JPWO2003090570A1 - 棒状物品の成形装置 - Google Patents

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Abstract

棒状物品の成形装置は、刻たばこ及びペーパウエブ(P)からたばこロッド(R)を成形するのに使用される無端状のガニチャテープ(10)と、ガニチャテープ(10)を一方向に走行させる駆動ドラム(12)と、駆動ドラム(12)の外周面にガニチャテープ(10)を押付ける複数の押付ローラ34とを有し、これら押付けローラ(34)は駆動ドラム12の外周面に対するガニチャテープ(10)の密着力を増加させる。

Description

技術分野
本発明は、ウエブに充填材料を包み込んだ棒状物品を連続的に成形する成形装置に関する。
背景技術
この種の成形装置はシガレット製造機や製造機に組み込まれており、例えば特開平8−214854号公報はシガレット製造機の一例を開示している。公報に開示された製造機は成形装置としてのラッピングセクションを含み、このラッピングセクションは無端状のガニチャテープを有する。ガニチャテープはペーパウエブ及び充填材料としての刻たばこを受取り、これらペーパウエブを刻たばことともに一方向に走行させる。この過程にて、刻たばこは棒状に圧縮成形され、この後、ガニチャテープを介してペーパウエブに包み込まれ、たばこロッドが連続して成形される。
ガニチャテープは駆動ドラムに巻き掛けられており、駆動ドラムの回転に伴って走行される。更に、ガニチャテープにはテンショナにより一定の張力が付与さされいる。ガニチャテープの張力は駆動ドラムの外周面にガニチャテープを強く締け付け、駆動ドラムの回転に対するガニチャテープのスリップを防止する。
近年、上述した製造機の製造能力を向上するため、ガニチャテープの走行速度はますます高速化する傾向にある。このようなガニチャテープの高速化には駆動ドラムの外周面に対するガニチャテープの締付け力を増加し、駆動ドラムに対するガニチャテープのスリップを防止する必要がある。
上述したようにガニチャテープの締付け力はガニチャテープの張力により得られるため、締付け力を増加させるには、ガニチャテープの張力を増加させなければならない。しかしながら、張力の増加はガニチャテープの破断を招き易く、製造機の頻繁な運転停止を引き起こす。
発明の開示
本発明の目的は、ガニチャテープの高速走行を可能にしつつ、ガニチャテープの耐久性を向上することができる棒状物品の成形装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明における棒状物品の成形装置は、充填材料を供給する供給セクションと、この供給セクションから供給された充填材料をペーパウエブに包み込んで棒状物品に成形するラッピングセクションとを備えている。
ラッピングセクションは、棒状物品の成形に使用される無端状のガニチャテープであって、ラッピンクセクションを通過して延び、且つ、充填材料とともにペーパウエブを受け取る往路部分と、往路部分に連なる復路部分とを有する、ガニチャテープと、このガニチャテープを一方向に走行させる回転可能な駆動ドラムであって、その外周面にガニチャテープの復路部分が巻き掛けられる巻掛領域を有する、駆動ドラムと、ガニチャテープに張力を付与するテンショナと、駆動ドラムの巻掛領域にて、駆動ドラムの外周面にガニチャテープの復路部分を押し付ける押付けデバイスとを含んでいる。
上述の成形装置によれば、駆動ドラムの回転に伴ってガニチャテープが走行されているとき、ガニチャテープの復路部分は押付けデバイスにより、駆動ドラムの外周面に押付けられる。従って、駆動ドラムの巻掛領域にて、駆動ドラムの外周面に対するガニチャテープの復路部分の密着力は増加される。それ故、ガニチャテープは駆動ドラムの外周面に対してスリップすることなく、走行することができる。
ガニチャテープの密着力が押付けデバイスにより増加されれば、ガニチャテープに要求され且つテンショナにより付与される張力は小さくて済み、ガニチャテープの走行中、ガニチャテープの張力変動が抑制される。ガニチャテープの張力変動が抑制されれば、ガニチャテープに加わる負荷、即ち、繰り返し加重が低減される。従って、ガニチャテープの耐用時間が長くなり、ガニチャテープの交換頻度を少なくすることができる。この結果、成形装置の稼働効率は高まり、棒状物品の生産性が向上する。
上述の押付けデバイスは、駆動ドラムの外周面との間にてガニチャテープの復路部分を挟持する押圧部材と、駆動ドラムの外周面に向けて押圧部材を押し付ける駆動手段と含む。
具体的には、押圧部材は、駆動ドラムの外周面に沿って配置された複数の押付ローラを有し、これら押付ローラはガニチャテープの復路部分にそれぞれ転接する。また、押圧部材は押圧ローラに代えて、駆動ドラムの巻掛領域にガニチャテープを介して巻付けられる無端状の押付ベルトであってもよく、押付けベルトはガニチャテープの復路部分に連動して走行する。
上述の押付ローラ又は押付ベルトは何れの場合にも、駆動ドラムの外周面にガニチャテープを強く押付け、駆動ドラムの外周面に対するガニチャテープの密着力を増加させる。この結果、ガニチャテープの走行中、駆動ドラムの外周面に対するガニチャテープのスリップが確実に防止される。
また、上述の押付けデバイス、即ち、押付ローラ又は押付ベルトは駆動ドラムの外側に配置可能であるので、既存の成形装置に対して押付けデバイスを簡単に付加することができ、本発明の成形装置を容易に得ることができ、押付けデバイスの実用性は高い。
更に、押付けデバイスは押付ローラや押付ベルトに代えて、駆動ドラムの外周面に形成されたサクション面を含むことができる。このサクション面は駆動ドラムの巻掛領域内にてガニチャテープの復路部分を吸い付け、これにより、ガニチャテープは駆動ドラムの外周面に押付けられる。
上述したサクションタイプの押付けデバイスは、駆動ドラムの周辺に押付ローラや押付けベルトを配置するためスペースが無い場合に好適する。
ラッピングセクションは、ガニチャテープの往路部分を案内するガイド経路を備えているが、成形装置は上述の押付けデバイスに加えて、ガイド経路とガニチャテープの往路部分との間の摩擦抵抗を低減する低減デバイスを更に含むことができる。
ガニチャテープの往路部分がガイド経路を通過する際、ガニチャテープの往路部分はペーパウエブによる充填材料の包み込み、つまり、棒状物品の成形をもたらすために使用される。このような成形プロセスにあっては、ガイド経路はガニチャテープの走行に過大な抵抗となる。しかしながら、低減デバイスはガニチャテープの走行抵抗を低減し、ガニチャテープの張力変動、つまり、繰り返し荷重を低減する。この結果、低減デバイスは前述の押付けデバイスと協働することにより、ガニチャテープの耐用時間を更に伸ばすことができるばかりでなく、ガニチャテープの損傷を防止する。
発明を実施するための最良の形態
棒状物の成形装置は、シガレット製造機又はフィルタ製造機の一部を形成する。即ち、第1図に示されるようにシガレット製造機は、刻たばこの供給装置2と、成形装置4とを備えており、この成形装置4はシガレットロッドを成形する。
より詳しくは、供給装置2は無端状のサクションベルト、即ち、たばこバンド6を有し、たばこバンド6は一方向に走行する。この走行に伴い、たばこバンド6のサクション面は刻たばこを層状に吸着して刻たばこ層を形成し、この刻たばこ層はたばこハンド6の走行により、成形装置4に向けて移送される。
成形装置4はたばこバンド6に連なるラッピングセクション8を有し、ラッピングセクション8はその始端にて、刻たばこ層及びペーパウエブPをそれぞれ受け取る。これら刻たばこ層及びペーパウエブPはラッピングセクション8を通過し、この過程にて、刻たばこ層はペーパウエブPにペーパウエブPに包み込まれ、たばこロッドが連続的に成形され、そして、たばこロッドのシームラインが乾燥器14により乾燥処理される。
ラッピングセクション8内を通じてペーパウエブP及び刻たばこ層を走行させるため、ラッピングセクション8は無端状のガニチャテープ10を有する。ガニチャテープ10は多数のガイドローラに掛け回されており、これらガイドローラはガニチャテープ10の走行経路を規定する。
ガニチャテープ10は、ラッピングセクション8を水平に通過する上側の往路部分と、下側の復路部分とを有する。走行経路の復路部分は駆動ドラム12に巻き掛けられており、駆動ドラム12はその回転によりガニチャテープ10を第1図中矢印の方向に走行させる。
第2図は、ガニチャテープ10の走行経路及びシガレットロッドRの成形過程をより詳細に示す。
ガニチャテープ10の往路部分の始端にて、ペーパウエブPはガニチャテープ10上に重ね合わされ、そして、刻たばこ層がたばこバンド6からペーパウエブP上に供給される。この後、ガニチャテープ10の走行に伴い、刻たばこ層TはペーパウエブPとともにラッピングセクション8の圧縮成形型(シュー・トング)16を通過する。圧縮成形型16は成形ベッド17と協働し、刻たばこ層をガニチャテープ10及びペーパウエブPを介して丸棒状に圧縮成形する。
より詳しくは、成形ベッド17はガニチャテープ10の往路部分に沿って延び、その上面にガイド溝(図示しない)を有する。ガイド溝はガニチャテープ10における往路部分を案内する。圧縮成形型16の直下に位置する成形ベッド17の部分はロア成形ガイド18と称されており、ロア成形ガイド18内を延びるガイド溝の部分は成形溝として形成されている。この成形溝は、ロア成形ガイド18の上流端にて平坦な断面形状を有するが、ロア成形ガイド18の下流端ではほぼU字形の断面形状を有する。即ち、成形溝はロア成形ガイド18の上端から出現し、成形溝における溝底の幅及び曲率半径はロア成形ガイド18の下流端に向けて徐々に減少する。
それ故、ガニチャテープ10が成形溝内を通過する際、ガニチャテープ10は成形溝の形状に従って徐々に曲成され、最終的にU字形状をなす。このようなガニチャテープ10の曲成は、ペーパウエブPを介して刻たばこ層Tの下側半分を断面でみて半円形に成形する。
一方、刻たばこ層Tが上述した圧縮成形型16を通過する際、圧縮成形型16のトングは刻たばこ層Tの上側半分を断面でみて半円形に成形する。
ラッピングセクション8は圧縮成形型16の下流にアッパ成形ガイドを備え、このアッパ成形ガイドは成形ベッド17の直上に配置されている。アッパ成形ガイドは、ショートホルダ20、フロントストリップ21及びロングホルダ22を有し、これらは圧縮成形型16から順次配置されている。
ショートホルダ20はガニチャテープ10を介してペーパウエブPの一方の側縁を円弧状に曲成し、一方の側縁が棒状の刻たばこTに上側から被せられる。このとき、ペーパウエブPの他方の側縁はフロントストリップ21に案内されながら、フロントストリップ21を通過し、この際、糊ノズル(図示しない)はペーパウエブPの他方の側縁にシーム糊を塗布する。
この後、ロングホルダ22はガニチャテープ10を介して、ペーパウエブPの他方の側縁を同様に円弧状に曲成し、他方の側縁が棒状の刻たばこTに上側から被せられる。従って、ペーパウエブPの両側縁は互いに重ね合わされ、そして、シーム糊により接着される。この時点で、刻たばこTはペーパウエブPにより完全に包み込まれ、たばこロッドRが成形される。成形されたたばこロッドRはガニチャテープ10とともにロングホルダ22から連続して送出され、そして、ガニチャテープ10は元のU字形に復元する
ロングホルダ22の下流には一対のテープガイド24が配置されている。これらテープガイド24は乾燥器14の両側に位置付けられ、成形ベッド17のガイド溝に沿って延びている。たばこロッドRが乾燥器14を通過する際、テープガイド24は、ガニチャテープ10の対応する側縁を案内する。
乾燥器14はロッドヒータ(図示しない)を備え、ロッドヒータはたばこロッドRのシーム糊を加熱により乾燥させる。
乾燥器14、即ち、ラッピングセクション8を通過したたばこロッドRは、切断セクション15(第1図参照)を通過し、この際、切断セクション15はたばこロッドRを個々のシガレットロッドCに切断する。シガレットロッドCはフィルタシガレットにおけるシガレット部分の2倍の長さを有する。
なお、シガレットロッドCはシガレット製造機からフィルタ取付機(図示しない)に供給され、フィルタ取付機はフィルタシガレットを製造する。
第2図に示されるように、ガニチャテープ10の復路部分は多数のガイドローラ27及び蛇行規制ローラ29により案内されている。ガニチャテープ10の復路にはテンションローラ28が更に配置されている。テンションローラ28はアーム30の先端に回転自在に取付けられ、アーム30の基端は回動可能に支持されている。第2図でみて、アーム30は時計方向Aに回動付勢され、テンションローラ28を介してガニチャテープ10に所定の張力を付与する。
この結果、ガニチャテープ10は走行経路上で弛みなく張られ、駆動ドラム12の外周面に密着する。
更に、ガニチャテープ10の復路には一対のガイドローラ26が駆動ドラム12の近傍に配置されている。これらガイドローラ26は、駆動ドラム12の周方向でみて、駆動ドラム12に巻き掛けられるガニチャテープ10の巻掛領域を規定する。
駆動ドラム12の近傍には巻掛領域に沿って押付ユニット32が配置されており、押付ユニット32は巻掛領域にて、駆動ドラム12の外周面に対するガニチャテープ10の密着力を高める。具体的には、押付ユニット32は複数(例えば4個)の押付ローラ34を有し、これら押付ローラ34は駆動ドラム12の外周に沿った同一の円弧線上に配置されている。押付ローラ34はガニチャテープ10に転接しており、ガニチャテープ10は駆動ドラム12と押付ローラ30との間に挟み込まれている。
第3図及び第4図に示されるように、押付ユニット32は円弧形状のベースプレート36を有する。ベースプレート36は駆動ドラム12の外周に沿って延び、成形装置4のフレームに取り付けられている。ベースプレート36には押付ローラ34にそれぞれ対応して、複数のエアシリンダ38がブラケット40を介して取り付けられており、これらエアシリンダ38は駆動ドラム12の周方向に間隔を存して配置されている。エアシリンダ38はピストンロッドを有し、このピストンロッドは駆動ドラム12の外周面に向けて突出している。従って、エアシリンダ38のピストンロッドは駆動ドラム12の外周面に向けて伸張又は外周面から離れるように収縮する。
各エアシリンダ38にはスライドブロック42がそれそれ割り当てられている。スライドブロック42はベースプレート36に対して、対応するエアシリンダ38におけるピストンロッドの伸縮方向に摺動自在に支持され、そして、そのピストンロッドに連結されている。従って、エアシリンダ38のピストンロッドの伸縮に伴い、スライドブロック42はピストンロッドの伸縮方向にスライドすることができる。
各スライドブロック42にはローラホルダ44が取り付けられており、ローラホルダ44は対応する押付ローラ30を回転自在に支持する。より詳しくは、第4図に示されているようにローラホルダ44はU字形の断面形状を有し、その内部に押付ローラ34が収容されている。また、ローラホルダ44にはローラ軸46の両端が支持され、このローラ軸46に押付けローラ34が一対の軸受48を介して回転自在に支持されている。
各エアシリンダ38は空圧源(図示しない)に接続され、この空圧源から作動エアの供給を受けることができる。エアシリンダ38に作動エアが供給されたとき、エアシリンダ38は対応するスライドブロック42を駆動ドラム12の外周面に向けてスライドさせる。このとき、ローラホルダ44は第3図中の2点鎖線で示される休止位置から駆動ドラム12に向けて前進する。この結果、ローラホルダ44の押付ローラ34は駆動ドラム12に向けて押し出され、駆動ドラム12と押付ローラ34との間にガニチャテープ10が挟み付けられる。このようなガニチャテープ10の挟み付けにより、ガニチャテープ10は駆動ドラム12の外周面に強く密着される。
成形装置4の運転時、ガニチャテープ10は走行経路を高速で走行し、ガニチャテープ10の牽引力は駆動ドラム12の回転により発生される。ガニチャテープ10の安定した高速走行を実現するには、駆動ドラム12の外周面にへのガニチャテープ10の密着力を高めて、駆動ドラム12に対するガニチャテープ10のスリップを防止しなければならない。
上述したテンションローラ28により付与されるガニチャテープ10の張力は、駆動ドラム12の外周面へのガニチャテープ10の密着力を増加させる上で有効である。しかしながら、成形装置4の運転速度が一層高速化する状況下では、ガニチャテープ10に許容される張力の増加は制限され、この結果、ガニチャテープ10の張力のみでは、要求されるガニチャテープ10の密着力を得ることは困難である。
この点、上述した押付ユニット32は、ガニチャテープ10の張力を増加させることなく、ガニチャテープ10と駆動ドラム12との間の密着力を高め、駆動ドラム12の外周面に対するガニチャテープ10のスリップを効果的に防止することができる。
一方、押付ユニット32によりガニチャテープ10の密着力が増加されるので、この分、テンションローラ28により付与されるガニチャテープ10の張力を低減させることができる。
本発明者の検証によれば、ガニチャテープ10の走行経路中、ガニチャテープ10に加わる張力(走行負荷)はロア成形ガイド18からラッピングセクション8に至る区域にて急激に上昇し、この区域以外にて、ガニチャテープ10の張力は低下する。また、テンションローラ28により付与されたガニチャテープ10の張力が増加すれば、この増加に応じて上記の区域でのガニチャテープ10の張力もまた増加する。
上述したガニチャテープ10の張力変動は、ガニチャテープ10の材料(アラミド繊維等)に大きな繰り返し荷重を加え、ガニチャテープ10の疲労破壊を早期に招くことになる。従って、ガニチャテープ10の繰り返し荷重、即ち、その張力変動が小さく抑えられれば、S−N曲線で示されるガニチャテープ10の疲労限度が伸び、ガニチャテープ10の耐用時間を長くできる。
この結果、上述した押付ユニット32は駆動ドラム12の外周面に対するガニチャテープ10の密着力を高め、この分、ガニチャテープ10に要求される張力を軽減する。それ故、テンションローラ28により付与されるガニチャテープ10の張力が低減されることから、ガニチャテープ10の走行中、ガニチャテープ10の張力変動は抑制され、ガニチャテープ10の耐用時間は長くなる。
この点に関し、押付ユニット32を備えた本実施例の成形装置4と押付ユニット32を備えていない従来の成形装置とをガニチャテープ10の耐用時間で比較した場合、本発明者は本実施例の成形装置4の方が従来の成形装置に比べて、ガニチャテープ10の耐用時間が長くなっているのを確認している。
第5図は、上述の押付ユニット32に代替可能な押付ベルトユニット50を示す。
押付ベルトユニット50は無端状の押付ベルト52を備え、この押付ベルト52は上述の巻掛領域内にて、駆動ドラム12の外周面にガニチャテープ10を押し付けている。具体的には、押付ベルトユニット50は押付ベルト52の走行を案内する2つのガイドローラ54,55を含み、これらガイドローラ54,55はローラ軸にそれぞれ回転自在に支持され、これらローラ軸は成形装置4のフレームに固定されている。ガイドローラ54は第5図でみて駆動ドラム12の左側に配置され、ガイドローラ55は駆動ドラム12の下方に配置されている。
押付ベルトユニット50は押付ベルト52の走行を案内するテンションローラ56を更に含み、このテンションローラ56は駆動ドラム12の右側に配置されている。押付ベルト52は、ガイドローラ54とテンションローラ56との間の部位が駆動ドラム12にガニチャテープ10を介して巻き掛けられている。
テンションローラ56はローラ軸に回転自在に支持され、このローラ軸はアクチュエータ58に連結されている。アクチュエータ58は例えばエアシリンダからなる。アクチュエータ58が駆動されると、アクチュエータ58はテンションローラ56のローラ軸を上方に向けて押し上げることができる。これにより、テンションローラ56は第5図中二点鎖線で示される休止位置から上方の作動位置に移動する。作動位置にて、テンションローラ56は押付ベルト52をガニチャテープ10を介して駆動ドラム12の外周面に押付け、これにより、駆動ドラム12の外周面に対するガニチャテープ10の密着力が増加される。
なお、エアシリンダ58は油圧又はソレノイドを利用したアクチュエータに置換可能である。
第6図は、上述の押付ユニット32や押付ベルトユニット50の機能を有する駆動ドラム12を示す。この場合、駆動ドラム12はサクションドラムであり、その外周がサクション面12sとして形成されている。サクション面12sのサクション領域Sは、駆動ドラム12の周方向でみて、ガニチャテープ10の巻掛領域の全域に亘って延びていてもよいし、巻掛領域内の一部に亘って延びていてもよい。更には、サクション域Sは巻掛領域にて、駆動ドラム12の周方向に分割されていてもよい。
第6図の駆動ドラム12はそのサクション面にガニチャテープ10を吸着し、この結果、駆動ドラム12の外周面に対するガニチャテープ10の密着力が増加される。
押付ユニット32に代わりに、押付ベルトユニット50又サクションドラム12の何れが使用されても、ガニチャテープ10のスリップを防止しつつ、ガニチャテープ10の張力が低減される。この結果、ガニチャテープ10の張力変動が抑制され、ガニチャテープ10の耐用時間を長くすることができる。
更に、成形装置4には、ガニチャテープ10の走行抵抗を低減する工夫が種々に採用されており、これらの工夫に関して、以下に説明する。
第7図及び第8図は上述したロア成形ガイド18を具体的に示す。ロア成形ガイド18は2つのハーフガイド60,62を含み、これらハーフガイド60,62はガニチャテープ10の走行経路の両側にそれぞれ配置されている。ハーフガイド60,62はこれらの間に前述した成形溝63を規定し、この成形溝63はガニチャテープ10の背面を案内する案内面64を有し、この案内面64は成形溝63の底面及び両内側面から形成される。
ハーフガイド60,62は互いに所定の間隔を存して離れ、成形溝63の底にスリット61を確保している。このスリット61はガニチャテープ10の走行方向に延びている。スリット61内には多数のスペーサ65が成形溝63の底から突出することなく配置されており、これらスペーサ65はガニチャテープ10の走行方向に間隔を存して一列に並んでいる。なお、ハーフガイド60,62はスペーサ65を介してボルト(図示しない)により相互に連結されている。
更に、ロア成形ガイド18には複数のローラ66が内蔵されており、これらローラ67はスペーサ65と交互に配置されている。各ローラ66の外周の一部はスリット61内に位置付けられ、成形溝63における底の一部を形成する。
より詳しくは、第8図に示されるようにハーフガイド60,62は、スリット61を介して対向する面に凹所70,72を有し、これら凹所70,72は対応するローラ66の収容室67を規定する。収容室67にはローラ66のボス68が収容されており、このボス68はローラ66の両側に突出している。
ローラ66のボス68は一対の軸受76を介してローラ軸74に回転自在に支持され、ローラ軸74の両端はボス68の両側に突出する。一方、凹部70,72の底にはガイド孔68がそれぞれ形成され、これらガイド孔68はローラ軸74の対応する端部を摺動自在に受け入れている。
ローラ軸74にはフランジ78,80が形成されており、これらフランジ78,80はボス68の両側に位置付けられ、ローラ66のボス68を挟み付けている。フランジ78は凹部70の底に当接し、フランジ80と凹部72の底との間には皿ばね82が配置されている。皿ばね82はローラ軸74を囲み、フランジ80を介してローラ軸74を凹部70側に付勢する。これより、フランジ78が凹部70の底に押し付けられ、ローラ66はスリット61に対して正確に位置決めされ、ハーフガイド60,62に接触することなく回転する。なお、皿ばね82の代わりにコイルばねを使用してもよい。。
ガニチャテープ10がロア成形ガイド18を通過するとき、ガニチャテープ10の走行は成形溝63、即ち、その案内面64により案内される。このとき、前述したように刻たばこ層Tは圧縮成形を受けるので、刻たばこ層TはペーパウエブPを介してガニチャテープ10を案内面64に強く押さえ付ける。それ故、特にロア成形ガイド18にて、ガニチャテープ10の走行抵抗は著しく増加する。
しかしながら、上述したロア成形ガイド18における成形溝63の底の一部は複数のローラ66により形成されているので、ガニチャテープ10の走行抵抗は低減される。この結果、ガニチャテープ10の張力変動が抑制される。
第9図は、前述した一対のテープガイド24を具体的に示す。
一対のテープガイド24の互いに対向する面はそれぞれ波状をなし、これら波状面24aの波頭はガニチャテープ10の走行方向でみて下流側を向いている。
更に、各テープガイド24はその終端部に3個ずつのガイドローラ86を有し、これらガイドローラ86はガニチャテープ10の走行方向に間隔を存して配置されている。具体的には、各テープガイド24には3つの凹所88が形成されており、これら凹所88にガイドローラ86がそれぞれ水平姿勢にして受け入れられている。各ガイドローラ86はローラ軸に回転自在に支持されており、ガイドローラ86のローラ軸はブラケット90に固定されている。なお、ブラケット90はテープガイド24に取り付けられている。ガイドローラ86の外周面は凹所88の外側にて、ガニチャテープ10に転接した状態で、ガニチャテープ10の走行を案内する。
上述した一対のテープガイド24の波状面24aは、ガニチャテープ10の両側縁に対する接触面積が少ないので、ガニチャテープ10の摩擦や走行抵抗を低減する。
ガニチャテープ10が一対のテープガイド24を通過した後、ガニチャテープ10は復帰ガイド96に案内されながらU字形から平坦状に復帰するが、この際、ガニチャテープ10の両側縁はテープガイド24の終端部に強く押付けられる。しかしながら、テープガイド24の終端部にガイドローラ86が配置されているで、ガニチャテープ10はテープガイド24から円滑に抜け出ることができる。それ故、ガニチャテープ10の摩擦が低減される。
第10図は、前述した成形ベッド17の一部を示す。
成形ベッド17はガイド溝92を有し、このガイド溝92は断面でみて半円形状をなしている。ガイド溝92の内面には多数のディンプル94が形成されており、これらディンプル94はガイド溝92の内面にマトリックス状に分布されている。
個々のディンプル94は0.5〜1.0mm程度の孔径及び0.1〜0.5mm程度の深さを有し、これらディンプル94はガニチャテープ10の走行、つまり、たばこロッドRの成形に悪影響を与えることはない。なお、ディンプル94は例えば、放電加工機等により形成することができる。
成形ベッド17のガイド溝92は多数のディンプル94を有しているので、ガニチャテープ10の摩擦及び走行抵抗が低減される。従って、ガニチャテープ10の張力変動が抑制され、ガニチャテープ10の耐用時間が長くなる。
ディンプル94はガイド溝92の内面に不規則に分布されていてもよいし、ガイド溝92はディンプル94の代わりに、サンドブラスト加工された内面を有していてもよい。
上述したように成形装置4はガニチャテープ10に要求される張力や、ガニチャテープ10の走行抵抗を低減することができるので、ガニチャテープ10の耐用時間を伸ばすことができるばかりでなく、ガニチャテープ10の摩耗に起因しする損傷、具体的には、ガニチャテープ10の両側縁に発生する亀裂が防止される。
本発明は上述した実施例に制約されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、押付ユニット32、押付ベルト52及びサクションドラム12は任意に組み合わせて使用可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、シガレット製造機の概略正面図;
第2図は、第1図の製造機の一部を拡大して示した図;
第3図は、第2図中の押付ユニットを具体的に示した図;
第4図は、第3図中、IV−IVに沿う断面図;
第5図は、押付ベルトユニットの概略図;
第6図は、駆動ドラムの変形例を示す図;
第7図は、成形ベッドのロア成形ガイドを示した平面図;
第8図は、第7図中、VIII−VIII線に沿う断面図;
第9図は、テープガイドの平面図;及び
第10図は、成形ベッドを破断して示す図である。

Claims (8)

  1. 棒状物品の成形装置は、充填材料を供給する供給セクションと、前記供給セクションから供給された前記充填材料をペーパウエブに包み込んで棒状物品に成形するラッピングセクションとを備え、
    前記ラッピングセクションは、
    前記棒状物品の成形に使用される無端状のガニチャテープであって、前記ラッピンクセクションを通過して延び、且つ、前記充填材料とともに前記ペーパウエブを受け取る往路部分と、前記往路部分に連なる復路部分とを有する、ガニチャテープと、
    前記ガニチャテープを一方向に走行させる回転可能な駆動ドラムであって、その外周面に前記ガニチャテープの前記復路部分が巻き掛けられる巻掛領域を有する、駆動ドラムと、
    前記ガニチャテープに張力を付与するテンショナと、
    前記駆動ドラムの前記巻掛領域にて、前記駆動ドラムの外周面に前記ガニチャテープの前記復路部分を押し付ける押付けデバイスと
    を含む。
  2. 請求項1の成形装置において、
    前記押付けデバイスは、
    押圧部材であって、前記押圧部材と前記駆動ドラムの外周面との間に前記ガニチャテープの前記復路部分が挟持される、押圧部材と、
    前記駆動ドラムの外周面に向けて前記押圧部材を押し付ける駆動手段と
    を含む。
  3. 請求項2の成形装置において、
    前記押圧部材は、前記駆動ドラムの外周面に沿って配置された複数の押付ローラを有し、前記押付ローラは前記ガニチャテープの前記復路部分にそれぞれ転接する。
  4. 請求項3の成形装置において、
    前記ラッピングセクションは、
    前記ガニチャテープの前記往路部分を案内するガイド経路と、
    前記ガイド経路と前記ガニチャテープの前記往路部分との間の摩擦抵抗を低減する低減デバイスとを
    更に含む。
  5. 請求項2の成形装置において、
    前記押圧部材は、前記駆動ドラムの前記巻掛領域に前記ガニチャテープを介して巻付けられる無端状の押付ベルトを有し、前記押付けベルトは前記ガニチャテープの前記復路部分に連動して走行する。
  6. 請求項5の成形装置において、
    前記ラッピングセクションは、
    前記ガニチャテープの前記往路部分を案内するガイド経路と、
    前記ガイド経路と前記ガニチャテープの前記往路部分との間の摩擦抵抗を低減する低減デバイスとを
    更に含む。
  7. 請求項1の成形装置において、
    前記押付けデバイスは、前記駆動ドラムの外周面に形成されたサクション面を有し、前記サクション面は前記巻掛領域内にて前記ガニチャテープの前記復路部分を吸い付ける。
  8. 請求項7の成形装置において、
    前記ラッピングセクションは、
    前記ガニチャテープの前記往路部分を案内するガイド経路と、
    前記ガイド経路と前記ガニチャテープの前記往路部分との間の摩擦抵抗を低減する低減デバイスとを
    更に含む。
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