JP3618768B2 - 標的核酸の検出方法、プローブ、2本鎖核酸ハイブリッド内のミスマッチの検出方法及びプローブの製造方法 - Google Patents

標的核酸の検出方法、プローブ、2本鎖核酸ハイブリッド内のミスマッチの検出方法及びプローブの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ウイルス、微生物、動植物、ヒトなどの核酸(DNAまたはRNA)の所望の塩基配列の検出、同定、もしくは各種塩基配列における変異の有無の検出などに有用な標的核酸の検出方法、それに用いるプローブ及び2本鎖核酸ハイブリッド内のミスマッチの検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
核酸の分析技術の発達により種々の変異遺伝子が数多く見つけ出され、遺伝子の変異に基づく各種遺伝病の解明も進みつつある。そのなかには、遺伝子中の塩基が部分的に欠失したものや塩基が点突然変異を起こしたものがあり、それによって蛋白質に変異が生じ、さまざまな症状を引き起こすものがあることが明らかにされてきている。現在のところ、これらの遺伝病は、症状が現れてから、酵素によるアッセイや、抗体を用いた免疫的な方法により発見されることが主流であるが、早期治療という観点から、重篤な症状が現れる前に遺伝子上で変異の有無を早期に発見することの重要性が指摘されている。
【0003】
その有力な方法の一つとして、RFLP(restriction fragment length polymorphism:制限酵素断片長多型)が挙げられる。この方法は、例えばヒトの全遺伝子を制限酵素によって切断して得られるDNA断片をアガロ−スゲル電気泳動で展開し、サザンブロット法を用いてフィルタ−上に固定した後、放射性同位元素等により標識したDNA(またはRNA)からなるプロ−ブとハイブリッドさせ、正常なDNAと検体DNAの切断パタ−ンの相違から、これらの疾患と関連する遺伝子の有無を検出するものである。
【0004】
また、DNA診断は、必ずしもヒトの遺伝子に用いられるだけでなく、感染した細菌の同定においても利用しうる。
【0005】
従来は、分離した細菌の形態学的性状および生化学的性状から、類似性に基づいて菌種を同定する方法が取られていた。この方法では、培養に時間がかかる上に、検査法の違いによって性状の判定が異なったり、どの性状に重点を置くかによって同定の結果が異なる等の問題があった。
【0006】
そこで、近年、特に、細菌感染症における原因細菌の検出や同定の分野において、DNA−DNAハイブリダイゼ−ション法、あるいはDNA−RNAハイブリダイゼ−ション法を用いる試みがなされてきている。この方法は、細菌から核酸(DNAまたはRNA)を抽出し、細菌由来の核酸のうち特定部分に着目して、その部分の塩基配列とホモロジ−の高い塩基配列が、対象とする被検核酸サンプル中に存在するか否かをハイブリダイゼ−ション法によって調べ、サンプル中に問題となる細菌が存在するか否かを判定する方法である。
【0007】
これらの基礎技術であるハイブリダイゼ−ションという方法は、一般的には、次のような工程から構成される。
(1)DNAを切断し、それをゲル電気泳動で展開する工程。
(2)展開した各DNA断片をニトロセルロ−スフィルタ−に吸着させる工程(サザンブロット)。
(3)(2)で得たニトロセルロ−スフィルタ−をプロ−ブと反応させ、ハイブリッド体を形成させる工程。
(4)ハイブリッド体を形成したDNA断片を検出する工程。
【0008】
例えばDNAどうしのハイブリダイゼ−ション反応では、標識を施したプロ−ブDNAと標的DNAとがお互いの相補的な配列の部分で水素結合によりハイブリッド体を形成する。
【0009】
これらのハイブリダイゼ−ション反応に供せられるプロ−ブも時代とともに変化してきている。最も初期の頃は、長いDNA断片をニックトランスレ−ション反応により放射性同位元素で標識することが行なわれてきた。DNA合成機の発達にともない、長いDNAの代わりに合成オリゴヌクレオチドが用いられるようになり、標識物質も、危険な放射性物質からより安全なビオチン−アビジン系、そして、さらに、種々の化学発光系へと推移している。
【0010】
ハイブリダイゼ−ション反応において相補的な配列間で正確にハイブリッド体を形成させるためには、反応の温度、イオン強度を最適に選ぶ必要がある。つまり、温度が高すぎると、プロ−ブと相補的配列をもつ核酸とが結合できず、逆に低すぎると、プロ−ブが非特異的に核酸に結合してしまう。さらに、より正確さを期するために、溶液の塩濃度を下げて、或はまた、溶液の温度を上げて、不安定な水素結合を除き、非特異的に結合したプロ−ブやミスマッチしているプロ−ブを洗い流すことが重要となる。従って、適当な反応条件、洗浄条件の設定には、かなりの試行錯誤が必要になる。
【0011】
遺伝子診断では、ハイブリッド体形成反応、及び、洗いの条件設定に、一塩基対レベルのミスマッチをも除去する精度が更に要求される。
【0012】
ハイブリダイゼーション反応において、標的核酸をニトロセルロ−スのような担体に固定させて用いる場合は、反応後、プロ−ブの非特異的結合等を除去するための洗浄が行ないやすいという利点はあるものの、操作が煩雑で検査の自動化を困難にしている。しかも、時間がかかるという欠点を持つため、検体大量処理には向かない。
【0013】
そこで、核酸の固定化なしに溶液中でハイブリッド体を検出する方法によれば、自動化の可能性が開けることが期待されており、種々の試みがなされている。核酸の固定化を行わない方法における最大の課題は、標的核酸に結合しているプロ−ブと、結合していない過剰なプロ−ブをどのようにして区別するか(B/F分離)というところにある。さらに、この場合にも、上述の固定化核酸を用いたハイブリダイゼ−ション反応と同様に、プロ−ブの非特異的吸着やミスマッチを除くための適当な反応条件、洗浄条件設定が重要な課題となる。
【0014】
B/F分離を行わずに標的核酸とプローブとのハイブリッド体を検出するための方法としては、蛍光偏光解消法を用いた検出方法がいくつか提案されている(特開平2−295496号公報、特開平2−75958号公報等参照)。これらの方法は、蛍光標識された一本鎖DNAプロ−ブを、分析検体中のDNAと接触させて二本鎖DNAを形成させ、二本鎖形成前の蛍光偏光と二本鎖形成後の蛍光偏光との変異を測定して検体中のDNAに、プロ−ブの塩基配列に対応する塩基配列が存在するかどうかを検出する方法である。この方法は、一本鎖のプロ−ブに結合した蛍光物質が、二本鎖になったことによって動きにくくなり、蛍光異方性が増大することがその検出の原理となっている。
【0015】
ところが、これらの方法では、検体中に蛋白質等の夾雑物が含まれていて、それがプロ−ブDNAに非特異的に吸着すると、ハイブリッド体検出のバックグランドを上昇させる原因となるため、あらかじめ完全に除去するという煩雑な作業が必要となる。また、非特異的吸着、及び、塩基のミスマッチは他の溶液系の場合と同様、それをあらかじめ除去する操作が必要である。さらに、確かにB/F分離は必要ないもののプローブ濃度が標的DNA濃度と同程度であることが蛍光の変異を測定する上で必要となる。
【0016】
ところで、最近、DNAの二本鎖に二種類の色素を遊離の状態で混合した時に、これらの色素間でDNAを介した電荷移動が検出されたという報告がある(J.Am.Chem.Soc.1992,114,3656−3660) 。それは、蛍光を持つ電子供与体(エチジウムブロマイド、あるいは、アクリジンオレンジ)にそれぞれの励起波長に対応する波長の光を照射すると、もう一つの色素(電子受容体;N,N’−dimetyl−2,7−diazapyrenium dichloride )存在下では、その蛍光強度が減少するというもので、両色素がインターカレーターと考えられていることから電子がDNAの二重らせんを介して電子供与体から電子受容体のほうへ流れているというものである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、ハイブリダイゼ−ション反応を用いた標的核酸の検出法でB/F分離を必要とする場合は、標的核酸を固定した場合も、固定しない溶液系の場合も、B/F分離(過剰なプローブの除去)、非特異吸着やミスマッチの除去などの操作を数多く含み、かなり煩雑である。しかも、これらの操作の最適条件はプロ−ブの長さ、或は、それぞれの塩基配列によって異なるため、それぞれの場合で条件を検討し、設定していく必要がある。特に、ミスマッチしている塩基のプロ−ブ上の位置もハイブリッド体の安定性に影響を与える重要な因子となり、その位置によってはミスマッチしているハイブリッド体を除去できない場合も生じるため、ミスマッチの可能性を考慮して、ハイブリダイゼ−ション反応の条件を個々のケースに応じて設定するという更に煩雑な作業が必要となる。
【0018】
また、上述のB/F分離を必要としない蛍光の変異を測定する方法でも、非特異吸着やミスマッチの発生を防止する、あるいは発生した非特異吸着やミスマッチを除去するための煩雑な処理が必要である。しかも、夾雑物の存在によって測定感度が影響を受けたり、プロ−ブ濃度が標的核酸濃度と同程度であることが必須であるので、十分な量の試料を確保する必要があり、少量しか採れない試料の分析に適用できない場合があるといった問題がある。
【0019】
また、先にあげた、二種類の色素を遊離の状態で2本鎖DNAに加え、インターカレートさせて得られる相互作用は、DNAにインターカレートしている色素間、及びDNAにインターカレートしている色素と遊離の色素間、及び遊離色素間の電荷移動の平均値である。すなわち、DNAに2種類の色素がインターカレートしていて、DNAを介した電荷移動のみが相互作用として得られるではなく、遊離の色素に由来する測定のバックグランドが必ず生じる。また、2種類の色素がDNAにインターカレートしている系でも、両色素間の距離はまちまちで、得られる相互作用はそれらの平均値となる。
【0020】
本発明は、以上のような従来技術における問題に鑑みなされたものであり、B/F分離の必要がなく、より簡易化された工程からなり、良好な測定感度を得ることができるハイブリダイゼーションを利用した標的核酸の検出方法及びそれに用いるプローブを提供することにある。
【0021】
本発明の他の目的は、ミスマッチしているハイブリッド体が存在する場合でも所望のハイブリッド体のみを正確に検出できる標的核酸の検出方法及びそれに用いるプローブを提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明の標的核酸の検出方法は、試料溶液中に、少なくとも2種の色素が同一分子に結合した構造を有するプローブを加えてこれらを反応させる過程と、該試料溶液中に標的核酸が存在する場合に得られるプローブと標的核酸とのハイブリッド体の2重らせん構造の検出を、該2重らせん構造を介した前記色素間の電荷移動により生じる光学的変化を検出することにより行う過程と、を有することを特徴とする。
本発明の標的核酸検出用プローブは、標的核酸とのハイブリダイズのための配列を有する標的核酸検出用プローブであって、該プローブが、前記標的核酸のハイブリダイゼーションにより形成される2重らせん構造を介した電荷移動により検出可能な光学的変化を起こす少なくとも2種以上の色素が同一分子に結合した構造を有することを特徴とする。
また、本発明の試料溶液中の標的核酸の有無を検出する方法は、試料溶液が標的核酸を含んでいるか否かを検出する方法であって、
(a)該標的核酸が有する塩基配列と相補的な塩基配列を有する同一の一本鎖核酸に第1の色素及び第2の色素の両方が結合し、該第1の色素と該第2の色素とは、該標的核酸と該一本鎖核酸との間で形成される2本鎖核酸ハイブリッドの2重らせん構造を構成する核酸塩基対のスタッキングを介してそれらの間で電荷が移動するものであるプローブを用意する工程;
(b)該プローブを該試料溶液に加えた後、その試料溶液を該プローブと該標的核酸との間で2重らせん構造が形成される条件に置く工程;および
(c)該工程(b)によって得られる試料溶液中での、該2重らせん構造を介した該第1の色素と該第2の色素との間での電荷移動によって生じる該第1の色素及び該第2の色素の少なくとも一方の変化の有無を検出することによって、該工程(b)によって得られた試料溶液中の該標的核酸と該プローブとの間で形成される2本鎖核酸ハイブリッドの有無を検出する工程;
を有することを特徴とする。
また、本発明の2本鎖核酸ハイブリッドの有無の検出方法は、試料溶液が、標的核酸と該標的核酸が有する塩基配列と相補的な塩基配列の一本鎖核酸を有するプローブとの間で形成される2重らせん構造を有する二本鎖核酸ハイブリッドを含むか否かを検出する方法であって、
(a)第1の色素及び第2の色素の両方がともに、該標的核酸が有する塩基配列と相補的な塩基配列を有する同一の一本鎖核酸に結合してなり、該第1の色素及び該第2の色素は、その間で該ハイブリッドの2重らせん構造を形成する核酸塩基対のスタッキングを介して電荷が移動するものであるプローブを用意する工程;
(b)該プローブを、該標的核酸を含んでいる可能性を有する試料溶液中に加え、ついで該試料溶液を、該プローブと該標的核酸とが2重らせん構造を形成する条件に置く工程;および
(c)該ハイブリッドの2重らせん構造を介した該第1の色素と該第2の色素との間での電荷移動によって生じる該第1の色素及び該第2の色素の少なくとも一方の変化の有無を検出する工程;
を有することを特徴とする。
また、本発明の標的核酸検出用のプローブは、所定の塩基配列を有する標的核酸の検出用のプローブであって、
該プローブは、該塩基配列に対して相補的な塩基配列を有する一本鎖核酸と、第1の色素および第2の色素とを、有し、且つ、これらの第1の色素及び第2の色素の両方は同一の一本鎖核酸に結合しており、
該第1の色素と該第2の色素とは、該プローブと該標的核酸との間で形成される2本鎖核酸ハイブリッドを構成する核酸塩基対のスタッキングを介して、それらの間で電荷が移動するものであって、且つ該第1の色素及び該第2の色素の少なくとも一方は、該電荷が移動したことによって検出可能な変化を生じるものである
ことを特徴とする。
また、本発明の2本鎖核酸ハイブリッド内のミスマッチの有無の検出方法は、標的核酸とプローブの間で形成される2本鎖核酸ハイブリッド内のミスマッチの有無を検出する方法であって、
(a)該標的核酸が有する塩基配列に対して相補的である可能性のある塩基配列を有する一本鎖核酸と、第1の色素及び第2の色素を有し、これらの第1の色素及び第2の色素の両方は同一の一本鎖核酸に結合しており、該第1の色素及び該第2の色素は、該2本鎖核酸ハイブリッド内にミスマッチがない場合のみ、該ハイブリッドの2重らせん構造を構成する核酸塩基対のスタッキングを介してそれらの間で電荷が移動するものであるプローブを用意する工程;
(b)該プローブを該標的核酸を含む試料溶液に加えた後、該試料溶液を該プローブと該標的核酸とが2本鎖核酸ハイブリッドを形成する条件に置く工程;及び
(c)該電荷の移動によって生じる該第1の色素及び第2の色素の少なくとも一方の変化の有無を検出する工程;
を有することを特徴とする。
また、本発明の試料溶液中の標的核酸の有無を検出する方法は、試料溶液中に含まれている可能性のある標的核酸の有無を検出する方法であって、
(a)該標的核酸が有する塩基配列と相補的な塩基配列を有する同一の一本鎖核酸に第1の色素及び第2の色素の両方が結合し、該第1の色素と該第2の色素とは、該標的核酸と該一本鎖核酸との間で形成される2本鎖核酸ハイブリッドの2重らせん構造を構成する核酸塩基対スタッキングを介してそれらの間で電荷が移動するものであり、
且つ該第1の色素及び該第2の色素は、該スタッキングを介さない場合には、互いに相互作用することにない距離で該一本鎖核酸に結合されているプローブを用意する工程;
(b)該プローブを該試料溶液に加えた後、その試料溶液に該プローブと該標的核酸との間で2重らせん構造が形成される条件に置く工程;および
(c)該工程(b)によって得られる試料溶液中での、該2重らせん構造を介した該第1の色素と該第2の色素との間での電荷移動によって生じる該第1の色素及び該第2の色素の少なくとも一方の変化の有無を検出することによって、該工程(b)によって得られた試料溶液中の該標的核酸と該プローブとの間で形成される2本鎖核酸ハイブリッドの有無を検出する工程;
を有することを特徴とする。
また、本発明にかかるプローブの製造方法は、標的核酸の検出のための、該標的核酸の塩基配列に対して相補的な塩基配列を有する1本鎖核酸と、第1の色素及び第2の色素と、を有し、これらの第1の色素及び第2の色素の両方が同一の1本鎖核酸に結合しているプローブの製造方法であって、
(a)該1本鎖核酸の3’末端にアミノ基を導入し、5’末端にチオール基を導入する工程;
(b)該3’末端のアミノ基をN,N’−ジメチル−2,7−ジアザピレンビス(テトラフルオトボレート)と反応させる工程;及び
(c)該5’末端のチオール基をアクリジンと反応させる工程;
を有することを特徴とする。
【0023】
本発明の検出方法は、従来の方法とはまったく異なる原理に基づいてハイブリッド体を検出するものである。すなわち、本発明の方法は、ハイブリッド体形成にともなう二重らせん構造の形成を検出するものであり、B/F分離が不要である。さらに、本発明においては、正確な2重らせん構造のみ検出できる条件を設定することで、非特異吸着やミスマッチが生じでいてもそのまま所望の核酸ハイブリッド体の形成が検出可能となり、測定精度を向上させることが可能である。なお、本発明は、DNA−DNAハイブリダイゼーション、DNA−RNAハイブリダイゼーションなど2重らせん構造を形成する場合に適用される。
【0024】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0025】
ハイブリダイゼ−ションという現象は、これまで単に、互いに相補的な核酸塩基間の水素結合という視点でとらえられていたにすぎない。それは、核酸(DNAやRNA)を固定化させてからハイブリダイゼ−ション反応を行なうことが一般的であったからである。しかし、溶液中でのハイブリダイゼ−ション反応の場合には、核酸がある長さで二本鎖を形成すれば、二重らせん構造をとることが期待される。本発明者らは、核酸が一本鎖の場合と二本鎖(ハイブリッド体)の場合に、その高次構造や化学的性質が異なることに着目し、その検出システムを確立し、本発明を完成した。
【0026】
2重らせん構造では、核酸塩基部分が水素結合により塩基対を形成し、リン酸部分及び糖の部分は外側に向いた形でらせんを巻く。核酸塩基はお互いに積み重なりスタッキングにより安定化してらせん軸の中心に位置する。二重らせん構造としては、A、B、C及びZ型、そして、これらの変形が知られている。それぞれの構造は、塩基配列だけでなく、アニーリングの際に用いるイオン種や塩濃度によって、ピッチ長、らせんの対称性、溝の幅、溝の深さなどが異なり、同じ配列を用いた場合でも条件によって2重らせん構造が変化するといわれている。一般的には、DNAはB型構造をとるといわれ、その場合、ピッチ長は33.8オングストロ−ム、1ピッチ当たりの核酸塩基対数は10塩基といわれている。
【0027】
本発明は、ハイブリッド体の有する2重らせん構造を、該2重らせん構造との電荷移動により検出可能な光学的変化を起し得る色素を用い、該色素の光学的変化を測定することで2重らせん構造の形成を検出する方法である。
【0028】
この色素としては、2重らせん構造を介する電荷移動による変化を起すものなどが利用できる。この場合、2種以上の色素には、少なくとも電子供与体となる色素と、電子受容体となる色素のセットが含まれる。
【0029】
この電子供与体と電子受容体の組合せを用いる方法は、一本鎖から二本鎖、つまり、二重らせんへの構造変化にともない、電子供与体と電子受容体との間の2重らせん構造を介した電荷移動により起る電子供与体または電子受容体の光学的変化を測定することでハイブリッド体を検出するものである。
【0030】
本発明において、電子受容体と電子供与体の関係は、両者のエネルギ−状態の関係で決まるものである。従って、本発明においては、電子供与体または電子受容体として一般に定義された物質が、その定義のとおりに用いられるのではなく、これらの電荷移動における関係において、電子供与体または電子受容体となり得る色素を適宜選択して用いる。例えば、アントラセンは典型的な電子供与体として、その酸化還元電位が測られている一方で、電子受容体としてもその特性が調べられていることはよく知られたことである。
【0031】
電子受容体と電子供与体の間の2重らせん構造を介した電荷移動は、核酸塩基対のスタッキングを介して行われる。この核酸塩基間のスタッキングを介する場合とは、2重らせん構造と反応できる位置に置かれた電子供与体と電子受容体の距離が本来相互作用できないほど離れている時、電子供与体から放出された電子が、核酸塩基対上に広がる電子雲を介して、電子を次々隣接する核酸塩基対に受け渡され、最終的に電子受容体にまで電子を到達させるというものである。また、逆に、電子受容体が核酸塩基対から電子を引き抜き、それが連鎖的に行われて最終的に電子供与体から電子が奪い取られるという機構も成り立つ。つまり、電荷移動におけるメディエ−タ−が、核酸塩基対ということになる。
【0032】
なお、2重らせん構造を介した電子供与体と電子受容体の間での電荷移動が起こりにくい場合には、これらの間に電荷移動を仲介するようなメディエーター、或は、センシタイザーと称される物質を介在させてもよい。
【0033】
上記のように、本発明においては色素(電子供与体と電子受容体)が2重らせん構造と反応できる位置に配置されて、これらの相互作用が生じる必要がある。色素が二重らせん構造と反応可能な位置に配置される方式としては、インターカレーターのように核酸塩基対の間に入り込む場合、二重らせん構造の溝に埋め込まれる場合、更に、二重らせん構造に寄り添う形で配置される場合等が利用できる。いずれの場合も、一本鎖であるプロ−ブと標的核酸とによって形成されたハイブリッド体の2重らせん構造に特異的に配置されることが本発明にとって本質的に必要なことである。
【0034】
これらの中では、インターカレーターは、スタッキングを介する電荷移動を利用する場合に最も有利である。つまり、インターカレーターは、一般には、電子の広がりを持つ平面状の化合物で、核酸塩基対の積み重なりの延長線上に、核酸塩基対間の距離と同じような距離で、核酸塩基対と平行な位置に配向する。例えば、電子供与体としてインターカレーターを用い、2重らせん構造の反対側に電子受容体を配置すれば、電子供与体から放出された電子が、隣接する核酸塩基対に電子が送られ、それがそれぞれの核酸塩基対の電子雲を経由して、一直線に電子受容体に向かって流れ得る。或は、この逆に、電子受容体としてインターカレーターを用い、2重らせん構造を挟んだ反対側に電子受容体を配置すれば、電子受容体上の電子孔により隣接する核酸塩基対から電子を引き抜き、この電子の引き抜きが他の核酸塩基対間に次々と生じて最終的に電子供与体から電子を引き抜き、電荷移動が行われる場合もある。このれらの点から考えると、プローブに結合すべき少なくとも2種の色素は共にインターカレーターであることが重要である。インターカレーターは二重らせん構造を安定化させ、その融解温度を上昇させることが知られており、電子供与体や電子受容体がインターカレーターであることは、プローブと標的核酸間のハイブリッド体を安定化させるという点でも有利である。
【0035】
本発明においては、2重らせん構造を介した少なくとも2種の色素(電子供与体と電子受容体)間での電荷移動が、2重らせん構造が存在しない場合には生じないように条件を設定することも必要である。このような条件は、たとえば、
(a)2重らせん構造に伴なうスタッキングを介してのみ電荷移動が起るような酸化還元電位をもつ色素のセットを選択する、
(b)2重らせん構造の存在がなくても電荷移動が可能な色素のセット(電子供与体と電子受容体のセット)を用いた場合は、これらの色素の間の距離をこれらの間での電荷移動が起きないようにこれらをプローブに結合させ、かつ複数のプローブ分子間でのこれらの反応が生じないようにプローブの濃度を適宜選択する等の方法により達成できる。
【0036】
なお、電子供与体と電子受容体のセットを用いる場合に、これらを2重らせん構造の存在しない状態で反応させたときに、これらの間での電荷移動が生じる場合でも、その電荷移動に基づく光学的変化が、2重らせん構造の存在下での光学的変化に比べて小さく、2重らせん構造の存在下での光学的変化を十分に検出できる場合はこの限りではない。
【0037】
本発明に用いる色素の光学的変化の検出法は、その光学的変化によっていくつかの種類に分類できる。
【0038】
例えば、電荷移動吸収帯のように、新しい吸収スペクトルの出現、或は、変化としてとらえることもできる。電荷移動の結果、溶液が着色、変色するような系は、直接その変化を目でとらえることができ、簡便な系として、さらに有効である。蛍光やリン光のような発光系も利用できる。この場合、蛍光やリン光が新たに生じる反応や、発光していたものが相互作用の結果消失する反応を利用できる。
【0039】
本発明では、電子供与体としての色素が光によって活性化されて電子を放出し電荷移動が開始される場合のほか、電子供与体としての色素が他の物質によって刺激されて電子を発生させるようなものでもよい。
【0040】
さらに、電子受容体である色素の方を活性化して、それに誘起されて電子が電子受容体から引き抜かれてもよい。そして、その開始剤としては、電子供与体における場合と同様、光の他、何らかの開始剤であってもよい。
【0041】
また、先に述べたように、電子供与体である色素と電子受容体である色素との間の電荷移動を仲介するようなメディエ−タ−、或は、センシタイザ−と称される物質が介在しても良い。そして、これらの物質が2重らせん構造との電荷移動反応を行う結果として、直接2重らせん構造とは結合していないその他の電子供与体や電子受容体に電荷移動を促しても良い。
【0042】
色素のプローブへの結合は、必要に応じて例えば(CH のようなリンカーを介して行い、その際これらの相互作用が最も効率よくなされるようにこれらの位置関係等を配慮する。
【0043】
電子供与体である色素と電子受容体である色素の両方がプロ−ブに結合していることで、相互作用するこれら色素間の位置関係が明確となるため、その相互作用の制御を、プローブでのこれらの位置関係によって行うことができる。この場合、電子供与体である色素と電子受容体である色素のプローブ上での距離は、用いる色素の種類に応じて適宜選択されるが、例えば、20〜150オングストロームであることが好ましく、50〜80オングストロームであることがより好ましい。これらをプローブに結合する場合の位置は、プローブの長さにもよるが、プローブの両端に分けて結合するのが、結合の容易性の点から有利である。
【0044】
なお、プローブの長さは、標的核酸との良好なハイブリダイゼーションが可能で、安定した2重らせん構造が得られる長さが個々のケースにおいて適宜選択されるが、例えば近接していると2重らせん構造の存在しない場合でも相互作用を起こす2種の色素を用いる場合にはこれらの距離を考慮して決定されるが、例えば、8塩基長以上、好ましくは12塩基長以上とされる。
【0045】
しかしながら、2重らせん構造の安定化には、プローブ長の他に、塩基配列自体、反応系の塩濃度やイオン強度も大きく影響する。G−C塩基対は、A−T塩基対よりも水素結合数が多いため、GCが多い配列ではより安定な2重らせん構造が形成される。また、KClのモル濃度を0.01Mから1Mに上昇させるとDNAの融点温度は30℃上昇するといわれている。また、インターカレーターの存在も安定に大きく寄与する。従って、これらの安定化因子を適宜利用することによって、8塩基長未満のプローブを用いることも可能である。
【0046】
色素の電荷移動による変化は、不可逆的なものであることが望ましい。すなわち、変化が不可逆的なものであれば、変化を蓄積して検出することも可能であり、その場合感度の点で有利である。
【0047】
【実施例】
以下実施例により本発明を更に詳細に説明する。
【0048】
実施例 1
(1)N,N’−Dimetyl−2,7−diazapyrene bis(tetrafluoroborate) (DAP2+)のスクシイミドエステル化
DAP2+はHunig らの方法(Ann.Chem.1973,339)により合成した。次に、精製後のDAP2+と無水コハク酸とをFriedel−Crafts反応させ、カルボキシル基を導入して精製物(I)を得た。さらに、精製物(I)の0.5gをアルゴン気流下、100mlの遮光した反応容器に入れ、乾燥DMF30mlに溶解した。−10℃に冷却した後、N,N’−ジスクシイミジルカーボネート0.4gを添加した。同温度で5時間反応させた後、クロロホルム150mlに反応液を注入し、食塩水200mlで3回洗浄、水洗し溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムで精製後、エタノール−イソプロピルエーテルから結晶化させて、DAP2+(II)を得た。
【0049】
(2)核酸へのアミノ基、チオ−ル基の導入
標的核酸としてのM13mp18DNA(一本鎖)の塩基配列の一部に相補的な塩基配列を有する20量体オリゴヌクレオチドを、ABI社製381A、DNA自動合成機で合成した。合成時、通常のアミダイド試薬CPGの代わりにミリジェン社製Fmoc3’−アミノ−モディファイア−CPGカラム(III) を用いて3’側にアミノ基を導入した。さらに、合成後、通常のアミダイド試薬の代わりにミリジェン社製5’−ヘキサノールチオ−ルリンカー(III’) を用いて5′側にチオ−ル基を1個導入した。
【0050】
CPG−サポートからの切り出し、脱保護、高速液体クロマトグラフィーによる精製は、所定のプロトコールに従った。オリゴヌクレオチドの塩基配列は次のとおりである。
【0051】
5’−GTTGTAAAACGACGGCCAGT−3’
(3)プローブとDAP2+との結合
アミノ基およびチオール基を結合させた上記オリゴヌクレオチド500μg、1M炭酸ナトリウム緩衝液(pH=7.0)100μl、水700μlを混合溶解した後、これに、あらかじめ200μlのDMFに溶解したDAP2+ (II) 2mgを攪拌下ゆっくりと添加した。40℃で24時間反応させたところ、高速液体クロマトグラム上で核酸のピークが消え新たに核酸とDAP2+の吸収を合わせ持ったピークが出現したので反応液をゲル濾過カラム(ファルマシア社製 NAP−50)で粗精製した後、高速液体クロマトグラフィーで精製した。450μgの3’DAP2+・プローブ複合体(IV)を得た。
【0052】
(4)プローブとアクリジンとの結合
上記(3)で得た5´側にチオール基を有するプローブ複合体(IV)400μg、1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH=6.0)100μl、水700μlを混合溶解した後、これにあらかじめ200μlのDMFに溶解したN−9−アクリジニルマレイミド(V フナコシ)1mgを攪拌下ゆっくりと添加した。40℃で24時間反応させた後、反応液をゲル濾過カラムで粗精製し、更に高速液体クロマトグラフィーで精製した。410μgの5’アクリジン・3’DAP2+・プローブ複合体(VI)を得た。
【0053】
(5)色素プロ−ブとM13mp18DNAとのハイブリッド体形成反応
上記(4)で作製されたプローブ複合体(VI)0.2μMと、M13mp18DNA(宝酒造社製)0.2μMを1mMリン酸緩衝溶液(pH7.0)/145mM NaCl/5mM KCl中で80度に加熱し、その後、徐々に冷却して室温まで下げて、プロ−ブ複合体(VI)とM13mp18DNAとのハイブリッド体を形成した。アクリジンの吸収スペクトルはハイブリッド体形成に伴って約20nm長波長にシフトした。
【0054】
(6)アクリジンの蛍光消光
モノクロメ−タ−のついた光照射装置を用いてアクリジンの励起波長である490nmの光を当てながら533nmの蛍光をモニタ−した。プロ−ブ単独の時には、光を長時間照射すると若干蛍光消光が見られた。各照射時間でのプロ−ブ単独の蛍光強度を1として、プロ−ブ複合体(VI)とM13mp18DNAとのハイブリッド体の蛍光強度比を求めた(図1)。
【0055】
ハイブリッド体の蛍光は時間と共に減少した。このことは、プロ−ブ複合体(VI)/M13mp18DNA二本鎖を介してアクリジンからDAP2+へ電荷が移動した結果、アクリジンの蛍光が消光したことを示している。つまり、B/F分離なしに、プロ−ブ複合体(VI)/M13mp18DNAハイブリッド体が検出できたことになる。
【0056】
(7)アクリジンの吸収スペクトルの経時変化
プロ−ブ複合体(VI)単独の場合と、プロ−ブ複合体(VI)/M13mp18DNAハイブリッド体の形成の場合について490nmの光照射後のアクリジンの吸収スペクトルの経時変化を観測した。プロ−ブ複合体(VI)単独でも、長時間の光照射を行うとアクリジン−DAP2+間の電荷移動に伴う吸収スペクトリの減少が見られる。しかしながら、各時間でのプロ−ブ複合体(VI)の吸収強度を1として、それぞれの照射時間に対するプロ−ブ複合体(VI)/M13mp18DNAハイブリッド体の吸収減少比を測定した(図2)。すると、プロ−ブ複合体(VI)単独の場合に対して有意なプロ−ブ複合体(VI)/M13mp18DNAハイブリッド体での吸収強度の減少が見られ、アクリジンからDAP2+への電荷移動がDNAのスタッキングを介して行われた事が示された。
【0057】
実施例2
下記の塩基配列のオリゴヌクレオチドをプローブとして用いる以外は、実施例1と同様にして、5’末端にアクリジンを、3’末端にDAP2+を結合させたプローブを作成し、M13mp18DNAと反応させ、蛍光消光及び吸収強度の減少の測定を行った。
【0058】
5’−GTTGTAAAAGGACGGCCAGT−3’
なお、この塩基配列は、実施例1で用いたプローブ用塩基配列の5’末端から10番目のCをGに変換したものであり、M13mp18DNAとミスマッチするものである。
【0059】
その結果、実施例1で観測された蛍光消光、吸収強度の減少はともに観測されず、ハイブリッド体の形成による電荷移動はおこらなかったことが確認された。このことは、ハイブリッド体のミスマッチが生じても検出されないことを示している。
【0060】
【発明の効果】
本発明の標的核酸の検出方法は、B/F分離が必要ないという利点を持つ。その結果、従来法で不可欠であった過剰なプロ−ブの除去、非特異吸着を除くための繁雑な処理、その条件検討等、数多くの操作が不要になった。
【0061】
さらに、正確なハイブリッド体でのみ信号変化が観測されるように試薬物質選択することで、反応系中にミスマッチが発生している場合でも、正確な2重らせん構造を形成しているハイブリッド体のみを検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において得られたアクリジンの蛍光消光を示すグラフである。
【図2】実施例1において得られたアクリジンの吸収強度比の減少を示すグラフである。

Claims (34)

  1. プローブを利用して、標的核酸を検出する方法であって、
    該プローブは、
    一本鎖核酸と、少なくとも2種の色素とで構成され、
    該一本鎖核酸の塩基配列は、該標識核酸の有する塩基配列と相補的であり、該標的核酸と該一本鎖核酸との間で二本鎖核酸ハイブリッド体の形成が可能であり、
    前記少なくとも2種の色素のうち、第1の色素と第2の色素が、該同一の一本鎖核酸に結合した構造を有し、
    前記一本鎖核酸に対する、第1の色素及び第2の色素の結合は、
    該一本鎖核酸が二本鎖核酸ハイブリッド体を形成していない場合、前記同一の一本鎖核酸に結合されている第1の色素と第2の色素は、互いに相互作用することのない距離を有し、
    該標的核酸と該一本鎖核酸との間で二本鎖核酸ハイブリッド体を形成した場合、前記同一の一本鎖核酸に結合されている第1の色素と第2の色素との間において、前記二本鎖核酸ハイブリッド体の2重らせん構造を構成する塩基対のスタッキングを介して、電荷の移動が可能である形態であり、
    該同一の一本鎖核酸に結合されている、第1の色素及び第2の色素の間における、前記二本鎖核酸ハイブリッド体の2重らせん構造を構成する塩基対のスタッキングを介する電荷移動により、検出可能な光学的変化を起こし、
    該同一の一本鎖核酸に結合されている、第1の色素及び第2の色素の少なくとも一種は、2重らせん構造を構成する核酸塩基に対するインターカレーターであり、
    標的核酸検出の操作は、
    試料溶液中に、プローブを加えてこれらを反応させる過程と、
    該試料溶液中に標的核酸が存在する場合に得られる、該プローブと標的核酸との二本鎖核酸ハイブリッド体の2重らせん構造の検出を、該2重らせん構造を構成する塩基対のスタッキングをする、前記色素間の電荷移動により生じる光学的変化を検出することにより行う過程とを有する
    ことを特徴とする標的核酸の検出方法。
  2. 前記同一の一本鎖核酸に結合されている第1の色素と第2の色素は2重らせん構造を構成する核酸塩基に対するインターカレーターである
    ことを特徴とする請求項1に記載の検出方法。
  3. 前記同一の一本鎖核酸に結合されている第1の色素と第2の色素は、電子供与体である色素と、電子受容体である色素との組み合わせである
    ことを特徴とする請求項に記載の検出方法。
  4. 前記色素間の電荷移動においては、電子供与体である色素と電子受容体である色素との間での電子または電子孔の移動が、2重らせん構造を構成する塩基対のスタッキングを介して行われる
    ことを特徴とする請求項に記載の検出方法。
  5. 前記同一の一本鎖核酸に結合されている第1の色素と第2の色素として前記同一の一本鎖核酸の一方の端部に電子供与体である色素が、他方の端部に電子受容体である色素が結合している
    ことを特徴とする請求項3または4に記載の検出方法。
  6. 前記色素間の電荷移動が、光照射により開始される
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の検出方法。
  7. 前記色素間の電荷移動により生じる光学的変化は不可逆的である
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の検出方法。
  8. 標的核酸とのハイブリダイズのための配列を有する標的核酸検出用プローブであって、
    該プローブは、
    一本鎖核酸と、少なくとも2種の色素とで構成され、
    該一本鎖核酸の塩基配列は、該標識核酸の有する塩基配列と相補的であり、該標的核酸と該一本鎖核酸との間で二本鎖核酸ハイブリッド体の形成が可能であり、
    前記少なくとも2種の色素のうち、第1の色素と第2の色素が、該同一の一本鎖核酸に結合した構造を有し、
    前記一本鎖核酸に対する、第1の色素及び第2の色素の結合は、
    該一本鎖核酸が二本鎖核酸ハイブリッド体を形成していない場合、前記同一の一本鎖核酸に結合されている第1の色素と第2の色素は、互いに相互作用することのない距離を有し、
    該標的核酸と該一本鎖核酸との間で二本鎖核酸ハイブリッド体を形成した場合、前記同一の一本鎖核酸に結合されている第1の色素と第2の色素との間において、前記二本鎖核酸ハイブリッド体の2重らせん構造を構成する塩基対のスタッキングを介して、電荷の移動が可能である形態であり、
    該同一の一本鎖核酸に結合されている、第1の色素及び第2の色素の間における、前記二本鎖核酸ハイブリッド体の2重らせん構造を構成する塩基対のスタッキングを介する電荷移動により検出可能な光学的変化を起こし、
    該第1の色素及び第2の色素の少なくとも一種は、2重らせん構造を構成する核酸塩基に対するインターカレーターである
    ことを特徴とする標的核酸検出用プローブ。
  9. 前記同一の一本鎖核酸に結合されている第1の色素と第2の色素は2重らせん構造を構成する核酸塩基に対するインターカレーターである
    ことを特徴とする請求項に記載のプローブ。
  10. 前記同一の一本鎖核酸に結合されている第1の色素と第2の色素は、電子供与体である色素と、電子受容体である色素との組み合わせである
    ことを特徴とする請求項に記載のプローブ。
  11. 前記色素間の電荷移動においては電子供与体である色素と電子受容体である色素との間での電子または電子孔の移動が、2重らせん構造を構成する塩基対のスタッキングを介して行われる
    ことを特徴とする請求項10に記載のプローブ。
  12. 前記同一の一本鎖核酸に結合されている第1の色素と第2の色素として前記同一の一本鎖核酸の一方の端部に電子供与体である色素が、他方の端部に電子受容体である色素が結合している
    ことを特徴とする請求項10または11に記載のプローブ。
  13. 前記色素間の電荷移動が、光照射により開始される
    ことを特徴とする請求項8〜11のいずれか一項に記載のプローブ。
  14. 前記色素間の電荷移動により生じる光学的変化は不可逆的である
    ことを特徴とする請求項8〜13のいずれか一項に記載のプローブ。
  15. 試料溶液が標的核酸を含んでいるか否かを検出する方法であって、
    (a)該標的核酸の検出用プローブとして、
    一本鎖核酸と、第1の色素及び第2の色素とで構成され、
    該一本鎖核酸の塩基配列は、該標識核酸の有する塩基配列と相補的であり、該標的核酸と該一本鎖核酸との間で二本鎖核酸ハイブリッド体の形成が可能であり、
    前記第1の色素第2の色素が、該同一の一本鎖核酸に結合した構造を有し、
    前記一本鎖核酸に対する、第1の色素及び第2の色素の結合は、
    該一本鎖核酸が二本鎖核酸ハイブリッド体を形成していない場合、前記同一の一本鎖核酸に結合されている第1の色素と第2の色素は、互いに相互作用することのない距離を有し、
    該標的核酸と該一本鎖核酸との間で二本鎖核酸ハイブリッド体を形成した場合、前記同一の一本鎖核酸に結合されている第1の色素と第2の色素との間において、前記二本鎖核酸ハイブリッド体の2重らせん構造を構成する塩基対のスタッキングを介して、電荷移動が可能である形態であり、
    該同一の一本鎖核酸に結合されている、第1の色素と第2の色素の少なくとも一方は、前記二本鎖核酸ハイブリッド体の2重らせん構造を構成する塩基対のスタッキングを介する電荷移動により検出可能な変化を起こし、
    該第1の色素及び第2の色素の少なくとも一種は、2重らせん構造を構成する核酸塩基に対するインターカレーターである構成のプローブを用意する工程;
    (b)該プローブを該試料溶液に加えた後、その試料溶液を該プローブと該標的核酸との間で2重らせん構造が形成される条件に置く工程;および
    (c)該工程(b)によって得られる試料溶液中での、該2重らせん構造を介した該第1の色素と該第2の色素との間での電荷移動によって生じる該第1の色素と該第2の色素の少なくとも一方の変化の有無を検出することによって、該工程(b)によって得られる試料溶液中の該標的核酸と該プローブとの間で形成される二本鎖核酸ハイブリッドの有無を検出する工程;
    を有することを特徴とする試料溶液中の標的核酸の有無を検出する方法。
  16. 該第1の色素及び第2の色素は、2重らせん構造を構成する核酸塩基に対するインターカレーターである
    ことを特徴とする請求項15に記載の検出方法。
  17. 該2重らせん構造を介した該第1の色素と該第2の色素との間での電荷移動によって生じる該第1の色素と該第2の色素の少なくとも一方の変化が、光学的変化である
    ことを特徴とする請求項15または16に記載の検出方法。
  18. 該変化が、該工程(b)によって得られる試料溶液に対して、光照射することによって引き起こされるものである
    ことを特徴とする請求項15〜17のいずれか一項に記載の検出方法。
  19. 該第1の色素と該第2の色素が、N,N’−ジメチル−2,7−ジアザピレン ビス(テトラフルオロボレート)ならびにアクリジンである
    ことを特徴とする請求項15〜18のいずれか一項に記載の検出方法。
  20. 試料溶液が、標的核酸と該標的核酸が有する塩基配列と相補的な塩基配列を有する一本鎖核酸を有するプローブとの間で形成される2重らせん構造を有する二本鎖核酸ハイブリッドを含んでいるか否かを検出する方法であって、
    (a)前記標的核酸が有する塩基配列と相補的な塩基配列を有する一本鎖核酸を有するプローブとして、
    一本鎖核酸と、第1の色素及び第2の色素とで構成され、
    該一本鎖核酸の塩基配列は、該標識核酸の有する塩基配列と相補的であり、該標的核酸と該一本鎖核酸との間で二本鎖核酸ハイブリッド体の形成が可能であり、
    前記第1の色素と第2の色素が、該同一の一本鎖核酸に結合した構造を有し、
    前記一本鎖核酸に対する、第1の色素及び第2の色素の結合は、
    該一本鎖核酸が二本鎖核酸ハイブリッド体を形成していない場合、前記同一の一本鎖核酸に結合されている第1の色素と第2の色素は、互いに相互作用することのない距離を有し、
    該標的核酸と該一本鎖核酸との間で二本鎖核酸ハイブリッド体を形成した場合、前記同一の一本鎖核酸に結合されている第1の色素第2の色素との間において、前記二本鎖核酸ハイブリッド体の2重らせん構造を構成する塩基対のスタッキングを介して、電荷移動が可能である形態であり、
    該同一の一本鎖核酸に結合されている、第1の色素と第2の色素の少なくとも一方は、前記二本鎖核酸ハイブリッド体の2重らせん構造を構成する塩基対のスタッキングを介する電荷移動により検出可能な変化を起こし、
    該第1の色素及び第2の色素の少なくとも一種は、2重らせん構造を構成する核酸塩基に対するインターカレーターである構成のプローブを用意する工程;
    (b)該プローブを、該標的核酸を含んでいる可能性を有する試料溶液に加え、次いで、該試料溶液を、該プローブと該標的核酸とが2重らせん構造が形成する条件に置く工程;および
    (c)該二本鎖核酸ハイブリッドの2重らせん構造を介した該第1の色素と該第2の色素との間での電荷移動によって生じる該第1の色素と該第2の色素の少なくとも一方の変化の有無を検出する工程;
    を有することを特徴とする試料溶液中の2重らせん構造を有する二本鎖核酸ハイブリッドの有無を検出する方法。
  21. 該第1の色素及び第2の色素は、2重らせん構造を構成する核酸塩基に対するインターカレーターである
    ことを特徴とする請求項20に記載の検出方法。
  22. 該2重らせん構造を介した該第1の色素と該第2の色素との間での電荷移動によって生じる該第1の色素と該第2の色素の少なくとも一方の変化が、光学的変化である
    ことを特徴とする請求項20または21に記載の検出方法。
  23. 該変化が、該工程(b)によって得られる試料溶液に対して、光照射することによって引き起こされるものである
    ことを特徴とする請求項20〜22のいずれか一項に記載の検出方法。
  24. 該第1の色素と該第2の色素が、N,N’−ジメチル−2,7−ジアザピレン ビス(テトラフルオロボレート)ならびにアクリジンである
    ことを特徴とする請求項20〜23のいずれか一項に記載の検出方法。
  25. 所定の塩基配列を有する標的核酸の検出用プローブであって、
    該プローブは、
    一本鎖核酸と、第1の色素と第2の色素とで構成され、
    該一本鎖核酸の塩基配列は、該標識核酸の有する塩基配列と相補的であり、該標的核酸と該一本鎖核酸との間で二本鎖核酸ハイブリッド体の形成が可能であり、
    前記第1の色素と第2の色素が、該同一の一本鎖核酸に結合した構造を有し、
    前記一本鎖核酸に対する、第1の色素及び第2の色素の結合は、
    該一本鎖核酸が二本鎖核酸ハイブリッド体を形成していない場合、前記同一の一本鎖核酸に結合されている第1の色素と第2の色素は、互いに相互作用することのない距離を有し、
    該標的核酸と該一本鎖核酸との間で二本鎖核酸ハイブリッド体を形成した場合、前記同一の一本鎖核酸に結合されている第1の色素第2の色素との間において、前記二本鎖核酸ハイブリッド体の2重らせん構造を構成する塩基対のスタッキングを介して、電荷移動が可能である形態であり、
    該同一の一本鎖核酸に結合されている、第1の色素と第2の色素の少なくとも一方は、前記二本鎖核酸ハイブリッド体の2重らせん構造を構成する塩基対のスタッキングを介する電荷移動により検出可能な変化を起こし、
    該第1の色素及び第2の色素の少なくとも一種は、2重らせん構造を構成する核酸塩基に対するインターカレーターである
    ことを特徴とするプローブ。
  26. 該第1の色素及び第2の色素は、2重らせん構造を構成する核酸塩基に対するインターカレーターである
    ことを特徴とする請求項25に記載のプローブ。
  27. 該変化が、光学的変化である
    ことを特徴とする請求項25または26に記載のプローブ。
  28. 該変化が、光照射することによって引き起こされるものである
    ことを特徴とする請求項25〜27のいずれか一項に記載のプローブ。
  29. 該第1の色素と該第2の色素とは、該同一の一本鎖核酸に結合されている該第1の色素と該第2の色素との間で、該二本鎖核酸ハイブリッドの2重らせん構造を構成する核酸塩基対のスタッキングを介することなしに相互に作用することのないような距離が存在するように該一本鎖核酸に対して結合している
    ことを特徴とする請求項25〜28のいずれか一項に記載のプローブ。
  30. 該結合部位が12塩基長以上離れている
    ことを特徴とする請求項29に記載のプローブ。
  31. 該第1の色素と該第2の色素が、N,N’−ジメチル−2,7−ジアザピレン ビス(テトラフルオロボレート)ならびにアクリジンである
    ことを特徴とする請求項25〜30のいずれか一項に記載のプローブ。
  32. 標的核酸とプローブとの間で形成される二本鎖核酸ハイブリッド内のミスマッチの有無を検出する方法であって、
    (a)該検出用プローブとして、
    一本鎖核酸と、第1の色素及び第2の色素とで構成され、
    該一本鎖核酸の塩基配列は、該標識核酸の有する塩基配列に対して相補的である塩基配列であり、該標的核酸と該一本鎖核酸との間で形成される二本鎖核酸ハイブリッド内にミスマッチを含む可能性があり、
    前記第1の色素第2の色素が、該同一の一本鎖核酸に結合した構造を有し、
    前記一本鎖核酸に対する、第1の色素及び第2の色素の結合は、
    該一本鎖核酸が二本鎖核酸ハイブリッド体を形成していない場合、前記同一の一本鎖核酸に結合されている第1の色素と第2の色素は、互いに相互作用することのない距離を有し、
    該標的核酸と該一本鎖核酸との間で形成される二本鎖核酸ハイブリッド内にミスマッチがない場合のみ、前記同一の一本鎖核酸に結合されている第1の色素と第2の色素との間において、前記二本鎖核酸ハイブリッドの2重らせん構造を構成する塩基対のスタッキングを介して、電荷移動が可能である形態であり、
    該同一の一本鎖核酸に結合されている、第1の色素と第2の色素の少なくとも一方は、前記二本鎖核酸ハイブリッドの2重らせん構造を構成する塩基対のスタッキングを介する電荷移動により検出可能な変化を起こし、
    該第1の色素及び第2の色素の少なくとも一種は、2重らせん構造を構成する核酸塩基に対するインターカレーターである構成のプローブを用意する工程;
    (b)該プローブを、該標的核酸を含む試料溶液に加えた後、該試料溶液を、該プローブと該標的核酸とが二本鎖核酸ハイブリッドを形成する条件に置く工程;および
    (c)該二本鎖核酸ハイブリッドの2重らせん構造を介した該第1の色素と該第2の色素との間での電荷移動によって生じる該第1の色素と該第2の色素の少なくとも一方の変化の有無を検出する工程;
    を有することを特徴とする二本鎖核酸ハイブリッド内のミスマッチの有無を検出する方法。
  33. 試料溶液中に含まれている可能性のある標的核酸の有無を検出する方法であって、
    (a)検出用プローブとして、
    一本鎖核酸と、第1の色素及び第2の色素とで構成され、
    該一本鎖核酸の塩基配列は、該標識核酸の有する塩基配列と相補的であり、該標的核酸と該一本鎖核酸との間で二本鎖核酸ハイブリッド体の形成が可能であり、
    前記第1の色素と第2の色素が、該同一の一本鎖核酸結合した構造を有し、
    前記一本鎖核酸に対する、第1の色素及び第2の色素の結合は、
    該一本鎖核酸が二本鎖核酸ハイブリッド体を形成していない場合、前記同一の一本鎖核酸に結合されている第1の色素と第2の色素は、互いに相互作用することのない距離を有し、
    該標的核酸と該一本鎖核酸との間で二本鎖核酸ハイブリッド体を形成した場合、前記同一の一本鎖核酸に結合されている第1の色素第2の色素との間において、前記二本鎖核酸ハイブリッドの2重らせん構造を構成する核酸塩基対のスタッキングを介して、電荷移動が可能である形態であり、
    該同一の一本鎖核酸に結合されている、第1の色素と第2の色素の少なくとも一方は、前 記二本鎖核酸ハイブリッド体の2重らせん構造を構成する塩基対のスタッキングを介する電荷移動により検出可能な変化を起こし、
    該第1の色素及び第2の色素の少なくとも一種は、2重らせん構造を構成する核酸塩基に対するインターカレーターである構成のプローブを用意する工程;
    (b)該プローブを該試料溶液に加えた後、該試料溶液を、該プローブと該標的核酸との間で2重らせん構造が形成される条件に置く工程;および
    (c)該工程(b)によって得られる試料溶液中での、該2重らせん構造を構成する核酸塩基対のスタッキングを介した該第1の色素と該第2の色素との間での電荷移動によって生じる該第1の色素と該第2の色素の少なくとも一方の変化の有無を検出することによって、該工程(b)によって得られる試料溶液中の該標的核酸と該プローブとの間で形成される二本鎖核酸ハイブリッドの有無を検出する工程;
    を有することを特徴とする試料溶液中の標的核酸の有無を検出する方法。
  34. 標的核酸検出用プローブの製造方法であって、
    該検出用プローブは、
    一本鎖核酸と、第1の色素及び第2の色素とで構成され、
    該一本鎖核酸の塩基配列は、該標識核酸の有する塩基配列と相補的であり、該標的核酸と該一本鎖核酸との間で二本鎖核酸ハイブリッド体の形成が可能であり、
    前記第1の色素と第2の色素が、該同一の一本鎖核酸に結合した構造を有し、
    前記一本鎖核酸に対する、第1の色素及び第2の色素の結合は、
    該一本鎖核酸が二本鎖核酸ハイブリッド体を形成していない場合、前記同一の一本鎖核酸に結合されている第1の色素と第2の色素は、互いに相互作用することのない距離を有し、
    該標的核酸と該一本鎖核酸との間で二本鎖核酸ハイブリッド体を形成した場合、前記同一の一本鎖核酸に結合されている第1の色素と第2の色素との間において、前記二本鎖核酸ハイブリッド体の2重らせん構造を構成する核酸塩基対のスタッキングを介して、電荷の移動が可能である形態であり、
    該同一の一本鎖核酸に結合されている、第1の色素と第2の色素の少なくとも一方は、前記二本鎖核酸ハイブリッド体の2重らせん構造を構成する塩基対のスタッキングを介する電荷移動により検出可能な変化を起こし、
    該第1の色素及び第2の色素の少なくとも一種は、2重らせん構造を構成する核酸塩基に対するインターカレーターである構成のプローブであり、
    該第1の色素及び第2の色素は、N,N’−ジメチル−2,7−ジアザピレン ビス(テトラフルオロボレート)ならびにアクリジンであり、
    (a)該一本鎖核酸の3’末端にアミノ基を導入し、5’末端にチオール基を導入する工程;
    (b)該3’末端にアミノ基をN,N’−ジメチル−2,7−ジアザピレン ビス(テトラフルオロボレート)と反応させる工程;及び
    (c)該5末端にチオール基をアクリジンと反応させる工程;
    を有することを特徴とするプローブの製造方法。
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