JPWO2003080876A1 - ホットガス焼入れ装置及びホットガス熱処理システム - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、N2ガスやArガス等の不活性ガスを金属の変態点温度に関連して定めた中間温度に調節して成るホットガスを用いて、金属の急冷或いは等温保持を行うことにより、塩浴を用いずして高品質の等温保持による熱処理を効率的に行うことができるホットガスによる金属熱処理方法及びホットガス焼入れ装置並びにホットガス熱処理システムに関する。
背景技術
金属の焼入れ方法としては、焼入れ開始温度に予熱したワークを一気に常温まで冷却し、その後焼戻す通常焼入れの他に、等温熱処理法と称し、S曲線(T,T,T,曲線)で定められる中間温度で一定時間等温保持し、格別に品質向上できるオーステンパ、マルテンパ、マルクエンチ等が知られている。
従来より、等温保持による熱処理は、塩浴を用いて行なわれている(社団法人 日本熱処理技術協会編、熱処理技術便覧、2000年8月30日発行、P.144〜147(塩浴熱処理)参照)。焼入れには、150〜550℃の低温用、570〜950℃の中温用、1000〜1300℃の高温用の塩浴が用いられる。塩浴材としては、KNO2やKNO3とNaNO2の混合物や、BaCl2とKCl又はCaCl2との混合物、或いはNaClとLiCl又はKClの混合物等が温度別に区分されて使用される。
塩浴を用いた金属の熱処理では、真空炉や雰囲気炉等の予熱炉からワークを取り出し一気に目的とする温度へ冷却することはできず、種々の対策が練られている(社団法人 日本熱処理技術協会編、熱処理技術便覧、2000年8月30日発行、P.769〜773(塩浴炉)参照)。
例えば、真空炉内に高温の塩浴を配置し、一度塩を表面に付けた状態でワークを取り出し、防錆被覆を施した状態で、順次温度の低い塩浴へ移行させ、最終中間温度の塩浴で等温保持することが行われている。塩浴間の移動は、チェーンブロック等を用いて行なう。高温ワーク及び高温熱浴を相手とする作業で、熟練を必要とし、極めて注意深く行なわれる。
一方、連続式と称し、予熱炉の下方にオーステンパ処理用の塩浴を配置し、予熱炉から排出した小物ワークを塩浴へ移し、コンベア等で順次移動させる例もある。処理品に制限が多く、オーステンパにしか利用できない欠点がある。
多目的と称し、トレイバッチ式自動搬送により、予熱炉及びソルト冷却槽を連係して全自動でオーステンパ処理を行うようにした例もある。しかし、これも大がかりで塩浴を使うことに変わりは無い。
塩浴は、その使い方を如何にしようとも、塩浴内にワークを浸漬し、冷却又は、等温保持しようとするものであるから、ワークの漬け込み及び引き上げの手段を必要とし、自ずと、処理に制限が生ずる。例えば、昇温オーステンパのように、200℃へ急冷後、素早く250℃へ昇温して等温保持し、その後常温へ冷却しようとするような複雑工程にあっては、複数の塩浴が必要で、またワークを塩浴に対し移送する手段が必要で、装置が大がかりで製品コストアップの原因となっていた。
また、一方、近年、塩浴の使用による環境劣化の問題等から、ワークの冷却、特に焼入れを行うに際し、塩浴での冷却を避けてN2ガスやArガス等の不活性ガスを用いて冷却、焼入れすることが行われるようになってきた。例えば、特開平5−66090号公報に示される真空炉では、耐圧性の炉本体内にワークを収納して1000〜1200℃に加熱し、次いでの冷却を行うため、前記炉本体内に5Barの不活性ガスを導入し、該ガスをターボブロワーの作動により循環させ、前記熱処理品を比較的速やかに冷却することができる。この真空炉は、内部に設置したワークを、除熱、1次予熱、2次予熱、焼入れ温度への予熱、予熱温度での高温保持等の一連の加熱処理を行うヒータ等の加熱手段が設けられている。ワークに一連の予熱処理を施すと、次いで5BarのN2ガスを吸込み、冷却し、焼入れ処理することができる。当該炉は、噴流炉とも称されている。
しかしながら、従来のガス焼入れ可能な噴流炉にあっては、予熱されたワークを常温へ向けて急冷でき、常温への焼入れ処理はできるものの、中間温度での等温保持はできず、オーステンパ、マルテンパ、マルクエンチ等等温保持を必要とする熱処理はできなかった。
上記噴流炉を用いて、等温保持によるオーステンパを試みた例がある。この場合、制御装置の目標温度を等温保持温度に設定して、ここで一定時間の等温保持させるよう指令することになる。すると、上記噴流炉は、指令に従い、ガス温が目標温度から下に外れると、ワーク加熱用のヒータが入り、上に外れるとヒータが切れる。
この間、ブロワーによって循環されるガス流は常時水冷装置によって冷却されている。このため、上記噴流路は、上に50〜100℃、下に100℃と大幅な温度変化を示し、到底使用に耐えない。即ち、従来の噴流炉では、等温保持の制御は不可能である。また、不活性ガスの導入が常温であることから、部分的、局所的に過冷却を生じるという問題点もある。さりとて、不活性ガスの導入温度を単に上昇させれば良いというものでもない。
発明の開示
本発明者等は、等温保持可能なガス焼入れ方法を鋭意研究した。また、この研究結果により、予熱後のワークを冷却するに際し、常温不活性ガスを吹付ければ、必ず部分的、局所的な過冷却を生じるので、少なくとも初期に与える不活性ガスは、例えばMs点付近の高温とすべきであることに着目し、ホットガスの概念を確立し、その応用について研究した。ホットガスとは、予熱ワークを目標温度に冷却するのに用いられる不活性ガスで、焼入れ方法の種別に応じワークに過冷却を生じさせることの無い温度、例えばMs点以上の温度に定めた中間温度の不活性ガスをいう。より正確に定義すると、ホットガスとは、等温保持の目標温度として参照される変態点温度に関連して定めた中間温度に調節生成された不活性ガスをいう。このホットガスを生成し、ワークに吹付けることにより、過冷却無しでワークを目標温度に冷却し、等温保持することができる。
本発明は、以上示したホットガスの概念を踏襲した上で、等温保持を加えての熱処理を行うことができるホットガスによる金属処理方法及びこれに用いるホットガス焼入れ装置並びにホットガス熱処理システムを提供することを目的とする。これにより、従来塩浴法により実施されていた等温保持による金属熱処理をより安全、より効率的にホットガスで行えるのみならず、ホットガス温度の自在な制御により従来塩浴法では行えなかった金属熱処理方法をも自由に実施できるようになる。
また、具体的に、従来の通常焼入れのみ実施可能の噴流炉に対し、中間温度での等温保持が可能で、オーステンパ、昇温オーステンパ、マルテンパ、マルクエンチ等、任意の焼入れを実施できる5種(基本型、ガス予熱型、ミキサ内又は流路内接触材型、るつぼ型)のホットガス焼入れ装置を提供することを目的とする。
さらに、前記ホットガス焼入れ装置を予熱炉等と組み合わせて、等温保持を加えて各種熱処理を効率良く実施できるホットガス熱処理システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決することのできる本発明のホットガスによる金属熱処理方法は、焼入れ開始温度に予熱したワークに、前記ワークの等温変態点温度付近に調節された不活性ガス(ホットガス)を吹付けて急冷し、その後温度差5℃以内で任意の時間等温保持すると共に、前記ホットガス温度を任意に変更可能として、各種等温保持の金属熱処理方法に従い、静的又は動的な等温保持による金属熱処理を行うことを特徴とする。
従って、本発明のホットガスによる金属熱処理方法によれば、従来塩浴法に代えて、各種等温保持による金属熱処理とホットガスを用いて安全、効率的に小設備で行うことができる。加えて、温度変化の制御を容易、迅速、自在に行えるので、従来塩浴による制御が解除され、静的温保持に加えて動的等温保持を行うことができる。動的とは、素早いことと、変化が自在であることを意味する。例えば、300℃で10分、315℃で20分、再度305℃で30分等と、設計通り、正確で、動的な制御が可能となる。
さらに、従来塩浴法で実施可能とされているオーステンパ、マルチテンパ、マルクエンチ等の各種金属熱処理方法の改良を図ることができ、されに効果的な等温保持による金属熱処理方法を提案できる素材とすることができる。
本発明のホットガス焼入れ装置は、次の5種の構成を取る。各構成のホットガス焼入れ装置を、夫々H・O・T−1、H・O・T−2、H・O・T−3、H・O・T−4、H・O・T−5とし、夫々の特徴を表1にまとめて示す。
本発明の基本型のホットガス焼入れ装置H・O・T−1は、焼入れ開始温度に予熱されたワークを、前記ワークの等温変態点温度付近に定めた中間温度に急冷し、その後等温保持することができるホットガス焼入れ装置であって、予熱されたワークを不活性ガス雰囲気中で収納するワーク収納部と、前記ワーク収納部と連通される流路に対し、夫々に開度調節可能な制御窓を有して分岐配置される第1(高温用)及び第2(低温用)の流路と、前記第2の流路中に配置され、その入口から入力された不活性ガスを常温に向けて冷却するガス常温冷却装置と、前記第1及び第2の流路の終端位置に配置され、両流路から送られてきた異なる温度の不活性ガスを均一温度に混合するミキサと、前記ミキサから出力される不活性ガスを細管に分岐し、前記ワークの外周面に均一に吹付けるディストリビュータと、前記ミキサと前記ディストリビュータとの間に配置され、前記ミキサから出力される不活性ガスを前記ディストリビュータに対し加圧して供給するブロワー装置と、所要の量の不活性ガスを前記第1又は第2の流路に吹込む不活性ガス導入手段と、前記ブロワー装置を駆動し、かつ前記不活性ガスを導入しつつ、前記ミキサの出力ガスの温度が前記中間温度となるよう前記制御窓の開度を調節制御するコントローラと、を備えたことを特徴とする。
本発明のホットガス焼入れ装置は、焼入れ開始前、ワークは不活性ガス雰囲気中にあるので、第1流路及び第2流路を夫々流れる高温及び低温のガス量を調節し、両流路の終端位置に配置されるミキサで両ガスを混合し、任意の温度の不活性ガスを生成することができる。
各流路及びそれらに備えられる制御窓は、各流路を通過するガス量の比率の調整を行うものであり、夫々の開度は、個別に制御されても良く、連動制御されても良い。また、機能的にはガス量を調節するだけで良い。例えば、風洞構成とされれば良く、断面形状は角であっても丸であっても良い。管材を集合させて構成することもできる。さらに、制御窓は、開口部分を板状部材で仕切る構成の他、弁部材を用いて開口部分を閉じるような形でも良い。制御方式は、開口部分を連続的に制御するものの他、開口部分を複数に分割し、分割部分のいくつかを開閉制御し、全体流量を調節するようなものであっても良い。
ガス常温冷却装置の一例としては、水冷装置の例がある。空冷装置も可能である。この他、冷却媒体を水や空気以外のものとした冷却装置の例があるが、実用的には、水冷装置が最も利用し易い。従って、本発明では、ガス常温冷却装置は、水冷装置を用いるものとして説明する。
一般に、第1流路を流れるガスは、ディストリビュータから出力され、その後ワークで冷却される。また、初期においては600〜700℃で、その後は、本発明で調節される中間温度、例えば200〜500℃となり、最終的には常温となる。このとき、本発明の第1流路は、ガスを通過させるだけの構成であるので、壁面を適宜カーボン耐火材等で覆っておくだけの構成で良い。また、第2流路は、その内部に水冷装置を配置するので、入力された高温ガスを即座に常温に冷却することができ、常時常温に近い状態であるので、特別の耐火構造とする必要が無く、容易に構成できる。
前記ミキサは、第1及び第2流路から出力されるガスを均一に混合するだけのものである。従って、第1及び第2流路から夫々入力されるガスを、適宜金属片や、板、管路等を介して、混合するだけの構造として実現できる。
水冷装置、ディストリビュータ、並びにブロワー装置は、従来例で示した特開平5−66090号公報で示した噴流路と同様通常装置で構成できる。冷却水管による水冷装置の出力温度は、入力ガスの温度に応じ、20〜100℃とすることができる。
本発明のホットガス焼入れ装置H・O・T−1では、ミキサから出力される不活性ガスの温度を中間温度に調節できる。従って、常温不活性ガスは、第1流路又は第2流路いずれに導入しても構わない。例えば第1流路に導入された不活性ガスは、第1流路を流れる不活性ガスと混合され、第2流路から出力される不活性ガスと混合され、中間温度となってディストリビュータへ案内される。ガスの導入量は、ワークを急冷可能なだけのガス密度となるよう、圧力が、例えば5Barとなるよう調節される。コントローラは、常時ミキサの出力温度を監視し、中間温度を目標温度として、ディレクトリビュータから出力される温度が目標温度となるよう、各流路に備えた制御窓の開度を調節する。目標温度は可変とすることができる。例えば、オーステンパでの等温保持温度を300℃とする場合、目標温度を最初は200℃、次いで300℃等とすることができる。本発明では、これら中間温度を全てホットガスと呼んでいる。
以上の構成、仕様により、ディストリビュータを通過するガスは、常時、コントローラで制御された温度となるので、ワークに過冷却を生じるような低温ガスを出力してしまうことが無い。また、温度は、第1及び第2流路のガス通過量を調節する形で行われるので、制御を微密に行うことができ、等温保持の段階では±1℃での制御が十分可能である。
以上により、本発明のホットガス焼入れ装置H・O・T−1では、不活性ガス雰囲気中に収納されたワークを、中間温度で焼入れ又は等温保持できる。また、過冷却を生じることが無い。オーステンパの他、マルテンパ、昇温オーステンパ等、中間温度での等温保持を必要とする焼入れを実施することができる。
本発明のガス予熱型のホットガス焼入れ装置H・O・T−2は、焼入れ開始温度に予熱されたワークを、前記ワークの等温変態点温度付近に定めた中間温度に急冷し、その後等温保持することができるホットガス焼入れ装置であって、予熱されたワークを真空中で収納するワーク収納部と、前記ワーク収納部と連通される流路に対し、夫々に開度調節可能な制御窓を有して分岐配置される第1(高温用)及び第2(低温用)の流路と、前記第2の流路中に配置され、その入口から入力された不活性ガスを常温に向けて冷却するガス常温冷却(水冷)装置と、前記第1及び第2の流路の終端位置に配置され、両流路から送られてきた異なる温度の不活性ガスを均一温度に混合するミキサと、前記ミキサから出力される不活性ガスを細管に分岐し、前記ワークの外周面に均一に吹付けるディストリビュータと、前記ミキサと前記ディストリビュータとの間に配置され、前記ミキサから出力される不活性ガスを前記ディストリビュータに対し加圧して供給するブロワー装置と、前記中間温度に予熱した不活性ガスを前記第2流路を除く任意の位置に吹込む不活性ガス導入手段と、前記ブロワー装置を駆動し、かつ前記不活性ガスを導入しつつ、前記ミキサの出力ガスの温度が前記中間温度となるよう前記制御窓の開度を調節制御するコントローラと、を備えたことを特徴とする。
本発明のホットガス焼入れ装置H・O・T−2は、ワークを真空中で収納する場合に適用される。導入する不活性ガスは、中間温度、例えば150〜300℃に予熱することを必要とする。即ち、第1及び第2流路は、前述のホットガス焼入れ装置H・O・T−2と同様に、いわば単にガスを通過させるだけの構造であるので、第1又は第2流路に常温の不活性ガスを導入すると、ディストリビュータを介してワークに常温の不活性ガスを吹付けてしまう。これでは過冷却が生ずる。そこで、本発明では、不活性ガスを中間温度に予熱してから導入するので、ワークに初期に吹付けるガスを過冷却を生ずることのない中間温度とすることができ、過冷却を生じ無い。
導入ガスの予熱は、電気ヒータや、熱交換器で実施することができる。導入量は1〜数kg程度であり、これを150℃程度に昇温すれば良い。所要エネルギーは500〜1000kcal程度である。予熱温度は、コントローラが制御する制御目的温度と異なるので、あくまで過冷却を生ずることのない温度として定めて良い。例えば、不活性ガスの予熱温度を150℃、制御目標温度を初期において200℃、最終300℃として等温保持すること等ができる。初期の目標温度を最終目標温度より小さく設定するのは、冷却温度を可能な限り素早く行うようにするためである。
以上により、本発明のホットガス焼入れ装置H・O・T−2は、真空中に収納されたワークを、予熱された不活性ガスを吹込みつつ、中間温度に冷却し、等温保持することができ、オーステンパ、マルテンパ、昇温オーステンパ等の等温熱処理も行うことができる。
本発明のミキサ内接触材型のホットガス焼入れ装置H・O・T−3は、焼入れ開始温度に予熱されたワークを、前記ワークの等温変態点温度付近に定めた中間温度に急冷し、その後等温保持することができるホットガス焼入れ装置であって、予熱されたワークを真空又は不活性ガス雰囲気中で収納するワーク収納部と、前記ワーク収納部と連通される流路に対し、夫々に開度調節可能な制御窓を有して分岐配置される第1(高温用)及び第2(低温用)の流路と、前記第2の流路中に配置され、その入口から入力された不活性ガスを常温に向けて冷却するガス常温冷却(水冷)装置と、前記第1及び第2の流路の終端位置に配置され、両流路から送られてきた異なる温度の不活性ガスを均一温度に混合するミキサと、前記ミキサから出力される不活性ガスを細管に分岐し、前記ワークの外周面に均一に吹付けるディストリビュータと、前記ミキサと前記ディストリビュータとの間に配置され、前記ミキサから出力される不活性ガスを前記ディストリビュータに対し加圧して供給するブロワー装置と、前記ミキサ内に配置され、通気性及び熱容量を有し、その入口から入力された不活性ガスと熱量交換する蓄熱型接触材と、不活性ガス(常温可)を前記ミキサの前段側に吹込む不活性ガス導入手段と、前記ブロワー装置を駆動し、かつ前記不活性ガスを導入しつつ、前記ミキサの出力ガスの温度が前記中間温度となるよう前記制御窓の開度を調節制御するコントローラと、を備えたことを特徴とする。
本発明のホットガス焼入れ装置H・O・T−3では、第1及び第2流路の終端位置に配置されるミキサ内に蓄熱型接触材が配置される。蓄熱型接触材とは、不活性ガスと接触し蓄熱量を熱交換できる金属等の物質で、通気性良く構成される。
蓄熱型接触材の例としては、例えば、鉄等金属のチップや鋼球、或いは管材等の例がある。要するに流路中を流れる不活性ガスと熱交換し、不活性ガスの温度を、蓄熱型接触材の予熱温度に変換できるものであれば良い。接触材の熱容量Qmは、収納部に収納されたワークの熱容量Qwとの比率で定めることができる。計算上は、ワーク及び蓄熱型接触材が同一材質(鉄)であれば、重量比率で定めることができる。
蓄熱型接触材の熱容量Qmは、ワークの熱容量をQwとするとき、0.1〜0.3倍程度必要である。初期に導入された常温の不活性ガスを過冷却を生ずることの無い温度としてワークに吹付けるため、不活性ガスの導入量に応じて定めなければならない。熱容量が余りに小さ過ぎると、不活性ガスの導入量に大幅な制限が生じる。熱容量は大であるほど安定するが、ミキサ容量が大となるので、実用的には0.3倍程度で定める。
以上により、本発明のホットガス焼入れ装置H・O・T−3によれば、ワークが真空中で収納されている場合、第2流路に導入された常温不活性ガスは、ミキサ内の接触材でワークに過冷却が生じることのない温度、例えば200℃まで昇温され、ワークに吹付けられる。
収納部が、初期に真空で無く、不活性ガス雰囲気である場合には、前のホットガス焼入れ装置H・O・T−1で示したように、各流路の制御窓の開度調節により、初めから不活性ガスの温度と過冷却が生ずることのないよう制御可能ではある。しかし、本発明では、ミキサ内に若干の熱交換型接触材を配置しているので、収納部から出力された高温ガスを接触材温度まで急冷でき、ガス密度、即ちガス圧及びガス流速大としてワークをより急速に冷却することができる。
本発明の流路内接触材型のホットガス焼入れ装置H・O・T−4は、焼入れ開始温度に予熱されたワークを、前記ワークの等温変態点温度付近に定めた中間温度に急冷し、その後等温保持することができるホットガス焼入れ装置であって、予熱されたワークを真空又は不活性ガス雰囲気中で収納するワーク収納部と、前記ワーク収納部と連通される流路に対し、夫々に開度調節可能な制御窓を有して分岐配置される第1(高温用)及び第2(低温用)の流路と、前記第1流路内に配置され、通気性及び熱容量を有し、その入口から入力された不活性ガスと熱量交換する蓄熱型接触材と、前記第2の流路中に配置され、その入口から入力された不活性ガスを常温に向けて冷却する水冷装置と、前記第1及び第2の流路の終端位置に配置され、両流路から送られてきた異なる温度の不活性ガスを均一温度に混合するミキサと、前記ミキサから出力される不活性ガスを細管に分岐し、前記ワークの外周面に均一に吹付けるディストリビュータと、前記ミキサと前記ディストリビュータとの間に配置され、前記ミキサから出力される不活性ガスを前記ディストリビュータに対し加圧して供給するブロワー装置と、不活性ガス(常温可)を前記ミキサの前段側に吹込む不活性ガス導入手段と、前記ブロワー装置を駆動し、かつ前記不活性ガスを導入しつつ、前記ミキサの出力ガスの温度が前記中間温度となるよう前記制御窓の開度を調節制御するコントローラと、を備えたことを特徴とする。
本発明のホットガス焼入れ装置H・O・T−4は、前述のホットガス焼入れ装置H・O・T−3と異なり、蓄熱型接触材を、ミキサで無く、第2流路中に配置している。流路寸法は自由に設計できるので、多量の蓄熱型接触材を配置することができる。ワークを1000℃で1トンとし、流路中に各種質重量の250℃の鉄製接触材とを配置した場合の平衡温度は、次表2の通りである。
表2に示すように、等量の接触材(1.0トン)では、丁度中間の温度となる。10倍量の接触材では68℃上昇する。30倍量では24℃の上昇に止めることができる。
金属の焼入れでは、急冷が必要である。即ち1000〜1350℃に予熱されたワークを変態点温度に関連して定めた目標温度、例えば300℃に向けて数分内に急冷しなければならない。そこで、第1流路内にワークと等量の接触材を配置することにより、より大量のガスをより高圧高速で供給することが可能となり、高速焼入れ可能となる。
不活性ガスの導入を前記接触材の前位置とすれば、導入する不活性ガスは接触材で加熱されホットガスとなるので、ワーク収納が真空であるか不活性ガス雰囲気中であるかに拘らず、予熱は不要である。少しづつの不活性ガスの導入では、導入位置を必ずしも接触材の前位置とする必要は無い。しかし、不活性ガスの導入位置を接触材の前位置とした方が温度ムラを生ぜず所要の量の不活性ガスを導入でき、最も適切である。
以上の通り、本発明の流路内接触材型のホットガス焼入れ装置H・O・T−4によれば、第1流路内に所要の量例えば1トンの蓄熱型接触材を配置しているので、ワーク収納が真空又は不活性ガス雰囲気中であるか否かに拘らず、焼入れ開始に伴なう高温ガスを接触材の予熱温度で定まる中間温度とすることができ、大量のホットガスをワークに吹付け急冷できる。また、中間温度の制御は、1次及び2次流路に備えた制御窓の開度調節によるので、容易、高精度に中間温度の制御ができる。
本発明のるつぼ型ホットガス焼入れ装置H・O・T−5は、焼入れ開始温度に予熱されたワークを、前記ワークの等温変態点温度付近に定めた中間温度に急冷し、その後等温保持することができるホットガス焼入れ装置であって、予熱されたワークを真空又は不活性ガス雰囲気中で収納するワーク収納部と、前記ワーク収納部のガス取出口から取出した不活性ガスを細管に分岐し、前記ワークの外周面に均一に吹付けるディストリビュータと、前記ガス取出口と前記ディストリビュータとの間に配置されるガス循環路と、前記循環路中に配置され、前記ディストリビュータに対し、加圧ガスを供給するブロワー装置と、前記循還路中に配置される大量の熱容量型接触材と、当該熱容量型接触材を前記中間温度に維持するヒータ又は及びクーラから成る補助熱源と、を備えたことを特徴とする。
本発明のホットガス焼入れ装置H・O・T−5によれば、前記ホットガス焼入れ装置H・O・T−1〜H・O・T−4と同様、恰も従来の塩浴に代わるホットガス熱浴(るつぼ)を実現して、収納ワークの温度を接触材の温度に駆染ませて、所要の温度で等温保持できる。急冷も可能である。ホットガスの温度、即ち接触材の温度を変えることにより、通常焼入れやオーステンパも可能である。焼戻し炉に利用することもできる。
他のホットガス焼入れ装置H・O・T−1〜H・O・T−4と異なるのは、表2に示す接触材の量を十分大きくしてワーク温度と接触材温度をバランスさせて急冷する点である。本発明のホットガス焼入れ装置H・O・T−5は、前記ホットガス焼入れ装置H・O・T−1〜H・O・T−4の第2流路を必須とはしない。
ホットガス焼入れ装置H・O・T−5における接触材の熱容量は、表2に示した関係から、ワークの熱容量を基準として5〜10倍以上、好ましくは10〜30倍の高容量とし、水冷装置の作動なしでも前記ワークを急冷可能な程度の量とする。これにより、ブロワー装置の駆動のみにより、中間温度への急冷及び等温保持ができる。
本発明のホットガス焼入れ装置H・O・T−5は、使用する接触材の量が大きく、接触材の初期予熱温度を変化させるのに多少の時間及び熱量を必要とする。従って、本装置H・O・T−5を複数配置し、例えば200℃、250℃等と夫々異なる温度で管理すれば、所要の温度に即座に対応でき、各種熱処理を効率的に、かつ円滑に実施できる。
本発明のホットガス熱処理システムは、焼入れ開始温度に予熱したワークを急冷又は等温保持しつつ多量のワークに各種等温保持熱処理方法を適用し、順次効率的に熱処理することができるホットガス熱処理システムH・O・T・Sであって、前記ワークを焼入れ開始温度に予熱する予熱炉と、前記予熱炉で予熱されたワークを前記焼入れ開始温度に保持したままで移送するワーク移送手段と、該ワーク移送手段で移送されてきたワークを受け入れ、前記焼入れ開始温度と常温との間に設定された中間温度に急冷又は等温保持できるホットガス焼入れ装置H・O・T−i(i=1〜5)を有し、前記予熱炉で予熱されたワークを前記ホットガス焼入れ装置へ送り、オーステンパ、昇温オーステンパ、マルテンパ、マルクエンチ、その他の熱処理を効率良く行うことを特徴とする。
前記ワーク移送手段は、保温ないし保熱手段と、内部圧力を調節するガス圧調節手段とを有し、熱処理工場内を自由に移動可能なロボットで構成できる。また、前記ワーク移送手段は、保温ないし保熱手段及び内部圧力を調節するガス圧調節手段並びにワーク移送手段を備えたトンネル装置で構成できる。
本発明のホットガス熱処理システムH・O・T・Sは、各種ホットガス焼入れ装置H・O・T−i(i=1〜5)を各種熱処理システムに組み込んで、ワークの移送を行い、焼入れ開始温度に予熱したワークを急冷又は等温保持しつつ多量のワークに各種熱処理方法を適用し、順次効率的に熱処理することができる。
システム構成例としては、ホットガス焼入れ装置H・O・T−i(i=1〜5)と複数予熱炉とを直列又は並列に組合せたものの例がある。直列接続による連続 送りのものでは、各炉に対するタクトを適切とすることにより、間欠送りされるワークを順次、効率良く焼入れできる。従来の塩浴を用いてシステム化したものと異なり、ワークの漬け込み引き上げの必要が無く、環境劣化の恐れも無く、配置は自在であり、応用範囲が広くフレキシブルな熱処理システムとすることができる。
以上示した本発明のホットガス焼入れ装置及びホットガス熱処理システムを用いた熱処理では、等温保持による熱処理を行うので、脱炭や酸化のような表面変質の危険を防止できる。また、表面粗さや歪みが生じないので、再仕上げコストが節減できる。靭性高く割山を防止し寿命を長くできる。自動化により管理パラメータを確実に尊守でき、品質保証ができる。不快環境を無くして、汚染、廃水問題も生じない。操業円滑化を図ることができ、加工コストの低減を図ることができる等、多大のメリットが生じる。
発明の詳細な説明
以下、添付図面を参照しつつ、本発明のホットガス焼入れ装置H・O・T−i(i=1〜5)、及びホットガス熱処理装置H・O・T・Sについて、順次実施の形態を説明する。
図1に、本発明の一実施の形態に係るホットガス焼入れ装置H・O・T−1、H・O・T−2の構成を示す。基本型のホットガス焼入れ装置H・O・T−1と、ガス予熱型のホットガス焼入れ装置H・O・T−2とは、見かけ上同一で、不活性ガス(N2ガス)の導入位置と、制御方法とが異なる。基本型H・O・T−1のものでは、不活性ガスの導入位置は第1又は第2流路で良いが、ガス予熱型にあっては、第1流路側とされる。図には、いずれの場合にも適用可能とすべく、不活性ガスを第1流路に導入した例で示している。
圧力容器1は、5Barの圧力に耐えるよう作られる。圧力容器1の外周は、保温材2で保温されている。圧力容器1の前面(図において左方)には、開閉自在の扉3が設けられている。
前記圧力容器1の前寄りの位置には、断熱材で作られた予熱炉4が配置され、その内部がワークWの収納部とされている。予熱炉4の前面窓5は、前記扉3に設けられたシリンダ装置6で、予熱炉4の本体部分に密着できるようになっている。予熱炉4の内部には、ワークWが収納されている。
本例では、予熱炉4は、ワークWを収納し、ヒータ7でワークの予熱を行うものとする。予熱済みのワークWが外部から移送されて来ることもある。予熱炉4は、雰囲気炉又は真空炉として構成することができる。予熱炉4を真空炉とする場合には、圧力容器1の内部で真空状態を保てるよう構成する。予熱炉4の後部には、回動軸8の回動に基づいて開閉可能の後面窓9が設けられている。
前記圧力容器1の内側には、前記予熱炉4に収納されたワークWに対し不活性ガスを吹付けると共に、吹付けた後のガスを循環させるための循環路10が配置されている。循環路10には、ディストリビュータ11の吸気口11aが配置され、ディストリビュータ11の出力口は、バルブV1の付いた多数の細管11bが分岐接続されて、前記予熱炉4の内部で前記ワークWに向けてガスを吐出するよう構成されている。ディストリビュータ11の本管の前端には細孔11cが設けられ、少量のガスを常時吐出できるようになっている。循環路10中のガスを中間温度で予熱保持するためである。
前記循環路10の途中には、循環路10中を流れる不活性ガスを、ホットガスとするために上下1対の流路F1、F2が分岐形成されている。両流路F1、F2の終端位置には、両流路F1、F2から出力される不活性ガスを均一に混合するためのミキサ12が配置されている。各流路F1、F2のガス入口には、シリンダ装置13、14で開度調節可能な制御窓C1、C2が設けられている。両窓C1、C2は、一方の窓を開けるとき、他方の窓が閉じる態様で連続動作することもできる。
前記第2流路には、水冷装置15が配置されている。図には、水冷管のみを示している。図示しない水タンク等から図示の管に常温水を送り、第2流路F2中を流れる不活性ガスを常温へ向けて冷却するものである。焼入れ開始時のように入力ガス温度が500℃以上の高温の場合には、水冷装置15通過後のガス温度が100℃以上になることも有る。
前記ミキサ12は、両流路F1、F2から夫々温度の異なるガスを入力し、両者を混合して均一温度化するものである。そのため、ミキサ12内部には、両入力ガスを混合するために、例えば金属片や、多重の仕切り板が介在され、或いは、図示しない撹拌用のスクリュー等が配置される。前記予熱炉4の後部窓9から出力されたガスは、両流路F1、F2を介してミキサ12の出力口から出力される。循環路10内には、温度制御のための温度センサと、ガス圧検出用のセンサ類が配置される。
一方、前記圧力容器1の後端には、直流モータ16で回転軸17を回転駆動し、羽根18でガスを加圧し出力するターボブロワー装置19が設けられている。ブロワー装置19で加圧された不活性ガスは、前記ディストリビュータ11の吸気口11aへ向けて出力される。
回転軸17は、内側がホットガスであり常時高温であることから、中間に断熱材製の中間軸を介在させた構造としている。また、その回りを水冷し、直流モータ16側に熱が伝導されにくい構造とする。直流モータ16は、常時は低速回転され、不活性ガスをディストリビュータ11の本管へ送り、その先端に設けた細孔11cからの返りによって、循環路10を常時一定温度に保つ。また、前記バルブV1を開け、モータ16を全回転することにより、ワークWにホットガスを吹付けることができる。面記第1流路F1には、不活性ガスを導入するためのガス導入管20の先端が開口されている。
以上の構成のホットガス焼入れ装置H・O・T−1、H・O・T−2は見かけ上、両者同一であるが、予熱炉4が雰囲気炉であるか、又は真空炉であるかが異なる。圧力、ガス温度、流量等の制御方式も異なる。
まず、予熱炉4が雰囲気炉である場合、ホットガス焼入れ装置H・O・T−1が適用される。予熱炉4は、雰囲気炉であり、循環路10も同圧制御できるので、後面窓9は完全密閉構造でなくとも良い。焼入れ開始前、ブロワー装置19は、ゆっくりと回転されている。循環路10中のガス温度は、ワークWに過冷却が生じることのない中間温度として定められる。この中間温度は、等温変態点温度TAより少し低い温度TBとされる。
図2に示すように、雰囲気炉に適用されるホットガス焼入れ装置H・O・T−1では、焼入れ開始時刻t1において、循環路10には、例えば200℃のホットガスが循環されている。等温変態点温度TAは300℃であるとする。時刻t1で焼入れ開始されると、制御窓C1、C2の夫々の開度が調節された上で、後面窓9が開かれ、流路F1及びF2を介してミキサ12へガスが流入される。循環路10中のガス温度が、図2(a)に示す目標温度Tpとなるよう、制御窓C1、C2の開度が制御される。
このとき、圧力容器1中のガス圧力は、雰囲気炉4を使用中の圧力、例えば2Barから、順次高圧、例えば5Barに上昇するよう、時刻t2から常温不活性ガスが導入される。時刻t2と時刻t1は略同時的である。
循環路10中の温度を検出しつつ、この温度が目標温度TPとなるよう、かつ5Barを超えないようガス導入量を定める。ワークWは、図2(b)に示すように、材料の表面(浅部)と深部で冷却線Tw1、Tw2が異なるが、等温変態点温度TAへ向けて漸次、冷却される。
ワークWが均一に等温変態点温度TAに冷却されると、第2流路の制御窓C2を絞り、最終的には閉じ、等温保持することができる。
予熱炉4が真空炉とされる場合のガス予熱型のホットガス焼入れ装置H・O・T−2では、図3に示すように、予熱された不活性ガスを吹込む点が異なる。また、それに次いで制御窓C1、C2を制御する時刻t3を少し遅らせて行う点が異なる。不活性ガスの導入には、雰囲気生成のために若干の時間を必要とするので、ワークWの冷却曲線Tw3、Tw4は、前例(Tw1、Tw2)と比べ、僅かに遅れた形となる。雰囲気形成されれば、その後については前例のホットガス焼入れ装置H・O・T−1と同様である。
図3は、本発明のホットガス焼入れ装置H・O・T−i(i=1〜5)で行うことができる時間及び温度の焼入れ線図である。図において、破線は、通常焼入れを示す。実線は、オーステンパを示す。一点鎖線は、昇温オーステンパを示す。2点鎖線は、マルクエンチを示す。3点鎖線は、マルテンパを示す。
破線で示す通常焼入れでは、焼入れ開始温度を、例えば1000℃とするとき、常温へ向けて一気に冷却し、後で適宜焼戻しする。この方法は、従来の噴流炉でも実施できる。本発明のホットガス焼入れ装置H・O・T−i(i=1〜5)では、等温保持機能を用いて、同一炉内で焼戻しまで行うことができる。
オーステンパでは、例えば等温保持の目標温度を300℃として、例えば250℃のホットガスにより、S曲線の鼻に掛かるまでの時間で冷却し、等温保持してS曲線を通過させ、その後常温へ向けて冷却する。
昇温オーステンパでは、目標温度TPを前記の目標温度300℃より幾分低い温度、例えば250℃に設定し、ワークWの表面及び内部が均一温度になってから、次の目標温度300℃に上昇させて等温保持し、S曲線通過の後に常温へ向けて冷却する。常温への冷却は、装置外で行うこともできる。
マルクエンチでは、Ms点より少し高い温度で等温保持して焼入れし、S曲線に当たるまでの時間内に空冷相当の冷却速度で冷却し、その後焼戻しを行う。空冷は、装置外で行うこともできる。
マルテンパでは、Ms及びMf点の中間温度に急冷及び等温保持し、焼戻しマルテンサイトと下部ベイナイトの混合組成を作る。等温変態の完了を待たずに炉から出し、別の炉で焼戻し処理することもできる。
以上のように、本発明のホットガス焼入れ装置H・O・T−i(i=1〜5)では、100〜400℃の中間温度で自由に急冷、かつ等温保持できる。温度制御の誤差は5〜10℃以下、特に、等温保持では±1℃程度とすることができる。
図5は、ミキサ内接触材型ホットガス焼入れ装置H・O・T−3を示す縦断面図である。前例のホットガス焼入れ装置H・O・T−1、H・O・T−2と異なり、ミキサ12内にワークWの熱容量Qwの0.3倍程度の熱容量型接触材21を配置している。他の部材について、同一参照符号で示す部材は前例のものと同様機能を果す。
接触材21としては、鉄、或いはアルミニウム等の金属球や、金属細管、金属チップ等の通風性の良好なものを用いることができる。直径5〜15mm程度の金属細管を用いる場合、穴方向を通風方向と一致させて用いる。接触材21は、焼入れ開始時、予め中間温度に予熱しておく。これら接触材21に不活性ガスを接触させることにより、不活性ガスの温度を即座に接触材21の温度に変換し、ディストリビュータ11を介してワークWに吹付けることができる。
ミキサ12内に配置した接触材21の量は、例えばワーク1トンに対し、300kgであるので、表2の関係から、平衡温度を目標温度とするのは不可能である。しかし、焼入れ開始時にミキサに入力される高温の不活性ガスの温度を瞬時に接触材21の温度に冷却できる。従って、接触材の温度を、予め図1又は図2に示す初期の目標温度、例えば200℃に設定しておくことにより、導入不活性ガスを、又は雰囲気不活性ガスを、少なくとも初期において、200℃としてワークWに吹付けることができる。言い換えれば、焼入れ開始時、多量の不活性ガスを瞬時に導入可能とし、急冷速度を速めることができる。次いで、制御窓C1、C2の開度調節を行い、ガスを冷却するので、図1又は図2で示したものと同様の温度制御を行うことができる。接触材21を用いることにより、制御安定性も高くなる。
図6に示すように、本発明の流路内接触材型のホットガス焼入れ装置H・O・T−4は、第1流路F1内に接触材21を配置している。他の部材については、図1、図5に示したものと同様である。図1、図5に示したものと同一機能を果す部材には同一参照符号を付けて示している。接触材21は、ミキサ12内には、配置していないが、ミキサ12内にも配置することもできる。
前記接触材21の量は、表2を参照して設定する。即ち、接触材21として、例えば鋼球を使用した場合、ワークWの重量の1.0倍等として定める。
図7は、表2で示した条件下において、ワークW及び接触材21を循環路10中で温度平衡させた場合の時間及び温度の特性線図である。図示のように、接触材21の温度を250℃、等温保持の目標温度TPを300℃とするならば、接触材21がワークWと同量の1トンの場合、325℃分の吸熱を行わなければならない。即ち、ホットガスをワークWに吹付けると、ホットガスは高温となり、圧力上昇し、循環路10へ向う。このとき、温度上昇したガスは、接触材21で冷却する。圧力を見ながら、N2ガス導入管20のバルブを調節し、圧力を3〜5Barに保ち、第2流路F2の制御窓C2を、徐々に開け、循環ガス温度が最終目標温度となるよう冷却する。これらの処置により、ホットガス温度を、例えば300℃とすることができ、ワークWの温度を目標温度に平衡させることができる。以後、等温保持を行うことができる。
本発明のホットガス焼入れ装置H・O・T−4の制御概要を図8及び図9にまとめて示す。ワークW及び接触材21の重量は共に1トンであるとする。また、オーステンパの目標温度を300℃とし、過冷却の生じることのない中間温度は250℃であるとする。図8において、ステップ801で循環路10中の接触材21の温度を250℃として、ホットガスを生成し、ステップ802を介して冷却工程へ移行する。図9(c)に示すように、ブロワー装置19は、必要に応じて回転速度を変更できる。接触材21の加熱には、雰囲気ガス温を利用することも可能であるが、図示しないヒータを用いることでもできる。
ステップ803では、ブロワー装置19を高速駆動し、ステップ804でディストリビュータ11のバルブV1を開け、ホットガスをワークWに吹付ける。このとき、ステップ805で後面窓9を開ける。
ステップ806〜811では、ホットガスの温度検出を行いながら、制御窓C1、C2、ヒータ14を制御し目標温度での等温保持を行う。ステップ812を介し、目標温度の変更等の別のプログラムへジャンプすることもできる。ステップ813で、常温への冷却処理を行う。等温保持への移行の時点でワークを別の炉へ移し、装置内は、常時ホットガス温度に保持することもできる。その方が熱損失少なく、かつ、内部構造物に大きな温度変化を与えることが無いので好ましい。
図9に示すように、本例のホットガス焼入れ装置H・O・T・C−4によれば、冷却開始時刻t1より後の時刻t5〜t6にかけて、正確に等温保持できる。等温保持の温度誤差は数℃以下で行うことができる。(a)図は、ワークWの温度を、(b)図はホットガスの温度変化を示している。(c)図はブロワー装置19の回転速度の変化を示している。(d)図は、不活性ガスの圧力変化を示している。(e)図は予熱、急冷、等温保持、冷却の工程を示している。工程には、加熱、焼戻し工程を含めることもできる。
以上のように、本発明のホットガス焼入れ装置H・O・T・C−4によれば、接触材12を用いて生成したホットガスにより、収納ワークWを急冷し、等温保持でき、加えて加熱を自由に行うことができ、オーステンパはもとより、1つの炉でマルクエンチ、マルテンパ等を行うことができる。制御精度に差は生じるが、他のホットガス焼入れ装置H・O・T−1、H・O・T−2、H・O・T−3についても同様である。塩浴不用のホットガスによる制御であるので、安全、自在で、高精度の温度制御が可能であり、金属製品を理論通りに高品質に熱処理することができる。
図10は、るつぼ型のホットガス焼入れ装置H・O・T−5の一実施の形態を示す縦断面説明図である。縦型円筒状の圧力容器22の一側面には、ワークWを出し入れするための仕切り窓23が設けられ、その内部には、ワークWを収納する収納部24が設けられている。
前記圧力容器22の内部は、複数の仕切り板25により、下端から上端にかけて交互に半量づつ仕切られ、流路が形成されている。流路内には、前述同様の接触材21が充填されている。流路の収納部24近くには、ディストリビュータ26が配置され、図下方の流路に入ったガスは、ディストリビュータ26を介してワークWに吹付けられ、その後上段の流路に戻る構成とされている。
前記圧力容器22の上部には、図1で示したと類似のブロワー装置27が設けられ、ブロワー装置27で加圧されたガスは、ダクト28を介して上端から下端に向けて送られ、前記流路を含めて循環路29を構成している。ダクト28の1部には、不活性ガスを補充するためのガス導入管29と、温度調節用のヒータ30及び冷却装置31が設けられている。冷却装置31は、バルブV2を介して循環路29中のガスの1部を取り出し、これを水管を用いて冷却し、循環路29中に返す構成である。圧力容器22及びダクト28外周は、適宜保温材2を用いて保温される。
接触材21の量は、表2、図7を参照して、例えば1トンのワークWを接触材21のみで目標温度300℃位まで冷却保持することを想定し、例えば10トン以上、30トンと設定される。接触材21の所要量(体積)は、鉄の比重を7.9g/cm3とすれば、接触材21が鋼球である場合、見掛け比重は4.14g/cm3であるので、次表3の通り定まる。
表3から、ワーク重量を1トンとすると、接触材量10〜30トンが実用的な値であることが解る。ただし、ワーク重量100Kgであるとすると、接触材量も1/10の量で対応可能である。
ホットガス焼入れ装置H・O・T−5の作用について示す。今、仕切り窓23を介して、収納部24に例えば、1000℃に予熱されたワークWが投入されたとする。それまでに、接触材21の温度は、例えば250℃のホットガス温度に予熱されているとする。
ワークWが投入されると、ブロワー装置27を高速回転させ、ディストリビュータ26を介してホットガスをワークWに吹付ける。圧力は、上昇するが、大量の接触材21を用いているので、3〜5Barの範囲で、容易に制御できる。即ち、ホットガスの温度は初期において250℃である。接触材21の量を10トンとすると、表2から平衡温度は318℃である。目標温度を300℃とし、これを正確に制御したい場合には、18℃分の熱量を冷却装置47で取り去るか、又は、ホットガス温度即ち接触材21の温度を始めから18℃低下させ232℃としておけば良い。接触材21の量を20トンとするならば、表2よりホットガス温度は296℃となるので、初期温度を40℃上昇し、254℃に設定しておけば良い。以後の等温保持の間の温度低下は、1℃程度であるので、敢えてヒータ30を作動させる必要も無い。以上により極めて高精度の急冷及び等温保持を行うことができる。
以上の通り、本発明のホットガス焼入れ装置H・O・T−5は、投入ワークWを急冷し、一定温度で等温保持できる。ホットガス温度まで冷却されたワークWを受け入れて等温保持のみ行うこともできる。従って、図3で示したような各種等温保持を含めた熱処理において、急冷、又は等温保持の1部又は全ての工程に利用することができ、高品質の金属熱処理を行うことができる。
収納部24は、ダクト28中に配置することも可能である。また、例えば150℃、200℃、250℃、300℃のように、各種温度の異なる複数の装置H・O・T−5を配置し、順次又は選択的な使用により、任意の熱処理に利用することもできる。この限りにおいて、本発明のホットガス焼入れ装置は、従来の塩浴に代わる「ホットガスるつぼ」であると称することもできる。塩浴と異なり、安全で、漬け込みや引き上げの必要が無く、使い勝手が格別良い。10トンの接触材21を用いるとしても、その体積は2、4m3であり、さほど大型装置となることもない。等温保持専用として用いる場合には、本装置をホットガス等温保持装置H・O・T・Rと呼ぶこともできる。
仕切り窓23に、図1で示したような予熱炉4の予熱機能を有する真空炉、或いは雰囲気炉(図示せず)を直結することもできる。この場合、予熱炉4で予熱したワークWを仕切り窓23を開けて収納部24に収納し、冷却焼入れし、等温保持することができる。
図11は、3台の予熱炉32と、1台のホットガス焼入れ装置H・O・T−4と、3台の等温保持装置H・O・T・Rを組み合わせて構成したホットガス熱処理システムH・O・T・S−1の構成を示す平面図である。ホットガス焼入れ装置H・O・T−4は、仕切り窓23を用いた点を除いて図6に示したものと同様である。ホットガス等温保持装置H・O・T・Rは、図10に示したものと同様である。ただし、本例のホットガス等温保持装置H・O・T・Rでは、ワーク収納部24をダクト28内に配置している。
図11において、予熱炉32は、ワークWの予熱を行うことができる。ホットガス焼入れ装置H・O・T・R−4は、予熱されたワークWを受け入れて、図4に示す各種焼入れを行うことができる。ホットガス等温保持装置H・O・T・Rは、予め指定の温度、例えば230℃、250℃、270℃等に予熱されていて、受け入れワークWを目標温度、例えば300℃に急冷し、等温保持できる。又、急冷済みのワークWを受け入れて一定温度で等温保持し、焼戻し等を行うことができる。ワーク移送ロボット33は、真空又はガス雰囲気中、ワークWを一定温度で保温して、炉から炉への移送を行うものである。
ワーク移送、保温ないし保熱手段及びガス圧調節手段、並びにローラ装置等によるワーク移動手段を備えたトンネルを作り、複数の予熱炉32と1つ又は複数のホットガス焼入れ装置H・O・T−iを相互に連結した形とすることもできる。また、各装置を1つのワークステーションで連係して、1つ又は複数のワークWに各種熱処理を与えることもできる。
ホットガス熱処理システムH・O・T・Sとしては、上記実施の形態に係るものの他、様々の形態が有る。例えば、ワークを移送可能なワークステーションを中心として、回りに予熱炉やホットガス焼入れ装置、或いは等温保持装置を連結した形が有る。また、各加熱温度の異なる複数の予熱炉を直列に接続し、次いでホットガス焼入れ装置H・O・T−i、次いで並列に複数の等温保持装置H・O・T・Rを接続した形等である。
このように、本発明のホットガス焼入れ装置H・O・T−iを中心として、各種各様のシステムを構築することができ、高効率で高品質の熱処理を行うことができる。
複数種の温度の異なる等温保持炉H・O・T・S−iを風洞で接続し、風洞内に設置したワークWに、選択された等温保持炉H・O・T・S−Iのホットガスを吹付けるようにしても良い。このようにすれば、任意の温度が適切に選択できる。また、順次自然に冷却された等温保持炉H・O・T・S−Iの接触材21を加熱して使用する形となるので、省エネルギーとなり、資源節約できる。
以上の具体例により明らかなように、本発明のホットガスによる金属熱処理方法は以上示した装置、システムを用いて、従来塩浴法に代えて使用できるにとどまらず、より動的な等温保持制御を行うことが可能である。動的特性に優れるので、塩浴変換作業の手間及び時間が皆無で、かつ追従性が良く、任意の温度設計が可能である。
また、未だ開発されていない等温保持による金属熱処理方法が確立されたとき、即座にこれを実施できる利点がある。例えば、小刻みな温度変化を与えることができ、また、上下温度変化を自在に設定できる。本発明のホットガスによる金属熱処理方法によれば、従来塩浴法に代えて、各種等温保持による金属熱処理とホットガスを用いて安全、効率的に小設備で行うことができる。加えて、温度変化の制御を容易、迅速、自在に行えるので、従来塩浴による制限が解除され、静的温保持に加えて動的等温保持を行うことができる。動的とは、素早いことと、変化が自在であることを意味する。例えば、300℃で10分、315℃で20分、再度305℃で30分等と、設計通り、正確で、動的な制御が可能となる。
さらに、従来塩浴法で実施可能とされているオーステンパ、マルチテンパ、マルクエンチ等の各種金属熱処理方法の改良を図ることができ、されに効果的な等温保持による金属熱処理方法を提案できる素材とすることができる。
本発明は、以上示した実施の形態に限定されるものでは無く、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜設計的変更を行うことができ、各種態様で実施し得ること勿論である。
本出願に開示の内容は、2001年10月23日に出願された日本国出願 特許出願番号2001−325248と、2002年2月18日に出願された日本国出願 特許出願番号2002−039955と、2002年3月25日に出願された日本国出願 特許出願番号2002−084230と、2002年6月11日に出願された日本国出願 特許出願番号2002−170194とに包含された発明に関するものであって、これらの日本国出願が全体的に本明細書に組み込まれる。
産業上の利用可能性
本発明のホットガスによる金属熱処理方法によれば、従来塩浴法に代えて、各種等温保持による金属熱処理とホットガスを用いて安全、効率的に小設備で行うことができる。加えて、温度変化の制御を容易、迅速、自在に行えるので、従来塩浴による制御が解除され、静的温保持に加えて動的等温保持を行うことができる。
また、従来塩浴法で実施可能とされているオーステンパ、マルチテンパ、マルクエンチ等の各種金属熱処理方法の改良を図ることができ、されに効果的な等温保持による金属熱処理方法を提案できる素材とすることができる。
本発明の基本型のホットガス焼入れ装置は、第1(高温用)及び第2(低温用)の2つの流路を有し、各流路に備えた制御窓の開度調節を行うことにより循環路中を流れるガスの温度を等温変態点温度に関連して定めた中間温度に制御する。従って、不活性ガス雰囲気中にあるワークを中間温度へ急冷でき、等温変態点温度で任意の時間高精度に等温保持できる。
コントローラは、ミキサ出力温度が中間温度となるよう各流路に備えた制御窓の開度を制御すれば良い。また、冷却ガス圧が所要のガス圧、例えば5Barとなるよう、不活性ガス雰囲気中に追加導入される常温不活性ガスの量を制御すれば良く、不活性ガスの予熱も真空炉である場合を除いて不要である。
本発明のガス予熱型のホットガス焼入れ装置は、第1及び第2の流路と、各流路の終端位置にミキサを有している。また、中間温度に予熱された不活性ガスを導入しつつミキサ出力温度が中間温度となるよう、前記第1及び第2流路を備えた制御窓の開度を調節する。従って、ワークが真空中で収納されている場合であってもワークを中間温度に急冷でき、等温変態温度で等温保持できる。
本発明のミキサ内接触材型のホットガス焼入れ装置は、基本型のものに比べミキサ内に熱容量を有する接触材が配置されている。従って、焼入れ開始時の雰囲気不活性ガス又は導入不活性ガスを即座に接触材の温度、即ち中間温度に変化させることができる。以後は、導入不活性ガスが中間温度となるよう基本型と同一制御を行えば良く、急冷速度が速く制御安定性が良好である。
本発明の流路内接触材型のホットガス焼入れ装置は、基本型のものに比べ、第1流路内に所要の熱容量型接触材を配置している。従って、ミキサ内接触材型と比べ、数倍量の接触材を配置することができる。第1流路への所要量の接触材の配置を行うことにより、多量のガスであっても追従性良く中間温度への冷却が可能となり、容易、迅速、確実な中間温度への急冷が可能となる。また、等温保持での温度安定性が良好となる。
本発明のるつぼ型のホットガス焼入れ装置によれば、循環路内に多量の熱容量型接触材を配置するので、ガス循環のみでワークの中間温度への急冷が可能である。また、等温保持装置として等温保持のみを主体として利用することも可能である。
本発明のホットガス熱処理システムは、以上示した各種のホットガス焼入れ装置の内1つ又は複数と、他の予熱炉等をワーク移送ロボットやワークステーション、或いはトンネル装置を介して組合せ、間欠又は連続的な等温保持金属熱処理を極めて効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施形態に係るホットガス焼入れ装置H・O・T−1、H・O・T−2の構造を示す縦断面説明図である。
第2図は、基本型ホットガス焼入れ装置H・O・T−1の制御概要を示す温度線図である。
第3図は、ガス予熱型のホットガス焼入れ装置H・O・T−2の制御概要を示す温度線図である。
第4図は、本発明のホットガス焼入れ装置を用いて行うことができる等温保持焼入れ方法を示す時間及び温度の焼入れ線図である。
第5図は、本発明のミキサ内接触材型ホットガス焼入れ装置H・O・T−3の構造を示す縦断面説明図である。
第6図は、本発明の流路内接触材型ホットガス焼入れ装置H・O・T−4の構造を示す縦断面説明図である。
第7図は、表2に示すワーク及び接触材の循環路中での平衡温度を示す線図である。
第8図は、ホットガス焼入れ装置H・O・T−4の制御概要を示すフローチャートである。
第9図は、第8図の制御により得られる各種の変化ないし動作を示すタイムチャートである。
第10図は、本発明のるつぼ型ホットガス焼入れ装置H・O・T−5(H・O・T・R)の実施形態を示す縦断面説明図である。
第11図は、本発明の一実施形態に係るホットガス熱処理システムH・O・T・Sの構造を示す平面説明図である。
Claims (9)
- 焼入れ開始温度に予熱したワークに、前記ワークの等温変態点温度付近に調節された不活性ガス(ホットガス)を吹付けて急冷し、その後温度差5℃以内で任意の時間等温保持すると共に、前記ホットガス温度を任意に変更可能として、各種等温保持の金属熱処理方法に従い、静的又は動的な等温保持による金属熱処理を行うことを特徴とするホットガスによる金属処理方法。
- 焼入れ開始温度に予熱されたワークを、前記ワークの等温変態点温度付近に定めた中間温度に急冷し、その後等温保持することができるホットガス焼入れ装置であって、予熱されたワークを不活性ガス雰囲気中で収納するワーク収納部と、前記ワーク収納部と連通される流路に対し、夫々に開度調節可能な制御窓を有して分岐配置される第1(高温用)及び第2(低温用)の流路と、前記第2の流路中に配置され、その入口から入力された不活性ガスを常温に向けて冷却するガス常温冷却装置と、前記第1及び第2の流路の終端位置に配置され、両流路から送られてきた異なる温度の不活性ガスを均一温度に混合するミキサと、前記ミキサから出力される不活性ガスを細管に分岐し、前記ワークの外周面に均一に吹付けるディストリビュータと、前記ミキサと前記ディストリビュータとの間に配置され、前記ミキサから出力される不活性ガスを前記ディストリビュータに対し加圧して供給するブロワー装置と、所要の量の不活性ガスを前記第1又は第2の流路に吹込む不活性ガス導入手段と、前記ブロワー装置を駆動し、かつ前記不活性ガスを導入しつつ、前記ミキサの出力ガスの温度が前記中間温度となるよう前記制御窓の開度を調節制御するコントローラと、を備えたことを特徴とするホットガス焼入れ装置。
- 焼入れ開始温度に予熱されたワークを、前記ワークの等温変態点温度付近に定めた中間温度に急冷し、その後等温保持することができるホットガス焼入れ装置であって、予熱されたワークを真空中で収納するワーク収納部と、前記ワーク収納部と連通される流路に対し、夫々に開度調節可能な制御窓を有して分岐配置される第1(高温用)及び第2(低温用)の流路と、前記第2の流路中に配置され、その入口から入力された不活性ガスを常温に向けて冷却するガス常温冷却装置と、前記第1及び第2の流路の終端位置に配置され、両流路から送られてきた異なる温度の不活性ガスを均一温度に混合するミキサと、前記ミキサから出力される不活性ガスを細管に分岐し、前記ワークの外周面に均一に吹付けるディストリビュータと、前記ミキサと前記ディストリビュータとの間に配置され、前記ミキサから出力される不活性ガスを前記ディストリビュータに対し加圧して供給するブロワー装置と、前記中間温度に予熱した不活性ガスを前記第2流路を除く任意の位置に吹込む不活性ガス導入手段と、前記ブロワー装置を駆動し、かつ前記不活性ガスを導入しつつ、前記ミキサの出力ガスの温度が前記中間温度となるよう前記制御窓の開度を調節制御するコントローラと、を備えたことを特徴とするホットガス焼入れ装置。
- 焼入れ開始温度に予熱されたワークを、前記ワークの等温変態点温度付近に定めた中間温度に急冷し、その後等温保持することができるホットガス焼入れ装置であって、予熱されたワークを真空又は不活性ガス雰囲気中で収納するワーク収納部と、前記ワーク収納部と連通される流路に対し、夫々に開度調節可能な制御窓を有して分岐配置される第1(高温用)及び第2(低温用)の流路と、前記第2の流路中に配置され、その入口から入力された不活性ガスを常温に向けて冷却するガス常温冷却装置と、前記第1及び第2の流路の終端位置に配置され、両流路から送られてきた異なる温度の不活性ガスを均一温度に混合するミキサと、前記ミキサから出力される不活性ガスを細管に分岐し、前記ワークの外周面に均一に吹付けるディストリビュータと、前記ミキサと前記ディストリビュータとの間に配置され、前記ミキサから出力される不活性ガスを前記ディストリビュータに対し加圧して供給するブロワー装置と、前記ミキサ内に配置され、通気性及び熱容量を有し、その入口から入力された不活性ガスと熱量交換する蓄熱型接触材と、不活性ガス(常温可)を前記ミキサの前段側に吹込む不活性ガス導入手段と、前記ブロワー装置を駆動し、かつ前記不活性ガスを導入しつつ、前記ミキサの出力ガスの温度が前記中間温度となるよう前記制御窓の開度を調節制御するコントローラと、を備えたことを特徴とするホットガス焼入れ装置。
- 焼入れ開始温度に予熱されたワークを、前記ワークの等温変態点温度付近に定めた中間温度に急冷し、その後等温保持することができるホットガス焼入れ装置であって、予熱されたワークを真空又は不活性ガス雰囲気中で収納するワーク収納部と、前記ワーク収納部と連通される流路に対し、夫々に開度調節可能な制御窓を有して分岐配置される第1(高温用)及び第2(低温用)の流路と、前記第1流路内に配置され、通気性及び熱容量を有し、その入口から入力された不活性ガスと熱量交換する蓄熱型接触材と、前記第2の流路中に配置され、その入口から入力された不活性ガスを常温に向けて冷却するガス常温冷却装置と、前記第1及び第2の流路の終端位置に配置され、両流路から送られてきた異なる温度の不活性ガスを均一温度に混合するミキサと、前記ミキサから出力される不活性ガスを細管に分岐し、前記ワークの外周面に均一に吹付けるディストリビュータと、前記ミキサと前記ディストリビュータとの間に配置され、前記ミキサから出力される不活性ガスを前記ディストリビュータに対し加圧して供給するブロワー装置と、不活性ガス(常温可)を前記ミキサの前段側に吹込む不活性ガス導入手段と、前記ブロワー装置を駆動し、かつ前記不活性ガスを導入しつつ、前記ミキサの出力ガスの温度が前記中間温度となるよう前記制御窓の開度を調節制御するコントローラと、を備えたことを特徴とするホットガス焼入れ装置。
- 焼入れ開始温度に予熱されたワークを、前記ワークの等温変態点温度付近に定めた中間温度に急冷し、その後等温保持することができるホットガス焼入れ装置であって、予熱されたワークを真空又は不活性ガス雰囲気中で収納するワーク収納部と、前記ワーク収納部のガス取出口から取出した不活性ガスを細管に分岐し、前記ワークの外周面に均一に吹付けるディレクトリビュータと、前記ガス取出口と前記ディレクトリビュータとの間に配置されるガス循環路と、前記循環路中に配置され、前記ディレクトリビュータに対し、加圧ガスを供給するブロワー装置と、
前記循還路中に配置される大量の熱容量型接触材と、当該接触材を前記中間温度に維持するヒータ又は及びクーラから成る補助熱源と、を備えたことを特徴とするホットガス焼入れ装置。 - 焼入れ開始温度に予熱したワークを急冷又は等温保持しつつ多量のワークに各種熱処理方法を適用し、順次効率的に等温保持による熱処理を行うことができるホットガス熱処理システムであって、前記ワークを焼入れ開始温度に予熱する予熱炉と、前記予熱炉で予熱されたワークを前記焼入れ開始温度に保持したままで移送するワーク移送手段と、該ワーク移送手段で移送されてきたワークを受け入れ、前記焼入れ開始温度と常温との間に設定された中間温度に急冷又は等温保持するホットガス焼入れ装置を有し、前記予熱炉で予熱されたワークを前記ホットガス焼入れ装置へ送り、オーステンパ、昇温オーステンパ、マルテンパ、マルクエンチ、その他の等温保持を必要とする熱処理を効率良く行うことを特徴とするホットガス熱処理システム。
- 前記ワーク移送手段は、保温ないし保熱手段と、内部圧力を調節するガス圧調節手段とを有し、熱処理工場内を自由に移動可能なロボットで構成したことを特徴とする請求項7に記載のホットガス熱処理システム。
- 前記ワーク移送手段は、保温ないし保熱手段及び内部圧力を調節するガス圧調節手段並びにワーク移送手段を備えたトンネル装置で構成され、該トンネル装置の1部に前記予熱炉や前記ホットガス焼入れ装置が適宜仕切り壁を介して配置されることを特徴とする請求項7に記載のホットガス熱処理システム。
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