JPWO2004022774A1 - 微生物または細胞の検出方法 - Google Patents

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Abstract

合焦用マーカーをその表面,裏面又は基材中に有する基材層と、この基材層表面上に積層された所定厚さを有する粘着層とからなる捕集シートの粘着層上に、試料中の微生物または細胞を捕集し、捕集前または捕集後に染色試薬により染色し、合焦用マーカーにオートフォーカスさせた後、この合焦位置を基準として、画像計測用の受光光学系または捕集シートの少なくとも一方を、相対的に、粘着層の所定厚さ寸法に基材層表面から合焦用マーカー位置までの距離寸法を加算した距離と同等距離移動させて、粘着層上の微生物または細胞に合焦させ、合焦された粘着層表面上に光照射し、画像計測して微生物または細胞の検出を行なうことにより、特に固体表面上の微生物等をリアルタイムで簡便にモニタリングが可能であって、かつ自動合焦計測の計測精度の向上を図った微生物または細胞の検出方法を提供することができる。

Description

この発明は、試料中の微生物または細胞を染色試薬により標識し画像計測により検出する方法に関する。前記微生物としては、細菌や放線菌などの原核生物、酵母やカビなどの真核生物、下等藻類、ウイルスなどが含まれ、細胞としては、動植物由来の培養細胞及びスギやヒノキなどの花粉などが含まれる。本検出方法の利用分野としては、医療,食品製造,上下水道などがある。
試料中の微生物や動植物等の組織細胞などの検出は、例えば、滅菌状態の確認や、細胞の生存状態の異常等を検出する上で、産業上極めて重要な技術である。
従来、被験面上に存在する肉眼では観察することのできない細菌等の微生物や細胞を検出するには、培養法、すなわち寒天などで賦形した固形の寒天培地を被験面に押し当てることにより、被験面上の微生物を寒天培地上に転写し、該微生物をそのまま寒天培地上で適当な環境のもとで培養することにより出現するコロニーを肉眼または実体顕微鏡等で見定めながら計測する方法が一般的に利用されている。たとえば、フードスタンプ(日水製薬(株)製)を使用したアガースタンプ法等が挙げられる。
また、微生物捕集能力のあるメンブレンフィルタ等を用いるメンブレンフィルタ法は、被験面を生理食塩水やリン酸緩衝液等を用いて十分に拭き取りながら捕集することにより微生物を洗い出し、この洗い出した捕集液をメンブレンフィルタで濾過することによって、メンブレンフィルタ上に微生物を捕集した後、微生物と液体培地とを十分に接触させて該フィルタ上にコロニーを形成させ、コロニーを測定する方法である。メンブレンフィルタ法はまた、フィルタ上に捕集した微生物を適当な染色液と接触させて、発色した菌体数を顕微鏡等で計数することにより、培養を行わずに微生物を検出する方法としても利用することができる。
しかしながら、アガースタンプ法などでは、通常、一つの被験面に対して一度しか使用できないので、寒天培地の含水率によって捕集効率が変化し、再現性に劣るなど、微生物の捕集効率において不都合を来たす場合があった。また、培養法の共通の課題として、微生物間のコンタミネーションが起こり、培地上での微生物間の相互作用により純粋培養ができないために、その後の判定に不都合を来たす場合があった。そして寒天培地を直接被験面に押し当てるため、被験面を汚染する可能性があった。加えて、培養法では当然のことながら、生菌のみに限定されるという制約があり、検出もれが起こるという問題があった。さらに、培養法では1〜2日またはそれ以上の培養時間を必要とするので、リアルタイムでの微生物モニタリングができないという重大な制約があった。
また、メンブレンフィルタ法では、被験体が水溶液等の液状物であればそのまま濾過できるが、非液状の被験体では、綿棒でのサンプリング、洗い出し液の調製などを含め微生物の捕集に多大な労力がかかるという欠点があった。さらに、洗い出しおよび濾過操作により微生物以外の捕集物が膨潤して、後の観察・測定の妨げになるという問題もあった。
最近では、粘着シートの水溶性高分子を主成分としてなる粘着層を被験体の表面に圧着、剥離して固体表面の微生物を捕集した後に、微生物を染色し得る1種以上の発色性物質を含有する水溶液を該粘着層の表面に接触させ、染色された菌体を観察・計数(画像計測)することにより、迅速且つ簡便に固体表面上の微生物を検出する微生物試験方法も提案されている(例えば、特開平10−70976号公報参照)。
しかしながら、これらは手動合焦の顕微鏡や撮像装置等を用いた画像計測であり、高倍率の使用条件下では被写界深度が狭いので合焦に手間取ることも多く、自動合焦や自動計測が望まれていた。
前記自動合焦を行なって蛍光画像計測を行なう方法に関して、本件出願の一部発明者等によって発明、された蛍光画像計測方法が、特願2002−30648号により、出願されている。
図1は、前記特願2002−30648号に記載された方法を実施する装置の一例を示す。図1に示す装置によれば、撮像手段を介して得た画像情報にもとづきオートフォーカスを行なう蛍光画像計測方法において、標本1に対して励起光を励起用光源10から照射する前に、蛍光画像計測波長帯域で発光するオートフォーカス(AF)用光を、図示のように励起光照射側と同じ側から光源2により照射し、これにより得た画像情報から合焦度を判餅し、その度合いに応じて標本1と受光系の少なくとも一方を駆動して合焦点位置を探索し、合焦点位置に達したらAF用光の照射を停止し、その後に光源10から標本1に励起光を照射して蛍光画像計測を行なうことができる。本装置によれば、透過光を利用しないので、メンブレンフィルタ表面に捕集した標本の計測も可能となる。
AF用光源2としては、発光ダイオードや半導体レーザが好適である。AF用光照射時の標本の画像は、対物レンズ5,ダイクロイックミラー3,蛍光受光側フィルタ4および結像レンズ6を介して、撮像素子7で捉える。撮像素子としてはCCDカメラ用素子やCMOSカメラ用素子が好適である。撮像素子7で得た画像は演算部8に送り、ここでコントラストの評価を行なう。コントラストの評価は、例えば隣り合う画素間の輝度差として算出し、コントラストが最大になる位置を合焦点位置とする、一般的なAF手法により行なう。
なお、図1において、9はステージ移動機構、11は励起光の集光レンズ、12はフィルタ、13は蛍光フィルタブロックを示す。また、前記コントラストの評価を行なうために、図1には図示しないが、標本を保持するスライドガラスの表面に模様(マーク)をつけるか、もしくは標本の濾過捕集用のメンブレンフィルタの表面に模様(マーク)をつける方法を開示している(詳細は、前記特願2002−30648号参照)。上記方法によれば、要素数の少ないシンプルな構成で、励起光の照射によって標本が消光し検知不能とすることなく、かつ、メンブレンフィルタ表面に捕集した標本やコントラストが不鮮明な標本についてもオートフォーカス(AF)が可能となる。
ところで、上記特願2002−30648号記載の発明においても、下記のような問題がある。
AF用の模様(マーク)を、標本を保持するスライドガラスの表面や標本の濾過捕集用のメンブレンフィルタの表面に設けているので、励起光を照射して蛍光画像計測を行なう際に、微生物等の標本に隣接して存在する前記マークが光学的なノイズとなり、測定精度が低下する問題がある。
即ち、微生物または細胞の像を観察する場合、サンプルを保持しているメンブレンフィルタなどの表面模様が画像に映りこみ、それが背景ノイズとなって正確な測定を妨げる。特に、微生物または細胞からの微弱光を観察する場合に、前記ノイズは顕著な問題となる。このため、サンプル保持体の模様(合焦用マーカー)の映りこみを防止し、ノイズを抑制する方法が求められていた。
また、上記特願2002−30648号に記載の発明においては、主に液状試料を対象としており、固体表面上の微生物等は、前述のように綿棒等でサンプリングし液体中に分散させた状態で標本を作製することを前提としており、固体表面上の微生物等をリアルタイムで簡便にモニタリングして自動合焦計測することができない。
この発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、この発明の課題は、特に固体表面上の微生物等をリアルタイムで簡便にモニタリングが可能であって、かつ自動合焦計測の計測精度の向上を図った微生物または細胞の検出方法を提供することにある。
前述の課題を解決するために、この発明は、試料中の微生物または細胞(両者共存の場合を含む)を染色試薬により標識し画像計測により検出する方法において、以下の工程を含むこととする(請求の範囲第1項の発明)。
1)オートフォーカスを行なうための合焦用マーカーを少なくともその表面に有する基材層と、この基材層表面上に積層された所定厚さを有する粘着層とからなる捕集シートの前記粘着層上に、前記試料中の微生物または細胞を捕集する工程。
2)前記捕集した微生物または細胞を、染色試薬により染色する工程。
3)前記合焦用マーカーにオートフォーカスさせる工程。
4)前記オートフォーカスによる合焦位置を基準点として、画像計測用の受光光学系または捕集シートの少なくとも一方を、相対的に、粘着層の前記所定厚さ寸法と同等距離移動させて、前記粘着層上の微生物または細胞に合焦させる工程。
5)合焦された前記粘着層表面上に光照射し、画像計測して微生物または細胞の検出を行なう工程。
上記検出方法によれば、固体表面上の微生物等を捕集シートの前記粘着層上に簡便に捕集することができる。また、基板表面上の合焦用マーカーと微生物または細胞との間には、粘着層が介在することになるので、画像計測の際に、基板表面上の合焦用マーカーが光学的ノイズとなることがなく、捕集した微生物または細胞の画像が鮮明に得られ、精度よく微生物または細胞を計測することができる。なお、前記基板表面上の合焦用マーカーは、詳細は後述するが、サンドブラストや印刷等の表面処理もしくは、シリカなどの不溶性粒子の混合による光学的模様の形成等により形成することができる。
前記請求の範囲第1項の発明は、微生物または細胞を粘着層上に捕集後に染色することとしたが、下記のように、捕集前に予め染色することもできる。即ち、前記請求の範囲第1項に記載の検出方法において、前記1)および2)の工程に代えて、以下の工程を含むこととする(請求の範囲第2項の発明)。
1)前記試料中の微生物または細胞を、予め試薬により染色する工程。
2)オートフォーカスを行なうための合焦用マーカーを少なくともその表面に有する基材層と、この基材層表面上に積層された所定厚さを有する粘着層とからなる捕集シートの前記粘着層上に、前記予め試薬により染色された試料中の微生物または細胞を捕集する工程。
また、前記請求の範囲第1項または第2項の発明の実施態様として、微生物または細胞の蛍光観察像を得る場合には、下記請求の範囲第3項の発明が好ましい。即ち、請求の範囲第1項または第2項に記載の検出方法において、前記染色試薬を蛍光試薬とし、前記粘着層表面上に励起光を照射して蛍光画像計測を行い、かつ、前記合焦用マーカーにオートフォーカスさせる際のオートフォーカス用の照射光は、前記蛍光画像計測用の光波長帯域の波長を含む光とすることとする(請求の範囲第3項の発明)。
上記オートフォーカス用の照射光を、前記蛍光画像計測用の光波長帯域の波長を含む光とする意義は、合焦用マーカーへのフォーカスと、微生物または細胞へのフォーカスとの合焦誤差を抑制することにある。
さらに、前記請求の範囲第1項ないし第3項のいずれかに記載の検出方法において、前記粘着層は、非水溶性粘着剤からなることとする(請求の範囲第4項の発明)。これにより、例えば微生物または細胞を蛍光標識する際、蛍光物質が粘着層に含侵し難いこと及び粘着層が溶けて捕集した微生物または細胞が移動し、かつ粘着層の厚さ寸法の変動の発生を防止することができる。
さらにまた、前記請求の範囲第1項ないし第4項のいずれかに記載の検出方法において、前記粘着層の所定厚さ寸法は、光学系の被写界深度よりも大きいこととする(請求の範囲第5項の発明)。これにより、微生物または細胞の観察時に合焦用マーカーが背景ノイズとして映りこむことがないようにして測定することができる。
また、前記合焦用マーカーの前記発明とは異なる実施態様として、下記請求の範囲第6項の発明のようにすることもできる。即ち、請求の範囲第1項ないし第5項のいずれかに記載の検出方法において、前記合焦用マーカーは、前記「基材層の表面」に代えて「基材層の裏面もしくは基材層中」に設け、前記工程4)における「粘着層の前記所定厚さ寸法と同等距離移動させる」ことに代えて、「粘着層の所定厚さ寸法に前記基材層表面から合焦用マーカー位置までの距離寸法を加算した距離と同等距離移動させる」こととする(請求の範囲第6項の発明)。
前記基板裏面上の合焦用マーカーは印刷等の表面処理とし、基材層中の場合は、シリカなどの不溶性粒子の混合による光学的模様の形成等により形成することができる。なお、前記請求の範囲第6項の発明の場合は特に、粘着層表面から合焦用マーカーまでの光学的経路には、粘着層および基材層の2種類の異なる材質が存在することと、光学的距離が比較的大きくなるので、必要に応じて、例えば異なる各材質に応じた屈折率に基づく前記移動距離の補正をすることが望ましい。また、前記被写界深度に関しては、粘着層の所定厚さ寸法に前記基材層表面から合焦用マーカー位置までの距離寸法を加算した距離を、光学系の被写界深度よりも大きくすればよい。
図1は特願2002−30648号に記載されたオートフォーカスを行なう蛍光画像計測装置の構成の一例を示す図
符号の説明
1 標本
2 光源
3 ダイクロイックミラー
4 蛍光受光側フィルタ
5 対物レンズ
6 結像レンズ
7 撮像素子
8 演算部
9 ステージ移動機構
10 励起用光源
11 励起光の集光レンズ
12 フィルタ
13 蛍光フィルタブロック
本発明に使用する捕集シートは、高分子化合物を主成分としてなる粘着層が基材上に積層された構造を有し、基材中あるいはその表面(基材層と粘着層の界面を含む)もしくは裏面に、不溶性粒子や基材表面の起伏模様を配した合焦用マーカーを備えている。
基材表面もしくは裏面に合焦用マーカーを付与する方法としては、基材のフィルム製膜時に凸凹を有する面に押し出しやキャスティングする方法、サンドブラスト等で製膜された基材表面に傷を付ける方法、基材表面に印刷する方法等が挙げられる。基材のフィルム製膜時に凸凹を有する面に押し出しやキャスティングあるいはサンド吹き付け処理等により、基材表面に起伏を設ける場合、その起伏の好適な深さは0.5〜20μmである。
印刷による合焦用マーカーは、合焦動作時に画像のコントラスト判定を行うことを考慮すると、ベタ塗りは適当でなく、ライン・格子・ドット状等の模様が好ましい。さらに好ましくは、画像取得時に、少なくとも視野中に1箇所の境界線が見える模様あるいは色変化を有することが望ましい。
また、基材中に合焦用マーカーを付与する場合には、基材の製膜用樹脂に不溶性粒子を混合して製膜することにより実施できる。該不溶性粒子としては、炭酸カルシウム・酸化チタン・カーボンブラック・シリカ・ポリスチレン・タルク・石綿・雲母・クレー・セルロース・澱粉等の粒子が例示され、平均粒径0.5〜20μmの物を好適に用いることができる。これら不溶性粒子の代わりに空気や炭酸ガス等の気泡を代用することもできる。
これら合焦用マーカーは捕集シートの基材中あるいは基材表面あるいは裏面に配することができ、重複しても構わない。例えば、混合した不溶性粒子としてのシリカが、基材表面に散在し、これを基材表面の合焦用マーカーとするような場合を含む。
前述の粘着層は、被験面上の微生物や細胞を捕集するのに十分な捕集性を有するとともに、微生物や細胞染色用の水溶液に浸しても粘着剤が溶解しない平滑な表面構造を有する層であればとくに限定されない。ただし、例えば微生物または細胞を蛍光標識する際、蛍光物質が粘着層に含侵し難いようにするためや、粘着層が溶けて捕集した微生物または細胞が移動し、かつ粘着層の厚さ寸法の変動の発生を防止するために、粘着層の主成分は、非水溶性粘着剤とすることが好ましい。
非水溶性粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤やゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤を用いることができる。また、蛍光画像取得に際して光学特性への影響を少なくする観点から、基材層および粘着層については、透明性が高く無蛍光性のアクリル系粘着剤やシリコーン系粘着剤が好ましい。
アクリル系粘着剤としては、モノマーとして(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシルなどの(メタ)アクリル酸のアルキルエステルを主成分とし、これに(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸エチレングリコールなどの親水性のモノマーを一種もしくは二種以上共重合させたものが挙げられる。さらに、このような粘着剤層はその粘着特性をより良好にするために、イソシアネート化合物、有機過酸化物、エポキシ基含有化合物、金属キレート化合物などの熱架橋剤による処理や、紫外線、γ線、電子線などの処理を行って架橋を施すことが好ましい。
ゴム系粘着剤としては、天然ゴム、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、ポリブデン、スチレン−イソプレン系ブロック共重合体、スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体などの主ポリマーに粘着付与樹脂としてロジン系樹脂やテルペン系樹脂、クロマン−インデン系樹脂、テルペン−フェノール系樹脂、石油系樹脂を配合したものを用いることができる。シリコーン系粘着剤としては、ジメチルポリシロキサンを主成分とする粘着剤が例示される。
このような粘着層の厚みは、被験面上への接着性や追従性、微生物捕集性の観点から5〜100μmとするのが好ましい。また、捕集した微生物または細胞の蛍光画像の取得に際しては、粘着層表面の平滑度(凹凸差)は20μm以下であることが好ましい。平滑度が20μm以下であれば、蛍光画像取得手段の焦点の合致範囲が広くなり、より正確な画像処理ができる。平滑度は表面粗さ計あるいは電子顕微鏡などで粘着シートの断面を観察し、粘着剤表面の凸部の頂点から凹部の最低点までの高度差を測定して求めることができる。
捕集シートの基材は、非水溶性で粘着層表面に大きな凹凸を形成させず、また、曲面や狭所表面にも自在に圧着させえる柔軟な材質であれば特に限定されないが、ポリエステル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル等からなるシートやフィルム、布、不織布、紙、ポリエチレンラミネート紙等が例示される。中でも、平滑なポリエステル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン等からなるシートやフィルムが基材として望ましい。また、基材の厚みは、支持体として十分な強度があれば特に制限はないが、5〜200μm程度が好ましい。
本発明に使用する捕集シートは、既知の方法で製造できる。例えば、粘着層に用いる高分子化合物を含有する溶液を基材上に塗布し、室温から200℃で乾燥させることによって製造される。他に、カレンダー法、キャスティング法や押出し成形法などの方法を用いることもできる。基材に合焦用マーカーを付与する場合は、前述の表面加工処理や不溶性粒子を添加して基材を製膜するが、粘着層を積層する前に合焦用マーカーを基材に付与する方が好ましい。かくして得られたシートは任意の形状に裁断して、使用することができる。
本発明においては、捕集シートを電子線あるいはγ線などの放射線を照射することにより、滅菌することと同時に粘着層に用いる高分子化合物に架橋を施すこともできる。また、エチレジオキサイドなどのガスによる滅菌を施すこともでき、滅菌した状態で微生物遮断性包材に封入することなどにより、無菌状態を保持した形態をとることができる。
本発明において微生物とは、前述のように、細菌や放線菌などの原核生物、酵母やカビなどの真核生物、下等藻類、ウイルスなどが含まれ、細胞とは、動植物由来の培養細胞及びスギやヒノキなどの花粉などが含まれる。
本発明の検出方法においては、検出対象となる微生物や細胞を染色し得る1種以上の発色性物質にて染色を施すことができる。発色性物質としては、検査対象である微生物に含まれる細胞成分と作用して発色するものであれば特に限定されないが、その代表的なものとして、核酸やタンパク質を染色する蛍光染色液が挙げられる。具体的な発色性物質としては、微生物一般を対象とする場合は、蛍光性核酸塩基類似体、核酸を染色する蛍光染色剤、タンパク質を染色する染色液、タンパク質などの構造解析に用いられる環境性蛍光プローブ、細胞膜や膜電位の解析に用いられる染色液、蛍光抗体の標識に用いられる染色液などが、好気性細菌を対象とする場合は細胞の呼吸によって発色する染色液などが、真核微生物を対象とする場合はミトコンドリアを染色する染色液、ゴルジ体を染色する染色液、小胞体を染色する染色液、細胞内エステラーゼと反応する染色液及びその修飾化合物などが、高等動物細胞を対象とする場合は骨組織の観察に用いられる染色液、神経細胞トレーサである染色液などが挙げられ、これらによって染色された微生物や細胞は蛍光顕微鏡で観察できる。
これらの発色性物質の種類を選択することによって、すべての微生物を検出する全菌数測定、呼吸活性を持つ微生物のみを染色し計数する検定、エステラーゼ活性を持つ微生物のみを染色し計数する検定、あるいは複数の発色性物質を組み合わせた二重染色法を用いることによる特定の属や種の微生物を染色し計数する検定など、幅広い分野への適用が可能である。
本発明においては、例えば、捕集シートを床、壁、食材などの被験面に圧着して、被験面上に付着している微生物または細胞を効率的に転写、捕集する。比較的微生物または細胞が少ないと考えられる被験面を圧着する場合は、該捕集シートの同一面で複数回圧着しても良い。本発明の方法は、アガースタンプ法のように培養を必要としないので、コロニーのコンタミネーションの心配がなく、培養時における菌相の変化を懸念することもないことから、多重に微生物を捕集することができる。したがって、圧着回数を増やすことにより、メンブレンフィルタ法において水に分散した微生物または細胞を濾過、濃縮するのと同様に、多くの微生物または細胞を捕集することができる。
次に、微生物や細胞を捕集した捕集シートを必要に応じて所定の大きさに切断し、微生物または細胞を捕集した面を、発色性物質を含有する水溶液に浸して、微生物または細胞を染色する。余剰な発色性物質を除去する必要があれば、無菌水などで微生物または細胞を捕集した面を濯いで洗浄する。また、微生物または細胞を染色後に微生物や細胞を集積した面を乾燥する必要がある場合は、風乾、自然乾燥、減圧乾燥などにより乾燥することができる。
微生物または細胞の計測は、自動合焦機能を有する光学顕微鏡、蛍光顕微鏡、レーザー顕微鏡、レーザースキャンニングサイトメーターもしくは他の適当な光学機器を用いて光学的画像を取得し、この像を画像計測することによって行う。本発明の捕集シートが威力を発揮し、迅速な画像計測が行える。即ち、自動合焦機能により捕集シート内の合焦用マーカーにフォーカスを合わせ、さらに捕集シート内の合焦位置から粘着層表面までの厚み分フォーカスをずらすことにより、捕集した微生物または細胞にフォーカスを合わせることが出来る。また、この一連の操作は培養操作を要さないので、実質的に該捕集シートの粘着面上の微生物は、数分〜十数分以内に検出できる。
本発明の応用例の一例としては、捕集面を被験面に貼付して、被験面上に存在する微生物を転写し、前培養なしで微生物を染色し、微生物をシングルセルのまま観察できるので、被験体の清浄度を迅速に測定する環境調査用などが考えられる。さらに、シングルセルレベルでの捕集であるので、該捕集シートを被験面に複数回圧着して微生物を捕集し、濃縮することも可能であり実用的である。応用分野として、医療、食品製造などの現場での環境の微生物検査などに適用できる。
前述のような方法で蛍光染色した微生物または細胞の蛍光観察像を得る実施の形態の一例について述べると、以下のとおりである。即ち、捕集シートで捕集した微生物または細胞のエステラーゼ活性によって蛍光化する試薬、例えばカルボキシフルオレセインジアセテート(以下CFDAと略す)を反応させる。CFDAで蛍光染色された微生物または細胞の蛍光画像を取得する際は、まず捕集シート上にCFDAの蛍光波長光(例えば500〜550nm)を発するオートフォーカス用光を照射する。捕集シートのマーカーに合焦させた後、その位置を起点として装置の光学系検出部とサンプルとの距離を合焦用マーカーと粘着層表面の間の厚み相当分(例えば20μm)移動させ、粘着層表面にフォーカスを合わせる。フォーカスされた捕集シートにCFDAを励起できる波長(例えば450〜500nm)の光を照射して粘着層表面の蛍光画像を取得する。そこで得られた蛍光画像から、微生物または細胞を認識、検出する。
以下に、複数の実施例に基づき、本発明をさらに具体的に説明するが、これらは単なる例示であって本発明の範囲を何ら限定するものではない。
1)捕集シートの作製
イソノニルアクリレート/2−メトキシエチルアクリレート/アクリル酸(65/30/5仕込み重量比)にアゾイソブチロニトリルを重合開始剤としてゲル分率40%(w/w)の共重合物トルエン溶液を得た。この溶液を、乾燥時の厚みが20μmとなるように25μm厚の透明ポリエステルの非粘着面に1200番手の紙やすりで約1μm深さの傷をつけたフィルム、および平均粒径5μmのシリカ粉末が混合されている26μm厚のポリエステルフィルムに塗布し、130℃で5分間乾燥した。さらに、線量25kグレイのγ線滅菌を行って、捕集シートを得た。なお、前記シリカ粉末を合焦用マーカーとして用いた場合を後述する実施例1−1とし、基材表面やすり処理を合焦用マーカーとして用いた場合を後述する実施例1−2とする。
2)微生物の捕集および染色
Staphylococcus epidermidis IFO3762培養液を無菌水で100倍希釈した溶液0.1mLを直径0.4μmの直孔を有するポリカーボネート膜で濾過し無菌リン酸緩衝液で洗浄した平膜上の微生物を検体とし、前記1)で作製した捕集シートを濾過面に押し付けた後に剥離した。次に6−カルボキシフルオレセンジアセテートを0.1%含むリン酸緩衝液を染色液として微生物を捕集した面に滴下し、3分間室温に放置して染色した後、さらにリン酸緩衝液で微生物捕集面を洗浄した。
3)計測
倍率10倍で撮像素子としてCCDカメラを備える光学系によってサンプルの画像を得た。その画像情報を元に、パーソナルコンピュータで受光系の鏡筒ないしサンプルステージの少なくとも一方を、駆動し合焦位置をサーチした。駆動のためには、0.5〜1μm程度の分解能で位置が制御できるステッピングモーターを用いるのが適している。こうした機構を備える光学機器(以下、測定装置)を用意し、捕集微生物を染色した捕集シートの微生物捕集面の微生物数を測定した。
具体的には、まず、基材近傍を起点に遠ざかる方向に鏡筒ないしサンプルステージの少なくとも一方を動かして、シリカ粉末等の合焦用マーカーが像を結ぶ焦点位置を記憶する。そこからさらに、粘着層表面に焦点が合うまでの所定の距離(例えば20μm)を動かした後、サンプルの画像を取得する。蛍光観察であれば所定の波長を有する励起光を照射し微生物または細胞を蛍光画像中の輝点として捉えることができる。
また、合焦用マーカーと粘着層表面の間の厚さを、光学系の被写界深度よりも大きくすることによって、微生物または細胞の観察時に合焦用マーカーを背景ノイズとして映りこませずに測定を行うことができる。被写界深度は光学系の開口数で決まり、通常の顕微鏡的観察においては数μmである。このため、合焦用マーカーと粘着層表面との距離を20μmとすれば、得られる画像に合焦用マーカーが映りこみ背景ノイズとなるのを防ぐことができる。
得られる画像を計測すれば、視野中に存在する微生物または細胞の数を求めることができる。また、鏡筒ないしサンプルステージの少なくとも一方を駆動して、サンプル上の異なる位置を観察し、複数視野から微生物または細胞の数を求めれば、統計的なバラツキを低減し、より正確な測定が可能である。本実施例では、サンプルステージを駆動して合計70視野の画像を取得し、そこに含まれる細菌数を求めた。また、培養希釈液の代わりに無菌液を検体として、微生物を捕集していない捕集シートの粘着面も同様に測定した。
4)データ解析
上述の計測に用いた同じサンプルを培養法によって測定し、本発明による菌数測定値と比較した。培養法によって測定した菌数の結果は、3028個/mmであった。培養法の結果を基準とした本発明による菌数測定値の比、即ち、菌回収率により、本発明と培養法との測定結果との比較を行なった。また、下記の合焦用マーカーなしの場合(比較例1)との比較も行なった。
(比較例1)
基材を何も処理をしていない25μm厚の透明ポリエステルフィルムとした以外は、実施例1と同様に捕集シートを作製し、微生物の捕集・染色・洗浄を行った。
計測結果を比較例1とともに表1に示す。なお、表1の備考欄において、前述のように、シリカ粉末を合焦用マーカーとして用いた場合を実施例1−1とし、基材表面やすり処理を合焦用マーカーとして用いた場合を実施例1−2とし、サフィックスaを付した例は、供試微生物がなしの場合を示す。比較例1においても同様である。
Figure 2004022774
表1から明らかなように、実施例1−1および実施例1−2においては、捕集シートの合焦用マーカーに自動合焦機能が働き、S.epidermidisの測定ができた。全く微生物を捕集していない捕集シート(実施例1−1aおよび実施例1−2a)でも、少ないながら微生物を検出した理由は、測定環境中等からの微生物や蛍光性粒子ノイズが混入したことや、画像処理における誤認による影響と思われる。表1中の3149個/mm、2846個/mmの測定値にも同程度の誤差が含まれていると考えられる。
合焦用マーカーがない比較例1の場合には、焦点が合わず計測不能となった。なお、合焦用マーカーが無くても、サンプル自体(例えば、捕集されたS.epidermidis)が擬似的な合焦用マーカーとして誤認識され、そこにオートフォーカスがかかることがある。ただし、その場合は、合焦位置からさらに所定の距離(例えば20μm)を強制的に移動した位置でサンプル画像を取得するため、微生物が正確にフォーカスされることなく微生物に由来する輝点を画像として捉えられない。このように合焦用マーカーを捕集シートに設けない場合、サンプルに対して適正に合焦することができないので、測定システムとしては不完全であることが明らかとなった。
供試微生物をEscherichia coli K−12とし、シリカを混合した基材からなる捕集シートを用いた以外は、実施例1と同様の手順で検討した。結果を下記の比較例2とともに表2に示す。
(比較例2)
基材を何も処理をしていない25μm厚の透明ポリエステルフィルムとした以外は、実施例2と同様に捕集シートを作製し、微生物の捕集・染色・洗浄を行った。
Figure 2004022774
実施例2では捕集シートの合焦用マーカーに自動合焦機能が働き、E.coli K−12の菌数測定ができた。ただし、菌回収率は、サンプル性状の影響のほか菌によって試薬(上記実施例2では6−カルボキシフルオレセンジアセテート)による染色性に違いがあることから、菌種によって異なっている。前記実施例1のS.epidermidisではほぼ100%に近い値であったが、実施例2のE.coli K−12および後述する実施例3のE.coli O157の場合には60%程度となっている。この場合、本発明の測定値を菌回収率により換算して真値とすることができる。
合焦用マーカーがない比較例2の場合、焦点が合わず計測不能となった。したがって合焦用マーカーを捕集シートに設けない場合、合焦することができないので測定システムには適さない。
供試微生物をE.coli O157とし、実施例2と同様に検討を行った。ただし染色においては菌体をFITC標識抗E.coli O157抗体(KPL社製,0.05mg/mlとなるようリン酸緩衝生理食塩水で希釈)を用い、5分間の染色の後、無菌水で洗浄を行った。結果を下記比較例3とともに表3に示す。
(比較例3)
基材を何も処理をしていない25μm厚の透明ポリエステルフィルムとした以外は、実施例3と同様に捕集シートを作製し、微生物の捕集・染色・洗浄を行った。
Figure 2004022774
実施例3では捕集シートの合焦用マーカーに自動合焦機能が働き、E.coli O157の菌数測定ができた。また実施例1および実施例2とは微生物の染色機構が異なっているが、検出には全く支障がなかった。
合焦用マーカーがない比較例3の場合、焦点が合わず、計測不能となった。
実施例2に記載の方法でE.coli K−12培養液を染色し、測定を行い、任意の菌数を計数するために必要な時間を計測した。結果を下記比較例4とともに表4に示す。
(比較例4)
E.coli K−12培養液を適宜リン酸緩衝液で希釈し、ここに終濃度0.1%となるよう6−カルボキシフルオレセインジアセテートを添加し、3分間室温で染色を行った。この液をポリカーボネート膜上に濾過して集菌した。集菌した膜を蛍光顕微鏡により、青色励起光下、400倍で観察し、蛍光を発する細胞の数を計数した。
Figure 2004022774
本発明の検出方法により、20000個以上の菌体をわずか10分で解析することができた。
比較例4では、3000あまりの菌体を計数するのに45分を要した。これは計数自体を人手で行う煩雑さに起因するのみならず、計数の過程で蛍光顕微鏡像の視野を変え、さらにその都度フォーカスを合わせる操作に時間を要することが原因である。
表4の結果は、本発明の方法が、迅速かつ簡便な微生物または細胞の検出に有効であることを示すものである。
上記のとおり、この発明によれば、オートフォーカスを行なうための合焦用マーカーをその表面もしくは裏面あるいは基材中に有する基材層と、この基材層表面上に積層された所定厚さを有する粘着層とからなる捕集シートの前記粘着層上に、試料中の微生物または細胞を捕集し、捕集前または捕集後に、前記微生物または細胞を染色試薬により染色し、前記合焦用マーカーにオートフォーカスさせた後に、このオートフォーカスによる合焦位置を基準点として、画像計測用の受光光学系または捕集シートの少なくとも一方を、相対的に、粘着層の所定厚さ寸法に前記基材層表面から合焦用マーカー位置までの距離寸法を加算した距離(合焦用マーカーを基材層表面に設けた場合は加算値はゼロ)と同等距離移動させて、前記粘着層上の微生物または細胞に合焦させ、合焦された前記粘着層表面上に光照射し、画像計測して微生物または細胞の検出を行なうこととしたので、特に固体表面上の微生物等をリアルタイムで簡便にモニタリングが可能であって、かつ自動合焦計測の計測精度の向上を図った微生物または細胞の検出方法を提供することができる。

Claims (6)

  1. 試料中の微生物または細胞を染色試薬により標識し画像計測により検出する方法において、以下の工程を含むことを特徴とする微生物または細胞の検出方法。
    1)オートフォーカスを行なうための合焦用マーカーを少なくともその表面に有する基材層と、この基材層表面上に積層された所定厚さを有する粘着層とからなる捕集シートの前記粘着層上に、前記試料中の微生物または細胞を捕集する工程。
    2)前記捕集した微生物または細胞を、染色試薬により染色する工程。
    3)前記合焦用マーカーにオートフォーカスさせる工程。
    4)前記オートフォーカスによる合焦位置を基準点として、画像計測用の受光光学系または捕集シートの少なくとも一方を、相対的に、粘着層の前記所定厚さ寸法と同等距離移動させて、前記粘着層上の微生物または細胞に合焦させる工程。
    5)合焦された前記粘着層表面上に光照射し、画像計測して微生物または細胞の検出を行なう工程。
  2. 請求の範囲第1項に記載の検出方法において、前記1)および2)の工程に代えて、以下の工程を含むことを特徴とする微生物または細胞の検出方法。
    1)前記試料中の微生物または細胞を、予め染色試薬により染色する工程。
    2)オートフォーカスを行なうための合焦用マーカーを少なくともその表面に有する基材層と、この基材層表面上に積層された所定厚さを有する粘着層とからなる捕集シートの前記粘着層上に、前記予め染色試薬により染色された試料中の微生物または細胞を捕集する工程。
  3. 請求の範囲第1項または第2項に記載の検出方法において、前記染色試薬を蛍光試薬とし、前記粘着層表面上に励起光を照射して蛍光画像計測を行い、かつ、前記合焦用マーカーにオートフォーカスさせる際のオートフォーカス用の照射光は、前記蛍光画像計測用の光波長帯域の波長を含む光とすることを特徴とする微生物または細胞の検出方法。
  4. 請求の範囲第1項ないし第3項のいずれかに記載の検出方法において、前記粘着層は、非水溶性粘着剤からなることを特徴とする微生物または細胞の検出方法。
  5. 請求の範囲第1項ないし第4項のいずれかに記載の検出方法において、前記粘着層の所定厚さ寸法は、光学系の被写界深度よりも大きいことを特徴とする微生物または細胞の検出方法。
  6. 請求の範囲第1項ないし第5項のいずれかに記載の検出方法において、前記合焦用マーカーは、前記「基材層の表面」に代えて「基材層の裏面もしくは基材層中」に設け、前記工程4)における「粘着層の前記所定厚さ寸法と同等距離移動させる」ことに代えて、「粘着層の所定厚さ寸法に前記基材層表面から合焦用マーカー位置までの距離寸法を加算した距離と同等距離移動させる」ことを特徴とする微生物または細胞の検出方法。
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