’’−H),3.56(1H,m,8’’’’−H),3.64(1H,m,9’’’’−H),3.42(1H,m,9’’’’−H),1.54(1H,t,J=11.6Hz,3’’’’’−H),2.80(1H,dd,J=12.8,4.3Hz,3’’’’’−H),3.58(1H,m,4’’’’’−H),3.42(1H,m,5’’’’’−H),3.69(1H,m,6’’’’’−H),3.30(1H,m,7’’’’’−H),3.66(1H,m,8’’’’’−H),3.64(1H,m,9’’’’’−H),3.42(1H,m,9’’’’’−H),8.41(1H,bs,NH),8.41(1H,bs,NH),6.14(1H,bs,OH),5.33(1H,bs,OH),4.78(1H,bs,OH),4.72(1H,bs,OH),4.28(1H,bs,OH),1.88(3H,s,NHCOC ),1.87(3H,s,NHCOC ),13C−NMR(DMSO−d)δ:biflavonoid moiety;164.0(2−C),104.0(3−C),181.9(4−C),161.0(5−C),98.4(6−C),165.2(7−C),92.3(8−C),157.5(9−C),104.8(10−C),122.3(1’−C),131.0(2’−C),121.5(3’−C),160.4(4’−C),111.6(5’−C),128.3(6’−C),163.4(2’’−C),103.4(3’’−C),182.3(4’’−C),160.0(5’’−C),102.2(6’’−C),158.7(7’’−C),106.3(8’’−C),153.3(9’’−C),104.7(10’’−C),123.8(1’’’−C),126.9(2’’’−C,6’’’−C),120.2(3’’’−C,5’’’−C),158.9(4’’’−C),55.9(7−OCH),56.0(4’−OCH),sialic acid moiety;168.7(1’’’’−C),102.2(2’’’’−C),41.6(3’’’’−C),66.7(4’’’’−C),53.0(5’’’’−C),73.7(6’’’’−C),68.7(7’’’’−C),71.2(8’’’’−C),62.9(9’’’’−C),168.9(1’’’’’−C),102.3(2’’’’’−C),42.4(3’’’’’−C),66.8(4’’’’’−C),53.0(5’’’’’−C),73.8(6’’’’’−C),68.7(7’’’’’−C),71.6(8’’’’’−C),63.1(9’’’’’−C),22.4(NHCO),22.4(NHCO),172.3(NHOCH),172.4(NHOCH).
(R)−7’’−O−(N−アセチルノイラミニル)−7,4’,4’’’−トリ−O−メチルアメントフラボン ((R)−7’’−O−(N−acetylneuraminyl)−7,4’,4’’’−tri−O−methylamentoflavone) (36a)
Pale yellow powder;mp206℃(dec.);UV λmax(MeOH)(logε):206(4.88),269(4.80),325(4.73);IR νmax(KBr)cm−1:3400,2950,1660,1600,1500,1440,1370,1350,1260,1180,1160,1120,1030,840;positive FABMS m/z(rel.int.%):872([M+H],1),581(12);H−NMR(DMSO−d)δ:biflavonoid moiety;6.99(1H,s,3−H),6.35(1H,bs,6−H),6.75(1H,bs,8−H),8.08(1H,bs,2’−H),7.37(1H,d,J=8.9Hz,5’−H),8.22(1H,d,J=8.9Hz,6’−H),6.97(1H,s,3’’−H),7.18(1H,s,6’’−H),7.64(2H,d,J=8.5Hz,2’’’−H,6’’’−H),6.95(2H,d,J=8.5Hz,3’’’−H,5’’’−H),12.92(1H,s,5−OH),13.01(1H,s,5’’−OH),3.83(3H,s,7−OCH),3.80(3H,s,4’−OCH),3.76(3H,s,4’’’−OCH),sialic acid moiety;1.67(1H,t,J=11.9Hz,3’’’’−H),2.57(1H,m,3’’’’−H),3.65(1H,m,4’’’’−H),3.61(1H,m,5’’’’−H),3.80(1H,m,6’’’’−H),3.36(1H,m,7’’’’−H),3.65(1H,m,8’’’’−H),3.65(1H,m,9’’’’−H),3.45(1H,m,9’’’’−H),8.10(1H,d,J=6.4Hz,NH),5.08(1H,bs,OH),4.68(1H,bs,OH),4.24(1H,bs,OH),1.89(3H,s,NHCOC ),13C−NMR(DMSO−d)δ:biflavonoid moiety;163.6a)(2−C),103.9(3−C),181.9(4−C),161.1(5−C),98.2(6−C),165.2(7−C),92.5(8−C),157.4(9−C),104.8(10−C),122.2(1’−C),130.9(2’−C),121.1(3’−C),160.1(4’−C),111.6(5’−C),128.4(6’−C),163.7a)(2’’−C),103.4(3’’−C),182.3(4’’−C),160.4(5’’−C),102.2(6’’−C),157.8(7’’−C),107.2(8’’−C),153.5(9’’−C),105.4(10’’−C),122.6(1’’’−C),127.9(2’’’−C,6’’’−C),114.5(3’’’−C,5’’’−C),162.3(4’’’−C),56.0(7−OCH),55.9(4’−OCH),55.5(4’’’−OCH),sialic acid moiety;168.6(1’’’’−C),101.1(2’’’’−C),40.4(3’’’’−C),66.3(4’’’’−C),52.3(5’’’’−C),74.4(6’’’’−C),68.7(7’’’’−C),71.0(8’’’’−C),63.2(9’’’’−C),22.6(NHCO),171.9(NHOCH).a):may be interchanged.
(S)−7’’−O−(N−アセチルノイラミニル)−7,4’,4’’’−トリ−O−メチルアメントフラボン ((S)−7’’−O−(N−acetylneuraminyl)−7,4’4’’’−tri−O−methylamentoflavone) (36b)
Pale yellow powder;mp200℃(dec.);UV λmax(MeOH)(logε):206(4.86),270(4.78),325(4.71);IR νmax(KBr)cm−1:3400,2950,1650,1610,1510,1440,1370,1340,1260,1180,1160,1110,1030,840;positive FABMS m/z(rel.int.%):872([M+H],1),581(15);H−NMR(DMSO−d)δ:biflavonoid moiety;7.02(1H,s,3−H),6.30(1H,d,J=1.8Hz,6−H),6.87(1H,d,J=1.8Hz,8−H),8.57(1H,bs,2’−H),7.36(1H,d,J=8.9Hz,5’−H),8.18(1H,d,J=8.9Hz,6’−H),6.93(1H,s,3’’−H),7.11(1H,s,6’’−H),7.65(2H,d,J=8.9Hz,2’’’−H,6’’’−H),6.98(2H,d,J=8.9Hz,3’’’−H,5’’’−H),12.90(1H,s,5−OH),12.93(1H,s,5’’−OH),3.86(3H,s,7−OCH),3.78(3H,s,4’−OCH),3.78(3H,s,4’’’−OCH),sialic acid moiety;1.38(1H,t,J=11.9Hz,3’’’’−H),2.77(1H,m,3’’’’−H),3.55(1H,m,4’’’’−H),3.40(1H,m,5’’’’−H),3.89(1H,d,J=5.2Hz,6’’’’−H),3.34(1H,m,7’’’’−H),3.72(1H,m,8’’’’−H),3.45(1H,m,9’’’’−H),3.65(1H,m,9’’’’−H),8.21(1H,bs,NH),4.95(1H,bs,OH),4.64(1H,d,J=3.7Hz,OH),4.26(1H,bs,OH),1.88(3H,s,NHCOC ),13C−NMR(DMSO−d)δ:biflavonoid moiety;163.8(2−C),103.5(3−C),182.0(4−C),161.1(5−C),97.9(6−C),165.1(7−C),92.8(8−C),157.3(9−C),104.7(10−C),122.2(1’−C),132.2(2’−C),121.2(3’−C),160.1(4’−C),111.3(5’−C),127.9(6’−C),163.4(2’’−C),103.3(3’’−C),182.3(4’’−C),159.9(5’’−C),102.9a)(6’’−C),159.0(7’’−C),106.8(8’’−C),153.1(9’’−C),105.2(10’’−C),122.7(1’’’−C),127.9(2’’’−C,6’’’−C),114.6(3’’’−C,5’’’−C),162.3(4’’’−C),55.9(7−OCH),55.8(4’−OCH),55.5(4’’’−OCH),sialic acid moiety;168.4(1’’’’−C),103.1a)(2’’’’−C),42.4(3’’’’−C),66.8(4’’’’−C),52.9(5’’’’−C),73.9(6’’’’−C),68.7(7’’’’−C),71.5(8’’’’−C),63.1(9’’’’−C),22.5(NHCO),172.2(NHOCH).a):may be interchanged.
図9に合成されたシアリルビフラボノイドの構造を示す。
[実施例3]インフルエンザウイルスシアリダーゼ阻害活性
植物から単離したビフラボン4種(19,20,21,22)及び有機合成したビフラボンのシアル酸配糖体19種[Gin−Neu−1−(R)(34a),Gin−Neu−2−(S)(35a),Gin−Neu−1−(S)(34b),Gin−Neu−2−(R)(35b),Gin−NeuAc−1(30a),Gin−NeuAc−2(31a),Gin−NeuAc−3(30b),Gin−NeuAc−4(31b),Gin−NeuAc−di(Mix)(31aと31bの混合物)、TN1−Neu−1(33a),TN1−Neu−2(33b),TN1−Neu−Mix(33aと33bの混合物)、TN−1−NeuAc−1(29a),TN−1−NeuAc−2(29b),Sci−Neu−1(36a),Sci−Neu−2(36b),Sci−Neu(Mix)(36aと36bの混合物)、Sci−NeuAc−1(32a),Sci−NeuAc−2(32b)]について、終濃度0.2μg/mL、1μg/mL、10μg/mL及び100μg/mLにおけるインフルエンザウイルスA/PR/8/34(H1N1亜型)、A/Guizhou/54/89(H3N2亜型)、B/茨城/2/85のシアリダーゼに対する阻害活性を、基質として4−MU−NeuAcを、酵素としてインフルエンザHAワクチンを用い、それぞれの至適pHにおいて測定した。
A/PR/8/34シアリダーゼ阻害活性の結果を図10に、A/Guizhou/54/89シアリダーゼ阻害活性の結果を図11に、B/茨城/2/85シアリダーゼ阻害活性の結果を図12に示す。
A/PR/8/34ウイルスのシアリダーゼに対して、終濃度100μg/mLでは、検討した試料のうちSci−Neu−2、Gin−Neu−1−(R)、Gin−Neu−2−(S)、Gin−Neu−1−(S)、Gin−Neu−2−(R)が80%以上の阻害活性を示した。また、終濃度10μg/mLにおいても、Sci−Neu−2、Sci−Neu(Mix)、Gin−Neu−1−(R)、Gin−Neu−1−(S)、Gin−Neu−2−(R)が70%以上の阻害活性を示した。終濃度10μg/mLにおいて比較すると、検討した試料のうち、Sci−Neu−2及びGin−Neu−1−(R)が最も高い阻害活性を示し、50%阻害濃度(IC50)は、ともに5μg/mLであった。
A/Guizhou/54/89ウイルスのシアリダーゼに対して、終濃度10μg/mLの場合、Sci−Neu−2、Gin−Neu−1−(R)、Gin−Neu−2−(S)、Gin−Neu−1−(S)、Gin−Neu−2−(R)が80%以上の阻害活性を示した。また、終濃度1μg/mLでは、Sci−Neu−2、Gin−NeuAc−3、Gin−NeuAc−4、Gin−Neu−1−(R)、Gin−Neu−2−(S)、Gin−Neu−1−(S)の6つの試料が約50%の阻害活性を示した。終濃度1μg/mLにおいて比較すると、検討した試料のうち、Sci−Neu−2及びGin−Neu−1−(R)が最も高い阻害活性を示し、IC50は、ともに1μg/mLであった。
B/茨城/2/85ウイルスのシアリダーゼに対して、終濃度100μg/mLの場合、Sci−Neu−2、TN1−Neu−Mix、Gin−Neu−1−(R)、Gin−Neu−1−(S)が80%以上の阻害活性を示した。終濃度10μg/mLでは、6種類の試料が50%以上の活性を示し、Sci−Neu−2が65%と高い活性を示した(IC50=7μg/mL)。
[実施例4]In vitro抗インフルエンザウイルス活性
実施例3と同じ試料(植物から単離したビフラボン4種及び有機合成したビフラボンのシアル酸配糖体19種)について、in vitro抗インフルエンザウイルス活性を測定した。すなわち、96−well培養プレートで培養したMDCK(Madin−Darby canine kidney)細胞にトリプシン(3μg/mL)存在下、インフルエンザウイルスA/PR/8/34(H1N1亜型)を0.001MOI(multiplicity of infection;感染多重度)で感染させ、同時に試料(終濃度12.5μg/mL)を添加した。これを5%CO条件下、37℃で3日間培養した。抗インフルエンザウイルス活性の指標として、培養上清のウイルス量をウイルスの持つシアリダーゼ活性で測定した。
細胞毒性に関しては、抗インフルエンザウイルス活性測定の場合と同様に、96−well培養プレートで培養したインフルエンザウイルス非感染のMDCK細胞に、上記と同様にして試料を添加した。これらを5%CO条件下、37℃で3日間培養し、細胞の生存率をMTT法で測定した。
結果を図13に示す。検討した試料のうち、ギンゲチン(ginkgetin)(20)とイソギンゲチン(isoginkgetin)(22)には細胞毒性が認められたが、他の試料には細胞毒性は認められなかった。溶媒のジメチルスルホキシド(DMSO)を基準として、細胞毒性が認められなかった試料の中では、Sci−Neu−1、Sci−Neu−2、TN1−Neu−1、TN1−Neu−2、TN1−Neu−Mix、Gin−Neu−1−(R)、Gin−Neu−2−(S)、Gin−Neu−1−(S)、Gin−Neu−2−(R)の9種に45%以上の培養上清中のシアリダーゼ活性の低下が認められ、インフルエンザウイルスの増殖抑制活性が示された。
以上の結果より、ビフラボノイドをシアル酸配糖体とすることにより、基となったビフラボンよりも高いin vitro抗インフルエンザウイルス活性を示すとともに、細胞毒性も低下することが明らかとなった。
[実施例5]In vivo抗インフルエンザウイルス活性
マウス馴化インフルエンザウイルスA/PR/8/34原液(50%マウス致死量(LD50)=104.83)を0.1%ウシ血清アルブミンを含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で104.5倍に希釈し(2×LD50),ウイルス希釈液を調製した。BALB/cマウス(雌性,7週齢)(日本クレア)をアモバルビタールナトリウム溶液(11mg/mL生理食塩水)0.25mLの腹腔内投与により麻酔し,ウイルス希釈液20μLを経鼻接種することにより感染させた。実施例2と同様に調製した化合物[Gin−Neu−1−(R)(34a)、Gin−Neu−1−(S)(34b)、Gin−Neu−2−(R)(35b)、Gin−Neu−2−(S)(35a)]を生理食塩水溶液(1mg/mL)とし,ウイルス接種5分前に1回0.5mg/kgの用量でアモバルビタール麻酔下にマウスに経鼻投与した。コントロール群には化合物溶液の代りに生理食塩水を経鼻投与した。インフルエンザウイルス感染後21日間マウスの生存率を観察し,コントロール群との比較により化合物(Gin−Neu−1−(R)、Gin−Neu−1−(S)、Gin−Neu−2−(R)、Gin−Neu−2−(S))のin vivo抗インフルエンザウイルス活性の評価を行った。結果を図14に示す。図14から以下のことが明らかである。
生理食塩水を経鼻投与したコントロール群のマウスはウイルス接種8日目から死亡し始め,11日目から21日目までの生存率は22%であった。
これに対し,化合物(Gin−Neu−1−(R))を経鼻投与したマウスでは10日目から16日目までの生存率が75%で,21日目においても62.5%のマウスが生存しており,コントロール群と比べ,統計的に有意な生存率の上昇および生存日数の延長が認められた(p=0.0385、Kaplan−Meier法のLogrankテスト)。
また,化合物(Gin−Neu−2−(S))を経鼻投与したマウスでは10日目から14日目までの生存率が89%で,21日目におけるマウスの生存率は44%であり,コントロール群と比べ,統計的に生存率の上昇および生存日数の延長傾向が認められた(p=0.0523)。
さらに,化合物(Gin−Neu−1−(S))を経鼻投与したマウスでは8日目から10日目までの生存率が89%,10日目から14日目までが78%で,21日目における生存率は56%であり,コントロール群と比べ,統計的に生存率の上昇および生存日数の延長傾向が認められた(p=0.0714)。
化合物(Gin−Neu−2−(R))を経鼻投与したマウスでは10日目から14日目までの生存率が56%で、21日における生存率は44%であり,コントロール群と比べ,生存率の上昇および生存日数の延長が認められた。
これらの結果を平均生存日数でグラフにしたものが図15である。その結果、コントロール群では平均生存日数が10.9日であった。
これに対し、Gin−Neu−1−(R)を投与したマウスでは平均生存日数が17.3日であり、コントロール群と比べ生存日数が6.4日延長しており、統計的に有意であった(p=0.0277)。
また、Gin−Neu−1−(S)を投与したマウスでは平均生存日数が16.2日であり、コントロール群と比べ生存日数が5.3日延長しており、統計的に延長傾向が認められた(p=0.0555)。
さらに、Gin−Neu−2−(S)を投与したマウスでは平均生存日数が15.7日であり、コントロール群と比べて生存日数が4.8日延長しており、統計的に延長傾向が認められた(p=0.0851)。Gin−Neu−2−(S)を投与したマウスでは、平均生存日数が14.3日とコントロール群より3.4日の延長が認められた。
これらの結果から,化合物(Gin−Neu−1−(R)、Gin−Neu−1−(S)、Gin−Neu−2−(R)、Gin−Neu−2−(S))はin vivoの系においても抗インフルエンザウイルス活性を示すことが明らかとなった。
[実施例6]硫黄原子を含有するビフラボノイドのシアル酸配糖体の製造
(1)シアル酸SAc体の合成
実施例2で合成したシアル酸誘導体(25)(5.32g)をCHCl(dry)60mlに溶かし,AcSK(カリウムチオアセテート(potassium thioacetate))(3.5g)をアルゴン雰囲気下,18時間攪拌した。反応終了後,反応液をCHClで抽出し,飽和NaCl水溶液及び飽和NaHCO水溶液で順次洗浄し,有機層を無水NaSOで脱水後,減圧濃縮した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl−MeOH)で精製することにより,前記式(IV)のR10,R11,R12,R13がアセチル基、Rがメチル基、LがSAc基、Xがアセトアミノ基のシアル酸誘導体(IV−5)(メチル−4,7,8,9−テトラ−O−アセチル−2−S−アセチル−N−アセチルノイラミネート(methyl−4,7,8,9−tetra−O−acetyl−2−S−acetyl−N−acetylneuraminate)(37))を(3.62g,63%)得た。
(2)ビフラボノイド誘導体(Br体)の合成
ビフラボノイド誘導体(V)のうち、R21A,R20Bの少なくとも一つが水酸基である化合物をDMF(dry)に溶かし,トリフェニルホスフィン(triphenylphosphine)(1当量),NBS(N−ブロモスクシンイミド)(1〜2当量)を加えて,アルゴン雰囲気下,18時間攪拌する。反応終了後,反応液をCHClで抽出し,飽和NaCl水溶液及び飽和NaHCO水溶液で順次洗浄し,有機層を無水NaSOで脱水後,減圧濃縮する。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー又はHPLCで精製することにより,R21A,R20Bの少なくともひとつがBrのビフラボノイド誘導体(V)のBr体が得られる。
(3)配糖体の合成
ビフラボノイド誘導体(V)のBr体及び前記シアル酸誘導体(IV−5)(1〜2当量)をDMF(dry)に溶かし,ジエチルアミン(diethylamine)(0.5〜1.0当量)を加え,アルゴン雰囲気下,18時間攪拌する。反応終了後,反応液をCHClで抽出し,飽和NaCl水溶液及び飽和NaHCO水溶液で順次洗浄し,有機層を無水NaSOで脱水後,減圧濃縮する。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー又はHPLCで精製することにより,目的とする配糖体の保護体が得られる。
これらをMeOH(dry)に溶かし,NaOMe(2〜3当量)を加え,4時間攪拌後,HO(10〜15当量=NaOMe量の2倍量)を加え,アルゴン雰囲気下,18時間攪拌する。反応終了後,2N HClで中和し,Sephadex LH−20(MeOH)またはHP−20(HO→MeOH)で塩を取り除き,ODS−HPLCで精製することで,目的とする配糖体が得られる。
本発明によれば,ビフラボノイドのシアル酸配糖体は,in vitroおよびin vivoの系において抗インフルエンザウイルス活性を示し,しかも天然物化合物から誘導される化合物であり安全性も高く,インフルエンザの予防ないし治療薬として有用であるばかりでなく,インフルエンザの予防ないし治療用飲食品としても利用することができる。
本発明は、シアリダーゼ阻害活性を有し、インフルエンザ等のウイルス疾患の予防・治療に有効な抗ウイルス化合物に関する。
インフルエンザは、基礎疾患を有する患者や高齢者にとって、生命に係わる危険な感染症である。実際、インフルエンザの流行した年には、超過死亡率の上昇が認められる。また、高齢者においては、肺炎、乳幼児においては、脳炎を併発し、死亡又は重症化した例が数多く報告されている(松本慶蔵、日本臨床、55 (10)、2536-2541 (1997))。さらに、近年、インフルエンザA型ウイルスの新しい亜型の出現が危惧されており、我が国において流行した場合、数万〜数十万人の死亡者がでることが予測されている。これらのことから、インフルエンザ対策は、社会的に重要な課題となっている。インフルエンザ対策として、ワクチンの予防接種が最も有効な手段であることに議論の余地はない(田村慎一、倉田毅、BIO Clinica、11 (9)、665-669 (1996))。しかし、ワクチンの製造及び充分量のワクチンの供給には、ある程度の時間を要することから、新型ウイルスの流行が差し迫っている場合には、症状の軽減のために、抗インフルエンザウイルス剤の投与が必要となる。
現在、日本で市販されている抗インフルエンザウイルス薬にはアマンタジン、ザナミビル、オセルタミビルがある。アマンタジンはA型インフルエンザウイルス感染症に、ザナミビルとオセルタミビルはA、B両型のインフルエンザウイルス感染症に保険適用が認められている。アマンタジンはインフルエンザウイルスのM2蛋白に作用する。M2蛋白はA型インフルエンザウイルスの膜上に存在するイオンチャンネルで、ウイルス粒子内を酸性化することで、RNA遺伝子や核タンパク質、RNAポリメラーゼの複合体であるリボ核蛋白質複合体(RNP)の細胞質への放出に大きな役割を果たす。アマンタジンはこのM2蛋白の機能を阻害し、RNP放出を抑制して、ウイルスの増殖を防ぐ。
ザナミビル、オセルタミビルはA、B両型のインフルエンザウイルスに有効である。これらの薬剤の作用機序はアマンタジンとは異なり、シアリダーゼ(ノイラミニダーゼともいう)阻害作用により効果を発揮する。シアリダーゼはA、B型ウイルスの表面に存在する糖蛋白で、増殖したウイルスが宿主細胞から遊離するときに、ヘマグルチニン−レセプター(レセプター中のシアル酸)の結合を切り離して、出芽を促す作用がある。ザナミビル、オセルタミビルはこの活性部位に結合してその働きを抑え、ウイルスの遊離を阻止する作用がある。感染細胞に繋ぎ止められたウイルスは、他のウイルスと相互に結合するため、それ以上の感染の拡大をくい止め、やがて終息に向かわせることになる。
ザナミビルはコンピューター・ケミストリーで理論的に開発された薬剤の1つとしても有名である。基礎研究の進歩により、シアリダーゼの構造や活性部位の立体構造が明らかにされたために登場した薬である。
オセルタミビルもシアル酸に結合するシアリダーゼの活性部位により強く結合することでシアリダーゼの機能を阻害する作用がある。ザナミビルは経口投与では生体利用率が低いため粉末剤を吸入器などで口から吸入する必要がある。その点、オセルタミビルは経口投与可能で、体内に吸収されたのち活性体に変換するプロドラッグである。
これらの抗インフルエンザ薬はいずれも発症後48時間以内に投与する必要がある。これを過ぎると自然経過と変わらず、効果はほとんど認められない等、臨床での有効性が充分とはいえなかった。また、シアリダーゼ阻害剤には耐性ウイルスの出現の可能性もあり、新規の抗インフルエンザ薬が求められている。
本発明者らも、フラボノイドの1種であるF36(5, 7, 4’-trihydroxy-8-methoxyflavone)がin vitroおよびin vivoで抗インフルエンザウイルス活性を有することを報告している(T. Nagai, Y. Miyaichi, T. Tomimori, Y. Suzuki, and H. Yamada, Chem. Pharm. Bull., 38, 1329-1332 (1990); T. Nagai, Y. Miyaichi, T. Tomimori, Y. Suzuki, and H. Yamada, Antiviral Res., 19, 207-217 (1992); 特許 第2974370号)が、さらに強力な抗インフルエンザウイルス化合物の開発が望まれていた。
一方、ビフラボンの1種であるロブスタフラボンとアメントフラボンがin vitroで抗インフルエンザウイルス活性を示し、ロブスタフラボンはマウスを用いたin vivoの系でも抗インフルエンザウイルス活性を示すことが知られている(特許公表平11-508264、WO97/00679)。しかし、ビフラボノイドのシアル酸配糖体の有機合成並びに抗インフルエンザウイルス活性については検討されていない。
従って、本発明は、ウイルス疾患、とりわけインフルエンザ等のウイルス疾患の予防・治療に有用な、新規な抗ウイルス化合物を提供することを課題とする。
本発明者らは、抗インフルエンザウイルス化合物を開発すべく鋭意検討を行ない、様々な新規のビフラボノイドシアル酸配糖体が抗インフルエンザウイルス活性を示すことを見い出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、たとえば下記のとおりである。
本発明に係る化合物は、ビフラボノイドのシアル酸配糖体である。
前記ビフラボノイドのシアル酸配糖体は、下記一般式(I)、(II)または(III)のいずれかの式で表される化合物またはその塩であることが好ましい:
Figure 2004076471
(式(I)中、R1, R2, R3, R4, R5, R6, R7およびR8は、それぞれ独立して水素原子、メチル基、水酸基、アセチルオキシ基、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n-プロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、ベンジルオキシ基、アリルオキシ基またはグリコシルオキシ基を示し、R9は、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子、アンモニウム基またはメチル基を示し、R10, R11, R12およびR13はそれぞれ独立して水素原子、硫酸基またはアセチル基を示し、Xはアセトアミノ基、グリコリルアミノ基、水酸基またはアセチルオキシ基を示し、Aは酸素原子または硫黄原子を示す。)、
Figure 2004076471
(式(II)中、R1, R2, R3, R4, R6, R7およびR8はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、水酸基、アセチルオキシ基、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n-プロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、ベンジルオキシ基、アリルオキシ基またはグリコシルオキシ基を示し、R9およびR14はそれぞれ独立して水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子、アンモニウム基またはメチル基を示し、R10, R11, R12, R13, R15, R16, R17およびR18はそれぞれ独立して水素原子、硫酸基またはアセチル基を示し、XおよびYはそれぞれ独立してアセトアミノ基、グリコリルアミノ基、水酸基またはアセチルオキシ基を示し、AおよびBはそれぞれ独立して酸素原子または硫黄原子を示す)、
Figure 2004076471
(式(III)中、R1, R2, R3, R4, R6, R7, R8およびR19はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、水酸基、アセチルオキシ基、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n-プロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、ベンジルオキシ基、アリルオキシ基またはグリコシルオキシ基を示し、R14は水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子、アンモニウム基またはメチル基を示し、R15, R16, R17およびR18はそれぞれ独立して水素原子、硫酸基またはアセチル基を示し、Yはアセトアミノ基、グリコリルアミノ基、水酸基またはアセチルオキシ基を示し、Bは酸素原子または硫黄原子を示す)。
前記式(I)〜(III)中、R9およびR14は水素原子であり、R10, R11, R12, R13, R15, R16, R17およびR18は水素原子であることが好ましい。
本発明に係る医薬品は、前記ビフラボノイドのシアル酸配糖体を有効成分とする。
本発明に係るインフルエンザ予防剤または治療剤は、前記ビフラボノイドのシアル酸配糖体を有効成分とする。
本発明に係る飲食品は、前記ビフラボノイドのシアル酸配糖体を有効成分とする。
本発明に係るインフルエンザ予防または治療用の飲食品は、前記ビフラボノイドのシアル酸配糖体を有効成分とする。
なお、本発明では、前記ビフラボノイドのシアル酸配糖体を有効量投与することを特徴とするインフルエンザの予防または治療方法を含む。
さらに、本発明では、インフルエンザの予防剤または治療剤を製造するための前記ビフラボノイドのシアル酸配糖体の使用を含む。
また、本発明では、前記ビフラボノイドのシアル酸配糖体を有効量飲食することを特徴とするインフルエンザ予防または治療のための飲食方法を含む。
さらに、本発明では、インフルエンザ予防または治療のための飲食品を製造するための前記ビフラボノイドのシアル酸配糖体の使用を含む。
本発明に係るビフラボノイドのシアル酸配糖体は、ビフラボノイドに由来する構成単位とシアル酸に由来する構成単位とを含む化合物である。
ビフラボノイドに由来する構成単位とは、2つのフラボノイド骨格が結合した化合物に由来する構成単位であり、シアル酸骨格とは、9つの炭素原子を含むアミノ糖であるノイラミン酸誘導体、またはKDN(2-keto-3-deoxy-D-glycero-D-galacto-2-nonulosonic acid)誘導体に由来する構成単位を意味する。
本発明に係る該ビフラボノイドのシアル酸配糖体は、シアル酸に由来する構成単位が少なくとも1つ含まれ、好ましくは1つまたは2つのシアル酸由来の構成単位が含まれることが望ましい。
このようなビフラボノイドのシアル酸配糖体としては、より具体的には、たとえば、下記一般式(I)、(II)または(III)のいずれかの式で表される化合物またはその塩が挙げられる。
Figure 2004076471
式(I)中、R1, R2, R3, R4, R5, R6, R7およびR8は、それぞれ独立して水素原子、メチル基、水酸基、アセチルオキシ基、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n-プロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、ベンジルオキシ基、アリルオキシ基またはグリコシルオキシ基を示す。
このうち、R1, R2, R3, R4, R5としては、水酸基、アセチルオキシ基、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n-プロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、ベンジルオキシ基またはアリルオキシ基が好ましく、水酸基またはメチルオキシ基がより好ましい。さらに、R1, R2, R3, R4, R5のうち、少なくとも1つは水酸基であり、より好ましくは1〜3個が水酸基であることが望ましい。
R1, R2, R3, R4, R5のより具体的な組み合わせとしては、たとえば、
R1が水酸基、R2がメチルオキシ基、R3がメチルオキシ基、R4が水酸基、R5が水酸基、
R1が水酸基、R2がメチルオキシ基、R3がメチルオキシ基、R4が水酸基、R5がメチルオキシ基、
R1が水酸基、R2が水酸基、R3がメチルオキシ基、R4が水酸基、R5がメチルオキシ基、
R1が水酸基、R2が水酸基、R3がメチルオキシ基、R4が水酸基、R5が水酸基、
R1が水酸基、R2が水酸基、R3が水酸基、R4が水酸基、R5が水酸基、
R1が水酸基、R2がメチルオキシ基、R3が水酸基、R4が水酸基、R5が水酸基、
R1が水酸基、R2が水酸基、R3が水酸基、R4が水酸基、R5がメチルオキシ基、
R1が水酸基、R2がメチルオキシ基、R3が水酸基、R4が水酸基、R5がメチルオキシ基である場合が挙げられる。
これらのうちでは、R1が水酸基、R2がメチルオキシ基、R3がメチルオキシ基、R4が水酸基、R5が水酸基、または
R1が水酸基、R2がメチルオキシ基、R3がメチルオキシ基、R4が水酸基、R5がメチルオキシ基である場合が望ましい。
R6, R7およびR8としては、水素原子、水酸基、メチル基またはメチルオキシ基が好ましく、水素原子であることがより好ましい。
R6, R7およびR8のより具体的な組み合わせとしては、たとえば、
R6が水素原子、R7が水素原子、R8が水素原子、
R6が水素原子、R7が水酸基、R8が水素原子、
R6が水素原子、R7がメチルオキシ基、R8が水素原子、
R6が水素原子、R7が水素原子、R8が水酸基、
R6が水素原子、R7が水酸基、R8が水酸基、
R6がメチル基、R7が水素原子、R8が水素原子
である場合が挙げられる。
R9は、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子、アンモニウム基またはメチル基を示し、これらのうちでは、水素原子が好ましい。
R10, R11, R12およびR13はそれぞれ独立して水素原子、硫酸基またはアセチル基を示し、これらのうちでは、R10, R11, R12およびR13はそれぞれ独立して水素原子またはアセチル基が好ましく、水素原子であることがより好ましい。
なお本明細書において、硫酸基とは、HO3S−で表される基またはその塩を意味し、アセチル基とはCH3CO−で表される基を意味する。
さらに、R9,R10, R11, R12およびR13が、水素原子であることが特に好ましい。
このように前記式(I)で表されるビフラボノイドのシアル酸配糖体において、R9, R10, R11, R12, R13が水素原子であると、インフルエンザウイルスのシアリダーゼ阻害活性および抗インフルエンザウイルス活性を向上させることができる。
Xはアセトアミノ基、グリコリルアミノ基、水酸基またはアセチルオキシ基を示し、これらのうちでは、アセトアミノ基、グリコリルアミノ基が好ましい。
本明細書において、アセトアミノ基はCH3CONH−で表される基であり、グリコリルアミノ基はHOCH2CH(OH)NH−で表される基であり、アセチルオキシ基とはCH3COO-で表される基である。
Aは酸素原子または硫黄原子を示し、これらのうちでは、酸素原子が好ましい。
前記式(I)で表されるビフラボノイドのシアル酸配糖体の具体例としては、たとえば、下記の化合物が挙げられる。
R1=水酸基、R2=メチルオキシ基、R3=メチルオキシ基、R4=水酸基、R5=水酸基、R6=水素原子、R7=水素原子、R8=水素原子、R9=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、A=酸素原子、X=アセトアミノ基(NHAc)であるビフラボノイドのシアル酸配糖体(34)、(化合物の後ろのカッコ内の数字は、実施例中の化合物の番号を示す。以下本明細書中の化合物について同様である。)
R1=水酸基、R2=メチルオキシ基、R3=メチルオキシ基、R4=水酸基、R5=メチルオキシ基、R6=水素原子、R7=水素原子、R8=水素原子、R9=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、A=酸素原子、X=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体(36)、
R1=水酸基、R2=水酸基、R3=メチルオキシ基、R4=水酸基、R5=メチルオキシ基、R6=水素原子、R7=水素原子、R8=水素原子、R9=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、A=酸素原子、X=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
R1=水酸基、R2=水酸基、R3=水酸基、R4=水酸基、R5=水酸基、R6=水素原子、R7=水素原子、R8=水素原子、R9=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、A=酸素原子、X=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
R1=水酸基、R2=メチルオキシ基、R3=水酸基、R4=水酸基、R5=水酸基、R6=水素原子、R7=水素原子、R8=水素原子、R9=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、A=酸素原子、X=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
R1=水酸基、R2=水酸基、R3=メチルオキシ基、R4=水酸基、R5=水酸基、R6=水素原子、R7=水素原子、R8=水素原子、R9=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、A=酸素原子、X=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
R1=水酸基、R2=水酸基、R3=水酸基、R4=水酸基、R5=メチルオキシ基、R6=水素原子、R7=水素原子、R8=水素原子、R9=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、A=酸素原子、X=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
R1=水酸基、R2=メチルオキシ基、R3=水酸基、R4=水酸基、R5=メチルオキシ基、R6=水素原子、R7=水素原子、R8=水素原子、R9=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、A=酸素原子、X=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
R1=水酸基、R2=水酸基、R3=水酸基、R4=水酸基、R5=水酸基、R6=水素原子、R7=水酸基、R8=水素原子、R9=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、A=酸素原子、X=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
R1=水酸基、R2=水酸基、R3=メチルオキシ基、R4=水酸基、R5=水酸基、R6=水素原子、R7=メチルオキシ基、R8=水素原子、R9=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、A=酸素原子、X=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
R1=水酸基、R2=水酸基、R3=水酸基、R4=水酸基、R5=水酸基、R6=水素原子、R7=水素原子、R8=水酸基、R9=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、A=酸素原子、X=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
R1=水酸基、R2=水酸基、R3=水酸基、R4=水酸基、R5=水酸基、R6=水素原子、R7=水酸基、R8=水酸基、R9=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、A=酸素原子、X=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
R1=水酸基、R2=メチルオキシ基、R3=水酸基、R4=水酸基、R5=水酸基、R6=メチル基、R7=水素原子、R8=水素原子、R9=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、A=酸素原子、X=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
R1=水酸基、R2=メチルオキシ基、R3=メチルオキシ基、R4=水酸基、R5=水酸基、R6=水素原子、R7=水素原子、R8=水素原子、R9=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、A=酸素原子、X=グリコリルアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
R1=水酸基、R2=メチルオキシ基、R3=メチルオキシ基、R4=水酸基、R5=水酸基、R6=水素原子、R7=水素原子、R8=水素原子、R9=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、A=酸素原子、X=水酸基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
R1=水酸基、R2=メチルオキシ基、R3=メチルオキシ基、R4=水酸基、R5=メチルオキシ基、R6=水素原子、R7=水素原子、R8=水素原子、R9=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、A=酸素原子、X=グリコリルオキシ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
R1=水酸基、R2=メチルオキシ基、R3=メチルオキシ基、R4=水酸基、R5=メチルオキシ基、R6=水素原子、R7=水素原子、R8=水素原子、R9=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、A=酸素原子、X=水酸基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体。
Figure 2004076471
式(II)中、R1, R2, R3, R4, R6, R7およびR8はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、水酸基、アセチルオキシ基、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n-プロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、ベンジルオキシ基、アリルオキシ基またはグリコシルオキシ基を示す。
このうち、R1, R2, R3, R4としては、水酸基、アセチルオキシ基、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n-プロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、ベンジルオキシ基またはアリルオキシ基が好ましく、水酸基またはメチルオキシ基がより好ましい。さらに、R1, R2, R3, R4のうち、少なくとも1つは水酸基であり、より好ましくは1〜3個が水酸基であることが望ましい。
R1, R2, R3, R4のより具体的な組み合わせとしては、たとえば、
R1が水酸基、R2がメチルオキシ基、R3がメチルオキシ基、R4が水酸基、
R1が水酸基、R2が水酸基、R3がメチルオキシ基、R4が水酸基、
R1が水酸基、R2が水酸基、R3が水酸基、R4が水酸基、
R1が水酸基、R2がメチルオキシ基、R3が水酸基、R4が水酸基である場合が挙げられる。
これらのうちでは、R1が水酸基、R2がメチルオキシ基、R3がメチルオキシ基、R4が水酸基である場合が望ましい。
R6, R7およびR8としては、水素原子、水酸基、メチル基またはメチルオキシ基が好ましく、水素原子であることがより好ましい。
R6, R7およびR8のより具体的な組み合わせとしては、たとえば、
R6が水素原子、R7が水素原子、R8が水素原子、
R6が水素原子、R7が水酸基、R8が水素原子、
R6が水素原子、R7がメチルオキシ基、R8が水素原子、
R6が水素原子、R7が水素原子、R8が水酸基、
R6が水素原子、R7が水酸基、R8が水酸基、
R6がメチル基、R7が水素原子、R8が水素原子
である場合が挙げられる。
R9およびR14はそれぞれ独立して水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子、アンモニウム基またはメチル基を示し、これらのうちでは、R9およびR14はそれぞれ水素原子であることが好ましい。
R10, R11, R12, R13, R15, R16, R17およびR18はそれぞれ独立して水素原子、硫酸基またはアセチル基を示し、これらのうちでは、R10, R11, R12, R13, R15, R16, R17およびR18はそれぞれ独立して水素原子またはアセチル基が好ましく、水素原子であることがより好ましい。
さらに、R9, R14, R10, R11, R12, R13, R15, R16, R17およびR18が、水素原子であることが特に好ましい。
このように前記式(II)で表されるビフラボノイドのシアル酸配糖体において、R9およびR14が水素原子であり、R10, R11, R12, R13, R15, R16, R17およびR18が水素原子であると、インフルエンザウイルスのシアリダーゼ阻害活性および抗インフルエンザウイルス活性を向上させることができる。
XおよびYはそれぞれ独立してアセトアミノ基、グリコリルアミノ基、水酸基またはアセチルオキシ基を示し、これらのうちでは、アセトアミノ基、グリコリルアミノ基が好ましい。
AおよびBはそれぞれ独立して酸素原子または硫黄原子を示し、これらのうちでは、酸素原子が好ましい。
前記式(II)で表されるビフラボノイドのシアル酸配糖体の具体例としては、たとえば、下記の化合物が挙げられる。
R1=水酸基、R2=メチルオキシ基、R3=メチルオキシ基、R4=水酸基、R6=水素原子、R7=水素原子、R8=水素原子、R9=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、A=B=酸素原子、X=Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体(35)、
R1=水酸基、R2=水酸基、R3=水酸基、R4=水酸基、R6=水素原子、R7=水素原子、R8=水素原子、R9=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、A=B=酸素原子、X=Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
R1=水酸基、R2=メチルオキシ基、R3=水酸基、R4=水酸基、R6=水素原子、R7=水素原子、R8=水素原子、R9=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、A=B=酸素原子、X=Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
R1=水酸基、R2=水酸基、R3=メチルオキシ基、R4=水酸基、R6=水素原子、R7=水素原子、R8=水素原子、R9=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、A=B=酸素原子、X=Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
R1=水酸基、R2=水酸基、R3=水酸基、R4=水酸基、R6=水素原子、R7=水酸基、R8=水素原子、R9=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、A=B=酸素原子、X=Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
R1=水酸基、R2=水酸基、R3=メチルオキシ基、R4=水酸基、R6=水素原子、R7=メチルオキシ基、R8=水素原子、R9=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、A=B=酸素原子、X=Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
R1=水酸基、R2=水酸基、R3=水酸基、R4=水酸基、R6=水素原子、R7=水素原子、R8=水酸基、R9=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、A=B=酸素原子、X=Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
R1=水酸基、R2=水酸基、R3=水酸基、R4=水酸基、R6=水素原子、R7=水酸基、R8=水酸基、R9=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、A=B=酸素原子、X=Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
R1=水酸基、R2=メチルオキシ基、R3=水酸基、R4=水酸基、R6=メチル基、R7=水素原子、R8=水素原子、R9=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、A=B=酸素原子、X=Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
R1=水酸基、R2=メチルオキシ基、R3=メチルオキシ基、R4=水酸基、R6=水素原子、R7=水素原子、R8=水素原子、R9=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、A=B=酸素原子、X=Y=グリコリルアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
R1=水酸基、R2=メチルオキシ基、R3=メチルオキシ基、R4=水酸基、R6=水素原子、R7=水素原子、R8=水素原子、R9=水素原子、R10=水素原子、R11=水素原子、R12=水素原子、R13=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、A=B=酸素原子、X=Y=水酸基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体。
Figure 2004076471
式(III)中、R1, R2, R3, R4, R6, R7, R8およびR19はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、水酸基、アセチルオキシ基、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n-プロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、ベンジルオキシ基、アリルオキシ基またはグリコシルオキシ基を示す。
このうち、R1, R2, R3, R4, R19としては、水酸基、アセチルオキシ基、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n-プロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、ベンジルオキシ基またはアリルオキシ基が好ましく、水酸基またはメチルオキシ基がより好ましい。さらに、R1, R2, R3, R4, R19のうち、少なくとも1つが水酸基であり、より好ましくは1〜3個が水酸基であることが望ましい。
R1, R2, R3, R4, R19のより具体的な組み合わせとしては、たとえば、
R1が水酸基、R2がメチルオキシ基、R3がメチルオキシ基、R4が水酸基、R19がメチルオキシ基、
R1が水酸基、R2が水酸基、R3がメチルオキシ基、R4が水酸基、R19がメチルオキシ基、
R1が水酸基、R2が水酸基、R3が水酸基、R4が水酸基、R19が水酸基、
R1が水酸基、R2がメチルオキシ基、R3が水酸基、R4が水酸基、R19が水酸基、
R1が水酸基、R2が水酸基、R3が水酸基、R4が水酸基、R19がメチルオキシ基、
R1が水酸基、R2がメチルオキシ基、R3が水酸基、R4が水酸基、R19がメチルオキシ基、
R1が水酸基、R2が水酸基、R3がメチルオキシ基、R4が水酸基、R19が水酸基、
R1が水酸基、R2がメチルオキシ基、R3がメチルオキシ基、R4が水酸基、R19が水酸基
である場合が挙げられる。これらのうちでは、R1が水酸基、R2がメチルオキシ基、R3がメチルオキシ基、R4が水酸基、R19がメチルオキシ基である場合が好ましい。
R6, R7およびR8としては、水素原子、水酸基、メチル基またはメチルオキシ基が好ましく、水素原子であることがより好ましい。
R6, R7およびR8のより具体的な組み合わせとしては、たとえば、
R6が水素原子、R7が水素原子、R8が水素原子、
R6が水素原子、R7が水酸基、R8が水素原子、
R6が水素原子、R7がメチルオキシ基、R8が水素原子、
R6が水素原子、R7が水素原子、R8が水酸基、
R6が水素原子、R7が水酸基、R8が水酸基、
R6がメチル基、R7が水素原子、R8が水素原子
である場合が挙げられる。
R14は水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子、アンモニウム基またはメチル基を示し、このうちでは、水素原子が好ましい。
R15, R16, R17およびR18はそれぞれ独立して水素原子、硫酸基またはアセチル基を示し、R15, R16, R17およびR18はそれぞれ独立して水素原子またはアセチル基が好ましく、水素原子であることがより好ましい。
さらに、R14, R15, R16, R17およびR18が、水素原子であることが特に好ましい。
このように前記式(III)で表されるビフラボノイドのシアル酸配糖体において、R14が水素原子であり、R15, R16, R17およびR18が水素原子であると、インフルエンザウイルスのシアリダーゼ阻害活性および抗インフルエンザウイルス活性を向上させることができる。
Yはアセトアミノ基、グリコリルアミノ基、水酸基またはアセチルオキシ基を示し、これらのうちでは、アセトアミノ基、グリコリルアミノ基が好ましい。
Bは酸素原子または硫黄原子を示し、このうちでは酸素原子であることが好ましい。
前記式(III)で表されるビフラボノイドのシアル酸配糖体の具体例としては、たとえば、下記の化合物が挙げられる。
R1=水酸基、R2=メチルオキシ基、R3=メチルオキシ基、R4=水酸基、R6=水素原子、R7=水素原子、R8=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、R19=メチルオキシ基、B=酸素原子、Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体(33)、
R1=水酸基、R2=水酸基、R3=水酸基、R4=水酸基、R6=水素原子、R7=水素原子、R8=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、R19=水酸基、B=酸素原子、Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
R1=水酸基、R2=メチルオキシ基、R3=水酸基、R4=水酸基、R6=水素原子、R7=水素原子、R8=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、R19=水酸基、B=酸素原子、Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
R1=水酸基、R2=水酸基、R3=メチルオキシ基、R4=水酸基、R6=水素原子、R7=水素原子、R8=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、R19=水酸基、B=酸素原子、Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
R1=水酸基、R2=水酸基、R3=水酸基、R4=水酸基、R6=水素原子、R7=水素原子、R8=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、R19=メチルオキシ基、B=酸素原子、Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
R1=水酸基、R2=メチルオキシ基、R3=メチルオキシ基、R4=水酸基、R6=水素原子、R7=水素原子、R8=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、R19=水酸基、B=酸素原子、Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
R1=水酸基、R2=メチルオキシ基、R3=水酸基、R4=水酸基、R6=水素原子、R7=水素原子、R8=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、R19=メチルオキシ基、B=酸素原子、Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
R1=水酸基、R2=水酸基、R3=メチルオキシ基、R4=水酸基、R6=水素原子、R7=メチルオキシ基、R8=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、R19=メチルオキシ基、B=酸素原子、Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
R1=水酸基、R2=水酸基、R3=水酸基、R4=水酸基、R6=水素原子、R7=水酸基、R8=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、R19=水酸基、B=酸素原子、Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
R1=水酸基、R2=水酸基、R3=メチルオキシ基、R4=水酸基、R6=水素原子、R7=メチルオキシ基、R8=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、R19=水酸基、B=酸素原子、Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
R1=水酸基、R2=水酸基、R3=水酸基、R4=水酸基、R6=水素原子、R7=水素原子、R8=水酸基、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、R19=水酸基、B=酸素原子、Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
R1=水酸基、R2=水酸基、R3=水酸基、R4=水酸基、R6=水素原子、R7=水酸基、R8=水酸基、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、R19=水酸基、B=酸素原子、Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
R1=水酸基、R2=メチルオキシ基、R3=水酸基、R4=水酸基、R6=メチル基、R7=水素原子、R8=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、R19=水酸基、B=酸素原子、Y=アセトアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
R1=水酸基、R2=メチルオキシ基、R3=メチルオキシ基、R4=水酸基、R6=水素原子、R7=水素原子、R8=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、R19=メチルオキシ基、B=酸素原子、Y=グリコリルアミノ基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体、
R1=水酸基、R2=メチルオキシ基、R3=メチルオキシ基、R4=水酸基、R6=水素原子、R7=水素原子、R8=水素原子、R14=水素原子、R15=水素原子、R16=水素原子、R17=水素原子、R18=水素原子、R19=メチルオキシ基、B=酸素原子、Y=水酸基であるビフラボノイドのシアル酸配糖体。
このような前記式(I)〜(III)で表されるビフラボノイドのシアル酸配糖体は、置換基の種類に応じて塩を形成する場合がある。後述する本発明に係る医薬品またはインフルエンザ予防剤もしくは治療剤、飲食物またはインフルエンザ予防飲食物もしくは治療飲食物においては、前記式(I)〜(III)で表される化合物の薬学的に許容される塩を使用してもよい。
このような前記式(I)〜(III)で表される化合物の塩としては、たとえば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩などの金属塩、有機アンモニウム塩などのアンモニウム塩、グリシンなどのアミノ酸塩を挙げることができる。遊離形態の化合物またはその塩のほか、それらの任意の水和物であってもよい。塩の形成は常法により行うことができる。
たとえば、R9およびR14はそれぞれ独立に、ナトリウム、カリウムなどとして金属塩、アンモニウムなどとして有機アンモニウム塩を形成していてもよい。
前記式(I)〜(III)で表される化合物は、該式で示した立体構造をとることが好ましいが、これらは不斉炭素を有しており、光学活性体として存在する場合がある。このような光学活性体またはジアステレオマー異性体などの立体異性体、立体異性体の任意の混合物、またはラセミ体などは、いずれも本発明に含まれる。また、前記式(I)〜(III)において、たとえば、不斉炭素に結合するCO29とAとは、その相対的な配置を示したものであって、絶対的な配置を示すものではない。他の不斉炭素における配置についても同様である。
このようなビフラボノイドに由来する構成単位と、シアル酸に由来する構成単位とが結合した、ビフラボノイドのシアル酸配糖体は、たとえば、ビフラボノイド誘導体とシアル酸誘導体をカップリングすることにより製造することができる。
このようなカップリングに用いるシアル酸誘導体の製造方法としては、出発原料として、たとえば、下記式(IV)中、R9, R10, R11, R12, R13が水素原子、Xがアセトアミノ基、グリコリルアミノ基または水酸基、Lが水酸基であるシアル酸誘導体(IV−1)を例にとって説明する。
まず、下記式(IV)
Figure 2004076471
で表される化合物(以下「シアル酸誘導体(IV)」ということがある。)のうち、たとえば、市販品等として入手可能な、R9, R10, R11, R12, R13が水素原子、Lが水酸基、Xがアセトアミノ基、グリコリルアミノ基または水酸基、Lが水酸基であるシアル酸誘導体(IV−1)を、たとえばアルコール等の存在下にエステル化する(メタノールを用いるエステル化により、R9はH→CH3)。
エステル化反応は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。たとえば、エステル化反応は、過剰のメタノールなどのアルコール中にシアル酸誘導体(IV−1)を溶解させ、脱水剤の存在下、通常室温またはその付近の温度条件下、約5〜100時間程度撹拌することにより実施できる。
このようにして、カルボキシル基がエステル化されたシアル酸誘導体(VI−2)を得ることができる。
次に、得られたエステル化されたシアル酸誘導体(IV−2)の水酸基をアセチル基により保護する。水酸基のアセチル化は、公知の方法により行うことができ、たとえば、ピリジンなどの溶媒中で、シアル酸誘導体(IV−2)を、アセチル化試薬と、必要に応じ触媒の存在下に反応させる。アセチル化試薬としては、無水酢酸、塩化アセチルなどが挙げられる。触媒としては、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)などが挙げられる。反応は、アセチル化試薬は、水酸基の数に対して、好ましくは1.2〜3当量程度の量を用い、0〜30℃、通常室温またはその付近の温度条件下、約5〜100時間程度撹拌することにより実施できる。このようにして水酸基がアセチル化されたシアル酸誘導体(IV−3)を得ることができる。
さらに、該シアル酸誘導体(IV−3)を、たとえば、ハロゲン化試薬と触媒の存在下に反応させて、Lがハロゲン化したシアル酸誘導体(IV−4)を得ることができる。
ハロゲン化試薬としてはアセチルクロライドなどのハロゲン化アセチルなどが挙げられる。触媒としては、塩酸ガス、硫酸などが挙げられる。反応は、たとえばシアル酸誘導体(IV−3)を過剰当量のハロゲン化試薬に溶解し、−10℃〜室温の温度条件下、塩酸ガスなどの触媒を加え、約5〜100時間程度撹拌することにより実施できる。
このようにして、カップリングに用いることができる、前記式(IV)のR10, R11, R12, R13がアセチル基、R9がメチル基、Lがハロゲン原子、Xがアセトアミノ基、グリコリルアミノ基またはアセチルオキシ基のシアル酸誘導体(IV−4)を得ることができる。
本発明のビフラボノイドのシアル酸配糖体の製造には下記式(V)
Figure 2004076471
で表されるビフラボノイド誘導体(以下「ビフラボノイド誘導体(V)」ということがある。)を用いることができる。
前記式ビフラボノイド誘導体(V)中、R1, R2, R3, R4, R6, R7およびR8は、それぞれ独立して水素原子、メチル基、水酸基、アセチルオキシ基、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n-プロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、ベンジルオキシ基またはアリルオキシ基を示す。
R20, R21は、それぞれ独立して水素原子、メチル基、アセチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-オクチル基、ベンジル基、アリル基またはグリコシル基を示し、R20, R21の少なくとも1つは水素原子である。
A、Bは、それぞれ独立して酸素原子または硫黄原子を示す。
このようなビフラボノイド誘導体(V)は、市販品あるいは天然から分離精製することができる。
また、市販品あるいは天然から単離したビフラボノイド誘導体(V)の官能基を、常法により変換すれば、所望の官能基を有するビフラボノイド誘導体とすることもできる。
天然物または市販品として入手可能なビフラボノイド誘導体としては、たとえば、下記の化合物が挙げられる。
R1=水酸基、R2=メチルオキシ基、R3=メチルオキシ基、R4=水酸基、R6=水素原子、R7=水素原子、R8=水素原子、R20=水素原子、R21=メチル基、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体(19)。
R1=水酸基、R2=メチルオキシ基、R3=メチルオキシ基、R4=水酸基、R6=水素原子、R7=水素原子、R8=水素原子、R20=水素原子、R21=水素原子、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体(20)。
R1=水酸基、R2=メチルオキシ基、R3=メチルオキシ基、R4=水酸基、R6=水素原子、R7=水素原子、R8=水素原子、R20=メチル基、R21=水素原子、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体(21)。
R1=水酸基、R2=水酸基、R3=メチルオキシ基、R4=水酸基、R6=水素原子、R7=水素原子、R8=水素原子、R20=メチル基、R21=水素原子、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体(22)。
R1 =水酸基、R2 =水酸基、R3 =水酸基、R4 =水酸基、R6 =水素原子、R7 =水素原子、R8 =水素原子、R20 =水素原子、R21 =水素原子、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体。
R1 =水酸基、R2 =メチルオキシ基、R3 =水酸基、R4 =水酸基、R6 =水素原子、R7 =水素原子、R8 =水素原子、R20 =水素原子、R21 =水素原子、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体。
R1 =水酸基、R2 =水酸基、R3 =メチルオキシ基、R4 =水酸基、R6 =水素原子、R7 =水素原子、R8 =水素原子、R20 =水素原子、R21 =水素原子、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体。
R1 =水酸基、R2 =水酸基、R3 =水酸基、R4 =水酸基、R6 =水素原子、R7 =水素原子、R8 =水素原子、R20 =メチル基、R21 =水素原子、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体。
R1 =水酸基、R2 =メチルオキシ基、R3 =水酸基、R4 =水酸基、R6 =水素原子、R7 =水素原子、R8 =水素原子、R20 =メチル基、R21 =水素原子、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体。
R1 =水酸基、R2 =水酸基、R3 =水酸基、R4 =水酸基、R6 =水素原子、R7 =水素原子、R8 =水素原子、R20 =水素原子、R21 =メチル基、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体。
R1 =水酸基、R2 =メチルオキシ基、R3 =水酸基、R4 =水酸基、R6 =水素原子、R7 =水素原子、R8 =水素原子、R20 =水素原子、R21 =メチル基、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体。
R1 =水酸基、R2 =水酸基、R3 =メチルオキシ基、R4 =水酸基、R6 =水素原子、R7 =水素原子、R8 =水素原子、R20 =水素原子、R21 =メチル基、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体。
R1 =水酸基、R2 =水酸基、R3 =水酸基、R4 =水酸基、R6 =水素原子、R7 =水酸基、R8 =水素原子、R20 =水素原子、R21 =水素原子、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体。
R1 =水酸基、R2 =水酸基、R3 =メチルオキシ基、R4 =水酸基、R6 =水素原子、R7 =メチルオキシ基、R8 =水素原子、R20 =水素原子、R21 =水素原子、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体。
R1 =水酸基、R2 =水酸基、R3 =水酸基、R4 =水酸基、R6 =水素原子、R7 =水素原子、R8 =水酸基、R20 =水素原子、R21 =水素原子、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体。
R1 =水酸基、R2 =水酸基、R3 =水酸基、R4 =水酸基、R6 =水素原子、R7 =水酸基、R8 =水酸基、R20 =水素原子、R21 =水素原子、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体。
R1 =水酸基、R2 =メチルオキシ基、R3 =水酸基、R4 =水酸基、R6 =メチル基、R7 =水素原子、R8 =水酸基、R20 =水素原子、R21 =水素原子、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体。
R1 =水酸基、R2 =グルコシルオキシ基、R3 =水酸基、R4 =水酸基、R6 =水素原子、R7 =水素原子、R8 =水素原子、R20 =グルコシル基、R21 =水素原子、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体。
R1 =水酸基、R2 =水酸基、R3 =グルコシルオキシ基、R4 =水酸基、R6 =水素原子、R7 =水素原子、R8 =水素原子、R20 =グルコシル基、R21 =水素原子、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体。
R1 =水酸基、R2 =グルコシルオキシ基、R3 =グルコシルオキシ基、R4 =水酸基、R6 =水素原子、R7 =水素原子、R8 =水素原子、R20 =グルコシル基、R21 =水素原子、A=B=酸素原子であるビフラボノイド誘導体。
このようなビフラボノイド誘導体(V)と、前記シアル酸誘導体(IV−4)との反応を例にとって、ビフラボノイドのシアル酸配糖体の製造方法を説明する。
前記シアル酸誘導体(IV−4)と前記ビフラボノイド誘導体(V)との反応は、たとえば、溶媒中、塩基の存在下に、前記シアル酸誘導体(IV−4)と前記ビフラボノイド誘導体(V)とを接触させて得ることができる。
塩基としては、たとえば、水素化アルカリ金属などが挙げられ、水素化アルカリ金属としては、NaH、KHなどが挙げられる。
溶媒としては、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)などのアミド系溶媒、HMPAなどを用いることができる。
塩基の量は、ビフラボノイド誘導体に結合させるシアル酸誘導体の個数によるが、たとえば、シアル酸誘導体を1つ結合させる場合には、塩基は、ビフラボノイド誘導体に対して1.2〜1.8当量の範囲にあることが好ましい。シアル酸誘導体を2つ結合させる場合には、塩基は、ビフラボノイド誘導体に対して2.2〜3.5当量の範囲にあることが好ましい。
シアル酸誘導体の使用量は、シアル酸誘導体を1つ結合させる場合には、ビフラボノイド誘導体に対して1.2〜1.8当量の範囲にあることが好ましい。シアル酸誘導体を2つ結合させる場合には、ビフラボノイド誘導体に対して2.2〜3.5当量の範囲にあることが好ましい。
反応は、0〜30℃、通常室温またはその付近の温度条件下、約5〜100時間程度撹拌することにより実施できる。
なお、前記式(I)〜(III)で表されるビフラボノイドのシアル酸配糖体において、A、Bが硫黄原子である化合物は、たとえば、前記式(IV)のLが硫黄原子を含有する基であるシアル酸誘導体(IV−5)と、後述する式(V)のR21A−、R20B−の少なくとも1つがハロゲン原子である化合物とを反応させて得ることができる。
Lが硫黄原子を含有する基であるシアル酸誘導体(IV−5)は、たとえば、前記シアル酸誘導体(IV−4)にAcSK(カリウムチオアセテート)を接触させて得ることができる。
ビフラボノイド誘導体(V)中、R21A−、R20B−の少なくとも1つがハロゲン原子である化合物は、前記ビフラボノイド誘導体(V)において、R21A−、R20B−の少なくとも1つが水酸基である化合物を、溶媒中、トリフェニルホスフィンなどの存在下に、NBSなどのハロゲン化剤を反応させて得ることができる。
さらに、このようにして得られるビフラボノイドのハロゲン化体と前記シアル酸誘導体(IV−5)とをDMF等の溶媒中、アミン等の存在下に反応させることにより、前記式(I)〜(III)で表されるビフラボノイドのシアル酸配糖体のA、Bが硫黄原子であるビフラボノイドのシアル酸配糖体を製造することができる。
このようにして得られる本発明に係るビフラボノイドのシアル酸配糖体は、シアル酸由来成分の水酸基部分およびカルボキシル基が保護されたシアリルビフラボノイド保護体である。
このようなシアリルビフラボノイド保護体は、さらに、常法により加水分解することにより、アセチル基を脱保護するとともに、カルボン酸エステル基をカルボキシル基に変換することができる。
このようなシアル酸由来成分の官能基がそれぞれ水酸基あるいはカルボキシル基に変換されたビフラボノイドのシアル酸配糖体(たとえば、R9, R14が水素原子、R10, R11, R12, R13, R15, R16, R17およびR18が、水素原子の場合。)またはその塩は、インフルエンザウイルスシアリダーゼ阻害活性、抗インフルエンザウイルス活性により優れる。
前記水酸基等の官能基を有する天然物等として入手したビフラボノイド誘導体は、該水酸基部分等を官能基変換することにより、種々の誘導体に導いて、シアル酸誘導体とのカップリングに用いることができる。
たとえば、カップリングの原料とした前記ビフラボノイド誘導体(V)について、水酸基部分を常法によりアルキルエーテル化することができる。アルキルエーテル化は、たとえば、水酸基を有する該ビフラボノイド誘導体を塩基の存在下にハロゲン化アルキル化合物などのアルキル化試薬と反応させることにより実施できる。ハロゲン化アルキル化合物に含まれるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−オクチル基、ベンジル基、アリル基などが含まれる。該アルキルエーテル化したビフラボノイド誘導体とシアル酸誘導体とのカップリング反応に対しても、上記カップリング方法と同様の手法が適用可能である。
さらに、カップリングの原料とした前記ビフラボノイド誘導体(V)について、たとえば、水酸基部分を常法によりアルキル基に変換することもできる。アルキル基としては、たとえば、メチル基などが挙げられる。
アルキル化の方法としては、具体的には、たとえば、ジアゾメタンなどを用いた方法を採用することができる。このようにして、たとえば、前記水酸基部分がアルキル基に変換されたビフラボノイド誘導体を得ることができる。たとえば、R1、R2、R3、R4、R6、R7、R8の少なくとも1つをメチル基等のアルキル基とすることができる。該アルキル化したビフラボノイド誘導体とシアル酸誘導体とのカップリング反応に対しても、上記カップリング方法と同様の手法が適用可能である。
本発明に係るビフラボノイドのシアル酸配糖体、特に一般式(I)〜(III)で表される化合物またはその塩は、後記する実施例からも明らかなように、優れたインフルエンザウイルスのシアリダーゼ活性および抗インフルエンザウイルス作用を有するので、この作用を利用した抗インフルエンザウイルス剤等の医薬品として用いることができる。さらに、該化合物を飲食品、特定保健用飲食品、健康飲料、健康食品、栄養食品その他各種タイプの飲食品としても用いることができる。
医薬品として使用する場合、本発明の化合物は、そのまま、或いは慣用の製剤担体と共に、人及び動物に対し、経口、非経口いずれの方法によっても投与することができる。また、本発明の化合物は、各種の剤型、例えば散剤、顆粒剤、錠剤、糖衣錠、カプセル剤、アンプル剤等の経口投与剤、皮下、筋肉若しくは静脈注射剤、点鼻剤、吸入剤、座剤等とすることができる。これらの製剤は、化合物単独または賦形剤、増量剤、結合剤、湿潤化剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、矯味剤、香料、被覆剤等と適宜組み合わせて処方することにより製造することができる。このようにして得られた本発明の抗インフルエンザウイルス剤は、患者の年令、体重、症状、投与経路によって異なるが、一般的に成人において、化合物として、0.6〜300 mg/日、好ましくは5〜200 mg/日であり、これを通常1日3〜4回に分けて投与するのが好適である。
飲食品として使用する場合には、本有効成分である化合物をそのまま使用したり、他の食品ないし食品成分と併用したりして適宜常法に従って使用できる。本有効成分を用いる本発明に係る飲食品は、固体状(粉末、顆粒状その他)、ペースト状、液状ないし懸濁状のいずれでもよいが、甘味料、酸味料、ビタミン剤その他ドリンク剤製造に常用される各種成分を用いて健康ドリンクに製造化することも可能である。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。なお、本明細書中、室温とは、好ましくは20〜30℃の範囲、より好ましくは25℃前後の温度範囲を示す。また、一昼夜とは、24時間程度の時間を示す。
[実施例1]ビフラボノイド成分の分離,精製
イヌガヤ(Cephalotaxus drupacea Sieb. et Zucc.)(イヌガヤ科)葉の室内放置乾燥品1037.04 gをn-ヘキサン(n-hexane),CHCl3,MeOHの順にそれぞれ室温,一昼夜,2回ずつ抽出し,そのCHCl3エキスについて図1に従い分離を行った。その結果 TN-1,TN-2 と仮称した 2 つの化合物を 983 mg,1.62 g 単離し,それぞれ アメントフラボン7, 4’,7"-トリ-O-メチルエーテル(amentoflavone 7,4',7"-tri-O-methyl ether)(19),ギンゲチン(ginkgetin)(20)と同定した。Ginkgetin (20)は,イチョウ(Ginkgo biloba L.)(イチョウ科), Cephalotaxus koreana, Cephalotaxus griffithii, Cephalotaxus harringtonia C.koch(以上,イヌガヤ科),Taxus caspidata Sieb.et Zucc., Taxus caspidata Sieb.et Zucc. var. nana Rehder, Taxus baccata,カヤ(Torreya nucifera Sieb. et Zucc.)(以上,イチイ科),Lonicera japonica(スイカズラ科),Podocarpus macrophylla(マキ科),Selaginella moellendorffii(イワヒバ科)の他Callitris canescens, Zamia angustifoliaからも調製できる。
融点(mp)は、柳本MP微量融点測定装置を用いて測定し、補正は行わなかった。紫外吸収(UV)スペクトルは島津UV-240装置を、赤外吸収(IR)スペクトルは日本分光A-102装置を、質量分析(MS)は日本電子JMS-DX302装置を用いて測定した。核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、日本電子GSX-400装置及び日本電子JNM-LA500装置を用い、TMS (テトラメチルシラン(tetramethyl silane))を内部標準として用いて測定した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーは、Merck Kieselgel 60 (70-230 mesh)を用いて行った。
TN-1: アメントフラボン7, 4’,7"-トリ-O-メチルエーテル(Amentoflavone 7,4',7"-tri-O-methyl ether) (19)
Pale yellow powder (983 mg); mp > 300℃, UV λmax (EtOH) (logε): 207 (4.61), 270 (4.51), 330 (4.51); IR νmax (KBr) cm-1: 3200, 2950, 1660, 1605, 1500, 1440, 1205; EIMS m/z (rel. int. %): 580 (M+, 100), 549 (9), 503 (2), 355 (3), 221 (3); HREIMS m/z: 580.1368, calcd for C33H24O10, 580.1369; 1H-NMR (DMSO-d6) δ: 7.02 (1H, s, 3-C), 6.38 (1H, d, J = 2.0 Hz, 6-C), 6.80 (1H, d, J = 2.0 Hz, 8-C), 8.12 (1H, d, J = 2.4 Hz, 2’-H), 7.38 (1H, d, J = 8.7 Hz, 5’-H), 8.24 (1H, dd, J = 2.4, 8.7 Hz, 6’-H), 6.86 (1H, s, 3"-H), 6.68 (1H, s, 6"-H), 7.51 (2H, d, J = 9.1 Hz, 2"’-H, 6"’-H), 6.72 (2H, d, J = 9.1 Hz, 3"’-H, 5"’-H), 12.91 (1H, s, 5-OH), 13.26 (1H, s, 5"-OH), 10.31 (1H, bs, 4"’-OH), 3.83 (3H, s, 7-OCH3), 3.79 (3H, s, 4’-OCH3), 3.84 (3H, s, 7"-OCH3), and 13C-NMR (DMSO-d6) δ: 163.5 (2-C), 103.9 (3-C), 181.9 (4-C), 161.1 (5-C), 98.1 (6-C), 165.2 (7-C), 92.7 (8-C), 157.3 (9-C), 104.7 (10-C), 122.4 (1’-C), 130.8 (2’-C), 121.3 (3’-C), 160.5 (4’-C), 111.8 (5’-C), 128.4 (6’-C), 163.9 (2"-C), 102.5 (3"-C), 182.2 (4"-C), 161.5 (5"-C), 95.5 (6"-C), 165.5 (7"-C), 104.5 (8"-C), 153.4 (9"-C), 104.0 (10"-C), 121.1 (1"’-C), 128.1 (2"’-C, 5"’-C), 115.8 (3"’-C, 5"’-C), 161.2 (4"’-C), 56.0 (7-OCH3), 56.0 (4’-OCH3), 56.5 (7"-OCH3).
TN-2: ギンゲチン(Ginkgetin) (20)
Pale yellow powder (1.62 g); mp 221-225℃; UV λmax (EtOH) (logε): 207 (4.64), 270 (4.54), 330 (4.51); IR νmax (KBr) cm-1: 3300, 2930, 1650, 1600, 1490, 1250; EIMS m/z (rel. int. %): 566 (M+, 100), 535 (8), 429 (2), 283 (5), 269 (11), 255 (2); HREIMS m/z: 566.1211, calcd for C32H22O10, 566.1213; 1H-NMR (DMSO-d6) δ: 6.99 (1H, s, 3-H), 6.35 (1H, d, J = 2.0 Hz, 6-H), 6.78 (1H, d, J = 2.0 Hz, 8-H), 8.09 (1H, d, J = 2.4 Hz, 2’-H), 7.35 (1H, d, J = 8.7 Hz, 5’-H), 8.20 (1H, dd, J = 2.4, 8.7 Hz, 6’-H), 6.79 (1H, s, 3"-H), 6.40 (1H, s, 6"-H), 7.48 (2H, d, J = 9.1 Hz, 2"’-H, 6"’-H), 6.71 (2H, d, J = 9.1 Hz, 3"’-H, 5"’-H), 12.91 (1H, s, 5-OH), 13.22 (1H, s, 5"-OH), 10.83 (1H, bs, 7"-OH), 10.28 (1H, bs, 4"’-OH), 3.83 (3H, s, 7-OCH3), 3.78 (3H, s, 4’-OCH3), 13C-NMR (DMSO-d6) δ: 163.2 (2-C), 103.6 (3-C), 181.9 (4-C), 160.6 (5-C), 98.1 (6-C), 165.2 (7-C), 92.7 (8-C), 157.3 (9-C), 104.7 (10-C), 122.3 (1’-C), 130.9 (2’-C), 121.6 (3’-C), 160.6 (4’-C), 111.7 (5’-C), 128.4 (6’-C), 163.5 (2"-C), 102.5 (3"-C), 182.2 (4"-C), 161.1 (5"-C), 98.6 (6"-C), 161.7 (7"-C), 103.6 (8"-C), 154.3 (9"-C), 103.8 (10"-C), 121.2 (1"’-C), 128.0 (2"’-C, 5"’-C), 115.8 (3"’-C, 5"’-C), 161.1 (4"’-C), 56.0 (7-OCH3), 55.9 (4’-OCH3).
イチョウ(Ginkgo biloba L.)葉の室内放置乾燥品5.0 kgをn-ヘキサン,CHCl3,MeOHの順にそれぞれ室温,一昼夜,2回ずつ抽出し,そのCHCl3エキスについて図2に従い分離を行った。その結果GB-1,GB-2と仮称した2つの化合物を1.85 g,265 mg単離し,それぞれスシアドピティシン(sciadopitysin)(21),イソギンゲチン(isoginkgetin)(22)と同定した。
GB-1: スシアドピティシン(Sciadopitysin) (21)
Pale yellow powder (1.85 g); mp 295-298℃; UV λmax (EtOH) (logε): 205 (4.41), 270 (4.30), 325 (4.28); IR νmax (KBr) cm-1 (rel. int. %): 3350, 1700, 1650, 1550, 1480, 1420, 1210; EIMS m/z: 580 (M+, 100), 551 (9), 290 (11), 167 (4), 135 (6); HREIMS m/z: 580.1373, calcd for C33H24O10, 580.1369; 1H-NMR (DMSO-d6) δ: 6.99 (1H, s, 3-H), 6.36 (1H, d, J = 2.0 Hz, 6-H), 6.78 (1H, d, J = 2.0 Hz, 8-H), 8.09 (1H, d, J = 2.4 Hz, 2’-H), 7.36 (1H, d, J = 8.7 Hz, 5’-H), 8.23 (1H, dd, J = 2.4, 8.7 Hz, 6’-H), 6.90 (1H, s, 3"-H), 6.43 (1H, s, 6"-H), 7.60 (2H, d, J = 8.8 Hz, 2"’-H, 6"’-H), 6.93 (2H, d, J = 8.8 Hz, 3"’-H, 5"’-H), 12.97 (1H, s, 5-OH), 13.07 (1H, s, 5"-OH), 10.88 (1H, bs, 7"-OH), 3.82 (3H, s, 7-OCH3), 3.81 (3H, s, 4’-OCH3), 3.76 (3H, s, 4"’-OCH3), 13C-NMR (DMSO-d6) δ: 163.5 (2-C), 103.7 (3-C), 181.9 (4-C), 161.0 (5-C), 98.0 (6-C), 165.1 (7-C), 92.6 (8-C), 157.2 (9-C), 104.7 (10-C), 122.3 (1’-C), 130.8 (2’-C), 121.5 (3’-C), 160.5 (4’-C), 111.6 (5’-C), 128.2 (6’-C), 163.0 (2"-C), 103.1 (3"-C), 182.0 (4"-C), 160.6 (5"-C), 98.5 (6"-C), 161.7 (7"-C), 103.5 (8"-C), 154.2 (9"-C), 103.5 (10"-C), 122.7 (1"’-C), 127.7 (2"’-C, 6"’-C), 114.4 (3"’-C, 5"’-C), 162.1 (4"’-C), 55.8 (7-OCH3), 55.9 (4’-OCH3), 55.4 (4"’-OCH3).
GB-2: イソギンゲチン(Isoginkgetin) (22)
Pale yellow powder (265 mg); mp 219-222℃; UV λmax (EtOH): 205 (5.00), 270 (4.89), 330 (4.81); IR νmax (KBr) cm-1: 3400, 1650, 1600, 1500, 1240; EIMS m/z (rel. int. %): 566 (M+, 100), 551 (5), 537 (10), 283 (10), 153 (3), 135 (8); HREIMS m/z: 566.1211, calcd for C32H22O10, 566.1213; 1H-NMR (DMSO-d6) δ: 6.92 (1H, s, 3-H), 6.21 (1H, d, J = 2.0 Hz, 6-H), 6.49 (1H, d, J = 2.0 Hz, 8-H), 8.07 (1H, d, J = 2.4 Hz, 2’-H), 7.36 (1H, d, J = 9.1 Hz, 5’-H), 8.19 (1H, dd, J = 2.4, 9.1 Hz, 6’-H), 6.90 (1H, s, 3"-H), 6.43 (1H, s, 6"-H), 7.61 (2H, d, J = 9.1 Hz, 2"’-H, 6"’-H), 6.94 (2H, d, J = 9.1 Hz, 3"’-H, 5"’-H), 12.94* (1H, s, 5-OH), 13.08* (1H, s, 5"-OH), 10.84 (1H, bs, 7-OH), 10.84 (1H, bs, 7"-OH), 3.80 (3H, s, 4’-OCH3), 3.76 (3H, s, 4"’-OCH3), 13C-NMR (DMSO-d6) δ: 163.2 (2-C), 103.6 (3-C), 181.7 (4-C), 161.7 (5-C), 98.8 (6-C), 163.0 (7-C), 94.0 (8-C), 157.3 (9-C), 103.7* (10-C), 122.5 (1’-C), 130.8 (2’-C), 121.5 (3’-C), 160.5 (4’-C), 111.6 (5’-C), 128.1 (6’-C), 164.1 (2"-C), 103.1 (3"-C), 182.0 (4"-C), 160.3 (5"-C), 98.5 (6"-C), 161.4 (7"-C), 103.6* (8"-C), 154.3 (9"-C), 103.6 (10"-C), 122.7 (1"’-C), 127.7 (2"’-C, 6"’-C), 114.4 (3"’-C, 5"’-C), 162.1 (4"’-C), 55.8 (4’-OCH3), 55.4 (4"’-OCH3). *: may be interchanged.

[実施例2]シアリルビフラボノイドの合成
1. 糖供与体 (2β-chloride) (25) の合成(図3)
シアル酸 (N-acetylneuraminic acid) (1) (5.0 g, 16 mmol, 北里大学薬学部より供与)にMeOH (乾燥) 200 mlを加え,1 h撹拌し,ここにモレキュラーシーブ(30.0 g),Dowex 50W-X2 (Dow Chemical Co., 100-200 mesh)を加え,空気ガス雰囲気下室温で24時間撹拌した。反応終了後,遠心分離およびろ過によりモレキュラーシーブ,Dowex 50W-X2を除き,溶媒を減圧濃縮し1−メチル-N-アセチルアセチルノイラミン酸(1-methyl-N-acetylneuraminic acid) (23) (4.80 g, 92%)を得た。(以下「化合物(23)」との表記を、単に「23」と示すことがある。以下、他の化合物についても同様である。)
得られた23 (4.80 g) をピリジン(乾燥) 150 mlに溶かし,無水酢酸120 ml (1.27 mol)と触媒として4-ジメチルアミノピリジン(4-dimethylaminopyridine) (DMAP) (18-36 mg, 0.149-0.298 mmol)を加え,空気ガス雰囲気下室温で24時間撹拌した。反応後,ピリジン臭,酢酸臭を完全に除く目的で反応液をトルエンと共に減圧濃縮した。反応生成物はカラムクロマトグラフィー(CHCl3 - イソプロパノール系) にて分離,精製し,1-メチル-2,4,7,8,9-ペンタ-O-アセチル-N-アセチルノイラミン酸(1-methyl-2,4,7,8,9-penta-O-acetyl-N-acetylneuraminic acid)(24) (6.59 g, 83.2%) を得た。得られた24 (6.59 g) を アセチルクロライド(Acetyl chloride) 150 mlに溶かし,氷冷下,溶液中にHCl ガスを10 分バブルし,室温で24時間撹拌した。反応後,CHCl3で共沸し,2-クロロ-1-メチル-4,7,8,9-テトラ-O-アセチル-N-アセチルノイラミン酸(2-chloro-1-methyl-4,7,8,9-tetra-O-acetyl-N-acetylneuraminic acid) (25) (6.20 g, 98.4%) を得た。
1-メチル-N-アセチルノイラミン酸(1-Methyl-N-acetylneuraminic acid) (23);
IR νmax (KBr) cm-1: 3350, 2940, 1740, 1640, 1550, 1430, 1370, 1010; positive FABMS m/z (rel. int. %): 324 ([M+H]+, 11), 309 (16); 1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.72 (1H, d, J = 12.1 Hz), 1.89 (3H, s), 2.03 (1H, dd, J = 12.6, 4.7 Hz), 3.70 (3H, s), 3.3-6.5 (13H, m), 8.18 (1H, d, J = 8.0 Hz), 13C-NMR (DMSO-d6) δ: 22.4, 48.5, 52.2, 53.0, 63.5, 65.3, 69.0, 69.5, 70.4, 94.8, 170.1, 171.9.
1-メチル-2,4,7,8,9-ペンタ-O-アセチル-N-アセチルノイラミン酸(1-Methyl-2,4,7,8,9-penta-O-acetyl-N-acetylneuraminic acid) (24);
IR νmax (KBr) cm-1: 3300, 2900, 1750, 1670, 1550, 1450, 1380, 1230, 1050; positive FABMS m/z (rel. int. %): 534 ([M+H]+, 3), 474 (9), 414 (34); 1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.70 (s, α-NHCOCH 3), 1.70 (s, β-NHCOCH 3), 1.94-2.10 (s, α-OCOCH 3), 1.94-2.13 (s, β-OCOCH 3), 1.90 (m), 2.42 (dd, J = 5.0, 13.5 Hz, β-H-3eq), 2.66 (dd, J = 5.0, 12.9 Hz, α-H-3eq), 3.68 (s, β-COOCH 3), 3.70 (s, α-COOCH 3), 3.97 (m), 4.11 (d, J = 10.5 Hz), 4.26 (m), 4.95 (m), 5.05 (m), 5.20 (m), 7.81 (d, J = 9.3 Hz, β-NH), 7.87 (d, J = 9.3 Hz, α-NH), 13C-NMR (DMSO-d6) δ: α 20.4-20.6, 22.5, 35.9, 47.5, 52.7, 61.5, 66.8, 68.6, 68.6, 72.5, 96.3, 167.5, 168.3, 169.1, 169.6, 169.9, β 20.4-20.6, 22.5, 35.6, 47.4, 52.8, 61.3, 66.8, 68.5, 69.1, 71.5, 96.7, 166.0, 168.0, 168.9, 169.0, 169.2, 169.7, 169.9.
2-クロロ-1-メチル-4,7,8,9-テトラ-O-アセチル-N-アセチルノイラミン酸(2-Chloro-1-methyl-4,7,8,9-tetra-O-acetyl-N-acetylneuraminic acid) (25);
IR νmax (KBr) cm-1 : 3300, 2860, 1750, 1660, 1540, 1440, 1370, 1220, 1035; positive FABMS m/z (rel. int. %): 510 ([M+H]+, 11.7), 492 (21), 474 (8), 450 (7), 432 (12), 414 (55), 372 (9), 252 (7), 196 (7); 1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.72 (3H, s), 1.96 (3H, s), 1.99 (3H, s), 2.01 (6H, s), 2.32 (1H, dd, J = 11.1, 13.9 Hz), 2.69 (1H, dd, J = 4.4, 13.9 Hz), 3.79 (3H, s), 4.01 (2H, m), 4.24 (1H, bd, J = 12.3 Hz), 4.39 (1H, bd, J = 10.7 Hz), 5.06 (m), 5.17 (m), 5.32 (1H, d, J = 11.9 Hz), 7.95 (1H, d, J = 9.5 Hz).
2. シアリルビフラボノイドアセチル保護体の合成(図4)
アメントフラボン7,4',7"-トリ-O-メチルエーテル(Amentoflavone 7,4',7"-tri-O-methyl ether) (19) (500 mg, 0.86 mmol), ギンクゲチン(ginkgetin) (20) (1.0 g, 1.77 mmol), sciadopitysin (21) (1.0 g, 1.72 mmol)をそれぞれジメチルホルムアミド(dimethylformamide) (DMF) 30 mlに溶かし,水素化ナトリウム(sodium hydride) (NaH) (それぞれ、36.0 mg, 1.50 mmol, 90.0 mg, 3.75 mmol, 40 mg, 1.67 mmol)を加え,2時間反応後,それぞれに対して、25 (それぞれ、600 mg, 1.18 mmol, 2.0 g, 3.92 mmol, 1.0 g, 1.96 mmol)をさらに加え,空気ガス雰囲気下室温で24時間反応させた。反応終了後,反応液にCHCl3を加え,飽和NaCl水溶液および飽和NaHCO3 水溶液で洗浄し,無水Na2SO4で脱水した有機層を減圧濃縮した後,Sephadex LH-20 (Amersham Biosciences),HPLC (SENSHU PAK PEGASIL Silica 60-5, 10φx250 mm)にて分離し,19から29a (198.7 mg, 21.9%),29b (248.5 mg, 27.4%),20から30a (97.9 mg, 5.3%),30b (73.4 mg, 4.0%) と31a (216.5 mg, 8.1 %),31b (323.5 mg, 12.1%),21から32a (234.9 mg, 12.9%),32b (367.9 mg, 20.2%) を得た。
LSPD (long range selective proton decoupling)法を用いた13C-NMRによる非経験的な決定法(H. Hori, T. Nakajima, Y. Nishida, H. Ohrui, H. Meguro, Tetrahedron Lett., 29, 6317-6320, 1988)を適用し,検討したところ,これらのシアリルビフラボノイドアセチル保護体のシアル酸の立体化学は全てα-アノマーであることが明らかとなった。
29aと29b,30aと30b,31aと31b,32aと32bがそれぞれビフラボノイド部分におけるアトロープ異性体であることをそれぞれのCDスペクトルについて検討することにより明らかにした。なお、CD(円偏向二色性)は、下記の機種、条件下で測定した。
機種:日本分光J-720型円二色性分散計(Spectropolarimeter)
条件:Cell length 0.5 cm
Concentration 0.02%
Solvent EtOH
Temperature 20℃
Range 450 nm - 200 nm
Band width 1.0 nm
Resolution 1 nm
Accumulation 1
Sensitivity 200 mdeg
Response 1 sec
Speed 50 nm/min
29aのCDスペクトルについてみると,p-メトキシシンナモイル(p-methoxycinnamoyl)部分に由来する331 nmに正の第1 Cotton,305 nmに負の第2 Cottonを与えたことから正の励起子カイラリティーを示しており,2 つの遷移モーメントは時計回りに位置していることが明らかになった(図5)。したがって,ビフラボノイド部分のフラボン間結合の立体化学についてはRであると決定した。また,p-メトキシベンゾイル(p-methoxybenzoyl)部分に由来する265 nm付近においても285 nmに正の第1 Cotton,270 nmに負の第2 Cottonを示したことからも立体化学がRであることを支持しているといえる。
一方,29bのCDスペクトルについてみると,p-メトキシシンナモイル(p-methoxycinnamoyl)部分に由来する332 nmに負の第1 Cotton,305 nmに正の第2 Cottonを与えたことから負の励起子カイラリティーを示しており,2つの遷移モーメントは逆時計回りに位置している(図5)。したがって,ビフラボノイド部分のフラボン間結合の立体化学についてはSであると決定した。また,p-メトキシベンゾイル(p-methoxybenzoyl)部分に由来する270 nm付近においても284 nmに負の第1 Cotton,270 nmに正の第2 Cottonを示したことからも立体構造がSであることを支持する結果が得られた。
30aのCDスペクトルについてみると,p-メトキシシンナモイル部分に由来する338 nmに負の第1 Cotton,309 nmに正の第2 Cottonを与えたことから負の励起子カイラリティーを示しており,2つの遷移モーメントは逆時計回りに位置していることが明らかとなった(図6)。従って,ビフラボノイド部分のフラボン間結合の立体化学についてはRであると決定した。
一方,30bのCDスペクトルについてみると,p-メトキシシンナモイル部分に由来する341 nmに正の第1 Cotton,310 nmに負の第2 Cottonを与えたことから正の励起子カイラリティーを示しており,2 つの遷移モーメントは時計回りに位置していることが明らかとなった(図6)。従って,ビフラボノイド部分のフラボン間結合の立体化学についてはSであると決定した。また,p-メトキシベンゾイル部分に由来する270 nm付近にも286 nmに正の第1 Cotton,272 nmに負の第2 Cottonを示したことからも立体構造がSであることを支持する結果が得られた。
31a のCDスペクトルについてみると,p-メトキシシンナモイル部分に由来する332 nmに正の第1 Cotton,305 nmに負の第2 Cottonを与えたことから正の励起子カイラリティーを示しており,2 つの遷移モーメントは時計回りに位置していることが明らかとなった(図7)。したがって,ビフラボノイド部分のフラボン間結合の立体化学についてはSであると決定した。
一方,31bのCDスペクトルについてみると,p-メトキシシンナモイル部分に由来する330 nmに負の第1 Cotton,304 nmに正の第2 Cottonを与えたことから負の励起子カイラリティーを示しており,2 つの遷移モーメントは逆時計回りに位置していることが明らかとなった(図7)。従って,ビフラボノイド部分フラボン間結合の立体化学についてはRであると決定した。
32aのCDスペクトルについてみると,p-メトキシシンナモイル部分に由来する337 nmに負の第1 Cotton,307 nmに正の第2 Cottonを与えたことから負の励起子カイラリティーを示しており,2 つの遷移モーメントは逆時計回りに位置していることが明らかとなった(図8)。したがって,ビフラボノイド部分のフラボン間結合についての立体化学はRであると決定した。また,p-メトキシベンゾイル部分に由来する270 nm付近においても,286 nmに負の第1 Cotton,270 nmに正の第2 Cottonを示したことからも立体構造がRであるということを支持しているといえる.
一方,32bのCDスペクトルについてみると,p-メトキシシンナモイル部分に由来する336 nmに正の第1 Cotton,308 nmに負の第2 Cottonを与えたことから正の励起子カイラリティーを示しており,2 つの遷移モーメントは時計回りに位置していることが明らかとなった(図8)。したがって,ビフラボノイド部分のフラボン間結合についての立体化学はSであると決定した。また,p-メトキシベンゾイル部分に由来する270 nm付近においても,280 nmに正の第1 Cotton,270 nmに負の第2 Cottonを示したことからも立体構造がSであるということを支持している。
以上のことから,29aと29b,30aと30b,31aと31b,32aと32bがそれぞれビフラボノイド部分におけるアトロープ異性体であることが明らかとなった。
(R)-7,4’,7"-トリ-O-メチル-4"’-O-(1""-メチル-4"",7"",8"",9""-テトラ-O-アセチル-N-アセチルノイラミニル)アメントフラボン((R)-7,4’,7"-tri-O-methyl-4’’’-O-(1""-methyl-4"",7"",8"",9""-tetra-O-acetyl-N-acetylneuraminyl)amentoflavone) (29a)
Pale yellow powder; mp 162-167℃; UV λmax (EtOH) (logε): 210 (4.73), 270 (4.66), 320 (4.53); IR νmax (KBr) cm-1: 3450, 3050, 1760, 1680, 1620, 1510, 1440, 1380, 1230, 1040, 850; positive FABMS m/z (rel. int. %): 1054 ([M+H]+, 14), 565 (10), 535 (4), 474 (6), 372 (4), 252 (8); 1H-NMR (DMSO-d6) δ: biflavonoid moiety; 6.98 (1H, s, 3-H), 6.33 (1H, d, J = 2.1 Hz, 6-H), 6.73 (1H, d, J = 2.1 Hz, 8-H), 8.09 (1H, d, J = 2.4 Hz, 2’-H), 7.37 (1H, d, J = 8.9 Hz, 5’-H), 8.21 (1H, dd, J = 8.9, 2.4 Hz, 6’-H), 6.97 (1H, s, 3"-H), 6.67 (1H, s, 6"-H), 7.61 (2H, d, J = 8.9 Hz, 2"’-H, 6"’-H), 7.04 (2H, d, J = 8.9 Hz, 3"’-H, 5"’-H), 12.90 (1H, s, 5-OH), 13.16 (1H, s, 5"-OH), 3.79 (3H, s, 7-OCH3), 3.82 (3H, s, 4’-OCH3), 3.71 (3H, s, 7"-OCH3), sialic acid moiety; 2.07 (1H, m, 3""-H), 2.64 (1H, dd, J = 12.8, 4.6 Hz, 3""-H), 4.77 (1H, dt, J = 11.0, 4.6 Hz, 4""-H), 3.94 (1H, m, 5""-H), 4.43 (1H, d, J = 11.0 Hz, 6""-H), 5.19 (1H, m, 7""-H), 5.19 (1H, m, 8""-H), 4.03 (1H, dd, J =11.0, 4.0 Hz, 9""-H), 4.15 (1H, dd, J = 11.0, 2.4 Hz, 9""-H), 7.80 (1H, d, J = 9.8 Hz, NH), 3.55 (3H, s, COOCH3), 1.93 (3H, OCOCH3), 1.98 (3H, OCOCH3), 1.99 (3H, OCOCH3), 2.06 (3H, OCOCH3), 1.72 (3H, s, NHCOCH 3 ), 13C-NMR (DMSO-d6) δ: biflavonoid moiety; 163.5 (2-C), 104.2*2 (3-C), 181.9 (4-C), 161.1 (5-C), 97.9 (6-C), 165.1 (7-C), 92.6 (8-C), 157.2 (9-C), 104.7*1 (10-C), 122.4 (1’-C), 130.6 (2’-C), 121.0 (3’-C), 160.3 (4’-C), 112.0 (5’-C), 128.3 (6’-C), 162.9 (2"-C), 104.1*2 (3"-C), 182.2 (4"-C), 161.5 (5"-C), 95.6 (6"-C), 162.6 (7"-C), 104.7*1 (8"-C), 153.5 (9"-C), 103.7 (10"-C), 125.5 (1"’-C), 127.7 (2"’-C, 6"’-C), 118.8 (3"’-C, 5"’-C), 156.4 (4"’-C), 56.4 (7-OCH3), 55.9*3 (4’-OCH3), 55.8*3 (7"-OCH3), sialic acid; 167.7 (1""-C), 99.3 (2""-C), 38.0 (3""-C), 68.2 (4""-C), 47.6 (5""-C), 72.8 (6""-C), 66.7 (7""-C), 67.5 (8""-C), 61.6 (9""-C), 53.0 (COOCH3), 20.45 (2C, OCOCH3), 20.47 (OCOCH3), 20.6 (OCOCH3), 22.5 (NHCOCH3), 169.1 (OCOCH3), 169.2 (OCOCH3), 169.6 (OCOCH3), 170.9 (OCOCH3), 169.1 (NHCOCH3). *1, *2, *3: may be interchanged.
(S)-7,4’,7"-トリ-O-メチル-4"’-O-(1""-メチル-4"",7"",8"",9""-テトラ-O-アセチル-N-アセチルノイラミニル)アメントフラボン((S)-7,4’,7"-tri-O-methyl-4’’’-O-(1""-methyl-4"",7"",8"",9""-tetra-O-acetyl-N-acetylneuraminyl)amentoflavone) (29b)
Pale yellow powder; mp 161-168℃; UV λmax (EtOH) (logε): 213 (4.78), 270 (4.73), 320 (4.61); IR νmax (KBr) cm-1: 3300, 3000, 1760, 1660, 1610, 1510, 1440, 1380, 1350, 1210, 1040, 840; positive FABMS m/z (rel. int. %): 1054 ([M+H]+, 13), 565 (5), 414 (12), 252 (4); 1H-NMR (DMSO-d6) δ: biflavonoid moiety; 6.98 (1H, s, 3-H), 6.33 (1H, d, J = 2.1 Hz, 6-H), 6.73 (1H, d, J = 2.1 Hz, 8-H), 8.09 (1H, d, J = 2.4 Hz, 2’-H), 7.37 (1H, d, J = 8.9 Hz, 5’-H), 8.21 (1H, dd, J = 8.9, 2.4 Hz, 6’-H), 6.97 (1H, s, 3"-H), 6.67 (1H, s, 6"-H), 7.61 (2H, d, J = 8.9 Hz, 2"’-H, 6"’-H), 7.04 (2H, d, J = 8.9 Hz, 3"’-H, 5"’-H), 12.90 (1H, s, 5-OH), 13.16 (1H, s, 5"-OH), 3.79 (3H, s, 7-OCH3), 3.82 (3H, s, 4’-OCH3), 3.71 (3H, s, 7"-OCH3), sialic acid moiety; 2.01 (1H, m, 3""-H), 2.66 (1H, dd, J = 12.8, 4.9 Hz, 3""-H), 4.77 (1H, dt, J = 11.0, 4.9 Hz, 4""-H), 3.92 (1H, m, 5""-H), 4.40 (1H, d, J = 10.7 Hz, 6""-H), 5.17 (1H, d, J = 10.7 Hz, 7""-H), 5.13 (1H, m, 8""-H), 3.99 (1H, m, 9""-H), 3.99 (1H, m, 9""-H), 7.78 (1H, d, J = 9.8 Hz, NH), 3.60 (3H, s, COOCH3), 1.93 (3H, OCOCH3), 1.93 (3H, OCOCH3), 1.95 (3H, OCOCH3), 2.08 (3H, OCOCH3), 1.70 (3H, s, NHCOCH 3 ), 13C-NMR (DMSO-d6) δ: biflavonoid moiety; 163.5 (2-C), 103.7 (3-C), 181.8 (4-C), 161.1 (5-C), 97.9 (6-C), 165.1 (7-C), 92.5 (8-C), 157.2 (9-C), 104.7*1 (10-C), 122.5 (1’-C), 130.6 (2’-C), 121.1 (3’-C), 160.3 (4’-C), 111.8 (5’-C), 128.3 (6’-C), 162.8 (2"-C), 104.2*1 (3"-C), 182.2 (4"-C), 161.4 (5"-C), 95.6 (6"-C), 162.7 (7"-C), 104.6*1 (8"-C), 153.5 (9"-C), 104.1*1 (10"-C), 125.6 (1"’-C), 127.6 (2"’-C, 6"’-C), 119.1 (3"’-C, 5"’-C), 156.4 (4"’-C), 55.8*2 (7-OCH3), 55.8*2 (4’-OCH3), 55.9*2 (7"-OCH3), sialic acid; 167.6 (1""-C), 99.4 (2""-C), 37.8 (3""-C), 68.3 (4""-C), 47.6 (5""-C), 72.8 (6""-C), 66.5 (7""-C), 67.6 (8""-C), 61.2 (9""-C), 53.1 (COOCH3), 20.35 (OCOCH3), 20.37 (OCOCH3), 20.44 (OCOCH3), 20.6 (OCOCH3), 22.5 (NHCOCH3), 169.1 (OCOCH3), 169.2 (OCOCH3), 169.6 (OCOCH3), 169.8 (OCOCH3), 168.9 (NHCOCH3). *1, *2: may be interchanged.
(R)-7,4’-ジ-O-メチル-7"-O-(1""-メチル-4"",7"",8"",9""-テトラ-O-アセチル-N-アセチルノイラミニル)アメントフラボン((R)-7,4’-di-O-methyl-7’’-O-(1""-methyl-4"",7"",8"",9""-tetra-O-acetyl-N-acetylneuraminyl)amentoflavone) (30a)
Pale yellow powder; mp 160-166℃; UV λmax (EtOH) (logε): 205 (4.61), 270 (4.47), 330 (4.46); IR νmax (KBr) cm-1: 3280, 2880, 1760, 1660, 1605, 1510, 1440, 1370, 1260, 1220, 1030, 840; positive FABMS m/z (rel. int. %): 1040 ([M+H]+, 6), 567 (23), 535 (4), 414 (5); 1H-NMR (DMSO-d6) δ: biflavonoid moiety; 7.00 (1H, s, 3-H), 6.38 (1H, d, J = 1.9 Hz, 6-H), 6.76 (1H, d, J = 1.9 Hz, 8-H), 8.16 (1H, d, J = 2.4 Hz, 2’-H), 7.38 (1H, d, J = 8.9 Hz, 5’-H), 8.26 (1H, dd, J = 8.9, 2.4 Hz, 6’-H), 6.93 (1H, s, 3"-H), 6.96 (1H, s, 6"-H), 7.55 (2H, d, J = 8.9 Hz, 2"’-H, 6"’-H), 6.72 (2H, d, J = 8.9 Hz, 3"’-H, 5"’-H), 12.91 (1H, s, 5-OH), 13.15 (1H, s, 5"-OH), 10.33 (1H, bs, 4"’-OH), 3.84 (3H, s, 7-OCH3), 3.80 (3H, s, 4’-OCH3), sialic acid moiety; 1.94 (1H, m, 3""-H), 2.41 (1H, dd, J = 13.1, 4.9 Hz, 3""-H), 4.73 (1H, dt, J = 10.7, 4.9 Hz, 4""-H), 3.92 (1H, m, 5""-H), 4.27 (1H, m, 6""-H), 5.17 (1H, dd, J = 6.7, 1.5 Hz, 7""-H), 5.28 (1H, dt, J = 6.7, 3.1 Hz, 8""-H), 4.11 (1H, dd, J =12.2, 6.7 Hz, 9""-H), 4.27 (1H, m, 9""-H), 7.76 (1H, t, J = 9.8 Hz, NH), 3.63 (3H, s, COOCH3), 1.84 (3H, OCOCH3), 1.99 (3H, OCOCH3), 2.05 (3H, OCOCH3), 2.07 (3H, OCOCH3), 1.70 (3H, s, NHCOCH 3 ), 13C-NMR (DMSO-d6) δ: biflavonoid moiety; 163.6 (2-C), 103.8 (3-C), 181.9 (4-C), 161.2 (5-C), 98.0 (6-C), 165.2 (7-C), 92.7 (8-C), 157.3 (9-C), 104.7 (10-C), 122.1 (1’-C), 130.8 (2’-C), 120.6 (3’-C), 160.4 (4’-C), 111.6 (5’-C), 128.6 (6’-C), 164.4 (2"-C), 102.4 (3"-C), 182.4 (4"-C), 160.4 (5"-C), 102.9 (6"-C), 156.2 (7"-C), 108.5 (8"-C), 153.6 (9"-C), 106.5 (10"-C), 120.9 (1"’-C), 128.2 (2"’-C, 6"’-C), 115.8 (3"’-C, 5"’-C), 161.3 (4"’-C), 56.0 (7-OCH3), 55.8 (4’-OCH3), sialic acid; 166.9 (1""-C), 100.0 (2""-C), 35.9 (3""-C), 68.4 (4""-C), 47.5 (5""-C), 73.0 (6""-C), 67.1 (7""-C), 68.5 (8""-C), 61.8 (9""-C), 53.1 (COOCH3), 20.37 (2C, OCOCH3), 20.44 (OCOCH3), 20.5 (OCOCH3), 22.5 (NHCOCH3), 169.1 (OCOCH3), 169.3 (OCOCH3), 169.4 (OCOCH3), 170.0 (OCOCH3), 169.1 (NHCOCH3).
(S)-7,4’-ジ-O-メチル-7"-O-(1""-メチル-4"",7"",8"",9""-テトラ-O-アセチル-N-アセチルノイラミニル)アメントフラボン((S)-7,4’-di-O-methyl-7’’-O-(1""-methyl-4"",7"",8"",9""-tetra-O-acetyl-N-acetylneuraminyl)amentoflavone) (30b)
Pale yellow powder; mp 176-179℃; UV λmax (EtOH) (logε): 208 (4.71), 268 (4.61), 330 (4.61); IR νmax (KBr) cm-1: 3300, 2880, 1750, 1660, 1610, 1510, 1440, 1370, 1220, 1040, 840; positive FABMS m/z (rel. int. %): 1040 ([M+H]+, 7), 567 (30), 535 (6); 1H-NMR (DMSO-d6) δ: biflavonoid moiety; 6.97 (1H, s, 3-H), 6.36 (1H, d, J = 2.1 Hz, 6-H), 6.70 (1H, d, J = 2.1 Hz, H-8), 8.14 (1H, d, J = 2.4 Hz, 2’-H), 7.38 (1H, d, J = 8.9 Hz, 5’-H), 8.24 (1H, dd, J = 8.9, 2.4 Hz, 6’-H), 6.93 (1H, s, 3"-H), 6.92 (1H, s, 6"-H), 7.54 (2H, d, J = 8.9 Hz, 2"’-H, 6"’-H), 6.73 (2H, d, J = 8.9 Hz, 3"’-H, 5"’-H), 12.88 (1H, s, 5-OH), 13.16 (1H, s, 5"-OH), 10.30 (1H, bs, 4"’-OH), 3.82 (3H, s, 7-OCH3), 3.79 (3H, s, 4’-OCH3), sialic acid moiety; 1.90 (1H, m, 3""-H), 2.39 (1H, dd, J = 13.1, 4.9 Hz, 3""-H), 4.72 (1H, dt, J = 10.7, 4.9 Hz, 4""-H), 3.91 (1H, m, 5""-H), 4.32 (1H, dd, J = 10.7, 1.8 Hz, 6""-H), 5.16 (1H, dd, J = 6.7, 1.8 Hz, 7""-H), 5.28 (1H, dt, J = 6.7, 3.4 Hz, 8""-H), 4.11 (1H, dd, J = 12.2, 6.7 Hz, 9""-H), 4.27 (1H, dd, J = 12.2, 3.4 Hz, 9""-H), 7.77 (1H, t, J = 9.8 Hz, NH), 3.66 (3H, s, COOCH3), 1.98 (6H, OCOCH3), 2.05 (6H, OCOCH3), 1.69 (3H, s, NHCOCH 3 ), 13C-NMR (DMSO-d6) δ: biflavonoid moiety; 163.6 (2-C), 103.8 (3-C), 181.9 (4-C), 161.1 (5-C), 98.1 (6-C), 165.2 (7-C), 92.5 (8-C), 157.3 (9-C), 104.7 (10-C), 122.2 (1’-C), 130.9 (2’-C), 120.5 (3’-C), 160.1 (4’-C), 111.6 (5’-C), 128.7 (6’-C), 164.3 (2"-C), 102.9 (3"-C), 182.4 (4"-C), 160.5 (5"-C), 102.0 (6"-C), 156.3 (7"-C), 108.2 (8"-C), 153.6 (9"-C), 106.4 (10"-C), 120.9 (1"’-C), 128.1 (2"’-C, 6"’-C), 115.9 (3"’-C, 5"’-C), 161.4 (4"’-C), 55.9 (7-OCH3), 55.8 (4’-OCH3), sialic acid moiety; 167.3 (1""-C), 100.1 (2""-C), 35.8 (3""-C), 68.4 (4""-C), 47.5 (5""-C), 73.1 (6""-C), 67.2 (7""-C), 68.6 (8""-C), 61.8 (9""-C), 53.4 (COOCH3), 20.4 (OCOCH3), 20.46 (2C, OCOCH3), 20.52 (OCOCH3), 22.5 (NHCOCH3), 169.2 (OCOCH3), 169.3 (OCOCH3), 169.5 (OCOCH3), 170.0 (OCOCH3), 169.2 (NHCOCH3).
(S)-7,4’-ジ-O-メチル-7"-O-(1""-メチル-4"",7"",8"",9""-テトラ-O-アセチル-N-アセチルノイラミニル)-4"’-O-(1""’-メチル-4""’,7""’,8""’,9""’-テトラ-O-アセチル-N-アセチルノイラミニル)アメントフラボン((S)-7,4’-di-O-methyl-7’’-O-(1""-methyl-4"",7"",8"",9""-tetra-O-acetyl-N-acetylneuraminyl)-4"’-O-(1""’-methyl-4""’,7""’,8""’,9""’-tetra-O-acetyl-N-acetylneuraminyl)amentoflavone) (31a)
Pale yellow powder; mp 165-169℃; UV λmax (EtOH) (logε): 207 (4.81), 270 (4.71), 318 (4.60); IR νmax (KBr) cm-1: 3300, 2860, 1750, 1650, 1600, 1500, 1430, 1360, 1210, 1030, 840; positive FABMS m/z (rel. int. %): 1513 ([M+H]+, 6), 567 (30), 535 (8), 414 (7); 1H-NMR (DMSO-d6) δ: biflavonoid moiety; 6.99 (1H, s, 3-H), 6.39 (1H, d, J = 2.1 Hz, 6-H), 6.70 (1H, d, J = 2.1 Hz, 8-H), 8.14 (1H, d, J = 2.4 Hz, 2’-H), 7.40 (1H, d, J = 8.9 Hz, 5’-H), 8.26 (1H, dd, J = 8.9, 2.4 Hz, 6’-H), 7.09 (1H, s, 3"-H), 6.97 (1H, s, 6"-H), 7.67 (2H, d, J = 9.2 Hz, 2"’-H, 6"’-H), 7.06 (2H, d, J = 9.2 Hz, 3"’-H, 5"’-H), 12.90 (1H, s, 5-OH), 13.09 (1H, s, 5"-OH), 3.85 (3H, s, 7-OCH3), 3.84 (3H, s, 4’-OCH3), sialic acid moiety; 1.88 (1H, m, 3""-H), 2.38 (1H, dd, J = 13.1, 4.9 Hz, 3""-H), 4.75 (1H, dt, J = 10.7, 4.9 Hz, 4""-H), 3.93 (1H, m, 5""-H), 4.33 (1H, dd, J = 10.7, 1.8 Hz, 6""-H), 5.18 (1H, dd, J = 7.0, 1.8 Hz, 7""-H), 5.30 (1H, dt, J = 6.7, 3.4 Hz, 8""-H), 4.12 (1H, dd, J = 12.2, 6.7 Hz, 9""-H), 4.29 (1H, dd, J = 12.2, 3.4 Hz, 9""-H), 2.04 (1H, m, 3""’-H), 2.64 (1H, dd, J = 12.8, 4.3 Hz, 3""’-H), 4.75 (1H, m, 4""’-H), 3.93 (1H, m, 5""’-H), 4.44 (1H, dd, J = 10.7, 0.9 Hz, 6""’-H), 5.18 (1H, m, 7""’-H), 5.18 (1H, m, 8""’-H), 4.03 (1H, dd, J = 11.9, 4.7 Hz, 9""’-H), 4.12 (1H, m, 9""’-H), 7.80 (1H, t, J = 9.6 Hz, NH), 7.80 (1H, t, J = 9.6 Hz, NH), 3.66 (3H, s, 1""-COOCH3), 3.53 (3H, s, 1""’-COOCH3), 1.81 (3H, s, OCOCH3), 1.93 (3H, s, OCOCH3), 1.98 (3H, s, OCOCH3), 1.99 (3H, s, OCOCH3), 2.00 (3H, s, OCOCH3), 2.04 (3H, s, OCOCH3), 2.07 (3H, s, OCOCH3), 2.07 (3H, s, OCOCH3), 1.71 (3H, s, NHCOCH 3 ), 1.71 (3H, s, NHCOCH 3 ), 13C-NMR (DMSO-d6) δ: biflavonoid moiety; 163.6 (2-C), 103.7 (3-C), 182.0 (4-C), 161.2 (5-C), 98.1 (6-C), 165.2 (7-C), 92.5 (8-C), 157.3 (9-C), 104.7 (10-C), 122.3 (1’-C), 130.8 (2’-C), 120.3 (3’-C), 160.0 (4’-C), 111.8 (5’-C), 128.7 (6’-C), 163.4 (2"-C), 104.6 (3"-C), 182.5 (4"-C), 161.0 (5"-C), 102.1 (6"-C), 156.5 (7"-C), 108.5 (8"-C), 153.7 (9"-C), 106.6 (10"-C), 125.3 (1"’-C), 127.9 (2"’-C, 6"’-C), 118.7 (3"’-C, 5"’-C), 156.7 (4"’-C), 55.9 (7-OCH3), 55.8 (4’-OCH3), sialic acid moiety; 167.2 (1""-C), 100.2 (2""-C), 35.8 (3""-C), 68.4 (4""-C), 47.5 (5""-C), 73.1 (6""-C), 67.2 (7""-C), 68.6 (8""-C), 61.8 (9""-C), 167.8 (1""’-C), 99.3 (2""’-C), 38.0 (3""’-C), 68.2 (4""’-C), 47.7 (5""’-C), 72.9 (6""’-C), 66.7 (7""’-C), 67.5 (8""’-C), 61.7 (9""’-C), 53.4 (1""-COOCH3), 53.1 (1""’-COOCH3), 20.38 (OCOCH3), 20.41 (OCOCH3), 20.50 (3C, OCOCH3), 20.53 (OCOCH3), 20.56 (OCOCH3), 20.62 (OCOCH3), 22.5 (2C, NHCOCH3), 169.18 (OCOCH3), 169.20 (OCOCH3), 169.3 (OCOCH3), 169.4 (OCOCH3), 169.5 (OCOCH3), 169.6 (OCOCH3), 169.98 (OCOCH3), 170.04 (OCOCH3), 169.20 (NHCOCH3), 169.20 (NHCOCH3).
(R)-7,4’-ジ-O-メチル-7"-O-(1""-メチル-4"",7"",8"",9""-テトラ-O-アセチル-N-アセチルノイラミニル)-4"’-O-(1""’-メチル-4""’,7""’,8""’,9""’-テトラ-O-アセチル-N-アセチルノイラミニル)アメントフラボン((R)-7,4’-di-O-methyl-7’’-O-(1""-methyl-4"",7"",8"",9""-tetra-O-acetyl-N-acetylneuraminyl)-4"’-O-(1""’-methyl-4""’,7""’,8""’,9""’-tetra-O-acetyl-N-acetylneuraminyl)amentoflavone) (31b)
Pale yellow powder; mp 163-168℃; UV λmax (EtOH) (logε): 210 (4.89), 270 (4.77), 317 (4.68); IR νmax (KBr) cm-1: 3400, 3000, 1760, 1660, 1610, 1510, 1440, 1380, 1270, 1230, 1040, 810; positive FABMS m/z (rel. int. %): 1513 ([M+H]+, 6), 567 (27), 414 (6); 1H-NMR (DMSO-d6) δ: biflavonoid moiety; 6.97 (1H, s, 3-H), 6.35 (1H, d, J = 2.1 Hz, 6-H), 6.76 (1H, d, J = 2.1 Hz, 8-H), 8.14 (1H, d, J = 2.4 Hz, 2’-H), 7.37 (1H, d, J = 8.9 Hz, 5’-H), 8.24 (1H, dd, J = 8.9, 2.4 Hz, 6’-H), 7.07 (1H, s, 3"-H), 7.00 (1H, s, 6"-H), 7.63 (2H, d, J = 9.2 Hz, 2"’-H, 6"’-H), 7.04 (2H, d, J = 9.2 Hz, 3"’-H, 5"’-H), 12.90 (1H, s, 5-OH), 13.09 (5"-OH), 3.85 (3H, s, 7-OCH3), 3.84 (3H, s, 4’-OCH3), sialic acid moiety; 1.90 (1H, m, 3""-H), 2.36 (1H, dd, J = 12.8, 4.6 Hz, 3""-H), 4.73 (1H, m, 4""-H), 3.90 (1H, m, 5""-H), 4.25 (1H, m, 6""-H), 5.15 (1H, m, 7""-H), 5.08 (1H, m, 8""-H), 4.11 (1H, dd, J = 12.1, 6.7 Hz, 9""-H), 4.28 (1H, dd, J = 12.1, 3.4 Hz, 9""-H), 2.01 (1H, m, 3""’-H), 2.65 (1H, dd, J = 12.5, 4.5 Hz, 3""’-H), 4.73 (1H, m, 4""’-H), 3.90 (1H, m, 5""’-H), 4.39 (1H, dd, J = 10.8, 1.4 Hz, 6""’-H), 5.15 (1H, m, 7""’-H), 5.28 (1H, dt, J = 6.7, 3.4 Hz, 8""’-H), 3.90 (1H, m, 9""’-H), 3.96 (1H, dd, J = 12.3, 4.7 Hz, 9""’-H), 7.77 (1H, t, J = 7.6 Hz, NH), 7.77 (1H, t, J = 7.6 Hz, NH), 3.60 (3H, s, 1""-COOCH3), 3.59 (3H, s, 1""’-COOCH3), 1.84 (3H, s, OCOCH3), 1.92 (3H, s, OCOCH3), 1.92 (3H, s, OCOCH3), 1.94 (3H, s, OCOCH3), 1.99 (3H, s, OCOCH3), 2.06 (3H, s, OCOCH3), 2.06 (3H, s, OCOCH3), 2.07 (3H, s, OCOCH3), 1.70 (3H, s, NHCOCH 3 ), 1.70 (3H, s, NHCOCH 3 ), 13C-NMR (DMSO-d6) δ: biflavonoid moiety; 163.6 (2-C), 103.7 (3-C), 181.9 (4-C), 161.2 (5-C), 98.0 (6-C), 165.2 (7-C), 92.6 (8-C), 157.2 (9-C), 104.7 (10-C), 122.3 (1’-C), 130.7 (2’-C), 120.5 (3’-C), 160.3 (4’-C), 111.6 (5’-C), 128.5 (6’-C), 163.4 (2"-C), 104.7 (3"-C), 182.5 (4"-C), 160.4 (5"-C), 102.8 (6"-C), 156.4 (7"-C), 108.9 (8"-C), 153.8 (9"-C), 106.7 (10"-C), 125.5 (1"’-C), 127.9 (2"’-C, 6"’-C), 119.1 (3"’-C, 5"’-C), 156.6 (4"’-C), 56.0 (7-OCH3), 55.8 (4’-OCH3), sialic acid moiety; 166.9 (1""-C), 100.1 (2""-C), 35.8 (3""-C), 68.3 (4""-C), 47.5 (5""-C), 72.8 (6""-C), 66.5 (7""-C), 67.1 (8""-C), 61.2 (9""-C), 167.6 (1""’-C), 99.5 (2""’-C), 37.9 (3""’-C), 68.4 (4""’-C), 47.7 (5""’-C), 73.0 (6""’-C), 67.0 (7""’-C), 68.5 (8""’-C), 61.8 (9""’-C), 53.2 (1""-COOCH3), 53.2 (1""’-COOCH3), 20.40 (3C, OCOCH3), 20.44 (OCOCH3), 20.49 (OCOCH3), 20.52 (OCOCH3), 20.58 (OCOCH3), 20.62 (OCOCH3), 22.5 (2C, NHCOCH3), 169.0 (OCOCH3), 169.18 (OCOCH3), 169.19 (OCOCH3), 169.3 (OCOCH3), 169.5 (OCOCH3), 169.6 (OCOCH3), 169.8 (OCOCH3), 170.0 (OCOCH3), 169.19 (NHCOCH3), 169.23 (NHCOCH3).
(R)-7,4’,4"’-トリ-O-メチル-7"-O-(1""-メチル-4"",7"",8"",9""-テトラ-O-アセチル-N-アセチルノイラミニル)アメントフラボン((R)-7,4’,4’"-tri-O-methyl-7’’-O-(1""-methyl-4"",7"",8"",9""-tetra-O-acetyl-N-acetylneuraminyl)amentoflavone) (32a)
Pale yellow powder; mp 157-162℃; UV λmax (EtOH) (logε): 205 (4.65), 270 (4.48), 330 (4.47); IR νmax (KBr) cm-1: 3300, 2875, 1750, 1650, 1600, 1505, 1430, 1370, 1260, 1210, 1030, 840; positive FABMS m/z (rel. int. %): 1054 ([M+H]+, 16), 581 (84), 549 (18), 414 (7); 1H-NMR (DMSO-d6) δ: biflavonoid moiety; 6.99 (1H, s, 3-H), 6.38 (1H, d, J = 1.9 Hz, 6-H), 6.75 (1H, d, J = 1.9 Hz, 8-H), 8.15 (1H, d, J = 2.4 Hz, 2’-H), 7.38 (1H, d, J = 8.9 Hz, 5’-H), 8.25 (1H, dd, J = 8.9, 2.4 Hz, 6’-H), 7.02 (1H, s, 3"-H), 6.98 (1H, s, 6"-H), 7.65 (2H, d, J = 8.9 Hz, 2"’-H, 6"’-H), 6.94 (2H, d, J = 8.9 Hz, 3"’-H, 5"’-H), 12.90 (1H, s, 5-OH), 13.11 (1H, s, 5"-OH), 3.83 (3H, s, 7-OCH3), 3.81 (3H, s, 4’-OCH3), 3.75 (3H, s, 4"’-OCH3), sialic acid moiety; 1.93 (1H, dd, J = 12.8, 11.9 Hz, 3""-H), 2.41 (1H, dd, J = 12.8, 4.9 Hz, 3""-H), 4.73 (1H, dt, J = 11.9, 4.9 Hz, 4""-H), 3.92 (1H, m, 5""-H), 4.27 (1H, m, 6""-H), 5.17 (1H, dd, J = 6.7, 1.8 Hz, 7""-H), 5.29 (1H, dt, J = 6.7, 3.2 Hz, 8""-H), 4.12 (1H, dd, J = 12.2, 6.7 Hz, 9""-H), 4.28 (1H, dd, J = 12.2, 3.2 Hz, 9""-H), 7.76 (1H, t, J = 9.5 Hz, NH), 3.62 (3H, s, COOCH3), 1.85 (3H, s, OCOCH3), 1.99 (3H, s, OCOCH3), 2.06 (3H, s, OCOCH3), 2.07 (3H, s, OCOCH3), 1.71 (3H, s, NHCOCH 3 ), 13C-NMR (DMSO-d6) δ: biflavonoid moiety; 163.5 (2-C), 103.8 (3-C), 181.9 (4-C), 161.1 (5-C), 98.0 (6-C), 165.2 (7-C), 92.7 (8-C), 157.3 (9-C), 104.7 (10-C), 122.2 (1’-C), 130.8 (2’-C), 120.6 (3’-C), 160.4 (4’-C), 111.6 (5’-C), 128.6 (6’-C), 163.9 (2"-C), 103.6 (3"-C), 182.4 (4"-C), 160.4 (5"-C), 102.5 (6"-C), 156.2 (7"-C), 108.6 (8"-C), 153.7 (9"-C), 106.5 (10"-C), 122.5 (1"’-C), 128.0 (2"’-C, 6"’-C), 114.6 (3"’-C, 5"’-C), 162.4 (4"’-C), 56.0 (7-OCH3), 55.9 (4’-OCH3), 55.5 (4"’-OCH3), sialic acid moiety; 166.9 (1""-C), 100.1 (2""-C), 35.9 (3""-C), 68.4 (4""-C), 47.5 (5""-C), 73.0 (6""-C), 67.2 (7""-C), 68.5 (8""-C), 61.8 (9""-C), 53.1 (COOCH3), 20.36 (2C, OCOCH3), 20.44 (OCOCH3), 20.5 (OCOCH3), 22.5 (NHCOCH3), 169.2 (OCOCH3), 169.3 (OCOCH3), 169.5 (OCOCH3), 170.0 (OCOCH3), 169.2 (NHCOCH3).
(S)-7,4’,4"’-トリ-O-メチル-7"-O-(1""-メチル-4"",7"",8"",9""-テトラ-O-アセチル-N-アセチルノイラミニル)アメントフラボン((S)-7,4’,4’"-tri-O-methyl-7’’-O-(1""-methyl-4"",7"",8"",9""-tetra-O-acetyl-N-acetylneuraminyl)amentoflavone) (32b)
Pale yellow powder; mp 161-165℃; UV λmax (EtOH) (logε): 205 (4.46), 268 (4.31), 325 (4.30); IR νmax (KBr) cm-1: 3230, 2860, 1750, 1660, 1610, 1510, 1440, 1370, 1210, 1030, 840; positive FABMS m/z (rel. int. %): 1054 ([M+H]+, 11), 581 (50), 549 (10); 1H-NMR (DMSO-d6) δ: biflavonoid moiety; 6.98 (1H, s, 3-H), 6.38 (1H, d, J = 1.9 Hz, 6-H), 6.70 (1H, d, J = 1.9 Hz, 8-H), 8.14 (1H, d, J = 2.4 Hz, 2’-H), 7.41 (1H, d, J = 8.9 Hz, 5’-H), 8.27 (1H, dd, J = 8.9, 2.4 Hz, 6’-H), 7.03 (1H, s, 3"-H), 6.97 (1H, s, 6"-H), 7.66 (2H, d, J = 8.9 Hz, 2"’-H, 6"’-H), 6.96 (2H, d, J = 8.9 Hz, 3"’-H, 5"’-H), 12.89 (1H, s, 5-OH), 13.13 (1H, s, 5"-OH), 3.84 (3H, s, 7-OCH3), 3.82 (3H, s, 4’-OCH3), 3.77 (3H, s, 4"’-OCH3), sialic acid moiety; 1.90 (1H, m, 3""-H), 2.41 (1H, dd, J = 12.8, 4.9 Hz, 3""-H), 4.75 (1H, dt, J = 10.7, 4.9 Hz, 4""-H), 3.93 (1H, m, 5""-H), 4.34 (1H, d, J = 11.6, 6""-H), 5.18 (1H, d, J = 6.7 Hz, 7""-H), 5.31 (1H, dt, J = 6.7, 3.1 Hz, 8""-H), 4.14 (1H, dd, J = 12.2, 6.7 Hz, 9""-H), 4.30 (1H, dd, J = 12.2, 3.1 Hz, 9""-H), 7.79 (1H, t, J = 9.5 Hz, NH), 3.69 (3H, s, COOCH3), 1.83 (3H, s, OCOCH3), 2.01 (3H, s, OCOCH3), 2.07 (3H, s, OCOCH3), 2.07 (3H, s, OCOCH3), 1.72 (3H, s, NHCOCH 3 ), 13C-NMR (DMSO-d6) δ: biflavonoid moiety; 163.5 (2-C), 103.8 (3-C), 181.9 (4-C), 161.1 (5-C), 98.1 (6-C), 165.2 (7-C), 92.5 (8-C), 157.3 (9-C), 104.7 (10-C), 122.3 (1’-C), 130.8 (2’-C), 120.5 (3’-C), 160.1 (4’-C), 111.6 (5’-C), 128.7 (6’-C), 163.9 (2"-C), 103.6 (3"-C), 182.4 (4"-C), 160.5 (5"-C), 102.2 (6"-C), 156.3 (7"-C), 108.3 (8"-C), 153.6 (9"-C), 106.5 (10"-C), 122.5 (1"’-C), 128.0 (2"’-C, 6"’-C), 114.6 (3"’-C, 5"’-C), 162.5 (4"’-C), 55.9 (7-OCH3), 55.8 (4’-OCH3), 55.5 (4"’-OCH3), sialic acid moiety; 167.2 (1""-C), 100.1 (2""-C), 35.8 (3""-C), 68.4 (4""-C), 47.5 (5""-C), 73.1 (6""-C), 67.2 (7""-C), 68.6 (8""-C), 61.9 (9""-C), 53.3 (COOCH3), 20.4 (2C, OCOCH3), 20.45 (OCOCH3), 20.51 (OCOCH3), 22.5 (NHCOCH3), 169.2 (OCOCH3), 169.3 (OCOCH3), 169.5 (OCOCH3), 170.0 (OCOCH3), 169.2 (NHCOCH3).

3. シアリルビフラボノイドアセチル保護体の脱保護(図4)
29a (100.2 mg, 0.095 mmol), 29b (100.0 mg, 0.095 mmol), 32a (100.0 mg, 0.095 mmol), 32b (100.0 mg, 0.095 mmol)をそれぞれpureMeOH 5 mlに溶かし,ナトリウムメトキシド(NaOMe) をpH > 8になるように加え(pH はpH試験紙で確認した),室温で2 時間撹拌し,さらにH2O 5 mlを加えて24 時間撹拌した。反応終了後,MeOHを減圧乾燥し,新たにH2O 5 mlを加え,そこに Dowex 50W-X2 (2.0 g)を加えて20分撹拌した。その後,Dowex 50W-X2を吸引ろ過により除き,H2Oを減圧乾燥し,シアリルビフラボノイド33a (75.1 mg, 90.6%),33b (81.6 mg, 98.7%) および36a (84.6 mg, 100.0%),36b (84.9 mg, 100.0%) を得た。
一方,30a (57.5 mg, 0.055 mmol), 30b (65.3 mg, 0.063 mmol), 31a (100.0 mg, 0.066 mmol), 31b (100.0 mg, 0.066 mmol)はそれぞれpure MeOH 5 mlに溶かし,ナトリウムメトキシド(NaOMe) をpH > 8になるように加え (pHはpH試験紙で確認した),室温で2〜9 hr撹拌し,さらにH2O 5 mlを加えて24 時間撹拌した。反応後,3.5% HClで中和し,溶媒を減圧乾燥した後,HP-20で塩を除き,HPLC(逆相,SENSHU PAK ODS-4251-SH, 10φx250 mm,80% MeOH)にて精製し,シアリルビフラボノイド34a (45.7 mg, 96.4%),34b (41.1 mg, 76.3%) および35a (52.0 mg, 68.5%),35b (60.8 mg, 80.1%) を得た。
(R)-4"’-O-(N-アセチルノイラミニル)-7,4’,7"-トリ-O-メチルアメントフラボン
((R)-4’’’-O-(N-acetylneuraminyl)-7,4’,7"-tri-O-methylamentoflavone) (33a)
Pale yellow powder; mp 191℃(dec.); UV λmax (MeOH) (logε): 210 (4.92), 270 (4.83), 325 (4.76); IR νmax (KBr) cm-1: 3350, 2950, 1660, 1610, 1510, 1440, 1380, 1340, 1260, 1210, 1160, 1130, 1030, 840; positive FABMS m/z (rel. int. %): 872 ([M+H]+, 1), 581 (10); 1H-NMR (DMSO-d6) δ: biflavonoid moiety; 6.96 (1H, s, 3-H), 6.30 (1H, bs, 6-H), 6.74 (1H, s, 8-H), 8.04 (1H, d, J = 1.8 Hz, 2’-H), 7.41 (1H, d, J = 8.9 Hz, 5’-H), 8.20 (1H, m, 6’-H), 6.92 (1H, s, 3"-H), 6.65 (1H, s, 6"-H), 7.49 (2H, d, J = 8.9 Hz, 2"’-H, 6"’-H), 7.19 (2H, d, J = 8.9 Hz, 3"’-H, 5"’-H), 12.89 (1H, s, 5-OH), 13.20 (1H, s, 5"-OH), 3.78 (3H, s, 7-OCH3), 3.75 (3H, s, 4’-OCH3), 3.80 (3H, s, 7"-OCH3), sialic acid moiety; 1.56 (1H, t, J = 11.9 Hz, 3-H""), 2.83 (1H, dd, J = 11.9, 4.9 Hz, 3-H""), 3.58 (1H, m, 4-H""), 3.38 (1H, m, 5-H""), 3.74 (1H, m, 6-H""), 3.32 (1H, m, 7-H""), 3.61 (1H, m, 8-H""), 3.43 (1H, m, 9-H""), 3.64 (1H, m, 9-H""), 8.35 (1H, bs, NH), 5.27 (1H, bs, OH), 4.70 (1H, d, J = 3.1 Hz, OH), 4.30 (1H, bs, OH), 1.89 (3H, s, NHCOCH 3), 13C-NMR (DMSO-d6) δ: biflavonoid moiety; 163.5 (2-C), 103.9 (3-C), 181.9 (4-C), 161.1 (5-C), 98.1 (6-C), 165.2 (7-C), 92.7 (8-C), 157.3 (9-C), 104.7 (10-C), 122.4 (1’-C), 130.8 (2’-C), 121.3 (3’-C), 160.5 (4’-C), 111.8 (5’-C), 128.4 (6’-C), 163.9 (2"-C), 102.5 (3"-C), 182.2 (4"-C), 161.5 (5"-C), 95.5 (6"-C), 165.5 (7"-C), 104.5 (8"-C), 153.4 (9"-C), 104.0 (10"-C), 121.1 (1"’-C), 128.1 (2"’-C, 6"’-C), 115.8 (3"’-C, 5"’-C), 161.2 (4"’-C), 56.0 (7-OCH3), 56.0 (4’-OCH3), 56.5 (7"-OCH3), sialic acid moiety; 168.8 (1""-C), 101.9 (2""-C), 42.6 (3""-C), 66.8 (4""-C), 52.9 (5""-C), 73.7 (6""-C), 69.0 (7""-C), 71.6 (8""-C), 63.4 (9""-C), 22.4 (NHCOCH3), 172.3 (NHCOCH3).
(S)-4"’-O-(N-アセチルノイラミニル)-7,4’,7"-トリ-O-メチルアメントフラボン
((S)-4’’’-O-(N-acetylneuraminyl)-7,4’,7"-tri-O-methylamentoflavone) (33b)
Pale yellow powder; mp 184℃(dec.); UV λmax (MeOH) (logε): 207 (4.86), 270 (4.74), 325 (4.67); IR νmax (KBr) cm-1: 3400, 2950, 1660, 1600, 1500, 1440, 1380, 1340, 1260, 1200, 1160, 1120, 1020, 840; positive FABMS m/z (rel. int. %): 872 ([M+H]+, 1), 581 (12); 1H-NMR (DMSO-d6) δ: biflavonoid moiety; 6.93 (1H, s, 3-H), 6.31 (1H, bs, 6-H), 6.73 (1H, bs, 8-H), 8.05 (1H, d, J = 2.4 Hz, 2’-H), 7.39 (1H, d, J = 8.9 Hz, 5’-H), 8.20 (1H, m, 6’-H), 6.92 (1H, s, 3"-H), 6.65 (1H, bs, 6"-H), 7.51 (2H, d, J = 8.9 Hz, 2"’-H, 6"’-H), 7.18 (2H, d, J = 8.9 Hz, 3"’-H, 5"’-H), 12.89 (1H, s, 5-OH), 13.16 (1H, s, 5"-OH), 3.78 (3H, s, 7-OCH3), 3.78 (3H, s, 4’-OCH3), 3.80 (3H, s, 7"-OCH3), sialic acid moiety; 1.63 (1H, t, J = 11.9 Hz, 3-H""), 2.77 (1H, dd, J = 11.9, 4.6 Hz, 3-H""), 3.61 (1H, m, 4-H""), 3.52 (1H, m, 5-H""), 3.72 (1H, m, 6-H""), 3.32 (1H, m, 7-H""), 3.59 (1H, m, 8-H""), 3.42 (1H, m, 9-H""), 3.63 (1H, m, 9-H""), 8.20 (1H, bs, NH), 5.18 (1H, bs, OH), 4.67 (1H, bs, OH), 4.23 (1H, bs, OH), 1.89 (3H, s, NHCOCH 3), 13C-NMR (DMSO-d6) δ: biflavonoid moiety; 163.2a) (2-C), 104.0b) (3-C), 181.8 (4-C), 161.1 (5-C), 97.9 (6-C), 165.0 (7-C), 92.6 (8-C), 157.2 (9-C), 104.7c) (10-C), 122.5 (1’-C), 130.7 (2’-C), 121.1 (3’-C), 160.3 (4’-C), 111.7 (5’-C), 128.4 (6’-C), 163.4a) (2"-C), 103.8b) (3"-C), 182.2 (4"-C), 161.4 (5"-C), 95.5 (6"-C), 162.4 (7"-C), 104.5c) (8"-C), 153.4 (9"-C), 104.0b) (10"-C), 124.3 (1"’-C), 126.9 (2"’-C, 6"’-C), 120.4 (3"’-C, 5"’-C), 158.2 (4"’-C), 55.9d) (7-OCH3), 55.9d) (4’-OCH3), 56.3d) (7"-OCH3), sialic acid moiety; 168.9 (1""-C), 101.6 (2""-C), 41.8 (3""-C), 66.6 (4""-C), 52.5 (5""-C), 73.9 (6""-C), 68.7 (7""-C), 71.4 (8""-C), 63.1 (9""-C), 22.5 (NHCOCH3), 172.1 (NHCOCH3). a), b), c), d): may be interchanged.
(R)-7"-O-(N-アセチルノイラミニル)-7,4’-ジ-O-メチルアメントフラボン((R)-7’’-O-(N-acetylneuraminyl)-7,4’-di-O-methylamentoflavone) (34a)
Pale yellow powder; mp 224℃ (dec); UV λmax (MeOH) (logε): 205 (4.58), 268 (4.44), 328 (4.42); IR νmax (KBr) cm-1: 3400, 2950, 1650, 1600, 1500, 1440, 1370, 1250, 1160, 1110, 1020, 840; positive FABMS m/z (rel. int. %): 857 ([M+H]+, 1), 567 (2); 1H-NMR (DMSO-d6) δ: biflavonoid moiety; 6.99 (1H, s, 3-H), 6.34 (1H, d, J = 2.1 Hz, 6-H), 6.76 (1H, d, J = 2.1 Hz, 8-H), 8.05 (1H, d, J = 2.1 Hz, 2’-H), 7.35 (1H, d, J = 8.9 Hz, 5’-H), 8.18 (1H, dd, J = 8.9, 2.1 Hz, 6’-H), 6.80 (1H, s, 3"-H), 7.34 (1H, s, 6"-H), 7.50 (2H, d, J = 8.9 Hz, 2"’-H, 6"’-H), 6.71 (2H, d, J = 8.9 Hz, 3"’-H, 5"’-H), 12.97 (1H, bs, 5-OH), 12.97 (1H, bs, 5"-OH), 3.83 (3H, s, 7-OCH3), 3.79 (3H, s, 4’-OCH3), sialic acid moiety; 1.46 (1H, t, J = 11.9 Hz, 3-H""), 2.75 (1H, dd, J = 11.9, 4.9 Hz, 3-H""), 3.59 (1H, m, 4-H""), 3.40 (1H, m, 5-H""), 3.71 (1H, m, 6-H""), 3.31 (1H, m, 7-H""), 3.67 (1H, m, 8-H""), 3.42 (1H, m, 9-H""), 3.61 (1H, m, 9-H""), 8.30 (1H, bs, NH), 6.25 (1H, bs, OH), 5.14 (1H, bs, OH), 4.72 (1H, s, OH), 4.14 (1H, bs, OH), 1.89 (3H, s, NHCOCH 3), 13C-NMR (DMSO-d6) δ: biflavonoid moiety; 163.9 (2-C), 103.9 (3-C), 181.9 (4-C), 161.0 (5-C), 98.3 (6-C), 165.1 (7-C), 92.4 (8-C), 157.4 (9-C), 104.8 (10-C), 122.1 (1’-C), 131.0 (2’-C), 121.7 (3’-C), 160.5 (4’-C), 111.6 (5’-C), 128.2 (6’-C), 163.8 (2"-C), 102.3 (3"-C), 182.1 (4"-C), 160.0 (5"-C), 102.0 (6"-C), 158.8 (7"-C), 106.2 (8"-C), 153.2 (9"-C), 104.5 (10"-C), 120.6 (1"’-C), 128.0 (2"’-C, 6"’-C), 115.9 (3"’-C, 5"’-C), 161.8 (4"’-C), 56.0 (7-OCH3), 55.9 (4’-OCH3), sialic acid moiety; 168.1 (1""-C), 102.2 (2""-C), 41.7 (3""-C), 66.9 (4""-C), 52.9 (5""-C), 73.6 (6""-C), 68.8 (7""-C), 71.1 (8""-C), 63.0 (9""-C), 22.4 (NHCOCH3), 172.3 (NHCOCH3).
(S)-7"-O-(N-アセチルノイラミニル)-7,4’-ジ-O-メチルアメントフラボン((S)-7’’-O-(N-acetylneuraminyl)-7,4’-di-O-methylamentoflavone) (34b)
Pale yellow powder; mp 209℃ (dec); UV λmax (MeOH) (logε): 208 (4.62), 268 (4.49), 328 (4.47); IR νmax (KBr) cm-1: 3400, 2950, 1650, 1610, 1500, 1440, 1370, 1340, 1280, 1260, 1240, 1160, 1110, 1020, 950, 840; positive FABMS m/z (rel. int. %): 857 ([M+H]+, 1), 567 (2); 1H-NMR (DMSO-d6) δ: biflavonoid moiety; 7.06 (1H, s, 3-H), 6.36 (1H, d, J = 1.8 Hz, 6-H), 6.91 (1H, d, J = 1.8 Hz, 8-H), 8.67 (1H, d, J = 2.1 Hz, 2’-H), 7.35 (1H, d, J = 8.9 Hz, 5’-H), 8.18 (1H, dd, J = 8.9, 2.1 Hz, 6’-H), 6.77 (1H, s, 3"-H), 7.10 (1H, s, 6"-H), 7.48 (2H, d, J = 8.9 Hz, 2"’-H, 6"’-H), 6.73 (2H, d, J = 8.9 Hz, 3"’-H, 5"’-H), 12.99 (1H, bs, 5-OH), 12.99 (1H, bs, 5"-OH), 3.85 (3H, s, 7-OCH3), 3.77 (3H, s, 4’-OCH3), sialic acid moiety; 1.33 (1H, t, J = 11.9 Hz, 3""-H), 2.80 (1H, dd, J = 11.9, 4.6 Hz, 3""-H), 3.51 (1H, m, 4""-H), 3.40 (1H, m, 5""-H), 3.88 (1H, m, 6""-H), 3.34 (1H, m, 7""-H), 3.72 (1H, m, 8""-H), 3.45 (1H, m, 9""-H), 3.65 (1H, m, 9""-H), 8.18 (1H, bs, NH), 6.41 (1H, bs, OH), 4.81 (1H, bs, OH), 4.62 (1H, s, OH), 4.21 (1H, bs, OH), 1.89 (3H, s, NHCOCH 3 ), 13C-NMR (DMSO-d6) δ: biflavonoid moiety; 163.9a) (2-C), 103.4b) (3-C), 182.0 (4-C), 161.1 (5-C), 97.8 (6-C), 165.1 (7-C), 92.9 (8-C), 157.3 (9-C), 104.7 (10-C), 122.1 (1’-C), 132.4 (2’-C), 121.4 (3’-C), 159.7 (4’-C), 111.1 (5’-C), 127.7 (6’-C), 163.9a) (2"-C), 102.1 (3"-C), 182.1 (4"-C), 160.1 (5"-C), 103.1 (6"-C), 159.0 (7"-C), 106.7 (8"-C), 152.9 (9"-C), 105.1 (10"-C), 120.0 (1"’-C), 128.0 (2"’-C, 6"’-C), 116.1 (3"’-C, 5"’-C), 162.3 (4"’-C), 56.0 (7-OCH3), 55.7 (4’-OCH3), sialic acid moiety; 167.8 (1""-C), 103.5b) (2""-C), 42.6 (3""-C), 67.0 (4""-C), 53.0 (5""-C), 73.7 (6""-C), 68.7 (7""-C), 71.5 (8""-C), 63.1 (9""-C), 22.5 (NHCOCH3), 172.2 (NHCOCH3). a), b): may be interchanged.
(S)-7",4"’-ジ-O-(N-アセチルノイラミニル)-7,4’-ジ-O-メチルアメントフラボン((S)-7’’,4’’’-di-O-(N-acetylneuraminyl)-7,4’-di-O-methylamentoflavone) (35a)
Pale yellow powder; mp 188℃ (dec); UV λmax (MeOH) (logε): 207 (4.66), 270 (4.50), 325 (4.46); IR νmax (KBr) cm-1: 3400, 2930, 1650, 1600, 1500, 1440, 1370, 1340, 1280, 1250, 1160, 1110, 1020, 840; positive FABMS m/z (rel. int. %): 1149 ([M+H]+, 1), 567 (1); 1H-NMR (DMSO-d6) δ: biflavonoid moiety; 7.07 (1H, s, 3-H), 6.35 (1H, d, J = 2.1 Hz, 6-H), 6.93 (1H, d, J = 2.1 Hz, 8-H), 8.70 (1H, d, J = 2.1 Hz, 2’-H), 7.41 (1H, d, J = 8.9 Hz, 5’-H), 8.21 (1H, dd, J = 2.1, 8.9 Hz, 6’-H), 6.93 (1H, s, 3"-H), 7.10 (1H, s, 6"-H), 7.55 (2H, d, J = 8.9 Hz, 2"’-H, 6"’-H), 7.24 (2H, d, J = 8.9 Hz, 3"’-H, 5"’-H), 12.93 (1H, s, 5-OH), 12.93 (1H, s, 5"-OH), 3.86 (3H, s, 7-OCH3), 3.76 (3H, s, 4’-OCH3), sialic acid moiety; 1.58 (1H, t, J = 11.6 Hz, 3""-H), 2.84 (1H, dd, J = 12.8, 4.3 Hz, 3""-H), 3.57 (1H, m, 4""-H), 3.38 (1H, m, 5""-H), 3.91 (1H, m, 6""-H), 3.29 (1H, m, 7""-H), 3.74 (1H, m, 8""-H), 3.68 (1H, m, 9""-H), 3.47 (1H, m, 9""-H), 1.35 (1H, t, J = 11.6 Hz, 3""’-H), 2.84 (1H, dd, J = 12.8, 4.3 Hz, 3""’-H), 3.57 (1H, m, 4""’-H), 3.34 (1H, m, 5""’-H), 3.79 (1H, m, 6""’-H), 3.29 (1H, m, 7""’-H), 3.65 (1H, m, 8""’-H), 3.68 (1H, m, 9""’-H), 3.47 (1H, m, 9""’-H), 8.31 (1H, bs, NH), 8.25 (1H, bs, NH), 6.31 (1H, bs, OH), 6.18 (1H, bs, OH), 5.30 (1H, bs, OH), 4.92 (1H, bs, OH), 4.72 (1H, bs, OH), 4.65 (1H, bs, OH), 4.38 (1H, t, J = 5.5 Hz, OH), 4.26 (1H, t, J = 5.8 Hz, OH), 1.90 (3H, s, NHCOCH 3 ), 1.86 (3H, s, NHCOCH 3 ), 13C-NMR (DMSO-d6) δ: biflavonoid moiety; 163.9 (2-C), 103.5a) (3-C), 182.1 (4-C), 161.0 (5-C), 97.9 (6-C), 165.1 (7-C), 92.8 (8-C), 157.4 (9-C), 104.8 (10-C), 122.2 (1’-C), 132.5 (2’-C), 121.2 (3’-C), 160.0 (4’-C), 111.2 (5’-C), 127.9 (6’-C), 163.3 (2"-C), 103.1 (3"-C), 182.3 (4"-C), 159.8 (5"-C), 103.1 (6"-C), 159.1b) (7"-C), 106.8 (8"-C), 153.0 (9"-C), 105.2 (10"-C), 123.0 (1"’-C), 126.9 (2"’-C, 6"’-C), 119.2 (3"’-C, 5"’-C), 159.0b) (4"’-C), 56.0 (7-OCH3), 55.7 (4’-OCH3), sialic acid moiety; 168.5 (1""-C), 101.8 (2""-C), 42.8 (3""-C), 66.9 (4""-C), 53.1 (5""-C), 73.8 (6""-C), 69.1 (7""-C), 71.7 (8""-C), 63.4 (9""-C), 169.0 (1""’-C), 103.5a) (2""’-C), 42.8 (3""’-C), 66.8 (4""’-C), 53.0 (5""’-C), 73.7 (6""’-C), 68.7 (7""’-C), 71.6 (8""’-C), 63.0 (9""’-C), 22.5 (2C, NHCOCH3), 172.4 (NHCOCH3), 172.3 (NHCOCH3). a), b): may be interchanged.
(R)-7",4"’-ジ-O-(N-アセチルノイラミニル)-7,4’-ジ-O-メチルアメントフラボン
((R)-7’’,4’’’-di-O-(N-acetylneuraminyl)-7,4’-di-O-methylamentoflavone) (35b)
Pale yellow powder; 194℃ (dec); UV λmax (EtOH) (logε): 207 (4.73), 270 (4.59), 325 (4.55); IR νmax (KBr) cm-1: 3400, 2940, 1650, 1610, 1500, 1440, 1370, 1340, 1280,1260, 1240, 1160, 1110, 1020, 950, 840; positive FABMS m/z (rel. int. %): 1149 ([M+H]+, 1), 567 (1); 1H-NMR (DMSO-d6) δ: biflavonoid moiety; 6.96 (1H, s, 3-H), 6.33 (1H, d, J = 2.1 Hz, 6-H), 6.76 (1H, d, J = 2.1 Hz, 8-H), 7.99 (1H, d, J = 2.1 Hz, 2’-H), 7.38 (1H, d, J = 8.9 Hz, 5’-H), 8.17 (1H, dd, J = 8.9, 2.1 Hz, 6’-H), 6.91 (1H, s, 3"-H), 7.34 (1H, s, 6"-H), 7.51 (2H, d, J = 8.9 Hz, 2"’-H, 6"’-H), 7.18 (2H, d, J = 8.9 Hz, 3"’-H, 5"’-H), 12.93 (1H, s, 5-OH), 12.90 (1H, s, 5"-OH), 3.83 (3H, s, 7-OCH3), 3.80 (3H, s, 4’-OCH3), sialic acid moiety; 1.54 (1H, t, J = 11.6 Hz, 3""-H), 2.80 (1H, dd, J = 12.8, 4.3 Hz, 3""-H), 3.58 (1H, m, 4""-H), 3.42 (1H, m, 5""-H), 3.69 (1H, m, 6""-H), 3.30 (1H, m, 7""-H), 3.56 (1H, m, 8""-H), 3.64 (1H, m, 9""-H), 3.42 (1H, m, 9""-H), 1.54 (1H, t, J = 11.6 Hz, 3""’-H), 2.80 (1H, dd, J = 12.8, 4.3 Hz, 3""’-H), 3.58 (1H, m, 4""’-H), 3.42 (1H, m, 5""’-H), 3.69 (1H, m, 6""’-H), 3.30 (1H, m, 7""’-H), 3.66 (1H, m, 8""’-H), 3.64 (1H, m, 9""’-H), 3.42 (1H, m, 9""’-H), 8.41 (1H, bs, NH), 8.41 (1H, bs, NH), 6.14 (1H, bs, OH), 5.33 (1H, bs, OH), 4.78 (1H, bs, OH), 4.72 (1H, bs, OH), 4.28 (1H, bs, OH), 1.88 (3H, s, NHCOCH 3), 1.87 (3H, s, NHCOCH 3), 13C-NMR (DMSO-d6) δ: biflavonoid moiety; 164.0 (2-C), 104.0 (3-C), 181.9 (4-C), 161.0 (5-C), 98.4 (6-C), 165.2 (7-C), 92.3 (8-C), 157.5 (9-C), 104.8 (10-C), 122.3 (1’-C), 131.0 (2’-C), 121.5 (3’-C), 160.4 (4’-C), 111.6 (5’-C), 128.3 (6’-C), 163.4 (2"-C), 103.4 (3"-C), 182.3 (4"-C), 160.0 (5"-C), 102.2 (6"-C), 158.7 (7"-C), 106.3 (8"-C), 153.3 (9"-C), 104.7 (10"-C), 123.8 (1"’-C), 126.9 (2"’-C, 6"’-C), 120.2 (3"’-C, 5"’-C), 158.9 (4"’-C), 55.9 (7-OCH3), 56.0 (4’-OCH3), sialic acid moiety; 168.7 (1""-C), 102.2 (2""-C), 41.6 (3""-C), 66.7 (4""-C), 53.0 (5""-C), 73.7 (6""-C), 68.7 (7""-C), 71.2 (8""-C), 62.9 (9""-C), 168.9 (1""’-C), 102.3 (2""’-C), 42.4 (3""’-C), 66.8 (4""’-C), 53.0 (5""’-C), 73.8 (6""’-C), 68.7 (7""’-C), 71.6 (8""’-C), 63.1 (9""’-C), 22.4 (NHCOCH3), 22.4 (NHCOCH3), 172.3 (NHCOCH3), 172.4 (NHCOCH3).
(R)-7"-O-(N-アセチルノイラミニル)-7,4’,4"’-トリ-O-メチルアメントフラボン
((R)-7’’-O-(N-acetylneuraminyl)-7,4’,4’’’-tri-O-methylamentoflavone) (36a)
Pale yellow powder; mp 206℃ (dec.); UV λmax (MeOH) (logε): 206 (4.88), 269 (4.80), 325 (4.73); IR νmax (KBr) cm-1: 3400, 2950, 1660, 1600, 1500, 1440, 1370, 1350, 1260, 1180, 1160, 1120, 1030, 840; positive FABMS m/z (rel. int. %): 872 ([M+H]+, 1), 581 (12); 1H-NMR (DMSO-d6) δ: biflavonoid moiety; 6.99 (1H, s, 3-H), 6.35 (1H, bs, 6-H), 6.75 (1H, bs, 8-H), 8.08 (1H, bs, 2’-H), 7.37 (1H, d, J = 8.9 Hz, 5’-H), 8.22 (1H, d, J = 8.9 Hz, 6’-H), 6.97 (1H, s, 3"-H), 7.18 (1H, s, 6"-H), 7.64 (2H, d, J = 8.5 Hz, 2"’-H, 6"’-H), 6.95 (2H, d, J = 8.5 Hz, 3"’-H, 5"’-H), 12.92 (1H, s, 5-OH), 13.01 (1H, s, 5"-OH), 3.83 (3H, s, 7-OCH3), 3.80 (3H, s, 4’-OCH3), 3.76 (3H, s, 4"’-OCH3), sialic acid moiety; 1.67 (1H, t, J = 11.9 Hz, 3""-H), 2.57 (1H, m, 3""-H), 3.65 (1H, m, 4""-H), 3.61 (1H, m, 5""-H), 3.80 (1H, m, 6""-H), 3.36 (1H, m, 7""-H), 3.65 (1H, m, 8""-H), 3.65 (1H, m, 9""-H), 3.45 (1H, m, 9""-H), 8.10 (1H, d, J = 6.4 Hz, NH), 5.08 (1H, bs, OH), 4.68 (1H, bs, OH), 4.24 (1H, bs, OH), 1.89 (3H, s, NHCOCH 3 ), 13C-NMR (DMSO-d6) δ: biflavonoid moiety; 163.6a) (2-C), 103.9 (3-C), 181.9 (4-C), 161.1 (5-C), 98.2 (6-C), 165.2 (7-C), 92.5 (8-C), 157.4 (9-C), 104.8 (10-C), 122.2 (1’-C), 130.9 (2’-C), 121.1 (3’-C), 160.1 (4’-C), 111.6 (5’-C), 128.4 (6’-C), 163.7a) (2"-C), 103.4 (3"-C), 182.3 (4"-C), 160.4 (5"-C), 102.2 (6"-C), 157.8 (7"-C), 107.2 (8"-C), 153.5 (9"-C), 105.4 (10"-C), 122.6 (1"’-C), 127.9 (2"’-C, 6"’-C), 114.5 (3"’-C, 5"’-C), 162.3 (4"’-C), 56.0 (7-OCH3), 55.9 (4’-OCH3), 55.5 (4"’-OCH3), sialic acid moiety; 168.6 (1""-C), 101.1 (2""-C), 40.4 (3""-C), 66.3 (4""-C), 52.3 (5""-C), 74.4 (6""-C), 68.7 (7""-C), 71.0 (8""-C), 63.2 (9""-C), 22.6 (NHCOCH3), 171.9 (NHCOCH3). a): may be interchanged.
(S)-7"-O-(N-アセチルノイラミニル)-7,4’,4"’-トリ-O-メチルアメントフラボン((S)-7’’-O-(N-acetylneuraminyl)-7,4’4’’’-tri-O-methylamentoflavone) (36b)
Pale yellow powder; mp 200℃ (dec.); UV λmax (MeOH) (logε): 206 (4.86), 270 (4.78), 325 (4.71); IR νmax (KBr) cm-1: 3400, 2950, 1650, 1610, 1510, 1440, 1370, 1340, 1260, 1180, 1160, 1110, 1030, 840; positive FABMS m/z (rel. int. %): 872 ([M+H]+, 1), 581 (15); 1H-NMR (DMSO-d6) δ: biflavonoid moiety; 7.02 (1H, s, 3-H), 6.30 (1H, d, J = 1.8 Hz, 6-H), 6.87 (1H, d, J = 1.8 Hz, 8-H), 8.57 (1H, bs, 2’-H), 7.36 (1H, d, J = 8.9 Hz, 5’-H), 8.18 (1H, d, J = 8.9 Hz, 6’-H), 6.93 (1H, s, 3"-H), 7.11 (1H, s, 6"-H), 7.65 (2H, d, J = 8.9 Hz, 2"’-H, 6"’-H), 6.98 (2H, d, J = 8.9 Hz, 3"’-H, 5"’-H), 12.90 (1H, s, 5-OH), 12.93 (1H, s, 5"-OH), 3.86 (3H, s, 7-OCH3), 3.78 (3H, s, 4’-OCH3), 3.78 (3H, s, 4"’-OCH3), sialic acid moiety; 1.38 (1H, t, J = 11.9 Hz, 3""-H), 2.77 (1H, m, 3""-H), 3.55 (1H, m, 4""-H), 3.40 (1H, m, 5""-H), 3.89 (1H, d, J = 5.2 Hz, 6""-H), 3.34 (1H, m, 7""-H), 3.72 (1H, m, 8""-H), 3.45 (1H, m, 9""-H), 3.65 (1H, m, 9""-H), 8.21 (1H, bs, NH), 4.95 (1H, bs, OH), 4.64 (1H, d, J = 3.7 Hz, OH), 4.26 (1H, bs, OH), 1.88 (3H, s, NHCOCH 3 ), 13C-NMR (DMSO-d6) δ: biflavonoid moiety; 163.8 (2-C), 103.5 (3-C), 182.0 (4-C), 161.1 (5-C), 97.9 (6-C), 165.1 (7-C), 92.8 (8-C), 157.3 (9-C), 104.7 (10-C), 122.2 (1’-C), 132.2 (2’-C), 121.2 (3’-C), 160.1 (4’-C), 111.3 (5’-C), 127.9 (6’-C), 163.4 (2"-C), 103.3 (3"-C), 182.3 (4"-C), 159.9 (5"-C), 102.9a) (6"-C), 159.0 (7"-C), 106.8 (8"-C), 153.1 (9"-C), 105.2 (10"-C), 122.7 (1"’-C), 127.9 (2"’-C, 6"’-C), 114.6 (3"’-C, 5"’-C), 162.3 (4"’-C), 55.9 (7-OCH3), 55.8 (4’-OCH3), 55.5 (4"’-OCH3), sialic acid moiety; 168.4 (1""-C), 103.1a) (2""-C), 42.4 (3""-C), 66.8 (4""-C), 52.9 (5""-C), 73.9 (6""-C), 68.7 (7""-C), 71.5 (8""-C), 63.1 (9""-C), 22.5 (NHCOCH3), 172.2 (NHCOCH3). a): may be interchanged.
図9に合成されたシアリルビフラボノイドの構造を示す。

[実施例3]インフルエンザウイルスシアリダーゼ阻害活性
植物から単離したビフラボン4種 (19, 20, 21, 22) 及び有機合成したビフラボンのシアル酸配糖体19種[Gin-Neu-1-(R) (34a), Gin-Neu-2-(S) (35a), Gin-Neu-1-(S) (34b), Gin-Neu-2-(R) (35b), Gin-NeuAc-1 (30a), Gin-NeuAc-2 (31a), Gin-NeuAc-3 (30b), Gin-NeuAc-4 (31b), Gin-NeuAc-di(Mix) (31aと31bの混合物)、TN1-Neu-1 (33a), TN1-Neu-2 (33b), TN1-Neu-Mix (33aと33bの混合物)、TN-1-NeuAc-1 (29a), TN-1-NeuAc-2 (29b), Sci-Neu-1 (36a), Sci-Neu-2 (36b), Sci-Neu(Mix) (36aと36bの混合物)、Sci-NeuAc-1 (32a), Sci-NeuAc-2 (32b)]について、終濃度0.2 μg/mL、1 μg/mL、10 μg/mL及び100 μg/mLにおけるインフルエンザウイルスA/PR/8/34(H1N1亜型)、A/Guizhou/54/89(H3N2亜型)、B/茨城/2/85のシアリダーゼに対する阻害活性を、基質として4-MU-NeuAcを、酵素としてインフルエンザHAワクチンを用い、それぞれの至適pHにおいて測定した。
A/PR/8/34シアリダーゼ阻害活性の結果を図10に、A/Guizhou/54/89シアリダーゼ阻害活性の結果を図11に、B/茨城/2/85シアリダーゼ阻害活性の結果を図12に示す。
A/PR/8/34ウイルスのシアリダーゼに対して、終濃度100 μg/mLでは、検討した試料のうちSci-Neu-2、Gin-Neu-1-(R)、Gin-Neu-2-(S)、Gin-Neu-1-(S)、Gin-Neu-2-(R)が80%以上の阻害活性を示した。また、終濃度10 μg/mLにおいても、Sci-Neu-2、Sci-Neu(Mix)、Gin-Neu-1-(R)、Gin-Neu-1-(S)、Gin-Neu-2-(R)が70%以上の阻害活性を示した。終濃度10 μg/mLにおいて比較すると、検討した試料のうち、Sci-Neu-2及びGin-Neu-1-(R)が最も高い阻害活性を示し、50%阻害濃度(IC50)は、ともに5 μg/mLであった。
A/Guizhou/54/89ウイルスのシアリダーゼに対して、終濃度10 μg/mLの場合、Sci-Neu-2、Gin-Neu-1-(R)、Gin-Neu-2-(S)、Gin-Neu-1-(S)、Gin-Neu-2-(R)が80%以上の阻害活性を示した。また、終濃度1 μg/mLでは、Sci-Neu-2、Gin-NeuAc-3、Gin-NeuAc-4、Gin-Neu-1-(R)、Gin-Neu-2-(S)、Gin-Neu-1-(S)の6つの試料が約50%の阻害活性を示した。終濃度1 μg/mLにおいて比較すると、検討した試料のうち、Sci-Neu-2及びGin-Neu-1-(R)が最も高い阻害活性を示し、IC50は、ともに1 μg/mLであった。
B/茨城/2/85ウイルスのシアリダーゼに対して、終濃度100 μg/mLの場合、Sci-Neu-2、TN1-Neu-Mix、Gin-Neu-1-(R)、Gin-Neu-1-(S)が80%以上の阻害活性を示した。終濃度10 μg/mLでは、6種類の試料が50%以上の活性を示し、Sci-Neu-2が65%と高い活性を示した(IC50 = 7 μg/mL)。

[実施例4]In vitro抗インフルエンザウイルス活性
実施例3と同じ試料(植物から単離したビフラボン4種及び有機合成したビフラボンのシアル酸配糖体19種)について、in vitro抗インフルエンザウイルス活性を測定した。すなわち、96-well培養プレートで培養したMDCK (Madin-Darby canine kidney) 細胞にトリプシン(3 μg/mL)存在下、インフルエンザウイルスA/PR/8/34(H1N1亜型)を0.001 MOI(multiplicity of infection; 感染多重度)で感染させ、同時に試料(終濃度12.5 μg/mL)を添加した。これを5% CO2条件下、37℃で3日間培養した。抗インフルエンザウイルス活性の指標として、培養上清のウイルス量をウイルスの持つシアリダーゼ活性で測定した。
細胞毒性に関しては、抗インフルエンザウイルス活性測定の場合と同様に、96-well培養プレートで培養したインフルエンザウイルス非感染のMDCK細胞に、上記と同様にして試料を添加した。これらを5% CO2条件下、37℃で3日間培養し、細胞の生存率をMTT法で測定した。
結果を図13に示す。検討した試料のうち、ギンゲチン(ginkgetin) (20)とイソギンゲチン(isoginkgetin) (22)には細胞毒性が認められたが、他の試料には細胞毒性は認められなかった。溶媒のジメチルスルホキシド(DMSO)を基準として、細胞毒性が認められなかった試料の中では、Sci-Neu-1、Sci-Neu-2、TN1-Neu-1、TN1-Neu-2、TN1-Neu-Mix、Gin-Neu-1-(R)、Gin-Neu-2-(S)、Gin-Neu-1-(S)、Gin-Neu-2-(R)の9種に45%以上の培養上清中のシアリダーゼ活性の低下が認められ、インフルエンザウイルスの増殖抑制活性が示された。
以上の結果より、ビフラボノイドをシアル酸配糖体とすることにより、基となったビフラボンよりも高いin vitro抗インフルエンザウイルス活性を示すとともに、細胞毒性も低下することが明らかとなった。

[実施例5]In vivo 抗インフルエンザウイルス活性
マウス馴化インフルエンザウイルスA/PR/8/34原液(50%マウス致死量 (LD50) = 104.83)を0.1% ウシ血清アルブミンを含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で104.5倍に希釈し(2 xLD50),ウイルス希釈液を調製した。BALB/cマウス(雌性,7週齢)(日本クレア)をアモバルビタールナトリウム溶液(11 mg/mL生理食塩水)0.25 mLの腹腔内投与により麻酔し,ウイルス希釈液20 μLを経鼻接種することにより感染させた。実施例2と同様に調製した化合物[Gin-Neu-1-(R) (34a)、Gin-Neu-1-(S) (34b)、Gin-Neu-2-(R) (35b)、Gin-Neu-2-(S) (35a)]を生理食塩水溶液(1 mg/mL)とし,ウイルス接種5分前に1回0.5 mg/kgの用量でアモバルビタール麻酔下にマウスに経鼻投与した。コントロール群には化合物溶液の代りに生理食塩水を経鼻投与した。インフルエンザウイルス感染後21日間マウスの生存率を観察し,コントロール群との比較により化合物(Gin-Neu-1-(R)、Gin-Neu-1-(S)、Gin-Neu-2-(R)、Gin-Neu-2-(S))のin vivo抗インフルエンザウイルス活性の評価を行った。結果を図14に示す。図14から以下のことが明らかである。
生理食塩水を経鼻投与したコントロール群のマウスはウイルス接種8日目から死亡し始め,11 日目から 21 日目までの生存率は22%であった。
これに対し,化合物(Gin-Neu-1-(R))を経鼻投与したマウスでは10日目から16日目までの生存率が75%で,21日目においても62.5% のマウスが生存しており,コントロール群と比べ,統計的に有意な生存率の上昇および生存日数の延長が認められた(p = 0.0385、Kaplan-Meier法のLogrankテスト)。
また,化合物(Gin-Neu-2-(S))を経鼻投与したマウスでは10日目から14日目までの生存率が89%で,21日目におけるマウスの生存率は44%であり,コントロール群と比べ,統計的に生存率の上昇および生存日数の延長傾向が認められた(p = 0.0523)。
さらに,化合物(Gin-Neu-1-(S))を経鼻投与したマウスでは8日目から10日目までの生存率が89%,10日目から14日目までが78%で,21日目における生存率は56%であり,コントロール群と比べ,統計的に生存率の上昇および生存日数の延長傾向が認められた(p = 0.0714)。
化合物(Gin-Neu-2-(R))を経鼻投与したマウスでは10日目から14日目までの生存率が56%で、21日における生存率は44%であり,コントロール群と比べ,生存率の上昇および生存日数の延長が認められた。
これらの結果を平均生存日数でグラフにしたものが図15である。その結果、コントロール群では平均生存日数が10.9日であった。
これに対し、Gin-Neu-1-(R)を投与したマウスでは平均生存日数が17.3日であり、コントロール群と比べ生存日数が6.4日延長しており、統計的に有意であった(p = 0.0277)。
また、Gin-Neu-1-(S)を投与したマウスでは平均生存日数が16.2日であり、コントロール群と比べ生存日数が5.3日延長しており、統計的に延長傾向が認められた(p = 0.0555)。
さらに、Gin-Neu-2-(S)を投与したマウスでは平均生存日数が15.7日であり、コントロール群と比べて生存日数が4.8日延長しており、統計的に延長傾向が認められた(p = 0.0851)。Gin-Neu-2-(S)を投与したマウスでは、平均生存日数が14.3日とコントロール群より3.4日の延長が認められた。
これらの結果から,化合物(Gin-Neu-1-(R)、Gin-Neu-1-(S)、Gin-Neu-2-(R)、Gin-Neu-2-(S))は in vivo の系においても抗インフルエンザウイルス活性を示すことが明らかとなった。

[実施例6]硫黄原子を含有するビフラボノイドのシアル酸配糖体の製造
(1) シアル酸SAc体の合成
実施例2で合成したシアル酸誘導体(25)(5.32 g) をCH2Cl2 (dry) 60 ml に溶かし,AcSK (カリウムチオアセテート(potassium thioacetate)) (3.5 g) をアルゴン雰囲気下,18時間攪拌した。反応終了後,反応液をCHCl3で抽出し,飽和NaCl水溶液及び飽和NaHCO3水溶液で順次洗浄し,有機層を無水Na2SO4で脱水後,減圧濃縮した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー (CHCl3-MeOH) で精製することにより,前記式(IV)のR10, R11, R12, R13がアセチル基、R9がメチル基、LがSAc基、Xがアセトアミノ基のシアル酸誘導体(IV-5)(メチル-4,7,8,9-テトラ-O-アセチル-2-S-アセチル-N-アセチルノイラミネート(methyl-4,7,8,9- tetra-O-acetyl-2-S-acetyl-N-acetylneuraminate)(37))を (3.62 g, 63 %) 得た。

(2) ビフラボノイド誘導体(Br体)の合成
ビフラボノイド誘導体(V)のうち、R21A, R20Bの少なくとも一つが水酸基である化合物をDMF (dry) に溶かし,トリフェニルホスフィン(triphenylphosphine) (1 当量),NBS(N-ブロモスクシンイミド) (1~2当量) を加えて,アルゴン雰囲気下,18時間攪拌する。反応終了後,反応液をCHCl3で抽出し,飽和NaCl水溶液及び飽和NaHCO3水溶液で順次洗浄し,有機層を無水Na2SO4で脱水後,減圧濃縮する。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー又はHPLCで精製することにより,R21A, R20Bの少なくともひとつがBrのビフラボノイド誘導体(V)のBr体が得られる。

(3) 配糖体の合成
ビフラボノイド誘導体(V)のBr体及び前記シアル酸誘導体(IV-5) (1~2当量) をDMF (dry) に溶かし,ジエチルアミン(diethylamine)(0.5~1.0当量) を加え,アルゴン雰囲気下,18時間攪拌する。反応終了後,反応液をCHCl3で抽出し,飽和NaCl水溶液及び飽和NaHCO3水溶液で順次洗浄し,有機層を無水Na2SO4で脱水後,減圧濃縮する。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー又はHPLCで精製することにより,目的とする配糖体の保護体が得られる。
これらをMeOH (dry) に溶かし,NaOMe (2~3当量) を加え,4時間攪拌後,H2O (10 ~15当量=NaOMe量の2倍量) を加え,アルゴン雰囲気下,18時間攪拌する。反応終了後,2N HClで中和し,Sephadex LH-20 (MeOH)またはHP-20 (H2O→MeOH ) で塩を取り除き,ODS-HPLCで精製することで,目的とする配糖体が得られる。
産業上の利用の可能性
本発明によれば,ビフラボノイドのシアル酸配糖体は,in vitroおよびin vivoの系において抗インフルエンザウイルス活性を示し,しかも天然物化合物から誘導される化合物であり安全性も高く,インフルエンザの予防ないし治療薬として有用であるばかりでなく,インフルエンザの予防ないし治療用飲食品としても利用することができる。
図1は、イヌガヤからのビフラボノイドの精製法を示す図である。 図2は、イチョウからのビフラボノイドの精製法を示す図である。 図3は、糖供与体の合成法を示す図である。 図4は、シアル酸誘導体とビフラボノイド誘導体の結合体の合成法を示す図である。 図5は、化合物29aと29bのCDスペクトルを示す図である。 図6は、化合物30aと30bのCDスペクトルを示す図である。 図7は、化合物31aと31bのCDスペクトルを示す図である。 図8は、化合物32aと32bのCDスペクトルを示す図である。 図9は、合成されたシアル酸誘導体とビフラボノイド誘導体の結合体の構造を示す図である。 図10は、インフルエンザウイルスA/PR/8/34シアリダーゼ阻害活性を示す図である。 図11は、インフルエンザウイルスA/Guizhou/54/89シアリダーゼ阻害活性を示す図である。 図12は、インフルエンザウイルスB/茨城/2/85シアリダーゼ阻害活性を示す図である。 図13は、MDCK細胞におけるインフルエンザウイルスの増殖に対する影響を示す図である。 図14は、インフルエンザウイルスを感染させたマウスの生存率および生存日数に対する影響を示す図である。 図15は、インフルエンザウイルスを感染させたマウスの平均生存日数に対する影響を示す図である。

Claims (7)

  1. ビフラボノイドのシアル酸配糖体。
  2. 前記ビフラボノイドのシアル酸配糖体が、下記一般式(I)、(II)または(III)のいずれかの式で表される化合物またはその塩であることを特徴とする請求項1に記載の化合物:
    Figure 2004076471
    (式(I)中、R,R,R,R,R,R,RおよびRは、それぞれ独立して水素原子、メチル基、水酸基、アセチルオキシ基、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、ベンジルオキシ基、アリルオキシ基またはグリコシルオキシ基を示し、Rは、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子、アンモニウム基またはメチル基を示し、R10,R11,R12およびR13はそれぞれ独立して水素原子、硫酸基またはアセチル基を示し、Xはアセトアミノ基、グリコリルアミノ基、水酸基またはアセチルオキシ基を示し、Aは酸素原子または硫黄原子を示す。)、
    Figure 2004076471
    (式(II)中、R,R,R,R,R,RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、メチル基、水酸基、アセチルオキシ基、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、ベンジルオキシ基、アリルオキシ基またはグリコシルオキシ基を示し、RおよびR14はそれぞれ独立して水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子、アンモニウム基またはメチル基を示し、R10,R11,R12,R13,R15,R16,R17およびR18はそれぞれ独立して水素原子、硫酸基またはアセチル基を示し、XおよびYはそれぞれ独立してアセトアミノ基、グリコリルアミノ基、水酸基またはアセチルオキシ基を示し、AおよびBはそれぞれ独立して酸素原子または硫黄原子を示す)、
    Figure 2004076471
    (式(III)中、R,R,R,R,R,R,RおよびR19はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、水酸基、アセチルオキシ基、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、ベンジルオキシ基、アリルオキシ基またはグリコシルオキシ基を示し、R14は水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子、アンモニウム基またはメチル基を示し、R15,R16,R17およびR18はそれぞれ独立して水素原子、硫酸基またはアセチル基を示し、Yはアセトアミノ基、グリコリルアミノ基、水酸基またはアセチルオキシ基を示し、Bは酸素原子または硫黄原子を示す)。
  3. 前記式(I)〜(III)中、R,R10,R11,R12,R13,R14,R15,R16,R17およびR18が水素原子であることを特徴とする請求項2に記載の化合物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の化合物を有効成分とする医薬品。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の化合物を有効成分とするインフルエンザ予防剤または治療剤。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の化合物を有効成分とする飲食品。
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載の化合物を有効成分とするインフルエンザ予防または治療用の飲食品。
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