JPWO2003000768A1 - オリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法、それに用いる触媒及びそれにより得られるオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
(メタ)アクリル酸とアルキレンモノエポキシドと多塩基酸無水物とを含む組成物、(メタ)アクリル酸とアルキレンモノエポキシドとを反応させて得られる不飽和モノアルコールを含む組成物にさらに多塩基酸無水物を加えた組成物、又は(メタ)アクリル酸、アルキレンモノエポキシド及び多塩基酸無水物を反応させて得られる、不飽和基とヒドロキシル基とを含む不飽和オリゴマー含有組成物を、有機及び/又は無機のアンチモン化合物を含む触媒を用いて、温度140℃以上210℃以下で反応させることにより、オリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物を製造する。
Description
技術分野
本発明は、オリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法、それに用いる触媒及びそれにより得られるオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物に関する。特に、本発明は、多種の用途に有用なポリエステル(メタ)アクリレートに代表されるオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の簡便な製造方法、その方法に用いることのできるエステル化触媒及びその方法により得られるオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物に関する。
背景技術
本発明者らは、環境改善の立場から、例えば、強化プラスチック(以下、「FRP」という)の成形の際、ガラス繊維にポリエステル樹脂を含浸させ、硬化させる工程で作業者が樹脂中のスチレンに晒されている状況を改善するために、研究を重ねてきた。しかし、20年以上にもわたる各方面からの努力にもかかわらず、未だこの問題は解決されていない。
これは、現在のポリエステル樹脂、すなわちα,β−不飽和多塩基酸(又はその酸無水物)を一成分として含み、任意の多塩基酸(又はその酸無水物)を併用し、所望の多価アルコールによりエステル化して得られる不飽和ポリステルをスチレンモノマーに溶解した樹脂、では、その主成分たる不飽和ポリエステルは、その分子量(Mn)が通常1,500〜3,000程度であり、常温では非常に高粘度な液体若しくはほぼ固体であることから、成形時の作業性を考慮するとポリエステル樹脂としてスチレンの含有量を30質量%以下にすることは著しく困難であることに主な原因がある。従って、揮発性のあるスチレンを含有しないか、又は作業上問題にならないレベルに含有量を低減したポリエステル樹脂を提供することに関しては、未だ成功例がない。
また、スチレンの揮発防止を目的としてポリエステル樹脂にワックスのようなスチレン揮発防止剤を加える試みがなされている。しかし、この場合でも、作業性を確保するためにスチレンの含有量を20質量%程度とした場合に、その揮散量を実用上無視し得るレベルにすることはできないことが知られている。
以上のように、従来の不飽和ポリエステルをポリエステル樹脂の主成分として用いる限りスチレンの使用は不可欠であり、それ故に根本的な作業環境の改善は困難であるといえる。
一方、1分子中にアクリロイル基及び/又はメタクリロイル基(以下、本明細書中では、これらをまとめて「(メタ)アクリロイル基」という)を1個以上含み、ポリエステル骨格を有する、所謂ポリエステル(メタ)アクリレート等のオリゴ(メタ)アクリレートは、分子量に比較して粘度が低いことが一般に知られている。このオリゴ(メタ)アクリレートをポリエステル樹脂の不飽和ポリエステルに置き換えるか、又はその一部でもこれに置き換えることができれば、その粘度が低いという特性からポリエステル樹脂に使用するスチレン量を低減できることが期待できる。さらに、スチレンを全く含まないポリエステル樹脂の開発も可能であると考えられる。
なお、ここでいう「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」及び/又は「メタクリレート」を表すものとする。同様に「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び/又は「メタクリル酸」を表すものとする。
ところで、従来の一般的なポリエステル(メタ)アクリレート及び該アクリレートを含有する樹脂組成物の製造方法としては、例えば、次のような方法が挙げられる。すなわち、
1)先ず、(メタ)アクリル酸、所望の多塩基酸(又はその酸無水物)及び多価アルコールからなる原料組成物に、硫酸又はパラトルエンスルホン酸のような酸触媒を添加し、更にベンゼン又はトルエン等の芳香族系溶媒を加えて80〜100℃程度の温度で、或いは溶媒の環流下に加熱し、エステル化を行うと同時に生成する水を溶媒と共沸させて除き、
2)次いで、酸触媒をアルカリで中和した後、水洗を必要回数繰返し、更に水と溶剤とを留去して、目的とするポリエステル(メタ)アクリレートまたは該アクリレート含有樹脂組成物を得る、
という方法である。かかる方法は、詳しくは、「機能性アクリル樹脂」、(株)テクノシステム、1985年5月25日初版第1冊発行、439頁、「36.2.1 ポリエステルアクリレート」の項に記載がある。
このような煩雑な方法を用いなければならないことの主な理由の1つとしては、重合性の高い(メタ)アクリル基がエステル化反応の際に重合して、生成したポリエステル(メタ)アクリレートがゲル化するなどの副反応を起こし、ひいてはポリエステル(メタ)アクリレートの実用性が損なわれること等を避けることが挙げられる。
しかし、このような方法は、著しく多数の工程を要するために、工業的に実施した場合に原料コストはそれ程高くないにもかかわらず、最終的な樹脂の価格は汎用樹脂のレベルを遥かに超えたものとなるという欠点を有する。
このため、ポリエステル(メタ)アクリレートを含有する樹脂は、その用途も限られており、光硬化性樹脂の一部に利用されているほか、特殊な接着剤用に用いられる程度に止まっているにすぎない。
この煩雑な方法に代えて、硫酸、パラトルエンスルホン酸等の酸触媒に代わるエステル化触媒、例えば、脂肪族3級アミン類、アミノ基を有するフェノール化合物類、4級アンモニウム塩類、及びハロゲン化リチウム類等を用いる方法の検討もなされたが、いずれもエステル化反応を行うために必要な反応条件下、特に140℃を超える高温下では、(メタ)アクリロイル基のゲル化を避けることができないため、工業的な実用化の検討は行われていなかった。
発明の開示
本発明の目的は、従来の煩雑な工程によるポリエステル(メタ)アクリレート等に代表されるオリゴ(メタ)アクリレート及び該アクリレート含有樹脂組成物の製造方法に代わる簡便な製造方法、その方法に用いることのできる触媒及びその方法により得られるオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物を提供することにある。
本発明者等は、上記の課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、アンチモンを含む化合物を触媒として使用すると、従来の技術常識を超えた140℃以上の高温下で反応を行っても(メタ)アクリロイル基が重合してゲル化することなく、円滑にエステル化反応が進行し、目的とするオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物が製造できることを見出し、本発明を完成させた。
さらに、(メタ)アクリル酸、アルキレンモノエポキシド及び多塩基酸無水物を含む組成物を原料とする場合には、単にエステル化反応のみではなく、脱グリコール反応が平行して容易に起こることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明(I)は、(A)(メタ)アクリル酸とアルキレンモノエポキシドと多塩基酸無水物とを含む組成物を、(B)有機及び/又は無機のアンチモン化合物の存在下に温度140℃以上210℃以下で反応させることを含むオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法を提供する。
また、本発明(II)は、(A)(メタ)アクリル酸とアルキレンモノエポキシドとを反応させて得られる不飽和モノアルコール含有組成物にさらに多塩基酸無水物を加えた組成物を、(B)有機及び/又は無機のアンチモン化合物の存在下に温度140℃以上210℃以下で反応させることを含むオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法を提供する。
また、本発明(III)は、(A)(メタ)アクリル酸、アルキレンモノエポキシド及び多塩基酸無水物を反応させて得られる、不飽和基とヒドロキシル基とを含む不飽和オリゴマー含有組成物を、(B)有機及び/又は無機のアンチモン化合物の存在下に温度140℃以上210℃以下で反応させることを含むオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法を提供する。
さらに、本発明(IV)は、上記本発明(I)〜(III)のオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法に用いることのできる、アンチモンを含む化合物からなるオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物製造用触媒を提供する。
さらに、本発明(V)は、上記本発明(I)〜(III)のオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法により製造されたオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物を提供する。
より具体的には、本発明は、例えば、以下の事項からなる。
〔1〕(A)(メタ)アクリル酸とアルキレンモノエポキシドと多塩基酸無水物とを含む組成物を、(B)有機及び/又は無機のアンチモン化合物の存在下に温度140℃以上210℃以下で反応させることを含むオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法。
〔2〕(A)(メタ)アクリル酸とアルキレンモノエポキシドとを反応させて得られる不飽和モノアルコール含有組成物にさらに多塩基酸無水物を加えた組成物を、(B)有機及び/又は無機のアンチモン化合物の存在下に温度140℃以上210℃以下で反応させることを含むオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法。
〔3〕(A)(メタ)アクリル酸、アルキレンモノエポキシド及び多塩基酸無水物を反応させて得られる、不飽和基とヒドロキシル基とを含む不飽和オリゴマー含有組成物を、(B)有機及び/又は無機のアンチモン化合物の存在下に温度140℃以上210℃以下で反応させることを含むオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法。
〔4〕反応を酸素の存在下で行う、上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の方法。
〔5〕以下の第一工程〜第三工程を含むオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法。
第一工程
(メタ)アクリル酸、アルキレンモノエポキシド及び多塩基酸無水物を含む原料組成物を得る工程
第二工程
第一工程で得られた原料組成物を、密閉系で、触媒の存在下に加熱して反応させ、反応混合物(1)を得る工程
第三工程
第二工程で得られた反応混合物(1)を、有機及び/又は無機のアンチモン化合物の存在下に140〜210℃の温度で反応させてオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物を得る工程
〔6〕第三工程を酸素の存在下で行う、上記〔5〕に記載の方法。
〔7〕以下の第一工程〜第四工程を含むオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法。
第一工程
(メタ)アクリル酸及びアルキレンモノエポキシドを含む原料組成物を得る工程
第二工程
第一工程で得られた原料組成物を、密閉系で触媒の存在下に加熱して反応させ、反応混合物(2)を得る工程
第三工程
第二工程で得られた反応混合物(2)に多塩基酸無水物を加え、反応混合物(3)を得る工程
第四工程
第三工程で得られた反応混合物(3)を、有機及び/又は無機のアンチモン化合物の存在下に140〜210℃の温度で反応させてオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物を得る工程
〔8〕第四工程を酸素の存在下で行う、上記〔7〕に記載の方法。
〔9〕アルキレンモノエポキシドが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、シクロヘキサンオキシド、スチレンオキシド及びグリシジル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の方法。
〔10〕多塩基酸無水物が、飽和の多塩基酸無水物及び/又は不飽和の多塩基酸無水物である、上記〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の方法。
〔11〕飽和の多塩基酸無水物が、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ヘット酸及びテトラブロム無水フタル酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記〔10〕に記載の方法。
〔12〕不飽和の多塩基酸無水物が、無水マレイン酸である、上記〔10〕に記載の方法。
〔13〕有機及び/又は無機のアンチモン化合物が、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、酒石酸アンチモンカリ(吐酒石)及び酢酸アンチモンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載の方法。
〔14〕上記〔1〕〜〔13〕のいずれかに記載したオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法に用いる有機及び/又は無機のアンチモン化合物を含む、オリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物製造用触媒。
〔15〕上記〔1〕〜〔13〕のいずれかに記載したオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法により製造されたオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物。
発明を実施するための最良の形態
以下、好ましい形態を参照しながら、本発明をより詳しく説明する。
先ず、本発明(I)〜(III)について説明する。
本発明(I)〜(III)は、いずれも、所定の原料組成物を有機及び/又は無機のアンチモン化合物の存在下に温度140℃以上210℃以下で反応させることを含むオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法である。
既に述べたように、従来の触媒では、当該製造方法における反応温度である140℃以上という高温下では(メタ)アクリロイル基の重合によるゲル化を避けることができず、従ってこのような高温下でのオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法の例示はなかった。
本発明者らは、種々の化合物を触媒としたオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法の検討を行った結果、驚くべきことに、アンチモンを含む化合物を触媒として使用した場合に、従来常識では考えられなかった140℃以上の高温下において、(メタ)アクリロイル基が存在していてもゲル化することなく、円滑にエステル化並びに脱グリコール反応が進み、目的とするオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
本発明(I)の方法は、その好ましい実施形態としてより具体的に示すと、例えば、以下の第一工程及び第二工程からなる。
第一工程
(メタ)アクリル酸、アルキレンモノエポキシド及び多塩基酸無水物を含む原料組成物を得る工程
第二工程
第一工程で得られた原料組成物を、有機及び/又は無機のアンチモン化合物の存在下に140〜210℃の温度で反応させてオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物を得る工程
上記第一工程において、原料組成物における(メタ)アクリル酸には、特に制限はない。これらは、試薬用であっても、工業用であっても、通常市販されているものであれば、特に精製することなく使用することができる。もちろん、より高純度のものを使用する方が副反応の抑制などの点から好ましい。また、アクリル酸及びメタクリル酸は、それぞれ単独でも、また両者の混合物としてでも使用することができる。
また、第一工程で用いる原料組成物におけるアルキレンモノエポキシドとしては、エポキシ環を有する化合物であれば特に制限はない。具体的には、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、シクロヘキサンオキシド、スチレンオキシド、グリシジル(メタ)アクリレート及びそれらの2種以上の混合物などが挙げられる。エチレンオキシド、プロピレンオキシド及び両者の混合物が、入手の容易さ、得られるオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の実用性などの点から好ましい。
アルキレンモノエポキシドに関しては、特に制限はなく、通常市販されているものであれば使用することができる。高純度なものはもちろんであるが、本発明の製造方法に影響を与えない不純物を含むものや希釈されているものなども使用することができる。例えば、エチレンオキシドの場合では、窒素などの不活性ガスやメタン、エタン等の低級飽和炭化水素を含んでいるものであっても使用することができる。
さらに、第一工程で用いる原料組成物における多塩基酸無水物には、特に制限はない。一般に、飽和ポリエステルの製造も若しくは不飽和ポリエステルの製造の際に用いられている多塩基酸無水物であればいかなるものでも使用することができる。具体的には、例えば、飽和の多塩基酸無水物としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ヘット酸、テトラブロム無水フタル酸及びそれらの2種以上の混合物等を挙げることができる。また、不飽和の多塩基酸無水物としては、無水マレイン酸を挙げることができる。詳しくは、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、日刊工業新聞社、昭和63年6月30日初版第1刷発行、31〜32頁に記載がある。なかでも、無水マレイン酸及び/又は無水フタル酸が入手の容易性やオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の実用性等の点から好ましい。
第一工程における原料組成物中の(メタ)アクリル酸、アルキレンモノエポキシド及び多塩基酸無水物の比率には特に制限はない。用いる各原料の性状や、最終的に望むオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の物性により、最適な値は異なってくる。
具体的には、例えば、好ましくはモル比で(メタ)アクリル酸:アルキレンモノエポキシド:多塩基酸無水物=1:0.1〜100:0.1〜100の範囲であり、より好ましくは(メタ)アクリル酸:アルキレンモノエポキシド:多塩基酸無水物=1:0.5〜50:0.5〜50の範囲である。
上記第二工程では、エステル化反応及び/又は脱グリコール反応の2種の反応が生じてオリゴ(メタ)アクリレートが生成すると考えられる。この際、この2つの反応は1つの反応器内で同時に行われてもよく、またそれぞれ別の反応器を用いて順次に行われてもよい。
その具体例の1つとしては、例えば、下記の反応式1に示すように、(1)先ず、(メタ)アクリル酸(例としてアクリル酸を示す)とアルキレンモノエポキシド(例としてエチレンオキシドを示す)とによる開環付加反応によるエステル化反応を行い、その結果として不飽和モノアルコール(α)を含む反応混合物を得、(2)次いで、この不飽和モノアルコール(α)と多塩基酸無水物(例として無水フタル酸を示す)との間での開環付加反応、さらには脱水縮合によるエステル化反応を行い、オリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物を得る方法を挙げることができる。
反応式1
この場合、第二工程は、例えば、次の2つの工程で実施することが好ましい。すなわち、例えば、オートクレーブ等を用いた密閉系で上記(1)の工程を行い、次いで得られた反応混合物を140〜210℃の温度で反応させて上記(2)の工程を行い、オリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物を得る方法である。
このように第二工程を2つの工程で実施すれば、比較的低沸点であるエチレンオキシドやプロピレンオキシド等のアルキレンモノエポキシドを原料として用いる場合に、開放系で加熱するとエステル化反応が進行する前に該アルキレンモノエポキシドが気化して飛散してしまうのを避けることができ、効率的に反応を行うことができるのでより好ましい。
ここで例示した好ましいオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法は、すなわち、以下の第一工程〜第三工程を含む方法である。
第一工程
(メタ)アクリル酸、アルキレンモノエポキシド及び多塩基酸無水物を含む原料組成物を得る工程
第二工程
第一工程で得られた原料組成物を、密閉系で触媒の存在下に加熱して反応させて反応混合物(1)を得る工程
第三工程
第二工程で得られた反応混合物(1)を、有機及び/又は無機のアンチモン化合物の存在下に140〜210℃の温度で反応させてオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物を得る工程
ここで例示した第一工程〜第三工程を含む方法において、第二工程における触媒は、第三工程で用いる有機及び/又は無機のアンチモン化合物と同一であってもよく、相異なっていてもよい。また、同一である場合、第三工程ではさらに有機及び/又は無機のアンチモン化合物を追加してもよく、第二工程で用いたものをそのまま使用してもよい。
また、ここに例示した第一工程〜第三工程を含む方法の第二工程で生じる反応は、明確にエステル化反応のみとは限らず、従って反応混合物(1)には上記反応式1で例示した不飽和モノアルコール(α)のみならず、各種の生成物が含まれていることはいうまでもない。
さらに、ここで示した第一工程〜第三工程を含むオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法には、その変形として以下に示す第一工程〜第四工程からなる方法を例示することができる。
第一工程
(メタ)アクリル酸及びアルキレンモノエポキシドを含む原料組成物を得る工程
第二工程
第一工程で得られた原料組成物を、密閉系で、触媒の存在下に加熱して反応させ、反応混合物(2)を得る工程
第三工程
第二工程で得られた反応混合物(2)に多塩基酸無水物を加え、反応混合物(3)を得る工程
第四工程
第三工程で得られた反応混合物(3)を、有機及び/又は無機のアンチモン化合物の存在下に140〜210℃の温度で反応させてオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物を得る工程
上記の第一工程〜第四工程からなるオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法においても、その第二工程で用いる触媒は第四工程で用いる有機及び/又は無機のアンチモン化合物と同一であっても相異なっていてもよい。また、同一である場合、第四工程ではさらに有機及び/又は無機のアンチモン化合物を追加してもよく、第二工程で用いたものをそのまま使用してもよい。
また、他の具体例としては、例えば、下記の反応式2に示すように、反応式1と同様にして得た不飽和モノアルコール(α)と、多塩基酸無水物(例として無水フタル酸を示す)との開環付加反応により生成する、不飽和基とカルボン酸基を有する化合物(β)にさらにアルキレンモノエポキシド(例としてエチレンオキシドを示す)を開環付加させて、不飽和基とヒドロキシル基を含む不飽和オリゴマー(γ)を含む反応混合物を得、(2)次いで該不飽和オリゴマー(γ)と(α)との脱グリコール反応及び/又は該不飽和オリゴマー(γ)と(β)との脱水縮合によるエステル化反応を行い、オリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物を得る方法等も挙げることができる。
反応式2
この場合も、第二工程は、例えば、次の2つの工程で実施するのが好ましい。すなわち、例えば、オートクレーブを用い、密閉系で、上記(1)の工程を行い、次いで得られた反応混合物を140〜210℃の温度で反応させて上記(2)の工程を行い、オリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物を得る方法である。もちろん、これらの反応形式はいずれも単なる例示に過ぎず、本発明(I)はこれらに限定されるわけではない。
第二工程(先に具体例として示した好ましい製造方法の例では第三工程又は第四工程に該当する。以下同じ)で用いることができる有機及び/又は無機のアンチモン化合物には、特に制限はない。また、アンチモンを含む化合物であればその性状に特に制限はない。具体的には、例えば、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、酒石酸アンチモンカリ(吐酒石)、酢酸アンチモン及びそれらの2種以上の混合物などが挙げられる。なかでも、入手のしやすさと触媒としての効果の点から、無機化合物としては三酸化アンチモンが好ましく、有機化合物としてはトリフェニルアンチモンが好ましい。もちろん両者を併用してもよい。
第二工程で用いることができる有機及び/又は無機のアンチモン化合物の量には、特に制限はない。好ましくは、第一工程で得た原料組成物100質量部に対して0.01〜1質量部の範囲である。0.01質量部未満では、触媒としての効果が不十分になることがある。また、1質量部を超えて加えてもその効果が見られないばかりでなく、得られたオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の硬化性が損なわれることがある。より好ましくは0.05〜0.5質量部の範囲である。
第二工程では、有機及び/又は無機のアンチモン化合物と併用して、その作用を助ける化合物を用いることができる。具体的には、例えば、チタンのアルコキサイド等の化合物を挙げることができる。その使用量は、ほぼ有機及び/又は無機のアンチモン化合物と同程度である。
前述の如く、第二工程ではエステル化反応及び/又は脱グリコール反応が生じているが、その反応温度は140〜210℃の範囲であればよい。従来の触媒では、この条件下では(メタ)アクリロイル基の重合によるゲル化を避けることができなかったが、本発明の方法では、有機及び/又は無機のアンチモン化合物を触媒として用いることによりこの問題点を解決することができる。その結果、極めて短時間でエステル化反応及び/又は脱グリコール反応が完結してオリゴ(メタ)アクリレートを合成することができ、オリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物を得ることができる。
反応温度が140℃未満である場合、反応速度、特に脱グリコール反応が遅くなったり、或いは反応が完結しなくなることがある。また、反応温度が210℃を超える場合には、(メタ)アクリロイル基の重合によるゲル化を避けることが困難になることがある。より好ましくは150〜200℃の範囲であり、最も好ましくは160〜190℃の範囲である。
第二工程では、酸素の存在下で反応を行うのが好ましい。酸素は、(メタ)アクリロイル基の重合を阻害する働きを有しており、もっとも簡便なラジカル重合阻害剤としてよく知られている。これは、第二工程においても同様である。
この場合の酸素は、純粋な酸素として反応系中に導入してもよいが、簡便には空気をその代わりに用いることができる。もちろん、窒素などで希釈した酸素を用いてもよい。重合阻害作用に効果のある酸素濃度を確保できれば、いかなる方法を用いてもよい。
ところで、脱水縮合を伴うエステル化反応及び脱グリコール反応は平衡反応であり、平衡を生成物側に傾けるために生成した水やグリコールを系外に取り出すことが、これらの反応の進行に望ましい。その際に、これらを系外に取り出しやすくするために減圧下に反応を行うことが一般に行われている。しかし、あまりに減圧度を上げると系中の酸素濃度が低下し、ひいてはその重合阻害効果が低下し、或いはその効果が失われる恐れがある。
本発明(I)の製造方法では、酸素による重合阻害効果と反応速度とのバランスから、あまり減圧度を上げることは好ましくない。具体的には、減圧にした場合でも500mmHg以上の圧力であることが好ましい。この場合、反応温度はその減圧度にもよるが140〜180℃の範囲であるのが好ましい。
次に、本発明(II)について説明する。本発明(II)は、(A)(メタ)アクリル酸とアルキレンモノエポキシドとを反応させて得られる不飽和モノアルコールを含む組成物にさらに多塩基酸無水物を加えた組成物を、(B)有機及び/又は無機のアンチモン化合物の存在下に温度140℃以上210℃以下で反応させることを含むオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法である。
本発明(II)における(メタ)アクリル酸、アルキレンモノエポキシド及び多塩基酸無水物に関しては、本発明(I)と同様である。また、アンチモン化合物に関しても本発明(I)と同様である。さらに反応条件に関しても本発明(I)と同様である。
本発明(II)における不飽和モノアルコールとしては、例えば、本発明(I)における反応式1に記載した(α)をその具体例として挙げることができるが、それに限定されるわけではない。すなわち、重合性官能基である不飽和基とヒドロキシル基を1分子中に有する(メタ)アクリル酸とアルキレンモノエポキシドとを反応させて得られる不飽和モノアルコールであれば特に制限はない。さらに、(メタ)アクリル酸又はそのエステル類とジオールとを反応させて得られる不飽和モノアルコールであってもよい。すなわち、従来公知の方法で別途製造し、必要により精製した不飽和モノアルコールであってもよい。もちろん、最終的なオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法やその物性に影響を与えないのであれば、(メタ)アクリル酸とアルキレンモノエポキシドとを各種条件で反応させて得られた不飽和モノアルコールを含む反応混合物をそのまま使用することも可能である。一般に、(メタ)アクリル酸とアルキレンモノエポキシドとを各種条件で反応させて得られた不飽和モノアルコールを含む反応混合物は多種の生成物の混合物であるが、そのような反応混合物であってもその一部に当該不飽和モノアルコールを含んでいれば使用することができる。
次に、本発明(III)について説明する。本発明(III)は、(A)(メタ)アクリル酸、アルキレンモノエポキシド及び多塩基酸無水物を反応させて得られる、不飽和基とヒドロキシル基とを含む不飽和オリゴマー含有組成物を、(B)有機及び/又は無機のアンチモン化合物の存在下に温度140℃以上210℃以下で反応させることを含むオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法である。
本発明(III)における(メタ)アクリル酸、アルキレンモノエポキシド及び多塩基酸無水物に関しては、本発明(I)と同様である。また、アンチモン化合物に関しても本発明(I)と同様である。さらに反応条件に関しても本発明(I)と同様である。
本発明(III)における不飽和基とヒドロキシル基とを含む不飽和オリゴマーとしては、例えば、本発明(I)における反応式2に記載した(γ)をその具体例として挙げることができるが、それに限定されるわけではない。すなわち、重合性官能基である不飽和基とヒドロキシル基を1分子中に有する(メタ)アクリル酸、アルキレンモノエポキシド及び多塩基酸無水物を反応させて得られる不飽和オリゴマーであれば特に制限はない。
従って、従来公知の方法で別途製造し、必要により精製した不飽和オリゴマーであってもよい。もちろん、最終的なオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法やその物性に影響を与えないのであれば、(メタ)アクリル酸、アルキレンモノエポキシド及び多塩基酸無水物を反応させて得られる不飽和オリゴマーを含む反応混合物をそのまま使用することも可能である。一般に、(メタ)アクリル酸、アルキレンモノエポキシド及び多塩基酸無水物を反応させて得られる不飽和オリゴマーを含む反応混合物は、多種の生成物の混合物であるが、その様な反応混合物であってもその一部に当該不飽和オリゴマーを含んでいれば使用することができる。
次に、本発明(IV)について説明する。本発明(IV)は、本発明(I)〜(III)のオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法に用いることができるアンチモンを含む化合物からなるオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物製造用触媒である。
本発明(IV)のオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物製造用触媒は、その成分としてアンチモンを含む化合物であれば特に制限はない。具体的には、例えば、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、酒石酸アンチモンカリ(吐酒石)及び酢酸アンチモンなどが挙げられる。なかでも、入手のしやすさと触媒としての効果の点から、無機化合物としては三酸化アンチモンが好ましく、有機化合物としてはトリフェニルアンチモンが好ましい。もちろん両者を併用してもよい。これらは、いずれも、市販されているものをそのまま使用することができるが、必要に応じて精製してもよい。
さらに、本発明(V)について説明する。本発明(V)は、本発明(I)〜(III)のオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法により製造されたオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物である。
本発明(V)のオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物は、アンチモンを含む化合物からなる触媒を用いて、ゲル化することなく、高温で短時間に製造されたオリゴ(メタ)アクリレートを含む樹脂組成物である。従って、この組成物は、従来のオリゴ(メタ)アクリレートの製造方法、例えば、前述した酸触媒の存在下に比較的低温下で生成する水を共沸溶媒で除く方法で製造されたオリゴ(メタ)アクリレートとは異なり、触媒の中和やその除去、さらには共沸溶媒の除去を必要としない。従って、製造工程が簡便で、ひいては非常に安価に製造できるという特徴を有する。
触媒の除去などの精製を行わない場合、アンチモンを含む化合物からなる触媒が当該オリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物に残存することになるが、これは特に該樹脂組成物の重合性に影響を与えるものではない。もちろん、従来公知の方法でこれらの除去を主目的とする精製を行うことも可能であり、またかかる精製を行っても何ら問題はない。
なお、本発明(V)のオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物に含まれるアンチモンを含む化合物からなる触媒に関しては、従来公知の分析方法、例えば、原子吸光法等で分析し、定量することができる。
本発明(V)のオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物は、樹脂の原料組成物として使用する際に従来公知の各種材料と併用することができる。併用できる材料としては、例えば、無機及び/又は有機の補強材、フィラー、離型剤、消泡剤及び着色剤等を挙げることができる。
無機及び/又は有機の補強剤としては、具体的には、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維及び金属繊維等が挙げられる。
フィラーとしては、具体的には、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、水酸化アルミニウム、クレー、タルク、カオリン、珪藻土、マイカ粉末、ガラス繊維粉末、粉末アスベスト、シリカゲル及びロックウール等が挙げられる。
離型剤としては、具体的には、例えば、ワックス、及びステアリン酸亜鉛に代表されるステアリン酸の金属塩などが挙げられる。
消泡剤としては、具体的には、例えば、シリコーンオイル、ポリビニルエーテル、アクリル酸エステル共重合物及びフッ素系化合物等が挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、これらの実施例は本発明の概要を示すものであって、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
実施例1 オリゴ(メタ)アクリレート(A)の製造及びその評価
(1)オリゴ(メタ)アクリレート(A)の製造
攪拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート265g、無水フタル酸148g、フェノチアジン0.05g及びトリフェニルアンチモン1.3gを仕込み、空気気流中180〜185℃で80分間、反応させた。この間、ゲル化は生じなかった。最終的な溜出液量は37gであり、反応混合物の酸価は44であった。この溜出液量の約1/3は脱グリコール反応によるグリコール、約2/3はエステル化による脱離水と推定される。得られたオリゴ(メタ)アクリレート(A)は淡黄色で、粘度約7〜8ポイズであった。
(2)オリゴ(メタ)アクリレート(A)の評価
オリゴ(メタ)アクリレート(A)100質量部に過酸化ベンゾイル(50%、DOPペースト)4質量部、ジメチルアニリン0.2質量部を加えた系は23分でゲル化後急速に発熱し、硬化した。
上記のようにして硬化して得られた3m/m厚の注型板の曲げ強さは12.1kg/mm2〜13.5kg/mm2、曲げ弾性係数約430、バーコル硬さ43、熱変形温度97℃であった。
実施例2 オリゴ(メタ)アクリレート(B)の製造及びその評価
(1)ヒドロキシル基含有不飽和オリゴマーの合成
1リットルのガラス製オートクレーブ(耐圧20kg/cm2)に、メタクリル酸172g、プロピレンオキシド192g、無水フタル酸148g、ジメチルベンジルアミン1.5g、フェノチアジン0.05g及び三酸化アンチモン0.75gを仕込み、急速な発熱を抑えながら130〜135℃、最高5kg/cm2の圧力で、2時間反応を行った。酸価は0であった。淡い桃色のヒドロキシル基含有不飽和オリゴマーを含む反応混合物が得られた。収率はほぼ定量的であった。
(2)オリゴ(メタ)アクリレート(B)の製造
(1)で得られた反応混合物を分溜コンデンサー、ガス導入管、攪拌機、温度計を備えた1リットルのセパラブルフラスコに移し、激しく攪拌しながら、空気気流下に180〜185℃で80分間脱グリコール反応を行った。その結果、最終的にプロピレングリコール78gが溜出した。得られたオリゴ(メタ)アクリレート(B)は黄褐色で、僅かに濁りを帯び、粘度7〜8ポイズであった。
(3)オリゴ(メタ)アクリレート(B)の評価
オリゴ(メタ)アクリレート(B)100質量部に、メチルエチルケトンパーオキサイド1質量部、ナフテン酸コバルト(6質量%Co)0.5質量部、ピロリジンアセトアセトアミド((株)日本乳化剤、商品名「ナックスレーターPIK」)0.1質量部を加えた系は20分でゲル化後かなり急速に発熱し、硬化した。最高温度は139℃に達した。
実施例3 オリゴ(メタ)アクリレート(C)の製造及びその評価
(1)オリゴ(メタ)アクリレート(C)の製造
実施例2で用いたオートクレーブに、メタクリル酸172g、プロピレンオキシド128g、ベンジルジメチルアミン1.2g、フェノチアジン0.05g及びトリフェニルアンチモン0.42gを仕込み、最高温度135℃、圧力5kg/cm2で2時間反応を行った。酸価は3以下であった。
次いで、反応混合物を実施例2と同様のセパラブルフラスコに移し、無水フタル酸148g及びチタンテトライソプロポオキサイド0.8gを加えて、600mmHg〜650mmHgの減圧下に165〜170℃で2時間反応を行った。溜出液量は140gであった。得られたオリゴ(メタ)アクリレート(C)は淡黄褐色で、粘度約6〜7ポイズ、酸価48であった。
(2)オリゴ(メタ)アクリレート(C)の評価
実施例2のオリゴ(メタ)アクリレート(B)の評価と同様に硬化剤を加えた系は、27分でゲル化後緩やかに発熱を続けた。100℃で2時間硬化させた成形品のバーコル硬さは42〜43、曲げ強さは12kg/cm2〜14kg/cm2、曲げ弾性係数は410kg/mm2〜420kg/mm2であった。
実施例4 オリゴ(メタ)アクリレート(D)の製造及びその評価
(1)オリゴ(メタ)アクリレート(D)の製造
実施例2で用いたオートクレーブに、アクリル酸144g、プロピレンオキシド166g、無水フタル酸89g、ジメチルベンジルアミン1.2g、フェノチアジン0.44g、トリフェニルアンチモン0.4g及び三酸化アンチモン0.4gを仕込み、最高温度131℃、最高圧力5kg/cm2で2時間反応を行った。酸価は0であった。やや赤味を帯びた反応混合物が得られた。
次いで、上記反応混合物を実施例1と同様の装置を備えた1リットルのセパラブルフラスコに移し、179〜183℃で空気気流中で80分間反応を行った。得られたオリゴ(メタ)アクリレート(D)は淡赤褐色で、粘度約4〜5ポイズであった。
(2)オリゴ(メタ)アクリレート(D)の評価
オリゴ(メタ)アクリレート(D)100質量部に、光反応開始剤としてベンジルジメチルケタール3重量部を溶解させ、光硬化性樹脂とした。
洗浄したガラス板上に、0.1mm厚になるようにコーティングした後、出力1kwの紫外線ランプ下15cmで1分照射した。硬化塗膜の硬度は3H〜4Hであった。
産業上の利用可能性
本発明によれば、従来、多数の工程によってしか得ることのできなかったオリゴ(メタ)アクリレート及び該アクリレート含有樹脂組成物を簡便な方法で製造することができる。また、本発明によれば、従来の技術常識では考えられなかったような高温下で短時間にオリゴ(メタ)アクリレートを製造することができる。また、本発明によれば、簡便な方法によって安価にオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物を製造することができることから、従来その高価格故に特殊用途にしか用いることができなかったオリゴ(メタ)アクリレート及び該アクリレート含有樹脂組成物を広範囲な用途に用いることが可能となる。特にスチレンに代表される反応性希釈モノマーを含まないか、或いは作業環境に影響を与えないほどに使用量を低減した樹脂の製造が可能である。
本発明は、オリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法、それに用いる触媒及びそれにより得られるオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物に関する。特に、本発明は、多種の用途に有用なポリエステル(メタ)アクリレートに代表されるオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の簡便な製造方法、その方法に用いることのできるエステル化触媒及びその方法により得られるオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物に関する。
背景技術
本発明者らは、環境改善の立場から、例えば、強化プラスチック(以下、「FRP」という)の成形の際、ガラス繊維にポリエステル樹脂を含浸させ、硬化させる工程で作業者が樹脂中のスチレンに晒されている状況を改善するために、研究を重ねてきた。しかし、20年以上にもわたる各方面からの努力にもかかわらず、未だこの問題は解決されていない。
これは、現在のポリエステル樹脂、すなわちα,β−不飽和多塩基酸(又はその酸無水物)を一成分として含み、任意の多塩基酸(又はその酸無水物)を併用し、所望の多価アルコールによりエステル化して得られる不飽和ポリステルをスチレンモノマーに溶解した樹脂、では、その主成分たる不飽和ポリエステルは、その分子量(Mn)が通常1,500〜3,000程度であり、常温では非常に高粘度な液体若しくはほぼ固体であることから、成形時の作業性を考慮するとポリエステル樹脂としてスチレンの含有量を30質量%以下にすることは著しく困難であることに主な原因がある。従って、揮発性のあるスチレンを含有しないか、又は作業上問題にならないレベルに含有量を低減したポリエステル樹脂を提供することに関しては、未だ成功例がない。
また、スチレンの揮発防止を目的としてポリエステル樹脂にワックスのようなスチレン揮発防止剤を加える試みがなされている。しかし、この場合でも、作業性を確保するためにスチレンの含有量を20質量%程度とした場合に、その揮散量を実用上無視し得るレベルにすることはできないことが知られている。
以上のように、従来の不飽和ポリエステルをポリエステル樹脂の主成分として用いる限りスチレンの使用は不可欠であり、それ故に根本的な作業環境の改善は困難であるといえる。
一方、1分子中にアクリロイル基及び/又はメタクリロイル基(以下、本明細書中では、これらをまとめて「(メタ)アクリロイル基」という)を1個以上含み、ポリエステル骨格を有する、所謂ポリエステル(メタ)アクリレート等のオリゴ(メタ)アクリレートは、分子量に比較して粘度が低いことが一般に知られている。このオリゴ(メタ)アクリレートをポリエステル樹脂の不飽和ポリエステルに置き換えるか、又はその一部でもこれに置き換えることができれば、その粘度が低いという特性からポリエステル樹脂に使用するスチレン量を低減できることが期待できる。さらに、スチレンを全く含まないポリエステル樹脂の開発も可能であると考えられる。
なお、ここでいう「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」及び/又は「メタクリレート」を表すものとする。同様に「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び/又は「メタクリル酸」を表すものとする。
ところで、従来の一般的なポリエステル(メタ)アクリレート及び該アクリレートを含有する樹脂組成物の製造方法としては、例えば、次のような方法が挙げられる。すなわち、
1)先ず、(メタ)アクリル酸、所望の多塩基酸(又はその酸無水物)及び多価アルコールからなる原料組成物に、硫酸又はパラトルエンスルホン酸のような酸触媒を添加し、更にベンゼン又はトルエン等の芳香族系溶媒を加えて80〜100℃程度の温度で、或いは溶媒の環流下に加熱し、エステル化を行うと同時に生成する水を溶媒と共沸させて除き、
2)次いで、酸触媒をアルカリで中和した後、水洗を必要回数繰返し、更に水と溶剤とを留去して、目的とするポリエステル(メタ)アクリレートまたは該アクリレート含有樹脂組成物を得る、
という方法である。かかる方法は、詳しくは、「機能性アクリル樹脂」、(株)テクノシステム、1985年5月25日初版第1冊発行、439頁、「36.2.1 ポリエステルアクリレート」の項に記載がある。
このような煩雑な方法を用いなければならないことの主な理由の1つとしては、重合性の高い(メタ)アクリル基がエステル化反応の際に重合して、生成したポリエステル(メタ)アクリレートがゲル化するなどの副反応を起こし、ひいてはポリエステル(メタ)アクリレートの実用性が損なわれること等を避けることが挙げられる。
しかし、このような方法は、著しく多数の工程を要するために、工業的に実施した場合に原料コストはそれ程高くないにもかかわらず、最終的な樹脂の価格は汎用樹脂のレベルを遥かに超えたものとなるという欠点を有する。
このため、ポリエステル(メタ)アクリレートを含有する樹脂は、その用途も限られており、光硬化性樹脂の一部に利用されているほか、特殊な接着剤用に用いられる程度に止まっているにすぎない。
この煩雑な方法に代えて、硫酸、パラトルエンスルホン酸等の酸触媒に代わるエステル化触媒、例えば、脂肪族3級アミン類、アミノ基を有するフェノール化合物類、4級アンモニウム塩類、及びハロゲン化リチウム類等を用いる方法の検討もなされたが、いずれもエステル化反応を行うために必要な反応条件下、特に140℃を超える高温下では、(メタ)アクリロイル基のゲル化を避けることができないため、工業的な実用化の検討は行われていなかった。
発明の開示
本発明の目的は、従来の煩雑な工程によるポリエステル(メタ)アクリレート等に代表されるオリゴ(メタ)アクリレート及び該アクリレート含有樹脂組成物の製造方法に代わる簡便な製造方法、その方法に用いることのできる触媒及びその方法により得られるオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物を提供することにある。
本発明者等は、上記の課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、アンチモンを含む化合物を触媒として使用すると、従来の技術常識を超えた140℃以上の高温下で反応を行っても(メタ)アクリロイル基が重合してゲル化することなく、円滑にエステル化反応が進行し、目的とするオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物が製造できることを見出し、本発明を完成させた。
さらに、(メタ)アクリル酸、アルキレンモノエポキシド及び多塩基酸無水物を含む組成物を原料とする場合には、単にエステル化反応のみではなく、脱グリコール反応が平行して容易に起こることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明(I)は、(A)(メタ)アクリル酸とアルキレンモノエポキシドと多塩基酸無水物とを含む組成物を、(B)有機及び/又は無機のアンチモン化合物の存在下に温度140℃以上210℃以下で反応させることを含むオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法を提供する。
また、本発明(II)は、(A)(メタ)アクリル酸とアルキレンモノエポキシドとを反応させて得られる不飽和モノアルコール含有組成物にさらに多塩基酸無水物を加えた組成物を、(B)有機及び/又は無機のアンチモン化合物の存在下に温度140℃以上210℃以下で反応させることを含むオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法を提供する。
また、本発明(III)は、(A)(メタ)アクリル酸、アルキレンモノエポキシド及び多塩基酸無水物を反応させて得られる、不飽和基とヒドロキシル基とを含む不飽和オリゴマー含有組成物を、(B)有機及び/又は無機のアンチモン化合物の存在下に温度140℃以上210℃以下で反応させることを含むオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法を提供する。
さらに、本発明(IV)は、上記本発明(I)〜(III)のオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法に用いることのできる、アンチモンを含む化合物からなるオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物製造用触媒を提供する。
さらに、本発明(V)は、上記本発明(I)〜(III)のオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法により製造されたオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物を提供する。
より具体的には、本発明は、例えば、以下の事項からなる。
〔1〕(A)(メタ)アクリル酸とアルキレンモノエポキシドと多塩基酸無水物とを含む組成物を、(B)有機及び/又は無機のアンチモン化合物の存在下に温度140℃以上210℃以下で反応させることを含むオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法。
〔2〕(A)(メタ)アクリル酸とアルキレンモノエポキシドとを反応させて得られる不飽和モノアルコール含有組成物にさらに多塩基酸無水物を加えた組成物を、(B)有機及び/又は無機のアンチモン化合物の存在下に温度140℃以上210℃以下で反応させることを含むオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法。
〔3〕(A)(メタ)アクリル酸、アルキレンモノエポキシド及び多塩基酸無水物を反応させて得られる、不飽和基とヒドロキシル基とを含む不飽和オリゴマー含有組成物を、(B)有機及び/又は無機のアンチモン化合物の存在下に温度140℃以上210℃以下で反応させることを含むオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法。
〔4〕反応を酸素の存在下で行う、上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の方法。
〔5〕以下の第一工程〜第三工程を含むオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法。
第一工程
(メタ)アクリル酸、アルキレンモノエポキシド及び多塩基酸無水物を含む原料組成物を得る工程
第二工程
第一工程で得られた原料組成物を、密閉系で、触媒の存在下に加熱して反応させ、反応混合物(1)を得る工程
第三工程
第二工程で得られた反応混合物(1)を、有機及び/又は無機のアンチモン化合物の存在下に140〜210℃の温度で反応させてオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物を得る工程
〔6〕第三工程を酸素の存在下で行う、上記〔5〕に記載の方法。
〔7〕以下の第一工程〜第四工程を含むオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法。
第一工程
(メタ)アクリル酸及びアルキレンモノエポキシドを含む原料組成物を得る工程
第二工程
第一工程で得られた原料組成物を、密閉系で触媒の存在下に加熱して反応させ、反応混合物(2)を得る工程
第三工程
第二工程で得られた反応混合物(2)に多塩基酸無水物を加え、反応混合物(3)を得る工程
第四工程
第三工程で得られた反応混合物(3)を、有機及び/又は無機のアンチモン化合物の存在下に140〜210℃の温度で反応させてオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物を得る工程
〔8〕第四工程を酸素の存在下で行う、上記〔7〕に記載の方法。
〔9〕アルキレンモノエポキシドが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、シクロヘキサンオキシド、スチレンオキシド及びグリシジル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の方法。
〔10〕多塩基酸無水物が、飽和の多塩基酸無水物及び/又は不飽和の多塩基酸無水物である、上記〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の方法。
〔11〕飽和の多塩基酸無水物が、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ヘット酸及びテトラブロム無水フタル酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記〔10〕に記載の方法。
〔12〕不飽和の多塩基酸無水物が、無水マレイン酸である、上記〔10〕に記載の方法。
〔13〕有機及び/又は無機のアンチモン化合物が、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、酒石酸アンチモンカリ(吐酒石)及び酢酸アンチモンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載の方法。
〔14〕上記〔1〕〜〔13〕のいずれかに記載したオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法に用いる有機及び/又は無機のアンチモン化合物を含む、オリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物製造用触媒。
〔15〕上記〔1〕〜〔13〕のいずれかに記載したオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法により製造されたオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物。
発明を実施するための最良の形態
以下、好ましい形態を参照しながら、本発明をより詳しく説明する。
先ず、本発明(I)〜(III)について説明する。
本発明(I)〜(III)は、いずれも、所定の原料組成物を有機及び/又は無機のアンチモン化合物の存在下に温度140℃以上210℃以下で反応させることを含むオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法である。
既に述べたように、従来の触媒では、当該製造方法における反応温度である140℃以上という高温下では(メタ)アクリロイル基の重合によるゲル化を避けることができず、従ってこのような高温下でのオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法の例示はなかった。
本発明者らは、種々の化合物を触媒としたオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法の検討を行った結果、驚くべきことに、アンチモンを含む化合物を触媒として使用した場合に、従来常識では考えられなかった140℃以上の高温下において、(メタ)アクリロイル基が存在していてもゲル化することなく、円滑にエステル化並びに脱グリコール反応が進み、目的とするオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
本発明(I)の方法は、その好ましい実施形態としてより具体的に示すと、例えば、以下の第一工程及び第二工程からなる。
第一工程
(メタ)アクリル酸、アルキレンモノエポキシド及び多塩基酸無水物を含む原料組成物を得る工程
第二工程
第一工程で得られた原料組成物を、有機及び/又は無機のアンチモン化合物の存在下に140〜210℃の温度で反応させてオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物を得る工程
上記第一工程において、原料組成物における(メタ)アクリル酸には、特に制限はない。これらは、試薬用であっても、工業用であっても、通常市販されているものであれば、特に精製することなく使用することができる。もちろん、より高純度のものを使用する方が副反応の抑制などの点から好ましい。また、アクリル酸及びメタクリル酸は、それぞれ単独でも、また両者の混合物としてでも使用することができる。
また、第一工程で用いる原料組成物におけるアルキレンモノエポキシドとしては、エポキシ環を有する化合物であれば特に制限はない。具体的には、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、シクロヘキサンオキシド、スチレンオキシド、グリシジル(メタ)アクリレート及びそれらの2種以上の混合物などが挙げられる。エチレンオキシド、プロピレンオキシド及び両者の混合物が、入手の容易さ、得られるオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の実用性などの点から好ましい。
アルキレンモノエポキシドに関しては、特に制限はなく、通常市販されているものであれば使用することができる。高純度なものはもちろんであるが、本発明の製造方法に影響を与えない不純物を含むものや希釈されているものなども使用することができる。例えば、エチレンオキシドの場合では、窒素などの不活性ガスやメタン、エタン等の低級飽和炭化水素を含んでいるものであっても使用することができる。
さらに、第一工程で用いる原料組成物における多塩基酸無水物には、特に制限はない。一般に、飽和ポリエステルの製造も若しくは不飽和ポリエステルの製造の際に用いられている多塩基酸無水物であればいかなるものでも使用することができる。具体的には、例えば、飽和の多塩基酸無水物としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ヘット酸、テトラブロム無水フタル酸及びそれらの2種以上の混合物等を挙げることができる。また、不飽和の多塩基酸無水物としては、無水マレイン酸を挙げることができる。詳しくは、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、日刊工業新聞社、昭和63年6月30日初版第1刷発行、31〜32頁に記載がある。なかでも、無水マレイン酸及び/又は無水フタル酸が入手の容易性やオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の実用性等の点から好ましい。
第一工程における原料組成物中の(メタ)アクリル酸、アルキレンモノエポキシド及び多塩基酸無水物の比率には特に制限はない。用いる各原料の性状や、最終的に望むオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の物性により、最適な値は異なってくる。
具体的には、例えば、好ましくはモル比で(メタ)アクリル酸:アルキレンモノエポキシド:多塩基酸無水物=1:0.1〜100:0.1〜100の範囲であり、より好ましくは(メタ)アクリル酸:アルキレンモノエポキシド:多塩基酸無水物=1:0.5〜50:0.5〜50の範囲である。
上記第二工程では、エステル化反応及び/又は脱グリコール反応の2種の反応が生じてオリゴ(メタ)アクリレートが生成すると考えられる。この際、この2つの反応は1つの反応器内で同時に行われてもよく、またそれぞれ別の反応器を用いて順次に行われてもよい。
その具体例の1つとしては、例えば、下記の反応式1に示すように、(1)先ず、(メタ)アクリル酸(例としてアクリル酸を示す)とアルキレンモノエポキシド(例としてエチレンオキシドを示す)とによる開環付加反応によるエステル化反応を行い、その結果として不飽和モノアルコール(α)を含む反応混合物を得、(2)次いで、この不飽和モノアルコール(α)と多塩基酸無水物(例として無水フタル酸を示す)との間での開環付加反応、さらには脱水縮合によるエステル化反応を行い、オリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物を得る方法を挙げることができる。
反応式1
この場合、第二工程は、例えば、次の2つの工程で実施することが好ましい。すなわち、例えば、オートクレーブ等を用いた密閉系で上記(1)の工程を行い、次いで得られた反応混合物を140〜210℃の温度で反応させて上記(2)の工程を行い、オリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物を得る方法である。
このように第二工程を2つの工程で実施すれば、比較的低沸点であるエチレンオキシドやプロピレンオキシド等のアルキレンモノエポキシドを原料として用いる場合に、開放系で加熱するとエステル化反応が進行する前に該アルキレンモノエポキシドが気化して飛散してしまうのを避けることができ、効率的に反応を行うことができるのでより好ましい。
ここで例示した好ましいオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法は、すなわち、以下の第一工程〜第三工程を含む方法である。
第一工程
(メタ)アクリル酸、アルキレンモノエポキシド及び多塩基酸無水物を含む原料組成物を得る工程
第二工程
第一工程で得られた原料組成物を、密閉系で触媒の存在下に加熱して反応させて反応混合物(1)を得る工程
第三工程
第二工程で得られた反応混合物(1)を、有機及び/又は無機のアンチモン化合物の存在下に140〜210℃の温度で反応させてオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物を得る工程
ここで例示した第一工程〜第三工程を含む方法において、第二工程における触媒は、第三工程で用いる有機及び/又は無機のアンチモン化合物と同一であってもよく、相異なっていてもよい。また、同一である場合、第三工程ではさらに有機及び/又は無機のアンチモン化合物を追加してもよく、第二工程で用いたものをそのまま使用してもよい。
また、ここに例示した第一工程〜第三工程を含む方法の第二工程で生じる反応は、明確にエステル化反応のみとは限らず、従って反応混合物(1)には上記反応式1で例示した不飽和モノアルコール(α)のみならず、各種の生成物が含まれていることはいうまでもない。
さらに、ここで示した第一工程〜第三工程を含むオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法には、その変形として以下に示す第一工程〜第四工程からなる方法を例示することができる。
第一工程
(メタ)アクリル酸及びアルキレンモノエポキシドを含む原料組成物を得る工程
第二工程
第一工程で得られた原料組成物を、密閉系で、触媒の存在下に加熱して反応させ、反応混合物(2)を得る工程
第三工程
第二工程で得られた反応混合物(2)に多塩基酸無水物を加え、反応混合物(3)を得る工程
第四工程
第三工程で得られた反応混合物(3)を、有機及び/又は無機のアンチモン化合物の存在下に140〜210℃の温度で反応させてオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物を得る工程
上記の第一工程〜第四工程からなるオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法においても、その第二工程で用いる触媒は第四工程で用いる有機及び/又は無機のアンチモン化合物と同一であっても相異なっていてもよい。また、同一である場合、第四工程ではさらに有機及び/又は無機のアンチモン化合物を追加してもよく、第二工程で用いたものをそのまま使用してもよい。
また、他の具体例としては、例えば、下記の反応式2に示すように、反応式1と同様にして得た不飽和モノアルコール(α)と、多塩基酸無水物(例として無水フタル酸を示す)との開環付加反応により生成する、不飽和基とカルボン酸基を有する化合物(β)にさらにアルキレンモノエポキシド(例としてエチレンオキシドを示す)を開環付加させて、不飽和基とヒドロキシル基を含む不飽和オリゴマー(γ)を含む反応混合物を得、(2)次いで該不飽和オリゴマー(γ)と(α)との脱グリコール反応及び/又は該不飽和オリゴマー(γ)と(β)との脱水縮合によるエステル化反応を行い、オリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物を得る方法等も挙げることができる。
反応式2
この場合も、第二工程は、例えば、次の2つの工程で実施するのが好ましい。すなわち、例えば、オートクレーブを用い、密閉系で、上記(1)の工程を行い、次いで得られた反応混合物を140〜210℃の温度で反応させて上記(2)の工程を行い、オリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物を得る方法である。もちろん、これらの反応形式はいずれも単なる例示に過ぎず、本発明(I)はこれらに限定されるわけではない。
第二工程(先に具体例として示した好ましい製造方法の例では第三工程又は第四工程に該当する。以下同じ)で用いることができる有機及び/又は無機のアンチモン化合物には、特に制限はない。また、アンチモンを含む化合物であればその性状に特に制限はない。具体的には、例えば、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、酒石酸アンチモンカリ(吐酒石)、酢酸アンチモン及びそれらの2種以上の混合物などが挙げられる。なかでも、入手のしやすさと触媒としての効果の点から、無機化合物としては三酸化アンチモンが好ましく、有機化合物としてはトリフェニルアンチモンが好ましい。もちろん両者を併用してもよい。
第二工程で用いることができる有機及び/又は無機のアンチモン化合物の量には、特に制限はない。好ましくは、第一工程で得た原料組成物100質量部に対して0.01〜1質量部の範囲である。0.01質量部未満では、触媒としての効果が不十分になることがある。また、1質量部を超えて加えてもその効果が見られないばかりでなく、得られたオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の硬化性が損なわれることがある。より好ましくは0.05〜0.5質量部の範囲である。
第二工程では、有機及び/又は無機のアンチモン化合物と併用して、その作用を助ける化合物を用いることができる。具体的には、例えば、チタンのアルコキサイド等の化合物を挙げることができる。その使用量は、ほぼ有機及び/又は無機のアンチモン化合物と同程度である。
前述の如く、第二工程ではエステル化反応及び/又は脱グリコール反応が生じているが、その反応温度は140〜210℃の範囲であればよい。従来の触媒では、この条件下では(メタ)アクリロイル基の重合によるゲル化を避けることができなかったが、本発明の方法では、有機及び/又は無機のアンチモン化合物を触媒として用いることによりこの問題点を解決することができる。その結果、極めて短時間でエステル化反応及び/又は脱グリコール反応が完結してオリゴ(メタ)アクリレートを合成することができ、オリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物を得ることができる。
反応温度が140℃未満である場合、反応速度、特に脱グリコール反応が遅くなったり、或いは反応が完結しなくなることがある。また、反応温度が210℃を超える場合には、(メタ)アクリロイル基の重合によるゲル化を避けることが困難になることがある。より好ましくは150〜200℃の範囲であり、最も好ましくは160〜190℃の範囲である。
第二工程では、酸素の存在下で反応を行うのが好ましい。酸素は、(メタ)アクリロイル基の重合を阻害する働きを有しており、もっとも簡便なラジカル重合阻害剤としてよく知られている。これは、第二工程においても同様である。
この場合の酸素は、純粋な酸素として反応系中に導入してもよいが、簡便には空気をその代わりに用いることができる。もちろん、窒素などで希釈した酸素を用いてもよい。重合阻害作用に効果のある酸素濃度を確保できれば、いかなる方法を用いてもよい。
ところで、脱水縮合を伴うエステル化反応及び脱グリコール反応は平衡反応であり、平衡を生成物側に傾けるために生成した水やグリコールを系外に取り出すことが、これらの反応の進行に望ましい。その際に、これらを系外に取り出しやすくするために減圧下に反応を行うことが一般に行われている。しかし、あまりに減圧度を上げると系中の酸素濃度が低下し、ひいてはその重合阻害効果が低下し、或いはその効果が失われる恐れがある。
本発明(I)の製造方法では、酸素による重合阻害効果と反応速度とのバランスから、あまり減圧度を上げることは好ましくない。具体的には、減圧にした場合でも500mmHg以上の圧力であることが好ましい。この場合、反応温度はその減圧度にもよるが140〜180℃の範囲であるのが好ましい。
次に、本発明(II)について説明する。本発明(II)は、(A)(メタ)アクリル酸とアルキレンモノエポキシドとを反応させて得られる不飽和モノアルコールを含む組成物にさらに多塩基酸無水物を加えた組成物を、(B)有機及び/又は無機のアンチモン化合物の存在下に温度140℃以上210℃以下で反応させることを含むオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法である。
本発明(II)における(メタ)アクリル酸、アルキレンモノエポキシド及び多塩基酸無水物に関しては、本発明(I)と同様である。また、アンチモン化合物に関しても本発明(I)と同様である。さらに反応条件に関しても本発明(I)と同様である。
本発明(II)における不飽和モノアルコールとしては、例えば、本発明(I)における反応式1に記載した(α)をその具体例として挙げることができるが、それに限定されるわけではない。すなわち、重合性官能基である不飽和基とヒドロキシル基を1分子中に有する(メタ)アクリル酸とアルキレンモノエポキシドとを反応させて得られる不飽和モノアルコールであれば特に制限はない。さらに、(メタ)アクリル酸又はそのエステル類とジオールとを反応させて得られる不飽和モノアルコールであってもよい。すなわち、従来公知の方法で別途製造し、必要により精製した不飽和モノアルコールであってもよい。もちろん、最終的なオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法やその物性に影響を与えないのであれば、(メタ)アクリル酸とアルキレンモノエポキシドとを各種条件で反応させて得られた不飽和モノアルコールを含む反応混合物をそのまま使用することも可能である。一般に、(メタ)アクリル酸とアルキレンモノエポキシドとを各種条件で反応させて得られた不飽和モノアルコールを含む反応混合物は多種の生成物の混合物であるが、そのような反応混合物であってもその一部に当該不飽和モノアルコールを含んでいれば使用することができる。
次に、本発明(III)について説明する。本発明(III)は、(A)(メタ)アクリル酸、アルキレンモノエポキシド及び多塩基酸無水物を反応させて得られる、不飽和基とヒドロキシル基とを含む不飽和オリゴマー含有組成物を、(B)有機及び/又は無機のアンチモン化合物の存在下に温度140℃以上210℃以下で反応させることを含むオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法である。
本発明(III)における(メタ)アクリル酸、アルキレンモノエポキシド及び多塩基酸無水物に関しては、本発明(I)と同様である。また、アンチモン化合物に関しても本発明(I)と同様である。さらに反応条件に関しても本発明(I)と同様である。
本発明(III)における不飽和基とヒドロキシル基とを含む不飽和オリゴマーとしては、例えば、本発明(I)における反応式2に記載した(γ)をその具体例として挙げることができるが、それに限定されるわけではない。すなわち、重合性官能基である不飽和基とヒドロキシル基を1分子中に有する(メタ)アクリル酸、アルキレンモノエポキシド及び多塩基酸無水物を反応させて得られる不飽和オリゴマーであれば特に制限はない。
従って、従来公知の方法で別途製造し、必要により精製した不飽和オリゴマーであってもよい。もちろん、最終的なオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法やその物性に影響を与えないのであれば、(メタ)アクリル酸、アルキレンモノエポキシド及び多塩基酸無水物を反応させて得られる不飽和オリゴマーを含む反応混合物をそのまま使用することも可能である。一般に、(メタ)アクリル酸、アルキレンモノエポキシド及び多塩基酸無水物を反応させて得られる不飽和オリゴマーを含む反応混合物は、多種の生成物の混合物であるが、その様な反応混合物であってもその一部に当該不飽和オリゴマーを含んでいれば使用することができる。
次に、本発明(IV)について説明する。本発明(IV)は、本発明(I)〜(III)のオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法に用いることができるアンチモンを含む化合物からなるオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物製造用触媒である。
本発明(IV)のオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物製造用触媒は、その成分としてアンチモンを含む化合物であれば特に制限はない。具体的には、例えば、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、酒石酸アンチモンカリ(吐酒石)及び酢酸アンチモンなどが挙げられる。なかでも、入手のしやすさと触媒としての効果の点から、無機化合物としては三酸化アンチモンが好ましく、有機化合物としてはトリフェニルアンチモンが好ましい。もちろん両者を併用してもよい。これらは、いずれも、市販されているものをそのまま使用することができるが、必要に応じて精製してもよい。
さらに、本発明(V)について説明する。本発明(V)は、本発明(I)〜(III)のオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法により製造されたオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物である。
本発明(V)のオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物は、アンチモンを含む化合物からなる触媒を用いて、ゲル化することなく、高温で短時間に製造されたオリゴ(メタ)アクリレートを含む樹脂組成物である。従って、この組成物は、従来のオリゴ(メタ)アクリレートの製造方法、例えば、前述した酸触媒の存在下に比較的低温下で生成する水を共沸溶媒で除く方法で製造されたオリゴ(メタ)アクリレートとは異なり、触媒の中和やその除去、さらには共沸溶媒の除去を必要としない。従って、製造工程が簡便で、ひいては非常に安価に製造できるという特徴を有する。
触媒の除去などの精製を行わない場合、アンチモンを含む化合物からなる触媒が当該オリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物に残存することになるが、これは特に該樹脂組成物の重合性に影響を与えるものではない。もちろん、従来公知の方法でこれらの除去を主目的とする精製を行うことも可能であり、またかかる精製を行っても何ら問題はない。
なお、本発明(V)のオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物に含まれるアンチモンを含む化合物からなる触媒に関しては、従来公知の分析方法、例えば、原子吸光法等で分析し、定量することができる。
本発明(V)のオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物は、樹脂の原料組成物として使用する際に従来公知の各種材料と併用することができる。併用できる材料としては、例えば、無機及び/又は有機の補強材、フィラー、離型剤、消泡剤及び着色剤等を挙げることができる。
無機及び/又は有機の補強剤としては、具体的には、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維及び金属繊維等が挙げられる。
フィラーとしては、具体的には、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、水酸化アルミニウム、クレー、タルク、カオリン、珪藻土、マイカ粉末、ガラス繊維粉末、粉末アスベスト、シリカゲル及びロックウール等が挙げられる。
離型剤としては、具体的には、例えば、ワックス、及びステアリン酸亜鉛に代表されるステアリン酸の金属塩などが挙げられる。
消泡剤としては、具体的には、例えば、シリコーンオイル、ポリビニルエーテル、アクリル酸エステル共重合物及びフッ素系化合物等が挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、これらの実施例は本発明の概要を示すものであって、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
実施例1 オリゴ(メタ)アクリレート(A)の製造及びその評価
(1)オリゴ(メタ)アクリレート(A)の製造
攪拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート265g、無水フタル酸148g、フェノチアジン0.05g及びトリフェニルアンチモン1.3gを仕込み、空気気流中180〜185℃で80分間、反応させた。この間、ゲル化は生じなかった。最終的な溜出液量は37gであり、反応混合物の酸価は44であった。この溜出液量の約1/3は脱グリコール反応によるグリコール、約2/3はエステル化による脱離水と推定される。得られたオリゴ(メタ)アクリレート(A)は淡黄色で、粘度約7〜8ポイズであった。
(2)オリゴ(メタ)アクリレート(A)の評価
オリゴ(メタ)アクリレート(A)100質量部に過酸化ベンゾイル(50%、DOPペースト)4質量部、ジメチルアニリン0.2質量部を加えた系は23分でゲル化後急速に発熱し、硬化した。
上記のようにして硬化して得られた3m/m厚の注型板の曲げ強さは12.1kg/mm2〜13.5kg/mm2、曲げ弾性係数約430、バーコル硬さ43、熱変形温度97℃であった。
実施例2 オリゴ(メタ)アクリレート(B)の製造及びその評価
(1)ヒドロキシル基含有不飽和オリゴマーの合成
1リットルのガラス製オートクレーブ(耐圧20kg/cm2)に、メタクリル酸172g、プロピレンオキシド192g、無水フタル酸148g、ジメチルベンジルアミン1.5g、フェノチアジン0.05g及び三酸化アンチモン0.75gを仕込み、急速な発熱を抑えながら130〜135℃、最高5kg/cm2の圧力で、2時間反応を行った。酸価は0であった。淡い桃色のヒドロキシル基含有不飽和オリゴマーを含む反応混合物が得られた。収率はほぼ定量的であった。
(2)オリゴ(メタ)アクリレート(B)の製造
(1)で得られた反応混合物を分溜コンデンサー、ガス導入管、攪拌機、温度計を備えた1リットルのセパラブルフラスコに移し、激しく攪拌しながら、空気気流下に180〜185℃で80分間脱グリコール反応を行った。その結果、最終的にプロピレングリコール78gが溜出した。得られたオリゴ(メタ)アクリレート(B)は黄褐色で、僅かに濁りを帯び、粘度7〜8ポイズであった。
(3)オリゴ(メタ)アクリレート(B)の評価
オリゴ(メタ)アクリレート(B)100質量部に、メチルエチルケトンパーオキサイド1質量部、ナフテン酸コバルト(6質量%Co)0.5質量部、ピロリジンアセトアセトアミド((株)日本乳化剤、商品名「ナックスレーターPIK」)0.1質量部を加えた系は20分でゲル化後かなり急速に発熱し、硬化した。最高温度は139℃に達した。
実施例3 オリゴ(メタ)アクリレート(C)の製造及びその評価
(1)オリゴ(メタ)アクリレート(C)の製造
実施例2で用いたオートクレーブに、メタクリル酸172g、プロピレンオキシド128g、ベンジルジメチルアミン1.2g、フェノチアジン0.05g及びトリフェニルアンチモン0.42gを仕込み、最高温度135℃、圧力5kg/cm2で2時間反応を行った。酸価は3以下であった。
次いで、反応混合物を実施例2と同様のセパラブルフラスコに移し、無水フタル酸148g及びチタンテトライソプロポオキサイド0.8gを加えて、600mmHg〜650mmHgの減圧下に165〜170℃で2時間反応を行った。溜出液量は140gであった。得られたオリゴ(メタ)アクリレート(C)は淡黄褐色で、粘度約6〜7ポイズ、酸価48であった。
(2)オリゴ(メタ)アクリレート(C)の評価
実施例2のオリゴ(メタ)アクリレート(B)の評価と同様に硬化剤を加えた系は、27分でゲル化後緩やかに発熱を続けた。100℃で2時間硬化させた成形品のバーコル硬さは42〜43、曲げ強さは12kg/cm2〜14kg/cm2、曲げ弾性係数は410kg/mm2〜420kg/mm2であった。
実施例4 オリゴ(メタ)アクリレート(D)の製造及びその評価
(1)オリゴ(メタ)アクリレート(D)の製造
実施例2で用いたオートクレーブに、アクリル酸144g、プロピレンオキシド166g、無水フタル酸89g、ジメチルベンジルアミン1.2g、フェノチアジン0.44g、トリフェニルアンチモン0.4g及び三酸化アンチモン0.4gを仕込み、最高温度131℃、最高圧力5kg/cm2で2時間反応を行った。酸価は0であった。やや赤味を帯びた反応混合物が得られた。
次いで、上記反応混合物を実施例1と同様の装置を備えた1リットルのセパラブルフラスコに移し、179〜183℃で空気気流中で80分間反応を行った。得られたオリゴ(メタ)アクリレート(D)は淡赤褐色で、粘度約4〜5ポイズであった。
(2)オリゴ(メタ)アクリレート(D)の評価
オリゴ(メタ)アクリレート(D)100質量部に、光反応開始剤としてベンジルジメチルケタール3重量部を溶解させ、光硬化性樹脂とした。
洗浄したガラス板上に、0.1mm厚になるようにコーティングした後、出力1kwの紫外線ランプ下15cmで1分照射した。硬化塗膜の硬度は3H〜4Hであった。
産業上の利用可能性
本発明によれば、従来、多数の工程によってしか得ることのできなかったオリゴ(メタ)アクリレート及び該アクリレート含有樹脂組成物を簡便な方法で製造することができる。また、本発明によれば、従来の技術常識では考えられなかったような高温下で短時間にオリゴ(メタ)アクリレートを製造することができる。また、本発明によれば、簡便な方法によって安価にオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物を製造することができることから、従来その高価格故に特殊用途にしか用いることができなかったオリゴ(メタ)アクリレート及び該アクリレート含有樹脂組成物を広範囲な用途に用いることが可能となる。特にスチレンに代表される反応性希釈モノマーを含まないか、或いは作業環境に影響を与えないほどに使用量を低減した樹脂の製造が可能である。
Claims (15)
- (A)(メタ)アクリル酸とアルキレンモノエポキシドと多塩基酸無水物とを含む組成物を、(B)有機及び/又は無機のアンチモン化合物の存在下に温度140℃以上210℃以下で反応させることを含むオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法。
- (A)(メタ)アクリル酸とアルキレンモノエポキシドとを反応させて得られる不飽和モノアルコールを含む組成物にさらに多塩基酸無水物を加えた組成物を、(B)有機及び/又は無機のアンチモン化合物の存在下に温度140℃以上210℃以下で反応させることを含むオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法。
- (A)(メタ)アクリル酸、アルキレンモノエポキシド及び多塩基酸無水物を反応させて得られる、不飽和基とヒドロキシル基とを含む不飽和オリゴマー含有組成物を、(B)有機及び/又は無機のアンチモン化合物の存在下に温度140℃以上210℃以下で反応させることを含むオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法。
- 反応を酸素の存在下で行う、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 以下の第一工程〜第三工程を含むオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法。
第一工程
(メタ)アクリル酸、アルキレンモノエポキシド及び多塩基酸無水物を含む原料組成物を得る工程
第二工程
第一工程で得られた原料組成物を、密閉系で、触媒の存在下に加熱して反応させ、反応混合物(1)を得る工程
第三工程
第二工程で得られた反応混合物(1)を、有機及び/又は無機のアンチモン化合物の存在下に140〜210℃の温度で反応させてオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物を得る工程 - 第三工程を酸素の存在下で行う、請求項5に記載の方法。
- 以下の第一工程〜第四工程を含むオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法。
第一工程
(メタ)アクリル酸及びアルキレンモノエポキシドを含む原料組成物を得る工程
第二工程
第一工程で得られた原料組成物を、密閉系で、触媒の存在下に加熱して反応させ、反応混合物(2)を得る工程
第三工程
第二工程で得られた反応混合物(2)に多塩基酸無水物を加え、反応混合物(3)を得る工程
第四工程
第三工程で得られた反応混合物(3)を、有機及び/又は無機のアンチモン化合物の存在下に140〜210℃の温度で反応させてオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物を得る工程 - 第四工程を酸素の存在下で行う、請求項7に記載の方法。
- アルキレンモノエポキシドが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、シクロヘキサンオキシド、スチレンオキシド及びグリシジル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
- 多塩基酸無水物が、飽和の多塩基酸無水物及び/又は不飽和の多塩基酸無水物である、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
- 飽和の多塩基酸無水物が、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ヘット酸及びテトラブロム無水フタル酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項10に記載の方法。
- 不飽和の多塩基酸無水物が、無水マレイン酸である、請求項10に記載の方法。
- 有機及び/又は無機のアンチモン化合物が、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、酒石酸アンチモンカリ(吐酒石)及び酢酸アンチモンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
- 請求項1〜13のいずれかに記載したオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法に用いる有機及び/又は無機のアンチモン化合物を含むオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物製造用触媒。
- 請求項1〜13のいずれかに記載したオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物の製造方法により製造されたオリゴ(メタ)アクリレート含有樹脂組成物。
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