JP2007215477A - 蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブ - Google Patents

蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブ Download PDF

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坂本  隆
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Abstract

【課題】DNAを含めた標的核酸の検出を、均一系および不均一系のいずれにおいても可能にする蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブならびに当該プローブを用いた標的核酸の検出方法および一塩基多型の識別方法を提供すること。
【解決手段】2’ピレン修飾ヌクレオチドおよびそれに隣接して配置されるA型構造を誘起する核酸を含む蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブおよび当該プローブを使用する標的核酸の検出方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブならびに当該プローブを使用した標的核酸の検出方法および一塩基多型の識別方法に関する。
プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションは、インサイチュハイブリダイゼーションのような基礎研究から、疾患関連遺伝子の検出のような臨床検査まで広い用途に用いられている。従来のハイブリダイゼーションでは、標的核酸またはプローブのいずれかを固相に固定化していた。このようなハイブリダイゼーション系を不均一系と称する。不均一系において、ハイブリダイゼーションの有無にかかわらずシグナルを発する標識を使用する場合には、標的核酸とハイブリダイズしたプローブを特異的に検出するために、標的核酸とハイブリダイズしたプローブとハイブリダイズしていない遊離のプローブとを洗浄によって分離する操作(B/F分離)が必要である。
固定化/洗浄操作を要する不均一系の問題点を解決するために、標的核酸とプローブがハイブリダイズした場合のみに信号が発せられるような標識を使用する方法が開発された。このようなハイブリダイゼーション系は均一系と称する。例えば、蛍光共鳴エネルギー転移(fluorescence resonance energy transfer、FRET)を利用したモレキュラー・ビーコンと呼ばれる方法では、標的配列とアニールする1本鎖DNAのループと、このプローブ配列を挟むように設計された相補配列(アーム)がアニールした2本鎖のステムからなるヘアピン型オリゴヌクレオチドプローブの末端をレポーター色素およびクエンチャー色素で標識したものを使用する。ここで、標的配列とプローブ配列がアニールすると、レポーター色素とクエンチャー色素が近接していたステムの形が崩れ、レポーター色素から蛍光が放出される(非特許文献1)。この方法では、プローブがステム構造をとるよう設計する必要があるので、配列の選択に制約があり、またプローブがステム構造をとっている場合と標的配列とアニールした場合の安定性の差異を利用するため、反応・検出において厳密な温度管理を要するといった問題があった。このような問題のために、例えば、遺伝子中の一塩基のみの変異(一塩基多型、single nucleotide polymorphism(SNP))の識別への適用は困難であった。
本発明者らは、単独では青い蛍光を発する多環式芳香族化合物であるピレンをRNAプローブに導入すると蛍光活性が失われ、このピレン修飾RNAプローブを相補的な塩基配列を持つ標的RNAにハイブリダイズさせると蛍光活性が回復することを見出した(特許文献1)。さらに、この技術を利用して細胞内でのRNAの検出を可能とした(特許文献2)。このRNAプローブでは、上記モレキュラー・ビーコンにおいて使用されるプローブのようにステムを形成する必要がないので、任意の配列を使用することができ、幅広い温度で検出を実施できるなどの利点がある。従って、SNPの識別にも適用することができる。さらに、ピレンは発光寿命が長く、熱にも安定であるので、例えば、PCR反応の間にリアルタイムで増幅産物をモニターするなど多様な目的に利用することができる。しかし、上記のような蛍光活性の回復は標的核酸がDNAの場合では見られないので標的DNAの検出には利用できず、また標的核酸の特異的な検出のためには、より高い蛍光強度を示すプローブが求められていた。なお、標的DNAとのハイブリダイゼーションに際して蛍光の発光が見られないことの原因を示唆する研究としては、DNA二重鎖ではピレンがインターカレートされているが、RNA二重鎖ではピレンがインターカレートされずに二重鎖の外側に位置することを示したものがある(非特許文献2)。しかし、ピレン修飾RNAプローブを用いて標的DNAを検出するために有効な手段は知られていなかった。
特開2000−32999号公報 特開2004−81057号公報 国際公開第02/06297号パンフレット 特開2001−89496号公報 Tyagi, S. et al., Nat. Biotechnol., 14:303-308 (1996) Nakamura, M. et al., Nucleic Acids Res., 33:5887-5895 (2005) Hrdlicka, P.J. et al., J. Am. Chem. Soc., 127:13293-13299 (2005) Kalyanasundaram, K. et al., J. Am. Chem. Soc., 99:2039-2044 (1977) Cho, N. et al., J. Am. Chem. Soc., 115:6349-6356 (1993)
本発明は上記のような従来技術の問題を解決するものである。すなわち本発明の主な目的は、DNAを含めた標的核酸の検出を、均一系および不均一系のいずれにおいても可能にする蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブならびに当該プローブを用いた標的核酸の検出方法および一塩基多型の識別方法を提供することである。
すなわち本発明は、
[1]2’ピレン修飾ヌクレオチドおよびそれに隣接して配置されるA型構造を誘起する核酸を含む蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブ;
[2]A型構造を誘起する核酸が2’ピレン修飾ヌクレオチドの3’側に配置される[1]記載の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブ;
[3]A型構造を誘起する核酸が2’ピレン修飾ヌクレオチドの5’側に配置される[1]記載の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブ;
[4]A型構造を誘起する核酸が2’−O,4’−C−エチレン核酸(ENA)または2’−O,4’−C−メチレン核酸(BNA)である[1]記載の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブ;
[5]A型構造を誘起する核酸が2’−O,4’−C−エチレン核酸(ENA)である[4]記載の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブ;
[6]標的核酸としてのDNAとハイブリダイズした際に蛍光を発する[2]記載の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブ;
[7]標的核酸としてのRNAとハイブリダイズした際に蛍光を発する[1]記載の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブ;
[8]標的核酸とハイブリダイズした蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイズしていない遊離の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブとの分離(B/F分離)を行わない均一溶液中での標的核酸の検出に使用される[1]記載の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブ;
[9]標的核酸または蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブのいずれかが固相に固定化されている標的核酸の検出に使用される[1]記載の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブ;
[10]一塩基多型(SNP)の識別に使用される[1]記載の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブ;
[11]以下の工程を包含する標的核酸の検出方法:
(1)標的核酸に[1]記載の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブをハイブリダイズさせる工程;および
(2)標的核酸にハイブリダイズした蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブが発する蛍光を検出する工程;
[12]A型構造を誘起する核酸が2’ピレン修飾ヌクレオチドの3’側に配置される蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブを使用し、標的核酸がDNAである[11]記載の標的核酸の検出方法;
[13]標的核酸がRNAである[11]記載の標的核酸の検出方法;
[14]工程(1)において、均一溶液中でハイブリダイズした蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイズしていない遊離の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブとの分離(B/F分離)を行わない[11]記載の標的核酸の検出方法;
[15]工程(1)において、標的核酸または蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブのいずれかが固相に固定化されている[11]記載の標的核酸の検出方法;
[16]以下の工程を包含する標的核酸における一塩基多型の識別方法:
(1)標的核酸に[1]記載の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブをハイブリダイズさせる工程;および
(2)標的核酸にハイブリダイズした蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブが発する蛍光を検出する工程であって、ここで蛍光発光の有無に基づいて一塩基多型が識別される工程;
[17]A型構造を誘起する核酸が2’ピレン修飾ヌクレオチドの3’側に配置される蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブを使用し、標的核酸がDNAである[16]記載の一塩基多型の識別方法;
[18]標的核酸がRNAである[16]記載の一塩基多型の識別方法;
[19]工程(1)において、均一溶液中でハイブリダイズした蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイズしていない遊離の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブとの分離(B/F分離)を行わない[16]記載の一塩基多型の識別方法;
[20]工程(1)において、標的核酸または蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブのいずれかが固相に固定化されている[16]記載の一塩基多型の識別方法;
[21][1]記載の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブを含有する標的核酸検出用組成物;
[22][1]記載の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブを含有する標的核酸検出用キット;
[23][1]記載の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブを含有する一塩基多型識別用組成物。
[24][1]記載の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブを含有する一塩基多型識別用キット。;
に関する。
DNAを含めた標的核酸の検出を、均一系および不均一系のいずれにおいても可能にする蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブならびに当該プローブを用いた標的核酸の検出方法および一塩基多型の識別方法が提供される。
本発明の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブは、2’ピレン修飾ヌクレオチドおよびそれに隣接して配置されるA型構造を誘起する核酸を含むことを特徴とする。
本明細書において、「2’ピレン修飾ヌクレオチド」とは、2’位のOH基にピレンを共有結合したヌクレオチドをいう。
本発明によれば、ピレンの代わりに、蛍光を発するその他の多環式芳香族化合物を使用することもできる。そのような多環式芳香族化合物としては、限定するものではないが、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、キノリン、フルオランテン、クリセン、ベンゾ[a]ピレン、ペリレン、5−ジメチルアミノナフタレン−1−スルフォネート等が例示される。また、上記化合物は、置換基を有していてもよい。そのような置換基としては、限定するものではないが、炭素数1〜4で表される炭化水素基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エステル、カルボニル、ニトリル、アミド、ハロゲン元素等が例示される。上記化合物は、このような置換基を1又は2以上有していてもよく、2以上有する場合は、同じ置換基を有していても異なる置換基を有していてもよい。
2’ピレン修飾ヌクレオチドの作製方法は公知であり、特許文献1および特許文献2などに記載されている。例えば、本発明によれば、2’−O−(1−ピレニルメチル)シチジン(2'-O-(1-pyrenylmethyl)cytidine、Cpy)が好適に使用される。
本明細書において、「A型構造を誘起する核酸」とは、核酸の二重鎖においてA型構造を誘起する核酸をいう。核酸の二重らせん構造としては「A型」、「B型」および「Z型」が知られている。二重鎖を形成していない一本鎖オリゴヌクレオチドにおいて、フラノース環は主に2つの配座、S型(2’−エンド配座)およびN型(3’−エンド配座)の平衡状態で存在する。一方、二重鎖を形成すると配座は固定化される。DNA:DNAの二重鎖ではフラノース環は一般にS型(2’−エンド配座)に固定化されて二重鎖はB型構造をとり、RNA:DNAやRNA:RNAの二重鎖ではフラノース環は一般にN型(3’−エンド配座)に固定化されて二重鎖はA型構造をとることが知られている。すなわち、本発明のA型構造を誘起する核酸は、核酸の二重鎖が、B型構造ではなく、A型構造をとりやすいように作用する任意の核酸である。
元来、生体内での安定性を付与するために開発された2’−O,4’−Cメチレン核酸(2'-O,4'-C-methylene nucleic acid、bridged nucleic acid(BNA)またはlocked nucleic acid(LNA))(特許文献3)や2’−O,4’−C−エチレン核酸(2'-O,4'-C-ethylene nucleic acid、ENA)(特許文献4)においては、フラノース環はN型(3’−エンド配座)に固定化されている。その結果、このような核酸を含むオリゴヌクレオチドにはA型構造をとる性質が付与される。従って、本発明においてこれらの核酸をA型構造を誘起する核酸として使用することができる。好ましくは、ENAをA型構造を誘起する核酸として使用することができる。
本明細書において「標的核酸」とは、検出しようとする配列を含む任意の核酸をいう。標的核酸はDNAであってもよく、RNAであってもよい。特に、下記のように、A型構造を誘起する核酸を、2’ピレン修飾ヌクレオチドの3’側に隣接して配置した蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブを使用することによって、標的DNAの検出が可能であることが本願によって示された。
本発明の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブは、上記2’ピレン修飾ヌクレオチドおよびA型構造を誘起する核酸を含むものであれば特に限定はされない。1つの実施態様において、本発明の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブは、2’ピレン修飾ヌクレオチドおよびA型構造を誘起する核酸を含む2’−O−メチルリボヌクレオチド(2'-O-methylribonucleotide、2’−OMeRNA)オリゴマーであってもよい。2’ピレン修飾ヌクレオチドおよびA型構造を誘起する核酸以外の全てのヌクレオチドを2’位をメチル化したRNAとすることにより、ヌクレアーゼに対して耐性を付与し、目的とする核酸と安定にハイブリダイズさせることができる。本発明の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブの長さは特に限定されない。長さは、例えば、10〜1000ヌクレオチド、好ましくは12〜500ヌクレオチド、より好ましくは15〜100ヌクレオチドである。本発明の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブ中の2’ピレン修飾ヌクレオチドおよびA型構造を誘起する核酸の位置は、2’ピレン修飾ヌクレオチドとA型構造を誘起する核酸との相対的な位置関係が規定のものであれば特に限定はない。
本発明の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブの1つの実施態様において、A型構造を誘起する核酸は、2’ピレン修飾ヌクレオチドの3’側に隣接して配置される。別の実施態様において、A型構造を誘起する核酸は2’ピレン修飾ヌクレオチドの5’側に隣接して配置される。
本発明者らは、A型構造を誘起する核酸を、2’ピレン修飾ヌクレオチドの3’側および/または5’側に隣接して配置することにより、標的RNAにハイブリダイズした際にピレンから発せられる蛍光が増強されることを見出した。この蛍光の増強は、蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブと標的核酸との間で形成された二重鎖の安定化に部分的に起因する可能性があることが示唆されている。二重鎖の安定化は、例えば、二重鎖のUV融解曲線を作成して決定された融点(Tm)の上昇によって特徴付けることができる。このような融点の決定方法は当該分野において公知である。
さらに本発明者らは、A型構造を誘起する核酸を、2’ピレン修飾ヌクレオチドの3’側に隣接して配置することにより、標的DNAにハイブリダイズした際にピレンから蛍光が発せられることを見出した。本願以前には、2’ピレン修飾ヌクレオチドを含む蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブは、標的RNAとハイブリダイズした場合のみに蛍光を発することが知られていたので、このような知見は予想外であった。さらに、2’ピレン修飾ヌクレオチドと、A型構造を誘起する核酸との相対的位置関係(3’側または5’側)が蛍光の発光に及ぼす影響も本願以前は知られていなかった。この効果はA型構造を誘起する核酸を、2’ピレン修飾ヌクレオチドの5’側に隣接して配置した場合には見られないことから、上記のような二重鎖の安定化に起因するのではなく、核酸との相互作用によって形成されるピレンの周辺環境の変化に起因すると考えられる。詳細には、A型構造を誘起する核酸が2’ピレン修飾ヌクレオチドの3’側に配置される蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブを用いて標的核酸とのハイブリダイゼーションを行った際に、一本鎖の状態では塩基間にインターカレートしていたピレンが二重鎖の外に位置するようになることによって蛍光を発するようになった可能性が示唆される。このようなピレンの周辺環境の変化は、ピレン周辺の誘電率を測定してハム効果を検討することによって、またはUVスペクトルにおけるピークトップ波長シフトを調べることによって決定することができる。なお、ピレンおよびLNAの両方を有する核酸2’−N−(ピレン−1−イル)カルボニル−2’−アミノLNA(2'-N-(pyren-1-yl)carbonyl-2'-amino-LNA)を含むプローブが非特許文献3に記載されている。このプローブの場合、単一の塩基にピレンおよびLNAの両方が付加されているので、A型構造を誘起する核酸を2’ピレン修飾ヌクレオチドの3’側に隣接して配置することを特徴とする本願発明の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブとは構造が異なる。この文献に記載されるプローブの場合、標的DNAおよび標的RNAのいずれを添加した場合でも蛍光を発するので、本願発明のように、A型構造を誘起する核酸と2’ピレン修飾ヌクレオチドとの位置関係を任意に選択することによって標的RNAのみに特異的な発光や標的RNAおよび標的DNAの両方についての発光を得るように設定することはできない。また、この文献に記載されるプローブが蛍光を指標とした一塩基多型の識別に使用できるかどうかは不明である。
本発明の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブを標的核酸の検出方法に使用することができる。本発明の標的核酸の検出方法は、以下の工程を包含することを特徴とする:
(1)標的核酸に上記本発明の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブをハイブリダイズさせる工程;および
(2)標的核酸にハイブリダイズした蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブが発する蛍光を検出する工程。
本発明の標的核酸の検出方法の1つの実施態様においては、工程(1)において、均一溶液中でハイブリダイズした蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイズしていない遊離の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブとの分離(bound-free separation、B/F分離)を行わない、すなわち均一系での検出が可能である。本発明の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブは標的核酸とハイブリダイズしていない状態では蛍光を発しないが、標的核酸とハイブリダイズした際に蛍光を発するようになるので、B/F分離を必要としない。
あるいは、工程(1)において、標的核酸または蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブのいずれかを固相に固定化し、不均一系での検出を行うことも可能である。この場合もB/F分離は必ずしも必要ではないが、例えば、ハイブリッドを形成して固相に固定化されたもの以外の遊離状態の標的核酸または蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブを洗浄によって除去するなど公知の手段によりB/F分離を行ってもよい。
本発明の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブを標的核酸における一塩基多型の識別方法に使用することができる。本発明の標的核酸における一塩基多型の識別方法は以下の工程を包含する:
(1)標的核酸に上記本発明の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブをハイブリダイズさせる工程;および
(2)標的核酸にハイブリダイズした蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブが発する蛍光を検出する工程であって、ここで蛍光発光の有無に基づいて一塩基多型が識別される工程。
上記の本発明の標的核酸の検出方法と同様に、本発明の一塩基多型の識別方法は均一系および不均一系のいずれにおいても行うことができる。
一塩基多型の識別方法に用いる本発明の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブ中の2’ピレン修飾ヌクレオチドおよびA型構造を誘起する核酸の位置は、2’ピレン修飾ヌクレオチドとA型構造を誘起する核酸との相対的な位置が規定のものであれば特に限定はない。例えば、多型部位にA型構造を誘起する核酸を含み、それが2’ピレン修飾ヌクレオチドの3’側および/または5’側に配置されるように蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブを設計することができる。
本発明によれば、上記本発明の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブを含有する標的核酸検出用組成物、標的核酸検出用キット、一塩基多型識別用組成物、一塩基多型識別用キットが提供される。
このような組成物またはキットには、本発明の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブ以外の任意の成分を含めることができる。例えば、ハイブリダイゼーション用の緩衝液や、コントロールの標的核酸を成分として含めてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
(1)オリゴヌクレオチドの合成
本発明の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブにおける、2’ピレン修飾ヌクレオチドと、A型構造を誘起する核酸としてのENAとの相対的な位置関係が及ぼす影響を調べるために、4種類の2’−O−メチルリボヌクレオチド(2'-O-methylribonucleotide、2’−OMeRNA)オリゴマーE1、E2、E3およびE4を合成した。
これらのプローブの塩基配列を配列番号1〜4に示す。これらの配列はいずれもヒトc−fos mRNA(GenBank Acc. No.V01512)の2795−2809ntと相補的である。E2、E3およびE4において、2’−O−(1−ピレニルメチル)シチジン(2'-O-(1-pyrenylmethyl)cytidine、Cpy)の、3’側、5’側、または3’側および5’側のウリジンを2’−O,4’−C−エチレンチミジン(2'-O,4'-C-ethylenethymidine、ENA塩基T)に置き換えた。
2’−OMeRNAの合成には自動合成機を用い、Cpyの導入はガスタイトシリンジを用いたマニュアル合成により行った。ENA塩基Tの導入は、シグマアルドリッチジャパン(株)に委託した。常法により脱保護反応を行い、精製にはHPLCを用いた。
さらにヒトc−fos mRNAの配列に基づいて標的RNAおよび標的DNAとして使用するオリゴリボヌクレオチドcORNおよびオリゴデオキシリボヌクレオチドcODNを常法に従い合成した。これらのオリゴヌクレオチドの塩基配列を配列番号5および6に示す。
(2)標的核酸とのハイブリダイゼーション
上記(1)で合成した4種類の2’−OMeRNAオリゴマーの各々0.75μMを、標的RNAとしてのオリゴリボヌクレオチドcORNまたは標的DNAとしてのオリゴデオキシリボヌクレオチドcODN 0.75μMと、10mMリン酸緩衝液(pH7.0)、0.1M NaCl中11℃でハイブリダイズさせ、励起波長342nmの条件で375nmにおける蛍光強度を測定した。結果を図1に示す。図1中、白軸は標的核酸非存在下での結果を、斜線軸は標的RNA存在下での結果を、黒軸は標的DNA存在下での結果を表す。1〜4の数字はそれぞれ2’−OMeRNAオリゴマーE1〜E4を用いた場合の結果を表す。
図1に示すように、ENA塩基Tを含まないE1の場合には標的RNAを用いた場合のみに蛍光の発光が見られた。同様に、Cpyの5’側に隣接してENA塩基Tを含むE3の場合も標的RNAを用いた場合のみに蛍光の発光が見られたが、その強度はE1の場合よりも高かった。Cpyの3’側に隣接してENA塩基Tを含むE2およびさらにCpyの5’側にもENA塩基Tを含むE4の場合には、標的RNAのみならず標的DNAを用いた場合にも蛍光の発光が見られた。
(3)二重鎖の融点の測定
上記(1)で合成した4種類の2’−OMeRNAオリゴマーの各々0.75μMを、標的RNAとしてのオリゴリボヌクレオチドcORN 0.75μMと、10mMリン酸緩衝液(pH7.0)、0.1M NaCl中でハイブリダイズさせ、温度を30℃から上昇させながら260nmにおける紫外吸収を測定した。得られた結果に基づいてUV融解曲線を作成し、それぞれの二重鎖の融点(Tm)を決定した。結果を表1に示す。
Figure 2007215477
表1に示すように、ENA塩基Tを含まないE1に比較して、ENA塩基Tを含むE2〜E4の場合、Tmが2〜6.5℃上昇した。これらの結果は、E2〜E4が、E1に比較して、標的RNAとより安定な二重鎖を形成することを示す。しかし、上記(2)において標的DNAとのハイブリダイゼーションに際して蛍光を発することが示された、Cpyの3’側に隣接してENA塩基Tを含むE2およびE4について、Cpyの5’側に隣接してENA塩基Tを含むE3と比較して特に高いTmが示されたわけではなかった。
(4)ハム効果に基づくピレン周辺環境の検討
ピレンは、周辺の環境によってその蛍光特性が変化する性質を有している。詳細には、蛍光スペクトルにおける各ピークの強度比が溶媒に依存して変化することが知られている。この効果はハム効果(Ham effect)といわれている(非特許文献4)。この性質を利用して本発明の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブ中のピレンの周辺環境を以下のように検討した。
ピレンモノマーは374nm、385nmおよび394nmの3つのピーク波長を示す。それぞれのピークをバンドI、バンドIIおよびバンドIIIとする。上記(1)において合成した4種類の2’−OMeRNAオリゴマーの各々と、標的RNAとしてのオリゴリボヌクレオチドcORNまたは標的DNAとしてのオリゴデオキシリボヌクレオチドcODNとを含む上記(2)および(3)と同じ組成を有する溶液について、バンドI、バンドIIおよびバンドIIIの蛍光強度を測定し、バンドI/バンドIIおよびバンドIII/バンドIIの蛍光強度の比率を算出した。
各種溶媒(シクロヘキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、ピリジン、アセトン、アセトニトリル、水)中でのピレンについてもバンドI/バンドIIおよびバンドIII/バンドIIの蛍光強度の比率を算出するとともに、これらの溶媒の誘電率を測定し、バンドI/バンドIIおよびバンドIII/バンドIIの蛍光強度の比率と、誘電率との関係を表す標準曲線を作成した。この標準曲線に基づいて、上記の蛍光標識オリゴヌクレオチドと標的核酸との二重鎖について得られた比率から、それぞれの場合のピレン周辺の誘電率を決定した。決定した誘電率の値を表2に示す。なお、水の誘電率は80.1であり、誘電率の値がそれより低い場合はピレンがより疎水性の環境にあることが示される。
Figure 2007215477
表2に示すように、ENA塩基Tを含まないE1およびCpyの5’側に隣接してENA塩基Tを含むE3の場合には、標的RNAとのハイブリダイゼーションの場合にのみ高い誘電率を示した。なお、プローブE1と標的DNA cODNとの組み合わせの場合に40という比較的高い誘電率が示されたが、これは低い蛍光強度の値に基づいて得られた結果であるので、誤差を含む可能性がある。従って、この結果は必ずしもこの場合のピレンが親水性環境にあることを示すものではないが、少なくとも標的RNA cORNAとの二重鎖の場合よりも疎水性環境にあることは示唆された。一方、Cpyの3’側に隣接してENA塩基Tを含むE2およびE4の場合は、標的RNAとのハイブリダイゼーションおよび標的DNAとのハイブリダイゼーションのいずれの場合も高い誘電率を示した。すなわち、標的核酸非存在下ではいずれの蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブ中のピレンも疎水性環境にあるが、標的RNAとハイブリダイズしたE1およびE3、ならびに標的RNAまたは標的DNAとハイブリダイズしたE2およびE4中のピレンは親水性環境にあることが示された。これらの誘電率に基づくピレンの親水性環境に関する結果と、上記(2)で得られた蛍光発光の結果から、ピレンが親水性環境に置かれることによって蛍光が発せられるようになることが示唆された。
(4)UVスペクトル測定によるピレン周辺環境の検討
ピレンが核酸塩基にスタッキングされると、UVスペクトルにおけるピークトップの波長が長波長側にシフトすることが知られている(非特許文献5)。そこで、本発明の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブと標的核酸とによって形成される二重鎖についてピークトップ波長を測定して、ピレンの周辺環境を検討した。測定したピークトップ波長(nm)を表3に示す。なお、コントロールとしてピレンメタノールのピークトップ波長を測定したところ341nmであった。
Figure 2007215477
表3に示すように、ENA塩基Tを含まないE1およびCpyの5’側に隣接してENA塩基Tを含むE3の場合には、標的RNAとハイブリダイズした場にのみ、ピレンメタノールとほぼ同じ342nmのピークトップ波長を示し、その他の場合はピークトップ波長が9〜10nm長波長側にシフトしていた。すなわち、標的RNAとハイブリダイズした場合以外では、ピレンが核酸塩基にスタッキングされていることが示された。一方、E2およびE4の場合は比較的大きなピークトップ波長の変化は見られず、標的核酸の有無にかかわらず核酸によるピレンへの影響が少ないことが示唆された。なお、E2およびE4のいずれの場合も、標的RNAおよび標的DNAの両方の場合に短波長側へのシフトが見られた。これらのピークトップ波長の変化に関する結果と、上記(2)で得られた蛍光発光の結果から、ピレンが核酸塩基によるスタッキングから解放されることによって蛍光が発せられるようになることが示唆された。
実施例2
(1)オリゴヌクレオチドの合成
リウマチ患者における一塩基多型(SNP)として見出されたrs2268277を識別するための2’−OMeRNAオリゴマーOMCpy−CおよびOMCpy−Gを合成した。OMCpy−Cはrs2268277における5’−GGG−3’型SNPに相補的な配列を有し、OMCpy−Gはrs2268277における5’−GCG−3’型SNPに相補的な配列を有する。これらのプローブの塩基配列を配列番号9および10に示す。これらの蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブを、多型部位に2’−O,4’−C−エチレンシチジン(2'-O,4'-C-ethylenecytidine、ENA塩基C)または2’−O,4’−C−エチレングアノシン(2'-O,4'-C-ethyleneguanosine、ENA塩基G)を含み、それがCpyの3’側に配置されるように設計した。また、5’−GGG−3’型SNPの塩基配列および5’−GCG−3’型SNPの塩基配列を有する標的DNA ODN−GおよびODN−Cを合成した。ODN−GおよびODN−Cの塩基配列を配列番号7および8に示す。オリゴヌクレオチドは実施例1に記載した方法に準じて合成を委託した。
(2)一塩基多型の識別
上記(1)で合成した2種類の2’−OMeRNAオリゴマーの各々0.75μMを、標的DNAとしてのオリゴデオキシリボヌクレオチドODN−GまたはODN−C 0.75μMと、10mMリン酸緩衝液(pH7.0)、0.1M NaCl中11℃でハイブリダイズさせ、励起波長342nmの条件で375nmにおける蛍光強度を測定した。結果を図2に示す。図2中、1〜3は5’−GGG−3’型SNPに相補的な配列を有する2’−OMeRNAオリゴマーOMCpy−Cを用いた場合の結果を、4〜6は5’−GCG−3’型SNPに相補的な配列を有する2’−OMeRNAオリゴマーOMCpy−Gを用いた場合の結果を表す。1、4は標的DNA非存在下での結果を、2、5は5’−GCG−3’型標的DNA ODN−Cを用いた場合の結果を、3、6は5’−GGG−3’型標的DNA ODN−Gを用いた場合の結果をそれぞれ表す。
図1に示すように、5’−GGG−3’型SNPに相補的な配列を有する2’−OMeRNAオリゴマーOMCpy−Cと5’−GGG−3’型SNPの塩基配列を有する標的DNA ODN−Gとの組み合わせ(図2の3)および5’−GCG−3’型SNPに相補的な配列を有する2’−OMeRNAオリゴマーOMCpy−Gと5’−GCG−3’型SNPの塩基配列を有する標的DNA ODN−Cとの組み合わせ(図2の5)の場合にのみ特異的な蛍光の発光が見られた。このように、本発明の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブが一塩基多型の識別に有効であることが示された。
DNAを含めた標的核酸の検出を、均一系および不均一系のいずれにおいても可能にする蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブならびに当該プローブを用いた標的核酸の検出方法および一塩基多型の識別方法が提供される。
標的RNAまたは標的DNA存在下での各種蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブの発する蛍光を表す図である。 一塩基多型(SNP)rs2268277の識別の結果を表す図である。
SEQ ID NO:1: Oligonucleotide probe E1 for detecting human c-fos; n at position 10 represents 2'-O-(1-pyrenylmethyl)cytidine; other nucleotides are 2'-O-methylribonucleotides
SEQ ID NO:2: Oligonucleotide probe E2 for detecting human c-fos; n at position 10 represents 2'-O-(1-pyrenylmethyl)cytidine; n at position 11 represents 2'-O,4'-C-ethylenethymidine; other nucleotides are 2'-O-methylribonucleotides
SEQ ID NO:3: Oligonucleotide probe E3 for detecting human c-fos; n at position 10 represents 2'-O-(1-pyrenylmethyl)cytidine; n at position 9 represents 2'-O,4'-C-ethylenethymidine; other nucleotides are 2'-O-methylribonucleotides
SEQ ID NO:4: Oligonucleotide probe E4 for detecting human c-fos; n at position 10 represents 2'-O-(1-pyrenylmethyl)cytidine; n's at positions 9 and 11 represent 2'-O,4'-C-ethylenethymidine; other nucleotides are 2'-O-methylribonucleotides
SEQ ID NO:5: Oligonucleotide cORN designed for human c-fos
SEQ ID NO:6: Oligonucleotide cODN designed for human c-fos
SEQ ID NO:7: Oligonucleotide ODN-G designed for SNP rs2268277 (type 5'-GGG-3')
SEQ ID NO:8: Oligonucleotide ODN-C designed for SNP rs2268277 (type 5'-GCG-3')
SEQ ID NO:9: Oligonucleotide probe OMCpy-CE for detecting SNP rs2268277 (type 5'-GGG-3'); n at position 10 represents 2'-O-(1-pyrenylmethyl)cytidine; n at position 11 represents 2'-O,4'-C-ethylenecytidine; other nucleotides are 2'-O-methylribonucleotides
SEQ ID NO:10: Oligonucleotide probe OMCpy-GE for detecting SNP rs2268277 (type 5'-GCG-3'); n at position 10 represents 2'-O-(1-pyrenylmethyl)cytidine; n at position 11 represents 2'-O,4'-C-ethyleneguanosine; other nucleotides are 2'-O-methylribonucleotides

Claims (24)

  1. 2’ピレン修飾ヌクレオチドおよびそれに隣接して配置されるA型構造を誘起する核酸を含む蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブ。
  2. A型構造を誘起する核酸が2’ピレン修飾ヌクレオチドの3’側に配置される請求項1記載の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブ。
  3. A型構造を誘起する核酸が2’ピレン修飾ヌクレオチドの5’側に配置される請求項1記載の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブ。
  4. A型構造を誘起する核酸が2’−O,4’−C−エチレン核酸(ENA)または2’−O,4’−C−メチレン核酸(BNA)である請求項1記載の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブ。
  5. A型構造を誘起する核酸が2’−O,4’−C−エチレン核酸(ENA)である請求項4記載の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブ。
  6. 標的核酸としてのDNAとハイブリダイズした際に蛍光を発する請求項2記載の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブ。
  7. 標的核酸としてのRNAとハイブリダイズした際に蛍光を発する請求項1記載の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブ。
  8. 標的核酸とハイブリダイズした蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイズしていない遊離の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブとの分離(B/F分離)を行わない均一溶液中での標的核酸の検出に使用される請求項1記載の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブ。
  9. 標的核酸または蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブのいずれかが固相に固定化されている標的核酸の検出に使用される請求項1記載の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブ。
  10. 一塩基多型(SNP)の識別に使用される請求項1記載の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブ。
  11. 以下の工程を包含する標的核酸の検出方法:
    (1)標的核酸に請求項1記載の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブをハイブリダイズさせる工程;および
    (2)標的核酸にハイブリダイズした蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブが発する蛍光を検出する工程。
  12. A型構造を誘起する核酸が2’ピレン修飾ヌクレオチドの3’側に配置される蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブを使用し、標的核酸がDNAである請求項11記載の標的核酸の検出方法。
  13. 標的核酸がRNAである請求項11記載の標的核酸の検出方法。
  14. 工程(1)において、均一溶液中でハイブリダイズした蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイズしていない遊離の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブとの分離(B/F分離)を行わない請求項11記載の標的核酸の検出方法。
  15. 工程(1)において、標的核酸または蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブのいずれかが固相に固定化されている請求項11記載の標的核酸の検出方法。
  16. 以下の工程を包含する標的核酸における一塩基多型の識別方法:
    (1)標的核酸に請求項1記載の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブをハイブリダイズさせる工程;および
    (2)標的核酸にハイブリダイズした蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブが発する蛍光を検出する工程であって、ここで蛍光発光の有無に基づいて一塩基多型が識別される工程。
  17. A型構造を誘起する核酸が2’ピレン修飾ヌクレオチドの3’側に配置される蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブを使用し、標的核酸がDNAである請求項16記載の一塩基多型の識別方法。
  18. 標的核酸がRNAである請求項16記載の一塩基多型の識別方法。
  19. 工程(1)において、均一溶液中でハイブリダイズした蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイズしていない遊離の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブとの分離(B/F分離)を行わない請求項16記載の一塩基多型の識別方法。
  20. 工程(1)において、標的核酸または蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブのいずれかが固相に固定化されている請求項16記載の一塩基多型の識別方法。
  21. 請求項1記載の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブを含有する標的核酸検出用組成物。
  22. 請求項1記載の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブを含有する標的核酸検出用キット。
  23. 請求項1記載の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブを含有する一塩基多型識別用組成物。
  24. 請求項1記載の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブを含有する一塩基多型識別用キット。
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