JPWO2004053353A1 - ダンパ装置 - Google Patents
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Abstract
筐体(102、602)と、筐体内に配置されるフランジ部材(104、604)とからなり、フランジ部材は、少なくともその中心から離れた部分が、弾性体からなり、かつ軸方向に対して又は回転軸の放射方向に対して、傾斜して形成され、そして筺体内壁面に当接するように構成される産業機器用ダンパ装置。動作方向によって著しく異なる減衰力を生じせしめ、安定な制動が可能である。直動式の場合、フランジ部材(104)には、その相対応する両側の面に周縁に向かってテーパーが付けられており、大変形側に変形を許容する空間が必要でなく、軸方向コンパクト化や重量の軽減もでき、また、微少振幅に追従して動作可能であって、優れた減衰性を発揮できる。ロータリー式の場合、フランジ部材(604)は、軸体(603)と係合する係合部材からなり、その外周面に備えられた凸部(604a)は、回転軸の放射方向に対して、傾斜して形成され、回転差動減衰性を効率的に発揮でき、その減衰性を任意に調整できる。これらのダンパ装置は、自転車等のサスペンション用ダンパ、椅子に適用する回転ダンパ、扉開閉用ダンパ等として適用可能である。
Description
本発明は、ダンパ装置に関し、特に、産業用機器等に用いられるダンパ装置であって、二つの部材間の差動時に減衰力を生じせしめ、その動作方向によって著しく異なる減衰力を生じせしめることができるダンパ装置に関する。特に、直線往復差動及び回転差動を減衰せしめることができるダンパ装置に適する。
ダンパ装置としては、従来から、オイル等の流動抵抗を用いた所謂直動式オイル式ダンパ装置、例えば、車等に使用されているショックアブソーバが知られている。このオイル式ダンパ装置には、以下の問題点がある。
(1)筺体内に流路を構成する必要があるため、構造が複雑化し、製造コストが高くつく。
(2)流体及び流路を構成する内蔵部品が多くなり、重量がかさむ。
そのため、このオイル式ダンパ装置の問題点を解決し、構造をより簡略化でき、重量も軽くできるものとして、摩擦力を用いたダンパ装置が提案されている(例えば、特表平11−511229号公報参照)。
この公表公報に記載されたダンパ装置では、公報中の図1等に示されるように、エラストマー円板22であるフランジ23について、その一方の面にのみ裏当て板26である支持板を当て、これを複数枚重ねて配置することによって、一方向(図1では縮み方向)のフランジの変形を規制し、他方向(図1では伸び方向)では変形自由としている。その結果、筺体内壁面とフランジ23の周縁面との摩擦について、それぞれの方向によって生じる摩擦力に差異を生じせしめているものである。
上記公表公報に記載されたダンパ装置には、以下の問題点がある。
(1)この技術の摩擦発生機構は、筺体内壁面とフランジ23の周縁面との圧接によるものであり、支持板によってフランジの変形のしやすさを単純に調整し、摩擦力に対して動作方向による差異を生じせしめているものである。従って、静止時の筺体内壁面とフランジ23の周縁面との圧接力が最も高いため、静止摩擦も高く、特に筒状緩衝器(ショックアブソーバ)として採用する際には、回転方向に回りづらいため取り付け性が悪い。
(2)フランジ23の変形しやすさによって、減衰力を調整しているため、大変形側においては、変形を許容する空間が必要となる。
(3)支持板として、変形荷重を受荷する程度に強い材質からなるものを用いることが必須である。そのため、通常は鋼板を用いており、重量がかさむうえ、軸方向のコンパクト化が難しい。
(4)入力された往復動が、フランジ23の変形範囲内の微小振幅であった場合は、変形自由とした方向においては、変形範囲内の微小振動であれば、筺体内壁面とフランジ23の周縁面との間に摩擦移動が生じないので、減衰力が生じない。微少振幅でも動作させるためには、静止摩擦を小さくする必要があるので、フランジ23を小型化して圧接力を小さくする必要があるが、その場合は、当然に大振幅時の動摩擦も小さくなるため、微少振幅と大振幅とのバランスが難しい。
また、他のダンパ装置としては、粘性オイル等の流動抵抗を用いた粘性オイル式ロータリーダンパ装置が知られている。このオイル式ロータリーダンパ装置は、例えば、ドアクローザー、サスペンション軸受け部、蓋開閉機構等の多様な分野で使用されているが、以下の問題点を有する。
(1)筐体内に流路を構成する必要があるため、構造が複雑化し、製造コストが高くつく。
(2)流体及び流路を構成する内蔵部品が多くなり、重量がかさむ。
(3)流体を用いるため、液封シール、摺動シール等が必要となるので、高い寸法精度が必要であり、製造コストが高くつく。
このオイル式ロータリーダンパ装置の問題点を解決するために、摩擦力を利用したロータリーダンパが提案されている(例えば、特開2002−193012号公報参照)。この公開公報に記載されたロータリーダンパは、公報中の記載及び添付図面の図1等に示されるように、本体ケース20と軸体30とを具備する摩擦ダンパである。この摩擦ダンパは、本体ケースの内周面に軸体の外周面が接触するように本体ケースと軸体とを設け、この内周面と外周面とのいずれかに、他方に対してその一部のみが接触し得るように複数の凹部を設けることにより、本体ケースの回転に対する制動力を安定させようとするものである。
上記公開公報に記載されたロータリーダンパには、以下の問題点がある。
(1)単に接触部を設けているだけなので、本体ケース回転時の方向性による減衰性をもたせることができない。
(2)凹部を設けて本体ケースの内周面と軸体の外周面との接触面積の減少を図って制動力を安定させようとしているに過ぎないので、接触部の面積の増減によってしか減衰力を調整できないから、組み付け時にそのダンパの減衰力は決定されてしまい、使用時に調整することはできない。
(1)筺体内に流路を構成する必要があるため、構造が複雑化し、製造コストが高くつく。
(2)流体及び流路を構成する内蔵部品が多くなり、重量がかさむ。
そのため、このオイル式ダンパ装置の問題点を解決し、構造をより簡略化でき、重量も軽くできるものとして、摩擦力を用いたダンパ装置が提案されている(例えば、特表平11−511229号公報参照)。
この公表公報に記載されたダンパ装置では、公報中の図1等に示されるように、エラストマー円板22であるフランジ23について、その一方の面にのみ裏当て板26である支持板を当て、これを複数枚重ねて配置することによって、一方向(図1では縮み方向)のフランジの変形を規制し、他方向(図1では伸び方向)では変形自由としている。その結果、筺体内壁面とフランジ23の周縁面との摩擦について、それぞれの方向によって生じる摩擦力に差異を生じせしめているものである。
上記公表公報に記載されたダンパ装置には、以下の問題点がある。
(1)この技術の摩擦発生機構は、筺体内壁面とフランジ23の周縁面との圧接によるものであり、支持板によってフランジの変形のしやすさを単純に調整し、摩擦力に対して動作方向による差異を生じせしめているものである。従って、静止時の筺体内壁面とフランジ23の周縁面との圧接力が最も高いため、静止摩擦も高く、特に筒状緩衝器(ショックアブソーバ)として採用する際には、回転方向に回りづらいため取り付け性が悪い。
(2)フランジ23の変形しやすさによって、減衰力を調整しているため、大変形側においては、変形を許容する空間が必要となる。
(3)支持板として、変形荷重を受荷する程度に強い材質からなるものを用いることが必須である。そのため、通常は鋼板を用いており、重量がかさむうえ、軸方向のコンパクト化が難しい。
(4)入力された往復動が、フランジ23の変形範囲内の微小振幅であった場合は、変形自由とした方向においては、変形範囲内の微小振動であれば、筺体内壁面とフランジ23の周縁面との間に摩擦移動が生じないので、減衰力が生じない。微少振幅でも動作させるためには、静止摩擦を小さくする必要があるので、フランジ23を小型化して圧接力を小さくする必要があるが、その場合は、当然に大振幅時の動摩擦も小さくなるため、微少振幅と大振幅とのバランスが難しい。
また、他のダンパ装置としては、粘性オイル等の流動抵抗を用いた粘性オイル式ロータリーダンパ装置が知られている。このオイル式ロータリーダンパ装置は、例えば、ドアクローザー、サスペンション軸受け部、蓋開閉機構等の多様な分野で使用されているが、以下の問題点を有する。
(1)筐体内に流路を構成する必要があるため、構造が複雑化し、製造コストが高くつく。
(2)流体及び流路を構成する内蔵部品が多くなり、重量がかさむ。
(3)流体を用いるため、液封シール、摺動シール等が必要となるので、高い寸法精度が必要であり、製造コストが高くつく。
このオイル式ロータリーダンパ装置の問題点を解決するために、摩擦力を利用したロータリーダンパが提案されている(例えば、特開2002−193012号公報参照)。この公開公報に記載されたロータリーダンパは、公報中の記載及び添付図面の図1等に示されるように、本体ケース20と軸体30とを具備する摩擦ダンパである。この摩擦ダンパは、本体ケースの内周面に軸体の外周面が接触するように本体ケースと軸体とを設け、この内周面と外周面とのいずれかに、他方に対してその一部のみが接触し得るように複数の凹部を設けることにより、本体ケースの回転に対する制動力を安定させようとするものである。
上記公開公報に記載されたロータリーダンパには、以下の問題点がある。
(1)単に接触部を設けているだけなので、本体ケース回転時の方向性による減衰性をもたせることができない。
(2)凹部を設けて本体ケースの内周面と軸体の外周面との接触面積の減少を図って制動力を安定させようとしているに過ぎないので、接触部の面積の増減によってしか減衰力を調整できないから、組み付け時にそのダンパの減衰力は決定されてしまい、使用時に調整することはできない。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決することにあり、構造が簡単であって取り付け性が良く、重量が軽く、また、安価に製造できると共に、相対的差動方向によって、大きく減衰性を変化させ得るという減衰性に優れたダンパ装置を提供することにある。特に、大変形側において変形を許容する空間が必要でなく、軸方向コンパクト化や重量の軽減も可能であり、さらに、微少振幅でも微少振幅に追従して動作可能であって、減衰性を発揮することができるダンパ装置、また、回転差動減衰性を効率的に発揮できると共に、その減衰性を任意に調整できるダンパ装置を提供することにある。
本発明のダンパ装置は、筐体と、この筐体内に配置される制動用フランジ部材とからなり、このフランジ部材は、少なくともその中心から離れた部分が、弾性体からなり、かつ軸方向に対して又は回転軸の放射方向に対して、傾斜して形成され、そしてフランジ部材の周縁面が筐体の内壁面に対して傾斜角度を有して当接するように構成されていることを特徴とする。これによって、構造が簡単であって取り付け性が良く、重量が軽く、また、安価に製造できると共に、相対的差動方向によって、大きく減衰性を変化させ得るという優れた特徴を有するダンパ装置を提供することができる。
本発明の第一の実施の形態にかかるダンパ装置は、直動式ダンパ装置であり、筐体と、この筺体内で往復動作するピストンロッドと、このピストンロッドに取り付けらる弾性体からなる制動用フランジ部材とを備え、このフランジ部材にはその相対応する両側の面に周縁に向かってテーパーが付けられており、そしてフランジ部材の周縁面が筐体の内壁面に当接するように構成されていることを特徴とする。
そのため、この直動式ダンパ装置は、静止時には、筺体の内壁面とフランジ部材の端面である周縁面とが圧接、好ましくは若干圧接されるように係合している。従って、フランジ部材は、そのような係合状態になるような大きさの外径を有することが好ましい。
上記フランジ部材は、その中心から離れた部分が一方向の傾斜形状に形成されていることを特徴とする。
上記直動式ダンパ装置において、フランジ部材は、ピストンロッドが筺体内を静止時から軸線方向の一端であるA方向に動作する時に、このフランジ部材の周縁面と筺体内壁面とが、フランジ部材周縁面の筺体内壁面に対する摩擦力により係止し、A方向への動作が係止され、減衰が生じるようにピストンロッドに取り付けられている。ピストンロッドの移動によって、フランジ部材の周縁面をさらに筺体内壁面に押しつけ、圧接力が高くなるので、より強い摩擦力を生じ、その結果、減衰を効率的に行うことができる。ここで、A方向とは、例えば、ピストンロッドの移動による縮み方向である。
また、上記フランジ部材は、ピストンロッドが筺体内を静止時から軸線方向の一端であるA方向と反対のB方向に動作する時に、このフランジ部材が撓み、圧接力が生じないように(好ましくは、ほとんど生じないように)、そして摩擦、ひいては減衰が生じないよう(好ましくは、ほとんど生じないように)ピストンロッドに取り付けられている。
さらに、少なくとも上記フランジ部材の周縁面が自己潤滑性ゴムよりなるものとすることができる。
本発明の直動式ダンパ装置によれば、上記の構成を採用することによって、以下のような効果を奏することができ、減衰が効率的に行われ、安定に制動され得る。
すなわち、静止時には、摩擦力は大きくなく、回転自在とすることもできるので、取り付け等が有利である。また、従来技術のような変形を許容する空間を必要としない。また、従来技術のような支持板を必要としないので、軸方向コンパクト化が可能であると共に、重量の軽減も可能である。なお、ワッシャを使用することもできるが、必ずしも荷重を受荷する必要がないので、プラスチック材等を用いることができる。さらに、静止摩擦が大きくないことから、微少振幅でも微少振幅に迫従して動作可能であるので、動作方向によって著しく異なる減衰性を発揮することができる。
上記直動式ダンパ装置は、種々の産業用機器に取り付けることができ、例えば、自転車のフロントサスペンション用としても有用である。
また、本発明の第二の実施の形態にかかるダンパ装置は、ロータリー式ダンパ装置である。すなわち、一方の部材に固着される筐体と、この筐体内に回転可能に配置され、他方の部材に固着される軸体と係合可能な係合部を有する制動用フランジ部材とからなり、一方の部材と他方の部材との回転差動を減衰するロータリー式ダンパ装置であって、フランジ部材は、軸体と係合する係合部材からなり、この係合部材の外周面に弾性体からなる凸部を備え、この凸部は、回転軸の放射方向に対して、傾斜して形成され、かつ筐体の内壁面に当接するように構成されていることを特徴とする。このように、フランジ部材の凸部が、回転軸の放射方向に対して、傾斜して形成され、かつ凸部の先端外周面(周縁面)が、筐体の内壁面に当接するように、すなわち圧接、好ましくは若干圧接されるように構成されているので、筐体とフランジ部材(軸体)との相対回転時に、筐体とフランジ部材との間の回転差動、ひいては一方の部材と他方の部材との回転差動の所望の減衰を効率的に行うことができる。
上記フランジ部材は、係合部材と凸部とが一体形成されたものであることを特徴とする。
フランジ部材はまた、少なくとも凸部が自己潤滑性ゴムよりなるものであることを特徴とする。
上記筐体が、フランジ部材に対して、このフランジ部材の傾斜形成された凸部の放射方向と反対の方向に相対回転する時に、回転抵抗を生じ、筐体とフランジ部材との間の回転差動を減衰するように、筐体とフランジ部材とが取り付けられていることを特徴とする。
上記したように、フランジ部材の凸部の放射方向と反対の方向へ回転する場合には、凸部の先端外周面がさらに強く筐体内壁面に押しつけられ、凸部には、圧接する筐体内壁面から凸部の圧縮方向に力が加わり、その結果、より強い回転抵抗を生じ、筐体とフランジ部材との間の回転差動、ひいては一方の部材と他方の部材との回転差動の所望の減衰を効率的に行うことができる。
また、上記筐体が、フランジ部材に対して、このフランジ部材の傾斜形成された凸部の放射方向と同じ方向に相対回転する時に、この放射方向と反対の方向への回転抵抗より低い回転抵抗が生じるように、筐体とフランジ部材とが取り付けられていることを特徴とする。
本発明のロータリー式ダンパ装置では、上記凸部の少なくとも先端部分が、軸方向に対して、傾斜して形成されていてもよい。それにより、直動方向の違いで減衰差を作ることができる。
上記ロータリー式ダンパ装置は、一方の部材が自転車の車体であり、他方の部材が後輪支持部材(例えば、リアアームやスイングアーム、ならびにこれらに付属するブラケット類、リンク類を含む)である自転車のサスペンション部分に取り付けられて使用されることを特徴とする。もちろん、逆の構成、すなわち一方の部材が後輪支持部材であり、他方の部材が車体であってもよい。さらに、サスペンション機構のダンパ装置として機能すればよいので、リンクアーム等を介して、バネ部と別体に配置してもよい。
上記ロータリー式ダンパ装置はまた、開閉部材(例えば、扉、蓋等の開閉部材)の回転機構に取り付けられて使用されることを特徴とする。
本発明のロータリー式ダンパ装置によれば、上記構成を採用することによって、減衰が効率的に行われ、制動され、以下のような効果を奏することができる。
すなわち、軸体の回転に伴って回転するフランジ部材と筐体との間に高い回転減衰が生じると共に、その減衰性を任意に調整できる。また、ダンパ装置のコンパクト化、重量の軽減が可能であると共に、安価に製造できる。さらに、静止時には、凸部と筐体内壁面との間の摩擦力は大きくないので、取り付けが容易である。
本発明のロータリー式ダンパ装置は、上記したように構成されているので、筐体とフランジ部材(軸体)との間の回転差動の減衰が効率的に行われ、安定に制動され得る。そのため、このダンパ装置は、種々の産業用機器、特にその回転部位に取り付けることができ、例えば、ドアクローザーダンパ、自転車(二輪車等)のリアサスペンションダンパ、OA機器や家具等の開閉する扉、蓋類の開閉ダンパ、折りたたみ椅子用ダンパ、リクライニングシート用ダンパ等として、多様な分野で用いることができる。
特に、自転車は、競技用のみならず一般用としても軽量な車体が好まれるので、本発明のような軽量なダンパ装置が好ましい。
さらに、本発明のロータリー式ダンパ装置は、筐体とフランジ部材が備える凸部との当接力を変化させることによって、その減衰力を変化させることができるので、例えば、フランジ部材をゴム等の弾性体で成形し、軸方向に圧縮、開放させる軸方向の圧縮力調整機構を設けることよって、必要に応じてフランジ部材を圧縮して、凸部と筐体との圧接力を強めることができ、減衰力を容易に調整可能なダンパ機構とすることができる。
上記構成を自転車等のリアサスペンションダンパとして用いる場合には、リアスイングアームと車体の回転軸部に組み付けることで、軽量でありながら後輪の上下動作(回転軸部において回転動作)時の減衰性を任意に変化させることができるリアサスペンション機構とすることができる。
また、本発明のロータリー式ダンパ装置は、軽量、構成の単純さから小型に形成できるので、特に扉、蓋等の開閉部材の回転機構のダンパに適する。特に、少なくとも凸部を自己潤滑性ゴム(エラストマー)で形成した場合には、グリースを使用する必要がないので、OA機器や医療機器等に好適である。
本発明のダンパ装置は、筐体と、この筐体内に配置される制動用フランジ部材とからなり、このフランジ部材は、少なくともその中心から離れた部分が、弾性体からなり、かつ軸方向に対して又は回転軸の放射方向に対して、傾斜して形成され、そしてフランジ部材の周縁面が筐体の内壁面に対して傾斜角度を有して当接するように構成されていることを特徴とする。これによって、構造が簡単であって取り付け性が良く、重量が軽く、また、安価に製造できると共に、相対的差動方向によって、大きく減衰性を変化させ得るという優れた特徴を有するダンパ装置を提供することができる。
本発明の第一の実施の形態にかかるダンパ装置は、直動式ダンパ装置であり、筐体と、この筺体内で往復動作するピストンロッドと、このピストンロッドに取り付けらる弾性体からなる制動用フランジ部材とを備え、このフランジ部材にはその相対応する両側の面に周縁に向かってテーパーが付けられており、そしてフランジ部材の周縁面が筐体の内壁面に当接するように構成されていることを特徴とする。
そのため、この直動式ダンパ装置は、静止時には、筺体の内壁面とフランジ部材の端面である周縁面とが圧接、好ましくは若干圧接されるように係合している。従って、フランジ部材は、そのような係合状態になるような大きさの外径を有することが好ましい。
上記フランジ部材は、その中心から離れた部分が一方向の傾斜形状に形成されていることを特徴とする。
上記直動式ダンパ装置において、フランジ部材は、ピストンロッドが筺体内を静止時から軸線方向の一端であるA方向に動作する時に、このフランジ部材の周縁面と筺体内壁面とが、フランジ部材周縁面の筺体内壁面に対する摩擦力により係止し、A方向への動作が係止され、減衰が生じるようにピストンロッドに取り付けられている。ピストンロッドの移動によって、フランジ部材の周縁面をさらに筺体内壁面に押しつけ、圧接力が高くなるので、より強い摩擦力を生じ、その結果、減衰を効率的に行うことができる。ここで、A方向とは、例えば、ピストンロッドの移動による縮み方向である。
また、上記フランジ部材は、ピストンロッドが筺体内を静止時から軸線方向の一端であるA方向と反対のB方向に動作する時に、このフランジ部材が撓み、圧接力が生じないように(好ましくは、ほとんど生じないように)、そして摩擦、ひいては減衰が生じないよう(好ましくは、ほとんど生じないように)ピストンロッドに取り付けられている。
さらに、少なくとも上記フランジ部材の周縁面が自己潤滑性ゴムよりなるものとすることができる。
本発明の直動式ダンパ装置によれば、上記の構成を採用することによって、以下のような効果を奏することができ、減衰が効率的に行われ、安定に制動され得る。
すなわち、静止時には、摩擦力は大きくなく、回転自在とすることもできるので、取り付け等が有利である。また、従来技術のような変形を許容する空間を必要としない。また、従来技術のような支持板を必要としないので、軸方向コンパクト化が可能であると共に、重量の軽減も可能である。なお、ワッシャを使用することもできるが、必ずしも荷重を受荷する必要がないので、プラスチック材等を用いることができる。さらに、静止摩擦が大きくないことから、微少振幅でも微少振幅に迫従して動作可能であるので、動作方向によって著しく異なる減衰性を発揮することができる。
上記直動式ダンパ装置は、種々の産業用機器に取り付けることができ、例えば、自転車のフロントサスペンション用としても有用である。
また、本発明の第二の実施の形態にかかるダンパ装置は、ロータリー式ダンパ装置である。すなわち、一方の部材に固着される筐体と、この筐体内に回転可能に配置され、他方の部材に固着される軸体と係合可能な係合部を有する制動用フランジ部材とからなり、一方の部材と他方の部材との回転差動を減衰するロータリー式ダンパ装置であって、フランジ部材は、軸体と係合する係合部材からなり、この係合部材の外周面に弾性体からなる凸部を備え、この凸部は、回転軸の放射方向に対して、傾斜して形成され、かつ筐体の内壁面に当接するように構成されていることを特徴とする。このように、フランジ部材の凸部が、回転軸の放射方向に対して、傾斜して形成され、かつ凸部の先端外周面(周縁面)が、筐体の内壁面に当接するように、すなわち圧接、好ましくは若干圧接されるように構成されているので、筐体とフランジ部材(軸体)との相対回転時に、筐体とフランジ部材との間の回転差動、ひいては一方の部材と他方の部材との回転差動の所望の減衰を効率的に行うことができる。
上記フランジ部材は、係合部材と凸部とが一体形成されたものであることを特徴とする。
フランジ部材はまた、少なくとも凸部が自己潤滑性ゴムよりなるものであることを特徴とする。
上記筐体が、フランジ部材に対して、このフランジ部材の傾斜形成された凸部の放射方向と反対の方向に相対回転する時に、回転抵抗を生じ、筐体とフランジ部材との間の回転差動を減衰するように、筐体とフランジ部材とが取り付けられていることを特徴とする。
上記したように、フランジ部材の凸部の放射方向と反対の方向へ回転する場合には、凸部の先端外周面がさらに強く筐体内壁面に押しつけられ、凸部には、圧接する筐体内壁面から凸部の圧縮方向に力が加わり、その結果、より強い回転抵抗を生じ、筐体とフランジ部材との間の回転差動、ひいては一方の部材と他方の部材との回転差動の所望の減衰を効率的に行うことができる。
また、上記筐体が、フランジ部材に対して、このフランジ部材の傾斜形成された凸部の放射方向と同じ方向に相対回転する時に、この放射方向と反対の方向への回転抵抗より低い回転抵抗が生じるように、筐体とフランジ部材とが取り付けられていることを特徴とする。
本発明のロータリー式ダンパ装置では、上記凸部の少なくとも先端部分が、軸方向に対して、傾斜して形成されていてもよい。それにより、直動方向の違いで減衰差を作ることができる。
上記ロータリー式ダンパ装置は、一方の部材が自転車の車体であり、他方の部材が後輪支持部材(例えば、リアアームやスイングアーム、ならびにこれらに付属するブラケット類、リンク類を含む)である自転車のサスペンション部分に取り付けられて使用されることを特徴とする。もちろん、逆の構成、すなわち一方の部材が後輪支持部材であり、他方の部材が車体であってもよい。さらに、サスペンション機構のダンパ装置として機能すればよいので、リンクアーム等を介して、バネ部と別体に配置してもよい。
上記ロータリー式ダンパ装置はまた、開閉部材(例えば、扉、蓋等の開閉部材)の回転機構に取り付けられて使用されることを特徴とする。
本発明のロータリー式ダンパ装置によれば、上記構成を採用することによって、減衰が効率的に行われ、制動され、以下のような効果を奏することができる。
すなわち、軸体の回転に伴って回転するフランジ部材と筐体との間に高い回転減衰が生じると共に、その減衰性を任意に調整できる。また、ダンパ装置のコンパクト化、重量の軽減が可能であると共に、安価に製造できる。さらに、静止時には、凸部と筐体内壁面との間の摩擦力は大きくないので、取り付けが容易である。
本発明のロータリー式ダンパ装置は、上記したように構成されているので、筐体とフランジ部材(軸体)との間の回転差動の減衰が効率的に行われ、安定に制動され得る。そのため、このダンパ装置は、種々の産業用機器、特にその回転部位に取り付けることができ、例えば、ドアクローザーダンパ、自転車(二輪車等)のリアサスペンションダンパ、OA機器や家具等の開閉する扉、蓋類の開閉ダンパ、折りたたみ椅子用ダンパ、リクライニングシート用ダンパ等として、多様な分野で用いることができる。
特に、自転車は、競技用のみならず一般用としても軽量な車体が好まれるので、本発明のような軽量なダンパ装置が好ましい。
さらに、本発明のロータリー式ダンパ装置は、筐体とフランジ部材が備える凸部との当接力を変化させることによって、その減衰力を変化させることができるので、例えば、フランジ部材をゴム等の弾性体で成形し、軸方向に圧縮、開放させる軸方向の圧縮力調整機構を設けることよって、必要に応じてフランジ部材を圧縮して、凸部と筐体との圧接力を強めることができ、減衰力を容易に調整可能なダンパ機構とすることができる。
上記構成を自転車等のリアサスペンションダンパとして用いる場合には、リアスイングアームと車体の回転軸部に組み付けることで、軽量でありながら後輪の上下動作(回転軸部において回転動作)時の減衰性を任意に変化させることができるリアサスペンション機構とすることができる。
また、本発明のロータリー式ダンパ装置は、軽量、構成の単純さから小型に形成できるので、特に扉、蓋等の開閉部材の回転機構のダンパに適する。特に、少なくとも凸部を自己潤滑性ゴム(エラストマー)で形成した場合には、グリースを使用する必要がないので、OA機器や医療機器等に好適である。
第1図は、本発明の第一の実施の形態にかかる直動式ダンパ装置の構成例を模式的に示す断面図であり、第2図は、第1図のダンパ装置に用いるフランジ部材を示し、(a)はその断面図であり、(b)はその平面図であり、第3図は、第1図のダンパ装置の動作状態を説明するための図であって、(a)は静止時、(b)はA方向動作時、(c)はB方向動作時におけるフランジ部材の周縁面と筺体内壁面との当接状態を示し、第4図は、本発明の直動式ダンパ装置に用いるフランジ部材の好ましい各種変形例の模式的断面図であって、(a)は異なる傾斜角度のテーパーが付いたテーパー部分を有するフランジ部材を示し、(b)は所定の曲率を持つテーパーが付いたテーパー部分を有するフランジ部材を示し、(c)はテーパー部分にノッチを有するフランジ部材を示し、(d)は一体型のフランジ部材を示し、(e)は複数のフランジ部材のそれぞれの間にワッシャが取り付けられた状態のフランジ部材を示し、(f)はスリーブを介してピストンロッドに取り付けられた状態のフランジ部材を示し、(g)はテーパー部分にスリットが設けられたフランジ部材を示し、第5図は、本発明の直動式ダンパ装置において、振動速度を一定にして測定した荷重−変位特性を示す荷重曲線であり、第6図は、本発明の直動式ダンパ装置において、振動周波数を変えて測定した荷重−変位特性を示す荷重曲線であり、第7図は、本発明の第二の実施の形態にかかるロータリー式ダンパ装置で用いるフランジ部材を説明するための模式的な斜視図であり、第8図は、本発明のロータリー式ダンパ装置の構成を模式的に示す図であり、(a)は筐体の内部を説明するための截頭側面図、(b)はそのA−A断面図であり、第9図は、本発明のロータリー式ダンパ装置の構成を模式的に示す図であり、(a)は筐体の内部を示すための截頭側面図、(b)はそのA−A断面図であり、第10図は、本発明のロータリー式ダンパ装置に用いるフランジ部材の各種形状を示す横断面図であり、(a)は段付きタイプのフランジ部材、(b)は一体型段付きタイプのフランジ部材、(c)は段付きでないタイプのフランジ部材、(d)は凸部の先端部分にさらに軸方向テーパーを設けた段付きタイプのフランジ部材の横断面図であり、第11図は、本発明のロータリー式ダンパ装置に用いるフランジ部材の凸部の各種変形例を示す模式図であり、(a)は異なる傾斜角度が付いたテーパー部分を有する凸部、(b)は所定の曲率を持つたテーパー部分を有する凸部、(c)はテーパー部分にノッチを有する凸部、(d)は一体型の凸部、(e)は複数の凸部のそれぞれの間にワッシャが取り付けられた状態の凸部、(f)はスリーブを介して軸体に取り付けられた状態の凸部、(g)はテーパー部分にスリットが設けられた凸部の模式図であり、第12図は、本発明のロータリー式ダンパ装置の試験用サンプルを示す図であり、(a)は筐体の内部を説明するための截頭側面図、(b)はそのA−A断面図であり、そして第13図は、第12図の試験用サンプルを用い、周波数を変えて測定したねじりトルク−ねじり振幅特性曲線を示すグラフである。
以下、本発明の第一の一実施の形態に係わる直動式ダンパ装置の例について図面を参照して説明する。
第1図に、本発明の直動式ダンパ装置の模式的断面図を示し、第2図に、このダンパ装置に用いるフランジ部材の断面図を示し、また、第3図に、このダンパ装置の動作を説明するための状態図を示す。
第1図に示すように、このダンパ装置は、直動式ダンパ装置101において、円筒形の筺体102と、筺体内で往復動作するピストンロッド103と、ディスク状の制動用部材であるフランジ部材104とを備えてなる。このフランジ部材は、自由状態においては、組み付けられる筺体の内周径よりも僅かに大きい外径を有する。そして、このフランジ部材の中心から離れた部分の相対応する両側の面に、周縁に向かって、一方向にテーパーが付いている。フランジ部材104の周縁側面と筺体の内壁面とは、若干圧接されて係合するようになっている。図中の符号105は、フランジ部材104のテーパー部分である。
筺体102において、軸線方向の一端は閉端106であり、他端は開放端107である。この開放端107は、フルオロカーボン樹脂等の公知の硬質プラスチックからなるワッシャ107aで密閉されている。また、閉端106の近傍にオリフィス108を設け、ピストンロッド103の移動によって閉端106側空間が圧縮される時、当該空間内の空気が筐体内から外部へ逃散できるように構成されている。さらに、閉端106の近傍に弁部材109を設け、これによりフランジ部材104による制動に加えて空気制動も行えるようにしてもよい。
なお、上記フランジ部材104と筺体106との摩擦摺動面には、グリースを塗布してもよい。このグリースとして、例えば、フッ素樹脂系グリースに二硫化モリブデンを混合したもの等を使用することができる。このグリースの使用により、フランジ部材104の摩耗を抑え、且つ適度に摩擦力を発揮できるように調整することができる。
フランジ部材104は、その傾斜面であるテーパー部分105を相互に重ねるようにして2枚以上がピストンロッド103に取り付けられ、ボルト110で締結され、固定されている。フランジ部材104の取付は、スリーブを介しても、介さなくてもよい。第1図中、符号111はピストンヘッドである。フランジ部材104の材質は、公知の合成ゴムや弾性プラスチック等のようなエラストマーであればよく、例えば、天然ゴムやアクリロニトリル−ブタジエンゴム等が採用できる。
また、ゴムとしては、例えば、使用時にベースゴムからブリードし、かつ潤滑性を付与する外部移行型内添潤滑剤(以下、ブリード性潤滑剤という)をベースゴムに配合してなる自己潤滑性ゴムを使用することができる。
第1図のダンパ装置で用いたフランジ部材104は、第2図(a)及び(b)に示すように、一方向に傾斜したテーパー部分105を有するものであれば、その形状に特に制限はない。フランジ部材の各種変形例については後述する。
上記ダンパ装置が動作する際、筺体の内壁面とフランジ部材の周縁側面との係合(当接)状態は、第3図(a)〜(c)に示すような関係にある。
第3図(a)に示すように、静止時には、筐体301の内壁面とフランジ部材302の端面である周縁側面303aとは若干圧接されるように係合している。そのため、ダンパ装置の組立時において、筺体301の内壁面とフランジ部材302の周縁側面とが若干圧接される状態となるように、テーパー部分303を有するフランジ部材は、筺体内周径に対して、若干大径になっている。この図において、符号304はピストンロッドを示す。
静止時から動作する場合、第3図(b)に示すようなA方向動作時(収縮時)には、テーパー部分を有するフランジ部材302の周縁側面303aと筺体301の内壁面とが、フランジ部材周縁側面の筺体内壁面に対する摩擦力で係止し、動作が係止される。ピストンロッド304の移動によって、フランジ部材の周縁側面303aは、テーパー部分以外のフランジ部材本体の位置と同程度の位置まで上昇する。この周縁側面303aの上昇に従い、フランジ部材302の径方向への反発力が生じるようになり、フランジ部材周縁側面をさらに筺体301の内壁面に押しつけることになるので、より強い摩擦力が生じ、ひいては減衰を効率的に行うことができるようになる。
また、第3図(c)に示すようなB方向動作時(伸長時)には、テーパー部分303を有するフランジ部材302はそのテーパー方向に容易に撓むので、圧接力はほとんど生じず、摩擦、ひいては減衰がほとんど生じない。
本発明の直動式ダンパ装置は、上記したように、好ましくはフランジ部材の中心から離れた部分を一方向の傾斜形状に形成することによって、また、その形状に起因する剛性の差異によって、ピストンロッドの往動と復動とで減衰力を変更するものであり、上記公表公報(特表平11−5112269)とは、減衰力の発現機構が異なる。この従来技術では、支持板を必要とすると共に、静止時の圧接力が最も高いのに対し、本発明では、このような支持板を用いることなく、ピストンロッドの一方への動作時の方が他方への動作時よりも極めて圧接力が高くなる。なお、圧接力が高ければ、当然に摩擦が大きくなり、減衰効果も大きくなる。上記したように、収縮方向と伸長方向とで制動力が大きく異なる本発明のダンパ装置は、種々の分野で各種用途に用いることができる。また、上記フランジ部材302のように、相対応する面を同じ傾斜のテーパーを有するものとすれば、多数重ねた場合でも軸長を短くすることができるので、コンパクトなダンパ装置とすることができるので、さらに多様な用途に用いることができる。
本発明の直動式ダンパ装置では、テーパー部分を有するフランジ部材を、ピストンロッドに嵌め込んだスリーブを介して取り付けてもよいし、スリーブを介さずにピストンロッドに直接嵌め込んで取り付けてもよい。スリーブを使用しないものについては、フランジ部材を軸方向加圧状態で締結すれば、弾性体の変形により拡径するので、筺体の内壁面への圧接力が上昇し、摩擦力、ひいては減衰力を変更することが可能となる。また、リモート機構をつけることによって、組み付け後も外部より調節することが可能である。このリモート機構の一例として、外部よりフランジ部材を軸方向に圧縮する機構がある。この機構を設けることによって、外筒部材との圧接力、すなわち減衰力を調節することができる。
本発明の直動式ダンパ装置に用いることができるフランジ部材の形状は、上記したように、テーパーが付いたフランジ部材であれば特に制限はなく、そのフランジ部材の好ましい各種変形例の断面図を第4図(a)〜(g)に示す。これらの図において、符号401は筺体、402はフランジ部材のテーパー部分、403は板、404はスリーブを示す。
第4図(a)は、フランジ部材の相対応する両側の面に付いたテーパーが、第2図に示すような同じ傾斜角度を有する場合と異なり、各面のテーパーの角度が異なるテーパー部分402を有するフランジ部材を示し、第4図(b)は、各面に所定の曲率を持つテーパーの付いたテーパー部分402を有するフランジ部材を示し、第4図(c)は、フランジ部材の先端の相対応する両側の面にテーパーが付いていると共に、そのテーパー部分402に少なくとも一つのノッチ(切欠き)を有するフランジ部材を示し、第4図(d)は、一体型のフランジ部材を示し、第4図(e)は、フランジ部材の相対応する両側の面にテーパーが付いた第2図に示すフランジ部材の複数枚が間隔を置いた状態で取り付けられ、それぞれのフランジ部材の間のテーパー部分402以外の位置に硬質プラスチック等からなる板403がワッシャとして挿入され、好ましくはしっかりと固定された状態のものを示し、第4図(f)は、スリーブ404を介してピストンロッドに取り付けられた状態のフランジ部材を示し、第4図(g)は、フランジ部材の相対応する両側の面にテーパーが付いたフランジ部材であって、そのテーパー部分402に所定の形状のスリット(切込み)が設けられたものを示す。第4図(e)に示すようにワッシャを用いる場合、ワッシャの外径は摺動方向に応じてフランジの変形を規制しないような寸法とすることが必要である。また、上記の第4図(c)のノッチや第4図(g)のスリットは、摺動面ついてグリースを使用する場合には、グリース溜まりとして機能させることもできる。
なお、上記フランジ部材の周縁側面は、筺体401の内壁面と係合する。
本発明の直動式ダンパ装置は、上記したように、一方の収縮方向に対して他方の伸長方向よりも大きい減衰性を生じるように構成されている。この減衰性は、フランジ部材の数や厚さや材質、フランジ部材のテーパー部分のテーパー度や形状、また、フランジ部材のテーパー部分とそれ以外の部分との割合等により任意に変化する。従って、これらのパラメータを、ダンパ装置を適用する産業機器の種類に合わせて適宜選択・設計することにより、所望のダンパ装置を提供することができる。
次いで、以下のように、本発明の直動式ダンパ装置の試験用サンプルを作製し、この試験用サンプルを万能振動試験機にセットし、一定の振動速度で往復動させたときの荷重−変位特性を測定した。
天然ゴム材を用い、外径26.3mm、厚さ3mm、テーパー起点が中心から10mm、テーパー角度35°のテーパー付きディスク形状に加硫成型し、ゴム硬度A65/S(JIS K6253 A型デュロメーター)を有するフランジ部材を作製した。このフランジ部材3枚について、外径20mm、厚さ0.8mmのワッシャを交互に積層し、ピストンロッド先端部にナットにてセットした後、フッ素樹脂系グリースに二硫化モリブデンを混合したグリースを上記フランジ部材の摺動部位に塗布し、内径25.8mmの筒状筺体に嵌挿して組み立てて、これを試験用サンプルとした。この試験用サンプルを万能振動試験機にセットし、室温にて、2Hz±20mmで往復動させ、このときの荷重−変位特性を測定した。その結果を第5図に示す。
第5図から明らかなように、本発明の直動式ダンパ装置は、A方向摺動(減衰大の方向)に比して、B方向摺動(減衰小の方向)が約5倍の減衰力の差を示している。
上記試験用サンプルではワッシャを積層しているが、ワッシャの外径がフランジ部材の外径よりも小さいので、摺動方向に応じてフランジ部材の変形を規制するようには働いておらず、明確な方向性による減衰力差が生じていることが分かる。
次に、上記試験用サンプルに対して、フランジ部材の枚数を13枚として同様にワッシャを交互に積層し、さらにピストンロッド先端部と筒状筐体の底部間に、ばね常数6.6N/mm(0.67kgf/mm)のコイルスプリングを内挿した試験用サンプルを製作し、この試験用サンプルを万能振動試験機にセットして、振動周波数を0.1Hz、0.2Hz、1Hz、2Hz、4Hzと変えて、それぞれの荷重−変位特性を測定し、その結果を第6図に示す。
第6図から明らかなように、本発明の直動式ダンパ装置は、A方向摺動に関しては振動速度に応じて荷重が高くなり、速度依存性があることがわかる。これに対して、B方向摺動に関しては、ほとんど差異がみられない。
従って、往復動で明らかな減衰特性の差異を有するとともに、速い荷重(衝撃的な荷重)に関しては、強い減衰力を生じせしめ、ゆっくりした荷重に関しては、小さい減衰力を生じるという特性を有することがわかる。
上記特性は、サスペンション等のダンパ装置として好ましい特性である。
次に、本発明の第二の実施の形態に係わるロータリー式ダンパ装置の例について図面を参照して詳細に説明する。
第7図は、本発明のロータリー式ダンパ装置において用いるディスク状の制動用フランジ部材の模式的な斜視図であり、第8及び9図は、それぞれ、本発明に係わるロータリー式ダンパ装置の構成を説明するための模式的な截頭側面図(第8図(a)、第9図(a))及びそのA−A断面図(第8図(b)、第9図(b))であり、第10図は、本発明のロータリー式ダンパ装置に用いるフランジ部材の各種形状を示す横断面図であり、第11図は、本発明のロータリー式ダンパ装置に用いるフランジ部材の凸部の各種形状例を筐体内壁面と当接した状態で示す模式図である。
第7図に示すように、フランジ部材501は、その軸心に配された係合部502を有する係合部材503からなる。この係合部材の外周面に凸部504を備えており、この凸部は、回転軸の放射方向に対して、傾斜して形成されている。
第7図において、フランジ部材501は、係合部材と凸部との両部材がゴム、エラストマー等の弾性体からなる同種素材によって一体に形成された例である。係合部材と凸部とは、同種素材で一体に形成されたものであっても、異種素材で一体に形成されたものであってもよい。また、係合部材と凸部とを別々に形成し、固着したものであってもよい。この係合部材は、金属、プラスチック、ゴム、エラストマー等から作製され、凸部は、ゴム、エラストマー等の弾性体から作製されたものであればよい。このゴムには、例えば、使用時にベースゴムからブリードし、かつ潤滑性を付与するブリード性潤滑剤をベースゴムに配合してなる自己潤滑性ゴムが含まれる。
ここで、本発明のダンパ装置に使用可能な自己潤滑性ゴムについて説明する。
自己潤滑性ゴムにおけるベースゴムとしては、防振性に優れるゴム(例えば、天然ゴム等)、耐摩粍性に優れるゴム(例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等)、又はこれらのブレンドゴムが好ましいが、特に制限されるものではない。例えば、天然ゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン3元重合体ゴム、各種フッ素ゴム、アクリルゴム等が挙げられるが、用途(仕様)及び後述するブリード性潤滑剤との相性によって適宜選択、ブレンドされる。そして、ブリード性潤滑剤としては、ベースゴムに自己潤滑機能を供し、使用上の機能を奏するものであれば、特に制限はなく、シリコーンオイルや変成シリコーンオイル等の各種オイル類、パラフィンワックス等のワックス類、また、脂肪酸や脂肪酸塩、脂肪族アミド等の脂肪酸類が挙げられる。上記説明では、ゴムを例にとったが、ゴムに限定されるものではなく、機能を満たす範囲で適当なエラストマーをベースとすることもできる。
この自己潤滑性ゴムの具体的な一例としては、ベースゴム100重量部に対して、ブリード性潤滑剤1.5重量部から10重量部程度までとするのが好ましい。配合量が1.5重量部未満であると使用時に十分なブリード量が得られない傾向にあり、10重量部を超えるとブリード量が過大となりやすく、また、加工性が著しく低下する傾向にある。ブリード量があまりに過大であると、必要なトルクが得づらい上、早期にブリード性潤滑剤が枯渇し易いので、用途により適当な配合量を選択する必要がある。
また、上記ベースゴムは、例えば、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤、加工助剤、補強剤、軟化剤、老化防止剤、粘着付与剤等を適宜配合して、調製される。加硫剤としては、例えば、硫黄、有機過酸化物、オキシム、アルキルフェノール樹脂、ジスルフィド、金属酸化物、ポリアミン類等が、適宜、ゴム種に応じて使用される。加硫剤に組み合わせる加硫促進剤としては、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、ジチオカルバミン酸塩類、キサントゲン酸塩類、チオウレア等の中から、通常、1種又は2種以上選択して使用される。加硫助剤としては、通常、酸化亜鉛が使用される。加工助剤としては、ステアリン酸等の脂肪酸や脂肪酸誘導体類が使用される。また、補強剤としては、通常、カーボンブラック、シリカ等が好適に使用される。軟化剤としては、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系等のプロセスオイルが使用可能である。老化防止剤、粘着付与剤等としては、公知のものが使用可能である。
本発明に使用する自己潤滑性ダンパゴムでは、上記ブリード性潤滑剤として、脂肪族アミド、例えば、ステアロアミド、パルミチルアミド、オレイルアミド、エルシルアミド、ラウリルアミド等から選ばれた少なくとも1種を用いることが好ましい。このように、ブリード性潤滑剤を、脂肪族アミドとすることにより、安定的にブリードが得られるので、長期に亘って、自己潤滑性を維持することができる。
第8図(a)及び(b)に示すように、本発明のロータリー式ダンパ装置601は、円筒形の筐体602と、この筐体内に回転可能に配置された軸体603と、この軸体に取り付けられたディスク状の制動用部材であるフランジ部材604とを備えている。この図において、フランジ部材は、スリーブ605に固着された状態で軸体に取り付けられているが、スリーブを介さずに軸体に取り付けられてもよい。スリーブを介する場合、このスリーブの内径形状の凹凸と軸体の凹凸(図示していない)とが嵌合して、軸体とフランジ部材(スリーブ)が一緒に回転できるようにする。ただし、スリーブ、軸体を分解可能なように構成したい場合には、隙間嵌め(バメ)となる寸法で嵌合することが好ましい。
このスリーブ605は、例えば、その外周囲に加硫接着されたゴムからなるフランジ部材604を有し、軸体603に嵌合固定されるフランジ部材の基材部品である。スリーブは円盤形状であり、中心に軸体と嵌合固定する嵌合部が設けられているが、その内径形状は、特に制限はなく、スリーブと軸体とが嵌合して軸体とフランジ部材とが一緒に回転できるように構成されていればよい。例えば、好ましくは、キー溝付き形状、歯車形状、二面幅、多角形状(例えば、四角形状、五角形状、六角形状等)、スプライン等の形状であればよい。この場合、軸体の外周面形状は、このスリーブの内径形状に適合するように構成する。なお、この嵌合は、スリーブ、軸体を分解する必要がない場合は、締まりバメ等でもよい。
上記したように、スリーブ605は必ずしも必要ではなく、負荷次第ではフランジ部材604もスリーブも弾性体で作製されてもよい。
軸体603にスリーブ605を取り付ける方法は、凹凸による嵌合であるが、スリーブとフランジ部材604との固着は、通常、上記したように、金属製等のスリーブの外周面にゴムを加硫成形する、すなわちフランジ部材の形成と同時に固着するように行われる。この固着方法は、フランジ部材とスリーブを固着できる方法であれば、特に制限はない。例えば、フランジ部材を熱可塑性エラストマーで作製する場合、引っかかり部を設けたスリーブ外周面に射出成形することにより、フランジ部材の形成と同時にスリーブと固着されてもよい。この場合、接着剤は不要である。
フランジ部材604は、自由状態においては、組み付けられる筐体602の内径よりも僅かに大きい外径を有する。このフランジ部材の外周面に設けられた凸部604aの先端外周面604bと筐体の内壁面とが当接するように構成され、また、筐体の内壁面に当接する凸部は、軸体603の放射方向に対して、所定の角度で傾斜して形成されている。フランジ部材は、少なくとも凸部が弾性体から構成されている。
上記したように、筐体602の内壁面に当接する凸部(例えば、ゴム製の羽部)604aは、軸体603の放射方向に対して、傾斜して形成されているため、軸体の回転に伴って回転するフランジ部材604に対して、凸部の放射方向(傾斜方向)と反対の方向に筐体が相対回転する時には、凸部の先端外周面604bと筐体内壁面との間に生じる回転抵抗(摩擦力)により、凸部が筐体内壁面に抗して突っ張るので、フランジ部材と筐体との間に回転減衰が生じる。この場合、凸部には、圧接する筐体内壁面から凸部の圧縮方向に力が加わるため、凸部と筐体内壁面との間に以下述べるようなグリースが介在しても、適度な摩擦力を得ることができ、グリースの存在によって摩耗が抑えられる。
一方、軸体603の回転に伴って回転するフランジ部材604に対して、凸部604aの放射方向と同じ方向に筐体602が相対回転する時には、凸部の先端外周面604bが筐体内壁面に抗することなく、むしろ凸部が回転に応じて倒れるので、この先端外周面と筐体内壁面との間に回転抵抗が生じづらく、フランジ部材と筐体との間に回転減衰はほとんど生じない。
従って、本発明のロータリー式ダンパ装置は、回転方向に応じて、任意に回転減衰力に差違を持たせることができ、その用途も広がる。
筐体602は、その中にフランジ部材604(軸体603)が回転可能に配置されうるようになっていればよく、軸線方向の両端が解放端であっても、一端が閉端であっても、また両端が閉端であってもよい。閉端の場合、軸体は、筐体の側壁に、例えばフルオロカーボン樹脂等の公知の硬質プラスチックからなるワッシャ等を用いて取り付けられ、筐体内は密封される。ただし、本発明に係るロータリー式ダンパ装置は、液封タイプ等に比べ、簡易的な密閉で充分であり、大きなごみ、ほこり、水等が侵入しない程度のものでよい。
凸部604aの先端外周面604bと筐体602の内壁面との摩擦摺動面には、グリースを塗布してもよい。グリースとしては、凸部の材質、想定される耐久限度、負荷等によって適宜適当なグリースを採用すればよい。このグリースの使用により、フランジ部材、特に凸部の摩粍を抑え、かつ適度に摩擦力を発揮できるように調整することができるので、耐久性もより向上する。
スリーブ605に固着されたフランジ部材604は、第8図に示すように、例えば、凸部の傾斜部分604cの方向を揃えて、3枚重ね、上記したスリーブの内径形状に適合する外周面を有する軸体603を挿通して取り付けられ、ボルト等で締結され、軸体に固着されている。本実施の形態では、説明のため、3枚のフランジ部材を重ねた例について示すが、その枚数には特に制限はなく、所望に応じて、1枚とすることもできるし、2枚以上の多数枚とすることもできる。
上記したように、第8図の場合も、フランジ部材604の取り付けは、スリーブ605を介しても、介さなくてもよく、フランジ部材、少なくとも凸部604aの材質は、公知の合成ゴムや弾性プラスチック等のようなエラストマーであればよく、もちろん天然ゴムであってもよい。
上記フランジ部材604は、第7図に示すように、例えば、その外周面に、回転軸の放射方向に対して、傾斜して形成された突起(凸部)を一体形成して設けたものであってもよいが、所期の目的を達成できるものであれば、その凸部の形状・形成方法には特に制限はない。凸部を有するフランジ部材の各種変形例については後述する。
また、第9図(a)及び(b)に示すように、本発明のロータリー式ダンパ装置701においては、その構成要素である筐体702、軸体703、スリーブ705等は第8図の場合と同じであるが、ディスク状の制動用フランジ部材704の形状が異なるものである。このフランジ部材の凸部604aの先端外周面704bは、筐体の内壁面に当接されるように構成されていると共に、その凸部(例えば、ゴム製の羽部)の先端部分に、軸方向に傾斜するテーパー部704cを設けたものである。この場合、直動方向(第9図(a)における左右方向)の違いで減衰差を作ることができる。
また、図示していないが、本発明のさらに別の実施の形態に係わるロータリー式ダンパ装置として、軸体に圧縮力調整機構を具備させ、筐体内に設けられた制動用フランジ部材に軸方向圧縮力をかけるように構成されたダンパ装置がある。この場合、フランジ部材に対して軸方向に圧縮力をかけて締め付けることができるので、フランジ部材を周方向に変形させて、ダンパ装置の組み付け後も減衰力を調整することが可能となる。このフランジ部材としては、フランジ部材全部がゴム製のものが適している。
例えば、予め、軸方向圧縮機構(例えば、ねじ等)を設定し、装置の停止中にこの機構を適宜調整するものがある。この場合、単純には、軸体にねじ等の締め込み機構を設け、筐体には固定されない。また、この軸方向圧縮機構(例えば、ねじ等)を筐体に設定し、筐体との差動角度が大きくなったときに、締め込まれるように設定することで、角度依存で減衰力が変化するものもある。この場合、例えば、筐体側に螺子部を設け、可動軸体に累合する螺子を切っておく。
本発明に係るロータリー式ダンパ装置が動作する際、筐体の内壁面とフランジ部材の凸部の先端外周面との係合状態について考察すれば、以下の通りである。
上記ロータリー式ダンパ装置601、701は、静止時に、筐体602、702の内壁面とフランジ部材604、704の凸部604a、704aの先端外周面604b、704bとが若干圧接されて係合する状態となるように組み立てるので、傾斜した凸部を有するフランジ部材の外径は、筐体の内径に対して、若干大きくなっている。
第8及び9図に示すロータリー式ダンパ装置601、701において、傾斜形成された凸部604a、704aの放射方向と反対の方向に筐体602、702が相対回転する時には、凸部の先端外周面604b、704bと筐体内壁面との間の回転抵抗により凸部が筐体内壁面に抗して突っ張り、凸部の径方向への反発力が生じるようになり、凸部の先端外周面をさらに筐体の内壁面へと押しつけることになるので、より強い回転抵抗が生じて、フランジ部材と筐体との間に回転減衰が生じる。一方、傾斜形成された凸部の放射方向と同じ方向に筐体が相対回転する時には、凸部の先端外周面が筐体内壁面に抗することなく、むしろ凸部が回転に応じて撓み、回転方向に倒れるので、回転抵抗が生じづらく、フランジ部材と筐体との間に回転減衰はほとんど生じない。
回転方向により制動力が大きく異なる本発明のロータリー式ダンパ装置は、上記したように、種々の分野で各種用途に用いることができる。また、上記フランジ部材のように、相対応する面が同じ傾斜のテーパーを有すれば、多数枚重ねて用いた場合でも軸長を短くすることができ、コンパクトなダンパ装置とすることができるので、さらに多様な用途に用いることができる。
本発明のロータリー式ダンパ装置では、上記したように、凸部を有するフランジ部材を、スリーブを介して軸体に取り付けてもよいし、また、スリーブを介さずに軸体に直接取り付けてもよい。スリーブを使用しないものについては、フランジ部材を軸方向加圧状態で締結すれば、弾性体等の変形により拡径し、筐体の内壁面への圧接力が上昇するので、摩擦力、ひいては回転減衰力を変更することが可能となる。また、フランジ部材と軸体との取り付け手段には、フランジ部材をゴムのみから構成した場合には、軸体に直接加硫接着する手段も含まれる。さらに、リモート機構をつけることによって、組み付け後も外部より調節することが可能である。このリモート機構の一例には、上記したような外部よりフランジ部材を軸方向に圧縮する機構がある。この機構を設けることによって、外筒部材との圧接力、すなわち減衰力を調節することが可能である。
木発明のロータリー式ダンパ装置に用いることができるフランジ部材は、上記したように、傾斜形成された凸部を有するフランジ部材であれば特に制限はない。このフランジ部材の好ましい各種変形例を第10図(a)〜(d)に示す。
第10図(a)は、回転軸の放射方向に対して、傾斜形成された凸部804a(この先端外周面を804bで示す)を備えたディスク状の制動用フランジ部材804を示す。このフランジ部材は、スリーブ(係合部材)805を介して金属又は樹脂製等の軸体の周りに固着され、その凸部の厚さが凸部以外の部分の厚さより薄くなるように構成された段付きタイプのものである。この段付きタイプとは、複数のフランジ部材を軸体に取り付けた場合、軸方向の隣り合う各凸部(例えば、ゴム製羽部)の間に隙間が設けられるように構成されたものである。隙間を空けることによって、凸部が筐体に対して突っ張る時に圧縮される凸部の変形ボリュウムを吸収できるようになっている。凸部の回転軸方向に対する傾斜角、凸部の高さを適宜設定することによって、生じるトルクを調整することができる。また、スリーブの係合部805aの内径形状は、例えば、キー溝付き形状、歯車形状、六角形状等のような上記した形状を有しており、一方、軸体の外表面形状は、この係合部形状と嵌合できるような形状を有している。この場合、フランジ部材と軸体との間にスリーブを介しても、介さなくてもよい。
第10図(b)は、第10図(a)の場合と類似の外観形状を有するディスク状の制動用フランジ部材804を示す。このフランジ部材は、凸部804aの厚さが凸部以外の部分の厚さより薄くなるように一体に形成された段付きタイプのゴム製フランジ部材であること以外は、第10図(a)の場合と同じである。
第10図(c)は、ディスク状の制動用フランジ部材の別の変形例を示す。金属又は樹脂製等の軸体にスリーブ805を介して固着されているフランジ部材804のゴム製凸部804aの厚みを凸部以外の部分と同じにしたものである。フランジ部材の取り付けは、フランジ部材間にスペーサを介して行う。フランジ部材とスペーサとを交互に配置することで、隣接するフランジ部材間、すなわち凸部間に隙間を設けることができる。フランジ部材の形状は他のものと比べて簡単であるという利点がある。フランジ部材を全てゴム製としてもよい。その他の点については、第10図(a)の場合と同じである。
第10図(d)は、先端部分に軸方向テーパー部を設けた凸部804aを備えたフランジ部材804の例を示す。このフランジ部材は、金属又は樹脂製等の軸体にスリーブ805を介して固着された段付きフランジ部材である。このようなフランジ部材を用いると、特に、直動方向の違いに対しても減衰差を作ることができる。その他の点については、第10図(a)の場合と同じである。
凸部を有するフランジ部材の形状は、上記したものに制限される訳ではなく、その他の形状であっても、本発明の目的を達成できるものであれば使用できる。
また、複数のフランジ部材を組み合わせて用いる場合、同じ形状を有するものだけを組み合わせてもよいし、異なる形状のものを組み合わせてもよい。例えば、第8図に示すロータリー式ダンパ装置において、フランジ部材として、凸部の傾斜方向や傾斜角度の異なるものを組み合わせてもよい。例えば、傾斜方向の違う凸部を有するフランジ部材を組み合わせれば、軸体の回転に伴って回転するフランジ部材と筐体との間の相対回転に対して、正転/逆転方向で所望により個別に減衰力を調整することができる。これは、自転車等のサスペンションに用いたときに、伸び側、圧縮側で調整することができるので、好適である。
また、傾斜方向が部分的に反対方向である凸部を有するように構成したフランジ部材を用いてもよく、この場合、異なる傾斜方向の比率によって、回転方向減衰差が生じる。これは、正転方向、逆転方向とも所望の回転減衰が必要なときに有用である。
さらに、傾斜角度が大きい凸部を備えたフランジ部材を組み合わせれば、少ない枚数のフランジ部材で強い回転減衰力を得ることができる。この場合、コンパクトなダンパ装置となる。
上記したように、回転減衰力は、フランジ部材の使用枚数、凸部の傾斜方向や傾斜角度等によって調整でき、また、上記した圧縮力調整機構を備えれば、ダンパ機構を組み付けた後も減衰力を適宜調整することができる。
フランジ部材の凸部の形状はまた、第11図(a)〜(g)に示すようなものであってもよい。第11図では、凸部の先端外周面が、筐体の内壁面と当接している状態で示してある。この第11図(a)〜(g)は、第4図(a)〜(g)に対応している。
第11図(a)は、筐体901の内壁面に当接するフランジ部材の凸部902の相対応する両側の面に付いたテーパーの角度が異なるテーパー部分902aを有する凸部を示し、第11図(b)は、各面に所定の曲率を持つテーパーの付いたテーパー部分902aを有する凸部902を示し、第11図(c)は、フランジ部材の先端の相対応する両側の面にテーパーが付いていると共に、そのテーパー部分902aに少なくとも一つのノッチ(切欠き)を有する凸部902を示し、第11図(d)は、多数のテーパー部分902aを有する一体型の凸部902を示し、第11図(e)は、相対応する両側の面にテーパーが付いた凸部の複数枚が間隔を置いた状態で取り付けられ、それぞれの凸部の間のテーパー部分902a以外の位置に硬質プラスチック等からなる板903がワッシャとして挿入され、しっかりと固定された状態のものを示し、第11図(f)は、スリーブ904を介して軸体に取り付けられた状態の、テーパー部分902aを有する凸部902を示し、第11図(g)は、相対応する両側の面にテーパーが付いた凸部902であって、そのテーパー部分902aに所定の形状のスリット(切り込み)が設けられたものを示す。第11図(e)に示すようにワッシャを用いる場合、ワッシャの外径は摺動方向に応じて凸部の変形を規制しないような寸法とすることが必要である。また、上記の第11図(c)のノッチや第11図(g)のスリットは、摺動面についてグリースを使用する場合には、グリース溜まりとして機能させることもできる。
本発明のロータリー式ダンパ装置は、上記したように、軸体の回転に伴って回転するフランジ部材と筐体との間の相対回転において、両者の間に回転減衰が生じるように構成されている。この減衰性は、フランジ部材の数や厚さや材質、フランジ部材の凸部のテーパー角度や形状、また、フランジ部材の凸部とそれ以外の部分との割合等により任意に変化する。従って、これらのパラメータを、ダンパ装置を適用する産業機器の種類に合わせて適宜選択・設計することにより、所望のダンパ装置を提供することができる。
次に、第12図に示すロータリー式ダンパ装置の試験用サンプルを作製し、この試験用サンプルをねじり振動試験機にセットし、一定の振動周波数で回転動作させたときのねじりトルク−ねじり振幅動特性を測定した。第12図(a)はダンパ装置の内部を示す截頭側面図であり、第12図(b)はそのA−A断面図である。
第12図に示すように、天然ゴム材を用い、フランジ部材外径:26.6mm(自由長時)、フランジ部材厚さ:5mm(自由長時)、フランジ部材テーパー部(凸部)の厚さ3mm(自由長時)、テーパー始点位置(自由長時):回転中心軸10mm、テーパー角度(自由長時):30°のテーパー付きディスク形状に加硫成型し、ゴム硬度A65/S(JIS K6253 A型デュロメーター)を有するフランジ部材1を作製した。このフランジ部材を4枚、軸体2にセットし、軸体先端部をナット3にて締結した後、フッ素樹脂系グリースに二硫化モリブデンを混合したグリースを上記フランジ部材の摺動部位に塗布し、内径25.8mmの筒状筐体4に嵌挿して組み立て、これを試験用サンプルとした。この試験用サンプルをねじり試験機にセットし、ねじり振幅±40°、試験周波数0.05/0.10/0.20/0.50/1.00/1.50/2.00Hzと変えて回転動させ、それぞれのねじりトルク−ねじり振幅特性を測定した。その結果を第13図に示す。
第13図において、符号a、b、c、d、e、f、及びgは、それぞれ、試験周波数0.05Hz、0.10Hz、0.20Hz、0.50Hz、1.00Hz、1.50Hz、及び2.00Hzの場合に測定したトルク−ねじり振幅特性を示す。
第13図から明らかなように、本発明のロータリー式ダンパ装置は、ねじり振幅±40°のねじり回転往復動作時において、正回転(高トルク側回転:第12図のX方向回転)時には、角速度(試験周波数)に応じて、1.0〜3.2Nmの高いねじりトルクを生じるのに対して、逆回転(低トルク側回転:第12図のY方向回転)時には、角速度(試験周波数)に応じて多少の変化はあるものの、−0.5〜−1.0Nmのねじりトルクしか生じておらず、ねじりトルクが小さい上、その変化幅も小さいことがわかる。すなわち、正逆の高い回転トルク差を有しているのと同時に、正回転側だけに回転角速度依存性が認められる。
このような特性は、軸等の回転部分、特に回転角度が360°を越えず、しかも往復動作する産業用機器に利用するロータリー式ダンパ装置に好ましい特性である。もちろん、振動体の直線運動をリンク機構や例えばラックアンドピニオンギア等によって回転運動に変換した上で、回転機構のダンパ装置として用いることもできるし、360°以下の回転用途に限定するものではない。
第1図に、本発明の直動式ダンパ装置の模式的断面図を示し、第2図に、このダンパ装置に用いるフランジ部材の断面図を示し、また、第3図に、このダンパ装置の動作を説明するための状態図を示す。
第1図に示すように、このダンパ装置は、直動式ダンパ装置101において、円筒形の筺体102と、筺体内で往復動作するピストンロッド103と、ディスク状の制動用部材であるフランジ部材104とを備えてなる。このフランジ部材は、自由状態においては、組み付けられる筺体の内周径よりも僅かに大きい外径を有する。そして、このフランジ部材の中心から離れた部分の相対応する両側の面に、周縁に向かって、一方向にテーパーが付いている。フランジ部材104の周縁側面と筺体の内壁面とは、若干圧接されて係合するようになっている。図中の符号105は、フランジ部材104のテーパー部分である。
筺体102において、軸線方向の一端は閉端106であり、他端は開放端107である。この開放端107は、フルオロカーボン樹脂等の公知の硬質プラスチックからなるワッシャ107aで密閉されている。また、閉端106の近傍にオリフィス108を設け、ピストンロッド103の移動によって閉端106側空間が圧縮される時、当該空間内の空気が筐体内から外部へ逃散できるように構成されている。さらに、閉端106の近傍に弁部材109を設け、これによりフランジ部材104による制動に加えて空気制動も行えるようにしてもよい。
なお、上記フランジ部材104と筺体106との摩擦摺動面には、グリースを塗布してもよい。このグリースとして、例えば、フッ素樹脂系グリースに二硫化モリブデンを混合したもの等を使用することができる。このグリースの使用により、フランジ部材104の摩耗を抑え、且つ適度に摩擦力を発揮できるように調整することができる。
フランジ部材104は、その傾斜面であるテーパー部分105を相互に重ねるようにして2枚以上がピストンロッド103に取り付けられ、ボルト110で締結され、固定されている。フランジ部材104の取付は、スリーブを介しても、介さなくてもよい。第1図中、符号111はピストンヘッドである。フランジ部材104の材質は、公知の合成ゴムや弾性プラスチック等のようなエラストマーであればよく、例えば、天然ゴムやアクリロニトリル−ブタジエンゴム等が採用できる。
また、ゴムとしては、例えば、使用時にベースゴムからブリードし、かつ潤滑性を付与する外部移行型内添潤滑剤(以下、ブリード性潤滑剤という)をベースゴムに配合してなる自己潤滑性ゴムを使用することができる。
第1図のダンパ装置で用いたフランジ部材104は、第2図(a)及び(b)に示すように、一方向に傾斜したテーパー部分105を有するものであれば、その形状に特に制限はない。フランジ部材の各種変形例については後述する。
上記ダンパ装置が動作する際、筺体の内壁面とフランジ部材の周縁側面との係合(当接)状態は、第3図(a)〜(c)に示すような関係にある。
第3図(a)に示すように、静止時には、筐体301の内壁面とフランジ部材302の端面である周縁側面303aとは若干圧接されるように係合している。そのため、ダンパ装置の組立時において、筺体301の内壁面とフランジ部材302の周縁側面とが若干圧接される状態となるように、テーパー部分303を有するフランジ部材は、筺体内周径に対して、若干大径になっている。この図において、符号304はピストンロッドを示す。
静止時から動作する場合、第3図(b)に示すようなA方向動作時(収縮時)には、テーパー部分を有するフランジ部材302の周縁側面303aと筺体301の内壁面とが、フランジ部材周縁側面の筺体内壁面に対する摩擦力で係止し、動作が係止される。ピストンロッド304の移動によって、フランジ部材の周縁側面303aは、テーパー部分以外のフランジ部材本体の位置と同程度の位置まで上昇する。この周縁側面303aの上昇に従い、フランジ部材302の径方向への反発力が生じるようになり、フランジ部材周縁側面をさらに筺体301の内壁面に押しつけることになるので、より強い摩擦力が生じ、ひいては減衰を効率的に行うことができるようになる。
また、第3図(c)に示すようなB方向動作時(伸長時)には、テーパー部分303を有するフランジ部材302はそのテーパー方向に容易に撓むので、圧接力はほとんど生じず、摩擦、ひいては減衰がほとんど生じない。
本発明の直動式ダンパ装置は、上記したように、好ましくはフランジ部材の中心から離れた部分を一方向の傾斜形状に形成することによって、また、その形状に起因する剛性の差異によって、ピストンロッドの往動と復動とで減衰力を変更するものであり、上記公表公報(特表平11−5112269)とは、減衰力の発現機構が異なる。この従来技術では、支持板を必要とすると共に、静止時の圧接力が最も高いのに対し、本発明では、このような支持板を用いることなく、ピストンロッドの一方への動作時の方が他方への動作時よりも極めて圧接力が高くなる。なお、圧接力が高ければ、当然に摩擦が大きくなり、減衰効果も大きくなる。上記したように、収縮方向と伸長方向とで制動力が大きく異なる本発明のダンパ装置は、種々の分野で各種用途に用いることができる。また、上記フランジ部材302のように、相対応する面を同じ傾斜のテーパーを有するものとすれば、多数重ねた場合でも軸長を短くすることができるので、コンパクトなダンパ装置とすることができるので、さらに多様な用途に用いることができる。
本発明の直動式ダンパ装置では、テーパー部分を有するフランジ部材を、ピストンロッドに嵌め込んだスリーブを介して取り付けてもよいし、スリーブを介さずにピストンロッドに直接嵌め込んで取り付けてもよい。スリーブを使用しないものについては、フランジ部材を軸方向加圧状態で締結すれば、弾性体の変形により拡径するので、筺体の内壁面への圧接力が上昇し、摩擦力、ひいては減衰力を変更することが可能となる。また、リモート機構をつけることによって、組み付け後も外部より調節することが可能である。このリモート機構の一例として、外部よりフランジ部材を軸方向に圧縮する機構がある。この機構を設けることによって、外筒部材との圧接力、すなわち減衰力を調節することができる。
本発明の直動式ダンパ装置に用いることができるフランジ部材の形状は、上記したように、テーパーが付いたフランジ部材であれば特に制限はなく、そのフランジ部材の好ましい各種変形例の断面図を第4図(a)〜(g)に示す。これらの図において、符号401は筺体、402はフランジ部材のテーパー部分、403は板、404はスリーブを示す。
第4図(a)は、フランジ部材の相対応する両側の面に付いたテーパーが、第2図に示すような同じ傾斜角度を有する場合と異なり、各面のテーパーの角度が異なるテーパー部分402を有するフランジ部材を示し、第4図(b)は、各面に所定の曲率を持つテーパーの付いたテーパー部分402を有するフランジ部材を示し、第4図(c)は、フランジ部材の先端の相対応する両側の面にテーパーが付いていると共に、そのテーパー部分402に少なくとも一つのノッチ(切欠き)を有するフランジ部材を示し、第4図(d)は、一体型のフランジ部材を示し、第4図(e)は、フランジ部材の相対応する両側の面にテーパーが付いた第2図に示すフランジ部材の複数枚が間隔を置いた状態で取り付けられ、それぞれのフランジ部材の間のテーパー部分402以外の位置に硬質プラスチック等からなる板403がワッシャとして挿入され、好ましくはしっかりと固定された状態のものを示し、第4図(f)は、スリーブ404を介してピストンロッドに取り付けられた状態のフランジ部材を示し、第4図(g)は、フランジ部材の相対応する両側の面にテーパーが付いたフランジ部材であって、そのテーパー部分402に所定の形状のスリット(切込み)が設けられたものを示す。第4図(e)に示すようにワッシャを用いる場合、ワッシャの外径は摺動方向に応じてフランジの変形を規制しないような寸法とすることが必要である。また、上記の第4図(c)のノッチや第4図(g)のスリットは、摺動面ついてグリースを使用する場合には、グリース溜まりとして機能させることもできる。
なお、上記フランジ部材の周縁側面は、筺体401の内壁面と係合する。
本発明の直動式ダンパ装置は、上記したように、一方の収縮方向に対して他方の伸長方向よりも大きい減衰性を生じるように構成されている。この減衰性は、フランジ部材の数や厚さや材質、フランジ部材のテーパー部分のテーパー度や形状、また、フランジ部材のテーパー部分とそれ以外の部分との割合等により任意に変化する。従って、これらのパラメータを、ダンパ装置を適用する産業機器の種類に合わせて適宜選択・設計することにより、所望のダンパ装置を提供することができる。
次いで、以下のように、本発明の直動式ダンパ装置の試験用サンプルを作製し、この試験用サンプルを万能振動試験機にセットし、一定の振動速度で往復動させたときの荷重−変位特性を測定した。
天然ゴム材を用い、外径26.3mm、厚さ3mm、テーパー起点が中心から10mm、テーパー角度35°のテーパー付きディスク形状に加硫成型し、ゴム硬度A65/S(JIS K6253 A型デュロメーター)を有するフランジ部材を作製した。このフランジ部材3枚について、外径20mm、厚さ0.8mmのワッシャを交互に積層し、ピストンロッド先端部にナットにてセットした後、フッ素樹脂系グリースに二硫化モリブデンを混合したグリースを上記フランジ部材の摺動部位に塗布し、内径25.8mmの筒状筺体に嵌挿して組み立てて、これを試験用サンプルとした。この試験用サンプルを万能振動試験機にセットし、室温にて、2Hz±20mmで往復動させ、このときの荷重−変位特性を測定した。その結果を第5図に示す。
第5図から明らかなように、本発明の直動式ダンパ装置は、A方向摺動(減衰大の方向)に比して、B方向摺動(減衰小の方向)が約5倍の減衰力の差を示している。
上記試験用サンプルではワッシャを積層しているが、ワッシャの外径がフランジ部材の外径よりも小さいので、摺動方向に応じてフランジ部材の変形を規制するようには働いておらず、明確な方向性による減衰力差が生じていることが分かる。
次に、上記試験用サンプルに対して、フランジ部材の枚数を13枚として同様にワッシャを交互に積層し、さらにピストンロッド先端部と筒状筐体の底部間に、ばね常数6.6N/mm(0.67kgf/mm)のコイルスプリングを内挿した試験用サンプルを製作し、この試験用サンプルを万能振動試験機にセットして、振動周波数を0.1Hz、0.2Hz、1Hz、2Hz、4Hzと変えて、それぞれの荷重−変位特性を測定し、その結果を第6図に示す。
第6図から明らかなように、本発明の直動式ダンパ装置は、A方向摺動に関しては振動速度に応じて荷重が高くなり、速度依存性があることがわかる。これに対して、B方向摺動に関しては、ほとんど差異がみられない。
従って、往復動で明らかな減衰特性の差異を有するとともに、速い荷重(衝撃的な荷重)に関しては、強い減衰力を生じせしめ、ゆっくりした荷重に関しては、小さい減衰力を生じるという特性を有することがわかる。
上記特性は、サスペンション等のダンパ装置として好ましい特性である。
次に、本発明の第二の実施の形態に係わるロータリー式ダンパ装置の例について図面を参照して詳細に説明する。
第7図は、本発明のロータリー式ダンパ装置において用いるディスク状の制動用フランジ部材の模式的な斜視図であり、第8及び9図は、それぞれ、本発明に係わるロータリー式ダンパ装置の構成を説明するための模式的な截頭側面図(第8図(a)、第9図(a))及びそのA−A断面図(第8図(b)、第9図(b))であり、第10図は、本発明のロータリー式ダンパ装置に用いるフランジ部材の各種形状を示す横断面図であり、第11図は、本発明のロータリー式ダンパ装置に用いるフランジ部材の凸部の各種形状例を筐体内壁面と当接した状態で示す模式図である。
第7図に示すように、フランジ部材501は、その軸心に配された係合部502を有する係合部材503からなる。この係合部材の外周面に凸部504を備えており、この凸部は、回転軸の放射方向に対して、傾斜して形成されている。
第7図において、フランジ部材501は、係合部材と凸部との両部材がゴム、エラストマー等の弾性体からなる同種素材によって一体に形成された例である。係合部材と凸部とは、同種素材で一体に形成されたものであっても、異種素材で一体に形成されたものであってもよい。また、係合部材と凸部とを別々に形成し、固着したものであってもよい。この係合部材は、金属、プラスチック、ゴム、エラストマー等から作製され、凸部は、ゴム、エラストマー等の弾性体から作製されたものであればよい。このゴムには、例えば、使用時にベースゴムからブリードし、かつ潤滑性を付与するブリード性潤滑剤をベースゴムに配合してなる自己潤滑性ゴムが含まれる。
ここで、本発明のダンパ装置に使用可能な自己潤滑性ゴムについて説明する。
自己潤滑性ゴムにおけるベースゴムとしては、防振性に優れるゴム(例えば、天然ゴム等)、耐摩粍性に優れるゴム(例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等)、又はこれらのブレンドゴムが好ましいが、特に制限されるものではない。例えば、天然ゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン3元重合体ゴム、各種フッ素ゴム、アクリルゴム等が挙げられるが、用途(仕様)及び後述するブリード性潤滑剤との相性によって適宜選択、ブレンドされる。そして、ブリード性潤滑剤としては、ベースゴムに自己潤滑機能を供し、使用上の機能を奏するものであれば、特に制限はなく、シリコーンオイルや変成シリコーンオイル等の各種オイル類、パラフィンワックス等のワックス類、また、脂肪酸や脂肪酸塩、脂肪族アミド等の脂肪酸類が挙げられる。上記説明では、ゴムを例にとったが、ゴムに限定されるものではなく、機能を満たす範囲で適当なエラストマーをベースとすることもできる。
この自己潤滑性ゴムの具体的な一例としては、ベースゴム100重量部に対して、ブリード性潤滑剤1.5重量部から10重量部程度までとするのが好ましい。配合量が1.5重量部未満であると使用時に十分なブリード量が得られない傾向にあり、10重量部を超えるとブリード量が過大となりやすく、また、加工性が著しく低下する傾向にある。ブリード量があまりに過大であると、必要なトルクが得づらい上、早期にブリード性潤滑剤が枯渇し易いので、用途により適当な配合量を選択する必要がある。
また、上記ベースゴムは、例えば、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤、加工助剤、補強剤、軟化剤、老化防止剤、粘着付与剤等を適宜配合して、調製される。加硫剤としては、例えば、硫黄、有機過酸化物、オキシム、アルキルフェノール樹脂、ジスルフィド、金属酸化物、ポリアミン類等が、適宜、ゴム種に応じて使用される。加硫剤に組み合わせる加硫促進剤としては、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、ジチオカルバミン酸塩類、キサントゲン酸塩類、チオウレア等の中から、通常、1種又は2種以上選択して使用される。加硫助剤としては、通常、酸化亜鉛が使用される。加工助剤としては、ステアリン酸等の脂肪酸や脂肪酸誘導体類が使用される。また、補強剤としては、通常、カーボンブラック、シリカ等が好適に使用される。軟化剤としては、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系等のプロセスオイルが使用可能である。老化防止剤、粘着付与剤等としては、公知のものが使用可能である。
本発明に使用する自己潤滑性ダンパゴムでは、上記ブリード性潤滑剤として、脂肪族アミド、例えば、ステアロアミド、パルミチルアミド、オレイルアミド、エルシルアミド、ラウリルアミド等から選ばれた少なくとも1種を用いることが好ましい。このように、ブリード性潤滑剤を、脂肪族アミドとすることにより、安定的にブリードが得られるので、長期に亘って、自己潤滑性を維持することができる。
第8図(a)及び(b)に示すように、本発明のロータリー式ダンパ装置601は、円筒形の筐体602と、この筐体内に回転可能に配置された軸体603と、この軸体に取り付けられたディスク状の制動用部材であるフランジ部材604とを備えている。この図において、フランジ部材は、スリーブ605に固着された状態で軸体に取り付けられているが、スリーブを介さずに軸体に取り付けられてもよい。スリーブを介する場合、このスリーブの内径形状の凹凸と軸体の凹凸(図示していない)とが嵌合して、軸体とフランジ部材(スリーブ)が一緒に回転できるようにする。ただし、スリーブ、軸体を分解可能なように構成したい場合には、隙間嵌め(バメ)となる寸法で嵌合することが好ましい。
このスリーブ605は、例えば、その外周囲に加硫接着されたゴムからなるフランジ部材604を有し、軸体603に嵌合固定されるフランジ部材の基材部品である。スリーブは円盤形状であり、中心に軸体と嵌合固定する嵌合部が設けられているが、その内径形状は、特に制限はなく、スリーブと軸体とが嵌合して軸体とフランジ部材とが一緒に回転できるように構成されていればよい。例えば、好ましくは、キー溝付き形状、歯車形状、二面幅、多角形状(例えば、四角形状、五角形状、六角形状等)、スプライン等の形状であればよい。この場合、軸体の外周面形状は、このスリーブの内径形状に適合するように構成する。なお、この嵌合は、スリーブ、軸体を分解する必要がない場合は、締まりバメ等でもよい。
上記したように、スリーブ605は必ずしも必要ではなく、負荷次第ではフランジ部材604もスリーブも弾性体で作製されてもよい。
軸体603にスリーブ605を取り付ける方法は、凹凸による嵌合であるが、スリーブとフランジ部材604との固着は、通常、上記したように、金属製等のスリーブの外周面にゴムを加硫成形する、すなわちフランジ部材の形成と同時に固着するように行われる。この固着方法は、フランジ部材とスリーブを固着できる方法であれば、特に制限はない。例えば、フランジ部材を熱可塑性エラストマーで作製する場合、引っかかり部を設けたスリーブ外周面に射出成形することにより、フランジ部材の形成と同時にスリーブと固着されてもよい。この場合、接着剤は不要である。
フランジ部材604は、自由状態においては、組み付けられる筐体602の内径よりも僅かに大きい外径を有する。このフランジ部材の外周面に設けられた凸部604aの先端外周面604bと筐体の内壁面とが当接するように構成され、また、筐体の内壁面に当接する凸部は、軸体603の放射方向に対して、所定の角度で傾斜して形成されている。フランジ部材は、少なくとも凸部が弾性体から構成されている。
上記したように、筐体602の内壁面に当接する凸部(例えば、ゴム製の羽部)604aは、軸体603の放射方向に対して、傾斜して形成されているため、軸体の回転に伴って回転するフランジ部材604に対して、凸部の放射方向(傾斜方向)と反対の方向に筐体が相対回転する時には、凸部の先端外周面604bと筐体内壁面との間に生じる回転抵抗(摩擦力)により、凸部が筐体内壁面に抗して突っ張るので、フランジ部材と筐体との間に回転減衰が生じる。この場合、凸部には、圧接する筐体内壁面から凸部の圧縮方向に力が加わるため、凸部と筐体内壁面との間に以下述べるようなグリースが介在しても、適度な摩擦力を得ることができ、グリースの存在によって摩耗が抑えられる。
一方、軸体603の回転に伴って回転するフランジ部材604に対して、凸部604aの放射方向と同じ方向に筐体602が相対回転する時には、凸部の先端外周面604bが筐体内壁面に抗することなく、むしろ凸部が回転に応じて倒れるので、この先端外周面と筐体内壁面との間に回転抵抗が生じづらく、フランジ部材と筐体との間に回転減衰はほとんど生じない。
従って、本発明のロータリー式ダンパ装置は、回転方向に応じて、任意に回転減衰力に差違を持たせることができ、その用途も広がる。
筐体602は、その中にフランジ部材604(軸体603)が回転可能に配置されうるようになっていればよく、軸線方向の両端が解放端であっても、一端が閉端であっても、また両端が閉端であってもよい。閉端の場合、軸体は、筐体の側壁に、例えばフルオロカーボン樹脂等の公知の硬質プラスチックからなるワッシャ等を用いて取り付けられ、筐体内は密封される。ただし、本発明に係るロータリー式ダンパ装置は、液封タイプ等に比べ、簡易的な密閉で充分であり、大きなごみ、ほこり、水等が侵入しない程度のものでよい。
凸部604aの先端外周面604bと筐体602の内壁面との摩擦摺動面には、グリースを塗布してもよい。グリースとしては、凸部の材質、想定される耐久限度、負荷等によって適宜適当なグリースを採用すればよい。このグリースの使用により、フランジ部材、特に凸部の摩粍を抑え、かつ適度に摩擦力を発揮できるように調整することができるので、耐久性もより向上する。
スリーブ605に固着されたフランジ部材604は、第8図に示すように、例えば、凸部の傾斜部分604cの方向を揃えて、3枚重ね、上記したスリーブの内径形状に適合する外周面を有する軸体603を挿通して取り付けられ、ボルト等で締結され、軸体に固着されている。本実施の形態では、説明のため、3枚のフランジ部材を重ねた例について示すが、その枚数には特に制限はなく、所望に応じて、1枚とすることもできるし、2枚以上の多数枚とすることもできる。
上記したように、第8図の場合も、フランジ部材604の取り付けは、スリーブ605を介しても、介さなくてもよく、フランジ部材、少なくとも凸部604aの材質は、公知の合成ゴムや弾性プラスチック等のようなエラストマーであればよく、もちろん天然ゴムであってもよい。
上記フランジ部材604は、第7図に示すように、例えば、その外周面に、回転軸の放射方向に対して、傾斜して形成された突起(凸部)を一体形成して設けたものであってもよいが、所期の目的を達成できるものであれば、その凸部の形状・形成方法には特に制限はない。凸部を有するフランジ部材の各種変形例については後述する。
また、第9図(a)及び(b)に示すように、本発明のロータリー式ダンパ装置701においては、その構成要素である筐体702、軸体703、スリーブ705等は第8図の場合と同じであるが、ディスク状の制動用フランジ部材704の形状が異なるものである。このフランジ部材の凸部604aの先端外周面704bは、筐体の内壁面に当接されるように構成されていると共に、その凸部(例えば、ゴム製の羽部)の先端部分に、軸方向に傾斜するテーパー部704cを設けたものである。この場合、直動方向(第9図(a)における左右方向)の違いで減衰差を作ることができる。
また、図示していないが、本発明のさらに別の実施の形態に係わるロータリー式ダンパ装置として、軸体に圧縮力調整機構を具備させ、筐体内に設けられた制動用フランジ部材に軸方向圧縮力をかけるように構成されたダンパ装置がある。この場合、フランジ部材に対して軸方向に圧縮力をかけて締め付けることができるので、フランジ部材を周方向に変形させて、ダンパ装置の組み付け後も減衰力を調整することが可能となる。このフランジ部材としては、フランジ部材全部がゴム製のものが適している。
例えば、予め、軸方向圧縮機構(例えば、ねじ等)を設定し、装置の停止中にこの機構を適宜調整するものがある。この場合、単純には、軸体にねじ等の締め込み機構を設け、筐体には固定されない。また、この軸方向圧縮機構(例えば、ねじ等)を筐体に設定し、筐体との差動角度が大きくなったときに、締め込まれるように設定することで、角度依存で減衰力が変化するものもある。この場合、例えば、筐体側に螺子部を設け、可動軸体に累合する螺子を切っておく。
本発明に係るロータリー式ダンパ装置が動作する際、筐体の内壁面とフランジ部材の凸部の先端外周面との係合状態について考察すれば、以下の通りである。
上記ロータリー式ダンパ装置601、701は、静止時に、筐体602、702の内壁面とフランジ部材604、704の凸部604a、704aの先端外周面604b、704bとが若干圧接されて係合する状態となるように組み立てるので、傾斜した凸部を有するフランジ部材の外径は、筐体の内径に対して、若干大きくなっている。
第8及び9図に示すロータリー式ダンパ装置601、701において、傾斜形成された凸部604a、704aの放射方向と反対の方向に筐体602、702が相対回転する時には、凸部の先端外周面604b、704bと筐体内壁面との間の回転抵抗により凸部が筐体内壁面に抗して突っ張り、凸部の径方向への反発力が生じるようになり、凸部の先端外周面をさらに筐体の内壁面へと押しつけることになるので、より強い回転抵抗が生じて、フランジ部材と筐体との間に回転減衰が生じる。一方、傾斜形成された凸部の放射方向と同じ方向に筐体が相対回転する時には、凸部の先端外周面が筐体内壁面に抗することなく、むしろ凸部が回転に応じて撓み、回転方向に倒れるので、回転抵抗が生じづらく、フランジ部材と筐体との間に回転減衰はほとんど生じない。
回転方向により制動力が大きく異なる本発明のロータリー式ダンパ装置は、上記したように、種々の分野で各種用途に用いることができる。また、上記フランジ部材のように、相対応する面が同じ傾斜のテーパーを有すれば、多数枚重ねて用いた場合でも軸長を短くすることができ、コンパクトなダンパ装置とすることができるので、さらに多様な用途に用いることができる。
本発明のロータリー式ダンパ装置では、上記したように、凸部を有するフランジ部材を、スリーブを介して軸体に取り付けてもよいし、また、スリーブを介さずに軸体に直接取り付けてもよい。スリーブを使用しないものについては、フランジ部材を軸方向加圧状態で締結すれば、弾性体等の変形により拡径し、筐体の内壁面への圧接力が上昇するので、摩擦力、ひいては回転減衰力を変更することが可能となる。また、フランジ部材と軸体との取り付け手段には、フランジ部材をゴムのみから構成した場合には、軸体に直接加硫接着する手段も含まれる。さらに、リモート機構をつけることによって、組み付け後も外部より調節することが可能である。このリモート機構の一例には、上記したような外部よりフランジ部材を軸方向に圧縮する機構がある。この機構を設けることによって、外筒部材との圧接力、すなわち減衰力を調節することが可能である。
木発明のロータリー式ダンパ装置に用いることができるフランジ部材は、上記したように、傾斜形成された凸部を有するフランジ部材であれば特に制限はない。このフランジ部材の好ましい各種変形例を第10図(a)〜(d)に示す。
第10図(a)は、回転軸の放射方向に対して、傾斜形成された凸部804a(この先端外周面を804bで示す)を備えたディスク状の制動用フランジ部材804を示す。このフランジ部材は、スリーブ(係合部材)805を介して金属又は樹脂製等の軸体の周りに固着され、その凸部の厚さが凸部以外の部分の厚さより薄くなるように構成された段付きタイプのものである。この段付きタイプとは、複数のフランジ部材を軸体に取り付けた場合、軸方向の隣り合う各凸部(例えば、ゴム製羽部)の間に隙間が設けられるように構成されたものである。隙間を空けることによって、凸部が筐体に対して突っ張る時に圧縮される凸部の変形ボリュウムを吸収できるようになっている。凸部の回転軸方向に対する傾斜角、凸部の高さを適宜設定することによって、生じるトルクを調整することができる。また、スリーブの係合部805aの内径形状は、例えば、キー溝付き形状、歯車形状、六角形状等のような上記した形状を有しており、一方、軸体の外表面形状は、この係合部形状と嵌合できるような形状を有している。この場合、フランジ部材と軸体との間にスリーブを介しても、介さなくてもよい。
第10図(b)は、第10図(a)の場合と類似の外観形状を有するディスク状の制動用フランジ部材804を示す。このフランジ部材は、凸部804aの厚さが凸部以外の部分の厚さより薄くなるように一体に形成された段付きタイプのゴム製フランジ部材であること以外は、第10図(a)の場合と同じである。
第10図(c)は、ディスク状の制動用フランジ部材の別の変形例を示す。金属又は樹脂製等の軸体にスリーブ805を介して固着されているフランジ部材804のゴム製凸部804aの厚みを凸部以外の部分と同じにしたものである。フランジ部材の取り付けは、フランジ部材間にスペーサを介して行う。フランジ部材とスペーサとを交互に配置することで、隣接するフランジ部材間、すなわち凸部間に隙間を設けることができる。フランジ部材の形状は他のものと比べて簡単であるという利点がある。フランジ部材を全てゴム製としてもよい。その他の点については、第10図(a)の場合と同じである。
第10図(d)は、先端部分に軸方向テーパー部を設けた凸部804aを備えたフランジ部材804の例を示す。このフランジ部材は、金属又は樹脂製等の軸体にスリーブ805を介して固着された段付きフランジ部材である。このようなフランジ部材を用いると、特に、直動方向の違いに対しても減衰差を作ることができる。その他の点については、第10図(a)の場合と同じである。
凸部を有するフランジ部材の形状は、上記したものに制限される訳ではなく、その他の形状であっても、本発明の目的を達成できるものであれば使用できる。
また、複数のフランジ部材を組み合わせて用いる場合、同じ形状を有するものだけを組み合わせてもよいし、異なる形状のものを組み合わせてもよい。例えば、第8図に示すロータリー式ダンパ装置において、フランジ部材として、凸部の傾斜方向や傾斜角度の異なるものを組み合わせてもよい。例えば、傾斜方向の違う凸部を有するフランジ部材を組み合わせれば、軸体の回転に伴って回転するフランジ部材と筐体との間の相対回転に対して、正転/逆転方向で所望により個別に減衰力を調整することができる。これは、自転車等のサスペンションに用いたときに、伸び側、圧縮側で調整することができるので、好適である。
また、傾斜方向が部分的に反対方向である凸部を有するように構成したフランジ部材を用いてもよく、この場合、異なる傾斜方向の比率によって、回転方向減衰差が生じる。これは、正転方向、逆転方向とも所望の回転減衰が必要なときに有用である。
さらに、傾斜角度が大きい凸部を備えたフランジ部材を組み合わせれば、少ない枚数のフランジ部材で強い回転減衰力を得ることができる。この場合、コンパクトなダンパ装置となる。
上記したように、回転減衰力は、フランジ部材の使用枚数、凸部の傾斜方向や傾斜角度等によって調整でき、また、上記した圧縮力調整機構を備えれば、ダンパ機構を組み付けた後も減衰力を適宜調整することができる。
フランジ部材の凸部の形状はまた、第11図(a)〜(g)に示すようなものであってもよい。第11図では、凸部の先端外周面が、筐体の内壁面と当接している状態で示してある。この第11図(a)〜(g)は、第4図(a)〜(g)に対応している。
第11図(a)は、筐体901の内壁面に当接するフランジ部材の凸部902の相対応する両側の面に付いたテーパーの角度が異なるテーパー部分902aを有する凸部を示し、第11図(b)は、各面に所定の曲率を持つテーパーの付いたテーパー部分902aを有する凸部902を示し、第11図(c)は、フランジ部材の先端の相対応する両側の面にテーパーが付いていると共に、そのテーパー部分902aに少なくとも一つのノッチ(切欠き)を有する凸部902を示し、第11図(d)は、多数のテーパー部分902aを有する一体型の凸部902を示し、第11図(e)は、相対応する両側の面にテーパーが付いた凸部の複数枚が間隔を置いた状態で取り付けられ、それぞれの凸部の間のテーパー部分902a以外の位置に硬質プラスチック等からなる板903がワッシャとして挿入され、しっかりと固定された状態のものを示し、第11図(f)は、スリーブ904を介して軸体に取り付けられた状態の、テーパー部分902aを有する凸部902を示し、第11図(g)は、相対応する両側の面にテーパーが付いた凸部902であって、そのテーパー部分902aに所定の形状のスリット(切り込み)が設けられたものを示す。第11図(e)に示すようにワッシャを用いる場合、ワッシャの外径は摺動方向に応じて凸部の変形を規制しないような寸法とすることが必要である。また、上記の第11図(c)のノッチや第11図(g)のスリットは、摺動面についてグリースを使用する場合には、グリース溜まりとして機能させることもできる。
本発明のロータリー式ダンパ装置は、上記したように、軸体の回転に伴って回転するフランジ部材と筐体との間の相対回転において、両者の間に回転減衰が生じるように構成されている。この減衰性は、フランジ部材の数や厚さや材質、フランジ部材の凸部のテーパー角度や形状、また、フランジ部材の凸部とそれ以外の部分との割合等により任意に変化する。従って、これらのパラメータを、ダンパ装置を適用する産業機器の種類に合わせて適宜選択・設計することにより、所望のダンパ装置を提供することができる。
次に、第12図に示すロータリー式ダンパ装置の試験用サンプルを作製し、この試験用サンプルをねじり振動試験機にセットし、一定の振動周波数で回転動作させたときのねじりトルク−ねじり振幅動特性を測定した。第12図(a)はダンパ装置の内部を示す截頭側面図であり、第12図(b)はそのA−A断面図である。
第12図に示すように、天然ゴム材を用い、フランジ部材外径:26.6mm(自由長時)、フランジ部材厚さ:5mm(自由長時)、フランジ部材テーパー部(凸部)の厚さ3mm(自由長時)、テーパー始点位置(自由長時):回転中心軸10mm、テーパー角度(自由長時):30°のテーパー付きディスク形状に加硫成型し、ゴム硬度A65/S(JIS K6253 A型デュロメーター)を有するフランジ部材1を作製した。このフランジ部材を4枚、軸体2にセットし、軸体先端部をナット3にて締結した後、フッ素樹脂系グリースに二硫化モリブデンを混合したグリースを上記フランジ部材の摺動部位に塗布し、内径25.8mmの筒状筐体4に嵌挿して組み立て、これを試験用サンプルとした。この試験用サンプルをねじり試験機にセットし、ねじり振幅±40°、試験周波数0.05/0.10/0.20/0.50/1.00/1.50/2.00Hzと変えて回転動させ、それぞれのねじりトルク−ねじり振幅特性を測定した。その結果を第13図に示す。
第13図において、符号a、b、c、d、e、f、及びgは、それぞれ、試験周波数0.05Hz、0.10Hz、0.20Hz、0.50Hz、1.00Hz、1.50Hz、及び2.00Hzの場合に測定したトルク−ねじり振幅特性を示す。
第13図から明らかなように、本発明のロータリー式ダンパ装置は、ねじり振幅±40°のねじり回転往復動作時において、正回転(高トルク側回転:第12図のX方向回転)時には、角速度(試験周波数)に応じて、1.0〜3.2Nmの高いねじりトルクを生じるのに対して、逆回転(低トルク側回転:第12図のY方向回転)時には、角速度(試験周波数)に応じて多少の変化はあるものの、−0.5〜−1.0Nmのねじりトルクしか生じておらず、ねじりトルクが小さい上、その変化幅も小さいことがわかる。すなわち、正逆の高い回転トルク差を有しているのと同時に、正回転側だけに回転角速度依存性が認められる。
このような特性は、軸等の回転部分、特に回転角度が360°を越えず、しかも往復動作する産業用機器に利用するロータリー式ダンパ装置に好ましい特性である。もちろん、振動体の直線運動をリンク機構や例えばラックアンドピニオンギア等によって回転運動に変換した上で、回転機構のダンパ装置として用いることもできるし、360°以下の回転用途に限定するものではない。
以上詳細に述べたように、本発明にかかるダンパ装置は、特に小型、軽量さ、簡易さが求められるダンパ機構に適し、例えば、
(1)自動車、ダンプトラック等のサスペンション用ダンパ、ハッチバック、スライドドア用ダンパ、
(2)自転車、特に競技用自転車の前後サスペンション用ダンパ、
(3)OA用椅子、劇場用椅子等の椅子に適用する回転ダンパ、及び
(4)OA機器のドアオープン・クローザ用ダンパ
等として適用可能であり、その機能を十分に果たすことができる。
(1)自動車、ダンプトラック等のサスペンション用ダンパ、ハッチバック、スライドドア用ダンパ、
(2)自転車、特に競技用自転車の前後サスペンション用ダンパ、
(3)OA用椅子、劇場用椅子等の椅子に適用する回転ダンパ、及び
(4)OA機器のドアオープン・クローザ用ダンパ
等として適用可能であり、その機能を十分に果たすことができる。
Claims (16)
- 筐体と、この筐体内に配置される制動用フランジ部材とからなり、このフランジ部材は、少なくともその中心から離れた部分が、弾性体からなり、かつ軸方向に対して又は回転軸の放射方向に対して、傾斜して形成され、そしてフランジ部材の周縁面が筐体の内壁面に当接するように構成されていることを特徴とするダンパ装置
- 請求項1において、少なくとも前記フランジ部材の、前記筐体の内壁面に当接する部分が、自己潤滑性ゴムよりなるものであることを特徴とするダンパ装置。
- 請求項1又は2において、前記ダンパ装置が直動式ダンパ装置であり、筺体と、この筺体内で往復動作するピストンロッドと、このピストンロッドに取り付けられる弾性体からなる制動用フランジ部材とを備え、このフランジ部材にはその相対応する両側の面に周縁に向かってテーパーが付けられており、そしてフランジ部材の周縁面が筺体の内壁面に当接するように構成されていることを特徴とするダンパ装置。
- 請求項3において、前記フランジ部材の外径は、ピストンロッドの静止時に、筺体の内壁面とフランジ部材の周縁面とが圧接されて係合するような大きさを有することを特徴とするダンパ装置。
- 請求項3又は4において、前記フランジ部材は、その中心から離れた部分が一方向の傾斜形状に形成されていることを特徴とするダンパ装置。
- 請求項3〜5のいずれかにおいて、前記フランジ部材は、ピストンロッドが筺体内を静止時から軸線方向の一端であるA方向に動作する時に、フランジ部材の周縁面と筺体内壁面とが、フランジ部材周縁面の筺体内壁面に対する摩擦力により係止し、A方向への動作が係止され、減衰が生じるようにピストンロッドに取り付けられていることを特徴とするダンパ装置。
- 請求項3〜6のいずれかにおいて、前記フランジ部材は、ピストンロッドが筺体内を静止時から軸線方向の一端であるA方向と反対のB方向に動作する時に、フランジ部材が撓み、圧接力が生じず、減衰が生じないようにピストンロッドに取り付けられていることを特徴とするダンパ装置。
- 請求項3〜7のいずれかにおいて、前記フランジ部材は、ピストンロッドが筺体内を静止時から軸線方向の一端であるA方向に動作する時に、フランジ部材の周縁面と筺体内壁面とが、フランジ部材周縁面の筺体内壁面に対する摩擦力により係止し、A方向への動作が係止され、減衰が生じるように、また、ピストンロッドが筺体内を静止時から軸線方向の一端であるA方向と反対のB方向に動作する時に、フランジ部材が撓み、圧接力が生じず、減衰が生じないようにピストンロッドに取り付けられていることを特徴とするダンパ装置。
- 請求項3〜8のいずれかにおいて、自転車のフロントサスペンション部分に取り付けられて用いられるものであることを特徴とする直動式ダンパ装置。
- 請求項1又は2において、前記ダンパ装置がロータリー式ダンパ装置であり、一方の部材に固着される筐体と、この筐体内に回転可能に配置され、他方の部材に固着される軸体と係合可能な係合部を有する制動用フランジ部材とからなり、一方の部材と他方の部材との回転差動を減衰するロータリー式ダンパ装置であって、フランジ部材は、軸体と係合する係合部材からなり、この係合部材の外周面に弾性体からなる凸部を備え、この凸部は、回転軸の放射方向に対して、傾斜して形成され、かつ筐体の内壁面に当接するように構成されていることを特徴とするダンパ装置。
- 請求項10において、前記フランジ部材は、係合部材と凸部とが一体形成されたものであることを特徴とするダンパ装置。
- 請求項10又は11において、前記筐体が、フランジ部材に対して、このフランジ部材の傾斜形成された凸部の放射方向と反対の方向に相対回転する時に、回転抵抗を生じ、筐体とフランジ部材との間の回転差動を減衰するように、筐体とフランジ部材とが取り付けられていることを特徴とするダンパ装置。
- 請求項10〜12のいずれかにおいて、前記筐体が、フランジ部材に対して、このフランジ部材の傾斜形成された凸部の放射方向と同じ方向に相対回転する時に、この放射方向と反対の方向への回転抵抗より低い回転抵抗が生じるように、筐体とフランジ部材とが取り付けられていることを特徴とするダンパ装置。
- 請求項10〜13のいずれかにおいて、前記凸部の少なくとも先端部分が、軸方向に対して、傾斜して形成されていることを特徴とするダンパ装置。
- 請求項10〜14のいずれかにおいて、前記一方の部材が、自転車の車体又は後輪支持部材であり、また他方の部材が、自転車の後輪支持部材又は車体であり、自転車のサスペンション部分に取り付けられて使用されることを特徴とするダンパ装置。
- 請求項10〜15のいずれかにおいて、開閉部材の回転機構に取り付けられて使用されることを特徴とするダンパ装置。
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