JPWO2003067744A1 - 電源装置起動方法、電源装置の起動回路及び電源装置 - Google Patents

電源装置起動方法、電源装置の起動回路及び電源装置 Download PDF

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Abstract

交流電源1が投入されたときに、エネルギ供給回路(64)により、エネルギーをバックアップコンデンサ63に蓄積する。そして、内部電源(65)が、コンデンサ(63)に蓄積されたエネルギーを制御部(49)に与える。これにより、力率改善回路(40−2)が動作する。力率改善回路(40−2)が稼働して所定の電圧を出力すると、出力電圧検出回路(67)がそれ検出し、内部電源(66)をオンさせる。オンした内部電源(66)は、コンデンサ(63)のエネルギーを制御部(56)に与えて、直流直流変換回路(50)を稼働させる。このように、力率改善回路(40−2)を稼働させた後に、直流直流変換回路(50)を稼働させることにより、コンデンサ(63)の容量が小さくできる。

Description

技術分野
本発明は、電源装置起動方法、電源装置の起動回路及び電源装置に関するものである。
背景技術
高調波電流規制(IEC610003−2)や、家電・汎用品高調波抑制ガイドラインに対応するために、力率改善機能を備えたスイッチング電源装置が、ACアダプタ、OA機器或いは各種民生機器に組込まれている。これらのACアダプタ、OA機器及び各種民生機器に関しても、小型化、低コスト化及び省エネルギ化が要望されている。このようなスイッチング電源装置には、例えば次の文献に記載されている。
文献1:日本国特公平7−57095号公報
文献2:日本国特開平6−121535号公報
日本国特公平7−57095号公報には、力率改善回路の制御回路の駆動電圧を負荷の影響を受けずに安定化させることにより、駆動電源に挿入された定電圧回路を削除して駆動電源を簡略化する目的で、直流直流変換器の変圧器に設けられた駆動電源用巻線を設けている。そして、日本国特公平7−57095号公報の技術では、駆動電源用巻線の出力電圧を整流並びに平滑化して得られた直流電圧を、力率改善回路及び直流直流変換器の起動用電圧を生成するために交流入力間に設けられた分圧抵抗の分圧点に印可している。
日本国特開平6−121535号公報では、AC−DCコンバータの回路構成が複雑化するのを避けるために、直流直流変換器のトランスに巻回された巻線により、直流直流変換器制御回路及び力率改善回路制御回路の両方に、駆動電力を供給し、力率改善回路の起動時には、まず直流直流変換器が動作を開始し、その後に力率差改善回路が動作を開始する起動回路が示されている。
本発明は、これらとは全く異なる観点から、すばやく確実に起動する省電力化した起動方法及び起動回路及び電源装置を提案する。
図7は、従来のスイッチング電源装置及びその起動回路の概要を示す構成図の一例である。
このスイッチング電源装置は、交流電源1で発生する電圧を全波整流する整流回路2と、整流回路2と相俟って交流直流変換回路を構成する力率改善回路10と、力率改善回路10の出力側に接続された直流直流変換回路20とを有し、各力率改善回路10及び直流直流変換回路20には、それぞれのスイッチングを制御する制御部19,29が設けられている。
スイッチング電源装置の起動回路は、直流直流変換回路20に組込まれたバックアップコンデンサ31と、エネルギ供給回路32とで構成されている。エネルギ供給回路32は、電源1から供給されるエネルギを採取し、そのエネルギにより、制御部19及び御部部29の起動電圧を生成する分圧抵抗で構成されている。
次に、図7の起動回路及びスイッチング電源装置の動作を説明する。
図8(A〜F)は、スイッチング電源装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
交流電源1(図8(A))が時刻t0で投入されると、整流回路2が交流電圧の全波整流を行い、整流した整流電圧を力率改善回路10内のコイル12に与える。コイル12にアノードが接続されたダイオード14と該ダイオード14のカソードに接続されたコンデンサ16とは、整流電圧の整流と平滑化とを行う。交流電源1が投入された時点では、エネルギ供給回路32が機能し、コンデンサ16から電流を流し、バックアップコンデンサ31を充電する。
エネルギ供給回路32の充電電流により、バックアップコンデンサ31にはエネルギが蓄積され、充電電圧が上昇する(図8(B))。バックアップコンデンサ31の充電電圧が所定電圧以上になると、バックアップコンデンサ31に蓄積されたエネルギにより、制御部19,29が活性化し、時刻t1でオンする(図8(C),図8(E))。
一方、整流回路2の陽極端子と陰極端子との間に直列に接続された力率改善回路10中の抵抗11a,11bは、整流電圧を分圧した電圧信号を発生する。コンデンサ16の両電極の間に直列に接続された抵抗17a,17bは、コンデンサ16の充電電圧を分圧した電圧信号を発生する。コイル12に電磁結合するコイル18は、コイル12からエネルギが放出されるときに電圧信号を発生する。コイル12にドレインが接続されたNMOS13は、オンしたときにコイル12に流れる電流を整流回路2の陰極端子に流し、NMOS13のソースに接続された抵抗15は、その電流に比例する電圧信号を発生する。これらの電圧信号が制御部19に与えられる。
エネルギが与えられてオンした制御部19は、力率改善回路10から与えられた電圧信号に基づく制御信号を発生して、NMOS13のゲートに与え、NMOS13のオン、オフを制御する。
NMOS13がオンすることにより、整流回路2の陽極端子からコイル12、NMOS13、抵抗15、整流回路2の陰極端子の順に電流が流れ、コイル12にエネルギが蓄えられる。NMOS13がオフすると、コイル12に蓄えられたエネルギと整流回路2から出力されるエネルギとが、ダイオード14を介して流れ、コンデンサ16が充電される。NMOS13が繰り返しオン、オフする。コンデンサ16の充電電圧は、整流回路2の出力電圧を昇圧した所定の電圧になる(図8(D))。また、NMOS13が繰り返しオン、オフすることにより、コイル12に間欠的に流れる電流は、整流回路2が発生する整流電圧の位相に合うように制御される。即ち、力率改善動作が行われる。
一方、直流直流変換回路20中の出力電圧検出回路25は、コンデンサ24の充電電圧を示す電圧信号を制御部29に与える。エネルギが供給されてオンしている制御部29は、出力電圧検出回路25から与えられた電圧信号に基づき、コンデンサ24の充電電圧が所望値になるように、NMOS22を繰り返しオン、オフさせる。
NMOS22がオンすると、変成器(以下、トランスという)21の一次巻線21aにコンデンサ16からの電流が流れ、一次巻線21aにエネルギが蓄えられる。NMOS22がオフすると、トランス21の二次巻線21bには、一次巻線21aのエネルギに相当するフライバックエネルギが発生し、ダイオード23を介してコンデンサ24に充電される(図8(F))。
NMOS22がオフしたときには、一次巻線21aに電磁結合する補助巻線26にも、フライバックエネルギが発生する。このフライバックエネルギがダイオード27を介してバックアップコンデンサ31に充電される。従って、制御部19,29に供給するエネルギが、枯渇することがない。
このように、電源1の投入直後には、エネルギ供給回路32によってバックアップコンデンサ31を充電し、バックアップコンデンサ31に充電されたエネルギで制御部19,29を起動させて力率改善回路10及び直流直流変換回路20を動作させ、所望の直流電圧を負荷70に供給している。
しかしながら、従来のスイッチング電源の起動方法及び起動回路には、次のような課題があった。
バックアップコンデンサ31に充電されているエネルギによって制御部19,29を同時に活性化させて動作させる。よって、バックアップコンデンサ31は、二個の制御部19,29を駆動させるエネルギーを供給する必要があるので、大きな容量が必要になり、バックアップコンデンサ31が大型化していた。このことは、起動回路やこれを組込んだスイッチング電源装置の小型化と低コスト化を阻害していた。
また、バックアップコンデンサ31の容量が大きいので、制御部19,29を起動させるまでの時間が長くなる。このことを解決するために、エネルギ供給回路32がバックアップコンデンサ31に流す充電電流を増加させると、エネルギ供給回路32が発熱するという課題もあった。
さらに重大な問題として、制御部19と制御部29の起動開始電圧のばらつきで、一方が起動して他方が起動しないといった起動不良や、起動時間の不一致により、先に起動した側に電力が喰われて、力率改善回路10或いは直流直流変換回路20の出力電圧が大きく落ち込むという問題があった。
つまり、力率改善回路10と直流直流変換回路20のどちらが先に起動するかが判らず、たまたま同時に起動したとしても、図8(D)のように、直流直流変換回路20に比べて力率改善回路10の立上がりが遅い。力率改善回路10の出力電圧が十分な電圧になる前に、直流直流変換回路20が急激に立上がって大電流を流すと、力率改善回路10の出力電圧がさらに下がる。その結果、直流直流変換回路20の入力電圧が不足し、出力側に十分なエネルギーを供給できず、出力電圧の立上がりが長くなったり、入力電圧の低下による間欠動作を発生して出力電圧の立上がり時間がさらに長くなり、直流直流変換回路20に組込まれた補助電源の立上がりが遅れる。これを解消するためには、起動用分圧抵抗に大電流を流したり、直流直流変換回路20に組込まれたバックアップコンデンサ31の容量を大きくする必要がある。
日本国特開平6−121535号公報は、直流直流変換回路20を先に駆動する方法であり、直流直流変換回路20の入力電圧が低い状態から起動するので、同様の問題を含んでいた。
本発明は、これらとは全く異なる観点から、素早く確実に起動し、バックアップコンデンサの容量を小さくすることが可能な省力化した電源装置起動方法、電源装置の起動回路或いは電源装置を、提供することを目的とする。
発明の開示
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る電源装置起動方法は、稼働中に、電源から与えられた交流電圧を第1の直流電圧に変換する交流直流変換回路と、稼働中に、前記交流直流変換回路が出力する第1の直流電圧を第2の直流電圧に変換する直流直流変換回路とを備える電源装置を、バックアップ用の充電素子と該電源の発生するエネルギを該充電素子に供給するエネルギ供給回路とを用いて起動させる電源装置の起動方法であって、前記電源が投入されたときから前記エネルギ供給回路を用いて該電源が発生するエネルギを前記充電素子に与えて充電する初期充電処理と、所定のエネルギが前記充電素子に充電されたことを検出した場合に、該充電素子に蓄積されたエネルギを前記交流直流変換回路に与えて該交流直流変換回路を稼働させる第1の起動処理と、前記交流直流変換回路が稼働して前記第1の直流電圧を出力したことを検出する出力電圧検出処理と、前記交流直流変換回路が前記第1の直流電圧を出力したことが検出された後に、前記充電素子に蓄積されたエネルギを前記直流直流変換回路に与えて該直流直流変換回路を稼働させる第2の起動処理と、を行うことを特徴とする。
なお、前記交流直流変換回路が前記第1の直流電圧を出力したことが検出された後に、前記初期充電処理を停止する充電停止処理、をさらに行ってもよい。この場合、前記充電停止処理の後に、前記直流直流変換回路が発生するエネルギの一部を前記充電素子に与えて該充電素子を充電してもよい。
又、前記交流直流変換回路は、前記電源に接続された整流回路と、前記整流回路に接続された第1のコイルと、前記第1のコイルに接続され、オンしたときに該第1のコイルに電流を流し、オフしたときに該電流を遮断する第1のスイッチング素子と、前記第1のコイルに前記電流が流れることによって該第1のコイルに蓄えられたエネルギを前記第1の直流電圧に変成する第1の直流化手段と、前記第1のスイッチング素子のオン、オフを制御する第1の制御部とを備える場合には、前記第1の起動処理では、前記充電素子に充電されているエネルギを前記第1の制御部に与えて該第1の制御部を起動することにより、前記交流直流変換回路を起動してもよい。
又、前記直流直流変換回路は、前記交流直流変換回路の出力端子に接続された第2のコイルと、前記第2のコイルに接続され、オンしたときに該第2のコイルに電流を流し、オフしたときに該電流を遮断する第2のスイッチング素子と、前記第2のコイルに前記電流が流れることによって該第2のコイルに蓄えられたエネルギを前記第2の直流電圧に変成する第2の直流化手段と、前記第2のスイッチング素子のオン、オフを制御する第2の制御部とを備える場合には、前記第2の起動処理では、前記充電素子に充電されているエネルギを前記第2の制御部に与えて該第2の制御部を起動することにより、前記直流直流変換回路を起動してもよい。
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点に係る電源装置の起動回路は、稼働中に、電源から与えられた交流電圧を第1の直流電圧に変換する交流直流変換回路と、稼働中に、前記交流直流変換回路が出力する第1の直流電圧を第2の直流電圧に変換する直流直流変換回路とを備える電源装置を起動する電源装置の起動回路であって、バックアップ用の充電素子と、前記電源が投入されてから該電源が発生するエネルギを前記充電素子に与えて充電するエネルギ供給回路と、所定のエネルギが前記充電素子に充電されたことを検出し、該充電素子に蓄積されたエネルギを前記交流直流変換回路に与えて該交流直流変換回路を稼働させる第1の内部電源と、前記交流直流変換回路が稼働して前記第1の直流電圧を出力したことを検出する出力電圧検出回路と、前記交流直流変換回路が前記第1の直流電圧を出力したことが検出された後に、前記充電素子に蓄積されたエネルギを前記直流直流変換回路に与えて該直流直流変換回路を稼働させる第2の内部電源と、を備えることを特徴とする。
なお。前記交流直流変換回路が前記第1の直流電圧を出力したことが検出された後に、前記エネルギ供給回路による前記充電素子への充電を停止させる充電停止手段、をさらに備えてもよい。この場合、前記充電停止手段が前記充電素子への充電を停止させた後に、前記直流直流変換回路が発生するエネルギの一部を前記充電素子に与えて充電する充電継続手段を、さらに備えてもよい。
又、前記交流直流変換回路は、前記電源に接続された整流回路と、前記整流回路に接続された第1のコイルと、前記第1のコイルに接続され、オンしたときに該第1のコイルに電流を流し、オフしたときに該電流を遮断する第1のスイッチング素子と、前記第1のコイルに前記電流が流れることによって該第1のコイルに蓄えられたエネルギを前記第1の直流電圧に変成する第1の直流化手段と、前記第1のスイッチング素子のオン、オフを制御する第1の制御部とを備え、前記第1の内部電源は、前記充電素子に蓄電されているエネルギを前記第1の制御部に与えて該第1の制御部を起動することにより、前記交流直流変換回路を起動するようにしてもよい。
又、前記直流直流変換回路は、前記交流直流変換回路の出力端子に接続された第2のコイルと、前記第2のコイルに接続され、オンしたときに該第2のコイルに電流を流し、オフしたときに該電流を遮断する第2のスイッチング素子と、前記第2のコイルに前記電流が流れることによって該第2のコイルに蓄えられたエネルギを前記第2の直流電圧に変成する第2の直流化手段と、前記第2のスイッチング素子のオン、オフを制御する第2の制御部とを備え、前記第2の内部電源では、前記充電素子に蓄電されているエネルギを前記第2の制御部に与えて該第2の制御部を起動することにより、前記直流直流変換回路を起動してもよい。
又、前記第2のコイルに電磁結合する補助コイルと、前記補助コイルが発生するエネルギを整流して前記充電素子に与えて充電するダイオードとを備えてもよい。
上記目的を達成するために、本発明の第3の観点に係る電源装置は、稼働中に、電源から与えられた交流電圧を第1の直流電圧に変換する交流直流変換回路と、稼働中に、前記交流直流変換回路が出力する第1の直流電圧を第2の直流電圧に変換する直流直流変換回路と、バックアップ用の充電素子と、前記電源が投入されてから該電源が発生するエネルギを前記充電素子に与えて充電するエネルギ供給回路と、所定のエネルギが前記充電素子に充電されたことを検出し、該充電素子に蓄積されたエネルギを前記交流直流変換回路に与えて該交流直流変換回路を稼働させる第1の内部電源と、前記交流直流変換回路が稼働して前記第1の直流電圧を出力したことを検出する出力電圧検出回路と、前記交流直流変換回路が前記第1の直流電圧を出力したことが検出された後に、前記充電素子に蓄積されたエネルギを前記直流直流変換回路に与えて該直流直流変換回路を稼働させる第2の内部電源と、を備えることを特徴とする。
なお、前記交流直流変換回路が前記第1の直流電圧を出力したことが検出された後に、前記エネルギ供給回路による前記充電素子への充電を停止させる充電停止手段、をさらに備えてもよい。この場合、前記充電停止手段が前記充電素子への充電を停止させた後に、前記直流直流変換回路が発生するエネルギの一部を前記充電素子に与えて充電する充電継続手段を、さらに備えてもよい。
又、前記交流直流変換回路は、前記電源に接続された整流回路と、前記整流回路に接続された第1のコイルと、前記第1のコイルに接続され、オンしたときに該第1のコイルに電流を流し、オフしたときに該電流を遮断する第1のスイッチング素子と、前記第1のコイルに前記電流が流れることによって該第1のコイルに蓄えられたエネルギを前記第1の直流電圧に変成する第1の直流化手段と、前記第1のスイッチング素子のオン、オフを制御する第1の制御部とを備え、前記第1の内部電源は、前記充電素子に蓄電されているエネルギを前記第1の制御部に与えて該第1の制御部を起動することにより、前記交流直流変換回路を起動してもよい。
又、前記直流直流変換回路は、前記交流直流変換回路の出力端子に接続された第2のコイルと、前記第2のコイルに接続され、オンしたときに該第2のコイルに電流を流し、オフしたときに該電流を遮断する第2のスイッチング素子と、前記第2のコイルに前記電流が流れることによって該第2のコイルに蓄えられたエネルギを前記第2の直流電圧に変成する第2の直流化手段と、前記第2のスイッチング素子のオン、オフを制御する第2の制御部とを備え、前記第2の内部電源では、前記充電素子に蓄電されているエネルギを前記第2の制御部に与えて該第2の制御部を起動することにより、前記直流直流変換回路を起動してもよい。
又、前記第2のコイルに電磁結合する補助コイルと、前記補助コイルが発生するエネルギを整流して前記充電素子に与えて充電するダイオードとを備えてもよい。
発明を実施するための最良の形態
図1は、本発明の実施形態に係る起動回路とスイッチング電源装置とを示す構成図である。
スイッチング電源装置は、交流電源1に接続された交流直流変換回路40と、交流直流変換回路40に接続された直流直流変換回路50と、交流直流変換回路40及び直流直流変換回路50を起動させる起動回路60とを、備えている。交流直流変換回路40は、交流電源1に接続された整流回路40−1と、力率改善回路40−2とで構成されている。
力率改善回路40−2には、力率改善回路40−2のスイッチング動作を第1の制御部49が設けられ、直流直流変換回路50には、直流直流変換回路50のスイッチング動作を制御する第2の制御部56が設けられている。
スイッチング電源装置の起動回路60は、補助コイル61と、ダイオード62と、充電素子であるバックアップコンデンサ63と、エネルギ供給回路64と、第1の内部電源65と、第2の内部電源66と、出力電圧検出回路67とで構成されている。
力率改善回路40−2は、制御部49の他に、整流回路40−1の陽極端子と陰極端子との間に直列に接続された分圧抵抗41a,41bと、整流回路40−1の陽極端子に一端が接続された第1のコイル42とを備えている。整流回路40−1の陰極端子は、グランドに接続されている。抵抗41aと抵抗41bとの接続点は、制御部49と接続されている。
コイル42の他端には、スイッチング素子であるNチャネル型MOSトランジスタ(以下、NMOSという)43のドレインとダイオード44のアノードとが、接続されている。NMOS43のソースと整流回路40−1の陰極端子との間には、抵抗45が接続されている。抵抗45は、NMOS43に流れる電流に対応する電圧信号を発生する。抵抗45とNMOS43のソースとの接続点が、制御部49に接続されている。
ダイオード44のカソードが、コンデンサ46の一方の電極に接続されている。ダイオード44及びコンデンサ46は、第1の直流化手段となり、コンデンサ46には、力率改善回路40−2の出力する直流電圧を充電する。コンデンサ46の他方の電極が、整流回路40−1の陰極端子に接続されている。コンデンサ46の両電極の間には、直列の分圧抵抗47a,47bが接続されている。抵抗47aと抵抗47bとの接続点が、制御部49と出力電圧検出回路67とに接続されている。
整流回路40−1の陰極端子には、さらに、コイル48の一端が接続されている。コイル48は、磁心を介してコイル42と電磁結合し、コイル48の他端が、制御部49と接続されている。
力率改善回路40−2の出力側に配置された直流直流変換回路50は、変成器(以下、トランスという)51を備えている。トランス51の一次巻線51aの一端が、第2のコイルとして力率改善回路40−2のコンデンサ46の一方の電極に接続されている。一次巻線51aの他端には、NMOS52のドレインが接続されている。NMOS52のソースは、コンデンサ46の他方の電極に接続されている。
トランス51の二次巻線51bの一端は、ダイオード53のアノードに接続されている。ダイオード53のカソードは、コンデンサ54の一方の電極に接続されている。コンデンサ54の他方の電極が、二次巻線51bの他端に接続されている。二次巻線51b、ダイオード53、及びコンデンサ54は、直流直流変換回路50が出力する直流電圧を生成する第2の直流化手段であり、コンデンサ54は、その直流電圧を充電する。コンデンサ54の一方の電極が出力電圧検出回路55に接続されるとともに、コンデンサ54の両電極の間に負荷70が接続される。
この直流直流変換回路50のトランス51の一次巻線51aに、起動回路の補助コイル61が磁心を介して電磁結合している。コイル61の一端は、コンデンサ46の他方の電極に接続され、コイル61の他端がダイオード62のアノードに接続されている。ダイオード62のカソードがバックアップコンデンサ63の陽電極に接続されている。バックアップコンデンサ63の陰電極が、コンデンサ46の他方の電極に接続されている。
バックアップコンデンサ63の陽電極とダイオード62のカソードとの接続点は、起動回路60の内部電源65及び内部電源66に接続されている。
図2は、図1中のエネルギ供給回路の構成例を示す図である。
エネルギ供給回路64は、バックアップコンデンサ63にエネルギを与えて充電するものであり、定電流源64aとスイッチ64bとを備えている。スイッチ64bは、力率改善回路40−2中のコンデンサ46の一方の電極とダイオード44のカソードとの間の接続点と、定電流源64aとの間に接続されている。定電流源64aの出力端子が、バックアップコンデンサ63の陽電極に接続されている。スイッチ64bは、NMOS等の電界効果トランジスタやバイポーラトランジスタで構成することが可能である。また、定電流源64aも、電界効果トランジスタやバイポーラトランジスタで構成することが可能である。
図3は、図1中の内部電源の構成例を示す図である。
内部電源65は、バックアップコンデンサ63に蓄積されたエネルギを制御部49へ供給するものであり、バックアップコンデンサ63の陽電極にエミッタが接続されたPNP型トランジスタ65aと、バックアップコンデンサ63の陽電極にコレクタが接続されたNPN型トランジスタ65bとを、備えている。
トランジスタ65aのベースは、ツェナーダイオード65cのカソードに接続されている。ツェナーダイオード65cのアノードは、抵抗65dを介してグランドに接続されている。トランジスタ65aのコレクタには、抵抗65eの一端が接続されている。抵抗65eの他端が、トランジスタ65bのベースに接続されている。
トランジスタ65b及び抵抗65eの他端は、ツェナーダイオード65fのカソードに接続され、ツェナーダイオード65fのアノードがグランドに接続されている。トランジスタ65bのエミッタが、制御部49と接続されている。トランジスタ65aは、バックアップコンデンサ63の充電電圧が所定値になったことを検出してオンし、トランジスタ65bをオンさせる。なお、トランジスタ65aは、低消費電力化のためにMOSで構成することも可能である。また、バックアップコンデンサ63の充電電圧が変動しても一度オンしたトランジスタ65bが、バックアップコンデンサ63の充電電圧の変動によって再びオフすることを防止するために、トランジスタ65aのオン、オフする電圧にヒステリシスを持たせてもよい。
図4は、図1中の内部電源の構成例を示す図である。
この内部電源66は、バックアアップコンデンサ63の陽電極にエミッタが接続されたPNP型トランジスタ66aと、バックアップコンデンサ63の陽電極にコレクタが接続されたNPN型トランジスタ66bとを、備えている。
トランジスタ66aのベースは、抵抗66cを介してNPN型トランジスタ66dのコレクタに接続されている。抵抗66cは、トランジスタ66aのベース電流を制限する。トランジスタ66dのエミッタは、グランドに接続されている。トランジスタ66dのベースは、抵抗66eを介して出力電圧検出回路67の出力端子に接続されている。抵抗66eは、トランジスタ66dのベース電流を制限する。
トランジスタ66aのコレクタは、抵抗66fを介してトランジスタ66bのベースに接続されている。トランジスタ66bのベースは、さらに、ツェナーダイオード66gのカソードに接続されている。ツェナーダイオード66gのアノードがグランドに接続されている。トランジスタ66bのエミッタが制御部56に接続されている。
出力電圧検出回路67は、比較器(図示略)等で構成され、力率改善回路40−2の出力電圧と基準電圧と比較し、力率改善回路40−2の出力電圧が所定電圧になったときに、高レベル(以下、“H”という)の信号を出力するものである。この出力信号が、内部電源66のトランジスタ66dのベースに与えられる。
なお、内部電源66中のトランジスタ66a,66b,66dは、低消費電力化のためにNMOSやPMOSで構成することも可能である。また、バックアップコンデンサ63の充電電圧が変動しても一度オンしたトランジスタ66bが、バックアップコンデンサ63の充電電圧の変動によって再びオフすることを防止するために、トランジスタ66aのオン、オフする電圧にヒステリシスを持たせてもよい。
次に、図1のスイッチング電源装置及び電源装置の起動回路の動作を、図5及び図6(A〜G)を参照して説明する。
図5は、スイッチング電源装置の起動方法を示すフローチャートである。図6(A〜G)は、電源装置起動回路の動作を説明するタイムチャートである。
起動回路は、図5に示すステップST1〜ステップST4を行い、スイッチング電源装置を起動し、負荷70に所望の直流電圧を供給する。
まず、ステップST1では、エネルギ供給回路64を用いてバックアップコンデンサ63にエネルギを充電する初期充電処理を行う。
即ち、交流電源1が時刻t0で投入されると(図6(A))、整流回路40−1が交流電圧を整流した整流電圧を発生する。力率改善回路40−2に整流電圧が入力されると、ダイオード44がオンし、コイル42に電流が流れ、コンデンサ46が充電される。
このときエネルギ供給回路64中のスイッチ64bは、オンしており(図6(B))、定電流源64aを介してエネルギがバックアップコンデンサ63に充電される。この充電により、バックアップコンデンサ63の充電電圧は、時間の経過とともに上昇する(図6(C))。
バックアップコンデンサ63の充電電圧が上昇して、内部電源65中のツェナーダイオード65cの降伏点を時刻t1で超えると、ステップST2の第1の起動処理が行われる。即ち、ツェナーダイオード65cが降伏することにより、トランジスタ65aがオンし、トランジスタ65bのベース電圧を上昇させる。これにより、トランジスタ65bがオンし、バックアップコンデンサ63からエネルギが制御部49に入力される。制御部49にエネルギが入力されると、制御部49がオンし(図6(D))、力率改善回路40−2を制御して力率改善動作を実施させる。
制御部49には、力率改善回路40−2中の抵抗41a,41bから、整流電圧を分圧した電圧信号が入力される。抵抗47a,47bからは、コンデンサ46の充電電圧を分圧した電圧信号が入力される。また、コイル42に電磁結合するコイル48は、コイル42からエネルギが放出されるときに、フライバック電圧を発生する。そのフライバック電圧に対応する電圧信号が制御部49に入力される。コイル42にドレインが接続されたNMOS43は、オンしたときにコイル42に流れる電流を整流回路40−1の陰極端子に流し、NMOS43のソースに接続された抵抗45は、その電流に比例する電圧信号を発生する。これらの電圧信号が制御部49に与えられる。
内部電源65からエネルギが与えられた制御部49は、力率改善回路40−2から与えられた各電圧信号に基づく制御信号を発生して、NMOS43のゲートに与え、NMOS43をオン、オフさせる。
NMOS43がオンすることにより、整流回路40−1の陽極端子からコイル42、NMOS43、抵抗45、整流回路40−1の陰極端子の順に電流が流れ、コイル42にエネルギが蓄えられる。NMOS43がオフすると、コイル42に蓄えられたエネルギと、整流回路40−1から出力されるエネルギとがダイオード44を介して流れ、コンデンサ46が充電される。NMOS43が繰り返しオン、オフする。その結果、コンデンサ46の充電電圧は、整流回路40−1の出力電圧を昇圧した所定の電圧になる(図6(E))。また、NMOS43が繰り返しオン、オフすることにより、コイル42に間欠的に流れる電流は、整流回路40−1が発生する整流電圧の位相に合うように制御される。即ち、力率改善動作が行われる。
ステップST3の出力電圧検出処理において、出力電圧検出回路67は、コンデンサ46の充電電圧が所定電圧になったか否かを判定し、所定電圧に到達した時点t2に“H”を出力する。
ステップST3で、出力電圧検出回路67が“H”の出力信号を出力したときには、ステップST4の第2の起動処理が内部電源66によって行われる。
即ち、内部電源66では、出力電圧検出回路67の出力信号の“H”が、抵抗66eを介してトランジスタ66dのベースに入力される。これにより、トランジスタ66dがオンする。トランジスタ66dがオンすると、エミッタがバックアップコンデンサ63に接続されたトランジスタ66aが、オンする。トランジスタ66aがオンすると、トランジスタ66bのベース電圧が上昇し、トランジスタ66bがオンする。トランジスタ66bがオンすることにより、バックアップコンデンサ63からのエネルギが、トランジスタ66bを介して制御部56に供給される。
トランジスタ66bの出力信号は、エネルギ供給回路64のスイッチ64bにも与えられる。これにより、スイッチ64bがオフし、エネルギ供給回路64によるバックアップコンデンサ63への充電は、停止する。このように、エネルギ供給回路64によるバックアップコンデンサ63の充電を停止することにより、コンデンサ46からエネルギ供給回路64に流れるエネルギがなくなり、例えば負荷70が待機状態になって軽くなっても、余分な充電が行われず、低消費電力化が可能になる。
制御部56にエネルギが入力されると、制御部56がオンし(図6(F))、直流直流変換回路50を制御して直流電圧変換動作を実施させる。
ここで、制御部56には、直流直流変換回路50中の出力電圧検出回路55からコンデンサ54の充電電圧に相当する電圧信号が入力される。内部電源66からエネルギが入力された制御部56では、出力電圧検出回路55からの電圧信号に基づいた制御信号をNMOS52のゲートに与え、コンデンサ54の充電電圧、つまり、負荷70に供給する電圧(図6(G))が所望値になるように、NMOS52をオン、オフさせる。
NMOS52がオンすると、トランス51の一次巻線51aにコンデンサ46からの電流が流れ、一次巻線51aにエネルギが蓄えられる。NMOS52がオフすると、トランス51の二次巻線51bには、一次巻線51aのエネルギに相当するフライバックエネルギが発生し、ダイオード53を介してコンデンサ54に充電される。負荷70に、コンデンサ54の充電電圧が供給される。
NMOS52がオフしたときには、一次巻線51aに電磁結合する補助巻線61にも、フライバックエネルギが発生する。このフライバックエネルギがダイオード62を介してバックアップコンデンサ63の正極(+)に与えられ、バックアップコンデンサ63が充電される。以降も、補助巻線61からのフライバックエネルギにより、バックアップコンデンサ63は充電され、バックアップコンデンサ63の充電エネルギが制御部49,62に与えられてスイッチング電源装置が動作する。
以上のような本実施形態の電源装置起動回路及び起動方法では、次のような作用効果を奏する。
(1) 力率改善回路40−2が動作して所定電圧を発生するまでは、エネルギ供給回路64が働き、内部電源65を介して制御部49のみにエネルギを与えるので、バックアップコンデンサ63の容量が小さくてすみ、確実な起動特性が得られるとともに、起動回路或いはそれを組込んだスイッチング電源装置の小型化と低コスト化が可能になる。
(2) バックアップコンデンサ63の容量が小さいので、少ない電流でも充電速度が速く、エネルギ供給回路64に必要以上の電流を流す必要がなくなり、発熱もすくなくすることが可能になる。
(3) 直流直流変回路50に比べて大変に立上がりの遅い力率改善回路40の出力電圧が十分になった後に、直流直流変換回路50が起動するため、本発明は、力率改善回路40と直流直流変換回路50の一方が起動し、他方が起動しないといった起動不良や、起動時間の不一致により、力率改善回路40や直流直流変換回路50の出力電圧が大きく落ち込むといった問題がなく、素早く確実に起動し、バックアップコンデンサの容量を小さくすることが可能である。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。その変形例としては、例えば次のようなものがある。
(a) 交流直流変換回路40を、力率改善を行わない、他の交流直流変換回路に置換することもできる。
(b) 直流直流変換回路50を、例えばトランス51を用いた絶縁型でなくても、非絶縁型の昇圧チョッパや降圧チョッパ型の電源装置に変換することもできる。
(c) 力率改善回路40−2及び直流直流変換回路50は、それぞれがNMOS43やNMOS52を繰り返してオンオフさせるスイッチング電源装置であるが、スイッチング電源装置でない交流直流変換回路及び直流直流変換回路で電源装置を構成する場合でも、電源を投入した直後は、交流直流変換回路のみを起動し、交流直流変換回路が所定の電圧を出力したときに、直流直流変換回路を起動するようにすれば、これらを起動させるためのバックアップ用の充電素子の容量を小さくできる。よって、小型化と低コストが可能になる。
(d) 力率改善回路40−2の出力側のコンデンサ46に充電された電圧でバックアップコンデンサ63を充電しなくてもよい。例えば力率改善回路40−2の入力側で得られた電圧でバックアップコンデンサ63を充電するようにしてもよい。
以上詳細に説明したように、本発明によれば、蓄電素子の容量を小さくすることが可能になり、電源装置の起動回路及びそれを組込んだ電源装置の小型化と、低コスト化が可能になる。
なお、本発明は、2002年2月8日に出願された日本国特許出願2002−31691号に基づき、本明細書中にその明細書、特許請求の範囲、図面全体を取り込むものとする。
産業上の利用の可能性
本発明は、電源装置を備えた機器に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の実施形態に係る起動回路及びスイッチング電源装置を示す構成図である。
図2は、図1中のエネルギ供給回路の構成例を示す図である。
図3は、図1中の内部電源の構成例を示す図である。
図4は、図1中の内部電源の構成例を示す図である。
図5は、電源装置起動方法を示すフローチャートである。
図6(A〜F)は、図1中の起動回路の動作を示すタイミングチャートである。
図7は、従来の起動回路とスイッチング電源装置の概略を示す構成図である。
図8(A〜G)は、図7中の起動回路の動作を示すタイミングチャートである。

Claims (17)

  1. 稼働中に、電源(1)から与えられた交流電圧を第1の直流電圧に変換する交流直流変換回路(40)と、稼働中に、前記交流直流変換回路が出力する第1の直流電圧を第2の直流電圧に変換する直流直流変換回路(50)とを備える電源装置を、バックアップ用の充電素子(63)と該電源の発生するエネルギを該充電素子(63)に供給するエネルギ供給回路(64)とを用いて起動させる電源装置の起動方法であって、
    前記電源(1)が投入されたときから前記エネルギ供給回路(63)を用いて該電源(1)が発生するエネルギを前記充電素子(63)に与えて充電する初期充電処理と、
    所定のエネルギが前記充電素子(63)に充電されたことを検出した場合に、該充電素子(63)に蓄積されたエネルギを前記交流直流変換回路(40)に与えて該交流直流変換回路(40)を稼働させる第1の起動処理と、
    前記交流直流変換回路(40)が稼働して前記第1の直流電圧を出力したことを検出する出力電圧検出処理と、
    前記交流直流変換回路(40)が前記第1の直流電圧を出力したことが検出された後に、前記充電素子(63)に蓄積されたエネルギを前記直流直流変換回路(50)に与えて該直流直流変換回路(50)を稼働させる第2の起動処理と、
    を行うことを特徴とする電源装置起動方法。
  2. 前記交流直流変換回路(40)が前記第1の直流電圧を出力したことが検出された後に、前記初期充電処理を停止する充電停止処理、をさらに行うことを特徴とする請求項1に記載の電源装置起動方法。
  3. 前記充電停止処理の後に、前記直流直流変換回路(50)が発生するエネルギの一部を前記充電素子に与えて該充電素子を充電することを特徴とする請求項2に記載の電源装置起動方法。
  4. 前記交流直流変換回路(40)は、
    前記電源(1)に接続された整流回路(40−1)と、
    前記整流回路(40−1)に接続された第1のコイル(42)と、
    前記第1のコイル(42)に接続され、オンしたときに該第1のコイル(42)に電流を流し、オフしたときに該電流を遮断する第1のスイッチング素子(43)と、
    前記第1のコイル(42)に前記電流が流れることによって該第1のコイル(42)に蓄えられたエネルギを前記第1の直流電圧に変成する第1の直流化手段(44,46)と、
    前記第1のスイッチング素子(43)のオン、オフを制御する第1の制御部(49)とを備え、
    前記第1の起動処理では、前記充電素子(63)に充電されているエネルギを前記第1の制御部(49)に与えて該第1の制御部(49)を起動することにより、前記交流直流変換回路(40)を起動することを特徴とする請求項1に記載の電源装置起動方法。
  5. 前記直流直流変換回路(50)は、
    前記交流直流変換回路(40)の出力端子に接続された第2のコイル(51a)と、
    前記第2のコイル(51a)に接続され、オンしたときに該第2のコイル(51a)に電流を流し、オフしたときに該電流を遮断する第2のスイッチング素子(52)と、
    前記第2のコイル(51a)に前記電流が流れることによって該第2のコイル(51a)に蓄えられたエネルギを前記第2の直流電圧に変成する第2の直流化手段(51b,53,54)と、
    前記第2のスイッチング素子(52)のオン、オフを制御する第2の制御部(56)とを備え、
    前記第2の起動処理では、前記充電素子(63)に充電されているエネルギを前記第2の制御部(56)に与えて該第2の制御部(56)を起動することにより、前記直流直流変換回路(50)を起動することを特徴とする請求項1に記載の電源装置起動方法。
  6. 稼働中に、電源(1)から与えられた交流電圧を第1の直流電圧に変換する交流直流変換回路(40)と、稼働中に、前記交流直流変換回路(40)が出力する第1の直流電圧を第2の直流電圧に変換する直流直流変換回路(50)とを備える電源装置を起動する電源装置の起動回路(60)であって、
    バックアップ用の充電素子(63)と、
    前記電源(1)が投入されてから該電源が発生するエネルギを前記充電素子(63)に与えて充電するエネルギ供給回路(64)と、
    所定のエネルギが前記充電素子(63)に充電されたことを検出し、該充電素子(63)に蓄積されたエネルギを前記交流直流変換回路(40)に与えて該交流直流変換回路(40)を稼働させる第1の内部電源(65)と、
    前記交流直流変換回路(40)が稼働して前記第1の直流電圧を出力したことを検出する出力電圧検出回路(67)と、
    前記交流直流変換回路(40)が前記第1の直流電圧を出力したことが検出された後に、前記充電素子(63)に蓄積されたエネルギを前記直流直流変換回路(50)に与えて該直流直流変換回路(50)を稼働させる第2の内部電源(66)と、
    を備えることを特徴とする電源装置の起動回路(60)。
  7. 前記交流直流変換回路(40)が前記第1の直流電圧を出力したことが検出された後に、前記エネルギ供給回路による前記充電素子(63)への充電を停止させる充電停止手段(64b)、をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の電源装置の起動回路(60)。
  8. 前記充電停止手段(64b)が前記充電素子への充電を停止させた後に、前記直流直流変換回路(50)が発生するエネルギの一部を前記充電素子(63)に与えて充電する充電継続手段(61,62)を、さらに備えることを特徴とする請求項7に記載の電源装置の起動回路(60)。
  9. 前記交流直流変換回路(40)は、
    前記電源(1)に接続された整流回路(40−1)と、
    前記整流回路(40−1)に接続された第1のコイル(42)と、
    前記第1のコイル(42)に接続され、オンしたときに該第1のコイル(42)に電流を流し、オフしたときに該電流を遮断する第1のスイッチング素子(43)と、
    前記第1のコイル(42)に前記電流が流れることによって該第1のコイル(42)に蓄えられたエネルギを前記第1の直流電圧に変成する第1の直流化手段(44,46)と、
    前記第1のスイッチング素子(43)のオン、オフを制御する第1の制御部(49)とを備え、
    前記第1の内部電源(65)は、前記充電素子(63)に蓄電されているエネルギを前記第1の制御部(49)に与えて該第1の制御部(49)を起動することにより、前記交流直流変換回路(40)を起動することを特徴とする請求項6に記載の電源装置の起動回路(60)。
  10. 前記直流直流変換回路(50)は、
    前記交流直流変換回路(40)の出力端子に接続された第2のコイル(51a)と、
    前記第2のコイル(51a)に接続され、オンしたときに該第2のコイル(51a)に電流を流し、オフしたときに該電流を遮断する第2のスイッチング素子(52)と、
    前記第2のコイル(51a)に前記電流が流れることによって該第2のコイル(51a)に蓄えられたエネルギを前記第2の直流電圧に変成する第2の直流化手段(51b,53,54)と、
    前記第2のスイッチング素子(52)のオン、オフを制御する第2の制御部(56)とを備え、
    前記第2の内部電源(66)では、前記充電素子(63)に蓄電されているエネルギを前記第2の制御部(56)に与えて該第2の制御部(56)を起動することにより、前記直流直流変換回路(50)を起動することを特徴とする請求項6の電源装置の起動回路(60)。
  11. 前記第2のコイル(51b)に電磁結合する補助コイル(61)と、
    前記補助コイル(61)が発生するエネルギを整流して前記充電素子(63)に与えて充電するダイオード(62)とを備えることを特徴とする請求項10に記載の電源装置の起動回路(60)。
  12. 稼働中に、電源(1)から与えられた交流電圧を第1の直流電圧に変換する交流直流変換回路(40)と、
    稼働中に、前記交流直流変換回路(40)が出力する第1の直流電圧を第2の直流電圧に変換する直流直流変換回路(50)と、
    バックアップ用の充電素子(63)と、
    前記電源(1)が投入されてから該電源(1)が発生するエネルギを前記充電素子(63)に与えて充電するエネルギ供給回路(64)と、
    所定のエネルギが前記充電素子(63)に充電されたことを検出し、該充電素子(63)に蓄積されたエネルギを前記交流直流変換回路(40)に与えて該交流直流変換回路(40)を稼働させる第1の内部電源(65)と、
    前記交流直流変換回路(40)が稼働して前記第1の直流電圧を出力したことを検出する出力電圧検出回路(67)と、
    前記交流直流変換回路(40)が前記第1の直流電圧を出力したことが検出された後に、前記充電素子(63)に蓄積されたエネルギを前記直流直流変換回路(50)に与えて該直流直流変換回路(50)を稼働させる第2の内部電源(66)と、
    を備えることを特徴とする電源装置。
  13. 前記交流直流変換回路(40)が前記第1の直流電圧を出力したことが検出された後に、前記エネルギ供給回路(64)による前記充電素子(63)への充電を停止させる充電停止手段(64b)、をさらに備えることを特徴とする請求項12に記載の電源装置。
  14. 前記充電停止手段(64b)が前記充電素子(63)への充電を停止させた後に、前記直流直流変換回路(50)が発生するエネルギの一部を前記充電素子(63)に与えて充電する充電継続手段(61,62)を、さらに備えることを特徴とする請求項13に記載の電源装置。
  15. 前記交流直流変換回路(40)は、
    前記電源に接続された整流回路(40−1)と、
    前記整流回路(40−1)に接続された第1のコイル(42)と、
    前記第1のコイル(42)に接続され、オンしたときに該第1のコイル(42)に電流を流し、オフしたときに該電流を遮断する第1のスイッチング素子(43)と、
    前記第1のコイル(42)に前記電流が流れることによって該第1のコイル(42)に蓄えられたエネルギを前記第1の直流電圧に変成する第1の直流化手段(44,46)と、
    前記第1のスイッチング素子(43)のオン、オフを制御する第1の制御部(49)とを備え、
    前記第1の内部電源(65)は、前記充電素子(63)に蓄電されているエネルギを前記第1の制御部(49)に与えて該第1の制御部(49)を起動することにより、前記交流直流変換回路(40)を起動することを特徴とする請求項12に記載の電源装置。
  16. 前記直流直流変換回路(50)は、
    前記交流直流変換回路(40)の出力端子に接続された第2のコイル(51a)と、
    前記第2のコイル(51a)に接続され、オンしたときに該第2のコイル(51a)に電流を流し、オフしたときに該電流を遮断する第2のスイッチング素子(52)と、
    前記第2のコイル(51a)に前記電流が流れることによって該第2のコイル(51a)に蓄えられたエネルギを前記第2の直流電圧に変成する第2の直流化手段(51b,53,54)と、
    前記第2のスイッチング素子(52)のオン、オフを制御する第2の制御部(56)とを備え、
    前記第2の内部電源(66)では、前記充電素子(63)に蓄電されているエネルギを前記第2の制御部(56)に与えて該第2の制御部(56)を起動することにより、前記直流直流変換回路(50)を起動することを特徴とする請求項12の電源装置。
  17. 前記第2のコイル(51a)に電磁結合する補助コイル(61)と、
    前記補助コイル(61)が発生するエネルギを整流して前記充電素子(63)に与えて充電するダイオード(62)とを備えることを特徴とする請求項16に記載の電源装置。
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