JPWO2002101389A1 - ヒアルロン酸の測定方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、ヒアルロン酸を従来法より高精度に且つ簡便に測定する方法を提供するものであり、(1)標識物質により修飾されたヒアルロン酸結合性蛋白質を含有する試薬と、ヒアルロン酸を含む検体とを接触させて、ヒアルロン酸と該標識されたヒアルロン酸結合性蛋白質との複合体を形成させ、次いで該複合体と遊離の標識されたヒアルロン酸結合性蛋白質とを分離し、該複合体中の標識物質又は遊離の標識ヒアルロン酸結合性蛋白質中の標識物質を測定することにより行うことを特徴とするヒアルロン酸の測定方法、及び(2)標識物質とヒアルロン酸結合性蛋白質とを、ヒアルロン酸結合性蛋白質に対する抗体を介して結合させた、標識ヒアルロン酸結合性蛋白質を含有してなるヒアルロン酸測定用試薬に関するものである。
Description
技術分野
本発明は簡便且つ高精度なヒアルロン酸の測定方法及びその試薬に関する発明である。
技術背景
ヒアルロン酸は、主として動物の関節液や眼球ガラス体液、臍帯、真皮表層などの結合組織等に含まれるものである。その血中濃度は、リウマチ、癌、肝臓疾患時に上昇することが知られており、これら疾患に対する診断に有用なものとされている。
現在、このヒアルロン酸の測定としては、ヒアルロン酸結合性蛋白質を固相に固定したサンドイッチ法による方法が一般的なものとされている(特公平6−41952号、特許第2732718号)。しかし、これらの測定方法には、(1)試薬の成分であるヒアルロン酸結合性蛋白質を固相(不溶性担体)に固着させる際に、それを再現よく一定量固着させることが困難である、(2)測定により得られた検量線は多点検量で、且つ曲線となるため、測定精度が悪くなる、(3)試薬の構成が複数となるため簡便性に欠ける、(4)自動測定装置への適用が難しい等の問題があり、更なる改良が試みられている。
例えば、特開平11−14628号では、ヒアルロン酸結合性蛋白質を担体粒子に担持させた後に該蛋白質担持担体とヒアルロン酸とを反応させ、反応混合物の吸光度変化によりヒアルロン酸を測定している。しかしながら、この方法に於いてもヒアルロン酸結合性蛋白質を担体粒子に再現性良く一定量担持させることが困難である等の問題が残っている。
また、特開2000−97940号では固相にヒアルロン酸を固着させる際に蛋白質と共有結合したヒアルロン酸を用い感度を向上させているが、この方法は競合法であるため、従来のサンドイッチ法と比較して感度が劇的に向上したとはいえない。
上記のように、ヒアルロン酸の測定は種々の改良がなされているが、上記問題点は未だ解決されておらず、現在それらを克服した簡便且つ高精度な測定方法の開発が望まれていた。
本発明は、ヒアルロン酸をより高精度に且つ簡便に測定する方法を提供することを目的とする。
発明の開示
本発明は上記課題を解決する目的でなされたものであり、
「標識物質により修飾されたヒアルロン酸結合性蛋白質を含有する試薬と、ヒアルロン酸を含む検体とを接触させて、ヒアルロン酸と該標識されたヒアルロン酸結合性蛋白質との複合体を形成させ、次いで該複合体と遊離の標識されたヒアルロン酸結合性蛋白質とを分離し、該複合体中の標識物質又は遊離の標識ヒアルロン酸結合性蛋白質中の標識物質を測定することにより行うことを特徴とするヒアルロン酸の測定方法」、「標識物質とヒアルロン酸結合性蛋白質とを、ヒアルロン酸結合性蛋白質に対する抗体を介して結合させた、標識ヒアルロン酸結合性蛋白質を含有してなるヒアルロン酸測定用試薬」、並びに「標識物質とヒアルロン酸結合性蛋白質とをヒアルロン酸結合性蛋白質に対する抗体を介して結合させた、標識ヒアルロン酸結合性蛋白質を含有する試薬と標準物質とからなる、ヒアルロン酸測定用キット」に関する。
即ち、本発明者らは、ヒアルロン酸をより正確に且つ簡便に測定する方法を求めて鋭意研究を重ねた結果、標識されたヒアルロン酸結合性蛋白質(以下、標識HA結合性蛋白と略記する)を固相に固定化せずに遊離の状態で含んでなる溶液状の試薬に、ヒアルロン酸を含む検体を反応させ、ヒアルロン酸と標識HA結合性蛋白の複合体を形成させ、次いで、該複合体を、ヒアルロン酸結合性蛋白質を固定化した固相(不溶性担体)を用いたB/F分離法以外の分離分析方法により、言い換えればこのような固相を用いることなく遊離の標識HA結合性蛋白と該複合体とを分離し、該複合体の標識物質量を又は遊離の標識HA結合性蛋白中の標識物質を測定することにより、検体中に含まれるヒアルロン酸を再現性よく高精度に且つ簡便に測定できることを見出し、本発明を完成するに至った。
発明を実施するための最良の形態
本発明に係るヒアルロン酸結合性蛋白質(以下、HA結合性蛋白と略記する)としては、プロテオグリカン、リンクプロテイン、ヒアルロネクチン等からなる群より選ばれる蛋白質中のヒアルロン酸結合部を含むものであれば特に限定されず、上記蛋白質それ自体であっても、上記蛋白質中のヒアルロン酸結合部を含む部分蛋白質又はその部分蛋白質を含む物質であっても、上記蛋白質中のヒアルロン酸結合部の遺伝子を切り出しそれを他の蛋白質に組み込んだ遺伝子組み換え蛋白質等であってもよい。
HA結合性蛋白を標識する方法としては、一般にこの分野で使用される方法を用いて行えばよいが、中でもHA結合性蛋白と標識物質とを経結合性蛋白と親和性を有するもの(以下、HA結合性蛋白親和性物質と略記する)を介して結合させる方法が好ましい。
本発明に係るHA結合性蛋白親和性物質としては、HA結合性蛋白と親和性を有するものであればよく、例えばHA結合性蛋白に対する抗体等が挙げられ、中でもモノクローナル抗体が好ましい。HA結合性蛋白親和性物質として抗体を用いる場合には、ペプシン、パパイン等の酵素を用いて適宜消化し、Fab、Fab’、(Fab’)2等として用いることが好ましく、中でもHA結合性蛋白と1:1で結合する、Fab、Fab’等として用いることが好ましい。HA結合性蛋白親和性物質としてポリクローナル抗体を用いる場合、該抗体は、常法、例えば「免疫学実験入門、第2刷、松橋直ら、(株)学会出版センター、1981」等に記載の方法に準じて馬、牛、羊、兎、山羊、ラット、マウス等の動物にHA結合性蛋白を免疫して調製され、また、HA結合性蛋白親和性物質としてモノクローナル抗体を用いる場合、該抗体は、常法、即ちケラーとミルスタイン(G.Kohler and C.milstein;nature,256,495,1975)により確立された細胞融合法に従いマウスの腫瘍ラインからの細胞と、HA結合性蛋白で予め免疫されたマウスの脾細胞とを融合させて得られるハイブリドーマにより産生される。
本発明に係る標識物質としては、例えばアルカリホスファターゼ(ALP),β−ガラクトシダーゼ(β−Gal),パーオキシダーゼ(POD),マイクロパーオキシダーゼ,グルコースオキシダーゼ(GOD),グルコース−6−リン酸脱水素酵素(G6PDH),リンゴ酸脱水素酵素,ルシフェラーゼ等の酵素類、例えばクーマシーブリリアントブルーR250,メチルオレンジ等の色素、例えば99mTc,131I,125I,14C,3H,32P,35S等の放射性同位元素、例えばフルオレセイン,ローダミン,ダンシル,フルオレスカミン,クマリン,ナフチルアミン或はこれらの誘導体,希土類蛍光色素体〔例えばサマリウム(Sm)、ユーロピューム(Eu)、テルビウム(Tb)又はディスプロシウム(Dy)等の希土類金属と4,4’−ビス(1”,1”,1”,2”,2”,3”,3”,ヘプタフルオロ−4”,6”−ヘキサンジオン−6”−イル)クロロスルフォ−o−テルフェニル(BHHCT)、4,7−ビス(クロロスルフォニル)−1,10−フェナンスロリン−2,9−ジカルボキシリックアシッド(BCPDA)、β−ナフチルトリフルオロアセチックアシッド(β−NTA)等のキレート化合物との組み合わせからなるもの等〕,核酸結合性蛍光色素等の蛍光性物質、例えばルシフェリン,イソルミノール,ルミノール,ビス(2,4,6−トリフロロフェニル)オキザレート等の発光性物質、例えばフェノール,ナフトール,アントラセン或はこれらの誘導体等の紫外部に吸収を有する物質、例えば4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル,3−アミノ−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル,2,6−ジ−t−ブチル−α−(3,5−ジ−t−ブチル−4−オキソ−2,5−シクロヘキサジエン−1−イリデン)−p−トリルオキシル等のオキシル基を有する化合物に代表されるスピンラベル化剤としての性質を有する物質等(以上を主標識物質と略記する場合がある)が挙げられる。
上記した核酸結合性蛍光色素とは、核酸鎖に結合することによって強い蛍光を発するものであり、核酸結合性蛍光色素としては、例えば核酸鎖の塩基と塩基の中に入りこむもの、いわゆるインターカレーター色素〔例えばアクリジンオレンジ等のアクリジン色素、例えば臭化エチジウム,エチジウムホモダイマー1(EthD−1),エチジウムホモダイマー2(EthD−2),臭化エチジウムモノアジド(EMA),ジヒドロエチジウム等のエチジウム化合物、例えばヨウ素化プロピジウム,ヨウ素化ヘキシジウム等のヨウ素化合物、例えば7−アミノアクチノマイシンD(7−AAD)、例えばPOPO−1,BOBO−1,YOYO−1,TOTO−1,JOJO−1,POPO−3,LOLO−1,BOBO−3,YOYO−3,TOTO−3等のシアニンダイマー系色素(何れもモレキュラープローブ社商品名)、例えばPO−PRO−1,BO−PRO−1,YO−PRO−1,TO−PRO−1,JO−PRO−1,PO−PRO−3,LO−PRO−1,BO−PRO−3,YO−PRO−3,TO−PRO−3,TO−PRO−5等のシアニンモノマー系色素(何れもモレキュラープローブ社商品名)、例えばSYBR Gold,SYBR Green I and SYBR Green II,SYTOX Green,SYTOX Blue,SYTOX Orange等のSYTOX系色素(何れもモレキュラープローブ社商品名)等〕、DNA二重らせんのマイナーグルーブに結合するもの〔例えば4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI:モレキュラープローブ社商品名),ペンタハイドレート(ビス−ベンズイミド)(Hoechst 33258:モレキュラープローブ社商品名),トリヒドロクロライド(Hoechst 33342:モレキュラープローブ社商品名),ビスベンズイミド色素(Hoechst 34580:モレキュラープローブ社商品名)等〕、アデニン−チミン(A−T)配列に特異的に結合するもの〔例えば9−アミノ−6−クロロ−2−メトキシアクリジン(ACMA),ビス−(6−クロロ−2−メトキシ−9−アクリジニル)スペルミン(アクリジンホモダイマー)等のアクリジン色素、例えばヒドロキシスチルバミジン等〕等が挙げられる。
上記した本発明に係る標識物質の中でも、好ましくは例えばアルカリホスファターゼ(ALP),β−ガラクトシダーゼ(β−Gal),パーオキシダーゼ(POD),マイクロパーオキシダーゼ,グルコースオキシダーゼ(GOD),グルコース−6−リン酸脱水素酵素(G6PDH),リンゴ酸脱水素酵素,ルシフェラーゼ等の酵素類等であり、より好ましくは、パーオキシダーゼ(POD)等である。
また、これら主標識物質とHA結合性蛋白親和性物質に結合し得る物質とを結合したもの(以下、このようなものを準標識物質と略記する場合がある)も本発明に係る標識物質に含まれ、例えば上記主標識物質を結合した核酸鎖や、主標識物質を結合した、アビジン(又はストレプトアビジン)又はビオチン等も本発明に係る標識物質に含まれる。このような準標識物質の調製方法としては、公知の例えば架橋剤を用いて化学的に結合する方法(例えばAnal.Bio Chem.223 142−148(1994)に記載の方法)等に準じて行えばよい。
上記準標準物質で用いられる核酸鎖としては、プリン塩基又はピリミジン塩基、糖部分であるペントース、及びリン酸からなるヌクレオチド残基を基本単位とし、このリン酸が各ヌクレオチド間が糖の3’と5’位炭素の間でジエステル結合によって結ばれ重合した鎖状のポリヌクレオチドであり、例えば糖部分がリボースであるRNA又は/及び糖部分がデオキシリボースであるDNAが挙げられる。また、当該核酸鎖は、1本鎖でも、2本鎖乃至これ以上の複数の核酸鎖からなるものであってもよい。また、本発明で用いられる核酸鎖は、例えば化学合成法、微生物,昆虫,動物,植物等由来の細胞等から抽出・精製する方法、適当なプラスミド,ファージ,コスミド等のベクター遺伝子が導入された上記した如き細胞等を培養した後、細胞培養等により増殖したベクターを抽出・精製する方法、PCR等の遺伝子増幅技術を利用する方法(モレキュラークローニング ア ラボラトリー マニュアル セカンド エディション、J.サムブルック,E.F.フリッシュ,T.マニアティス、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー プレス等)等の自体公知の方法により調製することができる。また、このようにして得られた核酸鎖は、化学的分解や制限酵素等の核酸鎖切断酵素等により分解した後、適宜精製することによって所望の長さに調製してもよい。更に、このような核酸鎖は、適当なもので適宜修飾等されていてもよく、修飾方法は自体公知の方法に従って行えばよい。
これら使用される核酸鎖の長さとしては、通常1bp〜1000kbp、好ましくは5bp〜100kbp、より好ましくは10bp〜50kbpである。
本発明に於いて、核酸鎖と主標識物質を結合する方法としては、上記した如き準標識物質を調製する方法と同様のものが挙げられるが、核酸鎖と核酸結合性蛍光色素を結合する場合には、下記の如く行えばよい。
即ち、常法(例えばハンドブック・オブ・フルオレッセント・プローブ・アンド・リサーチ・ケミカルズ7版第8章;モレキュラー・プローブInc.等に記載の方法)に従い、核酸鎖と核酸結合性蛍光色素とを、例えば水或いはトリス緩衝液,リン酸緩衝液,ベロナール緩衝液,ホウ酸緩衝液,グッド緩衝液,SSC緩衝液,TBE緩衝液,TAE緩衝液等のハイブリダイゼーション法,免疫法等の通常この分野で用いられる緩衝液等の溶液中で、適当な温度で適当時間接触させればよい。
上記方法に於いて、核酸鎖と核酸結合性蛍光色素とを接触させるには、核酸鎖と核酸結合性蛍光色素とを、直接上記した如き水或いは緩衝液等に添加して、溶解、分散若しくは懸濁させて互いに混合接触させてもよいし、夫々を一旦、上記した如き水或いは緩衝液等に添加して溶解、分散若しくは懸濁させて液状物とし、これらを互いに混合接触させてもよい。
尚、本発明に於いて、核酸鎖と核酸結合性蛍光色素とを結合したものを準標識物質として用いる場合、これらを結合させる時期は、HA結合性蛋白,HA結合性蛋白親和性物質,核酸鎖及び核酸結合性蛍光色素の複合体(以下、複合体をHA結合性蛋白−HA結合性蛋白親和性物質−核酸鎖−核酸結合性蛍光色素複合体の様に表す場合がある)や、HA結合性蛋白−核酸鎖−核酸結合性蛍光色素複合体を形成させる前でも同時でも後でもよく、特に限定されない。
準標識物質として、主標識物質を結合した、アビジン(ストレプトアビジン)又はビオチンを用いる場合は、それと、ビオチン又はアビジン(ストレプトアビジン)を結合させたHA結合性蛋白親和性物質とを反応させ更にHA結合性蛋白と反応させるか、或いは、それと、ビオチン又はアビジン(ストレプトアビジン)を結合させたHA結合性蛋白とを反応させることによって、目的の標識HA結合性蛋白を得ることができる。
本発明に係る標識物質により修飾されたHA結合性蛋白(標識HA結合性蛋白)としては、通常、上記した如きHA結合性蛋白、HA結合性蛋白親和性物質、標識物質の3種の物質を反応させ結合することにより得られるが、標識物質とHA結合性蛋白親和性物質とを結合させたものを更にHA結合性蛋白に結合させることが好ましい。この際、HA結合性蛋白と標識物質とのモル比が1:1になることが好ましく、モル比が1:1になることにより、ヒアルロン酸に結合する標識物質のモル量が一定となり、ヒアルロン酸をより再現性良く且つ高精度に測定することが可能となる。
また、HA結合性蛋白と標識物質との2種類をHA結合性蛋白親和性物質を介さずに反応させて結合させたものも本発明に係る標識HA結合性蛋白に含まれる。この際に用いられる標識物質としては、主標識物質であっても、準標識物質であってもよいが、これを用いて標識HA結合性蛋白を調製する場合、最終的にHA結合性蛋白と標識物質とが1:1のモル比になることが好ましい。
本発明に係る標識HA結合性蛋白の具体的な調製方法を、(1)HA結合性蛋白親和性物質を介して標識物質とHA結合性蛋白とを結合させる方法(2)標識物質とHA結合性蛋白とを直接結合させる方法、(3)標識物質として主標識物質を結合した核酸鎖を用いる場合の標識物質とHA結合性蛋白とを結合させる方法について、以下に示す。
(1)HA結合性蛋白親和性物質を介して標識物質とHA結合性蛋白とを結合させる方法
上記した如き標識物質をHA結合性蛋白親和性物質に修飾する方法としては、標識物質及びHA結合性蛋白親和性物質夫々が有する官能基を、直接又はリンカー等を介して結合させればよく、その結合方法としては自体公知のEIA、RIA或はFIA等に於いて一般に行われている自体公知の標識方法(例えば、医化学実験講座、第8巻、山村雄一監修、第1版、中山書店、1971;図説蛍光抗体、川生明著、第1版、(株)ソフトサイエンス社、1983;酵素免疫測定法、石川栄治、河合忠、宮井潔編、第3版、医学書院、1987;モレキュラー クローニング ア ラボラトリー マニュアル セカンド エディション、J.サムブルック,E.F.フリッシュ,T.マニアティス、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー プレス等に記載の方法)が何れも例外なく挙げられ、これらに準じて行えばよい。上記方法の中でも、HA結合性蛋白親和性物質と標識物質とを1:1のモル比で結合させることのできる方法、例えばHA結合性蛋白親和性物質として抗HA結合性蛋白モノクローナル抗体のFab’を用い、そのSH基に一つの標識物質が結合するように例えば市販のサクシニミジル4−(パラマレイミドフェニル)ブチレート(Succinimidyl 4−[p−maleimidophenyl]butyrate;SMPB、PIERCE社製)等を架橋剤として用いて調製する方法が好ましい。なぜなら、このようにして得られた標識HA結合性蛋白親和性物質と、HA結合性蛋白とを結合させることにより、標識物質とHA結合性蛋白とが1:1のモル比で結合した標識HA結合性蛋白が容易に得られるからである。その標識HA結合性蛋白親和性物質と、HA結合性蛋白とを結合させる方法としては、例えばHA結合性蛋白親和性物質として抗HA結合性蛋白モノクローナル抗体を用いた場合は、標識HA結合性蛋白親和性物質とHA結合性蛋白とを自体公知のEIA、RIA或はFIA等に於いて一般に行われている自体公知の抗原抗体反応を行わせる反応条件に準じて反応させればよい。
(2)標識物質とHA結合性蛋白とを直接結合させる方法
上記した如き標識物質をHA結合性蛋白に直接結合させる方法としては、標識物質及びHA結合性蛋白夫々が有する官能基を、直接又はリンカー等を介して結合させればよい。このような結合方法としては、通常この分野で用いられる常法、例えば自体公知のEIA、RIA、FIA或いはハイブリダイゼーション法等に於いて一般的に行われている自体公知の標識方法(例えば、医化学実験講座、第8巻、山村雄一監修、第1版、中山書店、1971;図説蛍光抗体、川生明著、第1版、(株)ソフトサイエンス社、1983;酵素免疫測定法、石川栄治、河合忠、宮井潔編、第3版、医学書院、1987;モレキュラー クローニング ア ラボラトリー マニュアル セカンド エディション、J.サムブルック,E.F.フリッシュ,T.マニアティス、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー プレス等に記載の方法)や、アビジン(又はストレプトアビジン)とビオチンの反応を利用した常法等何れの方法により行ってもよい。上記方法の中でも、例えば、HA結合性蛋白のアミノ基などとそれに結合し得る標識物質の官能基等を結合させる方法が好ましく、その中でも標識物質とHA結合性蛋白とが1:1のモル比で結合させる方法が好ましい。
(3)標識物質として主標識物質を結合した核酸鎖を用いる場合の標識物質とHA結合性蛋白とを結合させる方法
標識物質として主標識物質を結合した核酸鎖を用いる場合、(1)のHA結合性蛋白親和性物質を介して標識物質とHA結合性蛋白とを結合させる方法を用いても、(2)標識物質とHA結合性蛋白とを直接結合させる方法を用いてもよく、その調製法は上記した如き方法に準じて行えばよい。
尚、核酸鎖を用いる場合の結合方法に於いては、核酸鎖に予め反応性官能基を導入した後、上記結合方法によりHA結合性蛋白或いはHA結合性蛋白親和性物質と反応性官能基導入核酸鎖とを結合させてもよく、その核酸鎖への反応性官能基の導入方法としては、自体公知の方法、例えば核酸末端に存在する5’トリリン酸基に反応性官能基を有する化合物(例えばN−トリフルオロアセチルアミノ−アルキルアミン等のアミノ基を有する化合物、シスタミン等のチオール基を有する化合物、N−ビトチニルアミノ−アルキルアミン等のビオチンを有する化合物、マレイミドアルキルアミン等のマレイミド基を有する化合物等)を例えば1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)、ハイドロクロライド(WSC)等の縮合試薬を用いてホスホアミダイト結合させることにより反応性の官能基を導入する方法(Nucleic Acid Res.(1988)16,3671,Chu,B.C.,et.al.)、例えば核酸末端に存在する3’水酸基に反応性官能基を有する化合物(例えばN−トリフルオロアセチルアミノ−アルキルカルボン酸等のアミノ基を有する化合物、N−ビトチニルアミノ−アルキルカルボン酸等のビオチンを有する化合物、マレイミドアルキルカルボン酸等のマレイミド基を有する化合物等)を例えば1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)、ハイドロクロライド(WSC)等の縮合試薬を用いてエステル結合させることにより反応性の官能基を導入するか、又はその活性エステル体を直接反応させる方法(Nucleic Acid Res.(1986)14,6115,Jabloski,et.al.,)、アミノ基を有する塩基(アデニン、シトシン)が一本鎖として突出する末端を有する制限酵素切断断片にアミノ基反応性のリンカーを反応させて当該一本鎖突出末端に当該リンカーを導入する方法(ケミストリー・オブ・プロテイン・アンド・クロスリンキング Shan S.Wong,(1991)Published by CRC Press)、一本鎖突出末端を形成する制限酵素切断断片に平滑化酵素(T4DNAポリメラーゼ、DNA Blunting酵素等)を用いて反応性官能基を導入したヌクレオチドモノマーを取りこませる方法(モレキュラークローニング ア ラボラトリー マニュアル セカンド エディション、J.サムブルック,E.F.フリッシュ,T.マニアティス、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー プレス等)、一本鎖突出末端を形成する制限酵素切断断片の一本鎖部分の配列に相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドの5’末端に反応性官能基を導入した後、制限酵素切断断片一本鎖突出部分にハイブリッド形成させる方法(モレキュラー クローニング ア ラボラトリー マニュアル セカンド エディション、J.サムブルック,E.F.フリッシュ,T.マニアティス、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー プレス等)、5’末端に反応性官能基を導入したPCR プライマーを用いてPCR法を行い、PCR産物として5’末端に反応性官能基が導入された核酸鎖を得る方法(モレキュラー クローニング ア ラボラトリー マニュアル セカンド エディション、J.サムブルック,E.F.フリッシュ,T.マニアティス、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー プレス等)等により核酸末端へ反応性官能基を導入することができる。また、用いられる核酸鎖が1本鎖である場合には、1本鎖核酸に、5’末端に反応性官能基を導入した、当該核酸鎖の5’末端部分に相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドをハイブリッド形成させる方法(モレキュラークローニング ア ラボラトリー マニュアル セカンド エディション、J.サムブルック,E.F.フリッシュ,T.マニアティス、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー プレス等)等によっても、反応性官能基が導入された核酸鎖を得ることができる。尚、上記した如き場合に於ける反応性官能基としては、例えばヒドロキシ基、ハロゲン化アルキル基、イソチオシアネート基、アビジン基、ビオチニル基、カルボキシル基、ケトン基、マレイミド基、活性エステル基、スルホン酸ハライド基、カルボン酸ハライド基、アミノ基、硫酸基、アルデヒド基等である。
また、上記した如き結合方法に於いて、使用する核酸鎖の両末端にHA結合性蛋白或いはHA結合性蛋白親和性物質が結合し得る官能基が存在する場合には、当該核酸鎖を、予め酵素的又は化学的に切断して片端のみに反応性官能基が導入された核酸鎖とした後に、HA結合性蛋白或いはHA結合性蛋白親和性物質と結合させる方法か、或いは当該核酸鎖とHA結合性蛋白或いはHA結合性蛋白親和性物質とを結合させて当該核酸鎖の両末端にHA結合性蛋白或いはHA結合性蛋白親和性物質が結合したものを一旦作製した後、当該核酸鎖を酵素的又は化学的に切断することにより、核酸鎖の片端に、HA結合性蛋白或いはHA結合性蛋白親和性物質を結合させる方法を用いることが好ましい。
本発明に係るヒアルロン酸−標識HA結合性蛋白複合体と遊離の標識HA結合性蛋白とを分離する方法(以下本発明に係る分離方法と略記する)としては、自体公知の分離分析法で且つHA結合性蛋白を固定化した固相(不溶性担体層)を用いたB/F分離法(サンドイッチ法)でないもの、言い換えればこのような固相を用いない方法であれば全て含まれ、例えばクロマトグラフィー法、高速液体クロマトグラフィー法、電気泳動法、キャピラリー電気泳動法、例えばLiBASys(島津製作所(株)製)等の自動免疫分析装置を用いた方法等が挙げられ、好ましくは高速液体クロマトグラフィー法、キャピラリー電気泳動法、自動免疫分析装置を用いた方法であり、より好ましくは自動免疫分析装置を用いた方法である。その具体的な条件については、ヒアルロン酸−標識HA結合性蛋白複合体と遊離の標識HA結合性蛋白とを分離できるように設定すればよく、例えばHPLCを用いて分離する場合、Anal.Chem.65,5,613−616(1993)や特開平9−301995号に記載の方法に準じて行えばよく、キャピラリー電気泳動法を用いる場合には、J.Chromatogr.593 253−258(1992)、Anal.Chem.64 1926−1932(1992)等に記載の方法に準じて行えばよい。また、自動免疫分析装置として例えばLiBASysを用いる場合、生物試料分析22巻4号303−308(1999)に記載されている方法に準じて行えばよい。
本発明に係るヒアルロン酸の測定方法としては、例えば、遊離の標識HA結合性蛋白を含有する試薬と、ヒアルロン酸を含む検体とを夫々が溶液中で遊離している状態で接触させて、ヒアルロン酸−標識HA結合性蛋白複合体を形成させ、次いで該複合体と遊離の標識HA結合性蛋白とを上記の分離方法により分離し、該複合体中の標識物質若しくは遊離の標識HA結合性蛋白中の標識物質を測定することにより行えばよい。また、例えば標識HA結合性蛋白親和性物質とHA結合性蛋白を含有する試薬と、ヒアルロン酸を含む検体とを夫々が溶液中で遊離している状態で接触させて、ヒアルロン酸―HA結合性蛋白―標識HA結合性蛋白複合体を形成させ、次いで上記と同様に分離を行った後、該複合体中の標識物質若しくは遊離の標識HA結合性蛋白を分離し、その標識物質を測定することにより行ってもよい。
尚、この場合に用いられる標識HA結合性蛋白としては、標識物質とHA結合性蛋白とが1:1のモル比で結合しているものが望ましく、このようなものを用いることにより、ヒアルロン酸をより再現性よく且つ高精度に測定することが可能となると同時に、用いる標識HA結合性蛋白の製造ロット間の測定感度の変動も最小限にすることが可能となる。
本発明によるヒアルロン酸の測定は、具体的には以下のようにして行えばよい。
即ち、例えばヒアルロン酸を含む検体に、標識HA結合性蛋白を含有する試薬を添加し、通常5〜40℃、好ましくは5〜15℃で、通常3〜60分、好ましくは3〜20分放置した後、上記した如き例えば自動免疫分析装置等によりヒアルロン酸−標識HA結合性蛋白複合体と遊離の標識HA結合性蛋白とを分離し、該複合体の標識物質若しくは遊離の標識HA結合性蛋白中の標識物質をそれに適した方法で測定すればよい。その測定方法としては、例えば、標識物質が酵素の場合にはEIAやハイブリダイゼーション法等の常法、例えば「酵素免疫測定法、蛋白質 核酸 酵素 別冊 No.31、北川常廣・南原利夫・辻章夫・石川榮治編集、51〜63頁、共立出版(株)、1987年9月10日発行」等に記載された方法に準じて測定を行えばよく、標識物質が放射性物質の場合にはRIAやハイブリダイゼーション法等の常法に従い、該放射性物質の出す放射線の種類及び強さに応じて液浸型GMカウンター,液体シンチレーションカウンター,井戸型シンチレーションカウンター等の測定機器を適宜選択して使用し、測定を行えばよい(例えば医化学実験講座、第8巻、山村雄一監修、第1版、中山書店、1971,生化学実験講座2 トレーサー実験法下、竹村彰祐,本庶佑、501〜525頁、(株)東京化学同人、1977年2月25日発行等参照。)。また、標識物質が蛍光性の場合には蛍光光度計や共焦点レーザー顕微鏡等の測定機器を用いるFIAやハイブリダイゼーション法等の常法、例えば「図説 蛍光抗体、川生明著、第1版、(株)ソフトサイエンス社、1983」、「生化学実験講座2 核酸の化学III、実吉峯郎、299〜318頁、(株)東京化学同人、1977年12月15日発行等に記載された方法に準じて測定を行えばよく、標識物質が発光性の場合にはフォトンカウンター等の測定機器を用いる常法、例えば「酵素免疫測定法、蛋白質 核酸 酵素 別冊 No.31、北川常廣・南原利夫・辻章夫・石川榮治編集、252〜263頁、共立出版(株)、1987年9月10日発行」等に記載された方法に準じて測定を行えばよい。更に、標識物質が紫外部に吸収を有する性質の場合には分光光度計等の測定機器を用いる常法によって測定を行えばよく、その性質が発色性の場合には分光光度計や顕微鏡等の測定機器を用いる常法によって測定を行えばよく、標識物質がスピンの性質を有する物質の場合には電子スピン共鳴装置を用いる常法、例えば「酵素免疫測定法、蛋白質 核酸 酵素 別冊 No.31、北川常廣・南原利夫・辻章夫・石川榮治編集、264〜271頁、共立出版(株)、1987年9月10日発行」等に記載された方法に準じて夫々測定を行えばよい。
本発明の測定方法に於ける反応時の標識HA結合性蛋白の使用濃度としては、ヒアルロン酸の検量限界をどの程度に設定するかによって変動はあるが、通常は反応液中において、設定された検量限界濃度に相当するヒアルロン酸全てと結合し得る濃度以上、好ましくはその5倍濃度以上、より好ましくは5倍濃度以上であり、例えばHA結合性蛋白−抗HA結合性蛋白モノクローナル抗体−PODを標識HA結合性蛋白として用いる場合、その濃度は、通常1×10−9M〜1×10−6M、好ましくは5×10−9M〜5×10−7Mである。また、標識HA結合性蛋白の代わりに、標識物質、HA結合性蛋白親和性物質及びHA結合性蛋白の組み合わせ、或いは標識物質及びHA結合性蛋白の組み合わせを用いる場合、その各種物質の濃度は、それらが反応して生成される標識HA結合物質の濃度が上記濃度になるように設定すればよい。また、反応時のpHとしては、複合体が形成されるのを妨げない範囲であれば特に限定はされず、通常5〜10、好ましくは6〜8の範囲が挙げられ、反応時の温度も複合体が形成されるのを妨げない範囲であれば特に限定されず、通常5〜40℃、好ましくは5〜15℃の範囲が挙げられる。また、その反応時間は、用いられる標識HA結合性物質並びにpH及び温度等の反応条件により異なるので、各々に応じて数秒間乃至数時間適宜反応させればよい。
本発明のヒアルロン酸測定に用いられる標識HA結合性蛋白を含有する溶液は、通常標識HA結合性蛋白を適当な緩衝液中に溶解させたものが用いられるが、この目的使用される緩衝剤としては、例えばトリス緩衝剤、リン酸緩衝剤、ベロナール緩衝剤、ホウ酸緩衝剤、グッド緩衝剤、(N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸緩衝剤(ACES緩衝剤)等通常免疫学的測定法において用いられている緩衝剤は全て挙げられ、その濃度としては通常5〜300mM、好ましくは10〜150mMであり、そのpHは、通常5〜10、好ましくは6〜8の範囲から適宜選択される。
本発明のヒアルロン酸測定用試薬における、標識HA結合性蛋白の濃度としては、使用する標識HA結合性蛋白の種類により異なるが、反応時の濃度が上記の如くなるものであればよく、通常1×10−9M〜1×10−6M、好ましくは5×10−9M〜5×10−7Mの範囲になるように適宜選択される。
本発明の測定用試薬としては、標識HA結合性蛋白を含むものであればよいが、例えば標識物質及びHA結合性蛋白からなるもの、標識物質、HA結合性蛋白親和性物質及びHA結合性蛋白からなるもの、標識HA結合性蛋白親和性物質及びHA結合性蛋白からなるもの等最終的に標識HA結合性蛋白を形成し得るものであってもよく、好ましくは標識物質とHA結合性蛋白とがHA結合性蛋白親和性物質を介して結合したものを含むもの、より好ましくは標識物質とHA結合性蛋白とが、抗HA結合性蛋白抗体を介して1:1のモル比で結合したものを含むものである。この抗体としては、上記した如く、モノクローナル抗体が好ましく、中でもそのFab、Fab’等が好ましい。
本発明のヒアルロン酸測定用試薬に用いられる緩衝剤としては、上記測定で用いられる緩衝剤と同じものが挙げられ、その濃度としては上記した如く本発明による測定で用いられる濃度に準じて設定すればよく、また、そのpHも同様に上記した測定で用いられるpHに準じて設定すればよい。
尚、本発明で用いられるヒアルロン酸測定用試薬には、通常この分野で用いられる界面活性剤が通常この分野で用いられる濃度範囲で共存していてもよい。このような界面活性剤共存下であっても、本発明の方法によれば、ヒアルロン酸を再現よく簡便に測定することができる。更に、本発明で用いられる測定用試薬中には、免疫反応促進剤(凝集反応促進剤)(例えばポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール等)が通常この分野で用いられる濃度範囲で共存していてもよく、これら反応促進剤共存下であっても本発明の方法によれば、測定用試薬中の蛋白成分が、何らかの要因により変性されて非特異的濁りとなることを、抑制或いは低減することができる。
本発明に係る測定用キットとしては、上記本発明に係る測定用試薬と標準物質とからなるものが挙げられ、該標準物質としては、通常この分野で用いられているもので、例えばヒアルロン酸カリウム(鶏冠由来:和光純薬工業(株)製)、ヒアルロン酸ナトリウム(ストレプトコッカス属由来:和光純薬工業(株)製)等が挙げられる。また、標識物質がそれのみで測定し得ないものであれば、上記測定用キットに更に、何らかの方法により測定し得るための基質を含む試薬等を加えてもよく、例えば、標識物質が酵素であれば、該酵素の活性測定用の基質を含む試薬を加えてもよく、そのような基質としては、通常この分野で用いられるものの中から使用する酵素に合わせて適宜選択すればよく、その使用濃度も通常この分野で使用される範囲から適宜選択されればよい(例えば「酵素免疫測定法、蛋白質 核酸 酵素 別冊 No.31、北川常廣・南原利夫・辻章夫・石川榮治編集、51〜63頁、共立出版(株)、1987年9月10日発行」等に記載の方法)。
本発明の測定用試薬及びキットは、上記した如き本発明の測定法を実施するために用いられるものであり、その構成要素の好ましい態様、具体例は上で述べた通りである。
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に述べるが、本発明はこれら実施例により何ら制約を受けるものではない。
実施例
実施例1
(1)標識物質により修飾されたHA結合性蛋白親和性物質の調製
HA結合性蛋白は、ウシ鼻中隔軟骨よりLaurentらの変法で精製されたもの(生化学工業(株)製)を用いた。
該HA結合性蛋白に対するモノクローナル抗体を常法により作製し、更に該抗HA結合性蛋白抗体を常法により処理してFab’を得、得られたFab’のSH基と西洋ワサビペルオキシダーゼ(POD)のアミノ基を、SMPB(PIERCE社製)を架橋剤として用いる常法により結合させ、Fab’−PODを作製した。
(2)HA測定試薬の調製
HA結合性蛋白を5×10−8M、Fab’−PODを2.5×10−7Mとなるように50mM ACES緩衝液(N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸緩衝液,pH:6.5)中で溶解させ、得られた溶液をヒアルロン酸測定試薬とした。
(3)検体の調製
血清を検体として用いた。
(4)標準ヒアルロン酸溶液の調製
ヒアルロン酸カリウム(和光純薬工業(株)製)を50mMリン酸緩衝液(pH7.0)に1000ng/mlとなるように溶解し、標準ヒアルロン酸溶液とした。また、該標準ヒアルロン酸溶液を夫々100、200、300、400、500、600、700、800、900ng/mlとなるように希釈したものを検量線用標準ヒアルロン酸溶液とした。
(5)LiBASys(自動免疫分析装置)を用いたヒアルロン酸の測定
LiBASys(自動免疫分析装置、島津製作所(株)製)を用いてヒアルロン酸の測定を行った。
サンプルカップに検体もしくは標準ヒアルロン酸溶液を150μl入れ、そのうちの10μlをプローブにて自動的に採取し、反応キュベットに移した。次に、HA測定試薬100μlをプローブにて自動的に採取し、検体もしくは標準ヒアルロン酸と8℃で15分間反応させた。反応終了後、反応溶液80μlをカラムプローブにて、自動的に陰イオン交換カラムに導入した。次に、0.3M NaCl含有50mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)15mlで遊離のHA結合性蛋白−抗HAFab’−PODを洗浄し、0.9M NaCl含有50mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)1mlで、陰イオン交換カラムに吸着した検体中のヒアルロン酸と試薬中のHA結合性蛋白Fab’−PODとの複合体を酵素反応用キュベットに溶出した。該溶出液1mlにPODの蛍光基質である320mM 4−アセトアミドフェノールと40mM過酸化水素を含有する基質溶液100μlをプローブで自動的に添加し、それにより生じた蛍光増加を経時的に測定した。この増加量(反応速度)に応じて、既知濃度の標準ヒアルロン酸で検量線を作成し(図1)、検体中のヒアルロン酸濃度を算出した。
図1の結果から明らかなように、本発明の方法によれば、安定した直線の検量線が1000ng/mlまで得られ、1点検量が可能となっており、液相で反応を行うことで、高精度にヒアルロン酸を測定できることが分かる。
比較例1
従来法の標識されたヒアルロン酸結合性タンパク質を用いたサンドイッチ法による、ヒアルロン酸プレート「中外」(中外診断科学(株)製)を用いて、検体中のヒアルロン酸量を測定した。
尚、検体及び標準ヒアルロン酸は、実施例1と同じものを用いた。
(1)ヒアルロン酸の測定
標準ヒアルロン酸溶液及び検体各50μlを試験管に分注し、キット付属の反応緩衝液500μlを加えて混和し、それぞれの希釈液とした。ブランク(ヒアルロン酸濃度0ng/ml)用としての反応緩衝液100μl、又は希釈液各100μlを、HA結合性蛋白の結合した反応プレートのウェルに分注し、軽く振とうさせた後、室温(20〜30℃)で1時間反応させた。反応後、各ウェル中の溶液をアスピレーターにより除去した後、キット付属の洗浄液300μlの添加及びアスピレーターによる溶液の除去操作を4回繰り返した。更に、各ウェルに酵素標識液(POD標識HA結合性蛋白)を100μl加え、軽く振とうし、室温(20〜30℃)で30分間反応させ、各ウェル中の溶液をアスピレーターにより除去した後、洗浄液300μlの添加及びアスピレーターによる溶液の除去操作を4回繰り返した。更にまた、発色液(3,3’,5,5’−テトラメチルベンチジンと過酸化水素水)100μlを加え、振とう後、室温(20〜30℃)暗所で30分反応させた後、反応停止液としてキット付属の100μlを加えて振とうし、反応を停止させ、その後30分以内にプレートリーダーで波長450nmにおける各吸光度を測定した。
標準ヒアルロン酸溶液を測定して得られた吸光度から検量線を作成し(図2)、該検量線を用いて、検体の吸光度から検体中のヒアルロン酸濃度を算出した。算出された検体中のヒアルロン酸濃度と、実施例1で得られた検体中のヒアルロン酸濃度との相関を図3に示した。
図3の結果から明らかなように、本発明の方法により得られた測定値は、従来の方法で得られたそれと良好な相関関係を示している。これらのことから、本発明を用いれば、ヒアルロン酸の1液試薬反応による測定を可能とし、自動分析機器(LiBASys)を用いれば簡便な測定方法として実施を可能とすることが分かる。
産業上の利用の可能性
以上述べたことから明らかな如く、本発明は、試料中のヒアルロン酸の簡便且つ高精度な測定法を提供するものであり、特に標識HA結合性蛋白としてHA結合性蛋白と標識物質とを1:1で反応させたものを用いれば、試薬のロット間差による測定値の変動を生じることなく、ヒアルロン酸を高精度に再現性よく、迅速且つ簡便に測定することを可能にしたものである。
【図面の簡単な説明】
図1は、実施例1で得られた、試薬の蛍光増加量(反応速度)と標準ヒアルロン酸濃度との検量線を表した図である。
図2は、比較例1で得られた、吸光度と標準ヒアルロン酸濃度との検量線を表した図である。
図3は、本発明の方法(実施例1)により算出された検体中のヒアルロン酸濃度と、従来のサンドイッチ法(比較例1)で得られた検体中のヒアルロン酸濃度との相関を表した図である。
本発明は簡便且つ高精度なヒアルロン酸の測定方法及びその試薬に関する発明である。
技術背景
ヒアルロン酸は、主として動物の関節液や眼球ガラス体液、臍帯、真皮表層などの結合組織等に含まれるものである。その血中濃度は、リウマチ、癌、肝臓疾患時に上昇することが知られており、これら疾患に対する診断に有用なものとされている。
現在、このヒアルロン酸の測定としては、ヒアルロン酸結合性蛋白質を固相に固定したサンドイッチ法による方法が一般的なものとされている(特公平6−41952号、特許第2732718号)。しかし、これらの測定方法には、(1)試薬の成分であるヒアルロン酸結合性蛋白質を固相(不溶性担体)に固着させる際に、それを再現よく一定量固着させることが困難である、(2)測定により得られた検量線は多点検量で、且つ曲線となるため、測定精度が悪くなる、(3)試薬の構成が複数となるため簡便性に欠ける、(4)自動測定装置への適用が難しい等の問題があり、更なる改良が試みられている。
例えば、特開平11−14628号では、ヒアルロン酸結合性蛋白質を担体粒子に担持させた後に該蛋白質担持担体とヒアルロン酸とを反応させ、反応混合物の吸光度変化によりヒアルロン酸を測定している。しかしながら、この方法に於いてもヒアルロン酸結合性蛋白質を担体粒子に再現性良く一定量担持させることが困難である等の問題が残っている。
また、特開2000−97940号では固相にヒアルロン酸を固着させる際に蛋白質と共有結合したヒアルロン酸を用い感度を向上させているが、この方法は競合法であるため、従来のサンドイッチ法と比較して感度が劇的に向上したとはいえない。
上記のように、ヒアルロン酸の測定は種々の改良がなされているが、上記問題点は未だ解決されておらず、現在それらを克服した簡便且つ高精度な測定方法の開発が望まれていた。
本発明は、ヒアルロン酸をより高精度に且つ簡便に測定する方法を提供することを目的とする。
発明の開示
本発明は上記課題を解決する目的でなされたものであり、
「標識物質により修飾されたヒアルロン酸結合性蛋白質を含有する試薬と、ヒアルロン酸を含む検体とを接触させて、ヒアルロン酸と該標識されたヒアルロン酸結合性蛋白質との複合体を形成させ、次いで該複合体と遊離の標識されたヒアルロン酸結合性蛋白質とを分離し、該複合体中の標識物質又は遊離の標識ヒアルロン酸結合性蛋白質中の標識物質を測定することにより行うことを特徴とするヒアルロン酸の測定方法」、「標識物質とヒアルロン酸結合性蛋白質とを、ヒアルロン酸結合性蛋白質に対する抗体を介して結合させた、標識ヒアルロン酸結合性蛋白質を含有してなるヒアルロン酸測定用試薬」、並びに「標識物質とヒアルロン酸結合性蛋白質とをヒアルロン酸結合性蛋白質に対する抗体を介して結合させた、標識ヒアルロン酸結合性蛋白質を含有する試薬と標準物質とからなる、ヒアルロン酸測定用キット」に関する。
即ち、本発明者らは、ヒアルロン酸をより正確に且つ簡便に測定する方法を求めて鋭意研究を重ねた結果、標識されたヒアルロン酸結合性蛋白質(以下、標識HA結合性蛋白と略記する)を固相に固定化せずに遊離の状態で含んでなる溶液状の試薬に、ヒアルロン酸を含む検体を反応させ、ヒアルロン酸と標識HA結合性蛋白の複合体を形成させ、次いで、該複合体を、ヒアルロン酸結合性蛋白質を固定化した固相(不溶性担体)を用いたB/F分離法以外の分離分析方法により、言い換えればこのような固相を用いることなく遊離の標識HA結合性蛋白と該複合体とを分離し、該複合体の標識物質量を又は遊離の標識HA結合性蛋白中の標識物質を測定することにより、検体中に含まれるヒアルロン酸を再現性よく高精度に且つ簡便に測定できることを見出し、本発明を完成するに至った。
発明を実施するための最良の形態
本発明に係るヒアルロン酸結合性蛋白質(以下、HA結合性蛋白と略記する)としては、プロテオグリカン、リンクプロテイン、ヒアルロネクチン等からなる群より選ばれる蛋白質中のヒアルロン酸結合部を含むものであれば特に限定されず、上記蛋白質それ自体であっても、上記蛋白質中のヒアルロン酸結合部を含む部分蛋白質又はその部分蛋白質を含む物質であっても、上記蛋白質中のヒアルロン酸結合部の遺伝子を切り出しそれを他の蛋白質に組み込んだ遺伝子組み換え蛋白質等であってもよい。
HA結合性蛋白を標識する方法としては、一般にこの分野で使用される方法を用いて行えばよいが、中でもHA結合性蛋白と標識物質とを経結合性蛋白と親和性を有するもの(以下、HA結合性蛋白親和性物質と略記する)を介して結合させる方法が好ましい。
本発明に係るHA結合性蛋白親和性物質としては、HA結合性蛋白と親和性を有するものであればよく、例えばHA結合性蛋白に対する抗体等が挙げられ、中でもモノクローナル抗体が好ましい。HA結合性蛋白親和性物質として抗体を用いる場合には、ペプシン、パパイン等の酵素を用いて適宜消化し、Fab、Fab’、(Fab’)2等として用いることが好ましく、中でもHA結合性蛋白と1:1で結合する、Fab、Fab’等として用いることが好ましい。HA結合性蛋白親和性物質としてポリクローナル抗体を用いる場合、該抗体は、常法、例えば「免疫学実験入門、第2刷、松橋直ら、(株)学会出版センター、1981」等に記載の方法に準じて馬、牛、羊、兎、山羊、ラット、マウス等の動物にHA結合性蛋白を免疫して調製され、また、HA結合性蛋白親和性物質としてモノクローナル抗体を用いる場合、該抗体は、常法、即ちケラーとミルスタイン(G.Kohler and C.milstein;nature,256,495,1975)により確立された細胞融合法に従いマウスの腫瘍ラインからの細胞と、HA結合性蛋白で予め免疫されたマウスの脾細胞とを融合させて得られるハイブリドーマにより産生される。
本発明に係る標識物質としては、例えばアルカリホスファターゼ(ALP),β−ガラクトシダーゼ(β−Gal),パーオキシダーゼ(POD),マイクロパーオキシダーゼ,グルコースオキシダーゼ(GOD),グルコース−6−リン酸脱水素酵素(G6PDH),リンゴ酸脱水素酵素,ルシフェラーゼ等の酵素類、例えばクーマシーブリリアントブルーR250,メチルオレンジ等の色素、例えば99mTc,131I,125I,14C,3H,32P,35S等の放射性同位元素、例えばフルオレセイン,ローダミン,ダンシル,フルオレスカミン,クマリン,ナフチルアミン或はこれらの誘導体,希土類蛍光色素体〔例えばサマリウム(Sm)、ユーロピューム(Eu)、テルビウム(Tb)又はディスプロシウム(Dy)等の希土類金属と4,4’−ビス(1”,1”,1”,2”,2”,3”,3”,ヘプタフルオロ−4”,6”−ヘキサンジオン−6”−イル)クロロスルフォ−o−テルフェニル(BHHCT)、4,7−ビス(クロロスルフォニル)−1,10−フェナンスロリン−2,9−ジカルボキシリックアシッド(BCPDA)、β−ナフチルトリフルオロアセチックアシッド(β−NTA)等のキレート化合物との組み合わせからなるもの等〕,核酸結合性蛍光色素等の蛍光性物質、例えばルシフェリン,イソルミノール,ルミノール,ビス(2,4,6−トリフロロフェニル)オキザレート等の発光性物質、例えばフェノール,ナフトール,アントラセン或はこれらの誘導体等の紫外部に吸収を有する物質、例えば4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル,3−アミノ−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル,2,6−ジ−t−ブチル−α−(3,5−ジ−t−ブチル−4−オキソ−2,5−シクロヘキサジエン−1−イリデン)−p−トリルオキシル等のオキシル基を有する化合物に代表されるスピンラベル化剤としての性質を有する物質等(以上を主標識物質と略記する場合がある)が挙げられる。
上記した核酸結合性蛍光色素とは、核酸鎖に結合することによって強い蛍光を発するものであり、核酸結合性蛍光色素としては、例えば核酸鎖の塩基と塩基の中に入りこむもの、いわゆるインターカレーター色素〔例えばアクリジンオレンジ等のアクリジン色素、例えば臭化エチジウム,エチジウムホモダイマー1(EthD−1),エチジウムホモダイマー2(EthD−2),臭化エチジウムモノアジド(EMA),ジヒドロエチジウム等のエチジウム化合物、例えばヨウ素化プロピジウム,ヨウ素化ヘキシジウム等のヨウ素化合物、例えば7−アミノアクチノマイシンD(7−AAD)、例えばPOPO−1,BOBO−1,YOYO−1,TOTO−1,JOJO−1,POPO−3,LOLO−1,BOBO−3,YOYO−3,TOTO−3等のシアニンダイマー系色素(何れもモレキュラープローブ社商品名)、例えばPO−PRO−1,BO−PRO−1,YO−PRO−1,TO−PRO−1,JO−PRO−1,PO−PRO−3,LO−PRO−1,BO−PRO−3,YO−PRO−3,TO−PRO−3,TO−PRO−5等のシアニンモノマー系色素(何れもモレキュラープローブ社商品名)、例えばSYBR Gold,SYBR Green I and SYBR Green II,SYTOX Green,SYTOX Blue,SYTOX Orange等のSYTOX系色素(何れもモレキュラープローブ社商品名)等〕、DNA二重らせんのマイナーグルーブに結合するもの〔例えば4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI:モレキュラープローブ社商品名),ペンタハイドレート(ビス−ベンズイミド)(Hoechst 33258:モレキュラープローブ社商品名),トリヒドロクロライド(Hoechst 33342:モレキュラープローブ社商品名),ビスベンズイミド色素(Hoechst 34580:モレキュラープローブ社商品名)等〕、アデニン−チミン(A−T)配列に特異的に結合するもの〔例えば9−アミノ−6−クロロ−2−メトキシアクリジン(ACMA),ビス−(6−クロロ−2−メトキシ−9−アクリジニル)スペルミン(アクリジンホモダイマー)等のアクリジン色素、例えばヒドロキシスチルバミジン等〕等が挙げられる。
上記した本発明に係る標識物質の中でも、好ましくは例えばアルカリホスファターゼ(ALP),β−ガラクトシダーゼ(β−Gal),パーオキシダーゼ(POD),マイクロパーオキシダーゼ,グルコースオキシダーゼ(GOD),グルコース−6−リン酸脱水素酵素(G6PDH),リンゴ酸脱水素酵素,ルシフェラーゼ等の酵素類等であり、より好ましくは、パーオキシダーゼ(POD)等である。
また、これら主標識物質とHA結合性蛋白親和性物質に結合し得る物質とを結合したもの(以下、このようなものを準標識物質と略記する場合がある)も本発明に係る標識物質に含まれ、例えば上記主標識物質を結合した核酸鎖や、主標識物質を結合した、アビジン(又はストレプトアビジン)又はビオチン等も本発明に係る標識物質に含まれる。このような準標識物質の調製方法としては、公知の例えば架橋剤を用いて化学的に結合する方法(例えばAnal.Bio Chem.223 142−148(1994)に記載の方法)等に準じて行えばよい。
上記準標準物質で用いられる核酸鎖としては、プリン塩基又はピリミジン塩基、糖部分であるペントース、及びリン酸からなるヌクレオチド残基を基本単位とし、このリン酸が各ヌクレオチド間が糖の3’と5’位炭素の間でジエステル結合によって結ばれ重合した鎖状のポリヌクレオチドであり、例えば糖部分がリボースであるRNA又は/及び糖部分がデオキシリボースであるDNAが挙げられる。また、当該核酸鎖は、1本鎖でも、2本鎖乃至これ以上の複数の核酸鎖からなるものであってもよい。また、本発明で用いられる核酸鎖は、例えば化学合成法、微生物,昆虫,動物,植物等由来の細胞等から抽出・精製する方法、適当なプラスミド,ファージ,コスミド等のベクター遺伝子が導入された上記した如き細胞等を培養した後、細胞培養等により増殖したベクターを抽出・精製する方法、PCR等の遺伝子増幅技術を利用する方法(モレキュラークローニング ア ラボラトリー マニュアル セカンド エディション、J.サムブルック,E.F.フリッシュ,T.マニアティス、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー プレス等)等の自体公知の方法により調製することができる。また、このようにして得られた核酸鎖は、化学的分解や制限酵素等の核酸鎖切断酵素等により分解した後、適宜精製することによって所望の長さに調製してもよい。更に、このような核酸鎖は、適当なもので適宜修飾等されていてもよく、修飾方法は自体公知の方法に従って行えばよい。
これら使用される核酸鎖の長さとしては、通常1bp〜1000kbp、好ましくは5bp〜100kbp、より好ましくは10bp〜50kbpである。
本発明に於いて、核酸鎖と主標識物質を結合する方法としては、上記した如き準標識物質を調製する方法と同様のものが挙げられるが、核酸鎖と核酸結合性蛍光色素を結合する場合には、下記の如く行えばよい。
即ち、常法(例えばハンドブック・オブ・フルオレッセント・プローブ・アンド・リサーチ・ケミカルズ7版第8章;モレキュラー・プローブInc.等に記載の方法)に従い、核酸鎖と核酸結合性蛍光色素とを、例えば水或いはトリス緩衝液,リン酸緩衝液,ベロナール緩衝液,ホウ酸緩衝液,グッド緩衝液,SSC緩衝液,TBE緩衝液,TAE緩衝液等のハイブリダイゼーション法,免疫法等の通常この分野で用いられる緩衝液等の溶液中で、適当な温度で適当時間接触させればよい。
上記方法に於いて、核酸鎖と核酸結合性蛍光色素とを接触させるには、核酸鎖と核酸結合性蛍光色素とを、直接上記した如き水或いは緩衝液等に添加して、溶解、分散若しくは懸濁させて互いに混合接触させてもよいし、夫々を一旦、上記した如き水或いは緩衝液等に添加して溶解、分散若しくは懸濁させて液状物とし、これらを互いに混合接触させてもよい。
尚、本発明に於いて、核酸鎖と核酸結合性蛍光色素とを結合したものを準標識物質として用いる場合、これらを結合させる時期は、HA結合性蛋白,HA結合性蛋白親和性物質,核酸鎖及び核酸結合性蛍光色素の複合体(以下、複合体をHA結合性蛋白−HA結合性蛋白親和性物質−核酸鎖−核酸結合性蛍光色素複合体の様に表す場合がある)や、HA結合性蛋白−核酸鎖−核酸結合性蛍光色素複合体を形成させる前でも同時でも後でもよく、特に限定されない。
準標識物質として、主標識物質を結合した、アビジン(ストレプトアビジン)又はビオチンを用いる場合は、それと、ビオチン又はアビジン(ストレプトアビジン)を結合させたHA結合性蛋白親和性物質とを反応させ更にHA結合性蛋白と反応させるか、或いは、それと、ビオチン又はアビジン(ストレプトアビジン)を結合させたHA結合性蛋白とを反応させることによって、目的の標識HA結合性蛋白を得ることができる。
本発明に係る標識物質により修飾されたHA結合性蛋白(標識HA結合性蛋白)としては、通常、上記した如きHA結合性蛋白、HA結合性蛋白親和性物質、標識物質の3種の物質を反応させ結合することにより得られるが、標識物質とHA結合性蛋白親和性物質とを結合させたものを更にHA結合性蛋白に結合させることが好ましい。この際、HA結合性蛋白と標識物質とのモル比が1:1になることが好ましく、モル比が1:1になることにより、ヒアルロン酸に結合する標識物質のモル量が一定となり、ヒアルロン酸をより再現性良く且つ高精度に測定することが可能となる。
また、HA結合性蛋白と標識物質との2種類をHA結合性蛋白親和性物質を介さずに反応させて結合させたものも本発明に係る標識HA結合性蛋白に含まれる。この際に用いられる標識物質としては、主標識物質であっても、準標識物質であってもよいが、これを用いて標識HA結合性蛋白を調製する場合、最終的にHA結合性蛋白と標識物質とが1:1のモル比になることが好ましい。
本発明に係る標識HA結合性蛋白の具体的な調製方法を、(1)HA結合性蛋白親和性物質を介して標識物質とHA結合性蛋白とを結合させる方法(2)標識物質とHA結合性蛋白とを直接結合させる方法、(3)標識物質として主標識物質を結合した核酸鎖を用いる場合の標識物質とHA結合性蛋白とを結合させる方法について、以下に示す。
(1)HA結合性蛋白親和性物質を介して標識物質とHA結合性蛋白とを結合させる方法
上記した如き標識物質をHA結合性蛋白親和性物質に修飾する方法としては、標識物質及びHA結合性蛋白親和性物質夫々が有する官能基を、直接又はリンカー等を介して結合させればよく、その結合方法としては自体公知のEIA、RIA或はFIA等に於いて一般に行われている自体公知の標識方法(例えば、医化学実験講座、第8巻、山村雄一監修、第1版、中山書店、1971;図説蛍光抗体、川生明著、第1版、(株)ソフトサイエンス社、1983;酵素免疫測定法、石川栄治、河合忠、宮井潔編、第3版、医学書院、1987;モレキュラー クローニング ア ラボラトリー マニュアル セカンド エディション、J.サムブルック,E.F.フリッシュ,T.マニアティス、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー プレス等に記載の方法)が何れも例外なく挙げられ、これらに準じて行えばよい。上記方法の中でも、HA結合性蛋白親和性物質と標識物質とを1:1のモル比で結合させることのできる方法、例えばHA結合性蛋白親和性物質として抗HA結合性蛋白モノクローナル抗体のFab’を用い、そのSH基に一つの標識物質が結合するように例えば市販のサクシニミジル4−(パラマレイミドフェニル)ブチレート(Succinimidyl 4−[p−maleimidophenyl]butyrate;SMPB、PIERCE社製)等を架橋剤として用いて調製する方法が好ましい。なぜなら、このようにして得られた標識HA結合性蛋白親和性物質と、HA結合性蛋白とを結合させることにより、標識物質とHA結合性蛋白とが1:1のモル比で結合した標識HA結合性蛋白が容易に得られるからである。その標識HA結合性蛋白親和性物質と、HA結合性蛋白とを結合させる方法としては、例えばHA結合性蛋白親和性物質として抗HA結合性蛋白モノクローナル抗体を用いた場合は、標識HA結合性蛋白親和性物質とHA結合性蛋白とを自体公知のEIA、RIA或はFIA等に於いて一般に行われている自体公知の抗原抗体反応を行わせる反応条件に準じて反応させればよい。
(2)標識物質とHA結合性蛋白とを直接結合させる方法
上記した如き標識物質をHA結合性蛋白に直接結合させる方法としては、標識物質及びHA結合性蛋白夫々が有する官能基を、直接又はリンカー等を介して結合させればよい。このような結合方法としては、通常この分野で用いられる常法、例えば自体公知のEIA、RIA、FIA或いはハイブリダイゼーション法等に於いて一般的に行われている自体公知の標識方法(例えば、医化学実験講座、第8巻、山村雄一監修、第1版、中山書店、1971;図説蛍光抗体、川生明著、第1版、(株)ソフトサイエンス社、1983;酵素免疫測定法、石川栄治、河合忠、宮井潔編、第3版、医学書院、1987;モレキュラー クローニング ア ラボラトリー マニュアル セカンド エディション、J.サムブルック,E.F.フリッシュ,T.マニアティス、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー プレス等に記載の方法)や、アビジン(又はストレプトアビジン)とビオチンの反応を利用した常法等何れの方法により行ってもよい。上記方法の中でも、例えば、HA結合性蛋白のアミノ基などとそれに結合し得る標識物質の官能基等を結合させる方法が好ましく、その中でも標識物質とHA結合性蛋白とが1:1のモル比で結合させる方法が好ましい。
(3)標識物質として主標識物質を結合した核酸鎖を用いる場合の標識物質とHA結合性蛋白とを結合させる方法
標識物質として主標識物質を結合した核酸鎖を用いる場合、(1)のHA結合性蛋白親和性物質を介して標識物質とHA結合性蛋白とを結合させる方法を用いても、(2)標識物質とHA結合性蛋白とを直接結合させる方法を用いてもよく、その調製法は上記した如き方法に準じて行えばよい。
尚、核酸鎖を用いる場合の結合方法に於いては、核酸鎖に予め反応性官能基を導入した後、上記結合方法によりHA結合性蛋白或いはHA結合性蛋白親和性物質と反応性官能基導入核酸鎖とを結合させてもよく、その核酸鎖への反応性官能基の導入方法としては、自体公知の方法、例えば核酸末端に存在する5’トリリン酸基に反応性官能基を有する化合物(例えばN−トリフルオロアセチルアミノ−アルキルアミン等のアミノ基を有する化合物、シスタミン等のチオール基を有する化合物、N−ビトチニルアミノ−アルキルアミン等のビオチンを有する化合物、マレイミドアルキルアミン等のマレイミド基を有する化合物等)を例えば1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)、ハイドロクロライド(WSC)等の縮合試薬を用いてホスホアミダイト結合させることにより反応性の官能基を導入する方法(Nucleic Acid Res.(1988)16,3671,Chu,B.C.,et.al.)、例えば核酸末端に存在する3’水酸基に反応性官能基を有する化合物(例えばN−トリフルオロアセチルアミノ−アルキルカルボン酸等のアミノ基を有する化合物、N−ビトチニルアミノ−アルキルカルボン酸等のビオチンを有する化合物、マレイミドアルキルカルボン酸等のマレイミド基を有する化合物等)を例えば1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)、ハイドロクロライド(WSC)等の縮合試薬を用いてエステル結合させることにより反応性の官能基を導入するか、又はその活性エステル体を直接反応させる方法(Nucleic Acid Res.(1986)14,6115,Jabloski,et.al.,)、アミノ基を有する塩基(アデニン、シトシン)が一本鎖として突出する末端を有する制限酵素切断断片にアミノ基反応性のリンカーを反応させて当該一本鎖突出末端に当該リンカーを導入する方法(ケミストリー・オブ・プロテイン・アンド・クロスリンキング Shan S.Wong,(1991)Published by CRC Press)、一本鎖突出末端を形成する制限酵素切断断片に平滑化酵素(T4DNAポリメラーゼ、DNA Blunting酵素等)を用いて反応性官能基を導入したヌクレオチドモノマーを取りこませる方法(モレキュラークローニング ア ラボラトリー マニュアル セカンド エディション、J.サムブルック,E.F.フリッシュ,T.マニアティス、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー プレス等)、一本鎖突出末端を形成する制限酵素切断断片の一本鎖部分の配列に相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドの5’末端に反応性官能基を導入した後、制限酵素切断断片一本鎖突出部分にハイブリッド形成させる方法(モレキュラー クローニング ア ラボラトリー マニュアル セカンド エディション、J.サムブルック,E.F.フリッシュ,T.マニアティス、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー プレス等)、5’末端に反応性官能基を導入したPCR プライマーを用いてPCR法を行い、PCR産物として5’末端に反応性官能基が導入された核酸鎖を得る方法(モレキュラー クローニング ア ラボラトリー マニュアル セカンド エディション、J.サムブルック,E.F.フリッシュ,T.マニアティス、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー プレス等)等により核酸末端へ反応性官能基を導入することができる。また、用いられる核酸鎖が1本鎖である場合には、1本鎖核酸に、5’末端に反応性官能基を導入した、当該核酸鎖の5’末端部分に相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドをハイブリッド形成させる方法(モレキュラークローニング ア ラボラトリー マニュアル セカンド エディション、J.サムブルック,E.F.フリッシュ,T.マニアティス、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー プレス等)等によっても、反応性官能基が導入された核酸鎖を得ることができる。尚、上記した如き場合に於ける反応性官能基としては、例えばヒドロキシ基、ハロゲン化アルキル基、イソチオシアネート基、アビジン基、ビオチニル基、カルボキシル基、ケトン基、マレイミド基、活性エステル基、スルホン酸ハライド基、カルボン酸ハライド基、アミノ基、硫酸基、アルデヒド基等である。
また、上記した如き結合方法に於いて、使用する核酸鎖の両末端にHA結合性蛋白或いはHA結合性蛋白親和性物質が結合し得る官能基が存在する場合には、当該核酸鎖を、予め酵素的又は化学的に切断して片端のみに反応性官能基が導入された核酸鎖とした後に、HA結合性蛋白或いはHA結合性蛋白親和性物質と結合させる方法か、或いは当該核酸鎖とHA結合性蛋白或いはHA結合性蛋白親和性物質とを結合させて当該核酸鎖の両末端にHA結合性蛋白或いはHA結合性蛋白親和性物質が結合したものを一旦作製した後、当該核酸鎖を酵素的又は化学的に切断することにより、核酸鎖の片端に、HA結合性蛋白或いはHA結合性蛋白親和性物質を結合させる方法を用いることが好ましい。
本発明に係るヒアルロン酸−標識HA結合性蛋白複合体と遊離の標識HA結合性蛋白とを分離する方法(以下本発明に係る分離方法と略記する)としては、自体公知の分離分析法で且つHA結合性蛋白を固定化した固相(不溶性担体層)を用いたB/F分離法(サンドイッチ法)でないもの、言い換えればこのような固相を用いない方法であれば全て含まれ、例えばクロマトグラフィー法、高速液体クロマトグラフィー法、電気泳動法、キャピラリー電気泳動法、例えばLiBASys(島津製作所(株)製)等の自動免疫分析装置を用いた方法等が挙げられ、好ましくは高速液体クロマトグラフィー法、キャピラリー電気泳動法、自動免疫分析装置を用いた方法であり、より好ましくは自動免疫分析装置を用いた方法である。その具体的な条件については、ヒアルロン酸−標識HA結合性蛋白複合体と遊離の標識HA結合性蛋白とを分離できるように設定すればよく、例えばHPLCを用いて分離する場合、Anal.Chem.65,5,613−616(1993)や特開平9−301995号に記載の方法に準じて行えばよく、キャピラリー電気泳動法を用いる場合には、J.Chromatogr.593 253−258(1992)、Anal.Chem.64 1926−1932(1992)等に記載の方法に準じて行えばよい。また、自動免疫分析装置として例えばLiBASysを用いる場合、生物試料分析22巻4号303−308(1999)に記載されている方法に準じて行えばよい。
本発明に係るヒアルロン酸の測定方法としては、例えば、遊離の標識HA結合性蛋白を含有する試薬と、ヒアルロン酸を含む検体とを夫々が溶液中で遊離している状態で接触させて、ヒアルロン酸−標識HA結合性蛋白複合体を形成させ、次いで該複合体と遊離の標識HA結合性蛋白とを上記の分離方法により分離し、該複合体中の標識物質若しくは遊離の標識HA結合性蛋白中の標識物質を測定することにより行えばよい。また、例えば標識HA結合性蛋白親和性物質とHA結合性蛋白を含有する試薬と、ヒアルロン酸を含む検体とを夫々が溶液中で遊離している状態で接触させて、ヒアルロン酸―HA結合性蛋白―標識HA結合性蛋白複合体を形成させ、次いで上記と同様に分離を行った後、該複合体中の標識物質若しくは遊離の標識HA結合性蛋白を分離し、その標識物質を測定することにより行ってもよい。
尚、この場合に用いられる標識HA結合性蛋白としては、標識物質とHA結合性蛋白とが1:1のモル比で結合しているものが望ましく、このようなものを用いることにより、ヒアルロン酸をより再現性よく且つ高精度に測定することが可能となると同時に、用いる標識HA結合性蛋白の製造ロット間の測定感度の変動も最小限にすることが可能となる。
本発明によるヒアルロン酸の測定は、具体的には以下のようにして行えばよい。
即ち、例えばヒアルロン酸を含む検体に、標識HA結合性蛋白を含有する試薬を添加し、通常5〜40℃、好ましくは5〜15℃で、通常3〜60分、好ましくは3〜20分放置した後、上記した如き例えば自動免疫分析装置等によりヒアルロン酸−標識HA結合性蛋白複合体と遊離の標識HA結合性蛋白とを分離し、該複合体の標識物質若しくは遊離の標識HA結合性蛋白中の標識物質をそれに適した方法で測定すればよい。その測定方法としては、例えば、標識物質が酵素の場合にはEIAやハイブリダイゼーション法等の常法、例えば「酵素免疫測定法、蛋白質 核酸 酵素 別冊 No.31、北川常廣・南原利夫・辻章夫・石川榮治編集、51〜63頁、共立出版(株)、1987年9月10日発行」等に記載された方法に準じて測定を行えばよく、標識物質が放射性物質の場合にはRIAやハイブリダイゼーション法等の常法に従い、該放射性物質の出す放射線の種類及び強さに応じて液浸型GMカウンター,液体シンチレーションカウンター,井戸型シンチレーションカウンター等の測定機器を適宜選択して使用し、測定を行えばよい(例えば医化学実験講座、第8巻、山村雄一監修、第1版、中山書店、1971,生化学実験講座2 トレーサー実験法下、竹村彰祐,本庶佑、501〜525頁、(株)東京化学同人、1977年2月25日発行等参照。)。また、標識物質が蛍光性の場合には蛍光光度計や共焦点レーザー顕微鏡等の測定機器を用いるFIAやハイブリダイゼーション法等の常法、例えば「図説 蛍光抗体、川生明著、第1版、(株)ソフトサイエンス社、1983」、「生化学実験講座2 核酸の化学III、実吉峯郎、299〜318頁、(株)東京化学同人、1977年12月15日発行等に記載された方法に準じて測定を行えばよく、標識物質が発光性の場合にはフォトンカウンター等の測定機器を用いる常法、例えば「酵素免疫測定法、蛋白質 核酸 酵素 別冊 No.31、北川常廣・南原利夫・辻章夫・石川榮治編集、252〜263頁、共立出版(株)、1987年9月10日発行」等に記載された方法に準じて測定を行えばよい。更に、標識物質が紫外部に吸収を有する性質の場合には分光光度計等の測定機器を用いる常法によって測定を行えばよく、その性質が発色性の場合には分光光度計や顕微鏡等の測定機器を用いる常法によって測定を行えばよく、標識物質がスピンの性質を有する物質の場合には電子スピン共鳴装置を用いる常法、例えば「酵素免疫測定法、蛋白質 核酸 酵素 別冊 No.31、北川常廣・南原利夫・辻章夫・石川榮治編集、264〜271頁、共立出版(株)、1987年9月10日発行」等に記載された方法に準じて夫々測定を行えばよい。
本発明の測定方法に於ける反応時の標識HA結合性蛋白の使用濃度としては、ヒアルロン酸の検量限界をどの程度に設定するかによって変動はあるが、通常は反応液中において、設定された検量限界濃度に相当するヒアルロン酸全てと結合し得る濃度以上、好ましくはその5倍濃度以上、より好ましくは5倍濃度以上であり、例えばHA結合性蛋白−抗HA結合性蛋白モノクローナル抗体−PODを標識HA結合性蛋白として用いる場合、その濃度は、通常1×10−9M〜1×10−6M、好ましくは5×10−9M〜5×10−7Mである。また、標識HA結合性蛋白の代わりに、標識物質、HA結合性蛋白親和性物質及びHA結合性蛋白の組み合わせ、或いは標識物質及びHA結合性蛋白の組み合わせを用いる場合、その各種物質の濃度は、それらが反応して生成される標識HA結合物質の濃度が上記濃度になるように設定すればよい。また、反応時のpHとしては、複合体が形成されるのを妨げない範囲であれば特に限定はされず、通常5〜10、好ましくは6〜8の範囲が挙げられ、反応時の温度も複合体が形成されるのを妨げない範囲であれば特に限定されず、通常5〜40℃、好ましくは5〜15℃の範囲が挙げられる。また、その反応時間は、用いられる標識HA結合性物質並びにpH及び温度等の反応条件により異なるので、各々に応じて数秒間乃至数時間適宜反応させればよい。
本発明のヒアルロン酸測定に用いられる標識HA結合性蛋白を含有する溶液は、通常標識HA結合性蛋白を適当な緩衝液中に溶解させたものが用いられるが、この目的使用される緩衝剤としては、例えばトリス緩衝剤、リン酸緩衝剤、ベロナール緩衝剤、ホウ酸緩衝剤、グッド緩衝剤、(N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸緩衝剤(ACES緩衝剤)等通常免疫学的測定法において用いられている緩衝剤は全て挙げられ、その濃度としては通常5〜300mM、好ましくは10〜150mMであり、そのpHは、通常5〜10、好ましくは6〜8の範囲から適宜選択される。
本発明のヒアルロン酸測定用試薬における、標識HA結合性蛋白の濃度としては、使用する標識HA結合性蛋白の種類により異なるが、反応時の濃度が上記の如くなるものであればよく、通常1×10−9M〜1×10−6M、好ましくは5×10−9M〜5×10−7Mの範囲になるように適宜選択される。
本発明の測定用試薬としては、標識HA結合性蛋白を含むものであればよいが、例えば標識物質及びHA結合性蛋白からなるもの、標識物質、HA結合性蛋白親和性物質及びHA結合性蛋白からなるもの、標識HA結合性蛋白親和性物質及びHA結合性蛋白からなるもの等最終的に標識HA結合性蛋白を形成し得るものであってもよく、好ましくは標識物質とHA結合性蛋白とがHA結合性蛋白親和性物質を介して結合したものを含むもの、より好ましくは標識物質とHA結合性蛋白とが、抗HA結合性蛋白抗体を介して1:1のモル比で結合したものを含むものである。この抗体としては、上記した如く、モノクローナル抗体が好ましく、中でもそのFab、Fab’等が好ましい。
本発明のヒアルロン酸測定用試薬に用いられる緩衝剤としては、上記測定で用いられる緩衝剤と同じものが挙げられ、その濃度としては上記した如く本発明による測定で用いられる濃度に準じて設定すればよく、また、そのpHも同様に上記した測定で用いられるpHに準じて設定すればよい。
尚、本発明で用いられるヒアルロン酸測定用試薬には、通常この分野で用いられる界面活性剤が通常この分野で用いられる濃度範囲で共存していてもよい。このような界面活性剤共存下であっても、本発明の方法によれば、ヒアルロン酸を再現よく簡便に測定することができる。更に、本発明で用いられる測定用試薬中には、免疫反応促進剤(凝集反応促進剤)(例えばポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール等)が通常この分野で用いられる濃度範囲で共存していてもよく、これら反応促進剤共存下であっても本発明の方法によれば、測定用試薬中の蛋白成分が、何らかの要因により変性されて非特異的濁りとなることを、抑制或いは低減することができる。
本発明に係る測定用キットとしては、上記本発明に係る測定用試薬と標準物質とからなるものが挙げられ、該標準物質としては、通常この分野で用いられているもので、例えばヒアルロン酸カリウム(鶏冠由来:和光純薬工業(株)製)、ヒアルロン酸ナトリウム(ストレプトコッカス属由来:和光純薬工業(株)製)等が挙げられる。また、標識物質がそれのみで測定し得ないものであれば、上記測定用キットに更に、何らかの方法により測定し得るための基質を含む試薬等を加えてもよく、例えば、標識物質が酵素であれば、該酵素の活性測定用の基質を含む試薬を加えてもよく、そのような基質としては、通常この分野で用いられるものの中から使用する酵素に合わせて適宜選択すればよく、その使用濃度も通常この分野で使用される範囲から適宜選択されればよい(例えば「酵素免疫測定法、蛋白質 核酸 酵素 別冊 No.31、北川常廣・南原利夫・辻章夫・石川榮治編集、51〜63頁、共立出版(株)、1987年9月10日発行」等に記載の方法)。
本発明の測定用試薬及びキットは、上記した如き本発明の測定法を実施するために用いられるものであり、その構成要素の好ましい態様、具体例は上で述べた通りである。
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に述べるが、本発明はこれら実施例により何ら制約を受けるものではない。
実施例
実施例1
(1)標識物質により修飾されたHA結合性蛋白親和性物質の調製
HA結合性蛋白は、ウシ鼻中隔軟骨よりLaurentらの変法で精製されたもの(生化学工業(株)製)を用いた。
該HA結合性蛋白に対するモノクローナル抗体を常法により作製し、更に該抗HA結合性蛋白抗体を常法により処理してFab’を得、得られたFab’のSH基と西洋ワサビペルオキシダーゼ(POD)のアミノ基を、SMPB(PIERCE社製)を架橋剤として用いる常法により結合させ、Fab’−PODを作製した。
(2)HA測定試薬の調製
HA結合性蛋白を5×10−8M、Fab’−PODを2.5×10−7Mとなるように50mM ACES緩衝液(N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸緩衝液,pH:6.5)中で溶解させ、得られた溶液をヒアルロン酸測定試薬とした。
(3)検体の調製
血清を検体として用いた。
(4)標準ヒアルロン酸溶液の調製
ヒアルロン酸カリウム(和光純薬工業(株)製)を50mMリン酸緩衝液(pH7.0)に1000ng/mlとなるように溶解し、標準ヒアルロン酸溶液とした。また、該標準ヒアルロン酸溶液を夫々100、200、300、400、500、600、700、800、900ng/mlとなるように希釈したものを検量線用標準ヒアルロン酸溶液とした。
(5)LiBASys(自動免疫分析装置)を用いたヒアルロン酸の測定
LiBASys(自動免疫分析装置、島津製作所(株)製)を用いてヒアルロン酸の測定を行った。
サンプルカップに検体もしくは標準ヒアルロン酸溶液を150μl入れ、そのうちの10μlをプローブにて自動的に採取し、反応キュベットに移した。次に、HA測定試薬100μlをプローブにて自動的に採取し、検体もしくは標準ヒアルロン酸と8℃で15分間反応させた。反応終了後、反応溶液80μlをカラムプローブにて、自動的に陰イオン交換カラムに導入した。次に、0.3M NaCl含有50mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)15mlで遊離のHA結合性蛋白−抗HAFab’−PODを洗浄し、0.9M NaCl含有50mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)1mlで、陰イオン交換カラムに吸着した検体中のヒアルロン酸と試薬中のHA結合性蛋白Fab’−PODとの複合体を酵素反応用キュベットに溶出した。該溶出液1mlにPODの蛍光基質である320mM 4−アセトアミドフェノールと40mM過酸化水素を含有する基質溶液100μlをプローブで自動的に添加し、それにより生じた蛍光増加を経時的に測定した。この増加量(反応速度)に応じて、既知濃度の標準ヒアルロン酸で検量線を作成し(図1)、検体中のヒアルロン酸濃度を算出した。
図1の結果から明らかなように、本発明の方法によれば、安定した直線の検量線が1000ng/mlまで得られ、1点検量が可能となっており、液相で反応を行うことで、高精度にヒアルロン酸を測定できることが分かる。
比較例1
従来法の標識されたヒアルロン酸結合性タンパク質を用いたサンドイッチ法による、ヒアルロン酸プレート「中外」(中外診断科学(株)製)を用いて、検体中のヒアルロン酸量を測定した。
尚、検体及び標準ヒアルロン酸は、実施例1と同じものを用いた。
(1)ヒアルロン酸の測定
標準ヒアルロン酸溶液及び検体各50μlを試験管に分注し、キット付属の反応緩衝液500μlを加えて混和し、それぞれの希釈液とした。ブランク(ヒアルロン酸濃度0ng/ml)用としての反応緩衝液100μl、又は希釈液各100μlを、HA結合性蛋白の結合した反応プレートのウェルに分注し、軽く振とうさせた後、室温(20〜30℃)で1時間反応させた。反応後、各ウェル中の溶液をアスピレーターにより除去した後、キット付属の洗浄液300μlの添加及びアスピレーターによる溶液の除去操作を4回繰り返した。更に、各ウェルに酵素標識液(POD標識HA結合性蛋白)を100μl加え、軽く振とうし、室温(20〜30℃)で30分間反応させ、各ウェル中の溶液をアスピレーターにより除去した後、洗浄液300μlの添加及びアスピレーターによる溶液の除去操作を4回繰り返した。更にまた、発色液(3,3’,5,5’−テトラメチルベンチジンと過酸化水素水)100μlを加え、振とう後、室温(20〜30℃)暗所で30分反応させた後、反応停止液としてキット付属の100μlを加えて振とうし、反応を停止させ、その後30分以内にプレートリーダーで波長450nmにおける各吸光度を測定した。
標準ヒアルロン酸溶液を測定して得られた吸光度から検量線を作成し(図2)、該検量線を用いて、検体の吸光度から検体中のヒアルロン酸濃度を算出した。算出された検体中のヒアルロン酸濃度と、実施例1で得られた検体中のヒアルロン酸濃度との相関を図3に示した。
図3の結果から明らかなように、本発明の方法により得られた測定値は、従来の方法で得られたそれと良好な相関関係を示している。これらのことから、本発明を用いれば、ヒアルロン酸の1液試薬反応による測定を可能とし、自動分析機器(LiBASys)を用いれば簡便な測定方法として実施を可能とすることが分かる。
産業上の利用の可能性
以上述べたことから明らかな如く、本発明は、試料中のヒアルロン酸の簡便且つ高精度な測定法を提供するものであり、特に標識HA結合性蛋白としてHA結合性蛋白と標識物質とを1:1で反応させたものを用いれば、試薬のロット間差による測定値の変動を生じることなく、ヒアルロン酸を高精度に再現性よく、迅速且つ簡便に測定することを可能にしたものである。
【図面の簡単な説明】
図1は、実施例1で得られた、試薬の蛍光増加量(反応速度)と標準ヒアルロン酸濃度との検量線を表した図である。
図2は、比較例1で得られた、吸光度と標準ヒアルロン酸濃度との検量線を表した図である。
図3は、本発明の方法(実施例1)により算出された検体中のヒアルロン酸濃度と、従来のサンドイッチ法(比較例1)で得られた検体中のヒアルロン酸濃度との相関を表した図である。
Claims (14)
- 標識物質により修飾されたヒアルロン酸結合性蛋白質(標識ヒアルロン酸結合性蛋白質)を含有する試薬と、ヒアルロン酸を含む検体とを接触させて、ヒアルロン酸と標識ヒアルロン酸結合性蛋白質との複合体を形成させ、次いで該複合体と遊離の標識ヒアルロン酸結合性蛋白質とを分離し、該複合体中の標識物質又は遊離の標識ヒアルロン酸結合性蛋白質中の標識物質を測定することにより行うことを特徴とするヒアルロン酸の測定方法。
- 標識ヒアルロン酸結合性蛋白質が、ヒアルロン酸結合性蛋白質に親和性を有する物質を介して、標識物質とヒアルロン酸結合性蛋白質とを結合させたものである、請求項1記載の測定方法。
- ヒアルロン酸結合性蛋白質に親和性を有する物質が、抗体である、請求項2記載の測定方法。
- 抗体が、抗ヒアルロン酸結合性蛋白質モノクローナル抗体のFab又はFab’である請求項3記載の測定方法。
- 標識物質とヒアルロン酸結合性蛋白質とが1:1で結合している、請求項4に記載の測定方法。
- 標識物質が、放射性同位元素、蛍光色素、化学発光物質、スピンラベル化剤又は酵素及びそれらを有するものである、請求項5に記載の測定方法。
- ヒアルロン酸結合性蛋白質が、プロテオグリカン、リンクプロテイン、ヒアルロネクチンからなる群より選ばれる蛋白質中のヒアルロン酸結合部を含むものである、請求項6に記載の測定方法。
- 分離を、クロマトグラフィー法、電気泳動法、キャピラリー電気泳動法、又はイオン交換カラムを装着した自動免疫分析装置を用いた方法で行う、請求項7に記載の測定方法。
- ヒアルロン酸結合性蛋白質に対する抗体を介して標識物質とヒアルロン酸結合性蛋白質とを結合させた、標識ヒアルロン酸結合性蛋白質を含有してなるヒアルロン酸測定用試薬。
- 抗体が、抗ヒアルロン酸結合性蛋白質モノクローナル抗体のFab又はFab’である請求項9記載の測定用試薬。
- 標識物質とヒアルロン酸結合性蛋白質とが1:1で結合している、請求項10に記載の測定用試薬。
- 標識物質が、放射性同位元素、蛍光色素、化学発光物質又は酵素である、請求項11に記載の測定用試薬。
- ヒアルロン酸結合性蛋白質が、プロテオグリカン、リンクプロテイン、ヒアルロネクチンからなる群より選ばれる蛋白質中のヒアルロン酸結合部を含むものである、請求項12に記載の測定用試薬。
- ヒアルロン酸結合性蛋白質に対する抗体を介して標識物質とヒアルロン酸結合性蛋白質とを結合させた、標識ヒアルロン酸結合性蛋白質を含有する試薬と標準物質とからなる、ヒアルロン酸測定用キット。
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