JP2009213445A - 標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法、プローブセット、及び核酸の識別方法 - Google Patents
標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法、プローブセット、及び核酸の識別方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】PCRにより増幅された核酸を鋳型とし、(I)〜(III)を充足するプローブを用いて一本鎖核酸とプローブとの複合体を形成し、光を照射し、連結されたプローブを検出する標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法;(I)標的ヌクレオチド配列を上流側標的ヌクレオチド配列と下流側標的ヌクレオチド配列に2分割し、上流側プローブは上流側標的ヌクレオチド配列を有する核酸とハイブリダイズし得るプローブであり、下流側プローブは下流側標的ヌクレオチド配列を有する核酸とハイブリダイズし得るプローブである。(II)上流側プローブ及び下流側プローブは3’末端がPCR阻害物質により修飾されている。(III)上流側プローブの5’末端及び/又は下流側プローブの3’末端が光応答性物質により修飾されている。
【選択図】なし
Description
(I)標的ヌクレオチド配列を上流側標的ヌクレオチド配列と下流側標的ヌクレオチド配列に2分割し、前記上流側プローブは、前記上流側標的ヌクレオチド配列を有する核酸とハイブリダイズし得るプローブであり、前記下流側プローブは、前記下流側標的ヌクレオチド配列を有する核酸とハイブリダイズし得るプローブであること。
(II)前記上流側プローブ及び前記下流側プローブは、3’末端がPCR阻害物質により修飾されていること。
(III)前記上流側プローブの5’末端及び/又は前記下流側プローブの3’末端が光応答性物質により修飾されていること。
(2)本発明は、前記工程(a)におけるPCRが、多段階PCRであることを特徴とする、前記(1)記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法を提供するものである。
(3)本発明は、前記上流側プローブ及び前記下流側プローブが、ヌクレオチド、ヌクレオチドアナログ、及びこれらの修飾体からなる群より選択される1以上がリン酸ジエステル結合により連結したものであることを特徴とする前記(1)又は(2)記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法を提供するものである。
(4)本発明は、前記上流側プローブ及び前記下流側プローブが、ヌクレオチド、ヌクレオチドアナログ、及びこれらの修飾体からなる群より選択される1以上がリン酸ジエステル結合により、6〜100分子連結したものであることを特徴とする前記(1)又は(2)記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法を提供するものである。
(5)本発明は、前記光応答性物質は、光照射によって開裂する共役二重結合部位を有することを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法を提供するものである。
(6)本発明は、前記光応答性物質は、カルボキシビニル基、ビニル基、ベンジルトリアゾールビニル基、フェニルトリアゾールビニル基、メトキシフェニルトリアゾールビニル基、シアノフェニルトリアゾールビニル基、及びナフチルトリアゾールビニル基からなる群より選択される1以上を有することを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法を提供するものである。
(7)本発明は、前記工程(e)において照射される光が、紫外光であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法を提供するものである。
(8)本発明は、前記工程(e)において照射される光が、320〜400nmの波長の光の照射であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法を提供するものである。
(9)本発明は、前記上流側プローブの5’末端が光応答性物質により修飾されていることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法を提供するものである。
(10)本発明は、前記上流側プローブの5’末端が、カルボキシビニル基により修飾されたヌクレオチド又はヌクレオチドアナログであることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法を提供するものである。
(11)本発明は、前記工程(e)において、前記複合体を形成するプローブのTm値以下の温度において光を照射することを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法を提供するものである。
(12)本発明は、前記工程(e)において、前記複合体を形成するプローブのTm値−5℃以上Tm値以下の温度において光を照射することを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法を提供するものである。
(13)本発明は、前記上流側プローブの3’末端及び/又は前記下流側プローブの3’末端が、アミノ基により修飾されたヌクレオチド、リン酸基により修飾されたヌクレオチド、及びダイデオキシヌクレオチドからなる群より選択される1であることを特徴とする前記(1)〜(12)のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法を提供するものである。
(14)本発明は、前記上流側プローブの5’末端及び/又は前記下流側プローブの5’末端が、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性阻害物質により修飾されていることを特徴とする前記(1)〜(13)のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法を提供するものである。
(15)本発明は、前記上流側プローブの5’末端及び/又は前記下流側プローブの5’末端が、メチル基により2−O−メチル化修飾されたヌクレオチド又はヌクレオチドアナログであることを特徴とする前記(1)〜(13)のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法を提供するものである。
(16)本発明は、前記上流側プローブ及び/又は前記下流側プローブの、5’末端と5’末端から2番目のヌクレオチド又はヌクレオチドアナログを連結するリン酸ジエステル結合中のリン酸基が、ホスホロチオエート化されていることを特徴とする前記(1)〜(13)のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法を提供するものである。
(17)本発明は、前記上流側プローブ及び/又は前記下流側プローブが、標識分子により標識されていることを特徴とする前記(1)〜(16)のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法を提供するものである。
(18)本発明は、前記上流側プローブを標識する標識分子と、前記下流側プローブを標識する標識分子とが、異なる種類の発色基分子であり、前記工程(g)における連結されたプローブの検出が、前記上流側プローブを標識する標識分子と前記下流側プローブを標識する標識分子のうち、いずれか一方をドナー分子とし、他方をアクセプター分子とする蛍光共鳴エネルギー転移による、蛍光の発光又は消光の検出であることを特徴とする前記(17)記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法を提供するものである。
(19)本発明は、前記上流側プローブを標識する標識分子と、前記下流側プローブを標識する標識分子とのうち、いずれか一方が発色基分子、他方が発色抑制分子であり、
前記工程(g)における連結されたプローブの検出が、前記発色基分子の消光の検出であることを特徴とする前記(17)記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法を提供するものである。
(20)本発明は、前記ドナー分子がAlexa Fluor(登録商標、インビトロジェン社製)488又はATTO 488であり、前記アクセプター分子がAlexa Fluor(登録商標)594又はROX(Carboxy-X-rhodamine)であることを特徴とする前記(18)記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法を提供するものである。
(21)本発明は、前記発色基分子がAlexa Fluor(登録商標)488、ATTO 488、Alexa Fluor(登録商標)594、及びROX(Carboxy-X-rhodamine)からなる群より選択される1であり、前記発色抑制分子がBHQ(登録商標、Black hole quencher)−1又はBHQ(登録商標)−2であることを特徴とする前記(21)記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法を提供するものである。
(22)本発明は、前記標識分子が、前記上流側プローブ及び/又は前記下流側プローブの、5’末端又は3’末端から19分子以内のヌクレオチド又はヌクレオチドアナログに標識されていることを特徴とする前記(17)〜(21)のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法を提供するものである。
(23)本発明は、前記上流側プローブにおける標識分子により標識されているヌクレオチド又はヌクレオチドアナログから5’末端までの分子数と、前記下流側プローブにおける標識分子により標識されているヌクレオチド又はヌクレオチドアナログから3’末端までの分子数との和が20以下であることを特徴とする前記(17)〜(21)のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法を提供するものである。
(24)本発明は、前記PCRに用いられるプライマーが、ヌクレオチド及びヌクレオチドアナログからなる群より選択される1以上がリン酸ジエステル結合により連結したものであることを特徴とする前記(1)〜(23)のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法を提供するものである。
(25)本発明は、前記PCRに用いられるプライマーが、ヌクレオチド及びヌクレオチドアナログからなる群より選択される1以上がリン酸ジエステル結合により、10〜100分子連結したものであることを特徴とする前記(1)〜(23)のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法を提供するものである。
(26)本発明は、前記工程(b)において、前記工程(a)において得られた二本鎖核酸の一本鎖化を、前記二本鎖核酸に熱エネルギーを加えることにより行うことを特徴とする前記(1)〜(25)のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法を提供するものである。
(27)本発明は、前記工程(b)において、前記工程(a)において得られた二本鎖核酸の一本鎖化を、前記二本鎖核酸を80〜105℃に加熱することにより行うことを特徴とする前記(1)〜(25)のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法を提供するものである。
(28)本発明は、前記工程(b)において、前記工程(a)において得られた二本鎖核酸の一本鎖化を、前記二本鎖核酸に、水酸化ナトリウム、ホルムアルデヒド、及び尿素からなる群より選択される1以上の化学物質を添加することにより行うことを特徴とする前記(1)〜(25)のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法を提供するものである。
(29)本発明は、前記工程(b)において、前記工程(a)において得られた二本鎖核酸の一本鎖化を、前記二本鎖核酸に、標的ヌクレオチド配列を有する一本鎖核酸を添加することにより行うことを特徴とする前記(1)〜(25)のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法を提供するものである。
(30)本発明は、前記工程(f)において、前記複合体を37〜105℃に加熱することにより、一本鎖核酸を、前記上流側プローブ、前記下流側プローブ、及びこれらが連結されたプローブから解離させることを特徴とする前記(1)〜(29)のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法を提供するものである。
(31)本発明は、1又は2以上の、標的ヌクレオチド配列を有する核酸を検出するためのプローブのセットであって、標的ヌクレオチド配列の種類ごとに下記の(I)〜(III)を充足する上流側プローブ及び下流側プローブを有することを特徴とするプローブセットを提供するものである。
(I)標的ヌクレオチド配列を上流側標的ヌクレオチド配列と下流側標的ヌクレオチド配列に2分割し、前記上流側プローブは、前記上流側標的ヌクレオチド配列を有する核酸とハイブリダイズし得るプローブであり、前記下流側プローブは、前記下流側標的ヌクレオチド配列を有する核酸とハイブリダイズし得るプローブであること。
(II)前記上流側プローブ及び前記下流側プローブは、3’末端がPCR阻害物質により修飾されていること。
(III)前記上流側プローブの5’末端及び/又は前記下流側プローブの3’末端が光応答性物質により修飾されていること。
(32)本発明は、前記上流側プローブ及び前記下流側プローブが、ヌクレオチド、ヌクレオチドアナログ、及びこれらの修飾体からなる群より選択される1以上がリン酸ジエステル結合により連結したものであることを特徴とする前記(31)記載のプローブセットを提供するものである。
(33)本発明は、前記上流側プローブ及び前記下流側プローブが、ヌクレオチド、ヌクレオチドアナログ、及びこれらの修飾体からなる群より選択される1以上がリン酸ジエステル結合により、6〜100分子連結したものであることを特徴とする前記(31)記載のプローブセットを提供するものである。
(34)本発明は、前記光応答性物質は、光反応官能基として、光照射によって開裂する共役二重結合部位を有することを特徴とする前記(31)〜(33)のいずれか記載のプローブセットを提供するものである。
(35)本発明は、前記光応答性物質は、カルボキシビニル基、ビニル基、ベンジルトリアゾールビニル基、フェニルトリアゾールビニル基、メトキシフェニルトリアゾールビニル基、シアノフェニルトリアゾールビニル基、及びナフチルトリアゾールビニル基からなる群より選択される1以上を有することを特徴とする前記(31)〜(33)のいずれか記載のプローブセットを提供するものである。
(36)本発明は、前記上流側プローブの5’末端が光応答性物質により修飾されていることを特徴とする前記(31)〜(35)のいずれか記載のプローブセットを提供するものである。
(37)本発明は、前記上流側プローブの5’末端が、カルボキシビニル基により修飾されたヌクレオチド又はヌクレオチドアナログであることを特徴とする前記(31)〜(35)のいずれか記載のプローブセットを提供するものである。
(38)本発明は、前記上流側プローブの3’末端及び/又は前記下流側プローブの3’末端が、アミノ基により修飾されたヌクレオチド、リン酸基により修飾されたヌクレオチド、及びダイデオキシヌクレオチドからなる群より選択される1であることを特徴とする前記(31)〜(37)のいずれか記載のプローブセットを提供するものである。
(39)本発明は、前記上流側プローブの5’末端又は前記下流側プローブの5’末端が、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性阻害物質により修飾されていることを特徴とする前記(31)〜(38)のいずれか記載のプローブセットを提供するものである。
(40)本発明は、前記上流側プローブの5’末端及び/又は前記下流側プローブの5’末端が、メチル基により2−O−メチル化修飾されたヌクレオチド又はヌクレオチドアナログであることを特徴とする前記(31)〜(38)のいずれか記載のプローブセットを提供するものである。
(41)本発明は、前記上流側プローブ及び/又は前記下流側プローブの、5’末端と5’末端から2番目のヌクレオチド又はヌクレオチドアナログを連結するリン酸ジエステル結合中のリン酸基が、ホスホロチオエート化されていることを特徴とする前記(31)〜(38)のいずれか記載のプローブセットを提供するものである。
(42)本発明は、前記上流側プローブ及び/又は前記下流側プローブが、標識分子により標識されていることを特徴とする前記(31)〜(41)のいずれか記載のプローブセットを提供するものである。
(43)本発明は、前記上流側プローブを標識する標識分子と、前記下流側プローブを標識する標識分子とが、異なる種類の発色基分子であることを特徴とする前記(42)記載のプローブセットを提供するものである。
(44)本発明は、前記上流側プローブを標識する標識分子と、前記下流側プローブを標識する標識分子とのうち、いずれか一方が発色基分子、他方が発色抑制分子であることを特徴とする前記(42)記載のプローブセットを提供するものである。
(45)本発明は、前記上流側プローブを標識する標識分子と前記下流側プローブを標識する標識分子のいずれか一方がAlexa Fluor(登録商標、インビトロジェン社製)488又はATTO 488であり、他方がAlexa Fluor(登録商標)594又はROX(Carboxy-X-rhodamine)であることを特徴とする前記(43)記載のプローブセットを提供するものである。
(46)本発明は、前記発色基分子がAlexa Fluor(登録商標)488、ATTO 488、Alexa Fluor(登録商標)594、及びROX(Carboxy-X-rhodamine)からなる群より選択される1であり、前記発色抑制分子がBHQ(登録商標、Black hole quencher)−1又はBHQ(登録商標)−2であることを特徴とする前記(44)記載のプローブセットを提供するものである。
(47)本発明は、前記標識分子が、前記上流側プローブ及び/又は前記下流側プローブの、5’末端又は3’末端から19分子以内のヌクレオチド又はヌクレオチドアナログに標識されていることを特徴とする前記(42)〜(46)のいずれか記載のプローブセットを提供するものである。
(48)本発明は、前記上流側プローブにおける標識分子により標識されているヌクレオチド又はヌクレオチドアナログから5’末端までの分子数と、前記下流側プローブにおける標識分子により標識されているヌクレオチド又はヌクレオチドアナログから3’末端までの分子数との和が20以下であることを特徴とする前記(42)〜(46)のいずれか記載のプローブセットを提供するものである。
(49)本発明は、標的ヌクレオチド配列に、1又は2以上のヌクレオチドの置換、挿入、又は欠失からなるミスマッチ部位を有する非標的ヌクレオチド配列を有する核酸と、標的ヌクレオチド配列を有する核酸とを識別する方法であって、(a”)核酸サンプル中の核酸を鋳型とし、標的ヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列を増幅し得るプライマーを用いて、PCRを行うことにより、二本鎖核酸を増幅する工程と、(b”)前記工程(a”)において得られた二本鎖核酸を一本鎖化し、一本鎖核酸を得る工程と、(c”)下記の(I)〜(III)を充足する上流側プローブ及び下流側プローブを準備する工程と、(d”)前記工程(b”)において得られた一本鎖核酸に対して、前記工程(c”)において準備した上流側プローブ及び下流側プローブをハイブリダイズさせることにより、一本鎖核酸とプローブとの複合体を形成する工程と、(e”)前記工程(d”)により形成された複合体に光を照射する工程と、(f”)前記工程(e”)の後に、前記複合体中の一本鎖核酸を、前記上流側プローブ、前記下流側プローブ、及びこれらが連結されたプローブから解離させる工程と、(g”)前記工程(f”)の後に、前記工程(e”)において連結されたプローブを検出する工程と、(h”)前記工程(g”)において、連結されたプローブが検出された場合には、前記核酸サンプル中に前記標的ヌクレオチド配列を有する核酸が含有されており、連結されたプローブが検出されなかった場合には、前記核酸サンプル中に前記非標的ヌクレオチド配列を有する核酸が含有されていると判断する工程と、を有することを特徴とする、核酸の識別方法を提供するものである。
(I)標的ヌクレオチド配列を上流側標的ヌクレオチド配列と下流側標的ヌクレオチド配列に2分割し、前記上流側プローブは、前記上流側標的ヌクレオチド配列を有する核酸とハイブリダイズし得るプローブであり、前記下流側プローブは、前記下流側標的ヌクレオチド配列を有する核酸とハイブリダイズし得るプローブであること。
(II)前記上流側プローブ及び前記下流側プローブは、3’末端がPCR阻害物質により修飾されていること。
(III)前記上流側プローブの5’末端及び/又は前記下流側プローブの3’末端が光応答性物質により修飾されていること。
(50)本発明は、前記ミスマッチ部位が、前記上流側標的ヌクレオチド配列の3’末端から10分子以内又は前記下流側標的ヌクレオチド配列の5’末端から10分子以内にあることを特徴とする前記(49)記載の核酸の識別方法を提供するものである。
(51)本発明は、前記ミスマッチ部位は、1又は2箇所以上の、1のヌクレオチド又は2以上の連続したヌクレオチドが、置換、挿入、又は欠失していることを特徴とする前記(49)又は(50)記載の核酸の識別方法を提供するものである。
(52)本発明は、前記標的ヌクレオチド配列が遺伝子多型のうちの一多型に相同的なヌクレオチド配列であり、前記非標的ヌクレオチド配列が前記遺伝子多型の他の一多型に相同的なヌクレオチド配列であり、前記ミスマッチ部位が前記遺伝子多型の多型部位であり、前記工程(h”)が、(h”2)前記工程(g”)において検出された連結されたプローブ量に基づき、前記核酸サンプル中の核酸が、前記標的ヌクレオチド配列を有するアレルのホモ接合体、前記非標的ヌクレオチド配列を有するアレルのホモ接合体、及び前記標的ヌクレオチド配列を有するアレルと前記非標的ヌクレオチド配列を有するアレルのヘテロ接合体のいずれであるかを識別する工程、であることを特徴とする前記(49)〜(51)のいずれか記載の核酸の識別方法を提供するものである。
(53)本発明は、核酸サンプル中の1又は2以上の標的ヌクレオチド配列を有する核酸を検出する方法であって、(a’)核酸サンプル中の核酸を鋳型とし、1又は2以上の標的ヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列を増幅し得るプライマーを用いて、非対称PCR(Asymmetrical polymerase chain reaction)を行うことにより、1種又は2種以上の一本鎖核酸を増幅する工程と、(c’)標的ヌクレオチド配列ごとに、下記の(I)〜(III)を充足する上流側プローブ及び下流側プローブを準備する工程と、(d’)前記工程(a’)において得られた一本鎖核酸、前記上流側プローブ、及び前記下流側プローブをハイブリダイズさせることにより、一本鎖核酸とプローブとの複合体を形成する工程と、(e’)前記工程(d’)により形成された複合体に光を照射する工程と、(f’)前記工程(e’)の後に、前記複合体中の一本鎖核酸を、前記上流側プローブ、前記下流側プローブ、及びこれらが連結されたプローブから解離させる工程と、(g’)前記工程(f’)の後に、前記工程(e’)において連結されたプローブを検出する工程と、(h’)前記工程(g’)において、連結されたプローブが検出された場合には、前記核酸サンプル中に前記標的ヌクレオチド配列を有する核酸が含有されており、連結されたプローブが検出されなかった場合には、前記核酸サンプル中に前記標的ヌクレオチド配列を有する核酸が含有されていないと判断する工程と、を有することを特徴とする、標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法を提供するものである。
(54)本発明は、前記工程(a’)が、(a’1)核酸サンプル中の核酸を鋳型とし、1段階又は多段階のPCRを行い、核酸を増幅する工程と、(a’2)前記工程(a’1)において増幅された核酸を鋳型とし、非対称PCRを行うことにより、、1又は2以上の標的ヌクレオチド配列を含む領域が一本鎖核酸である1種又は2種以上の核酸を増幅する工程と、を有する工程であることを特徴とする前記(53)記載の核酸の検出方法を提供するものである。
(55)本発明は、前記工程(a’)が、(a’3)核酸サンプル中の核酸を鋳型とし、PCRと非対称PCRを同時に行うことにより、1又は2以上の標的ヌクレオチド配列を含む領域が一本鎖核酸である1種又は2種以上の核酸を増幅する工程、であることを特徴とする前記(53)記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法を提供するものである。
(56)本発明は、前記工程(a’)が、(a’4)核酸サンプル中の核酸を鋳型とし、1又は2以上の標的ヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列を増幅し得る3種類のプライマーを用いて、PCRを行うことにより、1又は2以上の標的ヌクレオチド配列を含む領域が一本鎖核酸である1種又は2種以上のループ状構造を有する核酸を増幅する工程
であり、前記3種類のプライマーが、1又は2以上の標的ヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列の5’側末端領域と相同的なヌクレオチド配列を有するフォワードプライマーと、1又は2以上の標的ヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列の3’側末端領域と相補的なヌクレオチド配列を有するリバースプライマーと、3’末端側に前記フォワードプライマーよりも3’側であって、標的ヌクレオチド配列よりも5’側にある領域と相同的なヌクレオチド配列を有するループ形成用プライマーとであり、前記ループ形成用プライマーの5’末端には、当該プライマーを起点としてPCRにより伸長されるヌクレオチド配列領域のうち、標的ヌクレオチド配列よりも3’末端側であり、かつ前記リバースプライマーと相補的なヌクレオチド配列よりも5’末端側にあるヌクレオチド配列領域と、ハイブリダイズし得るヌクレオチド配列が付加されていることを特徴とする前記(54)記載の核酸の検出方法を提供するものである。
(57)本発明は、核酸サンプル中の1又は2以上の標的ヌクレオチド配列を有する核酸を検出する方法であって、(1)標的ヌクレオチド配列ごとに、下記の(I)〜(III)を充足する上流側プローブ及び下流側プローブを準備する工程と、(2)核酸サンプル中の核酸を鋳型とし、1又は2以上の標的ヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列を増幅し得るプライマーを準備する工程と、(3)前記核酸サンプル、前記工程(1)において準備した上流側プローブ及び下流側プローブ、前記工程(2)において準備したプライマー、並びに耐熱性DNAポリメラーゼを有する反応溶液を調製する工程と、(4)前記工程(3)において調製した反応溶液中の二本鎖核酸を、一本鎖核酸に変性させる工程と、(5)前記工程(4)において得られた一本鎖核酸を鋳型として、前記プライマー用いて、DNAポリメラーゼによる伸長反応を行う工程と、(6)前記工程(5)の後、反応溶液中の二本鎖核酸を、一本鎖核酸に変性させる工程と、(7)前記工程(6)において得られた一本鎖核酸に対して、反応溶液中の上流側プローブ及び下流側プローブをハイブリダイズさせることにより、一本鎖核酸とプローブとの複合体を形成する工程と、(8)前記工程(7)により形成された複合体に光を照射する工程と、(9)前記工程(8)の後に、前記複合体中の一本鎖核酸を、前記上流側プローブ、前記下流側プローブ、及びこれらが連結されたプローブから解離させる工程と、(10)前記工程(9)の後に、前記工程(8)において連結されたプローブを検出する工程と、(11)前記工程(10)の後、前記工程(4)〜(10)を繰り返す工程と、を有し、前記工程(10)及び(11)において、連結されたプローブが検出された場合には、前記核酸サンプル中に前記標的ヌクレオチド配列を有する核酸が含有されており、連結されたプローブが検出されなかった場合には、前記核酸サンプル中に前記標的ヌクレオチド配列を有する核酸が含有されていないと判断することを特徴とする、標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法を提供するものである。
(I)標的ヌクレオチド配列を上流側標的ヌクレオチド配列と下流側標的ヌクレオチド配列に2分割し、前記上流側プローブは、前記上流側標的ヌクレオチド配列を有する核酸とハイブリダイズし得るプローブであり、前記下流側プローブは、前記下流側標的ヌクレオチド配列を有する核酸とハイブリダイズし得るプローブであること。
(II)前記上流側プローブ及び前記下流側プローブは、3’末端がPCR阻害物質により修飾されていること。
(III)前記上流側プローブの5’末端及び/又は前記下流側プローブの3’末端が光応答性物質により修飾されていること。
また、本発明のプローブセットを用いることにより、従来法よりも簡便かつ高精度に、標的ヌクレオチド配列を有する核酸を識別し検出することが可能となる。
(I)標的ヌクレオチド配列を上流側標的ヌクレオチド配列と下流側標的ヌクレオチド配列に2分割し、前記上流側プローブは、前記上流側標的ヌクレオチド配列を有する核酸とハイブリダイズし得るプローブであり、前記下流側プローブは、前記下流側標的ヌクレオチド配列を有する核酸とハイブリダイズし得るプローブであること。
(II)前記上流側プローブ及び前記下流側プローブは、3’末端がPCR阻害物質により修飾されていること。
(III)前記上流側プローブの5’末端及び/又は前記下流側プローブの3’末端が光応答性物質により修飾されていること。
なお、PCRや非対称PCRを同時に行うとは、同一の反応溶液中で、同一の反応サイクル(変性工程、アニール工程、伸長工程)で反応を行うことを意味する。
(1)標的ヌクレオチド配列ごとに、上記要件(I)〜(III)を充足する上流側プローブ及び下流側プローブを準備する工程と、
(2)核酸サンプル中の核酸を鋳型とし、1又は2以上の標的ヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列を増幅し得るプライマーを準備する工程と、
(3)前記核酸サンプル、前記工程(1)において準備した上流側プローブ及び下流側プローブ、前記工程(2)において準備したプライマー、並びに耐熱性DNAポリメラーゼを有する反応溶液を調製する工程と、
(4)前記工程(3)において調製した反応溶液中の二本鎖核酸を、一本鎖核酸に変性させる工程と、
(5)前記工程(4)において得られた一本鎖核酸を鋳型として、前記プライマー用いて、DNAポリメラーゼによる伸長反応を行う工程と、
(6)前記工程(5)の後、反応溶液中の二本鎖核酸を、一本鎖核酸に変性させる工程と、
(7)前記工程(6)において得られた一本鎖核酸に対して、反応溶液中の上流側プローブ及び下流側プローブをハイブリダイズさせることにより、一本鎖核酸とプローブとの複合体を形成する工程と、
(8)前記工程(7)により形成された複合体に光を照射する工程と、
(9)前記工程(8)の後に、前記複合体中の一本鎖核酸を、前記上流側プローブ、前記下流側プローブ、及びこれらが連結されたプローブから解離させる工程と、
(10)前記工程(9)の後に、前記工程(8)において連結されたプローブを検出する工程と、
(11)前記工程(10)の後、前記工程(4)〜(10)を繰り返す工程。
また、工程(2)において準備されるプライマーは、前記工程(a)においてPCRに用いるプライマーと同様である。
そして、工程(3)において、核酸サンプルと、前工程において準備した上流側プローブ、下流側プローブ、プライマー、耐熱性DNAポリメラーゼを有する反応溶液を調製する。ここで調製される反応溶液は、前記工程(a)においてPCRを行う反応溶液に、上流側プローブと下流側プローブとを添加したものであり、DNAポリメラーゼのみならず、ヌクレオチド、塩類等のPCRのために必要な試薬を適量含むものである。該反応溶液に添加される、工程(2)において準備された1又は2以上の標的ヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列を増幅し得るプライマーは、通常のPCRと同様に増幅ヌクレオチド配列を挟む2種類のプライマーであってもよく、このうちの1種類のみであってもよく、前記工程(a’4)において用いられるような3種類のプライマーであってもよい。
本発明における上流側プローブ又は下流側プローブの標識(修飾)に用いられる蛍光色素の紫外線耐性について検討した。
具体的には、200μLのマイクロチューブ(Applied Biosystems社製)に、表1に示した各種蛍光色素修飾プローブを、終濃度1.0pmol/μLに、また、10×PCRバッファー(タカラバイオ社製)を終濃度1×(説明書に記載の標準濃度)になるように添加し、純水でメスアップして全量40μLのサンプルを調製した。なお、表1中、「p」は3’ 末端ヌクレオチドのリン酸基修飾を、「cv−U」は5−カルボキシビニル-デオキシウリジンを、「Alexa Fluor 568」、「Alexa Fluor 594」、「Alexa Fluor 488」、「ATTO 550」、「ATTO 565」、「ATTO 465」、「ATTO 488」、「Hilyte Fluor 555」、「Hilyte Fluor 488」、「TAMRA(Tetramethylrhodamine)」、「ROX」は各種蛍光色素の種類と修飾部位を、それぞれ示す。例えば、「wL14−Ale568」は、配列番号3のヌクレオチド配列を有するプローブであって、3’末端がリン酸基で修飾されており、5’末端から10番目のヌクレオチドがAlexa Fluor 568で修飾されているプローブである。また、「wL25−Ale594」は、配列番号5のヌクレオチド配列を有するプローブであって、3’末端がリン酸基で修飾されており、5’末端から21番目のヌクレオチドがAlexa Fluor 594で修飾されているプローブであり、「mL25−Ale594」は、配列番号6のヌクレオチド配列を有するプローブであって、3’末端がリン酸基で修飾されており、5’末端から21番目のヌクレオチドがAlexa Fluor 594で修飾されているプローブである。また、「R12−Ale488」は、配列番号7のヌクレオチド配列を有するプローブであって、3’末端がリン酸基で修飾されており、5’末端ヌクレオチドが5−カルボキシビニル-デオキシウリジンであり、さらに5’末端から6番目のヌクレオチドがAlexa Fluor 488で修飾されているプローブである。「R21−At488」は、配列番号8のヌクレオチド配列を有するプローブであって、3’末端がリン酸基で修飾されており、5’末端ヌクレオチドが5−カルボキシビニル-デオキシウリジンであり、さらに5’末端から6番目のヌクレオチドがAlexa Fluor 488で修飾されているプローブである。
この結果、wL14−Ale 594、wL14−Hil 555、wL14−Roxの3種については、紫外線照射によっても蛍光強度に大きな変化は見られなかった。
一方で、R12−Ale 488、R12−Ato 488、wL14−Ato 550の3種については、照射時間が長くなるほど蛍光強度に若干の減少が認められた。
また、wL14−Ato 565、wL14−TAMRAの2種については、照射時間が長くなるほど見かけ上、蛍光強度が増加する傾向を示し、R12−Ato 465、R12−Hil 488、wL14−Ale 568の3種については、照射時間が長くなるについて、蛍光強度は激減する結果となった。
以上のことから、上流側プローブとしては、R12−Ale 488、R12−Ato 488の2種、また、下流側プローブとしては、wL14−Ale 594、wL14−Hil 555、wL14−Rox、wL14−Ato 550の4種が紫外線に対して比較的強い耐性を有することが明らかとなった。
表1に示した各種蛍光色素修飾プローブのうち、低波長励起色素と長波長励起色素とを組み合わせ、鋳型DNA(wT39、配列番号10)とハイブリダイゼーションさせた際のFRET効果における蛍光強度比較を行った。
具体的には、表1に記載の各種蛍光修飾プローブの上流側プローブと下流側プローブを、それぞれ終濃度1.0pmol/μL、鋳型DNA(wT39)を終濃度1.0pmol/μL、10×PCRバッファーを1×の濃度として、dNTP Mixture(2.5mM each)を終濃度0.25mMとなるように添加し、純水でメスアップして全量40μLのサンプルを調製した。また、ネガティブコントロールとしては、鋳型DNA(wT39)を添加しないサンプルを調製した。
蛍光強度測定にはリアルタイムPCR7300を使用し、サンプルを20.0℃から80.3℃まで昇温させる間の蛍光強度を計測した。その際、励起光は465nm、蛍光は580〜610nmのフィルタにて測光した。
鋳型存在下におけるFERT光と、鋳型非存在下におけるFRET光(ネガティブコントロール)の蛍光強度比を算出した。図17〜23は、算出された各種蛍光色素の強度比を重ねてプロットした図である。
この結果、表1記載の蛍光修飾プローブのうち、下流側プローブのwL14−Hil 555及びwL14−TAMRAを除いた全ての色素の組み合わせにおいて、顕著なFRETが認められた。中でも本検出器では、上流側プローブのR12−Ale488及びR12−465が高いFRET効果を引き出すことが分かった。
表1に示した各種蛍光色素修飾プローブのうち、低波長励起色素と長波長励起色素とを組み合わせ、鋳型DNA(wT39)とをハイブリダイゼーションさせ、さらに光連結反応を行った際のFRET強度について比較した。
具体的には、200μLチューブに、表1に記載の上流側プローブ及び下流側プローブの各種組み合わせた蛍光修飾プローブをそれぞれ終濃度1.0pmol/μL、鋳型DNA(wT39)を終濃度1.0pmol/μL、10×PCRバッファーを1×の濃度として、dNTP Mixture(2.5mM each)を終濃度0.25mMとなるように添加し、純水でメスアップして全量40μLのサンプルを調製した。また、ネガティブコントロールには、鋳型DNA(wT39)を添加しないサンプルとして調製した。なお、R12−Ato 465及びR12−Hil 488は、紫外線耐性が低かったことから(参考例1の結果)、本実験では用いなかった。
上記調製サンプルの入った容器に透明キャップを装着し、紫外線照射器(オムロン社製、UV−LED)及び紫外線照射コントローラ(オムロン社製、ZUV−H30M)を使用して、透明キャップを通して、365nmの紫外線(強度:約900mW/cm2)を0℃下にて、10分間照射し、プローブ間の光連結反応を試みた。
FRET強度測定にはリアルタイムPCR7300を使用し、励起光は465nm、蛍光は580〜610nmのフィルタを用いて、サンプルを20.1℃から77.3℃まで昇温させた際の蛍光を計測した。
鋳型存在下における各種蛍光色素修飾プローブの光連結反応後のFERT光と、鋳型非存在下におけるFRET光(ネガティブコントロール)の蛍光強度比を算出した。図24〜30は、算出された各種蛍光色素の強度比を重ねてプロットした図である。
連結反応後の上・下流側プローブの連結体のTm値(55℃付近)よりも高い温度領域(各図24〜30の点線枠内)でのFRETは、単に上流側プローブと下流側プローブの隣接により生じたFRETではなく、連結されたプローブのみによるFRETである。点線枠内のFRET強度比の結果より、wL14−Hil 555とwL14−TAMRAを除く蛍光修飾プローブでは、光連結反応による顕著なFRET効果が認められた。また、この結果から、プローブに修飾されている蛍光色素の位置が、光連結反応を阻害する位置ではないことが分かると同時に、光連結反応が蛍光色素のFRET反応を阻害しないことも確認できた。さらに、上流側プローブの3’末端にリン酸基が修飾されてもプローブ間の光連結反応が起こることが明らかとなった。なお、通常の酵素(リガーゼ)反応では連結反応は阻害される。
光連結反応におけるヌクレオチド識別特異性と温度との関係について検討した。
具体的には、200μLのマイクロチューブの中に、表1記載の下流側プローブwL14−TAMRA又はmL14−TAMRAを終濃度が各5pmol/μLになるように、表1記載の上流側プローブR12を終濃度が各5pmol/μLになるように、表1の鋳型DNAであるwT39又はmT39(配列番号11)を終濃度が5pmol/μLになるよう加え、10×PCRバッファーを1×の濃度として、dNTP Mixture(2.5mM each)を終濃度0.25mMとなるよう試薬を添加して、反応溶液の全量が40μLとなるよう純水でメスアップした。サンプルは、wL14とR12とwT39(フルマッチ)、mL14とR12とmT39(フルマッチ)、mL14とR12とwT39(シングルヌクレオチドミスマッチ)、wL14とR12とmT39(シングルヌクレオチドミスマッチ)の4通りの組合せとなるように調製した。マイクロチューブに透明キャップを装着した後、各サンプルをそれぞれ0℃、10℃、18℃、26℃、31℃、37℃、48℃、60℃となるようサーマルサイクラーにて温調制御し、紫外線照射器(オムロン社製、UV−LED)及び紫外線照射コントローラ(オムロン社製、ZUV−H30M)を使用して、透明キャップを通して、365nmの紫外線を約900mW/cm2の強度で10分間照射した。
上記の条件で紫外線照射したサンプルについて下記条件にてHPLC分析を行った。各反応温度におけるプローブ連結体量の測定結果を図31に示す。
溶離液[A]:100mM 酢酸トリエチルアミン水溶液
溶離液[B]:50% 100mM酢酸トリエチルアミン水溶液 / 50%アセトニトリル
グラジエント[B]: 0min,10%→22min,45.5%
インジェクション: 20μL
検出波長: 254nm
流速: 1mL/min
カラム温度: 60℃
カラム / 充填材:ChemcoPak Chemcobond 5-ODS-H (Lot# G7A62)
下流側プローブとしてwL25−TAMRA又はmL25−TAMRAを、上流側プローブとしてR21を、鋳型DNAとしてwT50(配列番号12)又はmT50(配列番号13)をそれぞれ用いた以外は、参考例4と同様にして、各反応温度におけるプローブ連結体量を測定した。測定結果を図32に示す。
この結果、参考例4と同様に、光連結反応温度が高温になるに従って、光連結反応の効率低下が認められた。また、0℃下における光連結反応では、シングルヌクレオチドミスマッチ配列であっても比較的高い光連結反応産物が認められたが、反応温度が高くなるにつれて、その非特異的な連結反応産物は減少する傾向にあり、60℃下での光連結反応が最も高い精度(高いS/N比)にてヌクレオチドミスマッチを識別できていることが分かった。
本実験結果を参考例4の結果と比較すると、ヌクレオチドミスマッチを高精度に識別できる至適反応温度は、プローブが長鎖となる本実験では高くなっていた(37℃→48℃)。以上より、光連結反応によるヌクレオチド配列の識別特異性は、プローブの長さに依存する、すなわち、プローブのTm値にも深く関与していることが示唆された。
参考例4で用いたオリゴDNAと標識分子のみが異なるプローブを用いて、オリゴDNAとプローブとの複合体を形成するプローブのTm値を測定した。
具体的には、200μLのマイクロチューブの中に、表1記載の下流側プローブwL14−Ale594又はmL14−Ale594を終濃度が各0.5pmol/μLになるように、表1記載の上流側プローブR12−Ato488を終濃度が各0.5pmol/μLになるように、表1記載の鋳型DNAであるwT39又はmT39を終濃度が各0.5pmol/μLになるよう加え、10×PCRバッファーを1×の濃度として、dNTP Mixture(2.5mM each)を終濃度0.25mMとなるよう試薬を添加して、反応溶液の全量が40μLとなるよう純水でメスアップした。サンプルは、wL14とR12とwT39(フルマッチ)、mL14とR12とmT39(フルマッチ)、mL14とR12とwT39(シングルヌクレオチドミスマッチ)、wL14とR12とmT39(シングルヌクレオチドミスマッチ)の4通りの組合せとなるように調製した。また、ネガティブコントロールとしては、鋳型DNAを添加しないサンプルを調製した。
蛍光強度測定にはリアルタイムPCR7300を使用し、サンプルを15.0℃から91.9℃まで昇温させる間の蛍光強度を計測した。その際、励起光は465nm、蛍光は580〜610nmのフィルタにて測光した。
図33は、上記実験より得られた融解曲線である。この結果、本実験で使用したプローブの上記4通りの組合せにおけるTm値は、34〜37℃の範囲であることが示された。
参考例5で用いたオリゴDNAと標識分子のみが異なるプローブを用いて、オリゴDNAとプローブとの複合体を形成するプローブのTm値を測定した。
下流側プローブとしてwL25−Ale594又はmL25−Ale594を、上流側プローブとしてR21−Ato488を、鋳型DNAとしてwT50又はmT50をそれぞれ用いた以外は、参考例6と同様にして、Tm値の測定を行った。
図34は、上記実験より得られた融解曲線である。この結果、本実験で使用したプローブの上記4通りの組合せにおけるTm値は、55〜58℃の範囲であることが示された。
光連結反応におけるヌクレオチド識別特異性と定量性について検討した。
具体的には、200μLのマイクロチューブの中に、表1記載の下流側プローブwL14又はmL14を終濃度が各0.5pmol/μLになるように、また、表1記載の上流側プローブR12を終濃度が各0.5pmol/μLになるように、表1記載の鋳型DNAwT39又はmT39を終濃度が0.5pmol/μL、あるいはwT39とmT39を混合し、それぞれの終濃度が0.25pmol/μLになるよう加え、10×PCRバッファーを1×の濃度として、dNTP Mixture(2.5mM each)を終濃度0.25mMとなるよう試薬を添加して、反応溶液の全量が40μLとなるよう純水でメスアップした。サンプルは、wL14とR12とwT39(マッチ)、mL14とR12とmT39(マッチ)、mL14とR12とwT39(シングルヌクレオチドミスマッチ)、wL14とR12とmT39(シングルヌクレオチドミスマッチ)、mL14とR12とwT39とmT39(ハーフマッチ)、wL14とR12とwT39とmT39(ハーフマッチ)、mL14とR12(ネガティブコントロール)、wL14とR12(ネガティブコントロール)の全8通りの組合せとなるように調製した。マイクロチューブに透明キャップを装着した後、反応温度が37℃となるようサーマルサイクラーにて温調制御し、紫外線照射器(オムロン社製、UV−LED)及び紫外線照射コントローラ(オムロン社製、ZUV−H30M)を使用して、透明キャップを通して、365nmの紫外線を約900mW/cm2の強度で10分間照射した。
FRET強度測定にはリアルタイムPCR7300を使用し、励起光は465nm、蛍光は610nmのフィルタを用いて、サンプルを21.2℃から92.5℃まで昇温させた際の蛍光を計測した。図33〜40は、Acceptor色素のFRET値をDonor色素のFRET値で除した値を重ねてプロットした図である。
図33から図40において、光連結反応したプローブのTm値(55℃付近)よりも高い温度領域での蛍光強度比を比較すると、ターゲットが含まれないネガティブコントロールの蛍光強度比に対して、ミスマッチ、ハーフマッチ、マッチの順に蛍光強度比は高くなることが分かった。このことから、光連結反応がターゲットのヌクレオチド配列を識別検出できていることが明らかとなった。また同時に、ハーフマッチがミスマッチとマッチのほぼ中間値となる蛍光強度比を示していることから、本光連結反応は、定量性も有していることが示唆される。よって、検出対象である核酸が、野生型アレルホモ体、変異型アレルと野生型アレルのへテロ体、野生型アレルのホモ体のいずれのタイプを呈する場合であっても、本発明の方法を用いることにより、容易にその多型を識別できることが明らかである。
CYP2C9遺伝子のヒトSNP(A/C)の、3タイプ(AA、AC、CC)のゲノムDNAをそれぞれPCR増幅し、合成された二本鎖核酸を鋳型として、上流側及び下流側プローブを用いて光連結反応を行い、遺伝子型を識別した。方法の詳細を以下に示す。
増幅ヌクレオチド配列領域内に3種類の多型をそれぞれ持つヒトゲノムDNA(AA:ワイルド、AC:ミュータントへテロ、CC:ミュータントホモ)を鋳型として、表1記載のF24プライマーとR22プライマーを用いて、PCR反応にて増幅ヌクレオチド配列を有する二本鎖核酸を増幅した。PCR反応には、ホットスタート式Taqポリメラーゼを5unit、10×PCRバッファーを1×の濃度として、dNTP Mixture(2.5mM each)を終濃度0.25mMとなるよう添加して、反応溶液の全量が40μLとなるよう純水でメスアップした。PCR温調サイクルは、95℃3分間を1サイクル、次に95℃30秒間−58℃30秒間−72℃30秒間を40サイクル、その後72℃5分間とした。次に、得られたPCR産物から18μLを分取し、表1記載の下流側プローブwL25−Ale 594(ワイルド検出用)又はmL25−Ale 594(ミュータント検出用)と、表1記載の上流側プローブR21−Ato488を各々0.5pmol/μLになるように加え、全量を20μLとする光連結反応準備溶液を調製した。また、ネガティブコントロール溶液は、PCR産物の代わりに水で置き換えたものを準備した。
サンプルをLightCycler−350S専用キャピラリに装填し、LightCycler−350Sにて、95℃1分、次いで、20℃/secの速度で40℃まで温度降下し、PCR産物である二本鎖核酸と各種プローブセットとのハイブリダイゼーション反応を促した。その後直ちに、LightCycler−350Sからキャピラリを取り出し、紫外線照射器(オムロン社製、UV−LED)及び紫外線照射コントローラ(オムロン社製、ZUV−H30M)を使用して、キャピラリの外側から内部のサンプル溶液に向けて、室温下で365nmの紫外線を10分間照射した。
上記のサンプル溶液(キャピラリ)を再び、LightCycler−350Sにセットし、95℃にてサンプル溶液のFRET解析を行った。F2(640nm)、F1(530nm)のフィルタで測定した蛍光強度値の比、F2/F1の値を算出した。図41及び図42は、各種プローブセットにおいて検出されたFRET強度比から、ネガティブコントロールのFRET強度比を差し引いた値と、各種ゲノムDNAのタイプとの関係について示した図である。
図41、図42はともに、検出用である下流側プローブとゲノムDNAのタイプが一致する場合(マッチ)には、FRET強度比が高くなり、一致しない場合(ミスマッチ)には、そのFRET強度比は小さくなり、半分のみ一致するヘテロ接合体である場合(ハーフマッチ)では、タイプが一致する場合と一致しない場合の中間のFRET強度比を示した。これらの結果から、本発明の核酸識別方法により、SNP等の遺伝子多型をタイピングし得ることが明らかである。
BHQ2の紫外線耐性、すなわち、BHQ2のクエンチング能力に対する紫外線照射の影響を、経時的に紫外線を照射したBHQ2による、蛍光色素の消光度合いについて解析し、評価した。
具体的には、200μLのマイクロチューブの中に、表1記載の下流側プローブwL25−Ale488又はwL25−Ale594を終濃度が各1pmol/μLになるように、表1記載の上流側プローブR23−BHQ2を終濃度が1pmol/μLになるように、表1の鋳型DNAであるwT50を終濃度が1pmol/μLになるよう加え、10×PCRバッファーを1×の濃度として、dNTP Mixture(2.5mM each)を終濃度0.25mMとなるよう試薬を添加して、反応溶液の全量が40μLとなるよう純水でメスアップした。なお、ポジティブコントロールとして、R23−BHQ2に代えて純水を添加した反応溶液を調製した。
これらのチューブに透明キャップを装着した後、紫外線照射器(オムロン社製、UV−LED)及び紫外線照射コントローラ(オムロン社製、ZUV−H30M)を使用して、透明キャップを通して、365nmの紫外線(強度:約900mW/cm2)を室温下にて、0分、30分間、60分間照射し、各下流側プローブを標識している蛍光色素の蛍光強度を測定した。なお、蛍光強度測定は、リアルタイムPCR7300を用いて行った。
図45及び図46は、各種蛍光色素修飾プローブの紫外線照射後における蛍光強度変化を示した図である。また、図中、「PC」は、紫外線照射0分のポジティブコントロールを示している。
表2の結果から、いずれの蛍光色素であっても、紫外線照射30分間では、BHQ2のクエンチング能力はおよそ13%程度の減衰しか認められなかった。したがって、これらの結果から、少なくとも30分間程度の紫外線照射による光連結反応であれば、BHQ2のクエンチング能力を活かした蛍光検出によるプローブ連結体の検出が可能であることが明らかである。
Claims (57)
- 核酸サンプル中の1又は2以上の標的ヌクレオチド配列を有する核酸を検出する方法であって、
(a)核酸サンプル中の核酸を鋳型とし、1又は2以上の標的ヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列を増幅し得るプライマーを用いて、PCR(polymerase chain reaction)を行うことにより、1種又は2種以上の二本鎖核酸を増幅する工程と、
(b)前記工程(a)において得られた二本鎖核酸を一本鎖化し、一本鎖核酸を得る工程と、
(c)標的ヌクレオチド配列ごとに、下記の(I)〜(III)を充足する上流側プローブ及び下流側プローブを準備する工程と、
(d)前記工程(b)において得られた一本鎖核酸に対して、前記工程(c)において準備した上流側プローブ及び下流側プローブをハイブリダイズさせることにより、一本鎖核酸とプローブとの複合体を形成する工程と、
(e)前記工程(d)により形成された複合体に光を照射する工程と、
(f)前記工程(e)の後に、前記複合体中の一本鎖核酸を、前記上流側プローブ、前記下流側プローブ、及びこれらが連結されたプローブから解離させる工程と、
(g)前記工程(f)の後に、前記工程(e)において連結されたプローブを検出する工程と、
(h)前記工程(g)において、連結されたプローブが検出された場合には、前記核酸サンプル中に前記標的ヌクレオチド配列を有する核酸が含有されており、連結されたプローブが検出されなかった場合には、前記核酸サンプル中に前記標的ヌクレオチド配列を有する核酸が含有されていないと判断する工程と、
を有することを特徴とする、標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法。
(I)標的ヌクレオチド配列を上流側標的ヌクレオチド配列と下流側標的ヌクレオチド配列に2分割し、前記上流側プローブは、前記上流側標的ヌクレオチド配列を有する核酸とハイブリダイズし得るプローブであり、前記下流側プローブは、前記下流側標的ヌクレオチド配列を有する核酸とハイブリダイズし得るプローブであること。
(II)前記上流側プローブ及び前記下流側プローブは、3’末端がPCR阻害物質により修飾されていること。
(III)前記上流側プローブの5’末端及び/又は前記下流側プローブの3’末端が光応答性物質により修飾されていること。 - 前記工程(a)におけるPCRが、多段階PCRであることを特徴とする、請求項1記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法。
- 前記上流側プローブ及び前記下流側プローブが、ヌクレオチド、ヌクレオチドアナログ、及びこれらの修飾体からなる群より選択される1以上がリン酸ジエステル結合により連結したものであることを特徴とする請求項1又は2記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法。
- 前記上流側プローブ及び前記下流側プローブが、ヌクレオチド、ヌクレオチドアナログ、及びこれらの修飾体からなる群より選択される1以上がリン酸ジエステル結合により、6〜100分子連結したものであることを特徴とする請求項1又は2記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法。
- 前記光応答性物質は、光照射によって開裂する共役二重結合部位を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法。
- 前記光応答性物質は、カルボキシビニル基、ビニル基、ベンジルトリアゾールビニル基、フェニルトリアゾールビニル基、メトキシフェニルトリアゾールビニル基、シアノフェニルトリアゾールビニル基、及びナフチルトリアゾールビニル基からなる群より選択される1以上を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法。
- 前記工程(e)において照射される光が、紫外光であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法。
- 前記工程(e)において照射される光が、320〜400nmの波長の光の照射であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法。
- 前記上流側プローブの5’末端が光応答性物質により修飾されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法。
- 前記上流側プローブの5’末端が、カルボキシビニル基により修飾されたヌクレオチド又はヌクレオチドアナログであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法。
- 前記工程(e)において、前記複合体を形成するプローブのTm値以下の温度において光を照射することを特徴とする請求項1〜10のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法。
- 前記工程(e)において、前記複合体を形成するプローブのTm値−5℃以上Tm値以下の温度において光を照射することを特徴とする請求項1〜10のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法。
- 前記上流側プローブの3’末端及び/又は前記下流側プローブの3’末端が、アミノ基により修飾されたヌクレオチド、リン酸基により修飾されたヌクレオチド、及びダイデオキシヌクレオチドからなる群より選択される1であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法。
- 前記上流側プローブの5’末端及び/又は前記下流側プローブの5’末端が、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性阻害物質により修飾されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法。
- 前記上流側プローブの5’末端及び/又は前記下流側プローブの5’末端が、メチル基により2−O−メチル化修飾されたヌクレオチド又はヌクレオチドアナログであることを特徴とする請求項1〜13のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法。
- 前記上流側プローブ及び/又は前記下流側プローブの、5’末端と5’末端から2番目のヌクレオチド又はヌクレオチドアナログを連結するリン酸ジエステル結合中のリン酸基が、ホスホロチオエート化されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法。
- 前記上流側プローブ及び/又は前記下流側プローブが、標識分子により標識されていることを特徴とする請求項1〜16のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法。
- 前記上流側プローブを標識する標識分子と、前記下流側プローブを標識する標識分子とが、異なる種類の発色基分子であり、
前記工程(g)における連結されたプローブの検出が、前記上流側プローブを標識する標識分子と前記下流側プローブを標識する標識分子のうち、いずれか一方をドナー分子とし、他方をアクセプター分子とする蛍光共鳴エネルギー転移による、蛍光の発光又は消光の検出であることを特徴とする請求項17記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法。 - 前記上流側プローブを標識する標識分子と、前記下流側プローブを標識する標識分子とのうち、いずれか一方が発色基分子、他方が発色抑制分子であり、
前記工程(g)における連結されたプローブの検出が、前記発色基分子の消光の検出であることを特徴とする請求項17記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法。 - 前記ドナー分子がAlexa Fluor(登録商標、インビトロジェン社製)488又はATTO 488であり、前記アクセプター分子がAlexa Fluor(登録商標)594又はROX(Carboxy-X-rhodamine)であることを特徴とする請求項18記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法。
- 前記発色基分子がAlexa Fluor(登録商標)488、ATTO 488、Alexa Fluor(登録商標)594、及びROX(Carboxy-X-rhodamine)からなる群より選択される1であり、前記発色抑制分子がBHQ(登録商標、Black hole quencher)−1又はBHQ(登録商標)−2であることを特徴とする請求項19記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法。
- 前記標識分子が、前記上流側プローブ及び/又は前記下流側プローブの、5’末端又は3’末端から19分子以内のヌクレオチド又はヌクレオチドアナログに標識されていることを特徴とする請求項17〜21のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法。
- 前記上流側プローブにおける標識分子により標識されているヌクレオチド又はヌクレオチドアナログから5’末端までの分子数と、前記下流側プローブにおける標識分子により標識されているヌクレオチド又はヌクレオチドアナログから3’末端までの分子数との和が20以下であることを特徴とする請求項17〜21のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法。
- 前記PCRに用いられるプライマーが、ヌクレオチド及びヌクレオチドアナログからなる群より選択される1以上がリン酸ジエステル結合により連結したものであることを特徴とする請求項1〜23のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法。
- 前記PCRに用いられるプライマーが、ヌクレオチド及びヌクレオチドアナログからなる群より選択される1以上がリン酸ジエステル結合により、10〜100分子連結したものであることを特徴とする請求項1〜23のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法。
- 前記工程(b)において、前記工程(a)において得られた二本鎖核酸の一本鎖化を、前記二本鎖核酸に熱エネルギーを加えることにより行うことを特徴とする請求項1〜25のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法。
- 前記工程(b)において、前記工程(a)において得られた二本鎖核酸の一本鎖化を、前記二本鎖核酸を80〜105℃に加熱することにより行うことを特徴とする請求項1〜25のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法。
- 前記工程(b)において、前記工程(a)において得られた二本鎖核酸の一本鎖化を、前記二本鎖核酸に、水酸化ナトリウム、ホルムアルデヒド、及び尿素からなる群より選択される1以上の化学物質を添加することにより行うことを特徴とする請求項1〜25のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法。
- 前記工程(b)において、前記工程(a)において得られた二本鎖核酸の一本鎖化を、前記二本鎖核酸に、標的ヌクレオチド配列を有する一本鎖核酸を添加することにより行うことを特徴とする請求項1〜25のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法。
- 前記工程(f)において、前記複合体を37〜105℃に加熱することにより、一本鎖核酸を、前記上流側プローブ、前記下流側プローブ、及びこれらが連結されたプローブから解離させることを特徴とする請求項1〜29のいずれか記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法。
- 1又は2以上の、標的ヌクレオチド配列を有する核酸を検出するためのプローブのセットであって、
標的ヌクレオチド配列の種類ごとに下記の(I)〜(III)を充足する上流側プローブ及び下流側プローブを有することを特徴とするプローブセット。
(I)標的ヌクレオチド配列を上流側標的ヌクレオチド配列と下流側標的ヌクレオチド配列に2分割し、前記上流側プローブは、前記上流側標的ヌクレオチド配列を有する核酸とハイブリダイズし得るプローブであり、前記下流側プローブは、前記下流側標的ヌクレオチド配列を有する核酸とハイブリダイズし得るプローブであること。
(II)前記上流側プローブ及び前記下流側プローブは、3’末端がPCR阻害物質により修飾されていること。
(III)前記上流側プローブの5’末端及び/又は前記下流側プローブの3’末端が光応答性物質により修飾されていること。 - 前記上流側プローブ及び前記下流側プローブが、ヌクレオチド、ヌクレオチドアナログ、及びこれらの修飾体からなる群より選択される1以上がリン酸ジエステル結合により連結したものであることを特徴とする請求項31記載のプローブセット。
- 前記上流側プローブ及び前記下流側プローブが、ヌクレオチド、ヌクレオチドアナログ、及びこれらの修飾体からなる群より選択される1以上がリン酸ジエステル結合により、6〜100分子連結したものであることを特徴とする請求項31記載のプローブセット。
- 前記光応答性物質は、光反応官能基として、光照射によって開裂する共役二重結合部位を有することを特徴とする請求項31〜33のいずれか記載のプローブセット。
- 前記光応答性物質は、カルボキシビニル基、ビニル基、ベンジルトリアゾールビニル基、フェニルトリアゾールビニル基、メトキシフェニルトリアゾールビニル基、シアノフェニルトリアゾールビニル基、及びナフチルトリアゾールビニル基からなる群より選択される1以上を有することを特徴とする請求項31〜33のいずれか記載のプローブセット。
- 前記上流側プローブの5’末端が光応答性物質により修飾されていることを特徴とする請求項31〜35のいずれか記載のプローブセット。
- 前記上流側プローブの5’末端が、カルボキシビニル基により修飾されたヌクレオチド又はヌクレオチドアナログであることを特徴とする請求項31〜35のいずれか記載のプローブセット。
- 前記上流側プローブの3’末端及び/又は前記下流側プローブの3’末端が、アミノ基により修飾されたヌクレオチド、リン酸基により修飾されたヌクレオチド、及びダイデオキシヌクレオチドからなる群より選択される1であることを特徴とする請求項31〜37のいずれか記載のプローブセット。
- 前記上流側プローブの5’末端又は前記下流側プローブの5’末端が、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性阻害物質により修飾されていることを特徴とする請求項31〜38のいずれか記載のプローブセット。
- 前記上流側プローブの5’末端及び/又は前記下流側プローブの5’末端が、メチル基により2−O−メチル化修飾されたヌクレオチド又はヌクレオチドアナログであることを特徴とする請求項31〜38のいずれか記載のプローブセット。
- 前記上流側プローブ及び/又は前記下流側プローブの、5’末端と5’末端から2番目のヌクレオチド又はヌクレオチドアナログを連結するリン酸ジエステル結合中のリン酸基が、ホスホロチオエート化されていることを特徴とする請求項31〜38のいずれか記載のプローブセット。
- 前記上流側プローブ及び/又は前記下流側プローブが、標識分子により標識されていることを特徴とする請求項31〜41のいずれか記載のプローブセット。
- 前記上流側プローブを標識する標識分子と、前記下流側プローブを標識する標識分子とが、異なる種類の発色基分子であることを特徴とする請求項42記載のプローブセット。
- 前記上流側プローブを標識する標識分子と、前記下流側プローブを標識する標識分子とのうち、いずれか一方が発色基分子、他方が発色抑制分子であることを特徴とする請求項42記載のプローブセット。
- 前記上流側プローブを標識する標識分子と前記下流側プローブを標識する標識分子のいずれか一方がAlexa Fluor(登録商標、インビトロジェン社製)488又はATTO 488であり、他方がAlexa Fluor(登録商標)594又はROX(Carboxy-X-rhodamine)であることを特徴とする請求項43記載のプローブセット。
- 前記発色基分子がAlexa Fluor(登録商標)488、ATTO 488、Alexa Fluor(登録商標)594、及びROX(Carboxy-X-rhodamine)からなる群より選択される1であり、前記発色抑制分子がBHQ(登録商標、Black hole quencher)−1又はBHQ(登録商標)−2であることを特徴とする請求項44記載のプローブセット。
- 前記標識分子が、前記上流側プローブ及び/又は前記下流側プローブの、5’末端又は3’末端から19分子以内のヌクレオチド又はヌクレオチドアナログに標識されていることを特徴とする請求項42〜46のいずれか記載プローブセット。
- 前記上流側プローブにおける標識分子により標識されているヌクレオチド又はヌクレオチドアナログから5’末端までの分子数と、前記下流側プローブにおける標識分子により標識されているヌクレオチド又はヌクレオチドアナログから3’末端までの分子数との和が20以下であることを特徴とする請求項42〜46のいずれか記載プローブセット。
- 標的ヌクレオチド配列に、1又は2以上のヌクレオチドの置換、挿入、又は欠失からなるミスマッチ部位を有する非標的ヌクレオチド配列を有する核酸と、標的ヌクレオチド配列を有する核酸とを識別する方法であって、
(a”)核酸サンプル中の核酸を鋳型とし、標的ヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列を増幅し得るプライマーを用いて、PCRを行うことにより、二本鎖核酸を増幅する工程と、
(b”)前記工程(a”)において得られた二本鎖核酸を一本鎖化し、一本鎖核酸を得る工程と、
(c”)下記の(I)〜(III)を充足する上流側プローブ及び下流側プローブを準備する工程と、
(d”)前記工程(b”)において得られた一本鎖核酸に対して、前記工程(c”)において準備した上流側プローブ及び下流側プローブをハイブリダイズさせることにより、一本鎖核酸とプローブとの複合体を形成する工程と、
(e”)前記工程(d”)により形成された複合体に光を照射する工程と、
(f”)前記工程(e”)の後に、前記複合体中の一本鎖核酸を、前記上流側プローブ、前記下流側プローブ、及びこれらが連結されたプローブから解離させる工程と、
(g”)前記工程(f”)の後に、前記工程(e”)において連結されたプローブを検出する工程と、
(h”)前記工程(g”)において、連結されたプローブが検出された場合には、前記核酸サンプル中に前記標的ヌクレオチド配列を有する核酸が含有されており、連結されたプローブが検出されなかった場合には、前記核酸サンプル中に前記非標的ヌクレオチド配列を有する核酸が含有されていると判断する工程と、
を有することを特徴とする、核酸の識別方法。
(I)標的ヌクレオチド配列を上流側標的ヌクレオチド配列と下流側標的ヌクレオチド配列に2分割し、前記上流側プローブは、前記上流側標的ヌクレオチド配列を有する核酸とハイブリダイズし得るプローブであり、前記下流側プローブは、前記下流側標的ヌクレオチド配列を有する核酸とハイブリダイズし得るプローブであること。
(II)前記上流側プローブ及び前記下流側プローブは、3’末端がPCR阻害物質により修飾されていること。
(III)前記上流側プローブの5’末端及び/又は前記下流側プローブの3’末端が光応答性物質により修飾されていること。 - 前記ミスマッチ部位が、前記上流側標的ヌクレオチド配列の3’末端から10分子以内又は前記下流側標的ヌクレオチド配列の5’末端から10分子以内にあることを特徴とする請求項49記載の核酸の識別方法。
- 前記ミスマッチ部位は、1又は2箇所以上の、1のヌクレオチド又は2以上の連続したヌクレオチドが、置換、挿入、又は欠失していることを特徴とする請求項49又は50記載の核酸の識別方法。
- 前記標的ヌクレオチド配列が遺伝子多型のうちの一多型に相同的なヌクレオチド配列であり、前記非標的ヌクレオチド配列が前記遺伝子多型の他の一多型に相同的なヌクレオチド配列であり、前記ミスマッチ部位が前記遺伝子多型の多型部位であり、前記工程(h”)が、
(h”2)前記工程(g”)において検出された連結されたプローブ量に基づき、前記核酸サンプル中の核酸が、前記標的ヌクレオチド配列を有するアレルのホモ接合体、前記非標的ヌクレオチド配列を有するアレルのホモ接合体、及び前記標的ヌクレオチド配列を有するアレルと前記非標的ヌクレオチド配列を有するアレルのヘテロ接合体のいずれであるかを識別する工程、
であることを特徴とする請求項49〜51のいずれか記載の核酸の識別方法。 - 核酸サンプル中の1又は2以上の標的ヌクレオチド配列を有する核酸を検出する方法であって、
(a’)核酸サンプル中の核酸を鋳型とし、1又は2以上の標的ヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列を増幅し得るプライマーを用いて、非対称PCR(Asymmetrical polymerase chain reaction)を行うことにより、1種又は2種以上の一本鎖核酸を増幅する工程と、
(c’)標的ヌクレオチド配列ごとに、下記の(I)〜(III)を充足する上流側プローブ及び下流側プローブを準備する工程と、
(d’)前記工程(a’)において得られた一本鎖核酸、前記上流側プローブ、及び前記下流側プローブをハイブリダイズさせることにより、一本鎖核酸とプローブとの複合体を形成する工程と、
(e’)前記工程(d’)により形成された複合体に光を照射する工程と、
(f’)前記工程(e’)の後に、前記複合体中の一本鎖核酸を、前記上流側プローブ、前記下流側プローブ、及びこれらが連結されたプローブから解離させる工程と、
(g’)前記工程(f’)の後に、前記工程(e’)において連結されたプローブを検出する工程と、
(h’)前記工程(g’)において、連結されたプローブが検出された場合には、前記核酸サンプル中に前記標的ヌクレオチド配列を有する核酸が含有されており、連結されたプローブが検出されなかった場合には、前記核酸サンプル中に前記標的ヌクレオチド配列を有する核酸が含有されていないと判断する工程と、
を有することを特徴とする、標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法。
(I)標的ヌクレオチド配列を上流側標的ヌクレオチド配列と下流側標的ヌクレオチド配列に2分割し、前記上流側プローブは、前記上流側標的ヌクレオチド配列を有する核酸とハイブリダイズし得るプローブであり、前記下流側プローブは、前記下流側標的ヌクレオチド配列を有する核酸とハイブリダイズし得るプローブであること。
(II)前記上流側プローブ及び前記下流側プローブは、3’末端がPCR阻害物質により修飾されていること。
(III)前記上流側プローブの5’末端及び/又は前記下流側プローブの3’末端が光応答性物質により修飾されていること。 - 前記工程(a’)が、
(a’1)核酸サンプル中の核酸を鋳型とし、1段階又は多段階のPCRを行い、核酸を増幅する工程と、
(a’2)前記工程(a’1)において増幅された核酸を鋳型とし、非対称PCRを行うことにより、1又は2以上の標的ヌクレオチド配列を含む領域が一本鎖核酸である1種又は2種以上の核酸を増幅する工程と、
を有する工程であることを特徴とする請求項53記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法。 - 前記工程(a’)が、
(a’3)核酸サンプル中の核酸を鋳型とし、PCRと非対称PCRを同時に行うことにより、1又は2以上の標的ヌクレオチド配列を含む領域が一本鎖核酸である1種又は2種以上の核酸を増幅する工程、
であることを特徴とする請求項53記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法。 - 前記工程(a’)が、
(a’4)核酸サンプル中の核酸を鋳型とし、1又は2以上の標的ヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列を増幅し得る3種類のプライマーを用いて、PCRを行うことにより、1又は2以上の標的ヌクレオチド配列を含む領域が一本鎖核酸である1種又は2種以上のループ状構造を有する核酸を増幅する工程、
であり、
前記3種類のプライマーが、1又は2以上の標的ヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列の5’側末端領域と相同的なヌクレオチド配列を有するフォワードプライマーと、1又は2以上の標的ヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列の3’側末端領域と相補的なヌクレオチド配列を有するリバースプライマーと、3’末端側に前記フォワードプライマーよりも3’側であって、標的ヌクレオチド配列よりも5’側にある領域と相同的なヌクレオチド配列を有するループ形成用プライマーとであり、
前記ループ形成用プライマーの5’末端には、当該プライマーを起点としてPCRにより伸長されるヌクレオチド配列領域のうち、標的ヌクレオチド配列よりも3’末端側であり、かつ前記リバースプライマーと相補的なヌクレオチド配列よりも5’末端側にあるヌクレオチド配列領域と、ハイブリダイズし得るヌクレオチド配列が付加されていることを特徴とする請求項53記載の標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法。 - 核酸サンプル中の1又は2以上の標的ヌクレオチド配列を有する核酸を検出する方法であって、
(1)標的ヌクレオチド配列ごとに、下記の(I)〜(III)を充足する上流側プローブ及び下流側プローブを準備する工程と、
(2)核酸サンプル中の核酸を鋳型とし、1又は2以上の標的ヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列を増幅し得るプライマーを準備する工程と、
(3)前記核酸サンプル、前記工程(1)において準備した上流側プローブ及び下流側プローブ、前記工程(2)において準備したプライマー、並びに耐熱性DNAポリメラーゼを有する反応溶液を調製する工程と、
(4)前記工程(3)において調製した反応溶液中の二本鎖核酸を、一本鎖核酸に変性させる工程と、
(5)前記工程(4)において得られた一本鎖核酸を鋳型として、前記プライマー用いて、DNAポリメラーゼによる伸長反応を行う工程と、
(6)前記工程(5)の後、反応溶液中の二本鎖核酸を、一本鎖核酸に変性させる工程と、
(7)前記工程(6)において得られた一本鎖核酸に対して、反応溶液中の上流側プローブ及び下流側プローブをハイブリダイズさせることにより、一本鎖核酸とプローブとの複合体を形成する工程と、
(8)前記工程(7)により形成された複合体に光を照射する工程と、
(9)前記工程(8)の後に、前記複合体中の一本鎖核酸を、前記上流側プローブ、前記下流側プローブ、及びこれらが連結されたプローブから解離させる工程と、
(10)前記工程(9)の後に、前記工程(8)において連結されたプローブを検出する工程と、
(11)前記工程(10)の後、前記工程(4)〜(10)を繰り返す工程と、
を有し、
前記工程(10)及び(11)において、連結されたプローブが検出された場合には、前記核酸サンプル中に前記標的ヌクレオチド配列を有する核酸が含有されており、連結されたプローブが検出されなかった場合には、前記核酸サンプル中に前記標的ヌクレオチド配列を有する核酸が含有されていないと判断することを特徴とする、標的ヌクレオチド配列を有する核酸の検出方法。
(I)標的ヌクレオチド配列を上流側標的ヌクレオチド配列と下流側標的ヌクレオチド配列に2分割し、前記上流側プローブは、前記上流側標的ヌクレオチド配列を有する核酸とハイブリダイズし得るプローブであり、前記下流側プローブは、前記下流側標的ヌクレオチド配列を有する核酸とハイブリダイズし得るプローブであること。
(II)前記上流側プローブ及び前記下流側プローブは、3’末端がPCR阻害物質により修飾されていること。
(III)前記上流側プローブの5’末端及び/又は前記下流側プローブの3’末端が光応答性物質により修飾されていること。
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