JP2005509859A - タグ標識された微粒子組成物および方法 - Google Patents

タグ標識された微粒子組成物および方法 Download PDF

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Abstract

切断可能な結合により結合された分子タグを有する微粒子を用いて、サンプル中の複数の標的分析体を検出するための組成物および方法が開示される。一般的に、サンプル、および複数のこのような微粒子を含む試薬を含むアッセイ混合物が形成される。このような試薬は、このような微粒子を、微粒子の表面上の結合部分と分析体との間安定な複合体が形成される条件下で含む。本発明の1つの局面において、第2の結合組成物が添加される、その結果、微粒子に結合された結合部分、分析体、および第2の結合組成物の第2の結合部分の間で腹相対が形成する。このような第2の結合部分は、切断誘導部分が結合しており、活性化の際に、切断可能な結合を切断し、分子タグを放出する。

Description

本発明は、放出可能な分子タグと微粒子の結合した結合対を使用して、サンプル中で多数の分析を検出および/または測定するための方法および組成物に関する。
ゲノムワイド(genome−wide)な発現の測定法およびプロテオームワイド(proteome−wide)な発現の測定法に関して、いくつかの有力な技術の発達は、広範囲な条件および刺激に対する応答において、全てではないが多くの生物体の遺伝子の強調的な活性を研究し、理解する機会を創り出す(例えば、DeRisiら、Science、278:680〜686(1997);Wodickaら、Nature Biotechnology、15:1359〜1367(1997);Velculescuら、Cell、243〜251(1997);Brennerら、Nature Biotechnology、18:630〜634(2000);McDonaldら、Disease Markers、18:99〜105(2002);Patterson、Bioinformatics、18(補2):S181(2002))。これらの技術を使用する研究は、減少した遺伝子の部分的な集合が、特定の機能を実行するために共調節されているようであること、および発現した遺伝子およびタンパク質の部分的な集合が、細胞を表現型で分類するために使用され得ることを証明した(例えば、ShiffmanおよびPorter、Current Opinion in Biotechnology、11:598〜601(2000);Afshariら、Nature、403:503〜511(2000);Golubら、Science、286:531〜537(1999);van’t Veerら、Nature、415:530〜536(2002)など)。
薬物開発において注目されている領域は、生体異物化合物の代謝または有毒効果に関与する遺伝子およびタンパク質の発現プロファイルである。いくつかの研究が、数十の遺伝子群が化合物の毒性化合物の指標として役立ち得ることを証明した(例えば、Thomasら、Molecular Pharmacology、60:1189〜1194(2001);Waringら、Toxicology Letters、120:359〜368(2001);Longuevilleら、Biochem.Pharmacology、64:137〜149(2002)など)。同様に、癌の診断および予後の領域で、遺伝子およびタンパク質のわずか数十の群の異なった発現は、癌の進行および予後に強い相関を有することが、頻繁に示されている。
従って、メッセンジャーRNAレベルもしくはタンパク質レベルのいずれかまたは両方でのシングルアッセイにおける、多数の発現遺伝子の便利かつ正確な測定法を提供する技術に関心が持たれている。このような測定法に関する現在のアプローチは、多ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、スポットおよび合成されたDNAマイクロアレイ、色素をコードするマイクロビーズ、そして酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)またはTaqmanに基づくPCRのようなロボット装置を用いる単一分析体のアッセイを含む、(例えば、Longuevilleら、(上記で引用した);Elnifroら、Clinical Microbiology Reviews、13:559〜570(2000);Chenら、Genome Rsearch、10:549〜557(2000)など)。残念ながら、自動化試薬の使用、感度、結果の一貫性などにおける困難を含むいくつかの理由のせいで、所望される測定法に対して、十分満足できる解決方法を提供する方法が存在しない(例えば、Elnifroら、(上記で引用した);Hessら、Trends in Biotechnology、19:463〜468(2001);KingおよびSinha、JAMA、286:2280〜2288(2001))。
記述のように、単一アッセイ反応において遺伝子発現産物のような多様な分析体の存在もしくは不在または量を測定するための、簡便かつ安価な技術が、このような測定法がますます重要になってきた多くの分野、(生命科学研究、医学研究および診断、剤発見、遺伝の同定、動物科学および植物科学などを含む)を進歩させるであろう。
(発明の要旨)
本発明は、異なる分離特性を有する多数の放出可能な分子タグで誘導化した微粒子を使用して、サンプル中の一以上の標的分析体の存在および/または量を決定するための方法および組成物に関する。
一局面において、本発明は一以上の微粒子の混合物からなる組成物を含み、異なる分子タグが異なる微粒子に結合するように、混合物中の各々の微粒子は、切断可能な結合によって結合された分子タグを有し、分子タグは多数の分子タグから選択され、多数の分子タグ各々は、これらの多数の分子タグの他のものから区別される、一つ以上の物理的および/または光学的特徴を有し、各々の分子タグは、その結果、このような一つ以上の物理的および/または光学的特徴に基づく切断および分離の際に区別可能なピークを形成する。
他の局面において、本発明は以下を包含する組成物を含む:(i)一より多い微粒子の混合物であって、各々の微粒子は結合部分および分子タグが結合した表面を有し、異なる対の分子タグおよび結合部分が、異なる微粒子に結合するように、各々の結合部分は所与の分析体に対して特異的であり、そして分子タグは切断可能な結合によって結合しており、分子タグは多数の分子タグから選択され、多数の分子タグの各々が、これらの多数の分子タグの他のものから区別される、一つ以上の物理的および/または光学的特徴を有し、その結果、各々の分子タグは、このような一以上の物理的および/または光学的特徴に基づく切断および分離の際に、区別可能なピークを形成する、混合物;ならびに(ii)第二の結合組成物であって、所与の分析体の各々に特異的な少なくとも一つの結合部分を含有し、各々のこのような結合部分は、切断可能な結合を切断させることができる活性種を生成するための増感剤を有する、結合組成物。
さらに他の局面において、本発明は、サンプル中の多様な標的分析体の存在もしくは不在または定量を決定するための前記の組成物を使用する方法を提供する。このような方法は、(i)標的分析体の存在中で、複合体が、標的分析体と少なくとも一つの第一の結合部分およびそれに特異的な少なくとも一つの第二の結合部分との間で形成されるように、そして第二の結合部分の増感剤が、一以上の分子タグを少なくとも一つの微粒子から放出するために、活性種の生成および一つ以上の切断可能な結合の切断を起こすように微粒子の混合物および第二の結合組成物とサンプルとを合わせる工程;(ii)サンプル中で標的分析体を決定するために、一つ以上の物理的および/または光学的特徴によって、放出された分子タグを分離しそして同定する、工程を含む。
他の局面において、本発明は、本発明の方法を実行するためのキットを含み、このようなキットは、一以上の標的分析体の各々の量を検出または測定するための微粒子の混合物を含む。このようなキットはさらに、分子タグと結合部分との間の切断可能な結合を切断させる切断剤および適切な緩衝液を含み、それは標的分析体と安定的な複合体を形成する。このようなキットは、さらに、分離された分子タグの定量的な測定に役立つ分離標準を含む。
他の局面において、本発明の組成物は、材料または産生物(動物、植物、油、無機物、および水のような自然資源;薬物、溶剤、重油産物および爆発物のような化学物質;放射活性または他の有害な廃棄物のような汚染物を含む商業副産物;ならびに銃やタイプライター、自動車および自動車の部品のような製造品を含む)をモニタリングまたは追跡するための同定剤、またはタグ標識として使用され得る。この局面において、異なる種類の放出可能な分子タグで各々被覆した、多数の微粒子を含む本発明の組成物は、追跡および/または同定のために材料に組み込まれるかまたは添加される。
本発明は、標的分析体の多様化した測定法に関する以下のようないくつかの利点を有する検出およびシグナル生成手段を提供する、(1)アッセイ混合物から分離された分子タグの検出/および測定法は、バックグラウンドを大いに減少し、感度についての大きな前進を提供する;(2)分離の容易化のために特別に設計されたタグの使用によって、簡単な多重化の能力を提供する;(3)分析体の結合部分を固体支持相に結合させることによってより高い感度を提供する、そして(4)微粒子支持体を使用することによる分析体検出の事象毎に放出される分子タグの数の増加を含むが、それに限定されない。
(定義)
「分析体」は、物質、化合物またはサンプル中の成分を意味し、その存在または不在が検出されるあるいは、その量が測定される。分析体は、ペプチド、タンパク質、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、オリゴヌクレオチド、有機分子、ハプテン、エピトープ、生物細胞の一部、タンパク質の翻訳後の修飾物、レセプター、糖複合体、ビタミン、ホルモンなどを含むが、それに限定されない。単分子実体に関連する一より多い分析体が存在し得る(例えば、同じタンパク質上の異なるリン酸化部位)。
「抗体」は、他の分子の特定の空間的および極性の組織と特異的に結合する免疫グロブリンを意味し、そしてそれによってそれらと相補的であると定義される。抗体は、モノクローナルまたはポリクローナルであり得、そして当業者に認められる宿主の免疫化処置および血清(ポリクローナル)の収集による技術によって、または連続するハイブリッド細胞株を調整し、そして分泌されたタンパク質(モノクローナル)を収集することによって、またはヌクレオチド配列および少なくとも自然の抗体の特異的な結合に必要とされるアミノ酸配列をコードする変異体のクローニングおよび発現によって調製され得る。抗体は、完全な免疫グロブリンまたはそれの断片を含み、この免疫グロブリンは、IgA、IgD、IgE、IgG1、IgG2a、IgG2bおよびIgG3、IgMなどのような様々な分類およびアイソタイプを含む。その断片は、Fab、FvおよびF(ab)2、Fabなどを含む。加えて、凝集塊、重合体および免疫グロブリンまたはそれらの断片の複合体が使用され得、それらは、特定のポリペプチドの結合親和性が維持される限り適切である。
「抗体結合組成物」は、一つ以上の抗体を含み、そしてその結合特異性を抗体から誘導する分子または分子の複合体を意味する。抗体結合組成物としては、第一抗体が特異的に標的分子に結合し、および第二抗体が特異的に一次抗体の定常の領域に結合する抗体対;特異的に標的分子および分子タグまたは光増感剤のような部分で誘導体化されたストレプトアビジンに結合するビオチン化した抗体;標的分子に特異的でありデキストランのような重合体に結合した抗体(この抗体は、次いで分子タグまたは光増感剤のような部分を誘導体化される);標的分子に特異的でありビーズまたはマイクロビーズあるいは他の個体支持体に結合した抗体である(この抗体は、次いで分子タグまたは光増感剤、または後者を含む重合体のような部分で誘導体化される)。
分離カラムに対する言及における「毛細管規模」は、プレートまたはマイクロ流体デバイスにおける毛細管チューブまたはチャネルを意味し、分離カラムの直径または最大の寸法は、約25〜500ミクロンの間であり、分離倍体を通じた効果的な熱放散を可能にし、結果的に媒体内での低い熱伝導を伴う。
「クロマトグラフィー」または「クロマトグラフィーの分離」は、本明細書で使用される場合、化合物の混合物(例えば、分析体を含む)を含む流動相(通常は液体)の流れが、流動相と定常相(通常は固体)との間の差示的な分配によって、このような組成物の分離を促進する分析の方法を意味するかまたは表す。
分子タグの分離に対する言及における「分離プロファイル」は、時間に対するシグナルの強さのデータの図表、グラフ、曲線、棒グラフ、もしくは他の描写、または、アッセイにおいて産生される各々の型の分子タグの数の読み出し、測定を提供する他の時間に対する変数を意味する。分離プロファイルは電気泳動図、クロマトグラム、電気クロマトグラムまたは使用する分離技術に依存するデータの図面の描写の様なものであり得る。分離プロファイルに対する言及における「ピーク」または「バンド」または「区域」は、分離された化合物が集中する領域を意味する。例えば、明瞭な照射スペクトルおよびデータを有する異なる蛍光標識を有する異なる分子タグが、多様な波長で収集され、そして記録される場合、シングルアッセイに多様な分離プロファイルが存在し得る。
「微粒子」は、本明細書中で使用される場合、固相微粒子支持体を意味し、それに対して分子タグは共有結合的に結合し得、そして/または、抗体のような結合部分は、共有結合的に、またはいくつかの実施形態において、非共有結合的に結合し得る。このような微粒子支持体は、大きな表面積対容積比を提供するように小規模であり、そしてアッセイ条件下で単分散である。微粒子は、サイズ、形および組成が広い範囲で変化し得る。一局面において、微粒子は数十nm〜数十μmの範囲の直径を有する(例えば、20nm〜50μm、または0.5μm〜25μm、または1μm〜10μm)均一な大きさの微粒子である。代表的に均一な大きさの微粒子の群の直径は、10%以下の変動係数を有する。一局面において、微粒子は力学的に硬く、そしてアッセイ条件下で実質的に非膨張性である。他の局面において、微粒子は、非多孔性である。微粒子は、ポリスチレン、ポリメチルアクリレート、メタクリル酸グリシジル、ナイロンなどのような重合体あるいは、シリカ、アルミナなどのような無機質を含む種々の材料から作製され得る。他の実施形態において、微粒子はコロイド状の粒子、デントリマー(dentrimer)、リポソーム、そして他の非強固な粒子様支持体を含む(例えば、Hermanson、Bioconjugate Techniques(Academic Press、New York、1996);Frechet、Science、263:1710〜1705(1994);Klajnertら、Acta.Biochim.Pol.、48:199〜208(2001);Singhら、Clinical Chemistry、40:1845〜1849(1994)など)。微粒子はさらに磁性のマイクロビーズを含む(例えば、米国特許第4,186,120号;同4,530,956号;同4,563,510号および同4,654,267号に開示されるDynadeadsTM)。
標的ポリヌクレオチドに対するプローブのような、一つの分子の他の分子への結合についての言及における「特異的」または「特異性」は、二つの分子間の認識、接触および安定的な複合体の形成を意味し、同時に、実質的にほとんどないその分子と他の分子との認識、接触または複合体形成を意味する。一局面において、第一の分子の第二の分子への結合についての言及における「特異的」は、第一の分子が反応物またはサンプル中の別の分枝を認識し、複合体を形成する限り、それは第二の分子との複合体を最大数形成することを意味する。好ましくは、この最大数は、少なくとも50%である。一般に、特異的な結合事象に関与する分子は、結合する分子間での認識を誘発する表面上または空洞に領域を有する。特異的結合の例は、抗体−抗原の相互作用、酵素−基質の相互作用、ポリヌクレオチドおよび/またはオリゴヌクレオチドの間での二重鎖または三重鎖の形成、レセプター−リガンドの相互作用などを含む。本明細書中で使用される場合、特異性または特異的な結合についての言及における「接触」は、ファンデルワールス力、水素結合、イオン相互作用または疎水的相互作用などのような弱い非共有の化学的な相互作用が、分子の相互作用を支配するのに十分、2つの分子が近いことを意味する。本明細書中で使用される場合、二つ以上の分子についての言及における「安定な複合体」は、このような分子が非共有結合した凝集塊(例えば、特異的結合によって)を形成し、それはアッセイ条件下で、非凝集塊状態よりも熱力学的により好ましい。
本明細書中で使用される場合、多数の蛍光標識についての言及における用語「スペクトル的に分解可能な」は、標識の蛍光発色バンドが十分に区別できる、すなわち非重複であることを意味し、そしてそれぞれの標識が結合した分子タグは、基本的な光検出システム(例えば、バンド通過フィルタおよび光電子増倍管など)によるそれぞれの標識によって生じた、蛍光シグナルに基づいて区別され得、米国特許第4,230,558号;同4,811,218号など、またはWheelessら、pgs.21〜76、Flow Cytometry:Instrumentation and Data Analysis(Academic Press、New York、1985)に開示されるシステムによって例証される。
「オリゴヌクレオチド」は本明細書で使用される場合、ホスホジエステル結合またはそのアナログによって結合された、天然のヌクレオシド単量体または修飾されたヌクレオシドの単量体の直鎖状オリゴマーを意味する。オリゴヌクレオチドは、Watson−Crick型塩基対合、塩基スタッキング、Hoogsteen型または逆Hoogsteen型塩基対合などのような単量体−単量体相互作用の通常のパターンによって、標的ポリヌクレオチドに特異的に結合し得る、デオキシリボヌクレオシド、リボヌクレオシド、そのアノマー型、ペプチド核酸(PNA)などを含む。通常、単量体は、僅かな単量体単位(例えば、3〜4)から数十の単量体単位(例えば40〜60)の範囲のサイズのオリゴヌクレオチドを形成するように、ホスホジエステル結合またはそのアナログによって結合される。オリゴヌクレオチドが、「ATGCCTG」のような文字配列によって表現される場合はいつでも(他に記載されない限り)、ヌクレオチドは、左から右に5’□3’の順番にあり、「A」はデオキシアデノシンを意味し、「C」はデオキシシチジンを意味し、「G」はデオキシデオキシグアノシンを意味し、「T」はデオキシチミジンを意味し、そして「U」はリボヌクレオシド、ウリジン、を意味することが理解される。通常、本発明のオリゴヌクレオチドは、4つの天然のデオキシヌクレオチドを含む;しかし、このオリゴヌクレオチドは、リボヌクレオシドまたは非天然のヌクレオチドアナログをも含み得る。天然のまたは非天然のヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドを本発明で使用し得ることは当業者にとって明らかである。例えば、酵素によるプロセシングが要求される場合は通常、天然のヌクレオチドから成るオリゴヌクレオチドが必要とされる。同様に、酵素が、活性についての特定のオリゴヌクレオチド基質またはポリヌクレオチド基質の要件(例えば、一本鎖DNA、RNA/DNA二重鎖など)を有する場合、オリゴヌクレオチド基質またはポリヌクレオチド基質に関する適切な組成の選択は、特に論文から(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning、Second Edition(Cold Spring Harbor Laboratory,New York,1989))からの手引き、および同様の参考文献を用いて、十分当業者の知識内である。
二重鎖の言及における「完全に一致した」は、各々の鎖中の全てのヌクレオチドが、他の鎖のヌクレオチドとWatson−Crick塩基対形成するように、その二重鎖を構成するポリヌクレオチド鎖またはオリゴヌクレオチド鎖が、互いと二本鎖構造を形成することを意味する。この用語はまた、デオキシイノシン、2−アミノプリンを有するヌクレオシドなどのような使用され得るヌクレオシドアナログの対合を含む。三重鎖の言及において、この用語は、三重鎖が完全に一致した二重鎖および3番目の鎖から構成され、この三重鎖において、全てのヌクレオチドが、完全に一致した二重鎖の塩基対と、Hoogsteen結合または逆Hoogsteen結合していることを意味する。逆に、タグとオリゴヌクレオチドとの間の二重鎖における「ミスマッチ」は、二重鎖または三重鎖におけるヌクレオチドの対、または三つ組が、Watson−Crick結合および/またはHoogsteen結合および/または逆Hoogsteen結合をしないことを意味する。本明細書で使用される場合、相補的なオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド間の「安定な二重鎖」は、このような化合物の有意な割合が、一本鎖形態と対照的に互いに二重鎖形態または二本鎖形態であることを形成することを意味する。好ましくは、このような有意な割合は、低濃度で鎖の少なくとも10%であり、より好ましくは、鎖の30%である。
本明細書で使用される場合、「ヌクレオシド」は、天然のヌクレオシドを含み、2’−デオキシ型および2’−ヒドロキシル型を含む(例えば、KornbergおよびBaker、DNA Replication、第2版(Freeman、San Francisco、1992)に記載される)。ヌクレオシドの言及における「アナログ」は、修飾された塩基部分および/または修飾された糖部分を有する合成ヌクレオシド(例えばScheit、Nucleotide Analogs(John Willey、New York、1980);UhlmanおよびPeyman、Chemical Reviews、90:543〜584(1990)などによって記載される)を含むが、ただしそれらが特異的なハイブリダイゼーションを行うことができる。このようなアナログは、結合特性を向上させるため、複雑性を減らすため、特異性を高めるなどのために設計された合成オリゴヌクレオシドを含む。
プローブの少なくとも一つの領域が、核酸配列の相補体の少なくとも一つの領域と実質的な配列同一性を共有する場合、そのプローブは、そのヌクレオチド配列に「完全にハイブリダイズできる」。「実質的な配列同一性」は、少なくとも約80%の配列同一性であり、好ましくは、少なくとも約85%であり、より好ましくは、少なくとも約90%であり、最も好ましくは100%である。DNA配列およびRNA配列の配列同一性を決定する目的のためには、UおよびTは、同じヌクレオチドであるとみなされることに、留意すべきである。例えば、配列ATCAGCを含むプローブは、配列GCUGAUを含む標的RNA配列にハイブリダイズすることができる。
クロマトグラフィー分離の言及において、「順相」は分離が、極性の固定相およびより低い極性の移動相を使用することによって、親水性および親油性に基づいて機能操作することを意味する。従って疎水性の化合物は、親水性の化合物よりも速く溶出する。順相クロマトグラフィーのための固相の例示的な基は、アミン(−NH)基およびヒドロキシル(−OH)基である。
クロマトグラフィー分離の言及において「逆相」は、親水性および親油性に基づいて、分離が機能する。固定相は通常、n−アルキル鎖またはフェニル基が共有結合したシリカベースの充填剤から構成される。例えば、マトリックスにおいて、C−8は、オクチル鎖を示し、C−18はオクタデシルリガンドを示す。マトリックスが各々のリガンドにおいてより疎水性になるほど、カラムが疎水性の部分を保持する傾向が高くなる。従って親水性の化合物は、疎水性の化合物が行うよりも速く溶出する。
クロマトグラフィー分離の言及における「イオン交換」は、固定相の対イオンとのサンプル中のイオンの選択交換に基づいて、分離が機能することを意味する。イオン交換は、重合体マトリックスに結合した電荷保有官能基を含むカラムを用いて行われる。機能的イオンは、永続的にカラムに結合し、そして各々は、結合した対イオンを有する。サンプルはそれ自身のイオンと、固定相の対イオンとの交換によって保持される。次いで移動相が固定相からサンプルイオンを置換するという移動相がなす特性を老化させる(すなわち、pHを変化させる)ことによって、サンプルはカラムから溶出される。
本明細書中で使用される場合、用語「Tm」は「融解温度」の言及において使用される。融解温度は、二本鎖の核酸分子の集団が、一本鎖になるように半分に解離する温度である。核酸のTmを計算するための方程式は、当該分野で周知である。標準的な参考文献に示されるように、Tmの簡単な見積もり値は、核酸がIM NaClの水溶液中にある場合、方程式Tm=81.5+0.41(%G+C)によって計算され得る。(例えば、AndersonおよびYoung、Quantitative Filter Hybridization、in Nucleic Acid Hybridization(1985)を参照のこと)。他の参考文献(例えば、Allawi、H.T.&SantaLucia、J.Jr.、Biochemistry 36、10581〜94(1997))は、算出の代替的な方法を含み、この方法は、配列の特徴に加えて、構造的特徴、環境特徴をTmの計算のために考慮に入れる。
本明細書および請求項中における用語「サンプル」は、広い意味で使用されている。一方で、それは試料や培養物(例えば、微生物学的な培養物)を含むことを意味する。他方では、それは、生物学的サンプルおよび環境的サンプルを含むことを意味する。サンプルは、合成起源物の試料を含み得る。生物学的サンプルは、液体食料および固体食料ならびに飼料作物そして乳製品のような成分、野菜、肉および肉製品、そして廃棄物に加えて、動物(ヒトを含む)、流体、固体(例えば糞)または組織であり得る。生物学的サンプルは、患者から採集される材料を含み得、これらとしては培養物、血液、唾液、脳脊髄液、胸水、乳液、リンパ、痰、精液、針吸引物などが挙げられるがこれに限定されない。生物学的サンプルは、様々な種の家畜全ておよび野生または野生種の動物から獲得され得、これらの動物としては、有蹄類のような動物、熊、魚、げっ歯類などを含むが、それに限定されない。環境的サンプルは、表面物質のような環境材料、土壌、水および工業的サンプル、ならびに食料および乳製品加工器具、装置、機器、用具、使い捨て品、非使い捨て品から獲得されるサンプルを含む。これらの例示は、本発明に適用可能なサンプルの型を限定すると解釈されるべきではない。
アッセイ条件の言及における用語「等温の」は、本発明による結合する化合物の切断が実行される、一律または定常の温度を意味する。標的ポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドにプローブをハイブリダイズすることによって形成される二重鎖が、遊離プローブまたはハイブリダイズしていないプローブ、および遊離プローブまたはハイブリダイズしていない標的ポリヌクレオチド配列との平衡にある(プローブのポリヌクレオチドに「可逆的にハイブリダイズされる」として本明細書中で言及される条件)ように、この温度は選択される。標準的には、少なくとも1%、好ましくは20%〜80%、通常95%以下のポリヌクレオチドが、等温の条件下でプローブにハイブリダイズする。従って、等温条件下でプローブとハイブリダイズしたポリヌクレオチドの分子、またはその一部が存在し、そしてそれらは、プローブにハイブリダイズしていない分子と動的に平衡状態である。温度のいくらかの変動が生じ得ても、本発明の利益は達成される。この変動は、一般的に、本発明の方法を実行するためには必ずしも必要とされず、そして通常、実質的な改善を提供しない。従って、用語「等温の」は、変動している温度、特に温度の任意の変動または温度の制御されない変動の使用を含むが、いくつかの公知の増幅手順(例えば、ポリヌクレオチドメラーゼ連鎖反応)で使用される、熱サイクルとして記載される温度の変動の型を特に排除する。
本明細書中で使用される場合、用語「キット」とは、材料を送達するための任意の送達システムをいう。反応アッセイの文脈において、このような送達システムは、反応試薬(例えば、適切な容器中のプローブ、酵素など)および/または貯蔵、輸送または一つの位置から他の位置への送達を可能にするシステム支持材料(例えば、緩衝液、アッセイを実行するために記載した指標など)を含む。例えば、キットは、関連反応試薬および/または支持物質を含む、一つ以上の囲い物(例えば、箱)を含む。このような内容物は、一緒にまたは別々に意図したレピシエントに送達され得る。例えば、第一の容器は、アッセイで使用するための酵素を含み得、一方第二の容器はプローブを含む。
「ポリペプチド」とは、一つのアミノ酸のカルボキシ基と他のアミノ酸のアミノ基との間の水の除去による、アミド結合によって化学的に結合したアミノ酸残基を含む化合物の類をいう。ポリペプチドは、アミノ酸残基の重合体であり、多数のこのような残基を含み得る。一般的に、それらが少ない数のアミノ酸を含むこと以外は、ペプチドは、ポリペプチドと同様である。ペプチドは、ときどきオリゴペプチドといわれる。ペプチドとポリペプチドとの間には、明らかにはっきりとした区別はない。便宜上、開示および特許請求の範囲において、用語「ポリペプチド」は、一般的にペプチドおよびポリペプチドをいうために使用される。アミノ酸残基は、天然または合成物であり得る。
「タンパク質」とは、ポリペプチドをいい、通常生物の細胞によって合成され、規定された3次元構造に折りたたまれる。タンパク質は、通常、約5,000〜約5,000,000かそれ以上の分子量であり、より通常、約5,000〜約1,000,000の分子量であり、そしてアセチル化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスホチジルイノシトールの共有結合、架橋、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有架橋結合の形成、シスチンの形成、ピログルタメートの形成、ホルミル化、γ−カルボキシル化、グルコシル化、GPIアンカー(anchor)形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、そしてユビキチン化のような翻訳後修飾を含み得る(例えば、Wold、F.、Post−translational Protein Modifications:Post−translational Covalent Modification of ProteinsにおけるPerspectives and Prospects、pgs.1〜12、B.C.Johnson、Ed.、Academic Press、New York(1983))。タンパク質としては、例示として、サイトカインまたはインターロイキン、酵素(例えばキナーゼ、プロテアーゼ、ガラクトシダーゼなど)、プロタミン、ヒストン、アルブミン、免疫グロブリン、硬タンパク質、リンタンパク質、ムコタンパク質、色素タンパク質、リポタンパク質、核タンパク質、糖タンパク質、T−細胞レセプター、プロテオグリカン、非分類タンパク質、(例えば、ソマトトロピン、乳腺刺激ホルモン、インスリン、ペプシン、ヒトの血漿に見られるタンパク質、血液凝集因子、血液分類因子、タンパク質ホルモン、癌抗原、組織特異的抗原、ペプチドホルモン、栄養性マーカー、組織特異的抗原および合成ペプチド)が挙げられるが、これに限定されない。
(発明の詳細な説明)
一局面において、本発明は、結合反応の結果としての微粒子結合分子タグを放出することによって、サンプル中の一つ以上の分析体の存在および/または量を決定するための方法および組成物に関する。結合反応は、分析体と微粒子結合分子タグに作動可能に結合した結合部分との間である。通常、結合部分は、同じ微粒子に結合することによって、特定の種の分子タグに作動可能に連結される。一実施形態においてこのような結合部分は、結合した増感剤を有する第二の結合部分と共に、分析体に結合する。このような結合事象は、微粒子上の分子タグを、増感剤に効果的に近接させる。標的分析体が、ポリヌクレオチドである場合、両方の結合部分は、このようなポリヌクレオチドに特異的なオリゴヌクレオチドを含む。標的分析体が、タンパク質である場合、または約4〜6000ダルトンより大きい分子量を有する他の分析体である場合、結合部分は、両方とも抗体結合組成物であり得る。標的分析体が、生物学的細胞の表面膜レセプターである場合、微粒子に結合した結合部分は、レセプターのリガンドまたは候補リガンドである。後者の実施形態において、増感剤は、レセプターと同じ膜に配置される脂質−光増感剤結合体であり得る。
本発明の組成物を使用する方法は、同質型、または異質型のどちらでも操作され得る。同質型の一つの実施形態は、図1に示される。分子タグ(「T」、「T」、「T」)(101)および第一の結合部分(「B」、「B」、「B」)(103)で誘導体化した微粒子の混合物(100)は、標的分析体(「A」、「A」、「A」)(102)ならびに、第一の結合部分(105)および光増感剤(「PS」)(107)の複合体を含む、第二の結合組成物(「B’−PS」)(104)と混合される。アッセイ条件は、複合体(108)が第一および第二の結合部分ならびに標的分析体が形成するように選択される。このような複合体の形成を可能にするインキュベート期間の後に、このアッセイ混合物に、光増感剤(107)を励起させる光を照射し(110)、その結果、それらは分子酸素と反応して一重項酸素(111)を生成し、次いで、この一重項酸素が切断可能な結合(「L」)(113)と反応して、分子タグ(101)を放出する。このようなインキュベーション期間は、結合部分および分析体の性質に依存して数分(例えば、15分)から数時間(例えば2時間、4時間、8時間まで)、数分から一晩まで変化し得る。次いで放出された関係する分子タグは、アッセイ混合物から分離され(114)、標的分析体の存在、不在および/または量が決定されるから分離プロファイル(116)を生じる。
異質型は、増感剤が長寿の分子実体であるか、または限られた範囲(例えば、切断可能な結合が、光切断である場合は光、切断可能な結合が、酸に不安定の場合は酸など)ではなく反応混合物全体に渡って作用する場合、所望され得る。このような実施形態において、形成後、複合体を含む微粒子(108)は、このような複合体を欠く微粒子から分離され、その後、それらは上記に記載されるように処理される。
以下により十分に記載されるように、標的分析体は、放出された分子タグの分離および同定によって決定される。電気泳動の移動度、分子量、形、溶解度、pKa、疎水性、電荷、電荷/質量比、極性などを含むが、それに限定されない分離される分子間の一つ以上の物理的、化学的または光学的な差違に基づいて分子を区別し得る、広い範囲の分離技術が使用され得る。一局面において、多数の中の分子タグは、電気泳動的の移動度および光学的検出の特徴の点で異なっており、そして電気泳動によって分離される。他の局面において、多数中の分子タグは、分子量、形、溶解度、pKa、疎水性、電荷、極性の点で異なっており、そして順相または逆相HPLC、イオン交換HPLC、キャピラリー電気クロマトグラフィーなどの技術によって分離される。
本発明の他の局面は、分子タグが微粒子から放出された後に、使用される分離技術によって、区別可能なバンドおよびピークに分離され得る分子タグのセットを提供することである。セット内の分子タグは、化学的に多様であり得る;しかし便宜上、分子タグのセットは、通常化学的に関連している。例えば、以下により十分に記載されるように、それらはすべてペプチドであり得るか、あるいはそれらは、同じ基本的なビルディングブロックまたは単量体の異なった組み合わせから成り得るか、異なった分離特性を付与するために、異なる置換基群を有する同じ基本足場を利用して合成し得る。多数の中の分子タグの数は、使用される分離様式を含むいくつかの因子、検出のための分子タグで使用される標識、結合部分の感度、切断可能な結合が切断される効率などに依存して変化し得る。一局面において、多数中の分子タグの数は、2〜数百の範囲である(例えば、200)。他の局面において、この多数の規模は、5〜100の範囲であり得、そして通常は、5〜50の範囲、または5〜30の範囲、または5〜20の範囲である。
(分子タグおよび結合部分のための微粒子支持体)
一局面において、本発明の組成物は、切断可能な結合の方法によって共有結合した分子タグを有する微粒子の混合物を含む。通常、各々の微粒子は一種類のみの結合した分子タグを有するので、異なる分子タグは、異なる微粒子に結合する;しかし、いくつかの実施形態において、二種類以上の異なる分子タグは、同じ微粒子に結合し得る。本発明の組成物はまた、切断可能な結合によって共有結合した分子タグおよび共有結合または非共有結合のいずれかで結合した結合部分の両方を有する微粒子の混合物を含む。上記のように、通常、分子タグおよび結合部分の両方が微粒子に結合する場合、一種類の分子タグの一種類の結合部分の対のみが、同じ微粒子に結合する;従って、異なる分子タグ−結合部分の対は異なる微粒子に結合する。微粒子における分子タグの結合部分に対する比率は、当業者によって容易に変化させられ、そして特定のアッセイの必要条件に依存する。本発明の他の実施形態は、単一の微粒子上に多数の分子タグおよび/または多数の結合部分の組み合わせを含む。このような実施形態に基づいて本発明の組成物を作製することは、特定のアッセイの必要条件に依存して当業者に利用可能な設計事項である。
本発明で使用する微粒子は、分子タグおよび/または結合部分の共有結合を許容する多くの異なる官能基で誘導体化され得る。このような官能基としては、アミノ、カルボキシ、ヒドロキシル、ヒドラジド、クロロメチル、シラノールなどが挙げられるが、これに限定されない。分子タグを、微粒子上の官能基分子タグの前駆体上の相補的官能基と反応することによって結合する。例えば、カルボキシルで修飾された微粒子は、水溶性のカルボジイミド架橋剤を介して、分子タグの相補的アミノ官能基にカップリングし得、アミノで修飾された微粒子は、グルタルアルデヒド架橋剤を介して分子タグの相補的アミノ官能基にカップリングされ得、ヒドロキシルで修飾された微粒子は、臭化シアンを介して分子タグの相補的アミノ官能基にカップリングされ得るなど。広範囲の説明は、微粒子に分子タグ、および抗体のような結合部分を共有結合で連結することに関して文献に見いだされ得る(例えば、Bangs Labortories(Fishers、IN)Technical Note 205(2002年3月30日);Hermanson、Bioconjugate Techniques、(Academic Press、New York、1996)など)。
一局面において、カルボキシル誘導体化微粒子(Bangs Laboratories、Fishers、INから多くのサイズおよび種類が入手可能)を、分子タグの相補的官能基および/または結合部分と反応するためのアミノ誘導体化された表面を作製するために、ポリリジン、アミノデキストランなどのような重合体のキャリア分子で処理する。好ましくは、カルボキシル誘導体化微粒子を、分子タグ上および/または結合部分上のアミン反応基と反応するための、それらの表面を調製するためにアミノデキストランで処理する(例えば、Pollner、米国特許第6,346,384;号およびPatel、国際特許公開WO01/90399;によって開示される(これらは両方とも参考として援用される)。
本発明の一局面において、分子タグおよび抗体は、以下に記載されるようにアミノ誘導体化微粒子に結合する(例えば、ヒドロキシプロピルアミノデキストランでコーティングしたミクロスフェア)。好ましくは、結合は2のプロセスで実行される。第一段階では、分子タグのNHS−エステルおよびNHS−エステル架橋剤の混合物を微粒子の遊離アミンと反応させる。混合物中の各々の化合物の割合は、微粒子の表面上の所望される分子タグの抗体に対する割合、相対的反応速度、このプロセスの第二段階の反応の効率などを含むいくつかの因子に依存する。多数の適切な架橋剤が使用され得、これらとしては、スクシニミジル6−((ヨードアセチル)アミノ)]ヘキサノエート(SIAX)、スクシンイミジル6−[6−(((ヨードアセチル)アミノ)ヘキサノイル)アミノ]ヘキサノエート(SIAXX)、N−スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)および当該分野で周知の同様の化合物が挙げられ得るが、これに限定されない(例えば、Hermanson(以前に引用した);Haugland、Handbook of Fluorescent Probes and Research Products、第9版(Molecular Probes、Eugene、OR、2002))。第二段階において、適切に誘導化された抗体結合部分は、SIAXのヨードアセチル部分のような架橋剤の他方の官能基と反応させる。例として、このような反応に対して、抗体結合部分のアミノ基は、N−スクシンイミジル−S−アセチルチオアセテート(SATA)で処理することによってスルフヒドリル基に転換され得る(例えば、Hermanson(以前に引例した))。
本発明の他の局面において、分子タグおよび結合部分は、分子タグおよび結合部分のビオチン化形態ならびにアビジン化された微粒子を提供することによって、微粒子に結合され得る。次いで、ビオチン化された分子タグおよびビオチン化された結合部分(例えば、抗体)の混合物は、結合のためにアビジン化された微粒子と混合し得る。抗体、そのフラグメントまたは他のタンパク質のような結合部分は、市販の試薬(例えば、ビオチンのNHS−エステル(Pierce Chemical Co.))を使用することで、容易にビオチン化される。
さらに他の局面において、分子タグおよびオリゴヌクレオチドを、以下に記載されるようにアミノ誘導化に結合する:微粒子(例えば、ヒドロキシプロピルアミノデキストランでコーティングしたミクロスフェア)、Pollner(上記で引用した);Patel(上記で引用した);またはBeaudetら、Genome Research、11:600〜608(2001)(これらはこの教示に関して参考として援用される)。
一旦、微粒子が、複数の異なる分子タグおよび/または結合部分によって、別々に誘導化されると、それらは本発明の組成物を産生するためにプールされる。通常、異なる種類の微粒子はそれぞれ同じ割合で組成物中に存在する;しかし、特定の微粒子の1つまたはサブセットが、特定の実施形態またはアッセイに対する好ましさ、あるいは必要条件に依存してより高い割合またはより低い割合で存在する。
(分子タグおよび切断可能な結合)
一実施形態において、分子タグは、切断誘導部分によって生成される活性種(例えば、一重厚酸素)との切断可能な結合の反応によって微粒子から切断する(例えば、Singhら、国際特許公開WO01/83502)。切断可能な結合は、放出された分子タグ構造を分解しないかまたは放出された分子タグの特性を検出に影響しない条件下で切断され得る、実質的に任意の化学結合部分であり得る。本発明の組成物が同質のアッセイ形式で使用される場合はいつでも、分子タグを微粒子に保持する切断可能な結合は、短い距離にわたって作用する切断剤によって切断され、その結果、それに近接した切断可能な結合のみが切断される。代表的に、このような剤は、切断を行うために切断可能な結合まで拡散する短寿命の活性種をこの剤が産生する、物理的または化学的な変化を反応混合物に起こすことによって活性化されなければならない。同質の形式において、切断剤は、好ましくは、抗体のような結合剤に結合し、活性化に先立って特定の部位を切断剤の標的とする(例えば、分析体で、結合化合物の近接において)。
非同質形式または異質形式において、結合化合物と分析体との間の安定的な複合体は、結合していない結合化合物から分離される。従って、切断可能な結合および切断剤の広い範囲の選択は、本発明における使用に利用可能である。切断可能な結合は、一重項酸素のような局所的に作用する反応性活性種との反応に対して不安定である結合を含むだけでなく、塩基に不安定な結合の全てを切断する、全ての光切断可能な結合を切断する適切な波長の光による全体の照射などのように、反応混合物全体に機能するする剤に対して不安定な結合もまた含む。一般に反応混合物全体に渡って作用する剤によって切断可能なさらなる結合は、還元によって切断可能な結合、酸化によって切断される結合、酸に不安定的な結合、特定のプロテアーゼによって切断可能なペプチド結合などを含む。多くのこのような結合を記載する参考文献は、GreeneおよびWuts、Protective Groups in Organic Synthesis、第二版(John Wiley&Sons、New York、1991);Hermanson、Bioconjugate Techniques(Academic Press、New York、1996);およびStillら、米国特許第5,565,324号を含む。
本発明の局面は、複数の異なる微粒子の混合物を提供することを含み、ここで、各々の異なる微粒子は切断可能な結合を通して結合した一以上の分子タグを有する。他の局面において、このような微粒子は、分子タグおよび結合部分の結合対を有する。結合部分は、アッセイ条件下で、分析体とともに安定な複合体を形成することが可能な化合物である。結合部分、切断可能な結合および分子タグの性質は、広い範囲で変化し得る。結合部分は、抗体結合組成物、抗体、ペプチド、細胞表面レセプターのペプチドリガンドまたは非ペプチドリガンド、オリゴヌクレオチド、ペプチド核酸のようなオリゴヌクレオチドアナログ、レクチンまたは、目的の分析体と特異的結合または複合体形成することが可能であり、かつ微粒子と結合され得る任意の他の分子実体であり得る。一局面において、微粒子に結合される分子タグは、式;
P−(L−E)
で示され得る。ここでPは、微粒子であり;Lは切断可能な結合であり;そしてEは分子タグである。好ましくは、非ポリヌクレオチド分析体に対する同質アッセイにおいて、切断可能な結合Lは酸化に不安定な結合であり、より好ましくは、それは一重項酸素によって切断され得る結合である。部分「−(L−E)」は、単一の微粒子が、切断可能な結合を介して結合する多くの分子タグを有することを示す。一局面において、kは数百(例えば100〜500)より大きい整数であるか、またはkは週百から数千程度(例えば、500〜5000)より大きい。本発明の組成物内で、複数の微粒子の異なる型の微粒子の各々は、異なる分子タグEを有する。切断可能な結合(例えば、酸化に不安定な結合)および分子タグEは、従来の化学的によってPに結合される。
Lが酸化に不安定である場合、Lは好ましくはチオエーテルまたはそのセレンアナログ;または炭素−炭素二重結合を含むオレフィンであり、ここでオキソ基への二重結合の切断は、分子タグEを放出する。例示的なオレフィンとしては、ビニルスルフィド、ビニルエーテル、エナミン、炭素原子にα−メチン(CH、少なくとも一つの水素原子を有する炭素原子)を置換したイミンが挙げられ、ここでビニル基は環中にあり得るか、ヘテロ原子は環中にあり得るか、または環状オレフィンの炭素原子上で置換され、そして1から4までのオレフィンの炭素原子に結合した少なくともヘテロ原子が存在する。結果生じるジオキセタンは、通常約75℃以下で周囲温度を越えて加熱することにより、酸または塩基の反応により、あるいは光増感剤の不在または存在下における光活性化によって、自発的に分解し得る。このような反応は、以下の例示的参考文献に記載される:AdamおよびLiu、J.Amer.Chem.Soc.94、1206〜1209、1972、Andoら、J.C.S.Chem.Comm.1972、477−8、Andoら、Tetrahedron29、1507〜13、1973、Andoら、J.Amer.Chem.Soc.96、6766〜8、1974、AndoおよびMigita,ibid.97,5028−9,1975、WassermanおよびTerao,Tetra.Lett.21,1735−38,1975、AndoおよびWatanabe、ibid.47、4127〜30、1975、Zaklikaら、Photochemistry and Photobiology 30、35〜44、1979、ならびにAdamら、Tetra.Lett.36、7853〜4、1995。米国特許第5,756,726号もまた参照のこと。
ジオキセタンの形成は、一方の炭素原子において分子タグで置換されるおよびオレフィンの他方の炭素原子において結合部位で置換される活性化オレフィンとの、一重項酸素の反応によって得られる。例えば、米国特許第5,807,675号を参照のこと。これらの切断可能な結合は、以下の式:
−W−(X)α=Cβ(Y)(Z)
によって示される。
ここで:
Wは、結合、ヘテロ原子(例えば、O、S、N、P、M(安定な共有結合を形成する金属を示す))またはカルボニル、イミノなどの官能基であり得、そしてXまたはCαに結合し得る;
少なくとも一つのXは、脂肪族、芳香族、脂環式またはヘテロ環式そしてヘテロ原子(例えば、N、OまたはS)を介してCαに結合し、そして他のXは同じまたは異なり得、そしてさらに水素、脂肪族、芳香族、脂環式またはヘテロ環式であり得、通常は、芳香族または芳香族へテロ環式であり、ここで一つのXは、Yと一緒になって、それらが結合する炭素原子とともに環(通常はヘテロ環式環)を形成し得、一般的に、水素以外の場合、約1〜20までの炭素原子、通常1〜12の炭素原子、より通常は、1〜8の炭素原子であり、そして一方のXは0〜6のヘテロ原子、通常、0〜4のヘテロ原子を有し、他方のXは少なくとも一つのヘテロ原子そして6までのヘテロ原子を有し、通常1〜4のヘテロ原子を有し;
通常、YはXの定義の範囲内にありヘテロ原子を介してCβに結合し、そして示されるようにXとヘテロ環式環を形成し得る;
上記のように、Zは、通常、芳香族であり、約4〜12、通常は4から10の炭素原子および0〜4のヘテロ原子のヘテロ環式芳香族を含み、上記のように直接Cβに結合するかまたはヘテロ原子を介して結合し;
nは、分子タグがCαまたはXに結合するかに依存して、1または2であり;
ここでYおよびZの一つは、結合部分に結合する官能基を有するまたは、結合部分に結合する(例えば、結合部分Tとして作用するか、または、結合部分への結合基を含むことによって)。
好ましくは、W、X、YおよびZは、切断の際に分子タグEが以下に記載されるサイズ限界内にあるように選択される。
例示的な切断可能な結合としては、S(分子タグ)−3−チオールアクリル酸、N(分子タグ)、N−メチル4−アミノ−4−ブテン酸、3−ヒドロキシアクロレイン、N−(4−カルボキシフェニル)−2−(分子タグ)−イミダゾール、オキサゾールおよびチアゾ−ルが挙げられる。
以下の式の二価基で9位において置換されるN−アルキルアクリジニル誘導体もまた興味がもたれ:
−(CO)X(A)−
ここで:
はO、S、NおよびSeからなる群から選択されるヘテロ原子であり、通常は、始めの3つのうちの1つであり;そして
Aは、分子タグで置換された少なくとも2つの炭素原子(通常6以下の炭素原子)の鎖であり、ここで好ましくは、Aの他の原子価は、水素によって充足されるが、この鎖は、アルキル、アリール、ヘテロ環式基などのような他の部分で置換され得、Aは一般的に10以下の炭素原子である。
置換されたイミダゾール、チアゾール、オキサゾールなどのように、により代表されるようなジヘテロシクロペンタジエンのようなヘテロ環式化合物もまた興味が持たれ、ここでこれらの環は、通常、少なくとも一つの芳香族基で置換され、そしていくつかの場合、加水分解は分子タグの放出に必要である。
テルル(Te)誘導体もまた興味が持たれ、ここでTeは、Te原子に対してβの水素原子を有するエチレン基に結合し、ここでこのエチレン基は脂環式環またはヘテロ環式環であり、そしてオキソ基を有し得、好ましくは芳香族環に結合し、そしてTeの他の原子価は、分子タグに結合する。この環は、クマリン、ベンゾオキサジン、テトラリンなどであり得る。
いくつかの好ましい切断可能な結合および、それらの切断産物を、図6A〜Fに示す。図6Aに示されるチアゾール切断可能な結合「−CH−チアゾール−(CH−C(=O)−NH−タンパク質」は、部分「−CH−C(=O)−NH−CHO」を含む分子タグを生じる。好ましくは、nは1〜12の範囲にあり、そしてより好ましくは、1〜6の範囲である。図6Bに示されるオキサゾールの切断可能な結合「−CH−オキサゾール−(CH−C(=O)−NH−タンパク質」は、部分「−CH=−C(=O)O−CHO」を含む分子タグを生じる。オレフィンの切断可能な結合(図6C)は、上記の結合化合物の実施形態「P−L−M−D」に関して示されており、そしてDは、フルオロレセイン色素である。このオレフィンの切断可能な結合は、他の実施形態にも使用され得る。例示したオレフィン結合の切断は分子タグの形態:「R−(C=O)−M−D」を生じ、ここで「R」は、上記の提供した分子タグEの一般的な記載内にある任意の置換基であり得る。好ましくは、Rは電子供与基である(例えば、Ullmanら、米国特許第6,251,581号;SmithおよびMarch、March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions、Mechanisms,and Structure、第5版(Wiley−Interscience、New York、2001)など)。より好ましくは、Rは、O、SおよびNからなる群から選択される1〜8の炭素原子および0〜4のヘテロ原子を有する電子供与基である。さらに好ましくは、Rは、−N(Q)、−OQ、p−[CN(Q)]、フラニル、n−アルキルピロリル、2−インドリルなどであり、ここでQはアルキルまたはアリールである。図6Cのオレフィンの切断可能な結合をさらに参照して、置換基「X」および「R」は、切断可能な結合Lを記載する上記の式の置換基「X」および「Y」に等しい。特に、図6CのXは、好ましくはモルホリノ、−OR’または−SR’’であり、ここでR’およびR’’は、脂肪族、芳香族、脂環式、または1〜8の炭素原子ならびにO、SおよびNからなる群から選択される0〜4のヘテロ原子を有するヘテロ環式である。好ましいチオエーテルの切断可能な結合は、図6Dに示され、形態「−(CH−S−CH(C)C(=O)NH−(CH−NH−」を有し、ここでnは2〜12の範囲であり、そしてより好ましくは2〜6の範囲にある。図6Dに示す型のチオエーテルの切断可能な結合は、図6Eおよび図6Fに示す前駆体化合物によって結合部分Tおよび分子タグEに結合し得る。結合部分Tのアミノ基に結合するために、末端ヒドロキシルは、従来の化学によってNHSに転換される。アミノ基との反応および結合の後、Fmoc保護基は、除去されて遊離アミンを生成し、この遊離アミンは次いで、図1、図2および図4の図式によって生成される化合物のように、分子タグのNHSエステルと反応するが、最終反応工程がホスホルアミダイト基の代わりにNHSエステルの添加であることを除く。
分子タグEは、水溶性の有機化合物であり、活性種、特に一重項酸素に対して安定であり、そして検出基およびレポーター基を含む。そうでなければ、Eはサイズおよび構造について広い範囲で変化し得る。一局面において、Eは、約100ダルトン〜約2500ダルトンの範囲の分子量を有し、より好ましくは、約100ダルトン〜1500ダルトンの分子量を有する。Eの好ましい構造を、以下により十分に記載する。検出基は、電子化学的シグナル、蛍光シグナルまたは発色シグナルを生成し得る。好ましくは、この検出基は、蛍光シグナルを生成する。
多数の組成物中の分子タグは、各々、独特のクロマトグラフィー分離特性および/またはの同じ多数の他のメンバーに関する独特の光学的な特性のいずれかを有する。一局面において、クロマトグラフィー分離特性は、分離に使用されるカラムにおける保持時間である。他の局面において、光学的な特性は、発光スペクトル、蛍光寿命、所定の波長または波長のバンドにおける蛍光度などのような蛍光特性である。好ましくは、この蛍光特性は、蛍光強度である。例えば、複数の分子タグの各々は、同じ蛍光発光特性を有し得るが、各々は選択したカラムにおける独特の保持時間によって、互いに異なる。他方では、多数の分子タグの内の2つ以上は、同一の保持時間を有し得るが、これらは独特の蛍光特性(例えば、スペクトル分解可能な発光スペクトル)を有するので、多数のメンバーの全ては、分子分離および蛍光測定法の組み合わせによって区別可能である。
一局面において、分子タグEは「(M,D)」であり、ここでMは移動度改変部分であり、そしてDは検出部分である。表記「(M,D)」は、M部分およびD部分の順番が、いずれの部分も切断可能な結合Lに隣接し得るような順番であり得ることを示す。すなわち「P−L−(M,D)」は、二つの形態「P−L−M−D」または「P−L−D−M」のいずれかの結合化合物を示す。
検出部分Dは、蛍光標識または色素、発色標識または色素、電気化学的標識などであり得る。好ましくは、Dは、蛍光色素である。本発明で使用するための例示的な蛍光色素としては、水溶性ローダミン色素、フルオレセイン、4,7−ジクロロフルオレセイン、ベンゾキサンテン色素およびエネルギー移動色素が上げられ、以下の参考文献に開示される:Handbook of Molecular Probes and Research Reagents、第8版(Molecular Probes,Eugene、2002);Leeら、米国特許第 6,191,278号;Leeら、米国特許第6,372,907号;Menchenら、米国特許第6,096,723号;Leeら、米国特許第5,945,526号;Leeら、Nucleic Acids Research、25:2816〜2822(1997);Hobb,Jr.,米国特許第4,997,928号;Khannaら、米国特許第4,318,846号;Reynolds、米国特許第3,932,415号;Eckertら、米国特許第2,153,059号;Eckertら、米国特許第2,242,572号;Taingら、国際特許公報WO02/30944など。さらに特定の例示的な蛍光色素としては、5−カルボキシローダミン6Gおよび6−カルボキシローダミン6G;5−カルボキシ−X−ローダミンおよび6−カルボキシ−X−ローダミン、5−カルボキシテトラメチルローダミンおよび6−カルボキシテトラメチルローダミン、5−カルボキシフルオレセインおよび6−カルボキシフルオレセイン、5−カルボキシ−4,7−ジクロロフルオレセインおよび6−カルボキシ−4,7−ジクロロフルオレセイン、2’,7’−ジメトキシ−5−カルボキシ−4,7−ジクロロフルオレセインおよび2’,7’−ジメトキシ−6−カルボキシ−4,7−ジクロロフルオレセイン、2’,7’−ジメトキシ−4',5'−ジクロロー5−カルボキシーフルオロレセインおよび2',7'−ジメトキシ−4’,5’ジクロロー6−カルボキシ−フルオレセイン、2’,7’−ジメトキシ−4’,5’−ジクロロ−5−カルボキシ−4,7−ジクロロフルオレセインおよび2’,7’−ジメトキシ−4’,5’−ジクロロ−6−カルボキシ−4,7−ジクロロフルオレセイン、1’,2’,7’,8’−ジベンゾ−5−カルボキシ−4,7−ジクロロフルオレセインおよび1’,2’,7’,8’−ジベンゾ−6−カルボキシ−4,7−ジクロロフルオレセイン、1’,2’,7’,8’−ジベンゾ−4’,5’−ジクロロ−5−カルボキシ−4,7−ジクロロフルオレセインおよび1’,2’,7’,8’−ジベンゾ−4’,5’−ジクロロ−6−カルボキシ−4,7−ジクロロフルオレセイン、2’,7’−ジクロロ−5−カルボキシ−4,7−ジクロロフルオレセインならびに2’,7’−ジクロロ−6−カルボキシ−4,7−ジクロロフルオレセインおよび2’,4’,5’,7’−テトラクロロ−5−カルボキシ−4,7−ジクロロフルオレセインおよび2’,4’,5’,7’−テトラクロロ−6−カルボキシ−4,7−ジクロロフルオレセインが挙げられる。最も好ましくは、Dはフルオレセインまたはフルオレセイン誘導体である。
移動度改変部分Mのサイズおよび組成は、鎖において、結合(bond)から100原子で変化し得、通常は約60原子以下であり、より通常は約30原子以下であり、ここでこの原子は炭素、酸素、窒素、リン、ホウ素および硫黄である。通常、結合以外の場合、移動度改変部分は、約0〜約40のヘテロ原子を有し、より通常は約0〜約30のヘテロ原子を有し、上記に示されたヘテロ原子に加えてこのヘテロ原子はハロゲンまたは他のヘテロ原子を含み得る。水素以外の元素の全数は、一般的に約200原子よりも少なく、通常は約100原子よりも少ない。酸基が存在する場合、移動度改変部分が存在する媒体のpHに依存して、様々なカチオンは、この酸基と結合し得る。この酸は、有機または無機であり得、カルボシル、チオノカルボシル、チオカルボシル、ヒドロキサム酸、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、スルホン酸、スルフィン酸、ボロン酸、硝酸、亜硝酸などを含む。正電荷に関して、置換基は、アミノ(アンモニウムを含む)、ホスホニウム、スルホニウム、オキソニウムなどを含み、この置換基が一般的に約1〜6の炭素原子の脂肪族である場合、ヘテロ原子のあたりの炭素原子の総数は、通常約12よりも少なく、通常、約9よりも少ない。側鎖は、アミン、アンモニウム塩、ヒドロキシル基を含み、これらとしては、フェノール基、カルボキシル基、エステル、アミド、リン酸、ヘテロ環が挙げられる。Mはホモオリゴマーまたはヘテロオリゴマーであり得、同じ特徴か異なる化学的特徴の異なる単量体(例えば、ヌクレオチドおよびアミノ酸)を有する。
他の局面において、(M,D)部分はコンビナトリアルライブラリーの生成に使用される化学的足場から構築される。例えば、以下の参考文献は、多様化な移動度改変部分の生成において有用な足場化合物を記載する:ペプトイド(PCT公報番号WO91/19735、1991年12月26日)コードされたペプチド(PCT公報番号WO93/20242、1993年、10月14日)、ランダムバイオオリゴマー(PCT公報WO92/00091、1992年、1月9日)、ベンゾアゼピン(米国特許第5,288,514号)、ダイバーソマー(diversomeres)(例えばヒダントイン)、ベンゾジアゼピンおよびジペプチド(Hobbs DeWitt,Sら、Proc.Nat.Acad.Sci.U.S.A.90:6909〜6913(1993))、ビニルローグ(vinylogous)ポリペプチド(Hagiharaら、J.Amer.Chem.Soc.114:6568(1992))、β−D−グルコースの足場を有する非ペプチドペプチド模倣物(Hirschmann,Rら、J.Amer.Chem.Soc.114:9217〜9218(1992))、小化合物ライブラリーのアナログ有機合成(Chen,Cら、J.Amer.Chem.Soc.116:2661(1994))、オリゴカルバメート(Cho,C.Yら、Science 261:1303(1993))、ペプチジルホスホン酸(Campbell,D.A.ら、J.Org.Chem.59:658(1994));Chengら、米国特許第6,245,937号;Heizmannら、「Xanthines as a scaffold for molecular diversity」、Mol.Divers.2:171〜174(1997);Paviaら、Bioorg.Med.Chem.4:659〜666(1996);Ostreshら、米国特許第5,856,107号;Gordon,E.Mら、J.Med.Chem.37:1385(1994)など。好ましくは、この局面において、D足場状の置換基であり、そしてMは足場の残りの部分である。
さらに他の局面において、(M,D)部分は、同じまたは異なる、一般的または市販の、連結試薬、架橋試薬および標識試薬の1つ以上から構成され、これらは特に、合成の全てまたは一部で、市販のDNA合成機またはペプチド合成機を使用する、容易なアセンブリを可能にする。この局面において、(M,D)部分は、通常ホスホジエステル結合およびアミド結合で接続されたサブユニットから構成される。例示的な前駆体としては、ジメトキシトリチル(DMT)で保護したヘキサエチレングリコールホスホラミダイト、6−(4−モノメトキシトリチルアミノ)ヘキシル−(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)−ホスホラミダイト、12−(4−モノメトキシトリチルアミノ)ドデシル−(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)−ホスホラミダイト、2−[2−(4−モノメトキシトリチル)アミノエトキシ]エチル−(2−シアノエチル)、N,N−ジイソプロピル)−ホスホラミダイト、(S−トリチル−6−メルカプトヘキシル)−(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)−ホスホラミデート、5’−フルオレセインホスホラミダイト、5’−ヘキサクロロ−フルオレセインホスホラミダイト、5’−テトラクロロ−フルオレセインホスホラミダイト、9−O−ジメトキシトリチル−トリエチレングリコール、1−[(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホラミダイト、3(4,4’ジメトキシトリチロキシ)プロピル−1−[(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホラミダイト、5’−O−ジメトキシトリチル−1’,2’−ジデオキシリボース−3’−[(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホラミダイト、18−O−ジメトキシトリチルヘキサエチレングリコール、1−[(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホラミダイト、12−(4,4’−ジメトキシトリチルオキシ)ドデシル−1−[(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホラミダイト、1,3−ビス−[5−(4,4’−ジメトキシトリチルオキシ)ペンチルアミド]プロピル−2−[(2−シアノエチル)−(N、N−ジイソプロピル)]−ホスホラミダイト、1−[5−(4,4’−ジメトキシトリチルオキシ)ペンチルアミド]−3−[5−フルオレノメトキシカルボニルオキシペンチルアミド]−プロピル−2−[(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホラミダイト、トリス−2,2,2−[3−(4,4’−ジメトキシトリチルオキシ)プロピロキシメチル]エチル−[(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホラミダイト、スクシニンイミジルtrans−4−(マレイミジルメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(SMCC)、スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)、スクシンイミジルアセチルチオアセテート、テキサスレッド−X−スクシンイミジルエステル、5−カルボキシテトラメチルローダミンスクシンイミジルエステルおよび6−カルボキシテトラメチルローダミンスクシンイミジルエステル、ビス−(4−カルボキシピペリジニル)スルホンローダミンジ(スクシンイミジルエステル)、5−((N−(5−アミノペンチル)アミノカルボニル)テトラメチルローダミン)および6−((N−(5−アミノペンチル)アミノカルボニル)テトラメチルローダミン)、スクシンイミジル4−(p−マレイミドフェニル)ブチレート(SMPB);N−γ−マレイミドブチリル−オキシスクシンイミドエステル(GMBS);p−ニトロフェニルヨードアセテート(NPIA);4−(4−N−マレイミドフェニル)酪酸ヒドラジド(MPBH)などの試薬をが挙げられるが、これらに限定されない。上記の試薬は、市販されている(例えば、Glen Research(Sterling,VA)、Molecular Probes(Eugene,OR)、Pierce Chemicalなどの試薬販売業者)。従来の合成方法における上記の試薬の使用は、当該分野で周知である(例えば、Hermanson、Bioconjugate Techniques(Academic Press,New York,1996))。特に、Mは以下の試薬から構築され得る:ジメトキシトリチル(DMT)で保護されるヘキサエチレングリコールホスホラミダイト、6−(4−モトメトキシトリチルアミノ)ヘキシル−(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)−ホスホラミダイト、12−(4−モノメトキシトリチルアミノ)ドデシル−(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)−ホスホラミダイト、2−[2−(4−モノメトキシトリチル)アミノエトキシ]エチル−(2−シアノエチル)、N,N−ジイソプロピル)−ホスホラミダイト、(S−トリチル−6−メルカプトヘキシル)−(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)−ホスホラミダイト、9−O−ジメトキシトリチル−トリエチレングリコール、1−[(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホラミダイト、3(4,4’ジメトキシトリチルオキシ)プロピル−1−[(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホラミダイト、5’−O−ジメトキシトリチル−1’,2’−ジデオキシリボース−3’−[(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホラミダイト、18−O−ジメトキシトリチルヘキサエチレングリコール、1−[(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホラミダイト、12−(4,4’−ジメトキシトリチルオキシ)ドデシル−1−[(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホラミダイト、1,3−ビス−[5−(4,4’−ジメトキシトリチルオキシ)ペンチルアミド]プロピル−2−[(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]ホスホラミダイト、1−[5−(4,4’−)ジメトキシトリチルオキシ)ペンチルアミド]−3−[5−フルオレノメトキシカルボニルオキシペンチルアミド]−プロピル−2−[(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホラミダイト、トリス−2,2,2−[3−(4,4’−ジメトキシトリチルオキシ)プロピルオキシメチル]エチル−[(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホラミダイト、スクシンイミジルtrans−4−(マレイミジルメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(SMCC)、スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)、スクシンイミジルアセチルチオアセテート、スクシンイミジル4−(p−マレイミドフェニル)酪酸(SMPB);N−γ−マレイミドブチリル−オキシスクシンイミドエステル(GMBS);p−ニトロフェニルヨードアセテート(NPIA);および4−(4−N−マレイミドフェニル)酪酸ヒドラジド(MPBH)。
Mはまた、公知のポリマーサブユニット合成方法によって調製されるポリマー鎖を含み得る。選択された長さのポリエチレンオキシド含有鎖を形成する方法は周知である(例えば、Grossmanら、米国特許第5,777,096号)。これらの方法は、多様なポリマーが直接または連結基を介して、規定されたサイズの複数のサブユニットのポリマー単位を互いにカップリングする工程を方眼紙、これらの方法は、荷電または無荷電の連結基により連結される複数のサブユニットの単位から構成されるポリマーを含む、以下のような広範な種々のポリマーに適用可能である:ポリエーテル(例えば、ポリエチレンオキシドおよびポリプロピレンオキシド)、ポリエステル(例えば、ポリグリコール酸、ポリ乳酸)、ポリペプチド、オリゴサッカリド、ポリウレタン、ポリアミド、ポリスルホンアミド、ポリスルホキシド、ポリホスホネートおよびそのブロックコポリマー。ホモポリマーに加えて、本発明に従って使用される使用されるポリマー鎖は、選択された長さのコポリマーを含む(例えば、ポリプロピレン単位で部分的に変更したポリエチレンオキシド単位のコポリマー)。他の例としては、ホモポリマーまたは混合ポリマーのような、選択された長さおよびアミノ酸組成のポリペプチド(すなわち、天然に存在するアミノ酸残基または人工的なアミノ酸残基を含む)がある。
他の局面において、放出の後の分子タグEは、以下の式によって定義される:
A−M−D
ここで:
Aは、−C(=O)Rであり、ここでRは、脂肪族、芳香族、脂環式または1〜8の炭素原子ならびにO、SおよびNからなる群から選択される0〜4のヘテロ原子を有するヘテロ環式;−CH−C(=O)−NH−CHO;−SOH;−CH−C(=O)O−CHO;−C(=O)NH−(CH−NH−C(=O)C(=O)−Cであり、ここでnは2〜12の範囲にあり;
Dは蛍光色素であり;そして
Mは以前に記載したとおりであるが、ただしA−M−Dの全分子量は、約100ダルトン〜約2500ダルトンの範囲内にある。
他の局面において、Dはフルオレセインであり、A−M−Dの全分子量は、約100ダルトン〜約1500の範囲である。
他の局面において、Mは、通常は直鎖で互いに対する分子の連結を生じる官能基を有する低分子から合成され得る。このような官能基としては、カルボン酸、アミンおよびヒドロキシ基またはチオール基が挙げられる。本発明に従って、電荷付与部分は、コア鎖から出る一つ以上の側鎖基を有し得る。この側鎖基は、標識への連結または電荷付与基の他の分子への連結を生じるための官能基を有する。使用される官能基の反応の結果生じる一般的な官能基は、結合体化される分子間で共有結合を形成することによって例示される。このような官能基としては、ジスルフィド、アミド、チオアミド、ジチオール、エーテル、ウレア、チオウレア、グアニジン、アゾ、チオエーテル、カルボキシレートならびに硫黄およびリンを含むエステルおよびアミド(例えば、スルホネート、リン酸エステル、スルホンアミド、チオエステルなど)が挙げられる。
(活性種を生成する切断誘導部分)
切断誘導部分は、切断可能な結合を切断する(好ましくは酸化により)ことができる活性種を生成する群である。好ましくは、活性種は短寿命の活性を示す化学種であるので、その切断誘導効果はその生成部位の場合のみである。活性種が本来の短寿命であるので、その生成の近似を越えるために有意なバックグラウンドを生じないか、または活性種を効果的に除去するスカベンジャー(scavenger)が使用され、その生成部位から少の距離を越えて切断可能な結合と反応するために利用可能ではないかのいずれかである。例示的な活性種は、一重項酸素、過酸化水素、NADHおよびヒドロキシルラジカル、フェノキシラジカル、スーパーオキシドなどを含む。酸化を起こす活性種の例示的なクエンチャーは、ポリエン、カロテノイド、ビタミンE、ビタミンC、チロシン、ヒスチジン、およびグルタチオンのアミノ酸−ピロールN−結合体などを含む(例えば、Beutnerら、Meth.Enzymol.,319:226〜241(2000))。
切断誘導部分および切断可能な結合の重要な考察は、従来、標的タンパク質に結合する場合、これらは互いからそれほど離されないので、増感剤によって生成された活性種は、拡散し、切断可能な結合に作用する前にその活性を失うということである。従って、好ましくは、切断可能な結合は、1000nm内の結合切断誘導部分であり、好ましくは、20nm〜100nmの結合切断誘導部分である。切断誘導部分のこの効果の範囲は、本明細書中で、その「効果的な近位」と称される。
活性種の生成系は過酸化水素を精製するオキシダーゼ、例えば、グルコースオキシダーゼ、キサンチンオキシダーゼ、D−アミノ酸オキシダーゼ、NADH−FMN酸化還元酵素、ガラクトースオキシダーゼ、グリセリルリン酸オキシダーゼ、サルコシンオキシダーゼ、コリンオキシダーゼおよびアルコールオキシダーゼ、ヒドロキシラジカルを生成する西洋ワサビペルオキシダーゼ、NADHまたはNADPHを生成する様々なデヒドロゲナーゼ、アンモニアを生成し、高い局所的pHを作り出すウレアーゼのような酵素を含む。
増感剤は、反応中間体、または種を生成するために誘導され得る化合物であり、通常は一重項酸素である。好ましくは、本発明に従って使用される増感剤は、光増感剤である。本発明の範囲内に含まれる他の増感剤は、熱、光、電離放射線または科学的活性化による励起により一重項酸素の分子を放出する化合物を含む。この分類化合物の最も知られているメンバーは、1,4−ビスカルボキシエチル−1,4−ナフタレンエンドペルオキシド、9,10−ジフェニルアントラセン−9,10−エンドペルオキシドおよび5,6,11,12−テトラフェニルナフタレン5,12−エンドペルオキシドのようなペルオキシドを含む。加熱またはこれらの化合物による直接的な光の吸収は、一重項酸素を放出する。さらに増感剤は、以下の参考文献に記載される:Di Mascioら、FEBS Lett.,355:287(1994)(ペルオキシドおよびオキシゲナーゼ);Kanofsky,J.Biol.Chem.258:5991〜5993(1983)(乳酸ペルオキシダ−ゼ);Pierlotら、Meth.Enzymol.,319:3〜20(2000)(エンドペルオキシドの熱溶解)など。
結合剤の切断誘導部分への結合は、直接的または間接的であり、共有的または非共有的であり得、そしてこれらは当業者に周知であり、通常文献にて利用可能である。例えば、「Immobilized Enzyme」Ichiro Chibata、Halsted Press,New York(1978);Cuatrecasas,J.Biol.Chem.,245:3059(1970)を参照のこと。広範囲の種類の官能基は利用可能であり、またはこれらは組み込まれ得る。官能基としては、カルボン酸基、アルデヒド基、アミノ基、シアノ基、エチレン基、ヒドロキシ基、メルカプト基などが挙げられる。広範囲の種類の化合物を連結する方法は、周知であり、そして参考文献中に十分に例示されている(例えば、上記を参照のこと)。結合剤までの結合基の長さは、広範囲で変化し得、結合する化合物の性質、特定の結合特性上の距離の効果などに依存する。
例えば、生成される活性種の数を増加するために、多数の切断誘導部分が結合材に結合されることが所望され得る。これは、結合部位として多数の官能基を有する(例えば、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、カルボキシ、エチレン、アルデヒドなど)多官能基の材料、通常の重合体によって達成され得る。あるいは、支持体が使用され得る。支持体は、ビーズを含む粒子、フィルム、膜、管、ウェル、ストリップ、棒など、多数中の任意の形を有し得る。増感剤を組み込む支持体に関して、好ましくは、支持体の表面は、親水性であるか、またか親水性を提供する能力あるかであり、そして支持体の本体は好ましくは疎水性である。支持体は、使用される媒体に懸濁され得る。例として、懸濁可能な支持体の例は、ラテックス、脂質二重層、油滴、細胞およびヒドロゲルであるが、それらに限定されない。他の支持体組成物は、ガラス、金属、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ポリ(塩化ビニル)、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルブテン)、ポリスチレン、ポリエタクリン酸、ポリ(エチレンテレフタラート)、ナイロン、ポリ(酪酸ビニル)などのようなポリマーを含み;それら自身が使用されるかまたは他の材料に組み込まれるかである。結合剤の支持体への結合は、直接的または間接的、共有的または非共有的であり、そしてこれは、周知の技術によって達成され得、先に議論したように、文献において通常利用可能である。例えば、「Immobilized Enzymes」Ichiro Chibata、前出を参照のこと。支持体の表面は通常、共有的または特異的または非特異的または非共有的な相互作用を通じて多官能性または多官能化することができるか、または標的結合部分に結合することができるなどである。
切断誘導部分は、共有的にまたは非共有的に支持体の表面に結合するか、または支持体の本体に組み込まれるかによって支持体に結合する。表面への結合は、前記で議論したように達成される。切断誘導部分は、支持体の調製の間または調製の後のいずれかに、支持体の本体に組み込まれ得る。一般に切断誘導部部分は、必要量の活性種量を達成するための必須量において、支持体に結合される。通常、切断誘導部分の量は、実験的に決定される。
(切断誘導部分としての光増感剤)
前述の通り、本発明に一致する好ましい切断誘導部分は、一重項酸素を生成する光増感剤である。本明細書中で使用される場合、「光増感剤」は、光吸収分子を表し、光によって活性化される場合、分子酸素は一重項酸素に転換される。光増感剤は直接的にまたは間接的に、共有結合または非共有結合を介して、分類特異的である結合剤に結合し得る。このような化合物の説明に関して、特に結合剤としての抗体に関しては、文献中で利用可能である(例えば、光力学的な治療、免疫診断などの分野において)。以下は、参考文献の例である:Ullmanら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91,5426〜5430(1994);Strongら、Ann.New York Acad.Sci.,745:297〜320(1994);Yarmushら、Crit.Rev.Therapeutic Drug Carrier Syst.,10:197〜252(1993);Peaseら、米国特許第5,709,994号;Ullmanら、米国特許第5,340、716号;Ullmanら、米国特許第6,251,581号;McCapra、米国特許第5,516,636号など。
同様に、文献には、本発明における使用に適する光増感剤の特性および選択に関しての説明がある。以下は、参考文献の例である:WassermanおよびR.W.Murray.Singlet Oxygen.(Academic Press,New York,1979);Baumstark,Singlet Oxygen,第2号(CRC Press Inc.,Boca Raton,FL 1983);およびTurro,Mondern Molecular Photochemistry(University Science Book,1991)。
光増感剤は、光で励起することによって一重項酸素を生成するための増感剤である。光増感剤は、色素および芳香族化合物を含み、そして通常は共有結合した原子から成る化合物であり、通常は多数の二重結合または三重結合の多様な結合を伴う。化合物は代表的に、約200nm〜約1100nm、大抵は約300nm〜1000nm、好ましくは、約450nm〜約950nmの範囲の波長における光を吸収し、その吸収極大における吸光係数は、励起波長で、約500M−1cm−1、好ましくは約5,000M−1cm−1、より好ましくは、約50,000M−1cm−1よりも大きい。酸素非存在下における光の吸収後に生じる励起状態の存続時間は、通常少なくとも約100ナノ秒であり、好ましくは、少なくとも約1ミリ秒である。一般的に、存続時間は、本発明に従う薬剤中で結合の切断を可能にするために十分長くあるべきである。このような薬剤は通常、以下に記載のような濃度で存在する。光増感剤の励起状態は、通常、基底状態とは違ったスピン量子(S)を有し、そしてその基底状態の一重項(S=0)である場合、通常、三重項(S=1)である。好ましくは、光増感剤は、高い項間交差収率を有する。すなわち、光増感剤の光励起は、通常、少なくとも約10%、望ましくは少なくとも約40%、好ましくは約80%以上の効率で三重項状態を生成する。
選択された光増感剤は、比較的光安定性であり、そして、好ましくは、一重項酸素とは効果的に反応しない。いくつかの構造的な特徴が、最も有用な光増感剤において存在する。ほとんどの光増感剤は、少なくとも一つおよび三つ以上組み込まれ、強固に保持された二重結合または三重結合、しばしば芳香族の構造を有する。それらはしばしば、カルボニルまたはイミン基または周期表の3〜6の行から選択された重原子(特に、イオジンまたは臭素)のような、系間の交差を促進する少なくとも1つの基を含むか、またはそれらは伸長した芳香族構造を有し得る。
広範囲の種類の光供給源は、一重項酸素を生成するための光活性光増感剤に有用である。多色性および単色性の供給源は、実施時間中に十分な一重項酸素を生成するのに十分に強い供給源である限り使用され得る。照射の長さは、光増感剤の性質、切断可能な結合の性質、照射源の力、そしてサンプルからの距離などに依存する。通常、照射の期間は、約10分の間は約1μ秒未満、通常、約1ミリ秒〜約60秒の範囲にある。照射の強さおよび長さは、少なくとも約0.1%の光増感剤分子、通常は約30%の光増感剤分子を励起するために、および好ましくは、実質的に全ての光増感剤分子を励起するために十分であるべきである。例示的な光供給源は、例として非限定的にレーザー(例えば、ヘリウム−ネオンレーザー、アルゴンレーザー、YAGレーザー、He/Cdレーザー、およびルビーレーザー);発光ダイオード;水銀、ナトリウムおよびキセノンベイパーランプ;発熱ランプ(例えば、タングステンおよびタングステン/ハロゲン);フラッシュランプなどを含む。
本発明において用いられ得る光増感体の例は、前記の特性を有し、そして以下の参考文献に列挙されるものである:Turro,Modern Molecular Photochemistry(前記に列挙);SinghおよびUllman,米国特許第5,536,834号;Liら、米国特許第5,763,602号;Ullmanら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91、5426〜5430(1994);Strongら、Ann.New York Acad.Sci.,745:297〜320(1994);Martinら、Method Enzymol.,186:635〜645(1990);Yarmushら、Crit.Rev.Therapeutic Drug Carrier Syst.,10:197〜252(1993);Peaseら、米国特許第5,709,994号;Ullmanら、米国特許第5,340,716号;Ullmanら、米国特許第6,251,581号;McCapra、米国特許第5,516,636号;Wohrle,Chimia,45:307〜310(1991);Thetford,欧州特許公開0484027;Sesslerら、SPIE、1426:318〜329(1991);Madisonら、Brain Research、522:90〜98(1990);Poloら、Inorganica Chimica Acta、192:1〜3(1992);Demasら、J.Macromal.Sci.,A25:1189〜1214(1988)など。例示的な光増感剤は表1bに掲載した。
Figure 2005509859
ある実施形態において、光増感剤部分は、切断誘導部分に関して前記で議論したような支持体を含む。光増感剤は、支持体の表面に共有的または非共有的に結合することによってまたは、前記で議論したように支持体の本体内に組み込まれることによって、支持体に結合する。通常、光増感剤は、一重項酸素の必要量を達成するために必要な量で、支持体に結合する。一般的に光増感剤の量は実験的に決定される。光増感剤として使用する光増感剤は、好ましくは、光増感剤(例えば、Peaseら米国特許第5,709,994号によって開示される)が組み込まれる場合、脂肪親和性の要素内に溶解することを確実にするために、相対的に非極性である。例えば、光増感剤ビーズを形成するためのラテックス粒子。例えば、光増感剤ローズベンガルは、J.Amer.Chem.Soc.,97:3741(1975)に記載されるように、エステル結合基を提供するためのラテックス上において、クロロメチル基によって、0.5ミクロンラテックスビーズに共有的に結合する。
本発明の1つの局面において、分類特異的剤は、抗体である第一結合剤および光増感剤である切断誘導部分を含み、光増感剤は、抗体に共有的に結合される(例えば、Strongら(前記);Yarmushら(前記)など周知の技術を使用して)。あるいは、分類特異的剤は、固体相支持体(例えばビーズ)を含み、ビーズに対して光増感剤は共有的または非共有的に結合し、そして抗体は好ましくは共有的に、直接的にまたは、アミノ−デキストランなどのような官能化ポリマーのいずれかによって結合する。
アッセイ試薬の増感剤分子への結合:増感剤分子は、様々な方法および配置によって、抗体、抗原、アビジン、ビオチン、モノヌクレオチド、ポリヌクレオチド、低分子、高分子および他に結合し得る。例えば、活性化(NHSエステル、アルデヒド、塩化スルホニルなど)増感剤(ローズベンガル、フタロシアニンなど)は、反応性アミノ酸基含有部分(抗体、アビジンまたは他のタンパク質、H2N−LC−ビオチン、アミノデキストラン、アミノ基を含む他の低分子および高分子)と反応し得る。形成された結合体は、直接的に(例えば、抗体−増感剤結合体、ビオチン−LC−増感剤結合体など)種々のアッセイにおいて使用され得る。さらに、形成された結合体は、さらに抗体とまたは抗体および粒子と結合し得る(例えば、20〜200の増感剤および200〜500のアミノ基を含むアミノデキストラン−増感剤結合体は、抗体−デキストラン−増感剤結合体を生成するために過ヨウ素酸化水素抗体分子に結合し得る)。例えば、20〜200の増感剤および200〜500のアミノ基を含むアミノデキストラン−増感剤結合体は、増感剤−アミノデキストラン−粒子結合を形成するためにEDC結合化学によって、カルボキシル化したポリスチレンビーズに結合し得る。粒子内に増感剤を組み込む方法は、例えば、米国特許第5,340,716号に示されている。Na−過ヨウ素酸化抗体分子は、抗体−デキストラン−増感剤−粒子−結合体を生成するために、シアノホウ化水素ナトリウムの存在下で、アミノデキストラン分子のアミノ基と反応し得る。抗体分子の代わりに、アビジンまたは他の分子が使用され得ることに注目するべきである。
(放出した分子タグの分離)
上記のように、分子タグを、一以上の物理的、化学的および/または光学的特性に基づいて分子タグを区別し得る分離技術によって分離するために設計される。好ましくは、このような分離技術は、分子タグの存在または不在についての定量的な情報(従って、分析に一致する)に加えて、定量的な情報を提供することが可能である。一局面において、分子タグの混合物を含む溶液(例えば、緩衝液、反応溶剤など)が、個々の種類の分子タグの分離をもたらすよう処理されるように液相分離技術が、使用される。通常、このような分離は、それぞれの分子タグの濃度が増加した領域に対応する認識可能なピークやバンドが形成されるまで、進路に沿ったこのような開始混合物からの分子タグの異なる移動を伴う。このような進路は、流量、電場、磁場などによって規定され得る。特定の分離技術の選択は、費用および技術使用の利便性、分子タグの化学的な性質に所与される技術の分解力、分離される分子タグの数、使用される検出モードの型などを含むいくつかの因子に依存する。好ましくは、分子タグは、電気泳動でまたはクロマトグラフィーで分離される。
(A.電気泳動の分離)
電気泳動に関する方法は、周知であり、そして当業者には、分子タグの特定多数の形成および分離の設計選択を行うための十分なガイダンスがある。以下は、電気泳動における例示的な参考文献である:Krylovら、Anal.Chem.,72:111R−128R(2000);P.D.GrossmanおよびJ.C.Colburn,Capillary Electrophoresis:Theory and Practice,Academic Press,Inc.,NY(1992);米国特許第5,374,527号;同5,624,800号;同5,552,028号;ABI PRISM 377 DNA Sequencer User’s Mannual,Rev.A,January 1995、第2章(Applied Biosystems,Foster City,CA)など。一局面において、分子タグはキャピラリー電気泳動によって分離される。当業者の範囲内の設計選択は、いくつかの市販の型からの機器の選択、分離媒体および濃度、pH、所望される分離時間、温度、電圧、キャピラリー型および次元、検出モード、分離される分子タグの数などを含む操作条件の選択、を含むが、それらに限定されない。
本発明の一局面において、電気泳動の分離の間または後、分子タグは、蛍光シグナルおよび分離された化合物の移動時間(または移動距離)を記録することによって、あるいは、関連する蛍光および分子タグの移動の順番の図表(例えば、電気泳動図)を作成することによって検出または同定される。このような検出を行うために、分子タグは、標準的な方法によって照射される(例えば、高輝度水銀灯、レーザーなど)。代表的に、分子タグは、He−Neガスレーザーまたは固体状態のダイオードレーザーによって生成されるレーザー光によって照射される。蛍光シグナルは、その後、光感受性検出器(例えば、光電子倍増管、帯電共役装置など)によって検出される。例示的な電気泳動検出システムは、他(例えば、米国特許第5,543,026号;同5,274,240号;同4,879,012号;同5,091,652号;同6,142,162号など)に記載される。別の局面において、分子タグは、電気泳動的に検出され得る(例えば、米国特許第6,045,676号に記載されるようにして)。
電気泳動的な分離は、移動度の違いに基づく電場における分子の移動のおよび分離を必要とする。様々な型の電気泳動的な分離は、例として、フリーゾーン電気泳動の自由な範囲、ゲル電気泳動、等電点電気泳動、等速電気泳動(isotachophoresis)、キャピラリー電気泳動およびミセル電気運動クロマトグラフィーを含むが、それらに限定されない。キャピラリー電気泳動は、電気分離を必要とし、そして好ましくは約1μm〜約200μm、通常、約10μmから約100μmの断面寸法の管または経路において実施され、電気運動(電気泳動的、誘電電気泳動的および/または電気浸透流を含む)による。キャピラリーは、長い独立的なキャピラリー管またはシリコン、石英、ガラスまたはプラスチックから成るウエハまたはフィルムにおける水中の経路であり得る。
キャピラリー電気泳動において、分子タグを含む反応混合物のアリコートは、アリコートをキャピラリー装置の一部分、または連結されている電気分解経路に導入することによって電気分解に供され、増幅および他の反応が実行される。電気ポテンシャルは、その後、組み合わせ内の組成物の移動を達成するために、経路の中に含まれる導電性の媒体に適用される。一般に、適用される電圧は、当該分野で周知の実施に従い、所望される組成物の電気分解を達成するために十分である。当業者は、本発明において使用される所与の剤のセットおよび/または切断された標識の性質、反応媒体の性質などに関して、適切な電圧を決定することができる。これらの媒体および電圧を含む電気分解に関する変数は、通常、所望される組成物の最大分離を達成するために最適化される。これは、実験的に達成され、そして当業者に周知である。
検出は、米国特許第5,560,811号(カラム11、ライン19〜30)、同4,675,300号、同4,274,240号および同5,324,401号(当記載は、参考として援用される)に示される方法を含むキャピラリー電気泳動カラムの分析に関連し、公知の任意の方法による。電気泳動の当業者は、広範囲の電圧または電場の強さが使用され得ることを認識する(例えば、10V/cm〜1000V/cmの電場が使用され、より典型的には約200V/cm〜約600V/cmである)。市販のシステムにおける電圧の上限は、キャピラリーの長さが約40cm〜約60cmである場合、約30kVであり、約600V/cmの最大電場を与える。DNAに関して、典型的なキャピラリーは、電気浸透流を減少させるためにコートされており、そしてキャピリーの注入末端は、負の電位で維持されている。
検出の容易性に関して、全ての装置は、工学的に透過性のプラスチック材料から組み立てられる。一般的に、約180nm〜約1500nm、通常、約220nm〜約800nm、より好ましくは、約450nm〜約700nmの範囲の光波長が低い伝達損失を有する。適切な材料は、シリカ、プラスチック、石英、ガラスなどである。
(B.クロマトグラフィーの分離)
本発明の一局面において、多数の分子タグは、分子量、形、可溶性、pKa、疎水性、電荷、極性などを含むが、それらに限定されない1以上の物理的特性に基づくクロマトグラフィーによって分離するように設計される。クロマトグラフィーの分離技術は、カラムの型、固体相、流動相などのようなパラメーターに基づいて選択され、単独の操作において異なるピークまたはバンドを形成するために分離され得る多数の分子タグの分離に続く。検出される分子タグの数(すなわち、多数の規模)、アッセイにおいて生成される各々の分子タグの推定量、多様化したアッセイにおいて使用されるセットに関する候補である分子タグの合成の有用性および容易性、使用される検出様式、および有用性、丈夫性、費用およびHPLC機器カラムおよび溶媒の操作の容易性を含む、いくつかの因子は、どのHPLC技術が本発明の使用のために選択されるかを決定する。一般に、カラムおよび技術は、限られた量のサンプル分析に適すること、そして高い分解分離を提供することが求められる。このような選択を作製するためのガイダンスは、文献に見出される(例えば、Snyderら、Practical HPLC Method Development、(John Wiley&Sons,New York,1988);Millner,「High Resolution Chromatography:A Practical Approach」,Oxford University Press,New York (1999)、Chi−San Wu、「Column Handbook for Size Exclusion Chromatography」、Academic Press,San Diego(1999)およびOliver、「HPLC of Macromolecules:A Practical Approach,Oxford University Press」、Oxford,England(1989))。特に、手順は、カラムの型、固体相などのような、条件を所与するシステムの発達およびクロマトグラフィーの分離の最適化に関して有用である(例えば、Haberら、J.Chromatogr.Sci.,38:386〜392(2000;Outinenら、Eur.J.Pharm.Sci.,6:197〜205(1998);Lewisら、J.Chromatogr.,592:183〜195)および197〜208(1992)など)。
一局面において、分子タグ候補の最初の選択は、特に選択されたカラムおよび定常相によって分離される分子の物理化学的な特性によって支配される。最初の選択は、前記の参考文献に記載されるように、その後、従来の最適化手順に従うことによって、および、特定の実施形態の分離対照と、より最適な候補の分子タグに置換することによって実験的に改善される。一局面において、本発明の分離対象は、(i)60分未満、より好ましくは、40分未満、さらにより好ましくは、10分〜40分の範囲の分離時間における多数の分子タグの区別可能なピークまたはバンドへの分離(ii)任意の対が少なくとも1.0、より好ましくは少なくとも1.25、さらにより好ましくは少なくとも1.50での分解を有するようなピークまたはバンドの形成、(iii)150bar未満の分離の間のカラム圧力(iv)25℃〜90℃の範囲、好ましくは、35℃〜80℃範囲における分離温度、そして(v)多数の区別可能なピークが5〜30の範囲であり、そして全てのピークが同じクロマトグラムにあること。本明細書中で使用する場合、二つのピークまたはバンドを参照する「分解」は、ピークの基礎平均幅によって分割される二つのピークの間またはバンドの中央の間の距離である(例えば、Snyderら(前記に列挙))。
クロマトグラフィー方法は、それらのクロマトグラフィーの特性に基づき分子タグを分離するために使用される。クロマトグラフィーの特性は、例えば、規定の条件下で特定のクロマトグラフィーの媒体上での分子タグの保持時間であり得、あるいはこの分子タグが特定のクロマトグラフィー媒体から溶出される特定の条件であり得る。分子タグのクロマトグラフィーの特性は、また、規定の条件下で、特定のクロマトグラフィーの媒体を使用して、クロマトグラフィー的に分離される分子タグの群または分子タグのセットに含まれる分子タグの溶出の順番、または溶出のパターンであり得る。分子タグのクロマトグラフィーの特性は、分子タグの物理的特性およびクロマトグラフィーの媒体と流動相との相互作用によって決定される。クロマトグラフィーの規定の条件は、特定の流動相の溶液、カラムの直径および長さ、pH、流速、カラム操作の圧力および温度を含むカラムのジオメトリおよび、分子タグの所望の分離を得るために変化し得る、他のパラメーターを含む。分子タグ、あるいは分子タグのクロマトグラフィーの特性は、種々のクロマトグラフィーの方法を使用して検出され得る。
標準的な液体クロマトグラフィー法は、分子タグを分離するために使用され得るが、高圧(または高性能)液体クロマトグラフィー(HPLC)は、高分解能、分析の速度増加、高い再現性、そして機器操作およびデータ分析自動化の容易性の利点を提供する。HPLC法は、さらに種々の物理化学的特性に基づく分子タグの分離を可能にする。HPLCは、密接に関連するタグを区別するために使用されるので、類似の特性を有する分子タグは、同じ実験において共に使用され得る。HPLC法を使用しての達成される高い分解能は、結果生じる分子タグが、互いから区別され得るので、標識されたプローブの大きなセットの使用を可能とする。標的核酸または標的分析体の多様な検出を実行する場合、大きなセットの標識プローブを検出する能力が有利である。本明細書中で使用される場合、「HPLC」は、(i)300mmの長さおよび5mmまでの内部直径を有する固体円柱状の分離カラムを使用し(ii)分離カラムに充填する5μmまでの同じ直径を有する固体球形の粒子(例えば、シリカ、アルミナなど)を含む固相を有し、(iii)35℃〜80℃までの範囲の温度および150barまでのカラム圧力で実施し、そして(iv)1μL/分〜4mL/分の範囲の流速を使用、液相クロマトグラフィー分離をいう。HPLCにおいて使用する固相粒子は、(i)平均粒子直径について狭い分布を有し、実質全ての粒子の直径は平均の10%内であり、(ii)70Å〜300Åの範囲において、同じ孔の大きさを有し、(iii)50m/g〜250m/gの範囲の表面領域を有し、そして(iv)1nmあたり1〜5の範囲の結合相密度(すなわち、単位領域あたりの保持リガンドの数)、においてさらに特徴付けされる。
単独の実験で検出される分子タグのセットは、一般に質量、電荷、質量電荷比、フルオロフォアまたは同位体標識のような検出可能なタグ、または他の特有の特性によって異なる化学的に関連する分子群である。従って、分子タグの化学的な性質および分子タグの群における分子タグ間での特定の違いは、サンプルにおける分子タグの分離のための適切なクロマトグラフィーの媒体を選択する場合に考慮される。
逆相クロマトグラフィーは、化学的結合相が、流動相よりも疎水性(非極性)である型のクロマトグラフィーである。これは、正常相クロマトグラフィーから「逆進」し、この定常相は、親水性(極性)であり、そして開始流動相は、定常相よりもより非極性である。有機修飾因子(通常、アセトニトリルまたはメタノール)の濃度において増加する流動相勾配は、通常、逆相HPLCにおいて使用される。これらの勾配は、疎水性を増大するために溶質分子を溶出する。本発明で水溶性分子タグを分離するために使用する例示的な流動相は、非限定ではあるが、水、ニトロメタン、メタノール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、酢酸、メトキシエタノール、ベンジルアルコール、アセトンなどを含む。流動相は均等に使用され、あるいはそれらは連続的に変化する割合でカラムと合わせられ、そして送達され得る。後者の場合、通常、二つの溶質が、時間にわたって直線的に変化する割合(すなわち、勾配送達)で合わせられ得る。
種々の流動相の付加物は、分子タグの分離の改善のための異なる感受性を提供するために使用され得る。例えば、イオン対剤は逆相HPLC法において使用され得る。例示的なイオン対剤は、アニオン性のイオン対剤であるトリフルオロ酢酸(TFA)、およびカチオン性のイオン対剤であるテトラブチルアンモニウムリン酸を含む。
逆相HPLCは、有機分子、オリゴヌクレオチド、ペプチドおよびポリペプチドを含む、種々の型の分子タグを分離するために使用され得る。逆相HPLCは、特に互いに密接に関連するペプチドまたはポリペプチド分子タグの分離に関して有用である。分子タグの分離のための例示的な逆相クロマトグラフィー媒体は、粒子(例えば、フェニル基、シアノ基またはCからC18を含む群から選択される脂肪基のような、それらの表面保持リガンドとの結合を有するシリカまたはアルミナ)を含む。好ましくは、粒子は80Å〜300Åの範囲の孔の大きさを有する。
ペプチドである分子タグの分離のための例示的な逆相クロマトグラフィーの媒体は、それらの表面に結合したC〜C18の範囲の脂肪保持リガンドを有し、そして60Åと80Åとの間の孔の大きさを有する粒子を含む。分子タグを分離するために有用な市販の調製物は、例えば、Apex WP オクタデシルC18、オクチルC、ブチルCおよびフェニル、Aquaprep RP−3000 CおよびC、Bakerbond WPオクタデシルC18、オクチルC、ブチルCおよびジフェニルを含む。
HPLCによる分離に先立って、サンプルは、例えば、レポータータグ以外の特定の物質または分子を除くために分画されるかまたは前分離工程に供され得る。遠心分離、沈降、濾過および抽出のような、サンプル画分に関する標準的な生物化学的方法に加えて、種々のHPLCプレカラムまたは保護カラムが本目的のために使用され得る。
分離された分子タグは、種々の分析方法を用いて検出され得、分子タグに結合する検出基または部分の検出に加えて、吸光度蛍光および電気化学的特性のような分子タグ固有の特性の検出を含む。必要とはされないが、種々の検出基または部分は、クロマトグラフィーの分離後の検出を容易にするために、分子タグに結合され得る。
液体クロマトグラフィーを使用しての検出方法は、周知であり、市販されており、そして自動化および高スループットのサンプリングに適合する。分子タグの分析のために選択された検出方法は、分子タグが検出可能な基または部分を含むか否か、使用される検出可能な基の型、そして使用される場合は、分子タグおよび検出可能な基の物理化学的な特性に依存する。蛍光、電気伝導性、屈折率および蒸発光拡散に基づく検出方法は、分子タグの種々の型を検出するために使用され得る。
種々の最適な検出器は、液体クロマトグラフィーによって分離された分子タグを検出するために使用され得る。核酸、ポリペプチド、ペプチドおよび他の高分子および低分子を、紫外線(UV)/可視分光検出器を使用して検出する方法は周知であり、UV/可視検出を、HPLC分析に関して最も広く使用される検出方法としている。赤外線分光光度計もまた、透明な極性の液体である流動相を使用する場合、高分子および低分子を検出するために使用され得る。
可変的な波長およびダイオードアレイ検出器は、二つの市販のUV/可視分光光度計を代表する。いくつかの可変波長UV検出器の有用な特徴は、ピークがフローセル(flowcell)を通過する間の種々の波長において、分光学的な走査および正確な吸光度の読み取りが実行可能なことある。ダイオードアレイ技術は、2つ以上の波長での吸光度測定を可能にするという付加的な利点を提供し、このような吸光度測定の比率の計算を可能にする。多様な波長におけるこのような吸光度の比率は、ピークが1または1を超える分子タグを表すか否かの決定において、特に有用である。
蛍光検出器もまた、蛍光検出基含む蛍光分子タグおよび本質的に蛍光である蛍光分子タグを検出するために使用され得る。特に、蛍光感受性は、比較的高く、分子タグがフルオロフォアを含む場合、他の分光学的な検出法をしのぐ利益を提供する。分子タグは、検出可能な特有の蛍光を有し得るが、分子タグが適切な蛍光検出基を含む場合、サンプル中の単一の分子タグを検出することが可能である。
電子化学的な検出方法はまた、HPLCによって分離された分子タグの検出に関して有益である。電気化学的な検出は、適切な電極での分子タグの酸化または還元反応から生じる電流を測定することに基づく。電流のレベルは、分子タグの濃度に直接比例するので、所望される場合、電気化学的な検出は、定量的に使用され得る。
質量分析方法はまた、HPLCによって分離された分子タグを検出するために使用され得る。質量分析計は、質量の小さな違いでイオンを分解し得、そしてイオンの質量を高い程度の正確性および感受性で測定し得る。質量分析方法は、当該分野において周知である(例えば、Burlingameら、Anal.Chem.70:647R−716R(1998);KinterおよびSherman、Protein Sequencing and Identification Using Tandem Mass Spectrometry Wiley−Interscience,New York(2000)を参照のこと)。
任意の検出方法(例えば、スペクトルの逆重畳積分および定量的な分析)を使用して得られるデータの分析は、手動やコンピュータによる補助であり得、そして自動化した方法を使用して実行され得る。種々のコンピュータプログラムは、ピーク積分、ピーク領域、高さおよび保持時間を決定するために使用され得る。このようなコンピュータプログラムは、分子タグの存在を定性的にまたは定量的に決定するための利便性に関して使用され得る。HPLCおよび対応する検出器を使用するためのコンピュータプログラムは、当業者に周知であり、そして一般に市販のHPLCおよび検出システムで提供される。
サンプル中に含まれる特定の分子タグは、例えば、参考分子タグの公知のクロマトグラフィーの特性のデータベースと比較することによって、またはクロマトグラフィーパターンマッチングのようなアルゴリズム方法によって決定され得、個々のピークを積分する必要なしにサンプル中の組成物の同定が可能である。サンプル中の分子タグの同定は、多数の分子タグが同時に同定されることが所望される場合、方法の組み合わせによって決定され得る。
種々の市販のシステムは、分子タグの高スループット分析に対して非常に適合している。当業者は、分子タグのHPLC分析を自動化するのに有用な自動化サンプル調製システムおよび自動注入システムのような適切な装置、を決定し得る。例えば、多数のサンプルが処理される、場合、自動化方法は、分子タグの高スループット分析に関して、または標的分析体を検出するための本発明の方法の多様な適応に関して使用され得る。本発明での使用に適応する例示的なHPLC機器システムは、Agilent 1100 Series HPLC システム(Agilent Technologies,Palo Alto,CA)である。
当業者は、特に、分析が高スループットフォーマットにおいて実行される場合、分子タグの信頼性ある分析の獲得に関して、有用な質制御測定法を知っている。このような質制御測定法は外部および内部の参照基準の使用、クロマトグラフィーのピークの分析、機器性能の評価、例えば、直線の範囲、サンプルの取り戻し、サンプルの溶液安定性および測定の正確性を決定することによる実験的方法の検証を含む。
本発明の別の局面において、分子タグは、キャピリー電子クロマトグラフィー(CEC)によって分離される。CECにおいて、液相は、キャピラリー規模のカラム(例えば、30μm〜100μmの範囲における内部直径)を通って電気浸透流によって駆動される。CECは、Svec,Adv.Biochem.Eng.Biotechnol.76:1−47(2002);Vanhoenackerら、Electrophoresis,22:4064−4103(2001)などのような参考文献に記載される。CECカラムは、利便的な逆相HPLCにおける使用と同じ固体相材料を使用し得、そして付加的に、いわゆる「巨大な」非特定の充填を使用し得る。CECのいくつかの形態において、電気浸透に加えて、圧力がカラムを通過するサンプル含有溶剤を駆動する。
(分子タグおよび結合化合物の合成)
ペプチド鎖として電荷付与部分または移動度改変剤を形成するための合成の型を実行するための化学は、当該分野で周知である。例えば、Marglinら、Ann.Rev.Biochem.(1970)39:841−866を参照のこと。一般に、このような合成は、適切な保護基で反応に関与しない官能基をブロックする工程を包含する。その後、遊離の官能基を所望される結合を形成するために反応させる。ペプチドは、Merrifield合成における合成の場合、樹脂上で生成され得る(Merrifield,J.Am.Chem.Soc.(1980)85:2149−2154およびHoughtenら、Int.J.Pep.Prot.Res.(1980)16:311−320)。このペプチドを、その後公知の技術に従って樹脂から取り除く。
ペプチドの合成に利用可能な多くの技術の要旨は、固相ペプチド合成に関しては、J.M.Stewartら、「Solid Phase Peptide Synthesis」、W.H.Freeman Co,San Francisco(1969);およびJ.Meienhofer「Hormonal Proteins and Peptide」、(1973)、第2巻、46頁、Academic Press(New York):および溶液合成に関して、E.Schroderら、「The Peptides」、第1巻、Academic Press(New York)、1965において見出だされ得る。
一般に、これらの方法は、1以上のアミノ酸または適切に保護されたアミノ酸を伸長するペプチド鎖に連続的に付加することを含む。標準的に、適切な保護基は、第一のアミノ酸のアミノ基またはカルボキシ基のいずれかを保護する。次いで保護されたアミノ酸または誘導体化されたアミノ酸を、不活性な固体支持体に結合するかまたは、アミド結合の形成に適切な条件下で、適切に保護された相補的(アミノまたはカルボキシル)基を有する配列において次のアミノ酸を付加することによって、溶液において利用するかのどちらかである。その後、保護基は、新しく付加されたアミノ酸残基から除去し、次いで、次の新しいアミノ酸(適切に保護された)が付加され、以下は同様である。所望される全てのアミノ酸を適切な配列で結合した後に、任意の残っている保護基(および任意の固体支持体)を、連続的にかまたは同時に除去して最終的なペプチドを得る。この保護基は、所望される場合、利用される特定の保護基に依存して公知の方法に従って除去される。例えば、保護基は、水素およびチャコール担持パラジウム、液体アンモニア中のナトリウムなどによる還元;トリフルオロ酢酸、フッ化水素酸などを用いる加水分解により除去され得る。
ホスホラミダイト化学または関連の化学を使用する結合化合物の合成に関して、多くのガイドが、参考文献中で利用可能である:Handbook of Molecular Probes and Research Products、第8版(Molecular Probes,Inc.,Eugene,OR,2002);Beaucage and Iyer,Tetrahedron,48:2223〜2311(1992);Molkoら、米国特許第4,980,460号;Kosterら、米国特許第4,725,677号;Caruthersら、米国特許第4,415,732号;同4,458,066号;および同4,973,679号など。これらの化学の多くは、結合化合物の構成要素を自動化DNA合成機(例えば、Applied Biosystems,Inc.(Foster City,California)型392または394DNA/RNA合成機など)で簡便に合成することを可能にする。
移動度改変部分の一部としてヌクレオチドを含む分子タグ試薬の合成は、標準的なホスホラミダイト化学を使用する固相支持体上でのアセンブリにより容易に、かつ効率的に達成され得る。結果生じる移動度改変部分は、上記のように標識および/またはポリペプチド結合部分に結合し得る。
(分子タグの例示的な合成アプローチ)
一つの例示的な合成アプローチを、図1において概説する。市販の6−カルボキシフルオレセインで開始し、無水物を使用して、フェノール性ヒドロキシル基を保護する。ピリジン中の無水イソ酪酸物を使用したが、他の改変体は等しく適合している。保護基としてエステル官能基を選択することの重要性を記載することは重要である。この種は、ホスホラミダイトモノマーの合成全体を通して、およびオリゴヌクレオチド構築の間、インタクトなままである。これらの基は、合成されたオリゴヌクレオチドがアンモニアを使用して保護されるまで取り除かれない。保護の後、次いで粗製の材料を、DCCをカップリングとして使用するN−ヒドロキシスクシンイミドエステル(NHS−エステル)の形成を経てインサイチュで活性化する。DCU複製産物を濾別し、そしてアミノアルコールを加える。多くのアミノアルコールは、市販されており、これらのいくつかはアミノ酸の還元から誘導される。アミノアルコールが「HN−(CH−OH」の形態である場合、nは2〜12の範囲であり、そしてより好ましくは、2〜6である。アミンのみがN−ヒドロキシスクシンイミドエステルの置換に十分なほど反応性である。標準的な抽出処理をすると、95%の収率で生成物が得られる。この物質を、亜リン酸化してホスホラミデートモノマーを生成する。付加的な分子タグの合成のために、対称ビス−アミノアルコールリンカーをアミノアルコールとして使用する(図2)。このように、その後、第二アミンを、亜リン酸化反応の前に、(図3に示される、いくつかの可能性のある安息香酸誘導体によって例示される)多様なカルボン酸誘導体にカップリングする。
あるいは、分子タグは、開始材料として5−アミノフルオレセインを使用する代替的なストラテジーによって作製され得る(図4)。大量の溶媒中の大過剰の二酸二塩化物への5−アミノフルオレセインの添加は、二量体形成よりもモノアシル化生成物の形成が優勢になることを可能にする。フェノール基は、これらの条件下において反応性ではない。水性の処理は、末端の酸塩化物をカルボン酸に転換させる。この生成物は、6−カルボキシフルオレセインに類似しており、そして同じ連の工程を使用して、その保護されたホスホラミダイトモノマーに転換される。多くの市販の二酸二塩化物および二酸が多く存在し、これらの二酸は、SOClまたは塩化アセチルを使用して、二酸二塩化物に転換され得る。多くの市販の二酸二塩化物およびアミノアルコールが存在する(図5)。これらの合成的なアプローチは、理想的にはコンビナトリウムリルケミストリーに適する。
図1、図2、および図4のスキームで構築された分子タグを、亜リン酸化の前か後のどちらかにさらに反応させて、例えば、以下に記載のような化学反応を使用して、切断可能な結合に結合させる。
分子タグは、ポリペプチド結合部分に結合するための一つの末端において、適切な官能基を有してアセンブルされ得る。種々の官能基が使用され得る。従って、標準的にはペプチドに存在する、官能基(例えば、カルボキシ、アミノ、ヒドロキシおよびチオール)は、共有結合を形成するための反応性官能基の標的であり得る。分子タグは、連結基の化学、およびポリペプチド結合部分上の官能基の有用性に従って連結される。例えば、ポリペプチドに特異的な抗体、およびFab’フラグメントのようなフラグメントに関して以前に考察したように、チオール基は、チオエーテル形成のための活性オレフィンの使用に対して有用である(例えば、マレイミド)。リジンが利用可能である場合、ニトロフェニルエステルまたはペンタフルオロフェニルエステル、あるいはカルボジイミドおよび半エステル炭酸を用いるような無水物のように、水中で反応可能な活性化エステルを使用し得る。文献において、結合体化に関する豊富な化学が存在し、各々の特定の状況に関して、文献において結合体化のための豊富な前例が存在する。
例示的合成において、ジオールが使用される。このようなジオールの例としては、アルキレンジオール、ポリアルキレンジオール(2〜3の炭素原子のアルキレンを含む、アルキレンアミンまたはポリ(アルキレンアミン)ジオール(ここで、アルキレンは2〜3の炭素原子のアルキレンであり、そして窒素は、例えば、1〜6の炭素原子のブロック基またはアルキル基で置換され、この一つのジオールは、ジメチルトリチル基のような従来の保護基でブロックされる)が挙げられる。この基は、質量改変領域として作用し得、そしてアミノ基は、同様に電荷改変領域として作用し得る。所望される場合、この質量改変部は、ホスホラミダイト化学を介して結合するビルディングブロックを使用することによってアセンブリされ得る。このようにして、電荷改変部は、質量改変部の間に散在し得る。例えば、1単位、2単位、3単位、n単位を有する一連のポリエチレンオキシド分子が、調製され得る。多数の負電荷を導入するために、小さなポリエチレンオキシド単位が使用され得る。質量および電荷改変領域は、リン酸単位によって結合される複数のポリエチレンオキシドの単位を有することによって組み立てられる。あるいは、大きなスペーサーを使用することによって、数少ないリン酸基が存在し、それによって、大きな質量の差違無しに、質量対電荷比における大きな差違が実現され得る。
使用される化学は、オリゴヌクレオチド合成に使用される従来の化学であり、この場合、ヌクレオチド以外のビルディングブロックが使用されるが、反応は、従来のホスホラミダイト化学であり、そしてブロック基は、従来のジメトキシトリチル基である。もちろん、自動合成に適合する他の化学も使用され得る。しかし、プロセスの複雑性を最少にすることが所望される。
上述のように、一実施形態において、ハブ核は、親水性ポリマーであり、一般的に、複数部分の結合を可能とするための、複数の官能基との付加ポリマーまたは縮合ポリマーである。本発明の試薬に対して有用である一分類の重合体は、デキストラン、セファロース、ポリリボース、ポリキシロースなどのようなポリサッカリド重合体を含む。例えば、このハブは、デキストランであり得、複数の分子タグが、本発明に一致する切断可能な様式でこのデキストランに結合し得る。デキストランの数少ないアルデヒド部分が、残留し、そして還元的アミノ化によって、オリゴヌクレオチド上のアミン基にデキストラン分枝を結合するために使用され得る。ハブ核としてデキストランを使用する別の例において、デキストランは無水コハク酸でキャップされ得、そして、結果生じる材料は、アミド形成によってアミン含有オリゴヌクレオチドに結合し連結され得る。
リンカーの性質および移動度改変部分に加えて、既に示したように、差違は、蛍光剤の化学的特徴および光学的特徴、エネルギー運搬複合体の使用、移動度に影響するリンカーの化学的性質(例えば、折り畳み)における変動、溶媒および溶媒中のイオンとの相互作用などによって達成され得る。既に示唆したように、一実施形態においてリンカーは、オリゴマーであり、ここで、リンカーは支持体上で合成され得るか、またはクローニングまたは適切な宿主における発現によって生成され得る。好都合なことに、ポリペプチドは、末端群以外でただ一つのシステインまたはセリン/トレオニン/チロシン、アスパラギン酸/グルタミン酸、またはリシン/アルギニン/ヒスチジンが存在し、それによって、異なる官能性である固有の官能基が存在するよう生成される。保護基を使用することにより、側鎖の官能基をアミノ末端官能基から区別し得る。また、適切な設計によって、結合基上の異なる部位で存在する同じ官能基間での差別的な反応を提供し得る。オリゴペプチドを調製するために合成を使用するか、クローニングを使用するかは、結合の長さに実質的に依存する。
(本発明の結合組成物を使用する方法)
1つの局面において、本発明は、生物学的供給源から1つ以上の標的分析体を検出または測定する方法を提供する。分析体のためのサンプルを調製するために、従来法が用いられる。例えば、タンパク質性の分析体については、サンプル調製における手引きは、Scopes,Protein Pulification,第2章(Springer−Verlag,New York)に見出され得る。ここでは、異なる供給源からタンパク質抽出物を調製するための、一定範囲の手順が開示されている。調製技術としては、細胞膜の浸透圧破壊による穏やかな細胞溶解、結合組織の酵素消化、その後の浸透圧に基づく溶解、機械的ホモゲナイゼーション、超音波破壊が挙げられる。
標的ポリヌクレオチドを含有する供給源については、サンプル調製技術の手引きは、標準的な論文(例えば、Sambrookら,Molecular Cloning,第2版(Cold Spring Harbor Laboratory Press,New York,1990);Innisら編,PCR Protocols(Academic Press,New York,1990);BergerおよびKimmel,「Guide to Molecular Cloning Techniques」,152巻,Methods in Enzymology(Academic Press,New York,1987)など)に見出され得る。哺乳動物組織培養細胞または類似の供給源については、標的RNAのサンプルは、従来の細胞溶解技術(例えば、0.14M NaCl、1.5mM MgCl2、10mM Tris−Cl(pH8.6)、0.5%Nonidet P−40、1mMジチオトレイトール、1000ユニット/mL胎盤RNAaseインヒビター、または20mMバナジルリボヌクレオシド複合体)により調製され得る。
アッセイを実施する上で、成分(すなわち、サンプル、微粒子の組成、およびいくつかの実施形態においては、切断誘導部分)が、任意の順で、通常は同時にアッセイ媒体中で混合される。あるいは、1つ以上の試薬は、1つ以上の残りの試薬と混合されて部分的組み合わせが形成し得る。次いで、この部分的組み合わせは、インキュベーションに供され得る。次いで、残りの試薬またはその部分的組み合わせは、混合され、そしてその混合物がインキュベートされる。試薬の量は、通常、実験的に決定される。成分は結合条件下で、通常は水性媒体中で、一般的には、約5〜約10の範囲のpHで、約10〜約200mMの範囲の濃度の緩衝液と合わせられる。これらの条件は、従来のものであり、従来の緩衝液(例えば、リン酸、炭酸、HEPES、MOPS、Tris、ホウ酸など)および他の従来の添加物(例えば、塩、安定化剤、有機溶媒など)が使用され得る。水性媒体は、水単独であり得るか、または0.01〜80またはそれ以上の体積%の共溶媒を含み得る。
合わせられた試薬は、かなりの数の結合現象が起こる時間および温度でインキュベートされる。試薬混合後のインキュベーション時間は、(i)検出される分析体の性質および予測される濃度、(ii)結合化合物が分析体と複合体を形成する機構、および(iii)使用される特定の試薬の親和性に依存して変化する。中程度の温度は、通常、インキュベーションに使用され、通常一定の温度である。インキュベーション温度は、通常、約5〜99℃、通常約15℃〜85℃、より通常は35℃〜75℃の範囲である。
一般的に、本発明のアッセイに関与する種々の薬剤の濃度は、分析されるサンプル中の個々の分析体の濃度範囲により変化し、一般的には、約10nM〜約10mMの範囲である。緩衝液は、通常、約10〜約200mMの範囲の濃度で用いられる。各々の分析体の濃度は、一般的に、約1pM〜約100μMの範囲、より通常は約100pM〜約10μMの範囲である。特定の状況において、濃度は、分析体の性質、結合化合物の親和性、分子タグの放出効率、分子タグが検出される感度、およびこのアッセイにおいて決定される分析体の数、ならびに他の考慮に依存してより高いかまたはより低くあり得る。
異種アッセイにおいて、非結合標識試薬が結合標識試薬から分離可能であることが必要である。このことは、種々の方法で達成され得、各々は、標識試薬の複合体とポリペプチドとの間を区別する、固体支持体に結合された試薬を必要とする。固体支持体は、容器壁(例えば、マイクロタイタープレートウェル、キャピラリー、プレート、スライド、ビーズ(磁気ビーズ)、リポソームなどであり得る。固体支持体の主な特徴は、結合標識特異的結合メンバーと、非結合プローブとを区別できること、および支持体が結合複合体の形成とも他の決定の操作とも干渉しないことである。
固体支持体は、その支持体に直接的または間接的に結合された複合体を有し得る。直接結合については、その支持体に共有結合または非共有結合された結合化合物または第2の結合化合物を有し得る。その表面は、第2の結合化合物と共有結合を形成する種々の官能基で活性化され得る。これらの基としては、イミノハライド、活性化されたカルボキシル基(例えば、混合無水物またはハロゲン化アシル)、アミノ基、α−ハロ、またはプソイドハロケトンなどが挙げられ得る。支持体の表面に結合された特定の結合メンバーは、複合体のメンバーに結合するために使用される。
アッセイ混合物の成分がクロマトグラフィー分析と干渉するいくつかの実施形態において、分子タグは、クロマトグラフィー分析前のアッセイ混合物から分離される必要があり得るか、またはこのアッセイ混合物(例えば、未放出分子タグを有する結合部分)の特定の成分が、クロマトグラフィー分析から除去される必要があり得る。分子タグの性質およびアッセイ混合物の成分に依存して、ガードカラムなどを用いることにより、このような結合部分は、没収されるか、吸着されるか、または排除され得る。あるいは、捕捉リガンドは、このような混合物物の干渉成分を除去する目的で結合化合物に結合され得る。
さらなる程度の可撓性は、分子タグが標識される段階によりアッセイに与えられ得る。分子タグは、サンプルとの反応が完了した後に標識に結合することを可能とする官能基を含み得る。この実施形態において、検出可能な標識への結合のための官能基を含む分子タグは、サンプルと合わせられる。結合反応が起こり、分子タグが放出された後、サンプル容器中で、さらなる試薬が、第1の反応の産物と合わせられ、放出された分子タグと反応して検出可能な標識を添加する。
定量のために、存在する標的または導入された標的の量に関連するシグナルを提供するコントロールを使用することが選択され得る。相対的な蛍光シグナルを絶対量に変換することを可能にするコントロールは、分子タグの分離前に、各々のサンプルに既知量のフルオロフォアを添加することにより達成される。分子タグシグナルの検出と干渉しない任意のフルオロフォアが、蛍光シグナルを正規化するのに使用され得る。このような標準は、好ましくは、サンプル中の任意の分子タグの分離特性と異なる分離特性を有し、そして同じかまたは異なる発光波長を有し得る。例示的な標準蛍光分子としては、ROX、FAM、およびフルオレセイン、ならびにそれらの誘導体が挙げられる。
本発明に従うアッセイの1つの例は、ポリペプチドのリン酸化の検出を包含する。このサンプルは細胞物質を含み、そして翻訳後修飾は、特定のポリペプチド(標的ポリペプチドと呼ぶ)のリン酸化である。このサンプルを、金属イオンに結合する金属親和性薬剤に連結された光増感剤を含む第2の結合化合物と合わせる。リン酸化された標的ポリペプチドが存在する場合、リン酸基は、金属−金属親和性薬剤複合体に結合する。結合組成物を、上記の反応混合物と合わせる。この結合組成物は、1つ以上の分子タグに切断可能に連結された、標的ポリペプチドに対する抗体を含む。切断可能な連結は、一重項酸素により切断可能な部分を含む。結合組成物の添加および適切なインキュベーション期間の後、反応混合物を、光で照射し、光増感剤が励起されて、一重項酸素を生成する。切断可能部分は、光増感剤と近い位置にあり、活性種(すなわち、一重項酸素)は、切断可能な部分を切断し、分子タグを放出するのに十分な活性を保持しているので、一重項酸素により切断される。標的ポリペプチドが存在しないために標的ポリペプチドに結合しない結合化合物、または過剰な結合化合物、またはリン酸化されていないポリペプチドに結合する結合化合物は、切断された分子タグを生じない。なぜならば、一重項酸素の活性は、非常に短く、リン酸化されたポリペプチドの存在により第2の結合化合物に結合しない任意の結合化合物中の切断可能部分は、切断可能な分子タグを生じないからである。放出された分子タグは、その異なる移動度に基づき分離され、そして分子タグの移動度改変部分に結合されたままである検出部分に基づき検出される。放出された分子タグの存在および/または量は、標的ポリペプチドの存在および/または量を示す。
本発明は、標的ポリペプチドに対する多重アッセイにおいて特定の用途を見出す。本発明のこの局面に従うアッセイの例としては、複数のポリペプチドのリン酸化の検出が挙げられる。サンプルは、細胞物質を含み、そして翻訳後修飾は、いくつかのポリペプチド(標的ポリペプチドと呼ぶ)のリン酸化である。このサンプルを、金属イオンに結合する金属親和性薬剤に連結された光増感剤を含む第2の結合化合物と合わせる。この第2の結合化合物は、反応混合物中に存在する任意のリン酸基に結合するという点で、クラス特異的試薬である。リン酸化された標的ポリペプチドが存在する場合、リン酸基は、金属−金属親和性薬剤複合体に結合する。複数の結合組成物が、上記の反応混合物と合わせられる。各々の結合組成物は、特定の標的ポリペプチドに特有の分子タグに切断可能に連結された、特定の標的ポリペプチドに対する抗体を含む。切断可能な連結は、一重項酸素により切断可能な部分を含む。結合組成物の添加および適切なインキュベーション期間の後、反応混合物を、光で照射し、光増感剤が励起されて、一重項酸素を生成する。切断可能部分は、光増感剤と近い位置にあり、活性種(すなわち、一重項酸素)は、切断可能な部分を切断し、そしてクラス特異的試薬に結合された標的ポリペプチドに結合された全ての結合化合物から分子タグを放出するのに十分な活性を保持しているので、一重項酸素により切断される。ここでも、上記の理由で、クラス特異的試薬に結合された標的ポリペプチドに結合しない任意の結合化合物は、切断された分子タグを生じない。放出された分子タグは、それらの異なる移動度に基づき分離され、そして分子タグの移動度改変部分に結合されたままである検出部分に基づき検出される。放出された分子タグの各々の存在および/または量は、それぞれの標的ポリペプチドの各々の存在および/または量を示す。この様式で、種々の細胞経路が、リアルタイムで研究され得る。タンパク質のリン酸化および脱リン酸化反応は、代謝調節およびシグナル伝達経路についてのより多くの情報を得るために研究され得る。上記の方法は、細胞周期の間の種々の時点で繰り返され得、細胞の発達が追跡される。
本発明の別の応用は、標的ポリペプチドの複数のリン酸化を検出することである。例えば、ポリペプチドが一リン酸化されたか、二リン酸化されたか、またはさらに高次にリン酸化であるかを知ることが望ましい。本発明のこの局面に従うアッセイの例としては、標的ポリペプチドのリン酸化の程度の検出が挙げられる。細胞物質を含むサンプルが、ハブ分子に連結された複数の光増感剤分子を含む第2の結合化合物と合わせられる。ハブ分子には、結合金属を有する複数分子の金属親和性薬剤もまた結合される。クラス特異的試薬の適切な適定によって、標的ポリペプチドのリン酸化レベルが決定され得る。リン酸化された標的ポリペプチドが存在する場合、リン酸基は、金属−金属親和性薬剤複合体に結合する。結合組成物が、上記の反応混合物と合わせられる。結合組成物は、特定の標的ポリペプチドに特有の分子タグに切断可能に連結された、特定の標的ポリペプチドに対する抗体を含む。切断可能な連結は、一重項酸素により切断可能な部分を含む。結合組成物の添加および適切なインキュベーション期間の後、反応混合物は、光で照射され、光増感剤が励起されて、一重項酸素を生成する。切断可能部分は、光増感剤と近い位置にあるので、一重項酸素により切断される。活性種(すなわち、一重項酸素)は、切断可能な部分を切断し、そしてクラス特異的試薬に結合された標的ポリペプチドに結合された結合化合物から分子タグを放出するのに十分な活性を保持する。ここでも、上記の理由で、クラス特異的試薬に結合された標的ポリペプチドに結合しない結合化合物は、切断された分子タグを生じない。放出された分子タグは、異なる移動度に基づき分離され、そして分子タグの移動度改変部分に結合されたままである検出部分に基づき検出される。放出された分子タグの存在および/または量は、標的ポリペプチドのリン酸化レベルを決定するために添加されたクラス特異的試薬の量と相関し得る。
本発明は、標的ポリペプチドにおけるリン酸化部位を決定するために使用され得る。本発明のこの局面に従うアッセイの例において、細胞物質を含むサンプルは、金属イオンに結合される金属親和性薬剤に連結された化学的プロテアーゼを含む第2の結合化合物と合わせられる。リン酸化された標的ポリペプチドが存在する場合、リン酸基は、金属−金属親和性薬剤複合体に結合する。化学的プロテアーゼは、光の照射によって活性化され、そして部位特異的な切断が、リン酸基が金属親和性−金属複合体に結合される標的ポリペプチドで起こる。他方、1つ以上の結合化合物は、上記混合物と合わせられ、固有の部分に対する検出部分を提供し得る。各々の結合化合物は、検出部分が結合された切断部分に対する抗体を含む。分子タグは、その異なる移動度に基づき分離され、そして結合された検出部分に基づき検出される。分子タグの存在は、標的ポリペプチドのリン酸化部位を示す。
(標識用途)
本発明の組成物は、液体のような物質を標識および追跡するために使用され得る。ここで、微粒子の組成物は、同定または追跡される物質または液体(本明細書中では、「タグ化物質」または「タグ化液」と呼ぶ)と混合される。タグ化液またはタグ化物質の起源および分布は、微粒子を含むサンプルを単離することによって決定され得る。微粒子の分子タグは放出され、分離され、そして同定される。アイデンティティーは、複数の分子タグ(すなわち、「バーコード」)の存在もしくは非存在、または複数の分子タグの存在、非存在もしくは量により決定され得る。例えば、前者の場合、15の異なる種類の微粒子が組成物中に使用される場合、32,000(=215)を超える液体または物質が特有に標識され得る。タグ化に適切な液体および物質の型、タグ化に使用する量、およびこのような液体または物質のサンプルからの微粒子の抽出方法についての手引きは、Slaterら、米国特許第5,643,728号(本明細書中で参考として援用される)に見出される。1つの局面において、液体は、1mLの液体あたり、各々の種の1〜100の微粒子、または1mLの液体あたり、各々の種の10〜1000の微粒子が存在するように標識される。別の局面において、微粒子は、従来技術(例えば、フローサイトメトリー)により液体から分離され得る。このような分離後、分子タグは、切断され、分離され、そして同定されて、それによって、サンプリングされた液体のアイデンティティーを提供する。
(微粒子組成物の使用のためのキット)
利便性のために、予め決定された量の、本発明において使用される試薬が、パッケージ化された組み合わせのキットにおいて提供され得る。ポリペプチド分析のための1つの例示のキットは、パッケージ化された組み合わせ中に、本発明の微粒子組成物および本発明の第2の結合組成物を含む。キットはさらに、予め決定された分離技術の下で放出された分子タグを分離するための標準を含む。別の実施形態において、分子タグおよび結合された結合部分の対を有する微粒子は、別々にパッケージ化され得る。
キットは、2〜50、より通常は5〜30の異なる種類の微粒子(異なる分子タグが結合されている)を有する微粒子組成物を含み、その結果、放出された分子タグは、特別な分離プロトコルを用いて分離すると、識別可能なピークを形成する。
キットはさらに、クロマトグラフィーまたは電気泳動を実施するためのデバイス、ならびに切断誘導試薬の切断誘導部分を活性化させるのに必要とされ得る試薬を含み得る。キットはさらに、種々の緩衝化媒体を含み得、これらのいくつかは、1つ以上の上記試薬を含み得る。
キットにおける種々の試薬の相対量は、本発明の対象を活性化させるのに必要とされる試薬の濃度を提供するよう、広範に変化する。適切な状況下では、キット中の1つ以上の試薬は、溶解した際に、本発明に従う方法またはアッセイを実施するのに適切な濃度を有する試薬溶液を提供する賦形剤を含む乾燥粉末(通常は、凍結乾燥された)として提供され得る。各々の試薬は、別々の容器中にパッケージ化されるか、またはいくつかの試薬は、交差反応および貯蔵期間が許容する場合、1つの容器にまとめられ得る。このキットはまた、上記のように、本発明に従う方法を記載した説明書を含み得る。
(実施例)
本発明はさらに、以下の合成および例示の実施例によって実証される。部および百分率は、そうでないことが示されない限り、重量による。温度は、そうでないことが示されない限り、セ氏(℃)である。以下の調製および例は、本発明を例示するが、その範囲を限定することを意図していない。そうでないことが示されない限り、以下の実施例において用いられるペプチドは、自動合成機を用いた合成により調製し、そしてゲル電気泳動またはHPLCにより精製した。
以下の略称は、以下に示される意味を有する:
Tris HCl − トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−HCl(10×溶液)、BioWhittaker,Walkersville,MD
TLC − 薄層クロマトグラフィー
BSA − ウシ血清アルブミン(例えば、Sigma Chemical Company(St.Louis,MO)または同様の試薬販売元から入手可能)
EDTA − エチレンジアミン四酢酸、Sigma Chemical Company
FAM −カルボキシフルオレセイン
EMCS − N−ε−マレイミドカプロイルオキシ−スクシンイミドエステル
EDC − 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
NHS − N−ヒドロキシスクシンイミド
DCC − 1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド
DMF − ジメチルホルムアミド
Fmoc − N−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−
(実施例1)
(アッセイ試薬に対する光増感剤分子の結合)
光増感剤分子を、種々の従来方法および構成により、金属親和性薬剤、ボロン酸含有薬剤、ハブ分子などに結合体化する。例えば、活性化された(NHSエステル、アルデヒド、塩化スルホニルなど)光増感剤(Rose Bengal、フタロシアニンなど)を、反応性アミノ基含有分子(アミノデキストラン、アミノ基含有薬剤(金属結合部位の適切な保護を有する)、他の小分子および大分子)と反応させ得る。形成される結合体を、種々のアッセイにおいて、直接使用し得る(例えば、抗体−光増感剤結合体、ビオチン−LC−光増感剤など)。また、形成される結合体をさらに、抗体(例えば、20〜200の光増感剤および200〜500のアミノ基を含有するアミノデキストラン−光増感剤結合体を、過ヨウ素酸酸化抗体分子に連結して、抗体−デキストラン−増感剤結合体を生成し得る)または抗体および粒子とカップリングする。例えば、20〜200の光増感剤および200〜500のアミノ基を含有するアミノデキストラン−光増感剤結合体を、EDCカップリング化学により、カルボキシル化ポリスチレンビーズにカップリングして、光増感剤−アミノデキストラン−粒子結合体を形成し得る。粒子への光増感剤の組み込み方法は、例えば、米国特許5,340,716号に示されている。次いで、Na過ヨウ素酸酸化抗体分子を、シアノホウ水素化ナトリウムの存在下で、アミノデキストラン分子のアミノ基と反応させて、抗体−デキストラン−光増感剤−粒子結合体を生成し得る。これを、本明細書中で、「光増感ビーズ」とよぶ。抗体分子の代わりに、アビジンまたは他の分子もまた使用し得ることに注目すべきである。
(実施例2)
(アミノデキストラン誘導体化微粒子の調製)
アミノデキストランを、Polner、米国特許第6,346,384号に記載されるように調製する。簡単にいうと、ヒドロキシプロピルアミノデキストラン(1NH2/16グルコース)を、機械的スターラーおよび滴下漏斗を備える3首丸底フラスコ中で、Dextran T−500(Pharmacia,Uppsala,Sweden)(100g)を500mLのHOに溶解することにより調製する。上記の溶液に、45gの水酸化ナトリウム、50mgのEDTA、50mgのNaBH、50mgのヒドロキノン、および200gのN−(2,3−エポキシプロピル)フタリミドを添加する。この混合物を、90℃の水浴中で、2時間、加熱および撹拌する。小アリコートをメタノールから3回沈殿させ、そしてNMRにより分析する。7.3〜7.66のピークの発現は、フタリミドの組み込みを示す。主要な反応混合物を、3.5Lのメタノールを添加することにより沈殿させ、そして固体を収集する。フタリミド保護基を、500mLの0.1M酢酸緩衝液中に上記生成物を溶解し、50mLの35%ヒドラジンを添加し、そしてpHを3.5に調節することによって除去する。この混合物を80℃で1時間加熱し、pHを3.2に再調節し、そして混合物をさらに1時間半加熱する。アリコートをメタノール中で3回沈殿する。反応混合物をpH8まで中和し、そして室温で保存する。生成物を、分子量50,000カットオフフィルターを用いるタンジェンシャルフローフィルトレーションにより精製し、約8Lの水で洗浄し、0.5Lの0.1M HCl、0.5Lの0.01M NaOH、および最後に3Lの水で洗浄する。その生成物溶液を、700mLまで濾過により濃縮し、次いで凍結乾燥する。トリニトロベンゼンスルホン酸を用いる反応性アミンの決定は、16グルコース残基あたり約1アミンを示す。
ヒドロキシプロピルアミノデキストラン(上記のように合成した)の溶液を、50mM MES(pH 6)中に2mg/mLで調製する。150mgのカルボキシ修飾微粒子(Bangs Laboratories,Fishers,IN)を含有する7.5mLの水を、撹拌しながら7.5mLのヒドロキシプロピルアミノデキストラン溶液に滴下する。188μLのEDAC水溶液(80mg/mL)を撹拌しながらコーティング混合物に添加する。その混合物を、暗所にて、室温で一晩インキュベートする。その混合物を12mLの水で希釈し、遠心分離する。その上清を廃棄し、そしてビーズのペレットを超音波処理により40mLの水に懸濁する。このビーズを3回水で、遠心分離および超音波処理による懸濁を繰り返すことにより洗浄する(40mL/洗浄)。最終ペレットを、5mLの水に懸濁する。
(実施例3)
(分子タグの結合体化および放出)
図7A〜Bは、抗体または遊離アミノ基を有する他の結合部分への分子タグ前駆体の結合体化方法、および放出される分離タグとして硫酸部分を生成するための、一重項酸素と得られる結合体化の反応を要約する。図8A〜Jは、いくつかの分子タグ試薬を示し、このほとんどは、5−または6−カルボキシフルオレセイン(FAM)を出発物質として使用する。
(実施例4)
(Pro2、Pro4、およびPro6〜Pro13の調製)
図9Aに概説されるスキームは、カルボキシフルオレセイン由来分子タグ前駆体(すなわち、Pro2、Pro4、Pro6、Pro7、Pro8、Pro9、Pro10、Pro11、Pro12、およびPro13の調製のための5工程手順を示す。第1工程は、DMF中での、5−または6−FAMと、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)および1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)との反応を含み、対応するエステルが得られ、次いでこれを、種々のジアミンで処理して所望のアミン、化合物1を得た。N−スクシンイミジルヨード酢酸による化合物1の処理により、期待したヨードアセトアミド誘導体を得た。これを単離しなかったが、トリエチルアミンの存在下で3−メルカプトプロピオン酸とさらに反応させた。最終的に、得られるβ−チオ酸(化合物2)を、上記のように、そのNHSエステルに変換した。種々のe−タグ部分を、5−または6−FAMおよび種々のジアミンのうちの1つから始めて合成した。このジアミンは、図9Aの第1反応において、HN^X^NHを与える。FAMのレジオアイソマーおよびジアミン中の「X」の化学的実体を、合成される各々の分子タグ前駆体について以下の表に示す。明らかに、ジアミンXは、移動度改変部分の議論において上記したように、広範な種々のさらなる形態を有し得る。
Figure 2005509859
(化合物1の合成)
5−または6−カルボキシフルオレセイン(0.5mmol)を含有する無水DMF(5mL)の撹拌溶液に、N−ヒドロキシスクシンイミド(1.1当量)および1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(1.1当量)を添加した。約10分後、白色の固体(ジシクロヘキシル尿素)が形成し始めた。反応混合物を、室温、窒素下で一晩撹拌した。TLC(9:1 CHCl−MeOH)は、出発物質が完全になくなったことを示した。
上記混合物からの上清を、ジアミン(2〜5当量)を含有するDMF(10mL)の撹拌溶液に滴下した。TLC(40:9:1 CHCl−MeOH−HO)からの証拠が示すように、反応は直ちに完了した。溶媒を減圧下で除去した。得られた残渣のIatrobeadシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーは、58〜89%収率で、所望のアミン(化合物1)を提供した。化合物1のH NMR(300MHz,DMSO−d)は、指定した構造と一致した。
(化合物2の合成)
アミン(化合物1)(0.3mmol)に、無水DMF(10mL)およびN−スクシンイミジルヨード酢酸(1.1当量)を連続して添加した。得られた混合物を、透明な溶液を得られるまで室温で撹拌した。TLC(40:9:1 CHCl−MeOH−HO)は、反応の完了を明らかにした。
次いで、上記の反応溶液を、トリエチルアミン(1.2当量)および3−メルカプトプロピオン酸(3.2当量)でさらに処理した。その混合物を、室温で一晩撹拌した。減圧下で溶媒を除去し、次いで、フラッシュクロマトグラフィーにかけて、β−チオ酸(化合物2)を62〜91%の収率で得た。化合物2の構造を、そのNMR(300MHz,DMSO−d)に基づき指定した。
(Pro2、Pro4、およびPro6〜Pro13の合成)
β−チオ酸(化合物2)(0.05mmol)を含有する無水DMF(2mL)の撹拌溶液に、N−ヒドロキシスクシンイミド(1.5当量)および1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(1.5当量)を添加した。その混合物を、24〜48時間、窒素下、室温で撹拌した(全ての出発物質が反応するまで)。反応混合物を減圧下で濃縮し、次いで、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標的分子を41〜92%収率で得た。
(Pro1の調製)
この反応の化合物を、図9Bに示す。5−ヨードアセトアミドフルオレセイン(化合物4)(24mg、0.047mmol)を含有する無水DMF(2mL)の撹拌溶液に、トリエチルアミン(8μL、0.057mmol)および3−メルカプトプロピオン酸(5μL、0.057mmol)を添加した。得られた溶液を、1.5時間、室温にて撹拌した。TLC(40:9:1 CHCl−MeOH−HO)は、反応の完了を明らかにした。その後、N−ヒドロキシスクシンイミド(9mg、0.078mmol)および1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(18mg、0.087mmol)を添加した。その反応混合物を、19時間、窒素下、室温にて撹拌し、その時点で、TLCは、出発物質が完全に見えなくなることを示した。減圧下での溶媒の除去およびその後の25:1および15:1のCHCl−MeOHを溶出液として用いるフラッシュクロマトグラフィーによりPro1(23mg、83%)を得た。
(Pro3の調製)
この反応の化合物を、図9Cに示す。6−ヨードアセトアミドフルオレセイン(化合物5)(26mg、0.050mmol)を含有する無水DMF(2mL)の撹拌溶液に、トリエチルアミン(8μL、0.057mmol)および3−メルカプトプロピオン酸(5μL、0.057mmol)を添加した。得られた溶液を、1.5時間、室温にて撹拌した。TLC(40:9:1 CHCl−MeOH−HO)は、反応の完了を明らかにした。その後、N−ヒドロキシスクシンイミド(11mg、0.096mmol)および1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(18mg、0.087mmol)を添加した。その反応混合物を、19時間、窒素下、室温にて撹拌し、その時点で、TLCは、出発物質が完全に見えなくなることを示した。減圧下での溶媒の除去およびその後の30:1および20:1のCHCl−MeOHを溶出液として用いるフラッシュクロマトグラフィーによりPro3(18mg、61%)を得た。
(Pro5の調製)
この反応の化合物を、図9Dに示す。
(化合物7の合成)
5−(ブロモメチル)フルオレセイン(化合物6)(40mg、0.095mmol)を含有する無水DMF(5mL)の撹拌溶液に、トリエチルアミン(15μL、0.108mmol)および3−メルカプトプロピオン酸(10μL、0.115mmol)を添加した。得られた溶液を2日間、室温で撹拌した。TLC(40:9:1 CHCl−MeOH−HO)は、反応が完了したことを示した。この反応溶液を減圧下でエバポレートした。最後に、30:1および25:1のCHCl−MeOHを溶出液として用いるフラッシュクロマトグラフィーによりβ−チオ酸(化合物7)(28mg、66%)を得た。
(Pro5の合成)
酸(化合物7)(27mg、0.060mmol)を含有する無水DMF(2mL)の溶液に、N−ヒドロキシスクシンイミド(11mg、0.096mmol)および1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(20mg、0.097mmol)を添加した。その反応混合物を、2日間、窒素下、室温にて撹拌し、その時点で、TLC(9:1 CHCl−MeOH)は、出発物質が完全に見えなくなることを示した。減圧下での溶媒の除去およびその後の30:1のCHCl−MeOHを用いるフラッシュクロマトグラフィーによりPro5(24mg、73%)を得た。
(Pro14の調製)
この反応の化合物を、図9Eに示す。
(化合物9の合成)
5−アミノアセトアミドフルオロセイン(化合物8)(49mg、0.121mmol)に、無水DMF(4mL)およびN−スクシンイミジルヨード酢酸(52mg、0.184)を連続的に添加した。得られた透明な溶液およびTLC(40:9:1 CHCl−MeOH−HO)は、出発物質が完全になくなったことを示した。
次いで、上記の溶液を、トリエチルアミン(30μL、0.215mmol)および3−メルカプトプロピオン酸(30μL、0.344mmol)で処理した。得られた混合物を2時間撹拌した。減圧下での溶媒の除去、その後の20:1および15:1のCHCl−MeOHを溶出液として用いるフラッシュクロマトグラフィーによりβ−チオ酸(化合物9)(41mg、62%)を得た。構造的な指定を、NMR(300MHz、DMSO−d)に基づき行った。
(Pro14の合成)
化合物9(22mg、0.04mmol)を含有する無水DMF(2mL)の撹拌溶液に、N−ヒドロキシスクシンイミド(9mg、0.078mmol)および1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(16mg、0.078mmol)を添加した。得られた溶液を、約24時間、窒素下、室温で撹拌した。その反応混合物を、減圧下で濃縮し、その残渣を、30:1および20:1のCHCl−MeOHを溶出液として用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、Pro14(18mg、70%)を得た。
(Pro15、Pro20、Pro22、およびPro28の合成)
分子タグPro15、Pro20、Pro22、およびPro28のNHSエステルを生成する合成スキームを、それぞれ、図16F−Iに示す。全ての試薬および反応条件は、当該分野の従来のものであり、上記の反応と同様にして進行する。
(実施例5)
(分子タグおよび抗体のアミノデキストラン誘導体化微粒子への結合)
この実施例において、Pro28−NHSおよびヘテロ二官能性架橋剤SIAXを、アミノデキストランコート微粒子と反応させ、分子タグおよび結合されたスルフヒドリル反応性ヨードアセチル部分を有する微粒子を得る。別に、遊離のスルフヒドリル基を有する抗体を、ヘテロ二官能性架橋剤であるスクシンイミジルアセチルチオアセテート(SATA)を、抗体の遊離アミノ基を遊離スルフヒドリルに変換する従来の反応において用いて調製する。第2の工程において、SATA改変抗体を微粒子と反応させ、所望の組成物を生成する。
65mgのヒドロキシプロピルアミノデキストランコート微粒子(上記のようにして調製した)を、5mLの50mM MOPS、pH7に懸濁する。10%(w/v)溶液(1:2のモル比のSAIX:Pro28)(「タグ溶液」)を、DMSO中で調製し、そして77μLを、撹拌しながら微粒子懸濁物に添加した。その混合物を、暗所にて、さらに90分間、室温にてインキュベートし、次いで、第2の77μLのアリコートのタグ溶液を添加し、そしてその混合物を、さらに60分間インキュベートする。その懸濁物を遠心分離し、そしてその上清を廃棄する。その微粒子のペレットを超音波処理により6mLの水に懸濁し、そいて遠心分離を繰り返す。ペレットを6.5mLの水に懸濁し、そして4℃で保存する。
SATA改変抗体を、Hermanson(上記)、467−469頁に記載されるように調製し、そしてSephadex G−25カラムまたは同様のカラムにおけるゲル濾過により精製する。抗体カップリングの調製において、微粒子を遠心分離し、上清を廃棄し、そして1.34mLのカップリング緩衝液をペレットに添加する。カップリング緩衝液は、以下の混合物からなる:900μLの0.2Mホウ酸、2mM EDTA、pH9、および333μLの0.4Mホウ酸、pH9.45および1000μLの2M硫酸ナトリウム。その混合物を脱気し、そしてアルゴンで飽和し、次いで、9μLの10% Tween 20界面活性剤を添加する。その抗体溶液をカップリング緩衝液中でペレットにした微粒子に添加し、そしてその混合物を超音波処理して微粒子を懸濁する。その懸濁物を23時間、37℃でインキュベートする。ヨードアミノデキストランコートの残りのヨード基を、メルカプト酢酸との反応によりキャップする。遠心分離後、ペレットにした微粒子を、5mLの10mMメルカプトプロピオン酸を含有する0.4Mホウ酸、pH9.45中に超音波破壊により懸濁し、そしてその混合物を37℃で1時間インキュベートする。数回洗浄した後、誘導体化微粒子を、異なる分子タグを有する同様に調製された微粒子および抗体と合わせて、本発明の組成物を形成し得る。
図1は、多様な分析体を検出するために本発明の組成物を使用する方法を示す。 図2は、市販の6−カルボキシフルオレセインで開始する一つの例示的な方法を示し、フェノールヒドロキシル基は,無水物を使用して保護される。標準的な抽出によって、95%の収率で産生物が得られた。この材料はホスホラミダイト単量体を生成するために亜リン酸化される。 図3は、多数のカルボン酸誘導体と結び付ける2位のアミンを有するアミノアルコールとしての対称なビス−アミノアルコールリンカーの使用を示す。 図4は、移動度改変因子として役立ついくつかの安息香酸誘導体の構造を示す。 図5は、5−アミノフルオレセインを開始材料として、そしてそれを保護されるホスホラミダイト単量体に転換させるために、同連の工程として使用する代替的な方策の使用を示す。 図6は、分子タグの合成における移動度改変因子内に組み込まれ得る、いくつかのアミノアルコールおよび二価酸二塩化物を示す。 図7A−Bは、酸化不安定性の結合および一重項酸素によって誘導されるそれぞれの切断反応を示す。 図7C−Dは、酸化不安定性の結合および一重項酸素によって誘導されるそれぞれの切断反応を示す。 図7E−Fは、酸化不安定性の結合および一重項酸素によって誘導されるそれぞれの切断反応を示す。 図8Aは、eタグ(e−tag)プローブを形成するための抗体へのeタグ部分の結合に関する通常の方法論、そして放出された分子タグとして、スルホン酸を産生するための一重項酸素と得られたプローブと反応を示す。 図8Bは、eタグ(e−tag)プローブを形成するための抗体へのeタグ部分の結合に関する通常の方法論、そして放出された分子タグとして、スルホン酸を産生するための一重項酸素と得られたプローブと反応を示す。 図9A−Eは、設計および合成されるeタグ部分の構造を示す(Pro1は、Molecular Probes、Incから販売されている)。 図9Fは、設計および合成されるeタグ部分の構造を示す(Pro1は、Molecular Probes、Incから販売されている)。 図9Gは、設計および合成されるeタグ部分の構造を示す(Pro1は、Molecular Probes、Incから販売されている)。 図9Hは、設計および合成されるeタグ部分の構造を示す(Pro1は、Molecular Probes、Incから販売されている)。 図9Iは、設計および合成されるeタグ部分の構造を示す(Pro1は、Molecular Probes、Incから販売されている)。 図9Jは、設計および合成されるeタグ部分の構造を示す(Pro1は、Molecular Probes、Incから販売されている)。 図10Aは、図9に示されたeタグ部分の合成の化学反応を示す。 図10B−Dは、図9に示されたeタグ部分の合成の化学反応を示す。 図10Eは、図9に示されたeタグ部分の合成の化学反応を示す。 図10Fは、図9に示されたeタグ部分の合成の化学反応を示す。 図10Gは、図9に示されたeタグ部分の合成の化学反応を示す。 図10Hは、図9に示されたeタグ部分の合成の化学反応を示す。 図10Iは、図9に示されたeタグ部分の合成の化学反応を示す。

Claims (42)

  1. 以下を含む組成物:一より多い微粒子の混合物であって、該混合物における各々の微粒子は、異なる分子タグが異なる微粒子に結合するように、切断可能な結合によって結合された分子タグ(tag)を有し、該分子タグは、多数の分子タグから選択され、多数の分子タグの各々は、多数の分子タグの他のものから区別される一つ以上の物理的特徴および/または光学的特徴を有し、その結果、各々の分子タグは、一つ以上のこのような物理的特徴および/または光学的な特徴に基づく切断および分離の際に区別可能なピークを形成する、組成物。
  2. 請求項1に記載の組成物であって、ここで前記分離は、電気泳動の分離またはクロマトグラフィーの分離であり、ここで前記分子タグは、100〜2500ダルトンの範囲の分子量を有する、組成物。
  3. 請求項2に記載の組成物であって、ここで前記微粒子に結合する各々の前記分子タグは、以下の式:
    −L−(M,D)
    によって決定されるグループから選択され、
    ここで、Lは切断可能な結合;Dは検出部分;そしてMは、結合または1原子〜100原子から成る水溶性の有機化合物であり、水素は含まず、該原子は、炭素、酸素、窒素、リン、ホウ素、そして硫黄から成るグループから選択される、組成物。
  4. 請求項3に記載の組成物であって、ここでDは蛍光標識、色素標識、または電子化学的標識である、組成物。
  5. 請求項4に記載の組成物であって、ここでMは、ポリエーテル、ポリエステル、ポリペプチド、オリゴサッカライド、ポリウレタン、ポリアミド、ポリスルホンアミド、ポリスルホキシド、ポリホスホン酸、およびそれらのブロック共重合体のうちのいずれか1つから選択される、組成物。
  6. 請求項5に記載の組成物であって、ここでDはフルオレセインである、組成物。
  7. 請求項6に記載の組成物であって、ここで前記フルオレセインは
    5−カルボキシフルオレセインおよび6−カルボキシフルオレセイン、5−カルボキシ−4,7−ジクロロフルオレセインおよび6−カルボキシ−4,7−ジクロロフルオレセイン、2’,7’−ジメトキシ−5−カルボキシ−4,7−ジクロロフルオレセインおよび2’,7’−ジメトキシ−6−カルボキシ−4,7−ジクロロフルオレセイン、2’,7’−ジメトキシ−4’,5’−ジクロロ−5−カルボキシフルオレセインおよび2’,7’−ジメトキシ−4’,5’−ジクロロ−6−カルボキシフルオレセイン、2’,7’−ジメトキシ−4’,5’−ジクロロ−5−カルボキシ−4,7−ジクロロフルオレセインおよび2’,7’−ジメトキシ−4’,5’−ジクロロ−6−カルボキシ−4,7−ジクロロフルオレセイン、1’,2’,7’,8’−ジベンゾ−5−カルボキシ−4,7−ジクロロフルオレセインおよび1’,2’,7’,8’−ジベンゾ−6−カルボキシ−4,7−ジクロロフルオレセイン、1’,2’,7’,8’−ジベンゾ−4’,5’−ジクロロ−5−カルボキシ−4,7−ジクロロフルオレセインおよび1’,2’,7’,8’−ジベンゾ−4’,5’−ジクロロ−6−カルボキシ−4,7−ジクロロフルオレセイン、2’,7’−ジクロロ−5−カルボキシ−4,7−ジクロロフルオレセインおよび2’,7’−ジクロロ−6−カルボキシ−4,7−ジクロロフルオレセイン、ならびに2’,4’,5’,7’−テトラクロロ−5−カルボキシ−4,7−ジクロロフルオレセインおよび2’,4’,5’,7’−テトラクロロ−6−カルボキシ−4,7−ジクロロフルオレセインから成るグループから選択される、組成物。
  8. 請求項3に記載の組成物であって、ここでLはオレフィン、チオエーテル、セレノエーテル、チアゾール、オキサゾールおよびイミダゾールからなるグループから選択される、組成物。
  9. 請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7または請求項8に記載の組成物であって、ここで前記多数の分子タグは2から100の範囲にあり、そしてここで前記分離は電気泳動の分離である、組成物。
  10. 請求項9に記載の組成物であって、ここで多数の分子タグは3〜50の範囲にある、組成物。
  11. 請求項10に記載の組成物であって、ここで前記微粒子の各々は、結合部分に結合されており、前記分子タグおよび結合部分の異なる対が、異なる微粒子に結合されている、組成物。
  12. 請求項11に記載の組成物であって、ここで前記結合部分が、抗体結合組成物である、組成物。
  13. 請求項11に記載の組成物であって、ここで結合部分がオリゴヌクレオチドである、組成物。
  14. 以下を含む組成物:一より多い微粒子の混合物であって、各々の微粒子は結合部分および分子タグが結合された表面を有し、各々の結合部分は、分析体に対して特異的であり、そして該分子タグは切断可能な結合によって結合され、異なる対の分子タグおよび結合部分が、異なる微粒子に結合されており、該分子タグは、多数の分子タグから選択され、多数の分子タグの各々は、多数の分子タグの他のものから区別する、一つ以上の物理的および/または光学的特徴を有する。その結果、各々の分子タグは、このような1つ以上の物理的および/または光学的特徴に基づく切断および分離の際に区別可能なピークを形成する、混合物;および
    第二の結合組成物であって、各々の分析物に特異的な少なくとも一つの結合部分を含有し、各々のこのような結合部分は、切断可能な結合を切断する能力がある、活性種を生成するための増感剤を有する、結合組成物。
  15. 請求項14に記載の組成物であって、ここで前記分離は、電気泳動分離およびクロマトグラフィーの分離であり、ここで前記分子タグは100ダルトン〜2500ダルトンの範囲の分子量を有する、組成物。
  16. 請求項15に記載の組成物であって、ここで前記増感剤が、その励起状態において酸素をその一重項状態に活性化させることができる光増感剤であり、ここで前記第一の結合部分および前記第二の結合部分は両方とも抗体結合組成物である、組成物。
  17. 請求項15に記載の組成物であって、ここで前記増感剤が、その励起状態において酸素をその一重項状態に活性化させることができる光増感剤であり、前記第一の結合部分は、細胞表面膜レセプターのリガンドであり、ここで前記結合部分が生物細胞の細胞表面膜におけるレセプターであり、該光増感剤が生物細胞の細胞表面膜に結合する、組成物。
  18. 請求項15、16、17に記載の組成物であって、ここで前記微粒子に結合された各々の前記分子タグが、以下の式:
    −L−(M,D)
    によって決定されるグループから選択され、
    ここで、Lは切断可能な結合;Dは検出部分、そしてMは結合または1原子〜100原子から成る水溶性の有機化合物であり、水素を含まず、該原子は炭素、酸素、窒素、リン、ホウ素、そして硫黄から成るグループから選択される、組成物。
  19. 請求項18に記載の組成物であって、ここでDは蛍光標識、色素標識または電気化学的標識である、組成物。
  20. 請求項19に記載の組成物であって、ここでMは、ポリエーテル、ポリエステル、ポリペプチド、オリゴサッカライド、ポリウレタン、ポリアミド、ポリスルホンアミド、ポリスルホキシド、ポリホスホン酸、およびそれらのブロック共重合体のいずれか1つから選択される、組成物。
  21. 請求項20に記載の組成物であって、ここでDはフルオレセインである、組成物。
  22. 請求項18、請求項19、請求項20または請求項21に記載の組成物であって、ここで(i)Lはオレフィン、チオエーテル、セレノエーテル、チアゾール、オキサゾールおよびイミダゾールからなるグループから選択される、(ii)前記多数の分子タグは2から100の範囲にあり、そして(iii)前記分離は電気泳動の分離である、組成物。
  23. 請求項22に記載の組成物であって、ここで前記多数の分子タグは、3〜50の範囲にある、組成物。
  24. 以下を含む組成物:
    一つ以上の標的分析体;
    一より多い微粒子の混合物であり、各々の微粒子は、第一の結合部分および分子タグが結合された表面を有し、異なる対の分子タグおよび第一の結合部分が、異なる微粒子に結合するように、少なくとも一つの第一の結合部分が切断可能な結合によって表面に結合された標的分析体および該分子タグに特異的に結合され、該分子タグは、多数の分子タグから選択され、多数の分子タグの各々が、多数の分子タグの他のものから区別される、一つ以上の物理的および/または光学的特徴を有し、その結果、各々の分子タグは、このような一つ以上の物理的および/または光学的特徴に基づく、切断および分離の際に区別可能なピークを形成する混合物;および
    各々の標的分析体に対して特異的な、少なくとも一つの第二の結合部分を含む第二の結合組成物であって、各々の第二の結合部分は、効果的な近接に活性種を生成するための増感剤を有し、そして少なくとも一つの第二の結合部分は、特異的に標的分析体に結合し、その結果、同じ標的分析体に特異的に結合する第一の結合部分の分子タグの切断可能な結合が、第二の結合部分の増感剤の効果的な近接内に存在する、組成物。
  25. 請求項24に記載の組成物であって、前記分離が電気泳動の分離またはクロマトグラフィーの分離であり、ここで前記分子タグは100〜2500ダルトンの範囲の分子量を有する、組成物。
  26. 請求項25に記載の組成物であって、ここで前記増感剤は、その励起状態において、酸素をその一重項状態に活性化させることができる光増感剤であり、ここで前記標的分析体は各々タンパク質であり、ここで前記第一の結合部分および前記第二の結合部分は両方とも抗体結合組成物である、組成物。
  27. 請求項25に記載の組成物であって、ここで前記増感剤は、その励起状態において、酸素をその一重項状態に活性化させることができる光増感剤であり、ここで前記標的分析体は各々ポリヌクレオチドであり、ここで前記第一の結合部分および前記第二の結合部分は両方ともオリゴヌクレオチドである、組成物。
  28. 請求項24、請求項25、請求項26または請求項27に記載の組成物であって、ここで前記微粒子と結合する各々の前記分子タグは、以下の式:
    −L−(M,D)
    によって決定されるグループから選択される、
    ここで、Lは切断可能な結合;Dは検出部分、そしてMは結合または1原子〜100原子から成る水溶性の有機化合物であり、水素を含まず、該原子は炭素、酸素、窒素、リン、ホウ素、そして硫黄から成るグループから選択される、組成物。
  29. 請求項28に記載の組成物であって、ここでDは蛍光標識、色素標識、電気化学的標識である、組成物。
  30. 請求項29に記載の組成物であって、ここでMはポリエーテル、ポリエステル、ポリペプチド、オリゴサッカライド、ポリウレタン、ポリアミド、ポリスルホンアミド、ポリスルホキシド、ポリホスホン酸、およびそれらのブロック共重合体のいずれか1つから選択される、組成物。
  31. 請求項30に記載の組成物であって、ここでDがフルオレセインである、組成物。
  32. 請求項28、請求項29、請求項30または請求項31に記載の組成物であって、ここで(i)Lはオレフィン、チオエーテル、セレノエーテル、チアゾール、オキサゾールおよびイミダゾールからなるグループから選択される、(ii)前記多数の分子タグは2から100の範囲にあり、そして(iii)前記分離は電気泳動の分離である、組成物。
  33. 請求項32に記載の組成物であって、ここで前記多数の分子タグは3〜50の範囲にある、組成物。
  34. サンプル中で、一つ以上の標的分析体を検出する方法であって、該方法は以下の工程:
    各々の標的分析体に対して、少なくとも一つの微粒子の混合物を提供する工程であって、各々の微粒子は第一の結合部分の表面および分子タグが結合された表面を有し、異なる対の分子タグおよび第一の結合部分が異なった微粒子に結合するように、各々の第一の結合部分は標的分析体に対して特異的であり、分子タグは、切断可能な結合によって結合され、多数の分子タグの各々が、多数の分子タグの他のものから区別される一つ以上の物理的および/または光学的特徴を有し、その結果、各々の分子タグは、このような一つ以上の物理的および/または光学的特徴に基づく切断および分離の際に区別可能なピークを形成する、工程;
    各々の標的分析体に対して特異的な、少なくとも一つの第二の結合部分を含む、第二の結合組成物を提供する工程であって、各々のこのような第二の結合部分は、切断可能な結合を切断させることができる活性種を生成するための増感剤を有する、工程;
    標的分子が存在する状態で、複合体が、該標的分析体と少なくとも一つの第一の結合部分およびそれに特異的な少なくとも一つの第二の結合部分との間で形成されるように、そして該第二の結合部分の増感剤が活性種の生成および少なくとも一つの微粒子から一つ以上の分子タグを放出するための一つ以上の切断可能な結合の切断を起こすように、該微粒子の混合物および第二の結合組成物と、サンプルを合わせる工程;ならびに
    サンプル内で標的分析体を決定するための一つ以上の物理的および/または光学的特徴により放出された分子タグを分離および同定する工程を包含する、方法。
  35. 請求項34に記載の組成物であって、ここで前記分離は電気泳動の分離またはクロマトグラフィーの分離であり、ここで前記分子タグは、100ダルトン〜2500ダルトンの範囲の分子量を有する、組成物。
  36. 請求項35に記載の組成物であって、ここで前記増感剤は、その励起状態において酸素をその一重項状態に活性化することができ、ここで前記第一の結合部分および前記第二の結合部分は両方とも抗体結合組成物である、組成物。
  37. 請求項34、35、36に記載の組成物であって、ここで前記微粒子に結合された各々の前記分子タグが、以下の式:
    −L−(M,D)
    によって決定されるグループから選択される、
    ここで、Lは切断可能な結合;Dは検出部分、そしてMは結合または1原子〜100原子から成る水溶性の有機化合物であり、水素を含まず、該原子は、炭素、酸素、窒素、リン、ホウ素、そして硫黄から成るグループから選択される、組成物。
  38. 請求項37に記載される組成物であって、ここでDは蛍光標識、色素標識または電気化学的標識である、組成物。
  39. 請求項38に記載の化合物であって、ここでMはポリエーテル、ポリエステル、ポリペプチド、オリゴサッカライド、ポリウレタン、ポリアミド、ポリスルホンアミド、ポリスルホキシド、ポリホスホン酸、およびそれらのブロック共重合体のいずれか1つから選択される、組成物。
  40. 請求項39に記載の組成物であって、ここでDがフルオレセインである、組成物。
  41. 請求項38、請求項39または請求項40に記載の組成物であって、ここで(i)Lはオレフィン、チオエーテル、セレノエーテル、チアゾール、オキサゾールおよびイミダゾールからなるグループから選択される、(ii)前記多数の分子タグは2から100の範囲にあり、そして(iii)前記分離は電気泳動の分離である、組成物。
  42. 請求項41に記載の組成物であって、ここで前記多数の分子タグは3〜50の範囲にある、組成物。
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